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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

157embers ◆5WH73DXszU:2019/11/25(月) 06:45:01
【ステップ・トゥ・ルイン(Ⅳ)】

濃霧の海を、魔法機関車は進む――二度目の接敵は、まだ、発生しない。

『帝龍の本陣まで、あと3分くらいってとこね……。そろそろ『幻影(イリュージョン)』のかけ時かな』

『ついに来たか、この時が……!』

「ああ、もうすぐ煌帝龍のマヌケ面が拝めるぞ。その数分後には、負け犬の吠え面も――」

『この俺がバ美肉し、バーチャル美少女クソコテ笑顔きらきら大明神としてデビューする日が!』

「バビ……なんだって?俺が知らない間に流行した用語か?」

『いくぜ野郎共!あの変態代表取締役をまっほまほ(かなり死語)にしてやろうぜ!!』

「ああ、いや、なるほどな。分からなくても問題ない事だと、分かった――」

不意に、列車の天井越しに何かを見上げる――亡者の眼のみに映る何かを。
数秒後に発生する、二度目の接敵を――焼死体は、事前に予期していた。

直後、魔法機関車が、先ほどよりも激しく揺れた/焼死体が咄嗟に少女へ振り返り、左手を翳す。
確かに発生した筈の、時速80キロからの完全停止による反動は――少女を害する事はなかった。

『ボノ! どうしたの!? 何があったの!?』
『先頭車両が何者かによって止められていまス。このままでは発車できませン』
『何者かって……』

少女が鎧戸を開け、顔を外に出す――ホラー映画なら、この後亡くなっていただろう。

『ヒュドラ!』

「――用が済んだら、すぐに首を引っ込めろ。危なっかしくて、心臓が動き出しそうだ」

《このままじゃ危ない、機関車がレールから引きずり降ろされたら終わりだ! 諸君、迎撃を!》

「お前に言われなくても――」

『みんな、手伝って――! 機関車が壊される前に、ヒュドラを仕留める!』
『わかった!おらっ寝てんな焼死体、外に打って出るぞ!』
『捉えられたのは偶然じゃない。もたもたしてっと増援が来るぞ――『サモン・ヤマシタ』!』

「――分かってるさ。俺が一匹受け持つ。さっさと終わらせよう」

『帝龍との戦いのために、スペルカードは可能な限り温存しておかなくちゃならない……。
 みんな、気を付けて! ……いくよ!』

「ああ、行くぞ――フラウ。復帰戦だ」

緊迫した戦況の中――焼死体は笑みを浮かべていた。


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