したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

153ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2019/11/18(月) 20:26:41
目の前の巨体・・・ヒュドラと対峙する。
汽車を止めるだけの巨体とパワー、そして複数の頭。
とても人間では勝てないだろう・・・人間では。

化け物の力がどこまで通用するか・・・試してみよう

『ここからが本当の戦いだ』

ヒュドラは僕と少し距離を取り、こちらを睨みつける。
どうやら僕の事を餌・・・ではなく敵と認識してくれたらしい。

『そうだ・・・それでいい・・・』

今、僕の周りには、死に通じる道が連なっている。
いや、見えてなかっただけで最初からそこにあったのだ。

死の恐怖が僕を包む、始めての感覚だが・・・悪い気分ではなかった。

『うおおおおおお!』

体の痛みが嘘のように素早く走りだす。
左腕は動かないし、正直足だっておぼつかない、でもヒュドラを殺す、死にたくない、死の恐怖をもう少し味わっていたい。
その矛盾した意思が、衝動が、心が、僕の体を普段以上に動かしている。

危険を察知したヒュドラが器用に頭を振り回し、僕を攻撃しようとする。

『甘い!』

向かってきたヒュドラの頭を回避し、その勢いを利用して頭部を切断する。

『悪いね、伊達に化け物・・・なんて呼ばれてたわけじゃないんだ』

ヒュドラは叫び、怯む。
当然その隙を逃さず、僕はヒュドラの体に剣を突き刺し、足場にしながら上っていく。

完全に根元まで上った後はもう、突き刺すだけだった。

急所は当然鱗に覆われておりなかなか突き刺さらない。
弾かれる、突き刺す、ヒュドラが暴れる、突き刺す、弾かれる。

それを繰り返す内に雷刀の効果が蓄積し、ヒュドラの動きが段々鈍くなっていく。

『おら!おら!おら!暴れんじゃねえ!さっさと・・・』

完全にヒュドラが麻痺した瞬間。
連打によってできた鱗の傷から勢いよく、刀が突き刺さった。

『しねええええええええ!』

突き刺さった刀を・・・思いっきりヒュドラの急所を抉るように・・・振り抜いた。

抉られた場所からは噴水のように血が溢れ出す。
最初こそもがき苦しむように暴れていたヒュドラも・・・血があふれ出すのが止まるにつれ・・・動かなくなった。

返り血に塗れ、真っ赤に染め上がった僕は、視界不良とは言わないまでも、迷霧で薄い白みかかった空を見ながら呟く

「あぁ・・・殺すじゃなくて・・・やっつける・・・だったな・・・
 いきなり・・・約束を・・・破って・・・しまったな・・・」

ピコン。

スマホにスキル習得の通知が来ていたが、放心状態の僕の耳には届かなかった。

【明神を庇い負傷するも、ヒュドラ一体撃破
 ジョンがスキル「ブラッドラスト」習得。効果???】


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板