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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

152ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2019/11/18(月) 20:26:09
痛い、痛い、痛い、体中が痛い、口の中が血で一杯だ、吐き出さなきゃ、窒息してしまう。
痛い、痛い、痛い、でも痛みを感じるって事はまだ、僕はまだ生きてるって事だ。
早く、早く、早く、状況を確認しなきゃ、明神は?部長は?今の僕の体はどこにある?

動かそうと思っても左手の感覚がない、なくなったわけじゃない、たぶん骨が・・・。
そんな事きにしてる場合じゃない、右手と・・・両足はまだ動く、とりあえず体を起さなきゃ。

目を開き、体を起し・・・見たものは・・・仲間達・・・ではなく、ヒュドラの体だった。
僕は・・・列車から引き吊り下ろされ、今ヒュドラの足元にいた、部長といっしょに。
恐らくさっきの攻撃は相手への殴打と同時に殴打した敵を引き寄せるための物だったのだろう。

「ヒュー・・・ヒュー・・・」

まだ部長も息がある・・・だが時間の問題だ、いかに自動回復があるとはいえ。
このままなにもしなければ・・・僕がこのまま死ねば・・・部長も・・・死ぬ。

なゆ達を待つにしても場所が悪い、今僕達がいるのは足元だ。
ヒュドラに向かって魔法を打とうものなら足元にいる僕達が巻き込まれるリスクがある。

もし僕達を巻き込まなくても、ヒュドラが倒れた瞬間僕達がその下敷きになる可能性もある。
強引に助けに僕達の所に来れば頭で撃ち落される。

ヒュドラは動かない、僕達にトドメを刺すこともしない。
僕達を足元で生かさず殺さず置いて置いたほうが、自分が有利になると、本能で理解しているから。

・・・なんて惨めなんだろう、人に散々言っておきながら、一番理解していないのは僕だったじゃないか。
命がけの戦争だ、遊びじゃないんだ・・・などと・・・偉そうな事言っておきながら・・・。

「ふふ・・・ふふふ・・・」

今まで、死の恐怖なんて味わった事がなかった、昔銃を向けられた時でさえ、恐怖なんて感じなかった。
さっき兵士達が恐怖を紛らわしていたときでさえ、僕は遠巻きに不思議に思っていた。

初めて死に瀕して分かったのだ、僕は恐怖を感じなかったのではない、知らなかっただけなのだと。

これが笑わずにいられるだろうか。
偉そうに人に向かって殺す、などと口にした自分が、一番殺す、殺されるを理解してなかったのだから!。

「一番ゲーム脳が抜けていないのは・・・僕じゃないか・・・」

ふらふらと立ち上がりながら・・・父から飽きるほど聞かされた言葉を思い出す。

"やり直しができる失敗はしておけ"

そう・・・まだ僕は死んでいない、なら・・・やり直せるはずだ、今からでも。

「雷刀(光)!プレイ!」

刀を召喚する、そして右手でそれを掴み、構える。

それと同時に心に、体に赤いなにかが纏わりついていく。
非常に不愉快だ、不愉快だが、でも今体から感じる激しい痛みに比べれば、心地よいものだ。

視界が赤く染まり、抗い難い破壊衝動に駆られる。

どんな時も冷静であれ、そう・・・父や母は言っていた。
だが・・・どうしてこの状況で冷静でいられようか?冷静で居られない事をだれが責めるというのか!

『アハハハハハハ!』


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