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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
133
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/11/14(木) 21:57:10
「さっきまで雲ひとつない晴天だったというのに、突然の濃霧とは……怪しいアルネ」
「立ち込める霧のせいで、内部にいるドゥーム・リザードどもが混乱している模様です。同士討ちを始める者もいると」
「放っておけアル。どうせいくらでも補充できるものアル、多少目減りしたところで私の懐は痛まないアルネ。
……とはいえ、霧の方は捨てては置けないアル……アルフヘイムの『異邦の魔物使い(ブレイブ)』。
連中が行動を開始したと見るのが自然アル」
豪奢な椅子に腰かけ、長い脚を組んで帝龍が思案する。
「帝龍様、間もなく正午となりますが……」
兵士が恐る恐る報告してくる。
言うまでもなく、『進撃する破壊者(アポリオン・アヴァンツァーレ)』を使う時間が来たということだ。
だが、帝龍は一度かぶりを振った。
「今は『進撃する破壊者(アポリオン・アヴァンツァーレ)』は見送るアル。
奴らが何を企んでいるか分からないアルからネ。もしマホロが中にいたりしたら大変アル。
……いや、連中はむしろそれを当て込んでいる……? くふふ、それなら舐められたものアル。
まぁいいアル、であればこっちもそれ相応の策を練るだけ……アルネ!」
蛇のような面貌にサディスティックな笑みを浮かべると、帝龍は顎をしゃくって兵士に指示した。
「ヒュドラを三体放てアル」
「はっ!」
*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*
《ほしたら、右に3度修正や〜。間違えんといてや〜?》
《右に3度ね……了解、よっこいしょ……っと!》
みのりの指示とバロールの創る虹のレールによって、魔法機関車は快調に進んでゆく。
「帝龍の本陣まで、あと3分くらいってとこね……。そろそろ『幻影(イリュージョン)』のかけ時かな」
客車の中で、なゆたはスマホの画面を覗き込むとスペルカードの一覧を表示させた。
今回の作戦のために、『浄化(ピュリフィケーション)』を『幻影(イリュージョン)』に変更してある。
車両内の人間を全員ユメミマホロの姿に変え、敵本陣の攪乱を図るためだ。
だが。
ガガガァァンッ!!!
またしても機関車が大きく揺れる。が、今度は先程ドゥーム・リザードに張り付かれたときのものとはまるで衝撃の強さが違う。
まるで急ブレーキでもかけたように、魔法機関車は平原の真ん中でストップしてしまった。
「ボノ! どうしたの!? 何があったの!?」
『先頭車両が何者かによって止められていまス。このままでは発車できませン』
「何者かって……」
なゆたは慌てて客車の鎧戸を開け、外に顔を出した。
見れば、巨大なヒュドラが無数の首を魔法機関車に巻き付け、動きを止めている。
ギシギシと鋼鉄の車両が軋む。すさまじい締め付けだ。
「ヒュドラ!」
マホロは簡単に仕留めていたが、それはマスター・レベルの育成を終えたマホロだからこそできる芸当だ。
普通のモンスターでは、単体でヒュドラに立ち向かうことなどできない。
いくら強固な装甲を持っている魔法機関車と言えど、このままではヒュドラの締め付けに破壊されてしまうだろう。
おまけに、ヒュドラは一体ではなかった。
ドガァッ!ドガァァンッ!!
二度、三度と客車が揺れる。見れば、車体に絡みついている一体の他に、もう二体のヒュドラが機関車へ体当たりしている。
これほどガッチリと拘束されてしまっては、もう先ほどのようなループも使えない。なゆたは歯噛みした。
早く片付けなければ、前進はおろか帝龍の本陣に辿り着く前に全滅してしまいかねない。
バロールがスマホから指示を飛ばしてくる。
《このままじゃ危ない、機関車がレールから引きずり降ろされたら終わりだ! 諸君、迎撃を!》
「みんな、手伝って――! 機関車が壊される前に、ヒュドラを仕留める!」
なゆたはマントとフレアミニスカートの裾を翻し、すぐさま客車の連結部分へと駆け出した。
連結部分の扉を開き、外に出ると、備え付けられたハシゴを使って屋根にのぼる。
スマホの召喚画面を開き、すぐに召喚をタップすると、ポヨリンが淡い輝きと共に実体化した。
「帝龍との戦いのために、スペルカードは可能な限り温存しておかなくちゃならない……。
みんな、気を付けて! ……いくよ!」
なゆたの目の前に現れたポヨリンが、やる気満々といった様子でぽよんぽよんと跳ねる。
帝龍、バロール、そしてガザーヴァ。
様々な不安を孕みながらも、戦闘の火蓋は切って落とされた。
【アコライト外郭防衛戦改め帝龍本陣奇襲戦開始。
まずは前哨戦としてヒュドラ三体との戦闘。ユメミマホロと外郭守備隊は車内待機。】
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