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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
129
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/11/14(木) 21:55:22
午前11時を回ると、やがてけたたましい汽笛の音と共に魔法機関車が到着した。
『皆さま、大変お待たせ致しましタ。魔法機関車、アコライト外郭に到着でございまス』
客車の扉が開き、顔を出したボノがいつも通りのアナウンスをする。
これから客が乗り込む魔法機関車だ。アコライト外郭に到着した段階では、誰も客など乗っていない――と、思ったが。
「いやぁ〜、はっはっはっ! 久しぶりのアコライト外郭だなぁ! 結構きれいだね、うん!」
いやに朗らかな笑い声と共に、ひとりの魔術師が機関車の中から姿を現してきた。
膝裏くらいまである、ゆるふわなミルク色の癖っ毛。緊張感のない、それから年齢も感じさせない整った顔。
真っ白いローブに、ローウェルの弟子であることを示すトネリコの杖――
アルメリア王国の宮廷魔術師、『創世の』バロール。
本来キングヒルでみのりと共に『異邦の魔物使い(ブレイブ)』のバックアップをしているはずの男が、なぜかここにいる。
「あれ? バロール? どうしてあなたが?」
「うん、いい質問だモンデンキント君! 今回の作戦には、私も参加しようかと思ってね。
というか、魔法機関車を飛ばすなんて芸当、時間も準備もなしにするなら私も現場に赴くしかなかったのさ。
そんなわけで、今回はよろしく頼むよ! ……と言っても、私が出張るのはここまでだ。
帝龍の相手は君たちに任せるよ」
あくまで魔法機関車を浮かせて帝龍の本陣へ運ぶ要員で、戦闘はノータッチだという。
「……バロール……」
前触れもなく突然現れたバロールの姿を睨みつけ、マホロが警戒心をあらわにする。
その空気と視線を感じ、元魔王はゆっくりと虹色の魔眼をマホロへ向けた。
「久しぶりだね、ユメミマホロ君。キングヒルで君を召喚して以来だ。
連絡がなくとも、アコライト外郭が持ち堪えていたことで君の生存は分かっていたが――
それでも気がかりだったのでね。また元気な顔を見られてよかった」
「そう。……心配かけたわね。
せっかく召喚したのに、思い通りにならない『異邦の魔物使い(ブレイブ)』でごめんなさい?」
「いいさ。その辺りも考慮したうえでの召喚だ。
君はよく頑張ってくれた、期待以上の働きだよ。ありがとう」
敵意を隠そうともしないマホロを相手に、バロールは微笑んで小さく頭を下げた。
「………………」
マホロはそれ以上バロールと会話をしようとはせず、踵を返して兵士たちとの最終打ち合わせに歩いていった。
「ハハ……嫌われてしまったねえ」
バロールはわずかに眉を下げて、困ったように笑った。
昨日の夜、マホロは明神へ確かに言った。『バロールは信用できない』『カザハは敵』と。
それはいったい、何を意味した言葉なのだろうか?
バロールが実はニヴルヘイムと繋がっている?
もう一度アルフヘイムの支配を目論んでいる?
自らの野望の実現のために、人畜無害なふりをして『異邦の魔物使い(ブレイブ)』を操っている――?
>ネーミングが安直すぎんだろ!いやいやないない!あいつ全然キャラ違うじゃん!
昨晩、明神はそう言ってマホロの言葉を退けた。
しかし。
「……そう? あたしは逆に『そのまますぎる』と思った。
お兄さんも『異邦の魔物使い(ブレイブ)』ならわかるはず。幻魔将軍ガザーヴァがどういうキャラだったか――。
あいつは無邪気に悪を成すキャラだった。悪を悪と認識しないまま、死を。破壊を撒く……。
たくさんの、あいつにまつわるイベントが。数えきれないくらい立証してくれてるわ」
歩廊の壁に身を凭れさせ、緩く腕組みしながらマホロはそう言った。
ブレモンのプレイヤーが幻魔将軍ガザーヴァと絡む機会は多い。
ガザーヴァはダークユニサスを駆るその機動性の高さから、魔王バロールの伝令としてアルフヘイム各所を飛び回っていた。
いきおい、プレイヤーともその旅の先々で顔を合わせることになる。
プレイヤーが新たな地域や国に駒を進めるたび、ガザーヴァが先回りしてその地域のボス敵と悪だくみをしているという寸法だ。
ガザーヴァが現れるたび『まーたお前か!』と文句を言うのが、プレイヤーの定番となっている。
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