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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

128崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2019/11/14(木) 21:55:08
作戦決行の当日は、雲ひとつない快晴となった。
これから、この晴天を濃霧によって覆い尽くし、帝龍の本陣を奇襲する。

《お待ちどうさ〜ん。注文の帝龍本陣やけど、だいたいの目星はついたで〜。
 みんながおるアコライト外郭から南南東に約5.6km先に、妙にトカゲが密集しとるポイントがあるんや。
 他に目ぼしいもんはあらへんよって、そこが恐らく本陣や思います〜》

みんなで朝食をとっていると、みのりから連絡が入る。
なんとかすると宣言した通り、確かにみのりは自分の仕事をやり遂げたのだ。サポートとしてこれ以上の働きはないだろう。

>《準備はいいかい? 間もなく魔法機関車がそちらに到着するよ!》
>《帝龍の本陣まではきっちりナビゲートするから任しといてや〜》

バロールも、夜が明けないうちに魔法機関車をアコライト外郭へ送り出したと言う。

>凄い、本当にどうにかなっちゃった……! そりゃどうにかなる前提で作戦組んでたんだけども……!

これで準備は整った。あとは、全員が一丸となって帝龍の本拠地へと殴り込みをかけるだけである。

「……ってことで。いい?エンバース。
 もう一度言うね……魔法機関車にアコライト外郭の兵士全員が乗り込んで、明神さんが『迷霧(ラビリンスミスト)』をかける。
 ローウェルの指輪でブーストをかけた霧は、わたしたちの姿を覆い隠してくれる。
 さらに『幻影(イリュージョン)』で全員がマホたんのスキンをかぶる。
 みのりさんの特定した帝龍の本陣に魔法機関車ごと突っ込んだら、全員で敵陣に散開。
 わたしとあなたとカザハは帝龍の捜索。明神さんとジョンは霧の維持に後方待機。
 マホたんの歌(チャント)で兵士たちにバフをかけて、一気に勝負を決める――」

魔法機関車の到着する予定の線路脇に待機しながら、なゆたはエンバースと作戦の概要を再確認した。
作戦会議の途中で気絶してしまったエンバースと話す時間が、今まで取れなかったのだ。

「今回は、ちょっと無茶しなくちゃいけないかもだから。……ゴメンね、あなたまで付き合わせちゃって。
 でも……叶えてくれるんでしょ? わたしの願い――。
 『だれも死なせずに、この戦いに勝つ』。わたしはそれがしたいの。
 ね。わたしに見せてよ、エンバース。
 みんなで勝ったぞ! 生き残ったぞ! って……この場にいるみんなが笑ってる光景を」
 
姫騎士姿の少女はそう言って目を細め、微かに微笑んだ。

「……頼りにしてるぞ」

白い手袋に包んだ右手を伸ばし、とん、とエンバースの胸元を拳で軽く叩く。

「ところで、あなた何か雰囲気変わったね? 口では説明できないんだけど、なんとなく。
 なんだろー。どうしてだろー。う〜ん?」

なゆたは首を傾げた。
エンバースの属性がいつの間にか変更されていることには気が付いていないらしい。

「きっきき、緊張してきたでござる……」

「なーに、マホたんへの愛があればトカゲの百匹や二百匹! 拙者が瞬コロするでござるよ! そしてマホたんとのフラグが!」

「百匹や二百匹どころか六千匹いるんですがそれは」

「これ絶対死んだwwwwww」

兵士たちも久しぶりの実戦ということで、一様に表情を強張らせている。
懸命にいつも通りなことをアピールし、おどける兵士もいるが、やはり緊張は隠せない。
……全員が鎧姿にドピンクの法被を着ているのだけは変わらないが。ここは譲れないところらしい。

「この作戦で一番大切なのは、みんなの命です。
 帝龍本陣に到着したら、ドゥーム・リザードとの直接戦闘は極力避けて。
 もし戦うことがあったとしても、絶対に三人一組。スリーマンセルで戦うこと。
 必ずとどめを刺すこと。弱点については、今までの動画で教えたわよね?」

「むろん! 『ヒマだからどこまでワンターンキルできるか試してみた』で学習済みでござる!」

マホロも兵士を相手に作戦方針を伝達している。
ドゥーム・リザードは半端にダメージを与えるとバーサークが発動し、凶暴になる。
どうせ戦うならばきっちり息の根を止めなければならない。だが、兵士たちには釈迦に説法といったところか。
戦闘の技量はともかく、全員筋金入りのガチ恋勢だ。


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