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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
116
:
明神
◆9EasXbvg42
:2019/11/11(月) 03:20:44
>「心配しないで、明日の戦いではうまくやるわ。あたしの歌で、みんなに加護を与えましょう。
地球でも、そうやっていろんなレイド級を討伐してきたんだから!」
「へっ、頼もしいね。地球じゃついぞ観られなかった、モンデンキントとユメミマホロの最強タッグだ。
余裕あったら動画撮っといてね、家宝にするから」
マホたんは拳を握って戦意を顕にする。
嘘じゃなかった。なゆたちゃんとのタッグマッチを、間近で観られないのだけが俺の心残りだ。
>「……お兄さん。さっき庇ってくれたお礼と言ってはなんだけど、あたしもひとつ秘密を話すよ。
聞きたがってたでしょ? あたしが、どうしてキングヒルと連絡を絶っていたのか――」
――心残りはもうひとつあった。
昼間はそれどころじゃなくて結局追及できなかったが、
アコライトがずっと音信不通だった件について満足の行く回答は得られてない。
王都と連携が密にとれていれば、アコライトがここまで困窮することはなかったはずだ。
兵站物資も供給出来たし、なんなら兵力の増援だって手配できた。
鉄道網という、高速至便な補給線が確保されているのだから。
俺の問いに、マホたんはふわりと目の前に着地して――笑顔を消した。
>「バロールのことが信用できないからよ」
吹きっ晒しの寒い壁上なのに、じわり、と背筋に汗が吹き出るのを感じた。
マホたんの言葉には、それだけの説得力と、迫真性があった。
>「そう……バロールは信用できない。それが、あたしが長くキングヒルとの交信を断っていた理由よ」
十三階梯の継承者筆頭、『創世の』バロール。
アルフヘイム最強の魔術師にして、"一巡目"で世界を裏切った『元魔王』。
超がつく甘党で、紅茶と薔薇が好きで、メイドには雑に扱われていて――三世界の平穏を望むと誓った男。
裏切り者というプロフィールに着目すれば、そりゃ信用しろって言う方が無茶苦茶だ。
胡散臭いあのイケメンが腹の中で何を考えているのか、結局俺たちには何一つわかりゃしないのだから。
なあなあであいつと協働関係を結んじまった俺たちと違って、マホたんはずっとバロールを警戒していた。
>「あたしは恐ろしかった……あいつがストーリーモードのラスボス、魔王だった存在だからじゃない。
あいつの『今』が、あたしにはどうしようもなく。怖くて仕方なかったのよ……」
……いや。マホたんの不信は、バロールが『元魔王』であることが理由じゃない。
王宮で、王の隣で、ヘラヘラ微笑みながら紅茶を淹れ、甘いスコーンを焼く、あの姿が。
まるで人畜無害なその立ち振舞いが、恐ろしいのだとマホたんは言う。
――逆に俺は、なんであの男のことをあっさり信用しちまったんだ?
理由はある。逼迫したアルフヘイムの現状と、デウスエクスマキナの存在。
真ちゃんの白昼夢からループ説には一定の信ぴょう性があって、バロールの訴える窮状も理解はできた。
ローウェルも死んでない今なら、バロールがアルフヘイムの為に尽力することは、おかしくないと。
そう結論付けたから、あいつの支援を受けて、アルメリアの走狗となることを俺たちは選んだ。
だがそれすらも、魔王の巧みな話術に何らかの洗脳魔法を織り交ぜた、予定調和の意思決定だとしたら。
あいつの言ってることが全部嘘っぱちで、ホントはニブルヘイムや帝龍たちに理があるとしたら。
「……わからねえ。一体何から疑って、何を信じりゃ良いんだ」
結局のところ、俺たちは『クエスト』という指示がなけりゃ動けないから、指示をくれるバロールにおもねったのかも知れない。
元の世界への帰還ってエサをぶら下げられて、ダボハゼみてーに食いついちまっただけなのかも知れない。
バロールと距離をとったマホたんの判断が正しかったのかどうか、今の俺にはわからない。
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