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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
104
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/11/01(金) 20:01:19
「そう……バロールは信用できない。それが、あたしが長くキングヒルとの交信を断っていた理由よ」
カシャ、と甲冑を鳴らし、ユメミマホロは鋭い眼差しと口調で明神に告げた。
「あたしがこのアコライト外郭に配属されたのは、窮地に陥っているこの場所の救援がしたかったという理由の他に――
もうひとつ。『バロールのいるキングヒルから離れたかった』からっていう理由もあったんだ。
あたしは恐ろしかった……あいつがストーリーモードのラスボス、魔王だった存在だからじゃない。
あいつの『今』が、あたしにはどうしようもなく。怖くて仕方なかったのよ……」
マホロの声は震えていた。見れば、微かに肩も震えているのが分かるだろう。
冗談や虚言の類では決してない。マホロは正真、バロールに怯えている。
あの、いつもニコニコ笑顔を絶やさない。うっかり屋で女にだらしなくて、ダメダメな十三階梯の継承者。
『創世の』バロールを――。
「あたしはアルフヘイムへ召喚されてすぐにこのアコライト外郭を訪れ、籠城した。
もしキングヒルと交信を続けていれば、物資は定期的に供給されたでしょう。兵力も、クリスタルも今よりはあったかも。
でも――あたしにはできなかった。
あたしにできたのは、ただ耳をふさいで背中から聞こえてくる声を無視し続けることだけ……。
それも、あなたたちが来て終わりになったけれど、ね」
軽くマホロは肩を竦め、それから小さく息を吐いた。
マホロがこのアコライト外郭の守将として抵抗していたのは、帝龍の軍勢に対してだけではなかった。
背後に存在するキングヒル。その白亜の王宮で玉座の傍らに侍る、鬣の王の相談役。
今やアルフヘイムの存亡を一手に担う宮廷魔術師。十三階梯の継承者の第一位。
あの魔術師に対しても、抵抗を示していたのだ。
「最初は、あなたたちのことも疑っていたのよ? ……でも、すぐに考えを改めた。
あなたたちは、あたしと同じ。信頼できるって分かったから。
お兄さんも、月子先生も、焼死体さんも。ジョンさんも……『異邦の魔物使い(ブレイブ)』として信用できる。
バロールがあなたたちをこの城塞に遣わした本意は分からないけれど……。
少なくとも、あなたたち自体は謀を企んでいないって分かる。
でも――」
そこまで言って、マホロは一度口を噤んだ。
厳然たる眼差しで、明神を見つめる。
ふたりは束の間、沈黙の中で見つめ合った。
「あなたたちがここへ来てから、あたしはずっとみんなの動向を監視してた。
そして……確信を持ったわ。
これから言うことは、酷いことかもしれない。お兄さんを怒らせることかも。
でもね……敢えて言うよ。ジョンさんが、大切なあなたたちを守るために非情な作戦を提案したように。
あたしも。みんなには生き残ってほしいって思うから」
やがて、マホロが口を開く。その声音は強張り、緊張しているのが分かる。
『異邦の魔物使い(ブレイブ)』として、マホロもまた明神たちに共感している。
この世界に召喚され、戦うことを宿命づけられたゲームプレイヤー同士として、シンパシーを感じている。
だからこそ――
「……カザハは。敵よ」
濃い藍色の空の彼方、地平線がゆっくりと白んでゆく。
【作戦は300人のマホロで魔法機関車に乗り込んで帝龍の本陣に奇襲する作戦に決定。
ジョンとなゆた、明神とマホロがそれぞれ夜の歩廊で話すイベント発生。
ポヨリンのカザハへの有効度が10下がる。】
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