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迷宮と女冒険者IF 3

1名も無き冒険者:2021/08/28(土) 02:12:35 ID:YiA.8Qo.
このスレは、あの時こうなっていたらなどのifや既存のロールのもしもを描くスレです。

55山吹 ◆NXDHWWcMxw:2021/10/31(日) 00:52:08 ID:ynkKPLZY
>>51-52

――たぬ吉の店を訪れた山吹は、本性を現した大狸を見上げながら開口一番、目的を告げる

「たぬ吉よ、此度の来訪は二つ目的があってのぅ? 一つは物資の調達、もう一つは……お主の店で武器を扱っておろう?
 儂は一通りの武器は扱える故、そなたが確保しておる武器を見せるのじゃ、質の良いものを頂こう」

「ぐふふ…山吹殿。
実は貴女向けのものがありましてねぇ」

そう言ってたぬ吉が見せたテレビに映るのは、無数の鞭の映像だ
形状、色、長さ、恐らく硬さやしなり具合も全てが違う多種多様の鞭を見て、山吹は感心しながら感想を口にした

「ほぅ? ……これは、鞭、かえ…? 随分とまぁ種類の多い、そして特殊な武器を見せよるものよ
 ……で? これがどう儂向けなのじゃ?」

「これは魔獣の皮や妖獣の毛を束ねて使った鞭でしてね。
丈夫で妖力もうまく流れ、また自在に操ることが可能ですぞ。
まあ……使いこなすにはそれ相応の技術が必要ですがね」

たぬ吉の言葉を信じるのならば、確かに山吹が扱うには丁度いい代物なのかもしれない
基本的に妖術をメインの火力に据えている山吹にとって、武器はあくまでもサブウェポンだ
その為、武器に求められるのはある程度の間合いか、ある程度の火力か、あるいはそれを両立した武器ということになる
その点、これらの鞭はたぬ吉の言葉通りの性能を持つのなら、十分使える武器ではあろう

「なるほどのぅ、技術に関しては何とかなろう、鎖鎌を振るったことがある、鞭もやってやれんことはあるまい
 しかし……問題は質じゃ、すぐ壊れるような安物では、如何に便利でも使い物にならんぞ?」

「無論、そこらにいる雑多な獣如きを素材などにはしませんぞ。
山吹殿にふさわしいのは山吹殿に匹敵する大妖怪のもの!」

「大妖怪、のぅ? ……くくっ、なるほど、そうかそうか、それは殊勝なことじゃな!
 つまりお主自身が素材に立候補する、と……それはさぞかし丈夫な皮が獲れようなぁ?」

そうして素材について突いてみれば、たぬ吉は少し大仰な様子で自慢げに語ってみせる
……その天狗っ鼻を伸ばした顔にイラっとした山吹は、軽く威圧しながら緩い笑みを浮かべて見せた
ただしそれは、笑みを向けられるたぬ吉からすれば、獲物を前にした肉食獣の笑みに等しいものだったのだが……

「いや、わ、私の毛皮ではありませんぞ……
鞭の素材は…山吹殿、貴女!
貴女の象徴とでもいうべき尻尾の毛を束ねて素材にしようと思いますぞ」

「ふむ……確かにそれならば質は問題なく、儂が扱うにあたって最も適した素材と言えような
 だが一つ条件を付けよう、儂の尾の体毛を件の鞭以外に使用すること、罷りならん、そこは確約せよ
 ……とはいえ、まずは先立つものが無くてはのぅ、鞭の話はその後じゃ」

「無論、武器以外には使いませんとも!
そしてお金に関しては、今夜、ちょっとした仕事を請け負ってもらいたいですぞ」

「仕事ぉ? ……ほむ、内容によるが、話を聞こうか」

「これは市内の不動産屋から儂のもとに流れてきた物件でしてな。
解体予定の建物のようだが、どうやら淫魔が住み着いている様子でしてな。
この建物に巣食う淫魔どもをすべて討伐してもらいたい。
無論新たな物資の費用もお支払いいたそう。
報酬の前払い……という形ですな」

56山吹 ◆NXDHWWcMxw:2021/10/31(日) 00:52:18 ID:ynkKPLZY
>>55

「なるほどのう、それはそれは……中々の好条件じゃなぁ? 良いじゃろう、それを受けようか……では――」

(条件自体はまぁいい、しかしコヤツ、少々図に乗っておらぬか? ……少し脅しておくかのぅ)

――にやり、口元にあくどい笑みを浮かべた山吹は、その身の内に秘めた妖力を一斉に解き放つ!
人の身に押し込められていた莫大な妖力が間欠泉の如く吹き出し、山吹の身体を覆い尽くしていく

「ヒッ!!」

ギシギシと音を立てて結界が軋む、室内の温度が冷えたような感覚をたぬ吉に感じさせるほどの圧力が満ちていく
ネズミが猫に見下ろされているかのような絶対的な格の違いがたぬ吉を襲う中、山吹の姿が瞬きの間に変じていた
元は150cm半ばであった身長は一回り程伸びて160cm半ばに、手足はスラリと長く、顔付きも成長している
スタイツは大人顔負けでありながら童顔で幼げな雰囲気を宿す美少女であった美貌は、すっかり大人びて美女そのものという顔付きへ
それに合わせて元々良かったスタイルはますます肉感を増していた
バストに至ってはメートルオーバーであろう圧巻の量感を見せつけ、それでいて垂れることなく衣服を押し上げている
括れを維持した腰はほぼ変わらず細いままで、乳房とお尻との落差がより一層官能的なラインを描いていた
そこから視線を下れば、最早雄を誘う意図を隠しもしないムチムチのお尻がそこにある
雄であるのならば――否、雌であろうとも視線を吸い寄せられる、正しく傾国の美女の姿がそこにあった
しかし、それよりもたぬ吉の視線を吸い寄せたのは他でもない、山吹のお尻から後方に伸びる狐の尻尾だろう
その数、9尾――――かつて山吹が大妖怪として君臨し、人間も妖も纏めて山吹を恐れていた当時の姿……それが、この姿である

「ふふ……どうじゃ、懐かしい姿じゃろう…? ほれ、これだけ尻尾を増やせば十分な量の体毛が取れようなぁ?
 早う始めるのじゃ……なぁに、取って食いはせんとも……くふふっ♪」

「は、はい……採取させていただきます。
山吹…様……」

多少は加減しているが、それでも結界を軋ませるほどの妖力、威圧感はたぬ吉を委縮させている
それに楽し気な笑みを零しながら、山吹は9尾となった尻尾を揺らす
たぬ吉から感じる畏れの感情、それを心地良く思いながら、伸びてきた粘液状の触手に尻尾を絡み取られ――ピクンッ、と山吹の身体が震えた

「……っ、んぅ❤ ふ、っ…………っ❤」

(こ、これ、は……っ、う…♥ 巧い……妙に、的確に….じゃが、それだけではない……っ❤
 尻尾が、いやに敏感で……っっ♥ ぜ、全身敏感になったとは、思っておったが……尻尾まで、じゃったか……く、ぅ…!❤)

粘液状の身体を活かし、染み入るように、かつ念入りに絡みつき、それでいて一切の苦痛を取り除いた快感のみを与えてくる触手達
9本もの尾に絡みつく触手がそれぞれ独立した動きを見せつけ、それぞれ違った快感が山吹の腰を甘く震わせる
余裕の笑みはぎこちなく固まり、弧を描いていた口元はキュッと引き結ばれる
頬は紅潮し始めて、眉根が寄り、零れる吐息が甘みを帯びる
恐れ戦き、委縮していたたぬ吉もやがて気付くだろう、山吹が快感に打ち震え、必死に堪えているのだと――

「グフフ……流石は山吹殿の尻尾。
美しい毛並みと触り心地だ。
ほれ…ほれ!すごく良いですぞ」

「んぅっ!?♥♥ 貴、様っ、調子、にぃっ♥♥♥ っく、ふぁ……んんっ!?❤❤❤」

――それに気付かれてからは、たぬ吉の表情が凄まじい勢いで緩んでいく
たぬ吉からすれば恐怖の象徴である9尾の山吹が、自身の手で快楽に身悶えているその姿は、どんな美食や酒精よりも甘美なものであった
絡みつく触手にピクピクと震え、声を出さないように必死に耐え、顔を赤くして汗を流す極上の美女
それも、やろうと思えば容易く自分の命を奪える絶対的な上位者が、自分の手で快楽に悶えているという事実は……麻薬が如き陶酔感を齎していた

「ふ、っく、ぅ…!?♥♥♥ んぅっ!?♥♥♥ っ……!!?❤❤❤❤」

「グフフフフフ、これなら充分……
この量の毛ならば山吹殿にピッタリの鞭を作れますぞ」

(こやつ……っ❤❤❤ っく、おの、れぇ……!❤❤)

――長い様で短く、短い様で長い時間が流れた
触手は山吹の尻尾を余すところなく味わい尽くし、それが生み出す快楽に山吹は顔を真っ赤にして耐え忍ぶ
唇は声を漏らすまいと強く引き結ばれ、赤い顔は汗に塗れ、瞳は潤んで切なげな印象を感じさせ……
それでも大妖怪の矜持故か、決定的な喘ぎ声を終始零すことなく、その瞳はたぬ吉を睨み付けていた
それは山吹の身体から妖力が枯渇するまで続き……やがて一本ずつ尻尾が消え、身体が縮み、元の少女としての姿へ戻っていく
それを惜しむように、無数の触手は残された一尾に集まり、ギュッと強く絡みつく
それに眩暈を感じるほどの快楽を覚えながら……山吹は怒りと悔しさを前面に押し出し、快楽に弱った心を覆い隠して……


【おまたせしたのじゃ〜】
【今後儂がキツイ態度を取っても、たぬ吉は(でもそんな山吹殿が尻尾を弄られて悶えていたんだよなぁ)となってしまう】
【むむむ……何時かどこかでガツンとやってやらねば】

57クリム ◆NXDHWWcMxw:2021/10/31(日) 00:53:52 ID:ynkKPLZY
>>53-54

―――― 一方その頃、山吹不在の神社では一人の少女がイライラとした雰囲気を漂わせていた
名をクリエムヒルト=ヴィクトリエ=ルカージュ、愛称はクリム
年齢は若いように見えるその容姿は、日本人とは違う西欧風の容貌で、くっきりとした眼鼻が印象的だ
肌は透き通るように白く、染み一つ無い肌理細やかなもの
その眦は機嫌の悪さ故か吊り上がっているが、それでも過剰な恐ろしさを感じさせないあたり、性根の優しさがにじみ出ているのだろう
少女の長い髪は日の光を受けてキラキラと輝くような金髪で、青い瞳と合わせて異国情緒が溢れている
身長は150半ばほど、明らかに成人してはいない容姿であること、そして高いとは言えない身長を考えれば、そのスタイルの良さが明らかに目を惹く
山吹程ではないが、十分に肉感的なその胸は十分なほどの巨乳であり、おそらくGカップは下るまい
腰は見事なまでに括れていて、腰の位置の高さは日本人とは違う外国人らしい足の長さを見せつけていた
しかし彼女を語るうえで最も目を惹くのは、間違いなくその美尻だろう
ともすれば乳房を上回っているであろう肉付きのお尻は、スカートに隠されていながらもそのむっちりとした肉付きを隠し切れない
そんな豊満な肢体を包む白の半袖ブラウスと、膝丈の黒いプリーツスカート、脚を包む清楚な白いソックスが目に眩しい
容姿や衣装の落ち着いた雰囲気は、良いところのお嬢様であるかのようで……
全体的に肉付きが良く、非情に整った容姿は誰もが振り返り目を惹かれる極上の美少女であることは間違いなく
だがそんな美貌も、イライラとした雰囲気が合わされば……美貌が故に逆に威圧感が凄まじいことになっている

「タイミングが悪いですわね……先生から連絡は届いているはずですのに……もうっ」

先生……風間悠美に紹介され山吹の元を訪れたクリムは、いるはずの人がいない神社でやり場のない怒りを感じていた
神社の様子を見るに、恐らく山吹も少し買い物か何かで席を外しているだけなのだろう
家主のいない家に勝手に踏み入るのは、仮にも淑女の自負を持つクリムには取れない選択肢だ
ならばここで待つ……というのも、少し厳しい
苛立たし気にコツコツと石畳を踏みしめ、クリムはパタパタと掌で扇ぎ、風を顔に送る
そんな気休めを行いたくなるほどに、この街は妙に蒸し暑いのだ
元々日本という島国は湿度が高めで、西欧とは質が違う暑さは外国人には厳しいものだ
汗っかきなクリムの身体は、この神社にやって来るまでの移動だけで既に汗だくであり、全身がしっとりと濡れてしまっている
衣服は張り付き、ベタベタと張り付くような肌の感覚が非常に不快で、それがイライラに拍車をかける

「……ふふっ、でも、こんなにも暑いから彼と出会えたのも……この国では、縁、でしたか?
 そう言うんですわよね、なら……まぁ、多少は許せるというものですわ」

この暑さは不快極まるものだが、決してそれだけではなかった
この神社に向かう途中に出会った、可愛らしい少年を思い出しながら……クリムは柔らかな笑みを浮かべていた――――


……
………

「あ、あの…大丈夫ですか?」

日本のバスや電車は、異常なほどに時間に正確だ
路線図も実に分かりやすく、きちんと調べれば目的地までたどり着くことは容易い
けれどそれはあくまでも人の往来の激しさが故に、必要だから発展したということ
都心からは遠く離れていけばいくほど、余所からやってきた人間に対する親切心は薄れていく
駅から出て、先生に教わった神社の近くまで向かうバス停を探していたクリムは、ほとほと困り果てていた
バス停がわからない、普通は駅前にあるだろうそれは何故か見当たらず……地図も無く、仕方なしにキョロキョロと探し回る羽目になったのだ
そんな折に投げかけられた声に、クリムは振り向き……そこに居た幼げな少年に、視線を向ける
クリムからすれば日本人はどうにも幼く見える、先生である悠美にしても実年齢よりもずっと若く見えたのだ
目の前にいる少年は身長も低く、日本人らしい童顔も相まって殊更幼いように思えた
クリム自身の実年齢を考えればはるか年下であることは間違いないが……自身の容姿が人間基準でも未成年でしかないことを自覚している
そんな自分よりも幼い見た目の少年は、クリムと視線が合った瞬間から固まっている
……クリムからすれば、よくあることだ
外国人が珍しい、種族故に優れた美貌を持つクリムに見惚れている、そんなところだろうと当たりを付けた

「え、えーっと…その……、なんか困っていることでも?」

「ええ、バス停を探しているのですが、見当たらなくて……貴方はご存知かしら?
 迷惑でなければ、教えていただきたいのですけれど」

「ああ…そのバス停ならあそこ……そこまで案内しますね」

(珍しい……私を見て善意だけで行動しているなんて、この子は随分と良い子なのね)

58クリム ◆NXDHWWcMxw:2021/10/31(日) 00:54:06 ID:ynkKPLZY
>>57

――クリムはハーフヴァンパイアであり、人の血を吸う、ある意味人に寄生する生き物だ
それ故か種族的に容姿に優れたものが多く、それは時に人の欲望を刺激してしまう
容貌だけでなく、女性的な魅力にあふれる肢体はどうしても男の欲望を煽ってしまうもので……
これまでクリムはそう言った視線や雰囲気を何度も浴びせられてきたのだ
だからこそそう言った邪念を感じさせない少年の雰囲気に、胸が温かくなるような感覚を覚える

「ふふ、ええ、エスコートをお願いしますわね――――」

……一般人、かつ見るからに幼げな少年を、クリムは自分が容姿に合わせて14歳と名乗っている自分よりも若い少年だと判断した
そんな少年に導かれ、バス停までの道を歩みながら……当たり障りのない、間を持たせるための会話を幾つか投げかける
そんな最中、ふと互いに名乗っていないことに気付き、自己紹介が始まる

「あ!僕の名前は晴暁って言います。
瀬田晴暁です。
あ、あの…貴女のお名前は……」

「そう、セタ……いえ、日本ではファミリーネームが前に来るのでしたわね?
 私はクリエムヒルト=ヴィクトリエ=ルカージュ、短い間かも知れませんが、よろしくお願いいたしますわ」

「よろしくです、ルカージュさん」

「……ふふっ♪ クリム、でよろしいですわよ? 日本人には呼びにくいでしょうから、愛称で呼ぶことを許しますわ
 その代わり、私もあなたを愛称で呼びます……そうね、ハル、と呼ばせて頂いても?」

「……え、えっとクリエムヒルトさん?」

「……むぅ」

「ク、クリムさん?」

「ええ、それで結構……それでは、道案内の続きをよろしく頼みますわよ、ハル」

偉大な両親の名付けてくれた名前はクリムにとって大切なものだが、しかし日本人には馴染みがない呼びにくいものであるらしい
悠美との共同生活でもそれを実感していたクリムは、愛称で呼ぶことを少年に求める
その代わりに自分も少年をハルと呼び……戸惑う少年にクスクスと笑いかけながら、幾度か訂正させてクリムと呼ばせることに成功する
その後も会話は弾み、彼の話を聞いていると……タイミングが悪く、あるいはタイミング良く、バスが到着したのだった

「それでは気をつけて……クリエ…ク、クリムさん」

「ええ、貴方もお気をつけて、ハル」

にこやかに笑みを浮かべ、お嬢様然とした静かな足取りでバスに乗り込んだクリムは、座席に腰掛けて窓の外のハルに小さく手を振る
爽やかな春風のような、心地良い少年とのやり取り――それはクリムにとって、思わず微笑んでしまう温かな思い出となった

………
……


「……ここで待ち続けるのも、ちょっと……街に出てみようかしら、時間を潰せば帰ってきますわよね?」

そんな事を思い返しながら、クリムは神社に背を向けて来た道を戻り始める
流石に家主不在の家に入り込むような礼儀知らずな真似は出来ないし、するつもりもない
ならばせめて、これから過ごすことになるであろう街を散策し、地理を把握しておくのも悪くない
そう考えて、クリムは踵を返したのだった……


【こちらもお待たせしたのじゃー】
【クリムちゃんのイメージは儂の中ではこんな感じ】
【今現在はまだ特に親しくもないから、猫を被っておるようなものじゃな】
【親密度が上がるとツンツンし始めるのじゃ】


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