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カオスロワ避難所スレ2

1混沌な名無しさん:2013/09/05(木) 20:26:58 ID:XVx2BHo60
こちらは投下スレです。

326深まる結束と新たな出会い:2014/02/06(木) 23:52:46 ID:LiADd8lI0
【一日目・19時55分/新潟県】

【八神はやて@魔法戦記リリカルなのはForce】
【状態】健康、タヌキはやて、
【装備】シュベルトクロイツ@魔法少女リリカルなのは、
タヌキスーツ@スーパーマリオシリーズ
【道具】基本支給品一式、夜天の書@魔法少女リリカルなのは
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ブリーフ博士達と接触
2:殺し合いを打破するため仲間を集める
3:大陸沈没の謎を探る
4:死んだ仲間(フェイト)や赤い翼のMSのパイロットの為にも主催を倒す
5:それにしてもこのスーツ、実に馴染むで!
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※九州ロボが1,2日後に墜落する事を知りました。
※PSP版の技も使えます。

【二ッ岩マミゾウ@東方project】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、ギンガスパーク@ウルトラマンギンガ、
スパークドールズ(ザラブ星人、ババルウ星人、ダークガルベロス)
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ブリーフ博士達と接触
2:殺し合いを打破するため仲間を集める
3:大陸沈没の謎を探る
4:そういえば、TC計測値とは一体……
※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません)
※九州ロボが1,2日後に墜落する事を知りました。

【ウルトラマンタロウ(SD)@ウルトラマンギンガ】
【状態】健康、スパークドールズ状態、マミゾウのデイパックの中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ブリーフ博士達と接触
2:殺し合いを止めるため仲間を集める



【ブリーフ博士@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式 、不明支給品
【思考】基本:対主催
1:はやて達と接触

【殺生丸@犬夜叉】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式 、不明支給品
【思考】基本:対主催
1:はやて達と接触

327覚醒:2014/02/07(金) 01:46:44 ID:shKzoDQU0
 ジバン達は、都庁の軍勢よりも派手に暴れまわっているDMC狂信者に目標を変更してビックサイトに向かう途中、マーダーのグループを発見した。
ロボットモードの肩部ミサイルポッドの一斉掃射でモブキャラ達を虐殺するビッグコンボイに、その攻撃からどうにか生き延びた男に冷凍ガスを浴びせるマンモス怪人。
ビッグ・タスク・ドリルで赤毛の男の心臓を貫くマンモスマンに、マグロで彼等を釣って参加者の殺害を命じて自分の手を汚さずに生き残ろうとするオツベル。
ジバン達がそんな奴等を見逃す訳がなく、戦闘が始まったのだ。

「対バイオロン法第9条、機動刑事ジバンは、あらゆる生命体の平和を破壊する者を、自らの判断で抹殺することができる!」
「迂闊だな、ビッグキャノン……何!?」

 ジバンの前口上の間にビッグキャノンの発射準備を終え、それを発射しようとしたビッグコンボイだが、ビッグキャノンはいきなりペラペラの紙みたいになってしまっていた。
空蝉丸が、戦闘開始直前にぷちどる達から受け取っていた3つの獣電池のうちの一つ“トペランダ”の力でビッグキャノンをペラペラにしたのだ。

「だが、惜しかったな」

 ビッグコンボイはそのまま脚部に内蔵されたマンモスハーケンを発射した。
2発のマンモスハーケンを身体で受け止めたのは、まこちーのモンスターボールから出てきたダゲキと、ちひゃーのデイパックから飛び出した大盾忍だった。
彼等は主の命令を待たず、主とその仲間を護る為にその命を散らしたのだ。
その死に報いるべく闘志を燃やし、ジバン、キルコ、空蝉丸は駆け出した。

「ろ、六人に、分身しただと!?」
「馬鹿な……ゴルゴム最強の怪人が……こんな小娘に……」
「攻撃が、当たらない……だと……!?」

 変身せずにフタバインの獣電池を使って6人に分身した空蝉丸が、マンモスマンを圧倒する。
トンファーブレイドを振るうキルコが、マンモス怪人に一方的に手傷を負わせる。
マンモストンファーによる攻撃をかわしつつ、ジバンが次々とビッグコンボイにダメージを与えていく
そして、弱った相手に、3人が止めの一撃を放つ。

「これで、止めでござる!!」
「キルコストーム!!」
「エネルギーチャージ、オートデリンガー・ファイナルキャノン!!」

 空蝉丸とその分身達による六連続の斬撃が、マンモスマンを切り刻む。
キルコの起こした竜巻が、マンモス怪人を飲み込んで爆散させる。
ジバンの必殺の砲撃が、ビッグコンボイを貫き、彼を撃破する。
その光景と絶望的な状況にオツベルは呆然と佇み、上から振ってきたものに潰された。

「かっかー!」

 それは、何故か巨大化したはるかさんだった。
それに気づいたちひゃーとまこちーが彼女に駆け寄り、はるかさんの右腕がちひゃーを押し潰した。
一瞬にして場の空気が凍りつき、それに構わずはるかさんはまこちーを潰そうとする。
しかし、空蝉丸がとっさにプクプトルの獣電池を使い、まこちーを風船みたいに膨らませて攻撃を防がせた。
そして、弾性力によって跳ねながらジバン達の元に帰ってきて元の姿に戻ったが、その間にはるかさんにも変化が訪れていた。

「アハハハハ……」

 はるかさんのリボンの形状が変化し、顔の上半分が影に覆われ、目が怪しく光り出す……暗黒化とよばれる状態になっていたのだ。
実はこのはるかさん、戦闘中にこっそり新型ナノマシン入りの水を飲んでおり、テラカオス化が一気に進行。
身体能力が大幅に上昇し、巨大化や分裂を自分の意志で制御する能力を手に入れ、ついには暗黒化したのだ。

328覚醒:2014/02/07(金) 01:47:12 ID:shKzoDQU0
【一日目・20時15分/東京都・中央区】


【田村直人@機動刑事ジバン】
【状態】健康、強い決意、機動刑事ジバンに変身中
【装備】マクシミリアン、電子手帳、パワーブレイカー、ニードリッカー、オートデリンガー
【道具】支給品一式、ダイダロス
【思考】基本:野田総理を倒して殺し合いを止める
1:これは、どういう事だ!?
2:まゆみちゃんは無事だろうか……
3:東京都庁は後回しにしてビッグサイトに向かう
4:野田総理の本拠地を探す
5:黒幕はバイオロンではなかったが、ためらわず戦う

【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
【状態】健康
【装備】トンファーブレイド
【道具】支給品一式
【思考】基本:野田総理を成敗して殺し合いを止める
1:ジバンさんやウッチーさん達と協力して悪党を成敗する
2:ちひゃーちゃん……どうしてこんな事に……!?
3:東京都庁の魔物も気になるが、まずはより多くの被害を出してそうなDMC狂信者を成敗する
4:野田総理の本拠地を探す
5:ハル先輩達、無事かなぁ?

【空蝉丸@獣電戦隊キョウリュウジャー】
【状態】健康
【装備】ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー
【道具】支給品一式、獣電池(プテラゴードン×6)、使用済み獣電池(トペランダ、プクプトル、フタバイン)モンスターボール(プテラ)
【思考】基本:野田総理を倒して殺し合いを止める
1:ジバン達に同行する
2:何故はるかさんが!?
3:ビッグサイトに向かう
4:野田総理の本拠地を探す(九州が怪しいと睨んでいる)
5:キング殿達と合流したい

【まこちー@ぷちます!】
【状態】健康、深い悲しみ
【装備】きあいのタスキ
【道具】支給品一式
【思考】基本:まきょー
1:空蝉丸達と行動する
2:真とちひゃー765プロの面々の死に深い悲しみ
3:はるかさんの豹変にショックを受けた
4:襲われたら全力で戦う

【はるかさん@ぷちます!】
【状態】健康、日光を克服、テラカオス化進行中、新型ナノマシン服用、巨大化、暗黒化
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:アハハハハ……
1:とりあえず殺す
2:おなかがすきました
※テラカオス化の進行により、巨大化と分裂を自分の意志で行えるようになりました。

【モブキャラ@いろいろな作品 死亡確認】
死因:爆殺

【アミバ@北斗の拳 死亡確認】
死因:凍死

【マグニスさま@テイルズオブシンフォニア 死亡確認】
死因:刺殺

【マンモスマン@キン肉マン 死亡確認】
死因:斬殺

【マンモス怪人@仮面ライダーBLACK 死亡確認】
死因:キルコストーム

【ビッグコンボイ@ビーストウォーズネオ 死亡確認】
死因:オートデリンガー・ファイナルキャノン

【オツベル@オツベルと象 死亡確認】
【ちひゃー@ぷちます! 死亡確認】
死因:圧殺

329異次元から来た怪物を倒せ:2014/02/07(金) 12:45:23 ID:zj00i0h.O
岡山県では、異次元よりノトーリアスDECOが現れ、その存在を危険視した周囲の有力な参加者達が協力して討伐を試みていた。
しかし、ノトーリアスDECO討伐隊のブロントさんが力尽きて踏み潰された為、戦線は崩壊し、流れは一気に傾いた。
バグラモンが体液で溶かされ、マルクが触手に貫かれ、デッキを使い果たした遊戯が喰いちぎられ、エンペラ星人までもがDECOビームの前に倒れた。
しかし、ノトーリアスDECOが受けたダメージも大きく、動きはかなり鈍っていた。
そこで動いたのはノトーリアスDECO討伐隊最後の一人にして最大の切り札、女神イシターだ。
彼女は全ての力を解き放ち、呪いに近い力を源とするノトーリアスDECOを浄化しようとしたのだ。
そして、女神イシターの命と引き換えにノトーリアスDECOは浄化され、消滅した。

【一日目・17時01分/日本・岡山県】

【ブロントさん@ファイナルファンタジーXI 死亡確認】
【バグラモン@デジモンクロスウォーズ 死亡確認】
【マルク@星のカービィシリーズ 死亡確認】
【武藤遊戯@遊戯王 死亡確認】
【エンペラ星人@ウルトラマンメビウス 死亡確認】
【女神イシター@ザ・ナイトメア・オブ・ドルアーガ 不思議のダンジョン 死亡確認】
【ノトーリアスDECO@カオスロワ7期 消滅確認】

330TCBR10第3回放送:2014/02/09(日) 15:07:50 ID:b.rniMs.0
ピーンポーンパーンポーン♪

午後9時、バトルロワイアル開始から三度目の定時放送が日本中に響き渡る。
アナウンスを勤めるのは野田総理に代わりダース・ベイダーである。

「幹部のダース・ベイダーだ。
そしてこれから始めるのは定時放送だ。
では死者を読み上げる。

ブロリー、キョン、佐々木、五十嵐まゆみ、三村マサカズ、大竹一樹、ランピー、クロ、天の邪鬼、のび太のパパ、碇ゲンドウ、
鳴滝、オ○マ、コンボイ司令官、名もない新潟県民×10、大勢のモブキャラ×10、ジャギ、ジャギ、シャマル、ドラキー、
メットールV2、地雷蜘蛛、イシツブテ、ヒカりん、クリーパー、骸音シーエ、ファイアバー、黒谷ヤマメ、巨大ネバルー、
動く石像、みみず、おけら、あめんぼ、怪傑ズバット、ブルりん、タケシ、タケシ、策士・諸葛亮孔明、うさみちゃん、ホッシー、
雨生龍之介、素晴らしきヒィッツカラルド、直系の怒鬼、白昼の残月、激動のカワラザキ、眩惑のセルバンテス、命の鐘の十常寺、
大山デカオ、混世魔王・樊瑞、暮れなずむ幽鬼、クルル曹長、平沢唯、泉こなた、にゃんぱいあ、藤崎佑助、ニホンザル、
涼宮ハルヒ、ゴルゴ13、ハスラーワン、IA、キャスパー・ヘクマティアル、バット星人グラシエ、ギャバンブートレグ、
福岡ドームで奴隷にされていた参加者達、シン・アスカ、オーク、ランポス、イャンクック、野比セワシ、マスク・ザ・レッド、
ルーク・スカイウォーカー、DR、万玖波海、北島○介、ポッチャマ、テラ、ヒソカ、海馬瀬人、怪盗キッド、夜神月、
ラインハルト・ハイドリヒ、VIPPER、ドン・観音寺、亞北ネル、スギちゃん、小野妹子、織田敏憲、食蜂操祈、ミラボレアス、
長門有希、未知やすえ、阿倍高和、小嶋元太、山崎烝、ヤザン・ゲーブル、江ノ島盾子、峰岸あやの、その周辺にいた参加者×多数、
根岸崇一、立花響、浜田雅功、グルド、じーさん、孫、リュウ、野比玉子、黄金バット、やらない夫、OVER、戸愚呂兄、ガメラ、
ホメ春香、マスターチーフ、阿紫花英良、きれいなジャイアン、佐倉杏子、高町ヴィヴィオ、葵・トーリ、南部康雄、
コンドルのジョー、ギャオス、斉木楠子、福田康夫、高木社長、ミスティア・ローレライ、野田総理、ゴゴ、松実玄、ベン、
グンマーの民、戸愚呂弟、ところ天の助、ユニコルクス、ヒルゲリラ、蜘蛛男、シードラゴン、ガマギラー、蜂女、ショッカー戦闘員、
死神博士、混沌の騎士、KBSトリオ、間桐雁夜、インセクター羽蛾、間桐桜、ヴァイジャヤ、中邑真輔、佐治雪哉、範馬勇次郎、
多田野数人、博麗霊夢、根来忍、疾風のゲハ、ルシ腐ェル、タケシ、ザフィーラ、キバ、兜甲児、原監督、野比玉子、柊つかさ、
ユニクロン、ガーゴイル、しまっちゃうおじさん、田中、老賢者、692、オタチ、サキエル、ザ・テリーマン、J、アイアンハイド、
山城上総、ミゲル・アイマン、泉研、パルシェン、エリートトレーナー♂、カール・フリードリヒ・ガウス、◆02GOODMe2、
鏡音レン、柊かがみ、草加雅人、脳噛ネウロ、アーカード、赤屍蔵人、テラカス、モブキャラ、アミバ、マグニスさま、マンモスマン、
マンモス怪人、ビッグコンボイ、オツベル、ちひゃー、ブロントさん、バグラモン、マルク、武藤遊戯、エンペラ星人、女神イシター、
ノトーリアスDECO

次は禁止エリアについて発表する。
中国地方全てを10時より禁止エリアとする。
禁止エリアについては、以上だ。
これにて放送を終わりとする」

【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:他の幹部と今後について話し合う
3:九州ロボのマキナ化が待ち遠しい

331混沌な名無しさん:2014/02/09(日) 16:51:10 ID:gIRdJdhQO
放送を聴き、知り合いの名前を呼ばれなかったのに、安心した一人の男が持病の悪化で倒れた。
カオスロワによって病院の機能が停止した今、怪我は兎も角病気の治療なんて出来る訳がなかった。

【一日目・21時05分/日本・新潟県】

【北岡秀一@仮面ライダー龍騎 死亡確認】

332魔女のハートを奮わせろ!:2014/02/10(月) 00:58:24 ID:NExCvSxQ0
 フレクザィードとカヲルを仲間にした熱気バサラ達は、グンマーの上空でグンマーの民を弔う為の歌を歌っていた。
第三回放送時に丁度グンマーの上空にいた彼等は、偉大なる赤竜からグンマーの民の事を(バサラはカヲルによる通訳で)知っており、此処に居ない赤竜の仲間の分も弔う事にしたのだ。
そして、歌い終えた彼等が見たのは、グンマー付近にある都市がそれまで全く予兆が無かったのにも拘らず、嵐に包まれている光景だった。

 群馬県見滝原市では、ワルプルギスの夜が出現して嵐が吹き荒れていた。
その圧倒的な力はビルを次々と破壊していき、死亡リストにも載らないようなモブ参加者を殺していき、今また銃を持った女性が飛んできた瓦礫に潰された。
それと戦うはずだった魔法少女も不在という状況の中、バサラ達が駆け付けた。

「何て絶望に満ちた魂なんだ……バサラ、思いっきり歌うんだ」
「ああ、嵐の中でも、俺の歌を聴け!!」

 それに合わせて守りは任せろとばかりに二体の火竜が咆哮を上げ、バサラのギターと道中で調達したカヲルのキーボードが鳴り響く。
狂った笑い声を上げる強大な魔女と使い魔を客とした、バサラのコンサートの始まりだ。

「SOMEDAY 星に変わる ハートと引き換えに」

 嵐の中でもはっきりと聞こえるバサラの歌が始まった。
フレクザィードの支給品だった歌エネルギー変換システムを装備したバサラは、それにより赤い光を放っていた。

「深い 闇の向こう いかせてくれ」

 歌を聴いたワルプルギスの夜の笑い声が収まっていく。
しかし、そこからの展開は今回は今までとは違った。

「ないものねだりだって 構わないから」

 ワルプルギスの夜の使い魔が消えていき、ワルプルギスの夜自身も苦しみ始めたのだ。
バサラの心に少しだけ戸惑いが生まれるが……。

「バサラ、その希望の歌であの少女の魂を絶望から救ってくれ!」
「ENDLESS 止められない 胸騒ぎの数」

 カヲルの激励に、熱い歌声で応えるバサラ。
使徒故かカヲルは気付いていた。ワルプルギスの夜が抱えている絶望がバサラの歌声に込められた希望のエネルギーによって中和されている事に。
ワルプルギスの夜が苦しんだのも、使い魔が消えたのも、全て抱えている絶望の力がバサラの希望の力によって消えて行ったのが原因だ。

「ムチャと 言われたって つなげたいのさ」

 ワルプルギスの夜が消されまいと、バサラの歌を止める為にバサラと彼を乗せた偉大なる赤竜に攻撃を集中させる。

「なりゆきまかせだって 止まってるよりはマシさ」

 降り注ぐ瓦礫を、偉大なる赤竜のファイアブレスが全て焼き尽くす。

「種子は芽をだして 夜は朝になる」

 ワルプルギスが吐く炎の槍をフレクザィードがわざと受けて、その炎を自分の生命力へと変換する。

「パレード 続いてく 昨日なんて遥か彼方」

 サビに入った所で、ついに嵐が収まり、夜空が広がっていく。
もう、ワルプルギスに嵐を起こすほどの力は残っていなかった。

「パレード いっしょに行こう 目ざす場所へ 風の吹くまま」

 ワルプルギスの夜は、攻撃を止めて穏やかな笑みを浮かべていた。
自身の絶望の殆どが無くなった今、彼女に暴れる意志など無かった。
今、彼女の心を満たしていたのは、魔女化以前に感じる事が出来ていた温もりだったのだ。

「GO ON OUR WAY PARADE」

 そして、ワルプルギスの夜は、全ての絶望を失い穏やかに消えて行った。
バサラの歌は彼女の魂を絶望から救ったのだ。
しかし、彼女を見送ったと思ったら、フレクザィードが吠えた。

「どうしたんだい……!?」
「なっ……雪雲が広がって……北の方、真っ白じゃねえか!?」

 そう、彼等は知らないがオーバーデビルの力によって青森県を中心として発生した冷気は、既に東北地方全域に雪が降るレベルにまで広がっていたのだ。
そして、偉大なる赤竜は、この冷気の広がりを放置すると都庁にまで被害が広がる事になると気付き、都庁の仲間達の為にこの状況を解決する事を提案した。
こんな自然を歪める状況を他の二人と一体も見過ごす事が出来るはずもなく、バサラ達の次の目的地が決まったのだ。
極寒の大地へ向けて、人と使徒を乗せた二体の火竜が飛び立った。

333魔女のハートを奮わせろ!:2014/02/10(月) 00:58:42 ID:NExCvSxQ0
【一日目・21時15分/群馬県・見滝原市上空】

【熱気バサラ@マクロスダイナマイト7】
【状態】とても健康、上機嫌
【装備】ギター、歌エネルギー変換システム@マクロス7
【道具】支給品一式
【思考】基本:戦いなんてくだらねえぜ、俺の歌を聴け!
1:仲間達と共に歌を届ける
2:東北地方に広がる冷気をどうにかする。

【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:歌で自然環境の保護を世界に訴える。
1:都庁組や氷嵐の支配者といった仲間達、そして歌の素晴らしさを教えてくれたバサラとその仲間を護る為なら戦う事も厭わない。
2:バサラと共に行動する。
3:東北地方に広がる冷気をどうにかする。
4:フレクザィードの言ってたレストという男が都庁の軍勢に協力してくれれば助かるのだが……。

【フレクザィード@ルーンファクトリー4】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:バサラ達と共に歌い、その歌でレストが愛した自然の素晴らしさを伝える。
1:レストや他のネイティブドラゴンを探して合流する。
2:マーダーは止めたが仲間達を護る為なら全力で戦う。
3:東北地方に広がる冷気をどうにかする。

【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】健康
【装備】キーボード@楽器
【道具】支給品一式
【思考】基本:共に歌いつつバサラの歌を届けて殺し合いを終わらせる
1:シンジ君を探して一緒に歌う。
2:東北地方に広がる冷気をどうにかする。
※使徒だからか、偉大なる赤竜やフレクザィードと会話が可能です。

【前田敦子@AKB48 死亡確認】
死因:ワルプルギスの夜が飛ばした瓦礫により圧死

【ワルプルギスの夜@魔法少女まどか☆マギカ 死亡確認】
死因:バサラの歌による希望エネルギーで浄化される

334楽園への導き手:2014/02/10(月) 23:53:03 ID:MI9ax9r60
世界滅亡ってやばくね?
モンスターボールの中で会話を盗み聞きした時、確かに俺はそう思った。
思った後に、違和感に気がついた。何故、俺が、こんな世界が、滅びることを、心配したのか?
本来なら、ありえない。こんな感情を俺が持つことなど、絶対に。

自覚がある程に、俺は歪んでしまっている。
破壊衝動を、捕食衝動を、未だに強く持っている。
この世界の何もかもが憎い。壊してやりたい。そう考える。それを実行に移せるだけの力が、俺にはあった。
そう、俺こそが、俺自身が、世界を滅亡させる存在だった。
気が遠くなるほどの昔、もう完全には思い出せない程の太古の時代。
人間達は俺を恐れ、封印した。
後の世でも変わらず人間は俺を恐れ、様々な名で俺を呼んだ。
世界樹の成れの果て……歪みし豊穣の神樹。蟲に憑きしかのもの。
Warped Savior……歪んだ救世者。
俺は……こうなる前は、世界を救う存在だった。
汚染され、作物も家畜も育たない死の大地を救う存在、世界樹だった。
勝手に世界を荒野にして、勝手に俺を生み出して救世を願う。人間はあの頃から自分勝手だった。
それでも俺は確かに作られ、生まれた。救世を目的として生まれたのだから、ただ救世行為だけを行った。
植物としての本能でもあったが、大地が自分の手で元の美しい姿に戻っていく光景を眺めるのは、嫌いじゃなかった。
『楽園への導き手』だと人間達は俺を崇めていた。
そんなある日、俺の身体は得体の知れない化物に喰われた。
強大な力を持つ俺が、世界樹が、いつか自分達の手で制御できなくなるのではないか?
そう考えた人間が産み出した、世界樹キラーとでも言うべき蟲、悪食の妖蛆。
竜をも上回る異常に強靭な顎に噛み砕かれ、その際限のない食欲の前に、当時の俺は為すすべなくそいつに喰われた。

人間達の考えは、間違ってはいない。
世界樹の持つ浄化の力は絶大だが、あいつらは俺の体のことなんてまるで気にしていなかった。
樹木だって、生物だ。大地から毎日毎日毎日毎日、穢れた物質を取り込んでみろ。
しかも、連中が行った人工生命体実験その他のせいで、汚染物質が当初よりもさらに増えてみろ。
浄化が、追いつかなくなる。体内に、処理しきれない嫌な物質が残り、溜まっていく。
思えばあの頃から俺は歪み始めていたんだろう。人間達の言う、暴走の予兆。
それが、蟲に喰われてさらに歪んだ。
勝手に生み出して、勝手に滅して。
俺を使い捨ての道具として扱って、より自分達の手で扱いやすい世界樹を別の場所で作り始めようとした。
まだ懲りないのか人間は?身勝手な人間が、世界が、全てが憎くなった。
こんな世界、人間のいる世界を、浄化する必要なんてない。浄化されるべきは――人間だ。
そう思った時には、俺の意識ははっきりとしていた。目の前の光景を眺めることもできていた。
蟲を乗っ取り、俺の意識で操れるようになっていた。俺自身が、動けるようになった。
今でもよく覚えている。白衣の研究者達の驚愕した顔。泣き叫ぶ声。
研究施設にいた人間を片っ端から血祭りにあげてやった。血煙がまるで花のようで、とても綺麗だったのも覚えている。
だがすぐに、研究者達は俺が蟲を逆に喰い殺して乗っ取ったことに気がついた。
誤算だったのは、俺でなくとも蟲が暴走する危険性も考えられていて、ある程度の対策が練られていたことだ。
人間は脆いが、数は多かった。奴らの産み出した人工生命体も含めると、かなりの人数だった。
結果として俺は人間を滅ぼす前に、密閉空間で強烈な化学薬品を大量散布され、蟲を喰い破る前に封印されてしまった。
最後の抵抗として、蟲の身体から俺の瘴気をばら撒き、近隣の生態系を根こそぎ狂わしてやった。
その時生まれた突然変異の魔物が、俺に代わって研究者のほとんどを殺したらしい。
それでも人間は滅びず、未だに地上の覇者だというのだから、驚かずにはいられない。

335楽園への導き手:2014/02/10(月) 23:54:20 ID:MI9ax9r60
長い長い封印だった。自然を本当の意味で愛するという変わった人間、グンマー人ですら、俺を受け入れることはなかった。
まあ、無理もない話だ。あの日俺は浄化の力を捨てた。代わりに得た能力は、ただそこに在るだけで生態系を狂わせ、滅ぼす力。
俺とは異なる世界樹でさえも、抗いきれない強力なもの。他の生命体を守るために、俺は切り捨てられたのだ。
封印はグンマー秘術やら黒龍ミラボレアスが加わり、より強固なものに……ならなかった。むしろ弱まったと言えた。
俺を蟲の中に封印し続けられたのは、あの忌々しい化学薬品によるところが大きい。
だがグンマー人は科学を嫌い、森にそういったものを持ち込むことは一切なかった。使う術は自然由来のもの。
元世界樹に使うのはいかがなものか。
黒龍その他の所謂番人も、食事の際は離れるわけで。事実俺はその隙をついて、封印の遺跡から脱出してきたのだ。
まさかとは思うが、グンマー人はあえて俺の封印を弱めたのかもしれないが……

とにかく、俺は封印を破って自由の身となった。
力を溜め込み、この国を支配するには十分な力を持っていた。
この世界を、今度こそ滅ぼしてやろう。そう、思っていたはずなのに……

『まあ、なんて大きくて立派な華ポケモンなんでしょう。是非ゲットしたいですわ』

俺のトレーナー様は、エリカは、開口一番こう言った。
あの時の俺は気がたっていたからなんとも思わなかったが、思い返すと凄まじい発言だ。
何しろ俺の姿と力は、蟲の頃から恐れられてきたのだから。脱皮したこの姿はさらに恐ろしいだろうに。
逃げずに、立ち向かってきた。この俺を恐れずに。
それどころか……俺を立派な華だと……そう、言ってくれた。
自覚はある。歪んだのは精神だけじゃない。姿形もだ。侵された体はかつてと異なり、どす黒く禍々しい。
それでも、俺を認めてくれた。歪んでしまった俺を、植物の一つとして受け入れてくれた……
……俺の捕獲方法は、思い出したくもない程えげつないものだったが。
捕まった直後、俺はエリカにすぐ外に出された。

『シンジュー!ってなんだこの鳴き声!?』
『これからよろしくお願いしますわ。ええと、神樹さんでよろしいのかしら?』

あの時から、俺はどうかしていたんだろう。

『ふん、飼い主らしく命令すればいいだろ。何をすればいい?』
『で、では神樹、どうか私と共に生き延びてください。私の願いは、また緑に囲まれた場所で、ポケモン達と過ごすことですから』
『……俺はもう、緑とは縁遠い存在だがなぁ。それに俺は、ポケモンとかじゃない』
『まあそうでしたの?どうりでポケモン離れした立派さだこと。きっとあなたの作る木陰はいいお昼寝場所になりますわね』
『……そうか。で、そっちの願いを叶えるのは半々になるだろうな。俺はもう豊穣を提供する楽園への導き手じゃあない』
『あら、あなたに住みよい環境を用意すべきなのはトレーナーの私の方ではないのですか?』
『……本当に、妙な人間だな』

ゲギャギャギャギャギャ!

『あっちにハサミを振り回している快楽殺人者っぽい連中がいるが、どうするよトレーナー様?』
『……行きましょう。念のため、一撃で仕留められますか?』
『おお、意外と恐ろしい命令を出すな。だが問題ないぜぇ!』

自ら、人間に従って動くなんて。
俺が、人間を、この世界を守ろうと動くなんて。
何故かはまだわからない。わからないが、今の俺にできるのは……



336楽園への導き手:2014/02/10(月) 23:55:45 ID:MI9ax9r60
「うあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「なのは……」

高町なのはは泣き叫び続けていた。
親友に続き……娘のヴィヴィオまでもが殺されてしまったのだから。
放送で呼ばれる名前が、時間に沿ったものだとしたら、仲間であったやらない夫が殺されたすぐ後のことだろう。
ヴィヴィオを探して助ける時間的余裕はない。
しかし、ヴィヴィオとは既に一度顔をあわせている。声も聞いている。
あの時、もっと自分が冷静であったならば。
馬鹿なことをしていないで、いやせめて普通の格好をしていれば。
今も親子共に行動し、ヴィヴィオが誰かに殺されることはなかったのかもしれない。
いまさら、もしもの話をしても遅いのは、なのはもよく理解しているのだが。
それでもなのはは自分を許すことができず、ボンテージ衣装を床に叩きつけながら泣き続けた。


「ニャル子ちゃん達は無事みたいだけど……そっちはどうだった?」
「仲間じゃないが、ヒソカって奴が呼ばれていた。あいつが死ぬなんざ、想像がつかねえが……」
「戸愚呂弟がいたな。あいつもかなり強い妖怪だったんだが……」
「私はその……同じジムリーダーのタケシさんの名前が何度も。ここまで呼ばれると、同姓同名では説明がつかないような……」

なのはから少し離れた場所では、彼女の仲間達が放送の情報をまとめていた。
仲間の名前こそ呼ばれなかったが、知り合いの名前は呼ばれている。
次こそ、仲間の名前が呼ばれてしまうのではないかという不安が、一同の頭をよぎる。

「…………」
「神樹、あなたの知り合いの方は?」
「……現代の俺の封印主が死んだよ。番人だったミラボレアスもだ」

放送で呼ばれたグンマーの民。それは神樹にとっては因縁深い存在だ。

(俺を狙う冒険者がグンマーに乗り込んだ? いや、わざわざ好き好んで俺に挑む奴なんてこいつぐらいだ。グンマー人を殺す必要もないはずだが……)

「……いや、ヒソカ以上にすごい奴が死んでいたな。野田総理って……主催者だろ?」
「そうだな。間違いなく、あのいけすかねえ主催者の名前だ。誰かが、倒したってことか?なんのために首相官邸にまで来たんだか……」

レオリオ達は、ちらりと前を見る。
そこに建っているのは、まごうことなき首相官邸。野田総理の居城である。

「……いえ、無駄ではなかったようですわ」
「あ、あれは……!?」


「「「ザッケンナコラー!ザッケンナコラー!ザッケンナコラー!」 」」


そんな官邸の入り口から、傍の茂みから、ドスの効いた声のヤクザの群れが一斉に躍り出てきた。
それぞれが銃を持ち、叫びながら向かってくる。
明らかに、近づくものを排除しようとする意思を持って。

「総理が死んだのに、まだこの場所を守ろうとするってことは……」
「やっぱりなんかここには秘密があるってことか。かなり数は多いが、いまさらヤクザ程度にびびりはしねえよ!」

「「「ザッケンナコラー!ザッケンナコラー!ザッケンナコラー!」 」」

その数、およそ30。

337楽園への導き手:2014/02/10(月) 23:56:57 ID:MI9ax9r60
「……なあ、トレーナー様よ?」
「なんですか?」
「俺の封印主も、そいつらと一緒にいた竜も死んだ。蟲から脱皮して、俺は自由の身、どこにでも行けた。……ポケモンになってなけりゃな」
「怖いのですか?ならばせめてボールの中に避難してください。大丈夫、私も護身術は習っていますので、ヤクザ程度なら問題はありませんわ」
「おいおい、何勘違いしてんだ?自由の身の俺の飼い主ってことは、今やあんたこそが、俺の唯一の主人ってことなんだぜ?」
「!!」
「さあ、遠慮せずに命じな。今の俺に出来ることは、せいぜいあんたの敵を死後の楽園に導くことぐらいだからなぁ!」

「……神樹! カ ギ ヅ メ ギ ロ チ ン !」

「ひゃっはぁ!死に失せろクローン生物どもぉ!」






「あ、あ、あぁ……」

新城直衛は椅子から転げ落ち、震えていた。
モニターに映し出された光景……いや、真上から聞こえる轟音のせいだ。
野田総理が死んでなお、彼は首相官邸の警備を任され続けていた。
侵入者は即刻排除しなくてはならない。ならないのだが……

「う、恨むぞ、うぐいす……!君が裏切らなければ、僕はこんな……!」

モニターに映し出されたのは、首相官邸前まで訪れた対主催の一団。
そんな彼らの先頭にそびえ立つのは、全身を把握できない程の巨大な怪物だった。
怪物が左右の鉤爪を勢いよく振るった瞬間。

全てのクローンヤクザの命と、首相官邸そのものが刈り取られた。

幸いにも作業のために地下に移動していたため命こそ無事だが、地上の表の首相官邸は壊滅状態。地下への道を守る罠も全て潰されただろう。
次の攻撃は、確実にこの地下まで届く。
侵入するしない以前の問題だ。こんな無茶苦茶なことをする相手からも、ここを守り続けなければならないのか?

(もう、野田総理も死んだというのに……!?だが、主催を裏切れば……)

傍らの千早も、動物の本能からか震えていた。

(自分が仮面ライダーになったところで、せいぜい連中の誰かを殺せる程度。あの化物には勝てるわけがない……!)

直衛は知る由もないが、先ほど振るわれた鉤爪は勇気を嘲笑うもの。敵対者の勇気を根こそぎ摘み取るといわれる鉤爪。
彼が自分の意思とは関係なく震えてしまっても、仕方がないことなのだ。

(蓮乃姉さん……!)

決断の時が迫る。


【一日目・21時15分/首相官邸・地下情報室】

【新城直衛@皇国の守護者】
【状態】健康、恐怖
【装備】タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、千早@皇国の守護者
【思考】
基本:義理の姉(蓮乃)のために特務機関員として任務を全うする……?
1:なんとか主催から裏切り扱いされずに、首相官邸から逃げたい
2:ここを守り続けることへの疑問
※特務機関員です
※クローンヤクザは全員殺害されましたが、キルスコアには影響ありません
※首相官邸(地上部分)が壊滅的な被害を受けました

338楽園への導き手:2014/02/10(月) 23:57:44 ID:MI9ax9r60
【一日目・21時15分/首相官邸前】

【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体、深い悲しみ
【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王
【道具】基本支給品一式、タイムふろしき@ドラえもん
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1: ヴィヴィオ……
※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています。
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※未来の自分が使っていた技の一部が使用可能です。
※近くにボンテージ衣装が放置されています

【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】
【状態】健康、19歳の身体
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
0:仲間と共に首相官邸に突撃
1:なのはを護る
2:大災害の情報を集める
3:野田総理の死の原因を探りたい
※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました。
※PSP版の技が使えます。

【ハス太@這いよれ!ニャル子さん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ガソリンの入った一斗缶
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:ニャル子ちゃんたちは大丈夫かな
2:次の戦闘は神樹より先に敵を倒したい

【桑原和真@幽遊白書】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:怒鳴りつけた借りを返す為にも、ハス太を護る

【レオリオ・パラディナイト@HUNTER×HUNTER】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:主催と大災害に関係があるのだろうか?
※ゴンの死に気づいていません

【エリカ@ポケットモンスター】
【状態】健康 、歪みし豊穣の神樹のトレーナー
【装備】モジャンボ、キノガッサ、他不明
【道具】基本支給品一式、モンスターボール×3
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:ポケモンと一緒に生き残る
2:珍しい植物タイプはゲットしておく

【歪みし豊穣の神樹@世界樹の迷宮4】
【状態】健康、エリカのポケモン
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ
1:エリカに従う
2:エリカの敵を楽園(死)に導く
3:グンマーの民の死に疑問

339もうゆっくりするような時間じゃない:2014/02/11(火) 02:02:24 ID:pNsg.tEY0
「これマジ?知り合い死にすぎでしょ(棒読み)」

第3回放送直後、それを聞いた女性(?)が呟く。感情が全くこもってなさそうな棒読み口調で。
見た目も何だかヘンテコで普通の身体に対して頭が何だかデカくその表情はまるで常時人を煽っているような表情であった。
彼女?の名前はゆっくり。これでもVOCALOIDの一人である。余談だがゆっくりは饅頭のような顔が本体で首より下は義体なのだ。
彼女?は仕事のたびにコスプレ(というかカツラ)を変えてくるのだが今はどこぞの幻想郷の巫女のようなカツラをしていた。
一応VOCALOIDの一員?ではあるがゆっくりがアイドル活動することはない。
何故ならゆっくりは歌が絶望的に下手というボカロとして致命的な欠点があった。(顔がウザイという欠点もある)
もはや「音程が来い」「棒歌ロイド」というレベルでありハクが可愛く見えてくるレベルなのだ。
かと言ってゆっくりに仕事がないわけではなく、仕事はかなりあったりする。
他のVOCALOIDの歌った曲を音程を外して歌い笑いを取ったり、替え歌歌ったり、漫才したり、ナレーションをしたり、司会をしたり、最翻訳をしたり。
彼女?はバラエティ方面において大活躍をしているのだ。
他にも
『重火器握って戦場に行って来い』
『敵軍基地に侵入してばれない様に敵兵を全部拿捕して来い』
『数十人くらいの村に行って人狼を殲滅して来い』
『邪神を蘇らせようとする狂信者の野望を阻止しろ』
『街に大量発生したゾンビを皆殺しにして来い』
『屍が蠢く村を何とかして来い』
『お化けが出るという噂の館に行って来い』
『何かしら条件を縛って魔王を討伐して来い』
『今日中にダンジョン全クリして来い』
『全裸で強力なモンスターを討伐して来い』
etc、etc……
といった命がけの無茶振りを実況しつつ四苦八苦しつつこなしてきた。
いまやゆっくりは他のボカロ達とは違うベクトルで有名なのだ。

「アイエエエエエ…後知り合い生き残ってんのってがくぽとかMEIKOおばさんくらいしかいないんじゃないかなぁ…。おぉこわいこわい」

彼女らとは血縁関係はなくただの仕事仲間なのだが彼女らがこれまでに大量に死んだことにゆっくりは困惑していた。
ちなみにMEIKOをおばさん呼ばわりしているが流石に本人の前ではNGである。おお、こわいこわい。
と、そんなゆっくりが今何をしているのかというと…たったいまプラスチック爆弾の大量製作を終えたとこだった。
材料さえあれば素人でも手軽に作れるうえに余程の衝撃でないと爆発しない程度の安全性があるのだ。
材料はほぼ全てのものが置いてある万能なホームセンターで取り揃えたのである。
ゆっくりは作り終えたプラスチック爆弾×50を車の後部座席に詰め込んでいく。
言っておくとゆっくりは上述したような困難を乗り越えてきたゆっくりである。
重火器での銃撃戦も出来るし、剣を使った白兵戦、クトゥルフTRPGにおいて万能なマーシャルアーツ、常識に囚われない発想、人外めいたメンタル性を兼ね備えている。
だから爆弾製作中にマーダーに襲われたとしても……。

「ヒャッハー!死ねぇぇぇぇ!!」
「イヤ〜〜(棒読み)」
「グワーーッ!!」
【モヒカン男@北斗の拳 死亡確認】

…という風に素手でもゆっくりのマーシャルアーツによる返り討ちが可能である。
殺し合いを生き残こることもできなくもないスペックを持っているがゆっくりが選んだのは彼女曰く王道を征く対主催。
やるからには最終的にハッピーエンドが彼女の信念だったりするのだ。
そんな彼女が今標的に選んでいるのは……都庁軍であった。
現在東京都でかーなーりHOTなのが都庁軍とDMC狂信者の東京都二大勢力であるのはもはや有名。
ゆっくりの数々の激戦を潜り抜けた感が囁いたのだ。都庁軍を攻略すれば何かフラグが立つぞと。
そのためにプラスチック爆弾を大量生産したり武器や重火器をあらゆる手段で手に入れたりしていたのだ。
だがゆっくりはまだ足りないと思っていた。

「もしかしたら敵に物理攻撃が効かないのがいるかもしれないね、仕方ないね。
 魔力のないゆっくりでも魔法攻撃が使えるようになる奴とかないかなぁ。
 できれば仲間もほしいんだよなぁ…ゆっくりしてる場合じゃねぇ!!!」

物理が効かない敵に対する対抗手段にいざという時の仲間。
もちろんなんでもありの都合上魔物と同じ土俵に立つ必要はないのだが、都庁を攻略するためにあるにこしたことはない。
一日目も後数時間で終わってしまうのだ。急がなければ。そう思ったゆっくりはもはや火薬庫と化した軍用トラックに乗り込み発進させた。

340混沌な名無しさん:2014/02/11(火) 02:03:58 ID:pNsg.tEY0
【一日目・21時/日本・茨城県】

【ゆっくり@SofTalk】
【状態】健康
【装備】霊夢のカツラ、爆砕の太刀@MH4、サブマシンガン、ロケットランチャー、義体
【道具】支給品一式、工具セット、ノートPC、プラスチック爆弾×50、軍用トラック
【 思考】
基本:主催者を倒す
0:ゆっくりしてる場合じゃねぇ!!!
1:都庁軍を滅して何かしらのフラグを立てる
2:仲間と魔法攻撃の手段がほしい

341心折れて……:2014/02/11(火) 14:48:46 ID:GuzC0MnEO
神威がくぽは、支給品のレバ剣で切腹した。
ボカロ勢の相次ぐ死に耐えきれず、精神的疲労が限界にまで達していたのだ。
カオスロワが始まる前の楽しかった頃を思い返しながら、彼は死んだ。

【一日目・21時10分/日本・石川県】

【神威がくぽ@VOCALOID 死亡確認】

342殺し合いはまだまだ続く:2014/02/11(火) 22:54:38 ID:EnuHyVWM0
 ニックの操縦するオートバジンで駆け巡り、どうにか支給品を配りきった鴻上光生。
彼は今、ケーキを食べながら一休みし……そのまま見えない打撃の雨に襲われて死んだ。

「総理が死んでも殺し合いが終わってないって事は、もっと人を減らさないと生き残れないってことよねえ」
「お、お前がやったのか!?」
「そうよ、お兄ちゃん達と一緒に生きる為に殺し合いが終わるまで殺し続けるの」

 ニックは、鴻上を殺したのが目の前にいるジャイ子だという事に気づく。
ジャイ子は、スタンドとなった兄達をうっとりと眺めながら、彼等にニックを攻撃させようとして……

『It's time for special buster!』

 強烈なビームに頭を消し飛ばされた。

「その攻撃……ヒロム!良かった……無事だったんだな」
「ニック!」

 ジャイ子を攻撃してニックを護ったのはバイクモードの照井竜が変身する仮面ライダーアクセルに乗ったレッドバスターこと桜田ヒロムだった。
彼等は、ゴルゴ13を倒してから第三回放送までの間を、休憩と照井の支給品の包帯を使った怪我の治療に専念していた。
そして、放送が終わったタイミングで行動を開始し、ジャイ子に襲われるニックに出会ったというわけだ。
しかし、再会を喜ぶ時間はそれまでだった。

「お、お兄ちゃんが一人……殺す、3人共皆殺しにしてやる!!」
「頭を失っても再生した!?」
「脳を破壊されても再生できるだと……!?」

 頭を消し飛ばされたジャイ子が新テレビ版のジャイアンの犠牲により復活したのだから。

343合流、そして……:2014/02/11(火) 22:56:47 ID:EnuHyVWM0
 ニックの操縦するオートバジンで駆け巡り、どうにか支給品を配りきった鴻上光生。
彼は今、ケーキを食べながら一休みし……そのまま見えない打撃の雨に襲われて死んだ。

「総理が死んでも殺し合いが終わってないって事は、もっと人を減らさないと生き残れないってことよねえ」
「お、お前がやったのか!?」
「そうよ、お兄ちゃん達と一緒に生きる為に殺し合いが終わるまで殺し続けるの」

 ニックは、鴻上を殺したのが目の前にいるジャイ子だという事に気づく。
ジャイ子は、スタンドとなった兄達をうっとりと眺めながら、彼等にニックを攻撃させようとして……

『It's time for special buster!』

 強烈なビームに頭を消し飛ばされた。

「その攻撃……ヒロム!良かった……無事だったんだな」
「ニック!」

 ジャイ子を攻撃してニックを護ったのはバイクモードの照井竜が変身する仮面ライダーアクセルに乗ったレッドバスターこと桜田ヒロムだった。
彼等は、ゴルゴ13を倒してから第三回放送までの間を、休憩と照井の支給品の包帯を使った怪我の治療に専念していた。
そして、放送が終わったタイミングで行動を開始し、ジャイ子に襲われるニックに出会ったというわけだ。
しかし、再会を喜ぶ時間はそれまでだった。

「お、お兄ちゃんが一人……殺す、3人共皆殺しにしてやる!!」
「頭を失っても再生した!?」
「脳を破壊されても再生できるだと……!?」

 頭を消し飛ばされたジャイ子が新テレビ版のジャイアンの犠牲により復活したのだから。

344合流、そして……:2014/02/11(火) 22:57:33 ID:EnuHyVWM0
【一日目・20時20分/日本・埼玉県】

【桜田ヒロム@特命戦隊ゴーバスターズ】
【状態】ダメージ(小)、変身中、身体のあちこちに包帯
【装備】モーフィンブレス@特命戦隊ゴーバスターズ、イチガンバスター@特命戦隊ゴーバスターズ、ソウガンブレード@特命戦隊ゴーバスターズ、サングラス
【道具】支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ジャイ子を倒す
※戦闘中だったため第一回・第二回放送を全く聞けていません。
※イチガンバスターとソウガンブレードは変身した際に基地から転送しました。
※オートバジンをニックの支給品だと誤認しています。

【照井竜@仮面ライダーW】
【状態】ダメージ(小)、変身中、身体のあちこちに包帯
【装備】アクセルドライバー@仮面ライダーW
【道具】支給品一式
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ジャイ子を倒す
2:俺に質問をするな……
※戦闘中だったため第一回・第二回放送を全く聞けていません。
※不明支給品は包帯でしたが、使い切りました。
※オートバジンをニックの支給品だと誤認しています。

【チダ・ニック@特命戦隊ゴーバスターズ】
【状態】損傷無し
【装備】カーナビック@激走戦隊カーレンジャー
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:ジャイ子を倒す
2:乾巧を警戒する

【オートバジン@仮面ライダー555】
【状態】損傷無し、バイクモード
【装備】なし
【道具】支給品一式、ファイズブラスター(乾巧)、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:たっくん(乾巧)との合流

【乾巧@仮面ライダー555】
【状態】FFR状態(ファイズブラスター)
【装備】ファイズギア@仮面ライダー555
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:殺し合いを止める
1:元に戻れない……!
2:というか、誰か気付け!
3:草加……
※オートバジンのデイバックの中にいます。
※支給品なので首輪はありません。

【剛田ジャイ子@ドラえもん】
【状態】覚醒、狂気、激昂
【装備】スタンド『ジャイアン×3』
【道具】支給品一式
【思考】基本:他の参加者を殺して生き残る
1:お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
  お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい
2:殺される前に全員殺す
3:消えたジャイアンのスタンドの仇を討つ
※オートバジンをニックの支給品だと誤認しています。

【鴻上光生@仮面ライダーオーズ 死亡確認】

345迷惑者達の戦い、決着:2014/02/11(火) 23:30:51 ID:ghlwemtk0
「ふはは、喰らうがいい! 邪王焔殺黒闇破!」
「ちぃ、ダブルフレミングバスター!」

邪気眼使いとジョン・フレミングの死闘は実に一時間以上に及んでいた。
放送が流れても、お互いの手が休まることはなかった。

意味不明な言動に反して、邪気眼使いはフレミングが戦った相手の中では間違いなく最強であった。
ルシファーブレードの切れ味もさることながら、右腕から放たれる黒焔の威力も凄まじいのだ。

(これが、邪気眼とやらの力だというのか……!?)

電撃を自身の体に流すことで、フレミングは己の肉体を限界まで活性化させて攻撃をかわし続ける。
しかし必殺のダブルフレミングバスターは、ルシファーブレードに弾かれてしまう。
決定打がない以上、フレミングは逃げ続けるしかない。
だがそれもいつまでも続かないだろう。邪気眼使いの方が若く、体力もあるのだから。

「いつまで持つかな! 闇の炎の慈愛の抱擁を受け入れた方が楽になれるぞ!」

優勢である邪気眼使いは、笑いながら魔剣を振るう。
そもそも何故、彼はこれほど強大な力を得たのか?
邪気眼が覚醒したから、そういえば済む話だが、そもそも覚醒には理由がある。

そう、ナノマシン入りの飲料水である。

彼もまた、フレミングと同じように水を飲み、テラカオス化が進行していたのだ。
フレミングが電撃能力に覚醒したように、邪気眼使いは本当に邪気眼に覚醒。
つまりこの戦いは、テラカオス予備軍達の戦いだったのである。
戦闘能力の差は、進行度合の差だ。

(こ、こんな奴に私は負けるのか……!?)

フレミングは、知らず歯軋りをする。

(こんな……答えられないどころかバルギスの定理などと抜かす大馬鹿者に……!?)

(あってはならない……この素晴らしい私の法則を、全人類は知らねばならない……! それを確かめるまでは……死ねぬ!)

(それも相手が……ゆとり教育の糞餓鬼なら、尚更のことっ!)

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ! 雷よ、雷よ! 我が叫びを聞け雷よっ!」
「ぐあっ!?」

フレミングの中で、何かが切れた。
その瞬間、天からの雷が、邪気眼使いの体を撃った。

「くっ……! この俺に一撃を与えるとは、だが……!」

テラカオス化が進み、邪気で体を防護していた邪気眼使い相手に雷一発では致命傷にはならない。
しかし駆け巡る電流は、確実に邪気眼使いの動きを鈍らせる。

「今だ、食らうがいい! ダブルフレミング……!」

フレミングには、その僅かな隙で十分だった。
両手を自身の産み出した法則の形に変え、叫ぶ。

「馬鹿め、何度も同じ技を繰り出すとは。その技はすでに見切っ
「……ブラインディングッ!」
「!?」

346迷惑者達の戦い、決着:2014/02/11(火) 23:31:41 ID:ghlwemtk0
放たれたのは、電撃ではない。両手からは何も放たれなかった。
あえて放たれたと表現するならば……それはフレミングそのものだった。
電気強化により素早さが上がったフレミングの、渾身の体当たり。
そして突き出す両手はフレミングの両手の法則。
その中でも一番突き出ているのは……人差し指。

「ぐ、ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

そしてフレミングの人差し指は、的確に邪気眼使いの両目を穿った。
ジョン・フレミング。人生で一番力を込めた目潰しである。

「ふん、眼の力に頼りすぎたな。眼の無くなった貴様など、ただの子供よ!
 今度こそ死ねぇい! ダブルフレミングバスターッ!」

そしてその姿勢のまま、フレミングは今度こそ必殺の一撃を放った。
邪気眼を潰され、防護が弱まった邪気眼使いに、脳へ直接ぶちこまれる電撃を防ぐ手段は残されていなかった。

【邪気眼使い@邪気眼ネタ】 死亡確認

「はぁ……はぁ……これでわかったか……私の法則は、素晴らしいものなのだ……!」

戦利品としてルシファーブレードを回収し、フレミングはまた彷徨い始めた。
いつか、両手の法則を答えてくれる参加者が現れることを願って……



【一日目・21時10分/栃木県】

【ジョン・フレミング@現実?】
【状態】テラカオス化進行中、電撃能力会得、ダメージ(小)疲労(中)
【装備】魔剣ルシファーブレード@作者の妄想
【道具】支給品一式
【思考】
基本:フレミングの左手と右手の法則をきちんと知らん奴を皆殺し
0:次の参加者を探す
1:子供の参加者を優先して質問を投げかける
2:答えられなかったら当然始末する
3:野田総理は法則を知っていたんだろうか……?
※テラカオス化進行により、両手から電撃を放てるようになりました
※感情が昂ぶると、両手を使わずとも相手に落雷を落とせるようになりました

347もはや災害ってレベルじゃねーぞ:2014/02/12(水) 01:28:21 ID:FUN3NHmA0
日本、青森、恐山、そこには東北地方全域に冷気を広げた存在オーバーデビルがいる
青森にいるものはもはや生きているかは怪しいしかし生きているものもいるかもしれない
だが、いまはオーバーデビルが恐山から動かないためか雪が降る程度で済んでいる

「まったく災害以上のことになっているなあ」

ロックオン・ストラトスはガンダムサバーニャのコックピットからそのように言った
いまロックオンがいる場所は青森の隣秋田県である
秋田は青森の隣にあるためすぐにオーバーデビルの影響が出た
とはいえ今はまだ雪と強い風が吹くだけで収まってはいるがオーバーデビルが動き出したら何が起こるかはわからない

ロックオンがここに来た理由はごく単純、この東北地方を襲った異常気象の調査のために来たのだ
なにものかがやったのかと悪用しているのなら倒すと思って秋田までに来て青森県境までは行ったものの強烈な吹雪が起こっており地上からは行こうとすれば行けるが強烈な吹雪に妨害され
空中から入ろうと思えば空中でも強烈な吹雪に妨害される

(いままでのミッションの比じゃねえぞ)

心の中でそのようにそのように思いながらもどうやって青森に侵入しようか考える

【一日目・21時14分/日本・秋田県】

【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
【状態】健康
【装備】ガンダムサバーニャ@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- ハロ×2@ガンダムOO
【道具】支給品一式 ドラグノフ狙撃銃@現実
【思考】 基本:殺し合いを止める
1:どうやって青森まで行くか

348焦りは禁物:2014/02/12(水) 10:07:42 ID:kwRq2bMQO
ゆっくりは一つ致命的なミスを犯していた。
彼女は徒歩ではなく軍用トラックで移動していた為、周囲の気配を探れなくなっていた。
だから、彼女の運転する軍用トラックは死角から現れたDMC狂信者の妖に斬られ、積み荷のプラスチック爆弾が爆発して彼女は死んだ。
たった一つの判断ミス、それが彼女の死因だった。

【一日目・21時15分/日本・茨城県】

【火黒@結界師】
【状態】健康
【装備】人皮(旧型)@結界師
【道具】支給品一式
【思考】
1:SATSUGAI
2:ビッグサイトへ向かい、仲間と合流する

【ゆっくり@SofTalk 死亡確認】

349汝は大尉なりや? part1:2014/02/13(木) 01:31:24 ID:S8y7xMVw0
オッス、オラ大尉!人狼です。
人前では無口キャラで通してきましたが、俺だって普通に喋る時あります。HELLSINGのカバー裏だって喋ってる時あるし。
どうやら今回俺中心の話みたいだし普段無口な分地の分でたくさん喋ってやりますか。
キャラが二転三転するかもだけどよろしく。
ちなみに俺は今主催者側でジョーカーをやってるんですよ。
でも完全に無差別なわけじゃなく、幹部に指定された参加者を殺してる…って感じです。
余計なことはしません。プロですから(キリッ
え?さっき名古屋でテラカスをズガンした件はどうなんだって?
んー…だって俺見ちまったんだよねテラカスのオナ○ー。
普通人前でオ○ニー見られるとか死ぬほど恥ずかしいよね?だからせめて楽に死なせてやろうと思って…。
よかれと思ってやったことなんですよ。コレデヨイ…

前置きはこれくらいにして愚痴いきますかね。
俺は元々熱斗組の抹殺を任せられてたわけなんですよ。拳王組と合流したから今はフリーなんだけど。
でもいつか奴らと戦うことになるよね?あいつら対主催だし。
多分俺も駆り出される事になるよね?あいつらとの戦いに。
いや〜勝てる気しねえわ(笑)
確かに俺は元々人狼としての戦闘能力があるし、霧に変身できるし、ナビとシンクロできるけれどもそれでも勝てる気がしねーんだよ。
せいぜいジョジョとニート女を殺せるレベルだわな。
元々やりたい放題でやばい奴らなのに拳王グループと合流してさ、合流させた奴何考えてんだよ!!
もうあいつら全員首輪爆破してさ、終わりでいいんじゃない?
元々はあいつら俺とハザマさん(故)が殺れって話だったよね…ブラック企業乙だよ。
まぁ、あんま愚痴愚痴言ったってしょうがないか、これからどうすべきか考えなきゃ。
………………………
生まれ変わったらどうするか考えておくか^^
俺は…そうだな、来世だったら学校の先生兼殺人鬼になってキャスターと契約した後キャスターと結婚したい。
キャスターって言っても四次じゃねぇぞ?あんな虐待おじさんと契約してたまるかってんだヨ。
そういや、セイバーは俺の嫁とか言ってた少佐達はどうしてるかな。大隊に戻りてえ…グスン。

「敵と戦う前にそんな情けない考え恥ずかしくないの?ジョーカーの屑がこの野郎…」

うるせーよ野獣。ちなみにこいつはビーストマン。
なんやかんやで俺のナビになりました。
どういう経緯でかは追跡表見て来い…カオスロワにそんなモンねぇか。
つかたびたび淫○語録喋ってきて正直うぜえ、俺ホモネタ嫌いなんだよね。
ったく…なんでこんな野獣なんかと。

「大尉はネットバトル始めたばっかなんだからさ。とにかくネットバトルをして経験値溜めないとイカンでしょ」

確かにこいつの言うことには一理あるわ。エグゼに経験値なんてシステムはないと思うが。
経験積んでチップ集めてセオリー覚えて戦術考えて…ってわけだな。熱斗もそうして強くなったんだろう。
でもネットバトラーなんてすぐに見つかるもんかな…?

「ていうかこのへんにぃ、ネットバトラー来てるらしいっすよ」

うぉ、マジかよ。つーかそういう機能付いてんだ。

「そりゃ今時エリアサーチが付いてないわけないでしょ。これで近くにPET持った奴がいるかどうか分かるんすよ」

へぇ〜…そうなのか。と、俺はあたりを見渡してみたが…いた。
何かこんな時期で半袖半ズボンのおじさん…どうみてもあの有名な松岡修造だ。いつも思うけど寒くないのかな。
持ってるのはテニスラケットと…あぁあったPETだ。
とりあえず話しかけてネットバトルをしてもらおう。そして俺の経験値になれや!

「ネットバトルか?いいぜ!!お互い熱い血燃やしていこうよ!!行くぜヒートマン!!」
「もっと熱くなれよ!!!」

うわっニコ動でしか見たことないけど暑苦しい奴だな。気のせいか周りの温度が超上がった気がするわ。
持ってるナビも…うん、いかにもそんな感じだね。
どうやらネットバトルしてくれるみたいだ…じゃあ俺もビーストマン、トランスミッション!

350汝は大尉なりや? part1:2014/02/13(木) 01:33:58 ID:S8y7xMVw0
「俺の勝ちだッッ!!!」

俺の負けだ。強すぎる…戦闘描写すらないとはな。クソッまさかこんなにも手も足も出ないなんて。
ちなみに俺がボロボロになってるのはネットバトル魔法のせいです。
まぁ人狼の力ですぐに健康になると思うけどね。
あ〜なんてザマだ。こんなんじゃあいつらを倒すなんて無理だわ。
俺もう諦めた。修造さん、さっさと俺を殺……

「諦めんなよ…諦めんなお前!!」

え?

「どうしてそこでやめるんだそこで!もう少し頑張ってみろよ!」

いやもう無理だってば。アカンわ大尉、折れとる…心が。

「ダメダメダメダメ諦めたら。周りの事思えよ、応援してくれる人達の事思ってみろって!!」

周り?応援してくれる人…あぁそうだ。俺には幽香さんが……
そして俺はゆうかりんとの主催側での思い出を思い浮かべた。
そう、あれはゆうかりんと出会ったときのこと…

〜人狼回想中

幽「ワンワン鳴いてみなさいよ」
俺「ワン、ワン」
この後滅茶苦茶虐められた

〜回想終了

そうだあんな感じだった。あれはかなり興奮した。

「汚い思い出だなぁ」

うるせーよ野獣マン。とにかくだ、俺を信頼してくれる人がいるんだ。
危ないとこだった、危うく俺は間違いを犯すとこだったよ。
その人のためにも俺は強くなりてえ…理不尽クラスに。
修造さん…どうか俺をもっと強くしてください!!お願いします!!

「世間はさぁ…冷てぇよな…みんな君の想いが…感じてくれねぇんだよ!
 でも大丈夫!わかってくれる人はいる!そう!俺について来い!! 」

俺の熱意が伝わってくれたみたいだ。
こうして俺は修造さんにいろいろと鍛えてもらうことになってもらったのだった。

「鬱状態から第三者から叱咤されて己の使命のために立ち上がる…まるで王道を行く展開ですね」

そうだね、俺が主催側じゃなかったらね。

【一日目・21時30分/日本・名古屋】

【大尉@HELLSING】
【状態】健康、熱血
【装備】PET(ビーストマン入り)、シンクロチップ@アニメ版ロックマンエグゼシリーズ
【道具】支給品一式×5、モーゼルM712@HELLSING、14年式コスモガン@宇宙戦艦ヤマト2199、エアーガン@科学忍者隊ガッチャマン
【思考】基本:五大幹部の命令に従う、松岡修造に鍛えてもらう
1:俺、熱くなるよ…
2:とりあえず、ジョーカー参加者として動く
3:ネットバトルを究めていつの日か熱斗を倒す!!
4:地の文じゃない時は無口キャラを演じる
※ネットバトル魔法のダメージは人狼としての力と熱血補正でダメージが完治しました。

【ビーストマン@ロックマンエグゼ3】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:PET所有者である大尉に従う
1:主催の一員として動く
※PETの中にいます

【松岡修造@現実】
【状態】熱血
【装備】PET(ヒートマン入り)、シンクロチップ@アニメ版ロックマンエグゼシリーズ、テニスラケット&ボール
【道具】支給品一式
【思考】基本:熱くなる
1:大尉を鍛えて熱くする

【ヒートマン@ロックマンエグゼ2】
【状態】HP満タン
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:修造と共に熱くなる
※PETの中にいます

351ズカンされた名無し:2014/02/14(金) 11:48:57 ID:Df85.Pr.0
22時になりました。禁止エリア発動のお時間です。
という訳で、中国地方から脱出し損ねた参加者の首輪が爆発した。

【一日目・22時00分/日本・中国地方】

【サシャ・ブラウス@進撃の巨人 死亡確認】
【沙耶@沙耶の唄 死亡確認】
【もょもと@ドラゴンクエスト2 死亡確認】
【KBTIT@真夏の夜の淫夢 死亡確認】

352NoName1:2014/02/14(金) 21:25:46 ID:2LHNDp4U0
「こんにちは。私は町田市長だ」

「おや…空飛ぶ人がいるぞ」

---

「あなたの命を、ゲット」

町田市長は死んだ。

なぜ死んだのだろうか。
理由は空を飛んでいる キンタロー。 にあった。
キンタロー。 は前田敦子ポジを乗っ取りたかった。
そこにロワ開催。絶好のチャンス。
キンタロー。 は開始直後から水を飲んだため、テラカオス化が進行し、フライング と相手の何かを奪える ゲット を獲得したのだ。

【一日目・22時00分/東京都・町田市】

【キンタロー。@松竹芸能】
【状態】通常
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:前田敦子を殺し、ポジションを乗っ取る
1:北上する

【町田市長@町田市 死亡確認】

353青森は東京とは別の意味で危険地帯になってました:2014/02/15(土) 21:08:44 ID:/OdTQUh20
 冷気の嵐が吹き荒れる極寒の大地と化した青森県をフリーザーが飛んでいた。
彼?は、オーバーデビルによって異常なまでに気温が低下した青森県からの脱出を試みていたのだ。
しかし、吹雪による視界不良と風の強さのせいで思うように進まないどころか何処を飛んでいるのかさえ分からなくなっていた。
そして、冷気はフリーザーの体力を徐々に奪っていた。

「畜生、こんな時にファイアーが居れば……」

 見殺しに近い事をやっておきながら今になってファイアーの事を思い返すフリーザー。
図々しい思考ではあるが、確かにファイアーがいたならば炎で吹雪を溶かして視界を確保したり暖房代わりになったりと大活躍していただろう。
それどころか、青森県からの脱出だって出来ていたかもしれない。

「あれ、何かが落ちて……また凍死体かよ……」

 フリーザーが見つけたのは、防寒着を着た二人組の死体だった。
ちゃんとした防寒着を着ている事から東北地方の寒冷化を調査しようとしてそのまま遭難して凍え死んだと判断するフリーザー。

(こうやって後から来た奴でも死ぬんだ……ああ、俺もこうなるんだな……)

 フリーザーの心を諦めが支配する。
仲間を失い孤独となった彼にそれを振り払う事など出来るはずもなく、フリーザーは心も身体も力尽きた。

【一日目・21時45分/日本・青森県】

【ポコ@ジョジョの奇妙な冒険 死亡確認】
【火野映司@仮面ライダーオーズ 死亡確認】
【フリーザー@ポケットモンスター 死亡確認】
死因:オーバーフリーズの影響で凍死

354NoName2:2014/02/16(日) 13:21:28 ID:OVrziGCU0
キンタロー。 はSATSUGAIコールの鳴り響くビッグサイトに到来した。

そして言い放った。

「あなたたちの命を、ゲット」

モブが300人ほど死んだ。

「うぉ!?」

戦いが始まる。

【一日目・22時42分/東京都・江東区ビッグサイト】

【キンタロー。@松竹芸能】
【状態】通常
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:前田敦子を殺し、ポジションを乗っ取る
1:奴らと交戦する
2:北上する


【DMC狂信者】
共通思考:クラウザーさんを蘇らせる
1:生贄のために参加者をSATSUGAI
2:ビッグサイトを活動拠点にする
3:ビッグサイトに集結
※携帯やらネットやらツイッターやらで連絡を取り合っています。

【トキ@北斗の拳】
【状態】お前のような病人がいるか
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAIはいいぞ!
※まごうことなきトキ本人です

【比那名居天子@東方project】
【状態】健康、謙虚
【装備】グラットンソード@FF11
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI

【中野梓@けいおん!】
【状態】健康
【装備】ギター
【道具】支給品一式
【思考】
基本:SATSUGAI
1:殺ってやるDEATH!

355NoName2:2014/02/16(日) 13:24:30 ID:OVrziGCU0
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】
【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】【モブ狂信者×10@いろいろ 死亡確認】

356四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:24:47 ID:vvcoRctk0

「あー根岸の野郎が死んだのか……」

 定時放送を聞き、ボールを弄りながら、MEIKOおばさんは浮かない顔をする。
(アイツはあんな変な音楽じゃなくて自分のやりたい音楽をやればよかったのにね……)
 一先ず、こないだ乗っ取った根岸のツイッターアカウント(本名垢)にビフォー(根岸)アフター(クラウザー)の写真を載せてそっと消す。
 そんで、DMC信者のサイトに『根岸(クラウザーさん)は東京都庁で死んだ』と情報を流す。
 自分の勘は9割くらい当たると信じているから、そういう情報を流した。
 ちなみに家族の何人かが死んだことも0.2秒ほど悲しんだ。
 が、すぐに切り替えた。
 打たれても引き摺らないそれがエースピッチャーとしての役目だからだ。
 一方、その横で……

「ぬぅ、どういうことだ!!! 野田総理の名前が呼ばれたぞッ!!!」
「恐らく、これがカオスロワでよくあることって奴ですね」
「そうか!!」
「おい、これじゃあ野田総理に野球を挑めないぞ!!」
「では、ダース・ベイダー達残った主催共を(野球で)滅ぼす」
「いい提案だ」
「ですなぁ」
「づら」
「「「「「「『『『『「「「「「「「「それにしても四国って本当に何もないね」」」」」」』』』』」」」」」」
「あのう、皆さん……それはちょっと失礼なんじゃ……?」
「何を言っているのだよ?」
「ジョジョ、四国を舐めるなァ、この間抜けがッ!!」

 というわけで瀬戸内海の海をテニスボールで割り、過疎地・四国に着いた拳王軍とネットバトラー軍団。
 四国の大地を踏んだ瞬間に、ほぼ全員で同じ感想を漏らした。うーん、この常識外たちは。
 そんな中、ムギちゃんも知り合いが呼ばれたが、開き直ることにした。
 悲しい顔などしてる暇なんてないのだ。

「それにしても、『コーホー』ってまるでウォーズマンみたいですね」
「きっとベイダー卿も30分以上戦えないね」
「一理ある、21世紀になっても30分以上戦えないとかね」

 ついでに主催者の一人もベイダー卿をディすっとく。
 息を吸って吐くようにさりげなくディする。
 さらにウォーズマンもディする。
 そんな時であった。

「ラダム……ラダムゥゥゥッ!!!! うおおおぉぉぉぉぉッ!!!!」
「……まだこんなところに、一般人が……逃げて……」

 マイクを二、三本ほどぶっ壊しそうな声量の白い騎士が。
 ボロボロの服の女性を追っかけていた(薄い本みたいに)。

 ことの発端は放送の前、だいたい20時くらいのことである。
 艦載機を発進させ、擬似的な人海戦術を展開していた翔鶴。
 その数は通常の艦載機の3倍から100倍くらいの数である。
 明らかに無茶苦茶をやっているように見えるが……
 ナチスドイツと祐一郎さんの科学力と友情パワーを組み合わせれば超人強度1000万50パワーくらいになるのでどうにかなる。
 まあ、善戦していたそれなりに、ね。
 それを律儀にもDさんは各個撃破していたわけだが……《1ターンは1分》。
 んでもって、知っての通りDボゥイは30分以上戦うと暴走状態になってしまうのである。
 そりゃあ、現在時刻は放送終わって21時過ぎだからね、余裕で30分以上たっているよ。

 要はその白き魔人から理性はなくなり。
 ――――――、一体のバーサーカーが生まれた。

357四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:25:19 ID:vvcoRctk0

「無差別マーダーか(棒)」
『シグナムよ、もっと本気を出して驚け』
「いや、だって今回の地の文が私じゃないから、正直なところやる気が出ない」
『……このニートは……!』
「ニートではない、フリーターだッ!」
「ハチミツ美味しいな〜」
「イチローさん……」

 シグナムやプニキたちが適当なことを言っている最中も戦いは続く。

「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉッ!!! ボォォォルッ……テッカァァァァァァァァァッッ!!!!!!!!!!!」

 白い騎士の装甲が開き放たれる特大の極光が翔鶴諸共拳王軍達を包み込む。
 しかし……


「ボルテッカを完全ガード!」


 櫂君のヴァンガ魔法(防御)が決まる。
 この場で完全ガードのカードを持ってるとはやっぱり櫂君は凄い(YKS)。
 This is the 櫂トシキ。
 しかし、これで分かった、前にいる白い騎士は放っておいたら四国唯一の公式戦が出来る野球場が……
 『松山坊っちゃんスタジアム』が確実に破壊されてしまう。

「ぬぅ、この危険人物めッ!!」
「マーダーはぶち殺す、慈悲はないのよ!」
「滅びよ……」

 ラオウの右腕から特大の闘気(オーラ)が飛び出し、平等院さんの右掌からよく分からないオーラが放たれる。
 それに合わせるようにMEIKOの右腕から黄金の回転が掛かった野球のボールが放たれた。
 二つのオーラと黄金の回転が加わった野球ボールは視覚的に巨大化して見えるだろう。

 それはまさに『阿修羅の神道』。 

 超巨大野球ボールはデカい上にやたら速い。
 当たったら、もう死ぬよ? 次元の壁とかをぶち壊しながら進んでいくよ。
 そして、白い魔人に超巨大(に見える)野球ボールが当たった瞬間であった。
 閃光と共に超巨大(に見える)野球ボールと白い魔人が大爆発を起こした。

「ボールとバッターが消えた?」
「この場合はルール上どうなるんだ、クロえもんさん?」
「知らねぇよ!!」
「なるほど、これが消える魔球って奴だな」
「それよりも……彼女に一体、何が……?」
「あたしが聞きます!」

 シャロが翔鶴に何があったかを聞く。
 その姿は非常に探偵っぽかった。


 ◆


 一方、その頃……。
 ダイアーさんの非常にスローな動きから繰り出される飛び蹴り。

「  稲  妻  空  烈  刃  !  」
「……がはっ!?」

 ダイアーさんの技が斬鬼の装甲をギターごと破壊した。
 首輪を解除したことにより、制限がなくなり全開になったダイアーさんは強いのだ。

「外道に名乗る名はない……だが、死ぬ前に我が名くらい教えてやろう!」
「……べ、別に、聞きたくは……」
「我が名はダイアー! 誇り高き波紋戦士だ!!」

 止めの波紋パンチが決まった!!
 こうして、ダイアーさんは勝利した。

「ふむ、みんなとはぐれてしまったな、どうするか?」

 戦いの最中、仲間とはぐれてしまったダイアーさん。
 一先ずは合流することにしたのだが……

「……なんだ、あれは?」

 そこでダイアーさんが見たものとは!

358四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:26:01 ID:vvcoRctk0

 ◆ ◇


「なるほど、つまり……」
『翔鶴さんは僕の妹になるんだね?』」
『ロックマン、今はそんなことはどうでもいいのでは?』
「……提督の息子さんたちでしたか……」
「光祐一郎……たしか、特A級の危険人物ってことでネットに晒されてたわね」
「そんな……確かにパパは超が程の危険人物だけど……悪人じゃないよ!!」
「一理あるのだよ」
 
 熱斗は熱弁を奮う。
 確かに息子達に六度ほど世界の命運を委ねたり、アジーナの国宝を盗ませたりした。
 だが、自らすすんで殺人をするような輩ではないことを熱斗たちは知っている。

「まあ、まずは首輪解除したあとに事情を聴きましょう」
「ん? あれは……」

 走らせていた電車を急停止させる。
 そこには…………

「シュテルベン!(死ね)」
「死なねーよ!wwwwww」

 激しい削り合いが行われていた。
 多くのひみつ道具を使うアドラーえもんも割とアレだが……
 元々、化け物染みた不死性を持つデッドプールも大概である。
 首輪を外したアドラーは全開であるが、それでも決定打が足りなかった。

「お前らは殺人野球軍団wwww確かお前らにも賞金が掛かっていたぜwwww」
「ぬぅ、この拳王は普通に野球をしていただけだ!!」
「一理もない」

 多くの獲物をしたデッドプールは獲物を変更した。
 だが、それが命取りだった……死なないけど。

「ブラックホール打ち(応用編)!!!」

 クロえもんはバットをぐるぐると高速回転させる。
 自信が大好きな野球を目の前に男に馬鹿にされたのだ。
 そりゃあ切れるよ。感情があるからね。
 そのスピードはダイソン社の掃除機となんら遜色ない速度である。
 ブラックホール打ち、吸引力が変わらないただ一つの打法である。
 
 そして、デッドプールの身体がバットに当たる寸前であった!

「デューク……」

 デュークが構えを取る。

『返せない打球なら返さなければいい』という格言がある。
 つまり、『死なない相手なら殺さなければいい』のだ。

 特訓により強化されたデュークのパワーは今までの比ではない。
 元々5段階評価で7が付くパワーがさらに倍以上になったであろう。
 今のデュークはパワーだけならば恐らくは平等院さんを軽く上回っている。
 

「……『場外』ッ! ホームランッッ!!」
「んな、ありえるか!!wwwwww」


 凄まじい剛球になったテニスボールがデッドプールの身体に突き刺さる。
 そして、そのまま四国を飛び出し、禁止エリアである中国地方を飛び越え、デッドプールの身体は九州ロボに激突した。
 激突の衝撃は凄まじくかったが、デッドプールの不死の肉体は滅びず、九州ロボの左腕。
 そう、だいたい熊本県辺りに磔状態でとどまることになった。

359四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:26:48 ID:vvcoRctk0
 
「アドラーえもんさん……提督たちは!?」
「そこだ」

 アドラーえもんが見たその先には!

「我がナチスドイツの光学迷彩技術も世界一ィィィィィ!!!
 喰らえェェェ!! 雷電!!! 紫外線照射ァァァァ!!!」
「うおっ、まぶしっ!?」
「隙を見せたな! 今だっ、サイボーグパァァンチッ!!」

 サンタナの握力の2倍のスペックを持つシュトロハイムに改造してもらった祐一郎。
 その握力はシュトロハイムの3倍! 握力×速さ=破壊力!!!!
 祐一郎さんは己の拳で雷電をホワイトベースまで吹っ飛ばした。
 その影響か、ホワイトベースはどこか損傷したのか、後退していった。

「勝ったッ! 第3部完!!」
「シグナムさん、もう少しだけ続きますよ」
  
 シグナムが適当なことを言っている最中……

「パパ!!」
「おお、熱斗か!!」

 こうして、熱斗と祐一郎さんは鬱も感動もへったくれもない形で再会した。
 そして、すぐにラオウたちは祐一郎さんに首輪を外してもらった。
 
「それで熱斗のパパさん、ここで一体何が……?」
「実はな……」

 祐一郎さんが事情を話そうとした、その時であった!

「その話、少し待ってもらおう!」
「貴方は……ダイアーさん!!!」

 そこには一人の波紋戦士が堂々と立っていた。


 ◆ ◇ ◆ 

 互いにダメージは受けている。
 決着はもうすぐ着く。
 そう、それは唐突な形で。

「月が出ているぞぉッ!!!」
「!?」
 
 バスターガンダムの一部が開き、リフレクターが展開する。
 そう、祐一郎さんはバスターガンダムにある改良を施していた。
 これが俗にいうサテライトシステム……超大技『サテライトキャノン』である。
 ガンプラのようにガンダムの改造は自由でいいのだ。 

「サテライトキャノンだッ! いっけぇぇぇぇぇぇッ!!!!!」
「……ッ! 回避を!」

 放たれたサテライトキャノン デュエルガンダムの右腕を掠った。
 しかし、その威力は絶大に強大、掠めただけで右半身を吹っ飛ばし、そのまま大阪方面にビームが飛んでいった。
 そのまま、デュエルガンダムは戦場を離脱した。

「ドラえもん、僕勝ったよ……」

 この勝利はドラえもんに捧げようと、のび太は思った。
 追撃をしようとしたがオーバーヒートしそうなこの機体状況では無理と判断した。
 そんな時に祐一郎さんご一行総数20人くらいが合流した。
 
「のび太君、無事か!!」
「えっ、ドラえもん……? いや、人違い……?」
「ロボット違いですね」

 そこにドラえもんに似た猫型ロボットがいた。
 どことなくドラえもんに似ていて、違いといえば毛と耳があり、ボディが黒いことである。
  
 そして、なんやかんやで拠点が必要になった。
 さっきのマーダー達が乗っていたホワイトベースような奴がほしいという考えに至った。

「あっ、私のデイバックの中に核ミサイルがあったのを思い出しました」
「それをベースにしよう!」
「パソコンはあるかい?」
「ノートパソコンだったら、私持ってるし」
「よし。あとは道具と機材が必要だな!」
「俺は……アドラーえもん……ひみつ道具なら俺が!」
「足りない道具は俺が!」
「力仕事なら我々が!」
「ですなぁ」
「づら」

 その後、彼らの世界一の科学力とかイメージとかオーラとか波紋とか金の力とか主催者を倒すという一丸の想いとかが結集した。
 そう、所謂一つの友情パワーである。あと足りない道具は皆が外した首輪を使った。そして、それから15分後である。

「完成したぞぉ!!」

 そこには見事な戦艦が完成していた。
 時間短縮のために高速建造材を20個も使ったの功を奏したのだ。
 
「熱斗の父よ、この戦艦の名前は何だ?」
「そうだな……幾度もの『死』線を乗り越える『国』……そうだ、戦艦『死国』とでも名付けようッ!!!」
「いいネーミングセンスだ!」

 こうして【超弩級戦艦『死国』】が爆誕した。
 なんで『死国』かって……まあいつかの『伏線回収』って奴だ。

360四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:27:08 ID:vvcoRctk0

【一日目・22時00分/日本・香川県】

【超弩級戦艦『死国』】

【MEIKO@VOCALOID】
【状態】健康、首輪解除
【装備】アルティメットアーマー@ロックマンXシリーズ
【道具】支給品一式、ノートパソコン@現実
【思考】
基本:殺し合いに乗った者達を殺す
 1:ラオウ達に協力してもらう
※今までとは別人です。
※『黄金の回転』を習得しました

【琴吹紬@けいおん!】
【状態】精神的にぶっ飛んでる、首輪解除
【装備】超弩級戦艦『死国』、キーボード、現金1兆円ほどが入った特注ジュラルミンケース
【道具】支給品一式、たくあん@現実、その他不明
【思考】
基本:生き残ることを最優先
1:拳王とやらの配下になる
※今までとは別人に決まってんだろ!!いい加減にしろ!!
※核ミサイルは超弩級戦艦『死国』に改造されました。

【ラオウ@北斗の拳】
【状態】健康、首輪解除
【装備】炭酸水
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:ダース・ベイダ―たちを倒す
0:主催者チームを全員屠る
1:そして、拳王が新たな時代を作る
2:死兆星から使者の小娘を配下にしたぞ!
3:トキ似の男を配下にしたぞ!
4:強そうな鎧の女を配下にしたぞ!
5:謎の黒猫たちを配下にしたぞ!
6:なんかいろいろ配下にしたぞ!

【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【状態】健康、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、諭吉一枚
【道具】支給品一式、少年ジャンプとヤンジャン、その他不明
【思考】基本:主催者達を滅ぼす
1;マーダーも滅ぼす
2:ラオウたちと行動する
3:テニスがしたいが、野球をする

【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【状態】健康、全ステータスMAX、首輪解除
【装備】木の棒
【道具】支給品一式、最高級ハチミツ、その他不明
【思考】基本:ムギさんからハチミツを貰うために主催者たちを野球で潰す
1;ホームランを打つ

【川崎宗則@現実?】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローを倒してでも、マリナーズに連れ戻す
1:戦力を集める

【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式 電車ごっこロープ
【思考】基本:主催者たちに野球で挑んで勝つ!
0:矢部君の意志を継ぎ、殺し合いを打破する
1:最低でも四国アイランドリーグが出来るくらいの仲間を集める
2:イチロー選手を仲間に引き入れたい

【殿馬一人@ドカベンシリーズ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】バット、ボール、グラブ
【道具】支給品一式、グランドピアノ@現実
【思考】基本:生き残る
1:イチローと合流したい

【デューク渡邊@新テニスの王子様】
【状態】健康、首輪解除
【装備】テニスラケット、テニスボール×∞、キャッチャー用具一式
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:お頭(平等院)たちについていく
1;デュークホームランを打つ

【緑間真太郎@黒子のバスケ】
【状態】冷静、首輪解除
【装備】ハンマーブロスの無限ハンマー@マリオシリーズ
【道具】支給品一式、ホワイトボードとサインペン
【思考】
0:赤司に勝つ
1:野球をするのだよ

361四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:27:29 ID:vvcoRctk0

【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、大山デカオ@ロックマンエグゼ、大山デカオ@ロックマンエグゼ2
    デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    大山デカオ@ロックマンエグゼ3(BLACK版)大山デカオ@ロックマンエグゼ5チームオブブルース、
    各種ナビカスタマイザーパーツ、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:主催者たちにネットバトルを挑んで勝つ!
0:パパがサイボーグになってて驚いたなぁ……
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:上条(ジョジョ)さんとディおじさんの決着をつけさせる

【ロックマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
0:僕に妹が出来たぞォ!
1:主催者たちがネットバトルを受けてくれるか、心配。
※PETの中にいます

【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】レヴァンティン
【道具】支給品一式、PET(カーネル入り) 、SPW財団以上の資金とか多数のレアチップ、シンクロチップ
【思考】基本:働かなくて済むように動く
1:熱斗たちについてくる
2:主催者たちは倒す
3:上条(ジョジョ)か……一理ある
※今までとは別人ですが記憶を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。

【カーネル@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】カーネルのブレード
【道具】なし
【思考】基本;ロワの破壊
1:今は(仕方ないので)シグナムに従う
※PETの中にいます

【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康、不幸、首輪解除出来てない
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】エスパー伊東@現実、シンクロチップ、他人のデッキ(「ぬばたま」デッキ)
【思考】
基本:


                    いいぜ ヘ(^o^)ヘ
                            |∧
                            /
                主催者たちが
             何でも思い通りに
             出来るってなら
                 /
             (^o^)/
           /( )
          / / >


      (^o^) 三
      (\\ 三
      < \ 三
..\
(/o^)
( / まずは
/く そのふざけた
   幻想(ロワ)をぶち殺す
1:なんで俺だけ……

362四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:28:16 ID:vvcoRctk0
【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:上条に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
※PETの中にいます

【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】疲労、全身にダメージ、首輪解除
【装備】PSP(デューオ入り)
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:シンクロチップを手に入れたし、デューオとクロスフュージョンする。

【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【状態】HP満タン
【装備】ジャスティスワン、ザ・ワールド
【道具】なし
【思考】基本;とりあえず、ディオを見守る
1:カオスロワでもそれは無理そう。
※PSPの中にいます

【櫂トシキ@カードファイト!! ヴァンガード】
【状態】ヴァンガ脳、首輪解除
【装備】自分のデッキ、やきそば
【道具】支給品一式
【思考】
1:強いファイターと戦う
2:上条達についていく

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラ ミルキィホームズ】
【状態】謎ミルキィ、首輪解除
【装備】かまぼこ、自分のデッキ(「ロイヤルパラディン」デッキ)
【道具】支給品一式、テニスボール×∞
【思考】
1:櫂に着いて行く

363四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:28:48 ID:vvcoRctk0
【光祐一郎@ロックマンエグゼ】
【状態】サイボーグ化、首輪解除、ダメージ(大)
【装備】なし
【道具】支給品一式、自作爆弾
【思考】
基本:息子たちをサポートする。
1:主催者について調べる
2:できれば九州ロボを取り戻したい
※九州ロボの制作を提案した人物がいるようです
※カオスロワちゃんねるにより、危険人物扱いのレッテルを貼られました
※砲撃によりノートPCは全壊しました

【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】ダメージ(中)、首輪解除
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明
【思考】
基本:主催共に一泡吹かせる
1:祐一郎達と行動する
2:雷電は確実に倒す

【野比のび太@ドラえもん】
【状態】健康、首輪解除、怒り、バスターガンダムに搭乗中
【装備】バスターガンダム@機動戦士ガンダムSEED、龍星座の紫龍@聖闘士星矢、
【道具】支給品一式、ボーリングの玉@現実、キン肉マンのコミックス全巻@現実
【思考】
基本:生き残る、できる限り祐一郎さんたちを手伝う
0:戦わなければ死人が出るぞぉ!!  
1:ドラえもん……
2:クロえもんってドラえもんにそっくりだな
※ミノフスキー粒子の影響で通信がしづらくなっています
※デュエルガンダムのパイロットが出来杉だと気づいてません
※バスターガンダムにはサテライトシステムが搭載されています。

【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割と大ダメージ、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:アドラー達と行動する。
※ディオを『吸血鬼ディオ』と思っていません。
※何か見ましたが、別に物語とは関係ありません。

【アドラー@エヌアイン完全世界】
【状態】それなりに大ダメージ、首輪解除
【装備】電光機関@エヌアイン完全世界、四次元ポケット(中身入り)@ドラえもん
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:ダイアー達と行動する
0:俺は……アドラー……えもん

【翔鶴@艦これ】
【状態】損傷(大)
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】
基本:提督(祐一郎)に従う
0:お風呂に行きたい
1:襲い掛かる者たちを殲滅する

364四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:29:15 ID:vvcoRctk0

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「くそ、くそ……畜生ぉぉ!!!」
「出来杉……ぐずぐずするな、切り替えろ」
「……はい」

 ホワイトベースに帰還した出木杉は一人悔しさを口に出す。
 仲間を失い、ガンダムも大破寸前、非常に不甲斐ない。

「力が……力がほしいよ……!」

 自分の無力を悔いても悔みに切れない。
 ただ、ひたすら打ちのめされているだけだった。  

「戦力が圧倒的に足りない」

 十神も十神も頭を抱える。
 ただでさえ無茶苦茶な連中だけだったのに、さらに化け物たちが加わった。
 祐一郎たちに合流した彼らはネットの噂で……
 《筋肉モリモリマッチョマンの化け物》
 《前世は化け物のタクアン女》
 《超高校級のテニヌプレイヤー》
 《回転で人を殺す鎧の女》
 《ブラックホールを発生させる化け猫》
 《おっさんみたいな高校生》
 《イチローのストーカー》
 《戦場のピアニスト》
 《裏の王》
 《悪のカリスマ》
 《伝説のニート》
 《幻想殺し》
 《音速を超えた速度でバスケットボールを投げる男》
 《妙なカードを操る男》
 《謎ミルキィ》 
 と、凄まじいことにはなっている連中だ。
 勝てる気がしなかった。
 
「白夜様……」
「だが、次はこういかん……十神の名に懸けてだ」

 ホワイトベースは飛んでいく。
 新たなる仲間を求めて。

【一日目・22時00分/日本・兵庫県上空】

【ホワイトベース】


【十神白夜@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、艦長ポジション
【装備】ホワイトベース@機動戦士ガンダム
【道具】支給品一式、腐川冬子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
【思考】
基本:愚民たち(対主催)を従えて十神家繁栄の邪魔になる主催を倒す。
0:一旦、体制を立て直す
1:祐一郎一行を殲滅する戦力を集める。
2:その後は北上してマーダー掃討、対主催を集める


【アイギス@ペルソナ3】
【状態】健康、ホワイトベースと接続、右舷担当
【装備】超磁鋼レールガン@ペルソナ3
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:十神たちについていき、殺し合いを破壊する
2:殺し合いを破壊して平和になったらSEESと合流する

【ホライゾン・アリアダスト@境界線上のホライゾン】
【状態】健康 、ホワイトベースと接続、左舷担当
【装備】悲嘆の怠惰@境界線上のホライゾン、拒絶の強欲@境界線上のホライゾン、憤怒の閃撃@境界線上のホライゾン
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:十神たちについていき、殺し合いを破壊する
2:殺し合いが破壊されてからトーリたちと合流する

【雷電@METAL GEAR RISING】
【状態】ダメージ大
【装備】高周波ブレード
【道具】支給品一式、 その他不明
【思考】
基本:仲間と共に主催者たちを倒す
0:祐一郎たちを倒す
1:シュトロハイムは倒す
2:ローズマリーやスネークの安否が心配

【出来杉英才@ドラえもん】
【状態】無力感
【装備】デュエルガンダム(右半身消失)@機動戦士ガンダムSEED
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間と共に主催者たちを倒す
0:力がほしい
1:よくも仲間を!
2:のび太くんたちは大丈夫かな?
※ミノフスキー粒子の影響で通信がしづらくなっています
※バスターガンダムのパイロットがのび太だと気づいていません

365四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 19:29:35 ID:vvcoRctk0

【一日目・22時00分/九州ロボの左腕(元熊本県)辺り】
【デッドプール@DEADPOOL】
【状態】気絶、狂気(デフォルト) 九州ロボの左腕(元熊本県)辺りに磔状態
【装備】自動拳銃×2
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:主催やマーダーを殺して十神から金をもらう
0:ここどこだよwwwww
1:祐一郎たちを倒す
2:こいつら実はマーダーじゃなかったりして……そんなわけねーかwwwww


【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード 死亡】
【財津原蔵王丸(ザンキ)@仮面ライダー響鬼 死亡】

 ◆ ◇ ◆

 一方、その頃、大阪では……


「ズエェア!!!」


 飛んできたサテライトキャノンをハクメンが斬った。
 真っ二つに切り裂かれたサテライトキャノンは力を無くし近くのビルにぶつかり消滅した。
 こうしていなければ被害は甚大になっていただろう。

「相変わらず、無茶なことが出来るな」
「四国は拠点があるのではなかったのか?」
「……どうせ、滅びる運命。そういうことだったんだろうよ……なあ、貴様もそう思うだろ?」
「ひっ……」

 飛竜の鋭い視線の先には無数の鎖で繋がれた三つ首の竜がいた。

 激しい戦闘だった、氷嵐の支配者と英雄とストライダーの死闘は。
 勝負の決め手は飛竜のダブルウロボロスだった。
 富山湾付近で拾った蛇双・ウロボロス装備した飛竜。
 相手を捕縛し、完全に動けなくし、そこから自身のウロボロスを乱射する。
 肉体をウロボロスで破壊し、精神をウロボロスで破壊する。
 いともたやすく行われるえげつない行為である。

「さらばだ。『凶(マガト)』につながる竜よ」

 最後にハクメンによってその命は絶たれた。
 
「四国は危険地帯か」
「そのようだな」

 恐らくは四国の拠点は潰された。
 ならば、これからどうするか? 決まっている。

 ――――悪を滅する。

 彼らにあるのはそれだけだった。


【一日目・22時00分/日本・大阪のどこか】

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】ダメージ小
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション、ウロボロス@BLAZBLUE
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:ハクメンと共に主催陣営及び『悪』を殲滅する
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※2014年2月22日発売予定の新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。


【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】ダメージ小
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:飛竜と協力して、主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※ヒートゲージ等の状態は次の書き手に任せます。


【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 死亡】

366四国ではたまにあることです。:2014/02/16(日) 21:13:41 ID:vvcoRctk0
ミスあったので飛竜とハクメンのところはカットします

367戦いは数だよ:2014/02/16(日) 23:25:47 ID:XwNssTBM0
 テラカオス化によって得た能力で300人ものDMC狂信者の命を奪ったキンタロー。
ちなみに、キンタロー。が殺害したモブ狂信者達は状態表がないから死亡者リストには載らないので、キンタロー。の殺害数は一人のままだったりする。
しかし、キンタロー。を何時の間にか背後にいたデスマスクが殴りつけ、彼女に致命傷を負わせた。
彼は、同行者の明智光秀だけでなくビックサイトを目指す道中で合流したモブ狂信者達と共に、ついにビックサイトに到着したのだ。
そんな彼の拳を受けて致命傷を受けたはずのキンタロー。だが、彼女は命を“奪った”際に奪った分の命を手に入れていたので復活した。
後、301回殺さない限り、キンタロー。は死なないのだ。

「あなたたちの命を「「「「「SATSUGAIせよぉぉぉっ!!」」」」」

 だが、DMC狂信者達からしてみれば、たったの301回でしか無かった。
わざわざ口に出さないといけないような能力以外は大したことないキンタロー。なんて彼等の敵ではなかった
トキの秘孔を突く一撃が、天子のグラットンソードが、梓のギターによる48の殺人技が、デスマスクの小宇宙を燃やした打撃が、光秀の二つの大鎌による斬撃が、モブ狂信者達の攻撃の数々が次々とキンタローの命を奪っていく。
圧倒的な物量差による一斉攻撃は、流石に1秒間に12回とはいかないものの、1秒間に2回のペースでキンタロー。を殺していったのだ。

「フフフ、これで終わりですよ」

 そして、明智光秀がデスマスクに殴られたのを除いて300回死んだキンタローの首を刎ね、戦いという名の蹂躙劇は終わった。
死んでも自分がクラウザーさん復活の生贄になるとしか考えてないが故の、死を恐れない猛攻がこんな結果を出したのだ。
こんなイカれた集団だが、MEIKOが流した『クラウザーさんは東京都庁で死んだ』という情報はデマだと気付く程度には理性が残ってたりする。
だが、どっちにしても都庁の軍勢もデマを流した奴もSATSUGAIする事に変わりは無いのでMEIKOの行動に意味は無かったりする。
まあ、彼等より都庁の軍勢のほうが理性的で人間らしいと言われたら両者を知る者には否定出来ないだろうがね。


【一日目・22時45分/東京都・江東区ビッグサイト】

【DMC狂信者】
共通思考:クラウザーさんを蘇らせる
1:生贄のために参加者をSATSUGAI
2:ビッグサイトを活動拠点にする
3:ビッグサイトに集結
※携帯やらネットやらツイッターやらで連絡を取り合っています。

【トキ@北斗の拳】
【状態】お前のような病人がいるか
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAIはいいぞ!
※まごうことなきトキ本人です

【比那名居天子@東方project】
【状態】健康、謙虚
【装備】グラットンソード@FF11
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI

【中野梓@けいおん!】
【状態】健康
【装備】ギター
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
1:殺ってやるDEATH!

【蟹座のデスマスク@聖闘士星矢】
【状態】健康
【装備】蟹座の黄金聖衣@聖闘士星矢
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:SATSUGAI

【明智光秀@戦国BASARA】
【状態】健康
【装備】大鎌×2
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:SATSUGAI

【キンタロー。@松竹芸能 死亡確認】
死因:斬首
※死がカウントされるのは最後の一回だけです。

368グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:30:10 ID:hM0VdpUk0
都庁がモンスターの巣窟になった。この件を知らない参加者はもはやほとんど存在しないだろう。
口コミに加えて、ネットでも徐々に広まっているのだ。それでも、まだ都庁に向かう参加者はいた。
モンスターが色々な意味で好きな連中である。

「効かぬわ、ミリオンアサルト!」
「「ぎゃああああぁぁぁぁぁ!!!」」

【ハンターA(フンター)@モンハンシリーズ】死亡確認
【ゴルルナ一式装備ハンター@モンハンシリーズ】死亡確認

もっとも、勇気と無謀は別物であるが。
彼らはモンスターの長に会う前に、自ら番人役を買って出ている二人の人間に叩きのめされていた。

「ここが新しい降臨ダンジョン……1階から火力インフレとかなんて糞仕様なんだ! 
 だが舐めるなよ。俺のこの麒麟ホルスパの圧倒的な火力なら……! くらえ、全属性25倍攻撃!」
「はいはい、全属性は吸収しちゃおうねー。そしてさようなら」
「待っ――

【パズドラテイマー@パズドラ】死亡確認

真っ二つにされてしまった主人の姿に、彼の召喚していたモンスター達は震え上がる。

「死にたくなければ去れ。そして次は愚かな人間に従わないようにするのだな……」

だが、番人の二人が叩きのめすのはあくまで人間であり、モンスターは基本的に見逃していた。
都庁の構成員がモンスターであるし、中には無理矢理人間に従わせられている者もいるうえ……

「に、逃げるぞみんな!」
「あ、そこの角と尻尾があるドラゴンっぽい子だけちょっと残ってくれるかな?」
「え? わ、私ですか? どうして――

ナ、ナニヲスルンデスカ!? ダイジョウブ、キモチイイコトダヨ ダメデス、ソンナ…… ホラ、ヨーシヨシヨシ。ココガイイノカイ? アッ……

「ふにゃぁ……サクヤのご主人様はレスト様だけですぅ……」
「やりましたよダオスさん、竜娘っぽい子を仲間にできました!」
「そ、そうか……まあ、戦力が増えたなら良しとしておこう……」

レストはその能力で、モンスターを手懐けることもでき、うまくいけばこのように戦力を増やせるためだ。
もっとも制限からか、連れて歩けるのは二体までのようだが。

「ダオスさんも、洗脳の魔法が使えるならそれで戦力を増やすのはどうですか?」
「いや、洗脳も万能ではないし、解ける危険性がある。やはり説得するか外部から協力者がやってくるのを祈ろう。
 幸いにもこの者は、トレーナーを自ら殺害して我らについてくれたがな」
「ア゛オ゛ォォォォ!」

そういうダオスの傍らには、自身のトレーナーをアイアンヘッドで叩き潰したモンスター、メガボスゴドラがいた。
彼は自分の住処の環境が荒れた場合、自ら土を運び植林するエコなポケモン。
住処を荒らした主催者や人間に復讐するため、都庁の軍勢に寝返ったのである。

【エリートトレーナー♀@ポケモン】死亡確認

何故彼らが都庁を守りつつ、戦力の増強を考えているのか?
それは放送が原因であり、都庁軍にとっては緊急事態であったためだ。

369グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:32:04 ID:hM0VdpUk0
「……グンマーの民、……」

放送でその名が呼ばれた瞬間、都庁には激震がはしった。
グンマーといえば、人間であるが都庁軍勢と協定を結んだ、いわば同胞である。
加えて圧倒的な力を持ち、世界樹と化しつつあるこの都庁よりもさらに広大な世界樹の迷宮に住む者達だ。
その彼らが、死んだ。
一体誰が、どうやって。その疑問は残るが、とにかく彼らは殺されてしまった。
当然、都庁の者はたまらず怒り狂い、悲しみに沈む。
そして――自分達の身の危険も感じた。
当初は絶対安全圏と認識していたグンマーがこれでは、都庁も危ういのではないか。
そう考えた彼らは、リーダーの命によりさらに都庁の守りを固め、一部のモンスターは外に同志の生き残りを探しに行き……
さらに一部の参加者に意識改革と協力を求めているのである。
これはもはや自分達だけの戦いではない。グンマーを背負った戦いでもあるのだから。

「オンジン、モンバンマカセテスマナカッタ。リーダーヨンデル」
「骨竜か。しかし我ら以外に、ここの番をできる者がいるのか?」

「グオオオオオォォォォウ!」

「ウォークライガヤッテクレル。クウフクデソロソロニンゲンマルカジリタイラシイ」
「へえ、これはかなり強そうだ。ではここは任せて、僕らはリーダーに会いに行きますか」

【一日目・21時50分/都庁樹の迷宮入り口】
【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】すごく健康、空腹
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:都庁の防衛
1:都庁に近づく相手を蹴散らす
2:美味そうだったら喰う



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「リーダー、オンジンツレテキタ」
『ご苦労。では君はアイスシザースと合流し、彼の補佐を頼む。
 さて……まずは魂の裁断者を、我らを助けてくれた礼を言わせてくれ強き人間よ』


骨竜に案内された先にいたのは、金色の巨大な竜。
その堂々とした佇まい、迸る雷から流石の二人も息を呑んだ。

『我が名は……そうだな、ここはあえてツバサビトのものを使わせてもらおう。クランヴァリネだ』
「レストです。そして後ろがダオスさんです」
『改めて、礼を言わせてくれ。君たちがいなければ、あの怪物がここに侵入し、甚大な被害がでるところだった』

雷竜、クランヴァリネは深々と頭を下げた。

『しかも後ろの魔物二人は新たな協力者か?戦力の補充までしてもらい、本当に申し訳ない』
「いえ、僕も竜娘が仲間にできてよかったですよ。……ところでクランさん、雄ですか? 雌ですか?」
『……雄だが』
「あはは、まあドラゴンなら雄も雌も大丈夫なんですけどね。プロテもアクナもフレクも雄ですし」
『……流石に、いくら恩人とはいえそういった要望には応えられないな。我の性癖は至ってノーマル、人妻至上主義なものでな』
「あぁ、人妻もいいですよね。なんかこう、吸い込まれそうというか、染めたいというか……ぐっときますよね」
『おお、わかってくれるか! いや赤竜と氷竜とも趣味があわなくてなかなか難儀していたのだが……』

「貴様ら……」

370グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:35:13 ID:hM0VdpUk0
不毛なやりとりを、頭を押さえたダオスが止めに入る。
この都庁の軍勢の長だというので警戒はしていたが、どうやら意外と俗な生き物らしい。
何故か意気投合している様子であり、このまま放置すれば『本題』に戻るのはだいぶ先になるだろう。

「念話が私にも聞こえていること、理解しているか? 無駄口を叩く前に、伝えるべきことを伝えて貰いたいものだ」
「す、すみませんでした」
『済まぬ。……ゴホン、君たちを呼んだのには勿論、理由がある。
 まずは話すべきであろう。我らがこの都庁を乗っ取った理由を……
 目的の一つは、ここを新たな世界樹、拠点として大地の再生を図ること。人間に住処を奪われた者を匿う役割もある。
 恐らくこれは、君たちならば既に理解しているだろう。二つ目の目的は――樹海守護者、フォレスト・セルを目覚めさせることだ』
「フォレスト・セル……」

真面目な声色で、クランヴァリネは言葉を続ける。

『セルは、或いはセルに類似する存在は世界樹と呼ばれるものの地下深くに複数体存在するが、この都庁の下に眠るセルはその中でも最強の存在。
 こうして生まれた森を守るため、常に進化を続ける。世界樹を守るために際限なく強くなり、自然以外の余計なものを排除する。
 ……目覚めた場合、君らは勿論、我や仲間達ですら、命の保障がないがな』
「なんだと!?」
『あくまでこれは最終手段のつもりだった。だが……グンマーの民が殺されたことは完全に想定外だ。
 彼らであればあるいはセルを制御できたかもしれないが、それも叶わない。
 彼らが死んでしまったということは、もはや外部に我らの味方はいないものと思ったほうがいい』
「なんのために、私達がここを訪れたと思っている? このボスゴドラ達も、味方ではないというのか?」
『……言葉が悪かったな。そう、君たちのような存在は本当に希少だ。本当に感謝をしている。
 仲間が何人か外に協力者を求めてここを旅立った。もしかしたら彼らも協力者を見つけてくれるかもしれない。
 だが自然に対するその思いと、戦えるだけの力は、必ずも比例はしない。だからこそ――君たちを頼りたいのだ』

瞬間、周囲に激しい稲妻が奔る。
クランヴァリネの三眼が見開かれ、その身体と四肢に力が込められる。
地形を変え、磁場を歪める最強の雷竜。
その全力の殺意が、ダオスとレストに対して向けられた。

「……」
『……ふっ』

だがそれは、すぐにおさめられる。

『身じろぎ一つしてくれないとはな……だが、それでこそこの無茶な願いもできるというものだ。
 
 
 ――ダオス、そしてレストよ。どうか我に代わり、君たちにこの都庁に集まった者を導いてもらいたい!』

やや間を置いてから、クランヴァリネはそう告げた。
それはつまり、長の権限の譲渡。
自分を含めて仲間達の命を部外者に預けるという、暴挙に近いものである。

371グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:35:52 ID:hM0VdpUk0
「私達を信用してくれるのは嬉しいが、ここの魔物達は納得するのか?」
『問題はない。既に君たちのことは全員に伝えてあるよ。
 ダオス、君には支配者……王の風格がある。君ならば、ここの個性的な面々であっても上手く纏め上げることが可能だろう。
 レスト、君は王というより、王子の風格だな。その親しみやすさであれば、多くの者が勝手に君に寄ってくるだろう。
 そしてなにより……二人とも、我を遥かに上回る力を持っている。君たちに無理であれば、我に目的が遂行できようはずもあるまい』

恐らく既に魔物同士で念話を済ませていたのだろう。
見ればクランヴァリネ以外にも、大小様々な魔物が服従の構えでいつの間にか広間に集まっていた。

「これは……責任重大ですね」
「私の双肩に、こやつら全員の命がかかっている、か。
 ……いいだろう! グンマー亡き今、ここを守れずして大地が救えようか! 全ては救世のためにっ!」

ダオスが拳を天に突き上げ、叫ぶ。
あわせて、魔物達もそれぞれが様々な咆哮をあげた。
それは新たなリーダーの就任を祝うと同時に、グンマーの民への手向けでもあった。



----



「まずは防衛網を見直せ。骨竜の報告によれば、突然内部に現れた忍者もいたらしい。
 外部だけに集中せず、内部での争いにも対処できるような編成をこころがけるように。強敵が現れた場合は生存を優先し撤退せよ!」

早速てきぱきと都庁軍の者たちに指示を出すダオスを見ながら、クランヴァリネは満足げに頷いた。

『うむ、我もトップを退いたとはいえ、彼に全てを押し付けるわけにはいかぬな。
 この都庁の周囲全体の磁場を捻じ曲げ、近づける者の数を減らしておくとしようか』
「ここが完全な迷宮に変化すれば、弱い魔物でも逃げ隠れはできるようになりそうですね。
 そうしたら今度は、僕達も本気を出して積極的に邪魔者を排除していった方がいいでしょう」

都庁のまだ樹になっていない壁材をべりべりと素手で剥がしリフォームしつつ、レストもまた思案する。

「レスト様の言う通りかと……こちら、レスト様はあまりお好きではないとのことですが、ネットに……」
「あれ? パソコンなんてここにあったんだ。……ってちょっと」

『都庁は化物の巣窟。退治しないと』
『いや無理だろあれ。触らぬ神になんとやらだ』
『なんか都庁が見当たらない件』
『把握。都庁が木製になってた。火炎放射器ありったけもってけばいいんじゃね?』
『おk、凸するは』
『やばい、なんか屋上にきもいぶどうがなってる』
『さっき放送で忍さんの名前が呼ばれた……俺が都庁の潜入捜査なんか依頼したからだ……』
『でもさ、珍しいモンスター沢山いるんだろう?ゲットしたくね?』
『むしろ狩りたい』
『ここが新しい降臨ダンジョンか』
『上の書き込みしたっぽい奴ら、俺の目の前で惨殺されたよ……』
『マジかよ。情報くれ』
『金髪の人間二人が魔物庇ってるっぽい。いや多分あれも魔物だな』
『それイケメン?ならちょっと会って来る』
『おいごらぁ、イケメンいねーぞ!てか明らかにやばいドラゴン……あらやだ巨根じゃn
『うわああああ!痴女がドラゴンに食われたああああああ!お、俺は逃げるぞ!』
『あえて言おう。ドラゴンGJ』

【右代宮桜座@うみねこのなく頃に】死亡(ウォークライに食われました)

372グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:38:06 ID:hM0VdpUk0
「なんだこれは……」
『ふむ、リアルタイムでどうやらこの都庁は話題にされたり、見られていたりするようだな』
「他のアプリとか掲示板でも、かなり話題にされちゃってますね……」
「……これは割と早めに手を打った方がよさそうだね。パソコンとかは嫌いだけど、今回は素直に感謝しよう」
『ちなみにこれ、都知事からの戦利品。まあ我らの身体じゃ、扱えなかったんだがな』
「で、でしたら私がチェックをしておきます。こう見えて私、スマホとかアプリとか掲示板とか慣れてるんで……」
「ありがとうサクヤ。それじゃあ僕は……うん、この壁材とか採取物で色々道具を用意しておこうか」

バトルロワイアル開始から、もう間もなくで二日目。
都庁の軍勢の目的は自然環境の改善であり、環境をないがしろにした人間の抹殺である。
魔物達が本格的に人類に牙を剥くのは、もうすぐだ。

【一日目・22時20分/都庁樹の迷宮・内部のどこか】

【雷鳴と共に現る者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】健康
【装備】じしゃく@ポケットモンスターシリーズ
【道具】支給品一式
【思考】
基本:仲間達と共に、世界樹の環境を整える
1:都庁の防衛のため、周囲の磁場を捻じ曲げておく
2:赤竜と氷竜が気になる
3:安らかに眠れ、グンマーの民よ……
※人間に対しては、クランヴァリネと名乗っています

【ダオス@テイルズオブファンタジア】
【状態】健康、物理攻撃無効、雷耐性低、都庁リーダー襲名、メガボスゴドラの飼い主
【装備】ダオスマント
【道具】支給品一式、不明品
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
1:都庁の軍勢を束ね、主催者及び敵対者を葬る
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビを警戒
4:雷竜とレストが少しアレなので、その分自分が頑張る
5:自分達が健在な限りは、フォレスト・セルの召喚は控える

【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】健康、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減、サクヤの飼い主
【装備】天ノ村雲ノ剣
【道具】支給品一式、不明品、謎の壁材、水晶の壁材等の素材
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
1:都庁樹の施設と素材を使い、戦闘準備を整える
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビを警戒
4:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
※フレクザィードの飼い主でしたが、バサラによりその権限を奪われていることに気がついていません
※連れて歩けるモンスターは二匹までです

373グンマーに代わってお仕置きよ:2014/02/17(月) 00:40:50 ID:hM0VdpUk0
【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】健康、調教済み
【装備】不明
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:実は青龍と違ってドラゴンではないことはこの際黙っておく

【メガボスゴドラ@ポケモン】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、大量の土と樹
【思考】
基本:ダオスに着いていく
1:縄張り以外でも自然環境を破壊する奴は容赦なく頭突く
2:リフォームを手伝う


『ところで、本当にあの屋上にぶら下がっているぶどうっぽい者はなんなのだ?』
「知らぬ。敵意はないようだが……」


「……♪」

その頃、より快適な環境になった都庁にぶらさがり続けていたミザールは目的を忘れていた。
今の彼が考えることはただ一つ。
――仲間と一緒にぶら下がったらもっと楽しいのではないだろうか?――

……都庁がさらに人外魔境と化する日も、遠くないのかもしれない。


【セプテントリオン・ミザール@デビルサバイバー2】
【状態】超健康、超上機嫌
【装備】ミザール触手×6
【道具】不明品、支給品一式
【思考】
基本:都庁樹にぶらさがる
1:自分を都庁から降ろそうとする奴には反撃
2:セプテントリオン仲間を呼びたい
※超速再生無限増殖能力には制限がかかっています
※セプテントリオンとしての使命は完全に忘れ去りました
※魔物でも悪魔でもない存在なので、都庁軍勢の誰も彼の言葉を理解できていません
※裁断者相手にはジェスチャーでぶらさがりたい旨を伝えたようです

374302回ですよ:2014/02/17(月) 16:51:59 ID:VS26tj/g0
死んだはずのキンタロー。 が立ち上がる。
実は302回殺さないと死なないのだがそんなことを知らなかった彼らは油断していた。
「えっ…」

「あなたたちの…命を…」

向かってくる大軍。だがもう遅い。

「ゲ ッ ト ォ ォ ォ ォ ォ ! ! !」

今の衝撃で6千人ほど死んだ。
耳栓をしていても目に響いて死んだ。
そう。複数人指定は聞くか響くかすると効果を発揮するのだ。

「あなたたちの命をゲット!あなたたちの命をゲット!あなたたちの命をゲットォ!」

今の衝撃で3万人ほど死んだ。

「今の内に逃げよう」

キンタロー。 は他に誰かが来る前にそそくさと逃げた。

【一日目・23時00分/東京都・江東区ビッグサイト】

【キンタロー。@松竹芸能】
【状態】通常
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本:前田敦子を殺し、ポジションを乗っ取る
1:北上する

【トキ@北斗の拳 死亡確認】
【比那名居天子@東方project 死亡確認】
【中野梓@けいおん! 死亡確認】
【蟹座のデスマスク@聖闘士星矢 死亡確認】
【明智光秀@戦国BASARA 死亡確認】
【モブ狂信者×35995@いろいろ 死亡確認】

375ズカンされた名無し:2014/02/17(月) 18:18:19 ID:WAzCfMZc0
その頃、殺し合いが開かれていない世界では…
S君とD君が創作活動に励んでいた。

S「という話はどうかな?」
D「………」
S「どうしたんだよ、いつものハンバーガー何個分とかいうのは?」
D「ハンバーガーに入ってるピクルス10分の1くらいかな」
S「今まで一番最低な評価じゃん…」
D「そうかな、評価してあげただけ有情だと思うよ☆」

〜終わり

376大阪、危機一髪:2014/02/17(月) 23:11:44 ID:PqKEOagw0

「はっ!!」
「ズェア!!」

バスターガンダムのサテライトキャノンは大阪に届いていた。
しかし、大阪に立ち寄っていた飛竜とハクメンによってサテライトキャノンは斬られた。
サテライトキャノンはビーム兵器である。そう、彼らはビーム兵器を斬ったのだ。
片や特A級ストライダー専用のプラズマ光剣《サイファー》。片や事象兵器アークエネミーの一つ《斬魔・鳴神》。
これを以てして一撃でスペースコロニーを撃滅可能な《サテライトキャノン》を防いだのだ。

「なんだい、今のは? マスタースパーク以上の威力みたいだったが?」
「―――大量広域先制攻撃の一つだ、恐らくは殺し合いに乗った者が放ったに違いない」
「四国ってあたいたちが向かおうとしていた場所だよね?」
「恐らくは大阪に集まった参加者を一網打尽にするために撃ったのだろう」
「えげつないっすね」
「まったくだ……えげつねぇな……」
「白いお侍さんたちは四国に行くの?」
「無論だ、凶(マガト)に繋がる縁は断たねばならない」
「行くぞ、ハクメン」

影の薄い対主催チームと別れた情報交換した後、飛竜とハクメンはそれでも四国に向かうことにした。
ただ一つ、全ての『悪』を刈り取るために。

「僕たちはどうします?」
「留まるか、別のところに行くっすかね?」
「俺はこまっちゃんに一任するぜ」
「私も」
「あたいが決めていいのかい?」

残された小町たちは悩んだ。
自分たちも四国に行くか、それとも別の方面に向かうか。
決断の時は近い。


【一日目・22時00分/日本・大阪のどこか】

【飛竜@ストライダー飛竜】
【状態】健康
【装備】光剣サイファー@ストライダー飛竜 クナイ、各種オプション、ウロボロス@BLAZBLUE
【道具】支給品一式 
【思考】基本:主催を抹殺する
1:ハクメンと共に主催陣営及び『悪』を殲滅する
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※2014年2月22日発売予定の新作『ストライダー飛竜』の技が使えます。
※ウロボロス@BLAZBLUEはどっかから拾ってきました。


【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『悪』を滅する
1:飛竜と協力して、主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:まだ主催以外の参加者が残っている九州ロボをテニスボールで攻撃した者を抹殺する。
※勾玉ゲージ等の状態は次の書き手に任せます。

377大阪、危機一髪:2014/02/17(月) 23:12:13 ID:PqKEOagw0

【小町と影薄な仲間たち】
※メガザルの腕輪により、全員のダメージ等が完治しました。
※飛竜たちとの情報交換して、主催達が九州ロボにいることを知りました。


【小野塚小町@東方Project】
【状態】健康
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH
【道具】舟
【思考】基本:もう仲間を誰も失わない為にカオスロワを終わらせる
1:もう二度と仲間を置いて行こうとしない
2:幽香と戦う事を覚悟する


【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】健康
【装備】猟銃@現実
【道具】死出の羽衣@ 幽々白書
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
1:友人たちと生き残る
2:混沌の騎士の言っていた空気中に漂う何かが気になる
※実はゴゴの死体から猟銃を回収していました。

【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、他不明
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:混沌の騎士が言っていた空気中に漂う何かって主催の仕業?
3:峰岸さん……

【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】マムルの肉×2@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
1:混沌の騎士の分も頑張る

【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】健康
【装備】斬鉄剣@ルパン三世
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を倒す
1:仲間を守る
2:混沌の騎士が遺した謎を解く
3:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。
※斬鉄剣は混沌の騎士のものを受け継ぎました。
※不明支給品はメガザルの腕輪でしたが、効果が発動したため、砕け散りました。

378鬼神誕生:2014/02/18(火) 01:24:09 ID:Lkd/Th.o0
 織莉子の放った魔法の水晶玉が気絶しているデッドプールの首輪に当たって首輪にひびが入って爆発、デッドプールは死んだ。
いくら不死身だろうと、首輪が爆発したらその首輪をつけていた参加者は問答無用で完全に死ぬのである。
命を幾つ持っていようと、何者かの呪いだろうと、何等かの概念だろうと関係なく死者スレ送りにしてしまうのだ。
最も、爆発した首輪をつけた参加者以外に対してはただの爆発でしかないのだが。

「さっすが織莉子!!で、この変な奴だけど、金で雇えばいいのに何で殺すように命令されたんだい?」
「金が動機だから寝返りやすく、不死身だから寝返った時が大変な上、万が一その時首輪が解除されてたら倒せなくなるもの。仕方ないわ」

 五大幹部によるデッドプール殺害命令の意図を理解していた織莉子は、キリカにそれを教える。
この文面だけなら余計な心配だと思う人もいるだろう。
だが、超強力な対主催勢力である超弩級戦艦『死国』の面々には首輪解除手段(祐一郎とシュトロハイム)と膨大な資金(紬とシグナムが所持)がある。
存在自体がバグってるチート集団に不死身の男を渡す可能性を作る訳にはいかなかったのだ。

「この変な奴の支給品は拳銃が二丁と……トイレットペーパーだけだね」
「拳銃はココさんとジャックさんに渡して……って、そろそろ時間よ、キリカ」

 デッドプールの支給品から使えるものだけを抜き取った織莉子とキリカの前に転送ゲートが現れる。
その転送ゲートを織莉子とキリカは迷いなく潜り、転送ゲートは消えた。


 九州ロボのとある区画に、壁に大きな目玉のような機械っぽいものが一つだけある部屋が存在する。
その部屋に五大幹部とデウス、ビアンがおり、さらに転送ゲートから織莉子とキリカが現れた。

「コーホー、これで全員揃ったな」
「ええ、ベイダー卿、始めて」

 目玉のような機械の背後に立っているココの合図を聞いたベイダーは、なんとライトセーバーを引き抜いた。
そしてベイダーは、ココの心臓をライトセーバーで突き刺してそのまま引き抜く、どう見ても致命傷だ。
しかし、ココを含めその場にいた誰も驚かず、むしろ何かを期待していた。

「ここからが本番だな」
「ええ、駄目だったら私達に未来は無いわ」

 そうジャックと幽香が言うと、目玉のような機械から先端に針が付いたチューブが幾つも伸び、その全てがココに突き刺さり、何かが流れ始めた。
そして数分後……
 
「フフーフ、待たせたわね」
「無事、成功したみたいですね」
「もし失敗したら織莉子が悲しむから一生恨んでたよ」

 ココの傷が完全に塞がり、彼女は目覚めた。
そう、ココは完成した超大型特機型マキナ『九州ロボ』のファクターとなったのだ。
五大幹部やデウスとビアンが居るのも、ベイダーがココに致命傷を負わせたのも、このためだったのだ。
なお、織莉子とキリカは、一度死に近い状態になる必要があるココの精神面への配慮として呼ばれていたりする。
旧佐賀県に配属されていたが為にHCLI社の全社員(死者リストには載らない)が死んでいた為、カオスロワ開始前の自分を知る二人はココの支えになっていた。
というか、元々織莉子とは彼女の父経由でそれなりに親しく、キリカとも織莉子によって打ち解けていたので、双子の兄も死んだ以上、二人は数少なくなったココの身内である。

「これで、九州ロボは完成したって事か」
「勿論だ。最も、外見を余り弄れなかったのが心残りではあるが……」
「本格的な戦闘に突入しない限りファクターがコクピットで操縦しなくとも問題は無い。緊急時以外は第二制御室だけで十分なはずだ」

 そう、圧倒的な火力の武装と歪曲フィールド等による防御、スパロボUX換算で100万ものHPとマキナとなった事による自己修復能力、そしてそれらをフル稼働させても余力があるほどの動力。
これらの力を得て九州ロボは超大型特機型マキナへと生まれ変わったのだ。
しかも、ファクターであるココを護る為という名目があるので、第二制御室から操縦している時でもマキナの原則に縛られず人間を殺害する事が可能だ。
そして、機体性能が大幅に向上した事で、作業用ロボとしての性能も段違いになってたりする。
まあ、今回の主催は再び来る大災害を阻止して世界を救うのが目的だし、世界復興に使える力まで摘み取る気はないのだ。
余談だが、今の九州ロボのコクピットは、上で出てきた目玉のような機械の内部にあり、それがあるこの部屋が第一制御室となってたり、元々の九州ロボのコクピットが第二制御室になってたりする。

379鬼神誕生:2014/02/18(火) 01:24:34 ID:Lkd/Th.o0
【一日目・22時15分/日本・九州ロボ 第一制御室】

【ダース・ベイダー@STAR WARS】
【状態】健康
【装備】ライトセーバー@STAR WARS
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す
2:他の幹部と今後について話し合う

【ジャック・O@ARMORED CORE LAST RAVEN】
【状態】リンクスに改造
【装備】フォックスアイ(ネクストに魔改造)@ARMORED CORE、拳銃
【道具】不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは抹殺する
2:他の幹部と今後について話し合う

【バーダック@ドラゴンボール】
【状態】健康
【装備】スカウター@ドラゴンボール
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは殺す
2:他の幹部と今後について話し合う

【ココ・ヘクマティアル@ヨルムンガンド】
【状態】健康、九州ロボのファクター
【装備】超大型特機型マキナ『九州ロボ』。ライトセーバー@STAR WARS、拳銃
【道具】不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは撃つ
2:他の幹部と今後について話し合う
3:HCLI社……無くなっちゃったわね……

【風見幽香@東方project】
【状態】健康
【装備】日傘
【道具】不明
【思考】基本:テラカオスを生み出す計画を遂行する
1:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは地に還す
2:他の幹部と今後について話し合う

【デウスエクスマキナ@スーパーロボット大戦UX】
【状態】普通、身長2.3mになるまでスモールライトで縮んだ
【装備】デウスの斬馬刀@スーパーロボット大戦UX
【道具】支給品一式、スモールライト
【思考】基本:人類絶滅及び人類の想像力喪失の阻止
1:命令に従う
2:殺し合いによって人類の想像力喪失を阻止する
3:死んだクルル曹長の代わりとして技術開発班を手伝う
4:とりあえずはビアンと共に艦載機の開発・制作・量産を進める

【ビアン・ゾルダーク@スーパーロボット大戦OG】
【状態】健康
【装備】ヴァルシオン@スーパーロボット大戦OG
【道具】支給品一式
【思考】基本:大災害から人類が生き残る未来を勝ち取る為に主催に協力する
1:自身を倒すほどの力と、人類の未来を勝ち取る強い意志を併せ持つ者達が現れたのなら後を託す事も考える。
2:だが、主催の一員として手を抜くことは絶対にしない
3:資材の都合で九州ロボの外観を自由に変えれなかったのが心残り
4:デウスと共に艦載機の開発・制作・量産を進める

【美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ】
【状態】健康
【装備】ソウルジェム(穢れ微小)、呉キリカ@魔法少女おりこ☆マギカ
【道具】支給品一式、大量のグリーフシード@魔法少女まどか☆マギカシリーズ
【思考】基本:世界滅亡の阻止
1:命令に従う
2:世界を救う為なら犠牲もやむ負えない
3:九州ロボの警備及びその他後方支援任務に戻る

【同時刻/九州ロボの左腕(元熊本県)辺り】

【デッドプール@DEADPOOL 死亡確認】
死因:首輪が爆発
※支給品の拳銃はココとジャックの物になりました。
※不明支給品はトイレットペーパーでした。

380第三の法則:2014/02/18(火) 23:53:13 ID:qCMmgOJg0
 どさり、どさり……

 フレミングの質問に答えられず、また新たな犠牲者が生まれた。

【豪鬼@ストリートファイターシリーズ】死亡確認
【ベガ@ストリートファイターシリーズ】死亡確認

「これは……」

 もう、質問に答えられない参加者がいることには驚かない。
 むしろフレミングは、自分自身に驚いていた。
 
 今しがた倒した男達は、かなり屈強な肉体の持ち主だ。
 フレミングはそれを、電撃を放たずに倒した。
 二人の死因は、失血死なのである。

「そうか、そうだったのか。やはり私の法則は素晴らしい……!」

 一人納得した様子で、フレミングは頷くとまた歩き始めた。
 ……否、走り始めた。
 猛然と、走る。
 走る、走る、走る。
 フレミングはかつてないほど『獲物』を求めていた。

「む……!」

 そしてそれは程なくして見つかった。
 眼鏡をかけた、いかにも秀才そうな青年を。
 服越しでも、鍛え上げられた肉体だというのがわかる。
 文武両道。そんな言葉がぴったりだろう。

 それこそ、今現在フレミングが求めている獲物だった。

「そこの君、この手の法則を知っているかね?」
「はい?」

 すっ……とフレミングは両手でフレミングの法則を差し出してみせた。
 この殺し合いが始まってから、この質問に答えられた参加者は誰一人としていない、魔の法則。

「それは、フレミングの法則じゃないですか。
 左手がローレンツ力、右手が起電力におけるそれぞれの向きを示す画期的な法則ですね」

 だが青年は、言いよどむことなくフレミングの質問に答えて見せた。

「正解だ!」

 初めて得られたまともな解答に、フレミングは笑みを浮かべる。






「……だが、それだけではない」
「!?」

 酷く残酷な。
 悪魔の笑みを。

381第三の法則:2014/02/18(火) 23:54:26 ID:qCMmgOJg0
「馬鹿な、フレミングの法則がそれ以上、何を示すというのです!?」
「馬鹿は君の方だ。いや、今までの屑どもに比べたら遥かに賢いがね。
 賢いだけじゃあ駄目だ。そう……強くなければな」
「あなた、何を言って……」
「まあ、私も馬鹿の一人だ。自分で作った法則の素晴らしさを、半分しか理解できていなかったのだから」

「我がフレミングの法則は、電気工学における革命であると同時に……格闘学においても革命なのだよ」
「……はい?」

 青年の間の抜けた声が漏れる。
 しかし次の瞬間。

「ダブルフレミングブラインディング!」
「っ!?」

 フレミングは、邪気眼使いを破った必殺攻撃をしかけた。
 だが青年も相当鍛えているのかこれに反応し、眼鏡を前方に投げ捨てることでこれを防御。
 フレミング両手の人差し指は眼鏡のレンズを砕くだけで、青年の眼を破壊するには至らなかった。

「ほほう、やるではないか」
「……フレミングの名を語る殺人鬼か。許すわけにはいかないね」
「だがな……甘いのだよ」

 風を切る音が響いた。

「かっ……は……!?」

 高速の一撃。
 青年には、何が起きたのか事態を把握することができない。
 そしてそれを、言葉にすることも、もうできない。

「っ……! ……!」

 両手のフレミングの法則。
 攻撃手段は、人差し指だけではない。
 太い親指が、青年の喉に深々と捻り込まれていた。

「驚くのはま早いぞ!」
「――――っ!?」

 フレミングの法則、最後に残るは中指。
 それは青年の側頭部に襲いかかり、彼の両耳を刺し貫く。

「これぞ、真・フレミングの法則。構えた三本の指には、それぞれちゃんと意味があるのだよ。
 人差し指で目を抉り。
 親指で喉を潰し。
 中指で耳を貫く。
 人間の身体はどれだけ鍛えようと脆弱な部位が存在するが、我が法則はそこを的確に攻撃できる素晴らしいものなのだ」
「―――!」

 青年はたまらず飛び退き、フレミングから距離をとる。

「さらに、この法則にはもう一つ利点があってな……!」

 とびかかるフレミングは再びフレミングの法則の構え。

(っ! どれだ、次はどの指で僕を攻撃して来るんだ!?)

 それを見た時、青年はフレミングの言うもう一つの利点に気がついた。

382第三の法則:2014/02/18(火) 23:56:55 ID:qCMmgOJg0
 それは、致命傷になりうる攻撃を放つ指が、どこを狙ってくるかわかりにくいことだ。
 三本の指はそれぞれ全く異なる向きであるし、ガードをしようにも必ずどこか一箇所ががら空きになってしまう。
 フレミングが狙う場所を読み違えれば、無防備なところに凶悪な一撃を受けてしまい、そのまま再起不能に陥るだろう。

(……! 既に喉と耳をやられている! だとすると狙いは、最初にやり損ねた眼か! もう眼鏡を使った防御もできない……!)

 青年は腕を交差させ、眼を守る。

「だから、甘いと言っているのだ」
「がっ――!?」

 だが無情にも、フレミングの指は青年を貫いた。
 狙われていたのは眼ではない。
 フレミングの二本の親指は青年の鼻の穴に突き刺さり、血が止めどなく溢れていた。
 親指が狙う場所は、喉だけではない。そうだと思い込まされてしまった青年の負けであった。

「私の法則を知らない愚か者に裁きをくだそう。
 私の法則を言えぬ口は、喉はいらない。潰してしまえ。
 質問を聞き返す馬鹿に鉄槌をくだそう。
 私の質問が聞こえない耳など全くもって無価値。鼓膜も三半規管も蝸牛も貫いてしまえ。
 我が法則に抗う阿呆には仕置きをしよう。
 あくまで仕置きだ軽めにしよう。鼻を削ぐ程度で許してやろう。
 私の法則を首を振って拒絶する屑なら仕方がない。諦めよう。
 もはや美しきこの法則を、その眼に映すことまかりとおらん。抉ってしまえ。
 私の法則、フレミングの法則は素晴らしい……
 ああ、これでもまだ賛同はしないというのか?
 見えない聞こえない喋れない嗅げないは言い訳にはならぬ。
 ならば止む無し。原点に返ろう。
 表の法則により、電気の力によりお前を人間の原点に返してやろう。
 無の世界に帰してやろう。静かなる安息の世界で我が法則を魂に刻み、人生を最初からやり直せ」

【右代宮譲治@うみねこの鳴く頃に】死亡確認

 青年が失血死する前に、フレミングは電撃で脳を焼き尽くした。
 両眼も潰された青年はこのまま放置してもいずれ死んだであろうが、フレミングは時間が惜しかったのだ。
 自身の素晴らしい法則を教えてまわるのは吝かではないが、個人レッスンばかりというわけにもいくまい。

「この世界には無知が多すぎた。これは私自身が、再教育しなければならないということなのだろう。
 私の左手の法則と右手の法則、そしてこの第三の法則。全てを、国民は知らなければならない……
 もっと、もっとだ。もっと沢山の人間に……私の法則の素晴らしさを理解させねば」

 フレミングは己の発言のおかしさに気がつくことはない。まだ自分は正常であると思い込んでいる。
 
 左手と右手の法則はともかく、物理的な第三のフレミングの法則は邪気眼使いや格闘家との戦いでフレミングが先程考えついたものだ。
 教科書などに載っているわけがない。それはつまり、最初から答えられる人間などどこにもいないということ。
 しかし今のフレミングにとって、もはやそれさえどうでもいいのだ。
 視界に誰かが入ったならば、自分が思いついたこの真のフレミングの法則を実践したいのだ。
 人間の感覚を奪いに奪い、己の法則の素晴らしさを立証することに、無情の喜びを感じているのだ。
 もうそこにかつての天才学者の姿はない。
 ジョン・フレミング――テラカオスに蝕まれゆく、狂気の魔人。

383第三の法則:2014/02/18(火) 23:58:23 ID:qCMmgOJg0
【一日目・22時10分/埼玉県】

【ジョン・フレミング@現実?】
【状態】健康、テラカオス化さらに進行中、電撃能力会得
【装備】魔剣ルシファーブレード@作者の妄想
【道具】支給品一式
【思考】
基本:フレミングの左手と右手の法則と真・フレミングの法則をきちんと知らん奴を皆殺し
0:次の参加者(獲物)を探す
1:子供の参加者を優先して質問を投げかける
2:答えられなかったら当然始末する
3:野田総理は法則を知っていたんだろうか……?
※テラカオス化進行により、両手から電撃を放てるようになりました
※感情が昂ぶると、両手を使わずとも相手に落雷を落とせるようになりました
※三本の指を用いた戦闘術、真・フレミングの法則を思いつきました

384I want:2014/02/20(木) 00:19:31 ID:2lHsx9B20
 真正面から棍棒で殴りかかってきた少年を殴り、背後から掴みかかってきた少年を振り向きざまに殴りつける。
天海春香は、襲い掛かってきた少年二人を変身せずに殺害したのだ。

「冬馬!北斗!……嘘だろ!?」
「変身せずに大の男二人を……有り得ない……!?」

 同じアイドルグループだった仲間の死に悲鳴を上げる御手洗翔太と、春香の圧倒的な強さに驚愕するゴシップ芸能記者。
悪徳又一という名のゴシップ芸能記者は、変身していなければ楽勝だと言って生存優先だったジュピターというアイドルグループを唆し、春香からライダーシステムを強奪する作戦を実行しようとした。
しかし、その浅はかな考えの結果がこれだ。
そんな二人の目の前で、春香が仮面ライダーカブト・マスクドフォームへと変身した。

「さっきの二人は服従するなら許してたけど、仲間にいろいろとしてくれた貴方達は私の世界には要らないわ」

 鉄パイプで応戦しようとして踵落としで頭から足元のアスファルトごと粉砕される翔太。
恐怖に震えながらバットを構えるが回し蹴りでひしゃげ、横に合った壁にぶち捲けられる悪徳。
ただのアイドルだった頃の恨みを晴らす為だけにわざわざ変身した春香によって、人の残骸が二つも作り上げられた。
そして、周囲に誰も居ないはずなのに春香は言った。

「で、居るんでしょ。出てきなさいよ」
「ちっ……ガキが良い気になりやがって」

 出てきたのは961プロお抱えのゴシップ記者、渋澤だ。
彼は、春香の親友である如月千早のトラウマを突いて彼女を歌えなくなる程に追い詰めた男だ。

「貴方は跪いて許しを乞うても許してなんてあげない。あの世で後悔していなさい」
「フン、これを見てもそう言えるか」

 渋澤はデイパックからドレイクゼクターが装着されたドレイクグリップを取り出す。
これ等があるという事は、彼がカブトと同じZECT製ライダー、仮面ライダードレイクに変身できるという事だ。
早速、渋澤はドレイクへ変身しようとするが……

「けど、無意味よ。世界は私を中心に回っているもの」

 ドレイクゼクターがドレイクグリップから飛び立ち、春香の手元にやってきた。
ドレイクゼクターは渋澤より春香のほうが資格者に相応しいと判断したのだ。
勿論、ZECT製ライダーシステムの要であるゼクターは離れた以上、ドレイクへの変身は不可能だ。

「なぁっ!?ど、ドレイクゼクター!何処へ行く!?」
「賢いゼクターね。誰が主に相応しいか解ってるみたいよ」

 手元に飛んできたドレイクゼクターを撫でながら春香は言う。
その姿はまさに女帝と呼ぶのが相応しかった。

「さて、お掃除の時間よ」

 春香の拳により、絶望に打ちひしがれる渋澤の首が千切れ飛んだ。
そして、使えそうな支給品を回収した春香は、移動を開始したのだった。


【一日目・22時20分/日本・埼玉県】

【天海春香@アイドルマスター】
【状態】健康、テラカオス化進行中、それにより春閣下化
【装備】カブトゼクター&ライダーベルト@仮面ライダーカブト
【道具】ドレイクゼクター&ドレイクグリップ@仮面ライダーカブト、ゼクトマイザー@仮面ライダーカブト、支給品一式
【思考】基本:この救いようのない世界を征服し、絶対的な支配者となる。
1:傘下に入らぬ者は殺す
2:765プロの皆の死に深い悲しみと怒り
3:天の海を往き、春を香らせる
※ゼクトマイザーは伊集院北斗のデイパックに入っていたのを回収しました。

【天ヶ瀬冬馬@アイドルマスター2 死亡確認】
【伊集院北斗@アイドルマスター2 死亡確認】
死因:撲殺

【御手洗翔太@アイドルマスター2 死亡確認】
【悪徳又一@アイドルマスター 死亡確認】
【渋澤@アニメ版アイドルマスター 死亡確認】
死因:虐殺

385決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:21:14 ID:G.gjyT360

第三回放送が流れてなお、からくりドームで行われるイチローチームと大正義巨人軍の血で血を洗う戦いは続いており、それは大詰めを迎えようとしていた。
主催者の野田総理が死んだり、なぜかドームにいる霊夢の名前が読み上げられたりしたが、両軍とも疑問は後回しにする形で試合を続行した。(原監督についてはハラサン≠原監督で解決)
先に二点先制をしているのはイチローチームであり、対する大正義巨人軍は未だに0点のままである。
現在は最終イニングであり、普通ならばイチローチームはこのまま逃げ越せば勝利となる。
……だが、イチローたちに勝ち逃げさせてくれるほど、状況は甘くなかった。

カキーンッ

「くッ!」
「へっ、PSIクオリアが復活した以上、レーザーを投げられないイチローなんて怖くねえよ」

二回表にて範馬勇次郎が死亡したため、雀ヶ森レンのPSIクオリアが復活したのだ。
これによりイチローの投球コースが予測され、規格外のスペックを持っているナッパを除いて打てなかった球がある程度打てるようになってしまった。
しかも二回裏でのイチローの最初の相手はハラサンが手塩にかけて育てられたであろう四番バッター・6/。
パワーではナッパに劣り、経験ではラミレスに負けるものの、総合的な能力はチームでも高い。
そこへPSIクオリアの恩恵も受けた6/氏のバットがイチローの投げた打球を捉えるのも必然だったのかもしれない。

球は軽快な音と共に空高くへと舞い上がる、進路は場外コースだ。
二次創作出展とはいえ飛行能力を持っている霊夢を始め、イチローチームの選手たちが追いかける、だが。

「ダメッ! 間に合わない!」

霊夢達の追走虚しく、ボールは場外へと飛んでいき……ホームランとなった。
大正義巨人軍は一点をもぎ取ったのである。
この快進撃に6/は歓喜をあげ、イチローチームを嘲笑う。

「見たかーッ、俺の実力を! あと一点でも入れられれば同点だなぁ!?
おっと、さっきも言ったが同点の場合、数の少ないチームの方が負けになるルールだぜ?
俺たちは9人に対しておまえたちは8人……この意味わかるよな? フッフッフ」
「そんな……私たち負けちゃう……」
「クソッ!」
「焦るな二人共! まだ負けが決まったわけじゃない」
「無駄ですよ、僕のPSIクオリアではあなたの打球がどうくるかお見通しです。
いっそ、お得意のレーザーでも投げますか?
こちらで打てる人こそいませんが、その前にそちらのキャッチャーが蒸発しますけどね」
「……悪いけど、少し黙ってもらえないか?」

6/の死刑宣告にちなつとダイゴは焦り、イチローが二人をなだめに入るも、すぐに雀ヶ森レンによる煽りが入った。
応援を台無しにされ、イチローチームの心境は焦るか苛立つかの二つに分かれた。
卑怯に見えるが焦りや苛立ちが禁物な勝負にて、それを誘発させること……戦いにおいて精神攻撃は基本である。

大正義巨人軍の次の打席はDCSによってマッチョマンと化したお笑い芸人、松本。
彼は相方である浜田の生存のためにマーダーの道を選んだ者だが、その守るべき浜田は死んでしまった。
彼は放送後、意外にも暴れるでもなく嘆くでもなく黙々と試合に参加する姿勢であった。
しかし、それに対してイチローは一抹の不安を覚えていた。

(妙に静かなのが逆に不気味だな……)

ともかく見る限り6/以上のパワーは確実に持っていそうだ。
PSIクオリアの件もある以上今までと同じ球速では打たれるだろうし、変化球による小細工も意味がない。
ならば、より打たれにくくするためにひたすら早いストレートを投げるだけである。
そう判断したイチローはキャッチャーである萃香に、彼女がギリギリで耐えられるレベルのパワーで投げることをアイコンタクトで伝えた。
が……

カキーンッ

「これも、ダメか!」
「……」

並の選手では打てぬであろうイチローの豪速球は、DCSで強化されPSIクオリアの恩恵を受けた松本の前では歯が立たなかった。
雀ヶ森レンの予言通り球は打たれ、6/を上回る物凄い勢いでからくりドームのセンター壁面につき刺さった。
あと、数10センチ上にボールが飛んでいればそのままホームランとなっていた。
今回は松本の制球力がそこまで高くなかったのが僥倖だったが、選手たちが壁にくい込んだ球を取るまでに三塁までの進行を許してしまった。
これは最悪、もう一度ホームランが来るものなら2-3でゲームセット、そうでなくとも次も打たれる可能性が高い……イチローチームは全員切腹が待っている。
やがて、イチローチームの側から嘆きや諦めの声が上がってきた。

386決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:22:01 ID:G.gjyT360

「俺たちはここで負けるのか……」「クソッ、打つ手なしかよ」
「野獣が死んだのにここで終わりだなんて……」「あのさぁ」
「ポッチャマ、不出来なトレーナーを許してくれ」「やだよう……あかりちゃんに会えなくなるなんて」
「おい、みんな落ち着くんだ! まだ負けと決まったわけじゃない!
イチローさんもなんかいってくれよ!」
「……」
「イチローさん……? なんで黙っているんだ?」

ザワつくチームをいちおうの監督であるDAIGOが必死に抑えようとするが、負のムードは一ミリたりとも収まる気配はない。
これまでの戦いによる戦力の大幅な激減、僅か一点で敗北確定、PSIクオリアによってほぼ絶対に打たれる打球、レーザービームは使えない。
これだけの要素が集まれば、希望を持てという方が無理な話なのかもしれない。
そして、チームの要であるイチローも野球帽を深々と被って無言のままマウンドに立ち尽くしている。

「ピッチャービビってるというヤツだな」
「いけませんね〜、負けがほぼ確定してるから棒立ちしてもらうのは。
その分だけ契約金をもらう時間が遅くなってしまいますよ、ふふふ」

大正義巨人軍のベンチでは、ハレクラニや観柳を始め、勝利が既に約束されているが如く相手チームを嘲笑う声が上がっている。

 @



(まずいな……思っていたより状況は芳しくない。
殺し合いを壊すためにはイチローの手は不可欠だし、今からでも大正義巨人軍には消えてもらわねば……)
「よそ見している暇か? スワリングライダーキックッ!!」
「邪魔をするなよ、そういうタイプは俺の漫画じゃ負け確定だぞ」
「知るか!」

両軍の見えない位置では世界を救う殺し合いの破壊を望む漫画家、久保帯人と仮面ライダーGの戦いが続いている。
久保からしてみれば、今すぐにでも大正義巨人軍を皆殺しにしたいところだったが、ワクワクさんの作った仮面ライダーは思いのほか高性能であり、互いの戦闘力は拮抗していた。
少なくとも試合への乱入はできないレベルだ。

(まあいい、最悪イチローさえ助かれば他はどうでもいいか。
助け出すのは試合が終わってからでも遅くない……今は先にヴァイザードをパクったようなコイツを殺すことに集中するか!)

刀と鬼道、拳に蹴りの応酬が続く……両軍に最も近く、されど預かり知らぬ所で死闘は繰り広げられていた。

 @

387決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:22:42 ID:G.gjyT360



「もう、勝ちが決まったのも同然だなあ、ハッハッハ」
「……つまらんな」
「は?」

大正義巨人軍の監督であるハラサンは怪訝そうな顔で呟き、それを聞くまで大笑いしていたナッパは首を傾げる。
すると、ベンチに置いてあったメガホンを使ってありったけの大声でハラサンは相手チームに向けて叫んだ。

「イチロー君、君の本気はそんなものか!!」
「ちょ、ハラサン何してるんです!?」
「6/ちゃん、試合を盛り上げる邪魔はするなよ!」

監督の突然の行動に隣にいた6/は静止に入るが、ハラサンはそれを無視して払い除け、ひたすら声を張り上げた。

「確かに我々は変則的なルールの殺人野球ゲームを強要はした。
おまけにそっちは素人の寄せ集めでこっちは鬼のような能力を持つ選手ばかりだが……
まさかその程度で心が折れたわけではあるまい?」
「……」
「君が今、マウンドでそうやって立ち尽くしているのは絶望したからではあるまい。
おそらく、全力を今出すべきか、『隠し種』を今使うかどうかで悩んでいるんだろ?」
「……!」

その時、イチローの反応が確かにあったのを、どの選手も見逃さなかった。

「全力を出す? あいつが本気を出したらレーザーが出て試合にならないような……」
「違うな6/ちゃん。 イチロー君のあの目は彼自身が持つ秘密兵器を出すべきか迷っている目だ。
おそらく、それはいつものレーザービームを超える投球だ」
「レーザーを超えるだって?」

ハラサンの言葉に6/は驚く。
すると今度は雀ヶ森レンが頭を抱えだした。

「うわあ! PSIクオリアが急に使えなくなくなった!?」
「おい、勇次郎はもうとっくに死んでいるはずだぞ?!」
「ち、違う……勇次郎を超える威圧を出している人がいる……彼だ!」

雀ヶ森レンが指をさした先にいる者は――イチローであった。
よく見れば、彼からはオーラのようなものが滲みだしている。
これには両軍とも何事かと困惑する。
その中で唯一ハラサンだけが笑みを零していた。

「ようやく出てきたな、彼の本気が」

そして、イチローは言った。

「ハラサン……あんたの言う通りだ。
僕は今、奥の手を今使うかで迷っていた……本当はもっともっと後に使う予定だったからね。
だけど、あんたのおかげで考えが変わった。
大正義巨人軍は力の出し惜しみをして勝てる相手じゃないってね! それに……」

イチローは深々と被っていた帽子を上げた。
そこには少年のように輝いた二つの目があった。

「マーダーとはいえ、全力でぶつかってきているんだ。 こっちも全力で挑まなくちゃ失礼ってものさ」

次にイチローは仲間たちに向けて告げた。

「このチームを必ず勝たせる! だからみんなは僕を信じてくれ!」


イチローの出した言葉とオーラによって乱れ始めていたイチローチームの連携は元通りになった。
反対に大正義巨人軍の面子は、勝てる試合だったのにわざわざイチローの本気を引き出してPSIクオリアを再び使えなくさせたハラサンを責め立てたが、ハラサンは涼しい顔でこう答えた――「本気を出してない相手と戦ってもつまらないだろう?」と。

388決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:23:48 ID:G.gjyT360


試合は続行。
大正義巨人軍の次の打席はラミレスだ。

「サア、ドコカラデモキテクダサイ!」

相手は本気を出したイチローとはいえ、怯える様子なくラミレスは立ち向かおうとする。
どんな打球が来ても打つ気満々である。
そして、イチローは一球目を投げた――なんとそれは光を纏った球だった。

「レーザービーム!? 嘘だろ!?」
「そんなの投げたら萃香まで木っ端微塵になるわよ!?」

ロイや霊夢のように多くの選手が目を疑った。
イチローのレーザーは鬼である萃香すら耐えられぬものではない。
というよりドーム自体が破壊されて試合どころではなくなる。
イチローの本気とはレーザーをぶっぱなすことだったのか……この時、ほとんどの選手がイチローの正気を疑った。

「クレイジー!! ダケド、チームノ勝利のタメニ打チマス!!」

打席に立っていたラミレスは己の命を捨てる覚悟でレーザーに挑む。
ラミレスは豊富な経験に任せてバットを振るった。
バットは球をしっかりと捉えた、が、ここで何かにラミレスが気づく。

「コ、コレハタダノレーザージャナイ!? AIEEEEE!! ウデガモタナイ!!」

球を守るレーザーが、打たせんと言わんばかりにバット防ぐ。
打者であるラミレスの腕には多大な不可がかかり、それに打ち負けたラミレスのバットを弾いた。
そしてレーザービームは真っ直ぐキャッチャーである萃香へ飛んでいき、彼女を消し去るものだと、誰もが思った……

しかし、レーザーのエネルギーは彼女の手元に届く直前で霧散し、誰も傷つけることなくグローブの中に吸い込まれていった。
ワンストライクである。

「なんだ、今の球は……」

たった今、球を取った萃香はそう言ったが、他の選手も同じ意見だっただろう。
それについてイチローは答える。

「いつか来るだろう強敵との戦いを想定して僕が開発した投球。
レーザーのエネルギーを数倍に高め、キャッチャーが受け取る直前でエネルギーを分散させるようにコントロールしたものさ」
「つまり、どういうことだってばよ?」
「徹底したコントロールで投球に大概の相手を消滅させるレーザービーム以上の威力を持たせ、かつキャッチャーに届く頃には消える仕組みにより試合向けに安全性を付加した魔球――名づけて“ネオ・レーザービーム”」
「なんだそのチート魔球は」


ネオ・レーザービーム、それこそがイチローの切り札。
敵にはこの世のだいたい全てを消し去る威力のレーザーを打たねばならず、かといってコントロールされたエネルギーによって味方選手は傷つけられることないまま球を取れる。
このイチローの新必殺技に勝利への希望が見えてきたイチローチームと、動揺し始めた大正義巨人軍の面々(ハラサンだけはニッコリしていた)。
この魔球によるイチローの反撃は始まった。

ラミレスは構わずに座席に立ち続けて魔球を取ろうとするが、二打目……一打目以上のパワーで押し切ろうとバットを振るうが、バットが先に折れて、ツーストライク。
ラミレスの腕へのダメージだけが増大した。

「ナラバ、バットヲコウカンシテ、バントデショウブ!」

どこからか取り出したオリハルコン性の金属バットに変え、バントで強引に押し切ろうとしたが結果は――

「ジーザス!! オリハルコンデモダメデスカ!?」

球を守るレーザーのパワーはオリハルコンの硬度を遥かに上回っており、オリハルコンのバットを容易く追ってしまった。
スリーストライク・バッターアウト、さらにその折れたバットの金属片の一つが大正義巨人軍のベンチへと飛んでいき……


「あ゛」グシャッ
「うわああああ、雀ヶ森ーーッ!!」

飛来した金属片が雀ヶ森レンの頭を潰してしまった。
PSIクオリアが使えていればこの死は避けられたのだろうか?
それを答えられる人間はこの場にいない。


【雀ヶ森レン@カードファイト!! ヴァンガード 死亡確認】

389決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:24:29 ID:G.gjyT360


「ラミレス、てめーなんてことしやがった!!」
「おまえのせいでPSIクオリアが完全に使えなくなった!!」
「どうしてくれるんだ! 人数も8人に減って同点による勝利はなくなったぞ!!」
「アイムソーリー……」

ベンチに戻ってきたラミレスを、貴重なPSIクオリア持ちの雀ヶ森レンを殺したとして責める大正義巨人軍の選手たち。
完全にチームワークに乱れが生じ出してきた……大正義巨人軍は高い能力を持っているが、契約金目当てやなし崩し的にチームに入った面子が多いため、イチローチームよりも仲間意識が低いのだ。
ラミレスが責められているのも仲間である雀ヶ森レンが死んだ悲しみではなく、PSIクオリアの消失で勝利から遠のいたことに起因している。
そんな今にも乱闘沙汰になりそうなベンチを抑えたのは、範馬勇次郎以上の気迫を持ったハラサンの一喝だった。

「よさんか、おまえたちッ!!!」
「「ヒッ!」」
「雀ヶ森君は確かに残念だったが、あくまで不慮の事故だったのだ。
ラミレスに責任はない……ボールを投げたイチローも狙ってやったわけではないから向こうにも責任はない、誰も悪くないんだ」
「ハ、ハラサン…」
「ともかく、怒りを仲間にぶつけるぐらいなら試合に集中するんだ!」

助け舟を出してくれたハラサンにラミレスは心から感謝する。
その代わり、批難と疑問の声がハラサンに集中することになった。
特にハラサンの弟子とも言える6/は納得いかない様子である。

「ハラサン! あんたのせいで勝てる試合だったのに眠れる獅子が目覚めちまったぞ!
特に雀ヶ森を失ったのはデカすぎる損失だ。 本当に大正義巨人軍を優勝させる気あるのか!?」
「優勝させるさ。 しかし、さっきも言ったが全力を出してない敵と戦ってもつまらないだろう?
それとも手抜きの敵を相手にして君は目立てるものなのか? その程度が君の大正義か?」
「そ、それは……」
「強敵と戦って勝利した方が君の価値も上がり、このロワでより目立ちやすくなるんじゃないのか?」

目立つことこそが存在意義と化している6/にとって、ハラサンの言葉は重かった。

「それから彼には悪いがPSIクオリアがこれからは通用するとは思えない。
試合を続けていく内に勇次郎クラスの能力や威圧を持つ者はゴマンと出るだろうからな」
「マジっすか」
「それに、我々はどうしても全力でぶつかり合わなければならない――この世界のためにもな」
「は? 世界がなんだって?」
「なんでもない。 さあ、次の打者のハレクラニ君を応援しよう(ニッコリ」

一瞬口走った『世界のため』という言葉。
それについてハラサンは濁すようにいつもの笑みを6/に向けるのだった。

 @

「ゴージャス真拳奥(ry ぐわあああああああ!!」

次の打席においてもイチローは全ての球をネオ・レーザービームで投げた。
ハレクラニはそれを攻略すべく、ゴージャス真拳で立ち向かうが成す術なく完封された。
辺りには折れた純金製バット、溶けて原型を無くした無数の硬貨、燃えて炭となった山盛り札束の成れの果てが散らばっていた。
これにて大正義巨人軍はツーアウトとなり、試合は最終局面を迎える。

「ダメだ……あのレーザーの出力の前ではどんなバットでも折れ、どんな金属でも溶けちまう……あんなの打てるわけねーだろ!?」
「騒ぐなナッパ、俺たちはもう監督を信じるしかねえんだ!」

エースとしてチームメイトをなだめる6/。
そして彼が見据える先には、イチローと一人の男……イチローチーム25人以上の参加者をからくりドームに閉じ込めた元凶にして、大正義巨人軍の監督でもある男。

「ハラサン……」
「やあ、イチロー君、最後の試合になるかもしれないからお互いに楽しもうではないか(ニッコリ」
「……そうだな。 僕らに言葉はいらない、必要なのは野球ボールとバットだけ!」

親玉であるハラサンが八番目のバッターとして打席につき、バットを構える。
それに対してイチローはほんの少しの手抜かりも許さないように一球入魂のフォームを取る。
全身全霊を込めて投げる球はもちろん、ネオ・レーザービーム!
ラミレスとハレクラニを退けたように、バリア付きの野球ボールが物凄い早さでキャッチャーグローブに向けて飛んでいき、ハラサンの振るった木製バットを砕いていく……

――だがしかし。

バキィ!! ヒュン ドオオオオオンッ!!!


「なん…だと……?」
「ネオ・レーザービームが打たれた!?」

390決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:25:06 ID:G.gjyT360

その時、誰もが面食らった。
どんなバットでも砕く、難攻不落と思われたイチローの魔球がハラサンに打たれたのだ。
幸いにも球が飛んでいった先はイチローチームのベンチであり、ファールボールだ。
しかし、ベンチはバズーカでも撃ち込まれたかのように滅茶苦茶になり、ベンチに一人でも残っていたら確実に死人が出ていたであろう。
それ以上に、イチローチームの希望であった魔球が打たれたことがチームを困惑させる。
対してハラサンは涼しい顔でバットを交換するのだった。

「やれやれ、まだ沢山あるとはいえバットを一打ごとに代えなくてはいけないね」
「いったいどうやって僕の魔球を打ったんだ?!」
「それは自分で考えたたまえイチローくん。
なにより『投球である以上、絶対に打てないなんて概念は存在しないが、そんな概念があったとしても打つ』と言ったのは君自身だ。
僕はそれを実践しただけだよ」
「……その通りだな。 だけどこの試合に勝つために絶対にあなたからアウトをとってみせる!」
「それでいい」

なにはともあれ、攻防は続けないといけない。
今度はレーザーの出力を数倍に上げ、イチローは投げる。

バキィ!! ヒュン

が、この魔球も木製バットをへし折りながらも打たれたのだ。
6/のホームラン打球を超える速度で飛んでいったためにイチローチームの守備は追いつく追いつかない以前に、反応すらできなかった。
異常な飛距離を持ってボールは場外へと飛んでいった――これはファールボールだったが。

「く……」
「惜しいな、もう少し右寄りだったらホームランだったのに」

これにてハラサンはツーストライク、しかし確実にイチローを追い詰めている。
この攻防に両軍は息を飲んだ、誰が言ったかは定かではないがこんな声が聞こえた。

「すげえ……ハラサンはあんな力を力を隠し持っていたのか」
「これはいよいよ勝負が見えなくなってきたな」
「しかし、なんでも消滅させるパワーを持ったレーザーを、ハラサンはあんなバットでどうやって打ってるんだ?」

バットはただの木製、なにかしらの特殊な材質や細工が施されているようには見えない。
仮に強力な魔法じみた技で正面から挑んでもハレクラニのように、圧倒的パワーに屈してしまう。
ではハラサンはどんな手品を使って打っているのか?
それを解き明かしたのは、彼とリアルタイムで対峙しているイチローその人であった。

「!! わかったぞ、あなたの使うカラクリの正体が!」
「からくりドームだけに、なんてね。 冗談はさておき、僕の魔法の正体を答えてもらおうか?」
「ああ、答えは――“風圧”だ」
「どうしてそう思ったのかな?」
「あなたが打つ瞬間、音に違和感があったんだ。
木のバットに球が当たる音が全くしない、あるのはバットが折れる音と風を切るような音だけ。
おそらく、あなたはバットを振るときに起きる風圧を利用してレーザーには触れずにボールを打っている。
そうすればバット自体はレーザーでへし折られても、その先に中身の球は風で巻き上げられて吹き飛ばされてしまう、それが僕の推測さ」
「ふふふ……ご明察だ」

ハラサンは当てつけのように地面に向けて力強くスイングする。
すると風で砂が舞い上がり、誰から見ても小さな竜巻が発生していることがわかった。
イチローが思った通り、ハラサンはレーザーの中にある球をを風圧で打っていたのだ。
だが、ボールを場外へ吹き飛ばすほどの風を生み出すには相当なパワーと技量がいる。
そもそもレーザー自体が早いので風で捉えるなど至難な技のはずだ。
大正義巨人軍の他の誰ににもこんな芸当はできないだろう。
つまるところ、ハラサンとは6/やナッパを超える怪物であることを意味していた。

「ハラサン、あなたは恐ろしい人だ。
まだ二打席分しか投げてない魔球の攻略方を見つけるなんて」
「君こそ、たった二回でからくりを見抜くとは、流石は何十何百の試合をこなしてきた男だけはあるね(ニッコリ」
「「はっはっはっは」」
「二人共笑ってる……」

イチローは魔球の弱点をつかれ、命の奪い合いに近い滅茶苦茶なルールの試合中にも関わらず楽しそうに笑っていた。
なぜなら、こんなに緊張してこんなに胸が熱くなる試合は久しぶりだったのだ。
ハラサンもたぶん、似たような感情を抱いているのだろう。
強敵を前にすると恐怖よりも先に出会えた嬉しさを感じてしまうもの……アスリートとはそういうものなのだ。

391決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:25:42 ID:G.gjyT360


「さて、名残惜しいが次の本当に最後にしよう」

ひとしきり笑った後に、ハラサンはバットの先端をセンター上側に向けた……ホームラン予告である。

「三塁には松本君がいる、つまり僕がホームランをもぎ取れば2-3でこちらの勝利だ。
サヨナラホームランをいただくよ、イチロー!
さあ、君はどうやってネオ・レーザービームを打ち破った僕からアウトを勝ち取るんだい?」

イチローは得意のポーカーフェイスに小さな微笑みを加えて返した。

「あなたには200キロ程度の速球や変化球は通用しそうにない。
だから、僕が投げるのはネオ・レーザーボールだ――ただし!!」

ネオ・レーザーボールはさっき破られただろう……という反論をする者はいなかった。
イチローの纏うオーラがさらに凄まじいものになったので、皆絶句したのだ。

「今まで以上のパワーをこの一球に込める。 命を削ってでも、そっちのチームには一点も取らせない」
「よかろう、真剣勝負だ!」

ハラサンの身体からもイチローと同じかそれ以上のオーラが吹き出した。
それはオレンジ色のオーラであり、それは一匹の獣を型どり始めた。
大きな瞳に長い耳を持ち、野球帽と白いユニフォームが特徴的なそれはまさしく――

「オオウ、アレハ巨人軍ノ守護神(マスコット)、ジャビット!!」

――ジャビットだ。 ラミレスはそう言った。
長年に渡り巨人軍の象徴となってきた獣がハラサンのオーラによって顕現したのである。
されを皮切りにマウンドとベンチから二種類の声援が響き渡る。

「「「ガンバレガンバレ、イチロー!!!」」」
「「「かっとばせー、ハラサン!!!」」」

負けた方は切腹であるにも関わらず、己のチームの勝利しか信じていないように声の限り応援していた。
ほぼ皆がこの戦いでテンションを上げており、DAIGOも蛮もロイも萃香も霊夢もダイゴもちなつも6/もナッパもラミレスもハレクラニも観柳も真壁もこれが殺し合いであることも忘れて熱く応援していた。

そして今、最高潮に達したからくりドームの死闘劇に終止符が打たれる!!

「勝って証明してみせる、我々の大正義を!!」
「僕は、負けない」


イチロー選手、投げた。
エネルギーというエネルギーを込めたネオ・レーザービーム。
その凄まじさはもはや光る大波というレベルという大きさになっており、普段のレーザービームの倍はあるんじゃないか思わせる神速だ。
ナッパ曰く「ベジータのファイナルフラッシュ以上だ」である。
イチローはハラサンの超・圧倒的パワーで押しきろうというのか、こんなものが迫ってきたら並の精神力の持ち主は失禁ものだろうが、ラサンは勇者の如くそれに立ち向かっていく。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」

ハラサンはバットを振るう、レーザーがバットに当たってすぐに消し炭となるだろう。
それでもハラサンは先の魔球を破ったように、折られるより先にバットで風を発生させてバリアの先にある球を打つ(吹き飛ばす)つもりなのだ。
バットを粉々にし、腕の血管がいくつか切れて血を吹き出すほどのパワーを込めたスイングは風を……否、一瞬とは言え大きな竜巻を発生させていた。
からくりドームに強風が吹き荒れる。 カオスロワの強豪野球選手は嵐すら巻き起こすほどの戦いをするのだ!

「これだけの竜巻ならどんな球でも場外に……!」

大正義巨人軍の選手たちはは勝利を確信した。
レーザーは今までと同じくキャッチャーの前で消えた、ハラサンが生み出した竜巻もそれと同時に消える。

そして、キャッチャーの萃香のグローブに……収まるべき野球ボールは、なかった。

392決着! からくりドームの戦い!:2014/02/20(木) 11:26:00 ID:G.gjyT360














なぜなら、ボールはまだ『打席にまで』届いていなかったのだから。


「!!?」

ハラサンは目を疑った。
打たれているハズのボールが、イチローの手元からこっちに向かっていることに。

(馬鹿な、打ったはずの球がこっちに戻ってきている!?)

刹那の内に混乱するハラサン、しかし次の刹那には理解した。

(違う、僕は打った気になってただけだ。 これは『スローボール』だ!!)

ハラサンの目の前で異様にゆっくり飛んでくる投球。
次に脳裏に浮かぶのはイチローの戦略。

(僕はレーザーボールの中身にはが必ず、ボールがあるものだと勝手に思い込んでいた。
彼はその精神的死角をつき『レーザーだけを先に投げた』!
そしてボールが僕の起こした風が消えた瞬間に届くようにレーザーとスローボールを時間差で届くように投げたんだ。
わざわざレーザーを大袈裟に見せたのはパワーで押しきるためじゃなく、後から続くスローボールに気づかせないための“演出・目隠し・囮”!!)

そして、スローボールはゆっくりとハラサンの横を通り過ぎていく。
既にバットは振るってしまったため、空振りによってストライクは確定している以上、見送るしかできなかった。

(僕は駆け引きに負けた……試合はパワーで決まるものじゃないかということか。
レーザービームがここまで応用の効く投球だと見抜けなかった詰めの甘さが敗因かな。
なんにせよ、僕の闘いはここで終わりのようだ。
だが、イチローそしてイチローチーム、勝者である君たちは――)



乾いた音と共に、一つの球がキャッチャーグローブに飲み込まれていった。
そして広がる歓声と嘆き。



バッターアウト ○イチローチーム 2-1 大正義巨人軍● ゲームセット

393さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:27:18 ID:G.gjyT360
チームの勝利が決定した瞬間、イチローチームから歓声が上がった。
チームの全員がイチローに駆け寄り、熱い戦いをやり遂げた感動と、生を勝ち取れた嬉しさのあまり、この試合におけるMVPのイチローの胴上げする。

「「「ワーッショイ! ワーッショイ!」」」
「イチローさん、マジウィッシュ!」
「ははは、僕だけの力じゃない、皆のおかげさ」

勝者が仲間と喜びを分かち合う一方、敗者たちは暗いムードであった。
負ければ切腹すると約束した以上、当然か。

「畜生、このナッパ様が二度に渡って地球人如きに負けるとは!」
「闇DAIGO様、仇を取れなくて申し訳ございません……」
(わ、私は切腹なんてゴメンです。 向こうに賄賂でも送って見逃してもらいましょうか? ハレクラニさん)
(……それもそうだな観柳)
「ハ、ハラサン…」

彼らは約束を守るならばもうじき切腹をせねばならない。
その前にハラサンは愛弟子である6/に声をかけた。

「……すまない、全力をかけて挑んだつもりが負けてしまった。
僕があそこでイチローの変化球に気づけば、勝てたかもしれないのに。
特に君はもっともっと活躍して目立ちたかっただろう」
「いや、いいんだ。 チーム全体で死力の限りを尽くして負けたんだ。
だったらハラサン一人責めたところで何も変わりはしない……それに」

6/の顔は先ほどまでの手段を選ばぬマーダーの顔立ちから、悟った仏のような顔立ちになっていた。

「あなたが野球という道を俺に示してくれたおかげで、俺はそれなりには目立てたハズだ。
ズガンや空気よりは遥かにマシな扱いで死ねるだろうし、それだけでも十分さ」
「6/ちゃん……」
「さあ、ハラサン。 野球の続きは死者スレでしようぜ。
こっちじゃ初戦敗退で終わったけど、あの世ではクルミボールで優勝を勝ち取るぞ!
ハラサンも手伝ってくれよ、チームにはあなたの指導が必要不可欠だ」
「ああ、向こうでも監督をやらせていただくよ(ニッコリ」

師弟同士、最後になる会話は笑顔で交わす。
そして、大正義巨人軍は配られた切腹用ナイフで自刃の準備(約二名はポーズだけ)に入った。

「くそう、俺もサイヤ人の端くれだ! 負け犬のままなら潔く死んでやる!」
「子供ト孫ガ心配デスガ、仕方ナイ……」

そして、自決の時間がきた。

394さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:28:04 ID:G.gjyT360


だが、そこへ胴上げから戻ってきたイチローが静止に入った。

「ちょっと待ってくれ!」
「おい、試合に負けて、せっかく約束通り死ぬ覚悟を決めてきたのに水を差すなよ」

6/が睨みつけてくるが、イチローは構わずに言葉を続ける。

「いや、そもそも野球の試合で切腹すること自体おかしいだろうに。
確かに君たちは僕らを閉じ込めて、仲間を何人も殺してきた。
だからと言ってこっちの勝った横で自殺されるのは気分が悪い。
罪を償うんだったら、牢屋にでも入ってればいいだろ!」

善人である彼は、敵とはいえ目の前での人死を許す真似はとてもできなかった。
彼が躊躇いなくレーザーを打ち込むのは、あくまで自重を欠片ともしない危険人物だけである。
そんな彼の言葉にハラサンが反論した……怪しい笑顔をニッコリ浮かべて。

「クックック、あまいなイチロー君」
「ハラサン、何がおかしいんだ?」
「君はこの世界における野球をただの球技だと思ってるのかい?」
「?」


「魂を込めた球を投げ合い、打ち合い、捕球し、マウンドを走り回って大気に汗を振りまき。
そして敗者たち……生贄の血を大地に捧げる、野球とは必要な儀式なのだよ――世界を救うためのね」


「あんた、何をいきなりふざけたことを……」
「僕は至って真剣だよ!」
「!?」

突然、意味がわからないことを語り始めたハラサン。
字面だけを見ると妄言としか取れない言葉を並べているが、彼の目は真剣そのものであり、適当な虚言を抜かしているようにも見えない。

「ふむ、だが今ここで若くて有能な才能を失うのは心もとない。
イレギュラーな事態とはいえ、観客席の方で大勢の死者を出していた……“ここでは”もう血を流す必要はないかもしれん」
「さっきからアンタは何を言ってるんだ!」

ハラサンはしばらく考えた後に、イチローたちに向けて言った。

「……イチロー君、DAIGO君、もしよければ選手をトレードしないかね?
我々の試合に付き合って、多大な犠牲を払ってくれた見返りにナッパ君、ラミレス、真壁君、ハレクラニ君、観柳君、そして6/ちゃんをそちらに移籍させよう」
「「「!!?」」」

彼の言葉に両軍の選手が驚いた。
大正義巨人軍のほとんどの選手を切腹前にイチローチームに移籍させようというのだ。
これには多くの者たち、主にイチローチームから批判も上がった。

「ふざけんなテメー! おまえらのせいでこっちの仲間が何人死んだと思ってやがるんだ!」
「そんな奴らを一緒に連れて行くなんてできるわけねーだろ!?」
「いつ裏切るかもわかんないわよ」
「私も反対です! 闇DAIGO様の仇と戦うなんてとてもできない!」

各所からブーイングが飛ぶ中、エースであるイチローだけはこう答えた。

「わかった、その申し出を引き受けましょう」
「ちょっとイチローさん、マジ勝手に言ってんスか!」

多くの者の不服に構わず、イチローは移籍を受け入れたのだった。
そんなイチローに蛮が彼の胸ぐらを引っつかむ。

「今の言葉、マーダーでも死んで欲しくない……みたいな薄っぺらい偽善的な考えで言ったんじゃないだろうな!?」
「僕は安っぽい考えで申し出を受け入れたわけじゃない。
ただ、宗則のような強者に勝つためには6/たちの力は必要になる……それに同意しただけさ」
「もし、奴らが裏切ったり、何かあった時に責任を取れるだけの覚悟はあるか?」
「ある! そうなったら僕が切腹でもなんでもしてやろう」
「……わかったよ」

395さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:28:32 ID:G.gjyT360

掴みかかった蛮だったが、イチローの曇りない瞳に覚悟と責任を背負えるだけの強さを感じた蛮は彼を解放した。

「俺はハラサンの言ったことには従う。
そしてハラサンがイチローに従えと言えばそっちに従うまでだ。
一人でも裏切者が出たら容赦なく全員殺せばいいい」
「私モデス」
「あ〜、俺はこの試合で野球の面白さに目覚めちまったしなー。
しかし、試合は一人じゃできねえし、野球やりたきゃアンタのチームについてくしかないだろう」
(なんとか命拾いできそうですね、ハレクラニさん)
(この場は話を合わせておこう、観柳)

不服そうな顔をしている真壁を除いて6/たちも移籍を受け入れ、今後はイチローチームの一員として戦っていくつもりのようだ。
移籍前にハラサンと6/の師弟コンビが話し合う。

「移籍は決まりだね。 6/ちゃん、イチローチームでも頑張るんだぞ」
「任せてくれハラサン。 ところでハラサンはこれからどうするんだ?」
「どうするも何も」

ザクッ

――その時、6/の眼前でハラサンは己の腹に自決用のナイフを刺しこんだ。
その光景に茫然とする6/や周りの者たち。

「……え?」
「な、なんのケジメもつけないわけにはいかないだろうからな……
選手の責、任は監督の責任、6/ちゃんたちの業は全て私が持っていく……
だからこれで、君らの仲間を奪ったことを許、してくれ……」
「は、ハラサァーーーーーンッ!!」

腹部から出血し、顔を青くして地面に倒れるハラサン。
涙を流しながら彼はイチローチームに懇願した。
6/は大粒の涙を流しながら死にゆく男に泣きついた。

「ハラサンッ!!」
「6/ちゃん…我が愛弟子よ。
君はもっともっと良い選手になれる……あの世から活躍を見守っている。
もっと活躍してもっと目立つんだぞ……」
「ハラサーンッ!!」
「泣くなよ……私は監督としての責務を全うしたいだけだ」

既にからくりドームから歓喜や批判の声も消え、あるのは静けさの中に木霊する6/の嗚咽だけだった。








「監督の責務? そんなくだらないことに命を使うなんて勿体無いデス。
どうせ死ぬんならクラウザーさんのためにその命を捧げるデス」
「「「!?」」」

静けさを打ち破るように唐突に少女の声が響き、全員が何事かと辺りを見回す。

「いったい何が……」
「真壁、上だーッ!!」
「は……」

誰よりもいち早く何かを見つけた6/の言葉に従い上を見上げる。
すると、そこには魔法少女と死神をかけあわせた姿をした少女がこちらに向けて大鎌を振りかぶり――気づいた時には真壁は頭から足元へとかけて両断され、主である闇DAIGOの下へ旅立っていた……

【真壁刀義@現実? 死亡確認】

396さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:29:13 ID:G.gjyT360


「真壁が殺られた!」
「テメー、何もんだ!?」

突然の来訪者は選手たちは悲鳴と怒号を浴びさせられるも、それを何でもないことのように微笑んで自己紹介した。
微笑むといっても、その眼は狂気で爛々と輝いていた。

「私の名前は切歌、クラウザーさんを信望する者の一人デス」
「いきなり出てきてなんて酷いことしやがる!」
「全てはクラウザーさんの復活のため、SATUGAIすべき生贄がまだまだ足りないのデス」
「こいつ……狂ってやがる」

シンフォギアの使い手である切歌はDMC狂信者である。
クラウザーの生贄を求めてからくりドームにやってきたのだ。
そんな彼女に対してナッパや蛮などの戦闘力を持っている選手は応戦しようと武器や拳を構える。

「おっと、私たちとやる気デスかー?」
「……私“たち”?」
「SATUGAIしにきた私だけじゃないデスよ」

彼女がそう言うと、50人以上の暴徒がドームの入口から突入してきた。

「うわッ、なんだこいつら!?」
「同志たちデス」
「「「SATUGAIせよ! SATUGAIせよ!! SATUGAIせよ!!!」」」

巨人小笠原の結界(ぶっちゃけ役立たずだった)がなくなったので、先の五本指や律と同じくドームへの侵入を許してしまったのだ。
もちろんその全てが一人としてまともな精神状態ではない狂信者たちである。
その証拠として彼らの異常な狂気は、ある猟奇的行動に走らせていた。
それを見たちなつとダイゴは吐き気を覚えた。

「ひ、酷い……」
「アイツら人の生首を! 人間のやることじゃねえ!!」

ドームの外で死んでいった者たちの生首を長い槍に刺し、晒し者のように天へと掲げられている。
そのどれもが彼らが殺した者ではないが、それでも惨たらしいことをやっているのは変わりない。
ダイゴが言った通り人間の所業ではないが、彼らの“宗教”にとってはクラウザーへの大切な供物であるのだ。

晒し者となった生首には、マドカ・ダイゴ、多くの美少女たち、白饅頭等々が苦悶の表情を浮かべていた。
そしてその中には赤い帽子に丸い眼鏡の男もいて――

 @

「ウワアアアアアアアア!!! ワクワクさんがあああああ!!!」

久保帯人と戦っていた仮面ライダーゴロリは、これ以上ないほどの絶叫を上げた。
既に亡くなっていたとはいえ、親愛するワクワクさんの亡骸を狂った連中に“工作”されていたのを見てしまったからだ。

「よくもワクワクさんを……まとめて皆殺しに「滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる
爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力を知れ――破道の九十 『黒棺』!!」」

彼の怒りは今、戦っていた相手の存在を忘れるほどであった。
しかし、それがいけなかった。
敵に隙ができたと見て、ここぞとばかりに久保帯人は鬼道を唱えたのだ。
詠唱が終わるとゴロリの四方を黒い壁が覆う。

「なんだこれは……」
「重力の奔流さ、言っただろ? 邪魔をする奴は俺の漫画じゃかませ犬だって」
「貴様ッ!! うおわあああああああああああああああ!! ……」

ゴロリは脱出を試みるも、その前に重力の柩によって身体を押しつぶされてしまった。
彼の悲鳴が消え、鬼道によって生み出された柩も消えると、そこには瓦礫とひしゃげた仮面ライダーGだけが残されていた。

「終わったな……さて、イチローたちの下へ向かおうか」

戦いに勝利した久保帯人は、踵を返して選手たちと狂信者たちがいるマウンドへと向かった。

 @

397さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:29:58 ID:G.gjyT360

「一気に吹っ飛ばしてやる!」

ナッパがクンッと腕を握ると、狂信者たちのいた足元が爆ぜ、直前で避けた切歌を除いた数十人の狂信者がいっぺんに死亡した。

「ハッハッハ、こんな木っ端共50人程度なんてちょろいちょろい…って何!?」

ナッパの笑顔は長く続かなかった。
ドームの外からさらに50人……いや、100、200、300、400と矢継ぎ早に入ってきたのだ。

「500人ぐらい連れ回してたんデスからね。
たかだが50人殺したくらいでいきがるなデス」

イチローたちはあっという間に囲まれてしまった。
あまりにも数が多すぎる上、モブといっても軍隊出身の者もいる、魔法使いや超能力者もいる、ロボット兵器に乗っている者もいる。
そんな者たちに包囲されてしまったら絶望しかなかろう。

「しまった! 囲まれたぞ!」
「どうやらそのようだな……だが、俺たちにはイチローがいる! イチロー、出番だぜ!」

だが、彼らは自身の生存を諦めなかった。
なぜなら今まで自重知らずを再三に渡って葬ってきたイチローのレーザービームがこちらにはあるからだ。
イチローならば狂信者たちを一掃できるだろう……そう信じて6/はイチローに振り返った。

振り返った先には苦しそうに地面に倒れているイチローがいた。
彼の両腕からは夥しい血が流れていた。

「い、イチロー!! おまえ、その腕はどうしたんだ!?」
「魔球の反動が出たんだ……」
「反動!?」
「ネオ・レーザービームはレーザービームを超えるパワーと、安全性のためにエネルギーが霧散する仕組みだけど、それを使うには非常なパワーとコントロール力を要求され、腕には莫大な負担がかかる……ちょっと投げただけで腕が壊れそうになるぐらいね……」

考えてみれば、全打席を最初からネオ・レーザービームを投げていれば勝てた試合だろう。
それができなかったのは、たったの三打席分投げただけで血を吹く程のダメージを腕にかける代償を負うためである。
イチローがギリギリまで魔球の使用を出し渋っていた理由はこのためである。
逆に二回裏では三打席を全て魔球で通したのはチームの勝利を完璧にするためであり、そうでなければポンポン投げられる球ではなかった故の秘密兵器だったのだ。
だが、勝利のために選手生命を削って投げた負荷が、最悪のタイミングで出てきたのである。

「じゃあレーザービームは!?」
「この腕ではしばらく投げられんない、投げたくとも投げられないんだ!」
「そんな……」

レーザービームに一縷の望みをかけていた選手たちの心を黒い絶望が塗りつぶしていく。
それでも希望を諦めないものは応戦するが、如何せん数が多すぎた。
ちなみに6/のクルミボールはこんなに多人数を相手取れるほどの技がまだ無く、イチローに次ぐ火力を持つナッパがこれ以上技の威力を上げると味方を巻き込みかねないため、満足に戦えないでいた。

そして……狂信者たちの猛攻が始まろうとしていた。
この一団のリーダーシップを取っていた切歌がモブ信者たちに指示を下す。

「クラウザーさんのために急げデス!
一斉攻撃でちゃっちゃとカタをつけるデス!」
「まずい!」

リーダーの指示を受けてモブ信者たちがロケットランチャーや魔法など、それぞれが持つ中で最も火力の高い武器や技を構える。

「放てーーーッ! デス!!」
「「「レ○プせよーーーッ!!」」」

号令と共に信者たちの一斉射撃がきた。
手数が多すぎて飽和攻撃・絨毯爆撃と化しているそれはイチローたちを爆炎に包まれて見えなくなった。
打ち方が終わり、煙が晴れた後には肉塊と化した無数の生贄たちが転がっている……そう、信者たちは思っていた。


だが、煙が晴れた先には誰一人として欠けず健在しているイチローチームと、彼らを守るように立っていた約50mはある銀色の巨人であった。
その巨人の突然の出現に流石の狂信者たちも動揺を隠せないでいた。

「あ、あれはウルトラマン!? なぜここにいるデスか!?」

398さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:31:12 ID:G.gjyT360


ウルトラマンゼロの出現――攻撃を喰らう直前にDAIGOと融合しているゼロは彼にウルトラゼロアイを被らせた。
その瞬間、彼らにはチームの仲間を守りたいという強い想いが一致したため、変身は何の問題もなく遂げられた。

(助かった〜、ありがとうウルトラマン)
『礼は後でいい。 DAIGO、ここは皆を引き連れて逃げるぞ』
(え? あいつらやっつけないの?)
『確かに俺の力なら倒すのは簡単そうだが、彼らはクラウザーさんとかいう精神的支えを失って暴徒化しているだけだ。
無闇に殺すことはできない。 イチローたちを守りながらは戦いづらい、だから俺たちの手で彼らを安全な場所まで送るぞ』

彼は信者たちを蹴散らすよりもイチローたちを逃がすことを選択した。
ゼロがしゃがみこみ、仲間たちに巨大な手をかざしつつ、テレパシーで伝えた。

『さあ、俺の体に乗るんだ! 安全地帯まで飛んで逃げるぞ!』
「「「わかった!」」」

イチローたちは狂信者たちの次の攻撃が始まるより早く、大急ぎでゼロの腕の中や背中に乗りこんでいく。
そこで6/があることに気づいた……誰かがゼロに乗らずに残って戦っていたことに。
その誰かとは――

「ハラサン!?」

先ほど、自らの腹に刃を突き刺して倒れたハズのハラサンがバットを両手に持って、狂信者たちに特攻していた。
手負いとは思えない、10人以上が粉々になるほどの一撃を信者たちに叩き込んでいる。

「ここは……僕が食い止める」

ハラサンはそのまま静かに死にゆくより、イチローチームと元大正義巨人軍の面子を逃がすために戦って死ぬ道を選んだのだ。
腹に刺さったままで出血し続け、青い顔に大粒の汗をかいているその姿はとても痛々しく、思わず6/は助けにいこうとゼロの腕から飛び出しそうになったがラミレスに掴まれて止められる。

「はなせ! ハラサンが戦ってるんだ!」
「6/サン、冷静ニナッテ! アノ傷ジャモウ助カリマセン!」
「ラミレスの言う通りだ。 6/ちゃんは僕に構わずに逃げてくれ……!」
「ハラサン……!」

悲しむ6/にハラサンはニッコリとした表情で諭した。

「大正義巨人軍は敗れ、ついさっき解体してしまった。
だが、我々の大正義は死んでいない……その意思をどうか引継いでくれ6/」
「ハラサン……わかったよ、俺はアンタに教えられたこと何一つ無駄にしない!
だから最後にこれだけは言わせてくれ――ありがとう」
「(ニッコリ」

6/は命を削りながら自分たちのために戦ってくれるハラサンにこれ以上ないほどの感謝の気持ちを伝え、ハラサンは静かに微笑むのだった。
最後にハラサンは狂信者たちと戦いながらイチローに向けて言葉を遺した。

「イチローくん! 一度しか言わないからしっかり聞いてくれ!」
「ハラサン!」

「“九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂、全てを虜にする歌、巫女の祈り、器たりえる巨像、不屈の精神を持った勇者。
全てが揃いし時、争いの淀みから生まれた化身は救いの神に転じる”」

「それはいったい?」
「僕が現役時代のキャンプの時にある遺跡で見つけた大いなる古の予言……少なくとも、君なら最初の部分の意味だけはわかるはずだ!」
「まさか決闘の儀式とは“野球”のことか!?」

ハラサンが言い出した謎の予言……彼は最初の“儀式の完遂”をするべく大正義巨人軍を率いてこんな殺人野球を開いた動機というのか。
だが、それにしてはイチローにとっては難解で意味不明なワードが多すぎた。

「だが、残された他の予言の意味は? そもそも救いの神とはなんだ?!」
「それは自分で確かめたまえ、だがわかっていることは3つ。
大災害で滅びかけた世界には救いが必要だということ、この予言は野球の試合と同じで一人で達成できるものじゃないこと、そして最良の戦士たちによる儀式の完遂とは……すなわちチームの“優勝”であるということだ」
「優勝……!」
「この予言をどう思うかは君たちの勝手だ、行動の強制はしない。
しかし、予言が眉唾じゃないと思ったのなら勝ち上がった先に何かがあるはずだ。 優勝を目指してくれイチローチーム!!」
「ハラサン!」
『これ以上は危険だ! このドームから脱出するぞ!』

制限によって時間切れが迫っていると見たゼロは脱出を敢行する。
みるみる内に上空へと飛んでいき、気が付けばイチローチームは狂信者たちの届かない場所まで飛んでいった。

「あー! 生贄が逃げたデス!
おまえが邪魔しなければ5人ぐらいは殺せたかもしれないのに!」
「ふふ(ニッコリ」

399さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:31:49 ID:G.gjyT360

ハラサンの周りには屍が累々と転がっている。
全て狂信者であり、チームに犠牲が出なかったのは一重に彼のおかげであった。

「それにしても、君はさっき言ったよね?
監督の責務がくだらないとかさ……あれすっごくムカついたな」

ハラサンの顔がいつもの微笑み面から、鬼の形相に変わる。
それは勇次郎のそれよりも遥かに恐ろしく、切歌に恐れを抱かせるには十分であった。

「ひッ」
「人のプライドを貶した覚悟はできてるか? 小娘が」
「だ、だが、こっちにはシンフォギアとまだまだ同志が残ってるデス!
SATUGAIされるのはおまえの方デス!!!」

バットを構えるハラサンに切歌と狂信者400人あまりが容赦なく、一斉に畳み掛けた。

(イチロー君、是非優勝してくれよ。
優勝の先に、僕らの散っていた意味もあるだろうからさ)

 @

――東京上空。
ウルトラマンゼロによって辛くも狂信者たちの魔の手から逃れたチームであったが、戦いの傷跡は深く選手たちの心に影を落としていた。


「ポッチャマ……」

飛び立つ前に回収したポッチャマの亡骸をダイゴは涙を流しながら抱きしめる。
6/が申し訳なさそうに彼の背中に声をかけた。

「そいつを殺ったのは俺たちじゃない、きっと乱入者が……いや、これは言い訳だな。
すまない、俺たちがちゃんと見張っていれば……」
「俺は……約束を守れなかったおまえたちを信用できない」

ダイゴは静かに6/たちに向けて恨みの言葉を呟いた。

「だが、イチローも言ったとおり、この殺し合いで生き抜くにはおまえらの力が必要だし、おまえらがこのチームのために戦うつもりがあるのは眼を見てわかる……今ここでおまえたちと争うのは間違いなことくらいわかる。
だからおまえたちは死んだ仲間の分も戦ってくれ、そして二度と約束を破らないと誓えよ」
「ああ、誓う」
「そうか。 それから、悪いが今はソっとしておいてくれ、俺はポッチャマの冥福を祈ってるんだ……」

全員試合に出ていたため、全選手にはアリバイがあり、ポッチャマを殺したのは乱入者以外ありえないのは理解していたダイゴは必要以上に6/たちを恨まないようにした。


「アレ?」
「どうしたラミレス?」
「観柳サン、ハレクラニサン、松本サンガイマセン」
「あ! 本当だ、あいつらどこ行きやがった!?」

ラミレスとナッパは自分たちに以外に移籍したハズの3人の選手たちがいないことに気づいた。

「マサカ、乗リ遅レタノデハ……」
「考えづれえな。 観柳とハレクラニは元々金が目当てで野球をやっていただけだし、イチローたちに金があるようには見えなかったからゼロに乗らずに逃げたんだろう……松本は知らねぇ」

三人中二人は雑魚なら容易に蹴散らせる実力を持っており、その気になれば狂信者たちをかき分けて脱出もできるだろう。
ゼロの腕や背中を念入りに探すも結局見つからず、ナッパたちは件の三人を諦めた。

「仕方ねぇ、奴らの分も俺たちがチームに貢献すっか」


一方、腕を故障寸前まで壊しかけたイチローはちなつの看病を受けていた。
腕には包帯が巻かれている。

「イチローさん、その腕大丈夫なんですか?」
「ああ、少し休めば、またいくらでもレーザーを投げられるようになるさ」
「良かった……心配しましたよ」

イチローはちなつに向けて笑顔を向けて怪我についてはなんでもないように言ったが、それは彼女を安心させるための嘘である。
実際は腕がもげそうな痛みが今も彼を襲っている。

(ネオ・レーザービームで予想外の痛手を受けてしまった。
ろくな休憩が取れるわけないロワという環境、これが仮に三日は続くと過程して、ネオ・レーザービームを投げるのは3球が限界……それ以上は僕の選手生命が終わる!)

故障に強いことに定評があるイチローすら壊してしまう魔球をあと何球投げられるか、イチローは見立てる。
野球選手を続けたいならできるだけ投げたくない魔球だが、これから投げなくてはいけない局面もくるだろう。
できれば三球目に到達する前にロワに決着をつけたいと思うイチローであった。
そしてもう一つ、イチローは気になることがあった。
別れ際にハラサンが言っていた“予言”についてである。

(予言に嘘偽りがないなら優勝は救いの神とやらを呼ぶのに必要らしいけど、果たして……)

優勝すれば審議は明らかになるのだろうが、どこかよくわからない故の怖さがあった。
救いの神とやらはロワを終わらせて日本を平和にしてくれるのか? そもそも自分たちの望むような神なのか?
ハラサンに従い、このままチームは優勝を目指すべきなのか、イチローは思い悩んでいた。
すると、そこへイチローに声をかける存在が現れた。

400さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:32:45 ID:G.gjyT360

「お困りのようだね、どうしたんだ?」
「って、誰だ! いきなりどこから現れたんだ?」
「あ、久保先生だ」
「知り合いなのか、ちなつちゃん?」

その男こそ野獣捜索組の盟主にである久保帯人であった。
先程までドームにはいなかった男に戸惑うイチローたちであったが、同じ野獣捜索組のちなつら女性陣によって知り合いであり、悪い人ではないと説明され、互いに情報交換がなされた。

「そんなことがあったのか……すまない、もっと俺が早く駆けつけていれば何人かは助けられただろうに……」
「いや、あなたのせいではないさ」
「ここで会ったのも何かの縁だし、俺も力を貸そう」
「それはありがたい」

久保はイチローチームの一員として手を貸してくれるらしいが、すぐに改まってイチローたちに懇願をした。

「それでポジションについてなんだが、監督をやらせてもらってもいいかな?」
「監督って、あなたできるんですか?」
「俺は一度に20〜30人以上のキャラをライブ感で動かしてる漫画家だよ。 それぐらいはお手の物さ。
そもそも野獣捜索組を結成して動かしてたのも俺だしね。
さらに話を聞く限り、しっかりと指揮できる監督がいないのがこのチームのネックだと思ったし、チームを勝利に導く指導者は必要だろう」
「まあ、一理ありますね」

野獣捜索組のメンバーは久保を監督には賛成であり、他に反対する者も特にいなかったため、久保帯人は晴れてイチローチームの監督に迎えられた。


――誰も彼の中にある邪悪な野望も知らず。

(ふふふ……うまいことチームに潜り込めたぞ。
霊夢(その1)たちが俺の本性を知らないのは僥倖だった。
イチロー、悪いけど君には世界の滅亡の手伝いをしてもらうよ)

この男は殺し合いの破綻による世界滅亡を望んでいる。
対主催のグループに力を貸して主催の打破を目指しつつ、殺し合わねば滅亡という真実を知らぬまま死んでもらうのが彼の理想であった。
特にチームの監督としてグループの行動を管理できるポジションにつけたのは久保にとって大きいものだった。
そしてもう一つ、彼には計画があった。

(予言とやらは俺も聞いていた。
救いの神を作るみたいな感じだったが、世界に滅んで欲しい俺にとってはそうなると困る。
ならば俺のすることは一つ、予言“九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂”を実現させない――すなわち、どの野球チームにも優勝させないことだ。
そのためにチームの皆には死んでもらう……といっても優勝する寸前までは生かしておくがね。
今、イチローチームを全滅させると、俺の手の届かないところで別のチームが優勝してしまうかもしれない。
だったら、このまま監督してチームを勝ち続けさせ、最後の2チームが残って試合によって疲弊したところを両チームとも叩く。
こうなれば“優勝チームはなし”となる……我ながら天才的な計画だ)

チームの信頼を利用し、最後にはゴミのように葬る……それは悪魔の計画であった。
そんな闇を抱くの男は監督として最初の指示を出した。

「しかし、このまま次の試合へ……というわけにもいかないだろう。
みんな試合で疲れているようだし、どこか安全な場所で休むべきだろう」
「そうですね、ゼロどこか安全な場所は無いか?」
『少なくとも東京はダメだな、俺たちがドームで戦っている間に全部が危険地帯に塗変わったらしい』

上空から見れば、都庁があった場所には謎の大樹が生え、ビックサイトには先ほどの狂信者たちが集まっており、官邸では怪獣が暴れている。
その他の場所も、マーダー・魔物・狂信者の闊歩によって瓦礫と死体だらけであった。
東京はカオスが凝縮した世紀末状態であった。

「僕たちが戦っている間に外は酷いことに!」
『俺の変身が切れる前に他県に移動すべきだな……ん? なんだあれは?』
「どうしたんだ?」
『みんな、あれを見ろ!』

ゼロに促されて彼の示した先には、先ほど死合をしていたからくりドームがあった。
なんと、そのマウンドに野球ボールをあしらったような輝く呪印らしきものが大きく浮かんでいた。

「なに、あれ?!」
「からくりドームにあんなマークが出てくる設備なんてつけた覚えないぞ!?」
「あれがハラサンの言っていた儀式なのか……?」

この呪印が見えるのはあくまで上空からであり、地上にいる狂信者たちは気づいていない。
(実は拳王軍たちも試合に勝つ度に現場にはこの呪印が出ていたのだが、わざわざ空中から試合見る者がいなかったため、誰も見ていないのだ)
そして呪印はしばらくして消えていった。


多くの血を流したからくりドームの戦いは終わりを告げた。
しかし、これは新たな戦いへの幕開けであると、イチローチームの面々は予感していた……

401さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:34:05 ID:G.gjyT360


【一日目・22時00分/東京上空】

【イチローチーム】

【イチロー@現実?】
【状態】両腕のダメージ(大)、疲労(大)
【装備】野球道具
【道具】支給品一式
【思考】基本:イチローチームを優勝させる?
0:一時、どこか安全地帯へ
1:川崎宗則を倒すために仲間を集める
2:ハラサンの言っていた予言とは一体……?
※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと三球以上使用すると選手生命が終わる危険があります

【DAIGO@現実?】
【状態】ウルトラマンゼロに変身、疲労(中)
【装備】ウルティメイトブレスレット@ウルトラマンサーガ
【道具】支給品一式、ヴァンガードデッキ
【思考】
0:イチローチームについていく
1:ウルトラマンマジ頼れる
2:ダイゴさんマジリスペクト……意思は引継ぐっス

【ウルトラマンゼロ@ウルトラマンサーガ】
【状態】DAIGOと合体、変身中
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:殺し合いを止める
1:知らない内に東京がカオスなことに……
2:ティガ、助けられなくてすまない……
※制限によって一度に数分までの間しか変身できません

【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】
【状態】疲労(中)
【装備】サングラス
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:銀次を探す

【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】
【状態】疲労(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、日本酒×99
【思考】
基本:イチローチームについていく
1:久保先生が監督かー
2:野獣が死んでメシウマ状態ww

【博麗霊夢@クッキー☆】
【状態】疲労(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、御札×99
【思考】
0:イチローチームについていく
1:円環の理に召されたのね、もう一人の私……
2:野獣が死んでメシウマ状態ww

【ロイ@FE封印の剣】
【状態】疲労(中)
【装備】マスターソード
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:レンが死んでしまい、少しがっかり
2:女性と支援A関係になる夢は諦めてないぜ!

【ダイゴ@ポケットモンスター】
【状態】疲労(中)、深い悲しみ
【装備】メタグロス
【道具】支給品一式
【思考】
0:イチローチームについていく
1:助けてあげられなくてごめんな、ポッチャマ……
2:きれいな石集めは一時保留

【吉川ちなつ@ゆるゆり】
【状態】軽度の精神的ショック、疲労(中)
【装備】RPG-7(弾切れ)
【道具】支給品一式、チアガールのコスチューム
【思考】
0:イチローチームについていく
1:人殺しちゃった。
2:野獣死んでも素直にメシウマできない……

402さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:34:31 ID:G.gjyT360

【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】
【状態】疲労(中) 、悲しみ
【装備】胡桃五千個
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
1:ハラサン……ありがとう
2:大正義を忘れない
3:目立つことも忘れない

【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】
【状態】疲労(中)、ダメージ(小)
【装備】野球道具一式
【道具】支給品一式
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
1:ハ、ハラサン…

【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】疲労(微小)、野球の面白さに目覚めた
【装備】なし
【道具】一人用のポッド
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:野球楽しいぜ!
1:バーダック生きてたのか
2:あのガキ(光熱斗)にはいつか報復する、野球で
3:ベジータはそのうち探す

【久保帯人@現実?】
【状態】疲労(小)、イチローチームの監督
【装備】斬魄刀「???」@ブリーチ
【道具】支給品一式、サングラス、SMプレイ用の道具一式
【思考】基本:世界を滅ぼし天に立つために主催者を殺す
1:監督としてイチローチームを上手く操り、他のチームを全て全滅させる
2:イチローチームが優勝を勝ち取る寸前で裏切り、儀式(野球)を台無しにさせる


【DMCモブ狂信者 約50人 死亡確認】
※イチローチームとの応戦によって死んだ者たち

 @


「ハアハア、やっとくたばったデスか」

からくりドームにはダメージを受けてシンフォギアのあちこちにヒビを入れ、自身もそれなり怪我をした切歌。
300人以上は転がっている狂信者たちの死体。
そして切歌の大鎌によって首を絶たれてトドメを刺されたハラサンの骸があった。
その顔は死に際に出来るとは思えないほど穏やかなものであった。

【ハラサン@大正義巨人軍 死亡確認】

【DMCモブ狂信者 約350人 死亡確認】
※ハラサンによって撲殺された者たち

ハラサンの強さはまさに鬼神の如きものであり、手負いでなければ切歌や残った信者たちも全滅していたと思わせる。

「500人いた兵隊が一気に100人に減っちまったデス。
アンタが手伝ってくれなきゃもっと減っていたデス――まっちゃん」

切歌の後ろにはハラサン撃破に手を貸した人物――相変わらずDCSでムキムキ状態の松本人志がいた。
さらに彼の足元には観柳とハレクラニ……の頭が潰れた死体が転がっている。
松本の大きな両掌は血と頭蓋と脳漿で真っ赤であり、彼こそが観柳とハレクラニを殺した張本人だった。

【ハレクラニ@ボボボーボ・ボーボボ 死亡確認】
【武田観柳@るろうに剣心 死亡確認】


「しかし度胸あるデスね、信者とはいえクラウザーさんのために仲間を裏切るなんて」
「ワイはこいつらを仲間だと思ったことは一度もあらへん。
巨人の星並に進まない野球試合で時間を無駄に浪費させられたわ。
それにワイもクラウザー……さんの信者やからね、生贄は殺害や」
「そうデス、その意気デス! とにかくSATUGAIデス!」
「お嬢ちゃん、これだけしてやったんやからワイも連れてってくれへんか?
そこらのモブ信者の千倍は働けるでえ〜」
「もちろんデス、今からまっちゃんは同志デス!」

こうして松本人志は仲間を裏切り、イチローチームには移籍せずにDMC狂信者に鞍替えした。


……表向きは。

403さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:35:06 ID:G.gjyT360

読者はお気づきだろうか?
ハラサンが生き残った大正義巨人軍の選手をほぼ全員移籍させようとしている中、彼だけ名前が上がらなかったことに。
実はハラサンは松本がこのように裏切ることで、移籍させる事はイチローチームにとってプラスにならないと見抜いていた。
相棒の名前を放送を聞いて以来、暗く静かだったのは何かを企んでいたためだと、ハラサンだけは看破していたのだ。

(ワイはどっちの勝利なんて関係あらへん、隙を見て両軍とも皆殺しにできるタイミングを狙ってたんや。
野球は時間食うだけで参加者をあんま減らせんことがわかったしな。
だが、こいつらの乱入は嬉しい誤算やった……)

彼は浜田のために殺し合いに乗ったものの、その浜田が既に死んでしまっている。
試合が終わり次第、自分をドームに時間的な意味で拘束した両軍を、逆恨みに近い理由で全滅させようとした。
しかし、DMC狂信者の出現に松本は希望を見出した。

(こいつらクラウザーの復活云々抜かしてるしな。
もし、本当に蘇生できるんやったら、その蘇生手段を奪って浜田を蘇らせる!
そのためならワイは好きでもないクラウザーの信者を演じるし、仲間だって裏切るで)

あくまで浜田を生き返らせるためにだけ狂信者たちに取り入ったのだ。
そして狂信者の仲間入りをする証としてゼロに乗って逃げようとしたハレクラニ・観柳を後ろから捕まえ、その大きな腕で二人の頭をトマトのように握り潰し、手土産にしたのである。
さらに狂信者から、より信頼を得るためにハラサンと戦う切歌の戦闘の助力もした。
全ては浜田蘇生のためである。

(でもこいつらも基本狂った連中や、復活についてもただの虚言かもしれへん……いや、虚言でもええわ。
だったらあの世の浜田が寂しがらないように一人でも多く殺すだけや……老若男女も野球選手も狂信者も皆殺しや)

例え、相棒の蘇生ができなくても彼は殺し合いをやめる気はない。
浜田の生存のために殺し合いに乗った男は、浜田が死してなお、殺し合いを続けるのだった。
全ては浜田のためである。

【一日目・22時00分/東京・からくりドーム】

【DMC狂信者】

【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、変身中
【装備】シンフォギア「イガリマ」
【道具】支給品一式、DMCモブ狂信者約100人
【思考】基本:SATSUGAI
1:東京中を練り歩いて生贄を見つけ次第SATSUGAIしまくるデス
2:松本人志はとりあえず連れて行く
3:調やマリアに会えたら説得してこちら側に引き込む

【松本人志@現実】
【状態】疲労(小)、DCS状態
【装備】浜田雅功人形
【道具】支給品一式、メトロン星人人形
【思考】基本:浜田の蘇生
1:DMC狂信者に手を貸し、隙あらばクラウザーの蘇生手段を奪って浜田を生き返らせる
2:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る

【大正義巨人軍 解体】


 @

404さらば! からくりドーム!:2014/02/20(木) 11:35:37 ID:G.gjyT360

――からくりドームの地下にある下水道。
暗く汚いその場所に一人の男がいる……ゴロリだ。
久保帯人の鬼道によって死んだと思われた彼は、生きていた。
実は重力の奔流によってゴロリがいた場所に下水道へ続く穴が空き、偶然その中に入ってしまったのだ。
その直後に穴は瓦礫で塞がったため、久保はゴロリは死んだものと誤認したのである。
もっとも、鬼道によるダメージは深く、ちぎれた下半身はドームに置き去りになってしまった。
サイボーグでなければ即死確定の満身創痍の身体であった。
だがそれでもゴロリは残った両手で匍匐前進しながら下水道の中を進み続ける。
その両目に映る復讐の炎を燃やしながら。

(DMCの信者共め、必ず皆殺しにしてくれる。 久保帯人とかいう奴も必ずな!!
だが、この体じゃどのみち戦闘はできない……工作に必要な場所と部品を探さねば……)

彼は自分を工作(修理)できるものを求めて地下を彷徨っているのである。
工作ができたら、ワクワクさんの死体を陵辱した者たちや、その者たちへの復讐の邪魔をした悪党へ報復にでるのだろう。

「ワクワクさん……」

ふと復讐だけではなく、彼は殺されてしまったワクワクさんのことを思い浮かべる。
彼を失ったことは悲しいハズなのに涙を流せない……今の自分はサイボーグ故に。
その代わり、彼の瞳には機械油が漏れていた……


【一日目・22時00分/東京・からくりドーム地下下水道】

【ゴロリ@つくってあそぼ】
【状態】ダメージ(特大)、下半身喪失
【装備】仮面ライダーGの剣@仮面ライダーG
【道具】支給品一式、工作道具もろもろ
【思考】基本:見敵、必殺
1:今はとにかく、自分を工作(治療)できる宛を探す
2:DMC信者を皆殺しにする
3:久保帯人は次に会ったら殺す

405ズカンされた名無し:2014/02/20(木) 11:37:14 ID:G.gjyT360
投下終了。
短くまとめるつもりが長ったらしくなった、ゴメン。

406Westbound Crisis:2014/02/21(金) 03:33:57 ID:hWonoVUU0

(……彼女が黒幕じゃなかったようね……)

「おかしいわね」

 滋賀県。
(東京の渋谷から車で三時間くらいのところにある滋賀県、時間間隔無茶苦茶に見えるが……
 古明地さとりとクマ吉の死亡話とその一話前を見れば何の問題ない……に誰も突っ込まないのが悪い)
 
 そこの大きな湖近くまでやってきた光太郎一行。
 彼らはそこで第三回目の放送を聞いていた。
 そこでこのメンツの中でも割と頭が切れてる部類に入る霧切さんがあることに気づいたのだ。 

「響子ちゃん、どうしたんだい?」
「よもやと思うが、知り合いが呼ばれたから?」
「まあ……それもあるけど……」

 少し複雑な表情を浮かべたが、すぐにいつもの冷静な顔に戻る。

「禁止エリアの順番が少し気になってね」
「ほう……聞かせてもらおうではないか?」
「最初の放送で北海道を封鎖して、次の放送で沖縄を封鎖、ここまではいいわね?」
「問題は……次の場所か?」
「そうよ」

 北海道と沖縄は本州から海を挟んでいるから分かる。
 殺し合いのエリアを狭めるなら、問題はない。
 だが、次である。
 響子は拾ってきた日本地図の禁止エリアをペンで赤く斜線を引く。
 
「九州や四国ではなく、何故か本州と陸続きの中国地方なのか……ということである?」
「ええ」
「九州や四国を禁止エリアに出来なかったのには何か理由があるっていうのかい?」
「そうね、九州はなにか改造されているのは、ちょっと考えづらい……常識的に考えてね」
「何を言う? 変形ロボは男のロマンだぞ!!」
「……もし、そうだったとしても、殺し合いエリアを狭めるなら先に九州を封鎖しないかしら?」
「確かにありえる」

 九州にはきっと何かある。
 そう考えた三人。そして、決断した。

「まずは四国か……」
「そうね、でも、もうこんな時間だし……」
「警戒しつつ、進むぞ」
「確かにゴルゴムの連中なら夜道に奇襲を仕掛けてきますからね!」

 とりあえず、九州に向かうために近くの四国を目指す。
 そのために、一先ず関西の大都市・大阪に向かう。
 大阪⇒四国⇒九州というルートを選択した。
 さて、これが本当にいいルートだったか、どうかなどまだ誰も分からない。

「それにしても……」
「あんな服、どこで売っているのだろうか?」
「簡単だ、自分で作ったに決まってるじゃないか……」
「貴方、案外器用なのね……」
「空……中々、似合っているじゃないか……」
「でしょ?」

 そこには地獄兄弟風の服に着替えた空とその姿にちょっと満足している矢車さんがいた。
 なお、その服は矢車さんお手製だった。まあ、矢車さんだったらやりかねない。

407ズカンされた名無し:2014/02/21(金) 03:34:34 ID:hWonoVUU0
【一日目・21時30分/日本・滋賀県琵琶湖付近】

【南光太郎@仮面ライダーBLACK】
【状態】健康
【装備】キングストーン、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、カラオケマイク
【思考】
基本:この殺し合い、ゴルゴムの仕業だ!
0:西に向かう
1:クライシス皇帝と空、響子と共に行動する
2:あの少女(歌愛ユキ)はどこに行ったんだ?
※RXに進化しました。ロボライダーとバイオライダーにはまだなれません。

【クライシス皇帝@仮面ライダーBLACKRX】
【状態】健康
【装備】サタンサーベル オーガギア@仮面ライダー555
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:光太郎とともに主催者とゴルゴムを潰す
0:西に向かう
1:戦力を集めて、『ネオ・クライシス帝国』を建国する
2;一先ず、地球人類抹殺は置いておく。(総理を潰したら取り掛かる)
3:矢車から地獄の匂いがする
4:私のカラオケマイクはどこに行ったんだ?
※参戦時期は仮面BLACKRX本編開始前です。

【霧切響子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、ロリ切さん
【装備】様々な資料
【道具】支給品一式、沢山の光彦関連のスイッチ、その他不明
【思考】
基本:殺し合いの打開and殺し合いについて調べる
0:西に向かう
1:苗木くんに会いたい
2:元に戻る方法はあるのかしら……?

【霊烏路空@東方Project】
【状態】悲しみ、やさぐれた……?
【装備】制御棒、地獄兄弟みたいな格好(女性用)
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:さとり様殺した奴は殺す
1:光太郎たちについていく
2:矢車の妹になった!

【矢車想@仮面ライダーカブト】
【状態】やさぐれ
【装備】ライダーベルト&ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
1:光太郎、空を地獄兄弟の弟、妹にする
2:上記のために、光太郎たちについていく。(率先して戦うつもりはない)

408正義とはなんぞや:2014/02/21(金) 23:32:13 ID:XmnUiFYY0
グンマーの民が何者かに滅ぼされ、都庁の魔物に大きな衝撃を与えた。
生物である以上、魔物も人間もいずれは死んでしまう。
それを理解していても、信じられない程の衝撃だった。
永い時を生きてきた雷竜などの魔物はともかく、まだ若い魔物にとっては殊更に。

「これが、電源かな?」
「よし、それじゃあ掲示板ってのを早速開こうよ!」

アーマービーストと呼ばれる、小型の魔物もその一人であった。
彼は同族を連れて外に協力者を求めて旅立ち、ここ山梨県のネットカフェまで来ていたのだ。
都庁の周辺はともかく東京全域はまさに地獄絵図であり、落ち着ける場所などなかったため隣県まで避難したのである。

「手伝ってくれる人、いるといいね」
「きっと大丈夫さ。グンマーの人だって、きっと全員が殺されたわけじゃないし」

彼らが協力者を得るために取った手段はインターネット。
いきなり協力者を都庁に集めては、その身を危険に晒してしまうだろう。
その点寂れたこの場所であれば、安全に協力者との交渉もできるはずだ。

ちなみにアーマービーストは非常に小柄であり、現在都庁にいるダオス、レスト、サクヤを除けば唯一キーボードが打てる魔物だ。
これも彼らがインターネットを選んだ大きな理由の一つである。
戦う力はさほどでもないが、自分達に出来ることをやろうと、小さいながらに頑張っているのだ。

「でも人間って基本は野蛮だから心配だな。この殺し合いだって、開いたのは人間じゃないか」
「でもあの人たちは僕らや裁断者さんを助けてくれたじゃないか」
「そういえば、タマムシジムってところのリーダーも人間だけど自然を愛しているって聞いたよ」
「人間もそういう人ばかりだったらいいのになぁ……」

仲間たちがお喋りを続ける中、リーダー格のアーマービーストは懸命に両手を動かしてキーボードを叩く。
そしてやがて、カオスロワちゃんねるというページが開かれるが……

「あー、ここは駄目だね。というかむしろ僕らを殺そうとする人間の書き込みの方が多いよ」

341:パルマーNANASHI 22:20:18

おい、とうとう都庁が完全に馬鹿でかい樹になったぞ。てっぺん見えねえ

348:名も無き名無し 22:20:52

それ以前に、都庁周辺がなんかおかしい。来た道戻されてるし、空間捻じ曲げられてるのか?

351:隣の名無し 22:21:21

別にいいだろ。基本的にあそこは近寄らなければ被害でないみたいだし。むしろ戻してくれてありがたいわ
むしろ今はそれより、狂った連中の方が数段やばいっての

353:この身を名無しに奉げよう 22:21:33

DMC信者の連中だろ?あいつらは祐一郎クラスのイカれた奴らだからな……
会ったら間違いなくリアルで晒し首にされそうだよ

「……でも僕ら以上に、DMC信者っていうのが恐れられてるみたいだね」
「どんな人間なんだろう?」

ふとアーマービースト達は、話題にされていたDMCという単語に興味を持った。
魔物以上に恐れられているDMC信者とはどんな存在なのか?

409正義とはなんぞや:2014/02/21(金) 23:33:30 ID:XmnUiFYY0
カタカタと少しキーボードを打つだけで、目的の物はすぐに見つかった。
DMC公式サイトにDMC絡みのファンサイト、ブログ、ツイッター、フェイスブック、掲示板……

「「 こ れ は ひ ど い 」」

あまりに過激な行動や画像の数々に、アーマービーストらは口を揃えた。
魔物以上に魔物らしい悪逆非道な行為の数々を行うDMCと、それの信者達。
なるほど危険視される理由がよくわかる。あえてこいつらを何かに分類するとすれば、それは悪魔しかないだろう。

「DMCファンクラブ№37564・ブロリー☆DEATHのブログ……」
「DMCファンクラブ№4649・アケチフォトギャラリー……うぇっ……」

「これがついったーってやつか。……東京ビッグサイトに集合、とにかくSATSUGAIとか書いてあるよ!?」
「こっちの掲示板は……駄目だ、ロックがかかってて見えないや」

「非情なるギター炸裂の瞬間……うわああああああ!」
「DMC血みどろ謝肉祭……あれ?」

動画を見ていた一匹が、あることに気がついた。
過激すぎるパフォーマンスの様子を撮影した動画の一部に……

「これって……デスマンティスさんだよね?」
「ああ、間違いなくデスマンティスさんだ。でもどうして……?」

そこに映し出されていたのは、都庁の軍勢の一員であるデスマンティス。
動画の中の彼は、嬉しそうに鎌を振り回している。
歌詞にあわせて、心底嬉しそうに。

「デスマンティスさんが……DMC信者の一人……?」
「ま、まさか。あの人が人間を相手に……」

「っ……DMCファンクラブ№666666・死蟷螂のSATSUGAI日記……!?」

思わぬところで、信じられない事実を知ってしまったアーマービースト達。
それなりの付き合いにはなるが、こうやってインターネットを、ましてやデスメタルバンド絡みのページを見ることは通常ありえない。
だからこそ今の今まで気がつけずにいたのだろう。おそらくこれは、リーダー達すら知らない真実。
あのデスマンティスがまさかとは思ったが、ビーストの野生の勘が警鐘を鳴らしていた。

「た、確かデスマンティスさん、怖い顔の新入りを連れて帰ってきてたよね……!?」
「もし、あれもDMC信者だったとしたら……」


――SATSUGAIせよ! 都庁を○イプ!――


最悪の光景が、一同の頭をよぎった。

「いけない、リーダー達にはやく知らせっ


「おやおや、まだ見落としている参加者がいましたか」
「SATSUGAI、しようぜ!」


そして彼らは最悪の光景を目の当たりにすることとなる。
人間の大人と子供が、巨大な武器をそれぞれこちらに向け……
仲間が、自分の体が、ごみくずのように千切れ飛んでいく光景を。

【アーマービーストA〜Z@新・世界樹の迷宮 死滅】
※殺害数は1カウント

410正義とはなんぞや:2014/02/21(金) 23:35:23 ID:XmnUiFYY0
アーマービーストの群れを殲滅したのは、彼らが直前まで調べていたDMCの信者だった。
アーマービーストは知ってはいけない真実を知ってしまったがために、殺された……

「僕としたことが、こんな大量の生贄を見落とすなんて。いけませんねぇ……」
「やっぱSATSUGAIは最高だよなー!」


……というわけではなかった。
第一、魔物の言葉を普通の人間が理解することはできないのだから、彼らはアーマービーストが何をしていたのか全く知らない。
証拠となりそうなパソコンも、先程の攻撃で巻き込まれて大破している。
ただ単に、大勢で群れていたために殺された。
そこに善も悪もない。視界に入ったために殺された。
あまりに理不尽、これを悪魔の所業といわずしてなんといえよう。

しかし悪魔とは、魅力的なものでもあるのだ。
かつて正義感に溢れていた者ですら、悪魔色に染め上げられてしまうのだから。
今の彼らの正義は、信奉するクラウザーさんのために生贄を殺すこと。

「この調子で、もっと多くの生贄をクラウザーさんに捧げましょう」
「おう!」

邪悪な正義もまた、ビッグサイトを目指す。

【一日目・22時30分/山梨県・ネットカフェ】

【杉下右京@相棒】
【状態】健康
【装備】ガトリングガン
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI
1:他のメンバーと合流する

【円堂守@イナズマイレブン】
【状態】健康
【装備】イナイレ仕様サッカーボール
【道具】支給品一式
【思考】基本:SATSUGAI、しようぜ!
1:他のメンバーと合流する

※アーマービーストの会話は理解できていません
※アーマービーストがネット上に何かを書き込んだかどうかは不明です

411開放の喜び:2014/02/22(土) 03:19:32 ID:IZAd.dqU0
新城直衛は地面で恐怖しながらも考えていた
今対主催の一団が地下に移動しようとしている、その一団を迎え撃つかどうかを
もし迎え撃てば誰かを殺せるかもしれないだがその前に自分が怪物に殺されるかもしれない
逃げるという手段もあるがそれをやると自分の義理の姉が殺される
考えに考えをかさねる、自殺しようかとそう思ったが自分がいなくなれば主催が義理の姉になにをするかわからない
自殺することもできずに悩みに悩みその悩みが極限に達しそうになろうとしたところで
――ピンク色のドアが現れた

「ッ!!」

すぐさま直衛は立ち上がりそのドアに対して警戒する
千早もすぐさまに応戦態勢に入る
そしてそのドアが開いて現れたのは忍者の格好をした男――風魔小太郎だ
その男の登場に対し直衛は肩の力を抜いて安堵した

「や、やあ君だったのかあまり驚かせないでくれよ」

自分との同僚が来たことにより直衛に若干ながらも余裕を見せた
そして直衛は小太郎と知り合いつまりは小太郎も特務機関員であるということだ

「それで、君は何のためにここへ?、君もここの守備を任されたのかい?」

なぜここに小太郎が来たのか、それを疑問に思いすぐさま問う
すると小太郎がペンとメモ帳を取り出してそのメモ帳に文字を書いて直衛に見せた
その内容は直衛を主催本部九州ロボットまで連れ戻すということが書かれていた
その内容を見て直衛は震えながらも小太郎の顔を見て

「こ、ここに書いてあることは……本当なのかい?」

小太郎はその問いに対して肯定して無言のまま首を縦に振った

(キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!)

心の中でそのようにモーレツに喜ぶ
なんせもはや絶望的な状況だったのだ、その状況が変わるのだから喜ばずにはいられない
そして興奮気味に

「それならすぐに行こう!すぐに!すぐに!」

そのように興奮している直衛に戸惑うこともなく自分の移動手段であったどこでもドアに移動する
直衛も小太郎の後についていってどこでもドアの前に付くとすぐさま入っていき千早も直衛の後についていって最後に小太郎が入ってどこでもドアが閉まり
首相官邸から姿を消した

そして九州ロボに着けばいい笑顔で直衛は笑っている
それを目撃したモブたちは思いっきりドン引きするのであった

【一日目・21時45分/日本・九州ロボのどこか】

【新城直衛@皇国の守護者】
【状態】健康、恐怖から開放された喜び
【装備】タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、千早@皇国の守護者
【思考】基本:任務を遂行する
1:助かった!!
※特務機関員です

【風魔小太郎@戦国BASARAシリーズ】
【状態】健康
【装備】対刀“衝"・乙@戦国BASARAシリーズ
【道具】支給品一式 どこでもドア@ドラえもん  他不明
【思考】基本:任務遂行
※特務機関員です
※どこでもドアは主催から貸し出されたものです

412今期のアニメはまだ鬼灯しか見てなかったり…:2014/02/22(土) 04:11:27 ID:3ZZng0yg0
魔物に占拠され、もはや依然とは別物になった東京都庁。
その魔境に足を踏み入れている長身の和服の男が一人、頭部には角が生えている。
彼の名前は『鬼灯』。地獄の鬼である。

「噂には聞いていましたが、本当に様変わりしてますね…」

鬼灯はもはや巨大な樹と化した都庁を見上げるとハリトンボイスで呟いた。
彼が都庁に足を運んだのは理由があり、都庁の責任者と話をするためである。
話の内容はもちろん都庁軍の都庁占拠行為及び人類の抹殺をやめてもらうため。
そしてすぐに殺し合いを終わらせるために行動してもらうためである。
都庁が何故こんなことをするのか理由は知っている。鬼灯もどちらかというと環境には気を使うほうだ。
だが地獄の鬼から見ても彼らの行為は明らかにやりすぎだと判断したためにこうして都庁に向かっているというわけだ。

「人間とて自然から生まれた自然の一部。彼らは気づかないのでしょうか…自分の目的のために自然を刈り取ろうとしていることを。
科学の発展を理由に自然を刈り取った人間と同じようにね。はて、それは愚かなのやら哀れなのやらブツブツ……」

と説教染みた事をいうが実は彼の本音は違った。
鬼灯は元々休暇を何日かもらって、その間旅行のために地獄から現世に舞い降り…いや這い上がってきたのだ。
そのときに丁度カオスロワに巻き込まれてしまったのである。
殺し合いが長引いてはせっかくとった休暇が全部台無しになってしまうというわりと俗な理由で一刻も早く殺し合いを止めようとしていたのだ。
そんな彼の耳に入ってきたのは都庁軍の噂だった。

「やれやれ、連中に教えてやらねば…」

鬼灯は恐れずに足を進めていく。
もちろんこの間に魔物からの襲撃は受けている。
が、彼は地獄の閻魔大王に仕える鬼であり襲ってきた魔物を追っ払えるくらいの力量は持っていた。
ちなみに殺しはせず撃退に留めているのはあの世の住人が現世の殺生に関わるのはどうなのかと思ったからだ。

「それにしてもここの魔物は妙に引き際がいいですね…。これはかなり統率の取れてる動きですよ。
もしかしたら上の連中に報告しているかもしれませんね」

だがそれは鬼灯にとっては好都合。彼は話し合いが目的なのだから、なるべく話の通じて地位の高い者を引っ張り出したいとこだった。
ツイッターによると都庁軍は魔物だけでなく金髪の人間が何人か味方しているとのこと。
最近では超サイヤ人みたいな奴も現れて都庁への侵入者を相手に暴れて何人も\デデーン/しているという情報まであり、
それを目撃した人物らしき人が『もう駄目だ…おしまいだぁ…』というツイートを残しており、その後もいくつか『皆殺される…』『逃げるんだぁ…』などと言ったヘタレなツイートを残している。

「金髪の魔王と青年ならともかく、その戦闘民族には会いたくありませんね…。
っとようやく着きました。やけに時間がかかりましたね。あれは…竜?なるほど、都庁の番人というわけですか」

鬼灯の視線の先には都庁の入り口そして入り口を守る番人ならぬ番竜、叫帝竜・ウォークライ。

「グオオォォォォォォォォウ!!!」

ウォークライは鬼灯を見つけるとウォークライは大きな雄叫びを上げた。
鬼灯は思わずその端正な顔を歪ませて耳を塞ぐ。
そしてウォークライは鬼灯を喰らおうと大きな口を開けて迫る!
完全に鬼灯を捕捉したウォークライは彼の身を引き裂くべく巨大な口を閉じ…

「グォウ!!?」

閉じられることは無かった。
喰われる瞬間、鬼灯の持っていた鬼の金棒がウォークライの口の中でつっかえ棒になり、口を閉じることが出来なかったのだ。
大口を開けて驚愕するウォークライ、今度は彼を鬼の怪力による蹴りが襲った。
あまりの威力にその巨体を大きく吹き飛ばされるウォークライ。鬼の力は竜をも吹き飛ばすのだ。
その際にウォークライの口から飛び出した金棒をキャッチする。
そして立ち上がろうとするウォークライを見下すように話しかける。

「そこの竜、聞こえてますか?通じてるかは分かりませんが…。
私に敵わないと認めていますぐ話を通じる責任者を連れてきなさい。早く!!」

が、ウォークライは再び立ち上がって臨戦態勢を取る。

413今期のアニメはまだ鬼灯しか見てなかったり…:2014/02/22(土) 04:14:56 ID:3ZZng0yg0

「やれやれ、分かってくれませんか。こうなったらしょうがないですね。鬼の怖さをそこの竜に教えてあげねば」
「待ちなよ」

鬼灯が溜め息をついてウォークライを撃退しようと金棒を構えるが、その時声がかけられた。
都庁の入り口から出てきたのは金髪の青年レスト…それと彼に従う角と尻尾を生やした少女サクヤ。
レストは鬼灯を敵意バリバリで睨み付け、ウォークライに合図を出して下がらせる。

「『鬼のように強い人間にやられた』って傷つけられて逃げてきた魔物から報告があったから来たけど…それは君かい?だとしたら許せないな、僕は」
「これは失礼、私は地獄で閻魔の補佐をやっております、鬼灯と申します。ですが、貴方は勘違いをしておられる。
まず先に襲い掛かってきたのはそちら方の者で、私は自分の身を守るために戦わざるをえなかっただけのこと。
そして次に、貴方は敵意むき出しですが私には貴方方と殺しあうつもりはないということ。
最後に、私は鬼のように強い人間では決してございません―――」

そして鬼灯は目を閉じ、溜めるように息を吸い込むと目をカッと開いて口を開いた。

「私は鬼ですから」

レストは鬼灯の目を見て本当に殺しあうつもりはないと察する。
その目は今まで接してきた人間のどれとも違っており、自己紹介をして鬼灯の話に応じることにした。

「僕はレスト。……分かったよ。貴方が話し合いをご所望だとね。じゃあ僕がここで話を聞こう。
僕はここの責任者とは親しい関係にあるからね。でも話の内容次第では貴方の命は保障できないよ」
「それは有難い…では早速用件を言いましょう。まずは東京都庁解放及び修繕…
そして、貴方達が進めている人類抹殺の計画を今すぐに止めていただきたい――」
「断る」

鬼灯の要望をレストは一刀両断。
鬼灯はやっぱりと言った態度で溜め息をつく。

「やはり、自然の保護が最優先。そして自然を破壊してきた人間は許せないということですか…」
「そういうことさ。これ以上君と話すことは無い、僕らの機嫌が悪くなる前に消えたほうがいいよ」
「分かりますよ、貴方方の気持ち。私とて自然には気を使っている方ですから
ですが貴方達はやりすぎた……このままだと貴方達、地獄に落ちますよ?」

地獄に落ちるというワードにウォークライとサクヤは焦る様な反応するが、レストはただ悠然としているだけだった。

「地獄に落ちるだって…?舐められたものだね。そんな脅し文句が通用すると思うのかい?」

レストの回答に鬼灯は人差し指と中指を立てた状態で前方に突きつける。

「貴方はまたまた勘違いを二つ程しておられますね。
まず一つ目、地獄は本当に存在するということ。
二つ目は地獄を舐めているのは貴方だということ。地獄は貴方が思っている以上に辛く苦しい場所ですよ?
ですが、ご安心ください。罪を悔やみ償えばその分罰も軽くなるのが地獄の良い所です。今からでも…」
「罪?ふざけるな、僕らがこんなことをしたのは、全ては自然とそこに棲まう生物のためだ!
貴方が仮にもあの世にすむ鬼…しかも閻魔大王の側近というなら、僕らの行動が間違っていないことが分かるだろう!?
間違っているのは自らを生んだ自然を壊し、軽視する人間のほうだっ!」
「分かりますよ。ですが…」

414今期のアニメはまだ鬼灯しか見てなかったり…:2014/02/22(土) 04:16:47 ID:3ZZng0yg0

鬼灯はずいっとレストのすぐ眼前に迫る。
そして間髪いれずにレストに顔面陥没パンチを喰らわした。
鬼の拳をまともに喰らってしまったレストは吹っ飛んで尻餅をつける。
鬼灯はレストを見下ろし眼前で今までの紳士的な態度を崩し絶○先生の如く次々と捲くし立て始めた。


「それで人を殺し、都庁を私物化することを正当化する理由にはなりませんっ!!
都庁の元住人を皆殺した上で乗っ取る…手段としては最悪じゃないですか!
他に手段なんていくらでも考えて見つけられたはずでしょう!
何故こんな物騒な手段を選んだのですか!?
そう、貴方方は手段を選ばなさ過ぎる!!!
そして何より、何故今自然保護活動をやるんですかっ!
よりによって殺し合いの真っ最中にするんですか!?
『じゃあいつやるの、今でしょ!』ってもう既に廃れてるネタでしょうに!!
こんな緊急時に自然に熱心になってる場合じゃないって分かるはずでしょう!!
何ですか?貴方は頭良さそうな顔して馬鹿なんじゃないですか!?
手段の選ばなさは殺し合いを止めることに使いなさい!!
それが貴方方の今積める善行ですよ!!
自然保護活動はその後に存分おやりになればよろしいでしょうがっ!!」


「ちょっと、レスト様に何を――」
「貴女は黙っていなさい!私はこの人と話をしているんです!!」
「あひぃっ…」

主人を殴った上に上から目線で説教を働く鬼灯をサクヤは止めようとする。
が、鬼灯の半端無い気迫につい悲鳴を上げて恐縮してしまう。ウォークライも割り込めずにいる。
鬼灯は再びレストに説教しようとするが、レストは既に立ち上がり剣を構えていた。

「もう貴方の話はたくさんだ。貴方が僕等の理想を理解しないのならッ!
今ここで殺すしかない!ここの自然と魔物達のためにも――」
「やれやれ、暴力で訴えるということですか。
いいでしょう、どうやら貴方は558459(ここはじごく)回くらい引っ叩かないと分かりそうにないですからね。
歯食いしばりなさい、貴方のような人間は修正してやります――」

レストは天ノ村雲ノ剣、鬼灯は金棒を取り出し構える。
自分のそれぞれの得物を持ち互いはぶつかりあった――

その時、鬼灯の背後から何かが飛来。それが鬼灯に当たったかと思うと鬼灯の姿は一瞬にして消え去った。
鬼灯を消したものの正体はアイテムのバシルーラの杖@トルネコシリーズ。
本来はモンスターを別の場所に飛ばすアイテムで、カオスロワでは日本のどこかに飛ばす効果になっている。
それはサクヤがダンジョン化した都庁内部で拾ったもの。
鬼灯がレストの相手をしているのを見計らって使用したのだ。ここでは使い捨て式なので杖はもう消えている。

「勝手に杖を使ってすみませんレスト様。
さっきのお方はいろいろな意味で手に負えなさそうなくらい理不尽だったので…」
「いや、助かったよ。あの男の言葉に冷静さを失うとこだった、ありがとう」
「グォウ…」
「君も心配してくれているのかい、でもこのぐらい大丈夫さ。
ウォークライもあの男に一発蹴られただけで大してダメージが無いみたいでよかったよ」

レストはウォークライの無事を確認し笑顔を浮かべる。
そこにはもう自然を壊す人間を憎む面影はどこにもない。
彼らは願った。願わくばあの鬼が二度と現れませんように――

415ズカンされた名無し:2014/02/22(土) 04:18:18 ID:3ZZng0yg0
【一日目・22時50分/都庁樹の迷宮入り口】

【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】顔に打撲の跡(軽症)、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減、サクヤの飼い主
【装備】天ノ村雲ノ剣
【道具】支給品一式、不明品、謎の壁材、水晶の壁材等の素材
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:なんだったんださっきの鬼は…
1:都庁樹の施設と素材を使い、戦闘準備を整える
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビを警戒
4:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
※フレクザィードの飼い主でしたが、バサラによりその権限を奪われていることに気がついていません
※連れて歩けるモンスターは二匹までです

【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】健康、調教済み
【装備】不明
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
0:さっきの鬼が怖い…
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:実は青龍と違ってドラゴンではないことはこの際黙っておく

【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】ダメージ(小)、空腹
【装備】無し
【道具】支給品一式
【思考】
基本:都庁の防衛
1:都庁に近づく相手を蹴散らす
2:美味そうだったら喰う


「やられました。まさか侵入者を転送させる手段を持ち合わせているとは…。はて、ここはどこなのか」

鬼灯は先ほどいた場所とは違う所にワープさせられていた。
周りの風景を見るにちゃんとした陸地であることは間違いない。
そして首輪も爆発しないことから禁止エリアではないのも確かだろう。
もちろんいしのなかだというオチもなさそうだ。

「残念です、都庁の彼らを何とか反ロワ派にできれば殺し合いの終わりに近づけたものを。
それに狂信者を何とかするには彼らの力が必要でしたでしょうに…」

そして鬼灯が目をつけていたのは都庁の軍勢だけではなくDMC狂信者と呼ばれる連中もであった。
だが彼らはどう見ても問答無用で殺そうとしてくる奴らばかりで話が通じそうに無かった。
規模も凄いことになっていたので、恐らく戦力としては互角だろう都庁の軍勢に何とかしてもらいたかったのである。
せめて狂信者を何とかしろぐらいは言うべきだったかと鬼灯は後悔していた。

「このままではせっかくの休暇が全てバトロワで潰れてしまう…。何か手を打たねばなりませんね」

これ以上失敗を悔やんでもしょうがない。
立ち上がった鬼灯はとりあえず場所を把握すべく辺りを探索することにした。

【一日目・22時50分/日本の陸地のどこか(禁止エリアではない)】

【鬼灯@鬼灯の冷徹】
【状態】健康、若干不機嫌
【装備】自分専用の金棒@鬼灯の冷徹
【道具】支給品一式、不明品
【思考】
基本:休暇がつぶれる前になるべく早く殺し合いを終わらせる
0:現在地の把握
1:間違っていると思った奴には説教
2:できるだけ殺生はしない

416話を壮大にし過ぎたかも:2014/02/22(土) 23:05:02 ID:NssvPB0c0
 東京都のとある民家にパソコンでとある女性がカオスロワちゃんねるを見ていた。
彼女の名はノーヴル・ディラン、世界でも有数の技術力を持つ科学者である。
しかし、彼女には重大な秘密があった。

(これで何回目だったかしら、未来から記憶を転写してきたのは……)

 ノーヴルは、幾度となく未来から過去の自分に記憶を転写させていたのだ。
かつて彼女は、日本中から終結した対主催勢力の一員として主催と戦い、主催を倒してカオスロワを終わらせていた。
しかし、その後に二度目の大災害が襲来し、主催と戦った多くの戦士達が命を引き換えにしたにも拘らず、世界の殆どは滅亡した。
辛うじて生き残った彼女は、滅びを待つしかない未来を変える為、自身の研究成果とカオスロワの最中に集まった技術の数々を使って過去の自分に自身の記憶を転写したのだ。
そして、彼女は幾度とない失敗と記憶転写を繰り返し、ついに世界滅亡を回避する為に必要な要素を全て見つけ出したのだ。

(そろそろ、器は完成したころかしらね……そして、他の可能性達も目覚めつつある……現時点で出来る事は全てやれたわね)

 今回、ノーヴルが最初に行ったのは、ループの中で技術を集めて理論を完成させたタイムマシン(使用後に破壊した為現存してない)で世界滅亡の回避に必要な要素を伝える為にあるものを過去に転送した。
その転送したものこそが、ハラサンが現役時代に見つけた遺跡だったのだ。
そして彼女は、光祐一郎に九州ロボを作らせ、主催に匿名でその情報をリークして九州ロボを奪わせ、主催が九州ロボを“器たりえる巨像”に改造するように仕向けたのだ。
また、九州ロボを欠陥だらけにする事で主催の行動を鈍らせ、他の要素が育つ前に潰される可能性を減らしてもいた。

(まあ、とにかく今回が最後のチャンス……この世界に次はないわ)

 ノーヴルの記憶転写には、記憶と同時に世界の因果が転送されて転送後の世界の因果が増加するという重大な副作用があった。
因果の増加は、世界滅亡を回避する為に必要な要素が生まれる可能性を増やす働きがあったが、一方で世界が滅亡する可能性も増やしていたのだ。
そして、因果自体が増えすぎたが為に、空間の歪みが日本中で発生し、滋賀県から車で移動していた参加者がそれに気付かず突入した結果、車に乗ってから3時間で東京に移動するといった事が起きていた。
それを知ったノーヴルは、次に記憶転写をしたら因果の量に世界が耐え切れず、世界そのものが崩壊すると気付き、記憶転写技術を抹消してこの世界に全てを賭けたのだ。
ちなみに、空間の歪みは参加者の間で主催の設置したワープゾーンだと認識されており、便利な移動手段として利用されている。

(全ては世界の為……しかし、後はこの世界の者達に託してもいいのかもしれないわね……)

 そんな感じに回想していたノーヴルの元に、侵入者が現れた。

「考え事をしているようですが、クラウザーさんの為に殺ってやるDEATH!」

 そんな事を言いながら侵入してきたのは10名ものモブ狂信者を連れた梓だ。
梓は、これまでもそうしたようにギターによる48の殺人技でノーヴルをSATSUGAIしようとする。
それに対し、ノーヴルはデイパックから支給品の暁美ほむら特製パイプ型爆弾を取り出した。

「こんな事もあろうかと私が持っている爆弾と同じものが4つ、この家に設置してあるわ。だから悪いけど貴女は世界の為に、私と一緒に死んでもらうわ」

 そう言い、ノーヴルは5つの爆弾を起爆し、彼女達がいた民家が爆炎で吹き飛んだ。


【一日目・23時00分/東京都・とある民家だった所】

【ノーヴル・ディラン@スーパーロボット大戦UX 死亡確認】
【中野梓@けいおん! 死亡確認】
死因:爆死

417:2014/02/24(月) 00:44:19 ID:/GQTadFQ0
「おお……歌、何と素晴らしい!!」

老人がある曲を聴き感動していた。
それは今現在カオスロワを揺るがせている要因の一つ、クラウザーさんの曲である。
クラウザーさんの死により大暴れしているDMC狂信者達のように、また一人クラウザーさんの魅力に取り付かれてしまったのだ。

「元はバラバラの思考の人々が今やたった一つの夢の為に動く!
 これこそ、私の描いていた夢!!」

老人は心底感激していた。
クラウザーさんにより統一された大多数の意思。
一つの夢を叶える為に夢に進み立ち上がる大群衆。
これが、これこそが老人が長年思い、描き続けた夢なのだ!
完全では無いにしろ、この歌を全世界に広げれば……世界はクラウザーさんに釘付けになり、平和となる!
ああ、是非とも会ってみたい! この素晴らしい曲を生み出し、人々の心を捉えて離さないクラウザーさんとやらに!!

「何やら、東京ドームというものに集まってるみたいですね。行ってみましょうか」

DMC狂信者達が東京ドームに集まるらしき事を察知した老人に近づいてくる二つの影がある。

「あんたも東京ドームに行くのか!!」
「かっとビングだ! クラウザーさん!!」

クラウザーさんの虜になった蒼月潮と九十九遊馬である。

「ええ、私もクラウザーさんに会いたいんですよ」
「よし、じゃあ一緒にSATSUGAIしながら行こう!」
「SATSUGAIだ!俺!!!」
「ああ、幸先が良いですねぇ。早速私と同じ志を持つ同志に会えるなんて」

老人は喜んだ。
その喜びを表すために両手を広げ、二人の少年へと向かっていった。
軽いハグだ。海外ではよくあるちょっとしたスキンシップである。

「ぐっ、……ごほっ……」
「が、ああ……げほっ……」



「――あれ?」

数分後。そこには二つに人だった肉塊が転がっていた。
辺りは血に塗れ、二人の少年だった物の表情は苦痛に染まっている。

「ああ……またやっちゃった……ごめんなさいごめんなさい……」

老人は別に二人に殺意があった訳ではない。
本当にちょっとハグしようとしただけなのだ。
ただ、不運なことに嬉しさの余りちょっと力が入っちゃって二人を惨殺してしまっただけなのだ。

「……潮君、遊馬君。ごめんなさい。
 でも君達は私の中で生き続ける」

例え誰かが死のうとも自分の心の中で相手は生き続けている。つまり、死んでいないのだ。
だから、無問題である。老人は一通り謝り、そう言いその場を後にした。

血に塗れた右手のカギ爪。
かつてそれを見た男は老人をこう呼んだ。
カギ爪の男と。


【蒼月潮@うしおととら】死亡
【九十九遊馬@遊戯王ゼアル】死亡



【一日目・23時30分/神奈川】

【カギ爪の男@ガン×ソード】
【状態】クラウザーさんとDMC狂信者に感動
【装備】カギ爪の義手
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:世界を平和にする。
1:クラウザーさんに会うためにSATSUGAIしながら東京ドームに向かう。
2:クラウザーさんや道中出会った参加者、DMC狂信者達ともお友達になりたい。

418夢 修正版:2014/02/24(月) 00:49:12 ID:/GQTadFQ0
「おお……歌、何と素晴らしい!!」

老人がある曲を聴き感動していた。
それは今現在カオスロワを揺るがせている要因の一つ、クラウザーさんの曲である。
クラウザーさんの死により大暴れしているDMC狂信者達のように、また一人クラウザーさんの魅力に取り付かれてしまったのだ。

「元はバラバラの思考の人々が今やたった一つの夢の為に動く!
 これこそ、私の描いていた夢!!」

老人は心底感激していた。
クラウザーさんにより統一された大多数の意思。
一つの夢を叶える為に夢に進み立ち上がる大群衆。
これが、これこそが老人が長年思い、描き続けた夢なのだ!
完全では無いにしろ、この歌を全世界に広げれば……世界はクラウザーさんに釘付けになり、平和となる!
ああ、是非とも会ってみたい! この素晴らしい曲を生み出し、人々の心を捉えて離さないクラウザーさんとやらに!!

「何やら、ビッグサイトというものに集まってるみたいですね。行ってみましょうか」

DMC狂信者達が東京ドームに集まるらしき事を察知した老人に近づいてくる二つの影がある。

「あんたもビッグサイトに行くのか!!」
「かっとビングだ! クラウザーさん!!」

クラウザーさんの虜になった蒼月潮と九十九遊馬である。

「ええ、私もクラウザーさんに会いたいんですよ」
「よし、じゃあ一緒にSATSUGAIしながら行こう!」
「SATSUGAIだ!俺!!!」
「ああ、幸先が良いですねぇ。早速私と同じ志を持つ同志に会えるなんて」

老人は喜んだ。
その喜びを表すために両手を広げ、二人の少年へと向かっていった。
軽いハグだ。海外ではよくあるちょっとしたスキンシップである。

「ぐっ、……ごほっ……」
「が、ああ……げほっ……」



「――あれ?」

数分後。そこには二つに人だった肉塊が転がっていた。
辺りは血に塗れ、二人の少年だった物の表情は苦痛に染まっている。

「ああ……またやっちゃった……ごめんなさいごめんなさい……」

老人は別に二人に殺意があった訳ではない。
本当にちょっとハグしようとしただけなのだ。
ただ、不運なことに嬉しさの余りちょっと力が入っちゃって二人を惨殺してしまっただけなのだ。

「……潮君、遊馬君。ごめんなさい。
 でも君達は私の中で生き続ける」

例え誰かが死のうとも自分の心の中で相手は生き続けている。つまり、死んでいないのだ。
だから、無問題である。老人は一通り謝り、そう言いその場を後にした。

血に塗れた右手のカギ爪。
かつてそれを見た男は老人をこう呼んだ。
カギ爪の男と。


【蒼月潮@うしおととら】死亡
【九十九遊馬@遊戯王ゼアル】死亡



【一日目・23時30分/神奈川】

【カギ爪の男@ガン×ソード】
【状態】DMC狂信者に感動
【装備】カギ爪の義手
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:世界を平和にする。
1:クラウザーさんに会うためにSATSUGAIしながらビッグサイトに向かう。
2:クラウザーさんや道中出会った参加者、DMC狂信者達ともお友達になりたい。

419ズカンされた名無し:2014/02/24(月) 00:49:58 ID:/GQTadFQ0
すいません
東京ドームじゃなくビッグサイトでした

420とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:40:28 ID:3DAKD7Lw0
 世界樹と化した東京都庁。
 そこの入り口では、二つの人影があった。

「はいサクヤ、温かい飲み物だよ」
「あ、ありがとうございます」

 現在都庁の軍勢の中でナンバー2にあたるレストと、彼に付き従うサクヤだ。
 先の鬼の襲撃により、都庁の警戒態勢はさらに強まっていた。
 叫帝竜が手こずる相手ともなると、他にぶつけられる門番は必然限られる。
 現在のリーダーであるダオスは指揮官として都庁全体を把握しなければならない。
 元リーダーである雷鳴と共に現る者も、都庁周辺の磁場を捻じ曲げる仕事がある。
 そもそも都庁内での移動をスムーズにするための樹海磁軸は彼がいないと作れない。
 よって力を持ち、かつ比較的自由に動けるレストが再び門番の役を買って出たのだ。

「ネットで、何か情報は手に入ったかい?」
「一応は。東京全域が超危険地帯であり、魔物とDMC狂信者の闊歩が原因とされているそうです」
「妙だね……ここの魔物は、基本的に都庁周辺しか活動させていない。
 それでいて原因の一つにされているってことは……そのDMC狂信者にも魔物がいるってことかな?」
「可能性はあります。しかしDMC狂信者の活動は本当に……酷すぎます……」
「魔物ならできれば殺したくはないんだけど……ここに手を出すつもりなら、容赦はしないよ」

 会話を続けつつも、レストはその手を動かし続けていた。
 都庁から剥ぎ取った素材を錬金し、さらなる装備の充実――戦いの準備をしていた。

「その……どうしてレスト様は、ここをそれ程までに守ろうとするのですか?」
「うん?」

 そんな様子を見たサクヤは、思わず疑問を口にしていた。
 自然を守るため、おそらくその言葉に偽りはないのだろう。
 しかし彼の場合は、自然だけでなく魔物も守ろうとしている節がある。

「……あの日、世界は大災害に飲み込まれた。残された陸地はここだけだ。
 僕の住んでいた国とは違って、この国はあまりにも自然が少ない。ここの世界樹は、最後の希望だ。
 魔物にとっての、最後の住処になるかもしれない。人間なんかに、邪魔はさせない……」
「どうして、そんなに……」
「人間を嫌うのか、かい?」
「……っ」

 先を読まれ、サクヤは息を呑む。
 この新しい主に抱く、一つの疑念。彼はあまりにも、人間に憎悪の感情を持ちすぎている。
 前の主は目の前で切り裂かれて死んだが、その時のレストの表情には一切の感情がなかった。
 自然を壊してきたから、都庁の魔物を狙ったから……それだけが理由とは思えなかった。

「……君にはまだ話してなかったね。
 昔、一人の軍事帝国の皇帝が自然を壊すは僕の愛した女性を傷つけるは魔物を実験道具にするはで、とにかく酷かった。
 多分、初めて人間に殺意が沸いた時だと思うよ。力と支配に執着した皇帝は最終的に自壊したけど……
 驚いたことに、死後の世界であいつに会ったら、まだ力に執着していた。死してなお、神になろうともがいていた」
「……!」

 人間の際限のない欲望。
 大きすぎる力を得てしまった人間の末路。
 それはこのバトルロワイアルの傀儡主催者に通ずるものがあった。

421とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:42:27 ID:3DAKD7Lw0
「人間はそう簡単に改心できない生き物なんだって痛感したよ。
 僕は自分を、装備を徹底的に鍛え、何度も何度もあいつを倒した。結局、今に至るまで完全に滅びもしないし改心もしていないんだけど」
「……」
「まあ、幸いなことにあいつが現世に現れて暴れることはできないみたいだったけど。馴染みの街にもようやく平和が戻った。
 ようやく一段落ついて、僕は街を出て異国へ旅に出た。……まさかその行く先々で、さらに人間の醜さを知ることになるとは思わなかったけどね」
「え……?」
「色々な村や町に寄った。困りごとを抱えている人も多くて助けてまわった。飛んできたのは感謝の言葉じゃなくて石とか武器だった」
「ど、どうしてですか!?」

 ふー、と一度大きく息を吐くと、レストはいつの間にか作り上げた装飾品をサクヤに渡して見せた。
 それは銀色に輝くペンダントだった。

「こ、これは?」
「草原のペンダント。僕が身に着けておけば、一緒にいるサクヤや他の魔物達の力が増して、受けるダメージも半減する便利な物さ。
 驚いたでしょう? 僕らが使う錬金術は、一瞬で物を完成させちゃうからね」
「は、はい。先程までは、何を作ろうか思案なさっている様子でしたので……」
「これを街の人の前でやったらさ、悪魔の技だとかなんとか……
 村を襲う巨大な怪物を正拳突き一発で仕留めたら、僕が化物呼ばわりされて……
 その後も似たようなことの連続。農作業の手伝いをしただけで怖がられたのは特に驚いたっけなぁ……
 最終的にはなんと賞金首さ。国が違うからだろうけど、随分物騒な国王だよ。人の皮を被った化物討伐――
「もうやめてください!」

 なおも語られる言葉を遮るように、サクヤはたまらずレストに抱きついた。
 本来であれば人も自然も愛していたであろう青年を歪ませたのは、身勝手な人間そのもの。
 愛する者を、育った街を守るために手に入れた力だというのに、何故迫害されなければならないのか。

「あはは、サクヤ意外と大胆だね?」
「茶化さないでください……」
「……別に平気さ。今の僕は強いからね、一般人からの攻撃なんて痛くもかゆくもなかった。
 僕一人が我慢すればいいだけさ。ただ……僕と一緒にいた、巨大だったからというだけで魔物まで迫害されたのは許せなかった。
 あの時一緒にいたフレクザィードも怒っちゃってさ、危うく一国を焼き尽くすところだったよ」

 なんでもないといった様子で、変わらずにレストは言葉を続ける。
 苦悶の表情を浮かべるでも涙を流すでもなく、ただ淡々と。

「サクヤ、君は僕が怖くはないのかい? 君の前の主をばっさり斬った僕が。
 君はかなり高位の存在だろうけど、本気で戦えば僕が勝つ。人間には過ぎた力を持つ僕が、怖くはないのかい?」
「……怖くなかったと言えば、嘘になります。
 でもあの時、レスト様が私を撫でてくれた時……とても深い慈しみの心を感じました。この方は本当に優しい方だと……そう思いました。
 それにその……とても、気持ちいいので……」
「それは嬉しいな。僕のなでなでは皆からも好評でね、よくせがまれたよ……」
「んぅ……」

 レストはゆっくりとサクヤの頭を撫でる。
 その表情は実に穏やかなものであり、かつての侵入者である翼やぼのぼのに向けたものとは大きく異なっていた。
 一切の悪意を持たない温かい掌はとても安心できるものであり、サクヤも目を細めてそれを受け入れる。

「なんだか昔を思い出すなぁ……自然に囲まれて、皆と一緒にゆっくり生活する……あの頃は楽しかった……
 ――なんで、くだらない娯楽施設建設のために皆が住んでいた山を丸々潰すのかな?
 ――なんで、最終的に自分に返ってくるのに工業排水や化学物質をわざわざ海に流すのかな?
 ――なんで、大量破壊兵器を作ってまで戦争を考えるのかな? 僕は一応人間のはずなのに、人間の考えがわからない」
「……っ」

422とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:43:18 ID:3DAKD7Lw0
「この殺し合いだってそうだ。まあおかげで僕も人間を殺しやすいんだけどね。
 多分クランさん達がそれと同時にここを狙ったのは、彼らも人間の愚かさを知っているから。
 魔物というだけで人間は寄ってたかって攻撃するけど、人間も敵となれば注意はそっちに向くから。
 ここももうすぐ完全な世界樹になる。そうすれば……」
「レスト様……」

 最後まで口にすることはなかったが、その続きは容易に想像がつく。
 自然を壊してきた、魔物を迫害してきた人間の抹殺。
 自身も人間から迫害され続けてきたことにより、おそらく人を信じるということも忘れてしまったのだろう。
 口ぶりからして、かつて共にいた魔物のほとんども人間に住処を奪われたか、大災害で命を落としたのかもしれない。
 そしておそらく、最初に住んでいたという国も。
 ここは彼にとって、最後の心の拠り所でもあるのかもしれない。

「んっ?」

 不意に、周囲の気温が急激に下がった。
 何者かが、都庁へ超速で向かってきている。
 雷竜の磁場操作もなんなく突破している様子から、相当な実力者だろう。
 レストとサクヤは急いで武器を構えるが……

『さあ、ついたぞまどかよ。む……お前達は?』
「は、速すぎるよ……」

 空から舞い降りたのは三つ首の竜と、それに掴まれていた少女であった。

「あなたは……もしかしてクランさんの言っていた氷竜?」
『ほう、あいつが人間に名を告げるだけでなく私達のことまで教えるとは。
 我ら竜は人の忌むべき怨敵、人間に恐怖という名の試練を与え続ける理不尽の権化であるとは我らが主の言葉だが……
 なるほどお前が人の身でありながら、我らを助けようとする人間か』
「レストです。どうぞよろしく。しかし随分急いだ様子でしたね、それにその女の子も……」
『うむ、私は大阪を拠点としていたが、グンマーの民の訃報を聞いてな。雷竜達が心配になり、急いで飛んできた。
 大阪も中々の危険地帯だったぞ。人間が放った大量破壊兵器のエネルギーが飛んできたかと思えば……
 それを二人の汚い忍者が斬って捨てて見せたからな。思わず私も全身縛られて虐殺されるかと思った程だ。
 この娘は大阪で出会った、グンマーの血を引く者だ。今となってはかなり希少だろう』
「そうでしたか……ではとりあえず、まずクランさんにも報告を。ここはもうしばらく僕が守っておくので」
『すまないな』

 氷嵐の支配者はまどかを連れたまま都庁に入ろうとする。
 しかし、支配者の手から解放されたまどかはすぐさま都庁には入ろうとせず、入り口にもたれるレストの方を向いた。

「あ、あなたは……」
「ん、僕かい?」
「あなたは人間なのに……ここの魔物の味方をしているの?」

 震える声で、まどかは尋ねた。
 彼女は二度殺されかけた。一度目は怪物に、二度目も怪物に。二回とも同じ人物に庇われ事なきを得たが、彼はそれが原因で命を落とした。
 同行していた氷竜は友人達を殺してこそいないが、かなりの傷を負わせた。放送では新たに佐倉杏子の名前も呼ばれ、辛い体験はしている。
 しかしそれでも、まだ人間が人間を殺すといった場面には出くわしたことがなかった。

423とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:44:53 ID:3DAKD7Lw0
「勿論。意外とここに攻め込んでくる人間は多くてね。もう何人か斬ったよ」
「そ、そんな……!」

 しかし目の前の優しそうな青年は、さも当然といわんばかりに殺人を告白した。
 突き立てられた巨大な剣は美しい輝きを放っていて、とても殺人に使われた道具には見えない。
 しかし実際のところは、これからも誰かを斬るため、念入りに手入れされているからだ。

「どうしてそんな酷いことをするの……!?」
「酷いことって……自然への感謝を忘れた挙句、魔物の住処を奪った人間の方が酷いとは思わないのかい?
 魔物というだけで、見かければ人間は攻撃する。ああ、普通の動物でも同じことだったね。
 いいかい? 動物が人間の町に現れるのだって、ほとんどが住み場所が減ってしまったりしたせいなんだよ?」
「だからって……! 説得するとか、見逃すとか、もっと人間と魔物が共存できるような――
「それが一番甘いんだよ! 説得なんてその場だけのフリだ。見逃せば後になって逆恨みで余計な被害が出る!
 人間と魔物の共存なんて……人間が一方的に壊すだけじゃないか……!」

 吐き出された怒声に、思わずまどかはすくみあがってしまう。
 しかしそれでも、次の言葉を口にしようとするが……

『レストよ、お前の言葉はもっともだがその辺にしてやってくれ。まどかはまだ幼いのだ』
「言う程幼いようには感じませんけど。それより氷竜さん、その全身の細かい傷……
 まさかとは思いますけど、ここに来るまでその子に人間を殺さないでとでも言われたんじゃないんですか?」
『……行くぞ、まどか』
「あっ……」

 氷竜は再びまどかを掴むと、都庁の中へと消えていった。

「……」

 その様子を、レストはただ黙って見つめていた。

「レスト様……」
「似てるな、あの子。昔の僕に……」
「え?」
「多分無理矢理ここに連れてこられたんだろうけど、それでもあの子は人間と魔物の共存を口にした。
 綺麗ごとを並べても、無駄なのに。底抜けに甘い子なのに、目はしっかりと僕を見ていた。
 まったく、氷竜さんもあの子を気に入ってるみたいだし、意外と大物かも。
 ……その願いを叶えたければ、頑張ってみるといいよ。僕は僕のやり方でやらせて貰うけどね」

 剣を突き立て、臨戦態勢を維持しつつレストは再び素材を弄り装備を作り始める。
 次に侵入を試みる人間を、かつて侵入を試みた食人鬼と地獄の鬼を確実に殺す為に。
 その様子を、傍らのサクヤは寂しげな表情で見つめていた。

(レスト様……私、黙っていましたけど貴方の独り言を聞いてしまったんです。
『竜と結婚できる世界を作りたい』……自分だけでしたら、勝手にしてしまえばいいですよね?
 それでもそういった世界を、法を求めているということは、貴方だって完全には人間のことを……
 願わくば、どうかこの方が元の――)

424とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:45:38 ID:3DAKD7Lw0
【一日目・23時10分/都庁樹の迷宮入り口】
【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】健康、全属性攻撃吸収、無属性攻撃半減、サクヤの飼い主
【装備】天ノ村雲ノ剣、草原のペンダント
【道具】支給品一式、不明品、謎の壁材、水晶の壁材等の素材
【思考】
基本:都庁の軍勢を守りつつ星の自然環境改善
0:しばらく都庁の入り口を守る
1:都庁樹の施設と素材を使い、戦闘準備を整える
2:機械っぽい外見の奴は問答無用で潰す
3:四条化コンビ、鬼灯を警戒
4:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
※フレクザィードの飼い主でしたが、バサラによりその権限を奪われていることに気がついていません

【極光の麒麟・サクヤ@パズドラ】
【状態】健康、調教済み
【装備】不明
【道具】支給品一式、スマホ、都知事のパソコン
【思考】
基本:レストに服従
0:レストと共に都庁の入り口を守る
1:ネットに疎い主に代わり情報収集
2:実は青龍と違ってドラゴンではないことはこの際黙っておく








 都庁内部では、氷嵐の支配者の帰還に魔物達が歓声が響いていた。

『お帰りなさいませ支配者様!』
『ご無事でなにより! ところでその人間の娘は?』
『グンマーの血を引く者だ。皆、粗相のないようにな』

 さらに連れられていたまどかの正体がわかると、より一層歓声は大きくなった。
 グンマーの血はまだ完全には途絶えていなかったのだと、喜びを身体で表現する者までいる。

『さすがは伝説の三竜の一角! ただのロリコンじゃなかったんですね!』
『凍らすぞ』
「す、すごい……」

 氷竜とはテレパシーによる会話が可能だが、流石に普通の魔物の言葉まではわからない。
 それでも魔物達が大いに喜んでいるのだということは、まどかにも理解できた。
 雷竜への報告があると早めにその場を去っても、後ろからの歓声が止むことはなかった。

425とある魔法少女候補の祈り:2014/02/24(月) 21:46:43 ID:3DAKD7Lw0
『……だから言っただろう? 私と共にいれば、襲われる心配はないと』
「は、はい。みんな、すごくあなたの帰りを喜んでた……」
『もっとも……入り口にいたあの男、レストがもし敵であったなら……お前を守ることはできなかっただろうがな』
「え?」
『奴が剣を構えた時……この私が、寒気を感じた。おそらく、我ら三竜が束になっても勝てぬ相手だ。
 人間の中でも勇気を持ち、我らを屠れる者をドラゴンスレイヤーや勇者などと呼び、人間は称えるそうだが……
 あれはそれさえ凌駕している。味方としてはこれ以上ない存在と言えるだろう』
「そう、ですか……」

 氷竜の言葉を聞き、まどかは俯いた。
 氷竜と同格の竜が、三体がかりでも敵わない。それはつまり、一体だけであればほぼ確実に仕留められたということだ。
 先程の魔物達の様子から判断すれば、竜は最高位に位置するのだろう。それが勝てない相手に、他の魔物が敵う筈がない。
 つまりあの青年は、その気になれば都庁がこんなことになる前に都庁を、周りの人間を救えたということに他ならない。
 都庁を救えば人間にとっての英雄になれたであろうに、逆に魔物の手助けをするなど……普通では考えられない。

(あの人も、魔物の声が聞こえるんだ。だから……)

 だが都庁を救うということは、そこを陣取っている魔物を……つまりはつい先程会った者を殺すということだ。
 何も知らなければ、魔物を退治する人間は勇者だったのかもしれない。だが今は違う。
 魔物にも人間と同じような感情があるということを、まどかは知ってしまったのだから。

(それを知らなかった、私達人間がいけないの……?
 ううん、人間だって、誰かの帰りを待ち望む人は沢山いる。人間だって生きたい、殺していい理由にはならない。
 そうだよ……人間も魔物も、みんな生きたいに決まってる。お互いがどうにかして、殺し合わない方法はないの……?
 魔物に言葉を教えて、お互い意思疎通をはかるとか……駄目だ、氷竜さんの話だと、外見から判断されちゃう。
 かわいく着飾って……無理だよ! 歌で……いやいや、クラウザーさんの曲はテンション上がるけど、平和とは無縁だよ……
 やっぱり……魔法のような奇跡がないと、実現できないのかな……?
 私が本当に凄い魔法の力を持つなら、グンマーの血を引いてるなら……どうにかならないの?
 キュゥべえ……いや、キュゥべえじゃなくてもいい。誰でもいい、私のこの祈りを……!)

『どうしたまどか。もうじき雷竜の部屋だぞ』
「ご、ごめんなさい」

 氷竜の言葉により、まどかは現実に戻される。
 見れば、周囲はぐにゃりと歪んだ結界のような空間がある。
 都庁の周辺と似た感じであり、奥にそれを引き起こしているであろう竜がいるのがよくわかる。

『一応、気をつけてくれ。前にも話したが、あいつは人妻、それも熟女好みの頭がちょっと残念な奴だ』
「と、友達なんですよね……?」

(なんとか、お話ができれば……)

 性癖はともかく、思考はやはり人間抹殺なのは間違いないだろう。
 いくら自分がグンマーの血を引いているおかげと氷竜の性癖のおかげで生き延びているとはいえ……
 ここの魔物をこのまま放置すれば、いずれは自分の友人達や多くの人間が犠牲になる。
 都合よく契約を迫るキュゥべえは現れまい。
 ならばせめて、自分が根気強く話して少しでも計画の実行を遅らせるようにするしかない。
 きっと自分は、生きて都庁内部に入れた数少ない人間なのだから。

(やらなきゃ……!)

 まどかは心の中で、決意を固めていた。




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