したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第109話☆

1名無しさん@魔法少女:2010/12/17(金) 17:44:34 ID:GEFSRAEM
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所です。


『ローカル ルール』
1.他所のサイトの話題は控えましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第108話☆
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1285578141/

34ザ・シガー:2010/12/24(金) 01:50:17 ID:X2St0sDQ
ういーす、投下終了。

月曜日というタイトルから分かるように、日曜までの全七話を予定しております。
毎回相手や趣向を変えるという変則的なエロSS。
あっしからのささやかなクリスマスプレゼントでありんす。

では皆様よいクリスマスを。

35名無しさん@魔法少女:2010/12/24(金) 02:30:53 ID:WxP9X3wg
わぁい! シガーサンタさんありがとう!
良い子にしてたらリンディ×クロノもくれるのかなあ……わくわく

36名無しさん@魔法少女:2010/12/24(金) 03:13:45 ID:FZht9mbA
シガーサンタさんありがとう、レポートの友になっている最中です。
後日鳶(リンディ)に油揚げ(エリオの童貞)を攫われたフェイキャロルー親(義)娘も見てみたいなぁ〜

37名無しさん@魔法少女:2010/12/24(金) 09:38:12 ID:CAqnh8iY
GJ 久々の熟女エロは良いですなヽ(・∀・)ノ
次回はそれを見ていたキャロルーからの召喚触手攻めとヤンデレたフェイトそんの言葉攻めですね!

38名無しさん@魔法少女:2010/12/24(金) 17:16:48 ID:P5NkW4bA
乙です。


さて、今日はラブラブしたものを読みたいなぁ…読みたいなぁ  チラチラ

39名無しさん@魔法少女:2010/12/24(金) 17:28:15 ID:6KLwY/WE
ラブラブか……。
そういやエロパロ本スレではヴィータ×老人の話題が。
ヴィータが爺さん達の枯れたはずの情欲を甦らせてあげるのも純愛だよね!

40名無しさん@魔法少女:2010/12/24(金) 18:15:43 ID:GSDjphsg
ラヴラヴか。これまでのスレの空気からエスパーすると
・星x雷
・ヴァイxシグ
・覇王x聖王
・キャロxルー/エリオxキャロ/エリオxルー
・リンディxエリオ
くらいか。
問題は星と雷、覇王と聖王のどっちが攻めかだな

41名無しさん@魔法少女:2010/12/24(金) 19:07:46 ID:1HEtok6Q
覇王翔龍撃

42名無しさん@魔法少女:2010/12/24(金) 19:22:46 ID:znxZuKHg
>>41
懐かしい技名を見た 大好きでしたとも!!

43名無しさん@魔法少女:2010/12/24(金) 23:22:33 ID:xyyBEH4M
>>38
仕事がなければくろくんとなのちゃんの純愛ラブが書けたんだが………
クロなのを書こうとするたび仕事が忙しくなる自分は呪われているようだw

44ザ・シガー:2010/12/25(土) 00:08:39 ID:lck/6ViY
ああ、まだ誰も投下してねえ……

なんか自分の投下ばっかり連続して申し訳ないのですが、次イカせてもらいます。
クリスマスイブだぜ、という事で季節ネタ、連載もの。
非エロ、ディエチ、オリキャラ、タイトル『砲手と観測手の徒然なる日々』

45砲手と観測手の徒然なる日々:2010/12/25(土) 00:10:08 ID:lck/6ViY
砲手と観測手の徒然なる日々4


 他世界間における類似性。
 という言葉をご存知だろうか。
 例として、地球こと九十七管理外世界と管理世界の人類の類似が挙げられる。
 まったく関係ない世界で発生した生物であるのに、両世界の人類はほとんど同じ遺伝子の塩基配列をしているのだ。
 人種や個人差というものは存在するが、両世界の人類は同じ人間であり、交配における混血児の出産も可能である。
 何故このような事が発生するのか。
 一説によると、環境的に類似した惑星で発展した生物は、高度に進化するに当たって同じ形へと至る、と唱える者が学会にはいる。
 つまり、地球と似たような惑星で進化した哺乳類は最終的に人類と同じ形になるというのだ。
 さらに驚くべき事に、それは種としての形だけに留まらない。
 文化にすら類似性があるのだ。
 高町なのはが初対面のユーノ・スクライアと会話が可能であったという言語の類似性。
 地球においてキリスト教などの宗教で十字架が聖なるモチーフになっているように、管理世界において聖王教会のモチーフは剣十字であるという類似性。
 他にも食文化や文学に至るまで、探せばもっと存在するという。
 これらの共時性、すなわちシンクロニシティとも言える現象には、未だにあらゆる学者が答えを出せずにいる。
 もしかすると、人類がその悠久の歴史に終止符を打つ時まで分からないのかもしれない。
 一時ミッドチルダを騒がせたJS事件の首謀者ジェイル・スカリエッティは、獄中において書き記した論文でこのように述べている。
 きっと神の気まぐれなのだろう、と。
 さて、話が長くなったところで本題に入ろう。
 これらの他世界間に発生する生物的・文化的な類似性の果て、今日は十二月二十四日である。
 地球在住の者ならば一度は体験したであろう、そう、クリスマスの事だ。
 前述の類似性の通り、なんとミッドチルダにおいてもクリスマスは存在する。
 正確には聖クリストスの日、と呼ぶらしいが、文化的な混濁で今ではすっかりクリスマスという名称が固定されていた。
 寒き冬の日、人々は富める者も貧しき者も、皆が家々で家族や恋人と共にその聖なる日を祝うのだ。
 ただ、中には不幸にも例外がいる。


「……はぁ」


 ため息と共に、少女の口からは白い息が漏れた。
 舞い散る雪、肌を刺す寒さ、切れかけた街灯の寂しい光。
 そして寝そべったコンクリートの床の固さと、スコープ越しに見える寂れたコンビナート。
 工事中のビルの一室、壁すら作りかけの粗末なその場所で固有武装イノーメスカノンを構えた、ディエチ・ナカジマの姿だった。
 本当なら家族と共に過ごす筈だった聖なる日、ディエチにはまったく酷い悲劇が訪れた。
 いたずらか真実かわからないが、コンビナートにおけるテロリストの武器取引の情報。
 法執行機関として、いかなる時も有事に備えるべき体制は、少女に狙撃砲手としての出動を命じた。
 少女に任務を言い渡す時、指示を出さざるをえなかった現場指揮官は本当にすまなそうな顔をしていた。
 責任感と優しさを持つ砲手の少女は、気にしないで欲しい、と優しげな微笑を浮かべて粛々と命に従った。
 そして今に至る。
 身を刺す冷気と孤独に耐え、ディエチは一人静かに照星から見える景色を俯瞰した。
 街に灯る明かりの数々、虚しく人影の絶えたコンビナート。
 既に時刻は十二時に近い。
 おそらくは、この情報は何かしらの間違いだろう。
 それを心のどこかで感じつつも、ディエチには命令を反故にするという選択肢はなかった。
 これは誰かがやらなければいけない仕事で、そして自分はその使命を受けた者である。
 科せられた義務と、だがそれ以上に強い使命感が彼女を支えていた。
 だが、少しも寂しくないかと言われればそれは嘘だった。


「みんな……今頃何してるかな」 


 誰にでもなく、ディエチはそう呟いた。
 家族の皆々は、果たして今頃どうしているだろうか。
 自分の事は気にしないで楽しんで欲しいと告げたが、もしかしたらそんな発言そのものが枷になってはいないだろうか。
 普通ならまず自身の不幸を嘆こうものだが。
 己の事より他人の事をとことん気にしてしまう、とことん損な性格の娘だった。
 少女の白い頬に、なお白い粉雪が舞い落ちる。
 溶けた水が流れれば、まるで涙のようだった。
 募る寂しさ。
 まるで自分だけが世界から切り離され、いらない、と宣告されたようだった。
 イノーメスカノンのグリップを握る手に、ギュッと力が込められる。
 まるでそんな寂しさを掻き消すように。
 一体、いつまでこうして一人でいれば良いのだろうか。

46砲手と観測手の徒然なる日々:2010/12/25(土) 00:11:36 ID:lck/6ViY
 解散の指示はこない。
 夜明けまで、まだ何時間もある。
 圧し掛かる夜は冷たく、重く、ディエチの顔はいつの間には捨てられた子犬のような表情になっていた。
 

「……会いたい、な」


 心の奥底の願望が、唇から漏れた。
 あの人に会いたい、と。
 こんな時はいつも観測手として、砲手の自分の傍にいてくれる人。
 尊敬する上司であり先輩であり、そして……最愛の恋人。
 今日は非常時の召集で、彼のサポートはない。
 だから、彼女は一晩、この孤独に耐え続けなければいけなかった。
 少女の綺麗な金色の瞳に、穢れなき涙の雫が溜まっていく。
 冷徹に任務を遂げようという意思とは逆に、乙女たる彼女の心は募る切なさの前に瓦解し始めていた。
 そんな時だった。


「一人で精が出るな。寒くないか?」


 足音もなく背後に近づいた人影が、そう気さくに声を掛けた。
 狙撃手の本分も忘れ、ディエチは振り返る。
 そして涙に濡れた彼女の瞳は、見た。
 彼女の元に現れた男を。
 白髪交じりの金髪、口ひげを生やした渋い伊達男、手に持った大きなバッグ。
 ディエチがこの世の誰より愛している、この世の誰より会いたい人が、現れた。
 一瞬彼の姿に見蕩れていたディエチだが、生来の頑張り屋だからだろう、すぐに視線を前に戻し任務の遂行を続ける。


「あ、あの……どうしたんですか? 今日は私一人のスタンドアローンじゃ……」


 声に滲み出る、隠し切れない喜び。
 使命を全うすべき意思が、恋人への愛しさで溶けつつあった。
 そんな少女の内心を知ってか知らずか……いや、男は十分それを知っていたのだろう。
 まるで命じられた待てにずっと従い続けていた愛犬を褒める主人のように、彼はディエチの頭を撫でてやる。


「ああ、それなんだがな。年末警備で駆り出されてた連中もこっちに回させた。つまり、俺も今からお前のパートナーに復帰ってわけだ」

「……そ、そうなんですか」


 怜悧に答えようとしたディエチだが、もうその声は半分くらいから尻すぼみになっていた。
 彼の温かく大きな手が髪を優しく撫でるその心地よさ、大好きな人が傍にいてくれる安心感が、彼女を戦闘機人からただの女の子にしてしまう。
 ディエチの隣に腰を下ろした彼は、バッグの中から物を取り出しつつ、言葉を続ける。


「だから、一時休めだ。監視任務は何チームかでの割り振りになったからな、ここは今から俺が監視する、お前はしばらくゆっくりしろ」

「は、はい……えっと、それは何ですか?」

「ん? ああ、これか。こういう任務の時の必需品だよ」


 言いながら、彼はそれを広げた。
 濃いグレーの色をした、大きな繊維の生地。
 まるで大きな封筒のような形をしたその端には、ファスナーで開閉できる機能を持っている。
 シュラフ、いわゆる寝袋だった。


「俺がいつも使ってるやつだ。今日はお前も使うと良い」

「い、いつも使ってるんですか?」

「ああ、やっぱり気になるか? 嫌なら他の連中から毛布でも……」

「いえ! べべ、別に構いません!」

「そうか、じゃあ入ると良い」

「……はい」


 頷き、ディエチは身を起こすと、彼の指示通りに寝袋に入る。
 その瞬間、少女を未曾有の幸福が包み込んだ。
 少し汗の混じった彼の体臭が鼻腔を駆け抜け、脳細胞にこれでもかと刺激を加える。
 ディエチはまるで犬のように、すんすん、と鼻を鳴らしてその匂いを嗅ぎ取った。
 そして、これがご主人様の匂いだと、しっかり頭に刻み込んでおく。
 頬が熱くなり、目がとろんと潤む。
 陶酔に溺れる中、このまま眠ればきっととんでもなく幸せな夢が見られるのだろうという無意味な空想が思い描かれる。
 そこで、傍らの恋人が少女に声を掛けた。


「なあディエチ」

「は、はい! な、なんでしょうか……」


 もしかして自分が彼の残り香を懸命に嗅いでいたのがばれたのだろうか。
 そんな馬鹿げた不安に駆られて、ディエチは問い返す。

47砲手と観測手の徒然なる日々:2010/12/25(土) 00:12:08 ID:lck/6ViY
 だが、返って来たのは予想もしていなかった言葉だった。


「その、すまんな」

「えっと……何が、ですか?」

「こんな日にまでお前を駆り出しちまって、って事についてだ。幾ら人員不足とはいえ、本来休日予定だったお前をこんな目に合わせるのは間違ってるしな」

「いえ、気にしないでください……私は別に、気にしていませんから」

「そう言ってくれると助かる。なあ、もし何か欲しいものがあったら言ってくれないか? クリスマスプレゼントってわけじゃないが、俺に出来るものならなんでもするぞ」

「……」


 彼の言葉に、ディエチはしばらく思案した。
 何か欲しいもの。
 そう言われても、何も頭の中に思い浮かばなかった。
 もう彼女の欲しいものは、そこにあったから。


「あの、じゃあ一つだけお願いがあります……」

「ああ、なんだ?」

「えっと……」


 寝袋の入り口からちょこんと顔を半分だけ出し、ディエチは潤んだ瞳で彼を見つめて、しばらく口ごもって。
 そして、告げた。


「今日は……ずっと一緒にいてください」

「……それは、つまりいつも通りで、任務通りなだけじゃないか?」

「それで構いません……それが、その……一番嬉しいです」
 

 そう言うと、ディエチは恥ずかしそうに顔をすっぽり寝袋に隠してしまった。
 まだ少し覗いているおでこが、真っ赤に染まっている。
 そのいじらしさの、なんと愛らしい事か。
 彼は目の前の愛すべき恋人の姿に、思わずため息を漏らした。


「まったく、欲のない子だな。相変わらず」


 苦笑と共に、今まで寒気と孤独に満ちていた空間が、温かさと幸福に包まれた。
 それから朝まで、二人は一緒の時間を過ごした。
 事件など結局起きず。
 退屈な監視任務に、他愛ないおしゃべりを交えて。
 こうして、本来なら孤独で寂しい筈だった任務は、忘れられない思い出の一ページになった。


続く。

48ザ・シガー:2010/12/25(土) 00:14:36 ID:lck/6ViY
はい投下終了。
やっぱクリスマスはラブ&ピース&イチャイチャだね。
異論は認めるが。


しかし
>>35
>>36
>>37
悪いがエリオくん関連はここで打ち止めだ、諦めてくれたまえ。
ただしクロノ絡みの話はいちおう考えてる。
けど次は触手か狗でリンディさんのエロ。
という予定なのです。

49名無しさん@魔法少女:2010/12/25(土) 01:17:47 ID:H4C/gevc
>>43
待ってる……! 待ってるから!

50アルカディア ◆vyCuygcBYc:2010/12/25(土) 02:08:33 ID:hhISkU/g
さて、シガー氏に続いて私もクリスマス投下行ってみます。
もう何方にも忘れ去られてるだろう伊達眼鏡の続きですが。
クリスマスなので、リア充爆発しろな方々向けな話を少し。


「伊達眼鏡と狙撃銃」

 注意事項
・ザ・シガー氏原案の短編連作『ソープ・ナンバーズ』シリーズからのスピンアウトです。
ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/%a5%bd%a1%bc%a5%d7%a1%a6%a5%ca%a5%f3%a5%d0%a1%bc%a5%ba
・長編。一部、微エロ描写有り。シリアス気味。クアットロメインのSSです。
・ネトラレ気味な描写とかも有るので、苦手な方はご注意を。
・NGワードはトリップでお願いします。
・原作『ソープ・ナンバーズ』からの設定改変、こじつけ解釈の部分も存在します。
・原作者のザ・シガー氏に最高の敬意を表して―――

*エロ描写は、このスレの普通のエロSSが普通のエロ漫画位だとすると、レディコミ位だと考えて下さい。
*カップリングは基本不定。どう変遷するのかを昼ドラのように楽しんで頂ければと思っています。

51名無しさん@魔法少女:2010/12/25(土) 02:11:34 ID:hhISkU/g
 幼い頃から、僕は何だって一番だった。
 成績はいつも一番で、クラスや生徒会の委員長を任され、友達も多く―――。
 母譲りの整った顔立ちをしている僕が、女の子に一番の人気だったのは、ごく当然の話だ。
 そんな僕の初恋は、ありきたりだが、幼稚園の保母さんだった。
 頭の成長の早かった僕にとって、周囲の園児達は酷く幼稚で、退屈で、彼らの中に混じるのは苦痛でさえあった。
 そんな中、保母さんとお話するのが僕の唯一の楽しみだった。
 未だ猿から人間になりきれていないような周りの園児達と違い、彼女は僕の話をよく理解してくれた。
 にこにこ微笑ながら、頷きながら僕の話に付き合ってくれた。
 時々『みんなと一緒に遊ばないとダメだよ』と優しく叱られたけど、それでも僕はやっぱり、その保母さんとお話するのが一番の楽しみだった。
 お歌もお絵かきも、勿論その頃から誰よりも上手かったけれど、もっと褒められたくて、毎日一生懸命練習をした。

 ……あれは、幼稚園の母親参観日だった筈だ。
 僕は、この日をずっと楽しみにしていた。
 だって、大好きなママと、保母さんの二人に、誰よりすごい僕を見てもらえる、褒めてもらえる日だったから。
 参観日は、リコーダーの発表会だった。
 僕が一番なのは判りきっていたことだけど、もっと目立てるように、もっと褒めてもらえるように、こっそり練習を重ねていた。
 発表は―――大成功。幼稚園児とは思えない落ち着きで、難しい曲を見事吹きこなした僕を、大きな拍手が迎えた。
 大人びた振る舞いを心がけていた僕も、その時は年相応の無邪気な笑顔を浮かべ、保護者席を振り返った。
 ママは、優しい笑みを浮かべて僕に拍手を送ってくれていた。
 目が合うと、ママはゆっくりと僕に頷いた。きっと、ママだけは知っていたんだ。僕が隠れて練習をしていたことを。
 僕の努力は、これで半分は報われた。もう半分―――僕は、大好きな保母さんに振り向いた。
 保母さんも惜しみない拍手を送りながら、僕の向こう側のママに向けてこう言った。

「見事な演奏でしたよ。流石はレティ提督の息子さんですね」

 ……あれ? グリフィスくん、頑張ったね、って褒めてもらえると思ったのに。
 頑張ったのは僕なのに。
 
 保母さんは僕のことを見ていなかった。
 僕のお母さんを見ていた。
 不意に、僕は気づいてしまった。
 今まで、僕は色んな先生や保母さんに褒められてきた。
 
『グリフィスくんは凄いね』

 って、みんなみんな僕を褒めてくれていた。
 でも、褒められていたのは、本当は僕じゃなかったんだ。
 本当に凄かったのは、真に褒められるべきだったのは、若くして敏腕の提督と知られているレティ・ロウラン。
 ――僕の、ママだった。
 どうして、こんな単純なことに気がつかなったんだろう。
 僕のママが凄いことなんて、誰よりも僕が知っていた筈なのに。
 誰よりも、この僕こそがママを自慢にしていたのに。
 褒められるべきなのは、ちっぽけな僕なんかじゃなかった。僕に何か褒められるべきことがあるなら、それはママの息子に生れたこと。
 僕が何かを成せたなら、それは、僕ではなくママの手柄なんだ。
 
「凄いわ、グリフィスくん。お母さんにも胸を張れるような、立派な演奏だったわ」

 保母さんが、にこにこと笑いながら僕の頭を優しく撫でた。
 大好きな保母さん。褒められる度に、僕は誇らしげな気持ちになれた。
 僕は、他のみんなとは違うんだって、胸を張って言えるような気分になれた。
 ――でも、違ったんだ。

52名無しさん@魔法少女:2010/12/25(土) 02:13:51 ID:hhISkU/g
 それから、僕は誰かに褒められる度に、その人の目をじっと見つめることにした。
 小学校に入り、本格的に教育というプログラムに僕たちは組み込まれていく。
 それは、誰かと誰かを比べる世界だ。僕が、僕の凄さをみんなに見せつけることのできる世界だ。
 でも。

『いやはや、利発なお子さんだ。流石はレティ提督の息子さんですね』
『お独りで息子さんをよくぞここまで』
『流石はレティ提督の――』
『流石はレティ提督の――』

 ……誰も、僕のことなんて見てくれやしなかった。
 どんなに僕が頑張っても、それは、ママの手柄になった。
 褒められるのは、ママだった。
 そうだ、ママは凄いんだ。誰よりも凄いんだ。僕の自慢のママだ――。
 でも――あの日、ママを褒めながら僕の頭を撫でた保母さんの顔を思い出すたびに、胸の奥が痛んだ。
 僕は、ママが褒められることに、納得している筈なのに。満足している筈なのに。
 あの日、僕の頭越しにママの顔を見て微笑んだ保母さんの顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
 大好きだった保母さん。
 でも、――今は大っきらいった。

 中学生になると、僕の周りに女の子が集まるようになっていた。

「ねえねえグリフィス君、貴方、あのレティ提督の息子さんなんですって?」

 そう言って、上目使いに僕の顔を覗き込む女の子達。
 その顔は、あの日の保母さんと全く同じだった。
 媚を売るような挙措、嫣然と唇を釣り上げる笑み、有りもしない艶を出そうとする喋り方。
 全てが鬱陶しくて堪らなかった。彼女たちと、一体どう付き合えばいいのか――僕には分からなかった。
 青臭い懊悩を抱える日々も、長くは続かなかった。

「あら、貴方、グリフィス君じゃないの?」

 クラナガンの街角で、あの保母さんとふらりと再開を果たしたのだ。
 既に、あの日から10年近くの年月が過ぎようとしていた。
 未だ僕は成長期の真っただ中にあったが、あの頃すでに20を幾つか越えていた女性にとっての10年は、幾分過酷なものだったようだ。
 あの頃僕が憧れていた若々しい精気に満ちた女性の姿は既になく、そこにいたのは、肌の張りを失いかけ、化粧の厚塗りでそれを誤魔化す中年女性だった。
 ――喫茶店で、久闊を叙すと共に、暫しの歓談と昔話に花を咲かせた。
 僕は齢に似合わず体裁の整え方は十分に弁えていたし、女の子に集られることは多かったので、女性の扱い方は手慣れていた。
 
「ねえ、グリフィス君……私の部屋に来ない? もっとたくさんお話したいの……」

 唐突に、彼女は僕の手を掴んでそういった。
 その瞳が淫靡な輝きに濡れていたのは気づいていたし、『お話がしたい……』という言葉が唯の口実だということも判っていた。
 しかし、僕は誘われるままに、彼女のアパートへとついていった。
 理解できない女性というものが、これで少しでも判るかもしれないと思ったからだ。


 牝の匂いが立ち込める小さなアパートの一室で、僕は女性の何たるかを知った。
 その時の僕は童貞で、女性を抱くのは初めてだったのだけど。
 彼女の体を奏でるのは幼稚園のリコーダーの演奏よりも単純で簡単だった。
 幼い頃憧れていた保母さんは、牝犬のようにひぃひぃ声を上げながら、むしゃぶりつくように僕の股間に顔を埋めていた。
 僕を悩ませていた何かが、すとんと綺麗に落ちた瞬間だった。
 僕の中で、彼女が本当に無価値なものになった。
 こんな下らないものに煩わされていたなんて、我ながら情けない。
 若さを失った自分を、女性として求めてくれる(と、彼女は勘違いしている)僕を、彼女は一心不乱に求めていた。
 なんて、浅ましく安っぽい生き物なのだろう。
 僕が彼女を見つめる視線には、軽蔑と憫笑しか残っていなかった。
 

 僕は齢13にして、女性とは、喰い散らかして捨てるだけの安物の駄菓子と同じものだと悟ったのだ。

53名無しさん@魔法少女:2010/12/25(土) 02:17:43 ID:hhISkU/g
 そう。女なんて、牝犬にも劣る詰らない生き物。
 この世で価値ある唯一の女性は、僕のママであるレティ・ロウランただ一人だ。

 その一人息子であるこの僕が、全ての女をモノにする権利を持つのも、至極当然な話だ。
 女など、いくら美を気取ろうと、高々10年かそこらで醜く老いてしまう。
 だが、僕のママは違う。辣腕の提督として働くその姿は、老いるどころか美しくなっていくばかりだ。
 そのママの価値を知る僕こそが、全ての女を喰い物にする権利を持つ真の男だ。
 
 舌を出して忘我するように喘ぐ彼女の背中に唾をかける。彼女は絶頂に震え、それに気付きもしない。

 見ろ、このだらしの無い姿を!
 女なんて、みんな僕の思うがままじゃないか――。
 もう、『流石はレティ提督の息子さんですね』なんて言わせるものか!
 ママの血を引くこの僕の価値を、全ての女に見せつけてやる――。


『伊達眼鏡と狙撃銃』 第8話:Dear my mommy

54伊達眼鏡と狙撃銃8話  ◆vyCuygcBYc:2010/12/25(土) 02:18:59 ID:hhISkU/g
「あの、グリフィスさん……」

 声を掛けられる寸前まで、グリフィスは彼女の存在に気付きもしなかった。
 元々魔導師もないグリフィスにとって、背後の気配を感知するような戦闘要員としてのスキルは持つべくもない。
 しかし、彼女の幽鬼のような虚ろな雰囲気は、彼を驚かせるのに余りあるものだった。
 日も既に没し、誰もが早足で帰路を急いでいる。
 小用でクラナガンの街に出たグリフィスだったが、こんな風に声を掛けられるとは思ってもみなかった。

「貴方は――クアットロさん」

 そこに立っていたのは、悄然とした表情で項垂れるソープ・ナンバーズの4、クアットロだった。
 伊達眼鏡を光らせ、余裕綽綽の表情で嫣然と笑み、男を喰い物にする悪女としての彼女はそこにはいなかった。
 ただ、打ちのめされて窶れた女が青白い顔でグリフィスをぼんやりと見つめていた。
 
『殺して、やる―――』
 
 あの日。
 まんまとグリフィスの策にかかり、あのディエチを自分の手で壊してしまったあの日。
 悪鬼の如き表情で、叩き割ったワインの瓶を振り上げたクアットロの表情が脳裏を過る。
 あの日の面影は、今の彼女には微塵もなかった。
 グリフィスは、あの日クアットロへと囁いた。
 善人面をするのは止めろと。自分を偽るのは止めろと。自分とお前は、人の破滅を見るが好きで好きで堪らない、同じ穴の狢だと。
 ――同類として、お前を理解してやれるのはこの自分だけだと。
 クアットロは、それを全力で否定して踵を返した。

 ……しかし、グリフィスの言は何一つ誤ってはいなかった。
 どうしようもないクアットロの嗜虐嗜好。それが、ディエチを傷つけ、ずだずだに引き裂いたのだ。
 ティアナの時もそうだった。確かに動機は彼女達を助けるためだったのかもしれない。
 しかし、その手段として男を堕として破滅させることを選ぶ所に、変えられない彼女の本性が露になっていたのだ。
 
「グリフィス、さん……」

 弱々しい声で、クアットロが手を伸ばす。

「あの……」戸惑うように、その手が虚空を彷徨う。

「どうしました」

55伊達眼鏡と狙撃銃8話  ◆vyCuygcBYc:2010/12/25(土) 02:19:49 ID:hhISkU/g
 清潔な笑みを頬に浮かべ、グリフィスはその手をしっかりと握りしめた。
 ――落ちたな。
 好青年然として表情と紳士的な挙措ではあったが、その胸中はクアットロへの蔑意に満ちていた。
 多少、手古摺らせはしたが、この女も所詮は詰らない売女の一人だったか。
 もう少し歯ごたえがあるかと思ったが、これでは少々興ざめだ。
 ――いや、玩具としては十分踊って楽しませてくれた方だろう。取り換え時だ。

「あの、グリフィスさん――もう、どうしたらいいか判らなくて。私の部屋に来ていただけませんか?」

 クアットロは瞳に涙を浮かべながら、途切れ途切れにそう言った。
 彼女の部屋ということは、あの『ソープ・ナンバーズ』の4号室ということか。
 ディエチの担当する9号室なら幾度となく足を運んだものだが。
 丁度いい。これが潮時だろう。
 4号室で、丹念にこの悪女を愛してやろう。
 いままで如何にディエチを愛してきたか、それにどれだけ幸せそうに彼女が応えたのかを囁いてやろう。
 悪女クアットロ。あるいは俺の相方として利用できるかもしれないと思っていたが、こんなに簡単に壊れるようじゃあ用済みだ。
 グリフィスは瞳を細める。
 こいつは、悪女ぶってはいるが、本心から人の不幸を楽しむタイプではないようだ。
 大方、今まで破滅させてきた男に対する罪悪感が、今回で件で溢れ出してきたのだろう。
 こいつの中で発酵してきた罪悪感を焚きつけてやる。自分の所業で内側から腐り果てるのが似合いさ、ニセ悪女。
 グリフィスはクアットロから一瞬だけ瞳を逸らし、狡知な笑みを浮かべた。
 
 ―――此処は『ソープ・ナンバーズ』ただ一晩の春を求めて男達が集う、ミッドチルダの不夜城―――

 その部屋番号は、ホテルのように下から順に一号室、二号室と割り振られている訳ではない。
 各員好みの部屋をそれぞれ選び、自分のナンバーを割り振ったので、かなりランダムな部屋割となっている。
 その中央を通るエレベーターを、グリフィスはクアットロと無言で上る。
 9号室の場所は熟知していたが、4号室は果たして何処だったか。唸りのような音と共に、僅かな浮遊感。
 エレベーターは昇っていく。やがて、チン、という安い音と共に最上階の扉が開いた。

 一歩踏み出し、グリフィスは違和感に気付いた。
 勿論彼は、何階に誰が居るかなどという瑣事など気にとめてはいないし、知る術もない。
 しかし、ミッドチルダの夜の事情を少しでも知る男たちにとって、伝説とも言うべき有名な逸話があった。
 曰く――。
 ソープ・ナンバーズの最上階には、ミッドチルダ最高の娼婦が居る。その技は聖王すら昇天させるという。
 その部屋の番号は――。

56伊達眼鏡と狙撃銃8話  ◆vyCuygcBYc:2010/12/25(土) 02:20:42 ID:hhISkU/g
「あっれれ〜、クア姉、もうお仕事上がりッスか?
 もしかして、物凄い早漏さんでしたッスか?」

 クアットロは、怪訝な顔で首を傾げた。

「何言ってるの? 私は今帰ってきたところじゃない?」
「ええっ、ほら、クア姉、今上がって行ったじゃないですか? ディエチの王子様と二人で」
「ウェンディ、お前は本当に馬鹿だな。あれはディエチの王子様だろ?
 上でディエチと交代したに決まってるだろ」
「あ、それもそうッスね」
「ちょ、ちょっと、ノーヴェまで一体何のことを言ってるのよ」

 クアットロは眼鏡の歪みを直すと、二人に詰め寄った。

「何って……さっき、お二人で上に上がられたじゃないですか?」
「私が? あのグリフィスと?」

 大きく肯く二人に、クアットロは幾度か瞳を瞬かせたが――。
 すっと、猫のように瞳を細め、そう、と小さく呟いた。

「そういうことなのね、姉さま」

 吐息を漏らすと、閉じたエレベーターの扉を見上げ、最上階に思いを馳せて憫笑を噛み殺した。

「あ〜あ、あの男。どう料理してやろうかと思ってたけど、姉さまに取られちゃったか。
 それにしても姉さま、やりすぎてなきゃいいけど。また廃人なんかにしちゃったら、後片付けも大変なのよね……」

 心底からの憐れみをかけて、バイバイと掌をふり、彼女は颯爽と踵を返した。
 その横顔は、何度痛めつけれられも、弛まずに次の策を練り続ける、最高の策士の貌だった。

57伊達眼鏡と狙撃銃8話  ◆vyCuygcBYc:2010/12/25(土) 02:23:16 ID:hhISkU/g
「ここは――2号室」
「ええ、ようこそ私の部屋に。歓迎するわ。グリフィス・ロウラン」

 ミッド一の娼婦と名高い、ソープ・ナンバーズの2、ドゥーエ。
 しかし、その素顔を知るものは意外な程少ない。
 くすんだ金髪は緩やかなウェーブを描いて肩へと流れ落ち、美しい均整のとれた長身を飾っている。
 鮮やかな赤い唇は少しだけ挑発的に吊り上がり、見る者全てを飲み込む深い淵のような瞳は値踏みをするようにグリフィスの瞳を覗き込んでいた。
 ハイヒールの踵をコツリと鳴らして振り返る挙措、髪を梳く指の動き、たわわな胸を持ち上げるように腕を組む仕草――。
 それら全てに、今までに出会ったどんな女性をも上回る気品と色気が充溢していた。
 嘆息が漏れる。
 いい女だった。今までに数えきれないだけの女性を喰い物にしてきたグリフィスをして感嘆させしめる程の、本当にいい女だった。

 高価な紅い絨毯を歩き、最上階の最奥の扉の前に立つ。
 ドゥーエが鮮やかな手つきでカードキーを走らせると、音もなく扉が開き、最高級ホテルのスイートもかくやというプレイルームが現れた。

「……はは」

 殺しきれない笑みが零れ落ちた。
 喰い残しのクアットロの最後の搾りかすで遊ぼうと思っていたのだが、まさかこんな大物を相手にできるなんて。
 認めざるを得ない。確かに、このドゥーエは至高の娼婦だ。一生に一度抱けるかどうか分らない、最上級の女だ。
 並の男なら、委縮しきってしまって女を抱くどころではないこの状況。
 しかし、グリフィスはそれを心底楽しんでいた。
 ならばこそ。この女を堕とすことができれば、自分が真に最高の男であることを証明できる。
 女など、全て取るに足らない下衆な生き物であることを、この身をもって立証するのだ。
 グリフィスの心は逸っていた。

「お会いできて光栄ですよ、ミズ・ドゥーエ。僕も、貴女には是非一度お会いしたかった……」
「ふふ。紳士と聞いていたけど、意外と子供っぽいのね。そんなにがっつかないでも、私は逃げはしないわよ」

 男のプライドにチクリと針を刺す辛辣な言葉。
 グリフィスは子供っぽく頭を掻き、照れくさそうに返した。

「いや〜、お恥ずかしい。どう褒めても月並みな言葉になってしまうのですが――貴女のような女性は初めてですよ。
 どうにも逸ってしまっていけない。貴女のお相手を務めさせて頂くからには、僕も誠心誠意気合いを入れていかないと」

 お上手ね、とドゥーエは嫣然と笑み、高価な黒絹のスリップをするりと脱ぎ落した。

「シャワー、先に浴びさせていただいてもいいかしら?」
「ええ、ごゆっくりどうぞ――」

58伊達眼鏡と狙撃銃8話  ◆vyCuygcBYc:2010/12/25(土) 02:24:52 ID:hhISkU/g
 美しい、ドゥーエの下着姿の裸身。この体が間もなく自分のものになるのかと思うと、どうしようもない高ぶりを感じた。
 グリフィスは鼓動を早める胸に手を添え、それからまるで童貞のように逸って隆起を始める下腹部へと掌を走らせた。
 この自分がここまで乱されるなんて、本当にこの女は底がしれない。
 それでも――。

「こう言ってしまうと傲慢に聞こえるかもしれませんけど、僕には自信があるんですよ」

 バスルームからは、シャワーの流れ出す音と反響してくぐもった笑い声が響いた。

「ふふ、それは一体どんな自信なんですの?」

 グリフィスは、瞳を爛と輝かせて両腕を広げて語った。

「貴女は、さぞや多くの男性を満足させてこられたことでしょう。貴女を一目見れば、誰にでも判ります。
 ――貴女は、紛れもなくミッドの誇る最高の女性ですよ。
  
 逆にお聞きします。今までに、貴女を十分に満足させられた男性は、果たして存在したのでしょうか?
 これは私の邪推ですが――どれだけ多くの客を満足させても、貴女自身の満足はそこに存在しなかったんじゃありせんか?」

 バスルームからは、その先を促すかのように、シャワーの水音が響いている。
 
「私には自信にがあるんです。私ならば、きっと貴女を満足させることができる。
 ――そう、貴女がどんな女性だろうと関係ない、きっと私なら、貴女を満足させてみせることができる――」

 白い腕が走り抜け、勢い良くバスルームを仕切っていたカーテンが開いた。

「そう。なら、私を満足させてもらおうかしら、グリフィス」
 
 グリフィスの、瞳孔が、大きく見開かれた。
 酩酊感を堪えるように口元を押さえ、ふらふらと後ずさる。
 かくん、と落ちた顎を震わせ、自分の見ているものが信じられないとばかりに、目を瞬かせた。
 覚束無く震える指先を無遠慮に彼女に突き付け、グリフィスは絞り出すように、やっとの思いで一言漏らした。

「……ママ、何でここに?」
「私がどんな女だろうと関係ない、満足させてくれるんでしょう?」

 そこには、一糸纏わぬ姿のグリフィスの母、レティ・ロウランの姿があった。
 
「そんな馬鹿な――ママがこんな所に居る筈ない! お前はドゥーエだ! ドゥーエがママの姿に化けているだけなんだ」

 先ほど迄の紳士然とした余裕に満ちた仕草はどうしたのか、グリフィスはみっともない程狼狽し、目を血走らせ、唾を散らしながら叫んだ。

「ビッチ如きがママの姿を冒涜するな! ママの顔で笑うな! ママの声で喋るな、あああああああ!」
 
 顔で面を覆いながら、子供がホラー番組をおっかなびっくり見るように、グリフィスは彼女を見つめる。
 目を逸らしたい、逃げ出したい。だが、母の姿は逃れようの無い引力となってグリフィスの瞳を惹きつけて離さなかった。
 それはレティだった。どうしようもなくレティだった。
 少しだけ気が強そうな、包容力に満ちた笑み。成人した息子がいるとは到底思えない、瑞々しい精気に満ちた体。
 目を惹く美人である。しかし――ドゥーエのような、現実感が無い程の浮世離れした美人という訳ではない。
 美人ではあるが、客観的に見れば、良くいる美人の内の一人だ。機動六課という職場柄、美人は見飽きる程見ている。
 それでも。目の前にいるこのレティは、今までに抱いたどの女よりも、煽情的で肉感的だった。

「あらあらグリフィス、そんな大声を出してみっともないわ。
 ねえ、グリフィス。待っているのよ、私。ねえ。ここが疼いてしょうがないの。早く来て、私の可愛いグリフィス――」 
 
 女は少女のようにくすくすと笑んだ。
 淫らに腰を突き出し、長く美しい足をすらりと伸ばして股を広げ、人差し指と中指で己の秘所をぱっくりと淫靡に広げて見せつけた。
 
「ねえ、もうこんなになってるわ。グリフィス――早く、早く私を満足をさせて頂戴」

 グリフィスは最愛の母の姿をした女が、売女の媚態で男を誘うその姿を見るに堪えず、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら叫んだ。
 幼いころから――そう、物心ついた幼稚園の頃から己を律し、無様な姿など決して見せないようにしてきた男の、初めての狂態だった。

59伊達眼鏡と狙撃銃8話  ◆vyCuygcBYc:2010/12/25(土) 02:26:05 ID:hhISkU/g
「やめてくれ、お願いだからもうやめてくれっ! 僕の負けだ! だから、もうママの姿を汚さないでくれえぇっ!」

 グリフィスの叫びなどどこ吹く風と受け流し、女はペロリと唇を舐めた。

「……随分と成長したみたいじゃない、グリフィス。女の子の扱いも手慣れちゃって。
 流石は、私の息子ね。グリフィスみたいな息子を持って、ママも鼻が高いわ。
 さあ、貴方の淫水焼けした立派なソレを、私のココにぶち込んで。さあ、早く早く!」

 グリフィスは余りの屈辱に歯ぎしりしながら首を振る。

「違う! 違う! 違う! ママはそんなこと言わない! ママはそんな厭らしいことはしないんだ!」

 女はグリフィスの顔を掴むと、息が吹きかかるような距離で、キスをするように、歌うようなに囁いた。

「おかしなグリフィス。私がこういうことをしたから、貴方がこの世に生を受けることができたのよ?
 学校の性教育の授業で習ったでしょう? それとも、もう一度おしべとめしべの話からしないといけないのかしら?」

 グリフィスは目を閉じ、耳を塞いで、駄々をこねる子供のように首を振った。

「違う、違う、違う、違う、そんなんじゃない、ママは綺麗で、完璧で、みんなが言うんだ、流石はレティ提督の息子さんですね、って。
 だから、だからママはそんなことはしない、しないんだ、出ていけ、ママの贋物、出ていけ!!」

 口から流れ出る言葉は脈絡を失い、その表情からは正気の相が消えていく。
 追い打ちをかけるように、女はグリフィスの顔を撫でた。

「覚えているわ――貴方がお腹にいた時のこと。貴方は暴れん坊さんで、こつん、こつん、って私のお腹をよく蹴ったわね。
 さあ、グリフィス、帰ってきなさい、私の胎内に。もう一度、私の一番奥を、こつん、こつん、ってノックして」

 彼女の紡ぐ言葉が、グリフィスの知るレティ・ロウランの言葉ではないことは、最初から判っていた。
 贋物の戯言と、一顧だにせず無視してしまえば良かったのだ。
 しかし、グリフィスにはどうしてもそれができなかった。
 例え、どんなに記憶の中にある母の姿とかけ離れていても。
 どうしようもなく、これもまた本物の母の姿なのだと、レティ・ロウランの一面なのだということを。
 理性ではなく、グリフィスの本能が、直感が、全細胞が告げていた。

「覚えてる、グリフィス。貴方が小学生の頃、私の下着でオナニーをしたこと。
 貴方、まだ剝けてもいないおちんちんを、一生懸命私のパンツで擦り上げていたわよね。
 あの時は、流石の私もびっくりしたわ――。
 どう教育すればいいものか迷いもしたし、貴方がもうそんな年頃になったのかと思うと、嬉しくもあったわ」

 グリフィスの顔が青ざめ、カチカチと口中で歯が鳴った。

「どうして、そのことを……」
「私が見ているのに気付いて、貴方ワンワン泣いちゃったわよね。
 ごめんなさい、もう二度としませんから、許してください、って。誰にも言わないで下さいって。
 あの時、したくなったらしてもいいけど、人の下着を勝手に使うような真似は二度としないように、約束指きりげんまん、したよね」

 グリフィスは、頭を掻きむしり、獣の咆哮の如き悲鳴を上げた。

「どうして、どうしてお前がそんなことまで知っている! ドゥーエ!
 あの時、ママは僕とと約束したんだ、誰にも言わないって、絶対に言わないって!
 ママは絶対に約束を破るような人じゃない、僕のママの約束を知ってる筈がない!
 何故だ! どうしてだ!
 ――っ、そうか、盗聴だな! お前は僕たちの部屋をずっと盗聴してたんだな! だから、ママの姿に!
 貴様、ミッドチルダでは盗聴は重罪だぞ!
 それとも、ロストロギアか! 特殊なロストロギアの発する電波をつかって、ぼぼぼ、僕の脳の中を盗撮しているんだな!
 くそっ、その手があったか! ううううううう、訴えてやる! 訴えるからな貴様あああああああああああああ」

 目は血走り、口からは涎が垂れ落ち、紡がれる言葉は既に狂人のそれだ。
 女は誰もが眉を顰めるその凶態を冷ややかな視線で見据え、嘆息と共に呟いた。

「ねえ、グリフィス。他にも、約束していたこと、いっぱいあったのに、全部忘れちゃったのね。
 女の子は大事にすること、人に迷惑をかけないこと、誰に対しても胸を張って誇れる、立派な大人になること――。
 いっぱい、いっぱい、約束したのにね」

 声には、少しだけ、悲しげな響きが混じった。

60伊達眼鏡と狙撃銃8話  ◆vyCuygcBYc:2010/12/25(土) 02:27:16 ID:hhISkU/g
「ひゃ、ははは、贋物め! 僕の頭を覗くニセモノ出ていけ! ママから出ていけ!!」

 女は僅かに首を傾げると、猫の子でも掴むようにグリフィスの首ねっこを掴んで力づくで抑えつけた。
 そのまま、色っぽさとは程遠い乱暴な仕草でベルトのバックルを外し、ズボンを引きずり下ろす。
 多くの女性を毒牙に掛けたその性器は赤子のように縮み上がり、微かに小便の香りがした。
 つるりと剥かれたその尻に向かって掌を振り上げ、叩きつける。

「いけない子!」

 グリフィスの体が、電流が走ったように跳ねた。その腕から逃げ出そうとするかのように、グリフィスは懸命にもがいた。
 ……しかし、それも長くは続かない。二度三度、繰り返されるにつれ、力を失い、手足がだらりと垂れ下がる。

「どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして――」

 今自分の受けている痛みの正体が判らない。
 見開かれた瞳が、そんな戸惑いを告げていた。


「なんで――僕は、ただ、ママみたいになりたかっただけなのに――」

 その言葉に、女の打擲の手が止まった。
 一瞬の隙をつき、グリフィスが渾身の力を込めて立ち上がり――。


「うわああああああああああああああああああああ」


 悲鳴と共に、追い散らかされる犬のように、全裸のまま4つ足で逃げ出していった。
 その場には、苦虫を噛み潰したような顔の、女だけが残された。

「追わなくていいんですか?」

 その女に声をかけるものがいた。

「いいさ。どうせ、後はなるようにしかならないだろう」

 女――レティ・ロウランは、一仕事済んだとばかりに、肩をポキポキ鳴らしながら、声の主を振り返った。

「それにしても、実の息子さんを相手にあれだけのことができるなんて、流石ですね、レティ提督」

 ドゥーエは、掛け値無しの称賛をレティに捧げ、真剣な瞳で問うた。

「責任を、感じておられるんですか? やっぱり、自分の息子さんだから……?」

 しかし、レティはそれを一笑に伏した。

「ま〜さか。あたしの子育ては、あいつが成人して自分で給料貰い出した時点でお終いさね。
 どうしてチンポの毛の生えそろった息子の面倒をいつまでも見ないといけないんだい。
 ただ、女の敵の外道が居るから成敗した、それだけの話だよ。
 ――それにしても、あんたこそ大したもんだね、ドゥーエさん。
 凄いよあんたのエステ! まるで20代に帰ったみたいだよ! ほら、わき腹のたるみも、ここの小皺も、全部消えちゃってるよ!
 こんないい部屋貸して貰っちゃって、随分大きな借りができたね。
 ……借りついでに、そこの酒を味見していいかい? 随分な上物ばかりが揃ってるみたいじゃないか!」

 ぺろりと唇を舐めるレティに、ドゥーエは敵わないとばかりに首を振った。

「やれやれ、大した方ですね。……でも、貴女と飲むのは随分楽しそうです。今度ゆっくり二人で楽しみましょう」
「今度といわず、今楽しもうよ! 余計な男も消えたし、女二人でさ」

 ドゥーエはコンソールを見つめると、鋭い表情で残念そうに首を振った。

「申し訳ありません、それはまたの機会に。お伝えするのが遅れました。
 危機が迫っています。もうじき、ここは戦場になります。そこの非常口から、はやく脱出を――」

61アルカディア ◆vyCuygcBYc:2010/12/25(土) 02:32:39 ID:hhISkU/g
ご無沙汰しておりましたアルカディアです。
今回はクリスマスなのでリア充がフルボッコにされるSSを書こうと思い立った――

訳ではなく、シガー氏に捧ぐSSなら、レティ提督は是非とも登場させねばと、かなり前々から考えていた展開の一つです。
勿論、本家シガー氏のSSならグリフィスは母親だろうと喰っちまう超肉食系男子なのですが、私のSSではこういったヘタレイケメンと相成りました。
なんだか期刊の勢いになりつつあるので、次回はせめて月刊ぐらいのペースに戻れればなあ、と思っております。
週刊どころか日刊で落されてる職人さん方マジ超人。

62名無しさん@魔法少女:2010/12/25(土) 02:46:01 ID:bZpzTdZc
うおお、お久しぶりの投下グッジョブです。
今まで散々女を酷い目に合わせたグリフィスの末路にかなり溜飲が下がったわ。
しかし……クア姉ソープ来て大丈夫か?
前回ディエチと色々あったから気になる。
あと戦場って一体どうなるんだソープ……?

63名無しさん@魔法少女:2010/12/25(土) 04:05:36 ID:i187kXjk
この親にしてこの子ありか…はたまたこの子だからこの親なのか…とにかくgjです。…これグリフィスインポにならないか?

64名無しさん@魔法少女:2010/12/25(土) 05:35:52 ID:f6MFiD5E
>>48
>けど次は触手と狗とリンディさんのエロ。
なん……だと……!?

65名無しさん@魔法少女:2010/12/25(土) 06:26:56 ID:Ir0i5CZc
なんという胸が熱くなる話をw

66名無しさん@魔法少女:2010/12/25(土) 19:28:11 ID:07GDVMq6
リンディさんが獣姦される?

67名無しさん@魔法少女:2010/12/25(土) 22:08:28 ID:Wq.pFhMU
>>61
GJ

68F-2改:2010/12/25(土) 23:24:21 ID:I7FDPKxU
まだクリスマスだよな? そうだよな?
という訳で皆さんコンバンワ、F-2改です。今回は実家のPCから。
せっかくクリスマスと言うことなので、書き上げたクロなの短編を投下
させて頂きます。一応、微エロ注意です。

69F-2改:2010/12/25(土) 23:24:55 ID:I7FDPKxU



「ありがとうございましたー」

喫茶店"翠屋"から、本日最後の客が出て行った。
普段ならショーウインドウの中を彩る綺麗にデコレーションされた甘いケーキは、その日に限ってはついに一つの姿も残っていない。ごく少数、クッキーなどのお菓子は残っているものの、やはり
ガランとしたガラスの中の寂しさを覆すには至らない。
とは言え、空っぽになったショーウインドウを見て、レジの傍に立つ少女はどこか安心と満足、両方が入り混じった表情を浮かべていた。
隣にいた同じ栗毛色の髪をした女性、母の高町桃子と顔を見合わせる。どうやら彼女も似たような心情らしく、ほっとしたような、それでいて今年もまたやり遂げた、満足げな笑みをしていた。
ポーン、と時計のチャイムが鳴った。閉店時間を迎えたところで、桃子の娘、高町なのはは口を開く。

「お疲れ様、お母さん」
「うん――ありがと、なのは」

静かに言葉を交わして、互いを労わるように親子は優しい抱擁を迎え入れる。
疲れたよー、でもやりきったよーとおどけた調子でありながら素直に現在の心境を話す母を、よしよし、お母さんは頑張ったねと頭を撫でてなんかやったりして。
窓の外、海鳴市街はイルミネーションで彩られていた。モミの木を象ったものもあれば、トナカイだったり、あるいはサンタクロースだったり。
街をそこまで煌かせるのは、もちろん理由がある。
なんと言っても、その日はクリスマスイヴなのだから。



プレゼントには、甘いものを



かつて本場フランスで修行したという経験を持つ桃子は、海鳴市でも評判のパティシエだ。
そんな彼女がこの時期作るのは当然クリスマスケーキで、喫茶店でありながらお菓子屋さんの側面もある翠屋には毎年、予約が殺到する。
朝の七時にはもう厨房で調理を始めて、終わるのは夜の一一時なんてのは日常茶飯事。あまりに予約が多いので年によってはお断りする場合もあるのだが、それならと押し寄せるお客さんたちはク
リスマスケーキではない、普通のケーキを買っていく。
かくして、毎年一二月にも入ると翠屋はバイト君などで戦力増強を行い、家族も可能な限り援護に回るのが高町家の毎年の行事となっていた。なのはも物心ついた時にはすでに、ちっちゃなウェイ
トレスとして活躍し、正式に管理局に入って歳も一一を迎える頃には休暇をもらい、母のケーキ作りの補佐を行っている。今年も同じく、一七歳になった彼女は母の手伝いで奮闘していた。
ところが、例年と比較して、その年は少しだけ変わったことがある。厨房の方から、去年まで見なかった顔が現れたのだ。

70F-2改:2010/12/25(土) 23:25:53 ID:I7FDPKxU
「桃子さん、こっちの片付けは終わりましたよ」
「あら、もうやってくれたの? ありがとねー、クロノ君」

母の感謝をいえ、このくらいはと照れた様子で受け取る黒髪の青年は、クロノ・ハラオウン。
本来なら時空管理局のエリート執務官であり、二三歳にして次元航行艦の艦長にまで登り詰めたなのはの恋人である。
もっとも、今の彼の格好は戦闘用のバリアジャケットでもなければ黒い執務官服でもなく、ジーパンにワイシャツ、さらに翠屋のエプロンと言う本来の役職からかけ離れたものだが。
この時期実家は凄く忙しいんだよねーとなのはがうっかり漏らし、クロノが「じゃあ僕も手伝おう」と言い出したのが全ての始まり。家族も人手が増えるのは願ったりかなったりなので快く承諾、
つい先ほどまで彼は皿洗いや厨房の掃除に従事していた――艦長が皿洗いとは、"アースラ"のクルーが見たらどんな顔をするだろう。ぷっ、とこっそり本人には見えないよう、なのははこっそり笑
っておいた。

「なのはもお疲れ様。さぁ、もう閉店の時間なんだろう? さっさと片付けよう」
「あ――うん、そうだね」

いきなり声をかけられて、ハッと恋する乙女は我に返る。ひょっとして気付かれたかな、と思ったが、どうやらそんなことはないらしい。閉店時間を迎え、ガランとした店内を恋人はテキパキ動い
て掃除と片付けを始めていた。
クロノくん凄いなー、働き者だなーなどと感心していると、ちょんちょんと肩を突かれ、振り返る。見れば、桃子がニヤニヤ笑って顔を間近に近付けていた。

「いい子じゃないの、彼。どうやってオトしたの?」
「オトすって……お母さんっ」
「冗談よ、冗談」

しかし楽しげに笑う母である。からかわれたなのははむぅー、とちょっぴり頬を膨らませながら、今度は小声で耳打ちしてきた桃子の言葉を聞く。

「実はね、冷蔵庫の奥にケーキを隠してるの。そんなにおっきくないけど、片付けが終わったら彼と二人で食べて頂戴」
「……お母さん、それって」
「私たちは先に帰るからね」

なんという嬉しいサプライズ。グッと親指を突き立ててみせる母親に、彼女は恥ずかしそうな嬉しそうな、頬をほんのり赤く染めた笑みを見せた。

「あぁ、言っとくけど。盛り上がってムラムラしてきたなら続きは家に戻って自分の部屋でね? お店を汚す訳にはいかないし」
「そ、そんなことしないもん!」

とは言え、やっぱりからかうのは続けるのであった。
何も知らないクロノはカウンターの奥でイチャつく高町親子に「?」と首を傾げつつ、掃除と片付けを続けていた。




そうしてこうして、何十分か経過して。
全ての片付けを終えて、後は店内の電気を消して戸締りして、と言う頃になって、なのはがクロノに声をかけた。

「クロノくん、あのね」
「ん?」

71F-2改:2010/12/25(土) 23:26:44 ID:I7FDPKxU
掃除道具を片付け終えたクロノは振り返り、愛しい少女を見る。頬を赤くして、どこか身体をモジモジさせながら。
こういう時、彼は素直になのはが自分の口で言うのを待つことにしている。状況を見ればおおむね察することも出来たりするのだが、それでもあえてこの青年は「こういうこと?」とは言わない。
何故かって、理由は単純明快である。モジモジするなのはが可愛いから――なんてこと、バレたらやっぱり怒るんだろうなぁなのは。いやでも、怒るなのはも捨てがたいって言うか。
脳裏はしっかり惚気を全力全開。どうも彼女と愛を交わしてから、自分は性格が意地悪になってきたような気がする。それもなのはにだけ。好きな子ほど苛めたいなんて、以前はまったく理解でき
なかったがなるほど、今なら分かる。
それでも思考を決して表に出さず、穏やかな表情でクロノは彼女の言葉を待ち続けた。あー、うー、と悩み悩んだ挙句、ようやくなのはは口を開く。ケーキ、一緒に食べない?

「ケーキ? でも、売れ残りは一つもないはずじゃあ……」
「お母さんが一つ、取ってくれてたんだ――どう?」

もちろんクロノに拒否する理由など無かった。それじゃあ是非、と微笑みと共に了承を言葉を返すと、恋人は嬉しそうに頬を緩めて厨房に向けて駆け込んでいった。
待っている間、一度テーブルの上に上げた椅子を下ろして席を作る。こっちがなのは、こっちが僕と。二人用のテーブルが近くにあったのは幸いだ。これなら片付けも時間を食わなくて済む。
そうしているうちに、なのはが「お待たせー」とケーキを両手で持って帰ってきた。生クリームとイチゴが載った、シンプルなケーキ。それでもしっかりクリスマス仕様であり、生クリームの白く
て甘い雪原の上ではサンタクロースとトナカイの人形が並んでいる。可愛いよねこれ、となのはの言うとおり、クロノも素直な気持ちで頷いた。

「……待った。なのは、それって」
「これ?」

ふと、クロノは彼女がケーキの次に持ってきた瓶を指差して言う。アルコールには詳しくないが、パッと見た感じ、なのはが持ち出したのはワインの瓶ではなかろうか。
ところが、少女は笑ってだいじょーぶ、と返す。ちゃんとノンアルコールだよ、とも付け加えた。グラスに注がれる朱色の液体は確かに一見、芳醇な味と香りを持つワインのようだったが、ラベル
を見ればノンアルコールの文字がある。
ミッドチルダ、クロノの故郷とこの国の成人年齢は違うが、どちらも同様に飲酒と喫煙は制限があった。もっとも、ノンアルコールならそんな心配は要らないが。

「それじゃ、クロノくん」

グラスを掲げて、なのはは乾杯しようと彼に促す。言われるがまま、クロノもグラスを持った。

「ええと……メリー、クリスマス」
「はい、メリークリスマース!」

片や、慣れない異世界の習慣にぎこちなく。片や、もはや毎年のことだが今年は違う、恋人と初めて過ごすクリスマスに嬉しそうに。
カチンッとグラスが鳴って、二人は一口、ワインもどきのジュースを飲んだ。
そこから先は、楽しい時間だった。アルコールなど無くても、恋人との会話はそれだけで胸が高鳴り、何気ない一言が凄く嬉しい。
ケーキの味も、文句無し。さすがお母さん、などとなのはは母のケーキ作りの腕前を絶賛し、クロノも切り分けてもらった部分を口にして眼を丸くして驚いた。なるほど、これは確かに美味しい。
ただ、いかんせんイチゴ以外にも生クリームがたっぷり載ったケーキである。スポンジの大きさこそそこまでではないが、クリームの量は多い。半分ほど食べ終えたところで、あっ、となのはが声
を上げて気付く。

「クロノくん、口の周りクリームついてるよ?」
「え? あぁ、ホントだ――って、そういうなのはも」

72F-2改:2010/12/25(土) 23:27:17 ID:I7FDPKxU
え、嘘。指摘したつもりが、自分も指摘を受けるとは。慌てて口周りに指をやると、確かに白い生クリームがついていた。クロノも同じく、指で白くて甘いものを掬い取って、笑っている。

「サンタさんみたいだね。ほら、真っ白なおヒゲ」
「サンタって、これ? 子供たちにプレゼントをあげるって言う」

まだケーキの上に載ったままのサンタクロース人形を指差しながら、クロノは言う。そうそう、となのはは楽しそうに頷いた。確かに、人形のサンタは口周りをたっぷり白いおヒゲで囲んでいた。
それじゃあ、とここで突然、クロノが一つ提案する。僕からなのはに、プレゼントをあげよう。
プレゼント? それって――怪訝な表情を浮かべた少女の口が、疑問を漏らす前に塞がれる。退避する間もなく、彼の顔がそっと近付き、唇を重ね合わせてきた。

「……!?」

眼を見開いて驚くなのはだったが、重なった唇の隙間から、何故だか甘みを持ったクロノの舌が割り込んできた時には、彼の考えに気付き、素直に受け入れていた。
もう、しょうがないなぁ。内心困ったような、それでいてどこか嬉しい気分。要するに、彼は互いの口周りについた生クリームを、キスして取ろうと言うのだ。ただのキスではなくて、深くて濃い
大人のキスで。クロノくんのエッチ、と胸のうちで呟きながら、しっかり少女の腕は彼の背中に回される。
舌と舌が、絡み合う。複雑なダンスを踊るように。それ自体が一つの生き物のように。時折感じる甘さは、果たして本当に舐め取った生クリームだけによるものなのだろうか。

「ん……ふ、んぅ、ぷはっ……クロノくん」
「っはぁ……なのは」

わずかに吐息を漏らして、合間にお互いの名を呼び合い、すぐに深い深いキスへと二人は再び潜り込む。口周りについた生クリームが無くなっても、それは続いた。
ピチャピチャと、空気が入り混じって唾液が淫らな音を鳴らし始める。頭がとろけそうな甘さ。快感に溺れそうになる。
――そこで一旦、互いに唇を離す。あまり行き過ぎたら、閉店したとは言え、ここがまだ人目に触れる店内であることを忘れてしまいそうだった。
とは言え、唇が離れてもなお二人を繋ぐのは唾液、照明で輝く銀の糸。最後にもう一度だけ、啄ばむように顔を寄せ合って短いキスを交わす。生クリームはもう全部舐め取ったはずなのに、キスは
やっぱり、甘かった。

「――これが、クリスマスプレゼント?」
「あぁ……駄目?」

なのはは、少し物足りない様子。クロノの確認するような問いかけにも、はっきり頷いた。
ギュッと、愛する人の手を握って、彼女は言う。

「続き、お家に帰ったらしてくれる?」

クロノの答えは、もう決まっていた。

73F-2改:2010/12/25(土) 23:30:10 ID:I7FDPKxU
投下終了です。
あと申し訳ないのですが、投下前に行うべき注釈として
「拙作”踏み出す一歩は誰のために”の続編」
「Pixivにも私F-2改がT-2改の名義で投下してます。盗作等ではないのでご注意
ください」
以上二点を忘れていました。重ね重ね申し訳ありません。以後気をつけます。
それでは皆さんよいお年を。

74Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/12/26(日) 02:09:25 ID:pDThWrzU
>F-2改氏
ぐっじょぶ! ぐっじょぶ!! 甘い甘すぎる!
家に帰ったら帰ったで今度はなのちゃんが白くデコレーションされちゃうんですね!
クロノも中々やりおるのぉ……

少々タイミングが悪いかもですが、クリスマスSSを投下したいと思います。
10分後から始めたいですが、大丈夫ですかな?

75Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/12/26(日) 02:22:23 ID:pDThWrzU
10分経ったので投下します。

・微エロ
・ユーなの&ヴィヴィアイ&コロリオ&クロエミ&アリすず&イクスバ
・ヴィヴィアイは互いに呼び捨てですが仕様です

それでは始まります。

76それぞれの聖夜 1/3:2010/12/26(日) 02:22:54 ID:pDThWrzU
「はいあなた、あーん」
「あーん」
なのはが焼いた、クリスマスのホールケーキ。
六人で囲むテーブルなのに、その内半分がたった一人の腹へと収まっているように見えるのは、
ヴィヴィオの気のせいではあるまい。
「なのは、もうお腹いっぱいだよ」
「うにゃー、わたしのケーキが食べられないのー!? だったら口移ししちゃう!」
「ママ……」
ヴィヴィオとアインハルト、リオ、そしてコロナはシャンパンだが、なのはとユーノはワイン。
完全に酔っ払った幼女同然の一名は、物凄い絡み酒をしていた。
雪降るクリスマスの夜、六人が集まってこじんまりとしたパーティーを開いていた。
「あ、あの、いつもこの調子なのですか?」
「えーっと……今日はいつもより過激かな……」
まごまごしているアインハルトの肩にぽんと手を置き、ヴィヴィオが首を横に振る。
それは、全てを諦めた遠い目だった。彼女もそれで納得したらしく、神妙に頷いた。
「あははっ、あなた、だーいすき!」
そして押し倒した。非力な娘に両親を引き剥がすだけの腕力はない。
というか、そんなやる気すらとっくに消え失せていた。
だって、なのは以上にユーノが楽しそうだから。
「うふふ、にゃはは、あーなーたー。ふふっ、愛してるー」
「僕もだよ、なのは」
「ホントに? ホントのホントのホントに?」
「ホントのホントのホントにだよ。なのは以外に好きな女の子なんて、この世にはいないさ」
「ううっ、わたし、感激だよぉ…あなた、あなたーっ! 大大大大だいすきー!!」
いちゃいちゃが度を過ぎて服を脱がせ始めたら流石にご退場頂こうと決めて、
ヴィヴィオはローストチキンを切り分けてリオとコロナに差し出した。
「そういえば、こんなになったパパとママを見たのは初めてだっけ?」
「う、うん……ちょっとびっくりかも……ね、リオ」
「でも、凄く幸せそうだね、コロナ」
キラキラした光が、二人の間で煌き始めた。まさかと思う兆候に、慌ててアインハルトを振り向く。
そこには、ふるふる震えながら妄想に浸っている覇王がいた。
「ヴィヴィオに『あーん』……ヴィヴィオに口移し……ヴィヴィオと……うふふあははふふふふふ」

もうダメだ。

「アインハルト♪」
甘えた声で、呼びかける。それは、クリスマスだけの願い。
イチゴのケーキをフォークで柔らかく切って、アインハルトへと向ける。
「はい、あーん」
「……もう、ヴィヴィオったら」
なんだかんだ言って微笑みつつも、その口ではむ、とケーキを食べてくれた。
もきゅもきゅ口を動かして飲み込んで、最初に出てきた言葉は。
「美味しいです、ヴィヴィオ。また一段と上手になりましたね」
「えへへ、ありがとう♪ ……ね、アインハルトのも一口、ちょうだい?」
上目遣いにお願いしてみる。うるうるの瞳をアインハルトに直撃されると、恋人は顔を真っ赤にして「はい!」と意気込んだ。
いつもと同じ、どこかぎこちない手の動き。妄想と実際はやっぱり違うらしい。
たどたどしくケーキをフォークに刺している間、ヴィヴィオはニコニコ顔でアインハルトを見つめていた。
「で、では……あーん」
「あーん」
アインハルトが食べさせてくれるケーキ。それはきっと、この世で一番の幸せ。
クリームが口の中で溶けて、ぷちぷちと甘酸っぱいイチゴが弾けて、ふわふわのスポンジが柔らかくて、とっても美味しい。
「これでママがアレじゃなければ完璧なんだけどね……」

77それぞれの聖夜 2/3:2010/12/26(日) 02:23:59 ID:pDThWrzU
ヴィヴィオも半分手伝ったけど、クリームをデコレートする段階で「ダメ! わたしがパパのためにやるの!」と、
どう考えても園児並みの拒絶を受けたので仕方なく諦めた。
そこがなのはの可愛いところでもあって、ユーノが惚れたのも分かるのだが……
「何かもういいや。アインハルト、手、繋ご?」
「はいっ」

頭を切り替えて、いちゃいちゃモードに突入することにした。
まだまだ両親みたいには思い切れないけど、大好きなアインハルトと一緒にクリスマスを過ごすのは、
嬉しすぎて飛び上がりそうだった。
「リオ、あーん」
「あーん」
隣で、二人もすっかり自分たちの世界にのめり込んでいる。
料理を取ったり、口移ししてみたりと、ひたすら甘い空気に浸り続けていた。
「アインハルト、だーいすき!」
「私もですよ、ヴィヴィオ」
そして静かに、クリスマスパーティーの夜は更けていった。
その外では、真っ白な牡丹雪が音も立てずに降り積もっていった。

***

その頃、海鳴のハラオウン邸では、フェイトが玄関口で心底驚いていた。
海鳴にも雪が降っていて、景色を白く染めていた。
「お兄ちゃん! エイミィ姉さんも!? 出張じゃなかったの?」
「いや、急遽キャンセルにした。ありとあらゆる理由を思いつくのに、艦のメンバー全員で会議をしてね」
休暇をリンディとカレル、リエラと一緒に過ごすはずだったが、思いがけず兄夫婦が帰って来たのだ。
ニヤリと笑ったクロノ。その後ろを小突いたのは、すっかり背を追い抜かれたエイミィ。
後ろから抱きついて、うにうにとほっぺたを捏ね回す。
「いつの間にそんなに偉くなったのよ? ねぇ、クロノ艦長?」
「う、うるさい! 大体僕はもう二十も後半だぞ! いつまでも子供扱いしないでくれ!」
「いくつになっても、あたしより年下でしょ。生意気な子だね、えいっ」
ぽかんと見上げているカレルとリエラ。ようやく両親が帰ってきたことを実感すると、それぞれの胸に抱かれていた。
「クロノは羨ましいね。私も早く結婚したいなぁ」
でも、まだ仕事が忙しすぎる。もう少し落ち着いてからでないと、彼氏の一人でもできたところで会えそうにない。
そうこうしているうちに、エリオとキャロがルーテシアを連れて部屋に入ってきた。
「お世話になりますー!」
「お久しぶりです、クロノさん、エイミィさん」
「あの、これ、やっぱり私は場違いじゃないかしら……?」
ルーテシアが家族の空間にいる中、リンディがそっと寄ってきた。
そしてその手を優しく引いて、部屋の中へと誘う。
「せっかくのパーティーだもの、あなたも楽しみなさい。さ、料理もできてるから」
「……はい!」
元気よく返事をして、エリオとキャロを両腕で抱くルーテシア。
それを見ていたフェイトは微笑みながら、ぱたぱたとキッチンまで駆けていった。
その後……

「なーんでエリオはキャロとばっかりいちゃいちゃするのよぉ……私ともいちゃいちゃしなさいよぉ……
私はもう準備おっけーなんだからねぇ……」
「なのは、なのは、なのはぁ……お幸せにねええええええええええええええええ!
ユーノ、私と代わってええええええええええええええええええ」
女二人で壮絶に絡み合っていたフェイトとルーテシアだった。


バニングス家では、アリサがすずかを招いて、二人だけのクリスマスパーティーを開いていた。
すっかり大人になった二人はビンテージのワインを傾けて、ちびちびと飲む。
忍は恭也と一緒に香港へ旅行へ出ていた。
ノエルとファリンもタイミングよく休暇を取らせて、今すずかはアリサの部屋で半分同棲している。
「ねぇ、あたし達って他に過ごす相手いないのかしら……そりゃ確かに女二人ってのは気楽だし、
すずかと一緒にいるのは楽しいけどさ」
「楽しいなら、それだけでいいと思うよ? 私は充分幸せだし」
ぴとり。寄り添ったすずかの温かさに、アリサはドキリとする。

78それぞれの聖夜 3/3:2010/12/26(日) 02:24:31 ID:pDThWrzU
雪夜の空を見上げて「綺麗だね、月……アリサちゃんみたい」とクスクス笑うと、皿の上にあるイチゴを一つ取った。
「たまには、静かなクリスマスもいいじゃない?」
「……そうね。すずか、もう一回乾杯しましょ」
バカラグラスを高く掲げて、窓から細く差し込んでいる月明かりに映す。
チン、と高くなったグラスの中は、ワインがなみなみと注がれていた。


はやては例年にならって、あちこちに設置したカメラをぐりぐり回しながら、ビール片手に焼き鳥を摘まんでいた。
「いえーい残業最高やー! 残業バンザーイ!!
シグナムもシャマルもヴィータもザフィーラも全員早番やー! クリスマスなんて爆発してまえー!!
なのはちゃん、もっと責めていかんかい! ユーノ君は積極的やないんやで!?
おいクロノ君、男気見せや! ルーテシアもエリオ襲ってまえ、がははははー!!」
「はやてちゃん、明らかに仕事してないですぅ……」
書類は山になりとうに崩れ落ち、メールは受信しすぎてボックスがパンパンになっている。
空になった缶ビールだけが整然と並び、見事なピラミッドを作っていた。
「どうせ、始末書がもう一枚増えたところで大したことないんやで、リイン? せやからリインも飲め」
「ムチャクチャですぅ! ……んっ、ごくごく」
タレで汚れた手を蒸しタオルで拭き、どっちが合間なのか分からないスピードで端末のキーボードを叩き続ける。
風情なんてあったものではない。
窓は雪が見えないようにブラインドを下ろし、回線も全部切ってある。
これ以上、真夜中に仕事が舞い込むのはごめんだ。せめて、見えない場所に溜めていて欲しい。
「さぁ〜って、ウィー、ヒック……続きを片付けるで、リイン〜?」
辺りを見回しても、リインフォースIIがいない。
足元に目を落とすと、アルコールで目を回したユニゾンデバイスがくてんと寝ていた。
「あぁーやってもうたー、もうこんなんじゃ仕事でけへんなー。よっしゃお休みやお休み! 今日は飲んで飲んで飲みまくるでぇ!」
翌日、二日酔いで頭がガンガン鳴り響く中、始末書を書きつつ、文字通り山になった仕事を片付けるのだが、
それはまた別なお話。


そして聖王教会。
「えっと……あたし、どうしてリボンで縛られてるんですか?」
「私のクリスマスプレゼントです。頑張った自分へのご褒美です」
「ふえーん、やっぱりそのオチー!? っていうかそんな言葉どこで覚えたのぉ!?」
スバルは真っ赤なリボンに緊縛されていた。当然のように裸である。
しかも靴下だけは履いたまま。
最近、冥王の俗物化が激しい気がする。しかも縛る技術は上昇する一方である。
「じゅるり。いただきます」
「いただかないでぇー……ひゃぅんっ!」
完全に性夜となった部屋の向こう側で、呼ばれたのはいいものお茶を差し入れるべきかどうかと本気で悩んでいるセインがいた。
頭を抱えているうちに、冷気がゆっくりと紅茶を冷ましていった。

79Foolish Form ◆UEcU7qAhfM:2010/12/26(日) 02:25:31 ID:pDThWrzU
ぎゃふん。
それでは皆様、良いお年を。

80名無しさん@魔法少女:2010/12/26(日) 02:43:09 ID:U2RjlRIg
>>73
相変わらず良いクロなのを……!
この後はなのちゃんにホワイトクリスマスですよね、ええ

81名無しさん@魔法少女:2010/12/26(日) 13:32:16 ID:4addDmT2
>>79
なんなんだこのバカップル供は
いいぞもっとやれ


そして良いお年を

82名無しさん@魔法少女:2010/12/26(日) 16:06:18 ID:dFrXrDP6
なんちう投下ラッシュだ……感想付ける暇もねえぞ
職人の皆さんグッジョブ&乙
ラブラブSSは正義
ドロドロな話も(アルカディア氏的な意味で)もちろん正義

83名無しさん@魔法少女:2010/12/26(日) 17:24:36 ID:wNsrHkkI
>>79
ナイスバカッポーども
だが、アルフのことを忘れないでやってください…………

84名無しさん@魔法少女:2010/12/27(月) 20:47:57 ID:6czbHt7A
一気に読んだらニヤニヤが止まらねえw
クリスマス投下の職人様方、乙&GJっしたぁ!!

85ザ・シガー:2010/12/28(火) 21:48:25 ID:5vhojV6U
さて、クリスマスの甘い余韻も引いたと見える頃合を見計らって投下でもイキますか。

リンディさんの新規連載二話目、エロ、ガチエロ、獣とか、タイトル『リンディ・ハラオウンの華麗なる日常!』
獣と熟女がくんずほぐれつるのが嫌という方、ノーマルセックスしか嫌という方は固く目を閉じる事をお勧めします。
逆に普通のセックスに飽きたという方は大いにウェルカム。

86リンディ・ハラオウンの華麗なる日常!:2010/12/28(火) 21:48:58 ID:5vhojV6U
リンディ・ハラオウンの華麗なる日常! 第二話『火曜日:ベルカの守護獣、青い犬……じゃなかった、狼の獣姦劇場!!』



 リンディ・ハラオウンは憂鬱だった。
 なぜなら体が疼くのである。
 主に性的な意味で。
 先日ひょんな事から活きの良い童貞をつまみ食いしたのだが、久しぶりに味わった男の精が彼女の中に火を点けた。
 というわけでリンディの最近の悩みは、もっぱら子宮の疼きである。
 解消するにしても、以前食った童貞少年のそれでは正直味が薄すぎる。
 できれば濃密で深い味わいの男が欲しかった。
 ゆえに、その日彼女ははやてに連絡を入れた。


「こんいちははやてさん、お久しぶりね」

『あ、はいどうもリンディさん……あ、総務総括官殿ってお呼びした方が良かったですか?』

「ううん、良いのよ。今日はプライベートな理由で連絡したんだから」

『はぁ、それでどないな用なんですか?』

「その……ちょっとお願いがね」

『お願い?』

「ええ、良ければ、ザフィーラさんを少し貸してくれないかしら?」

『ザフィーラ?』


 はやては首を捻った。
 リンディが一体ザフィーラに何の用があるのだろうか、と。
 仕事ならともかく、先にプレイベートだと釘を刺されている。
 もしかしてザフィーラのモフモフした毛並みの事を彼女も知ったのだろうか。
 実を言うと、機動六課女性陣の間ではあの青い狼の体毛をモフるのが密かなブームになっていたりもする。
 女の子なら誰だってぬいぐるみや動物を抱きしめるのが好きなものだ。
 きっと、リンディもその手合いなのだろう。
 心中でそう自己完結したはやては、特に理由を問う事もなく二つ返事で頷いた。


『はい、別にええですよ』

「あらそう、助かるわ。ありがとうねはやてさん」


 その時、はやては気づかなかった。
 嬉しげに微笑むリンディの瞳の奥で、淫蕩な雌の獣染みた輝きが光っていた事に。





「あら、いらっしゃいザフィーラ」


 自宅に訪れたザフィーラに、リンディは満面の笑顔と朗らかな声で出迎えた。
 飾り気のないジーパンにセーターという格好はいかにも普段着だが、体のラインを浮き彫りにするその姿はどこか扇情的でもある。
 だが美女のそんな出迎えにも、人間姿の守護獣はいつもと変わらぬむっつり顔で挨拶をした。


「お邪魔します、ハラオウン総括官殿」

「あら、そんなに畏まらなくても良いのよ。今はプライベートなんだから、リンディって呼んでちょうだい」
 
「わかりました、リンディ殿」


 相変わらず堅苦しいしゃべり方をする守護獣に苦笑しつつ、リンディは彼を家に招き入れる。
 そのまま居間へと向かう二人。

87リンディ・ハラオウンの華麗なる日常!:2010/12/28(火) 21:49:55 ID:5vhojV6U
 ソファに座るよう薦められるや、ザフィーラはもてなしのコーヒーが出される前に用件を切り出した。


「それで、本日は私にどのような御用がおありで?」

「あら、せっかちですね」

「主もお聞きするのを忘れたと申しておりましたし。私自身も少しばかり気になっております」

「ふふ、なら……さっそく用件に入りましょうか」


 実直なザフィーラをどこか物欲しそうな目で見つめながら、リンディはすっと立ち上がる。
 口元には、艶やかな微笑。
 彼女の手が動く。
 ゆるりと流れるその動きの先を守護獣の目が追えば、指はそのまま服を剥いだ。
 ザフィーラが驚愕の声を出す間もなく晒される豊かな乳房。
 なんとリンディは、セーターの下になにも着ていなかった。
 白く美しい胸を晒しつつ、美女は微笑み、こう告げた。


「あなたに、私の相手をして欲しいの。もちろん……そういう意味でね」


 淫らな期待に濡れた瞳が、嫣然たる微笑を飾る。
 漂う雌の香りに、ザフィーラはようやく彼女の求めるものを理解した。


「……あなたがそのような方だとは、想像もできませんでした」

「私だって女ですもの、時には体の疼きを抑えられない時もあるわ。それで、どうかしらザフィーラさん? して、くれる?」

「……」
 

 目を瞑り、しばし黙考するザフィーラ。
 闇の書事件で受けた恩義もある、何より家族間での交流もある。
 ここで彼女の望み無碍にするのは、いささか気が引けた。


「分かりました、私でよろしければ」

「まあ、本当?」

「ええ、男に二言はありません」

「嬉しい事を言ってくれるわね……じゃあ、一つお願いして良いかしら」

「なんでしょう」
 

 ザフィーラの問いに笑みを深め、リンディは彼の元に近づく。
 艶やかな微笑を作る薔薇色の唇は、守護獣の耳元にそっと囁いた。


「……そんな事をご所望ですか」


 美女の求める変態的な欲望に、彼は呆れの声を漏らした。
 彼女の求めた行為とはすなわち――獣姦だった。





「んぅ……ああ、そこ……きゃふぅ!」


 リンディの寝室で、部屋の主たる美女の色欲に乱れる嬌声が響く。
 ベッドのシーツの上に寝そべる肢体は裸身。
 邪魔な衣服の一切を脱ぎ捨てた美女の熟れた肢体が、惜しげもなく白くきめ細かい肌を晒している。
 豊かに実ったバスト、程々に肉を乗せながらくびれたウエスト、肉厚のヒップ。
 白いシーツの上に千々と乱れるエメラルドの髪からは、人を惑わす熟した果実の香り。
 蕩けた眼差しには男を狂わす淫靡なる光。
 普段の理知的な管理局員としての仮面を脱ぎ去った、リンディ・ハラオウンの女としての顔だった。
 そして、そんな彼女を床の上で喘がせる存在。
 それは……大きな獣だった。
 青い体毛をした狼、ザフィーラである。

88リンディ・ハラオウンの華麗なる日常!:2010/12/28(火) 21:50:58 ID:5vhojV6U
 ザフィーラはリンディの股ぐらに顔を埋め、その長い舌で彼女の秘所を愛撫していた。


「は、ああああ! もっと! もっと強くぅ!」


 シーツを掴みながら身をよじり、鼻にかかった喘ぎ声を上げて浅ましく快楽を乞う美女。
 その言葉に答えるように、ザフィーラは愛蜜でしとどに濡れた彼女の秘所を一層強く愛撫した。
 クリトリスがこそげるかと思うほど強く舐め上げ、陰唇を強引にこじ開けて膣に舌を捻じ込む。
 濡れた舌が愛液を溢れさせた秘所に絡む度、粘着質でいやらしい水音が篭った部屋の中に響き渡る。
 リンディの漏らす甘く熱い吐息、狼の舌が女を責める湿った音、混ざり合ったそれらの音色は聞いただけで淫心をそそられるような音だ。
 人間の舌では不可能な長く自在に動く犬の舌は、色事に慣れた熟女でさえ悶えさせる愛撫を行う。
 徐々に快楽の度合いが深まり、その先の頂が見えてくる。
 そして深く蜜壷に舌が侵入し、膣壁を擦り上げられた刹那、それは訪れた。
 

「ふぅ、はぁぁ……そろそろ、イっちゃうぅ!」


 艶やかに濡れた叫びと共に、絶頂に達したリンディの肉付きの良い肢体がベッドの上で跳ねた。
 痙攣する汗の雫光る裸身、震える律動の度にその秘所からはとろとろとした蜜が溢れ、濃密な雌の香りを充満させて行く。
 ザフィーラはのっそりと、白くむっちりとした肉付きの太腿の間から顔を上げた。
 守護獣を見下ろすリンディの眼差しと、彼の視線が合う。
 一度の絶頂程度では満足せぬ熟女は、なお物欲しそうな淫靡なる瞳で狼を見つめた。
 やはり、と内心では思いつつ、ザフィーラはわずかに体勢を変えた。
 そうすればどうだろう、守護獣の股の間に、凄まじい凶器が脈打っていた。


「……すご、い」


 数多の肉棒を味わった淫乱たる熟女であるが、目の前の狼のそれはあまりに規格外だった。
 赤く黒い肉の塊は、全長約五十センチ前後はあろうか。
 太さときたら子供の腕ほどあり、あちこちでびくびくと蠢く血管の様ときたらグロテスク極まりない。
 だが、今のリンディからすれば最高級のご馳走に他ならなかった。
 絶頂の余韻で震える体を起こすと、熟女はそのまま姿勢を変える。
 相手の獣と同じように四つんばいになり、そのたっぷりと肉を乗せた尻を突き出し、しとどに濡れた雌穴を恥じらいもなく晒す。
 そして、乞うた。


「さ、きて? その凄いので、私のことメチャクチャにしてちょうだい」


 まるで発情期の雌犬のような格好で尻を振り、淫らな香りを漂わせる蜜壷に守護獣を誘うリンディ。
 色欲に蕩けきったその目は、もはや獣との交合しか考えていまい。
 ならば自分は、その欲求に応えるのみ。
 ザフィーラはのっそりと動き、彼女に覆いかぶさるように圧し掛かった。
 白い肌の背中に触れる獣の体毛が一瞬こそばゆさを感じるが、だが次いで秘所に触れた肉棒の熱さがそれを掻き消す。
 くちゅりと音を立て、触れ合う互いの性器。
 期待と不安が入り混じり、だが次の瞬間……。


「ひぃぎあああああああ!!」


 肉の凶器が雌を貫いた。
 あまりにも桁外れの剛直が、一片の容赦なくリンディの蜜壷を穿つ。
 事前に愛撫でほぐされていたとはいえ、サイズが並外れている肉棒は膣壁を限界まで広げていた。
 苦痛と圧迫感が美女の肉体を駆け巡るが……その中には快楽が入り混じっていた。
 普通の人間ではありえない規格外の男根、それがもたらす圧倒的な充足。

89リンディ・ハラオウンの華麗なる日常!:2010/12/28(火) 21:51:28 ID:5vhojV6U
 入り口から子宮口までを力ずくでこじ開けられるような感覚に、リンディは目も眩むような快楽に飲み込まれる。
 

「ああぁぁ……ほん、とうにすごいわぁ……こんなぁ……ねえ、動いて! もっともっと、わたしのことメチャクチャにしてぇ!」


 恍惚とした表情で口元に唾液の筋を垂らしながら、甘えた声で乱れる美女。
 浅ましく腰を振り、太すぎる剛直を刺激する様はもはや盛った雌犬そのものだ。
 狼は、その言葉に体で応える。


「ほひぃいいいい!!!」


 裏返ったリンディの喘ぎ声。
 凄まじいサイズに肉棒が獣の剛力で突き出され、子宮を抉った。
 狼の巨躯が持つ体重を、丸ごと子宮に叩きつけるような衝撃。
 リンディはあまりの快楽に目を白黒させ、だらしなく舌を出して喘ぎ狂った。
 ザフィーラの体躯が前後する。
 規格外の剛直が挿入を繰り返す。
 肉の穴が肉の棒で抉られる。
 鳴く。
 喚く。
 イく。
 獣の腰が女の腰を打ち、まるで打擲を繰り返すような音を立てた。
 そこにリンディの悲鳴染みた嬌声が混じれば、ほとんど獣同士の交尾の様だ。
 いや、彼女は今正に単なる淫欲に狂った獣なのかもしれない。
 次第にザフィーラの動きは速く、激しくなり、その喘ぎをより淫らに狂わせていく。
 そしていよいよ、狂乱にフィナーレが訪れた。


「あぅぐ! な、なにこれぇ……おなかの、中で……ふくらんでるぅ!?」 


 言葉通り、彼女の中で陰茎の根元が広がり始めた。
 亀頭球と呼ばれるものだ。
 雌の膣内で膨らみ、精子が漏れぬように栓をする犬科の器官である。
 ザフィーラの肉棒は準備を整えると、ついに射精を開始した。


「んはあああああああああ!!!」


 絶叫を上げて達するリンディ。
 体内に吐き出される大量の精液の熱と勢いに、正気が消し飛ぶのではないかと思えるほどの快楽が脳を焼く。
 すると、おもむろにザフィーラが体の位置を変えた。
 ぐるりと反転し、リンディと尻を付き合わせたような格好をする。
 ここからが、犬科生物の交尾の本番だ。


「いぎぃ、ああああああ! あちゅいぃ! あっついの、でてる! でちゃってるううう! わたしの、なか……ひぃうあぁ、おおかみせいしでてるぅ!!!」


 脈打つ鼓動のリズムで体内に満ちていく子種。
 その大量の熱と精に喘ぎ絶頂する雌。
 犬科の動物はこの状態で何分も射精を行うのだ。
 しかも、ザフィーラはその中でも屈強極まるベルカの守護獣である。
 出す量も時間もそこいらのただの獣とはレベルが違う。
 膣だけでは収まらず、子宮口をこじ開けて子宮に満ちる精液の奔流。
 いつしかリンディの下腹部は子を身ごもった時のように膨らみ始めた。
 子宮を強制的に膨らませられる感覚に、リンディは幾度となく連続で絶頂を迎える。


「うはぁああ! イ、ぐぅぅ! イっちゃってるのぉぉ! おおかみせいしでイきまくっちゃううぅぅぅううう!!!」


 裏返った悲鳴を上げながら、快楽に乱れる雌。
 リンディはエメラルド色の髪を振り乱し、輝く汗の雫を散らして悶え続けた。
 普通の女ならば圧迫感と快楽の前に気絶してもおかしくはないだろうが、彼女ほどの淫乱ともなればこれくらいが適量だ。
 乱れに乱れ、よがり続ける熟女。
 一体どれくらいその狂宴が続いただろうか。
 何度も何度も肉棒が震えて精液を注ぎ込み、リンディの腹を膨らませる。
 そして、ようやく終わりを告げた。
 亀頭球のコブが徐々に小さくなり、萎えかけた陰茎がずるりと引き抜かれる。
 連続絶頂の果てに痙攣するリンディの体は、どさりとベッドの上に倒れた。
 ごぷごぷと膣から泡を立てて溢れ出す精液。
 漂う性臭は、もはや人同士の交わりではありえぬものだ。
 さすがにそろそろ、この交合の時間も終わりだろうか。
 ザフィーラはそう思い、身を引こうとした。


「ッ!?」


 その瞬間、するりと伸びた白い指が、萎えかけた獣の陰茎を握った。
 腕の先、美女は恍惚とした淫魔の笑みを浮かべ、守護獣を見据える。


「まだまだ、終わりじゃないでしょ?」


 そして、宴はまだ終わらない。
 狂宴は続き、寝所に雌の上げる喘ぎと叫びが響き続けた。


続く。

90ザ・シガー:2010/12/28(火) 21:53:29 ID:5vhojV6U
さあて投下終了。
前述通り、今回は狗の回。
次回は触手か実子夫妻かで検討中だったりたり。


あと出来れば年内に鉄拳とか更新したくもあるんだ、エロ創作の欲望に打ち勝てれば。

91名無しさん@魔法少女:2010/12/28(火) 22:12:14 ID:zuorgYNA
純愛から触手、男の娘に獣姦となんでもこなす
シガーさん 面白かったです
シュトラの覇王 イングヴァルト ゆりかごの聖王 オリヴィエ ガレアの冥王 イクスヴェリア

そしてエロパロの鬼畜王 ザ・シガー 次回も楽しみです

92名無しさん@魔法少女:2010/12/28(火) 22:51:30 ID:lnVCwgkA
GJ
エロでいいじゃない シガーだもの

93名無しさん@魔法少女:2010/12/28(火) 23:33:09 ID:VWRayj72
GJGJ!
獣姦は好物です、アナルの次くらいに

94名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 00:29:13 ID:xG3DL732
シガー師のエロさには脱帽でゴザルよ

95名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 00:57:52 ID:u2xSX17A
>>91
シュトラがシュラト見えたw

すいません、ちょっと「俺、浣腸!」されてきます

96名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 16:54:59 ID:hFoDttsg


コミケ・・・・コミケしんどいっス

さんざん待った挙げ句リリカルなのはブース売り切れとかで

97名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 16:59:15 ID:hFoDttsg

あ、会場で藤真拓哉さんのサインもらいました!

98名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 17:22:24 ID:bH7.fSOk
それはエロパロで書き込まなければいけない事でもないだろjk……


ここは獣姦セックスについて話す流れじゃなイカ?
例えばキャロは既にフリードのドラゴンチンポの虜とかな!

99名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 17:27:21 ID:oen1sSV2
獣姦……妊娠の危険性の無い生バイブ扱いされているザフィーラ……とか?

ところでユーノのフェレットを例に取れば簡単ですが、リリカルの変身魔法は外見、サイズ、質量を完全に変更することが可能な代物です。
エロのために『男性器の巨大化・凶悪化』とか、数の変更とか、そっち方面に進化していたりしませんかね。

100名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 18:36:39 ID:hFoDttsg


ユーノきゅんの股間から二匹のフェレットという話も無いではない、と・・・・?

101名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 19:09:05 ID:cz1FTctA
変身魔法については
・「まったく別の誰かになる」のは犯罪になると無印の小説で書いてあった気がする。
無印のアルフは地球に潜伏時、人に会う必要があるときは地球人の成人女性の姿に変身して対応していた。
・でも、vividではヴィヴィオやアインハルトはともかく、リオまで公然と大人変身している。
・適当に解釈すれば、居合道の真剣の所持やクレー射撃の銃器所持のように、「特定の状況でのみ使用が許可されている」のかも。
・ついでに結構簡単そう。ただし、リオもヴィヴィオなんかと同じ魔法資質に優れた「天才」の可能性があるので一概には言えない。
描写からするとこのくらい?

個人的には文化がエロ方面に特化するのは当然と思うので、変身魔法の合法・非合法問わずエロ方面の研究は進んでいると思う。
相手の膣内を魔法で測定→それに最適なちんこの長さ・太さ・硬さを即座に判別して変身させるという一連の流れをプログラム化したデバイスとか。
人間が「壊れない」ように性器を適当な大きさに調節したプログラムの獣姦用変身デバイスとか。
男→女や女→男に変身させたり、フタナリに変身することが可能なデバイスとか。
完全に異形化して触手プレイ可能になるプログラム入りのデバイスとか。
もちろん、魔導師しか使えないけど。

変身が合法なら、変身魔法に長けた超エリート魔導師が、逆にソープ嬢として引く手数多な高給取りだったり。
非合法なら、アンダーグラウンドでマフィアが魔導師を雇って資金源にしていたり。
あと、SFのお約束として、有名アイドルや管理局の女性エースなんかに変身して売春する非合法娼婦がいたり。
フェイトが犯罪組織にガサ入れで踏み込んだらなのはさんの姿の娼婦がヒャッハー!していたり。

102名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 19:34:40 ID:TSQfO9U.
擬似獣姦プレイのため首輪型デバイスを着けられて変身するも
身体感覚の違いから歩くこともままならず、その流れのままままオモチャにされて逆レイプ状態
という電波を受信した。


俺が犯られたいわそんなん!!!!!

103名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 20:07:35 ID:o.hwZVeY
ってことは下半身だけ馬に変身したケンタウルスプレイや
下半身が魚の人魚産卵プレイなんかも可能なわけか

104名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 23:05:27 ID:Y2rPxFyQ
>>98
どっかで見た程度でソースは出せないんだが、フリードって雌らしいぜ?

105名無しさん@魔法少女:2010/12/29(水) 23:42:53 ID:tYY6ryag
>>104
男性陣を超絶名器なフリード(幼女)に寝取られるヒロイン達…とか、どうよ

106名無しさん@魔法少女:2010/12/30(木) 00:14:04 ID:ODE5ZHVY
変身魔法か・・・
そういえば、少年に変身するザフィーラの話があったよな・・・
少年ザフィ×ヴィータ・・・いける!

107名無しさん@魔法少女:2010/12/30(木) 00:38:27 ID:WuuL38Xo
シグナム「ついに手に入れたぞ、男根生成の変身用デバイス…ミッド式ばかりで古代ベルカ式など市場に出回らないからな。これでテスタロッサを…」
なのは「それは私たちがすでに10年前に通過した道なの」
はやて「今フェイトちゃんが一番感じるのは触手二穴攻めやで」
シグナム「憎い!古代ベルカ式しか使えぬ自分が憎い!安易に手に入るミッド式HENTAIデバイスを生み出したミッドのHENTAI文化が憎い!」

108ザ・シガー:2010/12/30(木) 00:52:32 ID:rBC9YlQg
>>91
ちょwww 俺いちおう純愛とかも書くよ!? 鬼畜だけじゃないよ!?www


というわけでちょっとそれを証明する。
連続で悪いが投下いきますよ。
連載もの、非エロ、ノーヴェ、オリキャラ、タイトル『ノーヴェの純愛奮闘記』
今回はノーヴェちゃんが怒ったり泣いたりします。

109ノーヴェの純愛奮闘記 断罪の後聖夜:2010/12/30(木) 00:53:27 ID:rBC9YlQg
ノーヴェの純愛奮闘記 断罪の後聖夜



 青年の頬を緊張の汗が流れる。
 飲食店特有のざわめきと食器の立てる硬質な音の中で、一箇所だけ空気が張り詰めていた。
 時刻は昼時、場所はクラナガン市街のレストラン。
 昼食時の混雑する店内で、向かい合うように整えられた二人用の席に彼らは腰掛けていた。


「その……怒って、る?」


 そう問うたのは青年だ。
 落ち着いたブラウンの髪に、端正な顔立ち、身に纏うのは普段着ている陸士隊制服ではなく清潔感ある私服。
 その彼の目の前には、恋人たる少女の姿がある。


「……」


 無言で目を細めるのは、青年と恋仲にある戦闘機人にして乙女、ノーヴェ・ナカジマだった。
 目にも鮮やかな赤毛、小柄だがメリハリを持ちなおかつ引き締まった肢体、金色の綺麗な瞳。
 そんな彼女を包むのは、普段の活動的な性格からは考えられないスカート姿の、いかにもデート用に揃えたという服装だ。
 だが、しかし。
 今のノーヴェの眼差しは、とてもデートに来た乙女のものではなかった。


「……」


 無言と共に投げかけられる視線の温度は、極寒。
 普段彼に見せる、恥じらいの混じった愛おしさなど影も形もない。
 あるのは心の芯まで凍て付きそうな寒さ。
 冬の雪原の中で獲物を冷酷に見据える野生の狼そのものである。
 青年は、愛する恋人のそんな眼差しを正面から受けて、静かに耐えた。
 生物的な本能から背筋には冷や汗と共に鳥肌が立っているが、関係ない。
 今は耐える時であり、そして謝罪するべき時なのだ。
 

「えっと、その……ごめんね。俺も色々あってさ、いや、あれは不本意っていうか、あ違うか、そうじゃなくてその……本当にごめんね」


 歯切れの悪い言葉で重ねる言葉。
 告げられる謝罪は、果たして何度目だっただろうか。
 青年も数など数えていないが、おそらく既に二桁は優に超えているだろう。
 愛すべき青年の告げるそれらの言葉を受け、しかしノーヴェは眉一つ動かさない。
 漂う空気どころか、表情さえも凍り付いていた。
 凍て付く眼差し、その奥に秘められた燃え滾る激情が青年を貫くように見据える。
 そして少女の瑞々しい唇から、静かに言葉が紡がれた。


「じゃあ、もう一回最初から聞くけどさ」

「う、うん……」

「この前のクリスマス、あたしと約束があったのに破ったのは急な出動があったから?」

「……うん」

「その仕事が長引いたのは同じ部隊の人が負傷して、その付き添いで病院まで行ったから?」

「……うん」

「で、その人は女の人だった?」

「……」

「あたしとの約束すっぽかして、一晩中他の女の人とおしゃべりしてた?」

「……」

「ねえ、楽しかった?」

「……」


 疑問符と共に身も凍るような憎悪を纏う少女の言葉に、青年は二の句が繋げなかった。
 そう、全てはノーヴェの言葉通りである。
 随分と前から二人はクリスマスにデートをする約束をしていたのだが、それは無常にも陸士レスキュー部隊の緊急出動という悲劇によって阻まれた。
 しかも、である。
 その時の出動で、青年は負傷した同僚の女性陸士隊員の搬送に付き合ったのだ。
 怪我自体は決して命に別状のあるものではなかった。
 いや、むしろそれこそが悲劇だったのかもしれない。
 デートを約束したノーヴェの事もあったが、傷を負い、一人夜を明かさねばならない同僚もいる。
 どちらを取るか、青年は迷った。
 だがデートならまた今度の機会に回せるし、その時にいつも以上に優しくしてあげれば許してくれるのではないか。
 熟考の上、彼はそう判断した。
 その日は行けぬという旨を綴ったメールを携帯端末に送り、青年は同僚に一晩中付き添った。
 だが彼は自分の携帯端末を一度確認すべきだった。
 その時、彼の端末にはこのような文字が返ってきていたのだから。

 曰く――送信できませんでした、と。
 
 そしてその晩がホワイトクリスマスな事もさらなる悲劇を招いた。

110ノーヴェの純愛奮闘記 断罪の後聖夜:2010/12/30(木) 00:55:10 ID:rBC9YlQg
 デートの待ち合わせ場所でノーヴェは、晴れと告げた天気予報を信じて傘も差さずに立っていたのだから。
 冬の寒空の下、降り行く雪を身に受けながら、少女は恋人を待ち続けた。
 純粋な厚意や、またはノーヴェの容姿に下心を覚えた者達が何度も声を掛けて来たが、彼女はその悉くを拒絶した。
 肌を刺すような寒さを耐え忍び、ノーヴェはひたすら愛する男を待ち続けた。
 さながら某世界の忠犬が如き健気さである。
 しかし、待てども待てども、彼は来なかった。
 午後六時の待ち合わせ時間を遥かに過ぎ、結局ノーヴェがびしょ濡れで家に帰ったのは夜中の二時だった。
 さて、以上の事があり、現状は混迷を極めるものとなる。
 クリスマスの埋め合わせとして二人は今日デートする事になったのだが、無論そうなればあの日に何があったか説明する義務が発生する。
 最初こそ理性で感情を抑えて彼の謝罪と説明を聞いていたノーヴェだが、当日病院で共に夜を過ごした相手が女性と知るや……切れた。
 主に堪忍袋の緒、的な意味で。
 怒ったノーヴェは恐ろしい。
 普段は不機嫌そうにしつつも、その実彼女のそれは単なる虚勢であったり、照れ隠しだ。
 真の意味での怒りではない。
 ノーヴェが本当に怒った時、そこに激情はないのだ。
 あるのは……極寒の凍気。
 表面的に見える感情の揺らぎは皆無でありながら、瞳の奥には地獄の業火。
 さながら存在自体が人を責める罰のような様と化す。
 青年は、心の底から罪悪感を感じた。
 普段は照れて恥らいながらも甘えん坊な彼女が、こんなにも凍て付いた怒りに身を染めるとは。
 全ては自分のまいた種だった。


「あのさ、ノーヴェ……その……」


 言葉を探す。
 何か彼女を慰める言葉はないか、何か彼女に投げかけられる謝罪の言葉はないか。
 いつもはノーヴェを少しからかったりしている彼だが、この日ばかりは軽口や冗談を出せる空気ではない。
 青年が言葉に迷う中、ふと、少女の顔が俯く。
 そして次の瞬間出たのは、想像もしていなかった言葉だった。


「……ごめん、なさい」 


 と。
 ノーヴェの震える唇が、静かに言葉を紡いだ。
 理解できない。
 何故怒っているノーヴェがそう言うのか。
 青年は呆けたような顔で問い返す。


「な、なんでノーヴェが謝るんだよ。悪いのは俺で……」

「違う」


 静かだが、断固たる意思を持つ言葉が遮る。
 そしてさらなる言葉が連なる。


「ごめん」


 顔を上げたノーヴェは、冷たい怒りの中に寂しさを溶かしたような、切ない目で彼を見た。


「デートに来れなかった理由も、メール届かなかったのも、あたし以外の女の人と一緒だったのも……全部悪くないって分かってる……偶然で、どうしようもない事だったって……でもさ」


 つぅ、と、少女の白い頬を一筋の雫が伝う。
 呟くような声音が、告げられる。


「でも……それでも、許せないとか、怒っちゃうのとか……止められない……こんなのダメだよね。あたし彼女なのに、信じてあげなきゃいけないのに……」


 青年は絶句した。
 ノーヴェの怒りは本物である。
 だがその中で、冷静に物事を判断できる彼女の理性は己の怒りすら恐れていた。
 言葉の裏にある感情を青年は理解した。
 それは恐怖だ。
 彼女は恐れている。
 制御しきれない怒りを発露し、それで自分に嫌われてしまう事を。
 それを理解した瞬間、胸が締め付けられた。
 こんな良い子に愛された事に、そして自分には彼女を幸せにする義務がある事にだ。


「……ぁ」


 少女の唇から漏れた、声にもならぬ呟きが漏れる。
 いつの間にか、テーブルの上に置かれていたノーヴェの手に彼の手が重なっていた。
 温もりが伝わり、ギュッと握られる。
 視線を上げれば、熱意と愛情を孕む彼の眼差しが金色の瞳を捉えた。


「ノーヴェは悪くないよ。悪いのは、全部俺だから」 

「……あたしのこと、嫌いになったりしてない?」

「するわけないだろ。絶対にない」


 そっと手が伸びる。

111ノーヴェの純愛奮闘記 断罪の後聖夜:2010/12/30(木) 00:55:42 ID:rBC9YlQg
 大きく温かい彼の手が、少女の頬を濡らす雫を優しく拭った。
 今まで極寒の凍気を以って怒りに染まっていた眼差しが、いつもの恥じらいと愛しさを孕んだものへ変わる。
 そして、乙女はこくんと頷いた。


「うん……わかった」 

「許してくれる?」

「……」


 もう一度こくんと頷き、ノーヴェは彼を許した。
 そして顔を上げ、どこか物欲しそうな眼差しを向ける。
 

「じゃあ……条件」

「なに? なんでも聞くよ。ノーヴェが許してくれるなら」

「……本当に? 嘘つかない?」

「俺はノーヴェに絶対に嘘なんてつかないよ」

「……」


 青年の真摯な眼差しと言葉を、乙女は上目遣いで図るように、じぃ、と見つめる。
 しばし黙考を続けた後、ノーヴェの桜色の唇は、静かに開かれ……爆弾を投げつけた。


「じゃあ――今からうちに行ってお父さんに挨拶してもらおっかな」

「え、ちょッ!?」


 突然の事に驚き、彼は思わずイスを揺らして仰け反った。
 家に行って親に挨拶。
 すなわち、つまり……そういう意味で。
 いきなり恋人にこんな事を乞われて驚かぬ男などいない。
 そういう挨拶には相応の手順や間というものがあるのだ。
 戸惑う青年。
 だが、ノーヴェはそんな彼の姿をじっと見つめると、破顔した。


「ふふ、嘘だよ。いきなりそんな事したらみんな驚いちゃうし……あたしだってまだ心の準備できてないし」


 まるで悪戯が成功した子供のように、ノーヴェは微笑した。
 普段からかわれている分の意趣返しという意味もあっただろう、少女の笑みは嬉しげだ。
 そこにはもう、先ほどの怒りも切なさもない。
 愛する乙女のちょっとした悪戯心に、青年は自分がからかわれた事も忘れたかのように、つられて笑みを浮かべた。
 これでおあいこ、という事なのだろう。
 この世の誰より大好きな少女を泣かせた対価としては軽すぎるくらいだ。
 

「ありがとう、ノーヴェ」

「べ、別に……お礼言われるほどのことじゃないよ」

「そういうところも含めて、ありがとうだよ。それじゃあ、そろそろ注文する?」

「あ、うん……そうだね」

「今日は俺のおごりだから、好きなだけ食べていいよ」

「いつもおごられてる気がするけど……」

「そうだな。でも言いたかったから」

「……そ、そっか」


 少女は恥じらいと嬉しさを、青年は愛おしさと優しさを以って、場には和やかな空気が満ちた。
 その後二人は丸一日たっぷりとデートを楽しみ、幸せな時間を満喫した事は言うまでもない。



 しかし。
 余談ではあるが、その晩も二人の間にアッチのほうの進展はなかったそうだ。
 歯がゆき事は純愛すぎる男女関係に他ならぬなり。



続く。

112ザ・シガー:2010/12/30(木) 00:56:45 ID:rBC9YlQg
投下終了。
これで自分が鬼畜でないと分かったであろう。



しかしあれですね、うん……女の子を泣かしたりする話はゾクゾクするね!(正に鬼畜

113 ◆6BmcNJgox2:2010/12/31(金) 18:15:49 ID:3PkjI5To
凄い久しぶりなんですけど、年末年始とは何の関係も無い内容の短編を一本書きたいと思います。

・欝
・微エロ
・ユーノ主役

114ユーノ ストリップ劇場へ行くでござるの巻 ◆6BmcNJgox2:2010/12/31(金) 18:17:44 ID:3PkjI5To
 無限書庫司書長ユーノ=スクライアには幼き頃からの密かな夢があった。
それはストリップ劇場に行く事である。ストリップ劇場は女性の踊り子が衣服を脱ぎながら踊る
との事だが、ユーノにはそれが一体如何程の物なのか子供の頃からずっと気になっていた。
無論子供の時点ではそんな物を見に行けるはずが無い。

 しかし今は違う。ユーノも立派な大人である。故に意を決してストリップ劇場へ足を運ぶ
決意を固めていたのであった。

 だが問題が無いわけでも無いのも事実。何しろストリップ劇場である。もしもそういう所に
足を運んでいると言う事が知人に知れたりしよう物ならばユーノは確実に笑い者にされてしまうだろう。
クロノならば絶対面白がって周囲に言いふらす。そんな事になればユーノは破滅だ。

 故にユーノは知人に知られない様に注意深くストリップ劇場へ向かい、チケットを購入して入場するのだった。

 やっと劇場内の席に座って後はショーが開始されるのを待つだけ…と思いきや、ここで案の定ユーノは
知人に見付かってしまうのである。しかも相手は女性。男の知人に知られるならともかく、女性とあっては
確実にユーノはスケベ男認定は必至である。だが…ここから少し違っていた。

 そもそもその女性は一体何処にいて、何処からユーノの存在を知ったのかと言うと…
それは舞台の上。何と『彼女』はストリップ劇場のストリップダンサーになっていたのだった。

 これはユーノにとって大ショックだった。ユーノにとって幼馴染でもある友人の『彼女』が
まさかこんな所でストリップダンサーをしているなんて…何か悪い夢であって欲しかった。

 『彼女』は幼少の時点で既に優れた魔導師の才を発揮していた。それは『彼女』に直接
魔法を教えたユーノが一番良く分かっている。ユーノでも使いこなせなかった強力なデバイスを
使いこなし、強力な魔法を次々にマスターするのみならず、世界の存亡に関わる様な大きな事件の
解決にも貢献した彼女の姿にユーノも嫉妬どころかむしろ興奮していた。

「彼女はきっと歴史に残る大魔導師になる!」

 ユーノはそう確信していた。これは確実に歴史に名を残せるレベルの逸材だと。

 その後ユーノ本人は魔導師としてでは無く、司書としての道に進む事になったのだが、
『彼女』はますます魔導師としての腕に磨きをかけ、エリート街道まっしぐら…と思っていたと言うのに…
現実は非情。一体何処で道を間違ったのか、『彼女』はストリップダンサーになってしまっていた。

 ユーノが『彼女』の顔を見間違えるはずが無い。しかも『彼女』の首には昔ユーノが送った
デバイスがアクセサリーとして下げられている。これは他人の空似でも何でも無く間違い無く彼女だ。

「クロノ…キミの言った事は正しかった。やっぱりこの世界はこんなはずじゃない事ばかりだよ…。」

 ユーノは泣いた。『彼女』が鼻息を荒くさせている大勢の男達の前で衣装を一枚一枚脱ぎ下ろし、
豊満に育った乳房を揺らしながら卑猥な踊りを披露していく姿にユーノは涙するしか無かった。

 一体彼女に何があったのか、ユーノはそれが知りたかった。あんなに凄い魔導師だった『彼女』が
何故こんな所でストリップダンサーをやっているのか…

 『彼女』も客席にユーノがいる事に気付いているだろう。しかし、動揺する素振りを見せる事無く
平然と卑猥なポーズを取り、音楽に合わせ踊り続ける。時には舞台に観客を上げて乳房を揉ませる
なんて事もやっていた。その様がユーノには自分自身が刃で切り裂かれるかの様に苦しかった。

 確実に歴史に名を残す事が出来る程の優秀な魔導師になると信じていた『彼女』が
ストリップダンサーとなってその肢体を男達に対し見世物にしていた。その余りにも非情すぎる
現実にユーノはショーが終わるまで…いや終わった後もしばらくの間涙を流し続けていた。

「一体何があったんだ? 何かあるなら…せめて僕に相談位して欲しかった…。」

 後で『彼女』の楽屋を訪ねてみる事も一度は考えたが、結局ユーノはそうする事無く
ストリップ劇場を後にした。

 『彼女』はその後もストリップダンサーとしてその美し肌を人目に晒し、豊満な乳房を揺らして淫らに踊り続ける。

 END

115 ◆6BmcNJgox2:2010/12/31(金) 18:21:03 ID:3PkjI5To
高校時代の先生が「昔はストリップ劇場に行くのが男としてのステータスだった」とか言ってました。
でも自分はそういう所に言った事はありませんし、そういう事をやってる建物とかも見た事ありません。
だからハッキリ言って想像とかイメージで書いてます。

あとこれ書いてる時に、SM女王様パターンとかも思い付いてしまったんですけど書くかは分かりません。
それでは失礼いたします。

116名無しさん@魔法少女:2010/12/31(金) 18:41:33 ID:YK0G.AKI
おお?

なんかオチが来ると思ったら読み手に想像を任せるパターン?
まあ、ユーノが魔法を直接教えた相手なんて一人しかいないから分かりきったことかもしれないが。

117名無しさん@魔法少女:2010/12/31(金) 20:01:32 ID:n0ZQ3q0o
「…と言う夢を見たんだ」
「少し、頭冷やそうか……」
であってほしいと切に願ったよー

でも、フェイトなら潜入中の捜査員と接触するために、
いかがわしい類のショーガール的なことする機会もあるかも。

118名無しさん@魔法少女:2010/12/31(金) 21:11:45 ID:ucEeYs46
>>117
>でも、フェイトなら潜入中の捜査員と接触するために、
>いかがわしい類のショーガール的なことする機会もあるかも。
ゴルゴ13な感じで妄想した

119ヤギ使い ◆/N.6sIekC6:2011/01/01(土) 11:35:27 ID:rQYu0ClQ
新年一発目行っても良いっすか?
ネタはエリキャロの15〜18禁(導入はなし)
NGはコテハンなどで。
正午前に落とす予定です

120ヤギ使い ◆/N.6sIekC6:2011/01/01(土) 12:02:22 ID:rQYu0ClQ
『スイートタイム』

ベッドにキャロを下ろすと、そのままエリオはキャロの唇を奪う。
「んっ」
それに応えるように、キャロはエリオの首に腕を廻す。
「んんっ」
お互いの気持ちを伝え合うように、二人は深いキスをする。
「っは…」
離れる二人の間に銀の橋がかかり、プツリッと途切れる。
「エイッ」
「キャッ」
エリオはキャロを後ろから抱きしめ、そのまま後ろへと倒れ込む。
「エリオくん、ちょっ、キャッ」
エリオに声をかけようとしたキャロだったが、エリオは服の中に手を潜り込ませ
ると、キャロの両胸の突起を指で摘む。
強弱と緩急をつけたエリオの愛撫がキャロの体温を徐々に上げていく。
徐々に突起が硬さを持ち始めたのを感じたエリオは、片方の手を乳房の下へとず
らし、新しい刺激を与えていく。
「んっ、んっ」
的確に感じるところを愛撫され、キャロは少し声を漏らす。
乳房、脇腹ときて、エリオの手はスカートの中へ侵入し、キャロの秘部にたどり
着く。
パンティの下に潜り込んだエリオの指がキャロの草原をかき分け、隠れている真
珠を摘むと、キャロは瞬時に体を強張らせる。
エリオはそのまま指の腹で真珠を撫でまわす。
「ふぁ…はふぅ…」
真珠への強弱の効いた愛撫に、キャロの吐息が熱を帯びてくる。
「キャロ」
エリオはそう言うと、キャロの首筋にキスをし、そのまま耳たぶを唇で挟む。
耳への新たな刺激と同時に、キャロは体の奥から沸き上がるものを感じる。
その影響で体の感覚がより強くなっていくせいで、キャロは急カーブを描いて快
楽の頂きへと押し上げられていく。
「だっめ…エナ…ッジドレッ……しちゃ」
「ダメ、エナジードレインしちゃ」と言いたかったキャロだが、あまりの快感に
呂律が回らない。
エナジードレインによってリンカーコアを活性化させられる事で、キャロの性感
は激しく敏感になっていた。
足の指はクッと縮こまり、太股はピクピクと痙攣する。
そして……
「アッ!!」
エリオの指が止めとばかりに真珠をキュッと摘むと、短く声を漏らしたあと、ビ
クンッと背中を反らせ、エリオに倒れ掛かるようにキャロは絶頂を迎えた。



「エリオ、キャロ、いるかぁ?」
不意に入ってきたアルフからの音声通信に、それまでピンクな世界に居た二人は
慌てて衣服を直して通信を開く。
「ど、どうしたの。アルフ?」
「な、何か用?」
「急なんだけど、こっちに来れるか?大晦日の宴会するんだが。リンディママか
ら移動の許可はもらったってるから」
「うん、行く」
「はい、行きます」
そういって二人は頷く。
「OK。じゃ、二人ともシャワーを浴びてからおいで。特にキャロ、首筋にくっ
きり跡が残ってるぞ」
その言葉に、キャロはバッと首筋に手をやり、エリオは視線が泳ぐ。
「まぁ、仲が良いのは良いことだ」
そう笑って、アルフは通信を切るのであった。

おわり

121名無しさん@魔法少女:2011/01/01(土) 18:28:07 ID:TwczyyvM
シガー氏の純愛ものキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
GJっすw

>>120
ばかな!中出し本番がないだと!?
謀ったなヤギ使い ◆/N.6sIekC6!!

アルフ「あとでザフィーラにしてもらおっと♪」

122名無しさん@魔法少女:2011/01/02(日) 03:05:02 ID:7X5jQNuU
性生活を知られたキャロの恥じらいを想像するだにたぎりまする

123名無しさん@魔法少女:2011/01/02(日) 03:36:15 ID:U3U9csfQ
久々に肉食じゃないキャロを見た気がする……GJ!

124野狗 ◆NOC.S1z/i2:2011/01/03(月) 00:30:53 ID:JyayV.OM
みなさん、明けましておめでとうございます。
今年もよろしゅうに。

というわけで、私の新春一発目の投下です。
三レス分です。
タイトルは「泡沫」 非エロ。

125野狗 ◆NOC.S1z/i2:2011/01/03(月) 00:31:36 ID:JyayV.OM
 つかつかと、ラボから培養庫へと続く廊下を歩くスカリエッティ。

「ウーノ、ガジェット製造ライン3から6までの起動準備を。それから、第二次製造分ガジェットの最終チェックは予定通り明朝0700より開始する」

「最終チェック準備はできています。それから、明日はノーヴェ、ウェンディ、ディエチの定期検診の予定ですが」

「スポンサーからは何か?」

「表向きは何も。加えてドゥーエからの連絡もありません」

「では我々の予定に変更はない……ああ、いや、定期検診にはセインも加えてくれ。時間のある内に前倒ししておこう」

「調整します。助手はいつも通りでよろしいですか?」

 手伝うのはクアットロ、あるいはウーノかチンクになる。

「ああ。それからもう一人だ」

「もう一人……ですか?」

 ウーノはスカリエッティの言葉を繰り返すと、振り返って視線を背後に向ける。
 
「……お手伝い」

 スカリエッティの予備の白衣を拝借し、裾をずるずると引きずりながらついてきているのはルーテシアであった。

「ドクターの……お手伝い」

「ふむ。なかなか将来有望な助手だよ。そうは思わないかい? ウーノ」

「そうですわね」

 ウーノは思わず微笑んでいた。
 ぶかぶかの白衣を被るようにして、真剣な顔で歩いているルーテシアの姿はとても愛らしい。

「きっと、いい助手になりますわ」

「ふふ、どうだい? ルーテシア。君はついに、私の最高の片腕にお墨付きを得たようだよ」

「……頑張る」

126野狗 ◆NOC.S1z/i2:2011/01/03(月) 00:32:18 ID:JyayV.OM
「それは心強いね」

「……ドクター?」

「なんだい? ルーテシア」

「……手は、二つあるの」

「ああ、それがどう……」

 どうしたんだい、と言いかけて、スカリエッティは笑う。

「そうか。ウーノが片腕なら、君は残った片腕というわけかい?」

 頷くルーテシア。

「その意気や良し、だよ。まったく、君には驚かされるよ」

 そして、その姿を見ている眼鏡、もとい視線が二組。 

「何をやっているのかしら、あのお嬢ちゃんは」
 
 三人のいる通路には、非常用の監視カメラが設置されている。
 管制室でそのモニターを眺めているのはクアットロ。そして彼女に従うようにディエチが。
 いつものように上から目線の口調だが、ディエチには微妙なニュアンスがわかる。
 今のクアットロは、苛ついているのだ。

「あんな所で遊んでいるなんて、ドクターのお邪魔じゃないのかしら。困ったモノだわ」

「ルーテシアお嬢さまは、ドクターを手伝っているんだよ」

「お手伝い?」

「うん。ウーノ姉さまがそう言ってた」

 ウーノ、ドゥーエ、トーレ。この三人姉さまの名前を出せばクアットロは静かになる。なんだかんだ言っても、クアットロも姉に真っ向逆らったりはしない。

127野狗 ◆NOC.S1z/i2:2011/01/03(月) 00:32:54 ID:JyayV.OM
 あとは、場合によってはチンクの名前も有効だろう。
 ディエチの発見した、クアットロ操縦法だった。

「お嬢さまが手伝うくらいなら、私が手伝った方が効率良いわよねぇ? ディエチちゃん」

「クアットロは、忙しいから。ドクターも気を遣っているんだよ」

「ドクターが? この私に」

「うん。ドクターはクアットロのこと、ちゃんと見てるから」

「それなら……別に……その……いいんですけれど……」

 あまりにも希少な、この場にノーヴェやウェンディ、セインがいれば卒倒しそうなクアットロの反応。これを知っているのは三人姉さまとチンク、そしてディエチだけ。
 さらに、間近で見られるのはディエチだけ。なかなかにレアなのだ、デレたクアットロ、略してデレットロは。

「だから、私たちはこっちの作業を続けよう」

「そうねぇ。ディエチちゃんもたまには良いこと言うわ、ドクターの期待に応えるべきよねぇ」

 いそいそと、モニターから離れるクアットロ。
 ディエチはそれに従うように歩を進めようとして、一旦足を止め、モニターに目を向ける。
 そこには、いつの間にかルーテシアを真ん中に挟んで歩いているドクターとウーノが。
 ルーテシアは、両手をそれぞれ繋いで歩いている。

「まるで……」

 言いかけて、ディエチは口を噤む。
 ナンバーズである限り、きっとそれは許されないだろうから。
 だから、ウーノにとってもそれは夢。
 ドクターにとっても。
 勿論、ルーテシアにとっても。
 けれど……夢を見ることは出来る。それがわずか一瞬でも。
 
「ディエチちゃん、行くわよ」

「うん。今行くよ」

 ディエチはクアットロへと歩く。もう、足は止めない。
 クアットロとは違った意味でディエチは、ウーノを少しだけ羨ましく思っていた。

128野狗 ◆NOC.S1z/i2:2011/01/03(月) 00:33:39 ID:JyayV.OM
以上、お粗末様でした。
うん。なんかこういう風景を書いてみたかったんだ。

129名無しさん@魔法少女:2011/01/03(月) 01:53:25 ID:gji2WtTM
>>128
乙です。デレットロ可愛いよデレットロ

130名無しさん@魔法少女:2011/01/03(月) 02:27:45 ID:QIwC4oVc
GJ
悪党共のひと時の暖かい夢……敵も人間ってところが見えてよかったです。

13169スレ264:2011/01/03(月) 21:13:55 ID:76hBPNQY
業務連絡です。
遅くなりましたが107スレの保管完了しました。
職人の方々は確認お願いします。

132名無しさん@魔法少女:2011/01/03(月) 21:23:50 ID:IsP0hXaI
>>131
いつもお疲れ様です

133名無しさん@魔法少女:2011/01/03(月) 21:43:36 ID:ANO0v8dI
>>131

  
つ旦~ お茶どぞ




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板