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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第109話☆

69F-2改:2010/12/25(土) 23:24:55 ID:I7FDPKxU



「ありがとうございましたー」

喫茶店"翠屋"から、本日最後の客が出て行った。
普段ならショーウインドウの中を彩る綺麗にデコレーションされた甘いケーキは、その日に限ってはついに一つの姿も残っていない。ごく少数、クッキーなどのお菓子は残っているものの、やはり
ガランとしたガラスの中の寂しさを覆すには至らない。
とは言え、空っぽになったショーウインドウを見て、レジの傍に立つ少女はどこか安心と満足、両方が入り混じった表情を浮かべていた。
隣にいた同じ栗毛色の髪をした女性、母の高町桃子と顔を見合わせる。どうやら彼女も似たような心情らしく、ほっとしたような、それでいて今年もまたやり遂げた、満足げな笑みをしていた。
ポーン、と時計のチャイムが鳴った。閉店時間を迎えたところで、桃子の娘、高町なのはは口を開く。

「お疲れ様、お母さん」
「うん――ありがと、なのは」

静かに言葉を交わして、互いを労わるように親子は優しい抱擁を迎え入れる。
疲れたよー、でもやりきったよーとおどけた調子でありながら素直に現在の心境を話す母を、よしよし、お母さんは頑張ったねと頭を撫でてなんかやったりして。
窓の外、海鳴市街はイルミネーションで彩られていた。モミの木を象ったものもあれば、トナカイだったり、あるいはサンタクロースだったり。
街をそこまで煌かせるのは、もちろん理由がある。
なんと言っても、その日はクリスマスイヴなのだから。



プレゼントには、甘いものを



かつて本場フランスで修行したという経験を持つ桃子は、海鳴市でも評判のパティシエだ。
そんな彼女がこの時期作るのは当然クリスマスケーキで、喫茶店でありながらお菓子屋さんの側面もある翠屋には毎年、予約が殺到する。
朝の七時にはもう厨房で調理を始めて、終わるのは夜の一一時なんてのは日常茶飯事。あまりに予約が多いので年によってはお断りする場合もあるのだが、それならと押し寄せるお客さんたちはク
リスマスケーキではない、普通のケーキを買っていく。
かくして、毎年一二月にも入ると翠屋はバイト君などで戦力増強を行い、家族も可能な限り援護に回るのが高町家の毎年の行事となっていた。なのはも物心ついた時にはすでに、ちっちゃなウェイ
トレスとして活躍し、正式に管理局に入って歳も一一を迎える頃には休暇をもらい、母のケーキ作りの補佐を行っている。今年も同じく、一七歳になった彼女は母の手伝いで奮闘していた。
ところが、例年と比較して、その年は少しだけ変わったことがある。厨房の方から、去年まで見なかった顔が現れたのだ。




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