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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第107話☆
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魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所です。
『ローカル ルール』
1.他所のサイトの話題は控えましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第106話☆
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1278585652/
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凌辱対象にもってこいなのは
・カリム:戦うすべを持たない、巡礼者やイクスを人質に取られたらどうしようもない
・ルネッサ:紛争地域の出
・イクス:本人には戦闘能力のない、戦乱期の王
の三人ではないかと思う。コロナあたりも、ブランゼルを取り上げてしまえば戦闘力なんて無きに等しいが
アインハルトやヴィヴィオ等チート級キャラからの報復が怖い。
上記の三人ならば、
・カリム:人質が取りやすいため逮捕はあっても、報復はない
・ルネッサ:本人から報復されそうだが、紛争にこの手のことはつきもの
・イクス:SSX以降ならスバルやら何やらからされそうだが、古代ベルカでなら
「マリアージュのコアさえ生みだせればどうなろうとも構わない」とされそう
凌辱ものは矛盾やら何やらが出やすかったり、人数多くてめんどくさいってのがあると思うんだ。
>>390
アイシスは瞳の色が金色っぽく描かれてるから、戦闘機人なんじゃないかと勝手に思ってるんだがどうなんだろうな
さあ、この流れに逆らってイチャイチャラブラブエロでも書くか……
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>>389
どうするもこうするも突き進むしかないだろう。
迷わず行けよ行けば分かるさ。
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>>391
同じく金色のスカも人造魔導師(?)だしな。
設定的にリインフォースの方が近いようだが(1巻までの知識しかないのでwiki参照)。
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>>393
リリィじゃなくて?
>>389
さあ、吸われすぎて乳首腫れちゃったエリオSSを書くんだw
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>>394
訂正ありがとう。
指摘されるまでアイシスのことだって気づかなかった。
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>>391
瞳が金色で髪が紫紺だからな。衣服とかアクセとか製造販売してるみたいだし「無限の欲望」絡みだったりして。
しかし試作デバイス使って苦労するんだったら戦闘機人使っちゃえばいいのに。あと忘れ去られたアインヘルヤルも
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>>396
アイシス「実は私は、人造魔導師と戦闘機人のデータを元に作られた究極の人型兵器『アインヘリアル』。
正確には三機製造されたうちの二号機だね。
ナンバーズに壊されたでっかい大砲みたいなやつ?あれはレジアスが用意してたダミー。
本当の『英霊』は、あたしたちのことさ」
とか言う展開だったら燃えるな!
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>>391
オーリスを忘れてるぞ。
オーリス→両親は共に他界。しかも、父の行っていた事がバレて管理局内では鼻つまみ者(予想だが)。
これ程凌辱に向いたキャラもいないと思うんだが。
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>>398
オーリスはJS事件後にレジアスの汚職に加担した罪で逮捕されてるよ。
当然、職場内での羞恥プレイや陵辱の宴は開かれているはず。
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>>398
オーリスでそれがまかり通るなら、SSX後のティアナでもまかり通ってしまうと思うんだ
司法にも関与した機関がそこまでモラル崩壊していたら、話としての矛盾がきつすぎる
拘置所・留置所内は男女別だろうから、そちらだでも望めないしなあ
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八神家の人を凌辱する方法を考えた
複数でやれる方法だ
①戦闘能力の一番低いシャマルを一人のときに拉致(腕っ節に自信があるならはやてでやるともっといい、守護騎士一同を一番脅迫できる)
②手錠をかけて喉元にナイフを突き付けて怯えてる様子を撮影(凌辱はまだしない)
③その写真を八神家の人に見せる「抱かせろ、さもなくばシャマルは犯して殺す、俺を殺したら仲間が犯して殺す」
④八神家の好きなやつをヒャッハー
ザッフィーは脅して仲間を犯すとかに使えるし、女性陣を犯してるさまを見せつける、女性陣の目の前で殺す、特殊な趣味をお持ちならザッフィーも使うなど色々と
これで完璧だ
ちょっと病院行ってくる
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TSんときもそればかりだが、凌辱でもそれ一辺倒だから飽きた………
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>>戦闘能力の一番低いシャマル
ショッカーの戦闘員ですら、一般人を軽く凌駕するんだぜ?
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>これで完璧だ
誰もが最初に考える攻略法だが………
古代ベルカを生きた女だぜ?彼女
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やっぱはやて狙いかあ
あリィンⅡがいた
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戦闘能力の低さ=捕まえやすさ、でもないと思うけどね
ヴォルケンズの参謀だし、謀略面での危険察知能力は高そう。
つまり、そもそも腕力に訴えられるような「そういう状況」に陥らないのがシャマルさんだと思う。
エロパロ的には、特殊能力「うっかり」が発動するのが常だけどな!
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>>400
むしろティアナもやられちゃえばいいじゃない
留置所で女性看守や女性犯罪者に陵辱されちゃえばいいじゃない
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「アナタ同性に恋してたんでしょ? 分かるのよ、そういうの……」
という流れですね
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>>407
女同士でイビりとかそういう意味で、そういうことあると、
男がドン引くレベルでえげつないことするぜ?
女コワイ…………ガタガタガタ
ということで、スカリエッティが看守を誘惑して実験する話はまだかね
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ウーノ様が見てる
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クアットロの謀略によりAMFのかかった牢獄に閉じ込められる機動六課の面々
そこには重罪を犯し監理局が逮捕したはずの次元犯罪者たちがわんさか居た。
抵抗虚しく組み敷かれるフォワード陣、始まる凌辱劇、モニターの中でやかましい笑い声を上げるクアットロ
そんな暴行が繰り返される中でティアナは偶然兄を殺した男が紛れ込んでるのを見つけてしまう
その男に向かい声を荒げるティアナだったが、それが逆にクアットロの嗜虐心に火をつけてしまい………
って妄想してたのを思い出した。
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今月のコンプ見たらスバル×ヴィータに危うく目覚めかけたw
なのはさんとスバルがタッグを組んで捕獲したヴィータをほのぼのレイプして
教導隊への勧誘にはいと答えるまで苛め倒す電波を受信したぜ。
ヴィータ捕獲罠&プレイ用の小道具としてアイス持参するなのはさん。
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大人化させられたヴィヴィオがスカと戦闘機人全員ブチ殺して玉座に座り、なのはを倒して陵辱とか萌える。
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>>412
FA同士のヴィータとスバルが1対1の模擬戦をやることになって、常々「あの可愛い副隊長をナデナデしたりギューとハグしたりしたい」と思っていたスバルが「じゃ、勝ったら今日一日だけ抱き枕になってください」と無謀な提案するってのはどうだろ?
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>>412
>ヴィータ捕獲罠&プレイ用の小道具としてアイス持参するなのはさん。
その罠はどう考えても相方のスバルにも有効ですなのはさん
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force2巻といえば、「ストライクカノンの最終調整完了です」の場面で、
テストルームの反対側には、調整の標的になったユーノなり雷刃なりが
ボロ雑巾のように転がっている姿が幻視されて仕方ない。
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>>415
そこで女体盛りですよ!
アイスをちらりちらりとヴィータの身体に落とし、そこをスバルが舐める!
勿論乳首はチェリーでな!
>>413
定期的に出るが、それに近い話はもう保管庫にある
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>>413
なのはさんのお尻にレイハを差し込んだバスター浣腸
ギンガのドリルナックルをコピーした聖王様がねじ込みなのはさんのヒギィ
うん
正直すまんかった
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アイスをバイブ代わりにして責めた後に腸内で溶かして浣腸すれば一石二鳥だな。
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下痢になりそう
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>>419
ショック死すんぞw
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vividの大会って子供姿でドツき合うのかな。楽しみ。
大人モード使ったらアインハルトが過去にぶちのめした男達に面割れして
一緒にいたヴィヴィオかリオコロが後日攫われて呼び出してレイプとか萌える。
もしくは最初のノーヴェ戦でノーヴェもKOされてて
気を失ったアインハルトを誰かが持ち帰ってレイプするとか萌える。
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>>414
ベッドの上で寝ころんだスバルがニコニコしながら抱っこする腕の中で
ヴィータがちょっと拗ねながらのろいうさぎ抱きしめてる姿を想像したら和んだw
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>>422
vividってそんな展開になってたのか。
合宿の辺りで単行本で追うことにしたから知らなかった。
しかし、ますますタイトルに遠くなってきたな。
魔法少女と書いて「マジカルファイター」か「ファイティングウィッチ」とでも読むか。
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>>423
さらにその光景を隠しカメラで録画するはやてと、歯軋りしながら部屋の外から覗くティアナ。
気を利かせてアダルトグッズ一式を枕元にそろえておくシャマル。
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>>425
シャマル先生、台無しすぎるwww
>>422
>気を失ったアインハルトを誰かが持ち帰ってレイプするとか萌える。
これは同人誌でもうすでに出てる
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>>425
そしてさりげなく足下にいる子犬モードのザフィーラ。
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>>425
ティアナの歯ぎしりの理由は「スバルの浮気者…!」なのか「私も副隊長抱っこしたい…!」なのか。
そしてアダルトグッズを見つけても性知識無くて何の道具か分からないスバヴィ。
マッサージ器と推測して肩に当ててみたり足の裏でコロコロしてみたりして散乱させたアダルトグッズの中でそのまま寝ちゃったり。
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>>424
同じ角川でストパンが正統派魔法少女やってるから
尚更何とも言えない気分になる
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>>426
>>気を失ったアインハルトを誰かが持ち帰ってレイプするとか萌える。
>これは同人誌でもうすでに出てる
kwsk
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ホテル・アルピーノで夜な夜なエリオくんに露出調教されるメガーヌさん、という電波を誤送信してきたのは誰ですかw
ちゃんとSS作家さんのところへ送ってくださいm(__)m
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>>431
自分は書き手だが、そのころキャロはガリューにバックからファックされていたという電波を送り返すぜw
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>>430
「こんな可愛い子が倒れてて何もしないわけがない!」
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ある日名無しモブキャラ同然の女キャラに一目惚れしたスカリエッティだが実はその女も人に言えずにスカリエッティを好きだったことが発覚
それから実験という名目で様々なプレイを毎日繰り返し最終的に結ばれる、なんていうメールを脳内に受信した
ウーノさんがショックを受けて引きこもり、最悪自殺しかねんが
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>>429
ストパンが正統……?
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>>432
そのころルーテシアはヴィヴィオたちをノリノリで歓待していた
「宿泊ロッジの中には調教部屋!アダルトなアイテムも一通り完備!設計もアイテム選びももちろん私!
さあみなさん、存分に乱れるといいわ!」
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>>436
その頃、フェイトは「去年はバターを塗ってればザフィーラが舐めてくれて退屈しなかったのになぁ……」と黄昏ていた
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>>429
ストパンはリリなのを間違った方向にワープ進化させた代物だと思うんだ
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>>436
訓練合宿でも性戯を磨く夜の模擬戦が用意されてるんですね
「あたしは初体験だからすっごい楽しみ!」
「前回も凄かったんだよ八神指令達が大活躍で!」
「今回は人数少ないから1on1の機会が増えそうだねー」
この辺の台詞がエロい意味に変換されたw
八神家の場合シグナムヴィータアギトらが一方的に陵辱される光景が容易に目に浮かぶ
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面白いが、そんなビッチな幼女たち嫌だwww
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>>436
たぶんルー本人は、昼間からかったキャロから、サドっ気全開のお仕置きされると思うんだ
「じゃあ、ルーちゃんが最初ね。自分で厳選したバイブ挿して、みんなとお散歩ね」
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>>441
キャロはルーテシアを調教しようとしたら、いつの間にかルーテシアに逆に調教されてるそんな娘だと思うんだ
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本スレで受信した電波を漸く日本語に変換出来たので投下したいと思います。
注意事項
・ヴィヴィザフィユーです。
・ザッフィーは四六時中、モフモフが魅惑の狼モードでお送りします。
・股間以外のフェレットも登場します。
・エロスです。
・若干、陵辱です。
・例によって駄目人間量産です。
・全ての始まりである>>165に百万の感謝を、素敵な電波を垂れ流してくれた>>172-173にこのSSを捧げます。
・タイトルは「聖王政談」
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ザフィーラと一緒に、お気に入りのウサギのぬいぐるみをつれて散歩する事は、ヴィヴィオの日課であり楽しみでもある。
うだる様な暑さも終わり、深い影を落としていた木々が緑一色から様々な色に変化していく様子など、発見の連続と言っても過言ではない。
勿論、ザフィーラや手の空いた六課の隊員達と鬼ごっこをしたりして大いに遊ぶ事も、ヴィヴィオが散歩を楽しみにしている理由の一つだ。
十分に遊んだ後は、おやつの時間が待っている。
ヴィヴィオは、ザフィーラの背に掴まり、柔らかく滑らかな毛並みを堪能しながら隊舎へと帰る。
そして、部屋の扉を開いた所で小さく溜息をついた。
彼女の視界には、金色の長い髪の毛と、白い制服が映っていた。
何れもヴィヴィオの母親の特徴であるが、その二つをたった一人分のシルエットが表現している事に問題がある。
加えて言うならば、その後ろ姿がやけに腰が引けていて、胸元をのぞき込みながら、スカートの下に右手が潜り込んでいる辺りが異常である。
「はぁ……フェイトママってば……」
こっそりと親友の制服を着て、いけない遊びをする母親の後姿なんてものを見れば、その瞬間までのさわやかな日常が台無しになるのも自明である。
「ねぇザッフィー、悪い子にはお仕置きしなくちゃダメだよね?」
しがみついていた守護獣に、彼の聴力が人より優れている事を良い事に囁きかける。
その表情は冷たく、それでいて妖艶であった。
神速を誇る母親が逃げ出せない様に、無警告で四肢にバインドを放ち、拘束する。
「フェイトママ、なのはママの服でイタズラしたらダメよ」
「ヴィ、ヴィヴィオ?」
余りに自分に似た声が返ってきて、ヴィヴィオは驚く。
「ユーノ君!」
まさか、他人の服を着て遊ぶ駄目人間が、自らの身の回りに二人もいるとは思わなかった。
しかもそれが、管理局において低からぬ地位にあり、その類い希なる才能に惜しみない敬意を払ってきた司書長とあっては驚く他にない。
「あの、これは、その……」
しどろもどろに言い訳しようとするユーノ。
「車に泥水をかけられたとか、航空隊の制服を着てみたかったとか、宴会の出し物とか、そう言う有り触れた答えは好きじゃないな」
かつてフェイトが紡いだ嘘を並べてユーノの機先を制する。
「あ、ユーノ君の場合だと、実は女装癖がありました。て言うのもあるかも知れなかったね」
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嗤いながらヴィヴィオはユーノの眼前へとゆっくりと回る。
キャスター付きの椅子を引っ張り出して、ポンと飛び乗る。
「……でも、どんな理由でも私はユーノ君の言う事を信じてあげる。そしてなのはママには、ユーノ君を攻めないで、て味方してあげる」
この瞬間、ユーノは詰んだ。
小さな水槽であえぐ金魚の様に、言葉を絞り出せずに何度も口を開いて閉じる。
「なのはの事が、好きなんだ」
小さな呟き。
「それだけで、なのはママの制服を着たの?」
微笑みながら、ユーノの顔をのぞき込む。
「なのはの事を、感じたかったんだ」
「なのはママを感じて、何をしてたの?」
ユーノの左手は、拘束された時のまま襟元を引っ張り、右手はスカートの中に潜っている。
「………」
羞恥と理性が、自らの行為を暴露する事を躊躇わせる。
苦悶するユーノの表情にヴィヴィオは益々笑顔を深める。
「じゃあ質問を変えます。ユーノ君の左手は、なのはママのブラジャーを見る為に胸元を引っ張っているんですか?」
ヴィヴィオの位置からでは、下着を着けている事までは見えない。
しかしそれが厳然たる事実であると、彼女は認識していた。
「……なのはの…匂いを、嗅ぐ為です」
苦悶の表情と共にユーノは言葉を絞り出す。
「はい、良くできましたぁ」
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親が子を、教師が生徒を褒める様に両手を打ってヴィヴィオは破顔する。
そしてひょいと椅子から降りてユーノに近づくと、彼のはくタイトスカートを捲り上げた。
そこには、左手と同じように拘束されて動けなくなった右手と、その中で萎んでいるユーノ自身があった。
「では次の質問です。ユーノ君の右手は、スカートの下で何の為におちんちんを弄っていたんですか?」
答えても、答えなくても彼の尊厳は砕けて無くなる。
だから、涙が出てきた。
「大丈夫だよ、ユーノ君」
椅子をユーノの直ぐ隣まで運んでその上に立つ。
「正直に本当の事を話してくれる素直な子は、ヴィヴィオが味方になってあげる」
耳元であやす様に優しく囁く。
「だから、右手で何をしていたの?」
「……オ…オナニー」
「聞こえないよ、ユーノ君」
「オナニー」
「全然聞こえない」
「オナニーッ」
叫ぶユーノにヴィヴィオは満足し、不安定な椅子の上で飛び跳ねて、ポスンと座り直す。
「ウン、ところでユーノ君。オナニーて、おちんちんをどうするの?」
再び見上げるヴィヴィオ。
「……おちんちんを、前後にしごくんだ」
右手の拘束がほどかれる。
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「言葉じゃわかんないよ、ユーノ君」
やって見せろという事だ。
一線を越えてしまえばもはや抗う気力など湧きはしない。
ユーノの右腕が前後に揺り動く。
絶望で萎えていた男根が、外的な刺激によって徐々に硬さを取り戻す。
刺激によって引き起こされる生体の反応なのか、それとも現実からの逃避なのか、
ユーノの息はどんどんと荒くなり、行為に埋没していく。
「なのは、なのは、なのは、なのは、なのは、なのは、なのは、なのは……」
そして達しようとする寸前に、再びユーノの右手は拘束された。
いや、右手だけではない。
その手に握られたものの根本にも、虹色の輪が輝いていた。
「どうやるかよく解ったよ、ユーノ君」
言いながらヴィヴィオはユーノの背中に回る。
「ヴィヴィオ?」
放出できない欲望が、ユーノの思考に霞をかける。
「ヴィヴィオね、約束通り、素直なユーノ君の味方になってあげるけど……」
ユーノの尻に引っかかっていたスカートの後半分を腰までたくし上げ、その下のベージュのパンツを横にずらす。
「悪い事をしたらお仕置きが必要だと思うんだ。ね、ザッフィー」
居たたまれず顔を背けて佇んでいたザフィーラがビクリと肩を振るわせる。
拘束魔法の強制力によって、ユーノの身体はゆっくりと床へとはいつくばっていく。
「しかし、ヴィヴィオ、スクライアはおと………」
「ヴィヴィオの処女まんこに注がれたのが狼ザーメンだと知ったら、アルフ、ショックだよね」
「ちょ、ザフィー……」
これから起こる事にたいしてなのか、それともかつて起こった事にたいしてなのか、ユーノは声をあげようとして、口中にスフィアを持つバインドが嵌められた。
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「ユーノ君、いつもヴォルフフォルムのザッフィーが、発情期に我慢できなくなるのはしょうがない事なんだよ。だからヴィヴィオはザッフィーを許してあげたの」
その言葉の向けられた先は、決してユーノではなくザフィーラだ。
しばしの静寂が訪れる。
魔法によって後を振り向けないユーノに、はそれが黙考しているが故なのか、それとも音もなく近づいてきているだけなのか解らない。
そして、背中に加わる二つの力が、後者であるとユーノに知らしめた。
「許せ、スクライア」
苦渋に満ちたザフィーラの声。
「これはお仕置きなんだから、ザッフィーは悪くないんだよ」
朗らかな、ヴィヴィオの死刑宣告。
「フガッ」
口にスフィアを噛まされて尚、菊門を貫かれたユーノは叫んだ。
ザフィーラが骨張った性器の挿排出を繰り返す度に、ユーノは酸素を求めて喘ぐ。
痛みに耐えかねて涙がこぼれ落ちる。
しかし腸壁越しに前立腺が刺激される為に、ユーノの性器は硬さを維持したままだ。
幾度も繰り返されるザフィーラの罰に、ユーノの気力体力は急速にそぎ落とされていく。
そして、射精。
ユーノの奥でザフィーラの性器がカウパー氏線液を放出し、その先端を大きく膨らませる。
それからゆっくりと菊門を押し広げ、腸内を遡っていく精液。
息も絶え絶えという様子のユーノから、口中を拘束していたバインドが外される。
ヴィヴィオは、涙と涎でグショグショになったユーノの顔を両手で挟み、真っ正面から彼の瞳をのぞき込む。
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「ねーユーノ君、辛い?」
「……ウ…ン……」
喘ぐ様に頷く。
「どうしてこんな事をされているか解るよね?」
慈母の様に問い掛ける。
「……ぼ…くが……悪……い…イ…事をしたからァ……」
「どんな?」
「なのはのォ……制服を…かって……にッ着て……おな……オナニーを、してっましたァッ……」
「ごめんなさい、は?」
「ごフェんなさい、ごめんなファイ、ごめんアさい!」
堰を切った様に謝り続けるユーノ。
ヴィヴィオは自らの服が汚れる事も厭わずに、彼を抱きしめる。
「ユーノ君は、ごめんなさい、て謝る事の出来る良い子だから、ヴィヴィオが許してあげる」
幼い少女の胸に抱かれながら、ユーノは泣いた。
いまだ罰は続いているけれども、いや、だからこそ、ヴィヴィオの言葉はユーノの心に染み渡る。
だから気付けなかった。
棚に飾られた無数のぬいぐるみの中に、光学ガラスで出来た瞳を持つフェレットが置かれている事も、
それに向かって艶やかな笑みを浮かべたヴィヴィオが虹色の光に包まれ、大人へと変身しようとしている事にも。
「ちゃんと謝る事が出来たから、ユーノ君にはご褒美をあげる」
豊かに育った胸にユーノの顔を沈めながら、ヴィヴィオは彼のペニスに手を伸ばした。
おわり
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最後の、
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
は、本当に只の偶然です。
では皆さんのご多幸を祈りつつ、フェレットのぬいぐるみを回収してきます。
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>>450
GJ
173だが、ほぼほぼ自分の脳内が再現されるとは思わなんだわw
>ヴィヴィオの処女まんこに注がれたのが狼ザーメンだと知ったら、アルフ、ショックだよね
オイコラちょっと待てwwww
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何やってんだざっふぃーwww
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GJ
周り駄目な奴ばっかりだwwww
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>>450
乙。
カリスマ悪女なヴィヴィオも良いものだな。
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この調子で、いつぞやのシャマル先生に「お舐め」と命令されるユーノきゅんとザッフィーも………
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>>455
記憶にはあるんだが何かと思ったら、前スレの171からの流れか。
くそ、10分かけて探しちまったじゃねーかw
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凌辱系の流れをぶったぎって、イチャイチャラブラブ行きます
前スレ>>257は自分ですが、あの時書いていた話とは違う話
・クロノとエイミィがひたすらイチャイチャラブラブちょっとエロの話
・時系列はクロノがプロポーズした後
・カップリングはクロノ×エイミィ
・寒い、痒い、クサイ、くどいと四重苦の上、キャラ崩壊注意
・NGは「烏の行水」でお願いします
・自分の投下している話は、NTR・TSネタ以外は全部繋がっていますのでご注意ください
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「食パン買っただろう? あと、大根と油揚げと………」
スーパーにて、明るい髪色をした少女が買い物かごをぶら下げている。
彼女が買ったものを確認しようと、手にしたメモを音読すると、尖った犬歯がちらりと見える。
やんちゃそうな顔つきによく似合う犬歯は彼女のチャームポイントであり、正体をあらわすものだった。
少女の名前はアルフ。小学校低学年くらいの身長の小さな少女だが、その実態は人間ではなく狼素体の使い魔。
魔法文化がない世界に長く暮らしている彼女には人間に化けることなど造作もなかった。
耳と尻尾を引っ込め、お使いをする少女を装っている。平日の昼間に、小学生くらいの少女が歩いている不自然さには目を瞑ってもらおう。
暇をしてそうな大学生くらいの姿にもなれるが、お使い程度でフェイトの魔力を無駄に消費するわけにもいくまい。
「あと………何だろう、冷えぺたシートを買って帰らなきゃいけない気がする……」
生活用品売り場の前に差し掛かり、アルフは何故か風邪をひいたときに使う冷却シートを買わなければいけないような気がした。
誰かが風邪をひいたわけでもない。季節の変わり目で、急に家族が体調を崩すかもしれないということもない。
だが、何故だろう。買わなければいけないような気がした。
これは家族が風邪をひくかもしれないという、虫の知らせか。
少しだけそう思い、アルフは頭を振る。いやいや、いくら自分が狼だからとて、そんな勘が働くわけでもない。そう否定しながら、彼女は何故か冷却シートを買物かごへと放った。
放り入れた途端、変な違和感は消えた。
「あれ?」
アルフは納得いかないまま、レジへと進む。買い物が終わっても、まだ家には帰らない。
なのはの家にでも寄って、暇を潰させてもらおう。商品がキャッシャーを通る間、アルフは自宅へと思いをはせる。
(………たまの休みだ、少しくらいイチャイチャしたって……)
―――烏の行水―――
「ふうっ……意外と快適だね、クロノくん」
「………」
「クロノくん?」
時空管理局提督、クロノ・ハラオウンは自分の理性と本能の間で戦っていた。
母は仕事中、義妹は学校へ行き、義妹の使い魔はお使いに出かけるという都合の良い状況下の中――彼は風呂場で一人耐えていた。
「……今すぐ出たいんだが」
「だめー、そうやって烏の行水すると、風邪ひいちゃうよー!」
げっそりとした様子のクロノに対し、エイミィはパシャパシャと水音を立てて抗議する。
まだ身体が暖まっていないのだから、出たら健康に悪いと彼女は訴えた。その身にはタオル一枚しか纏っていない。
対するクロノも、タオル一枚しか身に纏っていない。
このままの姿で外に出たら、立派な痴漢・痴女だが、自宅の風呂場にいるため、何も問題なかった。クロノの理性がいつまで持つかは別として。
リンディが出勤し、フェイトが学校へと出かけた途端、エイミィは彼に甘えた。
クロノが持ちかえろうとした仕事の一部を奪い取り、自分がやったのだからと、彼にべたべたベタベタ。
彼女の意図が見えず、けれど、母の目も義妹の目もないからと甘んじたクロノに、エイミィは更に甘えると決めたようだ。
逆にクロノも甘やかされていた。フェイトが学校へと出かける直前に起床したクロノの遅い朝食は、彼の好物。
顔を洗い、着換えたクロノが席に着くと同時に出された焼きそばはできたてアツアツ。
しかも、美味いと、地味に嬉しいことをしてくれた。
焼きそばを食べている最中、背後から抱きついてくるエイミィに戸惑いながらも、受け入れていたクロノは、アルフがすぐそばで『また、朝から重いものを……』と言ってくるまで彼女の存在を失念していた。
アルフは呆れた顔をしながら、耳と尻尾を隠して、家のドアを開いた。
違うんだと、意味もない言い訳をしようとしていたクロノを無視して、彼女は家の外へと出ていく。
自分はちょっと買い物や散歩をしてくると、彼女は言う。
その意図といえば、『馬に蹴られたくないから逃げる』。イチャイチャラブラブしている二人に邪魔もの扱いされるのが嫌で出て行ったのか、普段は隠している恋人関係を全面に出されてドン引いたのか、彼女の口からは語られなかったが、何故だかクロノには後者のように感じられた。
ショックを受けていたクロノはその後、彼女に仕事をまた奪われ、軽いデートの意味を含めて―――少し散歩をして、何故か今に至る。
「恥ずかしくないのか?」
「そんなこと気にしてるの?」
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「そりゃあ………」
あたしは恥ずかしくないよと言わんばかりの態度に、クロノは言葉の続きが出ない。
恥ずかしくないというわけではなく、身体を洗っている姿を見てしまいそうになった時には、エイミィ自慢の握力で顔面を掴まれて痛い思いをした。
だからこそ、今の状況を不思議に思った。
「タオルだって身体に巻いてるし、入浴剤入れて、お湯は白いし……大丈夫、大丈夫。見えないよ?」
確かに、彼女の言うとおり、入浴マナーとしてよろしくないと知りながらタオルを巻いて、なおかつ身体が見えないように乳白色の入浴剤を湯に入れた。身体は見えない。
彼女の裸体も、自分の裸体も見えはしない。
「ぴったりくっつくのも……嫌いじゃないし……」
「………っ……」
クロノの理性にただならぬダメージ。理性の数値を百だとするなら、今ので四十くらいを持って行かれた。
クロノはこの体勢はどうなのだろうと思う。狭くもないが、広くもない標準サイズの浴槽に男と女が二人。
初等科相当の少年少女ならともかく、二人ともある程度育った年齢だ。
膝を抱えたくらいでは、二人一緒の浴槽には入れない。
どうしているかというと、まずクロノが湯船に入る。その後に、エイミィが彼の膝の間に腰を下ろす形で入ると、何とか二人収まるという寸法だ。
だが、これには欠点があった。
(耐えるんだ……僕の理性!)
エイミィの身体にタオルが巻かれているとは言え、肩甲骨のあたりは素肌だ。
それに加え、クロノの上半身は裸である。ぴたりとくっつけ合えば、ただの肌の触れ合い。
風邪をひかないように湯船に入ろうとすれば、自然と触れ合う肌の面積は増えていく。
少しでも触れないように湯船のふちに腕を乗せるクロノの思惑を理解していないエイミィは、まるで彼の身体を背もたれにするように、背中をくっつけた。すると、濡れた髪がクロノの胸に張り付く。
長年ショートカットだった彼女が髪を伸ばし始めたのは、二人が付き合いだしてからだったなと、クロノは彼女の髪を弄ぶ。
「随分、伸びたな……」
「そりゃあねえ……伸ばし始めてから結構経ってるし」
「くすぐったいんだが」
「ふふっ……我慢して」
彼女は振り返り、彼の頬に口づける。エイミィの唇が触れた箇所は頬と言うより、顎のあたりで、どうやら自分の目算から外れたらしく、彼女は少々不満げな顔をした。
じゃれ付こうとするエイミィに抵抗するように、しばし彼女の後頭部に触れる。
水気を含んでボリュームが減っている割には、頭頂部に跳ねた癖っ毛は倒れない。
気になって何度か撫でつけるが、そのたびにクロノに抵抗し、ぴょこりとまた跳ねる。
何だか楽しくなって、繰り返していると、無意味な行為を繰り返すクロノをエイミィがジッと見つめていたことに気付く。
「こらー! 人の髪の毛であそばなーい!」
「あ、つい……」
「もーっ」
ぷりぷりと怒りだすエイミィの姿に、クロノは彼女の頭部を撫でるのを止めるが、手持無沙汰になる。
髪を撫でている最中はそれに集中していれば良かったが、止めさせられてしまっては、どう理性を保っていようか。
そんなクロノの苦労など知らず、エイミィは彼の身体にぴたりとくっつく。
ちゃんと頬にキスできなかったのが悔しかったのか、今度は身体を捩り、クロノの胸に自身の胸を押しつけた。タオル越しとはいえ、柔らかな感触にクロノの理性が決壊しかける。
咄嗟に彼女の腕を掴み、自身の身体から引き離すクロノに、エイミィは意地の悪い笑みを浮かべる。
「……っ、エイミィ!」
「ふふーんっ、ドキドキするんだ?」
「……僕だって、一応男なんだぞ…」
「知ってるよ? だから、そんなに緊張しなくても良いの……んぅっ」
クスクスと笑いながらクロノをからかっていた唇が塞がれる。腕を掴まれ、抵抗できないエイミィの唇をクロノは奪った。
「んっ……ふっ、んっ、ん………ぅむっ、ん……」
しばし深い口づけを繰り返すと、やっとエイミィは解放される。急な口づけに、彼女は肩で息をした。
「く、クロノくん!」
「君があんまりからかうからだ」
好きな女性が裸同然の姿で、自分に肌を預けるなんて―――こちらの気持ちも考えてくれと、クロノは引き離したはずの彼女の身体を引き寄せる。己の理性の脆さに苦笑いする。
クロノにキスをされて急に恥ずかしくなったのか、ジタバタと暴れるエイミィを閉じ込めるように抱きしめた。バシャバシャと水音をたて抵抗していたエイミィはしばらくすると大人しくなった。
ドキドキと早まる心臓の音が、水に濡れたタオル越しに伝わってくる。
「……胸、当たってる…」
「先に当てたのは君の方じゃないか」
-
そう言って、もう一度口づけ、抱きしめる。ゆらゆらと揺れる水面に、二つの影が重なって、エイミィが身じろぐたびに、歪になっていく。
何度かキスをすると、エイミィはうっとりした顔でクロノの肩に頭部を預ける。濡れた髪が首筋にかかりくすぐったい。
「クロノくんのえっち」
「男だからな」
別に清い仲ではない。湯の熱に浮かされたのか、クロノの言葉は直球であった。理性が完全に瓦解するまで、あと何分残っているか。
「クロノくんをこんなえっちな子に育てた覚えはありません」
「ほう?」
「どこで覚えてきたの!?」
「君に教えられたに決まっているじゃないか」
「教えてないっ……クロノくん以外と、したことないんだから、そんなことわからないし……」
「されていたら、困る」
「……あたしをこんなにやらしーっくしたのはクロノくんなんだからね」
クロノの緊張がとけると、逆にエイミィが緊張するのか、彼女は雄弁になっていく。
「責任取って、ちゃんとお嫁さんにしてね」
「まったく、君は……」
「指輪、もらったんだんだから……」
クロノは呆れるような顔をしながら、エイミィの頭を撫でた。エイミィも顔を赤く染めたまま、クロノの身体にすり寄り、緊張したものから、甘えるような口調に変わり、ひとり言のように呟いた。
「………く、クロノくんのお嫁さんかぁ……」
自分で口に出しておきながら、エイミィの頬は更にカアッと熱くなる。旦那さん候補にしてあげるとか言った自分が、来年にはクロノのお嫁さんになっている。
嬉しすぎると、クロノの胸に添えた指にはめられた指輪を瞳に映す。
「嬉しくて、死んじゃいそう……」
「エイミィ………」
ふふっと笑いながら、クロノの身体に頬を寄せるエイミィを、彼もまた抱きしめる。愛しさのあまり、何度も何度も口づける。お互いの名前を呼び合い、何度も好きだと告げた。
「んっ、クロノくん……」
「ああ……」
「好き……好き、大好き……」
「ああ……」
好きだと、繰り返される声にドキドキする。触れあう肌よりも、ずっと。クロノはエイミィにもう一度口づけ、自分の気持ちを口にする。
「クロノくんが、大好き……」
「ああ……僕も、愛してる……」
自身の胸に添えれたエイミィの手を取り、彼女の左手の薬指にはめられた指輪へ口づける。
我ながらクサイ言葉と行動だと自嘲しながら、顔を真っ赤にしたエイミィに再び口づけた。
「……ふあっ……んっ、ぅくっ」
差し込んだ舌先で彼女の歯列を撫で、空気を求めて僅かに開かれた歯の間を割って入る。
舌を絡めて、吸いついた。一生懸命についてこようとする姿に、胸がときめく。
彼女はこんな姿を自分以外の誰にも見せたことはないし、これからも見せる予定もない。
こんなことに独占欲を満たされていく自分の姿を、エイミィ以外に見せる予定もない。
やっと唇を解放されて荒い息を吐くエイミィを抱きしめ、クロノは彼女の背を撫でた。
クロノの指の動きにビクリと動きながら、エイミィは彼を見上げる。
「………ぁあ、の…っ……クロノくん……」
「ん?」
「クロノくんは、こんな……えっと……」
「どうしたんだ………?」
クロノはもじもじと言葉に詰まるエイミィを不審がる。彼女は言葉を続けられなくなり、しばらく待っていると、ぼそぼそと、聞こえるか聞こえないか程度の小さな声で呟いた。
「……えっちなこは嫌い?」
「は?」
「………あの……して、ほしい……なあ……なんて……」
そこまで言って、エイミィは縮こまる。クロノの返答を聞きたくないかのように、耳をふさぎ、目を閉じている。
どうしたのだと訪ねれば、同じ言葉を繰り返し、性的欲求を自分に向ける女をどう思うのかと、彼女は問う。
こんなことを言っては、せっかく婚約まで漕ぎつけた、好いた男に嫌われるのではないかとびくびくするエイミィに、クロノは少しムッとする。
「きゃっ……クロ、ノく……いきなり、ぃ…おしりの、方、触らないで…っ」
クロノがエイミィの背を撫でていた手をそのまま下へと下ろし、指先でバスタオルからはみ出た尻の谷間をなぞる。
触ってもらえないのではないかと思っていたエイミィは、いきなり直接的な場所を触られ、怯える。
「僕が君を嫌ったら、僕は一体何なんだ?」
「やあっ! そこ、撫でられたら……ぁっ」
エイミィの制止むなしく、クロノの指が性器と肛門の間の肉を撫でた。
そのまま下へと降りれば、風呂の湯と共に、クロノの指が中へと侵入を果たす。お湯ではないものに濡らされていたそこは、クロノの指の進行を促していた。
-
「……君から求められたことなんて、一度しかなかった…」
「そこっ………やっ、やだっ……」
「嫌だったら、止めるが?」
「ふっ、ううっ……いじわるっ」
クロノの言葉通り、彼女がクロノを求めたことなんて、過去に一度しかなかった。最初の一歩、キスよりも先に進もうとしなかったクロノに痺れを切らしたエイミィが、背を押してくれただけのこと。
それからは、クロノから求めたことしかなかった。
それが、彼女の方から求められて、もとから完全に崩れようとしていた理性がもつはずがなかった。
嫌いようがない。こんなものは可愛いおねだりだ。クロノに首筋を食まれ、性器の入口を撫でられ、びくびくと震えながら応える恋人に、未来の妻に、愛しさ以外を感じようもない。
くらくらするほどに。
「あっ、あ……クロノ、くん……っ」
「部屋に戻ろうか? それとも、ここで?」
「………うっ」
喘ぐ彼女の耳元で、囁くように問えば、エイミィは戸惑う。
クロノの問いに数秒迷い、彼女はこくりと頷いた。おそらく、二回目の問いへの返答なのだろうと勝手に判断をし、愛撫を続ける。
正直、部屋まで待てなんて言われたら、こちら理性がもたない。
湯船から出てから、部屋までの僅かな距離でさえ、もったいない。
たとえ、部屋が良いと言われても、耐えきれず、廊下で押し倒すかもしれない。それくらい、クロノは熱に溺れていた。
同意を得て、エイミィの身体を包んでいたバスタオルを離していく。
エイミィはクロノの首に腕を回し、立膝をついて、彼が触れやすいよう、少々足を開いた。クロノの唇が首筋をなぞるたび、手のひらが太ももの内側に触れるたび、彼女の身体はピクリピクリと小刻みに動く。もどかしい刺激を受け、じれったさに瞼を落とす。
「クロ……ふっ……」
「……しょっぱい」
「んっ……きたないよぉ……」
首筋を舐めていたと思えば、今度は顔を胸の谷間に落とし、乳房の周りを舐めていった。わざと固く尖った先端には触れず、焦らすように周りばかりを、円を描くようになぞっていく。
「やっ……んっ、クロノ、くんっ……」
「ん、どうした……?」
ぎゅっと瞼を閉じ、クロノの背にしがみ付いていたエイミィが身を捩りだす。舐められるのが嫌なのかと思い、クロノが顔を上げると、彼女の久顔が近づいてくる。
「キスして?」
「汚いんじゃなかったのか?」
「うっ……」
自分で言った手前、強くねだれないのか、視線を落とした。しょんぼりとするエイミィの頬をクロノが撫で、不意打ちで口づける。
「んうっ……クロ、ふっ……」
物言いたげな瞳が、クロノの視線の先に映る。舌を絡め、吸いつくようなキスを交わし、彼女の身体はずり落ちかけた。
クロノは彼女を抱きあげ、自身の膝の上に乗せる。これなら溺れることはないが、急に先へ進んだようで、エイミィは驚いた。じれったい愛撫のせいで、秘部はじんじんと疼いていく。
「………もぉ……して?」
「慣らしてないのに、無理だろう?」
「……も、がまん……できな、ぃ……」
「ぐっ…」
早くしてほしいと、エイミィがクロノに強引に口づける。先ほどクロノがわざと焦らしたように、エイミィもわざと彼の本能を煽る真似をした。わざと音を立ててキスをして、熱くなった乳房を彼の胸へと押しつける。
彼女の意図の通り、クロノの理性は完全に瓦解した。
エイミィの腰を引き寄せ、股を開かせる。慣れた手つきで性器を探り当てると、自身のそれをあてがう。躊躇いなどなかった。
「ひ、あああっ!」
甲高い悲鳴がバスルームに響く。半ば無理やり開かれた痛みと、待ちわびた熱にエイミィの身体は踊る。バシャバシャと音を立て、湯船の中で二人は交わる。
「ひゃうっ……あついぃ…っ」
「……お湯、入ってるんじゃ…」
「ちがっ……クロノくんがぁ……!」
セックスをするには狭い湯船の中で、クロノは彼女を大きく突き上げた。荒い息がお互いの頬のにかかり、どんどんとエイミィの声が大きくなっていく。
「あっ、ああ、あんっ……クロ、ノくん……いつもより、ひっ、んっ、あついぃ……ふっ、あああっ」
トントンと突かれるたびに、ビクリビクリと動くエイミィを抱きしめ、彼女の熱さなのか湯の熱さなのか、わからなくなる。エイミィはクロノが熱いと言う。
けれども、クロノは逆にエイミィが普段よりも熱くなっているのだと、感情から思った。だが、もうどちらでも関係ない。
ぎゅうぎゅうと締め付けられ、気持ち良さそうに喘ぐ彼女の声に興奮は収まらない。
-
目眩すら覚える。
「クロノくんっ、クロノく………うあっ、ああああっ!」
「エイミィ……!」
絶頂を迎え、互いの名前を呼び合う。弾ける性。熱さのあまり、長くは繋がっていることはできず、すぐさまクロノはエイミィの外へと出て行ったが、彼の熱い精液が、エイミィの中には残っていた。
はあはあと大きく肩で息をし、クロノの熱を受け止めるエイミィが、彼にまた口づけをねだる。
クロノがそれに応えようとすると、彼女の唇が小さく『好き』と描いた。
一度吐き出して、おさまろうとした心臓がまた早鐘を打つ。愛しさが止まらなくて、もさぼるようなキスをした。
今なら気恥ずかしい言葉もいくらでも言える。熱に浮かされた頭は、そう考えた。
「………エイミィ……」
「んっ……クロノく……」
「愛して」
「うん…………って、きゃあああ! クロノくん!?」
クロノが口にしようとしていた言葉が途中で止まる。うっとりと、彼の言葉を受けようとしていたエイミィは、すぐに異常事態に気付く。
エイミィに口づけようとするクロノの身体がぐらりと倒れ、エイミィを湯船の中で押し倒しそうになる。何とか水没は防いだが、動けない。
「えっ、ちょっ……クロノくん!? クロノくんってば!」
エイミィがいくら呼びかけても、返事はない。エイミィの胸に顔を埋めるようにして目を閉じるクロノの様子はぐったりとしていた。顔は情交によって赤くなったにしては、色が濃すぎる――――そういえば、クロノは長風呂が苦手だった。
よりにもよって、風呂場でことに及び、ことが終わってから、エイミィは思いだしてしまった。
「えっ、やだっ、どうしよう……クロノくん! クロノくん!?」
のぼせたクロノを抱えながら、エイミィはおろおろと取り乱す。
湯船から出さなければと思うのだが、何分、クロノはエイミィよりも大きい。
パニックを起こしているためか、自分より大きくなったら旦那さん候補にしてあげると言ったことを、少々後悔する。
クロノが自分より小さい少年だったら簡単に湯船から助け出せるというのに―――クロノが彼女よりも小さい少年だったらこんな状況にはなっていないが。
「どうしたんだ? エイミ……あ」
「アルフ! …って、きゃああああっ!」
ハラオウン家の風呂場に、本日何度目かの悲鳴が響く。義妹の使い魔に素っ裸を見られる恋人たち。
見た目が幼女とはいえ、中身は立派に大人としてのメンタリティを持っているアルフだ。
何をしていたなんて、一発でわかってしまう。わからなくても、エイミィは裸を見られたことで悲鳴を上げただろう。
裸を見られたくない。でも、助けてほしい。そんな葛藤がエイミィを支配したとかしないとか。
◇◇◇
結局、幼女の姿から、出会ったころの大人の姿に変わったアルフに、クロノは救出された。
何をしていたかなんて察していたアルフはクロノを風呂から引っ張り出す際に、目を背けてくれた。
何とも恥ずかしくて、顔から火を吹くところだった。そんなことになったら、エイミィまでアルフに運ばれるところだったが、何とか堪え、クロノを二人で支えて、彼のベッドまで運んでいく。
服まで着せてくれようとするアルフに抵抗を感じたエイミィは、恩人である彼女を追い出し、クロノの身体を拭い、通常の倍以上の時間をかけて、彼に衣服を着せた。
ぐったりとしているクロノの額に、エイミィはアルフが買ってきた冷却シートを張り付ける。彼女が何となく買ってきてしまったのは、虫の知らせのようなものを感じたからだろう。
アルフがどうして冷却シートを買ってきたかなどとは考えず、エイミィはただただアルフに感謝した。それと同時に、深く反省する。
-
「………あたしがえっちなのがいけないんだ……」
クロノの眠るベッドの淵に顔を埋めながら、エイミィは呟いた。最初はただ甘えたいだけだった。
クロノが一人で仕事を抱えこもうとするため、補佐官として、恋人として、婚約者として、彼から仕事を奪い取り、できる限りのことをした。端から、クロノ一人でやろうとするには多すぎる仕事量だった。
それは二人に分散されても同じこと。
ただ単純に、負担だけが増えてしまい、それでもエイミィは意地で仕事をやり通した。
大きな仕事を終え、やっと迎えた休日。好きな男性に甘えてみたくなるのは恋する乙女の道理というもの――もっとも、その男のせいでとっくに乙女ではないのだが。
クロノに黙って、彼のベッドに忍び込み隣で寝てみたり、抱きついたりと好き勝手やってしまった。
最初の内はただ楽しかったが、次第に、すぐ近くにある男のにおいに囚われてしまった。
女だとて、性的興奮を覚えないわけがない。覚えないわけがないのだが、あまり表に出して良いものではない。
エイミィが愛する男は、真面目でカタブツで、そういったものをはしたないと思う性分に見えた。
自分を愛して、プロポーズまでしてくれたクロノに嫌われたくなかった。
けれども、愛しているからこそ、ほしいと思ってしまうのも事実で。いけないことだとわかっていながら、意図的に彼の性欲を煽るようなことばかりした。
それがこの結果だ。
「ううっ………ごめんね……」
眠るクロノの手を取り、両手で包む。こちらが力を入れても、クロノの手に力は入らない。弱り切ったクロノの姿に、エイミィの心は痛む。
「……もう、したいなんて言わないから……
「……言ってくれないのか?」
「…!?」
突然聞こえた声に、エイミィの肩がビクっと上下する。聞こえたのは、確かにクロノの声。埋めていたベッドから顔を起こすと、眠っていたはずのクロノの視線が見る見る内に顔を赤くするエイミィに注がれる。
「えっ、ちょっ、いつから起きてたの!?」
「いつからも何も、最初から寝ていなかったが?」
ただ、強烈な悪心に目を開けられなかっただけで。
まだフラフラしているクロノの手が、今度は逆にエイミィの手を握る。戸惑うエイミィは自分が口にした言葉を思い出し、更に顔を上気させる。
「どういうことだか、詳しく聞きたいんだが?」
「あうっ……え、その……」
「エイミィ?」
「うっ……」
クロノの追及に対し、逃げ出そうとするエイミィを彼の腕が掴む。逃げられない。色々な意味で。
――――それから一時間後、帰宅したフェイトがアルフに連れられて、すぐにまた外出『させられた』のは別の話。
END
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投下終了です
話のオチ?中身?そんなもんはねえです。ただイチャイチャラブラブするだけの話です。
書いていて自分でもかゆかったです。
クロノの道程卒業話はそのうち……
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トーマ×リリィや、トーマがスバルに(性的な意味で)ソードブレイクされるSSはまだかね?
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なんちゅうかGJ過ぎる
今度はなの×ユーでラブラブチュッチュを書いてください
-
GJ!!
リンディが帰ってくる頃には3回戦ですね?
そして今夜はリンディとフェイトとアルフは外食になるんですね?
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>>465
トーマがスバルに(性的な意味で)ソードブレイクされるってもしかして去勢!?
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>>468
その発想は無かったw
筆下ろし的な意味を想定したんだがwww
フッケンバインが性的な意味で破壊をしまくるSSもまだかね……と思ったら、
リーダーらしきキャラクターが女性キャラだからそれはないか……
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この日スバルは素手による去勢を敢行している
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手コキをしようとしたらもげたと被告人は述べており・・・
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>>470-471
はやて「スカリエッティ、司法取引や。ねじ切られた男性器の接合手術。できるか?」
スカ「取引に応じる気はないが興味はあるな。代わりにドリルではだめかい?」
クア「ドクター、相変わらずシャレがお分かりになりませんのね。そこは黙って女性器に作り直すサプライズが必要ですのよ」
ウーノ「クアットロ、分かってないのは貴女。男の娘は、ついていてこそ。『舐めたい、ふしぎ!』な精神がもっとも重要なのですよ」
トーレ「せっかく復帰させるのならば、機能や大きさはより強化すべきではないのか?」
セッテ「トーレ姉さまに従います。付け加えるならばトーレ姉さまのお尻もより強化されるべきです」
事後はこんな感じか?
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その4人いつぞやの常時発情期なナンバーズか性交機人として作られただろ絶対ww
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>>469-473
何か去勢から凄く広がったなビックリだ。
トーマの属性は子犬・弟分てな感じだし何より、エクリプス感染者だ。となるとフッケバインのリーダーからは何か寵愛されそうな気がする。こう、顎を指で持ち上げてキスされる感じで。
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ショタを寵愛する姉貴とロリ(ステラ)に悪戯をするヴェイ兄ですねわかります
「その声、スゥちゃん?」が失明だと可哀そうだから……と違う可能性を探していたら
ナカジマ姉妹に目隠しプレイで弄ばれるトーマになってしまった……
「トーマ!」
「その声……スゥちゃん?」
「ブブーッ! 違うッス、ノーヴェッスよ!」
「トーマ……トーマならアタシとノーヴェの違いを分かってくれると信じてたのに!」
「まあ、スバル……悲しんじゃ駄目よ。私はあなたたちが似てるのが、うらやましい…」
「あんっ、ギン姉ぇ……」
「あ、トーマ……あそこがギンギンに……」
「ギン姉だけに」
「寒いぞ、ノーヴェ……姉はそんな笑いのセンスのない妹に育てた覚えはないぞ」
って感じの構図が……
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ナンバーズの話で盛り上がっているところ失礼。
ドクターSSの投下にやって参りました。
1時になったら投下しようと思います。
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1時になったので投下します。
・非エロ
・スカリエッティ他収監組が登場
・イクスバ前提
それでは、始まります。
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「一日だけ外に出してくれないか。ここにいる全員だ。その分だけ事件捜査に協力する」
ある日、ジェイル・スカリエッティが刑務官に掛け合った。
突然態度が豹変した彼の挙動に不審さを隠せずも、刑務官は規約に則って上に話を通した。
「私とウーノしか知らない研究施設がある。そこに行けば下にいる連中の役に立つものも沢山だろう」
スカリエッティは眼下に広がる青い世界を見て、長くなってきた前髪を掻き上げた。
もちろん、たったの一日でも地上に降り立つためだ。
「ドゥーエの五周忌が近いんだ。この通りだ、頼む。ほら、お前たちも」
スカリエッティの一言で、ウーノ、トーレ、セッテそしてクアットロまでもが頭を下げた。
書類担当の局員は、その話を聞いて大層驚いたらしい。
付近に誰もいなくなった静かな監獄で、ウーノはそっと耳打ちしてきた。
「ドクター、あの場所には『ナンバーズ』の機密情報があったはずでは……」
「ん、何を言っているんだ?」
彼は飄々とした顔でウーノに顔を向けると、薄笑いを浮かべた。
その目は、忘れたものを思い出させるような、優しくも鋭い目だった。
「一体いつ、私が『研究所は一つだけだ』と言ったかね?
もっと言えば、君も知らない拠点はいくつかある。リスク分散というやつさ」
そうしてまた、スカリエッティは窓の向こうへと目を戻した。
地上は光点の数が増え始めてきていて、そろそろ夜になりそうだった。
それから約二週間後、クラナガン郊外にある霊園。
物々しい様子の局員達に銃を突きつけられながら、魔力を封じる手錠を嵌められた五人が、墓標の前に立った。
しゃがみ込み、自由にならない腕を腰の前に持ち上げると、スカリエッティは墓標の文字を指でなぞった。
「ドゥーエ、君は素晴らしい『ナンバーズ』の一員だったよ。ありがとう」
ウーノが持ってきたワインを手にし、下の草地に置く。
すかさず差し出されたセッテの栓抜きを受け取って、コルクへ深く捩じ込んでいく。
それは不自由な手では思ったより遥かに難しい行為だったが、何とか綺麗に抜くことが出来た。
「クアットロ、グラスを」
「はぁい」
決して高いとは言えない、小さなワイングラス。そこへ、テイスティングとして少しだけ注ぐ。
透き通るようなロゼを軽く空気にくぐらせて一口だけ飲むと、スカリエッティは大きく頷いた。
「流石は三十年ものだ。深みがある。ゼロファーストの舌は確かなようだな」
一度洗ってもう一杯、今度はグラスの半分よりも多く注いで、墓前に備えた。
と、そこまで来て重大な事実に気がついた。
──墓が綺麗だ。まるで昨日今日、誰かが来て掃除をしていったような?
「ふむ、チンクかな? あいつは姉妹想いだからな」
聞けば、地に降りたナンバーズたちが養子になったナカジマ家の面々が、一同に会していたという。
そこには、彼女の姿も。
「ふっ、イクスヴェリアにまで参列されるとは、因果なものだ。なあ、ドゥーエ?」
-
「75」で止まった、彼女の時間。トレディアから続く人間関係というものは、どこでどう縒れるか分からない。
チンクの話によると、イクスヴェリアとスバルが恋仲にあるという。
ノーヴェの片割れだった存在がこんな形で冥府の炎王と関わり合うなどと、誰が予想できただろうか。
「奇跡か……時には信じたくなるものだよ。イクスヴェリアが私の生きている間に目覚めたように、
ドゥーエもまた眠りから覚めてくれるように、と……ま、決して叶わない奇跡だがね」
ウーノに目配せをして、ワインにはちょっと似つかわしくないショットグラスを取り出させた。
ドゥーエのグラスならさておき、生者が飲む分には例えビーカーでも同じことだ。
その中に少しずつ注ぎ、ボトルを置く。
全員に行き渡ったのを確認すると、盃を高く掲げた。手錠のせいで少々不恰好だが、これも致し方あるまい。
頭上で杯を交し合う。ガラスの互いにぶつかる音が、鋭く霊園に響いた。
「ドゥーエの冥福を祈って、乾杯」
ショットグラスに入ったワイン。スカリエッティは苦笑と自嘲を込めながら、時間をかけて飲み干した。
戦闘機人に人間の年齢など関係ないから、法に触れる心配もない。
空になったグラスへ、順に二杯目を注ぐ。三杯まで口にしたところで、ほのかな酔いが浮き上がってきた。
「ふむ、まだ半分は残っているな……残りはチンクやディード達に分けてやろう」
固く栓を締め直すと、ウーノに渡す。連絡を取れば誰かしらすっ飛んでくるだろう。
と、その時、肩をすくめたクアットロが質問混じりに嘆息した。
「ねぇドクター、どうしてそんなに丸くなっちゃったんですかぁ?」
スカリエッティは首をぐるりと回した。コキコキ骨を鳴らして、空を見上げる。
そうしてまで出した結論は、「さぁな」だけだった。
「或いは、未来を見たのかもしれないな」
彼女がぶーぶー不平を漏らしていたが、それには答えず、グラスの底でわずかに残っていたワインを舐めた。
***
あっという間の外出が終り、五人はまた元の監獄に戻ってきた。
軌道拘置所の標準時間でいえば夜、既に大体の者は眠っていた。
職員は出払っていて、連絡船も緊急脱出装置もない。外壁に問題でも発生すればその場で処刑だ。
「ドクター、もうお休みになられましたか?」
「いいや、まだだが」
アルコールはとっくに引いていたはずだが、何故か心が高ぶって眠れなかった。
久しぶりに外に出られたというのもあるし、四周忌までは行くこともできなかった墓参りが出来たのだから、当然といえば当然だ。
捜査に協力する限りは、それなりの待遇で扱う──時空管理局の方針に、初めて感謝する日が来たらしい。
「何だか、眠れなくて……ドクターもですか?」
「ああ。色々と考え事をしていてね」
ウーノの方へと、寝返りを打つ。腕枕をして彼女に目を向けると、同じようにスカリエッティに視線を向けてきた。
不思議な時間、見つめ合う二人。やがてクスリと笑みを漏らしたウーノが、囁くように話しかけてきた。
「昼間の言葉……クアットロに言ったことの、本当の意味を教えて頂けますか?」
しっかり聞いている娘だ、と思った。はぐらかしたのを悟られるとは。
スカリエッティは立ち上がると、窓から外を眺めた。
-
相変わらず青い星は真下にあって、夜の中で輝く人の光が無数の光点になって煌めいている。
横を見た。トーレも、クアットロも、セッテも、皆熟睡していて、不思議と静かだ。
空調の音だけが本当に小さな唸りを残しているだけの空間で、髪を掻き上げる。
重力制御がよくできているために、長い髪はばらばらになることもなく、元の位置に収まった。
クルリとウーノへ振り返って、薄く笑いを浮かべながら言った。
その中には、諦観と、期待と、そして歓喜が少しばかりこもっていた。
「他のナンバーズは、私達と違って未来を歩んでいく。檻の中で一生を閉じることがない。
それが楽しみだと言ったのさ──セッテはともかく、特に私とクアットロには関係のない話だがね。
だから私はあの時言葉を濁したんだ」
「そんな……ドクターがいない世界なんて、私は嫌です! ドクターがここで生涯を閉じるというのなら、私もお伴します」
叫んでから、声が大きいことに気づいて慌てて口をつむぐウーノ。
それがどこか可愛らしくて、スカリエッティは笑った。
「ははは、ありがとう」
だが、それだけではない。大きく息を吸って吐くと、体操の真似事で腰を後ろに逸らした。
背骨がポキポキ鳴り、気持ち良い呻きを喉から漏らす。
そのまま身体中の筋という筋を伸ばした。久々に外へ出て運動するというのは、それなりに負担をかけたのだ。
もったいぶった時間をようやく終らせて、物も言わずに待っていたウーノへ語りかける。
それは同時に、自分自身にも問いを投げていた。
「もう一つある。イクスヴェリアのことだ。彼女が目覚めた今、地上に大きな混乱は起きていない。
いつとも知れぬ眠りに就いたと聞いたのがつい去年で、だ?
同志トレディアの件もあるだろうが、私は楽しみにしているのだよ。イクスヴェリアとスバル──ノーヴェの片割れが行く末をね」
「……女性同士、というところは何も言わないのですね」
驚いたようなウーノの声にも、スカリエッティはまったく動じない。
『性別』、そんなところを気にするようでは永遠に人の上には立てない。
大切なのは『力』──どんなことができるのか、だ。それを把握した時、敵は敵でなくなり、味方は最も効率のよい運営を行える。
それらの全てを言葉にするには、少しばかり長い話になる。
だから、なるべく簡潔になるように言った。『可能性』、そこに的を絞りきった。
「そんなもの、些細な問題だ。そこは本質ではない。最も大事なことは、イクスヴェリアにも恋い慕う感情があったということだ。
それは同時に、戦闘機人たるスバルにも言える。本当に楽しみだよ……」
「確かに、そうですね。そこまでは思い至りませんでした。ドクターは深謀遠慮をお持ちですね」
「おだてたって何も出やしないさ。だが、例は言っておこう。再びのありがとうだ」
喋るだけ喋ったら、ようやく眠りの妖精がまぶたに魔法をかけてくれたようだ。
あくびを一つ、目を擦ってベッドに戻ろうとすると、ゆらりとウーノが枕を持って立ち上がった。
何をするのかと思いきや、おもむろにスカリエッティのベッドまで来て、そこで横になった。
「あの、ドクター……今日だけ、一緒に寝てもいいですか?」
彼女はそう言いながらも、同意を待たずして枕を敷く。こんなわがままを言うなんて、珍しいことだった。
スカリエッティは溜め息を一つ、自分のベッドまで戻ると、そこに寝た。
「好きにするといい」
「あ、ありがとうございます!」
程なくして、衛星軌道にある拘置所は静かになった。
二人分の寝息が増えて、誰かの寝言がむにゃむにゃとこだまもせずに消えていく。
窓の向こう、宇宙の片隅で、彗星が一つ、長い長い尾を引き始めていた。
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ドゥーエの冥福を祈って止まない。
それでは読者諸氏、次こそはきっとヴィヴィオ長編を……
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一発投稿いいですかー?
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>>481
確かにドゥーエは不憫なキャラクターだった、せめてこの板では活躍を…
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>>481
GJ
人間くさいドクターもなかなかイイモノだ
ウーノの健気さにくるものがあった
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確かにドゥーエのエロとかもっと欲しいよね、確か保管庫にヴァイスとの絡みとかあって好きだったけど、あんな感じで。
しかしFOOLISH氏……そろそろヴィヴィオエロ、欲しい、です……
>>482
GO!
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>>481
GJ!!
ナンバーズとスカは掘り下げればまだまだドラマが発掘できそうなのに
こういうしっとりとしたSSは滅多に見ないのがスゴク残念だと思う
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さて、そろそろおいどんも投下いくか。
めちゃくちゃ久しぶりに鉄拳の老拳士投下します。
今回はエロ要素あり、連載、『鉄拳の老拳士 拳の系譜』第十三話。
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鉄拳の老拳士 拳の系譜13
第6番目の管理世界として登録された世界ネレイド、そこがテッド・バンディの故郷だった。
管理世界ネレイド。
科学・魔法技術の進歩、人口、都市管理から政治統治に至るまで、様々な面で発達した華やかなる世界。
だがその反面、成功を夢見て大都市に訪れた移民はスラムに溢れ、反映の栄華の影として深く刻まれた。
都市に産まれた光と闇、貧しき者の住まう場には自然と法の外の栄がある。
あるいは人を堕落させる麻薬の類であり、あるいは法で規制されるべき兵器であり……そしてあるいは、男を悦ばせる為の女の園だ。
犯罪と混沌の街の暗部に娼館が建つのはそう珍しい事ではあるまい。
富める者も貧しき者も、男と名のつく生き物は皆肉欲を満たすべく歓楽街へ、そしてスラムへと足を運ぶ。
中でもとりわけ大きな娼館“薔薇の蕾”という店で、ある時その場に似つかわしくない声音が響いた。
産声だ。
それはある娼婦が産み落とした赤子が上げた生命の残響だった。
産んだ女は言わずもがな、娼館で働く娼婦の一人。
名はローズという。
金色の髪にそれなりの美貌とプロポーションを持ち、しかし顔に残るそばかすとテクニックの悪さから人気は中の下といった娼婦だった。
娼館には借金のかたに親から売られてきた彼女は、己の身に課せられた法外な額の負債に頭を悩ませていた。
その解決策が、この赤子だった。
店の上客である裕福な男がある時言ったのだ。
『妊婦の女としてみたい』
と。
身重になってまで客の狂った要望に応えようという娼婦はそういない。
だが、ローズは要望を受けた。
客の見せた札束は子供を授かるという重荷を受けるに、十分すぎる額だった。
相手は誰でも良かった。
避妊せずに何度も客を取り、精を注がせ、そして子を授かる。
大きくなった腹のままの彼女を抱き、客は大いに満足して札束を差し出した。
そして、子を授かれば産み落とすのが自然の摂理だ。
臨月ぎりぎりまで客の要望に応えたローズは、堕胎せずに子を産む事にした。
最初は臓器屋にでも売り払おうと思っていた彼女だが、件の客からもらった金は思いのほか大金でそれ以上金に困る事はなく臓器屋とコンタクトを取るのもおっくうだった。
故に赤子は娼館で産み落とされ、戯れに育てられる宿命となる。
生まれた子供は娼婦達から、テディベアのように可愛い男の子と呼ばれ、テッド、通称テディと名付けられた。
少年テディの育った環境は、正に混沌だった。
欲望の街で春をひさぐ百人の母、そしてそこに通う千人の男が父親代わりだ。
一言で娼婦と言っても、様々な女がいる。
実の母であるローズはこれといって特別に愛情を注がず、しかし赤の他人の子であるバンディを実の子のように愛し育んでくれた女がいれば、見ただけで不快感を露にして手を上げる女もいた。
通う男はさらに多様。
管理局に務める高官がいれば、その男が追うような犯罪者の男がいて、また市井で何事もなく過ごし愛する家族と家がある何の変哲もない男がいる。
そんな者達が織り成す人間模様の、なんと濃き事か。
幸せになる者がいた。
客の男と本気で恋に落ち、男に身を買われて足抜けをし、婚儀を結んで幸福な家庭を築く女。
不幸せになる者がいた。
借金の末に娼館に送られ、客の男に殴られ、蹴られ、暴力を何度も何度も受けて、泣いても叫んでも誰にも救われず見向きもされずに死んだ女。
前者の女を幸福にしたのは彼女を足抜けさせた金だった。
後者の女を不幸にしたのは身を縛り付けた借金だった。
日常的に繰り返される性と暴力の悲喜劇、そしてその中で絶えず人々を翻弄する金という存在。
少年が育つ過程で見続けたそれらの光景は彼からまともな倫理観念を喪失させるのに大いに貢献した。
そして少年が九歳の時、彼の一生を左右する大きな転機が訪れる。
魔法だ。
ある時娼婦の一人が戯れに魔力制御の方法を教えたところ、テディは秘められた才能を開花させた。
芽生えた若葉が水を得るが如き成長、少年は若干九歳にしてAAAクラスの能力を会得する。
この腐り果てた街の一角で魔法の才能を得るという事は、つまり外のまともな世界へ行くためのチケットと同義だ。
彼の母たる娼婦の幾人かは、少年を管理局へ入局させてはどうかと楽しげに語りもした。
もしその通りになっていれば、彼は多くの人間を救う正義の使者になったかもしれない。
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だが、それは所詮“もしも”の話だ。
架空は仮定にして空想の域を出ない。
実際に少年の能力を活用したのは客として娼館に脚を運んでいた地元の犯罪組織だった。
彼の受けた初めての依頼は敵対組織の幹部の殺害。
組織の人間としては娼館の餓鬼一人の命で敵の命が取れれば儲けもの、例えこの子供が死のうとも大した痛手はない。
その報酬は文字通り、子供のお駄賃程度の金額だった。
だがそれでも幼い子供にとっては有り余る額面に、テディ少年は首を縦に振る。
金を貰い、人を殺す。
それは常人の倫理観からすれば果てしなく道を外れた行為である。
だが、そんな常識など何になろう?
人の欲望が枷なく渦巻くこの街で、その様を余すところなく見続けた少年にとっては倫理、道徳、正義、法規、それらの言葉など微塵の価値などなかった。
初めての仕事は呆気ないものだった。
実戦経験の差など、AAAランクの魔力と少年が持つ天性の闘争センスからすれば大した問題ではなかった。
何よりこの子供には殺人や暴力への忌避感がまったく欠如している。
誘導弾を、直射射撃を、そして砲撃を駆使し、強固な防御魔法を展開する小さな悪魔。
屍の山と血潮の河が築かれるのに、そう長い時間はかからなかった。
産まれて初めて経験した殺人と暴力が彼に与えたのは、紛れもなき歓喜。
圧倒的な力で人を殺し、奪い、征服する、その味わいのなんと甘美な事か。
暴虐に酔い痴れた少年の人生は、この時その方向性を定められた。
幼くして暗黒街で殺戮の打ち手となったテディはその荒々しい手口から盗賊(バンディット)の二つ名を戴く。
盗賊のテディ、そこから転じて彼は己の名を改名する。
後の世に長く語り継がれる犯罪者、テッド・バンディの誕生だった。
□
闘争の舞踏が繰り広げられる。
爆音が轟き、閃光が走り、衝撃が大気を震わせ、粉塵が立ち込める、その中を幾つもの影が躍るように舞うのだ。
鉄拳を纏った少女が魔力で練り上げた道の上を駆けてその拳を振るう。
槍を構えた少年が加速して高速の刺突を繰り出す。
竜を従えた召還師の少女が跨った竜に特大の火炎を吐かせた。
二丁銃を繰る少女が師譲りの砲撃を見舞う。
機動六課フォワードメンバーの放った四重奏が狙うは、赤の男。
血よりも鮮烈に彩られた真紅のジャケットを身に纏う絶世の美男子、テッド・バンディ。
躍る躍る、男は踊る。
鉄拳の少女が振るう拳をサイドステップで難なく避け。
槍騎士の少年が繰り出した穂先を首を捻るだけの最小限の動作で回避。
召還竜の火炎を炸裂弾頭式直射魔法弾で破壊。
二丁銃の少女が放った砲撃を傾斜角をつけた硬質シールドで以って、余裕の笑みを浮かべながら弾いた。
流れるような一連の挙措。
まるで舞踏を刻むような流麗さだった。
だが、その裏に潜む攻撃的な獣性は舞などとは隔絶したものだ。
フォワードメンバーの攻撃を難なくあしらった美しき男は、唇の端を吊り上げて笑む。
美貌を崩さぬ微笑であるが、しかし同時に剥き出しになる白い歯は牙を見せ付ける野獣のそれに酷似している。
獲物を見据える青い眼差しは底冷えするように冷たく、そして鋭利。
手にした得物、十字架を刻まれた二丁に巨大な銃に、男の紅い魔力光が幾重にも魔法陣を刻む。
「ディセイクレイターズ、バーストショットパターンアルファ」
ディセイクレイターズ、冒涜者共という意味の名を持つ二つの銃は主が欲した術式を最高速度で正確に行使する。
それは冒涜者の名の如くに。
他者の命を冒涜する為に、正義を冒涜する為に、法を冒涜する為に。
赤の奔流が溢れる。
二つの銃口から吐き出された魔力の弾頭は炸裂(バースト)の名の如くに散華。
都合百二十発の直射射撃魔法の乱舞。
十重二十重と射線を刻み、夜闇に光の残滓を刻み付ける。
闇を引き裂き飛来する射撃魔法の雨を、若き魔導師達はそれぞれに対応した。
スバルは自慢の硬質な魔力障壁で耐え抜き、エリオは機動力を駆使して回避しきる。
ティアナは高速で生成した幻術を囮に使い幾つかの弾を誘い、囮に誘いきれなかったものは撃ち落とす。
しかし召還師の少女、キャロは……
「きゃぁ!」
召還竜フリードリヒの火炎で幾らか相殺はしたが、竜の吐く炎は威力ならともかく連射性能は高くない、撃ち落しきれなかった紅い魔弾は容赦なく少女に襲い掛かる。
少女の展開した防御障壁は紙のように赤の光に食い千切られ、白い防護服を引き裂いて少女の鮮血を散らした。
-
竜の体躯の上でぐらりと体勢を崩すキャロ、あわや地表目掛けて滑り落ちるという手前でなんとか踏みとどまる。
が、しかし。
「……あ、え?」
思わず、疑問符を孕んだそんな声音が漏れ出た。
少女は己の手を見る。
紅かった。
良く熟成されたワインのように深く鮮やかな鮮紅色が心臓の鼓動に合わせてどくどくと溢れる。
自身の掌をブーストデバイス、ケリュケイオンごと貫かれたと理解したのは、激痛が脳髄を焼くのと同時だった。
「ああぁ、あああああああ!!」
苦悶を宿す悲痛な叫び。
主の異変にフリードの巨躯がわななき、背負われていたキャロの矮躯は揺さぶられるままに地へと墜ち行く。
白竜は己の体から投げ出された主人を庇おうと羽ばたくが、しかしその大翼が風を薙ぐ事はなかった。
先ほどの散弾式の直射弾とはまったく毛色の異なる高威力を絞り込まれた誘導弾が完全なる死角より飛来、認識した刹那の時にはフリードの翼を根元から吹き飛ばす。
時間にすれば一秒あるかないかの時。
召還師の少女とその使役竜は無残にも戦闘力を根扱ぎ奪われて地に伏した。
まず一人目、最後方に控えてチームをバックアップし、なおかつ高い戦闘力を持つ召還獣を補充する可能性のある者を潰す。
テッド・バンディの冷徹にして狡猾な戦闘構築の一段目。
仲間を撃たれた事に対する自失から瞬時に立ち直り、フォワードメンバーが反撃を敢行してくる時、既に美丈夫は次の獲物に狙いを定めていた。
「振動……拳ッ!!」
額に巻いた鉢巻と白のバリアジャケットを疾風になびかせながら、瞳を本気の色、戦闘機人特有の黄金へと代えたスバル・ナカジマが全力全開の攻撃を放つ。
それは魔導師として練る魔力と、戦闘機人の有する特殊能力インヒューレントスキル振動破砕とを組み合わせた拳。
堅固で知られる、彼女らの教官高町なのはの防御障壁すらも砕いた経験のある絶技である。
たとえテッド・バンディがなのはと同等のシールドを張ったとて、確実に突き立てられる鋭い牙だ。
愛機マッハキャリバーの限界加速により成した急接近、既に金髪の悪鬼は間合いの内いる。
当たる。
その確信がスバルにはあった。
この一撃が戦闘の流れを変えるものになるという確かな手ごたえを以って大気を裂き、最大威力を相手の障壁とバリアジャケットに叩き込むべく超振動を拳に纏う。
そうして身体・知覚の強化魔法により高速化したスバル視界が、相手の表情を捉えた。
それは紛れもなく――笑み。
しかも極上の、まるで人生の万事を余すところなく讃える聖者のような、柔らかで優しげな微笑。
男は笑いながら告げた、簡潔に。
「バァーカ」
微笑、転じて、憫笑。
相手を嘲り、罵り、見下し、せせら笑う表情。
それが意味するところをスバルが察したのは、設えられた罠が瑞々しいその身に食い込んだ時だった。
紅い紅い魔力光で練り上げられた縛鎖の蛇、設置型チェーンバインドの猛威が年不相応の豊かさと艶やかさを持つ少女の肉体に絡みつく。
ショートパンツスタイルの防護服から覗く、むっちりとした肉付きの太股を痛ましいほどに締め付け。
鉄拳を纏う細い腕を後ろに捻り上げ。
たわわに実りまろやかなラインを描く乳房を強調するように胸を縛り上げた。
一瞬。
正しく瞬きする間に完成した、少女を喰らう狡知の罠。
「くぅ……はぁ!」
ぎりぎりと身を締め付け、淫猥に絡みつく縛に喘ぐスバル。
苦悶に歪む少女の表情は雄の嗜虐的な性趣向をそそる極上のものだ。
自然と悪鬼の顔は満足げに笑む。
瞬間、その美貌目掛けて刃の描き出す輝線が夜気を裂いた。
真上よりの奇襲により逆転を狙った少年騎士、エリオ・モンディアル渾身の一撃である。
だがそれすらも悪鬼の思考と反射の対応範囲内。
頭上より顔面諸共引き裂かんと繰り出される槍の穂先を、バンディは視線すら向けずに軽やかな足取りで左に身をずらして避けた。
しかし少年騎士は不意打ちが失敗してなお諦めを拒絶する。
着地と同時に槍を反転させ、石突きによる打撃を下段に薙いで脚を打つ。
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