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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第107話☆

459烏の行水(2):2010/09/04(土) 01:00:09 ID:1GUXk2UU
「そりゃあ………」

 あたしは恥ずかしくないよと言わんばかりの態度に、クロノは言葉の続きが出ない。
恥ずかしくないというわけではなく、身体を洗っている姿を見てしまいそうになった時には、エイミィ自慢の握力で顔面を掴まれて痛い思いをした。
だからこそ、今の状況を不思議に思った。

「タオルだって身体に巻いてるし、入浴剤入れて、お湯は白いし……大丈夫、大丈夫。見えないよ?」

 確かに、彼女の言うとおり、入浴マナーとしてよろしくないと知りながらタオルを巻いて、なおかつ身体が見えないように乳白色の入浴剤を湯に入れた。身体は見えない。
彼女の裸体も、自分の裸体も見えはしない。

「ぴったりくっつくのも……嫌いじゃないし……」

「………っ……」

 クロノの理性にただならぬダメージ。理性の数値を百だとするなら、今ので四十くらいを持って行かれた。
 クロノはこの体勢はどうなのだろうと思う。狭くもないが、広くもない標準サイズの浴槽に男と女が二人。
初等科相当の少年少女ならともかく、二人ともある程度育った年齢だ。
膝を抱えたくらいでは、二人一緒の浴槽には入れない。
どうしているかというと、まずクロノが湯船に入る。その後に、エイミィが彼の膝の間に腰を下ろす形で入ると、何とか二人収まるという寸法だ。
だが、これには欠点があった。

(耐えるんだ……僕の理性!)

 エイミィの身体にタオルが巻かれているとは言え、肩甲骨のあたりは素肌だ。
それに加え、クロノの上半身は裸である。ぴたりとくっつけ合えば、ただの肌の触れ合い。
風邪をひかないように湯船に入ろうとすれば、自然と触れ合う肌の面積は増えていく。
少しでも触れないように湯船のふちに腕を乗せるクロノの思惑を理解していないエイミィは、まるで彼の身体を背もたれにするように、背中をくっつけた。すると、濡れた髪がクロノの胸に張り付く。
長年ショートカットだった彼女が髪を伸ばし始めたのは、二人が付き合いだしてからだったなと、クロノは彼女の髪を弄ぶ。

「随分、伸びたな……」
「そりゃあねえ……伸ばし始めてから結構経ってるし」
「くすぐったいんだが」
「ふふっ……我慢して」

 彼女は振り返り、彼の頬に口づける。エイミィの唇が触れた箇所は頬と言うより、顎のあたりで、どうやら自分の目算から外れたらしく、彼女は少々不満げな顔をした。
じゃれ付こうとするエイミィに抵抗するように、しばし彼女の後頭部に触れる。
水気を含んでボリュームが減っている割には、頭頂部に跳ねた癖っ毛は倒れない。
気になって何度か撫でつけるが、そのたびにクロノに抵抗し、ぴょこりとまた跳ねる。
何だか楽しくなって、繰り返していると、無意味な行為を繰り返すクロノをエイミィがジッと見つめていたことに気付く。

「こらー! 人の髪の毛であそばなーい!」
「あ、つい……」
「もーっ」

 ぷりぷりと怒りだすエイミィの姿に、クロノは彼女の頭部を撫でるのを止めるが、手持無沙汰になる。
髪を撫でている最中はそれに集中していれば良かったが、止めさせられてしまっては、どう理性を保っていようか。
そんなクロノの苦労など知らず、エイミィは彼の身体にぴたりとくっつく。
ちゃんと頬にキスできなかったのが悔しかったのか、今度は身体を捩り、クロノの胸に自身の胸を押しつけた。タオル越しとはいえ、柔らかな感触にクロノの理性が決壊しかける。
咄嗟に彼女の腕を掴み、自身の身体から引き離すクロノに、エイミィは意地の悪い笑みを浮かべる。

「……っ、エイミィ!」
「ふふーんっ、ドキドキするんだ?」
「……僕だって、一応男なんだぞ…」
「知ってるよ? だから、そんなに緊張しなくても良いの……んぅっ」

 クスクスと笑いながらクロノをからかっていた唇が塞がれる。腕を掴まれ、抵抗できないエイミィの唇をクロノは奪った。

「んっ……ふっ、んっ、ん………ぅむっ、ん……」


しばし深い口づけを繰り返すと、やっとエイミィは解放される。急な口づけに、彼女は肩で息をした。

「く、クロノくん!」
「君があんまりからかうからだ」

 好きな女性が裸同然の姿で、自分に肌を預けるなんて―――こちらの気持ちも考えてくれと、クロノは引き離したはずの彼女の身体を引き寄せる。己の理性の脆さに苦笑いする。
クロノにキスをされて急に恥ずかしくなったのか、ジタバタと暴れるエイミィを閉じ込めるように抱きしめた。バシャバシャと水音をたて抵抗していたエイミィはしばらくすると大人しくなった。
ドキドキと早まる心臓の音が、水に濡れたタオル越しに伝わってくる。


「……胸、当たってる…」
「先に当てたのは君の方じゃないか」




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