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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第102話☆
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魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所の5スレ目です。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
『注意情報・臨時』(暫定)
書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。
前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第101話☆
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1259008244/
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「えーっと……その、何であんなことになっちゃったの?」
そこで思い出したように、問いかけた。
ともかくも、今は彼女の頭の運動を中断させたかった。
とはいえ、その答えが気になるのも確かである。
同性相手に性行為に及ぶのも十分普通ではないだが、あの時の雰囲気はそれに輪をかけて異常だ。
レイプされたことなどこれが生涯初めてだが、そこらの強姦魔ですら、あそこまでおかしな気配を漂わせてはいないだろう。
「実は、その……あたしがまだ、ドクターの所にいた頃の話なんだけど……クアットロっていたじゃない」
「ああ、あの眼鏡の?」
今は軌道拘置所に収監されている、かつてのナンバーズの作戦参謀の顔を思い出す。
直接顔を合わせたことはないが、恩師・高町なのはいわく、人を弄ぶことを楽しむ陰険な女なのだそうだ。
目の前のディエチとは、ポジションの都合でよくセットで運用されていたことも、ディエチ自身から聞いていた。
「出撃がない時とかに……その……彼女にしょっちゅう……調教、されて……」
「それで、えっと……いわゆる、レズビアンになっちゃったってこと?」
「いや……多分、バイなんだと思う」
「んっと……ああ、そういうことか」
最後の単語は一瞬意味を図りかねたが、程なくして何となく理解できた。
恐らくバイというのは、レズのように女性のみが好きというわけではなく、男も女も両方好きということなのだろう。
しかし困った、実に困った。二重の意味で困ってしまった。
真っ当な人間に更生するためのプログラムを受け、それを修了してきたはずのディエチだったが、よもやこんな爆弾を抱えていようとは。
そしてもう1つ。クアットロの性格を省みると、生々しく想像できてしまうからたちが悪い。
比較的常識人に当たる彼女の理性すら超越し、条件反射的に本能が性交に向かう――神業をも超えた魔技の領域だ。
その手の筋においては大層重宝するだろう。
もっとも、こんな厄介極まりない特殊能力、神業なんて呼んで崇めていいものでもないのだが。
ともあれそんな風にして、情交が身体の隅々にまで染み込んでいるほどである。
夜な夜な繰り広げられていた調教とやらは、現在進行形で想像するものよりも、実際は更に壮絶で凄絶なものだったのだろう。
こんな自分と同年代の少女に、それこそ15かそこらの頃に、それほどの調教を叩き込んでいたとは。
むかむかと怒りがこみ上げてくると同時に、ディエチに対して同情した。
それでもまだ男嫌いになっていなかったのが、せめてもの救いなのだろうか。
「それで、他の姉妹……ノーヴェ達に対しても、こんなことがあったりしたの?」
「いや。さすがに血の繋がった家族には、クアットロみたいに襲われでもしない限り、欲情できないし」
肉親には、ねぇ。
ほんの少し、笑顔が引きつる。
となると欲情された自分は、まだまだ家族として認識されていないということか。
一緒に暮らすようになって、それなりに壁もなくなってきたと思っていたのだが。
やはり日頃ノーヴェやウェンディとばかり絡んでいて、ディエチとはあまり面と向かって話さなかったのが悪かったのか。
もう少し、彼女とも色々と話をすべきだったのかもしれない。そうなればそこはスバルの落ち度だ。
「このことは、他のみんなも?」
「うちにいる分では、チンク姉だけが知ってる」
「じゃあ、他のみんなには黙っておくから、今後は気をつけるように……ね?」
ギン姉にも薄着は控えるようにと、それとなく忠告しておかないとな。
こくりと小さく頷くディエチを前に、そんなことを思っていた。
それから更に5時間後。
「ただいまーッス。……あれ? なんかソファの模様が微妙に違うような?」
「気のせいだよ、きっと」
汁まみれでぐちゃぐちゃになったものに代わり、大急ぎでホームセンターで購入し引っ張ってきたソファがそこにはあった。
前のソファは即刻廃棄されたとか。合掌。
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投下は以上です。
スバルが好きで、ディエチが好き。だからってそんなホイホイとカップリングSSが浮かぶわけじゃない。
要するに、そんな話。
もうちょっと他の書き手諸氏のように、色々エロい単語が使えたらなーと後悔しております。
どっちかというと、バトルかホラーみたいな感じになっちゃったし。
某完全独走で超変身なヒーローモノで、○ロンギが暴れまわるシーンの曲をBGMに濡れ場を書いてたら、こんなことになっちゃったでござる。
グ○ンギならぬエロンギですね。うん、さっぱり上手くない。
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あ、注意書き必要だったのね。失念。そして申し訳ありません。
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ナカジマ家SSはやはりいいものだなGJ
欲を言えばトーマがまだか、といいたいがいつから居るのかわからんよな
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>ぷよ氏
アンナアルンゲンナデカャール!!
……あ、間違えた。とにかくGJ!(ぇー
いやいや、エロ単語はむしろこちらが参考にさせて貰いましたよ。
直接的なのしか書かないから読み返すと首を吊りたくなる(遠い目
***
『狂宴』ですが、何かちと延びそうです。
「おめーも触手書け」って言われちった。なんなんだ「も」って。
あと、はやユノだけじゃなくてイクスバも書いてるよ!
前に書いたロストロギアのせいでスバルがちっちゃくなっちゃうよ!?
全部書き終ったら怒涛の更新だよ……!!
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>ぷよ氏
ディエチが攻め!?
なん……だと……
新たな境地を教えてもらったようだ。GJ!
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シガー兄貴の老拳士の続きが読めて本当に嬉しいです! 次回スパーダのキチ●イぶりに期待!
それにしても、最近のここの活気は凄いです。
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うわーあんちゃん、シリアスとかエロとかほのぼのとか、すごくたくさんあるのぅ。
特大にダークなお話を一つ。
・残虐表現盛りだくさん
・キャラの暗黒落ちあり
・ゼスト無双
・ナンバーズ死亡多数。これからも増える。
NGは「槍騎士“悲愴”」で。
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槍騎士“悲愴”
中編
夢を見るのは、生きとし生けるものすべてに与えられた、極めて非創造的で素晴らしい行為だ。
思想家も革命家も労働者も資本家も、人間も戦闘機人も使い魔もプログラムも、すべての人格存在に認められた行為。
そうだ――きっと、きっと、私の夢は叶うと信じている。信じることを、私という存在は実行している。
一度は殺し合った正義と悪も、傷つけあった人造生命と人間も、何時か分かり合える日が来ると、そういう夢を信じている。
それはこの決戦の勝ち負けに関係なく、ドクターが勝とうと管理局が勝とうと訪れるのだろう。
世界は優しい。いつかきっと、時を経た生命は、罪も咎も赦してくれる。
修復ポッドの中で夢を見る私。私を隻眼にした騎士は、何時か言っていた。
『……愚直だな。お前の願いは純粋すぎる』
『いつか裏切られる、いつか信頼は朽ち果てる、それでも信じるのか?』
――信じるよ。
私は、機人として生まれたチンクは、そういう希望を夢見たい。
未来を願おう。きっとあの騎士にも、せめて願った正義を果たせる未来が来ると信じよう。
それは――――きっと、とても素晴らしいことだから。
◇
願いは残酷である。
チンクが決して知らない事実がある。
彼女が殺し創造主が蘇生させた男は、蘇生時の改造の結果、もう夢を見ることも出来ないのだ。
チンクが見たその尊い夢は光であると同時に、二度と叶わない希望を嘲笑うかのごとく、残酷極まる声なのだと。
“悪夢しか残らない”。
そういう夢もあるのだと。
◇
燃え尽きた残骸にもなお、僅かに燻る火種があるように。
爆ぜる狂気の裏側には忘れえぬ幸福が刻まれていた。
それを理解できる人間がいないだけで。
確かに、そこにある記憶。
男自身にも、理解できないけれど。
◇
-
「――死ね」
ゼスト・グランガイツの死に満ちた言葉――ノーヴェは生への渇望から殴りかかる他ない。
まるでそれから行う行為を予告するように、悲鳴のような声を上げて。
だから。
「あ、あああああああぁああああ!!」
ゼストの冷徹な目は死を実行するべく、ノーヴェの拳をズタズタに刈り裂いた。
鋼鉄のナックルが寸断され血の飛沫が溢れ、肉が抉られ機械化フレームが捩れて軋む。
繰り出される刃はV字の斬撃。それだけでノーヴェなる機人の少女の身体は分割され、背後にあった装甲車は爆発炎上した。
綺麗に脊柱を中心とした正中線と四肢が別れを告げ、機械化された部位のスパークと血流が噴出し、炎を焦がす汚物と成り果てる。
血煙が炎によって汚泥の一部となり、どくどくと血液を流しながら、ノーヴェの生体脳を積んだボディは倒れ込んだ。
その顔は泥と流した血に塗れ、悲痛な感情に歪んでいた。もう立つことも出来ず、内臓型機関の機能低下も著しい。
己はもう死ぬのだと悟ったから、ノーヴェはあくまで祈ることだけを考えた。
もうすぐ死を迎える自分を、既に死を迎えた姉妹たちを、――悼むように。
だが、瞼を閉じようとした彼女に安堵は赦されず。
ただ男の燃える相貌が、砕け散った心の覗く虚無の双眸が焼きついた。
「祈るか、戦闘機人。悲嘆しろ、貴様らに祈るべきものは残さない。死を悼むものは残さない。
元々あった鉄屑と、タンパク質の残骸……それだけ。あるべきものを、あるべき虚無へ戻すだけだ」
なんだよそれ――口答えも出来ずに、失意の淵でノーヴェという人格は死んだ。
あるいは、得られたかもしれない救い。
その安らぎさえも踏みにじり、ゼスト・グランガイツは“微笑んだつもりだった”。
もう、笑うことさえ忘れてしまったけれど、彼はひどく――救われていたから。
残酷な死の化身が、次なる獲物を求めて目を眇めた。
通信機をデバイスの演算機能で侵略し、情報を収集する。
その結果として、彼は飛翔する。
聖王のゆりかごは機能を停止した後、次元航行艦隊の集束砲撃で撃沈。
戦闘機人二名、人造生命「聖王クローン」を確保した機動六課メンバーのいる場所を特定。
その過程でルーテシア・アルピーノのいるエリアを通り過ぎるという事実さえ、ゼストを喰らった虚無にはどうでもいい。
案じていた理由さえも、今は虚無を求める暗黒に飲まれていたから。
◇
ルーテシア・アルピーノは優しい少年と少女に助けられ、ようやく未来を掴むことが出来ると、――こんな自分でも生きられると信じていた。
母親を眠りから覚まし助けるためにと、押し殺してきたすべての情動を解放され、少女は泣くことや声を押し殺すことを覚えていた。
泣き止んで、涙を払って。彼女はようやく前を見据えて――ふと、ゼストに通信を試みようと思った。
思い悩んだ末の答えとして、臆病な心を叱咤して真実を求め、二度と戻らない覚悟を身に纏った男へ。
空間モニターの起動音と、受信を待つ間の沈黙が、ひどく苦しかった。
受信。空を飛ぶゼストの姿――その無骨さに、少女は安堵していた。
《……ルーテシアか》
「ゼスト……アギトは?」
《……別所だ。安心しろ、生きている》
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奇妙な違和感を覚える。ルーテシアを見るゼストの瞳には、それまで見られた優しさも不安も見受けられず、
ただただ彼女という“存在”を認識する冷徹な知性のみがあった。一瞬、怖気を覚えながらも、ルーテシアは言った。
「ゼスト……私、負けた。でも大丈夫……きっと、前に進めると思う」
《そうか。お前は――――そうなのか》
すれ違っている? 異常なまでに、ゼストは“変わっていた”。
ただ、ルーテシアは思い出して欲しかったのだ。
たとえ残り少ない命であっても生きることが出来るはずだと
なのに、彼は他人事のように、冷たい言葉を返すばかり。
幼い情動は、気づくと親代わりだった男に叫んでいた。
「――っ! ゼスト、ゼストも生きて! きっと、未来は私たちにもあるからっ!
お願い、私のために――」
――生きて。
そんな願いに対し、変わり果てた男はこう応えた。
《まだだ。俺は殺し尽くす。そのために、土塊同然の命を削る。ルーテシア、》
呪いのように淡々と。
祝いのように心を込めて。
だからきっと、それは真実だった。
《――――お前は生きろ。この世に存在する幸福がまやかしでないと信じろ。
俺は殺す。奪われた全てと等価にするために――奴らに未来を与えぬために》
誰にも制御できない……何人(なんびと)であろうと触れることも赦されない、凝縮された『悪』がある。
慟哭することさえも出来ない男は、身に余る虚無を撒き散らすためだけに、そこに存在している。
それを、男の人格を飲み込んだ“ナニカ”を感じ取り、ルーテシアは凍りついた。
通信が、切られた。
◇
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次元犯罪者ジェイル・スカリエッティは、Fの遺産――テスタロッサに捕らえられ、己が企てた陰謀も潰されたことを知った。
聖王のゆりかごは沈められたし、可愛いルーテシアも精神制御から解放されたようだ。
あの面白みのない騎士は、勝手に真実を知って自滅したことだろうし――ああ、なんて面白みのない結果だ。
そのように自分勝手な理由で世界に失望していると、テスタロッサ執務官が慌てて空間モニターを開いていた。
いったいどうしたんだね、と口を開こうとすると……突然、研究所の通信モニターが点滅し、奇妙な光景が映し出された。
一面を覆う焔と、グチャグチャに捻れた車両の群れ。それらを背景に映る、肉で出来た顔のようなもの。
《ぎゃぁっ……ど、ドクター、ドクタァァ!》
まず、悲鳴に良く似た声が聞こえた。それはゆりかごの指揮を任せた娘、クアットロのもので……。
画面に映った彼女の様子は残酷無残であり、テスタロッサなどは目を背けている。
なぜならば――眼球のあるべき部位を一文字に裂傷が走り、ドバドバと血の飛沫が溢れ出て、四肢は全てが圧し折られ、人体としての機能を為していない。
にもかかわらずおぞましいのは、彼女がそれでも生かされていることだった。
首根っこを掴まれて無理矢理画面と向かい合わられたクアットロは、痛みに耐えている――涎と鼻水が悲鳴といっしょに溢れているが。
《こ、こいつがァァ! わだじを》
首根っこを掴んでいた、しわの寄った男の手がクアットロの顔をアスファルトに叩きつけた。
びしゃり……と血の飛沫が上がり、「ひぎゃ」とくぐもった声が上がる。
暗色の固い道路に広がる、赤黒い血溜まり。混じる白いものはおそらく歯だろう。
《黙ることを覚えろ。所詮は傀儡か》
画面から遠ざかったクアットロに代わり映ったのは、顔に無表情を貼り付けた壮年男。
茶色の髪、暗褐色の瞳、しわがれ摩耗したような顔――全身に擦り切れたコートと装身具を纏った騎士――古代ベルカ式魔導師。
その男の名を、スカリエッティは知っていた。その騎士が誰なのかを、フェイトは把握していた。
「騎士ゼスト、かね……?」
「ゼスト・グランガイツ三等陸佐!?」
言葉に対しゼストは無反応。
クアットロの――今やISの使用も出来ず地を藻掻くのみの存在だが――首を再び掴むと、その耳元でこう囁いた。
――俺の部下たちに懺悔しろ。そうすれば、命だけは助けよう。
激痛と驚愕に支配され、もはや身動きひとつままならない戦闘機人は……。
プライドで脆い自我を固め、高慢に振舞っていた彼女の心は、折れた。
《……ずいまぜん、ごめんなざい……わだじが悪かっ……だ、です……絶対に、絶対にバカにしてまぜんがらぁ……!
い、いのちだげは、だずげてくだざ、い……》
懺悔でありみっともない哀願であり、戦士の矜持など欠片も存在しない声。
それを聞き届けた騎士は誇るでも嘲笑うでもなく、ただぽつりと呟いた。
――こんな“モノ”が、か。
男の手中に音もなく実体化するのは、漆黒を塗り固めたような大槍――捻くれた刃の兇器。
両目を潰されたうえ、精密機器であるIS発動機を破壊され、センサー系統も混乱したクアットロはそれを理解しえない。
だから、だろうか。傍から見れば滑稽なほど、少女は一縷の生存の可能性に縋っていた。
《ごめん、なさい……わだじは、》
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それはフェイクか、それとも心からの懺悔だったのか。
あるいは真実そうなのかもしれなかったが、ゼスト・グランガイツの心を喰らった真っ暗闇は。
“理解を必要としない”。
画面に映る光景が何を意味するのか――ようやく悟ったフェイトの声が、甲高く響いた。
「やめて――――――」
《冥府でわび続けろ。至福だろう?》
呪いのように口ずさむ、ただ一振りの禍つ風。
振り下ろされた黒刃が少女の頭蓋をバターのように両断し、その苦しみは終わりを告げた。
――醜く食い散らかされたような、機人の死骸を除いて。
《刮目し待て。貴様らに安住はない》
通信が切られた。
◇
夥しい死があった。
正義は意味を為さず。
死に意味はないと悟り。
ならば罰を望む。
せめて罪に報いはあると。
悪に裁きはあるのだと。
そう信じたかった。
けれど。
そうはならない。
絶対に。
優しい世界は許容する。
罪があろうと生きる者を祝福するのだ。
◇
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戦闘機人クアットロ――四肢破損、眼球裂傷により失明の末、頭蓋両断で即死する。
戦闘機人ディエチ――固有兵装を奪われ拘束済み、無防備の状態で内臓器官を破砕され、ショック死。
創造主ジェイル・スカリエッティのクローンを胎内で育てると言う歪んだ目的を与えられた少女たちは、
一欠片の救いさえも赦されず、二度と動かない肉と鋼の塊となって横たわっていた。
燃え爆ぜる合成燃料の悪臭の中、動くのは正義を信じる若者たち――あるいはかつての自分を見るような心境。
青い髪の少女――おそらくはクイント・ナカジマの二人の娘の片割れ――が、涙を流して己を睨む。
金色の瞳への変色……たしかに、彼女は機人だった。
だが殺さない。それが一つの行動理由ゆえに。
「なんで、」
あまりにも、理解されることのない理由。
きっと、自分は二度と戻れないのだから。
あるいは刻むために。
「どうして、まだ殺す!? 何も戻らないのにっ!」
「取り戻すつもりはない、のだ」
思い出す。
急に出来た二人の娘に戸惑い、それでも愛情を持って育て上げた戦士のことを。
それを心から喜び、家族と認めた男との幸福を。
「奪われたすべては虚無へ還った」
思う。
もし神がいるのなら、何故あれらを生み出したのかと。
「ならばせめて、奪った者たちもそこへ還す」
思う。
もし正義があるのならば、何故自分たちでは駄目だったのかと。
拳がゼストに迫る。おそらく一撃必殺の素早さで。
シューティングアーツ。彼女が使い、娘へと継承された技。
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「……そんなの、間違ってる……」
目を細め、ゼストは思う。
「母さんは、そんなこと望んでないのに!」
――だろうな、と。
拳以上の速さで繰り出され、間合いの上でも優る予備動作の無い膝蹴り。
外見上からはわからないがフィールド魔法で防護された腹部へ鋭く打ち込まれ、圧倒的な衝撃として少女を吹き飛ばす。
弾き飛ばされた少女に聞こえるように、ゼストは声高に告げた。
「当然だ。死者は語らない、死者は笑わない、死者は望まない……これは俺の……」
きっと正義は振り向かない。
自分の心は凍ったままで。
砕け散った。
「……報復、なのだろうな。この世界の優しさが、一欠けらでもあったならば」
――部下たちだけは、生きていたなら。
いいや、一抹の裁きと報いが、己らが死してもなお存在したなら。
こうはならなかったに違いない……無意味な仮定だったが。
「そうはならなかった……だから、殺す」
正義さえ失った虚無の果てに、男はそう言い放ち飛び去った。
悲愴なる暴虐は、終わらない。
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あとがき
Q:俺の夢に何をするだぁぁぁ!
A:「選んで殺すのが、そんなに上等かね?」アイムスィンカー
大丈夫、貴方の嫁のナンバーズがお亡くなりになってても、大丈夫!
たぶん次回で作者のお気に入りも犠牲になるから!
・・・orz
そういうわけでひどい話です。
でもまあ、2010年を迎えて、作者的に一つの節目だったり。
胸に渦巻いていたSTSの「なにそれ?」感を形にしてみました。
まだ続く。その果てまでご覧あれ。
追伸
だがTSとかひどいギャグとか書いてるときと人格同じだろうか――
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ディエチ……………泣
ああああ、しかし、SSとしてはGJ!
なに、このジレンマ。
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うわ、クア姉がシグルイっぽい展開に…
むーざん むーざん
根性曲がりの 第4女 ずーんずん
ゆりかごの 指揮をとったら
あーかいまがくし咲いた
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GJ!!
ゼストの復讐……お見事!お見事にございまする!!w
復讐ってのは、救いがない方がいいですね。
ただただ、得るものなんてないのは分かってる。
しかし、やり返すってのがたまらない。
>>459
ゼストが槍で星流れしてんのを想像しちゃったよw
腕とか圧し折ったのは虎拳で。
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深夜に失礼します。
本当にご無沙汰ですが、以前、こちらで「復讐鬼」という陵辱SSを投下していたものです。
フェイト、はやて、なのはと続けるはずがフェイトが終わったところで中断しておりました。
間が空いたので完全に忘れ去られていますよね。
以前投下したものは保管庫で確認していただくとして、続きを投下させていただきたいと思います。
※注意
陵辱モノです。
オリジナル設定、というかアニメ以外で公開された情報のために不具合が多少出ています。
陵辱する側はオリジナルキャラになります。
これらが嫌いな人はNG設定をお願いします。
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フェイトらが行方不明になり、数日が過ぎた。
懸命の捜索にも関わらず、5人の所在は未だに分からず……。
管理局の内部にも、最悪の可能性を口にする者も現れだした。
当然……彼女たちと深い繋がりがある者は日に日に焦りを募らせていった。
「大丈夫だよね、みんなは?」
「あたりまえや。例え何が起こったとしても、みんなが切り抜けられない事態がそうそうあるとは思えへん」
空き時間の全てを、仲間の捜索に費やしているなのはとはやてにも、さすがに疲労の色が隠せない。
彼女たち程の実力の持ち主が、全力を尽くしても仲間の行方は杳として知れなかった。
「わたしより、はやてちゃんの方が情報は入ってきてると思うんだけど、何か聞いてない?」
「それを言うなら、なのはちゃんの方が現場に出ている人との接触は多いやろ? 何も情報はないんか?」
幹部候補として、仕官訓練を受けているはやて。
戦技教導官として、実戦に身を置くなのは。
2人の役割は自ずと違っている。
「はぁ……ダメかぁ」
「世の中うまくはいかんなぁ」
本来、一番バランスよく情報を仕入れられるのはフェイトなのだろう。
でも、彼女は行方不明。2人の間に入ることも多かったフェイトがいなくなり、なのはとはやての間もぎくしゃくすることが増えていた。
「今日の勤務は終わりだから……わたしはまた探しに行くね」
「そうやな。わたしも色々と調べてみるわ」
「約束だよ? 何か分かったら、すぐに連絡ちょうだいね?」
「当たり前や。なのはちゃんも、何かあったらすぐに連絡するんやで?」
「もちろんだよ。じゃあ、また後でね!」
「はやっ!!」
あっという間に、空へと消えていくなのはを、はやては呆然と見つめていた。
あれ程の行動力は、仕官候補として慎重な動きを求められる今のはやてには発揮できない。
(言い訳やな)
もしも立場が逆でもなのはは、ためらわず仲間のためにああやって空へ飛び出していくだろう。
それをしないのは、自分が結局組織に組み込まれている証明。
だからこそ、はやてにはなのはが眩しかった。
「わたしも……自分を取り戻さなあかんな」
はやては、ポケットの中にある紙を握りつぶす。
なのはの言う通り、幹部候補生であるはやてだからこそ得られた情報がある。
いや……。
正しくは幹部候補生であるはやてにのみ伝わるように仕組まれた情報があった。
『一人で来い』
はやてに指定された場所は……以前、フェイトとなのはと共に出向いた場所。
アルカンシェルで焼き払われたあの島だった。
「罠……やろうな」
そんなことは百も承知のはやてだった。
それでも行かなければならない。
大切な仲間を救うために。
「リィン。わたしに何かあったら頼むで……」
今の時間、はやてがいなければならない場所ではリィンが様々な対応に追われている。
一心同体。それが理解されているからこそ、自由に動ける時間ができる。
もうしばらくはやてが戻らなくても、誰も気にもとめないだろう。
「いこか」
発光と共に、はやての姿がバリアジャケットに変わる。
幹部候補生になってから、めっきり着ることが少なくなった。
それでもこれははやての大事な『甲冑』だ。
身を包めば、一人の戦士に戻ることができた。
「帰ってくるときは……みんな一緒や」
軽やかにはやては地面を蹴ると、久しぶりの大空へと飛び立つ。
だが、はやての願いは叶うことは無い。
もう二度と……はやてがこの場所に戻ってくることはなかったのだった。
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「ひどいもんやな……」
指定された場所に降り立ったはやての第一声だった。
はやてでなくても、他に形容する表現はなかっただろう。
アルカンシェルによって焼き払われた島は、その表面にあったものが全て失われていた。
焼け焦げたなどという言葉さえも生ぬるい。
そこにあるのは、厳然たる破壊の跡だけであり未だにその爪あとは痛々しく残されていた。
「あんなもん……撃たずに済むに越したことはないんや」
あまりに強力な魔道兵器の存在はいつでも賛否を呼ぶ。
だが、その威力ゆえに発揮される抑止力の存在を、幹部候補生でもあるはやては無視できない。
「わたしも、似たような存在やしな」
『デバイス』そのものの力で言えば、おそらく管理局どころかこの世界でも最強クラスの力を誇る『夜天の書』。
その持ち主であるはやても……管理局の切り札であり同時にその力を知る闇の犯罪者達への抑止力でもあった。
「で? 隠れてないで出てきたらどうや?」
死の気配しかないはずの島だからこそ、イヤでも分かる。
そこに蠢く『生命』の気配。
そして、本来陰陽で言えば『陽』であるべきはずの生命が、嫌悪を催すほどの『陰』の気配であることもはやては感じていた。
「やっぱり……あんた達か」
遠めには森に見えたかもしれない。
だが、その幹と勘違いする部分はおぞましいぬめりを持った生き物の身体。
そして、その枝葉は大小さまざまな形を持ったいわゆる触手の集合だった。
「全部焼き払ったと思ったんやけどな。あんたが連れてきたんか?」
はやての視線は触手を持つ魔物の大軍を通過し、その先に向けられていた。
『陰』の気配の中に、たった一つ潜む『陽』の気配を持つ存在がそこにはいた。
だが……その表面から発せられる気配は、魔物以上の負を感じさせる。
「ほう。気配は完璧に隠したつもりだったが……」
魔物の影から姿を現したのは、体躯のいい一人の男だった。
「招待状の差出人はあんたか?」
はやては取り出した一枚の紙に折り目を入れながら男に語りかける。
それはやがて飛行機の形を取り、はやての手から離れ男へと飛んでいく。
魔力も与えられていないのに、その飛行機は正確に男にたどり着いた。
「そうだ。わざわざご足労いたみいる」
男は紙飛行機をキャッチすると、恭しくはやてに向かって頭を下げる。
その仕草は場に似つかわしくなく優雅だった。
後ろに控えた、おぞましい魔物たちがいなければはやてを舞踏会に招いた貴族……と言っても不思議が無いほどに。
「本当に一人で来るとは感心だな」
「わたしは、約束を守ることをモットーにしとるからな」
「なるほど。さすが、将来人の上に立とうという者。いい心がけだ」
薄く笑う男を前にしても、はやては探知魔法を使うのをやめていなかった。
はやてがここにきた理由。それは、行方不明の仲間の救出以外にはないのだから。
だが、はやての探知魔法を持ってしても……目当ての手がかりを探ることはできなかった。
「探知魔法に引っかかるような無様なことはせんよ」
「お見通しか。さすがやね」
細心の注意を払ったはやての探知魔法を察知するのは容易ではない。
それを見破る時点で、男の実力は……はやてに劣らぬレベルにあることは間違いなかった。
-
「教えてくれるつもりは?」
「条件次第だな。お前が無条件降伏し、さらに高町なのはを差し出せば……考えてやらないでもない」
「随分と欲張りな要求やなぁ……」
はやてが二つのデバイスを構える。
いきなりの交渉決裂。それが行き着く先は一つしかなかった。
「欲張りなものか。お前達が奪ったこの地の我の仲間の命を考えれば安いくらいだ」
「やっぱり……あの一件の生き残りなんやな」
予想できていたこととはいえ、はやては唇を噛み締める。
そんな男が自分たちを狙う理由はひとつだけ。復讐と考えるのが妥当だろう。
男の目的が復讐である以上、取引での仲間の解放は不可能であることを悟ってしまう。
「仮に、や。もしもその要求を呑んだら……わたしやなのはちゃんはどうなるんや?」
「聞くまでも無かろう。女として生まれたことを後悔するほど……死すら生ぬるい目に遭ってもらうだけのことだ」
男の言葉の意味が分からないほど、はやては子供ではなかった。
そして……その言葉は、すでに男の手に落ちているであろう彼女の仲間がそういう目に遭っていることを意味しているに等しい。
「我は復讐のターゲットを、あの夜空に浮かんでいた三人の女に定めている」
「そちらから手を出されなければ……他の者に危害を加えるつもりはない」
言葉を失い、俯いたはやてに向けて男は抑揚の無い声で告げる。
「どうだ? 管理局の幹部候補として、その二名の犠牲で他の犠牲を食い止められるのであれば悪い話ではあるまい?」
決断を迫る男の声に、はやてが重い口を開いた。
「そうやって、管理局(うち)のお偉いさんにわたしを売らせたわけやね?」
「察しがいいな。だが、上に立つ者として、この判断は間違いとは言えないだろう」
「損得勘定が得意なところは、あんたと気が合いそうやね、あのおっさん達……」
はやてにデバイスを降ろす気配は無い。
男の言葉を聞き入れる意思がないことは、それだけで十分に伝わる。
「でもな? わたしは管理局のそういう体制を変えたくて士官候補生をやっとるんや」
一言発するたびに、はやての周囲に魔力が満ち溢れていく。
普段は、その大きすぎる力ゆえに魔法を使う状況を限定しているはやてだったが……。
今は、その限定の全てを解除していく。
「あのアルカンシェル発射の件も……あんたに理があるのは知っとる。腸煮えくり返っとるやろうな」
「そこまで知っていて、責任も負わずに我に手向かうのか?」
「……責任は、ここであんたに屈することや無い。生き延びて……仲間と一緒に管理局を変えていくことや」
はやての足元に魔方陣が幾重にも形成されていく。
夜天の魔道書も、騎士杖のシュベルトクロイツも輝きを増していく。
-
「なあ。虫がええのは分かっとる。でも……わたしを信じてみる気はあらへんか?」
「なるほど。もしもあの時、お前が力を持っていれば我の運命も変わったかも知れぬな」
男の負の気配が、わずかに緩む。
フェイトも、はやても本来ならば、この島を理不尽に潰す考えの持ち主ではない。
もう一人の少女、高町なのはさらにそれを望まない人間であるという情報も得ている。
「だが……今現在、貴様らが無力で、我の大事な者を殺すのを止められなかった事実は変わりはない!」
「……っ!」
男の周囲の空気が揺らぐほどの気合が、満ちていく。
その凄まじさに思わずはやては一歩飛びずさり、男との距離をとっていた。
「いかに奇麗事を言おうが、お前らは我の復讐の標的だ!」
「そうか。お偉いさんの損得勘定やないが、その怒りが今はわたしだけに向けられているのは悪いことやない」
自分が頑張れば……はやては事態の全てを収めることができる。
あのときとは違い、無力な自分を悔やむだけではない。
「あんたのためにも……わたしは負けられないんや」
「いいだろう! その想いを砕いてこそ我の復讐は成し遂げられる!」
はやてと男の魔力が、二人の間でぶつかり火花を散らす。
本来なら人質を持つであろう男が圧倒的有利な状況。
だが……男の復讐が人質を使った投降では満たされないことをはやては理解していた。
だからこそ、もてる魔力の力を全てぶつけることができる。
「ほほう。想像以上にやるようだな……」
「そうやな。後ろに控えてる雑魚どもやなくって、あんた自身が来いや」
はやてに一瞥されると、その魔力にひるんだ魔物が後じさっていく。
「あんたはもしもあのとき自分がいれば……。そんな風に今も自分を責め続けとるんやろ?」
「無論だ。我が居れば……あんな事態は招かなかった!」
当時のことを思い出したのか、男の言葉の語尾が微かに震える。
だが、それを打ち消すほどに男の声は力強かった。
「それも思い上がりや。無力なのは、わたし達じゃなくって……あんたや!」
「なに?」
「それを思い知らせたる。わたし一人も倒せないあんたに、そんな力がないことを」
「挑発か? だが、我はその程度で冷静さを欠いたりはせぬぞ?」
応じてしまったことこそが、挑発の効果があったことに他ならない。
それほど、男にとって失ったものは大きかった。
-
「それにな? あんたに言われんでもここには一人で来るつもりやったんよ」
「それこそ思い上がりだ! お前達! 思い知らせてやれ!」
「ぐぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
戦端をきるように、男の背後に控えた魔物たちが一斉にはやてに向けて襲い掛かってくる。
「雑魚はひっこんどりや!」
だが、次に瞬間には閃光と共に、魔物の全てがその姿を消していた。
「わたしな? まだ夜天の力をまだうまく扱いきれてないんや。全力で戦ったら他の人を巻き込んでまうかもしれへん」
残骸さえもなく消え去ったために、はやてと男の間の視界はクリアになる。
さらに生き残りの魔物までも、はやての気迫に押されるように遠巻きに囲むだけとなってしまった。
「並の魔道士では足手まといと言うことか。だが……あの場で一緒にいた高町なのはならば、共に戦えたのではないのか?」
「いいや」
男の言葉にはやては大きく首を横に振る。
「なのはちゃんは優しいから。あんたを……たとえ何があっても許してしまうかもしれへん」
「反吐が出そうだな。そんな甘さ……虫唾が走るわ!」
叫びと共に、男の手に現れた鞭状のデバイスが四方八方からはやてを襲う。
だが、その全ては何事もなかったかのようにはやてが張った障壁に弾かれていく。
「半分はあんたに同意したるわ。そんな優しさ……あんたには必要ない!」
「ぬ! くぉおおおお!」
単純な魔力弾が男を襲う。
すんでのところで回避に成功した男だったが、込められていた力に改めてはやての実力を痛感する。
「容赦はなしや! 今はただ……心のままに、あんたをぶちのめしたる!」
「ふん! その方が分かりやすくてよいわ! 下がっていろ! お前達!」
男は周囲の生き残りの魔物を遠ざけると、はやてに向けてデバイスを構える。
はやての言う通り……この場にそぐわない実力の持ち主はただの足手まといだった。
「かなりやるようだな。だが、それでいい。お前があまりに弱ければ我はそんな者からも大切なものを守れなかったことになるからな」
男の魔力に空気が震えていく。
幾重にも張り巡らされた魔方陣の数ははやてが展開したものに匹敵していた。
「全力で来てくれるなら好都合! それを倒し! ひれ伏させてこそ、我が復讐は完成する!」
「言ったやろ? あんたには……絶対できへん!」
「口だけでないと証明してみせるがいい!」
膨れ上がる二人の魔力がぶつかりあい……。
それを合図に、戦いの幕が上がる。
それは……夜天の王と呼ばれた八神はやての最後の戦いとなった。
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本日はここまでになります。
導入部分で陵辱まではもう少しかかります。
次の投稿で触りくらいには入れるかと思われます。
一区切りつくまではあまり間を空けずに投稿していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
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マルチマックス氏
待ってました
続きジャンピング正座して待ってます
ところでマルチマックス氏の復讐鬼が保管庫から読めないんですが……私だけですか?
独り言
雷刃シリーズ投稿したのに何も言われなかった……
いやまぁ分かってるよ
感想みたいなレスを強制しちゃいけないって
でもね……グスン
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戦闘民族高町家は流石に引いた
というか分かってないでしょ…いくら独り言だの分かってるけどだの予防線張ってもそれ書いちゃったら意味が無いよ
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すいませんでした
私の書くSSにそれだけの魅力がないという事でしたね
精進します
皆様本当に申し訳ない
m(_ _)m
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さあ、>>469が書いてくれる新作に期待しようかw
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気持ちはわかるが、いろいろと飲み込んでおこうという事で
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>>470
投下のタイミングが悪いとそうなる、ドンマイ。
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レスが付かなかったことを悔いるより
次はレスが貰える様な作品を作ることに意気込んでもらいたい
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>>467
GJ! ずっとお待ちしておりましたよ〜。
この後は熱いバトルの後にねっとり濃厚な陵辱ですね、わかります。
それにしても、複雑な思惑が絡みついてるな……
>>470
いや、コメントの少なさは投下のタイミングが悪かっただけだと思う。上でも言ってる通り。
俺は面白かったよ。今更だけどGJ。
ただ、書く方としての意見を言わせて貰うと、描写力が弱いかな。
○○が××をしました、だけじゃなくてもっと深く表現して欲しいというか。
GJ言うのが基本の板で指摘とかすると、
大抵のSS書きは嫌になるか詰まらなくなるかして消えちゃうんだけどね……
氏ならきっと、今よりももっと面白いものを作れるだけの才能がある。
頑張れ!
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感想の数は文章の良し悪しとは別の問題も結構あるよな
注意書きのカプ・設定で読む層の幅が全く変わるし
それに最近は投下多いから、読むのが間に合わなくて感想がつきにくそう
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>>467
GJ!
待っていました。
今のはやてが格好いい分、後々がとても楽しみです。
自分は携帯からですが、マルチマックス氏の作品のみ何故かwikiで見れません。
何故かわかる人います?
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>>470
気を落とすな。
感想ゼロなんてよくあることだ。
身に覚えのない書き手のほうが少ないと思うぞ。
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こんばんわ。
覚えていてくださった方がいらして嬉しいです。
保管庫が閲覧できない理由は自分にはわかりません。
PCからなら問題なく見られるようですが……申し訳ありません。
しばらく待ってみましたが今日は投下がないようなので連続になりますがいかせていただきます。
今回は区切りどころが難しく少し長めになってしまいました。
お付き合いいただければと思います。
いつものように注意書きから。
※注意
陵辱モノです。
オリジナル設定、というかアニメ以外で公開された情報のために不具合が多少出ています。
陵辱する側はオリジナルキャラになります。
これらが嫌いな人はNG設定をお願いします。
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1度アルカンシェルで焼き払われていたことが、今だけはこの島にとっては幸いだったかもしれない。
「く! さすがに簡単にあたらへんか!」
全力全開のはやての繰り出す魔法は、完全に島を平らにしてした後、その地面に無数のクレーターを産み出していた。
もしも景観と呼べるものが残っていたのであれば、その全てははやてによって壊されていたことだろう。
「なんという出鱈目な力だ……」
その出鱈目な魔力による攻撃を、男は際どいところで避け続ける。
フェイトと戦ったときと同じく、受けに回ることを強いられていた。
「この暴れ馬が……」
暴れ馬のような、はやて自身も制御しきれていない力だったことが男の対応を困難にさせていた。
フェイトのように洗練された動きならば先読みでもしやすく反撃の機会を伺うこともできる。
だが、圧倒的な魔力と攻撃力を際限なく繰り出し続ける『だけ』であるがゆえに法則も何もあったものではない。
「うおぉ!」
「外したか……! くよくよしてる暇なんかあらへん! 次や次!」
まるで予測ができない方面からの攻撃は、男の理解を超えている。
熟練した魔法使いであれば、決して選択しない攻撃の数々。
だが、その一つ一つは食らえば致命となる威力を秘めている。
まるで、近代兵器を振り回す子供を相手にしているようなものだった。
「魔力は底なしに等しいか……。ならば反撃せねばやられるな」
攻撃は最大の防御を地で行くはやてだが、その圧倒的な魔力ゆえにスタミナ切れを待つ戦術は困難。
そう判断した男は、鞭状のデバイスを改めて構えなおす。
「いくぞ! お前の力をみせつけてやるがいい!」
「む? 来るか?」
男のデバイスが形状を変える気配にはやてが気がつく。
爆煙で視界が悪い中でも……はやてはその気配を見逃さない。
はやての集中力はかつて無いほど高まっていた。
「煙に紛れてくる気やな?」
周囲に展開している障壁に魔力を供給し強度を増す。
堅固な盾は、男の攻撃をしのぐには十分なもの。
だが、それはわずかではあるが男への攻撃を鈍らせ、余裕ある形で男がはやてに攻撃を仕掛けることを可能にしてしまう。
「な!」
爆煙を切り裂いて、鞭状のデバイスが飛んでくるのもはやての予想の範疇だった。
だが……弧を描きながら飛んでくるその鞭の形状は、今まではやてが見ていた男の手にあったものとはものとは違うものだった。
「レヴァンティン……やて?」
はやてが見間違うはずもない。
彼女を守護する騎士の一人、シグナムの誇りの象徴であるデバイスと同じ姿だった。
-
「いいのか? 動揺が目に見えているぞ?」
「は! あかん!」
レヴァンティンと思しきものの攻撃は、はやての障壁を貫通するものではなく弾かれる。
だが、はやての意識がそちらに向いた瞬間に、男ははやての頭上に舞っていた。
「厄介な障壁だが……叩き潰させてもらうぞ!」
「な、なんやて?」
障壁に弾かれた刃が、戻っていく。
そして次の瞬間には、男の手元でこれも見覚えのあるものへと形を変えていく。
「アイゼン?」
「くらぇええええええええ!」
はやての知る鉄槌の持ち主よりはるかに大きな男が操るハンマーが、容赦なくはやてに振り下ろされる。
「きゃぁああああああああああああ!」
その威力は凄まじく、障壁もろともはやてをその場から弾き飛ばしていく。
「ふむ。やはり砕けぬか。主が下僕より弱いとは思わなかったが、さすがだな」
「ど、どうして……」
アイゼンの一撃を受けても、障壁はその強度を保ったままだった。
だが、その中のはやてには肉体に受ける以上のダメージを与えることに成功する。
「デバイスというのは便利なものだな。このデバイスは……お前の持つデバイスとよく似ているかもしれん」
ようやくやんだはやての攻撃に、男は悠然と土煙の向こうから姿を現す。
「それは! クラールヴィント……まさか!」
男がはやての魔法で受けた傷が何事もなかったかのように消えていく。
それを行っているのは……やはりはやてがよく知る騎士が持っているはずのデバイスだった。
「そうだ。このデバイスは……我が屈服させた者のデバイスの特徴を写しとるのだ」
はやては蒐集行使と呼ばれる夜天の書のレアスキルを持つ。
『はやてのデバイスに近い』男の言葉は正解であり……そして、はやてのデバイスの情報を事前に知っていたことになる。
それを男に伝えられる存在は……限られている。
「っ……!」
覚悟はしていたはずだった。
それでも……はっきりとその事実を突きつけられたことは、よりはやてを動揺させる。
-
「くくくく。女の場合は……屈服の基準が分かりやすくてよい」
「あ、あんたっ!」
怒りに震えるはやてを、男は楽しそうに見ながら、言葉を続ける。
「我がお前に一人で来いと言った理由……分かってもらえたかな?」
「なるほど。そういうことなんやね……」
様々な感情を押し殺すようにはやては無機質な声で答える。
同時に、自身の周囲の障壁に魔力を注ぎ強化していく。
「その夜天の書の力を写しとれば……我はより強くなれる!」
男の目的ははやてだけではなく、そのデバイスだったことに気がつきはやては唇を噛み締める。
単純な攻撃力に優れたデバイスよりも、蓄積された情報こそが男の求めるものだった。
「おっと。一時撤退とか興ざめすることを考えるなよ?」
「わかっとる。あんたを倒さないと、ここは出られないんやろ?」
はやてと戦い、防御一辺倒に見える中で男が島を結界で覆っていたことにはやては気がついていた。
周囲に被害が出ない状況ははやてには好都合であり、男がどんな企みをしていても防ぐ自信があったから放置していたのだ。
「分かっていたか。さすがだな。ならば最後まで潔く戦え」
はやての力なら、結界を破ることは難しくは無い。
だが、それはあくまで男の妨害がなければの話だ。
結果として、はやてには男を倒す以外の選択肢は存在していないのだった。
(あかん。ここでわたしが倒されたら……)
夜天の書が蓄積した魔法を男が自在に行使できるようになったのなら……。
男の次の標的であるなのはをもってしても、男を止めることは叶わないだろう。
その想いがはやての周囲の障壁をより強固なものへと変えていく。
(ふん。やはりまだ若い)
その障壁を見て男はほくそえんでいた。
-
「攻撃しないのか? ならば、我から行くぞ!」
クラールヴィントの形をとったデバイスが、姿を変えていく。
「っく! やっぱり……っ!」
それは……金色の死神の鎌。
フェイトの愛杖である、バルディッシュの姿だった。
「やめや……! みんなの力を……そんなことに使ったらあかん……!」
「ならば止めて見せるがいい!」
「く……!」
フェイトのデバイスまでも写しとられていたことが、はやての攻撃に移る手を止めさせる。
無論何もしないわけではなく、ショックの中でもはやては障壁により強い力を与えていく。
だが、それさえも男の思惑通り。
「くらえぇえええええええええええええええ!」
フェイトを思わせるスピードで、立て続けに障壁に鎌を振り下ろす男は勝利を確信し笑っていた。
今までのはやての圧倒的優位は、後先を考えない出鱈目な攻撃一辺倒だったところによる。
はやてが自分のデバイスの力を奪われることを恐れ、守りに入った時点で戦況は男に有利に傾き始めていた。
「大丈夫。こんな攻撃……通さへん!」
障壁は男の攻撃を弾き返し続ける。
だが、攻撃の際に生じる僅かな隙も男が見逃さないことが分かるだけに、はやては亀のように障壁に閉じこもることしかできなくなっていく。
男の武器は次から次へと仲間のデバイスに姿を変えて、はやての心を蝕んでいく。
「なのはちゃん……。どうすればいいんや?」
大切な友達に、はやては知らずに届かぬ問いかけをしてしまう。
だが、その問いかけも、友の答えも……男が張った結界と、はやて自身がはった障壁が遮ってしまう。
孤立無援の中で、はやてはただひたすらに男の攻撃に晒され続けていった。
「ふふふふ。耐えているだけでは退屈だろう? 余興でもどうだ?」
男が小さく呪文を呟くと、中空に鏡のようなものが出現する。
そこに映し出されていたのは、数日前にこの島で起きた出来事。
「シグナム! ヴィータ! シャマル! ザフィーラ!」
島の異変に気がつき乗り込んできて男に敗れていくはやての守護騎士たち。
ザフィーラが絶命し、男に挑んだフェイトが敗れていく様。
「……フェイトちゃん」
そして……快楽責めの拷問の末、バリアジャケットを解除され、犯されていく様子。
「やめや! そんなの見せないで! 今すぐ消しぃ!」
「余興は不満か? 我なりに精一杯もてなしているのだがな」
やがてフェイトが快楽に堕ちていく様。
自らの意思で男を受け入れるフェイトの姿。そして、男と触手の毒牙にかかるヴォルケンリッターの3人の少女の姿。
やがて始まる男と、4人の美しい少女の狂宴の数々。
「やめやめやめ! やめてぇえええええええええええ!」
映像から響き渡る少女達の喘ぎ声をかき消すように、はやての絶叫が響く。
激情に任せて男に飛びかかれたのならば、どれだけ楽だったのだろうか。
だが、それが自分にどれだけの隙を生むのかをはやての冷静な部分は理解していた。
残された仲間のために……特になのはのために、はやては男の攻撃に耐え続ける。
魔力による障壁は堅固で、男にも容易には破れない。
だが……はやての心の壁は……男の振るう仲間のデバイスに。
繰り返し再生される仲間の陵辱の場面に、一枚、また一枚と壊されていくのだった。
-
「くぅ……っ!」
男のデバイスは、フェイトのバルディッシュの最強攻撃モードであるライオットザンバーへと姿を変えはやてを襲う。
魔力を込めた障壁は破られることこそなかったが、その大剣ははやての居た場所をなぎ払い、障壁もろとも弾き飛ばしていく。
(あかん……。威力はフェイトちゃんより上かもしれん)
威力十分の一撃に地面を滑らされ、後退しながらはやては焦りを強くしていく。
実際にはその威力をフェイトのものと単純比較することは大きな誤りだった。
スピードを身上とするフェイトと、はやてに合わせるように火力重視で戦っている男の一撃を比べれば威力が勝るのは当然。
総合的な面では大差は無いどころか、バルディッシュを使い慣れている分、まだフェイトに分があるだろう。
(このままやと、やられるのも時間の問題……)
そんなことさえも判断できないほどにはやての精神は追い込まれていた。
男の一撃は、未だにはやてに届いておらずダメージを一つも与えていない。
普段の彼女ならば、冷静にその事実を受け止め反撃の機会を探ろうとしただろう。
だが、イヤでも目に入る仲間の陵辱される姿と、自分の知らない淫靡な嬌声に耳を塞ぐことも許されない状況でそれは難しかった。
敗北した暁には自分もその仲間入りをさせられるかもしれないという恐怖。
さらに、自分の敗北は夜天の力を男に与えることになるという恐怖。
想像を超える恐怖の数々に、はやては状況を打開する手立てを見出せなくなっていた。
「はぁああああ!」
男の攻撃に、はやての身体が障壁もろとも弾き飛ばされ続ける。
ダメージがないことは男も百も承知。
それでも、『攻撃を受けている』という実感をはやてに与えるためにあえて派手さを重視した攻めを続けていく。
「ふむ。このまま押し切ってもいいのだが……一つ取引をしないか?」
だからこそ……。
もう一度派手に吹き飛んだ直後にかけられた男の言葉に、はやてが耳を傾けてしまうのは仕方が無いことだったかもしれない。
「取引……? 投降なら最初に断ったはずや」
「違う。防戦一方では退屈だと思ってな。少し戦い方の趣向を変えようと思ってな」
「……言ってみぃ」
ひとまずやんだ男の攻撃の嵐に、表面を取り繕う程度の余裕を得たはやてが聞き返す。
取引に弱気な様子は禁物……。将来の幹部となるべき研鑽を積んでいるはやてにとっては最重要事項でもあった。
-
「お前の仲間が行方知れずになる数日前……。お前が無限書庫で何をしていたか覚えているか?」
「……っ!」
男の言葉にはやての顔が真っ赤に染まっていく。
(シャマル……。そんなことまで……)
シャマルだけが知りえる情報。
それは管理局の内情にはまるで関係の無い話だった。
だが、それはそんなことさえも情報として提供してしまうほど……彼女の状態が尋常ならざるものであることをはやてに伝える。
「そこで、どんな本を読んでいたか……。覚えているな」
「……取引とやらに関係あるんか、それは?」
男がはやての動揺を狙っているのであれば、それにつきあってやる理由は無い。
改めて障壁に魔力を込めながら、頬を染めたままではやては男を睨みつける。
「ないことはない。あの本の状況を再現してやろうと思ってな」
「……確かに、必要な登場人物は後ろにイヤって程揃っとるな」
無限書庫ではやてが見つけて、つい読みふけってしまった本。
司書長でもなければ踏み入れないはずの場所に置いてあった物だった。
「マンガというもののようだが、なかなかそそるものだったな」
「……あんたを捕らえたらいくらでも差し入れに持っていったるわ」
裏カバーに張られた『18禁』を意味するシールがそのマンガのカテゴリを示していた。
『ユーノ君も男の子やしな』
だが、彼をからかうネタとしては最高のものだ。
はやてがそんなにおいしいものを見逃すはずも無かった。
「随分と熱心に読みふけっていたようではないか?」
「く……」
絵柄が可愛らしかったこともあり、めくってみたのが運のつき。
赤面しながらも、結局最後のページまでしっかりと読んでしまったのだった。
-
「そのマンガとやらと同じシチュエーションを用意してやる」
「なんやて……?」
男の言葉の意味を掴みかねたはやてが、不思議そうな顔をする。
「もしも、お前がその状況を切り抜けられれば、お前の仲間の全てを解放し、捕縛されることを約束しよう」
「ほんまか? さすがに信じられへん話やろ、それは」
「我は約束は守る。なんだったら契約の魔法をを交わしてもよいぞ?」
男の目に魔力の光が宿る。
契約を交わせば、決してその約束を違えることができなくなる魔法。
禁呪の一つではあったが、はやてもその術式は把握していた。
それゆえに、男の言葉に偽りがないことを理解する。
「契約は一方通行では成立しないもんや。もし、わたしが負けたら?」
「簡単なことだ。夜天の力を我のデバイスに移せばいいだけだ」
「このまま続けることと何の代わりもない気がするんやが……」
頭をめまぐるしく回転させながら、はやては状況を整理していく。
男にしてみれば、このままはやてを倒せば契約などする必要も無く望みを果たすことができる。
はやてにしてみても同じ。男を打ち倒せば待っている結末は何も変わらない。
「何。簡単なことだ」
本来のはやてならば、気がついていただろう。
男の攻撃がはやての障壁を破ることが容易でないこと。
そして、男のデバイスの『デバイスをコピーする』力が、このままでは発動条件が難しいことを。
それはすなわち……これから行うことに男が必勝の算段があるからだということに。
普段ならば、冷静に男の要求ははやてに拒否されているはずだった。
だが……。
「お前の痴態が見たいだけだ。復讐の余興としては最高だと思わぬか?」
「っ……!」
男がはやてに見せつけ続けた、はやての仲間達の陵辱の場面がここに来て意味を持つ。
憤怒の激情、犯されること恐怖、男への嫌悪……。
それぞれが組み合わさり、男の狙いに気がつかずに言葉を額面どおりに受け止めてしまう。
魔道士としては互角以上でも、そちらの方面は男に比べてはやては激しく未熟であった。
「ええよ。でも、あんたの思い通りになんか、ならへん」
男の思惑通りに、はやては男から提示された契約の魔法を受け入れることを決意する。
精神的に追い詰められていたはやてにしてみれば……男との戦いを継続するよりは『新たな条件』の方がくみし易いと思うのも無理からぬことだった。
「ならば誓え。勝負の結末の際の約束を違えぬことを」
「あんたもな」
はやての瞳にも魔力が宿る。
二人の視線が重なりしばらくすると、その魔力を宿した瞳が本来の色に戻っていく。
それが、互いの契約が完成した合図だった。
「お前の勝利は、我の繰り出す魔物を退けること。分かりやすいであろう?」
「念のため聞くが……魔物は、あのマンガに出てきたものやよね?」
「無論だ。完全に再現はできなかろうが、違うと思うのであれば満足するまで代わりを用意しよう」
「OK。で、わたしの敗北の条件は?」
努めて冷静を装うはやてだったが、その言葉の語尾が微かに震える。
マンガの結末が敗北の条件だというのであれば……その光景は想像もしたくないものだった。
「そうだな。これも分かりやすい指標が必要になるな」
数秒の黙考の後、男はぽんと手を打ち笑みを浮かべる。
その笑みはまるで悪戯を考え付いた子供のようで、今の状況でなければ魅力的に映るものだろう。
「バリアジャケットと言ったか? お前の纏っているそれが……完全に消滅したら、ということでどうだ?」
「っ……!」
快楽の果てに、フェイトやボルケンリッターのバリアジャケットが消滅していくのを、男が投影した映像でみせつけられていた。
普通に攻撃によって破壊するのではなく……その手段は明白だった。
「ええよ。それでいこう」
敗北が意味することも理解できてはいたが、はやては覚悟を固めて構えを取る。
-
勝負の方法が決まったことに男は満足げに頷くと、両手をかざす。
「出でよ! 我が下僕!」
男の掛け声とともに空間が揺らめき、その向こうから何者かが現れる。
「ううう……やっぱりぃ……」
姿を見せたのは、ゼリー状のぬめりを帯びた生き物だった。
スライム……ファンタジー小説ではそう呼ばれる存在が5匹。
大きさは、サッカーボール程度で、はやての小さな手でも掴んで持てそうなほどだった。
「これを倒せばいいんやな?」
「うむ。我は手を出さぬ。お気に召さぬならば、魔物を代えよう」
注意深くはやてはスライムを見守る。
(なんの変哲も無い……。さっきまでの触手の奴よりずっと弱くみえるんやけど……)
はやてのその目算は正しく、普通に戦えばすぐにでもはやての勝利に終わる戦いのはずだった。
だが、男の自信満々な様子から考えて見た目の通りの戦闘力だとは考えにくいことも事実だろう。
「何を企んでるんだか知らんが、全部跳ね返せばいいだけの話や」
「それは了承ととって、いいのだな?」
「……あのマンガと同じ結末になんか、絶対にならへん」
男の言葉に頷くと、はやては久しぶりの攻撃のために魔力をデバイスへと注ぎ込んでいく。
その魔力は膨大であり、男を相手にしたときと変わらないどころか、それ以上のものだった。
(やはり……正面からでは手を焼いたか)
見せ付けられるはやての戦闘力に男は素直に感嘆する。
だが、戦いというのは純粋な戦闘力だけでは決まらない。
それを覆すだけの根拠を、男ははやてとの手合わせの中で確信していた。
「いっけぇええええええ!」
それは一瞬だった。
はやての魔法の炸裂と同時に、スライムの一匹はその場から姿を消していた。
塵さえ残さず消えたその一撃が、威力を物語っている。
「いける! 後悔しても遅いで!」
周囲には、相変わらずの強度の魔法の障壁。
男が何を企んでいても……魔物の攻撃は決してはやてに届くことはない。
マンガの結末を迎えさせるためには、はやてに触れることが必要不可欠な条件である以上、はやての勝利は動かないもののはずだ。
「遅い!」
襲い掛かってくるスライムを3匹まとめて消滅させてしまう。
障壁に届くことさえなく……スライムはその数をみるみると減らしていった。
「ふむ。さすがにやる。ますますその力……欲しくなったぞ」
実力どおりの展開にも、男は慌てた様子はなく、はやての力を評価する余裕さえ見せていた。
「く……!! そんな余裕、今のうちだけや!」
最後に残されたスライムが、その身体を宙に躍らせる。
何の捻りもない特攻が、はやてに向かって飛んでくる。
「油断は……しない!」
今まで以上の魔力を込めて、スライムに魔法を行使する。
こいつを消滅させれば、男との契約の魔法が発動。
はやての勝利が確定する……はずだった。
-
だが、その大魔力の放出さえも、男の計算のうちだったことを、後にはやては思い知る。
「え!!!」
次の瞬間にはやての目は信じられないものを映し出す。
消滅するどころか、魔法を受けたスライムはその体積を増量させながら、はやての障壁に突き進んでくる。
「そんな……でも!!」
対処は間に合った。はやては周囲の結界に魔力を注ぎ込み、その威力を増していく。
だが……それが最大の誤りであることにすぐに気がつくことになる。
「ま、まさか!!」
「さすがに気がついたか。魔力を吸収する体質……すなわち、魔法はこいつには絶対に効かないのだよ」
「うそ、やだ、どうしてや!!」
魔力のこもった障壁は、スライムにとっては格好の餌になる。
スライムはその体積を増していき、同時にはやての周囲の障壁が完全に消滅する。
遮るもののなくなった今、スライムはそのままはやてに向かって降りかかっていく。
「きゃあああああああああああああああああああああ!!!」
その身があっという間に、スライムに覆われていく。
面積的にはまだはやての全てを覆うにはいたらないが、分裂を繰り返し、はやて身体の至るところに粘性の高いゼリー状が置かれていた。
「このっ! ねちゃねちゃ、気持ち悪い……っ!」
「どうした? もうおしまいか?」
「そんなことあるかい!! すぐにこんなの引き剥がして……」
這い回るスライムの感触に耐えながら、はやては胸の部分に乗ったスライムに魔法を行使する。
「慌てると状況判断もできなくなるようだな。やはりそれほどの力も宝の持ち腐れか」
「え、わ、きゃああああああああ!!」
魔法を受けた箇所のスライムは、それを吸収し、その面積を広げていく。
「そ、そんな、だったら……」
シュベルトクロイツを傍らに置くと、はやては身体に張り付くスライムを引き剥がそうとする。
力自体はそれ程強くもないので、はやてでもそうすることは難しくない。
実際にこのスライムの戦闘能力は、男の下僕の中で最弱と言っていい。
RPGなら素手やひのきの棒といった武器しか持たない勇者が最初に出会う程度のものだ。
「あ……あっ、ちょっ! なにを……ん、あ、っく……あ……っ!」
だが、魔法『しか』使えない非力な少女にとっての相性は最悪だった。
管理局で格闘の指導も受けているとはいえ、まだ病から回復して間もないはやてはそのプログラムは大きく遅れている。
最弱の魔物とはいえ、それを振りほどくにははやては力不足だった。
-
「な、なんや……これ、あ、んぅ……あ、あっ、ふぁ……や、なにが……?」
「ふふふふ。気に入ってもらえたかな? そのスライムの粘液には催淫成分がたぶんに含まれている」
「そんな……っ! ひきょうや! こんなのって……っく、あ、はぁ……あ、あぁ、っく、あ……っ」
まず最初に効果が出たのは、バリアジャケットに守られていない両手。
スライムが絡みつくのを振りほどけず……それどころか、引き剥がそうと動いていた手が力を失ってしまう。
「あかん……このままじゃ……」
頬は上気し、漏れる吐息が熱を持っていくのをはやては抑えられなくなっていく。
「ふふふふ。どうやらマンガと同じ結末を迎えそうだな」
「や、やだ! まだ、終わってない、やぁ……」
「そうだな。バリアジャケットが全て消滅するまではまだ勝負はついていないのだったな。せいぜい頑張るがいい」
はやてが読んだマンガの内容は、魔物退治に出た女戦士がスライムに一瞬の隙をつかれ身体を這い回られてしまうものだった。
敏感な部分をスライムに刺激され続けた女戦士は、力を出すことができずスライムに何度も絶頂を迎えさせられ堕ちていく……。
戦士と魔法使いの差はあれど、今の状況はマンガの途中経過となんら変わるものではなかった。
(しまった……障壁が吸収されて動揺してもうた……)
はやては自分の判断ミスを呪っていた。
スライムが魔法を吸収する性質だと気がついた時点で、自分を転移魔法で他の座標に転移させてスライムの攻撃を回避。
そのまま、その辺りの鋭利な石などを魔物に向かってぶつけるだけでよかった。
そうすれば今頃ははやてが勝利を収めていたはずだった。
男とはやての立場が逆であれば、そのように場を切り抜けていただろう。
(く、悔しい……)
いかに魔法の素質に優れていようとも、実戦経験の少なさはいかんともしがたかった。
やがて……はやての最後の頼みである夜天の書が、地面へと落ちる。
「どうする? 時間がたてばたつほど状況は悪くなるぞ?」
バリアジャケットに染み込んだ粘液が徐々に隠された素肌を侵食していく。
指先と手にだけ感じていたどうしようもない火照りが、徐々に身体中に広がっていくのをはやては思い知らされていた。
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切りどころとして割と微妙ですが本日はここまでです。
陵辱パートの触りまでで一度切らせていただきます。
おつきあいありがとうございました。
フェイト編と少し変化をつけようとしてみましたが……。
とりあえず、ユーノ君が読んでいたマンガが隠れたポイントです(笑)。
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キター!実は密かにこれの続き待ってたんだわ
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妙齢とは女が少ない齢と書く
いや、だからどうって訳じゃ無いんだけどね・・・
ユーノやエリオの出番がもうちょっと欲しいなー、と
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GJ! 連日投下お疲れ様です。そしてシャマルなにやってんの
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>>492
ガチムチお兄さん達にやられちゃうユーノやエリオ…ゴクリ
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もしもユーノ、エリオが魔法少女だったらシリーズ
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>>495
実はなのはさんやフェイトさんよりもはるかに穏健で正当な魔女っ子ものだということは察しがつく
プリキュアではなくおジャ魔女どれみてきにほのぼのとした。
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>>495
クロノ・トーマ「俺たちが主人公だ!」(平行世界と新規シリーズ的な意味で
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復讐鬼シリーズきてたー!
はやて編で苦労してそうだったから半分諦めてたけど待ち続けて良かった。
これからも頑張ってください。
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平行世界のクロノなら魔法少女でも余裕、と思ったらそれフェイトちゃんだったわ
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平行世界のクロノはフェイトちゃんとは似ているけど違うと思うんだ…
なのちゃんだけではなく、あっちの世界のミッドチルダやリンディ母さんたちを守るためなんだよな
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平行世界のクロノはフェイトさんの原型ではあるんだろうが意外に違う部分も多いよね
あのクロノを女性化してもフェイトさんとはかなり違う人格になりそう
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フェイトの性格に、こっちのクロノの男らしさをプラスした感じだからなあ>くろくん
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さて、
どんだけ待たせとんねんっ!
とのお叱りの声の中、ようやくできました。
ちょっと色々あって、なんや、様子が変わってしまったかも知れませんが。
石田医師は出張に行きました・電車編(後) です。
3レス分、投下します。
あぼんはIDか鳥で。
-
1
どくどくと流し込まれる音がするような錯覚。
唇から舌、喉へと流れ込む精液。
(あかん……も、あかん……)
限界を訴えるも声にはならない。なぜなら、彼女の口は塞がれているから。
塞いでいるのは男たち。それぞれが順に、はやての頭を己の下腹部に押しつけていた。
入れ替わり立ち替わり、一人が精を放てば次の一人。二人目が放てば三人目。さらに四人目、五人目。
常に誰かのペニスが差し込まれている唇。
男たちはただ単純に口内を蹂躙するだけではなく、わざと唇にあて、それから内部へと突き入れるのだ。
小さな唇に触れ、頬の内側の肉を抉るように斜めに進み、わずかな抵抗を感じながらペニスの先で温かい舌を探し当てる。
抵抗する舌を上顎に押しつけるように突き、めくれた舌の根本を先端でくすぐる。
閉じることのできない口の抵抗は舌の動きのみで、えづく事から逃れようと動く舌は男たちに絶妙な刺激となって伝わっていた。
刺激された男はわずかないきみと共に精を放つ。少女の喉奥へと。
強制的に開かれた唇はそれを拒むことができず、抵抗しようにも四肢はそれぞれ押さえつけられている状態。
そのうえ、身体中に誰かの舌が這っているのだ。
あちらこちらから送り込まれる心地よい刺激。それは発散されることなくはやての身体の中に蓄積されていく。
そして、口内に放たれる精液を感じると同時に蓄積された快楽が身体中を駆け回るのだ。
まるで、喉に精液を受けることで快楽を得ているかのように。
殆ど全裸と言っても過言ではない状態、ただ、素肌にブラウスを羽織っているだけのような状態でつり革にぶら下がっている少女。
その身体を這う無数の手。そしてその手の動きに反応して震える真っ赤に染まったからだ。
染まった色は羞恥のためか快楽のためか。それとも、淫らな意識がもたらしたのか。
唇を蹂躙することにも飽きた男は、指先をはやての腰へと運び、尻と秘部の二カ所を撫でる。撫でる者は増え、撫でる腕も増え、数人に。
いつのまにか、一人がイマラチオを楽しむ間に残りの者が肛門と秘部を愛撫するという役割分担ができあがっていた。
結果、はやての背筋を駆け上がる快楽は倍増、いや、それ以上に膨れあがる。
ペニスと指で突かれ、二カ所に集中するためにあぶれた腕はまだ膨らみきっていない乳房を蹂躙し、腋をくすぐり、愛撫する。
指数本の技巧に容易く踊らされる身体をはやては恨めしく思いながらも、快楽を受け入れる神経は止められない。
限界を超えるような連続した大容量の快楽に、神経が焼き切れるような錯覚。まるで快楽神経に直接電流でも流されているような錯覚。
上げられぬ声の代わりのように瞼を開き、驚愕したような目と上気した頬で何度目かの精を飲み下す。
(も……限界……や……)
心の声が聞こえたわけでもないだろうが、男たちの動きが止まる。
開口器はそのままだが、口の中の異物は離れていく。
「え……?」
「さてと、そろそろ口も飽きてきたよね」
「下のお口の番かな」
「はやてちゃんも、つまらないだろ。そろそろ目先を変えようか」
「これだけいると妊娠しちゃうかも知れないけれど、いいよね」
「君城さんにお願いすれば、なんとかしてくれるよ」
「こんな歳でもうお母さんになるんだね」
「元気な子産んでね」
浴びせかけられる言葉に、はやては麻痺したように動かない。
「え……え? ……え?」
外される開口器。さらに持ち上げられる身体。
座席に上半身を預け、尻を高く持ち上げられる。
「もう、準備万端だしね」
数本の指が秘部を掻き回し、ねっとりした熱いものを書き出すようにしながら秘部を開く。
「ひぃっ、あっ」
ぱっくりと開いた熱壺に受ける視線に、物理的な圧力すらはやては感じている。それほどに、男たちは凝視していた。
「あか……」
否定の言葉を潰すように挿入されるペニス。迎え入れることを待ち望んでいたかのように温かく濡れそぼったはやての秘部は、
何ら抵抗らしい抵抗もなくそれを受け入れる。
-
2
「ひぅっ」
しゃくり上げるような甘い悲鳴。男は間髪入れずに、がむしゃらに腰を動かす。
「あ、ああ……あっ!」
声にならない激しい息づかいに、男の動きはさらに早くなる。
突かれるたびに上がる小さな悲鳴。それは拒否ではなく甘く誘う調べのように、取り囲んだ男たちの耳を楽しませていた。
「はっ、はあっ、ああ、はっ、あっ……」
短くとぎれとぎれの声からは徐々に、しかし確実に嫌悪の響きは消え、さらなる愛撫と快楽をせがむ哀訴だけが声の調子には忍ばされていた。
やがて男の動きは限界に達したように死に物狂いのものとなり、最大に激しく打ち付けた腰の動きは前置きもなく突然止まる。
「あ、あ、……あかん、中……中ぁ……ああ」
思い出したかのように、はやての言葉に混ざる悲鳴。
男の精をたっぷりと受けた下腹部は、赤く腫れ上がるように輝いて、まるでさらなる男を誘うかのように怪しく艶めいていた。
その誘いに新たに誘われる男たち。
「あかん……もぉ……これ以上は……壊れる……壊れてまうよぉ」
「壊れたら、治してやるって」
「安心して壊れていいよ」
「壊れても、はやてちゃんははやてちゃんだからね」
「安心して壊れればいいよ」
乳房を撫でながら、脇をさすりながら、肛門周辺を弄りながら、唇を貪りながら、指をしゃぶりながら、足裏にベニスを押し当てながら、
男たちは優しく声をかける。声だけを聞けば、どれほど慈悲深い集団なのかと錯覚してしまいかねないほどに。
その中央で、はやては酔っていた。
与えられる快楽を全身で受け止めて、いや、全身で受け止めさせられていた。
強制的に与えられるそれは、とうに心地よさという域を突破した、快楽拷問じみた責め苦になっている。
どこかで一線を越えた身体は、男たちの与える刺激をありとあらゆる方法で快楽へと換え、小さな身体一杯に快楽を駆けめぐらせる。
そしてついに、身体の各所の快楽は一つの線に繋がり一点へと集中する。
「ひっ、ひいっ! ひぐっ!」
背骨が折れるかと思うほどに、本人の意思を無視して仰け反る身体。
集まった快楽を逃がさなければ身体が壊れる。本能がはやての身体を快楽から遠ざけるように動かしていた。
それでも貪欲な心は快楽を求め続ける。
恐怖を感じて快楽を遠ざける心と貪欲に求める心は、二律背反を演じながらも激しくぶつかり合う。
「あかん……あか……ああっ、あっはぅっ……はぁ……あん……もぉ……も……」
否定の言葉を吐きながら股間は男のモノを締め付け、両足は男の腰をしっかと挟んでいる。
はやての足と腰の動きに、男たちは笑っていた。
「身体動いてるもんなぁ」
「嫌なら、止めりゃあいいじゃん」
「止まんないよねぇ」
「なんだよ、好きなんじゃん」
「あかっ! あかんっ!! ああっ!!」
これまでの絶頂など、どれほどのものだったというのか。
これまでの頂点など、ほんの麓に過ぎないと思えるだけの大きな高ぶり。
それがはやてに押し寄せていた。
「あがぁっ!」
突き上げられ、押し上げられ、しゃくり上げるような小刻みな揺れが一つにまとまってはやての全身を覆う。
「……!」
声が、途絶えた。
声にすらできず、喉の中で絶頂の悲鳴は押しつぶされる。
上がるはずだった声が喉を通りすぎる前に、はやては失神していた。
-
3
気がつくたびに渦の中。
快楽の渦の中で再び溺れる。
気がつくたびに別の男の顔。
これで何人目か、数えるのを止める。
誰であろうと同じだから。
それは、快楽を与えてくれる者。
だから、誰でもいい。
渦の中ではやては、考えることを止めていた。
-
以上。
お粗末様でした。
-
ひゃっはー! はやてエロktkr
ずっとずっと待っていたよ!
ああもう、思考回路麻痺するほど犯されるとはもう、最高だなもう。
っていうか、この話、電車の中の筈なのにめちゃくちゃしてんなwww
やっぱり、電車の中の人間全員が……って話なのだろうか。
ともあれ、待った甲斐があった。
GJでした!!
-
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うっ
ふぅ
-
GJ!やっぱり流石の出来だw
欲を言えばアナル担当の変態先生には今回もねっとりしっぽりアナルを弄って欲しかったw
-
これは良いはやてのエロスを見せていただきました。
GJです、野狗氏。
負けないようにこちらも、はやて陵辱劇の続編を投下させていただきます。
まさかの三夜連続! はやて祭ですね。
まずは注意書きから
※注意
陵辱モノです。
オリジナル設定、というかアニメ以外で公開された情報のために不具合が多少出ています。
陵辱する側はオリジナルキャラになります。
これらが嫌いな人はNG設定をお願いします。
-
(でも、まだ負けてへん!)
勝負の決着はバリアジャケットの消滅の瞬間。
それまでは……諦めずに最後まで抵抗を続けることをはやては覚悟していた。
「そうそう。お前には負け方を選択する権利を与えよう」
「だから……負け、へんて!」
熱く潤みつつある瞳で、はやては精一杯に男を睨みつける。
「まあ人の話を聞け。そのスライムは魔力を吸収する性質なのは理解できたな? つまりこういうこともできるのだよ」
「え、え、え?」
バリアジャケットのブーツの部分と、帽子の部分に張り付いた魔物が蠢く。
すると、同時にその部分が光の粒子となり消滅していった。
眩しいほどの白さの足が晒され……。
帽子の中でまとめられていた髪はおろされ、汗に濡れた額に張り付いていく。
「どれ。少しサービスしてもらうか」
何が起こったかも分からないはやてをよそに男はスライムに目配せする。
はやての胸の部分に張り付いたスライムが蠢くと……一瞬の発光の直後にはその下の純白のブラジャーが男の前に晒されていく。
「な、何を! やめや!」
慌てて胸を隠そうとするが、その手の指の間をスライムが這うだけでその手はだらりと下げられてしまう。
それ以上はスライムが這い回ることはなかったが、その箇所は男の目に晒され続けることになる。
「バリアジャケットは魔力で作り出された装束のようだからな」
つまり、魔力を吸収するスライムにしてみれば極上のご馳走だった。
「と、いうわけだ。ゲームオーバーを今すぐ告げることもできるわけだが、どうする?」
面白そうに問いかける男にはやては狼狽の色を濃くする。
「や、やだ。待って! そんなの……ずるっこや……」
「ずるだとも思わぬが……まあ、我とて一瞬で勝負が終わるのは好ましくはない」
男がスライムに目配せすると、それ以上のバリアジャケットの消滅が停止する。
素肌や下着を晒すことにはなったが、はやての敗北はひとまず先送りされることになった。
「ならば、マンガをなぞるとしよう。ここでやめておけばよかったと後悔するかも知れぬがな」
「ま、まだ負けへん……耐えてみせるんやから」
結局当初の予定通りに、快楽によるバリアジャケットの消失が勝負の対象となった。
だが、残念ながら魔法が使えない以上はやてに有効な反撃の手段はない。
(どうにかしないと……)
考えを巡らせようとするはやてだったが、スライムはもはやそれを許さない。
「やっ、はっ、くぅぅぁぁんんっ! ひゃぁあああああ!!」
ブーツがなくなり素足になった箇所をスライムが這い回る。
足の裏を蠢かれると、くすぐったさにはやては身をよじらせ集中を乱されていく。
「っ、はぁっ、んくっ、んはぁ……っ! ふぁあっ! んぅぅぅぅっ!!」
ぬめるスライムが足の指の間全てに滑り込んでくると、はやての声は甘いものに変わっていく。
熱を伴わないものの、その形状や柔らかさは人間の舌を思わせる。
それが神経の集中している箇所を一斉に刺激するのだから、無理もないことといえた。
「どうした? 随分気持ちよさそうではないか。フェイトはもう少しもったぞ?」
「〜〜〜〜〜〜〜!」
「ふん。どうやら、自分を慰めたことはあるようだな。身体の快楽への対応がスムーズだ」
フェイトやなのはに比べれば、圧倒的に耳年増のはやてなだけに……そういうことへの興味は強かった。
自分の身体を触った際に感じるくすぐったいような不思議な感じに身を任せることは何度もあった。
だが……身体を這い回るスライムの与える感覚はくすぐったいなどという生易しいものではない。
「あ……っくぅんっ!! や、やぁっ、だめ、だめ、それだめぇ……っ!」
自分の知っているものを遥かに超える刺激に、はやてはすぐに翻弄されていった。
くすぐったさが快楽に代わっていく感覚……。
それは徐々にはやてを支配していく。
-
(このままじゃ……アカン!!)
抵抗する力を振り絞るどころか、身体の力が抜け、ついには片膝をついてしまう。
(イヤやけど……このままあいつの自由になるくらいなら!)
はやては唇を強く噛み締めて、1つの覚悟を固める。
(今や!)
足を蠢くのに飽きたのか、スライムははやての足から身体を這い上がるために移動を開始する。
足の甲を移動する瞬間……ほんの僅かだがはやての意識が自由になる。
「はぁあああああああああ!」
その口から喘ぎ声ではなく、魔法を放つ気合の掛け声が久しぶりに発せられる。
行使しようとしたのは、いわゆる自爆の魔法。
デバイスがなくとも……自分の生命を触媒とする魔法を使える程度にははやては熟達した魔法使いだった。
その威力でこの島は跡形もなくなり、捕らえられているであろう仲間も巻き込んでしまうかもしれない。
それでも……男の自由になるよりはという想いが、はやてに最後の一歩を踏み出させていた。
「え……ど、どうして? やぁ……っ、そ、そんな……っ、ああああああ!!」
だが、はやてが執念で放った魔法はその効果を発揮することはなく……代わりに魔物が鈍く輝きその大きさを増していく。
広がったスライムが新たに肌に触れる感触に、はやては悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げる。
「なるほど。自爆するつもりだったか。その覚悟は見事だ」
男は目の前の少女に素直に感嘆の声を漏らす。
快楽の虜になる前に、命を絶つ覚悟で最後の攻撃をしかけた判断力……そして、その意思の強さ。
「だが、残念だったな。魔法を放つために放出する魔力を、魔物が見逃すはずがなかろう」
それを更なる快楽で染め上げ屈服させる未来が失われなかったことに、ひとまずは満足する。
「そ、そんなぁ……うそやぁ……」
はやては絶望の吐息を漏らす。
スライムが身体に張り付いている限り、魔法は発動することはない。
それは万に一つの勝ち目さえもないことを示していた。
-
「それでも抵抗したければ好きにするがいい。魔物はさらに成長し、より事態は悪化するだけだ」
「あっ、やっやっやぁっ、だめ、アカンっ!」
その密度を濃くしたスライムは、はやての足を這い上がっていく。
くるぶしから膝の裏に移動し、その通り道にスライムの粘液が染み込み性感は無理やりに高められていく。
それなのに、はやては抵抗のために魔法を行使することもできない……普通の少女と代わりのない存在となっていた。
「ふむ。魔力を完全に身体のうちに戻したか。だが、それは魔物にとっては大事な餌だ」
「ひ、くぅ……んっ! これ以上、一滴もやらへん……あっ、ああっ、あああああっ!!」
「どうかな? その魔物と我は利害が一致しているから、今は我の命令に従っているのだぞ?」
「な、はぅう! そんなこと、しら、へん……あ、はぅっ!」
スライムが太股に達すると、わなないていたはやての腰が時折びくん、と跳ねるようになってきた。
快楽への反応を示す身体をはやてが抑えきれなくなっている証拠だった。
「我の望みはそうして魔物にお前が快楽に染め上げられ、バリアジャケットを消失させることだ」
「だ、だから、あ、はぁ……そんな、こと、あふ……絶対にさせ、あぁ、へんやから……」
「だが、魔物がその極上の餌であるバリアジャケットから魔力を摂取できないのに、我の命令を聞いているのはなぜだと思う?」
「そ、そんなの……あ、はぁ……ふぅ……しら、あ、へんよぉ……」
スライムは太股の柔らかさを楽しむように、その箇所で蠢きだす。
足を閉じようとすると、太股の間にあるスライムは押しつぶされるが、それにより広がった分だけはやてに触れる箇所は増えてしまう。
「え、あ……どうしてぇえ!!」
気のせいだと思いたかった。
だが、はやての身体から何か大切なものが吸い取られていく感覚がある。
それが何であるかは、スライムが鈍い光に包まれていることで理解できてしまう。
「完全に魔力を体内にとどめておくことは困難だ。ましてや、敏感な身体を刺激されれば、イヤでも魔力は漏れ出してしまうということだ」
「あ……そんなぁ…ひきょうやぁ……ぁぁっ、ああっ、ああああっっ!!
「魔物は魔力を得るためにお前に刺激を与え続け、我はその果てにお前が絶頂し、バリアジャケットを失う瞬間を待つ。よい取引であろう?」
「少しもよくあらへん! ひ、ぁ、くぅんっ!!」
当事者を無視して取り決められる約束に抗議の声をあげようとするが、それもスライムの動き一つで遮られる。
結局、はやてに許されているのはスライムの責めにひたすら耐え続けることのみ。
抵抗の手段を全て奪われ、マンガの女戦士と同じ未来へ向けてのカウントダウンの声を聞くことだけだった。
「あ、やぁ、きゃふぅぅっ! く……ぁ、っ! あっ、あっあっあっあんっ!!」
スライムは太股から徐々に這い上がり、はやてのスカートの中に進入してくる。
隠すことの叶わない、胸を覆うものと同じ純白が、はやてが身体をよじる度に見え隠れしていた。
「そ、それあかんっ、そこはあかんっ!」
「安心しろ。そこの初めては魔物にはくれてやらぬ。触れることも許してはおらん」
「え……ど……」
どうして、という言葉は飲み込む。
「万が一の事故が起こりそうになったときには、我が全力でお前を守ると約束しよう」
はやての処女を奪いたいという男の独占欲ゆえに、形さえはっきりしない魔物に貫かれるという最悪の事態は避けられるようだった。
最も敏感な箇所の1つを触られないということは、はやてにとっても好都合。
それならば、それを利用して耐え切るだけのことだ。
(もっともそれくらいせねば、あっという間に勝負がついてしまうからな)
それも男にとっては余興の時間を引き延ばすためのハンデに過ぎなかった。
-
「はぁ……っ、っ! っ! っ、ぁ!! あぅんっ!」
前がダメならば、当然這い上がってくるのは後ろの部分。
スライムははやてのヒップにその身体を移動させていく。
「あかんっ! そんなとこ……いやぁああああ!」
手で振り払おうとするが、その指先に魔物が絡みつき蠢くと力なく魔物から離れていく。
力尽きたようにうつぶせに倒れこんでしまい、スライムの新たな標的は分かりやすくその存在を誇示してしまう。
「そういえば、尻が大きめなことを気にしていると言っていたな」
「……っ!!」
自分のコンプレックスさえも男に知られていたことにはやては顔を赤らめる。
車椅子での生活が長かったためか、同年代の女の子に比べればやや大きめであることは否めない。
決して垂れているとかそういうわけではないが、はやて自身はそれがあまり好きではなかった。
マンガのときと同じくシャマルが伝えたのか……それとも他の誰かなのか。
いずれにせよはやての情報は全て男の中にあり、隠せることなど何一つとしてない。
「何も恥ずかしがることはないであろうに。安産型であることはよいことだ。よい子が産めるのは女としては重要なことだぞ?」
「そ、そんな先のこと、知らへん!」
「先だと思っているのか? 我がその気になれば、お前が負けた後はすぐにでもその瞬間は来るのだぞ?」
「や、いやや! そんなの、絶対に……ふぁ、ぁ、あっ、やっ、やぁぅぅうううっっ!!」
犯される恐怖に考えが回らなかった、妊娠の恐怖を覚えさせられたはやてのヒップを魔物が這い回りだす。
スライムはスカートの中で張り出した白い膨らみに向かって、まるで揉みあげるように収縮する動きを加えていく。
下着にはスライムの粘液が染み込み、ぴたりと張り付きその形を浮かび上がらせていた。
「あ……あっ、あふぅっ、んっ、んく……っ、ふ、ふぁ、やぁぁっ」
確かにやや大き目ではあったが、十分に張りがある。
柔らかい尻肉だったが、たるんだ部分がない。
若さが演出する神の芸術と言ってもいい。
「あ……あっふ、ふぁ、ふぁぅっ、や、いやや、お、お尻ばっかり……っ」
「なんだ? 他の部分も触って欲しいのか?」
「ちが! あ、や、やぁあああぁっ!!」
はやての声に応えたかのようにスライムがヒップの割れ目をなぞりあげる。
下着もろとも押し込むような感覚に、はやては身を強張らせる。
「そこは確かに禁止してはおらんが、まだ勘弁してやれ」
前より先に後ろの穴が……では、破瓜のショックが減少するかもしれない。
それは男が望むものではない。
「こんな、こんなぁ……あかん……いややぁ……っ!」
スライムははやての割れ目を何度も往復していく。
不浄の穴を触られる恥ずかしさと、背徳にはやては首を振り続ける。
「んぅ、あ、あっ、あんっ、あんっあんっあんっ!!」
その間も、スライムははやてのヒップを触り続けていく。
催淫効果のある粘液は下着越しに染み込み、元々敏感な部分の感度をよりあげていく。
「なんだ? まさかそこを触られるだけでゲームオーバーか?」
「や、だ、だって、だってっ……! あぐ……っ!! ひ、ぁ、ああっ!! あああああっっ!!」
腰を跳ね上げる動きは止まらない。
「く、ぁあっ!! ああああああああああああああああああっっっっっっっ!!」
はやては一際大きく腰を跳ね上げ、その口からは絶叫に近い声があふれ出す。
小刻みに痙攣している身体からはどっと汗が吹き出て、バリアジャケットに染みこんでいく。
スライムは満足そうに、その身体からあふれ出した魔力を吸収していた。
-
「はぁっ、はぁ……っ、っ……っく、お、お尻……だけで、いってまうなんてぇ……」
荒い息の合間にはやては悔しそうに声を漏らす。
気にしてやまないそのヒップは、はやてにまた1つ……コンプレックスを植えつけていた。
「ふむ。まだバリアジャケットが残っているとは意外だな……」
未だに自分の身に起こったことを認めたくない。
そんなはやての気持ちを象徴するように、バリアジャケットはその形をとどめていた。
「それも時間の問題か。ゲームを続行するぞ?」
「やぁ……もう、やめてぇな……」
陵辱で疲弊しきったはやての拒否の声は弱々しい。
それは、芽生えてきている快楽を望む心を否定できなくなりつつある結果かもしれない。
「ゲームオーバーでよいのか?」
「ち、違う! まだ負けてへん!」
己の身体に残るバリアジャケットははやてにかすかな勇気を与えてくれる。
だがはやては気がついていない。
魔物が這い回ったヒップの部分のバリアジャケットが、まるで虫食いのように穴が開いてその部分が丸見えになっていることを。
飛散することだけは避けたものの、その強度は大きく落ちている。
魔物にその気はなくとも、バリアジャケットの上を動くだけで、その生地が少しずつ消滅していってしまう。
命令と相反してしまう状況に確認を求めてくる魔物に男は小さく頷く。
(構わぬ。続けよ)
完全に消滅しなければ、はやての敗北にはならない。
そして、何より今のはやてにそれを気にする余裕などないはずだった。
-
「え、え、え、えええええええ!!」
突然はやての身体の下に柔らかい感触が湧き出し、同時に自分の目線が高くなるのを感じる。
「ほう……サービスがいいな」
「や、いやや、なに、なんやこれえええええ!!」
魔力を十分過ぎるほどに補給したスライムの面積は大変なものになっていた。
はやての身体を覆いつくせるのは当然で、それから余った部分で即席のベッドを作り出していた。
「ひゃぁんっ、んく、ひぁっ、やぁぁっはぁぁっ! あっあっあっああっあああああっ!!」
柔らかさは高級のウオーターベッドを越える。
だが、それは蠢き続け触れているはやての背中に催淫効果のある粘液を染み込ませながら刺激し続ける。
それは寝ているだけで快楽を得られる画期的なベッドと言えた。
ベッドの使用料は、快楽で漏れ出てしまうはやての魔力だった。
「ふぁ、あっ、んっ、っく、ひっ、ぁ、あっ、ああっ、ふぁああんっ!」
スライムに触れ続けている背中の部分は、はやてには見えない。
だが、その箇所のバリアジャケットの大半が消滅して、大胆なデザインの水着のように背中を浮かび上がらせている。
「え、あぁ……や、やぁ、来ないでぇ……あ、はぅ……!!」
背中のことなど気にする余裕など今のはやてにはない。
這い上がってきたスライムが、はやてのへその部分を通過し、少しずつ進んでくる。
通過した箇所は、背中と同じく虫食い状態になっているのだが、そこに気がつく余裕もない。
「あ……あっ、っく、はぁっ、はぁっ、ふわぁぁ……っ」
スライムが、今ではまるで押し寄せる波のようにはやてには見えていた。
そして、その波はすでに晒されていた健気にはやての胸を守る純白の下着をさらっていく。
「や、いややぁああああああ! みんといてぇえええ!」
魔力を帯びていないその下着は、魔物にとっては何の魅力もないもの。
興味があるのはあくまでその中身であり、下着はあっという間に捲り上げられてしまう。
微かに揺れながら晒されたはやての胸の膨らみは非常にささやかなものだった。
「ふむ。覆うものが必要なほどのものでもなかろう」
「ほ、ほっといてや!」
今の自分の格好も忘れたようにはやては男にすかさず反論する。
こんなときに関西人独特のテンポが出てしまうのは皮肉なことだった。
「少々下半身とのバランスが悪いが……これはまだ十分に育つであろう」
「そ、そんなことあんたに言われても嬉しくあらへん!」
病気の影響で成長がやや遅めなだけで、男の言う通りはやては近い未来には誰もがうらやむスタイルに成長する。
それこそ世の男性の目を釘付けにする日がやってくる……はずだった。
だが、その未来は男によって閉ざされようとしていた。
-
「っっ!? くぅっ、ひゃうんっ!」
見ているのに飽きたのかスライムはゆっくりとはやての胸を覆っていく。
まるで、中央にある桜色を支点にするようにして、徐々に徐々にその範囲を広げていくのをはやては振り払うことさえできない。
「ふっ、っく、ああ……っ、ひあっ! んっ、くっ、ふぅっ、ふぁああっ……!」
ささやかなな膨らみは覆われていき、スライムの蠢きは人間の手のようにはやての胸をもみ続ける。
「ひぁ、あっ、あくぅぅああああんっ!!」
スライムが頂上に達したのを報せるかのように、はやての口からは大きな声があがる。
二つの小山の頂は、同時に制覇され、その全てがスライムに覆われていた。
「え! あ、あぁ! うそ! やぁあああああ!!」
スライムはより的確にはやての敏感な部分へと責めを加えて行く。
「きゃふぅっ、んっ、ひ、ひぁ、ひぁあっ、ひぁああんっ! そ、んなっ、にしたら、あかん……!」
スライムは人の手ではカバー出来ないほどの大きさの胸を全て覆いながら、同時に、舌で全てを舐めるように蠢く。
人間では決して与えられない快楽に、はやての身体は夢中になっていく。
「っっ! ふぁ……っ! くっ、んっ、あ、あ、あっ、きゃぅうっ!」
「そろそろか……」
傍目からもはやてが再び絶頂へと押し上げられつつあるのは明らかだった。
この調子では、次の絶頂にバリアジャケットは耐えられないだろう。
戦いの敗北、身体の敗北……はやてに徹底的な敗北を刻み付けられるまでもう少しだった。
-
「ふぁ……え、え……あぁ……」
「む……」
はやてが絶頂へと駆け上がる寸前、スライムはその動きを緩やかなものへと変えていく。
達することができなかったはやては、戸惑うようにスライムを見ていた。
もはや完全に、敗北が遠ざかったことへの安堵より、達することへの期待感が上回っている。
「ひぁ、あっ、んっ、っく、ふっ、ふぁ、あっ、あっ、くふぅぅぅ……っ!」
快感から意識が戻ろうとする頃に、魔物は再び蠢きだす。
「あ、あっ、んっ、あんっ! あ……っ、強い……っ、はげし……っ!」
今度こそ……快感に身を震わせながら、そのときをはやては待つ。
「え……あ、あぁ、はぁ……なんでぇ……」
だが、そこで再び魔物の動きは停止する。
望むその瞬間は……はやてに訪れることはなかった。
(どういうつもりだ?)
男は魔物に目線を送るが、何の答えも返してこない。
(お前も我に逆らうというのか?)
極上の魔力を吸収できる環境を手放したくないのか。
それとも……はやてのその身体に夢中になっているのか。
(魔物にここまで執着されるとは……ある意味不憫な娘かもしれんな)
「ひぁあっ、んっ、くふぅっ、ふぁあっ、あっ、あああんっ!」
奉仕をしてもらうために、はやては無意識に魔力を身体の表面へと押し出していた。
それを吸収するために、はやての肌を魔物は這い回る。
触れる面積が広がればそれだけ快感を得られることになる。
「あっ、あっ、ああんっ……どうしてやぁ!!」
そこまでしても、はやての望む最後の刺激だけは決して与えられなかった。
その口からは、意識しているのかは分からないが、スライムを引き止めるような言葉が漏れ出している。
-
(契約の魔法が仇になったか……)
魔物を消し去り、はやてを取り戻すことなど男にとっては造作もないことだった。
だが、それをしてしまった瞬間にはやてとの契約の魔法が成立。
男ははやてと、捕らえた少女達を解放しなければならなかった。
(おのれ……)
男は歯軋りせんばかりに、魔物の行動に怒りを燃やす。
このままでは、スライムはいつまでもはやての魔力を吸収し、その身体を楽しみ続けるだろう。
「う……ううっ、あぁ……っ、っく、ふぁ、あああっっ!!」
はやては快楽の代償に魔力を差し出し、魔物は魔力の代償に快楽を与える。
いつしか、その取引に男が入り込む余地は失われつつあった。
(さて、どうしたものか)
男が考えをめぐらせている間に……。
「あっ、んっ、っく、ふ、ぁ、あ、あ、ああっ、くふぅぅんっ!」
はやてと魔物の関係に異変が訪れる。
絶頂の直前で動きを止めた魔物にとっても、はやての行動は予想できないものだった。
「あかん……もう、あかん……あ、っく……あぁあ!」
魔物にとっては男の命令のために触れられなかった場所。
そこを犯した瞬間に、契約など無視して魔物は消滅させられることを知っていた。
はやてにとっては、羞恥と恐怖から触れることが躊躇われていた場所。
自慰のときにも、入り口を触っただけであまりの刺激で手を引っ込めてしまった場所だった。
「ふぁ、あっ、んっ、んくぅぅぅっ!! だ、だめ、もう、そんな……っ!」
未だにスライムに覆われていない聖域に、はやての手が伸びていく。
粘液と自らの愛液でぬるぬるになった下着の中に、躊躇うことなく手を突っ込んでいた。
「あっ、やっ、う、うそ……っ、こんな、わたしっ、だ、あかん、あかんのに、とまらへんっっ!!
その入り口を、大きくなってしまっている豆粒を……夢中ではやては擦りたてていた。
-
(ほう、これは……)
魔物の焦りが伝わってくるようだった。
慌ててその手に絡み付いて動きを止めようとするが、徐々に激しくなっていく動きは決して止まらない。
「ふぁっ、あっ、あっ、くっ、あくっ、あふぁあっ! んっ、うんっ、ふぅっ、んぅぅうんっ!!」
(さて、お前はどうする?)
このままでは、はやては魔物の意思を無視していずれ絶頂を迎え、バリアジャケットは消滅するだろう。
そして……バリアジャケットの次には男によって、魔物が消滅させられることは間違いなかった。
「あ……あっ、っく、くぅ……んっ……あ、あかんっ! ひ……っ、ふぁ、ふぁあああああっ!」
避けられぬ未来に、魔物はせめてはやての魔力を身体を、最後まで味わおうと、全力でその動きを再開する。
喘ぎ声と愛液と共に漏れ続ける魔力を吸収する行為は、魔物にとっては最後の晩餐だった。
「やっ、やっ、やぁっ、また……また来る……すぐ来てまう……っ、ふぁぁああううんっ!!」
ついにやってこようとする待ちわびた瞬間に、期待で身体を震わせる。
今この瞬間、はやての頭の中には勝負のことなどどこにもなかった。
「ふぁ、ああっ、あああああああああああああああああああああっ!!!!」
絶叫と共に、はやての身体と、魔物の身体が眩く輝く。
その光の中で……ついにはやてのバリアジャケットは消滅し、その素肌が晒されていく。
マンガ以上の結末に、2人の勝負はついに決した。
「ひ……あ……っ、はぁっ、んっ、あ、あ、あ……っ」
そのことにさえ気がついていないかのように、はやてはスライムの作ったベッドにただ、下着だけとなったその身体を沈めていく。
「終わったか。中々よい見世物であった」
男は満足そうにうなずくと、はやてのほうに一歩を踏み出す。
-
「ふむ……固い床よりは、まだこの方がいいか」
男は怯える魔物を見ながら告げる。
はやての身体を包み込む、スライムのベッドをこれからの行為に使う。
それは少なくとも男がはやての処女を奪うまでは、自分は生かされることを意味していた。
「っく、くぅん……っ」
分かりやすく、男が観察しやすいように沈むはやての身体を浮かび上がらせる。
延命のためとはいえ、今まで夢中になっていた少女を差し出すその行為に、男は嫌悪した。
(ベッドとしての使用を終えたら、すぐに消滅させるとしよう)
だが、その役割さえも満足に果たせない事態が起こる。
(ぐ、ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!)
魔物の身体の輝きが、激しくなり、その身体はさらに肥大化していく。
「む……一体何が……」
「え……な、なんや……」
あわせてのた打ち回る魔物に、横たわって荒い息を吐くだけだったはやてが正気を取り戻していく。
肥大化が止まると……同時に、魔物は更なる光に包まれる。
(うおおおおおおおおおおおおお!!!)
断末魔の叫び声と共に……光の中で魔物はその身体を千路に割かれ、消滅していく。
「ひゃ!ひゃううううううう!!」
最後のときにありえない形で身体を撫で回されながら、はやては地面に放り出される。
再び襲ってきた絶頂に……事態そのものがまだ飲み込めていないようだった。
「なるほど……吸収しきれないほどの魔力を有していたか」
魔物の許容量を越える魔力が注ぎ込まれたことにより、この状況が生まれたことを男は理解した。
男が過去に戦ったものであれば、その魔力を全て吸い込めるだけの容量はあったはずだ。
ボルケンリッターの全ての魔力でも、魔物は涼しい顔で吸収するはずだ。
「想像以上の潜在能力を有しているということか」
もしも、はやてがそのことに気がつき魔力の過剰供給によるオーバーロードを狙ったのならば……。
たった一つではあったが、大逆転の手が残されていたことになる。
「自らの手で勝機を逃したということか」
魔物が焦らしたために、魔力を過剰に吸収することになってしまった。
はやてが自分の手で絶頂を早めなければ……バリアジャケットが残った状態で、この瞬間を迎えられたかもしれない。
-
「だが、結果は結果だ。契約に基づき……お前の力を差し出してもらうぞ」
「……あかん……それは……」
地面に転がったままの夜天の書に、はやては手を伸ばす。
だが、疲弊しきったその手の動きを、男のデバイスは容易に追い越していく。
「ふふふふ。これで……夜天の力は我のものだ」
普通に敗れていたのであれば……。
あるいは、闇の書としての矜持で男のデバイスの侵食を拒んだかもしれない。
それほどのデバイスではあったが、主が交わした契約の前には無力だった。
そこまで計算し尽くしていた男の恐ろしさを、はやては力の入らない身体で思い知らされていた。
「くくくくく! きたぞ! 力がきたぞ!」
デバイスが重ねあわされ、鈍い輝きが走った後には……。
まるで同じ『書物』の形をしたデバイスが、その場には二つ並んでいた。
「あぁ……そんな……」
自らが招いてしまった最悪の事態に、はやては打ちひしがれる。
戦闘経験に優れた男が、魔法使いの英知の結晶であるデバイスを持つ。
もはや……男を止められる戦力は管理局にもあるかどうか怪しかった。
「ふむ。その威力は後ほど試すとしてだ……」
男は地面に横たわったままのはやてに向かって歩き出す。
「貴様への……我の復讐はまだ終わっていないのでな」
全ての魔力を放出し、バリアジャケットもなくなり、はやてを守るものはもはや何一つとして残されていなかった。
「あぁ……やぁ……」
それでも、男から逃れようと身体をよじる動きを脳は伝えようとする。
「あきらめろ。敗者には敗者の矜持があろう……」
もっとも潔い敗者になられては困るのではあるが。
男の望みは、絶望に染まる表情ではやてがその純潔を散らされる瞬間を見ることなのだから。
服を全て脱ぎ捨てると、男はへそまで反り返った自分のモノをはやてに見せ付けるように誇示する。
「いや……やぁ、いややぁ……」
怯えながら目を逸らそうとするが、男は髪を掴んではやての顔を固定してしまう。
相次ぐ絶頂で力も入らずろくな抵抗もできないはやては、目を逸らすことさえも許されなかった。
「よく見ておくのだな。これがお前の膣中に入っていくのだから」
「う、うそやぁ……そんなの入るわけ、あらへん……」
「いいぞ……いい表情だ」
生涯ただ一度の、破瓜の瞬間への怯え。
それこそが、男が求める陵辱の最大の愉悦だった。
-
「まずは口で試してみるか?」
「いやや! 絶対にそんなの……っ!」
男がはやての髪を引っ張り、その顔をペニスにつきつけようとしたそのとき……。
「む?」
「な、なんや?」
男の背後で、置いたままにされた『コピーされた夜天の書』が輝きだす。
「ま、まさか! コピーにも、守護騎士が生まれるんか?」
「ほう。それは興味深いな」
はやての予感は的中していた。
初めてはやてが闇の書を手にしたときと同じように……。
四人の『騎士』がその姿を現し、男にひざまずいていた。
その姿は、男が打ち倒したはやての守護騎士と寸分たがわず同じものだった。
「なるほど。これはよき戦力となる、が……!」
男の手がゆらめくと、4人のうち一人の姿が掻き消える。
「男は……最初から用は無い」
その様子に、シグナム、ヴィータ、シャマルの表情が怯えたものに変わる。
圧倒的な実力差を最初に見せることにより……男は守護騎士の忠節をより確実なものにしていた。
「ふむ。ならば、お前の下僕は返してやるとしよう」
「え……?」
男ははやての身体を、虚空に向かって軽々と放り投げる。
「やぁあああああああああああああああああ!」
疲弊しきったはやては受身も取れずに、地面に叩きつけられる……はずだった。
-
「え?」
だが、その小さな身体は現れた人影の一つに柔らかく抱きとめられる。
「大丈夫ですか。主、はやて」
「シグナム? よかった! 無事だった……」
探し続けていた存在がようやくみつかった。
その喜びの言葉をはやては最後までつむぐことはできなかった。
「はやてちゃん。来てくれると思ってたわ」
「ああ。あいつの言った通りだったな」
シグナムの影から、シャマルとヴィータが姿を現す。
だが、3人は見慣れた騎士鎧ではなく……一糸纏わぬ姿だった。
その上……あれだけ凛としていた瞳に浮かんでいるのは……。
刻み付けられた快楽による情欲の色へと変わっていた。
「み、みんな……まさか!」
「その通りだ。おい、お前達。本来の主に、全力で奉仕してやるがいい!」
「了解した」
シグナムは男の言葉に頷くと、はやてを地面におろし横たえる。
傷つけないように優しく柔らかく……。
だが、優しかったのはその瞬間までだった。
「し、シグナム!」
「無駄です。力では……主はわたしに敵いません」
異常事態にどうにか身を起こそうとするはやてだったが、その肩はシグナムに強く押さえつけられ、身動きを封じられていた。
「一体どうしたんや! こんなのって……」
「黙って。おとなしく……快楽に身を委ねましょう」
「ふざけてるんか? シグナム、あんたは……んむぅううう! んちゅ……っむ、あむ……」
はやての言葉は、シグナムの口付けに遮られる。
ファーストキスのはやてには、あまりに強烈な……情熱的なキスだった。
「んく、んく、こく……っ、ちゅむっ、ちゅくっ、んぅっ、っふ、んむぁ……っ、ぺろ、ぺろろっ、くちゅぅ……っ」
唾液を共有して、お互いの喉を鳴り響かせる。
「っん……くぅっ、ぷぁ……っ!」
何十秒か、何分か、ようやく解放されたはやての目は潤み……起き上がろうとする力を湧き上がらせることもできなくなっていた。
「え……あぁあ! ひゃぁあああああああああ!」
朦朧とした意識は、下半身への刺激で呼び戻される。
いつの間にか股間に顔を埋めたシャマルが、はやての聖域に下着越しに舌を這わせていた。
「シャマル! や、やめや! こんなの……あかん!」
「どうして? もう洪水じゃない。脱がせちゃうね」
「あ、やぁああああああああああああ!」
否定の叫び声をあげるものの、それを阻止することもできず……。
はやての聖域はシャマルの前に余すことなく晒されていた。
「あぁ……みんといてぇ……」
ひくひくと震えているもののその入り口は、一本の縦筋にまだ過ぎない。
その微かな隙間から、溢れ出す愛液は今この瞬間も止まることはなかった。
-
「うふふふ。可愛いわよ、はやてちゃん」
「あ、はぁ……うぅ……あぁ……」
言葉とともに漏れる吐息がかかるだけで、はやては身をよじらせる。
「ずっと……こうしたかったのよ。やっと願いが叶うわ」
「あ、やだ! いやや! やめてぇえええええ! あぁあああああああああああああああ!」
ついに直接シャマルの舌が触れると、それだけではやては達してしまう。
噴出した潮に顔を汚されながらも、シャマルは微笑みながらはやてに奉仕を続けていく。
「これも邪魔だな。ったく……しないでいいって言ってるのにさ」
「ヴィ、ヴィータも……なの?」
唯一身体にまとわりついていたブラジャーも、小さな鉄槌の騎士によって抜き取られる。
「よし。これであたし達と一緒だな」
「うぅ……」
完全な全裸になったはやては、涙を流しながらヴィータから目を逸らす。
認めたくない現実からは、こうすることでしか逃げられない気がしていた。
「ヴィータ。胸は任せていいか?」
「おう。任せとけ!」
「そうね。小さな胸の気持ちいいところは、ヴィータがよく分かってるもんね」
「複雑だけど……まあ、はやてを悦ばせてやるよ!」
ヴィータの手がはやての胸を覆う。
その小さな手でも覆いきれるほどのささやかな膨らみに、的確な刺激が加えられていく。
「あ、あっ、くぅぅっ、くふぁああんっ!!」
シグナムも首筋への愛撫の合間に、はやての唇を塞ぐ。
はやてを敬愛し、誰よりも彼女のことを知る三人の愛撫は、徐々にはやての心を蝕んでいく。
「おい。お前達の最初の仕事だ。あそこで物足りなさそうにしている奴を慰めてやれ」
白く弾ける視界の中で、はやてが確認した光景。
それは、金髪の親友の少女が新たに生まれた守護騎士に囲まれていく光景だった。
「凄い……凄いよぉっ、溺れちゃうっ、気持ちいいので溺れちゃう……っ!!」
その中で、積極的に快楽を享受して求め続けるフェイトの姿は、よりはやてを絶望させる。
「ひぁああっ、あんっ、あんっ、くぅぁあああんっ!! ふぁ、あっ、や、やめっ! たすけて! なのは……んちゅぅうう!」
今もみんなの身を案じているもう一人の親友に助けを求める声も、シグナムのキスで封じられてしまう。
「ひぁああああああああああああああああぁぁぁぁあああああああああんんっっっ!!」
はやてに発することが許されているのは、喘ぎ声と……絶頂を告げる叫び声だけだった。
-
本日はここまでです。
またも区切りどころが難しくて、長くなってしまい申し訳ないです。
本当はここまでで終わりのつもりだったのですが、やはり「最後まで」やらないとダメですよね。
ですのでもう少し続きます。お付き合いいただければと。
思っていたより多くの人が覚えていてくださり嬉しいです。
はやて編は陵辱重視なのですが、人数が多いとやはりテキスト量が嵩みますね。
まとめるように精進できればいいのですが。
すでにはやて編は書き終えてはいるので、明日もおそらく現れると思いますのでよろしくお願いします。
-
流石としか言えないぜ!
コピーヴォルケンはなのポの闇の欠片カラーでイメージされたよ
密かにリインコピーも一緒かと思ったけどリインいない夜天の書だからコピー無理か
しかしフェイト編が読めない……
携帯からは無理なのかなぁ
誰か読めました?
-
はやて陵辱祭りですな
-
はやて師匠陵辱祭り最高
次はなのはさん陵辱祭りでも…
-
いや、ここはあえて闇統さん陵辱という新ジャンルをだな・・・
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闇統さんはヘタレ王女っぽいから陵辱似合うよな。
逆に星光さんは全く想像できない。
-
星光さんは陵辱する方なイメージがw
-
つまり・・・coolに冷徹に、闇統さんを言葉攻めする星光さんと申すか
-
そしてそれをうっかり雷刃たんが覗いてしまうんですね
-
星光さんとなのはさんを陵辱したい
そしてそれを覗く雷光たんとフェイトさん
-
雷光って誰だ雷刃だ
何故こんなミスを…
-
>>537
電光超人・・・
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マテリアル娘はゲーム出るたびに出てほしいなぁ
でもそれを踏まえた次回作は時間的にForceくらいじゃないと出来ないかもね。しかも中枢核がトーマあたりをコピーしたやつになりそうだし
-
雷刃×星光というお告げじゃね?
-
>>538
恭也さんか
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