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魔法少女リリカルなのは総合エロ小説第99話
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魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所の2スレ目です。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
『注意情報・臨時』(暫定)
書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。
前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説第98話
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1238819144/
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>>293
避妊してたんだろ
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もうerananoの制作者さん、このスレ見てないのかな…。
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見てても作ってないだけじゃね
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例のはやユノだが、サークルの相棒が先に書いてしまった。
代理で投下を頼まれたのだが、OKだろうか?
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>>297
OKです。
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え…突っ込み無し?
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>298
サンクス。では早速。
・闇の書事件から*年後
・はやて&ユーノ、微エロかもしれないが少なくとも健全
・ユーなの短編集とは果てしなく矛盾
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「それじゃ、次は多体制御に移ってみようか」
「了解や」
ふわりと空に浮かんでしまえば、足の善し悪しは大きな問題から小さな問題へと変わる。
今、はやてはユーノに魔法の教練を受けていた。
「魔法ばっかり気を取られちゃダメだよ、当てる相手は避けもするし、反撃だって」
ユーノは、はやての撃ち出した魔法弾をことごとく避けてみせた。
「できるんだから」
最後の一つを難なくかわす――ふりをして、甘いストレートのごとく強烈に叩き返した。
方向を反転された運動量が、まっすぐはやてに向かっていく。
「くっ、これくらい……」
はやてはスピードを見誤らず、ギリギリのところで身を捩って避けた。
はずだった。
「きゃぁっ!」
クン、と突然光弾の軌道が逸れて、はやてへと襲い掛かった。
魔法が直撃し、はやては痛さに顔をしかめる。
「どうして……?」
避けたはずなのに、いったい何が起きた?
「誘導追尾弾さ。君の撃ったものに、ホーミング機能を追加したって訳。
このやり方だと、動力は相手持ちで簡単に反撃できるからね、覚えておくといいよ」
まったく見上げたものだ。毎回、何かしら新しい戦法や戦術を携えてくる。
どこから得たのかは知らないが、少なくとも暇潰しではあるまい。
「いくら非殺傷といっても、痛覚はきっちりあるからね。大丈夫だった?」
事も無げにユーノが聞いてくる。魔力的な痛みはすぐに引いて、後を残さなかった。
「大丈夫や。伊達に訓練積んでへん」
立ち上がって――という動作が空中でも言えるのか?――、ユーノに笑いかけるはやて。
その顔には、負けず嫌いの魂が宿っていた。
「それじゃ、もう一本お願いや、ユーノ君」
「お安い御用さ」
そうして、はやてとユーノは日が暮れるまで修業に明け暮れたのだった。
本日の戦績、完敗。死角を突く誘導弾の瞬きを破ることはできなかった。
「いつもおおきにな、ユーノ君」
ユーノとの教練が終った後は夕食を振る舞うのが、一つの日常と化していた。
「なのはちゃんの教練メニューと私のと、考えてくれるの大変やろ?」
「うーん、そうでもないかな。やりがいはあるし、二人ともすごい勢いで成長してるし。
僕は毎日が楽しみで仕方ないかな」
笑っている目を見るに、嘘はない。というか、この少年に嘘を吐く力はない。
屈託なく笑うユーノに、はやての心はざわめいた。
「お、おおきにな……さ、もうすぐご飯できるさかい、期待して待っとき」
スープの味見をする。うん、完璧。
そろそろいい匂いに釣られて、皆がやってくる頃だ。
「お、おいしそうじゃん!」
真っ先にやって来たのはヴィータ。
あわよくば摘み食いしようというその手を、はやてはぴしゃりと叩いた。
「いてっ」
「抜け駆けはなしや」
そして、計ったようにシグナムとシャマルも帰ってくる。
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「ただ今帰りました」
「ただいまー。あら、今日はユーノ君が一緒なのね。
我が家だと思ってゆっくりしていって」
シャマルがニコニコ顔でユーノに挨拶する。もう完全に一家のママだ。
「ああ、はやてちゃん」
「なんや、シャマル?」
突然シャマルがはやてに向き直って聞いてくる。
あくまでものほほんと、あくまでも軽い調子で。
「ユーノ君のこと、いくら可愛いからって襲っちゃダメよ?」
「あ、あほぅ! どこの誰がやるかいこの自称17歳!
盛るんならグレアムおじさんにでもしとき!」
はやては顔を真っ赤にして怒鳴った。
心臓がバクバク言って、思うように唇が動かない。
結局口から出てきたのは、照れ隠しみたいな罵倒だった。
身体がすっぽり埋まるほどの墓穴を掘ったシャマルは、もの凄くしょんぼりした顔で洗面所に消えた。
丁度やってきたザフィーラは事態の意味不明さに頭をかしげ、
シグナムはその間一言も言わずにすっかり俗人となった風の癒し手を見送った。
「やっぱりはやての料理はうめーな!」
ヴィータが舌鼓を打ち、他の面々も一同に頷く。
「そんな、おだてても何もでぇへんで?」
軽く手をひらひらさせると、ユーノがぼそり。
「でも、じっさい美味しいと思うな」
その言葉が耳に入ってきた瞬間、はやてはバンバンと隣に座るシグナムの背を叩いた。
突然のことにシグナムはむせ返るが、それでもはやては気にしない。
というか、気にしていられるだけの心の余裕がなかった。
「やぁよ、ユーノ君、そんなおだてて私をどないする気?
私、こう見えて結構ガード固いんやで?」
誰のガードが……と守護騎士一同疑問を抱いたが、一人として口に出す者はなかった。
ユーノがしきりに褒めるので、はやては『これは何かあるな』と思いつつ、
悪い気はしないので褒められるがままにしていた。
「……そないに私のこと良く言うんやったら、頭の一つくらい撫でてもええんに」
小さな呟きはシャマルにだけ聞こえたようで、危うく殴りかかりたくなるようなニヤニヤ笑いを浮かべていた。
***
「しっかし、この足。早く何とかならへんかな?」
闇の書事件からこの方、はやての足は着実に良くなりつつあったが、
それも悪化していた部位が和らいだ程度のこと。簡単には全快してくれない。
痛みや苦しみはもうほとんどないが、地上で立ち上がることはまだできない。
始終車椅子の生活で、ユーノには世話をかけられっぱなしだった。
その本人と、今は部屋でふたり。
はやては机に向かって勉強中。ユーノは、ベッドに腰掛けて何やら本棚から取り出して読んでいるようだ。
マンガか? マンガなのか? まったく、人が勉強している傍で現金な……
『下図の回路についてランプ応答の過渡現象を論ぜよ』
「……」
OK、まずは日本語に翻訳する作業から。
次に等価回路を描いて、微分方程式を
「ええい分かるかボケー!! 普通オームの法則やったら終りちゃうんかこれ!?」
流石は海鳴の宿題、というか全然分からない。頼りになるのはフェイトだけだ。
一通りの悪態を吐くと、また問題に取り掛かったが、解決する兆しはまったくなかった。
いくら難しいとはいえ、睨めっこをいくら続けても糸口すら見えない。
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「どうしたのさ、そんな唸り声上げて?」
ユーノが横からヒョイっと顔を出す。
「ああ、あンの鬼教師がまたアホみたいな宿題出しよって、どうにもならへんのよ」
わらにも縋る思いで、ユーノに問題を見せる。
予定調和というか、彼もまたちんぷんかんぷんのようだった。
「でも、二人で頑張れば何とかなりそうじゃない?」
あまりにもさらっと言い出すものだから、はやては目を丸くした。
「え、でもそんな悪いで。ただでさえ魔法の訓練に付き合うてもろとるのに……」
しかしユーノの方はおかまいなしに、なのはにメールを打っていた。
「今日は遅くなるから、先に寝ててもいいよ……と」
ユーノ呟きに、はやては心臓がトクンと動くのを感じた。
遅くなるってことは、つまり――先になのはが寝るような時間になったとしたら――
ままよ、先に既成事実作ったろか――
「はやて」
「ひゃぁっ!」
情けない声が漏れた。どうやら要らぬ妄想に浸っていたらしい。
「な、なんやびっくりしてまうやないか」
「ごめん、なのはにはもう連絡したから、はやての宿題、手伝えるよ」
屈託のない笑顔に、思わずはやての表情も綻ぶのだった。
「ここはコイルの――」
「せや、あとは電圧がここで一定なんやから……」
苦闘1時間。
気がつけば、問題を解き終っていた。
時間は矢よりも早く進み、むしろ惜しいくらいだった。
「おおきにな。おかげですっかり終ったわ」
「いや、気にしないでいいよ。僕も、はやての学校の問題、一度やってみたかったんだ」
本心からそう思っているのか、ユーノの顔には満足感が表れていた。
はやては、「ほんま、おおきにな」とだけ言って机から離れ、ベッドにぼふりと倒れこんだ。
ずっとユーノの顔が間近にあったのだ、平然でいろという方が難しい。
まだ上手く動かない足が淡く疼く。
『シャマル、余計なこと喋っておいてからに……』
無理矢理にでも意識してしまう。いや、むしろ意識させられてしまう――気づいてしまった。
ユーノが、好きだということを。
思えば、魔法は守護騎士の面々に聞けばいいのであって、わざわざユーノを呼び出す必要はないのだ。
無意識のうちに、一緒にいたいと願っていた。
でも、だからこそ、こうして今一緒にいられる。
「ん、もうこんな時間だ。それじゃはやて、僕はこれで帰るから」
ユーノが帰ってしまう。
「ちょ、ちょっと待って……!」
はやては意味もなく引き止めた。
「ん、何?」と聞いてくるユーノに、思わず言い澱む。
「あ、えーと、特に用事って訳やないんだけど……」
言いたいことがあったはずなのに、何故か頭が真っ白になって言葉が出ない。
心の中で自分を殴りながら、この短時間でできることを必死に考えた。
その結論は……
「これは訓練のお礼や、皆には内緒やで?」
ちゅ。
頬にキスして、はやてははにかんだ。
「え? ……え!?」
唖然としていたユーノの顔が、一瞬で真っ赤になる。
見ていて面白いくらいだ。
……この時、どうしてユーノが唖然としていたのかを知るのは、翌朝のこととなる。
ポーッと目の焦点が合わなくなっているユーノを、ボンと叩いた。
-
「ほら、帰るんやろ? それともこのまま続きでもするか?」
ユーノが耳まで赤く染まっていく。
そんな顔、見ているこっちが恥ずかしい。
「な、なんや、本気にしとるんか? 冗談やて、冗談」
心のモヤモヤを振り払うように手を動かして、ユーノの肩に手を置く。
そしてそのまま、ベッドに引き込み、押し倒した。
自分でも何をしたのか、その瞬間には分からなかった。
けれど、ユーノを組み敷いていると頭が追いついたきり、はやての意識に火がついた。
「は、はやて……?」
戸惑ったような、期待を込めたような、そんなユーノの声がこだまする。
ユーノだって男だ。どうやったって限界というものは来る。
「これはお礼や、せやから何も気にすることあらへん……」
唇にキス。
舌を割り込んで、ユーノを味わう。
「今夜は帰さへん……」
***
翌朝。
「すまんなあ、朝帰りさせてしもて」
「ああ、気にしないで。泊まるって決めたのは僕だから」
結局、キスどまりだった。ヘタレここに極めり。
完全に茹って気絶とは、はっきり言って救いようがない。
中途半端。そう中途半端すぎる。
「あぁ、何やっとるんやろ私……」
車椅子の中で縮こまりながら、軽い自己嫌悪でユーノを見送る。
しかも今日は学校だ。この後こんな顔でなのは達に会うのか。
「今ならニートの気持ちが分かる気がするわ」
遠い目で空を見上げるはやて。
すると、ユーノがぱたぱたと戻ってきた。
「ごめん、一つ言い忘れてたことがあったんだ」
『どうして忘れてたんだろう』と苦笑交じりに言うユーノ。
一体どうしたというのだろう?
「はやて」
急に抱き寄せられた。
「僕も好きだよ」
唇を奪われる。
きつく、身体を抱きしめられる。
「ユ、ユーノ君……私のこと、好きなん?」
なのはちゃんより? と野暮なことは聞かなかった。いや、聞けなかった。
はやてより先に、ユーノはいとも簡単に答えたのだ。
「なのはとは友達だから。ううん、友達でいたいから。
"好き"でいたいのは、はやての方かな。だって──」
もう一度、額にキス。
「はやての方が可愛いから」
はやては心臓が飛び上がりそうだった。
バクバクと鼓動を打ち、ちっとも静まってくれない。
これ以上そんなことを言わないで、おかしくなってしまうから……
「それじゃ、またね」
随分と腑の抜けた顔で見送っていたのだろう、と思う。
笑顔で手を振り去っていく、ユーノの後姿を、はやてはいつまでもいつまでも見つめていた。
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ヴィヴィオ長編は明日にでも投下できると思う。
ではまた。
-
いつもいつも乙
ところで中学校で制御工学とか電気・電子工学とかやったっけ?
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最終回の投下いきます。
注意事項
・非エロです
・時間軸はJS事件から3年後
・JS事件でもしもスカ側が勝利していたら
・捏造満載
・一部のキャラクターは死亡しています
・色んなキャラが悲惨な目にあっています、鬱要素あり
・物騒な単語(「殺す」とか「復讐」とか)いっぱい出てきます
・主人公はスバル(とエリオ)
・SSXネタもたまに含まれます
・遂に最終回
・エリオの悲惨さMAX
・ご都合主義もある
・BADENDではないが、ハッピーエンドでもない
・タイトルは「UNDERDOGS」 訳:負け犬
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今でも時々、夢に見ることがある。
もしも、あの時に別の選択をしていたのなら、どんな結末を迎えていたのかと。
幾度となく繰り返した自問を、ウーノはもう一度胸中で反芻する。
しかし、どれだけ考えを巡らせても答えは見つからない。
愛する男と共に世界を手に入れていたか。
最愛の男の複製と共に陰で世界を支配していたか。
共に罪を償う道を模索していたか。
自爆した複製のように、無様な死を晒していたか。
答えは無限に存在し、そのどれもが虚無という霧の中に隠れている。
選ばれた結果以外は全てがまやかし。それが世界の掟であり、真理なのだ。
「お母さん?」
不意に幼い声で我に返り、顔を上げる。
すると、まだあどけなさの残る幼い顔がそこにあった。
心配そうにこちらを見上げる我が子の顔を見て、ウーノは思わず息を呑んだ。
わかっていながらも、彼の幼い容貌に父親の容姿が重なってしまう。
「お母さん」
「え、ええ…………ごめんなさい。何か用、坊や?」
「ううん。けど、元気なかったから…………はい」
少年が泥だらけの手で差し出したのは、彼がどこからか摘んできた白い野花であった。
最近、物思いに耽ることが多くなった自分のために採って来てくれたのであろう。
ウーノは不器用ながらも微笑みながら白い花を受け取ると、我が子の頭を優しく撫でた。
「ありがとう、坊や」
「うん。次はもっと綺麗なお花、採ってくるね」
無邪気な笑顔を浮かべ、少年は草原へと駆け出していった。
走り去る小さな背中を見送りながら、ウーノは少しだけ悲しそうに微笑する。
ゆりかごで死亡したスカリエッティから、ウーノはある秘密任務を帯びていた。
それは、来るべき反抗勢力との戦いの中で死を偽造し、誰の目も届かない辺境世界で
ジェイル・スカリエッティのクローンを出産することであった。
元々、スカリエッティは何らかの理由で自分が死亡した時のバックアップとして、
ナンバーズに自身の複製を仕込んでいた。結局、3年前の戦いでは自分達の圧勝で終わったため、
複製が生まれることはなかったが、3年間のゆりかごでの生活の中で、
スカリエッティはより安全な生活を手に入れる術を思いついていた。
それは、全てのナンバーズが死亡した状態で、自らの命を絶つことであった。
ゆりかごは確かに強力で堅牢な守りではあったが、次元世界中の反抗勢力にその命を狙われていることに変わりはない。
生命操作技術を完成させるための穏やかな環境を求めていたスカリエッティにとって、それは決して喜ばしい状態ではなかった。
だから、彼は一度死ぬことにしたのだ。
全てのナンバーズを死亡させて、バックアップの複製がないと人々に思わせた状態で己の死を公とする。
そして、誰も知らない辺境世界に用意した住居で新たなクローンが生まれれば、誰からも命を狙われることのない、
平和で穏やかな生活を手に入れられることができる。そのための母胎として、最も人前に出ることがなく、
認知度の低かったウーノが選ばれたのだ。このことはトーレやクアットロすら知らされておらず、
ウーノとスカリエッティの2人だけが共有していた秘密であった。
そして、形だけを見繕った彼女のクローンはレジスタンスの眼前で自爆し、スカリエッティもまたゆりかごと運命を共にした。
彼があの日まで、人々の恨み買うような非道な行為を繰り返していたのは、本能に刻まれた無限の欲望以外にも、
倒されるべき悪役として憎しみを募らせる必要があったからだ。
全ては、スカリエッティの思惑通りに進んでいたのである。
だが、土壇場になってウーノは最愛の男を裏切ってしまった。
彼女は、生まれた子どもにジェイル・スカリエッティとしての記憶を与えなかったのである。
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「申し訳ありません、ドクター。ですが、あなたは知っていたはずです。
複製はオリジナルにはなれない…………フェイトお嬢様が、アリシア・テスタロッサに
なれなかったように。知っていてなお、あなたは複製による生存を望んだ。
私にはそれが耐えられなかった。私にとってジェイル・スカリエッティはあなただけ。
私を生み出し、育て、共に夢を分かち合ったあなただけ。生まれた複製に、
ドクターの声と記憶で語りかけられても、それがあなたでないのなら……………私は、
あなたの死を望みます。あなたの死と、その血脈を受け継いだあの子……………私がお腹を痛めて生んだ、
あなたの息子。もうあなたが生まれることはない。例え誰かがドクターの複製を生み出したとしても、
あの子の父親が私の愛したあなたであることに変わりはありません。ドクターの存在は、
私とあの子の中で永遠となります……………それが、私の最初で最後のあなたへの反抗です」
ウーノの頬を、一筋の涙が伝う。
愛した男の存在をこの世に残すためとはいえ、自分は最愛の人の願いを踏み躙った。
その罪悪感から解放される日が来ることはないだろう。
これからも、我が子の顔を見る度に、自分は愛する男を殺した罪の意識に苛まれるのだ。
特にここ最近は、日に日に彼へと似つつある我が子の顔を見ることがとても辛かった。
抑制剤を投与してはいるが、それでも狂気の天才が生み出した技術は異常な速度で発育を促している。
10歳ほどの容貌であるにも関わらず、あの子はまだ生まれて半年にも満たない幼子なのだ。
「私の坊や…………いつかあなたは、きっと自分の生まれを呪うでしょう。
私とドクターを……………あなたの父親を憎むでしょう。けれど、信じて頂戴。
お母さんは、心からあなたの幸せを望んでいるの…………それだけは、本当だから」
あの子が父親と同じく無限の欲望に囚われ、狂気に走るか。それとも理性を持った凡庸な人間となるかは、まだわからない。
自分にできることは、あの子が人並みの暮らしに幸福を感じられるように、精一杯の愛情を注ぐことだけだ。
この命が尽きる、その日まで。
□
ゆりかごが堕ちてから、半年が経過した。
次元世界規模で起きた争いは時空管理局だけでなく、全ての世界に甚大な被害をもたらした。
本局と地上本部の壊滅という最悪こそ免れたものの、支援を受けられなかった各次元世界の管理局支部は
壊滅状態に陥っており、次元間の交流も半ば断絶しつつある。
貿易や人の行き来が途絶え、社会機能が麻痺して滅びの兆しを見せる世界すらあった。
この混乱に乗じて管理局体勢から離反し、独立を宣言する世界まで出る始末だ。
そんな中、かつて時空管理局地上本部と呼ばれた建物で、元時空管理局本局統幕議長ミゼット・クローベルによる演説が行われていた。
『我々は辛い戦いを経験しました。全ては時空管理局が……………かつて私達が願いを託した組織が招いた結果です。
人間は欲深く、愚かで卑しい生き物なのかもしれません。他者より豊かで幸福な暮らしを、今よりも便利な社会を、
誰にも犯されない安心を。その思いが今日までの歴史を形作ってきました。ですが、強すぎる思いは時に災いを招きます。
何故、私達は質量兵器を捨てて魔法文明を育んできたのか。何故、魔法に代わる力として質量兵器を求めたのか。
今一度、私達は考えなければならないのかもしれません。我々が真に望まねばならない平和と、勝ち取るべき秩序を。
今日、ここにお集まりの皆さんの前で、私はもう一度謝罪したいと思います。そして、改めて宣言します。
時空管理局を解体し、今ここに新たな組織を樹立することを。次元を隔てた友と手を取り合い、
二度と過ちを犯さぬために。我ら時空共和機構は、あなた達と共に歩んでいくことをここに誓います』
演説を終え、ミゼットが謝罪の言葉で締めくくると、疎らな拍手が彼女を包み込んだ。
聴衆は決して多くはない。恐らく、100人にも満たないはずだ。
新組織の発足とはいえ、その長が時空管理局の元重役である以上、仕方のないことであった。
半年前の一件で時空管理局の闇が浮き彫りになって以来、市民達の管理局への支持率は大幅な下落を見せていた。
清廉潔白を謳いながら、裏で人道に反した行為を繰り返していたのだ。それも無理はない。
何より、各次元世界とのやり取りすらままならない現状では、時空管理局という組織そのものの存続が不可能であった。
故に伝説の三提督や穏健派の管理局重役、レジスタンスの主要幹部は議論を重ね、管理局に代わる新たな組織を作り出すことにした。
それが、時空共和機構である。
隔たれた次元の壁を超え、共に平和を築いていく組織。
その暫定代表となったのが、ミゼット元本局統幕議長である。
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「無事に終わったか」
ビルの上から演説を見守っていたユーノは、撤収を始めたミゼット達を見て何気なく呟いた。
彼女は市民と同じ立場に立って言葉を伝えたいという思いから、敢えて瓦礫で囲まれた一角を会場に選んだ。
そのため、ユーノは旧管理局勢力に反感を抱く者達の暴動を警戒していたのだ。
「彼女はあくまで暫定代表。組織が軌道に乗ったら、正式に選挙を行って初代代表を決めるそうだ」
いつもの防護服ではなく、私服にサングラスという出で立ちのクロノが傍らの親友に囁く。
「僕達がやらなきゃいけないことは、後に続く人達の下地造りか。質量兵器の条件付き廃止に
戦闘機人システムの安全化、廃人になった機人達の治療、法制度の改正に各次元世界との交渉、
後進の育成と治安維持。何より、共和機構が管理局とは違うというところをハッキリと示さなきゃならない。
やらなきゃいけないことは多いね」
共和機構はかつての管理局のように質量兵器の根絶を目指すのではなく、武力利用の禁止を掲げていた。
一度放てば恐ろしい破壊力を生み出す質量兵器ではあるが、瓦礫の除去や工作に関しては有効であり、
魔法に代わる主力として大量破壊兵器を配備している世界も存在する。
実弾デバイスと同じく、ある程度は規制を緩めなければ各世界の賛同は得られないと考えた故の判断だ。
機人化技術に関しては、システム基幹部に位置するコンシデレーション・コンソールを取り外しての
起動が成功するまでは封印されることとなった。最も、その研究自体が人道に反するため、
実用化されることはまずあり得ないというのがマリエルの推論だ。
結果、共和機構の戦力は3年前と同じく人的資源に依存する形となり、
その中核を元レジスタンスと聖王教会騎士団が占めることとなった。
「機人化技術を手土産に野に下った技術者や、共和機構に賛同しなかった反抗勢力も多い。
何より、復興のための資源を奪い合って他所の世界が戦争している始末だ。
荒事は僕達の仕事だな。最も、犯罪者が正規部隊に組み込まれることはないだろうけど」
自嘲するように呟いたクロノは、照りつける陽光を眩しそうに手で遮ると、
反転して足下の影へと視線を落とす。
彼らがゆりかごを堕とし、スカリエッティを討ち取ったことを民衆は知らない。
伝説の三提督や旧管理局穏健派は限りなく黒に近いグレーゾーンという形で市民に受け入れられているが、
過激な行動を取り続けたクラウディアの面々が表舞台に立つようなことがあれば、不満を露にする者が現れるかもしれないからだ。
だから、クロノとフェイトは表向き共和機構には加わらず、正規部隊が動けない状況に備えた切り札として闇に潜むらしい。
アースラは記録の上では既に存在しない艦であるため、潜伏するにはもってこいだ。
一方、裏方として表に出なかったユーノやヴェロッサは、オーリス達と共に共和機構へと参加し、
組織の運営に携わることとなった。皮肉にもスカリエッティの研究や旧管理局の侵略行為による略奪によって得た
情報が無限書庫に加えられたため、その整理と検索のためにユーノは重宝されているらしい。
司書の中には、伝説の司書長が帰って来たと噂する者までいるようだ。
「そろそろ行かないと。アースラでフェイト達が待っている」
「待って。本当に行くのかい? エイミィや子ども達は? もう会わないつもりかい?」
「僕の罪は消えない。こんな手で妻や子ども達を抱き締められる訳がないだろう。
それに、いつまでも仲間面しない方が良い。案外、次は敵同士かもな」
「冗談でもそんなことは口にしない方が良い。その時は、僕が引っ叩いてでも頭を冷やさせるさ」
「やってみろよ、フェレットもどき」
「ああ、やってやるさ。友達だからな」
-
視線を交わらせずに拳を合わせ、2人はその場を後にする。
クロノは光の届かぬ次元の闇へ。
ユーノは闇に浮かぶ智慧の宝庫へ。
抜けるような青空が、去っていく2人を静かに見守っていた。
□
手狭になったオフィスを見回し、グリフィスは自嘲するように笑みを浮かべた。
かつては中将にまで上り詰めた男も、今では一介の共和機構構成員に過ぎない。
たくさんの部下も絶大な権力も失い、与えられたのは朽ちかけた2階建てビルと1人の秘書、
そして少数の武装隊だけだ。
そこにかつての栄華は見る影もなかったが、グリフィスに後悔はなかった。
寧ろ、再スタートには相応しい待遇だと思っていた。
彼の実力を考えれば、共和機構の中核を成してもおかしくはない。
事実、共和機構設立の際は三提督やオーリスと同じく幹部として組織の運営に関わって欲しいと要請された。
だが、グリフィスはそれを断り、壊滅した辺境世界の旧管理局支部を立て直す役割を買って出た。
理由はどうあれ、自分は多くの人々を傷つけた。大義を掲げて己の正義を見失った。
いったいどうすれば、償うことができるのかわからない。
だから、グリフィスはもう一度、ゼロから始めることにしたのだ。
権力を持たず、一支部の支部長として、そこに住む人々の生活を見守りながら、力と正義について考え直すために。
ただ、1つだけ気がかりがあるとすれば、共にこの世界へとやって来た秘書官のことであった。
「本当に良かったのかい、ルキノ? 僕なんかと一緒に来て?」
「うん。私は、グリフィスと一緒に歩こうって決めたから」
少しだけため息交じりに、ルキノは答える。
ミッドチルダからここに来るまでの数時間、グリフィスは延々と同じ質問を繰り返していたのだ。
「約束したでしょ、一緒に償う方法を探そうって。あなたがここから始めるのなら、私も一緒。
あなたの隣が私のいるべき場所なの」
「ルキノ………………ありがとう」
ずれた眼鏡の角度を直し、グリフィスは立てつけの悪い窓を開く。
長らく放置されていたためか、建物の至る所にガタがきており、床には砂埃が堆積している。
だが、2階の窓からは人々の営みを見下ろすことができ、暖かい陽光が自分達を包み込むように照りつけている。
この景色を目に焼き付けておけば、きっと自分は答えを見つけることができるであろう。
何が市民のためとなるのか、どうすれば公共の正義を貫けるのか。
この街で、必ず答えを見つけてみせる。
しかし、その前にやらねばならないことがあった。
「とりあえず……………」
「まずは掃除からだね」
咳き込みながら、2人は箒と雑巾を手に取った。
2人の旅立ちは、まだ始まったばかりである。
□
戦闘機人の暴走によって、次元世界の各都市は壊滅的な打撃を受けた。
ライフラインは断たれ、都市機能は麻痺し、道路には破壊されたビルの瓦礫が転がっている。
何しろ、全ての陸士隊に配備されていた戦闘機人が同時に暴れ出したのだ。戦場は世界全域に及び、
各隊の魔導師達は寸断された指揮系統が立て直されるまで、場当たり的な対処を余儀なくされた。
中には、共同戦線を取るはずのレジスタンスと反目し、同士討ちするケースもあったようだ。
結果として甚大な被害がもたらされ、半年が経った今でも復興は進んでいない。
ミッドチルダもその例外ではなく、科学を謳歌した首都クラナガンも今では瓦礫に囲まれた廃墟の1つである。
だが、それでも人々は、懸命に今を生きている。
そこが故郷だから、自らが住まう土地だからと己を鼓舞し、暗く冷たい夜に震えながら朝日が射すのを待っている。
そんなクラナガンの一角に、小さな運送会社があった。
-
「はい、安心と信頼がモットーのN2Rデリバリーサービスです。はい…………明日の正午までですか?
はい、可能です。それで荷物は……………はい、わかりました。お昼過ぎにこちらから伺いします。
はい、ありがとうございます」
用件をメモに書き写すと、恭しく一礼してから受話器を元の位置に戻す。
自分でも慣れてきたなと、オットーは唇の端を吊り上げた。
ゆりかごでの戦いを終え、破損した体の修理を終えたオットーとディードは、
かねてからの願いであった自由な生活を送るためにアースラを後にした。
もちろん、3年間も苦楽を共にした仲間と別れることは心苦しかったが、
それ以上に地に足をつけて暮らしたいという思いの方が強かった。
戦いとは無縁の、平和で穏やかな生活。
戦うために生み出された自分達が、誰も傷つけない生き方を示すことが、
戦いの中で散っていった姉妹達への手向けになると2人は信じていた。
そして、クロノ・ハラオウンから幾ばくかの生活資金を受け取り、もしもの時は力を貸す約束を交わした後、
2人は倒壊寸前の廃ビルを買い取って運送会社を設立したのである。
最初はトラブルの連続だった。
抑揚のない喋り方や世間知らずなせいで客を怒らせてしまったことは一度や二度ではないし、
積み荷を強盗に奪われそうになったこともあった。勢い余って機人の力を振るいかけたことも何度かある。
だが、その度に2人は姉妹の絆を支えに互いを励まし合い、逆境を乗り越えてきた。
やがて、共和機構に参加するヴェロッサの近くにいたいがためにアースラを降りたセインや、
思うところあってクラナガンにやって来たノーヴェも加わり、会社の運営も少しずつ軌道に乗り始めていった。
「ただいま、オットー」
蝶番の壊れた扉が軋みながら開き、ライダースーツに身を包んだディードが配達から戻ってくる。
そして、客から貰った配達代を背負っていた鞄から取り出すと、オットーが座る机の上へと投げ置いた。
「おかえり、ディード。どう、慣れてきた?」
「ええ。お得意様もできてきたし、バイクの運転がこんなに楽しいなんて思わなかった」
「それは良かった。実は、大口の注文が1件入ったんだ。昼過ぎくらいに行ってもらえるかな?」
「了解、オットー」
「それと、シャワーを直しておいたから浴びると良いよ。お湯はでないけどね」
「ありがとう、それだけで十分よ」
疲労の混じった息を漏らしながら、ディードは窮屈なライダースーツのジッパーを下して、
蒸れた素肌に風を送り込む。その時、プライベートルームへと繋がる扉が勢いよく開き、
携帯電話を手にしたセインが満面の笑顔でオフィスへと駆け込んできた。
「ねえねえ、ロッサが今度、目の手術を受けるんだって。上手くいけば視力が戻るかもしれないって!」
室内を飛び跳ねながら、セインは全身で喜びを表現する。
彼を傷つけてしまったことに負い目を感じ、ずっと世話をしてきたセインにとって、
ヴェロッサの視力の回復はとても喜ばしいことであった。
最も、伝票の整理を始めていたオットーは内心、気が散るから静かにして欲しいなと思っていた。
「頭の病気だったから、クローン治療ってできないでしょ。凄く難しい手術らしいんだけど、
お医者さんも見つかって。ああ、良かった。これでロッサにちゃんとあたしを見てもらえる」
「良かったですね、セイン姉様」
「ありがとう、ディード。ロッサの実家の方もゴタゴタが落ち着いてきたみたいだし、
やってうまく回ってきたって感じだよ」
「実家…………聖王教会ですか?」
「うん。陛下のこともあって、信者の人達と教会でかなり揉めていたでしょ。
けど、騎士カリムがうまくやってくれてさ。何とか持ち直したみたいなんだ」
「ああ、『聖王の人間宣言』だね」
-
ゆりかご戦の後、今まで聖王として崇めてきたヴィヴィオの是非を巡って教会内で激しい論争が繰り広げられた。
ヴィヴィオを聖王として肯定する者、否定する者、権威の失墜を恐れる者、信者達の信頼を取り戻そうとする者。
様々な思惑が交錯し、やがてその矛先は公の場で聖王を否定したカリムへと向けられた。
だが、カリムは臆することなく会見の場を設けると、そこで聖王がスカリエッティによって生み出されたクローンであり、
彼女もまた悪漢の被害者であったことを涙ながらに訴えた。
これが、後の世に残る『聖王の人間宣言』である。
確かに聖王教会は、古代ベルカの聖王を神と崇めている。だが、半年前まで聖王として君臨していたヴィヴィオは、
聖王である前に1人の人間であり、スカリエッティによって人生を狂わされた被害者であることを強調し、
教会もまた騙されていたのだと訴えかけたのだ。
無論、その発表を巡って波乱も起きたが、信者達は亡くなられたヴィヴィオに対して深く同情し、
教会を攻撃することはなかった。こうして、聖王教会の権威の失墜だけは免れたのである。
現在は、損なわれたイメージを回復するために、率先して治安維持活動に励んでいるらしい。
共和機構への協力もその一環なのだ。
「教会か…………ディエチ、元気にしているかな?」
フェイトに敗れ、ゆりかごより連れ出されたディエチは、聖王教会へと身を寄せていた。
守ると心に決めていた聖王を失い、一時は食事も取らぬほど塞ぎこんでいたようだが、
今では信仰に生きる糧を見出し、シスターとして奉仕活動に精を出しているようだ。
「ディエチ姉様、ドクターのことで何か知っていたのかもしれません」
「ディエチが?」
「ノーヴェ姉様がそう言っていました。意味深な発言が多かったと」
「気づいていたのかもしれない。ドクターが何を目指して、何をしたかったのかを」
彼女がそれを語ることはないだろう。
無論、知りたくもなかった。そんなことよりも、今の生活の方がもっと大切だ。
「それじゃ、今からロッサのお見舞いに行くから、今日は早退ってことで」
暗くなった空気を誤魔化すように手を叩き、セインは鮮やかにその場を後にする。
まるで嵐のように飛び出していった姉を呼び止めることもできず、
2人は呆気に取られながら互いの顔を見やることしかできなかった。
「姉様……………」
「今日もサボりと…………今月は4割引かな」
入社以来、ずっと記録し続けている出勤表にセインが早退した旨を書き記したオットーは、
ズラリと並ぶ欠勤と早退のマークを見て苦笑する。
「ああ、そう言えばノーヴェ姉様は? 今日は朝から見かけないけれど?」
「ノーヴェは休みだよ。何でも、探していた人が見つかったらしい」
「それって………………」
「わからないけど、きっとチンク姉様関係だと思うよ。ノーヴェがあんなに真剣になるのは、
あの人かスバルのことくらいだ」
呟きながら、オットーは出勤表を閉じて伝票の整理を再開する。
きっと、自分達が踏み込むの許されない話なのだろう。
ディードもそれを察したのか、小さく頷いて別室へと消えていった。
□
ようやく見つけた彼女の家は、それほど大きくないアパートの一室であった。
幸いにもこの付近は戦場にならなかったのか、外壁にいくつか亀裂が入っていることを除けば、
アパートの被害はほとんどなかった。だからなのか、この辺は復興も進んでおり、通りには商店なども見られる。
自分達が暮らしている区画と比べると雲泥の差だ。
-
「女の子の1人暮らしか。治安が良かったのは救いだったろうな」
見上げた表札には、『グランセニック』と記されていた。
ここに住んでいるのは、チンクと共に爆死したヴァイス・グランセニックの妹だ。
ノーヴェがアースラを降りてクラナガンへとやって来たのは、彼女に兄の死を知らせるためであった。
「まだ、信じているんだよな」
聞いた話では、ヴァイスの妹は今でも兄の帰りを待ち続けているらしい。
3年前に行方不明となった兄の生存を信じ、この小さな部屋でずっと待ち続けているのだ。
自分はこれから、彼女の僅かな希望を打ち砕かねばならない。
残酷に、無慈悲に、最愛の兄の死亡を突きつけねばならない。
どこまで話せるのかはわからない。
兄を殺した者と関係のある自分を、彼女は憎むかもしれない。
それでも自分は、告げねばならない。過去に囚われた者に現実を突きつけ、明日へを目を向けるために。
それが、生き残った自分に課せられた役目なのだから。
「チンク姉、良いよな?」
緊張で汗ばむ手を拭い、ノーヴェはゆっくりとインターホンに指を押し付ける。
程なくして、年若い少女が姿を現した。
□
一時は消滅も危ぶまれたザフィーラではあったが、シャマルの懸命な治療の甲斐もあり、
何とか一命を取り留めることができた。現在は状態も安定しており、アースラ内の医務室に入院しつつ、
1日でも早い復帰を目指してリハビリの日々を送っている。
「けれど、本当に心配したんだよ。2ヶ月前まで意識不明だったんだから」
世話役として医務室に常駐しているアルフが、器用にリンゴの皮を剥きながら言う。
少し離れたところには、部屋の主であるシャマルと見舞いに訪れたリインがいたが、
2人に気を利かせて話しかけてくることはなかった。
「あんた、陰でこっそり無茶なリハビリとかしていないだろうね? 無理は体に悪いんだよ」
「わかっている。折角、生き残れた身だ。そうそう無駄には使わんさ」
切り分けられたリンゴを口へと頬張り、咀嚼し終えた後にザフィーラは返答する。
素知らぬ振りをしているが、実際にはまだ歩くのもやっとな状態であるため、
アルフが言うような無茶ができない状態だ。もう少しだけ回復したら、
少しリハビリのプログラムを前倒ししてもらうつもりでいるのは秘密だが。
「けど、これからどうなるんだろうね? みんな、いなくなっちゃってさ」
「去る者もいれば残る者もいる。奴らには奴らの、我らには我らの生きる道がある。
何より、ここで諦めては涅槃であいつらに合わす顔がないからな。
例え冥府魔道を歩むことになろうと、成さねばならぬことがある。
ならば、後はその運命に従うまでだ」
「運命ね。嫌な響きだ」
「自分の手で切り開くか?」
「そういうもんじゃないのかい?」
「確かにその一面もある。だが、運命は常に我らに痛みを求める。
抗おうとすれば苦難が待ち受け、沈黙すれば終わりのない暗闇へと堕とされる。
一生の中で、正しい行いが光を掴むことは稀だ。だが、それでも人は光を求めてしまう。
その眩い輝きに目を奪われ、心の底から成したいと思った行いを成そうとする。
その果てに目的を見誤り、謝った選択をすることもある。彼らは気づいていない。
その輝きがどこから発せられているのかを。目の前にある光が、何から反射されたものなのかを」
「運命は、常に自分の中にあると言いたいの?」
今まで沈黙を守っていたシャマルが、不意に言葉を挟む。
-
「人は生まれも境遇も選べない。けれど、どう生きるかは選ぶことができる。
誰もが掴みたいと思っている光……………胸に宿った彗星のような光は、
正しい行いをした者にだけ掴むことができる」
「何を成すかじゃなくて、どう生きるか?」
「真実から出た真の行動は、決して滅びはしない。例え定められた運命でも、
何かを掴むことができたのなら、それは勝利に違いない」
「なら……………シグナムとアギトは、運命に勝ったんですか?」
リインの問いに、ザフィーラは静かに頭を振る。
「大義のためとはいえ、我らは手段を履き違えた。救うべき命を死なせ、
償いきれぬ罪を負った。我らは勝利者ではなく敗残者、名の通りの負け犬だ。
だが………………それでも、この胸に残ったものがあるのなら、それは前に進ませなければならない。
過去から託されたものは、未来へと……………違うか、“祝福の風”?」
「わからないです。けど……………私達はみんなのおかげでここにいるです。
色んな人がリイン達を守ってくれて、色んな人の思いがこの胸の中に詰まっています。
はやてちゃんも、シグナムも、アギトも……………だから、リインはまだ頑張れます」
決意の込められたリインの言葉に、他の3人も力強く頷き返した。
例え自分達の逝きつく果てが運命で定められているとしても、その結果に甘んじる訳にはいかない。
持てる力の全てを出し尽くして、その運命に抗って光を掴む。
その時こそ、幾千年と続いたヴォルケンリッターの戦いは、漸く終わるのだから。
□
僅かに光を取り戻した右目の具合を確かめるように、ティアナは瞼を開閉させた。
失明してから3年、根気よく治療し続けた甲斐もあり、ようやく失われた視力が戻ってきたのだ。
今はまだシルエットくらいしか判別できないが、治療を続ければそう遠くない内に元の視力を取り戻せるらしい。
そうなれば、またクロスミラージュを手にして前線に立つことができる。
多くの仲間が抜けた今、戦力を遊ばせておく余裕などないのだから。
「ティアナ、どうしたの?」
「あ、フェイトさん。ええ、少し気分転換を。フェイトさんは?」
「同じかな。やっと体も動くようになってきたし、リハビリを兼ねてね」
そう言って、フェイトは唇の端を吊り上げる。
少し痩せたな、とティアナは思った。
理知的な風貌はそのままだが、頬が少しばかり扱けていて目元に隈もできている。
それは決して、体の不調だけが原因ではなかった。精神的な疲労が彼女の体に表れているのだ。
(無理もないか、あんなことがあったんじゃ)
シャマルが組んでくれたプログラムもきちんとこなしているし、休息や栄養補給も十分に取っている。
医学的に見ても、彼女が体調を崩す要因はどこにも見られない。
それでもフェイトはの顔はやつれ、瞳からは活力と呼べるものが失われていた。
自分が最も大切にしていたものを、自らの手で傷つけてしまったからだ。
「フェイトさん、その……………」
「…………良いの。これで………これで良かったんだよ」
フェイトは力なく微笑み、ティアナの頭に枯れ木のような手をそっと乗せる。
-
「私はあの子を守れなかった。だったら、側に置いておいても仕方ないでしょ。
手放さなきゃ、守れないものもあるんだ」
「あいつ、凄く傷ついてました。あなたに捨てられたって……………泣いていたんですよ」
「わかっている…………けど、守れないんだ。私じゃ、あの子を守ってあげられない。
側にいたら甘えちゃう。きっとまた、あの子が傷ついちゃう。私が…………私が弱いから」
微笑みが消え、いつしか涙がフェイトの頬を伝う。
かける言葉が見つからなかった。
半端な慰めなどできるはずもない。
自分はいつだって奪われる側で、大切なものを自ら手放したことはなかった。
だから、彼女の辛さをわかってあげることもできない。
その気持ちを分かち合うことができない。
(スバル…………あたし、どうしたら良いんだろう?)
もういない親友への問いが返ってくることはない。
今の彼女にできることは、泣き崩れるフェイトを抱き締め、気持ちが落ち着くのを待つことだけであった。
□
授業終了のチャイムが鳴り響き、教室の中が俄かに騒がしくなる。
退屈な授業から解放されたクラスメイト達は机の上に突っ伏したり、隣の席の友人と談笑したりしながら、
ホームルームまでの束の間の自由を満喫する。
その中には、聖祥大付属中学校の制服に身を包んだルーテシアの姿もあった。
「ルーテシアちゃん、学校にはもう慣れた?」
「うん…………みんなよくしてくれるし、だいぶ慣れてきたかな」
転入以来、親しくしてくれている少女にルーテシアは微笑み返す。
過酷な戦場にいた頃には見せたことのない、年相応の少女としての笑顔だ。
戦いから遠ざかり、平和で穏やかな第97管理世界で暮らす内に、ルーテシアは本来の優しく感情豊かな性格を取り戻しつつあった。
この世界に来て以来、ルーテシアはたくさんの幸福を手に入れることができた。
居候先のエイミィ夫人はとてもよくしてくれるし、その子ども達も良い子ばかりだ。
こうして学校にも通わせてくれているし、そこで多くの友達もできた。
初めて体験する学校の授業はどれも新鮮で、気がつくと微笑んでいる自分がいることに気がついた。
それでも、1つだけ気がかりなことがある。
それは、エリオのことだ。
「ごめん、先に帰っていて」
担任がホームルームを終え、帰宅の準備を済ませると、ルーテシアはすまなそうに友人達に頭を下げる。
すると、彼女達も心得ているとばかりに頷くと、ルーテシアを振り返らせてポンと背中を後押しする。
「わかっているって。また、あの人のところに行くんでしょ」
「屋上で黄昏る少年と彼を想う少女の恋。ああ、何てロマンチック」
「べ、別にそんなのじゃないよ。私は……………ただ……………」
「はいはい、わかっているって。さ、行っておいで」
「本当にわかっているのかな?」
小首を傾げながら、ルーテシアは友人達と別れて屋上へと向かった。
この学校の屋上は立ち入り禁止になっているが、鍵が壊れたまま放置されているので容易に侵入することができる。
だが、大半の生徒が真面目なためか屋上に侵入する者は皆無であり、教員が見回りに来ることも稀であった。
そのせいか、ここに居座るようになった転入生の存在は学校中に知れ渡っていた。
-
「エリオ………………」
「………………何だ、君か。授業は終わったの?」
貯水タンクに背中を預け、街並みを見下ろしていたエリオが振り向かずに聞いてきた。
彼もまた付属中学の制服を着ていたが、ワイシャツと上着は着崩されており、ネクタイは締められていない。
燃えるような赤い髪は伸ばし放題で手入れはされておらず、あの紳士然としたエリオからは
想像もできないほどだらしのない格好となっていた。
「終わったのなら帰れよ………………僕のことなんか、放っておいてくれ」
「……………帰ろう、エリオ」
「…………どこに? 僕に帰る家なんて…………どこにもないだろう!」
擦り切れるような声で、エリオは怒鳴り散らす。
彼の心は荒んでおり、かつての高い志は見る影もない。
無理もなかった。母親同然に慕っていた女性から拒絶され、捨てられたの同然の状態でこの世界にやって来たのだから。
ルーテシアは、今でもその時の光景を忘れることができなかった。
『どうして、どうしてここにいちゃダメなんですか!? まだ僕は戦えます。リンカーコアだって、きっと治します。
もっと体を鍛えて、槍の腕を磨いて、今度こそ…………今度こそみんなを守ります。だから………だから、フェイトさん!」
『ちゃんと言葉にしなきゃわからない? なら言ってあげる。役立たずはもういらないの。
才能があったから贔屓にしてあげたけど、今の君はその辺にいる人間と同じ。
魔法の使えないゴミ屑以下の存在なの。わかる? 私があなたに望んだのは戦う力だけ。
戦力として使える手駒が欲しかっただけなの』
『嘘だ! だって、フェイトさんは…………フェイトさんは僕に…………気持ちを分かち合いたいって、
僕のことを……………だから僕は、僕は………………』
『…………消えて。私の前から、今すぐに。この……………成り損ない』
『……………!』
『消えなさい、出来損いのエリオ・モンディアル。あなたの居場所はここにはない』
『嘘だ………フェイトさん、嘘ですよね? ねえ、フェイトさん! 嫌だ、ここに居させて、
あなたの側に………嫌だ、フェイトさん、お願いです! フェイトさん、フェイト……かあさ…………』
そうして、自分達はこの世界へと強制的に送りだされた。
手筈は全て整えられていた。
社会的な保障が受けられるように戸籍が捏造されており、ギル・グレアムというイギリス人が後見人となっていた。
衣食住の面倒を見てくれているエイミィ夫人にも十分な額の養育費が支払われており、
転入の手続きも済まされていた。
ここは箱庭だ。
自分達を閉じ込め、安らかに生かすための。
自分達は多くの罪を重ねてきたにも関わらず、この世界の人々は誰も自分達を責めようとはしなかった。
人殺しと憎むことも、犯罪者と罵ることも、落伍者と蔑む者もいない。
誰もが優しく温かな温もりを与えてくれた。
だから、余計に心が痛かった。
自分達は確かに罪を犯した。だが、罰がどこにも存在しない。
罰せられなければ罪の意識から解放されることもない。
自分はまだ良かった。エリオという償うべき相手がいる。
彼に拒絶され、憎まれることでその苦しみから逃れることができた。
だが、エリオには償える相手がいない。
一番に償わねばならない相手は側におらず、他の者も彼を罰することはなかった。
高町の人間も、最愛の娘が死ぬ要因となった魔法の関係者である自分達を許すと言った。
その優しさが、繊細なエリオの心を益々傷つけていった。
いつしかエリオの心は砕け散り、生活は荒んでいった。形だけとはいえ出席していた授業もサボるようになり、
冷たく突き放すような言動も多くなった。
どれだけ心地の良い温もりに包まれていても、彼は孤独なのだ。
実の両親に見捨てられ、育ての親からも見限られる辛さは、自分には到底理解することはできない。
どんなに慰めたいと思っても、今の生活に幸福を感じている自分では、彼の支えになることができないのだ。
-
「僕は…………僕は、何でこんなところにいるんだ? フェイトさん、キャロ…………僕は、
どうして2人と一緒に居られないの…………………誰か…………答えて………………」
「エリオ………………」
「君のせいだ……………君さえいなければ…………何で、何で僕の隣にいるのが君なんだ!」
「……………良いよ」
貯水タンクによじ登り、エリオの隣に腰かけたルーテシアは、彼の手をそっと自分の首に宛がった。
「憎いのなら、殺して……………ずっと、君に殺されたいって思っていたから」
恐れも躊躇もなく、ルーテシアは己の命を差し出した。
白いうなじを掴むエリオの手が強張り、僅かに力が入って指先が皮膚へと食い込む。
だが、エリオはそれ以上は力を込めず、虚無を湛えた瞳で見下しながら囁いた。
「ふざけるな…………僕から全てを奪っておいて、その上に死ぬなんて許さない。
側にいろ…………ずっと、ずっと。君に許しなんて与えない。この僕が、絶対に」
「うん………………ずっと、側にいるから」
再び虚空を見上げたエリオの目に、眩しい夕日の輝きが降り注ぐ。
彼の心が救われる日が訪れるかは、誰にもわからない。
□
「ありがとう、魔法使いのお姉ちゃん」
瓦礫の中から助け出した女の子が、手を振りながら去っていく。
彼女が向かった先には、彼女の両親と思われる男女が手を振っていた。
ここからではよく見えないが、立ち姿は何となく自分の父親に似ている気がする。
「行こうか、相棒」
《………All right》
少しだけ反応の鈍った相棒の返答を待ち、スバルは傷だらけの体を引きずるようにその場を後にする。
自分がどうして生きているのか、今でも不思議だった。あの時、自分は確かにゆりかごの爆発に巻き込まれたはずだ。
燃え盛る炎と爆風に体が飲み込まれ、意識が途切れる瞬間までハッキリと覚えている。
だが、次に自分が目覚めた場所は、天国ではなくミッドチルダの辺境であった。
どうしてそんなところに倒れていたのかはわからないが、意識が途切れる寸前、温かい虹色の光に包まれた気がする。
満身創痍の状態で脱出できるはずもないので、奇跡としか言いようがなかった。
《………相棒………少し、お疲れのようです…………休んでは、如何ですか?》
「大丈夫…………はあ………はぁ…………ごめん、やっぱり休むよ」
《…………管理局は逃げません。少し休みましょう》
手近な瓦礫に座り込み、眼前に広がる蒼と白を何気なく見つめる。
スバルは今、ヴォルツとの約束を果たすために港湾警備隊の隊舎を目指していた。
スカリエッティを倒し、戦いを終えたら罪を償うために自首をするためだ。
自分の手でスカリエッティを捕まえることはできなかったが、最後の約束だけは何が何でも果たさねばならない。
-
「ねえ、さっきの子は…………大丈夫かな?」
《………ええ、元気に駆けていました。あなたが救った命です》
「そっか……………あたし、やっと人助けができたんだ」
スバルが瓦礫に埋もれた彼女の近くを通りかかったのは、全くの偶然であった。
いったいどのような経緯があったのかはわからないが、彼女は半日近く倒壊した家屋に閉じ込められていたらしい。
自力で抜け出すこともできず、寒さと暗闇に震えるしかない孤独感に苛まれながら、彼女は必死で助けを求めていた。
その声が、スバルの耳へと届いたのだ。
「ねえ、マッハキャリバー。きっと、これからはもっとたくさんの命を救えるよ。
辛い目にあっている人達を、あたし達のてで助けられるんだ。凄く大変かもしれないけど、
あたしたちならできる。そうだよね?」
《…………はい。あなたと私ならばできます。私達は………》
「最高の、バディだからね」
弱々しく微笑んだスバルの横顔に、心地よい潮風が吹きつける。
心が洗われるかのような感覚にため息が漏れ、視界の眩しさに思わず瞼を細める。
「それにしても、眩しいね。凄く綺麗な空だ………………」
《はい………相棒の…………あなたの空です》
「あたしの………空……………眩しいな。凄く白くて………よく見えないや…………イクス、見ている?
これがイクスの大好きな空と…………海だよ…………………………………………」
呟き、スバルの右手が重力に引かれて真下を向く。
それっきり、スバルは一言も喋ることはなかった。
《…………相棒?》
マッハキャリバーの呼びかけが、潮騒の音にかき消される。
聞こえていないのか、スバルは返事をしなかった。
ただ、風と波の音だけが彼女達を包み込んでいる。
-
《眠っているのですね、相棒。お休みなさい……………私は、ずっとあなたと一緒です。
私の………………大切な相棒………………スバル…………………》
□
小さい頃は、本当に弱くて泣き虫で、悲しいことや辛いことにいつもうずくまって、ただ泣くことしかできなかった。
あの時もそうだった。暗い世界に閉じ込められて、自分ではどうすることもできなくて、泣き叫ぶことしかできなかった。
怖いよ、寒いよと。
けれど、みんな生きるのに必死で、手を差し伸べてくれる者は誰もいなかった。
いつしか声は枯れ、壊れた笛のような音しか吐き出せなくなった。
空腹と圧迫感で心は擦り減り、暗闇とネズミの鳴き声がいっそう絶望を掻き立てる。
抗いようのない理不尽に、心は今にも押し潰されそうになつていた。
その時だ。1人の魔法使いが、そっと手を差し伸べてくれたのは。
彼女は全身が血だらけで、ほとんど裸に等しい姿であった。
事故にでもあったのか、左腕は無残にも千切れており、左目も潰れて眼球がない。
しかも傷口からは機械の部品がはみ出ていて、何とも不気味な容貌であった。
そんな、端から見れば化け物でしかない姿ではあったが、彼女は優しく励ましの言葉を囁くと、
傷ついた体で魔法を使い、瓦礫の中から自分を助け出してくれた。
連れ出してもらった世界は広く、潮風は冷たくも優しく、抱きしめてくれた腕はとても温かい。
助けてくれた魔法使いは強くて優しくて格好良くて、泣いてばかりで何もできな自分がとても情けなかった。
だから、生まれて初めて心から思った。
泣いているだけなのも、何もできないのも嫌だと。
「強くなるんだって」
それが、あの蒼い魔法使いとの思い出に誓った、少女の夢であった。
END
-
以上です。
それで、負け犬なのは誰だい?
「生き残った奴は誰だ?」の方が好きなんですが、趣旨が微妙に違うので。
善悪逆転の世界ってのに興味が湧いて書き始めたこの長編。
実は「ルーテシアの騎士」の没シナリオが使われてたりします。
エリオが優しい世界で自責の念に苛まれ続けるところとか。
生きてたら良いことあるさって言葉はどこまで通用するんでしょうね?
逆にスバルは眠れる奴隷でした。
ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございます。
たくさん死なせちゃって、本当にすみません。
折を見つけて何かハッピーなSSとか考えるつもりですが、
何故か頭に浮かんだのは凌辱SSという歪みっぷり。
そうか、これが人妻の魅力かw
-
しまった、大事な人を1人忘れていた。
>>315
>はやてちゃんも、シグナムも、アギトも ×
>はやてちゃんも、ヴィータちゃんも、シグナムも、アギトも ○
忘れちゃ駄目だよ、この子のことは。
司書の方、保管の際は訂正をお願いします。
-
感無量。
GJなんて言葉じゃこの感動は表現しきれない。なんの言葉も出ない。
ただただ、この作品に誰よりも早く感想が書けたことを光栄に思います。
-
>>322
お疲れ様でした!
すごい大作ですね
この続きが待ち遠しくてここに通ってたぐらい
最終回の登場キャラはどれもいい味出してたけど
ザフィーラがタイトルに相応しくおいしいところ持っていってますね
エリオの荒みが気になるけど、愛の鞭で引導を渡したフェイトも新鮮
すごくおもしろかったです!
-
完結おめでとうございます。
……あー。また嫉妬対象の作品が増えちゃったな……
-
>>321
GJ!!・・・・・
そして完結おめでとうございます。
フェイトとエリオが可哀そうで仕方がありません。
お互いに大切に思っていたはずなのに、離れ離れになって思いはコワレタまま…
それでもいつかルーさえ傍にいればきっと元の彼に戻ると信じてます。
・・・・・ですので後日談の救われた話もいつの日か・・・
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>>321
GJ!
完結おめでとうございます。
記憶を受け継がないスカ、再建への道遙かなり管理局、闇に隠れるアースラクルー、辺境の「グリフィス、
拠るべきものを失ったフェイト、荒むエリオ、機能停止したスバル、
それぞれが、ある意味で負けていて、マイナスからの再出発できる者もいれば、このまま再起不能になる
かもしれない者もいる。ラストはまさに負け犬たちの明日はどっちだという内容に感動しました。
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GJ!!です。
完結おめでとうございます。
エリオの最後を読んでいて悲しくなった。周囲が望む幸せを押し付けられた感じ。
その為に許される。それじゃあ、戦ってきたエリオに失礼な気がするぜ。
そして、フェイトもやりたくはなかったとはいえ、プレシアと同じ行為をすることに。
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>>321
GJ! 無事完結お慶び申し上げます!
UNDERDOGS には長らく楽しませて頂きましたので、完結してしまって寂しい気すらします。
沢山のキャラ達の群像劇を楽しませて頂きましたが、ほんの少しだけ個人的な不満点を申し上げますと、
キャラ達が皆深く掘り下げられ、退場の時には皆それぞれ一花咲かせて見事に散っていく。
その場面場面はとても素晴らしいのですが、それが繰り返されすぎて、物語の本筋の部分が少しぼやけてしまった気がします。
生意気を言って申し訳ありません。
貴兄の作品は大好きなので、次回作も楽しみにお待ちしております。
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>>305
GJ! 素晴らしかった。いいユノはやでした。車椅子時代なのもポイント高い。
ていうかはやてちゃんはまだお子様なはずなのにどんだけ誘ってるんですかと。GJ的な意味で。
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>>322
完結おめでとうございます!!
ああ、皆不憫だけど生きている者には少しだけ希望は残されている。
そう信じている、ていうか信じたいです……。
でもラグナだけ明るい未来が想像できない(´;ω;`)ブワッ
>人妻の魅力かw
ちょwww
氏のノートにはどれだけネタが詰まっているんだw
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感無量ですな、なんだか切ない気持ちに…エイミィはクロノと再会できるのか?
いろいろと考えてしまいますな。
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業務連絡です。
98スレの保管完了しました。
職人の方々は確認お願いします。
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>>321
お疲れ様でした。
救いがある人間と無い人間、それぞれの結末に涙が出そうになりました。
エリオがフェイトの気持ちを理解できる日は来るのかなぁ…
あなたの次回長編や短編を楽しみに待ってます。
>>333
いつもお疲れ様です。
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>>333
つ旦~
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>>333
つ旦~ 只<
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>>333
いつもありがとうございます。
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>B・A氏
完結おめでとうございます。
但し当方は参戦が遅かったので読み返す暇もない(汗
ちょうど投下ペースもゆっくりになってきたし、
皆さんの長編をじっくり読んでみますかな。
>司書の方
お疲れ様でした。
しかし、当方の作品はこのスレだけで既に3つか……
次回もお手数かけますが、よろしくお願いします。
そんな訳でヴィヴィオ凌辱長編の続きが一丁上がりです。
そして今回でも終らなかった。もうちょっとだけ続くんじゃ。
・ヴィヴィオ10歳
・公式+今まで作った作品の設定は全部ガン無視
・ガチエロ。保管庫搬入の際は「凌辱」タグをお願いします。
・耐性のない人は読まないで下さい(重要)
では、続きをお楽しみ下さい。
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──助けは来ないと悟って、それでも救いを求めている。
早く終って欲しい、この檻が一時の煉獄だと信じたい……
地獄の日々は、始まると同じくらい唐突に終りを告げた。
明らかに人間の立てる靴の音がする。
そして、錠の開くカチリという音。
眠っていた――眠らされていたヴィヴィオの意識は、今確かに人間の気配を目の前に感じていた。
「だ、誰? ……ママ、ママなの!?」
叫んでみたが、反応はなかった。
代りに、体力の落ちきった身体を引き上げ、立たせる腕が伸びてきた。
男性、だと思われる。ゴツゴツした手はそう物語っていた。
通路の明かりも何故か落ちていて、ヴィヴィオはそのままアイマスクを掛けられた。
抵抗することもできず、引かれるがままに長らく過ごした部屋を後にした。
体力の落ちきった身体で歩くのはしんどかったが、10分と経たずに目的地に着いたようだった。
「ん……」
アイマスクを外されると、強い白色の光がヴィヴィオの目をしたたかに打った。
左右で色の違う瞳をしばたかせ、久しぶりの灯りに胸を踊らせると、
そこは想像していたよりずっと殺風景な部屋だった。
ヴィヴィオは檻の中に入れられていた。檻を囲う鉄棒の太さは腕ほどもある、機械を使ったって簡単には破れない。
その外では屈強な男たちや白衣を着た女がいたが、一言も会話をせずに動いている。
まるで、喋った瞬間に流刑を喰らうかのような徹底ぶりだった。
部屋自体は相当広い。バスケットボールのコートくらいだろうか。
檻の広さはざっと4倍、高さも倍になり、片隅には煎餅布団ながら寝る場所もある。
そして、真ん中に謎の椅子が置かれていた。
どうやら医療用のようだが、よく分からない。手術でもするのだろうか?
……と、その時ヴィヴィオの脳裏に恐ろしい想像が走った。
人体実験? 内蔵の切り売り?
ヴィヴィオは身体をガタガタと震わせた。
真偽が一切分からないだけに、恐怖は意味も理由もなく勝手に増大していく。
そして震えは、一人の男が入ってきて口を開くと、ゆっくり収まっていった。
「ヴィヴィオちゃん、ご機嫌いかが?」
どこかで聞いたことのある声だ。青年は20代半ば、飄々とした表情とは裏腹に、目線は常に何かを警戒していた。
口がパクパクと動いたが、何も言葉が出なかった。まるで、言語が頭から抜けていったかのよう。
「あはは、長い間独りぼっちで言いたいことが見つからないんだね」
努めて明るく振る舞い、ヴィヴィオに語り掛けてくる青年。
正体不明の相手に警戒の色を濃くするが、彼は何も言わずに一本の缶を差し出した。
「これ、何?」
辛うじてそれだけを絞りだすと、ヴィヴィオはラベルをまじまじと見た。
「果汁100%」の字が見える。
「ジュースだよ。久しぶりだろう?」
青年は2つのコップを取り出し、1つには一口程度に注ぎ、1つにはなみなみとたっぷり入れた。
オレンジ色の液体が、この数週間嗅いだこともないいい匂いを放っていた。
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「毒じゃないから、飲んでごらん?」
青年が、少ない方のコップを取って飲み干した。口を開けて、確かに飲み込んだことを確認させてくる。
「ね?」
念を入れられ、ヴィヴィオはそっと一口飲んでみた。
柔らかい酸味と、それ以上の甘みがヴィヴィオの舌を満たした。
「お、おいしいー!」
あっという間に飲み干し、コップを空にすると、青年はまたコップにジュースを注いでくれた。
「ヴィヴィオちゃんは今まで我慢してたもんね。これはご褒美だよ」
ゴクゴクと喉を鳴らして飲む。
止まることがない。
「はぁーっ……」
火照った身体に、心地よく響いてくる。
まさか、まさかジュースの1杯がここまで美味しいものだったなんて、思わなかった。
「どうだい? 美味しいかい?」
「うん、とっても! ありがとう!」
──この時、この男にもう少しだけ注意を払っていたら、こんなに酷いことにはならなかったかもしれない。
「そりゃ良かった……」
青年がニヤリと笑う。
「それじゃ、僕は仕事があるからこれで。またね、ヴィヴィオちゃん」
ヴィヴィオはたっぷり30分も経ってから気付いたが、彼の名前を聞くのをすっかり忘れていた。
だが、そんなことはすっかりどうでもよくなった。
「ふぁ……眠く、なってきちゃった」
ここに来てからこの方、一度も見たことのない安息が目の前にある。
ベッドに倒れこむと、あっという間に泥のような眠りに落ちていった。
そしてそれが、最後の安息だった。
「……ん」
「お目覚めかい、ヴィヴィオちゃん?」
ヴィヴィオはゆっくりと目を開けると、辺りを見回した。
顔を上げると、青年が笑いかけている。
「あ、昨日の……」
ニコニコと笑っている青年に向かって、ポツリと呟く。
まだ呂律がうまく回らない。人間から隔絶された環境が長かったせいだ。
「今まで辛かったよね、今日のご飯はとっても豪華なのを用意してあるから」
そう言って、指をぱちんと鳴らす。
すると、瞬く間に食事が運ばれてきた。
「わぁーっ!」
よく分からない、よく分からないが、この青年はとってもいい人のようだ。
きっと偉い人なんだろう。
「食べていいの?」
青年がこっくりと頷くと、ヴィヴィオは猛烈な勢いで食べ始めた。
「いただきまーす!」
ニコニコと、まるで娘に御馳走を振舞う父親のようにヴィヴィオの食べっぷりを見つめる青年。
一方ヴィヴィオはといえば、そんなことお構いなしに全力で食事に取り掛かっていた。
「はぐ……あぐ……んくっ、もぐ……」
-
油と肉汁の滴るハンバーグに、濃厚なチェダーチーズが掛かっている。
ミネストローネも具沢山だ、飲むというよりは食べると言った方がよっぽど適切なくらい。
パンもしっとりとしていて柔らかく、バターもジャムもつけ放題。
今まで、パサパサとしたカロリー制限のきつい食べ物しかなかったから、
どれもこれもが信じられないほど美味だった。
「んんっ……」
思わず、喉につかえてしまう。
青年の持ってきたジュースを一気に飲んで、ようやく人心地つく。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「はっはっは、誰も持って行きやしないんだから、もっとゆっくり食べればいいのに」
そんな言葉が聞こえないほど、ヴィヴィオは夢中になってかぶりついた。
「ごちそうさま!」
その後、貞操帯も外され、ヴィヴィオは思う存分身体を綺麗にすることができた。
髪を洗い、歯を磨き、新しい下着に着替える。
思い返してみれば、ついさっきまでほぼ全裸だったというのだから我ながらビックリだ。
青年に裸を見られたのは恥ずかしいけれど、今はそんなこと、全部どうでもいい。
だって、
「幸せ〜……」
湯船に身体がたゆたっているだけで、無上の喜びがこみ上げてくるのだから。
……ただ、これが真の幸せでないと気づくには、ヴィヴィオは余りにも監禁生活が長かった。
だから、ちょっぴり広くなっただけの檻の中で1日2日生活していたことに、
何らの疑問も不満もなかったのだった。
さっぱりとした風呂上りでザンクトヒルデの制服を渡されたが、
ヴィヴィオは何も考えずにそれを受け取った。
今の今まで裸だったのだから、何が来たって今更驚くことなどない。
袖を通し、脱衣所を出ると、そこでまた青年から一本オレンジジュースを差し出された。
飛びつくように受け取って飲み干すと、彼は微笑を浮かべる。
「そうだ、まだ自己紹介してなかったね」
「う、うん」
「ボクの名前は……」
その瞬間、ヴィヴィオの身体がゆっくりと傾いだ。
「え? え?」
何かの間違いかと思い、慌てて姿勢を整えようとするが、うまく力が入らない。
ぽてりと倒れこむと、そのまま四肢が動かなくなってしまった。
いや、指先は辛うじて動くが、全身が痺れてまともに動かせないのだ。
「どうし、たの……? 動け、ない……」
「ヴィヴィオちゃん、初めて会った人には気をつけなさいってママに言われなかったのかな?
それじゃダメだよ、『僕』みたいな悪人に会っちゃうんだから」
何が起きた? どうしてこうなっている?
どこで何があった? どうして……?
「僕──俺の名前はカルマー・アネード。君の母親に教導官の座を奪われた者だ」
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カルマーと名乗った青年は、羽織っていた白衣の裾を翻してヴィヴィオの身体を抱き上げた。
檻の中まで戻ってくると、彼はヴィヴィオをやや乱暴にどさりと下ろした。
そうして、無言のままつかつかと歩き去った。
後には、ただヴィヴィオだけが残された。
制服のままで、動くこともできずに放置されたヴィヴィオ。
そこへ、1人の男がやってきて、鍵が開けられた。
同時にテレビが持ち込まれ、檻の中がやにわにいびつな活気を帯びる。
ヴィヴィオを檻の壁にもたれさせ、テレビの配線をてきぱきと繋ぐ。
その間、ヴィヴィオはだらんと痺れて動かなくなった腕を垂れ下げたまま、ずっと男の作業を見ていた。
『あー、テスト、テスト。聞こえるか?』
「ああ、聞こえるぞ、カルマー」
画面の向こうでカルマーの声が聞こえ、次第に映像が鮮明になってきた。
男は明瞭に答え、次いでヴィヴィオを親指で指差す。
「で、本当にいいのか?」
『ああ。但しヴィヴィオが約束を守るって言ったらの話だ。
何、どの道……おっと、これ以上はいけねえな』
二人は何事か話を交わすと、男が一歩引いた。
『ヴィヴィオちゃん、元気?』
白々しい。よっぽど何か言ってやりたかったが、困ったことに痺れは舌にも回っていて、
ろくすっぽ言葉らしい言葉は吐けなかった。
『まあ、分かると思うけど、そこにいる男の人と、これからヴィヴィオちゃんはセックスするんだ』
セックス──これから、この男と……?
「……っ!」
一度は監禁に砕けた思考力が、一瞬にして元通りになった。
『でも、ちょっと待って欲しい。ヴィヴィオちゃん、焦りは禁物だよ』
青年の猫撫で声が嫌に障る。
カルマーは席を立つと、近くのパネルを操作し始めた。
途端に、画面が切り替わる。
『止めて……お願い、止めてぇーっ!』
『黙れ、このっ……!』
見たことのない少女だ。顔立ちが地球の人間に似ている気がする。
ヴィヴィオとまったく同い年くらいの少女が、二人の男に押さえつけられている。
『おとうさーん、おかあさーん、助けてーっ!!』
悲痛な叫びは、しかし誰にも届かない。
ゴッ、とみぞおちに拳の一撃が入った。
少女は大きく目を見開き、そして咽こんだ。
ひくっ、えくっ……むせび泣きを漏らして、少女は静かになった。
その瞬間──少女の股が大きく映された。
ズッ、と強い力で男根が少女の膣中へと押し込まれていく。
一気に最奥まで突き上げられ、引き抜かれる。
男の怒張には、おびただしい量の血がついていた。
『痛い……痛いよ……止めて……』
少女の瞳孔は開き気味で、どこを見ているのかも分からない。
ただ、壊れた人形が同じ言葉を繰り返すように、「痛い」とだけ呟き続けた。
『おいおい、お口がお留守だぜ』
少女はもう1人の男に担がれ、正常位の組み伏せられた姿勢から、馬のような四つん這いになった。
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『よいせ、っと』
『んむぅっ……!』
少女の口に肉棒が突き入れられる。
じゅぽ、じゅぽ、と水音が響き、少女の目からは涙が流れてきた。
頭は男の手でガッチリと押さえられており、肉棒を吐き出す余地は全くなかった。
『まだまだ始まったばっかりなんだからよぉ、こんなんでへこたれてんじゃねーよ?』
後ろから膣を突く男も、どんどんピストンを速めていく。
そうしてしばらく凌辱劇が続いたかと思うと、少女の口内を犯していた男が咆哮を上げた。
『おおっ……』
男の声に呼応したのか、少女がピクリと反応する。
と、途端に苦しそうに呻いた。
『おっと、吐き出すなよ。ちゃんと飲むんだ』
鼻を摘まれて、苦しそうにもがく少女。
口の端からは、黄色と灰色の混じった、白くて濃い粘液が顎まで流れていった。
男はそれが気に入らなかったのか、髪を掴んで少女の頭を振り乱した。
『おい、ちゃんと飲めって言っただろうが!』
少女は弱々しく「ごめんなさい」と言うと、指先で白濁を掬って、まじまじと眺めた。
一瞬呆然とした後、意を決したように粘液を舐め取る。
『よしよし、いい子だ。まだまだたっぷりあるから飲みたいだけ飲めよ』
ビクリ、と少女の身体が震える。
画面の中に、沢山の男たちがひしめき始めた。
『こっちも出るぞ、孕んじまえっ』
少女は叫びにならない叫びを上げようとしたが、2本目のペニスを口に捻じ込まれてそれも叶わなかった。
『そら、中出しだっ!』
カメラが少女の下に潜り込み、結合部を上に見る。
最後の抵抗をしようと、少女が腰をよじった。が、そこまでだった。
男の肉棒が何度も脈打ち、秘部から血の混じった精液がダラダラと垂れ流れてきた。
『なあ、合計何人だ?』
『さあ? でも1ダースは確実にいるぜ』
抜いた肉棒の代りに別な1本が入り、口に入れている方の男たちも次々に射精して、
狂宴はどこどこまでも続いていった。
一旦カメラの映像が落ち、次に映し出されたのは、完全に光を失ったまま薄笑いをする、
全身白濁まみれの少女だった。
『とまあ、こんな具合だよ、ヴィヴィオちゃん。さあ、選ぶんだ。
発狂するまで男に輪姦されるか、それとももう1つの道を選ぶか』
ヴィヴィオは声も出なかった。
ただ、目の前の残酷な映像に恐怖し、頭を振ろうともがく。
耳を塞ぐことも、まぶたを閉じることもできなかった。
身体中のどんな筋肉も、まったく言うことを聞いてくれない。
カルマーの目的は、まさにそうやって目を背ける手段を殺すことにあったのだった。
『ま、今ここで決めろとは言わないよ。1週間したらもう一度答えを聞こう』
無言の時間が流れる。テレビを持ってきた、カルマーと会話していた男が聞く。
「なあ、やっぱり今日じゃダメなのか?」
『そうがっつくな、直に答えは決まる』
そう言って、カルマーはヴィヴィオの答えを待たずにテレビを消した。
-
カルマーは椅子に座り直すと、指を組んで上に顎を載せた。
『やることは簡単だよ。そこにいる男の人たちのチンポを、一生懸命舐める。
で、精液が出てきたら飲む。ね、簡単でしょ?』
吐き気がした。
こんなこと、ありうる訳がない。
あっていい訳がない。
『もちろん、ヴィヴィオちゃんに選択の自由はないよ?
知ってると思うけど、この施設で魔法を使おうと思っても端から全部キャンセルされちゃうから』
魔法。そんな選択肢さえ思い浮かばなかったが、どうやらそれすら封殺されているのか。
『さて、あと2分』
2つのシナリオは、両方が致命的に不利だった。
ヴィヴィオはどちらも選べず、ただ悪戯に時間を無駄にしてしまう。
カルマーはそんなヴィヴィオの戸惑いを察したのか、『言い忘れていたことがあった』と付け加えた。
『全員の精液を飲み損ねたら……そう、1滴でも残したら、
自動的にヴィヴィオちゃんは前者の答えを選んだことになっちゃうから、気をつけてね。
まあ俺らも鬼じゃないから、5秒ルールくらいは適用させてあげるよ。
もし精液を零しても、5秒以内にちゃんと啜れば問題ないから』
後1分……青年の声が非情に響いた。
『ファーストキスをチンポに奪われて精液を飲むか、
それともバージンをチンポに奪われて種付けされるか。
さ、早く選ぶんだね。時間はもうないよ? 残り30秒』
カウントダウンを始めたカルマーの言葉を拒絶して、ヴィヴィオは叫ぶ。
しかし、彼は数字を数えるのを止めない。時々刻々と、数字は減っていく。
『10……9……8……7……』
ここで、我慢できなくなって突然ゼロ、ということは有り得る。
そうしたら、もう最期だ。
「待ってっ……!」
カルマーは驚いたような顔を一瞬浮かべた後、『何?』と聞いてきた。
「します……『ご奉仕』しますから……」
抵抗する意思なんて、始めからない。
地獄の第1層か第2層かを選ぶだけ。
ヴィヴィオは、時間切れで自動的に深い闇の底に送り込まれるよりも、
まだ自発的な地獄を選んだ。
『うんうん、素直なことはいいことだよ』
カルマーは満足そうに頷くのと、砂時計がキッチリ落ちきるのは同時だった。
『でもねえ、大人は口だけじゃ約束しないものだよ。
ヴィヴィオちゃん、今からテレビに向かってちゃんと約束するんだ。
「私はこれから見知らぬ男のチンポにご奉仕します」ってな』
下卑た笑みを浮かべて、カルマーが促す。
ヴィヴィオはしばらく口をパクパクさせていたが、やがて折れて宣誓した。
「私は……これから、男の人のおちんちんに……お口で、ご奉仕します……
だから、その代り……セックスだけは、止めて、下さい……お願い、します……」
涙がポロポロ出てきた。
1人の少女にだって確かにある、尊厳のようなものが、ガラガラと崩れていった。
カルマーはさも満たされた顔をすると、テレビを持ってきた男と何事か話していた。
『ああ、約束だ。お前が先に行け』
「こいつはどうも。それじゃ早速」
-
順番だぞ、と後ろに続く男たちに命じると、彼が檻の中に入ってきた。
ヴィヴィオはどうすることもできずに、名前も知らない中肉中背の男を見つめていた。
意思を完全に喪失してしまい、周囲の景色がモノクロに染まった。
「さて、そういう訳だ。ヴィヴィオ、早速相手して貰うぜ」
今まで名乗らなかった男は、早速とばかりに名前を告げた。シラーロス・アジール。
「お前はこれから沢山の名前を覚えなきゃいけないんだからな、しっかり頭に入れておけよ」
意味深なことを言うと、彼はジーパンをごそごそとまさぐり、肉棒を白日の元に晒した。
「どうだ? 男のチンポを見るのは初めてだろう」
事実、そうだった。映像では何度か見たが、実物を、しかもこんな目の前で見たのは初めてだった。
長きに渡る監禁は正常な思考を奪っていた。
逃げることも、目を背けることもなく、ただ男の言葉につき従う。
そこに意思はない。反射的に服従するようになってしまっているのだ。
「ハハッ、そんなに珍しいか?」
肉棒が頬を擦ると、形容しがたい悪臭が鼻を突いた。
思わず目を背けても、肺に入ってくる臭気は抜けない。
「ほら、舐めるんだよ」
怒張の根元を押さえながら、男がせっつく。
ヴィヴィオは固く目を瞑り、これが現実であることを忘れようとした。
その瞬間、頭に白い火花が散った。
「てめぇ、立場分かってんのか?」
頬を思い切り殴られ、床に突き飛ばされる。
長く伸びた髪を掴み上げられ、男の手に吊るされた。
「じっくり味わえや」
痛みと衝撃に緩んだ口元から、剛直が捻じ込まれた。
黒光りしているそれはまるで銃身のようで、すぐにでも弾丸が射出されそうだった。
「んむぅっ……!!」
「どうだ、ファーストフェラの味はよ? 一つ大人になれて良かったな、ヴィヴィオ。
しかもキスより先にフェラなんぞ珍しい体験だぜ、学校で自慢できるな!」
怖い。硬い。熱い。臭い。
先端だけが口に入るも、既に息が苦しい。
豪快な笑いを立てて、シラーロスは命令した。
「舐めるんだ、それくらいできるだろうが?」
男は髪を引っ掴んだまま離さない。
ヴィヴィオは仕方なく、肉棒に舌を這わせた。
男を知らない唇が、カリ首に引っかかる。
誰をも受け入れたことのない舌が、亀頭に触れる。
──私のファーストキスが、こんなものになるなんて……
酷い、酷いよ……あんまりすぎる……
男への奉仕は続く。
言われた通りの動作を、ヴィヴィオは繰り返した。
口を前後に動かして、唇でペニスを扱く。
舌先でチロチロと鈴口を舐め、時折口を窄めてちゅうちゅうと吸う。
臭気が絶え間なく鼻を覆って、吐き気さえ覚える。
「くおっ……流石は聖王陛下のフェラだ、気合が入ってやがる」
-
鈴口からにじみ出るトロトロとした粘液が、舌に触れる。
凄まじい苦味が襲ってきて、ヴィヴィオは思わず咽た。
「ケホッ、コホッ……」
しかし、髪を掴まれたままでは満足に怒張を吐き出すこともできない。
猛烈な吐き気と共に胃からすっぱいものがこみ上げてきた。
だが、それもろとも押し返すように、肉棒がヴィヴィオを犯す。
「んんっ、んふっ、ふむぅ……っ!」
「ハハハ、お前本当にキスもしたことないのか?
そんなんで初めてフェラしたしちゃ上出来じゃねーか」
びくり、びくり、とペニスが脈動を強くした。
粘ついた苦みがヴィヴィオの呼吸を苦しくする。
口は閉ざされている。鼻もまた、息を抜くたびに男の臭さが意識を霞ませていった。
ポロリ、と涙が一筋流れたが、それっきりだった。
「よし、そろそろ出るぞ……初ザーメン、受け取れっ!」
両手でガッチリと後頭部を押さえつけられる。
シラーロスの言葉が、虚空に響いた。
その瞬間、どくっ! と肉棒が収縮した。
続いて溢れ出てくる、ドロドロとした粘液。
苦みと臭みは著しく、耐え難い嫌悪感が背筋を駆け抜けていった。
「ははは、2週間溜め込んだ精液だ。しっかり味わえよ」
脈動が収まると、シラーロスは肉棒を引いた。
ちゅぽんっ、という音と共に、欲望の残滓が口の端から溢れた。
指で掬うと、それは黄色とも灰色ともつかない白濁で、
飲み込むという行為がまったく想像できないほどおぞましいものだった。
「おっと、まだ飲むなよ。口の中で、ゆっくり掻き回すんだ」
ヴィヴィオは言われた通りにした。
初めてのキスは見知らぬ男に奪われ、しかもそれはキスではなくフェラチオだった。
それだけではなく、口の中に射精させられ、好きでもない男の精液を飲むことになるなんて……
少女としての全てが、ズタズタに穢された。
舌の上で、ダマになった精を踊らせる。
ぐちゃぐちゃ、ねちゃねちゃと淫らしい音を立てて、男の機嫌を取る。
「よーし、その辺でいいぞ。ザーメンを舌先に乗せて、口を開けて見せてみろ」
命令に従い、ヴィヴィオは口をもごもごと動かし、精液を集めた。
くちゃりと口を開け、中に溜まっている白濁を見せる。
オッドアイで男を見上げる瞳は、まさに哀れみ、恵みを求める目だった。
「飲み込め」
男から次の命令が飛ぶ。
ヴィヴィオは口を閉じると、精液を飲み込もうと喉を動かした。
こくり、と嚥下するも、引っかかって上手く飲み込めない。
口の中に唾液が滲む。苦しさの入り乱れた欲望をやっと飲み終る頃には、
ヴィヴィオの精神はすっかり参ってしまっていた。
「げほ、ごほ……かはっ」
首を押さえて、何度も何度も咳をする。
だが、それで鼻の奥に残る臭みや、まして精液を飲み込んだ事実など忘れられそうもない。
「まだだぜ。こいつの中にまだ残ってる」
-
力を失いつつあるペニスからは、尿道に残った精液がねっとりとついていた。
恐る恐る、ヴィヴィオは近づいていく。
また殴られるのは、どうしても嫌だった。
シラーロスは満足にヴィヴィオの頭を撫でると、檻の中から立ち去った。
「忘れるなよ、『全員の名前を覚えておく』んだ。
精々、俺たちを楽しませてくれよ? そうすりゃ殴りも蹴りもしないさ」
彼と入れ替わりに更なる男が、しかも同時に2人入ってきた。
しかし、その2人がズボンのチャックを下ろす前に、カルマーの声が響いた。
「ストップ、ストップ」
何かを思い出したように、カルマーは現れた。
コツコツと革靴の音を立てるのが、いかにも高圧的だった。
「ヴィヴィオちゃん、伝え忘れてたことがあったんだけど」
ニヤニヤ笑いを一切崩すことなく、ヴィヴィオに歩み寄る。
あごをくい、と持ち上げて、目を覗き込んでくる。
何を言い出すのかと思いきや、カルマーは微笑んだ。
「今のフェラチオ、すっごく可愛かったよ」
どんなに酷いことを言われるのかとビクビクしていたら、意外に何でもない言葉だった。
……が、その直後にそれは無意味な期待だったと思い知る。
「ちゃんと録画したから、後で見せてあげるよ。
ちなみに、300時間分あるから、頑張って全部収録しようね」
「え……?」
ヴィヴィオの時計が時計が止まった。
全身が硬直し、呆然とする。
そこからたっぷり3分も経ってから正気に返ると、顔から血の気が引いていった。
「い、いや、いや……いやぁーっ!!」
部屋の中をどこまでも響かせる鋭い悲鳴は、あっという間に壁へと吸い込まれていった。
笑った顔をそのままヴィヴィオに近づけて、カルマーが冷たく頬を撫でた。
「さ、あと5人だよ、『ヴィヴィオちゃん』。まだまだ頑張って貰わないと、
今度はおまんこの処女もチンポに奪われることになっちゃうからね」
次の男が檻の中に入ってきた。
痩せた長髪の白人。間髪入れず、ヴィヴィオは口で奉仕することになる。
***
──正義と叡智を陳べる 正しき者の声が告げる
苦難を耐えた終りに 王者となる至福の時が来よう──
(続)
-
凌辱が全て。それ以上言うことはない。
ではまた。
-
これぞ凌辱!素晴らしい
実際にはできないからこそ、なおのこと素晴らしい
本番期待してまってます
ロリ妊婦って、良いよね
-
ageるなクズ
-
だからここで(ry
-
>>348
SS書きの理想的な心構えですね。
-
>>348
GJ!
凌辱はジャスティス
>>351
ageて欲しくない人も一定数いるみたいだし、やはり出来るならageるのは避けた方がいいんじゃないか
本スレにいたときと同様でいいと思う
まぁ>>350は明らかに言いすぎだがな
-
おのれこの男、秘孔を突いて後ろ向きに歩かせたいぜ。
-
うわらばっ!
-
スレが止まってるな。
文章で読んでみたいエロシチュでも上げていってみるか?
ひょっとしたら作者さんのアイディアになるかもしれん。
-
シチュじゃないがユーノ×アルフが読んでみたいな。
無印の頃から好きなんだけど少ないんだよ…。
-
>>356
ナンバーズ解体陵辱ものが見たい!
どうせ機械人間だから、手足をもぎ取られても、内臓を抜かれても、脳が快感に変換するよう
改造された結果アヘアヘいっていきまくった末に子宮破壊されてアヘ顔のまま(これ重要)、
逝って(機能停止)しまうシチュ
-
ロリ妊婦かな
身も心も堕とされたなのはがローティーンで妊娠とか
ハウラオンに引き取られなかったフェイトが孕ませられるとか
あと、エロ関係ないけど
ヴォルケンズを管理局に縛り付けるために脳とリンカーコアだけにされたはやてとか
もう意識もなにも無くなってて、有機コンピュータみたくなってて
それでもかろうじて念話で「お願い、殺して」とか頼むとか
凄い興奮する
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今更ながら、ここのカオスさを思い出したよw
実際のところ、平日は忙しくて書けないんだよな。
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ロストロギアの影響で記憶含めて九歳時点に戻ってしまったクロノを
性的な意味で食べちゃうフェイトとかどうだろ?
エイミィとくっついてても、くっついてなくてもいい。
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>>358
書きかけのが有るから、ちょっと気力振り絞ってみる
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メイン女キャラがモブキャラに犯られるシチュ待ってる
それとレジなのの組み合わせ結構好きなんだが、誰かまた書いたりせんかなぁ…
あとエロじゃないが、リリふぇの続きも待ってるぜ
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スバルか教会組ナンバーズのエロスが欲しいが相手がいねえ
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監理局がスカリエッティに完敗し、機動六課も全員捕虜の身に。
クアットロが奴隷制度がまだ認められてる世界に、機動六課主要女性メンバーを連れて移転し、全裸+バイブ、ピンクローターetc状態で市内引き回しする
・・・・・ってのが見たいです
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>>364
SSX以降で接点あるのはヴォルツとヴェロッサか。
どっちも少し弱いな。
やはりここは、モブという名の汁男優の出番か。
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ダルマ女もだな
切断した手足はご飯にしちゃうとか
一気にダルマにするんじゃなく、時間をかけてゆっくりと
気丈ななのはさんに対する調教の一種で行うとか
ユーノの監禁ものも待ってます
超待ってます
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猟奇大杉だろwwww
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リンディさんが実はグレアムの愛人だったとかどうだろ
処女を奪われ、散々しゃぶり尽くされ、飽きた上にクロノが出来たから他の適当な男と結婚させられたとか
興奮するね
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>>369
譲二ボイス「そうか、俺は他の男なのか」
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まぁ、一昨年退職して離婚した上司の実話なんですけどねw
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>>369
だったらついでにクライドも両刀遣いグレアムの男色相手だった、ということで。
肉奴隷同士でくっつけられて、周囲の人間が嘲笑っていたとかな。
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>>371
生々しいなおいw
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なのはさんの教導まだー?
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触手で和姦ってのは最高に心躍るものがあるぜ
……無理かorz
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クロノがある日目覚めたら触手になってて、元に戻るには空っぽになるまで嫁とHすることになるんですね>触手で和姦
で、からっぽになるまでやって、元に戻ったら今度は嫁が普通のHで満足できなくなってると
……なんて言うジョークのつもりだったのに、エリオが触手化してルーとキャロにご奉仕されまくるとか、電波がががが
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>>367
管理世界の医学技術で再生治療のレベルが高いと思うから、
斬りおとした後に、まだ逆らう気があるなら、培養した腕をまたくっつけて、
もう一度って出来るな。終わらないってのは恐怖だ。
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ユーノかクロノはきっと触手みたいなバインド系魔法を習得しているに違いない
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けどこうしてネタ上げ見ると、月単位で話書き上げるエロ漫画家の皆さんが神に見えてくるなw
>>375みたいな触手和姦モノ書いたのもあるしw
触手系って基本陵辱イメージあるからな
ネタとしてはユーノ×なのはで、無印原作開始より前、士郎さん入院で一人寂しくジュース飲んでる時にユーノとジュエル種飛来。
なのは善意で協力するが、「終ったらまた一人になっちゃうなんて嫌!!」的願望を感知しジュエル種がユーノに寄生→触手付セクロス
なんての考えた事はあるが、文章力なくて断念orz
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>>367
あぁ、その手のグロ系調教は滅多に見ないな
まぁここに限った話じゃないけども
なのはさんで誰か書いてくれないもんか……
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皆様趣味が多彩すぎです。
どうやっても上手にエロが書けないのですが、逆に考えて敢えて抜けないエロを書くというのはアリでしょうか。
需要は無いし、下手したら読者の方にガッカリ感を与えかねないとも思って自粛しているのですが。
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>>381
持論だけども
慣れないうちは、描写そのものより「喘ぎ声」に注力するといいと思うよ
「やっ、やぁぁぁ! だめ、それだめぇっ! はあっ、あん、ああっあぁあぁぁぁぁっ!」
とりあえず前に書いたのからテキトーに切り抜いてみたけど
激しい喘ぎ声=激しい行為って感じに、けっこう妄想が喚起される。地の文で激しさを表現するよりかは楽だしね
もちろん緻密な描写にエロを見出す人も多いだろうから一概には言えないけど、まあ参考までに
それと、書いてる本人は抜けないと思ってても、実際のところどうなのかはわかんないよ
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>>381
エロくて描写の細かいフェラシーンは書くけどセクロスまで書かない人だっているんだから、別にいいんじゃないかな
エロさで興奮するよりも笑いのほうが込み上げてくるようなおバカ系のエロというのもあるし
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>>375
馬ッ鹿野郎諦めんな!
いや、実際書いてるんだけど、触手+和姦は、エロ展開の持ち込み方に悩むんだぜ。
さらっとエロ展開を書けるようになりたいです師父・・・
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保管庫見たら、このタグついてたので以降はこれで名乗りますかね。
久々に一本投下します。
もう書くまいと思っていたのに何か無性に書きたくなって、書き殴ったらこんな感じに。
今回はショタもふたなりもアッーでもないよ。
・フェイトとユーノがぬるぬる、ぐっちょん。
・もちろんエロ。
・ヌーディストビーチを何か間違えている。
・時期的にはStS後。ユーノ、フェイト20歳くらい。
・NGワードはタイトルで『夏の海の快』
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「……来るんじゃなかった」
「…そうかもね、フェイト」
私の呟きは隣にいたユーノにそう返される。
そう言われるとちょっとショック。
だけど、仕方なかった。
休日で暇を持て余していた私は、局で気持ちいい場所と噂になっていた新しくできたビーチに行くことにした。
なのはやヴィヴィオ、子供たちとも一緒に来たかったのだが、都合が付けられなかった。
残念ながら一緒に来てくれたのは、同じく休暇を持て余していたユーノだけ。
もちろん、ユーノと出掛けるのが嫌なわけはない。大切な幼馴染みなんだから。
一人で来るよりは、ふたりで来た方が楽しいのは当り前。
私もユーノもそれなりに楽しみに最初はビーチへと足を踏み入れた。
だけど、入ってみて愕然とした。
周囲を見渡して、私は溜め息を吐いた。
周りにいるのは皆、男女、男女、男女。
夏の海に来ているのだから、当り前だとは思う。
パラソルの下、隣に座るユーノにチラリと視線を送ってみると、私と出来るだけ目を合わせないようにしていた。
私の視線に気が付いたユーノが顔を反らした。
反らした顔の先で女性が嬌声を上げる。女性の声に私は思わずそちらを見てしまった。
ユーノが慌てて、また顔を反らした。というか、目を瞑った。
一糸纏わぬ女性が男性に秘部を突き上げられていた。もちろん男性のモノで。
快感に染まる女性の口から甘い声とヨダレが零れ落ち、目はトロンとしている。
突き上げられる度に滴る愛液のしずくが砂浜へと落ちすぐに乾いていく。
そして、男性のモノがいっそう強く突き上げられて引き抜かれた。
女性の身体から力が抜けて、男性が受け止める。女性の秘部から白濁とした液体が大量に流れ出てきた。
「うわぁ…すごっ……」
思わずゴクリと生唾を飲み込んでしまった。
海岸の往来で何をやっているのかと普通は思うのだろうけど、実のところ周りは皆こんな状況。
ヌーディストビーチというモノはあるが、どう考えても目的が違う。
乱交会場さながらの海岸であちこちから上がる嬌声をバックに私達は同時に溜め息を吐いた。
もちろん、私達も何も纏っていない。
ビーチに入った途端に注意されて、監視員にひん剥かれた。
何とか隠すところは隠しながら、パラソルだけは設置して退避したのだけど周りが周りだ。
噂をしていた局員達が気持ちいい場所と言っていたのは、こういう事だったのかと気が付いた時には後悔しても遅かった。
すぐに帰ろうかと話し合いはしたのだけれど、私もユーノも健康的な男女。
少しばかり好奇心の方が勝っていたのかも知れない。
ちょっと観察するつもりだったのが、周りの熱気と嬌声に私もユーノも思考を犯されていた。
正直なところ、身体は興奮してる。
マットに座り隠して誤魔化しているけど、私のおっぱいはもうピンと勃っていたし、ちょっと触れれば、あそこも濡れるように糸が引いてる。
それはユーノも同じみたい。隠してるけど、ユーノのおちんちんが硬く勃起しているのが見えてしまったから。
先の部分にカウパーがぷっくり浮かんでいた。
(ユーノのおちんちんって、あんなに大きいんだ)
私はユーノのモノを横目でチラチラ見て、そんなことを思って周りを見渡す。
甘い声を上げながら、一対一、あるいは複数。穴という穴を犯されながら悦に浸る女性たち。
あまりの光景に私の思考は既にぼんやりし始めていた。
そして、思わず思ってしまった。
「気持ちよさそう……」
「フェイト?」
-
声に出してしまっていたらしい。私のトロンとした声にユーノがギョッとしてこちらを向く。
おっぱいやあそこを隠すのも忘れて、ぼんやりしている私の顔をユーノが心配そうに覗き込む。
ユーノだって、思ってるよね?
あのひとたちが気持ちよさそうだって。
私もあんな風に。ユーノのなら、きっと……。
ぼんやり考えながら、少しずつ手を伸ばす。
硬くそそり勃って、カウパーでテカテカに光っているユーノのモノに。
(ああ、欲しい。ユーノのおちんちん……おいしそう)
ユーノはわたしの手に気が付いていなくて、もう少しで触れる。
そんな直前にユーノの手が私の肩に置かれた。
「フェイト、大丈夫? ……やっぱり帰ろうよ?」
真正面から私を見据えて、ユーノはふと気が付いたみたい。
私は身体を隠しもしていない。おっぱいもあそこも丸見えだということに。
水着を着るために、ムダ毛は処理しているからあそこもツルツル。
だから、思わず、ユーノも何かを思っちゃったんだろうな。
ユーノのおちんちんがピクンと動いたのを私は見逃さなかった。
それを見て、途端に電気が走ったみたいに私の身体がびくりと震える。
意識もしっかりした。
「だ、大丈夫、大丈夫だよ!? わ、私、売店でサンオイル買ってくるね!」
「あ、ちょっと、フェイト!」
何をとんでもないことを考えていたんだろう。
側にあったサイフを掴むと、ユーノの手を払いのけて逃げるように私は立ち上がった。
もちろんサンオイルくらい持ってきてあったけど、少し頭を冷やしたかったんだ。
心配してくれたユーノには悪かったけど、後ろを振り向かずに私は売店の方へと駆けていった。
※※※
「……ああああ、僕は……」
絶対に嫌われた。そう思った。
心では心配していても、僕の身体は正直だった。
ボウッとして無防備に晒されたフェイトの裸はとっても綺麗で。
ピンと張った乳首も、手入れされていてツルツルで、愛液をしたたらせたあそこも見えてしまっていたから。
自分の心とは裏腹に身体は……僕のガチガチになったモノは反応してしまった。
フェイトが座っていた場所を見る。
砂浜に敷かれたマットがフェイトのあそこから流れ出た愛液でまだ濡れていた。
それを見て、また僕のモノは反応してしまう。
ピクンと震えたモノから、カウパーがポタリと一滴マットへ滴り落ちる。
情けない。
周りの光景のせいも少しはあるが、まだ興奮している自分が情けない。
これでフェイトが戻ってきた時、まだ治まっていなかったら、何と言えばいいんだろう。
「……いっそ、フェイトが戻ってくるまでに一回……」
-
射精してしまおうか、などと更に情けない考えが浮かんで僕は頭を振る。
正直周りが周りだ。そこかしこで交わっている男女がいるんだ。
それをおかずにしている男女だってもちろんいる。
一回、射精してしまえば治まることは間違いないとは思う。
だけど、そんなこと。
「……してる最中にフェイトが戻ってきたら、どう言い訳するつもりだよ」
フェイトにそんな姿を見られたくない。
別に取り繕う必要なんて無いと思う。だけど、それでも嫌だった。
だって。
「好きな女の子と一緒に来てて、他の女性の裸に欲情したなんて、そんなの男として駄目すぎる」
そう。僕はフェイトが好きだった。
誘ってくれた時は嬉しかった。みんなには悪いけど、二人きりだと知った時、正直感謝もした。
この場所には驚いたけど、フェイトもそれは同じだったんだろう。
せっかく来たんだから、少しは楽しもうと思ったのがいけなかったんだ。
フェイトの裸に我慢できなかった。周りが周りなだけに襲ってしまわなかっただけ、自分の理性は大したものだと思う。
とにかく、さっきのことだ。あの様子だとフェイトは僕がそんな目で見てしまったことに気が付いたろう。
力無く肩を落として。ふと、僕はあることに気が付いた。
「……そうだ、変身して誤魔化せばいいじゃないか」
名案だ。フェレットモードなら、そんなに解らないだろう。
フェレットだと代わりに熱で死ぬかも知れないが、これ以上恥の上塗りで死にたくなるよりはマシだ。
そう思って、魔法を起動しようとして……起動しなかった。
「あれ? そんな筈は……」
焦っているのかともう一度、最初から術を組み直そうとして……笛の音が聞こえた。監視員らしい男が僕に近付いてくる。
「な、何でしょうか?」
「ここは魔法の使用は禁止なんだよ。悪用する人間が居てもいけないからね。ビーチ全体に強力な結界が敷かれている」
「ええ!?」
何と無駄な機能を付けてるんだろう。
思わず上げた素っ頓狂な声と共に僕は盛大に溜息を吐いた。
「まぁ、そういうことだから魔法は使わないでくれ。もちろん防音結界もな。ここは包み隠さない快楽の場所だ」
「…………」
がっくり項垂れる僕に一人解ったようにうんうんと監視員が頷く。
「ところでだ」
「……何ですか?」
「さっきから見ていたんだが…君の彼女、行ってしまったんだろう? 良かったら、俺が君の相手を……」
「結構です」
もちろん監視員だって何も纏っていない。
使い込んだのか、日焼けか知らないが、黒光りしているモノをおっ勃てながら、とんでもない事を言う監視員の言葉に、
尻の穴が思わず締まる感覚を覚えながら僕は即答で断った。
断られて残念そうに立ち去っていく監視員。
もし、厳つい男にアッーされているところへフェイトに戻ってこられでもしたら、それこそ生きていられない。というか生きていたくない。
そう考えたら、勃起も少し治まった。
「ああ、そうそう。この結界ね。男性の精液の量を増やす効果があるから。いくらでも射精るよー、子作りにはバッチリさ」
-
フェイトが帰ってきたら、謝ってすぐに帰ろう。
立ち去りながら、とんでもないことを最後に言った監視員を決して見ないようにしつつ、自分の耳を出来るだけ塞ぎながらそう思った。
これ以上ここに居てはいけない。絶対に。
※※※
「はぁ……」
いたたまれなくて、つい走って来ちゃった。
売店の近くまで来て足を止めて、私はジッと自分の身体を見る。
「やっぱり……」
そっとおっぱいに触れてみた。汗もあるけど、ぬるりとする乳首の感触。
私の手に付いたのは白い液体。そう、間違えようもなく母乳。
妊娠してもいないのに興奮すると母乳が出てしまうんだ、私は。
ホルモンバランスのせいなのか、プロジェクトFの欠陥のためなのかは知らないけど。
溢れたお乳が解らないようにおっぱいを手で拭っていく。
だけど、拭っている内にまた変な気持ちになってきた。
今も興奮は治まっているわけない。そんなところでおっぱいを弄るなんて、逆効果かもいいところ。
だけど、噴き出した母乳をそのままにして歩くなんて恥ずかしいことこの上ないし。
拭うだけ拭ったけど、今度は身体が火照ってしまう。
「いっそ、一人で……駄目駄目」
さっきから見てれば、周りにそんな女性はたくさんいる。
そんなことをしていたら、きっと誘っているって勘違いされるに決まっている。
ブンブン頭を振って浮かんだ考えを振り払った。
「ん……!」
身体は火照りっぱなしだから、動こうとしたらあそこから愛液が垂れてきた。
垂れた液を手で拭う。自分でもはっきり分かる。
今、この上無いくらい興奮している。
これは……周りのせい? それともユーノが私に……興奮してくれたから?
そこは考えても分からない。
そのまま、ついついあそこに伸びそうな手を押さえて私は売店へと向かった。
「すいません、オレンジジュース二つ。後、サンオイルあったらもらえますか?」
「あいよ」
私を一瞥して売店のおじさんが口笛を吹く。
私の身体って、やっぱりスタイル良いのかな?
自慢ではないが、おっぱいは大きい方だと自覚してる。
大きさだけなら、シグナムやすずかの方が大きいんだろうけど。
だけど、大きくて得したことはあまりない気もする。
男の人にはエッチな目で見られるし、触られたことだってある。それが少し嫌だった。
さっきのユーノも私をそんな目で見ていたのかな。
もし。そうだとしても……。
「ユーノなら、私、嫌じゃない……」
ユーノが私で興奮してくれたなのら、むしろ嬉しい。何故だかそんな気がした。
「ほい、お待ち。今、何か言ったかい?」
「い、いえ。ありがとうございます」
-
また、ぼんやりとしていたのか。おじさんの声で正気に戻った。
お代を払って、ジュースの缶とサンオイルの瓶を受け取って、私の頭に疑問が浮かんだ。
透明な瓶の中に入っているオイルがゲル状。どう控えめに見てもローション。
「あの…このオイル」
「ああ、れっきとしたサンオイルだぜ? 口に含んだって害のない作りになってるし、見た目それっぽいけどな」
「………そっちの方が主目的な気がします」
眉間にシワを寄せる私に売店のおじさんが大声で笑う。
「まぁ、ここはそういう場所だしな。何だったらそのボインに塗って彼氏のでも挟んでやればいいじゃないか。気持ちいいって泣いて喜ぶぜ? きっと」
「…………」
ますます大声で笑うおじさんに私は両手で頭を抱えたかった。塞がっているけど……。
大体、ユーノは……彼氏なんかじゃないし。
「え……?」
不意にズキンと胸が痛んだ。
ユーノが彼氏じゃない? そんなの当たり前じゃない。
「何だったら、俺で練習してみるかい? ……冗談だって、んな怖い顔で睨むなよ」
ギッと私が睨むと戯けたように肩を竦めておじさんは笑って誤魔化しだした。
冗談じゃない。誰とも知らぬ男の人となんか。
「でも、ユーノとなら……」
あれ?
私、ユーノとなら良いの?
さっき、危うくユーノのおちんちんに手を出しかけたことを思い出した。
あれがもし、クロノだったら? グリフィスだったら? ヴァイスだったら?
そんな気になるだろうか……いや、多分ならない。
なら、何でユーノだけ。
ズキンとまた胸が痛む。
「………ああ、そっか」
さっき分からないと言ったことが分かった気がした。
おじさんが怪訝そうな顔をするが、これ以上は話していてもジュースがぬるくなるだけだ。
そう思った私は足早にそこを後にしてユーノの元に向かった。
※※※
「お待たせ、ユーノ」
戻ってきたら、ユーノは周りを見ないようにして、ブツブツ何か呟いてた。
平常心でも保つために素数でも数えてるのかな?
私が話しかけても気が付かない。
ムッとした私はユーノの首筋にジュースを押し当てながら耳元で囁いた。
「ユーノってば」
「わっ!? ふぇ、フェイト!?」
-
ビックリしたのか、多少裏返った声で名前を呼ぶ彼が面白かった。
楽しそうに笑っている私を見て、彼はまた顔を反らした。
一瞬、怒らせちゃったのかな、と思ったが違った。
私のおっぱいに目が行っちゃったんだろう。よく考えたら、私はもう隠しもしていなかった。
きっとおちんちんを治めようと何かブツブツ言ってたんだろうけど、また元気になっちゃったみたい。
「ユーノ、ジュース飲まないの?」
「あ、う、うん」
火照りを治めたいのか、私を見ないようにしながら一気にジュースを喉に押し込むユーノに私はまた笑って思った。
(真面目なんだから)
彼とは逆に私は少し余裕が出来た気がした。
身体の火照りも、今身体を支配しているこの感情も。
さっきのお乳も。全部、ユーノが一緒だから。
他の人じゃこうはならないと思う。
(私は……ユーノのことが好きなんだ)
もう素直になろう。
(私はユーノと気持ちよくなりたいんだ)
心より身体で気が付くのが先なんて、エッチな子だと自分でも思う。
きっとユーノはこんな私を嫌がるだろう。だけど、素直になるって決めちゃった。
売店のおじさんの言葉じゃないが、ここはそういう場所なんだから。
「あ、あのさ、フェイト、そろそろ帰ら……」
「ねぇ、ユーノ。サンオイル塗ってくれる?」
ユーノがそう言い出すだろうとは予想していた。
出鼻を挫くようにうつ伏せになって、背中を向ける私にユーノがギョッとして、こっちを向いた。
私は瓶のフタを開けて、ユーノに差し出す。
「えっと、フェイト? 僕は帰ろうって……」
「帰るなら、泳いだ後にしようよ? せっかく海に来たのにまだ入ってもないんだよ、私達」
「それはそうだけど……」
「ね……? お願い」
見上げる私の視線にユーノは折れてくれた。
瓶を受け取って中身を手に出して、ユーノが顔を顰めるのが見えた。
「ねぇ、フェイト。これ、本当にオイル?」
「売店のおじさんはそうだって言ってたよ」
どう見てもローションにしか見えないそれを手にユーノは私の横に回って、背中に塗ってくれ始めた。
ユーノの手が背中を這う度に厭らしい音が聞こえて来る。
優しいユーノの手つきと相まって、私の背中をこの上ない快感が襲う。
「こ、このくらいでいいかな?」
「うん……あのね。お尻もお願い」
「そ、そのくらい自分で……!」
「お願い、ユーノ」
有無を言わせない私の言葉にユーノは困りながらも、恐る恐る私のお尻に手を触れた。
一瞬だけ、私がビクンと震えたのを見て、ユーノの手が止まる。
-
「ご、ごめん。ちょっと緊張しちゃっただけだから。つ、続けて」
「………分かった」
少しユーノの声のトーンが変わった気がした。
あそこだって、もうぐっしょり濡れてるんだ。
ユーノはきっと気が付いてる。私が誘ってるんだって。
私の想いに気が付いてくれてるかは分からないけど。
また、ユーノの手が私のお尻に触れる。
揉むようにオイルを塗っていくユーノの手つき。
自分の顔が段々と喜色に染まっていくのが分かる。
伏せているからユーノには見えていないだろうけど、お乳もまた噴き出してる。
やっぱりユーノだから。ユーノが好きだから。きっと、こんなに興奮するんだ。
「も、もういいでしょ、フェイト?」
「うん、ありがとう」
私が身体を起こすのを見て、反射的にユーノはこちらに背を向けた。
背中がこちらを向いているなら、好都合。今度は私が塗ってあげる番だ。
瓶を傾けてオイルを出す。手だけではなく、私のおっぱいにも。
興奮して痛いくらいにピンと勃っている乳首とそこから出ているお乳。
乳首をコリコリ弄って刺激して、飛び出すお乳とオイルを混ぜ合わせる。
厭らしい音が響く。ユーノはこっちを向こうとはしない。
きっと私が胸やお腹に自分でオイルを塗ってると思っているんだろう。
「ユーノ」
「な、何?」
「今度はユーノ背中に私が塗ってあげるね」
「え!?」
言うが早いかユーノが振り向く前にそのままユーノの背中に抱き付いた。
おっぱいにユーノの背中が当たる感触が気持ちいい。
「フェイト!? な、何して!?」
「んー、何って? オイル塗ってあげるだけだよ。手でやるより、この方が早いし気持ちいいから」
「気持ちいいって、うあ……!?」
背中におっぱいを擦りつけながら、私はユーノの前側に手を回してオイルで濡れた手で掴んだ。
硬く勃起して、カウパーが先走るユーノのおちんちんを。
「くぁ…フェイト、何で……こんな事!」
身体をユーノの背中に上下へ擦りつけながら、おちんちんをレバーを握るみたいに竿と亀頭に手を当てて、優しく擦る。
おちんちんを私に扱かれるの気持ちいいみたい。
扱く度にピクンとおちんちんが脈打っていく。
ユーノが喘ぐのを見て、私はますます興奮してきた。
お乳が溢れて、擦りつける度に厭らしい音が増していく。
「くぁ!? フェイト、駄……!」
我慢しきれなくなったユーノのおちんちんからたっぷりと白濁したモノが、精液が噴き出した。
亀頭を押さえていた私の手に勢いよく拡がっていく。あったかい。ううん、熱いくらい。
「フェイト……何で…こんな、こと」
「気持ちよくなって欲しいの……私、ユーノが…好きだから」
「え……」
ユーノの疑問に私はそう答えた。
気持ちよくなって欲しい。気持ちよくして欲しい。一緒に気持ちよくなりたい。
-
ユーノが好きだから。
今、私を支配している感情はそれだけだ。
この後で嫌われたっていい。今はただ二人で気持ちよくなりたかった。
「フェイト…今なんて」
おちんちんを扱いていた私の手がユーノにグッと掴まれた。
「私、分かったんだ。ユーノが私に興奮してくれてるのを見て。私は……ユーノが好きなんだって」
「フェイト、それは違うよ……君のその感情はただの……」
「違わない。興奮だけじゃないよ、私、考えたよ。想像したよ。もし、ユーノ以外の人だったらって。……誰でも嬉しくなかった。ユーノだけ。ユーノだけが嬉しかった」
嫌われたっていい。今はただ気持ちよくなって。
そう背中越しに私は囁いた。
この後の結果なんて分かっている。私が嫌われて終りだ。
だから、今は精一杯気持ちよくなってもらおう。
そう想って、身体を擦りつけようとしたらユーノの身体が前に逃げ出すように動いた。
私の方をユーノが振り向く。
身体中、オイルやらお乳やらでぐちょぐちょになっている私。
手もユーノの精液に濡れて。こんな厭らしい子、ユーノ嫌いだよね。
………終わっちゃったな。
そう思った。だけど、次の瞬間。
ユーノは正面から私を抱きしめてくれた。
「フェイト……僕だけが嬉しかったって、本当?」
「……本当だよ」
「僕は…君に好かれてるんだって自惚れていいの?」
言葉の代わりに私はユーノの唇を自分の唇で塞いですぐ離した。
ユーノと目が合う。短いキス。これが私なりの答え。
「……フェイト。これが僕の答えだよ。ずっと、フェイトとこうなりたかった。こうしたかった」
今度はユーノがキスを返してくれた。私をギュッと抱きしめて、口の中にユーノの舌が侵入してくる。ディープキス。
舌と舌が絡み合う。抱きしめられた身体と身体も絡み合う。幸せだった。
「いいよ。ユーノのしたいことしていいよ。私もユーノにしたいこと、してあげるから」
身体を一旦離して、私はユーノの前に屈み込む。
まだまだ元気なおちんちんを優しく握って、今度は胸の谷間に挟んで、上下、左右、前後、交互、色んな動きを加えてみた。
こういう時、大きくて柔らかいおっぱいって便利だね。
「うぁ……いいよ。フェイト。それすっごく気持ちいい」
「本当? じゃぁ、もっと良いことしてあげふ」
おっぱいに挟んだままユーノのおちんちんの先端を口に含んだ。
舌を動かすたびに先走ったカウパーが口の中に拡がる。
「はちゅ、ぷぁ、ユーノのおひんひん、おいひぃよ」
「ふぇ、フェイトそんなにされたら、また射精る! 射精ちゃうよ!」
おっぱいの動きに加え、口の中で亀頭を回転するように舌で私に攻め上げられて、ユーノの腰が震えだした。
「ぷは。いいよ、射精して! ユーノのエッチなサンオイルいっぱいちょうだい!」
「うあ!?」
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