●日本が中国をWTO提訴、ステンレス製品に対する不当廉売措置で
[東京 11日 ロイター] - 経済産業省は11日、中国が実施している日本製ステンレス製品に対する不当廉売(アンチ・ダンピング)措置について、世界貿易機関(WTO)に提訴、WTOの紛争解決手続きに基づく「2国間協議」を要請したと発表した。日程は、今後、両国間で調整する。中国は2019年7月から、日本、韓国、インドネシア、EU(欧州連合)から輸入されるステンレス製品が国内向けの販売価格を下回っていることで中国内の産業が損害を被っているとし、アンチ・ダンピング税を課してきた。日本側は、中国向け輸出は高価品が多く、中国国内品と競合しないことや輸入急増の事実がないなどと指摘。これまで、措置の撤廃を繰り返し求めてきたが、問題解決には至らなかった。WTO協議で解決できなければ、小委員会(パネル)設置に進むことになる。日本が中国に対してWTO協議要請を行ったのは3件目となる。
ttps://news.yahoo.co.jp/articles/ac63d1abcd386ea7f172141ce6327e68d99a692b
●米海大ナウ! 賢い兵士に必要なもの:欺瞞作戦(030 2015/12/02)
米海軍大学 客員教授本校戦略研究会(SSG)1等海佐 下平 拓哉
>>統合軍事作戦(Joint Military Operations:JMO)」のブロック2においては、ブロック1において習得したオペレーショナル・アートを踏まえたオペレーショナル・デザイン(作戦構想)と作戦計画の立て方を学びます。具体的には、作戦計画を立てるときの主要素である指揮・統制や情報、後方等をそれぞれ議論した後に、「統合作戦計画策定要領(Joint Operation Planning Process: JOPP)」を使って具体的な作戦計画の立て方を学んでいきます。
ここで興味深いことは、昨年からJMOのシラバスに「欺瞞作戦」が追加されたことです。なぜ追加されたかと言えば、古来から戦争とは基本的には騙し合いであるからです。そこでは、陸上における作戦的欺瞞と海上における作戦的欺瞞、そして戦略的欺瞞について議論し、それぞれのケース・スタディとして、「バグラチオン作戦」「パステル作戦」及び現代中国の戦略を採り上げています。
>>現代中国の戦略については、孫子や毛沢東戦略の考え方とともに、「超限戦(Unrestricted Warfare,)」の今日的意義について議論を重ねます。現在、マイケル・ピルズベリー(Michael Pillsbury)の『100年のマラソン(The Hundred-Year Marathon)』が話題となっています。彼は、ニクソン政権から現在のオバマ政権に至るまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた人物であり、現在は米ハドソン研究所中国戦略研究センター長を務めています。著書のなかで、中国は建国100周年の2049年を目標に国力を強め、米国に代わって中国主導の国際秩序を築く長期戦略を進めていると警鐘を鳴らしています。中国の真の姿は、やはり、 孫子の教えにあるようです。 ところで、米海大で孫子を教えているウィルソン(Andrew R. Wilson) 教授の講義においては、まず次の孫子の言葉から始まります。
「故に、善く戦う者は人を致して人に致されず。」(虚実編Ⅵ.2)
Therefore the clever combatant imposes his will on the enemy, but does not allow the enemy's will to be imposed on him.
賢い兵士は、自己の意図を敵に押しつけるが,敵の意図に押しつけられることはない。ウィルソン教授は、戦いとは敵との相互作用であり、どのように敵と作戦環境をコントロールするかが重要であるため、「孫子」を教える冒頭でこの言葉を強調しているそうです。現在のアジア太平洋地域の地域秩序をめぐる安全保障上の問題においても、平素からの知的競争に勝てるように賢くならなくてはいけません。
ttps://www.mod.go.jp/msdf/navcol/navcol/2015/030.html
>>患者の体内で活動性の感染が長引くと、ウイルスと免疫系の間で激しいせめぎ合いが生じる可能性がある。そうするうちに、抗体などの一連の防御反応を回避できるような変異をウイルスが蓄積していくのかもしれない。ひとりの患者の体内で感染が長引くほど、こうした変異株が生まれる機会が増加するのである。医師はパンデミックの初期から、免疫不全患者は特にこのように症状が長期化しやすいのではないかと考えていた。新型コロナウイルス感染症の患者は感染したときから約10日後には、ほかの人に感染する能力がなくなると考えられている。しかし、これには多くの例外的症例が観察されており、免疫機能が低下した人が関連している傾向がある。ワシントン州の老人ホームで2020年2月に新型コロナウイルスに感染した71歳の女性は、抗体産生が抑制されるタイプのがんを患っていたが、少なくとも105日間はコロナウイルスを体内に保持し、少なくとも70日間は感染力を保っていた。
>>患者の体内で「加速」していた変異
新型コロナウイルスは、そのような状況で急速に変異する可能性があるのだろうか?確かに通常の短い感染では、ウイルスはかなり安定している。オンラインで公開された研究(正式な査読や学術誌での発表の前段階の論文)によると、感染者を1,000人以上の一般的なサンプリングで検査した結果、ウイルスの突然変異はほとんど確認されていない。一方、免疫不全患者を綿密に追跡した研究の結果は、それほど安心できるものではない。ミシガン州の研究者は、抗体を産生する機能を担う免疫系B細胞を抑制する薬で治療中の60歳のがん患者を追跡した。4カ月の追跡期間中、ワクチンの主な標的である新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質には変化がなかった。しかし、スパイクたんぱく質と関係ないウイルスのほかの場所では、いくつかの変異が観察されたのである。ワシントン州の老人ホームの免疫不全の女性に関する研究では、「優生ウイルス変異体の継続的な代謝回転を伴う宿主内での著しいゲノム進化が観察された」という。つまり、ウイルスはこの女性に感染する過程において、スパイクたんぱく質に対する変化を含め、間違いなく変異株をつくり出し、進化していたのだ。12月初めに『The New England Journal of Medicine』に発表された別のグループの論文では、自己免疫疾患で免疫抑制剤の投与を受けていた45歳の男性に感染したウイルスの変化が詳述されている。この症例では、患者の体内でウイルスの進化が「加速」され、しかも突然変異の多くがスパイクたんぱく質で生じたことが確認されている。免疫不全患者のほとんどは、大きな合併症なく新型コロナウイルス感染症から回復する。だが、「この症例は、免疫不全患者では感染症状が長引き、ウイルスの進化が加速される可能性があることを浮き彫りにする」と論文では記載されている。同様の現象は、免疫系が抑制されているほかの患者の症例でも確認されている。HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は免疫機能を攻撃し、驚くほど高い比率で進化する。このため、ウイルスに結合して中和する抗体を人間が体内で産生し続けることが、より困難になる。HIV患者の場合は同様のメカニズムによって、ほかのウイルスも体内に長く潜伏し、変異することができる。例えば単純ヘルペスウイルスは、HIV患者に感染すると普通とは異なる薬物耐性を獲得することができる。
>>免疫不全患者へのワクチン接種が鍵?
とはいえ、新型コロナウイルスに感染した場合、どのような免疫不全患者で最も症状が長期化する傾向があるのか。この点を、よりきちんと理解する必要がある。「免疫不全」の範疇は広範囲にわたり、さまざまな状態が含まれる。このため、それらすべてが同様に症状の長期化リスクを抱えているわけではない。「免疫不全患者」の定義には、病原体と戦う能力を低下させるまれな先天性疾患を抱える人だけでなく、移植や自己免疫疾患の緩和のために免疫抑制剤を服用している人なども含まれる可能性があると、コーネル大学のウイルス学者ブライアン・ワシクは言う。免疫不全患者と新型コロナウイルス感染症の症状の長期化、そして症状の長期化とウイルスの進化との間の関連性を示す証拠は、ワクチン接種順位を巡る議論において検討を促すだけの十分な説得力がある。
ttps://wired.jp/2021/01/14/heres-a-plan-to-stop-the-coronavirus-from-mutating/