エールリッヒ博士は、1968年の著作『The Population Bomb(人口爆発)』中において、「1970年代、食糧危機で数億人が餓死する」、「現在の政治・経済や倫理などは消え失せ、我々の子どもたちは、完全に異なる世界を生きることになるだろう」などと予言したことで一躍有名になった。人口爆発の危機に立ち向かうために人口のコントロールが必要であると説くなど、当時としてはかなり未来を先取りしたものであったようだ。
かつて許容されていたことが、決して許されないものに変わった例は、世界では少なくない。19世紀後半の欧米では、コカインのような麻薬の使用はそこまで珍しいものではなかったが、時代の変化とともに、厳しい処罰の対象になった。こうしたケースのように、世界では子供や児童ポルノに対する見方も変わり、規制はどんどん厳しくなっている。 変わりゆく時代の中で、アニメ大国である日本は、少なくとも児童ポルノに対して世界が納得できる法整備を議論する必要があるだろう。 [伊吹太歩,Business Media 誠]