したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

熱心党の最後の砦

1松代@管理:2004/10/22(金) 10:51
УТП Зона2の本宮ひろ志マンガ休載問題は、南京事件問題から国家の安全保障に関する話題にまで発展し、別スレを立てるに値するとみなしたので、こちらに移動することとしました。

全くの蛇足ですが、言葉の正しさ的には「熱心党最後の砦」とするべきところを、あえて「熱心党の最後の砦」としています。

2松代@投稿移動:2004/10/22(金) 10:52
本宮ひろし氏の「国燃える」が休載のようです。
http://www.ch-sakura.jp/bbs_thread.php?ID=68803&GENRE=sougou
ソース元にも「『国が燃える』自体を有害図書として出版を自粛、回収するに値することを強く要求して参りました。」
とあり、まさに今回の事件は青少年の健全育成を名目に、言論弾圧を行った戦後初のケースといえます。
しかし集英社は情けない…。
公開討論でも何でもやって見せればいいものを、言論人としての気概が全く無いとしか思えません。
田中真紀子の長女の記事で発禁をくらい、裁判所に喧嘩を売った文春の方がまだマシですね。
ちなみに今回の騒動の黒幕の一人は松浦芳子杉並区議以下、「チャンネル桜」関係の議員だそうです。
http://d.hatena.ne.jp/claw/00010111
東京都の健全育成行政と何らかの関連があるのかもしれません。

3松代@投稿移動:2004/10/22(金) 10:56
>>2

今回の南京事件マンガ問題については、問題となった作品を読んでいないため、現段階ではきちんとしたコメントができないことをおわび申し上げます。ただ、執筆者と出版社が休載に同意した段階で、抗議した側は目的の多くを達していると考えられるため、部外者である我々が今からこの問題に取り組むのはいささか困難です。いいところ、ロビイングの際に雑談ついでの探りを入れられるかどうかというところですが、やれるだけのことはやっておこうかという気持ちもなくはないです。
ただ、決まってしまったことを責めたり悔いたりしても始まらないので、過ちを悔いるよりも、その悪影響を最小限に押さえることと、過ちを繰り返さないようにすることが重要なのではないかと思われます。
具体的には、速やかに連載を再開し、作品への干渉を拒否する体勢をつくるということです。
今回の抗議活動が極めて政治的なもので、いわば「見せしめ」として弱い部分を攻撃したのは明らかです。
要するに、南京事件を取り上げるとひどい目にあうという恫喝がひとつの目的であり、この部分は既に達成されてしまったといえます。
これは、歴史的事実関係に関する異議申し立てを最小限に留め、政治的に都合が悪いことと青少年への悪影響を理由として抗議したことにも、動機の不純さが現れています。つまり、虐殺という呼称が実体に即したものかどうかは論議の余地があるとしても、南京で日本軍による大規模な非人道的行為が存在したことは否定しようがなく、その点で争うのは不利だということがわかっているのです。
そこで考え出した抗議の根拠が、日本政府が虐殺の事実を認めていないのに、虐殺があったと認めるような発言をすることは、国益に反するからけしからんというものですね。
青少年への悪影響に至っては、本当に単なる言いがかりとしかいいようがなく、教科書にも記載されているような内容であるにも関わらず、マンガをつかまえて抗議するというのは、あまりにも身勝手というほかありません。
ただ、休載になったところで全てが終わったというワケでもなく、連載再開に向けた動きもあるようですから、汚名を返上する機会はあるでしょう。
また、厚かましいことに抗議した人々は「第三者を交えた再発防止委員会」の設置まで要求しているそうですから、この点についてはなんとか阻止しないと大変なことになるでしょう。
これは、1995年に文藝春秋社の「マルコポーロ」がユダヤ人団体の抗議を受け、廃刊に追い込まれた時のやり方を真似しているとも考えられ、対応を間違えると後々まで大きな影響を及ぼす「大惨事」に発展するかもしれません。
その他、過去には長編アニメ映画「FUTURE WAR 198X年」の内容が戦争を賛美するものとして、サヨクシミソが抗議したという事例もありますが、こっちは結末の一部手直しで劇場公開にこぎつけています。同様に、東映製作の「プライド・運命の瞬間」もサヨクシミソから抗議されましたが、公開中止には至りませんでした。
今回の動きは、これらサヨクシミソのやり口から学んだところが大きいといえ、やったことはやり返されるの法則が発動したといえましょう。
それにしても、情けないのは集英社ばかりではなく、作家自身や同業者も同様でしょう。
集英社の腰抜けぶりは論外という他ありませんが、本宮ひろ志は言論人として小林よしのり「未満」であることを露呈させたと言えるでしょうし、救援活動をするかしないかさえもはっきりと打ち出せない作家団体もだらしないというほかないでしょう。
そういえば、表現の自由を守ると標榜している他団体の某中核メンバーも、日記でだらしないことを書いていましたっけ。まぁ、集英社での仕事をしていた過去もあるし、色々といいにくいことがあるのはわかりますが、それならば黙っていればよいものです。不用意な言動は、はっきりいって「利敵行為」だと思うのですけどね。
いずれにしても、今回の事件で漫画界は大きな痛手を受けたといえましょうし、もしかしたらマンガを文化として認めさせようという動きにも、多大な悪影響を及ぼすかもしれません。

4松代投稿@管理移動:2004/10/22(金) 10:58
ちなみに、問題となった「マルコポーロ」の記事は、後に「ホンマもんのデタラメ」であることが判明しました。
まさか、本宮氏が作品で「ホンマもんのデタラメ情報」をつかってしまったとは思いたくないのですが、もしも抗議した側の指摘が当たっていたのなら、それは南京事件という厄介なテーマを取り扱ううえでの配慮をあまりにも欠いていたと言うほかありません。
森村誠一氏も「悪魔の飽食」で捏造写真をつかまされ、その汚名を返上するのに多大な労力を費やしましたが、問題は当事者自身がその労力を費やす覚悟を持っているかどうかです。
また、写真が捏造である、つまり「写真がフィクションである」事を理由に、フィクションであると表明しているマンガが抗議の対象となるのは、なかなかに興味ぶかい現象だと思います。
連載を速やかに再開し、作品への干渉を拒否するためにも、マンガ関係者の奮起に期待したいところですね。
参考
http://www.ss.iij4u.or.jp/~mitaka/hondana/hondana970824.htm
>「ガス室論争」について
http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail?ty=mv&id=153571
>プライド 運命の瞬間
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD17246/index.html
> FUTURE WAR 198X年
それにしても、22年も前の映画だったんだね…

5鳥山投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:00
松代さん>
 正直に言うと、本宮の一件は馬鹿馬鹿しくて協力する気になりません。しかし、ある程度は協力をしないと、またキチ○イがのさばるきっかけを作るので反撃をせざるを得ません。作品に関しては該当個所しか読んでいませんが、頭山満風の大アジア主義的な発想から南京事件を批判しており、「漫画を読んでいると馬鹿になる」という誤った風評に確証を与えるような内容になっています。
 大アジア主義は、中国が大国だった頃の歴史的経緯、黄色人種という外見上の類似性からアジア人が一致協力して繁栄できるとする妄想で、頭山満ラインの九州系右翼と在野の日蓮信徒が振り回していましたが、「狂っている」としか言いようがありません。また、頭山は実際に宮崎滔天、犬養毅らと共に亡命中の孫文を支援していましたが、その後の両者の行動や発言を鑑みるに、「頭の病人同士が意気投合した」としか思えません。
 アジアカップの一件でも露呈しましたが、中国人は自分達に都合の悪い国際法規、マナーをことごとく無視する国民性で、法規精神は皆無に等しい輩の集まりです。これは戦前でも一緒でした。こういう人たちとは、どうやっても仲良くできません。ところが、大アジア主義的な右翼はこれを不思議に思わない(そもそも、自分達に法規精神がなく、テロ行為も辞さないと考えている)ので、平気で在日朝鮮人も「日本人認定」して右翼活動に参加していることを黙認します。
 要するに、「俺達は同じアジア人(黄色人種)じゃないか。仲良くしようよ」ということなんですが、「だったら約束は守れ」と言いたいですし、大体肌の色と約束を守るか守らないかに、どんな関係があるのか全く理解できません。
 そう言う次第で、今回の一件はカマヤンさんの作った流れに任せようと思っていたんですが、こっちはこっちで「日華事変(日中戦争)は盧溝橋事件をきっかけに始まった」という趣旨の電波歴史観を垂れ流しているので、〆切が終わったら南京事件に至るまでの簡単なメモランダムを作成します。これで桜チャンネル周辺の頭の弱い人達がおさまるとはとても思えませんが、この板を見ている人達には「南京事件」の何が問題なのかが理解できるようになるはずです。
 それにしても、右翼も左翼もキ○ガイばっかりで頭が痛いですね。ファンタジー世界の住人には、是非とも向精神薬を服用して現実認識能力を高めていただきたいと切に願います。

6松代投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:03
>>5

>鳥山さん
大アジア主義の件は、作者自身がどれだけ自覚的に主張として盛り込んでいるかどうかさえよくわからないうえ、今回の休載問題とは論点がいささかずれてしまいかねないため、ここではさておくとしても、なんらかのアクションを起こすか、あるいは活動者への支援を行う必要は認めざるをえないでしょう。
というのも、今回の騒動は来年のと議会議員選挙をにらんだ政治的な動きである可能性が高く、初動で失敗した分を取り返すことができなくとも、保守派のさらなる増長を封じ込めるための対抗活動が必要なことが明らかとなりつつあるのです。
自分はこの休載問題について、当初はあくまでも「漫画作家の自助努力によって解決すべき」と考えていたのですが、以下の要因が漫画作家の自主的な活動を封じ込めており、外部の人間が援助しないと保守派が好き放題に跳梁する危険性があります。
要因1:サヨクシミン活動者が過去に同様の表現規制活動を展開している
彼らにとって都合の良い主張が盛り込まれているからといって、過去に映画「プライド」の公開差し止め活動を展開した連中と手を組むのは、あまりにも場当たり的かつ党派的なやり方でしょう。そのため、サヨクシミン活動と距離が近すぎる現在の表現規制反対活動団体は、なかなか動きがとり辛い情況にあると考えられます。
また、過去の「プライド」公開差し止め活動に関しては、検索すれば簡単に情報を得ることができます。そのため、活動を展開するにあたっては、過去に「プライド」の公開差し止め活動と関わった人物を排除し、党派的な動機による言論封じ込めとは無縁の活動であることをアッピールしなければならないでしょう。
要因2:作品的価値と政治的重要性の混同が見受けられる
作品的な価値とは無関係に、こういう表現規制に対しては抵抗しなければならないハズなのですが、どうしてもそのことを理解できない人が漫画作家に多数存在している以上、なかなか動きがとり辛くなるのは避けられないと考えます。率直に言ってしまえば、自分自身も本宮氏の作品を「面白いとはこれっぽっちも思わない」し、また「編集部の自主的判断で連載打ち切りになったとしても当然の作品的完成度」だとは思います。だが、作品的完成度が低いからといって外部からの圧力に曝されている作家や作品を救援しなくてもよいというのは間違いで、斎藤医師ではないけど「下らないものこそ守られるべき」ではないかと思います。
この件については、既に規制反対団体の中核メンバーでさえ、日記で「本来の「本宮マンガ」として「南京虐殺」を描いていたら、ぐぅの音も出なかったのでは」などと、作品的完成度が高ければ抗議を受けなかったと言わんばかりの世迷い言を垂れ流した末、作品的完成度が低いから直接的な救援活動は行わないとのたまっているのですから、他のメンバーもだいたい想像はつくでしょう。また、このような有り様だからこそ、読者を始めとする「作家的利害から離れた人々による救援」が必要とされるのではないかと考えます。
また、問題をこじらせているのは、作画において「南京事件当時に現場で撮影されていない写真資料」を用いた可能性が非常に高いことで、完全なる作者の空想物としての作品と事実関係との関連性と、事実から作者が着想してイメージをふくらませた作品と事実関係との関連性をきちんと整理、言語化してから立論しないと、抗議した側の術中にオチる危険性が高いという点です。
とはいえ、部外者が関わるには危険度が高すぎるうえ、自分達の活動からはいささか離れた問題でもあり、正面から対抗活動を展開するのはためらいがあります。側面支援に徹することができるなら、多少でも援助させていただきたいところですが、さて抵抗活動の主体となる団体や個人は現れてくるのでしょうか?

7うなぎ投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:05
>>3

件の漫画の内容や、集英社の対応、歴史的事実云々はさておき
『「第三者を交えた再発防止委員会」の設置を求める』
と言った動きには、厳重に注意すべきでしょうね。
放置していると集英社だけに留まらない恐れもあります。
無論「抗議行為そのもの」は言論の自由の範疇ですから、尊重される
べき(同様に抗議への反論も尊重されるべき)モノだとは思いますが、
「再発防止委員会の設置」までいってしまうならば表現規制・表現弾圧
だと言われても仕方が無いと思います。

8鳥山投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:07
松代さん、うなぎさん>
 東条英機を好意的に描いた(というより描いちゃった)『プライド』の上映反対会をやった左翼連中と、今回の一件で組む気は全くありません。そして、彼らとタッグを組まないためには、南京事件に関する我々の見解を最初から明らかにする必要があります。お二人の言い分は理解できますが、この点を不問にして反対活動に参加をしたら、「お前らは俺達の言い分を認めたのに、何で協力しないのか? 自己批判せよ」という、毎度毎度おなじみの左翼的なやり口が待っているだけです。
 今、この時点で明確にしなければならないことは、日華事変(日中戦争)はファルケンハウゼンの戦争計画書に基づいて、中国軍が日本軍に対して攻撃を仕掛けたことが原因で起こったのであって、日本が仕掛けたものではない、という歴史的な事実を前提としなければ共闘するつもりはない、ということです。その上で、本宮のマンガがフィクションであるとするなら、話の筋は通ります。
 しかし、歴史的事実はどうでも良くて、ただマンガを守るために反対せよというのは、まったく筋の通らない話です。要するに、こういう意見を言ってる奴らは、歴史的な事実に政治的な事情で蓋を被せたがっているんです。児ポ法の時も、鋭利菊の一件で同じ現象が起きました。
 私が彼の話を忘れたと思ったら大間違いです。愚民化政策を批判する人間が、漫画家に都合の悪い情報は隠蔽して議員に伝えないと言うのは矛盾でしょう。まさに、特定集団の利益を追求するために、愚民化政策が行われているわけです。嘘をつくなとは言いませんが、嘘の整合性ぐらい持たせろよと思います。

9熱心な投稿者投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:09
>ファルケンハウゼンの戦争計画書に基づいて、中国軍が日本軍に対して攻撃を仕掛けたことが原因で
>起こったのであって、日本が仕掛けたものではない
ファルケンハウゼン指導の三個師団を蒋介石が投入したのは1937年8月。決定的な対立となったとされる
盧溝橋事件はそれより前の7月7日です。盧溝橋事件の原因は諸説ありますが、いずれにしても
ファルケンハウゼンのほうは日中戦争にいたる一連の過程においては二次的なものでしょう。
そもそも上海事変や日本の華北侵略、満州国成立等における対日感情の悪化がベースにあるのですから、
それを無視して一方的に仕掛けたのは中国というのは、ちょっと鳥山さんらしからぬ発言だと言わざるを
えません。
どうも鳥山さんの対中発言を見ていると個人的に中国人に含むところでもおありとしか思えないのですが。

10СТАЛКЕР投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:12
>>9

http://ww1.m78.com/topix-2/the origin of sinojwar.html
>日華事変は、盧溝橋の一弾で開始された偶発戦争だという見方が現在でも主流である。これは誤りである。つまり戦争に至るには、片方の軍事計画が必ず存在し、その発動を以って開戦となる。宣戦布告や最後通牒の手続きによるのではない。
>この戦争は、蒋介石がファルケンハウゼン軍事顧問団長が作成した戦争計画に承認を与えることにより開始された。
>蒋介石=ファルケンハウゼンの作戦計画は上海にいる海軍陸戦隊(上陸「しゃんりく」と呼ばれた)を挑発し、本国からの陸軍部隊とともにゼークトラインに呼び込み、攻撃させ死体の山を築かせることにある。この作戦計画は結果がわかっている現在から見れば、愚かに見えるかもしれない。しかし第1次大戦中準備された防禦線にたいし攻撃に出た側は、イタリー戦線のカポレットー突破戦を除いて全て失敗、大損害を出している。作戦計画自体は一流と見なさざるを得ない。
上記リンク先の論者と同様、鳥山氏もまた、「盧溝橋事件から南京事件までの経緯」スレッド
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/410/1098007382/2
において、「盧溝橋事件が日中戦争の発端になったのではない」という事を前提として立論している。
しかし、貴方は
>決定的な対立となったとされる盧溝橋事件はそれより前の7月7日です
というカキコから明らかであるが、「盧溝橋事件が日中戦争の発端である」という立場である。
そして鳥山氏とかの「盧溝橋事件が日中戦争の発端にあらず」説を何故無視するのか、貴方の説明はない。
立論の最初の一発目で、議論がいきなり噛み合っていないと判断せざるを得ない。
議論の前提からして理解しているのかどうか極めて疑問なのに、
「鳥山さんの対中発言を見ていると個人的に中国人に含むところでもおありとしか思えない」
等と、論者の個人的感情にまで踏み込むのは、更に疑問だ。

11СТАЛКЕР投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:13
>>10
「熱心な投稿者氏」の過去の発言を見るとご自身が過去に見聞した言説をもとに相手をやりこめる
ことには熱心だが、他人の意見をよく検討して「議論する」ことにはあまり熱心ではないようです。
今回も同様に自他の相違を確認したり相手の意見を理解する姿勢には熱心でなく、例えば矛盾を
指摘されると「そういう意味じゃない」などと自己弁護には熱心だろうと推測されますのでできれば
スルー推奨、次善策と「盧溝橋事件から南京事件までの経緯」スレッドへ誘導されるとよいと思います。

12鳥山投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:15
熱心な投稿者さん>
 対日感情の悪化が戦争の原因という説には頷けません。「殺してやりたいほど憎い」のと「実際に殺してしまう」のでは雲泥の差があります。しかし、満州事変が石原、板垣首謀の侵略戦争であったことに疑いはありません。そして、それと同様に日華事変(日中戦争)が蒋介石主導の侵略戦争であったことにも疑いはありません。
 つまり、満州事変と日華事変(日中戦争)はそれぞれ個別の戦争と解釈すべきです。これは、「戦争は作戦計画ごとに分けろ」という原則に基づいています。なぜ、この原則に基づかなければならないのかと言えば、開戦責任の所在がハッキリしないからです。
 軍人が主導で戦争を行い、国家に重大な損失をもたらすと、しばしばこの責任を放棄しようとします。これは許されることではありません。たとえば、太平洋戦争は海軍の主導で行われた戦争で、陸軍はこれに引きずられていったんですが、戦後の海軍将校は「石油が足りなかったら仕方なかった」と訳の分からない妄言を垂れ流しています。蒋介石も同じ手合いです。
 右翼の中には、「日華事変(日中戦争)と太平洋戦争を合わせて大東亜戦争と呼ぶのが正しい」と、当時の日本政府の見解を支持する人間がいますが、これは明らかに近代戦の原則を無視し、海軍の開戦責任を隠蔽する工作に一役買っています。極東裁判もこの観点から再検討すべきです。太平洋戦争の開戦責任者は山本五十六であって、蒋介石や日本の陸軍軍人ではありません。
 これを有耶無耶にしたがるのは、別の理由があるからでしょう。つまり、右翼は海軍の責任を隠したがり、社会党系の左翼は昭和天皇に開戦責任を負わせたい、という点で思惑が一致しているんですね。しかし、作戦計画書とその実行に伴う時間経過を見れば、誰が責任者かは大体見当がつくようになっています。
 戦争について調べたいのであれば、作戦計画書を調べるべきなんです。この点をお解りいただけないのは、残念としか言いようがありません。
345さん、589さん>
フォローサンキューです。

13СТАЛКЕР投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:16
>>12
 たかだか数人が動く程度のイベントでも事前の準備と最低限の計画書がなければ、
スムーズには進まない。
 ましてや戦争と呼べるほどの規模の戦闘を実行するためには予算の確保、兵員の配置、物資の
移動ほか入念な計画書と指示系統と何ヶ月にも及ぶ準備が必要なのは自明なんだけど、
そういう私も指摘されてはじめてなるほどなあと思ったり。
>「殺してやりたいほど憎い」のと「実際に殺してしまう」のでは雲泥の差があります。
 想像だけで済む「憎むこと」と、お金と物資と人員を用意し、計画を立案して戦争を
実行することの間にはそれはもう巨大な隔たりがあるのに思いが至らないことについて
日本の現代教育を受けた人を一概に非難できないかもなあと思いました。

14392投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:18
小林よしのりに思い切り引っかかったので盧溝橋事件から南京事件までの経緯
を興味深く読んでます。こういうことだったのかーと思いつつ。
>>13
同感。戦争とか遠いことに感じるから作戦を立てなきゃ始まらないって
当たり前のことがわかんないんだよね。習う中坊のときなんかテストの点
取ることしか考えてないもん。

15松代投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:20
>>8
>鳥山さん
>今、この時点で明確にしなければならないことは、日華事変(日中戦争)はファルケンハウゼンの戦争計画書に基づいて、中国軍が日本軍に対して攻撃を仕掛けたことが原因で起こったのであって、日本が仕掛けたものではない、という歴史的な事実を前提としなければ共闘するつもりはない、ということです。その上で、本宮のマンガがフィクションであるとするなら、話の筋は通ります。
この点については概ね同意します。ただし、蒋介石が日本を軍事的に挑発したことと、挑発に乗って日本が戦禍を拡大させたことの是非については、わけて考えるという姿勢も同時に明らかとしなければならないと思います。戦争の当事者の一方を悪、他方を善と決め付ける、ある種のポラライズはあちこちで見受けられ、例えば「ルーズベルトは真珠湾攻撃を事前に知っていた陰謀」に関する論議で、日本はルーズベルトが仕掛けた誘いの罠に引っかかっただけで、実はアメリカの方が悪質などと主張する輩と一線を画すためにも、軍事的挑発をしかけたことと、挑発に乗じて大規模な軍事行動を発動したことの是非については、あらかじめある程度の見識を示しておいたほうがよいかもしれないとさえ思います。

16鳥山投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:24
13さん、392さん>
 おっしゃるとおりで、オタク的なものに置き換えるのであれば、同人誌即売会、アニメの制作、同人誌の制作なんかも、本来は計画が必要なものです。たとえば、同人誌の作成で考えるなら、
1:同人誌の内容、参加メンバー、冊数、販売価格などを決定。
2:イベントの期日と予算から逆算して、印刷所への入稿日を決定。
3:入稿日と予算から逆算して、ページ数や参加者への割り振りを決定。
4:ここで自動的に制作期間が決まるので、細かい制作進行表を作成。
となるはずなんですが、どういうわけか同人誌業界では、こうしたスケジュールを文書化する作業を億劫がる傾向があります。これは、恐らく責任回避が目的で、出版社で「同人上がりの作家は要注意」と言われる根拠になってしまっています。もちろん、これは同人誌に限った話ではありません。
 そして、これがドイツ流の教育制度を日本が輸入したことに、原因の一端があることは間違い無いと思います。ずっと前に語っていたことですが、19〜20世紀にかけてのドイツ学術界は未来予測が可能という誤った前提に立って展開されたもので、自然科学の領域での功績は大でしたが、社会学や心理学では負の遺産しか残していません。つまり、人間の未来も予測可能だと思っていたんです。この辺の事情は、岩波現代文庫から出ている『神話と科学 ヨーロッパ知識社会世紀末〜20世紀』によく書かれています。
http://www.esbooks.co.jp/books/detail?accd=30891721
 その代表格がフロイドやマルクスで、「幼少時代の育成状況によって未来が決定する」(フロイド)、「プロレタリアートが社会を支配する」(マルクス)など、電波人間のオンパレードでした。そして、未来が分かっているのであれば、計画表なんか必要ないわけです。未来が決まっているわけですから!
 だから、ドイツ流だと計画表を作ってしまったら、その通りに進まなければ一発アウトになるか、そもそも計画表は必要ないという結論に到達せざるを得ません。予測不可能な事態に備えて計画を立案する、という発想が皆無になってしまうんですね。同時に、こうした発想が、無責任社会とノーミスクリアを重んじる社会のバックボーンになってしまうんです。
 そして、これらの価値観はワイマール共和国からヒトラーを輩出する遠因になりました。運命論が許容されれば人種差別論は許容される(人種によって未来が決まっているわけです)し、未来予測は科学的に証明することは不可能ですから、嘘のつき放題になる、ということです。
 でも、社会学者というのは、「俺も預言者になりたい」と思ってる奴らが相当数含まれているので、こういう点を絶対に指摘しないんですね。だから、社会学の本を読んでも利口になるどころか、どんどん頭の調子が悪くなっていったりするんです。哲学、経済学も似たり寄ったりで、まったくもって困ったものです。

17うなぎ投稿@管理移動:2004/10/22(金) 11:25
>>8
>鳥山さん
>『プライド』の上映反対会をやった左翼連中と、今回の一件で組む気は全くありません。
組む必要は全く無いでしょう……というか、組むと自己矛盾になっちゃいますからね(笑)。
唯、自分は近代史が苦手なので、鳥山さんの言われた事実が、妥当であるかどうかを推し量る術がありません。「整合性は取れているし、説得力はある」とは思いますが、それがせいぜいなのです。ですので。
>「……という歴史的な事実を前提としなければ共闘するつもりはない」
これが、条件であるならば、今回は、鳥山さんと共闘できない事になると思います。
自己矛盾を避けるために「『プライド』の上映反対会をやった左翼連中と共闘しない」事は必須
だと思いますが、出来れば別の条件設定にして頂ければ……と思います。
「今回は個別にヤル」と言うのも勿論アリだと思います。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板