したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【個】『門倉姉弟の語り尽くせぬ四方山話』【ミ】

1『門倉』:2015/05/30(土) 22:09:19

           YES → 【楽しかった?】 ─ YES → じゃあまた語ろう
         /                  \
【語った?】                        NO → じゃあまた語ろう
         \
            NO → じゃあ語ろう

(※これは『門倉』関連のイベント・ミッションを行うスレッドです)

2『門倉』:2015/05/30(土) 22:10:44
〜 これまでのイベント・ミッション 〜

【阿武名荘関連】
・『よりどりみどりのひがわりみとり』
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1398097285/566-659)
・『やまいだれ、さきみだれ』
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1398097285/660-924)

3<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

4『それでも私は針飲まない』:2015/05/30(土) 22:23:32
<これまでのあらすじ>

数ヶ月前、満席のファミレスにて相席となった『門倉』と『田所』。
話の流れで二人でナンパする事となり、
他席で同じように相席していた『八夜』と『タタラ』に声をかける。
なんとか話をきいてもらえる事となった『門倉』が
『タタラ』に話し始めたのは『約束を破る女児の話』。
そして話も一区切りし、結局連絡先を交換し、四人は別れた。
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1397309596/632-682)


そして今、『門倉』から『この前の話の続きでもしよう』との
連絡を受け取り、その時のメンバーが同じ『ファミレス』に集まる事となる。

5『それでも私は針飲まない』:2015/05/30(土) 22:25:10

             『約束を守らない女の子の話』

 あるところに、いくら言っても『約束』を守らない女の子がいた。小学生低学年の女児。
   親の教育が悪かったのか、元々の性格なのか、あるいはその両方か。
  当然、学校の先生からも、同級生からも、姉妹からも、そして親からも疎まれていたが、
         女児自身は大きなストレスには感じていないようだった。

       ある日、そんな女児がいつものように『約束』を破っていた。
     彼女が通う予定の『スイミングスクール』を当たり前のようにすっぽかし、
       TVを見ながら、『イチゴのショートケーキ』を食い散らかしていた。

       そんな時、彼女は『ショートケーキ』の中に『違和感』を感じる。
          それは長い『何か』………細長い棒のようなもの。

           『女児』は初めはなんだか分からなかったが、
           よく噛み締める事でそれが『ゴボウ』だと気付いた。
         ちょうど『マッチ棒』ほどの大きさにそれは切られていた。

      そして女児は気付く。このケーキは出来合いのものではなく、
           『母親が作ったもの』であるという事を。
      だが、その事を『母親』に問い詰めても、『母親』は首を振り、
        『なぜそんなものが入ったのか分からない』という………。

         女児は困惑したが………まだ子供だからね。
       すぐにそんな事も忘れ、また『約束』を破ってしまうんだ。
        そうしたら今度は夕飯のカレーに、また、入っていた。
            今回は、ゴボウより硬い『違和感』。

        ペッと吐き出すと、それは………『つまようじ』だった。


         『女児』はその事を、再度『母親』に告げる。

 女児の言葉に母親は首を傾げながら、『おかしいわねえ、ごめんなさい』と返してきた。
 カレーは手作りで、『もしかしたらお弁当に使ったつまようじが入ってしまったのかもねえ』
 なんて言葉で母親は話を締める。そうなると、もう『女児』はそれ以上はつっこめない。

                                           そして―――

             『女児』は再度、約束を破る。
     ただまあ、捻くれてというより、『約束を破る』というのが
   彼女のいわば『サガ』として、染み付いてしまっていたからだろうね。
         それにそもそも『異物混入』と『約束を破る』という
          二者の『因果関係』もハッキリしていないし。

   それで、次に女児が食べたのは母親の作った『ハンバーグ』。
        食べる前に彼女は少しは警戒したのだろう。
   フォークで細かく刻んで、『異物』がないか確かめてから口にした。

     でもね、ご想像のとおり、口にした途端、『異物』は入っていた。
     いや、入っていたというより、突然『出現』したんだ。
     『硬くて細長いもの』………それは女児の口中を傷つけた!
     今までのものは明確に違う、明らかな『害意』。これが『本番』。

    戦き慌てる女児。
        そんな彼女の背後から低い女性の声が投げかけられる………

     『警告を無視して、

              ―――千回目。
                         ―――千回目よ。

     ちいさい頃、歌って言い聞かせてあげたでしょう?
        その意味、あなたには理解出来なかった?

                                ママは、とっても残念』

6『それでも私は針飲まない』:2015/05/30(土) 22:28:18

「さて、さて、さて―――
  今回集まってもらったのは他でもない」

  『ファミレス』。以前、四人が出会い、連絡先を交換した場所。
  奇しくも一行は以前と同じ席に案内されていた。

「この前語った話があっただろう? ほら、『約束を破る女の子』の話だ。
  今から、あの後、『彼女がどうなったのか』を皆で話していきたいんだ」

  皆が席に着くか着かないかの時に唐突に語り出したのは、『門倉 良次』。
  21歳の不動産屋兼大学生。栗色のソフトモヒカンにスカーフ、
  ワインレッドのジャケットを羽織った男。
  彼が今回の会の発起人であり、メールで参加者たちを収集した張本人でもあった。

 (※応答レスがてら、『名前』、『簡易自己紹介』、
   『プロフ』、『(一応)スタンド能力』『その他何かあれば』をお願いします)

7田所『スワン・キング』:2015/05/30(土) 22:40:09
>>6

「まず思ったんですけどよォー」

「その子に何かあったとして、それよりも母親の方が『異常』じゃないスかね」

                   「千回目って盛りすぎ」

アイスティーを飲みながら、門倉の話に対して思ったことを率直に言う。

「『約束を破るのなら約束しなきゃいい』、なんて言うのは他人ごとすぎますかね。
 少なくともその母親のほうが学習能力ないんじゃあないッスか」

〜〜〜〜〜〜

『名前』:田所 浩治
『スタンド』:『スワン・キング』
あらゆる便器を作り出す能力。
『プロフィール』:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311711936/186
『その他』:本当に暇つぶしで来てるので、服はめっちゃラフスタイル。

8タタラ『インスタント・カルマ』:2015/05/30(土) 22:56:33
>>6(GM)

「……来ておいてなんだけれど。」

そのメイド――『人吉 多々良』は四人で最後に席に着いた。
そして、門倉を見て言った。

         「件の、『食事の美味しくなる話』とは別件ですワよね?
            ……だとしたら、そちらも楽しみにしておきますワ。」

微笑む。そーいう約束があったはずだ。
もっとも、それ以外で会わないとは言っていなかったが。

「改めて……自己紹介しておきますワ。
    タタラ、とお呼びいただければ。」


「それで……
 あの後? 私、名作の続編ってたいてい罪だと思うんだけど――」


人吉多々良。はたち。女。職業はメイドさん。
身長166センチ。体重はヒミツ。
好きな食べ物はイチゴのショートケーキ。

        スタンドは――『インスタント・カルマ』。
        罪を犯したものを『地獄』へと送る刑死者。
        (ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/515)

『今日の一日一善』……フェアトレード製品のチョコを買った。
           あと、そのお釣りを10円だけ募金した。

9八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/05/30(土) 23:25:22
>>6

「ああいう悪趣味なお話、大好きですよ」

 にやり、と笑います。

「都市伝説として記事にしてみたいですね。
 ま、それはそれとして… まず、飲み物でも頼みたいところですが」

 言いつつ、取材手帳とテープレコーダーを取り出します。


>>7-8

「ああ、どうも。お久しぶりです」

 二人に会釈をして、私も席に着きます。




【名前】:八夜あやめ
【スタンド】:『ザ・ファントム』
       過去と遠方を見通す『千里眼』を持つ、鳥人の如きヴィジョン。
【プロフ】:秋映学園高等部二年。報道部新聞班所属。
      黒髪の二つおさげ。眼鏡。ややたれ目。
      白のカッターシャツ、学校指定のスカート、金属のブレードのついた赤いネクタイ。

10『それでも私は針飲まない』:2015/05/30(土) 23:30:39
>>7(田所)
「確かに―――母親の異常性が際立つ話だね。
 仮に本当に『千回』、その娘が嘘をついていたとしても、
 子供のやる事だし、そんなに目くじら立てる必要もないように思える。
 『約束』なんてそもそもしなきゃあいいというのも、道理かもしれないね」

>>8(タタラ)
「『食事の美味しくなる話』については、もう少し親しくなってから、
 二人きりの方が話も弾むんじゃあないかと思ってね。
 その時はさすがにこんな『ファミレス』で語るつもりはないよ」

>>9(八夜)
「ああ、そうだね。皆、好きなものを頼もう。
 今日は、俺がおごるよ」

そう言うと『門倉』は『ミルクコーヒー』を頼んだ。
『ミルクたっぷり』と念を押す『門倉』に、
ツインテールの店員は無表情で頷く。

  ……… ……… ……… ……… ………

  「さて」

『門倉』は傍らのビジネスバッグから『メモ帳』とペンを取り出し、
三人に配る。それぞれ『門倉不動産』と印字されている。
そして、テーブル中央、皆が見える場所に『タブレットPC』を置いた。
更に取り出したのは数本の『割り箸』。一体何をする気なのだろうか。

「さっきも言ったけど、『女児』の話をしていきたい。
 ただ、折角だから『彼女について』、皆に考えてもらいたいんだ」

11八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/05/30(土) 23:49:02
>>10

「ホントですか?」 パァ・・・

 っと、うっかり素で喜んでしまった…
 だって、奢りですよ?
 こういうところで遠慮するような慎ましい女じゃあないですよ、私は。

 とりあえず、スマホを開いて……

  「じゃあ
       『ベンティアドショットヘーゼルナッツ
         バニラアーモンドキャラメルエキストラホイップ
           キャラメルソースモカソースランバチップ
             チョコレートクリームフラペチーノ』 ……
                               お願いします」

 一番多いトッピングを検索しました。
 いっぺん食べてみたかったんですよねぇ、コレ。


 …おや、『メモ帳』とペン。
 一応自前のものがあるのですが… 一応受け取っておきましょう。


  「……話はいいですけど。これで、何をしろと?」

 そのままたずねます。

12タタラ『インスタント・カルマ』:2015/05/30(土) 23:52:19
>>10

「ああ、ごめんなさい。
 挨拶が遅れましたわ。……こんにちは。お久しぶりですワ。」

微笑む。

「注文は……とりあえずこの100%葡萄ジュースと……
                ……そうね、とりあえずそれだけで。」

食べながら話すのはよくない。
話しメインの集まりなら食べ物はとりあえず遠慮しておく。

                 ……ここに来る前にバイキングで食べてきたし。

「それもそうですワね。
 じゃあ、それはまた今度として――」

机の上に置かれたタブレット、そして、割り箸を見る。

「それは?」

……くじ引きでもするのだろうか?

(考える――プロフィールとか?
              ……今から説明してくれるのかしら。)

13田所『スワン・キング』:2015/05/31(日) 00:08:14
>>10
「八夜ちゃんとメイドさん、あの時ぶりッス。
 元気してました?」

自分はちょっとした事件に巻き込まれたけど、まあ、それは今度話せばいいか。


「おっ、なんスかこれ」

門倉が出してきたものを見る。
やりたいことの方向性はだいたい察せるけど、これで何をするんだろうか。
囚人のジレンマとかァ?

14『それでも私は針飲まない』:2015/05/31(日) 00:35:25
>>11(八夜)
『八夜』は『門倉』の言葉を受けて呪文のような注文を繰り出す。
それをさらりと復唱するツインテールの店員。手馴れたものだ。

>>12(タタラ)
『タタラ』は葡萄ジュースを注文する。店員はニコヤカに応じる。

>>13(田所)
女子たちに話しかけるのに集中する『田所』。
注文を頼む今のチャンスをふいにするのなら、
『田所』には水しか回ってこないだろう。

  ……… ……… ……… ……… ………

三人の疑問に答えるように『門倉』は話を続ける。

「いや―――簡単な事だ。俺も『女児』については詳しくは知らなくてね。
 彼女のプロフィールについてみんなで考えていこうという話だよ」

『門倉』は割り箸をより分け、三本だけ残す。
そこには『1』『2』『3』と番号が振られていた。
(ちなみに他のものには『王』とか『4』以降の数字が書かれていた)。

「で、せっかくだから簡単なゲーム形式にしようかなと思ってね。
 これから俺が提示した『設定項目』について、各々一つずつ決めてもらう。
 『割り箸』はそのための順番のくじの役割を果たすわけだ。
 数字が小さいほうが早く、好きな『項目』を選び、決定できるというわけだね。

それで、初めに決めてもらいたいのは『女児』の

・『氏名』 ・『体型・服装』 ・『髪型・髪色・瞳の色』 の三点となる。

                   さあ、とりあえずは『くじ』をひいてくれ」

【設定決めルールまとめ】
 1.まず次レスにて各々『くじ』を引くロールを行う。
 2.その際の時間下一桁の大きいほうがくじの順番が早い者となる。
   同じ場合はレスの早い者が順番の早い者となる。
 3.次にGMのロールが入った後、レスの順番が早い者が、
   門倉が提示した三点の設定の好きなものを一つ選び、提示する。
 4.それを全員が繰り返し、一巡が終わる。

※つまり、次レスはくじをひくロールをお願いしたい。

15八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/05/31(日) 00:40:16
>>14

「ふぅむ?」

 なるほど。
 『みんなで考える』ってそういうことですか。
 これ、学童用のレクリエーションとかでやっても人気でそうですね。

 とりあえず、目に付いたクジを一つ引きましょう。

16タタラ『インスタント・カルマ』:2015/05/31(日) 00:41:53
>>14

            (予想通りだったわ。)

くじ、ってことだけだが。
さておき。

「わかりましたワ。面白そうだし、やってみましょう。
                     それじゃ――これを。」

くじを一本、引いた。
なかなか楽しい遊びになりそうだ……

17田所『スワン・キング』:2015/05/31(日) 00:48:15
>>14
田所は既にアイスティーを頼んでいるッ!!(>>7本文)


「(王様ゲームの残りかよ……)」

言われたとおりくじを引く。
うーん、なんか思ったよりもおもしろいことにはならなさそうだぞ……。

18『それでも私は針飲まない』:2015/05/31(日) 00:53:30
>>15-17
「なるほど」

『八夜』が一番、『田所』が二番、『タタラ』が三番を引いた。

「では、その順番で好きな『項目』を選んで、答えてほしい」

>田所
『田所』は『アイスティー』をすでに頼んでいた!
女子に集中して見落としていたのは『門倉』の方だったッ(すみません)!

19八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/05/31(日) 01:11:53
>>18

「では、『体型・服装』を」

 『名前』も捨てがたいですけど…

 そういう美味しいのは、後回しにしましょう。
 まずは、無難なものからいきます。


「エピソードを聞くに…
 女の子は、かなり『食い意地の張った子』という印象を受けました。
 約束を平気で破るあたり、『かなり甘やかされて育った』のでは…?」

「あくまで私の予測は、ですが。
 というわけで……

     『体型』…マトリョーシカのような寸胴。ZUNGURI-MUKKURI。
     『服装』…お姫様コーデ。どギツイピンクのフリルつきワンピースとリボン。


  こんな感じで、どうでしょう?」


 二番目、三番目になったお二方に、それぞれ振ります。

20田所『スワン・キング』:2015/05/31(日) 01:19:43
>>18 >>19

「うっわ……八夜ちゃんけっこうエグいッスねェー……」

かなりキツいなこの想定……。
うーむ、その想定に合ったもの……か。

「じゃあ、俺『髪型・髪色・瞳の色』いいッスかァー?ハイ」

「約束を破りがちで、甘やかされて育って、ってなるとォー……そうだな……」

「こういう感じスかね?

   『髪型』:腰くらいのロング
   『髪色』:黒色でちょっと脂っぽい
   『瞳色』:チワワみたいなつぶらな瞳で茶色

         っていう……あー、なんかこう陰口言ってるみたいで申し訳なくなってきたぞ」

次は三番目だ。俺ネーミングセンスないからな……メイドさんなら大丈夫だろ……。

21タタラ『インスタント・カルマ』:2015/05/31(日) 01:44:12
>>18-20

「では、私は名前――ということになりますワね。」

                   (これは大役ですワ。
                    くだらない名前は罪……)

顎に手を当てる。
……そう、名前とはとても重要なのだ。


(名は体を表す――)


「名前は……そうですワね。
     約束を破ること、あと太ってること、あとは親の甘やかしを込めて……」


                             「 『大鶴 甘乃』 」

タタラは満足そうにうなずいた。
これで最初の一巡は終わったことになる……

22『それでも私は針飲まない』:2015/05/31(日) 01:51:02
>>19-21
「ふむ」

『門倉』は三人が述べた設定を『タブレットPC』にまとめる。

★氏名―大鶴 甘乃
★体型―マトリョーシカのような寸胴。ZUNGURI-MUKKURI。
★服装―お姫様コーデ。どギツイピンクのフリルつきワンピースとリボン。
★髪型―腰くらいのロング ★髪の色―黒色でちょっと脂っぽい
★瞳の色―チワワみたいなつぶらな瞳で茶色

「………なるほど。なかなか面白い娘になったんじゃあないかな。
 では次の設定に行ってみようか。

 ・性格 ・口調(です、ます、その他、特徴的な語尾など) ・口癖 だ。

                 とりあえず、再度、くじを引いてもらうよ」

『門倉』がくじを再セッティングした。

>タタラ
ちなみに『名前』はどう読むのだろうか。

23田所『スワン・キング』:2015/05/31(日) 02:01:01
>>22
「口調と口癖……難しそうだなァ〜〜」

特に迷うことはない、くじを引く。

24タタラ『インスタント・カルマ』:2015/05/31(日) 02:02:37
>>22

組まれていく設定。こうして一人のキャラクターが生まれていくのだ。
もしかすると、自分も――?

              (なんてね。)

さて、次は二巡目。
設定はより深いところへと入っていく。

「それじゃあ……これ。」

引いた。
ちなみに読み方は『おおづる あまの』だ。

25八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/05/31(日) 02:03:46
>>22

「性格、口調、口癖」

 復唱して確認しつつ、くじを引きます。

26『それでも私は針飲まない』:2015/05/31(日) 02:06:08
>>23-25
「ふむ」

今度はタタラが一番、八夜が二番、田所が三番を引く。

「では、今度はタタラさんからお願いするよ」

27タタラ『インスタント・カルマ』:2015/05/31(日) 02:12:37
>>26

「『禍福は糾える縄の如し』――ですワね。」

受け売りだが、実感した。
まあ、さておき。

「それじゃあ失礼して、私は口調を選ばせてもらいますワ。
          ……『ぶりっこ』っぽい口調でどう?」

             「ナニナニだもぉん(はぁと)……とか。ナニナニだしぃ〜(はぁと)みたいな。」

残るは二つ、性格と、口癖だ。
性格などはもう、ほんとに根幹だが……どうなるやら。

28八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/05/31(日) 02:19:19
>>26

「ふぅむ。では、私は『性格』を」

 エピソードから、ある程度予測できそうなものですからね。

 何度でも懲りずに約束を破る…
 結構気ままな性格のように思えます。

「『性格』は… 『マイペース』。
 加えて、口調を鑑みるなら『面倒くさがり』な一面もありそうです」

「さ、田所さん。残っているのは『口癖』のようですよ」

29田所『スワン・キング』:2015/05/31(日) 02:27:53
>>26

「……なんツーか、あれッスね。
 女子二人とも、けっこう容赦ないっていうか……」

いやまあ、そんなもんだということはわかっている。わかってはいるが、
わかっていてもな……怖いな……。
まあまあええわ。

「『口癖』、うーん……『口癖』か。ちょっと悩みますわ」

アイスティーをゆったりと飲みながら、思案を巡らせる。

めんどくさがりでマイペース。
ぶりっ子口調で甘やかされて育った、貫禄あるお姫様コーデの女の子。
そして、よく約束を破ってはお母さんに怒られて、それでもやめることはできない……
これやっぱ母親もそれなりにアレなんじゃないスか?

「ん、よし。こんなのってどうスかね」

アイスティーから口を離して、思いついたものを提案する。

「女の子自身はだれからの約束も平気で破って、しかもそれをストレスには感じてなかった。
 となると、『罪悪感』だとか『責任感』だとか、そういうものを他人にブン投げてたんじゃないですかね」

      「ってことで、
       『口癖』:「わたしは悪くない」
                         とかで、どうスかね」

ぶりっ子口調で『わたしわるくないもぉ〜〜〜ん』とか『わたしわるくないしぃ〜〜〜』とか言われたらそりゃキレますわな。
心優しい俺でも、こんなん「誰に向かって口利いとんのや黙れやサルゥ!サルゥ!」って言いたくなるぜぇ〜〜。

30『それでも私は針飲まない』:2015/05/31(日) 02:45:02
>>27
「………少しずつ固まってきたかな」

★氏名―大鶴 甘乃(おおづる あまの)
★体型―マトリョーシカのような寸胴。ZUNGURI-MUKKURI。
★服装―お姫様コーデ。どギツイピンクのフリルつきワンピースとリボン。
★髪型―腰くらいのロング ★髪の色―黒色でちょっと脂っぽい
★瞳の色―チワワみたいなつぶらな瞳で茶色
★性格―マイペースで面倒くさがり
★口調―ぶりっこ口調(だもぉん(はぁと)、とか、ナニナニだしぃ〜(はぁと)とか)
★口癖―私は悪くない

「なんだか、酷い目に遭ってもしょうがないような娘に思えてきたな。
 これが―――『リアリティ』か」

 ―――まあ、続けよう。次は、

・部活、趣味、特技  ・年齢・血液型・星座・普段から持ち歩いているもの ・何故、嘘をつき続けるのか?

 年齢は『小学生低学年』だから、まあそのあたりで決めてほしい」

そう言うと、『門倉』はくじを三人に示す。

31タタラ『インスタント・カルマ』:2015/05/31(日) 02:57:25
>>30

「実際、悪いことはしてるわけですもの。
 罰それ自体は、あってしかるべき――ですワ。」

もっとも、食事に針を混ぜるのが適切な罰か?
……そこには強い疑問が残る。

            ――ともかく。

「じゃあ、これを。」

くじを、引いた。
3,1と来たから次は2になるのでは……?

          (……マア、どれでもいいけれど。
             こういう感じなら、食べ物も頼んでよかったかしら。)

まあそれは後で気を見て……だ。

32八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/05/31(日) 19:52:55
>>31

「おっと、少し核心が見え始めましたかね?」

 『なぜウソをつき続けるのか』。
 面白そうなテーマが出てきた。くじを引く。

33田所『スワン・キング』:2015/05/31(日) 19:59:13
>>30
「小学校の部活って何がありましたっけ……」

いまいち思い出せないが、とりあえずくじをひこう。
何故嘘をつき続けるのかを考えるのは大変そうだなァ〜〜。

34『それでも私は針飲まない』:2015/05/31(日) 20:29:52
>>31-33
「よし、全員引けたね。それじゃあ、その順で行こう」

くじを引いた順どおり、タタラが1番、八夜が2番、田所が3番を引いた。
この順で『選択』し、『決定』していく事となる。

「このへんはしっかり決めた方がいいかもしれないね」

35タタラ『インスタント・カルマ』:2015/05/31(日) 21:31:58
>>34

「そうですワね。
 リアリティに関わってきそうなところですもの。私が選ぶのは……」

         「部活、趣味、特技」

                  「に、しておきますワ。」

部活――はともかく、趣味特技は重要なところだ。
いや、部活も重要なのか?

まあ、それはさておき――

「とりあえず、部活は奇をてらわず……『手芸』あたりでいかがかしら。
           ……スポーツをするタイプには思えませんもの。」

「シュミは――」

少し考え込む。やはり活動的趣味では無かろう。
かといって、あまりにも内向的すぎる設定も『悪趣味』な気がする。

「……趣味は、そうね。かわいいシール集め。
 お菓子とかについてるのを集めて、いろんなところに貼ること。」

無難だ、と自分でも思う。

「特技は――そうですワね。
 ウソが上手なんて、それっぽいんじゃあないかしら。」

とりあえず、こんなところ……だろうか。
次は八夜の番だ。さて、どうなるやら。

36八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/05/31(日) 22:11:50
>>34

「じゃあ、私は『なぜウソをつき続けるのか』」
「これを頂きますよ… 一番面白そうですから」

 まあ『約束を破る』が正しいような気がしますけど。

 ところで、ベンティアド(略 はまだですかね?
 やっぱりたくさんトッピングすると、厨房も大変なんでしょうか。ウケルー。


「ズバリ… 無意識のうちに、『ウソをつく(約束を破る)ことが気持ちよくなってしまった』から。
 『やったらダメ』って言われていることほど、人は惹かれてしまうといいますし?」
                                                   トクイゲッ

 ダメって言ってるのにリンゴ食ったり、
 『振り向くな』って言ってるのに気になって振り向いたり、
 本命の奥さんがいるのに浮気の恋に燃えたりするんですよ。

37田所『スワン・キング』:2015/05/31(日) 22:41:21
>>34
「ふむ……残ったのは『・年齢・血液型・星座・普段から持ち歩いているもの』ッスか」

血液型診断とか星座診断とか、特に信じちゃいない。ので、その辺は適当でいいや。
普段から持ち歩いてるものっていうのがなかなか難しいな。

「えーと、とりあえず、

   『年齢』:8歳
   『血液型』:B型
   『星座』:ふたご座

              ってかんじですかね……」

「で、『普段持ち歩いてるもの』、なんスけど。
 俺ェ、ほら、そういう女の子と関わりないし、小さい時ならあったかもしれないスけど、もう忘れちゃってるし。
 『リアリティ』っていうのには程遠いかもしれないんスけど」

  「『普段持ち歩いているもの』:『マイスプーン』
                               ……って、どう?」

「マイペースの奴って、なんかだいたい一つは自分専用がないと嫌がるんですよ。
 甘いものが好きらしいし、『スプーン』を自分専用にしてそうだなって。や、思いつきですけど」

38『それでも私は針飲まない』:2015/05/31(日) 22:58:01
>>35-37(ALL)
『門倉』は深く頷きながら、三人の述べた情報を『タブレットPC』に入力していく。

★氏名―大鶴 甘乃(おおづる あまの)
★年齢―8歳 ★血液型―B型 ★星座―ふたご座
★部活―手芸部 ★特技――ウソが上手
★趣味―かわいいシール集め(お菓子とかについてるのを集めて、いろんなところに貼る)
★体型―マトリョーシカのような寸胴。ZUNGURI-MUKKURI。
★服装―お姫様コーデ。どギツイピンクのフリルつきワンピースとリボン。
★髪型―腰くらいのロング ★髪の色―黒色でちょっと脂っぽい
★瞳の色―チワワみたいなつぶらな瞳で茶色
★性格―マイペースで面倒くさがり
★口調―ぶりっこ口調(だもぉん(はぁと)、とか、ナニナニだしぃ〜(はぁと)とか)
★口癖―私は悪くない ★普段持ち歩いているもの―マイスプーン

【備考】
生来のウソつき。ウソをつく(約束を破る)ことが気持ちいい。

「これは―――なんというか
 ほんの数刺しで死んでしまいそうなスイートな『設定』になってきたね。

まあいい。すまないが、もう少しだけ付き合ってもらおうかな。

次はくじは引かなくていい。
いわゆる『好きなもの』『嫌いなもの』を各自、一つずつ挙げてもらおう。

『色』『食べ物』『漫画』『映画』………なんでもいいから
好きなものと嫌いなもの、それぞれ一つずつ。

                     思いついた人からで大丈夫だよ」

39タタラ『インスタント・カルマ』:2015/05/31(日) 23:21:40
>>38

「やっぱりマイスプーンもシールでベタベタなのかしら。
 それで、ええと――好きと、嫌い。 そうですワねえ……」

「好きな食べ物は『ハンバーグ』。
 嫌いな食べ物は……そうね、『ゴボウ』ですワ。」

ここは、話にちなませてみよう。
そういえば注文はまだ来ないのだろうか。まー急かすのもなんだが……

40田所『スワン・キング』:2015/05/31(日) 23:24:26
>>38
「好きなものと嫌いなもの……かー」

食べ物は簡単そうだ。
色とかも、まあ想像できる。
映画は、これもうわかんねえな。八夜ちゃんとメイドさんに任せよう。
漫画……読むのかァ?

    「『好きな色』:ピンクと黄色
     『嫌いな色』:黒と灰色   、ってかんじですかね」

ピンク色黄色は女の子が好みやすい色。
嫌いな色については、暗い感じの色は嫌いそうだな、というイメージからだ。

41八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/05/31(日) 23:49:13
>>38

「好きなものと嫌いなもの…」

 何でも良い、ということは…
 この項目に無いものでも良い、ということですよね。

 …もし違ったら、挙げ直しますけど。


「その時分で、漫画ってそんなにたくさん読むでしょうか?
 どちらかというと、『アニメ』や『絵本』の方が、それっぽいと思うんですよ」 トクイゲッ

「なので…

   『好きなお話』…まんじゅうこわい。
   『嫌いなお話』…舌切り雀。

                        どうです、それっぽくないですか?」

 ちょっと個人プレー走りましたけど。
 まっ、これくらいなら許してもらえる… もらえますよね? たぶん。

42『それでも私は針飲まない』:2015/06/01(月) 00:07:31
>>39-41(ALL)
「お待たせしましたー」

先んじて運ばれていた『田所』のアイスティー以外の注文が運ばれてきた。
『門倉』のミルク入りコーヒー、『タタラ』の葡萄ジュース、
『八夜』の『ベンティアショット……モカ?……チョコレート……?』

  ………とにかく、『注文したもの』だ。それらが各々に運ばれた。

★氏名―大鶴 甘乃(おおづる あまの)
★年齢―8歳 ★血液型―B型 ★星座―ふたご座
★部活―手芸部 ★特技――ウソが上手
★趣味―かわいいシール集め(お菓子とかについてるのを集めて、いろんなところに貼る)
★好きな食べ物―ハンバーグ ★嫌いな食べ物―ゴボウ
★好きな色―ピンクと黄色 ★嫌いな色―黒と灰色
★好きなお話…まんじゅうこわい ★嫌いなお話…舌切り雀。
★体型―マトリョーシカのような寸胴。ZUNGURI-MUKKURI。
★服装―お姫様コーデ。どギツイピンクのフリルつきワンピースとリボン。
★髪型―腰くらいのロング ★髪の色―黒色でちょっと脂っぽい
★瞳の色―チワワみたいなつぶらな瞳で茶色
★性格―マイペースで面倒くさがり
★口調―ぶりっこ口調(だもぉん(はぁと)、とか、ナニナニだしぃ〜(はぁと)とか)
★口癖―私は悪くない ★普段持ち歩いているもの―マイスプーン

【備考】
生来のウソつき。ウソをつく(約束を破る)ことが気持ちいい。

「さて―――長々とやってきたけど、最後の『設定決め』に入ろう。
最後はそれぞれ『フリー』。つまり何でも好きな『設定』を一つ、決めてほしい。
壮絶な過去でも、譲れないものでも、逆に些細なフェチでもなんでもいい。

         これも、くじは使わない。思いついた人から教えて欲しい」

43タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/01(月) 01:33:47
>>42

「そう、フリー……」

                (……そう言われてもなかなか出てこないわね。
                 フェチ? 過去? ……譲れないものも、難しいわ。)


ウェイトレスに小さく頭を下げる。
その後、ぶどうジュースでゆっくりと口を潤す……

「じゃあ、そうですワね。
 ごくごく些細なことだけれど――」

「……この子は『譲れないこと』がある。
 とはいえ、これっぽっちも重要なことではなくて――」

そこで再び思考する。
先にテーマを決めて、自分を追い込むのだ……

「……そう、そうですワ。
 マイペースな彼女の譲れないことは――『食べる順番』。」

「誰がどういっても、彼女は『美味しいもの』を最初に全部食べようとする。
 自分なりのルールがあるみたいで、親も先生もそれを止められない……というのは。」

些細なことだが、この少女のわがままさというか……性質は出ているのでは?
まあ、フリーと言われた以上、どんなものでも文句とかは言われないだろうけども。

44田所『スワン・キング』:2015/06/01(月) 22:04:33
>>42
「最後はフリーッスか……そうだなぁ」

『嘘をつくこと』についてもっとリアリティを高めたい気もする。
嘘つきならでは、っていうようなこだわりを……。

「あ、思いつきました」

メイドさんの次に、ティンとネタを思いつく。
当然のことかもしれないが、けっこう重要だと思ったのだ。

「その子が『嘘』をつく時、絶対にこのルールだけは守ってるってことで。

   『知ってることについてしか嘘をつかない』

 知ってることを聞かれたら嘘をつくけど、知らないものについて聞かれたら嘘をつかないんです」

知ったかぶりはしないってことだ。

「なんでかっつーとッスね、まず彼女は嘘をつくこと、約束を破ることが好きじゃないですか。
 それで、メイドさんの言うように、『美味しいものを最初に食べようとする主義』で。
 そんな彼女が知らないものを知ってるふうに嘘をついたところで、『嘘をついた実感』は沸かないと思うんですよ」

  「『実感』っていうのが大事なんです。
   だって、嘘をつくのが気持ちいいのに、知ったかぶったものが真実だったら嫌じゃないですかね?
   だから嘘をつくときは知ってるものだけに限定するんスよ」

知ってるものに対して知らないって嘘もつくだろうけど、それは自分の認知するところじゃないし。

45八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/01(月) 22:34:26
>>43-44

「むっ、面白そうなのを思いつきますね…」

 感想ひとこと。
 いやでもコレ、結構ハードル高いですよ。
 報道部として、お二方に負けないような面白い『設定』をでっち上げたいところですが…


>>42

「では、私は無難に『過去』を」

 最後に切り出しつつ、ベンティなんとかをパクり。
 うーん、甘い。以上。
 正直味の違いは分かりませんが、人のお金で食べると美味しいですよね。


「そうですね…… 『彼女のお腹には、大きな手術痕がある』、なんてどうです?」

「それだけ食い意地があるなら、小さい頃に何かを誤飲してしまったり…
 食べ過ぎで消化器系がたいへんなことになったり… 
 あるいは、お母さんが例によって何か仕込んだり? ま、そこまでは決めないでおきますけど」

「大手術の経験。これが、彼女の持つ壮絶な過去、ってことで」

46『それでも私は針飲まない』:2015/06/02(火) 00:33:53
>>43-45(ALL)

「よし――― これで、完成だ」

『門倉』はそう宣言すると、ミルクたっぷりのコーヒーを一気に飲む。

 ……… ……… ……… ……… ……… ……… ………

★氏名―大鶴 甘乃(おおづる あまの)
★年齢―8歳 ★血液型―B型 ★星座―ふたご座
★部活―手芸部 ★特技――ウソが上手
★趣味―かわいいシール集め(お菓子とかについてるのを集めて、いろんなところに貼る)
★好きな食べ物―ハンバーグ ★嫌いな食べ物―ゴボウ
★好きな色―ピンクと黄色 ★嫌いな色―黒と灰色
★好きなお話…まんじゅうこわい ★嫌いなお話…舌切り雀。
★体型―マトリョーシカのような寸胴。ZUNGURI-MUKKURI。
★服装―お姫様コーデ。どギツイピンクのフリルつきワンピースとリボン。
★髪型―腰くらいのロング ★髪の色―黒色でちょっと脂っぽい
★瞳の色―チワワみたいなつぶらな瞳で茶色
★性格―マイペースで面倒くさがり
★口調―ぶりっこ口調(だもぉん(はぁと)、とか、ナニナニだしぃ〜(はぁと)とか)
★口癖―私は悪くない ★普段持ち歩いているもの―マイスプーン

【備考】
生来のウソつき。ウソをつく(約束を破る)ことが気持ちいい。

彼女には二つのこだわりがある。
一つは、『食べる順番』で誰がどういっても『美味しいもの』を最初に全部食べようとする事。
もう一つは『知ってることについてしかウソをつかない』という事。
これは知らないものを知ってるふうにウソをついたところで、『ウソをついた実感』が沸かない為だ。

『彼女のお腹には、大きな手術痕がある』が………詳細は不明。

 ………  ……… ……… ……… ……… ……… ……… ………

「これでようやくスタートラインに立てる。

 つまりは、『例の話の再開』だ。
  この『甘乃ちゃん』が『母親』に対しどう対応していくのか。
   その命運を握るのは、君たち次第というわけだね。

                    それじゃあ、『話』を続けていくよ―――」

47『それでも私は針飲まない』:2015/06/02(火) 00:37:24
(序章:>>5

       <それでも私は針飲まない 〜その1〜>

   「警告を無視して、

              ―――千回目。
                         ―――千回目よ。

     ちいさい頃、歌って言い聞かせてあげたでしょう?
        その意味、あなたには理解出来なかった?

                                ママは、とっても残念」

ここは、リビング、傍らにはカウンターつきのキッチンも存在する。
その場には『甘乃』と『母親』の二人きり。
 大きな『食卓テーブル』を挟んで『甘乃』と『母親』は対峙している。

「うう…… なにこれェ……!
 わるくない…… わたしはわるくないのにぃ〜〜」

『甘乃』の口中に鉄くさい血の味が広がる。
(こんな味、ぜんぜんオイシくない! こんなの味わってなんかいたくないッ!)

そして、『甘乃』は彼女の口中にいきなり現れたものの正体を確認する。
それは―――『針』だった。

       (な、なんでェ〜〜!?)
        (なんでこんなものぉ!)

混乱する『甘乃』が鬼気迫る『母親』に向けて思わずかざしたのは、
『甘乃』がいつも持っているもの、つまり………

       シャキインッ
                マイスプーンだ!

「そんなもの出して………お代わりでもほしいって事?
 あなたっていつもそう。七人姉妹の真ん中だけど、
   唯一そんなにプクプクで、唯一そんなにウソばかり。
    もしかしたら、あなただけ病院で取り違えてしまったのかしら?」

慌てふためく『甘乃』に、『母親』が『テーブル』を回り込み、ゆっくりと近付いてくる。
幸い、というべきか、『甘乃』のすぐ後ろには『廊下』へと続く『ドア』がある。
この位置関係ならば、いくらズンドウ体型、ドタバタ女子の『甘乃』だろうが、
追いつかれずに『ドア』から抜け出す事が出来るだろう。

しかし、そこからどうする? 『玄関』に向かって逃亡するべきなのか?
それともほとぼりが冷めるまで二階の自室にカギをかけて籠城するか?
あるいは今、ここで謝って許してもらうという方法もある。

いや、他にも色々考えられるかもしれない。『甘乃』には無数の選択肢があるだろう。


【参考情報】
・『甘乃』の家は二階建て。
・一階にはリビング&キッチン、浴室&洗面台、トイレ、書斎、長女の部屋、次女の部屋が存在する。
・二階には三女、四女(甘乃)、五女・六女・七女の部屋(幼すぎる為、実質使用していない。名目だけ)、トイレが存在する。
・『母親』は眼鏡をかけた細身の女性。後ろで髪を束ねている。
・今日は日曜日。『甘乃』の他の六人の姉妹も家に居るだろう。
・庭には『ドーベルマン』が三頭飼われている。いずれも『母親』に懐いている。
・あえて曖昧な部分が多いが、ある程度は参加者が決めて構わない。
 『門倉』に質問をしてもらっても問題ない。

48『それでも私は針飲まない』:2015/06/02(火) 00:41:29

>>47のような話を『門倉』は自らの口調で話す。そして。

「さて、さて、さて――― ここで、君たちに質問だ。

 これから『甘乃ちゃん』は一体どうしようとしたのか?それを教えてほしい。

 単純な『方針』だけでなく、細かい行動や台詞を示してもらっても構わない。
 何かを確保したのか、ちょっとした小細工をしたとか。

 質問への『返答』はそれぞれ行ってもらってもいいし、統一してもらっても構わない。
 賛同の数が多い方を優先するけど、『返答』が割れたのなら、
 こちらの判断でひとつの『返答』を選ばせてもらおう」

『門倉』はこう言うと、いったん話をやめる。
とりあえず、ここからは他の三人の『会話』の時間という事だろう(詳細は>>49)。

49『それでも私は針飲まない』:2015/06/02(火) 00:45:47
<本編の進行ルール>

【基本】
1.『門倉』が『話』と参加者への『質問』を提示します。
2.その後、参加者は『会話』し、『質問』について『返答』して下さい。
  (『会話』には最終期限がありますので、それまでに『返答』お願いします)。
3.参加者が提示した『返答』を元に『門倉』は再度、『話』と『質問』を提示します。
4.以上、1〜3を繰り返し、『ENDING』まで、話は続きます。

【備考】
・『会話』において必ずしも『返答』を統一させる必要はありません。
 ロールや意見の食い違い等で各々が違う『返答』を提示するのも全く問題ありません。
 メンバーの性格等に基づき、自由気ままにお進め下さい。
・『会話』の順番は決めません。意見交換したい参加者たちが臨機応変にレスしあって下さい。
・複数の『返答』が並んだ場合、『門倉』が恣意的に一つの回答を選びます。
 ただし『返答』に、更に他の方からの『同意』がある場合、その『返答』を優先して選びます。
 (参加者AとBがそれぞれ『返答』を行い、CがBの意見に『同意』した場合、Bの『返答』が採用される)
・期限内に最低一つの『返答』さえあれば、たとえ他の方のレスが0でも話を進めます。
 もしどうしても『返答』や『話し合い』に参加したいが都合が合わない場合は
 『点呼スレ』にて、その旨を書いて下されば、待ちます。

【メール欄の使い方】
・最終的な『返答』をする時はメール欄に『返答』とお書き下さい。
・最終的に誰かの意見に『同意』する場合はメール欄に『○○に同意』とお書き下さい。
・最終的に、『返答』もしないし『同意』もしないが特にこれ以上話す事がないという場合は
 メール欄に『会話終了』とお書き下さい。
・全員が『返答』・『○○に同意』・『会話終了』のいずれかを
 メール欄にて表明した段階で『会話終了』となり、次の話へと進みます。

(※面倒なルールで申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
 ※一回目の最終締め切りは5日(金)23時までとします)

50タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/02(火) 01:25:41
>>49

「……ふゥん。」

タタラは話を聞き終えた。
……さて。

「私なら――じゃなくて、この子らしい回答にするなら。
               ……この場は、『逃げる』と思いますワ。」

……少なくとも謝罪はすまい……上っ面でするかもしれないか?
まあ、『罰を受けること』はしないだろう。

「それで――そうですワね。
 籠城するか、玄関から逃げるか。
 二階から逃げるなんて子じゃないでしょうし。」

「少なくとも……ほとぼりが冷めるなんてことはなさそう。
 だから本当は玄関から逃げたほうがいい気がしますワ。
 ケド、この子が常に最適解で行動するというのも妙ですワね。」

「他の姉妹との関係性はどうなのかしら。
 ……仲良しなら、匿ってもらうとか?
 あんまりこの子に都合がよすぎる状況も考え物だけれど。」

まだ自分の中でも意見はまとまらない。
とりあえず、アウトプットしてみた――くらいで。

51田所『スワン・キング』:2015/06/02(火) 23:27:03
>>49 >>50

「むむむ」

行動方針をこっちで決めるのか。
なんだろな、TRPGみてーになってきたぞ。

「俺も他の姉妹に匿ってもらう、ってのはありそうだと思うんですけど、
 でもこの性格だし、匿ってもらえそうな姉妹はいなさそうじゃないですか。
 『また嘘をついてる』ってことで、部屋に入ることさえさせてもらえないかもしんないじゃないスか」

「だからやっぱ、『逃げる』んじゃないスかね?
 明らかにヤバいでしょこの母親。いくらなんでも異常ッスよ」

自分の今の意見を言い終わって、アイスティーを飲む。

52八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/02(火) 23:59:46
>>48-51

「私としては… 取り出したマイスプーンに意味が欲しいですね」
「まっ、それは今じゃあなくていいんですけど」

 咄嗟に取り出すにしては…
 いささか以上に心許ないですし。
 あるいは、藁をも掴む思いだったのかも?


「ただ… 『逃げる』という方針は賛成です。
 非常にこの子らしいですよね、往生際の悪さというか」

 二人の意見に賛同します。

「それで、どこに逃げるかですが… 私はこう思います。
 『甘やかされて育った彼女は、逃げるにしても人に助けを求める』。
 助けてくれそうなアテがある人がいるなら、その人を頼るんじゃあないかと」

 辛い時、誰かが自分を助けてくれて当たり前――
 そう考えちゃう人って、実は結構多いんですよね。
 特に追い詰められた時とか、『なんで誰も助けてくれないの!?』ってパニくったり。

「たった一人で外に逃げて、自分でなんとかする…とは、考えないと思うんです。この子は」

「つまり、姉妹との関係が良好であろうとなかろうと…
 彼女は姉妹を頼ると思うんですよ、自分本位に考えて」

 けっして、要領の良い子ではなさそうですからね。
 この状況での『最適解』は、外に逃げることだとしても…
 彼女がその方法を好むかは、またちょっと違う話です。

「…ま、姉以外に頼るアテがあるなら、外に逃げ出すこともありそうですが」
「どうします? とりあえず、『逃げる』という方針は満場一致ですが。
 方針だけ提出しますか? それとも、もう少し詳細を詰めます?」


 あ、詳細を詰めるというのは、逃げる方向や意図まで統一するか?という意味です。
 私はあくまで上のように考えましたけど… 客観的にどう見えるかは分からないですし。

53タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/03(水) 00:45:33
>>51-52

               「――同意ですワ。」

これは、八夜に対して。
まあ田所の言う『逃げるに違いない』『性格的に匿ってくれる姉妹はいない』もほぼ同意だが。

「ああ、姉妹に頼ることに同意、ってことですワ。
 私は、そこは姉妹の関係性次第、って考えたけれど……」

「実際、『マイペース』で。
 しかも『悪に無自覚』なこの子なら――きっと姉妹の所へ行く。」

「なぜなら、一番近くにいる庇護者だから。面倒くさがりでもあるんですもの……」

そう言い終えると、葡萄ジュースを一口、口に含んだ。

「まあ、マイスプーンは……咄嗟の抵抗だったとしか考えられませんワね。」

「この即興の物語、全てに意味を求めるのは難しいですワ。」

タタラとしては、これで纏めてもよい。

54田所『スワン・キング』:2015/06/03(水) 00:54:11
>>52-53

「あぁ〜〜〜〜……なるほどねぇ」

『マイペースだから姉妹のところに行く』、というのは頷ける。
確かにそうかもしれない。入れてもらえないとしても、匿ってもらおうとするはずか。

「そうッスね、俺もそう思います。
 マイスプーンはどうなんですかね……『アルティマン』にでもなりたかったんスかね」

お子様向けの、スプーンみたいなの掲げたら巨人に変身するアレだ。
まあ女の子だし、それは十中八九ないだろうが。

「外に頼るアテ、っていうんもイマイチ思いつかないし。
 これでいいと思いますよ、姉妹のところに逃げるってことで。
 『わたしわるくないしィィ〜〜〜』っつってね」

55『それでも私は針飲まない』:2015/06/03(水) 01:09:26
>>52-54(ALL)
確認。
>>52の『八夜』のレスを『返答』として、『タタラ』はそれに『同意』という事でOK?
(『田所』はメル欄で宣言しているので了解)。

56タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/03(水) 01:14:35
>>55
私はそれで構いませんワ。
ちなみに――八夜嬢のレス内容への補足として、マイペースさとか、めんどくさがり。
そういう設定面を挙げたけれど……それも話の内容に考慮されるのかしら?

(同意レス内での、同意先への補足などは、返答の内容として考慮されますか?)

57八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/03(水) 01:20:04
>>53-54

「ありがとうございます」 ニッコリ

 同意を得られたようで、何より。
 ちょっとばかり鼻が高いですよ、これは。

「では、私の『返答』は以下の通りに」


   ・『甘乃ちゃん』は、姉妹に助けを求めた。


「どの姉妹に助けを求めるかは… まあ、『彼女』自身に任せましょう」
「それによって、階段を上るかどうかは変わってしまいますが…」

 まるで、本当に実在する人物かのように感じてきましたね。

 彼女とそれぞれ姉妹の関係性を私たちは知りませんからね。

 一番仲の良い相手の元へいくのかもしれません。
 あるいは、とりあえず近い部屋に逃げ込むかも?
 いやいや、頼りになるという理由で『長女』を選ぶ可能性だってありますね。

58『それでも私は針飲まない』:2015/06/03(水) 01:29:50
>>56(タタラ)
『○○に同意』の場合は、基本的には『同意の内容』を100%支持する形となる
(=基本的には自分の意見は反映されない)為、
もし具体的な追加点などがある『返答』をしたい場合は、自らで『返答』をした方が確実です。

ただ、今回のように『返答内容』を『補強』するような意見は、
GMレスに反映される可能性が十分に考えられます。

>>57(八夜)
了解です。

  ……… ……… ……… ……… ………

>ALL

「「八夜さん』の意見に皆、同意のようだね。

 そう、そして―――

  確かに『甘乃ちゃん』は、その意見のとおり、『姉妹』に助けを求めたんだ」

      三人の意見を受け、『門倉』は話を続ける―――


                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

59『それでも私は針飲まない』:2015/06/03(水) 22:01:47
(序章:>>5 その1:>>47

       <それでも私は針飲まない 〜その2〜>

                      ―――がちゃッ!

    ドタバタ
              ドタバタ

『甘乃』は慌てながらも、後ろ手でドアを開き、
『リビング&キッチン』を出て、『廊下』へと飛び出す!

          「………」

目を細め、それを見送る『母親』。
『甘乃』を急いで捕まえようといった様子はない。
これ以上、『甘乃』を害するつもりはないのか、それとも―――

  ……… ……… ……… ……… ………

『甘乃』がリビングを後にすると『家』の中央に鎮座する『廊下』に出る。

         階段↑
           ∥
    トイレ=│   │=次女
         │ ろ│
 風呂・洗面=│.う │=長女
          │か │
     書斎=│..  │=リビング
           ∥
         玄関

   「ど、ど、どうしよぉう〜〜〜」

忙しなくあたりをキョロキョロと見回す『甘乃』。

『母親』はいつも以上に怒っているようだ。
それに『口』から出てきた『針』………
『ハンバーグ』を食べる寸前までは
確かになかったのに、どうしてあんなものが………

『マイペース』な『甘乃』もさすがに
今が『異常事態』だというのに薄々気付き始めていた。

      「………よぉし」

少しの間悩んだ後、『甘乃』は二階へと走り出した。

まず、『甘乃』の頭の中で『誰かに助けてもらう』事は早々に決まっていた。
それが誰か? といえば今現在、家中に居る『七人姉妹』の中の誰かだろう。
とはいえ、妹たちに助けを求めるのはさすがに情けないし、
そもそも彼女たちがなんとか出来るとは思えない。
そうなると、『甘乃』より上の三人、長女・次女・三女の誰かとなるのだが………。

「凛香(りんか)ちゃんと、正子(まさこ)ちゃんはなんだかこわいからなぁ〜〜」

『長女』の凛香(16)と、『次女』の正子(13)。

彼女たちの部屋は一階にあるので、
助けを求めやすいといった利点はあるのだが………

いかんせん二人とも名前が表すとおりの性格で、
『凛』とした凛香と、『正』しい事が好きな正子は、
事あるごとに四女である甘々の『甘乃』を厳しく叱ってきた。

当の『甘乃』はけして自分の非を認めず、
『私はわるくない』と思い続けてきたが、さすがに彼女たちに苦手意識はあった。
そりゃあいざとなれば助けてくれる、と楽観視はしているが、
わざわざ直行する必要もないだろう。

                               そうなると―――

60『それでも私は針飲まない』:2015/06/03(水) 22:04:41

  バタバタ
         「はふ はふ はふぅ」

                     バタバタ
                            「はふぅー―ー―ッ」


というわけで、『甘乃』は階段を昇り、三女の『純菜(じゅな)』のところへ向かう。

部活も趣味もNO運動系、体型からも察せられるとおり、『甘乃』は運動が大の苦手である。
動きにくい服装な事もあり、汗と涙と足音と妙な息切れ声を放ちながら、
『甘乃』は二階へと進む事となる。

(んもゥ! 神サマはなんでわたしを運動ぎらいにしちゃったかなァ〜〜………
                         ホントにイヤになっちゃう!)

運動不足をけして自分のせいにはせずに、
神サマまで持ち出すのがこの女児、『大鶴甘乃』だ。


      ドンドンッ
                   ドンドンッ


      「ん! 何かな―――ッ!
                       あッ! 『甘乃』ちゃん!」

 『甘乃』が三女の『純菜』(11)をノックするとすぐに当人が出てきた。
 何かを告げる余力もなく、とりあえず『甘乃』はそのまま『純菜』の部屋に飛び込んだ。

「どーしたのー そんな溶けかけのアイスみたいな汗かいちゃってェ」

 屈託なく『純菜』は笑う。ショートカットの活発そうな少女。
 彼女は名の『純』の文字が示すとおり『純真』で、裏表なく素直に『甘乃』に接してくれている。
 『甘乃』がウソをつけば当然その場では怒るが、それを引きずる事はない。
 家族の中で『甘乃』が一番頼りにしている人物でもあった。

「あの……ねェ… ハフ ママが……ハフッハフッ
  いきなり…ハフッ…… 針を…のませて…ハフ」

『甘乃』はすぐに『純菜』に階下で起こった事を伝えようとする。
しかし、息がまるで整わない為、断片だけの不明瞭な伝達となってしまう。

「ママがー? 針ィー?
 なになに!? どういうことよ――!?」

案の定、『純菜』は怪訝そうな顔で『甘乃』を見やる。

ここで『甘乃』は思い出す。『純菜』と『母親』との仲は良好だ。
そして、『甘乃』に起こった事は『事実』ではあるが、
普通に考えて、どうにも奇妙な『事件』ではある。
素直に話して信じてもらえるかは大変怪しい。
(例の『針』はいつのまにか無くなってしまった)。

しかし、あるいはこういう時だからこそ、素直に訴え続ける事が重要なのかもしれない。
『純菜』は純真な性格、『甘乃』が真摯に対応すれば、
それに感化される可能性がないわけではないのだ。

もちろん、『正解』などないのだから、会話を即刻止めて、
他の事をする事も考えられる。『甘乃』には無数の選択肢があるだろう。

61『それでも私は針飲まない』:2015/06/03(水) 22:07:35
ここまで(>>58-59)を話すと『門倉』は話を中断する。

「さて――― 三女の部屋に転がり込んだ『甘乃ちゃん』だったが、
 これからどういった行動に出るのだろうか? 考えて欲しい。

 やり方はさっきと同様。考えるのは、大まかな指針だけでもいいけど、
 具体的な三女への『会話の内容』や細かい動き、
 今後の方針なんかも織り交ぜてもらえれば
 君たちの意見はより反映しやすくなる。
 必要ならば、三女についてや部屋にあるものにも言及してもらっても構わない。


                  それじゃあ、お願いするよ」


ここまで宣言すると、『門倉』は三人の顔を順々に見やり、自らの口を閉じた。

 (※二回目の最終締め切りも5日(金)23時までとします)

62タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/03(水) 22:16:50
>>58-61

          ――話を聞き終えた。

「フーム……」

タタラは少し思案した。
それから……

           ゴクゴク

葡萄ジュースを飲み乾した。


「ええと……そうですワね。
 ここはウソで匿ってもらおうとするんじゃないかしら。」

「本当のことを言うのが最善手……だとは思うけれど。
 けど、この子はウソをつくのが得意なわけだし。
 ……問題は、果たしてどんな嘘をつくか、だけれど。」

「もっとも――状況が状況。
 本当のことを言ってもおかしくはないと思いますワ。」

やはり内容はまとまっていない。
アウトプットするのが目的だ。

63田所『スワン・キング』:2015/06/03(水) 22:51:51
>>61 >>62

そうか、なるほど。ここで嘘つきの設定が活きてくるわけだ。
『異常な状態の母親のことを伝えて助けを求めるか』?
『母親にチクられないようにてきとうなウソで凌ごうとするか』?

「この『純菜』ちゃん……っつー女の子が、本当に純真な性格だって仮定して、
 『甘乃』が本心から彼女に助けを求めるか……」

  「ってなると、この『純菜』ちゃんの『純真な性格』っていうのがフックですねェ〜。
   純真だっていうなら、『甘乃』のウソもすぐ信じ込む。
   それに気を良くした『甘乃』はどんどんウソをついて、おそらく長女とか次女あたりに訂正されたりしてんな」

目に浮かぶようだぜ。

「だから、たぶん『甘乃』と一番仲の良い姉妹はこの『純菜』ちゃんなんだろーな。
 真面目にヤバいと思った時はウソをつく意味がないし、
 自分の姉だってこともあるし、普通に『本当のことを伝えて助けを求める』んじゃないッスかね?」

64八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/04(木) 00:11:40
>>59-61

「『名は体を表す』とは言いますが…
 本当に名前の通りの姉妹ナンデスネ」

 それにしてもですよ。
 いやぁ… 私、好きだなぁこの子。面白くて。

 ちょっとずつストーリーも寓話めいてきましたね。
 狼少年のようでもあり、醜いあひるの子のようでもあり。


>>62-63

「ウゥム、意見が割れましたね」

 タタラさんは『ウソをつく』、田所さんは『真実を話す』。
 どちらの理由にも納得もできます。

「……私は、話がより広がるのは『ウソをつく』方だと思います。
 『大鶴甘乃はウソつき』っていう設定がストーリーにちゃんと活きてますから」

 もちろん、『ウソつき』の彼女が嘘をつかないことに意味がある、という話にも出来そうですが。

「ただその場合、どういうウソをつくか考えることになりそうですし」
「話が早いのは、『真実を話す』方なんですよねェ」


 考え込みます。
 どちらも『アリ』の選択肢ですから。


 ・・・・・・・・・。



「……私は、今回は『真実を話す』という田所さんの案に同意します」

       ・ ・ ・
「ただし、『部分的に』。
 甘乃ちゃんも自覚している通り、ありのまま全てを話してしまえば、
 いくら純菜ちゃん相手でも、信じてもらえない可能性がありますから。

 『真実を信じてもらうために、本当の事を言わない』。
 あるいは、『ウソを織り交ぜて、本当の事を言う』。つまりですね……」


 『ハンバーグから針が出てきた』という部分だけ、隠してみましょう。

   甘乃ちゃんは、いつものようにつまみ食いをしてしまった。
   ところが、母親の様子がいつもと違う。かなり怒っている様子で、少し不気味だ。
   とにかく尋常じゃあない。今出ていけば何をされるか分からない。

 これ、本当の事を言っているけれど、不自然ではないですよね。

   なので、母親の怒りが鎮まるまで自分を匿ってもらうか、
   母親に自分を許すように説得してもらうか…
   まあ、いずれにせよ『自分を助けてくれる』ようにお願いする。

   より『最適解』に近づけるなら…
   これに懲りてつまみ食いやウソは今後控えるように言うのもありでしょう。
   (ま、それすらもウソかもしれませんが。)


「……どうですかね。私としては折衷案のつもりですが…
 客観的に見て、不自然だったりしないでしょうか。
 まあ、8歳がとっさにここまで考え付く時点で、ちょっとアレですが」

「特になければ、私はこれを『返答』にしようかと。
 もちろん、お二人が別の意見だとしても、私は気にしないですよ」

「……あと、一つ。全然関係ないんですけど、一個だけ確認。
 これ、『針を入れたのが母親である』って言うのは、まだ確定じゃあないですよね。
 状況的にはそうとしか見えない、というだけで。あ、伏線になるかもと思っただけで、深い意味はないです」

65タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/04(木) 00:38:52
>>63-64(田所、八夜)

二人の話を聞いた。

「そうですワね。
 部分的に。このまとめ方は……とてもイイですワ。」


この少女――甘乃はウソが上手い。
なので、これから『上手いウソ』を考えるのは骨だな、と思っていたが……

           「――『ウソをつく』のが上手い、と。
              内容ではなく、手法が……とも解釈できる。
              少しの真実を混ぜるのは、常套手段ですワね。」

           「……案外、8歳って頭が回るものですワ。
            まして、この子ならこれくらいは。
            つまみ食いしない宣言は――まあ、盛れるだけ盛るでしょう。
            やっても、おかしくないと思いますワ。」

なぜなら我々が作ったキャラクターだから。

「私は貴女に同意で。
 ……貴方は如何かしら。」

田所に確認する。
……それと。

>これ、『針を入れたのが母親である』って言うのは、まだ確定じゃあないですよね。

「あぁ、そういえばそうですワね。
 ……マァ、他に仕込める人もいない気はしますけど。」

これに関してはタタラは『母の罰』と決めてかかっている。

66田所『スワン・キング』:2015/06/05(金) 00:47:16
>>64 >>65

「ふぅむ……」

折衷案、というのはともかくとして、この場合は『甘乃』の行動に沿っていると思う。
真実を交えながらウソを話す……。
ウソばっかりでウソをつくことに慣れているなら、十分やりそうなことだ。

「そうッスね、八夜ちゃんの案に賛成。
 ただ、何をウソとするかねー。すまんけど、俺はあんまりいいウソのつきかたを思いつけないッスわ」

自分に関係しないところでの悪知恵は回りにくい。
二人には申し訳ないが、この場は嘘をつく内容はパスさせてもらおう。

67『それでも私は針飲まない』:2015/06/05(金) 00:55:37
>>64-66(ALL)
「話がまとまったようだね。
  『八夜』さんはどうやら意見をまとめる才能があるようだ。

                  ―――では、話を続けようか」

三人の間で話がついたのを確認すると、『門倉』は口を開いた。
彼の口から、話の続きが語られていく―――

                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

68『それでも私は針飲まない』:2015/06/05(金) 23:42:48
(序章:>>5 その1:>>47 その2:>>58-59


       <それでも私は針飲まない 〜その3〜>

「はふ…はふ…はふ……
                はふ………
                         はふ…………」

何をやるにしろ、この息切れでは難しい。
とりあえず『甘乃』は自らの呼吸が整うのを待った。
それを心配そうに見守る『純菜』。

                       「…………はフうゥ〜〜〜」

そして、ようやくある程度、落ち着いたところで、『甘乃』は語り始める。

「ええとね、ええとね、わたしってェ〜〜
 すこしだけたべものに『目がない』ところがあるじゃあない?
  だっておいしいんだもォん しょうがないんだもォん。

  それでつい、ほんとうについ……『つまみ食い』をしちゃったのぉ
   そしたら『ママ』がねェ〜〜〜 すっごく怒るの!
    やぁ………そりゃあいつも怒るんだけど、今日はホントウにすごいのぉ!
     とにかくすごくすごいの! もうビックリ!

      ………それでなんだかこわくなっちゃって
          『純菜ちゃん』のところについ来ちゃったのぉ
       おねがい! いま出ていけば、なにされるかわかんないし
       しばらくここにいさせてくれないィ?

        おねがい! おねがい! おねがいよォ〜〜〜!」

  ここまでで『甘乃』はウソは言っていない。
   ただ大事な部分を告げていないだけだ。
   ウソは言わずに、有利な情報だけを与える。
    幼くして『甘乃』は本能的にこれを上手くこなす事が出来ていた。

 「そーなの? 母さん、『甘乃ちゃん』にはキビシーからなぁ」

  『甘乃』の嘆願に『純菜』は腕組みをして考える。
                        そして―――

  「ま、いっかァーー 大事な妹だもんね!
           守ってあげるよ、わたしがね!」

 『純菜』の笑顔に『甘乃』はほっと胸をひと撫でする。
 あとはほとぼりが冷めるまで、『純菜』の部屋で過ごせばいい。


         ぴゃららららー
                     ぴゃららららー

と、そんな時―――妙なメロディが『純菜』の部屋に響く。
それは、『携帯電話』の着信音だ。

69『それでも私は針飲まない』:2015/06/05(金) 23:46:06

そのは『携帯』は『純菜』のもので、
『GPS』や『緊急連絡』といった機能による『お守り』として、
彼女はそれを持たせられていた。

        『純菜』は、その画面を見て、青ざめる。

「ううわああッ! 母さんからだ!!

  ……う、うん。うん! だ……大丈夫!
   わたし、『甘乃ちゃん』みたいにお母さんにきらわれてないから!
    う、うまくごまかしておいてあげるよ!」

 さらっと酷い事を言っているのはその『純粋さ』からか。
  慌てながらも、『純菜』は携帯に出た。

「もしもし、お母さん? どうしたの?

 ―――え?  『甘乃ちゃん』?

  ええと、いや、ええとね、いないよ!

                    こ、こ、ここには、『いないよ』!」

  ……… ……… ……… ……… ………

  片方だけしか聞こえない会話だが、
  どういった事を訊かれているのかは、容易に想像出来る。
  しかし、自分の姉だというのになんでこんなにウソが下手なんだろう、と『甘乃』は思う。
  これでは、バレない方がおかしいだろう。

  しかしまあ、あれだけドタバタして二階に上がってきたのだ。
  『母親』の方でも、『甘乃』がここに居るのは、もとより『あたり』をつけていたはず。
  直接赴かれても、『カギ』を閉めてもらって籠城すれば、なんとかなるだろう。


         う
                      う

                 う  ギ ャ ァ ―――― ッ ! !

 そんなふうにタカをくくっていた『甘乃』の耳に、突如、つんざくような『悲鳴』が聞こえる。
 思わず、見やる。それは………三女、『純菜』の『悲鳴』だ。

 「な、な、なに ほれぇ、 いたい、
                       くちの
                            なか
                                 が
                                         が
                 \                                   が」
                   \
                   【針】
                      \
                        \

そう、『針』だ。『純菜』の口を『長針』が貫いている。
 滲み出る赤が、それが『現実』である事を告げている。
 『甘乃』の心臓が弾けそうなくらい高鳴る。これは……これは!

 どうする?  どうすればいい?
                       『甘乃』には無数の選択肢があるが―――

70『それでも私は針飲まない』:2015/06/05(金) 23:47:21

             ………………

>>68-69)のシーンを語る『門倉』はなぜか得意げだった。

「………さて、もうお分かりかと思うが、
 君たちにはこれからの『甘乃ちゃん』の行動を考えて欲しい。

 例によってある程度の『舞台設定』などは主張して構わないよ」

 そして、『門倉』は口をつぐみ、三人の『会話』の時間が始まる。

 (※三回目の最終締め切りは8日(月)24時までとします)

71タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/05(金) 23:59:57
>>68-70

「……悪趣味ね。」

得意気な顔を見て。

「それで――
      いよいよ、『超能力』染みてきましたワね。」

ホラーじみた、という方が正しいだろうか?
だが、タタラにとって不条理とは――『スタンド』のことだ。

「どうするかしら。
 こんなもの見たら思わず逃げ出しちゃう?
 冷静に対処できるとは思えませんワ。」

                  「というより、このまま籠城を続けるのは……
                   フツーの神経してたら選ばないと思いますワ。」

ウソ好きで悪びれない。
だが……恐怖とか、そういうのは普通にある。

「だから、とっさに部屋から飛びだす。
 行先とか、下から来てるとか、そういうことに頭を回せず。」

と、自分の考えを一通り。

72田所『スワン・キング』:2015/06/06(土) 00:09:03
>>70 >>71

「ぬ……」

『スタンド能力』、はっきりわかんだね。
そういえばこの3人、『スタンド使い』かどうかがわからないが……まあ一般人だろう。
こういうホラーネタなんてよくあるもんだろうしな。

「そうッスね……俺もここは逃げると思います。
 どこに逃げるか、っつーとそうだな……
 まず、怪我した『純菜』ちゃんの手当をしたいんじゃないですかね。仲良しなんだし」

「応急手当の仕方を知ってそうな子となると、長女の……えーとなんだっけ。
 『凛香』ちゃんか。その子に頼りたいんじゃないですかね。
 たぶん、その前に母親と出くわすと思いますけど」

「それに、いきなり目の前で針が『純菜』ちゃんの口の中に現れたとなると、
 もう気が動転して嘘どころじゃなくなるんじゃないスか?
 嘘ばかり言う子だとしても、本気でヤバいって訴えかければ長女の心だって動かせるだろうし」

73八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/06(土) 00:54:49
>>68-69

「……私の好きな数ある格言のうちの一つに、
 『正直者がバカを見る』ってのがあるんですけど」

 背筋に冷たいものが走りました。なんですかこのホラー。
 思わずベロを出します。想像するだに痛いッ。

「これってつまり、『ウソツキは得をする』ってことになるんでしょうか?
 少なくとも、この『甘乃ちゃん』の話は…… それとは真逆の話のようです」


 さて。

 ここから、『甘乃ちゃんがどういう行動を取るか』でしたね。


「流れに沿って言うならば……一番ありそうなのは『保身を考える』でしょう」

「助けを求めて『純菜ちゃん』に縋ったけれど、彼女はとてつもなくウソが下手。
 母親はこの部屋に当たりを付けた…… そして、自分がここにいることもバレた!
 一番頼りになる姉ですら、私を助けられない!! まあ、パニックにもなるでしょう」


「ですが」

 そろそろベンティなんちゃらが空になる頃でしょうか。
 グイッと飲み干します。

                  ダ ン ッ !!!


「……あってほしいのは、『義憤に駆られる』です」

 面白い記事を書くための基礎に、『起承転結』があります。
 『起』は事の発端や、人物の紹介。今回でいえば、『甘乃ちゃん』の設定周辺でしょうか。
 『承』は内容の発展。母親の豹変と、三女の怪我がここに当たるでしょう。

 とくれば、次は『転』。話の意図を決定づける、変化の起きる段になります。

74八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/06(土) 00:56:18



  ・  ・  ・  ・  ・  ・

「この話を、『ウソをついてはいけない』という教訓話にするのなら。
 あるいは、背筋の凍るようなホラーストーリーにするのなら。
 私も、『逃げる』で良いと思います。一番話の流れに沿っていて自然ですし。
 その場合、おそらく『結』は逃げ切れずに母親につかまって〆、でしょうね。」

「……でも。私は、あえて『甘乃ちゃん』に『転』じて欲しい。
 最初に描かれていたような醜い姿から、美しく成長してほしい。
 『同じウソツキ』として、彼女に成長してほしい。気概を見せてほしいんです」

 あっ、ちなみに私、秋映学園でゴシップ新聞書いてます。
 どうもどうも。


「自分が刺されたのは、まだ納得はいくでしょう。
 母親の言いつけを我欲で破ったんですから、当然っちゃ当然です。
 ……けど『純菜ちゃん』は違った。彼女のウソは、『甘乃ちゃん』を守るためのウソだった。
 我欲のための『汚いウソ』なんかじゃあなく、誰かを助けるための『綺麗なウソ』だった!!」

「それを『同じウソ』として罰するというなら、最早しつけの範疇を超えています。
 そして甘乃ちゃんに、もしもウソツキとしての矜持があるのならば… それに憤ってほしい」

「自分を助けようとしてくれた姉すらも罰した親に、一矢報いてほしい」

「同じ『部屋を出る』のでも、逃げるのとは真、逆……」 ゴニョゴニョ



 ……最後が尻すぼみになったのは。
 さすがに、自分でもちょっと『ないな』と思ったからです。

 いくらなんでも劇的すぎ。八歳児に求めすぎ。
 あと私情が入ってアツくなりすぎ。
 会って二回目の相手に、なに語ってんですかね……



 というわけで、私は一応これを提案しては見ますが…

 特に固執するつもりはありません。
 お二方のどちらかが『それはない』と思うのであれば、取り下げますし…
 多数決を行うのであれば、その結果にも従いますとも。
 ぶっちゃけ、一番自然なのは私も『逃げる』だと思いますしね。

75タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/06(土) 01:23:36
>>72-74(田所、八夜)

田所の話にはおおむね同意だった。頷きつつ、聞く。
そして。

「私はこの話に『熱さ』を求めるのを、間違いだとは思いませんワ。
                      ……あくまで個人的嗜好ですもの。」

「母親に一矢報いる。
 それを望む気持ちも、分かる。
 彼女は――『罪』を犯した。
 これは明らかに罰の域を超えていますワ。」
                      「そんな罪に罰を与えるのは『地獄』の領分。
                       とはいえ時を待つのはもどかしい。
                       それにこれはつくり話だから――
                       ……待てど暮らせど、閻魔のもとにはたどり着かない。」

「ならいっそ、物語の中で裁きたい。
 彼女には理由がある。
 力はなくても――一矢くらいは。
 私も、そんな風に考えることもできる。」

        「けれど」

タタラはその、渦の様な目で八夜を見る。

「……私は逃げると思いますワ。
 少なくとも、義憤に駆られて母と戦う道は選べない。
 この子は、自分は悪くないと思っているから。
 自分と同じ、『悪くない子』が傷つけられただけ。
 だから……『姉は悪くないのに傷つけられた』という義憤は生じない。」

「被害者が増えた。悪くないのに。
 貫通までしている。痛そうで怖い。
 助けを呼ばなきゃいけない。
 自分も助けてもらわなくちゃ――」

                       「……部屋から出て、逃げ先は外か、長女の部屋か。
                        姉妹に頼った。駄目だった。
                        とにかく怖い。他の姉妹もきっと駄目だ。外しかない。
                        ……もしくは、長女なら。彼女なら、助けてくれるかも――」

タタラとしては逃げ出すのは確定だ。
しかし――その先は思いつかない。

76田所『スワン・キング』:2015/06/06(土) 17:06:13
>>73-75

       「……いいねェ〜〜〜〜」

八夜ちゃんの話を聴いて、物語としてはなかなかいい展開だな、と感じた。
ただ、そうやって立ち向かうにしても……

「どうやって母親に反抗するのか、になるしな。
 うん、やっぱりここは逃げるんじゃねーかな。
 八夜ちゃんには悪いけど、『甘乃』は嘘が得意な悪戯っ子ってだけ。
 母親をどうにかする方法なんて、八歳の女の子には思いつかないでしょ」

田所の意見は先ほどと変わらない。
『純菜』ちゃんの傷の手当をしてもらうために、『凛香』のもとへ行く。

「もしくは『救急車』でも呼ぶかもしれねーな……。
 利用できるのは家にいる姉妹だけじゃない、『助けを外から呼ぶ』ことだってできますよねェ」

口を貫通するような負傷は、下手に放っておくと『純菜』ちゃんの顔に一生治らない傷になるだろう。
治療が迅速であればあるだけ、傷跡の残り具合は良くなる。
子供の新陳代謝だってすごいしな、ちゃんとした治療を受ければ数年すれば影も形もなくなるくらいにはなるはずだ。

77八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/06(土) 22:15:15
>>75-76

 「そう……ですね。うん。やっぱり不自然ですね。
  これを押し通せば、私の『我欲』ですね。じゃ、逃げましょう」

   タタラさんの渦のような目。
    田所さんのお気使い。
     両者から、そっと目を外すようにして、撤回します。

   自分でも、無理を通していた自覚はありましたしね…
    やはり、『逃げる』が一番自然。


 「…しかし、田所さんの『救急車』というのはイイと思います。
  そのくらいの余裕も情も、まだ残されていると思うんです」

   幸い、ケータイも目の前にあることですし。

 「どうしましょうね… とりあえずケータイを借りて、部屋から出ます?
  純菜ちゃんを安心させ、それで救急車を呼ぶことを伝えましょうか?」

   そして… 逃げるとしても、どこに、という話もありますが。



>>門倉さん

 「もしよければ、甘乃ちゃんと残りの姉妹との関係も教えていただけませんか?」

78『それでも私は針飲まない』:2015/06/06(土) 22:38:23
>>77(八夜)
「ああ――― そうだね。

 七人姉妹は上から、
  凛香(りんか)・正子(まさこ)・純菜(じゅな)・甘乃(あまの)・明季(あき)・楽(らく)・優(ゆう)。

 長女の『凛香』はいかにも長女らしい、毅然とした態度で妹たちに接する。
 『母親』のようなヒステリックさは薄く、立派な性格の少女だ。
 『甘乃』がウソをついたり、道義に背くような事をすれば当然注意するが、
 それは『愛情ゆえ』の事だ。もっとも、『甘乃』にはそれが理解できず、敬遠している。

 次女の『正子』は、『正義感』溢れる少女だ。ただ、やや感情的なきらいもあり、
 ウソをつく『甘乃』を『悪い』存在と見なし、嫌っている。
 当然、『甘乃』の方でも、一番相性の悪い姉妹だと思っているね。

 三女の『純菜』はすでに出ているから分かるだろうけど、『純真』で裏表の少ない性格。
 『甘乃』のウソもその場では怒るけど、ちょっとした出来心だろうと思ってるし、
 それを引きずる事はない。『甘乃』が一番好きな姉だね。

 五女の『明季』は6歳、小学校に上がったばかりのとにかく明るい子だね。
 天真爛漫というか何も考えていないというか………
 成績でいいのは体育だけ、というタイプだ。
 『甘乃』のウソを最後までウソだと気づかず、
 逆にうまくいくというある意味では最強の相性の姉妹だね。

  六女・七女は双子で、まだ幼稚園児の『楽』と『優』。
  『甘乃』はあまり妹の面倒を見るようなタイプじゃあないし、交流は薄い。
  二人ともわりと朗らかな性格なようだ」

『ほかの姉妹と甘乃との関係』について問う『八夜』に対し、
『門倉』は上記のように答えた。

79タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/06(土) 23:09:20
>>76-79

(通した方が良かったかしら?
 ……いいわよね、不自然なのは事実だし。)

タタラの本質は俗物だ。
思想はあるが――絶対的ではない。

まあ、さておき。

「そうですワね。救急車はいいかも。
 ……長女に『救急車を呼んでもらいに行く』なんていかが?」

甘乃が直接呼ぶより『らしい』気がする。
もっとも、効率は悪いし、甘乃だって救急車くらい呼べてもおかしくない。

「あるいは――
 細部を勝手に決めていいなら。」

「隣の家に頼れる人がいることにするなんていかが?
 ……とっても都合のいい設定になってしまうけど。」

二つほど、提案してみた。

80田所『スワン・キング』:2015/06/06(土) 23:27:01
>>77-79

「ごめんね八夜ちゃん、俺そういうの好きだけどさ。
 男の子だったらもうそっから少年漫画だったね」

あとで機嫌直してもらうためになんか買い与えるか……?
先ほどまではさりげなく彼女を持ち上げるようにしていた。恐らくはそれなりに好かれているはず。
やっぱなァ、最初会った時はなんだこのメスガキって思ったけど、女子高生ってだけで希少だなァ。


八夜、門倉、タタラの話を聞いて、脳裏でシミュレートする。
ここで取るべき彼女らしい行動……それは。

「……いや、メイドさん。やっぱこういうのって、提示されたものから答えを導くべきだと思うんスよ。
 こういうのはどうッスか?

 『甘乃』は運動が苦手で、さっき急いで駆け上がったせいで動きたくない。でも、目の前で『純菜』ちゃんが怪我している。
 そこで携帯に目をつけた。119番してもいいとは思いますけど、自分が言い出したことながら彼女らしくないんスよね。
 ってことで、長女の『凛香』ちゃんを『純菜』ちゃんの携帯で呼び出す」


  『凛香おねえちゃん助けて!純菜ちゃんが怪我したの!お母さんと電話してる途中にいきなり!』


「……そんな感じで、マジメなトーンでですね。
 たぶん、最初は真面目に取り合わないでしょうけど、純菜ちゃんは近くにいる。
 痛みで泣いてるはずでしょう。電話口でも聞こえるくらいに」

しっかりもので家族思いの『凛香』ちゃんは、長女としてできる限りのことをするだろう。
すぐに救急箱を持って駆けつけるはずだ。

81八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/07(日) 09:45:25
>>78-80

 こ、これはホントに…
 みにくいアヒルの子じゃあないですが、
 どうしてこの姉妹に甘乃ちゃんがいるのか不思議なくらいですね。

「もし次に頼るとしたら、『長女』か『五女』ですね。
 そして、私も設定を『生やす』よりは『活かす』方がいいと思います」

 話の流れの自然さを尊重するなら、ですがね。
 もちろん、何かここで一つ、試しに生やしてみるのも一興とは思います。

 ただ、設定をいくらでも生やせるのなら、後からでもよいでしょう。
 『実はこの甘乃ちゃんはスタンド使いで――!』 とか。
 …とはいえ三人には通じないので、それっぽくデフォルメして提案することになるでしょうが。


「というわけで…
 もしお二人のどちらかがその案で『返答』するなら、私もそれに同意する用意はあります」

 先ほどまで、『まとめる才能』と言われたのがうれしくて、少し調子に乗ってしまってましたね。
 他の人に良案があるなら、合わせることもしなければ。


>>80

「気にしないで下さい、田所さん。
 私、『ベンティアド(ry』がもう一杯飲みたいです」

 気にしないでください(気にしないでとは言っていない)。

82タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/07(日) 16:59:56
>>80-81 >>GM

「マア、それはそうでしょうね。
 窮地でいきなり新設定なんて、それこそ漫画過ぎる。」

タタラとしても、思いつく限りは既存の設定を膨らませたい。
生やすのは、常に第二案以降だ。

(こんな極限状況だし、スタンドに目覚めるのはおかしくないとは思うけれど。)

「私の案も自信があったのだけど――
 そうですワね、長女を呼ぶ、って方が『らしい』気がしますワ。」

「長女はきっと来てくれるでしょう。
 ……『話し手』のさじ加減次第ではあるけれど。」

要するに、田所に同意、ということだ。

「……私もそろそろ注文したいわね。
 ねェ、ウエイトレスを呼んでもよろしいかしら。」

門倉に確認を取る。

83『それでも私は針飲まない』:2015/06/07(日) 18:45:38
>ALL
「注文は好きにしてもらって構わないよ」

ファミレスの飲み物やデザート程度なら、
十分に奢れるという事のようだ。

84田所『スワン・キング』:2015/06/07(日) 19:18:02
>>81-83

「んじゃあ、さっきの(>>80)で行くってことでいいッスか?」

「もうちょっと細かいところを詰めるなら、『凛香』ちゃんも16歳だし、
 まず最初に部屋に駆けつけてから傷の容態を見て、それから救急車を呼ぶか判断するって感じですかね。
 肌を擦って傷になったとかならまだしも、針が貫通してたわけッスから、
 外科医でもない子には手に負えない」

「あー、もしかしたら傷を抑えながら近くの外科に行こうとしたりするかな?
 でもその前に母親が来そうッスね」

色んなパターンが考えられる。難しい。

「もしかしたら『凛香』ちゃんが来る前に母親が襲ってくるかも……。
 まずは『カギ』を閉めて、それから携帯で『凛香』ちゃんに助けを求めて、それから『凛香』ちゃんがどうにかしてくれないかな」

      「あッ、すいませーん」

通りがかったウェイトレスを呼び止める。
田所には特に注文したいものはないです。

85八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/07(日) 22:25:10
>>84

「異議ありませーん」
「先ずは、姉に部屋に来てもらうことですよね。判断はそこから、ってことで」

 いずれにせよ、凛香ちゃんに判断を委ねられる状況。
 年上を頼るというのは非常に甘乃ちゃんっぽいですし、心強くもあります。

「あっ、すみません。『ベン(ry』お代わりをお願いします」

 注文もします。

86タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/07(日) 22:30:49
>>83(GM)

「ありがとう。
 それじゃあ、この……ジャンボストロベリーパフェを。」

笑み、注文をする。

>>84-85

「構いませんワ。
 とりあえず、来てもらうってことにしましょう。」

その後どうなるか、は門倉次第でもある。
ひとまず、これで『同意』だ。

87『それでも私は針飲まない』:2015/06/07(日) 22:57:42
>>84-86(ALL)
ツインテールのウェイトレスが各々の注文を訊いていく。
目敏い者は彼女が『門倉』の方をまるで向かないのに気付くだろうが、
それは本編とはまるで関係ない情報だ。

「さて―――
  意見がまとまったようだし、話を続けていこう。
   もちろん君たちが考えたとおりに、
       『大鶴甘乃』は行動していく」

『門倉』は、レンガで壁を作るかのように、
 ひとつひとつ、言葉を積み重ねていく………

(※メール欄記載は無かったが、流れ的に『田所』の意見を『返答』として採用。
  万が一、『田所』の方でそういう意図がなかったのであればレスを頂けると幸い)

88『それでも私は針飲まない』:2015/06/08(月) 23:41:47
(序章:>>5 その1:>>47 その2:>>59-60 その3:>>68-69

     <それでも私は針飲まない 〜その4〜>

 「ううう……  ひは い
                 いた ひ よォ………ッ」

『甘乃』は、痛みにもがき苦しむ『純菜』を見やる。
『針』は『純菜』の左の頬を貫通していた。
見るからに痛々しいが………幸いな事に、
 喉や舌など、重要な器官を傷つけていないようにも思えた。

『甘乃』は反射的に『携帯電話』を取り、『母親』との通話を切る。
そしてすぐさま、『部屋の鍵』をかけ、深呼吸。
高鳴る心臓と、混乱する頭を必死に抑え付け、次に『やる事』を考える。

『甘乃』はウソつきで、面倒くさがりな女児ではあったが、
流石に、自らが慕っている『姉』が、
こんな事になったのを見捨てるほど薄情ではなかった。
もちろん、恐怖のあまり、何もかも見捨てて
逃げ出したい気持ちは強くあったが、
この場ではなんとか踏みとどまる事が出来ていた。

しかし、自ら動くには『甘乃』は疲れすぎていた。
それに下手に外に出て、『母親』に出くわしてしまうのもイヤ過ぎた。
幸い、この部屋を出なくても外部と連絡を取る手段はある。
今手にしている『純菜』の『携帯電話』だ。

『アドレス帳』を見ると、家族や友人であろう名がずらっと並んでいる。
常習的なウソにより、ろくに『友達』がいない
『甘乃』にとっては驚嘆すべき『アドレス帳』だったが、
今はそんな事を考えている暇はない。

     とぅるるるる――う

                 とぅるるるる――う

『甘乃』が、かけたのは長女『凛香』の携帯。
『甘乃』にとって、けして得意ではない相手ではあったが、
『頼りになる』という点ではこの家で随一の存在だ。
彼女なら、このわけの分からない『悪夢』をなんとか覚ましてくれるかもしれない。


   カチャリ

                                 「―――何か用?」

そして、聞こえてきたのは、ハキハキとした『凛香』の口調。
いつもは、どことなく敬遠してしまうこの口調が
今の『甘乃』にはとても頼もしく響いた。

89『それでも私は針飲まない』:2015/06/08(月) 23:44:11

「あぁあぁあ〜〜 『凛香』おねえちゃぁあぁぁん〜〜たすけてェ〜
 たいへんなのぉ! 『純菜ちゃん』が、『純菜ちゃん』がァ!
 部屋で『ママ』に電話で話していたら、いきなり口をケガしちゃってェ〜〜」

『甘乃』は精一杯、『凛香』に語りかける。
 真面目に話しているつもりだが、生来の甘ったるい喋り方は抜けない。

               「『甘乃』? 『甘乃』なの? どういう事? 落ち着いて話しなさい」

「そうよぉ〜〜 わたしよぉ!
  なんだか分からないけど、いきなり『針』がでてきて、口をつらぬいちゃったのォ。
   おねがい、おねがぁい〜〜 今すぐ『てあて』しに来てぇぇ〜〜!!」

   ……… …… ……

  ここまで話して『甘乃』は、しまった、と思う。
  先ほど同様、『針』の事は言わない方がよかったかもしれない。
  現実に起こった事ではあるが、ここまで『荒唐無稽』だと信じてもらえない可能性が高い。
  そうなったらそうなったで、『純菜』の声を直接聞かせるのがいいかもしれない。

などと考えていると――――

                              「―――分かった。今からすぐ行く。
                      『甘乃』は慌てず、騒がず、そこで待機してなさい」

意外にも、『凛香』はあっさりと『甘乃』の言う事を信じてくれた。

「あぁ! ありがとう〜〜!!
  いつもウソついている、わたしのはなしをすぐに信じてくれるなんてェ〜〜〜。
   おねえちゃんはわたしを『信用』してくれてるのねェ〜〜〜」

 嬉々としてそう告げる『甘乃』に対し、

                      「いいえ、私はあなたをまったく『信用』していない。

                                  仮に『信用』しているとすれば

                  あなたが実に卓越した『ウソ』をつくという、その事実だけ。
                            ・ ・ ・ ・

                        『話してたら』『いきなり』『針が出てきた』なんて、

                 あなたがそんな『すぐバレる』『稚拙なウソ』をつくわけがない。

                                   だから―――信じた。逆にね」

                                   冷ややかに『凛香』は応じる。


                   「じゃあ、行くから」

                       カチャリ


      「………………」

                                  「………………」

                 「わたしはわるくなぁい!」


              『甘乃』の甘々な泣き言が木霊する。

90『それでも私は針飲まない』:2015/06/08(月) 23:44:56

   「ううう……ッ
                 ううう………ッ」

そんな『甘乃』の耳に、うめき声が届く。それは『純菜』のものだ。
その声に反応し、『純菜』の方を向き直った『甘乃』は思わずギョッとする。

             ―――赤、赤、赤―――

   さっきは滲む程度だった血が『純菜』の左ほほから流れてきている。
   いきなり何故!? と慌てたが、よくよく観察すると、その理由が分かった。
   結果的に『蓋』の役割をしていた『針』がいつのまにか消えていたのだ。
   先ほどの『甘乃』の時といい、この『針』は一定期間で消える性質を持っているらしい。

『甘乃』のときは、『貫通』というレベルではなく、口中を傷つけるに留まった『刺し傷』だったが、
『貫いて』しまっている『純菜』の傷は、それよりよほど重症だ。

                「はわわ……はわわ」

急いで部屋にあった『ティッシュ』を傷口に当てる『甘乃』。
両手で抑えると、幸いにも血は止まった。これは良くない。
一刻も早く、『凛香』に見てもらう必要があるだろう。

                                        そして―――

             コン コン
                        コン コン

「私よ。聞こえる?『甘乃』」

それは、まごうことなき、『凛香』の声で、
それに反応して『甘乃』はすがるようにドアを開ける。

そこに居たのは―――確かに『凛香』だった。
『凛香』は素早く、『純菜』に近寄り、持ってきた『救急箱』で処置を始める。

 ………
       ………
              ………
                     ………

「それで―――どういう事なの? 『甘乃』。
 『針』はないし、何故、そんな事が起こったのかも分からない。

 『母さん』が関係している事なら、一緒に行って謝ってあげてもいいよ。
 どうせ、『甘乃』が悪い事したんだろうから」

 そして、手際よく『応急処置』を終えた『凛香』が『甘乃』に声をかける。
 『凛香』は予想以上に『出来る』姉であり、『純菜』の傷は、すっかり止血されたようだ。

『凛香』の声かけに『甘乃』は、今後、どうするべきか考える。
                  『甘乃』には無数の選択肢があるはずだ―――

91『それでも私は針飲まない』:2015/06/08(月) 23:47:38
>>88-90)の話を終え、『門倉』は再度、『コーヒー』に口をつける。

「さて、もうお分かりだろうが、ここからは君たちの時間だ。
 じっくり話し合って、しっかり答えを出してくれると嬉しいね」

『門倉』が告げ、話し合いの時間がやってくる。

 (※四回目の最終締め切りは12日(金)24時までとします)

92タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/09(火) 00:14:14
>>87-91

「――そうですワねえ。」

話を聞き終えた。
今回のパートは、どう『行動』させるべきか……

「針がない以上、この異常な現象は説明できない。
 下手をしたら自分が三女の怪我の犯人だと思われるかも。
           ……日ごろの行いが相当悪いみたいですし」

「かといって――わざと嘘をついて針を出す。
 ……なんてことは、この子は出来ないでしょう。」

「思わずやってしまう、っていうのはありえるけど。」

母親が異常であることは証明したい。
そして、一緒に謝りに行くなんて、もってのほかだろう。

93田所『スワン・キング』:2015/06/09(火) 00:46:25
>>87-92

「これはなんとかして『凛香』ちゃんに傷の証明したいところ、ですけど」

「だからと言ってまた嘘をつけば、今度はもっと痛い目に遭いそうッスね……。
 はぐらかすことだってできない。荒唐無稽だと思われようとも、本当だって念を押すくらいッスかね」

最初はゴボウやらで、次が針。そして『純菜』ちゃんは長い針。どんどんエスカレートしている。
このままいけば、人を殺すくらいにまで『棒状のもの』は大きくなっていくんじゃないか。

「思わず嘘をつくのはありそうッスね。
 でも、『甘乃』ちゃんだって痛いのはゴメンだろうし、気をつけて嘘を言わないようにもするでしょ。
 悩むなこりゃ。『八夜』ちゃん、君の意見を聞こう」

94八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/09(火) 01:30:54
>>87-93

「………ふぅむ、なるほど。
 個人的には、先ほどまでよりも状況は分かりやすいですね」

 凛香ちゃんは、頼りになる姉。
 いつも甘え、嘘をついてばかりの甘乃ちゃんのことを信用していない。
 けれども、先ほどの姉妹設定(>>78)を聞く限り、嫌ってはいない、と。

 つまり、彼女がキーパーソンですね。
 姉妹の中で、おそらく一番頼りになる人物。

 彼女をこちら側に引き込むことができれば、状況をどうにか転じさせることが出来るかも知れません。
 登場するタイミング的に、そういうポジションでしょう。
 上手くいけば、彼女をダシに他の姉妹も芋づる式に仲間にできるかも?

 一方で、それに失敗した場合は…… 今後の展望はさらに厳しくなることも目に見えています。

 それと『母親に謝りに行く』は、分かりやすい地雷ですね…
 少なくとも、このまま謝りに行って状況が好転するとは思えません。


「さて……その。私ばかり長話で、大変恐縮ですが」

「まず前提として、『甘乃ちゃんの言うことを凛香ちゃんは信用しない』。
 この状態で、凛香ちゃんに何が起こったかを正確に伝える方法は三つあります」

95八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/09(火) 01:33:48


  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・


「…まず一つは仰る通り、、『この場で針を出して見せる』。百聞は一見に如かず、です。
 もう一度母親に電話して嘘をついたり、何かをつまみ食いしたりしてね。
 何が起こっているのか見せることが出来れば、事実を信じて貰いやすいでしょう。

 デメリットは、当然『怪我が増える』危険性が極めて高いことです。

 あるいは言葉巧みにそそのかして、凛香ちゃんに何かしら『ウソをつかせてみる』のも面白いかも。
 というか、その方が彼女っぽいですかね?
 「ウソだと思うならお姉ちゃん、実際にお母さんにウソついてみてよ!」と。
 自分の身に起きたことなら、凛香ちゃんも『他人事』とは思えないでしょうし、真実味も増すでしょう。」


「次はおススメ案で、『純菜ちゃんを使う』……、失礼。『純菜ちゃんに手伝ってもらう』。
 急に針が飛び出て怪我をしたという不可解な事実を、純菜ちゃんにも肯定してもらうんです。
 ま、喋らせるのは酷ですし…… 甘乃ちゃんの話に頷くとか、まばたきさせるとかでも。
 これが一番オーソドックスですね。純菜ちゃんの言う言葉なら、信じてくれるかもしれません。

 デメリットは、『部分的な信用』しか得られないこと。実際に針を見せるよりも、得られる信用は低いでしょう。
 あるいは、「二人揃って夢を見ていた」か、あるいは「甘乃が純菜を騙して言わせている」と思われるかもしれません。」


「三つ目は、あえて。そう、あえて『自分の口から、全て正直に話す』。
 凛香ちゃんは、『甘乃ちゃんがすぐにバレるようなウソをつくはずがない』……と。
 『もしすぐバレるようなありえない真実を口走っているなら、それは本当に真実だ』と、先ほど判断しました。

 ならば、その言葉通り『稚拙な嘘のような、ありえない真実』をありのまま話してやるんです。
 状況証拠は目の前にあります。いくらなんでも、不自然すぎるでしょう? 凶器がないのにぽっかり開いた傷口なんて。」



 ……と、ここまで話して一息。

 我ながら、アツくなると話が長くなってしまいますね…
 記者の性とはいえ、これはよくない。


「……あるいは。これら三つを全部混ぜるのもアリですね」

「『ありえない事実を、ありえないまま正直に話す』。
 『信じてもらうために、純菜ちゃんにも同意を求める』。
 『さらに信憑性を上げるために、目の前で実際に針が出る様を実演してみせる』。」

 先ほど、純菜ちゃんを説得する時に、『本当のことを言わないことで信用させる』のとは真逆。
 『ウソのような本当の話をすることで、逆にそれを信じさせる』。マイナス×マイナス=プラス。
 うーん、ややこしい… つ、伝わりますかね、コレ。

96<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

97タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/09(火) 02:33:19
>>93-95(田所、八夜)

「そうですワね、次は舌とか、喉が傷つくかもしれない。
 ……最悪、一生もののけがを負ってしまいかねない。」

地獄の刑罰じみてきた。

「言わないよう注意するのは、そうでしょうね。
 姉の被害を見て、この子も察するところはあるでしょうし……」

「そうなると――」

……と、八夜がまとめてくれた。

「三つ混ぜ合わせる案は面白いと思いますワ。
 それぞれ効果的で……かつ、さほど不自然でもない組み合わせ。」

「ただ、長女――凛香にウソをつかせるのはちょっとどうかしら。
 この子はさすがに姉が傷つくのをよしとはしない子……ですもの。
 ……まして、自分を助けてくれるかもしれない、一番頼りになる姉。」

「…………とはいえ、『自分が実演する』よりは、それっぽくはありますワね。
 難しいところですワ。 
 ……始めから織り込むんじゃなくて、あくまで最終手段、ということにするとか? 
 全部説明して、三女にも証言させて……どうしても信じてくれないなら――って。」

顎に手を当てる。

98田所『スワン・キング』:2015/06/09(火) 23:34:24
>>94-97

「三つ混ぜ込む……うーん」

八夜ちゃんの話を聞いて、四つの選択肢をどうするかを考える。
これは算数のテストじゃなくて、思考実験みたいなものらしい。どれか一つ選ばなきゃいけないということでもない。
そういうわけで、

「んー、三つ全部混ぜ合わせるのでいいんじゃない?
 実演に関してはメイドさんが言ってるその『最終手段』でさあ」

1.ちゃんと『凛香』ちゃんに説明する。
2.『純菜』ちゃんに証言してもらう。
3.実演する。

この順番で上からやっていく、という想定。

「そんで、誰が実演するかについては、やっぱり『甘乃』ちゃんだと思う。
 母親からの電話無理やり切って『凛香』ちゃん呼んでんだし、次は『凛香』ちゃんに電話がかかりそうじゃん。
 また姉を傷つけるわけにもいかないし、電話に出た『凛香』ちゃんから携帯奪い取って、

      『ここに凛香ちゃんはいないよ!』

 って感じで。そうするとまた、母親の攻撃が入るわけで」

99八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/10(水) 00:03:57
>>97-98

「なるほど。確かに、『最後の手段』っての方がイイですね。
 ウソの案に関しても、それでイイと思います。

 あらかじめ『母親の様子がおかしいこと』と『何が起こったか』を説明し……
 純菜ちゃんの同意も得る。信じてもらえないようなら、ウソを実践する。そんな感じで」

100タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/10(水) 00:13:34
>>98-99

「じゃあ、これで返答――ということにしますワ。」

そういうことだ。

101『それでも私は針飲まない』:2015/06/10(水) 01:00:49
>>97-99(ALL)
「意見はまとまったかな」

『門倉』がそう告げると、ほぼ同時に、
先ほど注文した品々が運ばれてくる。
(案外、話し込んでいたようだ)。

「では――― 話をどんどん続けていこう」

三人の意見を元に『門倉』がストーリーを口ずさんでいく。

                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

102『それでも私は針飲まない』:2015/06/10(水) 22:50:03
(序章:>>5 その1:>>47 その2:>>59-60 その3:>>68-69 その4:>>88-90

     <それでも私は針飲まない 〜その5〜>

「『針』はぁー―
           『針』はねぇ――

                  ………きえちゃったのぉ〜〜〜」

『凛香』の糾弾に、『甘乃』はびくびくしながら答える。
今、『凛香』に対して、『ウソ』をつく事は得策じゃあない。

まずは『真実』を話す。もし信じてくれないようならその時はその時で、
『純菜』に証言してもらうとか、最悪の場合は『実演』するとかして、なんとか信じてもらおう。

   「確かに、『不可解』な状況ではあるよね」

『甘乃』の言葉を受けて、『凛香』は顎に手を添えて考える。

 「『鋭利』なもので刺された、としても、その『凶器』がない。
  そもそも運動不得手の『甘乃』が『純菜』を刺せるとも思えないし―――。
  事故? いや、こんな事故を起こせるようなものがこの部屋にはないはず。
  そりゃあ家庭科の時間で使う『縫い針』なんかはあるかもしれないけど、
  それをわざわざこんなふうに顔に刺してしまう、なんていう事故は到底考えられないし」

『凛香』はそんな事を言いながら、ちらりと『純菜』を見やる。
『甘乃』が示唆するまでもなく、
『凛香』の方でも『純菜』の口から確かな情報を得たいようだった。

だが………『治療』が終わり、ほっとしたのか、
『純菜』は横たわったまま意識を失っていた。
これでは『純菜』から情報を得る事は難しいだろう。

『凛香』は軽い溜息をついて、再び、視線を『甘乃』に戻す。

   ちょうど、その時―――
                    とつぜんの、出来事だ。


      ザクザク

             ザクザク

                           ザクゥ―――ゥウッ!


 『甘乃』の『右手』に突如数本の『針』が出現しッ!

     彼女の『掌』を『ズブリ』ッッ!

                            『刺し貫いている』ッ!!

103『それでも私は針飲まない』:2015/06/10(水) 22:52:51

  「ううあああッ! これッ これだぁッ! おねえちゃん!
    『針』ッ! 『針』ッ! 『針』だよぉぉぉ〜〜〜〜ッ!!」

『甘乃』は悲鳴をあげつつ、『手』を『凛香』の方に掲げる。

   「………ッ
          だ――大丈夫!?」

衝撃の事態に、『凛香』も動揺しているようだ。
『ガーゼ』で『傷口』を抑えようとするが、『針』に邪魔されて上手く処置できない。
というか――先程の対処からは考えられないような手際の悪さだ。

「な、なにやっているのよォ〜〜 おねえちゃん!!
 『針』があるから『ガーゼ』じゃあおさえられないんだよォ〜〜!!!」

  泣き叫ぶ『甘乃』に、

  「―――確かに。
                   ・ ・
    何か、何かあるようね。ここに。
      それが蓋になっているから『血』もほとんど出ていない。

      『甘乃』、これがあなたの言う『針』ならば、
        これが消えるのを待ってから処置した方がいいかもしれない」

                           『凛香』はこう応じる。

               「えぇ………ッ!?」

 『凛香』はこんな場面で、下らないウソや冗談を言うタイプではない。

  つまり―――なんということだろうか!

     『凛香』には『この針』は見えていないのだ。
                     ・ ・ ・ ・ ・ ・

  ……… ……… ……… ……… ………

 『甘乃』は 『凛香』が『針』を見る事が出来ない現実を、
 どう受け止めればいいか分からないまま、
 とりあえず、自らの『右手』をよく観察してみた。

 まず始めに、痛い。泣いちゃいそうなくらい痛い。ものすごく大怪我ではないが、
 しばらく『右手』で何かを持ったりするのはしんどいだろう。

  そして、ある事に気付く。
  『針』が刺さっているところは、どうやら予め『血で汚れていた』ようなのだ。
   誰の血かといえば、それは『純菜』のものだろう。
    おそらく、先程、ティッシュで『止血』をはかった時についたものだ。

   これは……『針』の怪我での出血に触れると、
    それが病気みたいにうつってしまう、という事なのだろうか?
      それとも、まるで違う原因があるのか?

104『それでも私は針飲まない』:2015/06/10(水) 22:54:58

「―――いずれにせよ、『ここ』でただ待っているだけじゃあダメな事は分かった。
     あなたの言うとおり、これに『母さん』が関わっているというのなら、
     とにかく『母さん』と話す必要があるんじゃあない?
     突然の『怪我』を見るに、この部屋に籠城しているのが
     『安全』ってわけじゃあないみたいだし、そもそも、ずっと籠城していられる場所じゃあないしね」

様々な思いに翻弄される『甘乃』を尻目に、
『凛香』が口を開き、彼女自身の『携帯電話』を弄り始める。
おそらく『母親』に連絡するつもりなのだろう。

 だが………どうも『凛香』の様子がおかしい。
  首をかしげながら、『携帯』を弄り、

                           そして―――

 「………ダメ、『圏外』。ネットも繋がらない。

  『電波』が悪い?

      ………いや、

        ……… ……… ……… ………

          ――――そういえば、この家の携帯電話の
                 契約主は全て『母さん』だったか」

『凛香』の言葉に『甘乃』は思わず『純菜の携帯』を確認する。
すると、確かに『圏外』の文字が左上に表示されていた。

もしかすると、先程の『純菜』との通話の後、
『母親』が直接ここに来たり、電話をかけてこなかったのは、
娘たちの電話の『休止手続き』をしていたからではないだろうか?
となると、『甘乃』が『凛香』にかけたのは『ギリギリセーフ』だったという事か。

そして、もしその想像が当たっているのならば、『休止手続き』が完了した今、
『母親』は何か具体的な『アクション』を起こす可能性が高いとも考えられる。

         「…………」

『凛香』はどうするべきか、頭を悩ませているようだ。
さすがの彼女も人生においてこんな奇妙な出来事に
ぶちあたった事はないのだろう。
彼女の中の『常識』が機能不全を起こしてしまい、
答えを出すのに苦戦しているようだ。

逆に、『甘乃』の方がいくらか心の余裕があった。
先程からこの『異常事態』をずっと体験しているのもあったし、
長年、『常識はずれ』の『ウソ』に慣れ親しんできた『甘乃』だからこそ、
この『非常識』に柔軟に対処する事が出来る
『精神の土壌』が培われていたのかもしれない。

仮に『母親』が行動を起こすとするのなら、『甘乃』はどうすればいいか。
ここに『籠城』し続けるべきか、素早くどこかの部屋に移動し、
隠れ直すべきか、あるいは『母親』と直接対峙するべきなのか。

もちろん『母親』が何をしてくるかは『甘乃』には分からないし、
上記以外の道だってたくさんある。
『甘乃』の前には無数の選択肢があるのではないだろうか―――

105『それでも私は針飲まない』:2015/06/10(水) 22:55:54
>>102-104)の話を終え、『門倉』は一息つく。
なんだか少しずつ話が長くなってきているのはご愛嬌だ。

「よし――― ここらへんで君たちの意見をきいてみよう。
 『甘乃ちゃん』はいったいどうすべきなのか、是非考えてもらいたい」

と、ここで『店員』が注文の品々を運んできた。
新たな品を摂取し、心機一転、考察の時間だ。

 (※五回目の最終締め切りは13日(土)24時までとします)

106タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/10(水) 23:11:55
>>101-105

「……」

    (これは――誘ってる?
     特定個人にしか見えないって、スタンドそのものじゃない。)

いや、ターゲットにしか見えないという線もアリか。
タタラは特にスタンド戦闘は得手ではないが……

(そういう能力は見たことがある。
 マア、この話にスタンドは関係ないけれど。
            ……今のところは。)

「……それにしても。
 今、ウソはついていなかったような気がしますワ。」

「攻撃の条件が違う……?」

自分の品を自分の前に引き寄せつつ、言う。

107田所『スワン・キング』:2015/06/10(水) 23:27:52
>>101-106

「す」

スタンド使いじゃねーかッ!って言おうとして、慌てて口を噤んだ。
いや、別にバレたところでどうともしないが(『スワン・キング』は最強だからな)、
それにしても人が多いところでわざわざそんなワードを出す必要はない。
問題は『甘乃』がスタンド使いだった、というところ。
どうにかして『甘乃』のスタンドを発現して、能力を理解したい……が、恐らく彼女には扱えないだろう。
『嘘が得意な女の子』に何が目覚めてるかなんて、予想できない。

「ん゛ん……とにかく、
 母親がこの場所に来たら謝るしかない……なんて言ったら、甘いですかね。
 母親の存在ってのは大きいッスからね、こうまでされたらもう降参するしか」

お手上げだ。
攻撃の発生条件が『ウソを付くこと』ではなかった。
スタンドを知らない女の子に攻撃の発生条件を調べさせようとするのは無理があるし、
ううむ……。

「俺が小学生くらいの頃は、母親にイタズラとかして怒られたら謝ってそれでおしまい、だったんですけどね。
 打ち上げ花火を近所のヤクザの谷岡さんちに突っ込ませた時は、この『甘乃』ちゃんの母親くらいキレてたけど」

108八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/13(土) 00:04:34

>>101-107
「……なるほど!」

 どう見てもスタンド能力です。
 本当にありがとうございました。
 いやいや、そうじゃあなくて。

 私はその手には乗りませんし…
 もしもこれがスタンド能力であった場合。
 今まで、その発動条件だと思っていたものが次々と崩れてしまいましたね。

 そして… 同時に、スタンド能力であれば。
 その謎を解き明かすことが、事態の究明にもつながりそうです。

「……姉の様子や、話の流れからして。
 やっぱり、『母親に会いに行く』というのは一つの手段のような気がします」

 先ほどの自分の考えを覆します。
 離れたまま攻撃を受けるというのなら、『逃げる意味がない』。
 より情報を得るには、虎穴に入ることも必要ですね。

 それに、今は姉がいる。
 彼女も手当の最中に『血』に触れているであろうことが気がかりですが…

「ただ、当然ながら無策で会いに行くわけにはいかない。
 先ずは、会いに行く目的が必要ですね。
 謝りに行くのか、それとも謝るフリをして一矢報いるのか。
 それに加えて、何か一つ。いざという時の反撃の手を用意して、会いに行くべきだと」

「私は思います」

109タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/13(土) 00:39:55
>>107-108

「……これは持論というか、受け売りなのだけれど。」

「『フシギ』には理由がある。
 ――『理不尽』な現象にも、必ず原因はある。」

「罰に罪があるように」
「……つまり」

「母親に対抗するなら、『針が現れる条件を知る』のは、一つの手ですワ。
 ……もっとも、それが難しいのだけれど。
 ただ、不幸中の幸い……ここまで、この子は針が出る瞬間を三度も体験している。」

つまり、ある程度の『推測』は立てられる。
何らかの条件で針を出すスタンドなら、その条件を満たさなければいい。

                 ・・・・・・それだけでは『反撃』は出来ないが。
「……まあ、どちらにせよ。
 これ以上逃げるのは無駄ですワね。」

「逃げ場はないし――遠くに逃げるくらい?
 でも、それを試すには家から出る必要があるし……それこそ難しい。」

「会いに行くのは、確定でいいですワ。
 ……けれど、謝って、許してもらって、はい終わりとは思えない。
 どちらにせよ反撃の準備は考えておいた方がいいと思いますワ。」

その点において、八夜に同意する。
そういうわけで。

タタラが考えるのは二つ。
1.反撃の手段
2.敵の攻撃条件

「反撃の手段は……姉妹に頼る?
 この子じゃあ、家庭にある程度の凶器を持ってたって不安ですワ。」

「針は……もうちょっと考える時間が欲しいけれど。」

110田所『スワン・キング』:2015/06/13(土) 01:39:53
>>108-109

「そうだなぁ」

反撃の手段……か。
小さくて嘘が得意な女の子に何ができるのか……いや、できることはできるだろうが。
母親に仕返しをする勇気があるか?

「大事な局面なだけに、ちょっと難しいっすねこれは。
 まず、今まで攻撃された時の条件を考えてみましょう。そっからどうするか考えてさ」

敵を知り己を知れば百戦危うからず、らしいじゃん。

「最初は『甘乃』が嘘をついてから何かを食べた時、でしたよね。
 ケーキ、カレー、そしてハンバーグ。ハンバーグを口に含んでから攻撃が始まった」

「すぐに逃げて姉を頼って、次の攻撃は『純菜』ちゃんを目標にした。
 『純菜』ちゃんが嘘をついたときに、針が飛び出した……」

「そしてその次の攻撃は、『純菜』ちゃんの血がかかった『甘乃』の手……ここで一気に複雑になったッスね」

本当に謎だ。嘘という関連性で攻撃してきているわけではなく、
もっと別の法則性がある。もっと情報がほしいところではあるが――

「情報がほしいからって、母親に無策で突撃はできないッスよねェー。
 『甘乃』の服が汚れたところに針の攻撃、とかだったら『母親への攻撃に反応して』ーみたいなこじつけしてたな」

「母親が口裂け女になったとかなら、父親の部屋からポマード持ってくるとか安易な対処ができるんスけどねー」

111八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/13(土) 02:17:37
>>109-110

「例えば」

 ちょっとアグレッシブすぎるかもしれませんが…
 一つ。反撃の一案として思いついたので。

「『血を浴びた人間(部位)に針を刺す』のが攻撃条件として確定なら」
「今現在、誰がターゲットになっているかを割り出して…」

「その人間の血を母親に浴びせる、というのはどうですか?」

 つまり… 母親の攻撃の対象を母親自身にしてやる、ということです。
 できれば、母親が気づかないうちにそれができればいいんですが…
 まあ、気づかれても牽制にはなると思います。

 無論、まだこの条件を確定させるには、状況証拠が不十分ですが…

 上手く行けば。
 母親は、甘乃を刺すつもりで攻撃を繰り出すけど、その実、自分を攻撃する。
 反撃の一矢にはなるでしょう。

 ……そこからどうするかは、未定です。

112タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/13(土) 03:14:52
>>110-111

「ウーム」

2番目と3番目が噛みあわない。
……もしかすると。

「……針は、消えてないのでは?」


「『針』はぁー―
           『針』はねぇ――

                  ………きえちゃったのぉ〜〜〜(声マネ)」

「……これが、ウソなのでは?
 針は実は消えてない……だから……」

「…………失礼。だとしても、母親へのウソにはなりませんワね。
 それとも、母親に限らず年長相手なら『有罪』?
 血。ハンバーグに血が混じってたとか……あるいは……うーん。」

「まあ、条件を逆用して攻撃するのはアリですワね。」

113田所『スワン・キング』:2015/06/13(土) 03:45:23
>>111-112

「血を媒介にする想定……ってのは、安直ッスけどいまのところそれしかないッスね」

情報が少ないだけに、なんとでも考えられる。
もしかしたらこの時点でもう正解へたどり着けるかもしれないが、
田所はスポーツマンなので考えることは苦手だった。(スポーツマンへの深刻な風評被害)
つーかメイドさんの声マネめちゃくちゃ面白いな。

「もっと安直であれば、『甘乃』の血を母親に浴びせる……っていう手もなくはないですね。
 ちょうど貫通した傷が出来たばかりだし」

「ただ、反撃したからといって、一件落着にはならないッスよねぇ〜〜〜。ムズい。
 反撃できたらびっくりするでしょうけど、もっと母親が怒って手が付けられなくなりそうでもある」

謝ってどうにかならないかなぁ、とか思っちまうよね。

「もしくは、『射程距離内』に入ったから、嘘での反応攻撃ではなく、
 嘘をついた人間の肉体の一部を使った能動的な攻撃に移った……なんてのは考えすぎか」

「『ごめん』で済んだりしねぇかなァ〜〜〜〜〜〜」

この甘々な『甘乃』がこの段階でやりそうな行動といえば、涙ポロポロ流して針が消えるの待ってから
姉に応急処置してもらって更に被害拡大……とかかな。これもうわかんねえな。

114八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/13(土) 21:12:28
>>112-113

「メイドさん、その声マネのクオリティは……」

 意外な一芸。


「……ともあれ。ならば先ず、その『謝罪』を目的の一つに入れてみましょうか」

 あくまで言いつけを守ったのは、甘乃ちゃんの方。
 それに対しての母の罰が厳しすぎるというだけで、
 自分から先に折れるというのは、交渉でも必要なことです。

「それに、『反撃』を目的とするよりも、姉を味方に付けやすい。
 『謝りに行くから、付いてきてほしい』…… これで誘えませんか?
 血の反撃は、予定に組み込むというよりも…
 身を守る最後の切り札のうちの一つ… くらいで留めておきましょうか」

   現状、暫定的なこの『スタンド能力』の条件。

    1、ウソをついた人間や、約束を破った人間… 『不義』とでも呼びますか。
      不義を為した人間の口を、『針』で貫く。

    2、その傷口から流れた血を浴びた部分にも、『針』を出現させられる。

    3、視認していない場所でも攻撃を出来る、という点からみて、
      おそらく母親自身が操作しているのではなく、『条件を満たせば自動的に針が発動する』。

 こんなもんでしょうが、確かにまだ本質ではない気がします。
 血で反撃は、ここがしっかり判明してから予定に組み込むべきかもしれません。



「というわけで、私の『返答』は。

 1、まず母親に謝りに行く。
   自分が嘘をついたのは悪かった。
   だから、自分を守ろうとした純菜ちゃんまで傷つけるのはやめてほしい。
   彼女のために、(あとは私のためにも)すぐ救急車を呼んでほしい。

 2、これを行うつもりであることを、凛香ちゃんに告げる。
   そして、自分ひとりであの母親の元へ向かうのは不安だから付いてきてほしいと頼む。
   まっ、すごく性格悪い言い方しますけど、『護衛』でもあり『弾避け』でもあります。

 3、その先は母親の出方次第。
   許してくれそうなら、今回は甘乃ちゃんが痛い目をみた教訓話として一件落着。
   もし許してくれないなら―――さて、どうなるでしょうね? それもまた楽しみではありますが」

「こんな感じですね。どうでしょうか」

115タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/13(土) 23:14:47
>>113-114

「……ですワね。
 謝って終わるなら、まあ、それはそれで。」

母親にも『適切な』罰は欲しい。
……が、それを下す能力は甘乃にはあるまい。

自分の能力で苦しむのはまさに罰にふさわしい。
ゆえに、反撃案を推したいところもある。

……だが、まあ、反撃は『許してくれなかったら』でもいい。
それに、姉を連れていけるのは心強い。


「貴女に同意で。
 ……声マネは、お気になさらず。嗜みですワ。」

             ザク  ザク

パフェに刺さったウエハースを食べ、頷く。

116タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/13(土) 23:26:37
>>113-114
>>115(追記)

……ただ、まあ、おそらく許してもらえない気もする。
これで謝っておわり、というのは、『らしくない』。

(もっとも。
 ……彼のことをそれほど知ってるわけじゃあないけど。)

要するに、反撃の手立ては考えておきたい。
姉――『凛香』が何かやってくれる可能性もあるが。

(けれど、凶器とかはキャラ性に反する。
 その上、大して期待できない。
 この子ができる反撃とは?
 能力さえ暴けば『どうにかなる』とも思えるけど……)

……どうでもいいが、田所の口から『射程距離』というワードが出た。
彼も『そう』なのだろうか。まあだから何ってこともないが……

117田所『スワン・キング』:2015/06/13(土) 23:32:03
>>114-116
「それが一番丸い選択肢じゃないかなァ〜〜」

八夜の案に同意する。

「許してくれないってなると『凛香』ちゃんも思うところあるだろうし。
 ひとまずそれで行きましょか」

ブチのめして済む話だったら簡単なんだけどな。

118『それでも私は針飲まない』:2015/06/14(日) 02:32:57
>>114-117(ALL)

「うん――― まとまったようだね」

『門倉』が何度も頷きながら、言葉を紡ぐ。

「じゃあ、再開しよう。いったい『甘乃ちゃん』はどうなっていくのか?
                           そこを話していきたい」

意見が歯車となり、『門倉』の話を回していく―――

                          → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた今夜………)

119『それでも私は針飲まない』:2015/06/15(月) 03:19:22
(序章:>>5 1:>>47 2:>>59-60 3:>>68-69 4:>>88-90 5:>>102-104

     <それでも私は針飲まない 〜その6〜>

「あ……
     あ……
          あやまりにィ いこうォ〜〜〜
                               そうだぁ、そうしようぉお

     ねェ〜〜  『凛香おねえちゃん』ん〜〜〜 それがいいよねェえ〜〜」

   考えに考え、『甘乃』は最終的にそんな結論を出した。

「私はわるくないけどォ…………
  いや、でも、やっぱりちょっぴりだけど、わるかった気もするから
   こんな目にあってもすこしは、すこしだけなら『なっとく』いくんだけどォ
    でもそれに『純菜ちゃん』はかんけいないんだよぉぉ

     こんなのって こんなのって、
           なんかもぉう! とってもひどいよォ〜〜〜。

 だからぁ
       これが『ママ』のせいなら、それをやめて!って
                           あやまりにいきたいぃぃ〜〜。

                     おねえちゃん〜〜いっしょにいこう〜〜」

そんな『甘乃』の発言に、『凛香』は少しだけ考え、そして答える。

「そうね。一番はじめに言ったけど、私もそれしかないと思う。
 『純菜』はしっかり止血したし、意識がないのも一過性のショックで
 深刻な事態ってわけじゃあないはず。
 二人で抱えてベッドに運ぶのも逆に危なそうだし、
   少しの間だけ、ここで休んでいてもらおうかな」

再度、『純菜』の容態を確認した『凛香』。
そして、彼女は『純菜』の部屋を出る。『甘乃』もその後についていく。


 『ドア』の外には―――誰もいない。
 あくまで一見すると、だが、二階のほかの部屋の
  『ドア』が空けられた様子もなさそうだ。

                             「『下』………かな」

『凛香』は呟き、階段を下りていく。
更にそれについていく『甘乃』。万が一の事を考え、
しばしば後ろを振り向いたが、背後から『母親』が襲ってくる事はなかった。

120『それでも私は針飲まない』:2015/06/15(月) 03:20:35

 「―――『針』の事なんだけど。

   不思議な現象が起こっている、と認めざるを得ないから、
        それが『ある』ものとして色々考えてみたんだ」

階段をゆっくりと下りる間、『凛香』は『甘乃』に語りかけてくる。

「『ウソついたら 針千本のォますー♪』ってあの歌、
 『母さん』がよく歌っていたのを覚えている。
  『約束』する時、指きりしながらね。
  『口を貫く針』って話を聞いてからすぐそれを連想した。

   もっとも当然の話だけど、
   いくらウソをついたとしても、『針』なんて飲む必要はない。
   『甘乃』。もちろん―――あなただって、そう」

 『凛香』の話に、『甘乃』は強く頷く(そうだそうだ!)。

「ただ、あなたの『手に刺さった針』については、
 『ウソをついた』というのじゃあ辻褄があわない。
 あれはなんだったんだろう、とさっきから私は考えていた。

 で、思い出したんだけど、『甘乃』。
 あなた、お母さんと『約束』してたよね?
 あんまりにもあなたが『約束を破る』からそれに歯止めをかけるべく。

                         あれってどういう内容だった?」

『凛香』の言葉に、

「ああ〜〜 あったなぁ〜〜そんなの。
 なんだっけ? なんだっけ?」

『甘乃』はそう答え、ポケットからクシャクシャの一枚の紙を取り出した。
守る気が一切なく、まるで顧みないのですっかり忘れていたが、
常に持ち歩くように言われていたので、仕方がなく入れておいたのだ。

                      『甘乃』はそれを『凛香』に見せる―――

121『それでも私は針飲まない』:2015/06/15(月) 03:22:35

 ―――――――――――――――――――――――――――――――
              <おかあさんとの×くそく>

             ・×ソを ついては い×ません
      ・しょく×のときに よけいな はな×は、して×いけ×せん
         ・よごれた×は かなら× あらいま××う
     ・おてつ××を たのま×たら すすんで ×りま×ょう
          ・×ぬの せわを ×っかり やりましょ×
       ・お××さんの ×うことには かならずした×いましょう
 ―――――――――――――――――――――――――――――――

クシャクシャすぎて、すでに、ところどころ文字が読めないが………
これが一体なんだというのだろうか?

  「………なるほど。

                       とりあえず、『甘乃』。
                  手の『血』は拭っておきなさい」

『凛香』が何かを悟ったらしく『甘乃』を指示を出してくる。
よく分からないが、とりあえず素直に従い、
持っていたハンカチでゴシゴシと『血』を拭っておく『甘乃』。

          そして―――

階段を下りると、キッチンのドアが開いている。
先ほどと変わらず、『母親』はあそこに居るのだろうか。
『凛香』はそのままキッチンに向かう。
もうここまで来たら『甘乃』も覚悟を決めてそれについていくしかない。

122『それでも私は針飲まない』:2015/06/15(月) 03:29:32


        果たして、『母親』は、そこに居た。


その姿を確認した『甘乃』は思わず『ひぃ!』と短い悲鳴を上げる。
それは単純に『母親』の姿を見たから、だけではなかった。


  ゴゴ ゴゴ  ゴ    ゴ ゴゴ  ゴ ゴ   ゴゴゴ ゴゴ  ゴ

   『針』が、まるで『剣山』のように顔から無数に出ている。
      冷たい金属で出来ているようなその身体。
      手の甲や足の甲、その他身体の各所にも
      『針の束』が設置されているその存在。

ゴゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴゴ    ゴ ゴゴ    ゴゴ ゴゴゴゴ ゴゴ


 これは、『母親』の事ではない。
                      ・ ・ ・ ・
             『母親』にすぐ傍に立つ、人型の『悪霊』の話だ。

 『悪霊』―――まさしくそう表現するしかなかった。

            なんて禍々しいその姿!

きっと『母親』は、この『悪霊』にとりつかれておかしくなってしまったのだ。
    奇妙な現象はきっとこの『悪霊』の祟りなのだ。

『甘乃』は不安そうに『凛香』の顔を見やる。
『凛香』はあの悪霊を前にしても堂々としたものだ。まるで動揺した様子はない。
そんな『凛香』にほっとする『甘乃』。これならきっと、この状況だって………

  ………いや、

  いくら凛とした『凛香』でも、落ち着きすぎではないだろうか。
   そんなふうに感じた『甘乃』は次に、嫌な可能性に思い至る。

     『凛香』に『針は見えていなかった』。

                               で、あるならば―――


「………何か、何か言う事があるの? だから来たんでしょう? 『甘乃』」

『母親』の声が冷たく響く。これは本当に『母親』なのだろうか。
もしかして『悪霊』が母親の身体を借りて喋っている?
『甘乃』にはもう何がなにやら分からなくなってきた。

とりあえず謝ればすべてが解決するのだろうか。
それともこの場は少し黙って賢い『凛香』に仲介してもらう?
いや、それよりあの『悪霊』! そんな悠長な事をしているより
さっさと逃げてしまった方がいいんではないだろうか?
それとも、『悪霊』をなんとか倒す? 塩とか念仏とかが利くのだろうか?

どうする? どうする? どうする?

                   『甘乃』の前には無数の選択肢があるとはいうが―――

123『それでも私は針飲まない』:2015/06/15(月) 03:31:15
>>119-122(その6)

「さて、物語はいよいよ佳境。
 これから、『甘乃ちゃん』はどうするのか?

  話にある程度の『融通』は利くと思ってもらっていい。
  『甘乃ちゃん』がどうするのか、『物語』がどうなっていくのか、
                     その舵を切るのは君たちだ」

『門倉』はコーヒーを啜りだす。
これはすなわち、三人の話し合いの時間の合図に違いない。

 (※六回目の最終締め切りは18日(木)24時までとします)

124タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/15(月) 04:03:29
>>118-123

(……さて、こうなると。
 『知らない体』で話すのも、めんどくさいわね。)

門倉は、まあスタンド使いだろう。
この町では別に珍しくもない(らしい)し。

                (分かりやすい能力……っぽいわね。
                 というか、私の能力にそっくりじゃないの?)

『ルールを破ると針を刺す』能力だろうか。
それが分かればどうにかなる――のは、『自分が闘うなら』だ。

「提示されているルールは。
 『嘘をつかない』
 『手が汚れてはいけない』
 『食事中の会話は駄目』
 『お手伝いを断っては駄目』
 『犬の世話をさぼっちゃダメ』
 ……最後。これはお父さん? お母さん?」

「『お母さんの言うことには従わなきゃダメ』なら、勝ち目はありませんワね。
 これらが全部『針に攻撃される条件』とは、誰も言ってはいないないけれど。」

「……だから、融通を聞かせるならここは『お父さんに従わなきゃダメ』にしましょう。
 他のところも融通ってことで変えられそうなら変えちゃった方が『倒す』分には楽ですワね。」

「……あまり思いつかないけれど。
 まあ、とりあえず、行動をどうするか、ですワね。
 ……予定通り、謝ってみます? 通じるかはともかく。」

母親に謝って、許してもらって終わり。
そういう可能性も、ないではない。

125八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/15(月) 21:32:12
>>118-124

「ふうむ――――」

 ここにきて新情報、ですね。
 虫食い文字の推定は、おそらくメイドさんのそれでほぼ確定でしょう。


「……どのみち、『謝ったという事実』は必要だと思います。
 悪いことをした。なので、罰を受けた。謝罪もした。
 許されるための『正当性』を、先ずこちらが用意してしまいましょう」

 つまり、謝るのは確定にしたい、ということです。

 初期設定ではなく、話の進行上で生まれた新たな設定ですが……
 この子は、『姉思い』のようです。

 …いや、ひょっとすると『家族思い』? まあ、ともかく。
 甘やかされて育ったからこそ、自分を甘やかしてくれた、守ってくれた相手を大切に思う。

 今、二階には怪我をした純菜ちゃんがいる。早く救急車を呼ばねば。
 感情を逆なですれば、隣にいる凛香ちゃんにも害が及ぶかもしれない。
 被害を広げずに事態を収束させるには、手っ取り早いのは謝って許してもらう、という方法。


「そして、それでも許してもらえないのなら、そこで初めて。
 反撃するための『正当性』も生まれるというものです。先ずは、謝る。
 次の行動は、それに対する母親の反応次第でしょう。〆るにしても、逆転するにしても」


「それと」


「もう一つ。『悪霊』? ……について触れるかどうかも、決めておかねばなりません」

「もし『悪霊』が見えていることを話さないのなら……
 おそらく。『針』という言葉を、甘乃ちゃんは使ってはいけない」

 『針』も『悪霊』も、少なくとも凛香ちゃんには見えていないということですから。
 そのどちらも、甘乃ちゃんだけが見える特別なものなのだとしたら……

 それが見えている、という情報を、相手に与えてしまうことになります。

「見えていることを話した上で、尋ねたり、何らかのアクションを起こすのか。
 あるいは、見えていない素振りを貫くのか。
 (……その場合、母親に『何か見えているの?』と尋ねられると無意味ですが。)
 いずれにせよ、どちらかスタンスを決めておきたいと思うんですが、いかがでしょう?」

126田所『スワン・キング』:2015/06/16(火) 19:44:53
>>123-125
「『ルール』か……」

ハメると強いタイプだな。
これに従わなければ、『罰則』として『針を発現する』、と。
この契約を破棄する、のは恐らく無理だろう。
『約束する』というのは基本的に、『精神が許可する』ことで契約が成立し、互いに同意しなければ効果は発揮されない。
指きりげんまん自体が契約となっているんだろう。
きっと『破棄する』ことにも互いに同意が必要だ。例えばその紙を燃やしたところで、更なる『罰則』があるかも知れない。

『破棄する』ためには、母親の口から『同意する』旨を滑らさせてやらないといけない。

「融通する、って言ってもたぶん無理ッスね。
 この母親がそんな屁理屈認めるとも思えないし」

「予定通り謝る方向で行きましょう。
 悪霊はスルーします。ほら、都市伝説でよくあるじゃないスか、目を合わせたら死ぬみたいな。
 気づいてることを伝えたら取り殺されるかもしれないし、甘乃はそんな度胸もなさそうだし」

で、ここから細部をどうするか、だが……。

127タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/16(火) 21:16:43
>>125-126

「です、ワね。
 まずは謝る。『悪霊』は、無視。」

「何をどうしたところで、対応はともかく撃破は困難でしょうし。」

(だって人型ヴィジョンがあるもの。スペック次第にせよ……こっちも発現させるのは最低条件ね。)

方針は定めた。
次は詳細だが……

「謝る、と一口に言っても、内容はどうするかですワね。
 素直に自分の非を認める? らしくないけれど、この極限状況ですワ。本心から謝れる……かも?」

「これ以上嘘を吐かせるのは、流石にマズイ気がしますワ。
 許してもらうことだけ考えて、遮二無二謝る……なら、非を認めない性格にも合っている?」

まあ、あえて謝罪の内容は門倉に全任するって考え方もある。

128八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/16(火) 22:40:41
>>126-127

「了解です。ま、触らぬ神になんとやらって言いますしね」
「で、むしろ『らしさ』を求めるなら。フツーに謝るのもイイんじゃないでしょうか?」

 まず、この状況が『異常』です。
 突如現れた見えない針、怪我をした自分と姉妹、謎の悪霊。
 これでフツーに謝れる子どもなんていませんて。フツーなら。

「この異常な状況、けれども甘乃ちゃんほどのウソの達人なら。
 『見えているものを、さも見えていないもののように振舞う』のも、上手いと思いません?」

 ウソが上手いってのは、つまり『演技派』ってことですからね。
 この子、案外将来女優になったりして?

「つまり、『自分にウソをつく』ということです。
 本当は見えているけど、見えていないとして振舞い、何もなかったかの如く――『普通に謝る』」

「恐怖や、緊張、焦燥……色んな感情を『隠しながら』」

 先ほどの、『ウソではないが、本当のことを話さない』の応用にもなりますかね。
 悪霊に焦点を合わせない。距離は保つ。けれども、意識はしない。
 自分の安全だと思える距離を取った上で、いないように振舞う。

「文言は……、そうですね。

 『怒ったお母さんが怖くて、純菜ちゃんの部屋に隠れていた。
  一応、後で謝りに行くつもりだった。純菜ちゃんは、そんな私を庇ってくれた。
  お母さんに電話でウソついちゃったけど、あの子は悪くない。それは信じて欲しい。

  …なんだけど、お母さんと電話している途中に、急に純菜ちゃんが倒れちゃった。
  なので、凛香ちゃんを呼んで手当てをしてもらった。
  凛香ちゃんが『ちゃんと謝ったほうが良い』というので、謝りにきた。ごめんなさい。
  謝るから、携帯電話の制限を解いて、救急車を呼ばせて欲しい。私も怪我したし。』

                                    ―――こんなんで、どうでしょうか。」


 一応、ウソはついていないはずです。能力にも気づいていないように見えるでしょう。
 もし母親の能力が『ウソを感知する』ものなら、逆に『全て真実である』ことが伝わるでしょうし。

 ただ謝りにきただけだと、理由付けには薄いかもしれませんからね。
 建前としては、最優先は『姉を助ける』こと。少なくとも、母にはそう思わせたい。
 『実は、針による困難な状況を打開しに来たのだ』と悟られてはいけません。

129田所『スワン・キング』:2015/06/17(水) 21:11:05
>>127-128
「よっしゃ、それでいこう」

「やっぱさぁ、女の子の言葉のチョイスは女の子にしかできないじゃん?
 八夜ちゃんが居てくれて助かるッスよー」

メイドさんもね。
この状態で人型スタンドが甘乃を殴りに来たら、もしかしたら『発現』できるかもしれないし。
自分の命が危うくなった時に初めて『発現』するのはよくあることだからな。

「にしても甘乃が女優って……アレか、お笑い芸人みたいな」

130タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/17(水) 22:31:55
>>128-129

「……ですワね。
 ウソが得意なら、『自分にウソをつく』ことも出来る。」

「不自然でもないし――これで良いと思いますワ。」

妥当な謝罪内容だろう。
あくまで『言われたから来た』わけだし、非を全面的に認めるわけではない。

(いざとなれば、姉の助け船も期待できるかもしれない。
           ……彼女は『条件』に感づいてるわけだし。)

まあそんなウマい話は無い……か?
流石にいきなり甘乃が血を吹いて倒れたりしたら何かしらしてくれるだろう。

……したところで無駄な可能性も、あるが。

まあ、ともかく。
八夜に同意っていうわけだ。

「……女優? 
 マア、美人でなくても女優は出来ますワ。」

「痩せたらカワイイ……か・も。」

売れるかは別だし、需要があるかも別だが。

131『それでも私は針飲まない』:2015/06/17(水) 23:39:04
>>128-130(ALL)
「話はまとまった―――とみていいのかな」

『門倉』は手を前で組みなおすと、皆にそう告げる。

「『悪霊』――― ふふふ、『悪霊』。
 『悪霊』を前に『甘乃ちゃん』はどうなってしまうのか?
               それを今、まさに語っていこう」

(※『八夜』の意見を採用して話を書いていくが、
  メール欄に『返答』ない為、万が一、
  修正したい事などあれば早めにレス頂ければ対応予定)

                          → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた明日………)

132『それでも私は針飲まない』:2015/06/18(木) 23:21:36
(序章:>>5 設定>>46 1:>>47 2:>>59-60 3:>>68-69
 4:>>88-90 5:>>102-104 6:>>119-122

     <それでも私は針飲まない 〜その7〜>

「ごぉ……ごめんなさぁぁぁいィ〜〜〜
 わたしウソばかりついてェ〜〜〜 『ママ』をおこらせてェ〜〜

  さいしょにあやまれなかったのはァ おこられるのが、とってもこわかったからァ〜〜
   ついつい純菜ちゃんの部屋に、にげちゃったんだよォ〜〜〜
     それで〜〜ェ、純菜ちゃんはわたしをかばってくれて
      おもわず『ママ』にウソ!ついちゃったんだけど、
       それはとってもやさしいからぁ〜〜〜 純菜ちゃんはわるくなァいのォ!

  それでそれでェ、電話してたらいきなり純菜ちゃんが口にケガして、たおれちゃってェ〜〜
   わたしとってもあわてて『凛香おねえちゃん』を呼んだのよォ!
    そしたら、『凛香おねえちゃん』がパパパッと手当てしてくれて、
      ズバァリ、『お母さんに謝りにいった方がいい』っていうから、来たのォ………

  ね!『ママ』ァ〜〜! ホントぉぉにごめんなさぁいィィィ!!
  あやまるからァ あやまるからぁ 『ケータイ』つかえるようにして、『救急車』よばせてェ〜〜!!
  『純菜ちゃん』も、あとわたしも、はやくケガなおさせてほしいのぉぉぉ!!」

恐怖も、混乱も、ある。それでも『甘乃』は『いつもどおり』の調子で謝った。謝る事が出来た。

 『大鶴甘乃』には、大立ち回りを演じる『運動神経』や『体型』も、
   状況を冷静に分析し、打開案を見出す『性格』も、
    役に立ちそうな『持ち歩くモノ』も、有効な『部活も趣味』も、
      大きなメリットとなりえるような何もかもを、『天』から与えられていなかった。

その中でも、ただ一つだけすがれるものがあるとすれば、それは『特技』―――ウソが上手な事。

『甘乃』という種類の動物に本能で備わっているのではないかと思えるほど、
彼女のウソは巧みで、自分の『感情』や『見えているもの』を隠すような
高度なウソでさえ容易につく事が出来たのだ。


                「………そう。そうなの………」

そんな『甘乃』に値踏みするような視線を向ける『母親』。
『ウソをつく』と『針』が出る、というのなら、それは『ウソ発見機』の役割を果たす。
『甘乃』にとって史上最強!相性最悪の『超常現象』だが、幸いにも『言わない事』に対しては反応しないようだ。
これならば―――疑惑はあっても、『母親』が『甘乃』は今はウソをついていないと判断してくれるに違いない。

     (………これでゆるしてもらえるのなら、『純菜ちゃん』はたすけてもらえる………)

 そんな事を考えながら『甘乃』は、まず第一に『純菜』の無事を祈っている自分自身に正直、驚いていた。
  いつものちゃらちゃらしたウソをつく時には、姉への敬意などはほとんどなく、彼女たちの思いを裏切るばかりだった。
  しかし、そんな状況でもなあなあに許してくれる『純菜』に対しては、無意識のうちに大切に思う事が出来ていたのだろう。

133『それでも私は針飲まない』:2015/06/18(木) 23:24:09

「そうね、『甘乃』。あなたにしてはとても珍しい事だけど、
 今、この瞬間に限れば、あなた、ウソを言っているふうではないみたいねェ」

『母親』の言葉に思わず安堵する『甘乃』。
『母親』の傍らで『針の悪霊』は不気味に佇んでいるが、
『甘乃』はそれが見えないという『フリ』を実に巧みに続ける事が出来ている。
このままいけば、『母親』と和解して、この悪夢を終わらせる事が出来るかもしれない。

 そんな『甘乃』の思いをよそに、

「―――じゃあ、『凛香』。今度はあなたに聞くけど、
  あなたたち、『純菜』の口元に『針』を見なかった?
                   『凛香』も、『甘乃』も」
                           ・ ・

        唐突に―――『母親』は質問の矛先を『凛香』に変える。

                                       「………」

                  突然の事にさすがの『凛香』も思わず言葉に詰まってしまう。


―――この質問はひどい、と『甘乃』は思う。
『凛香自身』は『針』を見えていないので問題ないが、
『甘乃』が見えている事を『凛香』は知ってしまっている。
正直に答えれば、『甘乃』が『針』が見える事がバレてしまうし、
ウソを言えば、『凛香』が針を飲まされる上に、結局、それがウソだったとバレてしまう。

………しかし、なぜこの問いをわざわざ『凛香』に?
疑っていたのなら、先ほどの会話の際に『甘乃』にきけばいい話ではないか?
それなのに、なぜ、わざわざ『凛香』に話をふったのだろう。
『甘乃』の驚異的なウソ能力を敬遠したのか、あるいは―――


「どうしたのォ? 『凛香』ぁッ!!

  お母さんは『針』を見たかどうかってきいてンのよ?

    しっかり者の『凛香』なら、そんな事すぐに分かるでしょ――ォ?」
      ・ ・ ・ ・ ・

『母親』が押し黙っている『凛香』を詰るように問い質す。様子がおかしい。
やはり、『悪霊』にとりつかれてしまっているせいなのか?

                         いや………

『甘乃』は『ウソをつく達人』である。そして『ウソ』を信じてもらうには
他者の性格や『心理状態』を深く読み取り、それを利用する術も必要となってくる。
今、『甘乃』は母親の『心理』をこれまでになく必死に読み取ろうとしていた。

それにより、見えてくるもの………
一言で表すならそれは、『ねたみ』のようなものではないかと感じられた。

『凛香』は実際、非の打ち所のない存在だった。
実の親より親らしく、妹たちの面倒を見、彼女たちを躾け、そして助けた。
その娘に『母親』は、『親』として嫉妬している………実に馬鹿げた話だが。
だからこそ、『母親』は、この状況で
『甘乃を裏切らざるを得ない意地悪な問い』を、『凛香』に仕掛けてきたのだろう。

『凛香』を『妹を見捨てる、どうしようもない姉』という存在に貶める為に。

底意地の悪い、濁った汚水のようなやり方だが、
そうでもしないと『母親』の気がすまない状態なのかもしれない。
そのきっかけを与えてしまったのが
自分のウソだと思うと、『甘乃』はひどく陰鬱な気持ちに襲われた。

134『それでも私は針飲まない』:2015/06/18(木) 23:28:55

この『問い』への『最適解』は決まっている。
『正直』に『甘乃には針が見えていた』と伝える事だ。
どうせ『ウソ』をついても、針で悶え苦しむ様を晒せば、
『母親』にはそれがウソだと分かってしまうのなら意味がない。
であるならば、痛い思いをしない前者の方が明らかに、得だ。

それを踏まえて『母親』はこの質問を投げかけているのだから、タチが悪い。

(べつにうらぎった〜とか思わないし! どーせバレちゃうんだし、
 わたしはなんにも気にしないから、しょうじきに言っちゃってェ! おねえちゃん!)

『甘乃』はそんな事を祈りながら、『凛香』を見る。
『凛香』もまた、ちらりと『甘乃』の方を見やる。

  二人の目が合う。
     『甘乃』の目に映ったのは、
       『凛香』の凛とした、風鈴の音のような、いつものその瞳。

                                 そして―――

「『針』? 『お母さん』は一体なんの話をしているんでしょうか?
 私たちが見たのは、『純菜』の原因不明のケガだけです。
                                    ・ ・
                            私も―――『甘乃』も」

 『凛香』は薄っすらと微笑みを浮かべ、『母親』にそう宣言した。

  明らかな『ウソ』。だが、その後、何事もなく訪れる、
  奇妙な静寂、静寂、静寂―――

  しばらくの間、『凛香』は平然とその場に屹立していた。
    眉ひとつ動かさず、ひとつの悲鳴も上げず。

『わかっちゃったんだ!』と、『甘乃』は思った。
賢い『凛香』の事だ。『甘乃』の例の約束メモを見せた時に、
『攻撃条件』を見抜き、そして、それに対抗する『攻略法』を思いついたのだろう。
そのやり方は皆目検討もつかないが―――
  無事でいる『凛香』の姿が何よりの『証』だろう。

                                    しかし―――


          「『凛香』………あなたも、『ウソつき』ね。
              それでもって、途方もないバカ娘。
                     ママは、とても、残念」

『母親』の冷たい声が響く。
  そして、それが合図だったかように、『凛香』がバッタリと倒れた。
   最後まで一言のうめき声も上げずに、笑顔のままで。

 「ウソを、ウソの行動で誤魔化そうとしても、傷口は広がるだけよ。
   馬鹿ねェ〜〜 ただ『耐えるだけ』で誤魔化そうとするなんて。
   あなたの口中、『針』で一杯でしょ? 『精神』が耐え切れず、
          『気絶』しちゃうのもしょうがないわよねェ〜〜〜」

『母親』の言葉に『甘乃』は事の顛末を知る。
なんの事はない、『凛香』がやった事は『やせ我慢』。
いくら『針』が出てきても『耐える』事で、『ウソ』を誤魔化そうとしたのだ。
スマートな『凛香』に似合わない『力技』。

しかし、そうまでしてでも、『凛香』には譲りたくないものがあった、という事か―――

135『それでも私は針飲まない』:2015/06/18(木) 23:30:33

あれだけ頼りにしていた『凛香』が倒れてしまった事実に、ただただ呆然とする『甘乃』。

 対して―――

「ねェ〜〜『甘乃』。これからこのウチはよくなるわよォ〜〜〜
そりゃあウソつきは『甘乃』だけで、一番困っていたのはアンタに関してだけど、
 他の娘もみんなそれぞれ『ママ』を悩ませてたからねェぇ〜〜〜」

    『母親』は地に伏せた『凛香』に冷たい一瞥をくれた後、
    妙なテンションで『甘乃』に話しかけてくる。
      その口調は興奮の為か、妙に砕けていた。

「『凛香』は優等生ぶったあの態度が気に入らなかった。
 威張りくさってるのに妙に他の娘に慕われちゃってテメーが『母親』かってのッ!

 『正子』は学校で相当苛められてるみたいねェ。
  苛められっ子庇ったら、途端に自分がターゲットになっちゃったんだって。
  親がいちいち学校に呼び出されるし、『正子』も態度改めないし。
  『甘乃』も嫌いだったでしょ?アイツの事?

 『純菜』は『あの女』に似てるから嫌いだな〜〜ァ、
 ろくに帰ってこない『アイツ』の今のお相手。純情ぶりやがって反吐が出る!
                      ・ ・ ・
 『明季』は勉強出来ないし、ウゼーし、
  頭にどっか問題あるんじゃあないの? って感じだし、
  『楽』と『優』は性格的にはまぁマシだけど、
    とにかく小さいから、手がかかるかかる。

 こんな事言っちゃって私って、『母親失格』ってヤツゥ――ぅ!?

             いやいやいやいや

          『 私 は 悪 く な ぁ い 』

 ろくに家に帰らないで女のウチほっつき回っているアイツが『元凶』。
   アイツの娘たちがみんなろくでもねーのが『元凶』。

  結婚すンじゃなかった! って一日千回は思うけど、
    今別れても私はなァんにも出来ない、一人じゃ生きていけなァい。
     だからずっと、貞淑な妻のフリして、母のフリして、ただただ耐えるしかなかった―――」

      大仰な手振りを交え、興奮した『母親』が『甘乃』に語る。
     『針の悪霊』はそれにリンクするかのようにその身体を動かしている。
      それを見るにどうも、『悪霊』にとりつかれているというより、
      あくまで『母親』が『悪霊』を操作しているように思える。

「でもねェ『甘乃』。アナタが、あまりにも約束を破り続けるおかげで、
 あまりにもクソみたいな『ウソ』ばかりつくおかげで、
  私に、奴らを裁く為の『能力(ちから)』が芽生えたのよォ!
 神の力、いや、悪魔の力? どっちでもいいけど、
 とにかく、『ウソついたり』『約束を破ったり』した連中に『天罰』を与えられるのよォ〜〜〜。
               ちょうど、そこに倒れている『凛香』みたいにねェ」

                            ウケケケッ
     『母親』はそう言うと、引きつったような笑い声を放つ。

「家畜の『躾け』には『痛み』が一番ッ!
  この力があれば、調子にのったガキどもも、
    『アイツ』も私との約束に従わざるを得ないィ!!

 『救急車』とか言ってたけどあのくらいの『針』じゃあ、別に死にゃあしないわよ。
 ただか弱い『粘膜』をいきなりブズっといかれるわけだから、その『苦痛』たるや―――

   ウフフフフフフッ!! クフフフッ!!!

                            こんなに愉しい事ってあるゥ!?」

136『それでも私は針飲まない』:2015/06/18(木) 23:34:08

   「『甘乃』ォ、あなたは本ッ当に私を苛立たせる最ッ低の娘だけど、
   アナタのおかげでこォんな素晴らしい能力が芽生えたんだからァ、感謝しなきゃあね。

   だから、特別ッ! 特別にさっき食事中に約束破った事は見逃してあげる。
    だからもう約束破ったりしちゃあ駄目よォ〜〜
       文字通り! フフフ、文字通り『痛い目』に遭いたくなければねェ〜〜〜〜

   なんでか分からないけど、『見えてる』んでしょ?
    『針』が見えてるってことは、私の『守り神様』も見えてるんでしょ?
     もし、私にこれ以上逆らえば『守り神様』におしおきしてもらう羽目になるからね!
      それこそ『救急車』で病院送りになっちゃうわよォ〜〜〜。

                    フフフ、分かったのならもう部屋に戻って休みなさい。
             明日からとぉってもイイ子になるのを、ママは期待してるわよ」


        ……… ……… ……… ……… ……… ………


                ズ ゥ グ  ゥ ゥ ン


        こんな時になんだろう―――『腹部が妙に疼く』。
      極度のショックで、おなかの調子が悪くなってしまったか?

        『何か』―――『何か』が自分のお腹の中に居て、
         それが飛び出してきそうな気がしていた。
      『甘乃』は無意識に『腹部の手術痕』に手を当てる。

       『甘乃』には、この『手術痕』に関しての記憶がない。
       おそらく物心がつく前に行われた手術だとは思うが………
          親にきいても上手くはぐらかされてしまい、
       なぜこんなものがあるのかは何ひとつ分からないのだ。

           『腹黒い』と常日頃から評される『甘乃』。
           中傷であるその言葉を『甘乃』はなぜか、
      『ウソが上手だ』という意味だと勘違いし、誇りに思っていた。

  その『腹黒さ』がお腹に詰まっていて、それが今にも産声を上げそうな感覚。
             単純に具合が悪いのかもしれない。
   明日からの息苦しい生活を前に、ストレスが最高潮に達しているのかもしれない。


普通に考えれば、いくら忸怩たる思いがあろうとも、
あれだけ超常的な力を持つ『母親』に逆らうのは自殺行為に等しい。
また、やり方はどうあれ、『甘乃』のウソつき癖を止める事自体は
一般的には『更正』であり、『甘乃』にとってはある意味では幸福な事なのかもしれない。
『母親』に屈服し、部屋に戻り、この物語を終えるのは
自然な流れの一つなのかもしれない、と思われた。


                  ―――『甘乃』の前にはそれ以外の選択肢がある、のか?

137『それでも私は針飲まない』:2015/06/18(木) 23:36:18
>>132-136(その7)

「という事で、だ」

『門倉』はここで話を区切る。

「これから『甘乃ちゃん』はどうなったのか?
 『物語』というのは必ずしも『ハッピーエンド』だけではない。
  最後の方で話したとおり『屈服』するのも、
   十分、ひとつのオチとなっていると俺は思うね。

 もちろん、その道を選ばずに君たちが
 『新たな道』を彼女に用意してあげても構わない。

 元々『不思議』な話だし、『突飛』な展開になっても構わない。
 君たち自身が『納得』出来るのならば、だけどね。
 その場合、『様々な事』を詳しく決めてくれてもいいし、
 大雑把にだけ決めて他は俺に委ねるなら、それはそれで問題ないよ。

                    では―――話し合いをお願いしたい」

 『門倉』は口を閉ざし、代わりに『三人』の会話の扉が開く。

 (※七回目の最終締め切りは21日(日)24時までとします)

138タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/19(金) 00:12:45
>>132-137

「フゥー……」

            「『ありがち』ですワね。」

聴き終えて、言った。

「……ああ、失礼。
 話の内容が、ではなく。」

「『力に溺れる』――ってコトが。
 たいてい、そういうやつは『足元をすくわれる』……のだけれど。」

さて、この話ではどうなる?
ここまでされて泣き寝入りか?

              ・ ・ ・それは『教訓話』にすらならない。

「まず、確認ですワ。
 この子にも『守り神』を発現させて、『対抗』するか――」

「それとも、させずにどうにか。
 あるいは、言われるがまま? ……今となってはその方が不自然ですワ。」

アツい展開は一度は否定した。
なぜって、現実味がなさすぎるから。

だが、この世界は私たちの世界と同じで、『現実』はあくまで『建前』らしい。

「しつけと言う体裁を取っていようが――
 これは紛れもなく『罪』。
              ……不自然なく。
              『流れ』の中に裁けるならば。
                            私はそれを支持しますワ。」

母親が目覚めたのだ。
今、甘乃が目覚めることは――むしろ自然だ。

139八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/20(土) 00:30:34
>>132-138

「………イイですね」
「ああ、イイです。非常にイイ」

「『反吐が出ます』ね、この母親には」

 にやり、と、隠しもせず心からの笑みを零します。

 ……あっ、褒め言葉ですよ? ホントに。
 非常にイイ、絶好の『転』だと思います、私は。

「美しくも儚い『姉妹愛』、そして『本性』を現した母親!
 ―――いやいや、言葉が無粋になることもあるもんです。
 (私の)先程の思惑通り、矛先がお姉ちゃんに移ってくれたことですし?
 母親の溜飲も下がった… このまま幕を引けば、甘乃ちゃんの今後は安全安心ですね!」

「それに、『躾』には『痛み』が一番とまで言ってのけましたか! ウケるー。
 いやぁ、いっそ清々しいほどですね。PTAが聞いたら卒倒しますよ、これ!」


    「―――言語道断です。『躾』に一番必要なのは、『愛情』です。
     『痛み』は手段でしかない。愛のない痛みなんて、ただの暴力です」


    「感情移入しまくりの判断で申し訳ないですが……」
    「私も『対抗』する方に一票。『屈服』する方が不自然、同感ですね」


 先程は先走ってしまいましたが。
 この話が何かしらの教訓であるのなら、それは。

「そも、この話の始まりは『報い』からでしたね。
 嘘をつき続け、つまみ食いもやめない、『約束破り』の甘乃ちゃんが罰を受けた。
 少しばかり、その報いが飛び火して… 二人の姉を傷つけた。
 嘘を『つかせた』のは、甘乃ちゃんか、それとも母親か? …は、ちょっと置いといて」


  「『報いる』べきでしょう」


 愛情でもって自分を庇い、守ってくれた姉に。
 自分を庇ってくれた姉を、悪意で傷つけた母親に。

「今の甘乃ちゃんには、それを決断できるはずです。
 話の中で『生えた』設定ですが… 彼女には、姉を大切に思う気持ちがある」

 ……ですが。
 問題は『手段』ですね。
 ただ闇雲に抗っても返り討ちは必至。

 頼りになるのは…… 確実性のない、オカルティックな要素だけ。
 自分だけが、母親と同様に『見えない針』が『見える』。
 つまり、自分にも同じことができる… かもしれない、という『可能性』だけ。

「……けれども、ご都合主義ってやつもたまにはいいでしょう」
「『産声を上げそう』なら、『産んでしまいましょう』。
 その感覚に身を任せる。飛び出してきそうなら、それに身を委ねる」

「少し具体性に欠ける方針かも知れませんが…
 オカルティックな話には、丁度いいと思いませんか。
 鬼が出るか、蛇が出るか、はたまた何も出ないのか…
 その次第は、いっちょ門倉さんにぶん投げるとしましょう」

 細部まで、ここで決めてしまうのもイイですが…
 私たちは『みんなで』、『四人で』この話を作っているのだから。

 話し手の意図が介在する語り話ってのも、オツじゃあないですか。

「……と、いうのが私の『返答』です。
 まあ、ちょっと自分好みにしすぎましたかね…。
 お二人が別の『返答』をするのであれば、先ほども言いましたけど
 私は全然気にしないですし、場合によってはそちらに『同意』する用意もありますので」

140八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/20(土) 00:40:49

 おっと、失礼。
 >>139を、一応『返答』とします。念のため。

141田所『スワン・キング』:2015/06/20(土) 00:43:14
>>137-139

「『やるしかない』、だろここは」

グッと握り拳を作り、力強く応える。

 ス タ ン ド
「『見下すもの』に対抗できるのは、それが見える『甘乃』だけだっていうなら」

「産み落とすしかない。暴露するしかない。
 母親とはいえクソみたいな虐待してくるようならよ……逆に『躾け』てやらねーと気が済まねえ」

「俺も八夜ちゃんと同意見だ。
 腹部の湧き出そうとする『モノ』に力を込める。やることはそれだけで十分」

    「『いつまでも子どもじゃない』、ってことを見せてやるんだよ」

142田所『スワン・キング』:2015/06/20(土) 00:44:04
>>141は返答ではなく八夜に同意とします。

143『それでも私は針飲まない』:2015/06/21(日) 17:29:28
>>138-142(ALL)
「皆の意見は同様なようだね。
 では、それを元に話していこう。

  『大鶴甘乃』の行く末………果たしてどうなったか?」

『門倉』は閉ざしていた口を開き、話の続きに戻る。

144『それでも私は針飲まない』:2015/06/21(日) 17:32:17
(序章:>>5 設定>>46 1:>>47 2:>>59-60 3:>>68-69
 4:>>88-90 5:>>102-104 6:>>119-122 7:>>132-136

     <それでも私は針飲まない 〜その8〜>

「フフフ――――
            フ………

                   ……んン? どうしたのォ?
                     馬鹿みたいに突っ立ったままでェ。

  ショックだったのは分かるけど、あんまりボォーっとしてると、
   『お母さんのいう事に逆らった』と『守り神様』に見なされちゃうわよ。

    その場合、『悪い』のは、フフフ、さっさと部屋に戻らない『足』あたりかしらね。
     『小指』あたりの、一番感覚の鋭いところにずぶゥりって感じ?

      あ〜おォ、『甘乃』ォ! そうなったら、
       その醜く肥え太った身体がますます動き辛くなっちゃうわねぇェ。

           『ママ』、そんな『甘乃』の姿見たくないなァ―――
                 それが自分の子だと思うと、ホントォーに情けなくて」

傲慢に見下す『母親』と、腹を押さえ、その場でうなだれる『甘乃』。
何も知らぬ者が遠目から見れば、イタズラをした娘とそれを強く叱る『母親』の図にしか見えないだろう。
いや………確かにそれはさほど間違ってはいないのだが、
いくらなんでも『母親』は増長し過ぎていたし、
その残酷さは『親の叱責』の範疇を大きく外れていた。


       「―――『カラスはしろい』」

                             「………は?」

唐突だった。『甘乃』がぽつり、と呟いた言葉は普通なら明確な『ウソ』にあたる。
意表をつかれた『母親』からは、思わず妙な声が出てしまう。
                                      ―――そして。


    「『さとうはにがい』」
                               「ちょっと?」
        「『あおはとまれ』」
                                  「なに言ってんの?」
          「『なつはさむいし』」
                                    「甘乃! やめなさい」
                「『よるにたいよう』」
                                      「 や め な さ い ってば!」

   『もぐらがそらとび』
                    『みみがしゃべった』

           『うんどうたのしい』
                                  『おやつはきらい』

             「『ママは みんなを あいしている』」


        「 あ ァ ァ  ま ァァ の ォぉ ぉ 〜〜〜ッ ッ ! ! 」


       ボス  ボスボズボスボズ ゥ―z_____  ッ ッ !


案の定というべきか………
 機関銃のような矢継ぎ早の『ウソ』は口中にて、『針』の形で諌められる。

      「ウグウウ
                うう う う う
                           ううう おおお う ッ ッ! ! !」

『甘乃』に『凛香』ほどの『忍耐力』はない。
  我慢する事は出来ず、痛みのままに『悲鳴』をあげている。

                        実に『愚か』としか言いようのない『甘乃の行動』。
                         彼女はいったい、何をしたかったのか―――

145『それでも私は針飲まない』:2015/06/21(日) 17:37:17
                ケ
「あんた………元々その気はあったけど、ついに!完ッ全におかしくなっちゃったのォ?
   『針』出るつってンでしょ! 『報い』を受けるって言ってンでしょ!
    それでもまだウソつくっての!? それでもあんたは『針飲みたい』っていうのッ!?」

『母親』は呆れるように、嘲るように、『甘乃』に侮蔑の言葉を投げかける。
『甘乃』は痛みのあまり涙を浮かべ、顔をしかめながら、ゆっくりとその口を開いた。

  「わらひにはァ、『ウソ』がひふよう………
             ひつほうなのよぉ〜〜〜」

『口』に幾多の針が入ったままの『甘乃』、もはやまともに発音出来ていない。
彼女の唇周辺は、溢れる血で赤く染まり始めており、
母親の『口紅』で遊んだ幼女のような無残な口元となっている。

「あッきれた! あッッきれたァ!
 狂っちゃったんだねェ〜〜〜完ッ璧に!
   それで最後に残ったのが『ウソつく事』って………。
     『甘乃』ォ、アンタの存在っていくらなんでも哀れすぎない?

         そんな娘をいままで育て――――

 ………………
              ……………
                           …………!?」

『母親』の台詞が、不意に途切れる。
それは『甘乃』の身に起こる『異変』に気付いたからに他ならない。


   ぐわあ
            ぐわ  ぐわあ
                          ぐわあ

    ぐわああああああ
            あああああああああああああ

『甘乃』の腹部付近から出てきたもの。
これは………『黒い煙』―――『瘴気』のようなものだ。
『瘴気』はどんどんと溢れ、『甘乃』の近くを漂い始めている。


 「『おねえちゃん』の………
                   『凛香おねえちゃん』のおかげだよォ〜〜〜。

 『ウソ』をつきつづければ、『はらグロ』がでてくることはさっき、『わかった』んだけど、
  もし、わたしひとりだけだったら、針がこわくってこわくって! ぜったい、できなかった」

『甘乃』は母親に対し、ベェ〜〜と『舌』を突き出す。
何故かは分からないが………口中の『針』は全て『消えていた』。

『はらグロ』とは、この『瘴気』の事か?
     『ウソ』を糧としてこの『瘴気』が発生する……そういう事なのか?

「大雪がふった後みたいに! 『おねえちゃん』が『道』をふみならしてくれたから!
 こわかったけど、わたしは、そこをあるくことができたァぁぁぁぁ〜〜〜!!
 『針』なんて、のまされても『えがお』でいれるって『わかった』から、
 ちっちゃい『ゆうき』でもわたしは! だいすきな『ウソ』をつく事ができたのよォ〜〜〜!!」

146『それでも私は針飲まない』:2015/06/21(日) 17:40:35

『甘乃』のドングリのような『瞳』の光は、
 野生の小動物のようにランランと『輝き』を増していた。
 血だらけの口元も相まって………『不気味さ』すら感じる。


「わたしはわるくなぁい。
  だって、わたしの『ウソ』はみんな『はらグロ』が食べちゃったぁ〜〜〜

   わたしはわるくなぁい。
      『ウソ』が無くなったからママの『針』は、わたしをさばけないィ〜〜〜

    わたしはわるくなぁい。
       つまり今、わるいのはママ! そう、『ママだけ』なのよォ〜〜〜」

『黒い瘴気』はどんどんと発生していく。
そして………ある時をもって『瘴気』の表出は止まり、
        今度は、『気体』から『固体』へとその姿を固めていく。


          ぎゅうううううう―――――うううう


              固形化した『黒い瘴気』。
        それはどんどんと特定の形を成していき、
         最後には、そこに『人型』を生み出した。
    『母親』の『針の悪霊』と対比するかのような『黒い守り神』。

         それが『甘乃』のすぐ傍らに―――『立つ』。

     ……… ……… ……… ……… ……… ………

   チッ
                     チッ
           チッ
                             チッ

先ほどからの『甘乃』の言動、
そして出現した『黒い人型』を眼前にして、『母親』は忌々しげに目を細める。
苛立ちのあまり、『舌打ち』が、止まらない。

「………いいわ―――いいわよ。

 つッまんない『ウソ』を、つッッまんないやり方で『隠す』のは、
  いかにも『甘乃』らしい愚劣な行為!
     こーゆーのは『ルール』じゃあなくて、
           『守り神様』に直接、『正して』もらわないと」


              ギ ャ ギ ン ッ


       「『ママ』としての示しがつかないわねェ――――ッ」

『母親』の憤りにあわせるかのように、
今まで佇んでいるだけだった『針の悪霊』がいよいよその体を動かし始めた。
全身各所に『針の山』を持つこの『悪霊』、あれらが『飾り』ではなく『特性』だとしたら………、
それだけでも十分に脅威となる存在である事は間違いない。

対する『甘乃』の『守り神』は『甘乃』の『腹黒さ』が『ウソ』を喰らって産まれた存在。
人型を成してはいるが、ただ『それだけ』ならば、『針の暴力』に勝てない恐れがある。

             ―――『甘乃』の前には勝利の道標がある、と期待していいのか?

147『それでも私は針飲まない』:2015/06/21(日) 17:47:24
>>144-146(その8)
「奇妙な力を持つ親子の対決」

『門倉』はどこか嬉しそうにそう宣言する。

「その結末はどうなるか―――
 それは『甘乃ちゃん』の『はらグロ』の特別な能力にかかっているように思える。
  もちろん、他の要因や展開が関係してくる事だって十分に考えられる。

                     それを決めるのは、当然、君たち三人だ」

『門倉』はコーヒーカップに口をつけたが、
すでに無くなっているのに気づき、店員を呼ぶボタンを押した。

 (※八回目の最終締め切りは25日(木)24時までとします)

148タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/21(日) 23:10:03
>>144-147

「『ハラグロ』」
「『守り神』というより、『祟り神』っぽいですワね。」

                    「……ともかく。」

これで――対等だ。
同じ土俵に立つ者同士の戦い。勝つのは……より、『強い意志』だ。

「無論だけど、この子が勝ちますワ。
 それが正当なる結末。今の彼女は『意志』があるもの。」

「つまり――『自分は絶対に悪くない』。
 『悪いのは全部母親だ』という意志。
 今はその意志こそが『強力』で、『気高い』。」

彼女のスタンドは――そんな『意志』から現れた。
能力も、自ずと……想像がつく。

「彼女の力は、自分が受けた『罰』を他人におっ被せる事ですワ。
                   自分に罪はない。罰を受ける謂れはない。」

「罰を受けた時に、罰を飲み込んで生まれ――
 触れた他人に、それを『おっ被せる』。今回ならば、無数の針を。拳を。」

「だから…… 
 母の意志は、この子には一切通じない。
 拳の針は、むしろ母を傷つけることになりますワ。」

対等さを自覚しない、上から『罰する』という傲慢な意志の拳は――甘乃には通じない。

149八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/22(月) 22:38:08
>>144-148

「……いよいよ」

「オカルトじみてきましたね。いや、あるいは……
 追いつめられて覚醒する様は少年漫画のごとき、でしょうか」

 しかし、一難去ってじゃあないですけど。
 母親のスタンド、直接殴りに来ましたね。

 門倉さんの描写からするに、正面からの殴り合いは分が悪い可能性があります。
 やるならば本領、『はらグロ』の能力で―――


「……最終的に『勝つ』というのは、私も同意です。
 甘乃ちゃんがそうしたように…母親も、『報い』を受けるべきです」
「自分の子を傷つけたことへの『報い』を。それが、この話が向かうべき結末かと」

 『はらグロ』の特別な能力……
 メイドさん案に賛成でもいいのですが、私も私でちょっと考えてみたいのです。

  ・『ウソ』をついたことで、黒い瘴気が発現。人の形を成した。
  ・甘乃ちゃんの『腹黒さ』が『ウソ』を食らって生まれた存在(らしい)。
  ・生まれた結果、『針』が消えた。
  ・外観は、母親のそれと真逆の色。

 目に付く情報は、この辺ですかね。
 それにしても、まさしく『ウソから出たまこと』…いや、この場合は『瓢箪から駒』、でしょうか。


「……メイドさんの仰る通り。この『はらグロ』の能力は…
 彼女の精神性、『意志』を反映させたものであると思います」

 まっ、これが実際の『スタンド』であるなら、その解釈は様々ですが。
 これは『創作話』。物語には何事にも文脈ってものがあります。

 母親の能力は―――、一言でいえば『約束を守らせる』能力。
 一見して聞こえのいい、平和なものに聞こえますが…
 ですが、その実強権的で、邪悪なルールを強いています。

「そして…… 『はらグロ』の外見は、母親のそれと真逆」

 『守り神』というより『祟り神』。
 ビビッときますね。

 確かに、この話。
 母親の言ってることやその能力って、必ずしも邪悪なものじゃあないんですよね。
 最初に悪かったのは、あくまで約束を破った甘乃ちゃん。
 もし母親が良心を持って、子と夫のためを思って使ったなら、まさしく『守り神』となったことでしょう。
 ただ、使い方を間違えた。そういう話です。


「ならばいっそ、能力も対にしてみません?」

「彼女自身の腹黒さを食らって生まれた、彼女の能力……
 まあ、間違っても善性の能力ではないでしょうね。
 ただし、使い方一つで… 圧制から家族を守る盾となるような」

「母親の『守り神』の能力は、『約束を破ったものには罰を与える』。
 ならば、甘乃ちゃんの『祟り神』、『はらグロ』の能力は―――……」

「『ルール違反』。法や規則を破るための能力である、と考えます」

150八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/22(月) 22:40:18


 例えば、彼女が赤信号を無視して横断歩道を渡るとします。

 赤信号の時には停止しないといけない、これは現行の『道交法』という『ルール』です。
 そこに急にトラックが突っ込んできて、ああ無情、甘乃ちゃんは轢かれてしまいました。
 ―――だけど彼女は生きている!


          なぜならルールに違反したから!


 ルールを破っている間に限り、『祟り神』が『黒い霧』となって、規則を破る彼女を守る。
 破るルールが強い拘束力や罰則を持つほど、『黒い霧』が彼女を守る力も強くなる。
 逆に、大したことのないルール(口約束を破ったり、人を騙したり)程度じゃあ守る力は弱くなる。

 ……ちょ、ちょっとバランス的におかしいかもしれませんが。
 いっそ設定を活かして『自分が知っているルールに関してしか発動しない』とか、
 『そのルール破ったことによるダメージからしか守ってくれない』とか、
 色々と調整は必要かもしれませんが、ともかく!

 ともかく、今この時に関しては無類の強さを誇るでしょう。
 だって、破るべきルールは母親が用意してくれたんですから。


「『ウソをつけば』いいんです。『母親に逆らえば』いいんです。
 『手を汚せば』… というのは、ちょっとブラックすぎますかね。

 ただ近づいていくだけで、相当なプレッシャーでしょう。
 何せ、『母親との約束を破り続ける』甘乃ちゃんを、黒い霧が守りますから。
 まあ、その『約束』を解除されてしまうと、その瞬間無防備になるわけですが……

 はたして、これほど強制力のある『約束』。
 しかも内容から見るに、おそらく個々人とではなく他の姉妹とも一括で結んだのでしょう。
 『甘乃ちゃんとの約束』だけに限定して解除する、なんて器用な真似、できるでしょうか?」


「……と、ここまでが私案です。
 恒例ですが、否定されても気にしませんし……
 なんなら、三人が別々の案を出すってのも、ありかもしれないですね」

 話し終えて、二人の意見にも耳を傾けます。

151田所『スワン・キング』:2015/06/23(火) 01:26:13
>>148-150

「意見は全員一致だな」

    「目にもの見せてやろうぜ」

能力の解釈については、八夜案の『ルール違反』がそれらしいと思う。
何回も嘘をつくことで、『はらグロ』は真価を発揮した。
大筋は間違えていないはずだ。

「で、こっからどうやって勝利するか……
 そもそも、『勝利条件』はなんだろな。母親の心を折らせる、とか?」

「そうなるとォ――……そうですねぇ……

 『ママは家族がいちばん』 『ママはこどもの笑顔がだいすき』 『ママはいっつもニコニコえがお』

 ってな具合に、お母さんが家族大好き人間だって嘘をつき続けるのはどうスかね」

精神攻撃は基本だからな。
それに、ただ母親をボコボコにしたところで家庭が良くなるわけじゃない。
なんだかんだ、『保護者』は必要だ。そう、『保護者』。

    「『母親をリッパな保護者として教育する』……
     っていう勝利条件とかは、どうなんスかね?他にもなんかないかな」

152タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/23(火) 16:54:10
>>149-151(八夜、田所)

「…………ですワね、じゃあ能力は貴女の案の方として。」

自分の案にそこまで拘りはない。
そうなると、次は『流れ』だ。

「『勝利条件』……ねえ。
 母親を教育する、というのは、良いと思いますワ。」

「叩きのめしたからって、それはその場しのぎ。
 ……『これから』には繋がりませんもの。望む方向に曲げる、というのはいい。」

スタンド戦に負けたからって、急に人格が180度変わったりするだろうか。

いや、すると言ってしまえばするのだ。精神と精神の戦いなのだし。

「だけど、それを勝利条件とするなら『精神攻撃』は……無闇にするのは、あんまり良くない気がしますワね。」

「一度完全に折ってしまうと、良い方にも行けなくなる。」

精神攻撃自体を否定するわけではない。嘘をつくことは守りにもなる。
が、やるならば……内容はそれなりに考える必要があるだろう。

少なくとも『折に行く』のはだめだ。
『響かせる』ような物でなければ……しかし、すぐには思いつかない。

153八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/23(火) 23:33:51
>>151-152

「あ、確かに。
 『甘乃ちゃんが勝つ』のが結末とは決めましたが…
 『何をどうやったら勝ちなのか』は、はっきりしていませんでしたね」

「『母親の更生』ですか、なるほど…。
 落とし所としては、一番イイものなのかもしれません」

 しかし、ふむ…。
 また難しい問題が出てきましたね。

 更生というからには、何か精神的なショックが必要。
 けれども折れるまで叩いてしまえば、再起不能になってしまうかもしれない。
 ならば、どういう形でショックを与えるべきか…?


「…………なんにせよ、先ず。『挑発』は必要だと思います。
 ウソをつき続けることで、自分に『針』が通用しないことをハッキリ分からせる」

「その上で、どうするか、ですが―――、」


>     「そうなるとォ――……そうですねぇ……

>      『ママは家族がいちばん』 『ママはこどもの笑顔がだいすき』 『ママはいっつもニコニコえがお』

>      ってな具合に、お母さんが家族大好き人間だって嘘をつき続けるのはどうスかね」



「…………」

 甘乃ちゃんは。

 この話の中で、数々の窮地を『ウソ』によって乗り越えてきました。
 それは『本当の事を話さない』という話術でもあり。
 『見えているものを見ないように振舞う』という演技力でもありました。


「田所さん、それで行きましょう」
「こういうのは、どうでしょうか?」

 ならば、最後もきっと。
 『ウソ』によって乗り越えた方が、おさまりが良い。

154八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/23(火) 23:37:11


「先ず、他愛もないウソを幾つか吐いて、『挑発』します。
 当然『針』の発動条件を満たしますが、『はらグロ』の能力によって無効化。

 この間にも、お母さんの『守り神』は殴りに来るでしょう。
 殴られても無事……かもしれませんが、一応距離を取りつつ、手早く。時間との勝負です。
 自分がいくらウソをついても、『針』が発現しないことを母親に分からせる。

 幾つか『ウソ』を吐いてから、『お母さんに関するウソ』を口にする。
 『お母さんは、ホントはみんなが大好き』 『お母さんは、ホントは優しい』 『お母さんは、…… なんでも良い」


                            ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・
「―――そして、母親の『ウソ』に関する時だけ『はらグロ』を解除する」


 甘乃ちゃんの舌は、当然『針』に貫かれるでしょう。

 けれど、彼女は耐えられるはず。
 凛香ちゃんが、その勇気をくれたからです。


「甘乃ちゃんは、『ウソ』の名手です。
 芽生えたばかりの自分の能力すら、『ウソ』の材料にできるはず。

 『他のウソ』をついている最中、『針』は一本も発現しなかった。
 けれども『お母さんについてのウソ』の時だけは、なぜか『針』は発現した。これを印象付けます」

「そして、ここでダメ押しの演技。

  『そ、そんなッ…… 私のはらグロで、【お母さんの約束を書き換えた】はずなのに!
     「ウソをついてはいけません」を、「ホントを言ってはいけません」に変えたはずなのに!』

  『なんでッ、なんで『ウソをついた』はずなのに『針』が出るのよォ〜〜〜〜〜!?』

 ……あ、当然これも『ウソ』です。甘乃ちゃんの能力は『ルール違反』ですからね。
 なので、当然さらに『針』が舌を貫くでしょう。ウソをつきましたから。

 ま、母親には「本当の事を話しているから、また『針』が発現した」ように見えるわけですが。
 うへェ、痛そう。ちゃんと喋れますかね? 『はらグロ』が代わりに喋ったりしてくれりゃあいいんですケド…」


 あと、モノマネのクオリティはメイドさんと比べちゃヤですよ。


「ともかく。母親に、『甘乃ちゃんの能力は【約束を書き換える】能力である』と誤解させます。
 書き換えた約束の内容は、「ウソをついてはいけません」⇒「ホントをいってはいけません」。
 つまり、甘乃ちゃんが真実を話せば、『針』が舌を貫くようになった。……と、母親に思い込ませる。

 だけど、それなら何故、『母親についてのウソ』の時にも『針』は発現したのか?
 『お母さんは、実は家族を愛している』は、本当にウソだったのか?
 本当は心の奥底で、本当に家族の事を愛していたんじゃあないのか……? と、母親自身に思い込ませる。」



 一番最後は、ウソの王道。
 『ウソを真実と思い込ませる』、これでどうでしょう。

 母親自身も気づいていなかった、自分自身の潜在的な気持ち。
 本当は自分は、彼らを愛していたんじゃあないか…? と、『思い込ませる』作戦。

 決して母親を打ちのめさず、けれども心に響かせる。
 条件は満たしているように思いますが、……客観的に見ればガバガバかもしれませんので、反応を待ちます。

155田所『スワン・キング』:2015/06/24(水) 00:54:51
>>152-154

「……んんんん〜〜〜〜〜」

八夜ちゃんの案を聞いて、深く唸る。
深く深く、深く唸った。


「『イイ』……そういうの、すっごく『イイ』と思うぜ八夜ちゃんッ!」

グッと右手でガッツポーズしながら力強く褒める。

「『純菜』ちゃんは彼女を庇って傷つけられた。
 『凛香』ちゃんは彼女を守るために頑張って気絶した。

 次にガッツを見せるのは当事者である『甘乃』……
 もうこれ以上姉妹を傷つけさせないために自らが傷つく番!」

「『甘乃は悪くない』……いいや、『誰も悪くない』んだぜ、この話は。(甘乃のクソみたいな嘘が発端っちゃそうだがね)

 母親を傷つけさせず、母親を目覚めさせる。すげぇ勇気がいる行動だ。
 だからって、長女の『凛香』ちゃんの『笑顔』を蔑ろにするほど、この甘ちゃんは酷薄じゃねえみたいだしな」

つまり、

「『八夜の案に賛成』――だ、俺は。
 『はらグロ』が『針の守護神』の攻撃を防げるならそうするだろうしさ」


――――「ただ、さっきの『はらグロ』を発現するときに同じことを言っちまったのがアレだな。
       能力のスイッチができるかもわからんけど……やるしかないだろ、話の展開的にはさ」

156タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/24(水) 01:52:05
>>153-155

タタラはぽんと、手を打った。

「――なるほど。
 これなら、心を折らず――『矯正』出来る。」

「下手したら母親の『教育』よりあくどいですワね。
 まるで洗脳……けど、それくらいが『イイ』ですワ。」

危害は加えず。
心を傷つけず。

――『元からそうだった』ことにする。
本当の気持ちを嘘に。嘘の気持ちを本当に。ある意味、ウソの極致か。

「ウソ上手、って設定も活かせるし……
 意外に姉妹思いってとこも。
 姉妹のくれたものも。
 色々な設定が、流れがここに収束する。」

                  「……これ以上の案があるとしても。
                   私には思いつきませんワ。」

「だから私も、貴女の案に賛成、ですワ。」

八夜に向けて、大きく頷く。

確かにさっき『愛してる』と言ってしまったのは『矛盾』だが……
言った時点ではまだ『はらグロ』は……ぎりぎり発動していなかった。
(現に、数多のウソで数多の針が出ている。)
『愛してる』は真実だから、その分の針は出なかったのだ……とでも考えればいい。
あれだけ多くの針を、ドカドカ発現すれば、数の多少など、そうわかるまい。
……母親が『どんな嘘に反応して針が出たか』を知覚できるなら不味いが。

157『それでも私は針飲まない』:2015/06/24(水) 20:14:39
>>153-156(ALL)

「なるほど―――」

『門倉』はコーヒーを待ちつつ、三人の意見を確認し終える。

「じゃあその話を踏まえて、こちらの話を進めよう。
 いよいよクライマックス、『甘乃ちゃん』の物語は
   果たしてどんな終着へと向かっていくのか―――」

                          → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた明日………)

158『それでも私は針飲まない』:2015/06/25(木) 21:42:34
(序章:>>5 設定>>46 1:>>47 2:>>59-60 3:>>68-69 相関:>>78
 4:>>88-90 5:>>102-104 6:>>119-122 7:>>132-136 8:>>144-146

     <それでも私は針飲まない 〜その9〜>

         ズバァ―z______ ッ

『母親』との『甘乃』の距離は3mほどだろうか。
それを縮めるかのように、『甘乃』に向かって突進してくる『針の悪霊』。
その動きは滑らかで、そして何より、『早い』。

『悪霊』は『甘乃』の近くまで一気に距離を詰め、裏拳気味に拳を放ってくるッ!

                    ザ ァ ン !

対するは『甘乃』の『黒の守り神』―ー―いや『祟り神』か。
そのスピードは人間とさほど変わらず、『針の悪霊』の速さには及ばないようだ。

ただ、一直線に向かってくる『針の悪霊』の動きを予測し、
彼が繰り出す拳を、自らの腕で弾くようにガードする程度は充分に可能だった。
『黒の祟り神』の防御に『針の悪霊』の拳は弾かれ、少しだけバランスを崩す。
どうやら『パワー』に関しては、『祟り神』の方が高いらしい。

    しかし―――

                            タラァ………

「フフフ、さすがァ! そう言わざるを得ないわねえ。
  『守り神様』の『針』は、罪深き者を罰する『正義のナイフ』―――
   『甘乃』―――アンタのその『珍妙なお人形』に
    グッサリと突き刺してやったわよォ―――ッ!」

 勝ち誇る『母親』の言うとおり、『針の悪霊』の手の甲の『針』が、
  『黒の祟り神』の腕をザックリと傷つけていた。

  「アンタはすっごく頼りにしてるみたいだけどォ―――
     随ッ分すっとろくて、よわっちいザコ神サマねェ〜〜〜。
                   まるで、『甘乃』! アンタみたいにィィ―――ィ」

嘲笑う『母親』。そして、自らの体を貫く『痛み』によって『甘乃』は異変に気付く。
『祟り神』が傷ついてしまった箇所と、自らの身体の『同じ箇所』が、酷く痛むのだ。

    針に刺されたように傷ついた、自らの『右腕』。

ここで『甘乃』は、『祟り神』が文字通り自分と
『一心同体』の存在である事を完全に『理解』した。

袖を伝い、自らの『血』が『右手』を汚す。ふき取ろうにも、そんな余裕はない。
数瞬もしないうちに体勢を整えた『針の悪霊』が再び襲ってくるのが予想出来るからだ。

『黒の祟り神』は『甘乃』とまったく別の存在ではない。
『甘乃』が『こうしてほしい』と『念じ続けない』と、上手く動いてくれない。
今、『右手』の汚れをふき取ろうとすれば、
どうしても『祟り神』への『思い』がおろそかになってしまう。
その状態で『針の悪霊』の猛攻を防げるとは到底思えなかった。

「『甘乃』、アンタ、『ウソ』を隠せるとか言ってたけど、
 『約束』はどうなるのかしら? 『ママとの約束』六か条は覚えているわよね?

  その中の一つ―――『よごれた て は かならず あらいましょう』。

                               今ァ! バッチリ破っちゃってるわよ」

 先程、『甘乃の手』に針が刺さる原因となった『約束』。

                       それが再び、『甘乃』に牙を剥く事になるのか―――

159『それでも私は針飲まない』:2015/06/25(木) 21:46:12

 しかし………
           いつまで経っても『針』は出現しなかった。


その様子に怪訝な表情の『母親』。
対する『甘乃』は不適な微笑みを浮かべている。

「ふっふっふ〜〜ッ!! スゴいでしょッ。
 もう『ママ』のチカラなんてこわくないんだから!
  な〜んでか? な〜んでか? なんでか しりたいィ!?

     んッん〜〜! しょうがないなあァ〜〜〜

  おしえてあげる!わたしの『ちから』はねェ〜〜〜『やくそく』をかえちゃえるのォ!

ママとしたやくそく、『よごれた て はかならずあらいましょう』。
 それを『あらってはいけません』にしちゃったの!
  だから『ママ』とのやくそくはやぶっていないコトになるゥ〜〜!
     『針』は出ないのはそのため そのため〜〜〜ぇ

 それでね、今度は『ウソを ついては いけません』を、
  『ホントをいってはいけません』に変えちゃうよォ〜〜〜

                                      するとぉ!」

 『甘乃』は仰々しくパチンと指を鳴らす。
   『ルール変更の合図』をあえてアピールするような行動。

 「『すもぐりトンボ』」
             「『きたにおきなわ』」
                          「『さばくは みずだらけ』」

   そして、『甘乃』は得意気に、先程同様の他愛のない『ウソ』を連呼し始めた。

       ……… ……… ……… ………

                 確かに『甘乃』が言うとおり、『針』は出ない。


    『甘乃』の満面のドヤ顔と反比例して、『母親』の表情は険しくなる。
   『母親』の脳内で、『甘乃』の言動が『真実かどうか』の検証が始まる。

   そもそも、『ウソ』をついても『針』が出ないのは、先ほどすでに起こった現象だ。
   その際、甘乃はその理由を『ウソを食べているから』と説明した。
    確かにあの時、『甘乃のウソのラッシュ』と『腹部の瘴気』は連動しているように感じられた。
     であれば、今回も同じ『原理』である可能性はある。

      しかし……今は『甘乃』の腹から『黒い瘴気』は出ては居ない。
       また、『祟り神』も『甘乃』から少し離れた位置に存在している。
       そうなると今回の場合、『黒い瘴気』が『ウソを食べている』というのは、
        少しツジツマがあわないように感じられる。

160『それでも私は針飲まない』:2015/06/25(木) 21:50:43

  そうなると、『約束を変える』という『甘乃』の能力申告は正しいのかもしれなかった。
  今現在、『甘乃』の言う事に矛盾点はない。それに、
   『約束』を蔑ろにする『甘乃』には、『約束を変える』というのは『お似合い』の能力に思える。

   ちょうど、好き勝手し放題の家族に『罰』を与え、
       『家庭の平和』を手に入れたかった『母親』が
              この能力に目覚めたのと同じように―――

        「『まっさおポスト』」
                        「『つめたいストーブ』」

   だが……一体どこまでこの娘は『馬鹿』なのか?
   能力を誇示する為だけに、
    いつまで下らない『ウソ』をつき続けるのだろう?

   気付いていないのだろうか。
    『母親』が『甘乃』とかわした『約束』は、
    『甘乃』を縛る『約束』だけのものであり、『母親』を束縛するものでは一切ない。
    つまり、『約束』を変えれば、確かに、
      能力での『針』は喰らわずに済むだろうが………ただそれだけ。
           『母親』を害する事は一切できないのだ。

    そして、『母親』が『甘乃』を傷つける事の出来る術はなにも、『能力での針』だけではない。
    『針神様自身』から生えた針は『約束』とは無関係に『甘乃』に対し、『凶器』となる。
     自らの『分身同士』の戦いならば、『針』をもつ『母親』の方が圧倒的に有利なのだ。


     「『おかあさんは、ホントはみんなが だいすき』」

            「『おかあさんは、ホントは やさしい』」

                                 「『おかあさんは―――』」


      いつのまにか『甘乃』の『ウソ』は、『母親』に対する『皮肉』に変わっていた。
       おそらく、ろくでもない母親に対する『イヤミ』という意味あいなのだろう。
        もしかすると、『甘乃』は『母親』を精神的に害する事で
          『母親』の『精神』を折ろうとしているのかもしれない。

      (いかにも『甘乃』が考えそォうな、下らない、本当に下らない『作戦』!)

   『針神様』の態勢はすでに万全だ。体中の『針』を震わせ、
    『甘乃』の『祟り神』を喰らい尽くす準備は完了している。

     容赦はしない。
     『針神』が跳ね、今まさに『祟り神』を襲撃しようとした瞬間―――

      その時だ。

        グザ  グサグサグサグサ

                      ぐさァぁあああああああッッ!!!

    突如、『甘乃』が『血』を吐き、力なく両膝を地に着ける。
    それと同時に『母親』は『甘乃』の口中に『針』が発生している事を『感じた』。
    おそらくは、直近の発言、『母親自身』についての『ウソ』での発生。

                                    しかし………なぜだ?

161『それでも私は針飲まない』:2015/06/25(木) 21:55:25

「ほ、ほんなァ〜〜〜 わらひのひからで おはあさんは、
    『やふほふ』をきゃきかえたはずにゃのにィ〜〜!
    『ウソをつひてはいへません』を、『フォントをひってはいえません』にきゃへたはずなのにィィ〜〜!

    にゃんでッ、なんで『ウソをついた』はずなにょに『針』がでりゅのよォ〜〜〜〜〜!?」

       …………… ………… ………… …………

   血を吐きながら、発音不明瞭な『たわ言』をのたまう『甘乃』。
    その底知れぬ不気味な迫力に気圧され、『母親』は『針神』の動きを一度止める。

   『甘乃』は、なんと言ったのだ?
   『母親』は頭の中で、『甘乃』の言葉を解析し、分かりやすい日本語に置き換える。

    『そ、そんなァ〜〜〜 わたしのちからで おかあさんの 『約束』を書きかえたはずなのにィ〜〜!
      『ウソをついてはいけません』を、『ホントをいってはいけません』に変えたはずなのにィィ〜〜!

         なんでッ、なんで『ウソをついた』はずなのに『針』が出るのよォ〜〜〜〜〜!?』

  こんな感じか。つまり、『針が出た』のは『甘乃』にとっても想定外だった、そういう事だろう。

  原因として考えられるのは『甘乃』が能力を誤認している事、
   確かに目覚めたばかりだから、そんな事もあるかもしれない。

  または能力を詐称していたとか? いや、これはないだろう。
    詐称していたとして、なぜ自らダメージを受けるような挙動に走る?
     自分に甘い『甘乃』がそんな自傷めいた事、何があってもやるはずがない。

   あるいは、先程の発言自体の問題か?
      先程の発言、『母親に関する事』。
      『ホントを言ってはいけません』と定めた『甘乃』が
       その発言で『針』を飲む羽目になった。

       ……………

                  つまり、それは―――

                                    それは―――
        ………
              ………
                    ………
                          ………

  『母親』は顎に手を当て、考え込み始めた。
  彼女の心の中で何かが『揺さぶられている』のは間違いないだろう。
  だが、『甘乃』の口中の『針』は、未だ消えない。
     『母親』はまだ、この家を縛る能力を解除していないのだ。

   『もう一押し』―――『もう一押し』なのかもしれない。

    だが一方で、このまま何もしなければ、『母親』は気を取り直し、
     再度、『甘乃』を『罰する』方向に心が傾く可能性も捨てきれない。

 いっそ、この『隙』を利用して、『逃亡』するのも手だろう。
   一度距離をとり、『考える時間』を『母親』に提供するという事だ。

  あるいは『攻撃』か? 機転の利いた攻撃ならば、
     『母親』をねじ伏せる事が出来るかもしれない。改心はその後でもいい。

   もちろん引き続き『母親』の心を揺さぶる行動を起こすのもひとつの道だ。

                       そうだ。『甘乃』の前には無数の選択肢がある―――

162『それでも私は針飲まない』:2015/06/25(木) 22:02:22
>>158-161(その9)
「いよいよ極まってきたね!
                  ………あ! ありがとう」

 興奮気味に語る『門倉』。
 行間で頼んだコーヒーを『ツインテールの店員』が
 持って来たので、そのテンションのまま、それを受け取る。
 対比するかのような『ツインテールの冷ややかな視線』は、あえて無視しているようだ。

「さて―――俺の見立てによれば……いや、もうみんな分かっているかな。
 そろそろ『物語』は、『終わり』へと向かうだろう。
  『ハッピーエンド』が望ましいのかもしれないが、
        俺個人は『バッドエンド』も嫌いじゃあない。

  その結末の終着点を決めるのは、君たち、という事になる。
   君たちの『選択』が適切なものならば、
     『物語』は君たちの望む方向へと進んでくれるだろう。

                  『終わりよければ、すべてよし』

                              ―――では、頼んだよ」


『門倉』は目を輝かせて、三人の話し合いを促す。
彼のいう事が正しければ、話し合いをするのはもう少しだけ。
場合によってはこれが『最後』なのかもしれなかった。

 (※九回目の最終締め切りは29日(月)24時までとします)

163タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/25(木) 22:57:17
>>158-162

「このまま……続けますワ!
 逃げたり、殴ったり、どうしてそのような事が必要なのかしら。」

やや興奮気味にタタラは言った。

「このまま『オトす』のが、正当で、綺麗な終わり方だと……思いますワ、私は。」

まずは、自分の方針を表明する。
逃げては『その時』を見られない。

ましてや、殴り倒しては『騙し討ち』もいいところだ。

「とはいえ、あと一押し……の、キメのセリフが中々思いつきませんワ。」

「どうしようもなく『揺らす』ようなのがいいけれど……例えウソだとしても。」

顎に手を当てて考え込む。
……母親の気持ちは確かに揺らいでいるから、この作戦には効果があるのだ。

「…………逆に、『わたしも、お母さんが好き』なんてどうかしら? いきなり過ぎかしら。」


親の情に訴えるわけだ。
そんなものあるのかはしれないが、曲がりなりにも『母』としての役割を放棄していないのだし、きっとあるだろう。

164八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/28(日) 20:28:34
>>162

「バッドエンドですか。うーん……うーん。
 個人的には、それも別に『無し』じゃあないんですけどね…」

 飲み終えて空になったグラスを、店員さんに差し出します。
 下げてください。


「私は、安直なハッピーエンドは嫌いです」

 ピンチにヒーロー、悪人は成敗、お姫様には白馬の王子。
 困った時に不思議なパワー、みんな仲良く大団円。
 全部、空寒いです。現実にそんなこと、起ころうはずがないのに。

「なぜならそれは『放棄』であり、『逃避』だからです。
 だから、同じ理由で安直なバッドエンドも嫌いです。

 もしこの話が、『バッドエンド』を迎えるとしても……
 それは、万策尽きたという『諦め』や『妥協』の末にあるものではなく。
 最後まで抗おうという『挑戦』の結果であるべきだと、思うんです」

 バッドエンド自体は嫌ではありませんが。
 思考放棄でバッドエンド、という選択肢は好ましくない、ということです。


 ……ポエムはこの辺にしといて。じゃあ、どうするかを考えねばいけませんね。


 ↓↓↓以下、本文です。↓↓↓



 百点満点…とは、さすがにいきませんでしたか。ギリギリ及第点?
 確かに、突っ込みどころ結構ありましたもんね…。
 しかし、精神的にはゆさぶりをかけられた。勝ちの目はまだあるでしょう。

 とりあえず、ちょっと情報の整理を。

  ・『はらグロ』の能力は、約束や法などの『ルールに違反するときに、甘乃を守る』能力。
   能力の発動中に、『はらグロ』は黒い霧状になって甘乃を守る(?)。
   (ただし、>>159のレスを見る限り、必ずしも霧状にならずとも、ウソによるダメージを『無効化』できるかもしれない。)

  ・母親は、『はらグロ』の能力を、『ルールを自在に変更する』だと思い込んでいる。
   現在、その対象となるルールは… 『ウソを言ってはいけない』⇒『ホントを言ってはいけない』。

 こんなとこですかね。
 一つウソをつくと、そのウソのためにまたウソをつき、てんてこまいになると言いますが…
 さすがにこんがらがってきました。

165八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/28(日) 20:30:51


「メイドさんの意見に賛成です。情に訴えましょう。
 逃げる・殴るは、どちらも根本的な解決に結びつきにくそうですしね」

「となると、『揺さぶる』内容ですが……」

 方針は、だいたいメイドさんのものに賛成です。
 ですが、肝要なのは見せ方ですね。


「……先ず、激昂してみませんか。 『ママのウソツキ!』…と。いや、超皮肉ですが」

 なんで怒る(フリをする)かというと、一番『本気の感情っぽい』からです。
 人間、愛想笑いや泣き真似は上手いもんですが、怒る『フリ』って結構難しいんですよ。

 でも、甘乃ちゃんには出来ると思います。
 ウソの達人っていうのもありますが… 針を刺されてマジに痛い、っていうのは本当ですからね。
 本当の感情が混ざった、嘘の弁舌。こりゃなかなか見抜けないでしょう。


「……っと、その前に『ルール変更の合図』、ですね。
 『ホントを言ったら針が出る』状態のままではめんどくさい。
 指をパチンと仰々しく鳴らして、『ホントを言ったら針が出る』状態から修正してから…

    『ママのウソツキ! みんなのこと、嫌いな『フリ』をして……
     ホントは、本当に大切だったんじゃない!!
      ママが自分にウソをついていたせいで、アタシが針飲んじゃったじゃない!』

 ……みたいなことを、ですね。まあ、言うわけですよ。
 これは『客観的な指摘』であると同時に、自己中な甘乃ちゃんっぽい『八つ当たり』でもあります」


「それから…… 『私もお母さんが好き』よりも、『みんなも、お母さんが好き』の方が。
 心を動かせる気がしませんか? お母さんは、家族全員を嫌っていたワケですから」


           ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「―――ええ、『はらグロ』の能力を発現しつつ、『みんなだってお母さんが好き』と、堂々と言ってのけましょう」


「『言っとくけどね、お母さん』と。『私が真実を教えてあげる』と。唐突にならないように、仰々しく前フリを挟みつつ」

 この作戦は、『黒い霧状』にならずとも、針の発現だけなら無効化できる―――
 あるいは、『幸運にも』母親が甘乃の本当の能力に気づかない。

 この仮定を前提としたものです。
 なので、今までの作戦と比べ、やや確実性に劣りますが。

「他でもない、母親の能力が……甘乃ちゃんの言葉を証明します」


「『みんながお母さんを愛している』……その真偽を問わず。
 母親にとっては、確実に真になります。だって、ウソなら甘乃の舌は針に貫かれますから」

「けど、貫かれないんです。そういう能力ですから」


 これがホントに最後の最後。

 最後のウソは、ウソではなく。
 『ウソか本当か分からないけれども、本当だと思い込ませる』って感じですね。



「……ただ。私の案はあくまで『作戦』です。
 母親の心を動かす、一番強い『決め台詞』は… ちょっと、私も思いつきません」

「『みんながお母さんを愛している』、『お母さんもみんなを愛している』…
 この二つの要素から、母親がもう家族の誰も傷つけなくてよくなるような、そんな決め台詞…」



「―――田所さん。お人好しのあなたなら、何か思いつけませんか」


 はい無茶ぶりします。
 もちろんメイドさんの意見だって、あるいは何かしら他の作戦でも絶賛大募集ですよ。
 というかもうホント私だけ喋りすぎてちょっと痛い空気なんですよ。誰か。

166田所『スワン・キング』:2015/06/28(日) 22:57:13
>>163-165

「……」

タタラと八夜の話を黙って聞き、自分に話が回ってきたところで一つ頷く。
眼を開く。アイスティーで口を湿らせて、次に口を開く。

      「言いたいこと全部言われた!」

両手を上げて白旗を振る。いや、もう、本当言うことないっす。

「決め手になる言葉つっても、俺は『小説家』でも『漫画家』でもないッスよ。
 申し訳ないけど、それは思いつかない」
                           「し」

「なにより、それで十分なんだと思うよ。
 母親は『甘乃』のウソには真面目に取り合わないフシがあるっぽいし……ぽくない?
 だから、『甘乃』がちょっとばかし普段の自分のルール……『わからないものには嘘をつかない』、を破ったところで、
 母親は気づきそうにない。あと、『悪いのは自分じゃない』んだからな」

姉たちの気持ち、妹たちの気持ちなんて、彼女には知ったことじゃないしわからないものだろう。
本来なら、ここは『自分だけはお母さんが好き』とでも言うところなんだろうが……
『はらグロ』が出てきたおかげで、『自分への約束』すらフイにできるんじゃあないか。

「良い方向に母親を誘導できれば、それでカタがつく。
 ……ああ、そうだ。ついでにダメ押しで、『嘘泣きしながら謝る』なんてのもアリかな。
 どうかなァー、これで終わるかな」

「とりあえず、そういう方向でどうッスかね。メイドさん、何か『ここを変えてどうぞ』だとか『付け足し』たりとかってありますか」

167タタラ『インスタント・カルマ』:2015/06/28(日) 23:15:58
>>164-166(八夜、田所)

「いえ――これでいいですワ。
 過不足なし。これ以上はゴテゴテでしょうし。」

「貴女の案に、貴方の付け足しをした、それで返答しましょう。」

タタラとしては、これ以上何かあるわけでもない。
このまま上手くいけばいい、と思う。

ハッピーエンド至上主義でもないが……『良い方が良い』程度にはタタラは俗だ。

168八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/06/29(月) 19:34:47
>>165-167

はい無茶振りしました。


「…ま、まあ、ちょっと一人で喋りすぎたと反省していなくも無いんですよ」


というワケで、田所さんの最終案に賛成します。

169『それでも私は針飲まない』:2015/06/29(月) 23:15:19
>>164-167
「結論は出たようだね」

三人の思いがまとまったのを見て、『門倉』が締める。

「じゃあいよいよ………いよいよだ。
 君たち次第なところもあるが、
  次がおそらく『最後の話』となるだろう。

                        じっくりと聴いてほしいね」

                          → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた明日………)

170『それでも私は針飲まない』:2015/07/01(水) 00:01:57
(序章:>>5 設定>>46 1:>>47 2:>>59-60 3:>>68-69 相関:>>78
 4:>>88-90 5:>>102-104 6:>>119-122 7:>>132-136
 8:>>144-146 9:>>158-161

     <それでも私は針飲まない 〜その10〜>

『甘乃』が手に入れたのは、『ルール違反』による『不利益』をかき消す能力である。

つまり、『約束を違うものに書き換える』という『母親』への能力申告は『ウソ』。
先程、『ウソの連呼』をしても大丈夫だったのは、約束を書き換えたからでなく、
真の能力で『ウソをついてはいけません』を破った事による
『不利益』=『針の発現』をかき消していたからだ。

そして、最後の『連呼』、『母親が家族を愛している』といった際に『針』が出たのは、
その時にあえて『能力』を『使用しなかった』から。『甘乃』はその事により、
『母親』に『自分は本当は家族を愛していたのではないか』と思わせたかったのだ。

しかし、『母親』の心に刺さった『針』の根は深い。
『母親』を考え込ませる事は出来たが、
『針の能力』も『針の悪霊』も、未だ眼前に存在していた。

 ……… ……… ……… ……… ……… ………

「ううぅううぅ……… らめら らめらぁ……
                もとひ もどさないとぉ」

物思いに耽っていた『母親』は、
情けない『甘乃』の声にハッと現実に引き戻された。

                パ チ ッ

フラフラしながら『甘乃』は指を鳴らす。
あれが『能力』、『約束を書き換える』際の合図という事なのか。
この状況で『もとにもどさないと』いけないのは、
おそらくは『母親』の約束を改変した『ホントのことを言ってはいけません』だろう。
(それによって『甘乃』は酷い目に遭ったのだから)。

では、今は、再び、『ウソをついてはいけません』が有効になった、という事か?

             (………………)

 『母親』は『疑心暗鬼』の海を泳いでいた。
 今までの全ては推測にしか過ぎない。
 だが、仮にすべてが『推測どおり』だったとするならば、
 『ホントの事を言えない』甘乃が

      『おかあさんは、ホントはみんなが だいすき』
          『おかあさんは、ホントは やさしい』

      と言った際に『針』が出たという事実。
      それは、その発言が『ホント』だった事を示している。

           私が、家族を愛している―――?

      自分の事ながらよく分からない。単純に考えるのならば、
   『憎しみ』や『恨み』のような感情が渦巻いているだけ、に思える。

     もちろん、昔からこうだったわけではない。ないが………

171『それでも私は針飲まない』:2015/07/01(水) 00:04:56

 「ぐぬゥ〜〜〜、ママのウソツキ!
     みんなのほと、キラひなフリをして……
      ほんとは、ほんほーに『たいしぇつ』らっらんじゃない!!
       ママがじぶんにウソをふいていたせいれ、わらひが『針』のんじゃったらない!』

   と、急に『甘乃』が怒り出した。
     『みんなのこと、嫌いなふりしてホントは大切だったんじゃない!』
      『ママが自分にウソをついていたせいで私が針飲んじゃったじゃない!』。
       その真偽はともかく、随分と身勝手な、『甘乃』らしい物言いだ。

        だが、『甘乃』の言葉は『母親』の推測を補強するものでもあった。

「ていうか もうひっちゃうけどけろねェ〜〜!
  ママがみんなのこと『たいしぇつ』だってひうのとおなじくらい!
   やー、それいじょう! それいじょうひ!

     『わたしたちしまい みんなは ママを あいひている!』

                     これはホントよ! ホントなろよォ!」

   畳み掛けるような『甘乃』の言。
   今度は『私たち姉妹みんなはママを愛している』という主張。
    先程、『約束』を『ウソをついてはいけません』に戻したとすると、
         『針』が出てこないこの台詞は『真実』という事になる。

「………ホント! ホントぉなのよォ………。
  ごめんなさい、『ママ』ぁ、わたひがうそばっかりつくかりゃぁ、
   そんなあたりまえのことも しんじられなきゅなっちゃったんらよねぇぇ」

 続いて『甘乃』は泣きじゃくり、『謝罪』の言葉を投げかけてくる。
 その様子は真に迫っており、とてもウソを言っているようには思えなかった。

       『あたりまえのこと』………確かにそうなのかもしれない。

  『母親』はめくるめく『甘乃』の誘導に流され、少しずつ自らの考えを修正し始めていた。
  自分が『ヒステリック』に追い詰められていただけで、
  『娘たち』はずっと『母親』の事を愛してくれていたのかもしれない。

  そして……なにより『母親』自身も『娘たち』を愛していた、とするなら。
  『相思相愛』の関係において、さすがに『針の罰』は重すぎるだろう。

     ……… ……… ……… ……… ……… ………

『甘乃』は『母親』の表情が徐々に緩んできているのを見逃さなかった。
『順調』、すべては『順調』だ。『ウソも方便』とはよく言ったもので、
『甘乃』は『ウソ』を自分の唯一の武器として最大限に活用していた。

「ごめん……ごめんなさいぃ。らから、もう、『針』なんてぶっそおなもの ださないで、
 いつものやさひい『ママ』にもどってぇぇぇ〜〜〜おねがいよぉぉぉぉぉ」

 ここで、『甘乃』は最後の『ダメ押し』に入る。
  愚直なほどに直球な『謝罪』と『泣き落とし』のコンボ。
   『母親』の表情もますます穏やかになってきているように感じた。


        そして、
                ついに、
                          『針』は―――

172『それでも私は針飲まない』:2015/07/01(水) 00:08:22
                                                  3/4  『BAD END』

             『針』は


                          ―――消えない。
                               ・ ・ ・ ・

  「あ〜〜〜『甘乃ォ』、

      正直言ってしまえば、アンタの言う事は
       まんざら『ウソ』じゃあないと思ってきているのよ。

        でも! 残り1%!
          なぜだかどうしても『信じ切れない』要素があるのよねェ〜〜〜」

  『母親』は『甘乃』の事を、この世で一番『知る人物』だ。
  そして、天才的なウソツキである『甘乃』の能力を深く『信じている』からこそ、
       最後の最後、根幹の部分で『甘乃』の言葉を『信じきれなかった』。
  『母親』と『甘乃』に『魂レベルでの絆』があるからこそ、
      このような結果に陥ってしまった、というのは実に皮肉な話だ。

  「………このまま、アンタとだけ話し続けても、
       結局、私は『答え』を出せないと思う。

     だから、とりあえず、『休息』が必要よ

                            ―――私にもアンタにもね」


  『母親』は、今、この場での『返答』を出す事を放棄した。
  それにあわせるように『針神』が不気味に動く。

 『神同士』の対決では、速度と精密性は向こうの方が上。
  更に身体に纏う『無数の針』を使用されれば、
  甘乃の『黒の祟り神』を駆使しても、やがて傷つき、倒れる事は必至だろう。
   そして残念ながら『甘乃』にその差を埋めるような『アイディア』は、無い。

     もはや『母親』に隙は見られず『甘乃』の『言葉』も尽きた。
       口中より『血』は流れ続け、
            『痛み』は消えず、『希望』は潰え………

      『甘乃』は自らの意識が、朦朧とし始めている事に気付いた。
       今までは『母親』と対峙し、説得しなければならないという『緊張』が、
        『気付け薬』として上手く働いていたのだろうが………
           それ以上の『絶望』が『甘乃』を覆い尽くしつつあった。

    このまま、意識を失い、目覚めた時、家には『秩序』が生まれているのかもしれない。
       しかし、その『秩序』に馴染めるとは『甘乃』には、到底思えない。

        自分の才を生かし、『甘乃』はやるだけの事はやった。
      だが………『甘乃』だけの力では限界があった、という事だろう。

          彼女を責められる者は誰も、誰も居ないはずだ。

                             そして、『甘乃』はゆっくりと目を閉じ―――

173『それでも私は針飲まない』:2015/07/01(水) 00:14:12
                                       mailto:3/4  『BAD END』


      グジュグジュグジュ
                    グジュグジュ

                                        mailto:3/4  『BAD END●
            グジュグジュグジュ
                                        mailto:3/4  『BAD EN●●
                           グジュグジュグジュ
                                        mailto:3/4  『BA●●●●●

                                        mailto:3/4  ●●●●●●●
     グジュグジュ
                                        mailto:3/4  ●●●●●●●
                        グジュグジュ
                                        mailto:●●● ●●●●●●●



      ………『メール欄でウソを言ってはいけません』………

            なぁんて

                           なぁんてね。


       私の能力なら、
                  その『ルール』

               やぶっちゃっても 大丈夫!

174『それでも私は針飲まない』:2015/07/01(水) 00:17:03

 ……

    ………

         …………

              ……………


   「―――さっきから我慢していたけれど……もう許容量は振り切れました!
        一体全体なんなのですか!?
        『甘乃』、あんなに大きな声を出して、本当に貴女って人は………」

      「なァに、なになに! おねーちゃん! なにしてあそんでたのぉッ!!」

                 「ゆうゥーゥ」   「らァーくゥ」

           朧な意識の中、奇妙な『夢』を見ていた気がする『甘乃』。
               そこににわかに飛び込む、実に騒がしい声。
       その声の『群れ』に、止まりかけていた『甘乃』の意識は、再び働き始める。

 声で分かる。背後から迫ってくるのは次女の『正子』、五女の『明季』、六女と七女の『優』と『楽』。

     一体なぜこのタイミングで………と思ったが、そうだ、『甘乃』の声だ。
         先ほどからの『母親への説得』が、心からの叫びが、
            はからずも『残りの姉妹』を呼び寄せたのだ。

    ………
           ………

        賭けてみるか―――

               再度、意識をフル稼働させ、『甘乃』は思う。

       これは『甘乃がやろうとしていた事』の延長上だ。
         『甘乃』だけでは、『母親』の心の牙城は崩せなかった。
              ・ ・       でも『ほかの姉妹』の力を借りれば――――

         『口』は動くか? 『凛香おねえちゃん』が倒れている事を誤魔化せるか?
           この空間の『異状』に気付かれないような『演技』は出来るか?

        当たり前だ―――その程度のウソが、『大鶴 甘乃』につけないはずもない。


 『甘乃』は両手で『口元』を覆い、『姉妹たち』の方を振り向く。
  その目からポロポロと涙を流し、大げさに首を振る。
    『視線』を出来るだけ『甘乃』に集める演技。

 「やぁ〜〜、エグン らってェ〜〜〜、 ママがねェ
    みんなが ママを あいひてるって エク しんじてくれないのよォ〜〜゙
     ねぇぇ まちがひないよねぇ〜〜 みんな エグ
              ママのこと、すきでしょォ〜〜〜〜?」

出来るだけ明瞭な発声を目指すが、やはり限界はある。
なので、ところどころロレツが回っていないのは、『泣いているから』だと思わせよう。
血で汚れた口元は、泣きの演技の流れで『両手』で覆い隠す。
過剰なまでの『挙動』は自分に集中させ、倒れている『凛香』に目を向けさせない為だ。

少しの間だけでも、この場が『日常』であると『ウソ』をつかなければならない。
『異状』に気付かれてしまえば、それに気をとられ、
『姉妹たち』は『素直』に問い答えてくれないだろうから。

これは『賭け』だ。なぜなら、『甘乃』には、
『姉妹たち』がウソをついた場合、それを誤魔化す術がないからだ。
『ルール違反』を反故に出来るのはあくまで『甘乃のもの』のみ。
だから『姉妹たち』がウソをつけば、容赦なく『針』は彼女たちを襲う。

『他の姉妹』たちを巻き込むのは気が引けるが………
このままではどの道、明日から『針』による『独裁政権』が始まるのだ。
それならば、『姉妹総出』で、今、『戦った』方がいいだろう。

175『それでも私は針飲まない』:2015/07/01(水) 00:19:41

「そんなんきまってんじゃんねー」

  最初に口を開いたのは五女の『明季』だ。

 「すきだよォ すき すき!
   ラッキーターンについてる『まほうのこな』よりすきィ!
     だってママだよー あたりまえじゃんねー」


   続いて六女と七女の『優』と『楽』。

   「まァま すき? すきー」 「だよねーすきー」


  そして、最後は………二女の『正子』。

   「………このような場所で唐突に訊かれて応じるのは、
      とても気恥ずかしいものがありますけど、
       私はけして『ウソ』などつきません。

      思うところは多々あるけれど、

        『母親』を愛さない娘がいるでしょうか?

                    少なくとも、この家には、
                そんな者はひとりも、『居ません』」

  ………
         ………
                ………
                         ………

              『針』は、出ない。

     『姉妹たち』の言葉は、まごう事なき『真実』だった。

『甘乃』は『母親』を見やる。これで先ほどの『甘乃』の言葉、
『わたしたちしまい みんなは ママを あいしている!』が、
完全に『証明』された形となる。

『母親』が『甘乃』をすぐに『信用』出来ないのは仕方がない。
(この物語だってすべてはそこから始まったのだ)。
だが、他の『姉妹』、特に正しい『正子』の性格を知っているのなら、
その言葉に『ウソ』はない事は、しっかりと理解できるはず。


                                     そして―――

 「………
        ………

                    分かった、分かったわよ。

      『母親』を愛さない娘は居ない。

         なら、『娘』を愛さない『母親』もまた、居ない。

    『甘乃』だけじゃあなくて、あなたたちまでそう言うなら、それは、

                    『そういう事』………なのかもしれないわね」


         パ ァ ァ ァ ァァァァ―z________________

176『それでも私は針飲まない』:2015/07/01(水) 00:21:21

      『母親』はそう呟くと、思いを噛み締めるように目を閉じる。

      それと同時に、今まで彼女の脇に立っていた禍々しい存在、
              『針の悪霊』は、その姿を消した。
      併せて、『甘乃』は自らの口中から『針』が消えたのを確認した。

     つまり、今、『母親』の『針の呪縛』は完全に、『消滅』したのだ。


  『母親』―――『大鶴 忍(おおつる しのぶ)』。

         あらゆる事をしのび、耐えてきた彼女の人生は、
         今、この瞬間、違う方へ進み始めたのかもしれない。

    ………  ……… ……… ……… ……… ……… ………


               (ィ やったァ〜〜!)

    そんな『母親』を見て、『甘乃』は『喜び』を噛み締める。

 『ただ勝つのではなく、今後に繋がるよう、母親の気持ちを懐柔する』。

魂レベルで『信用されてない』ところからのこの『結末』に辿り着けたのは、
『甘乃』の執念ともいえる『ウソ』の乱打によるものだろう。
最後こそ『姉妹たち』の言葉が決め手となったが、
それを呼び寄せ、誘導したのは他でもない『甘乃』だった。

『運動』も『勉強』も苦手、まともな『特技』も『性格』も、
『それなりの容姿』すらない『マイナスばかり』の存在。
ただただ特化していたのは、『ウソをつく能力』。
これだけが彼女の全てだったが、これだけで彼女はこの『物語』を救ったのだ。

もちろん御伽噺のように、『めでたしめでたし』で全てがよくなるわけではないだろう。
『凛香』の『母親』への不審は残るだろうし、
『母親』だってすぐに全てを愛せるようになるわけではないはずだ。
だが、結果的に『針』によって『風穴』は開いた。後はその『穴』を少しずつ広げて
風通しの良い『家族』になっていけばいい。その道筋が示されただけでも十分だろう。

           ……… ……… ……… ……… ………

        ひどく良い気分になった『甘乃』は無作法に服で口元を拭う。
       その動作にあわせ、うっかり露出する脂肪のたっぷりついた『お腹』。

             『幼児体型』の『腹部』に鎮座する『手術痕』。

                 それはあまりにも精緻で、

      見方を変えれば、芸術的なデザインの『刺青』であるようにも思えた。



                      『甘乃』の前には無数の選択肢がある―――
                               これまでも、そして、これからも。

177『それでも私は針飲まない』:2015/07/01(水) 00:24:25
>>170-176(その10)

  「――――ふう」

話し終えると、『門倉』は大きく伸びをし、息を吐く。
やりきった―――そんな表情でミルク満杯のコーヒーに口をつけた。

「さて、さて、さて、さて―――

  これにてこの『話』は終わりだ。『約束を守らない女の子の話』。
   君たちのおかげで凄く『いいもの』になったと思うよ。
     本当に、君たちを呼んでよかった」

『門倉』はそう宣言する。どうやら十分に『満足』できた様子だ。
あとはいくらかの余韻に浸って、ファミレスを後にする。
そういった流れとなるのだろう。

(※ここからは通常のミッションの流れ、
  GM→三人レス(順不同)→GM→……という形に戻ります。
  参加者間で『会話』をしたい場合はメール欄でそう宣言して頂いても構いません)

178タタラ『インスタント・カルマ』:2015/07/01(水) 04:52:41
>>177

パチ

                 パチ

           パチ

「とても――とても。
 良かったですワ。きれいなお話に纏まって。」

小さく拍手しつつ、簡素な感想を残す。
大仰な事を言えるほど回る頭は持たない。

『良かった』は『良かった』なのだ。

「私としても――呼ばれて良かった、そう思えますワ。」

大きく、頷いた。
そしてパフェの残りをスプーンで掬い取り、口へ。

          バリ    ボリ

フレーク的な部分だ。

     バリ    ボリ

「ただ――そうですワね。気になるのは……
 最後の『刺青』ってのの意図はよくわかりませんでしたワ。」

「……何か、暗喩的なものなのかしら。
 それを考えるのも楽しさ――ってところ?」

これは素朴な疑問だった。
刺青――聞き覚えのあるワードではあるが。

179八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/07/01(水) 22:50:29
>>178

「『めでたしめでたし』」

 話を聞き終え。
 ゆったりと、その余韻に浸ります。

「…ですね。いやぁ、結局ハッピーエンドですか。
 とはいえ、多くの童話には『続き』があるとされています」

「さて… 今回語られた話のその後も、上手く事が回ればいいんですが」

 シンデレラは継母をいびる側に回り。
 浦島太郎は鶴となってどこかへ飛び立つ。
 多くの『続き』が語られないのは、その多くが後味の悪いものとして描かれているから、という話ですね。
 幸せに暮らしましたとさ… とはならないのが、世の常ですから。

 彼女たちの話も、きっとこれが終わりではないのでしょう。
 ただ、幕が引かれたというだけ。

「……お疲れ様でした。一応、言っておきますよ」
「楽しませてもらいましたから。私も」

 しぶしぶですが、一応。マナーですからね。



>>178

「あ、それ。私も気になってました」

 まさか最初の設定がここまで化けるとは思っていませんでしたが。

「例の不思議な能力? に関係がありそうですが」
「ま、些事でしょ」

180田所『スワン・キング』:2015/07/01(水) 22:58:01
>>177
「……はぁ〜〜〜〜」

クソデカい安堵の息を漏らして、腰をひねる。
凝った骨がゴキゴキと音を鳴らす。

「つっかれたァ――――。
 大団円になってよかった本当」

面白かったしな。
こういうのもなかなか悪くないかもしれない。

181『それでも私は針飲まない』:2015/07/01(水) 23:51:25
>>178-180(ALL)
『門倉』は三人の感想を深く頷きながら、聴いている。
そして、『タタラ』と『八夜』の疑問、
『最後の刺青はどういった意図があったのか?』には、次のように答えた。

「ああ、そうか、そうだね。

    『刺青を彫る事で超能力を得る』

 この町に居るのなら、こんなウワサを聴いた事はないかい?」

             グ  オ  ン ッ

  その話とあわせるように『門倉』の身体から人型のヴィジョンが発現する。
  このタイミングで、このヴィジョンを出す、という事は『門倉自身』が、
  その方法で『それ』を手に入れたという事を示唆しているのかもしれない。
    ただ、『門倉』はその事実について、けして『明言』しない。
    先程の話の内容といい、『分かる人にだけ分かればいい』という態度をとっているようだ。

「件の『刺青』というのは、そのウワサに合わせてみたまでの事なんだ。

 ただ―――それはあくまで可能性の一つ。
        『刺青』に見えただけであれはやっぱり『手術痕』。
        実際は『宇宙人』に手術されて『はらグロ』を生み出す
        機械を移植されていた、なんてのも面白いね」

 先程までの話はあくまで『話の種』。
  そこから更にどんな花が咲いていくか?
   そんな、『想像の余地』を残しているという事らしい。

  『八夜』の考えたとおり、『物語』はこれで終わりではなく、
    ただひと時、『幕が引かれた』だけなのだ。


「―――さて、楽しすぎて、思いのほか時間が経ってしまったが、
 これ以上長居するとお店の娘(ひと)に嫌われてしまうかもしれない。

  何もなければ、そろそろお開きといきたいんだが、どうかな?」

182タタラ『インスタント・カルマ』:2015/07/02(木) 00:09:15
>>181

「!」

         「……なるほど。
          まあ、そうだろうとは思っていたけれど。」

ヴィジョンに目を細める。


そして――

「ともかく……」


               ピ ―― ン ・ ・ ・

    
         ズン!

背後に浮かび上がる――『逆さ吊り』のヴィジョン。

「謎を残す終わり方。
 嫌いじゃあない、ですワ。」

          フッ

吹き消すように、すぐに……解除する。

「むしろ、今日は――楽しかった。
 ええ。とても。……けど、そうですワね。もう、いい時間ですワ。」

腕時計を確認する。

「私も仕事があるし。
 ……今日は、この辺りで。」

解散に同意する。

183田所『スワン・キング』:2015/07/02(木) 20:29:40
>>181

>             グ  オ  ン ッ

「……あー」

発現はしないが、明らかな反応はしてみせる。
まあ、珍しいことには珍しいが、『引き寄せる』ものはあるらしいからな……。

「『才能』ッスよ、結局。超能力なんていうもんは」

それが自分の結論だ。


「おいッス、俺も帰りますわ。
 いい気分転換になったっつーか」

自分の荷物を手に持ち、解散に同意を示す。
ねー今日楽しかったねー。

184八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/07/03(金) 00:44:16
>>181


「……ええ、『知ってます』」


 と、だけ。

 まあ、私は仮にも報道部ですから。
 この町のことに関して、知らない情報があればあるほど、面目が立たないのですよ。
 でも、やっぱり確信犯(誤用)だったんですね…。

「だからこそ、あなたがどういう意図で私たちを集めたのか。
 なぜ、その話を語って聞かせたのか。それが気になっていたところでしたが」

「やはり、些事ですね。格言通りです」
「『スタンド使いは引かれ合う』、それ以上に相応しい理由はなさそうですから」


 ほのめかして……どころじゃないですね。
 もろ言っちゃいましたね。ま、それも些事です。

 席を立ちます。そして財布は出しません。ごちそうさまでした。

185『それでも私は針飲まない』:2015/07/03(金) 01:15:17
>>182-184(ALL)
「よし―――じゃあ行こうか」

  『門倉』は自らの『超能力』への三様の態度に、満足したように深く頷き、
       そして、四人はレジカウンターへと向かう。

   ……… ……… ……… ……… ……… ………

  『門倉』が会計を済ませている間、なんの気なしに店内を見やる三人。


「だからぁ〜〜〜! 『ママ』のハンバーグはおとしちゃったのォ〜〜」

  ふいに耳に届く………甘ったるい幼い声。
  その声を、口調を、三人は、『知らない』が、『知っている』ような気がした。

  思わず視線をやると、奥の方のテーブルに、ちらり。
  そこに居たのは、『こけし』のような『女児』と母親と思しき『女性』。
  仲良く肩を並べて座っており、三人の位置からでは、背後からしか確認出来ない。

「『ママ』がおトイレいっているあいだにねェ
 『スプーン』をとろうと てをのばしたら
   ついうっかり『おさら』ごとバリーン!って!

 それですぐさま『てんいん』さんが かたづけてくれたからァ〜〜〜
      だから、なくなっちゃったのは『あたりまえ』!

            わたしは わるくなぁい!
             ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・

  しんじてェ〜〜 しんじてェ〜〜〜  しんじてほしいのォォ〜〜〜」

   高らかに響く『女児』の声しか聞こえないが、
   どうやら『母親』が席を外している合間に
   『母親』のハンバーグが皿ごとなくなってしまい、
   『女児』はその弁明をしているようだった。


                        「―――さて、会計は終わったよ」

そんな『親子連れ』に気をとられている最中、会計を済ませた『門倉』が三人に声をかけてくる。
流れとしては、一緒に外に出て、そこで『解散』という形になるだろう。

 『門倉』の方に向けた視線を再度、『親子連れ』の方へ戻すと………
                     いつのまにか『親子連れ』はいない。

 仲良く『ドリンクバー』でもとりにいったか、『食事』を終え席を立ったか、
 あるいは『片づけた』という『店員』を二人で問い質しにいったのか、
  はたまた、ただの『見間違い』か、何か特殊な『能力』が関わっているのか。

 そのどれもが『可能性』として横たわっていたが、
  三人はそれを無理に確かめるような事はしなかった。

    『話の種』は心の中でじっくり育てればいい。

          少なくとも、今この瞬間はそう思えるのだ。


           「ご利用、ありがとうございましたー」

  去り際にレジスターの前の『ツインテールの店員』から、別れの挨拶。
         これをもって、この『物語』の締めとしよう。



                             『それでも私は針飲まない』→『了』

186『それでも私は針飲まない』:2015/07/03(金) 01:20:54
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
            Welcome To The Black Parade !
          ”はらグロ”の おまつりに ようこそ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『本体』が『ウソ』をつく事でそれを喰らい、発現するスタンド。
発現の過程で『黒い瘴気(腹黒さ)』が腹部から溢れ、これが固まって、人型を成す。
これは『演出』的なものであり、ヴィジョンとしてはシンプルな『人型スタンド』。

本体の『ルール違反』により発生する、物理的な『不利益』をかき消すのが能力。

たとえば、『道交法』を違反して車にはねられても『無傷』で済み、
『混ぜるな危険』の洗剤を混ぜ、ガスを出しても本体には『無害』、
『窃盗』を行っても、それを理由に『拘束』される事はない。

ただし、『ルール違反』をした事自体が『消える』わけではなく、
その事による軽蔑・叱責などの『二次的な不利益』についてはかき消す事は出来ない。
『窃盗』の例で言うと、『窃盗』の罪を根拠として警察に捕まる事はない
(『拘束行為』をすり抜ける事が可能)が、『罪』は『罪』として、記憶・記録には残ってしまう。

ヴィジョンには本体がついた『ウソ』が『数量』として溜め込まれており、
一回、『不利益』を消すごとに一つの『ウソ』が消費される。
溜め込んだ『ウソ』の個数が『0』となれば、スタンドは一時解除され、
再発現にはふたたび『ウソ』をつく事が必要となる。

この能力の『ルール』とは、複数の人間が意識的・無意識的に納得し、
ある程度の時間が経過した『取り決め』の事を指す。
具体的には『法律』『家訓』『ゲームやスポーツのルール』『契約』などが当てはまる。

『ウェルカム・トゥ・ザ・ブラック・パレード』
破壊力:B スピード:C 射程距離:D
持続力:嘘次第 精密動作性:C 成長性:A

187『それでも私は針飲まない』:2015/07/03(金) 01:23:27
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
               Sweet Revenge
               アマノ コラシメル
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

顔や手の甲など、身体の様々な部位に
剣山のようにびっしりと『針』を生やした女性型のヴィジョン。
ヴィジョンの『針』は着脱可能で、武器として用いる事も可能。

射程内で起こった『約束』を破るような『ウソの行動』に対して、『針』を飲ませる能力。

『針』は『ウソの行動』を起こした『中心となる身体部位』に出現する。
純粋な『ウソをつく』という行為には『口』に出現するが、
『モノを盗まない』という約束を破れば『手』に、
『逃げてはいけない』という約束を破れば『足』に出現する。

『針』の量や長さや太さ、パワー等は、『ウソ』の重大さや
短期間で重ねた『ウソ』の回数により増大していく。

あくまで『ウソの行動』があった場合に自動的に能力が発動するだけであり、
本体が直接的に『ウソ』を見抜いたり、具体的に何が『ウソの行動』だったのかを把握する事は不可能。
『発動したかどうか』と『針の位置』のみ、大まかになら『把握可能』。

『針』はスタンド物質で、一般的な裁縫用の材質とそう変わらない。
『針』は『刺さる寸前』の状態で発生するため、回避するのは非常に困難。
ただし、能力の精密動作性はあまり高くなく、
一回で『致命傷』となるような部位からは微妙に外れる事が多い。
『能力射程』は一軒家がスッポリ入るくらいまで。
『射程内』でも、本体が『許可』した者に対しては能力を発動しないようにも出来る。
『針』は『ウソの行動』を止める事で、『5分』ほど後に消える。

一度に出せる『針』の量は、『千本』。

『スウィート・リヴェンジ』
破壊力:C スピード:B 射程距離:D
持続力:嘘次第 精密動作性:B 成長性:E

『針』
破壊力:E〜A スピード:C 射程距離:A(能力射程)
持続力:嘘次第 精密動作性:D 成長性:E

・『目覚めた』のは『序章(>>5)』の最後。
 それまでの『ゴボウ』や『つまようじ』は、『母親』が自分で入れていた。

188『それでも私は針飲まない』:2015/07/03(金) 01:25:10
【妄想シリーズ】:もし、『キャラ設定』をすべてGMが決めたら?(一部シーン抜粋)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ビビったか―――ァ!? や、ビビるよなァそりゃあ。
   ハラ痛めて産んだ子のハラん中からこんなクロいの出てきたらそりゃビビる!

     めでためでたのオメデタ処女懐妊!?
                        いやいやいや、あたしは『マリアさま』かっての!
      あ〜〜〜
             てことはさ、てことはだよ?

                            これアンタのマゴじゃねェの?

        『おばあぁぁぁちゃぁぁぁぁん、ぼくクロオだよぉぉぉぉぉぉぉオオオ』

          なァ ん て
                  …………

                           ………あ〜〜 泣くな泣くな。

                                 ちょっとからかい過ぎちったか」


『辛乃』の口は自らの血で真っ赤に染まっていたが、それを意に介している様子はまるでない。
腹部から溢れ出る『黒い瘴気』は、やがて『黒い人型』をとり、『針の悪霊』と対峙する。
(『凛香』は『姉貴気取り』が鼻についたので上手く罠に嵌めて『針』を飲ませてやった。
 今はショックで床に転がっている)

「―――で、どうするン? 涙目になっちゃってるけどまだやれんの?
  言っとくけどあたしの『腹黒さ』はジンジョーじゃないよォ?

   ま・さ・かァ―――だけどォ
    そんなシッョボショボの『剣山お化け』だけで
           勝てると思ってないよねェ―――(ウケルッ)」

       キャッキャ
                    キャッキャ

 血塗れの口、狂気じみた笑顔、はしゃぐ『辛乃』。
 控えめに言ってその姿は『地獄の悪魔』そのものだった。

                  や
            ―――『針らねばなるまい』―――


『母親』は思う。『この家』を律するのに最終的に障害になるのは、やはりこの『辛乃』だった。
邪悪な『ウソ』をつき平気で『約束』を踏み躙り続ける、人間の心を持たぬ『サイコパス』。
たとえ『子殺し』になろうとも、自分が生み出した『モンスター』は自分の手で退治しなければならない。

『家族』を守れるのは自分しかいない。
『母親』は傍らに発現した『守り神』、『針神様』に精神の力を籠める。

                          『家』の存亡をかけた、最後の戦いが、今、始まる―――

189『それでも私は針飲まない』:2015/07/03(金) 01:26:49

『タタラ』『八夜』『田所』はその後、
人助けをしただとか、凄い幸運に見舞われたとか、
悪者を退治したとか、そういう類の行間の活躍で―――

                   →なんだかんだで各々『5万円GET!』


更に『八夜』には、こっそりと『門倉』からのプレゼント。
『君が一番熱心に話してくれて嬉しかった』『タタラさんにはないしょだよ』

                  →『品のいい万年筆GET!(売れば2万)』

190『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 00:00:46

      「ハッピー☆バースディ〜〜〜 まことちゃァん!」

 なんだかカッコイイ男性陣が中央に居る女性、『西真寿』の誕生日を祝う。

                 「えへへ〜〜 ありがとうみんな〜〜〜」

 『西』は笑顔を作り、眼前のテーブルにある『ケーキ』にそっと息を吹きかける。
  肺活量不足でロウソクの火は半分しか消えない。
   それでも周りのイケメンたちは大げさに喜んでくれた。

 「えヘへへヘヘ〜〜〜

              ヘへへ
                    ……ヘヘ

                             …………」

 ………
        ………
              ………
                    ………

              フ ッ ッ

次の瞬間、『イケメン』達はその姿を唐突に消した。
それと同時に響く、『西』の大仰なため息。

空しい。どこか空しい。毎年恒例のこの行事だったが、
今までの誕生日だったら『イケメン群衆』に祝ってもらえて最高!
という感じだったのに、今年はどうも気が乗らない。

一年を振り返ると様々な『スタンド使い』と巡り合う怒涛の日々だった。
その出会いの中で『群衆とのコミュニケーションが至上』という
西の価値観に少しずつブレが生じ始めていた。

          「………ちょっと、外に出てみようかな」

22歳の誕生日―――
 土曜の昼下がり、西は『誕生日の充足』を求めて家を飛び出す。

 そして―――まず最初に遭遇したのは>>191

(25時までにレスなければ『終了』とします)

――――――――――――――――――――――――――――――――
名前:西真寿
外見:ロングの黒髪で黒目がち。癖っ毛。紫のティアードワンピ着用。
持ち物:ショルダーバッグ。中に、ハンカチ、筆記用具、スマホ、財布、デジカメ、
     分厚い付箋付きの写真アルバム
     (様々な用途、状況に合わせた『素材』が詰め込まれている)
スタンド:『セブン・ワールズ・コライド』
能力:『素材』を元に『群衆』を作り出す。

能力詳細:
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/522-524

――――――――――――――――――――――――――――――――

(※唐突に始めるセルフィッシュミッション。
  誕生日プレゼント代わりにお付き合い頂ければ幸いです)
(※どなたでも次にレス頂いて構いません。
  レスパターンは1.『名無し』でのシチュエーションのみ投下(1レス)、か、
  2.『PC』での絡み投下(以下、数レスお付き合い頂く)、どちらかでお願いします。
  いずれの場合も、数レスで次の『状況』を募集する予定です)
(※【今晩】中の終了を予定しております。テンポよいレスが出来るのが理想です)
(※レスがないのが一番辛いので、お気軽にレス頂ければ幸いです)
(※ただし、こちらの力不足で上手く対応出来ないレスに関しては
  スルーもしくは曲解させて頂く場合がございます。ご容赦下さい)

191ようこそ、名無しの世界へ…:2015/07/11(土) 00:18:48
「ニャ〜〜ス」
黒ネコだ。


「カァー」
カラスだ。


ベチャァ!
犬のウンコ踏んだ。

192『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 00:22:02
>>191
「………………」

初っ端から『不吉』! 『不吉』に次ぐ『不吉』!
少しだけ涙目になりながら、『犬の糞』を必死に洗い落とす西。

そもそもここはどこだったか………。
そんな事を思い悩んでいると、>>193な事態が向こうからやってきた。

193ようこそ、名無しの世界へ…:2015/07/11(土) 00:31:24

「きゃ〜〜!」「ちこくちこく〜!」

パンをくわえた女学生が時速40kmで西の方向に走ってくるッ!

194『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 00:39:28
>>193は時速40kmという速度の意味を分かっているのだろうか?
そして暗に、『場所はどこかなあ?』という状況確認を>>191にて
匂わせておいたのにそれを拾わない『マイペース』さ………

   しかし、それが『事実』ならば受け入れるしかない。

 「………な、なに!?」

女学生のスピードに驚きながら、
西はすんでのところで女学生をかわ………
                            いや、かわせない!

女学生のくわえたパンが横に長い『フランスパン』だった為、
それがバッドのように西の顔をぶちのめす!
女学生はそれに気付かず走り去り、後には衝撃で倒れ臥す『西』の姿だけがあった。

………しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
そんな『西』に訪れたのは>>195だった。

195エリー『ラフカディオ』:2015/07/11(土) 00:41:33
>>194
「あ、せんせーだ」
「こんにちはー! ……何してんだ?」

不幸に打ちひしがれている西のもとに、
テンション高い銀髪幼女がかけてきた。
……拾う神どころか、助けを求めたらヘンなところに
ブン投げそうな幼女である。大丈夫か?
多分西が手綱を握らないとヤバい……。

ところでフランスパンを加えたJKがいるってことは、
此処は朝の住宅街ってことじゃないですかね。

196『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 00:46:54
>>195
やっとまともな第一町民。
いや、マトモなのか? そしてししょーじゃなかったか?

「………いえ、ちょっとした『都市伝説』に出会っちゃっただけよ。
 ………ええと、エリーちゃん、だったっけ?」

>>190にて『昼下がり』と言っているので、女学生は多分、
そうとうマイペースな遅刻常習犯だったのだろう。
『住宅街』という事に関してはその可能性が高そうだ………。

「………あなた、『幸せ』を知らない?
  ………それが手に入れば、とびきりハッピーになれるような」

頭を打ったからか、幼女に唐突な問いを放つ『西』。

197エリー『ラフカディオ』:2015/07/11(土) 01:03:05
>>196
>ししょーじゃなかったか?
あれっそうだったかな……。

「幸せ? ……ふーむ。
 なかなか哲学的な質問だぞ」

銀髪幼女は小難しい顔を作って頷く。
『幸せ』の在処。小学五年生の幼女に聞く問いではなかった。
だが、エリーは素直な女の子だ。
『自分の基準』において、手に入れて『幸せ』になれそうなモノを考える。
小学五年生のエリーが、手に入れて『幸せ』を感じるモノといえば……、

「………………。
 わたしは…………『ケティちゃん人形』がほしいなー」

……答えが『欲しい物』にすり替わっちゃっているが、
この年頃の少女に『手に入れたらハッピーになれるモノ』といえば、
なんか小難しい話ではなく目先の欲しい物になってしまうのは仕方あるまい。

「『ケティちゃん人形』はな……すごく可愛くて、クラスのみんなが欲しがってるんだぞ……?」

何故かエリーは声を潜めている。幼女的にはとっておきの秘密なのだろうか。

「でも、人気すぎてすぐ売り切れちゃうから、滅多に手に入らないんだぞ。
 なんでも、『手に入れたら幸せが手に入る』って噂ができるくらいに。
 確か、今日この後、駅前の店に並ぶってクラスの友達が噂してたんだ」

ということらしい。いかにも小学生の間で広まりそうな噂だが……。

「同じクラスのサコなんて、『ケティちゃん人形』を買ったら彼氏ができたって言ってたぞ!」

198『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 01:12:33
>>197
「………『ケティちゃん人形』?」

少しずつ頭が回ってきた『西』は、『幸せになれる方法』なんて、
こんな小さい娘に聞く問いじゃあなかったかな、と思い直していた。
子供がほしがるおもちゃの人形なんて、
手に入れても『西』はおそらく満たされないだろう。

でもまあ、たずねた手前、一応最後まで話をきいていたが………
最後の単語に『西』の心は揺れる。

              「………『彼氏』が出来た?」

今までの人生、『西』はあらゆる人間関係に
対する欲を『群衆』で満たしてきた。
だから現実の『彼氏』なんて面倒そうなもの、
欲しがったりはしていなかったのだが………

ここ最近の『西』は、どうも『群衆』だけでは満足できなくなってきており、
『彼氏』というものに、それこそ女子小中学生並みに好奇心を抱いていた。

「………情報、ありがとうね。また今度ゆっくり話しましょう」

そう言い残すと、『西』はエリーと別れ、駅前の店へと足を向けるのだった。

そんな『西』の眼前に現れたのは>>199な光景だった。

199朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/07/11(土) 01:31:51
>>198
そう、『西』の眼前に居たのは!!

「………」
学生っぽい人が倒れている光景であった。。

「いてえ」
なにかぼそぼそとつぶやいた。

「…やっぱり不幸だ…この…」
傍にはラグビーボールが転がっていた

200『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 01:36:36
>>199
「………」

人が倒れている……しかし、早く行かないと『ケティ人形』が。
『西』は一度は、眼前の学生をスルーしようとした。

しかし。

(………こういうのは助けないと『幸せ』は来ないのか?)

初っ端の不吉の三連星(>>191)にずいぶんと運を吸い取られてしまった気がする。
ここで、『取り戻して』おく必要があるかもしれない。『情けは人の為ならず』だ。

「………あの、大丈夫ですか?」

とりあえず学生に声をかけてみる。

201朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/07/11(土) 01:38:50
>>200
「…あ゛い…
 す、いません…
 あ、りがとう、ございます…」
声をかけられて、涙音はゆっくりと顔を上げる。

「あ、ちょっと手を貸していただけるだけでいいので…
 ぶつかったばっかりは、急に立てないんです…はい…」
そう言って起き上がりつつも、軽く手を差し出してみる。

202『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 01:42:45
>>201
「………そのラグビーボールが当たったの?
 ………運悪く?」

この『住宅街』。公園で野球やサッカーをやっている
子供などは居るだろうけど、『ラグビー』とは………。
この娘、相当、運が悪いのではないだろうか。

手を差し伸べて起こしてあげよう。
これで『西』の運はかなりUPするはずだ(根拠のないオカルト)。

203朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/07/11(土) 01:47:48
>>202
「そう、運悪く…です。
 まるで吸い寄せられるように!」
必死な顔で涙音は答える!
彼女の着ている制服はなんかご利益がありそうなアクセサリがいっぱいついていた。

「た、助かります。」
西が差し伸べた手に捕まり、涙音はゆっくり起き上がる。

「いやーその…
 ご迷惑をお掛けしてないでしょうか。
 その、ありがとうございます。
 おかげで思ったよりも早く、復帰出来ました。」
ちょっと気まずそうな表情で『西』の顔を伺う。
鳩尾の辺りを軽く撫でている。たぶんラグビーボールが当たったのはその辺りに違いない。

204『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 01:52:11
>>203
「………いえいえ」

この娘も何か苦労してそうな感じだ。
いつもならば、多少は交流を楽しむのだが………。

「………ところで、質問。
 ………『ケティ人形』って知ってる?
 ………『駅前』にそれを売りだす店があるっていうんだけど。
  ………どこの店の事かな?」

今の『西』は『ケティ人形』で頭がいっぱいだ。
女学生から『店の情報』を聞きだし、そのまま『店』へと向かう気満々だった。

205朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2015/07/11(土) 02:01:29
>>204
「…む、『ケティ人形』ですか?
 あーそういえば…そういうお店があったような気がしますね」
そう言って軽くスマホを操作してマップを確認…

「ちょうど駅前の鰻屋さんの傍の
 『ケティハウス』というところにありますね。
 それ系のグッズの専門店なんですよ。」
いわゆるキャラ物のグッズの専門店なのだ。
ちなみにケティちゃんグッズは色々あるが、とりわけその人形は大人気!なのである。

「あーでも…
 急いだほうがいいと思いますよ。
 ケティちゃん人形は小中高…とにかく学生に人気で
 かなりすぐに売り切れてしまいます。
 …かく言う私も何度かチャレンジしましたがてにはいりませんでした。」
軽くため息を付いてから答える。

「アレの中には最高の幸せを呼ぶっていうレアケティちゃんもあったりしますし…
 それを手に入れるためにマニアまで現れるくらいですからね…」
そう言ってため息を付いた。
聴けば聞くほど凄そうな話である。

206『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 02:06:25
>>205
「………『ケティハウス』。
 ………なるほど、そのままの名前の場所があるのね」

 西はそういうのに『疎い』ので知らなかったが、あるらしい。

そして、『涙音』の話を聞いて、『西』の顔が見る見る青ざめていく。
エリーが言ってたのは多分だがその『レアケティ』の事だろう。
それを『誕生日』に手に入れる、これが西の目的となっていた。

「………ありがとう。恩に着るね」

そう言うと『西』は駅のほうへとダッシュしていく。
『涙音』はそれを見送る形となるだろう。

そうして、『駅前』。
鰻屋の近くまでやってきた『西』が見たのは>>207だった。

207立花『XTC』『リンネ・ラジオ』:2015/07/11(土) 02:18:46
>>206

西が見たのは、猫っぽいぬいぐるみだった。
抱き心地のよさそうな毛が全身を覆い、
顔にはアルカイックな笑みを浮かべつつも無機質な目が虚無を湛えている。


「……なぜ俺はこんなものを……」


ぬいぐるみが喋った!
わけがなく、その人間の一抱えほどもあるぬいぐるみを抱えている者の声だった。
ぬいぐるみで顔が隠れるくらいの背丈の子供。


「……ん、西さんですか。こんにちわ」


本日二人目の小学五年生である。

208『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 02:26:07
>>207
「………あ」

ダッシュしてきた為、息を切らしている
『西』の前に、いつぞやの達観した少女が現れた。

「………こんにちは。

  ………ずいぶん大きなぬいぐるみを
   ………持っているけど、もしかして、……レ、レア?」

推測だが、これが『ケティちゃん』という奴なのだろう。
そして、エリーは『この後』と言っていたが、
もしかして、もう『レアケティ』は売り出されてしまったのだろうか。
もし、そうだとするならば………この少女をどうにかするのが、
『西』の使命(ミッション)という事になる。

209立花『XTC』『リンネ・ラジオ』:2015/07/11(土) 02:33:24
>>208
「ああ、これですか? どうも流行っているらしくて……
 西さん。女の子の話題についていくのは大変ですね。
 まあ、男でも同じゲームを持っていないと話題についていけないとかあるんですが。
 ゲームならまだ遊べるけど、これをどうしろというのか……
 しかし今はまだともかく、成長すれば化粧品やらアクセサリーの話をしなければならないと思うと今から憂鬱ですよ。
 おっと、西さんもそのような時代を潜り抜けてきたのでしょうから釈迦に説法でしたね」


なにかいきなり語り始めた。
なお、実際に西がそのような時代を潜り抜けてきたかどうかは……


「レアって名前の商品ではありませんが、かなり手に入りにくい品ではありますね。
 もっと小さいのを狙っていたんですが、もうこれしかなくて。
 値段も3980円もしたんですよ。」

210『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 02:39:46
>>209
「………」

話を聞いていると眼前の少女にはなにやら込み入った事情があるようだが
今日のところはそれについて思いを馳せている余裕はない。
問題は『レアケティ』が手に入るかどうか、
そして彼女が持っているのは『レア』ではなかったようだ。

「………これしかなかった?」

その言葉に絶望しかける『西』だが、
エリーの口ぶりからすると、特定の時間に『棚卸し』するのかもしれない。
とにもかくにも『ケティハウス』に行ってみよう。

立花への別れの挨拶もそこそこに、ついに『ケティハウス』にやってきた『西』。
そこで『西』が遭遇した(>>211)のは……ッ!

211ココロ『RLP』:2015/07/11(土) 03:17:19
>>210

           ドン!

      ドン!


               ドドン!


……ある! レアケティがある! 日ごろの行いがよかったのか……!?
あこぎにも『話題沸騰!しあわせを呼ぶレアケティちゃん』などと言うあおりとセットだ!


              ・ ・ ・残り、3つ。

   タッタッタッ


「よ、よかった、まだ残っていたわ……あら?」


そこに、見知った顔が走って来た。
ココロだ。ピアノを弾いたり、駅で会ったりした……

「……ご、ごきげんよう。
 あ、あ、貴女もレアケティちゃんを……?」

           ハァー ハァー

ココロもそれが目当てなのだ。
……幸いにも三つもあるので、いい年の二人が争う必要は――


      ダダダダダ

「……あ、あら……何かしら……」


    ワー

            キャー

   オアアーーッ


遠くから地鳴りめいた足音の大群……そして声。
これは……女児たちだ。メインターゲット層の女児たちが近づいてきている……

212『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 03:47:52
>>211
「………ああ!」

思わぬところで『ココロ』と出会い、軽く会釈する。
どうやら彼女も『レアケティ』目当てのようだ。

そして、『残り三つ』のレアケティ。
ギリギリ間に合ったという事か………。
西が『レアケティ』に手を伸ばすと――――


    ワー

            キャー

   オアアーーッ

たくさんの『女児たち』の群れがこちらに近付いてくるのが分かった。
しかし、紆余曲折を経てここまでやってきた『西』には譲れないものがある!
大人パワーで彼女たちが近付く前に『レアケティ』を買った(言い切り)!

 あとはこれを持ち帰るだけだ………

213ココロ『RLP』:2015/07/11(土) 03:59:49
>>212

「あっ、あっ、ど、どうしましょう、どう……」

ココロは逡巡しているようだった。
西はその隙に『レアケティ』を買った。


      キラ キラ


おお、なんとも神々しいぬいぐるみだ……
深みのあるアルカイック・スマイルが、西の生誕を祝福するかのようだ。
 
               ドタドタ

       ドガッ!!

その時店のドアが開き、大群が押し寄せてきた……!!

       キャアアーーッ

    ワーッ    オアーッ!!

                     ギャーッ

             ドケ! シネーッ!!


「に、西さん、私は気にせず早く……
        あ、あっ、あとは私に任せて……」

             ヨコセーッ

         ウオォォーッ

                   「ひぃぃっ、凶暴だわ……!!」

        キャー

     ワー
              ドタバタ

ココロは小学生に飲み込まれていった。
……彼女の意志(?)を無駄にしないためにも、ここは一刻も早く離れた方が良いだろう。

214『生まれいずる真寿』:2015/07/11(土) 04:14:18
>>213
「………さらば」

普通の流れなら、女児に一度奪われたりなど一悶着あるはずだが、
これは一夜かぎりの『ONENIGHTミッション』。
もう夜も更け、PLが何度もうとうとと落ちかけている今、
特に盛り上がりもなく、西は『レアケティ』を入手し、帰路についた!

「………うふふ。
   ………うふふ」

気持ち悪い笑いと共に『西』は帰る。
そして―――

このミッションの最後のオチは>>215がつけてくれるだろう。
その結末に、『西』は何の文句も言えないのだった。

215坂下 佳侑希『レイルウェイ・チルドレン』:2015/07/11(土) 07:53:16
>>214

「たまげたなあ」

『ケティハウス』の店舗を通りの向かいから見つめる私の手には、
一冊の『時刻表』が握られている。

しかしむしろ実際に見つめているのは丁度店を出てきた黒髪ロングのおねーさんの方で、
そもそもケティハウスに入る前、もう、ずっと前から私は彼女の事を見ていたんだ。

これは多分、尾行って言われても言い訳できない奴だと思うんだけど。

「こんなに目まぐるしく『予定』の変わる人は初めて見たよ……。
 予定っていうか、もう全部『予定外』って感じで、
 『見た』そばから書き換わっちゃうんだもんねえ」

私の『レイルウェイ・チルドレン』が、
これまで見たこと無いような激しい挙動をするもんだから、
思わず気になって後をつけてきてしまったってことなんだ。

【イケメン達に誕生日を祝ってもらう】【黒ネコと遭う】【カラスの鳴き声を聞く】
【犬の糞を踏む】【時速40kmで走る幼女のくわえたフランスパンに激突する】
【エリーちゃんからケティちゃん人形の話を聞く】
【倒れた娘を助け起こし、ケティハウスの場所を知る】
【巨大なぬいぐるみを抱えた少女と話す】
【ケティハウスでココロと出くわす】【女児の群れが押し寄せる】

「読み返してみると、まったくとんでもない『予定表』になっちゃてるし、
 なんだか自信をなくしちゃう部分もあるんだけど」

ちなみに私はレアケティに群がる少女達の『購入予定』を、
ほんの数秒『書き換え』てみたんだけど、おねーさんが無事に店を出れたってことは、
多分うまく行ったんだろう。あっさりと言い切りで購入できるくらいには、うまく。

「ま、私としてもいい経験になったって感じだし、
 『次の行』がわりと素敵な予定だったから、今日はここまで。
 この『予定』が書き換わっちゃうのは、あんまし見たくないしねえ」

言って私はぱたりと『時刻表』を閉じ、おねーさんとは反対向きに歩き出す。
最後に『レイルウェイ』が描いた『予定』ってのがまたなんとも抽象的なんだけど。


【思い通りにならない誕生日も、意外と楽しいものだなと、それなりに幸せな気持ちで帰宅する】


私の『レイルウェイ・チルドレン』ってばまったくいい加減な奴だから、
こんな予定は帰り道で台無しになっちゃうかも知れないんだけど。
でもま、少なくとも私はそうなってくれたらいいな、なんて思ってるんだよね。ハッピーバースデイ。

216『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/18(土) 23:15:21

 さて、こうして『西真寿』の『誕生日』は無事、終わりを告げた(>>190-215)。

 しかし、同じ時間を有していても、
      視点が変われば、世界は変わる―――

                                ―――次の『主役』は。

 ……… ……… ……… ……… ………

>>213(ココロ)

『水溜ココロ』は小学生の群れに飲み込まれる………

 結果的に『西』を助ける形となってしまったが―――
   残念ながら『ココロ自身』は助からなかった。

『レアケティ』は買えず、小学生にもみくしゃにされ、全身の節々が痛む。
『ケティハウス』の前で、よろよろと立ち上がる『ココロ』。
めぼしい店の商品は全て売り切れ、
悲しい気分で帰路につかなければならないのかもしれない。

   と―――

そんな『ココロ』に向かってゆっくりと歩いてくる姿が見える。
20歳前後の『妙な男』、栗色の『ソフトモヒカン』に、『ワインレッド』のジャケット。
………どこかで会った事がある、気がする。

しかし、彼が誰だか思い出す前に、彼が抱えている『もの』に目がいってしまう。

 そう、彼が持っている『ぬいぐるみ』は、

                         何を隠そう、『ケアケティ』だッ!

217ココロ『RLP』:2015/07/18(土) 23:25:11
>>216

        ゼェーッ

                 ハァーーッ……

「はあ、はあ……」

(ひ、酷い目に合ったわ……
 けど、そ、そうよね。ケティちゃんは子供たちの物よね……)

          ヨロ ヨロ

半ばあきらめの気持ちを抱え、立ち上がるココロ。
……その目に。

「……あっ……」

       (あ、あれって――!)

まあココロは熱狂的ケティファンでもない。
何が何でも奪い取るとかじゃあないが……思わず、視線は釘づけ。

(……で、でも、あの持ち主の人、どこかで……)

218『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/18(土) 23:35:27
>>216(修正)『ケアケティ』→『レアケティ』

>>217
『ココロ』はついつい『レアケティ』を視線を向ける。
眼前の男はそれに気付いたのか、ニヤニヤしながら近付いてくる。

「やあ、やあ、やあ―――
  ココロちゃん、水溜ココロちゃんじゃあないか!
   君も『好き』なのかい? このぬいぐるみ」

馴れ馴れしく語りかけてくる男。
彼は、どうやら『ココロ』の事を知っているらしい。
この粘っこい口調は………そうだ、『ミスコン』だ。
『ミスコン』の時の審査員、確か、『門倉』とか言っただろうか?

「いや、こんなところで『コンテストの優勝者』と出会えるとはね!
                       実に運がいいよ、俺は!」

『門倉』は、一人で興奮している。

219ココロ『RLP』:2015/07/18(土) 23:51:36
>>218

「え、あ、ど、どうも……」

(そ、そ、そうだわ、どうして忘れていたのかしら。
 ミスコンの審査員……だわ。語り明かす券をくれた人……)

数々の商品で一番困るものだ。
アイドルグッズとかも困る。

「い、いえ、好き……というわけじゃあ……
 た、ただ、その……は、流行っている、から……」

             「と、トモ……友達も、持っているし……」

親友が持っているから欲しくなったのだ。
それと、しあわせが欲しくないといえば嘘になる。

「……あ、貴方は…………」

          ビクッ

ケティちゃんが好きなの? と聞こうとしたが、興奮具合にやや萎縮する。

(す、すごく興奮しているようだわ……
 わ、わっ……私も喜ぶべきなのかしら……)

220『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/19(日) 00:08:04
>>219
「ああ、友達も持っていて欲しくなったというわけか。
 『幸せを呼ぶ』なんて言われているようだね。

  俺もそれにあやかろうと『朝』から並んで、
   ようやく手に入れたのだけど………
    なかなか『幸せ』に巡り会えなくて首を傾げていたところなんだ」

どうやら、この『門倉』、『ケティ』が好きというより、
『幸福』の方が欲しかったらしい。

 「だけど、やっと『幸せ』に巡り会えたようだ。

  『ココロ』さん………いや『ココロ』ちゃん。君は『ミスコン優勝者』だ。
    つまり、俺が用意した『門倉と語り明かせる券』を持っているはずだね?

                 今こそ、それを使うべきなんじゃあないか?

   さあ―――行こうじゃあないか!

                        めくるめく『語り合い』の世界にね」


………『詐欺』の一種に要らないものを勝手に送り届けて、
強引に金をせびるものがあるが、このやり方はそれに近い。
毅然とした態度が出来るのなら、きっぱりと断るのもいいだろう。

221ココロ『RLP』:2015/07/19(日) 00:21:24
>>220

>毅然とした態度が出来るのなら
『NO』。


「え、ええぇ……」

(ど、どう……どうしたらいいのかしら、こういう場合……!?
 こ、こ、ことわ……け、けど、なんだか、かわいそうな気がするわ……)

憐れみめいた感情。
じり、と後ろに下がる。

        ・・・・即決するのはキツイ。

(そ、そうよ、いつかは使うことになるのよ……
 いつかいつかって引き伸ばしていたけれど……そ、それは今なのよ、きっと。)

(…………け、けれど、この人が怪しい人だったら?
 語り明かすなんて言って、へ、変なところに連れ込まれるんじゃあ……??)

(な、なんて……し、失礼な妄想にもほどがあるわ。
 どれだけ自意識過剰なのよ、私ったら……ほ、ほんとクズだわ……)

           シュン

勝手に落ち込んでいくココロ。
……あまりにもキリのない堂々巡りに陥りそうになる自分に気づく。

(い、いけないわ、いけない。
 ちゃ、ちゃんと、こ、答えるのよ。)

「……あ、危ないことはしない……わよね?
 そ、そうよね、しないわよね、え、ええ……」

これは事実上の肯定だ。
つまり――めくるめく語り合いとやらに参加するのだ。

222『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/19(日) 00:40:43
>>221
「もちろんだとも―――『危険』なんてまるで『ない』。
              『難しい』事もまるで『ない』。

      俺がやりたいのは、健全な『語り合い』さ。

 だいたいミスコンの賞品にそんな怪しいものが混じっているはずもないだろう?」

 『門倉』はぬいぐるみの手を持って、それをフリフリさせながら語る。  スキル
 なんとなく『ケティ』が話しているような雰囲気に持っていき、警戒を解く技術だ。
 (通用するのは基本的には幼児とかだけだが)。

「じゃあ、行こうか! 俺ならば『いい場所』を用意出来る。
 なんてったって『不動産屋』だからね!」

『門倉』はもうノリ気になってしまっているようだ。

223ココロ『RLP』:2015/07/19(日) 00:49:18
>>222

(し、しまったわ……もう後には引けない……
 ……い、いえ、いいの、これでいいのよ。退路を断ったのよ、ええ。)

       スゥー
                ハァー

深呼吸する。

「え、ええ。そうよね、健全よね。
 わ、わ、わかっていたわ、はじめから、ええ……」

(な、なぜケティちゃんに手を振らせるの……?
 い、意味なんてきっとないわよ、ええ。人形遊びが好きなだけだわ……)

いかがわしいことはない。
猥雑は一切ない。

「そ……そうよね、ええ。
 善は急げとも、い、言うものね……!」

これは善なのか? 門倉にとってはそうかもしれない。
もうどうにでもなれ、だ。

        ・・・・悪いようにはならない、気もする。


(こ、こればかりは気のせいじゃ困るのよ……
 むしろ凄くいいことがある、なんて、ど、どうかしら……)

224『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/19(日) 01:03:21
>>223
『ココロ』は強引な『門倉』に押し流されるように彼の申し出を承諾してしまう。
『門倉』は大きく頷き、ココロの手を取り、歩き出す。

  ……… ……… ……… ……… ………

ご存知のとおり、『駅』を挟んだ『北』と『南』では、その性質は大きく異なる。
『北』は健全な『商店街』であり、『住宅街』に連なる『メインストリート』、
当然、『ケティハウス』もこちら側にある。
一方、『南』はいかがわしい『繁華街』で構成された『ネオンストリート』。
おそらくだが、『ココロ』はあまり立ち寄らない場所ではないだろうか。

………『門倉』に連れられ、『ココロ』はそんな
    『ネオンストリート』までやってきてしまっていた。
    いつのまにか時は夕方………陽が沈みかけている。

   『門倉』はキョロキョロしながら、何かを探しているようだ。
   彼の言う『いい場所』とは、いったい………。

225ココロ『RLP』:2015/07/19(日) 01:10:06
>>224

        キョド

              キョド

挙動不審気味に辺りを見回すココロ。
それもそのはず――この辺りはココロの中では危険地帯なのだ。

「か……っ、門倉さん……?
 こ、この辺りなのかしら、い、いい場所って……?」

(や、やっぱり失敗だったんだわ……
 ネ、ネッ、ネオンストリートなんて、こ、怖いところよ……)

             (い、いい場所なんて、本当にあるのかしら……)

不安は尽きないが、いまさら帰るわけにもいかず。
顔を不安一色に染めつつ、門倉についていく。

226『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/19(日) 01:24:12
>>225
「うん―――
  このあたりで、いいかな。

   『いい場所』―――

                 『人気のない場所』」
                   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
  ゴゴ
      ゴゴゴ
              ゴゴ
                           ゴ

気付くと―――『ココロ』と『門倉』は、
『ネオンストリート』の裏路地、人気のまるでない場所に来ていた。
『ネオンストリート』は細かい路地が多く、
確かに『こういう』場所を探すならここがうってつけだろう。

「ふふふ………
             それじゃあ、このへんで」

         『  ギ ュ イ  ン ッ  』

―――と、突如。『門倉』の陰から『人型』が発現する。
実に奇妙なデザインの『それ』。『ココロ』は一目で『それ』が何だか理解する。

『スタンド』―――どうやらこの『門倉』もこの能力の使い手だったらしい。
しかし、なぜ、こんな『人気のない場所』で『スタンドヴィジョン』を出すのだ?

『ココロ』は無意識に後ずさろうとするが、『背後』には路地裏の『壁』。
そんな『ココロ』になぜか『門倉』は『人型スタンド』と共に迫ってくる。

細い路地裏。辺りは妙に薄暗く、『不気味さ』が周囲に漂っている。

                 いったいどうなってしまうのか―――!?

227ココロ『RLP』:2015/07/19(日) 01:38:16
>>226

  ゴゴ
      ゴゴゴ
              ゴゴ
                           ゴ

「ひっ……」

          ジリ

             「ひいいっ」

          ドテ


         『  ギ ュ イ  ン ッ  』


   「ひぃいーーっ!!」

尻もちをつき、恐怖に叫ぶココロ。
あらゆる状況がココロに危機を告げてくる。

(ど、どうしましょう、どうしましょう、どう……)

            (どうしようも、な、ない……?)

         ハァーーッ

                ハアァーーッ

「お、おねっ……
 お願いだから、ひ、ひぃっ」

              「ひ、ひど……っ、酷いこと、し、しないで……」

         ガタガタ

                 ブルブル

震えつつ懇願する。

(わ、わたしここで終わりなんだわ……
 す、好き放題されて、捨てられて、新聞に載るのよ……うふふ……)

人を呼ぼうとも思ったがここはネオンストリート。
敵が増えるだけな気もするので、思いとどまる。

228『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/19(日) 01:55:41
>>227
得体の知れぬ『門倉』に対し、『覚悟』を決める『ココロ』。
おそらくいつもの『ココロ』だったらいまいち素性の怪しい
男の誘いにここまでホイホイのらないだろう。
あるいは、『小学生』の群れにもみくちゃにされた関係で、
冷静な『判断力』が失われていたのかもしれない………。

                   サ ァ

『門倉』の『スタンド』が『ココロ』の間近まで来ると、その拳を構える。
そして、そのままその拳を力強く振るう―――

               ダ ァ ぁ ン ッ ! !

『スタンド』が殴ったのは………『ココロ』ではなく『壁』だった。
『ココロ』の間近の『壁』。
これはいわゆる世間一般で言うところの『壁ドン』というものだろうか。
しかし、なぜ、『スタンド』にやらせるのか………そういう『趣味』か?

                  「さて――― これで『出来た』」

『門倉』は満足げな表情を浮かべていた。
ふと、『ココロ』は自分の背が触れている『壁』の『感触』が変わった事に気付く。
そのまま横目で確認すると………


           そこには一枚の『ドア』が産まれていた。

229ココロ『RLP』:2015/07/19(日) 02:07:46
>>228

「はぁーーっ、はあぁっ……すぅ、はぁーーっ……!!」

             ギリリ

迫りくるスタンドの拳に、歯を食いしばり、両目をきつく――

   キュッ

               ダ ァ ぁ ン ッ ! !

「き、い”っ……」

           「……?」

(い、いたいのが来ないわ……)

ぶん殴られると思ったら違った。
……これは、いわゆる。


「壁、ドン……!?」

         「な、な、な……」

(なんで? な、何で壁ドンなの?
 わ、わからないわ……全然ときめかないし……こ、怖いだけよ……)

たじろぐココロ。
性的な狙いならこんなことする必要もないし、暴力目当てならなおさら謎。

            ・・・・と。

「……あ、あら……?」

           「こ、こんなところに――」

ドアなんてなかったのに。
つまり――そういうことだ。


「…………あ、あ、あっ……悪趣味だわ……」

                ヘナヘナ

門倉の能力。それがこのドアであり……おそらくは『いい場所』だ。

あの思わせぶりな感じ(主観)は、騙しだったのだ!
あるいは勝手に思い込んだだけか……何たることか……

(お、思い込みだったら失礼も甚だしいわね……
 ……お、思い込みなんじゃあないの……そんな気がしてきたわ……)

230『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/19(日) 02:28:52
>>229
「―――ん? どうかしたかい?」

『門倉』の顔には笑顔が張り付いている。
ここまでの流れが果たして『意図的』なのかそうでないのかは
………彼の顔を見ただけでは分からない。

「まあ、とにかく、ここが俺が言っていた『いい場所』だ。
        二人きりになれる、とても『いいところ』。

                   じゃあ、早速―――入ろうか」

『門倉』がドアを開けると、中の様子が少し確認出来た。
見ると、質素な『マンション』の一室のようで、
ココロの位置からは『応接用』の『ローテーブル』のようなものが見える。


 「さあ、どうぞ―――
              『ソウル・ダンジョン』が作り出す『部屋』へ」

そして、『門倉』は『ココロ』を『部屋』へと招く。
この現象についての説明などは一切してくれないが、
おそらく『ココロ』があからさまに、
『門倉』のスタンドヴィジョンに『反応』していたのをみて、
『ココロ』もまた『スタンド使い』だという事を確信し、
余計な説明は要らないと踏んだのだろう。


           ここに入れば、いよいよ本番。
     『門倉』と『ココロ』の『語り明かし』が始まるという事だ。

                           → TO BE CONTINUED
                              (続きはまた今夜………)

231ココロ『RLP』:2015/07/19(日) 23:31:54
>>230

「〜〜〜〜ッ……
 ど、どうもして……いないわ。ええ。」

               (お、思い込みじゃないわ、きっと。)

ココロはそう思ったのだ。
やや憤慨の色を表情に混ぜる。不安や恐怖より、強い。

(……か、からかわれているんだわ。
 い、いっ、いちいち、二人きりがどうとか行ったりして……)

               すぅーー

        はぁーー


深呼吸はココロの心を鎮めてくれる……

「そ、ソウル……ダンジョン……」

           ゴクリ

こうなれば、ええいままよ。
いまさら家に帰ろうとするのもはばかられる。

「え、ええ……わかった、わ。
 は、はっ……入るわよ、ええ、い、いい場所――に。」

扉を慎重にくぐり、室内へと。

232『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/20(月) 00:25:12
>>231
『ココロ』は様々な思いを抱えながら、
それでも『門倉』の部屋に入る事に決めた。

 ……… ……… ……… ……… ………

恐る恐るドアの内に入ると、そこはどこにでもあるような小さな『マンション』の一室だった。
応接用だろうか、中央に対面のソファと、応接用のローテーブルが置かれている。
傍らには事務机とロッカーや本棚。
端の区切りには小さなキッチンスペースがあるのがわかった。
それら全ては『本物同様』に見える。

 「時間は限られている」

『門倉』はローテーブル脇のソファに座り、対面にあるソファを指す。
『ココロ』にここに座ってほしいというジェスチャーなのだろう。
『レアケティ』はテーブルの端にちょこんと置かれた。

「だから、早速、話をしよう。君のほうで何か話したい事があれば
 それについて大いに語ってもいいし、もし、特にないのなら俺の方で話をしてもいい。

  どちらにせよ、今日という記念すべき日に『ココロちゃん』、
             君と話が出来る事が、俺は本当に嬉しい」

『門倉』は特に悪びれた様子もなく、こう述べた。
狭い部屋に男と二人きり、という状況はあまり良いものとは思えないが、
少なくとも、今の段階では『門倉』は、純粋に『話』がしたいように見える。

233ココロ『RLP』:2015/07/20(月) 00:38:59
>>232

          キョロ

              キョロ

(へ、部屋……だわ。
 普通の……本当に普通の、マンションの部屋よ……)

おそるおそる。

     ストン

指定されたソファに座る。
……変なもの(画鋲とか、音が出るクッションとか)がないか確認しつつだ。

(じ、時間って……?
 用事がある、とかじゃあなさそうだけれど……)

レアケティに少しだけ視線を送る。
そして、すぐ門倉に向き直る。

「……は、話したいことなんて……
 …………ご、ごめんなさい、きゅ、急には浮かばなくて……」

「う、嬉しんでもらえるのは……
 い、良いの、私もうれしいのだけれど……ご、ごめんなさい。」

            (な、何の話が良いのかしら……!?
             ピ、ピアノ? 音楽? す、滑らないようなお話とか……?)

ココロとしては、やや困惑気味だ。
それもあって、話題らしきものは頭に浮かんでこない。
浮かんだとしても、雑多すぎる。

「…………ご、ごめんなさい。
 やっぱり思いつかないわ……お、お願いして、良いかしら。」


ここは、話題を彼に任せることにした。

234『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/20(月) 01:01:36
>>233
『ココロ』は慎重すぎるほどに部屋やソファの様子を
確認するが、特に異状は見当たらない。

「―――分かった。それじゃあ………」

『ココロ』からの話の『お願い』を受け、
『門倉』は腕を組み、わずかな間、考え込む。

「そうだな―――
            『音楽しか聴こえない女の子の話』でもしようか。

 ただ、俺が求めているのはあくまで『対話』だ。
  俺が一方的に話すんじゃなく、ちょくちょく君に
    『問いかけ』していく。そのつもりで聴いてほしい」

 そう述べると、『門倉』は淡々と、ある物語を語り始めた。

 ……… ……… ……… ……… ………

「あるところに中学生の女の子が居た。彼女は『聴覚』に障害を持っていてね。
 『普通の話し声』や『雑音』なんかは一切聴こえない。
 『補聴器』なんて使っても役に立たない。

 でも、彼女には『聴こえるもの』があった。
    それは、『音楽』だ。
     『演奏』や『歌』ならば、彼女は十分に聴き取る事が出来た。

 『耳の機能』はまったくの正常。おそらく『心因性』のものじゃあないかと医師には診断されていた。
  有効な対処法もないまま、彼女は日々を過ごしていかなくちゃあならなかった。

   さて―――『ココロちゃん』。

  早速君に質問したいのだけど、そんな彼女はいったいどんな中学校生活を送っていたと思う?
   そして、それについて彼女はどう考えていた? 君の意見を、訊きたいな」

235ココロ『RLP』:2015/07/20(月) 06:11:18
>>234

               キョロ ・・・・

(な、なんてこと、ないわよね、ええ。本当に普通の部屋……
 あ……あたりまえじゃないの、ど、どれだけ自意識過剰なのよ、本当……)

まあ、スタンドの部屋だし、相手が信頼できるでもない。
ココロとしては正当なる警戒心のつもりだ。いかんせん過剰だが。

「音楽、しか――」

                「あっ、え、ええ。対話ね。
                 ……わ、わかった。心して聞くわ。」

(も、物語なのかしら……? それとも寓話?
 わ、私ったらお話っていうから、トークか何かかと……)

意外な展開だが、耳を傾けるココロ。
その表情は真剣そのものだ。

 ……… ……… ……… ……… ………

(……ど、どうしましょう……私の意見……)

そして話を聞く。
音楽しか聞こえない――雑音から隔絶された少女。

(き、きっと……さみしい、わよね。
 お友達としゃべったりもできないのだし……)

(……出来ないかしら? ひ、筆談とか、あるわよ。
 手話だって出来るかもしれないわ……か、勝手にさみしいなんて、決めつけだわ。
 耳が聞こえなくたって、き、きっと……近くにいてくれる人は、いるわよ。ええ。)

「……み、皆とは、少し違うところもあるけれど……
 その子はその子なりに、充実していたんじゃあないかしら。
 ……あっ、む、昔からそういう耳……なのよね……?」

「け、けれど……やっぱり、分かり合えない寂しさは、あったと思うわ。
 皆と自分はどこか違うんだって……きっと、心の底では思っている。
 それに、みんながみんなこの子を理解してくれるわけじゃあ、ないでしょうし……
 …………ご、ごめんなさい、そんな感じだわ、私の意見は。……こ、こんな感じでいいのかしら。」

一通り意見したあと、門倉の反応を覗うココロ。

236『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/20(月) 23:31:38
>>235
「そうだね――― 君の言うとおり、彼女は物心ついた時からそういう『障害』を持っていた。

 『障害』に対して皆が皆、温かな態度をとれるわけではない。
 特に年少者には、過剰な反応をとってしまう者も居るだろう。
 だが、幸いな事に彼女は級友に恵まれており、それなりに充実した日々を送る事が出来ていた」

『ココロ』の意見を受け、『門倉』は話を進める。

「しかし、これも君の言うとおり、彼女自身はどうしても
 『分かり合えない寂しさ』を常に感じていた。
 家族やクラスメイトは確かに優しい。
  優しいが………これは『障害』にあてられた優しさであって、
   『自分』にあてられたものではないのかもしれない。

    そんな超えられない『壁』のようなものをずっと感じていた」

 『門倉』はゆっくりと言い含めるように『ココロ』に語りかけていく。

「さて、そんな日常を過ごす『彼女』だったが、ある時、『転機』が訪れる。
 彼女のクラスに『転校生』がやってきたのだ。
 いかにも軽薄そうな『彼』は、その気さくな性格ですぐにクラスの人気者になった。

 彼が来てからしばらくは何事もなく過ごせていた。
 しかし、一ヶ月ほど経ち、『彼女』はクラスメイトたちの微かな『違和感』に気付く。
 自分に対して、どうも『余所余所しい』のだ。

   何か、自分が、『軽蔑』されているような………。

 それが何故か? という事を『彼女』は考える。
  『彼女自身』が何か変わった、という事はないように思う。

  ではほかに『変わった事』―――
  思い当たるのは、あの『転校生』がやってきた事しかなかった。
   もしかすると………『彼』が何か関わっているのではないだろうか。

        というところで、ココロちゃんに問いたい。

      そう考えた『彼女』は、いったい『どうした』のか?

                               さあ、思うとおりに答えてほしい」

237ココロ『RLP』:2015/07/20(月) 23:56:25
>>236

「……壁……」

(人との間に、壁がある……なんて。
 良く聞くけれど、わ、私は感じたこと少ないわね。
 むしろ……『ミゾ』の方が、近いわ、私は……)

         (……わ、私なんかと比較するのも変よね。ええ。)

まあともかく――話の続きを聞く。
何となく、辛い話になりそうだ、とココロは思った。

          ・ ・ ・ ・

転校生の男――ココロは軽薄な男が得意ではないと自認する。
だから、彼に向ける認識は『不審』だ。

「……ど、どう、って……」

(な、何で、何で急にみんなの対応が変わるの?
 て……転校生が、何かしたのかしら……なんで?)

「…………し、親しい友達がいるなら、相談……とか?
 け、けれど友達もよそよそしくしてくるなら……ど、どうしましょう……
 ……でも、やっぱり、きっ、聞いて……みるべきだわ、勇気を出して……」

ココロ自身が迷わずできることではない。
だが、これはお話だ。ココロのしたい事を選ぶ、すべきだと思うことを選べる。

238『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/21(火) 00:32:24
>>237
「―――『友達に相談』。そうだね、先に述べたとおり
 彼女と級友はそれなりにいい関係を築けていた。
  当然、そういった相手もいたわけだ」

『ココロ』の言葉を肯定し、『門倉』は続ける。

「『彼女』は、親しくしてくれる中でも、
 一番『公平』な女子に勇気を出して、『筆談』で相談してみた。

  【自分が今、級友と疎遠になっているようだが、なぜなのだろう?】

  するとその女子もまた、筆談でこう返してくる。

 【丁度よかった。私もその件をあなたにききたかったのです。
  あなた、本当は『耳』が聞こえるって話があるんですけど、本当なのですか?
  それが真実ならば、あなたは私たちにずっと『ウソ』をついていた事になる】

 そんなの全くの『デタラメ』!
 『彼女』はそう宣言したかったが………断言できない理由がある。
 そう、彼女は『音楽』ならば聴く事が出来たのだ。

 しかし、その事については『彼女』はあえて級友に伝えていなかった。
 『音楽しか聞こえない』という奇妙な症状は、およそ馴染みのないものであり、
 小学生時代に『詐病扱い』されてしまった苦い経験があったからだ。

 結局この時、『彼女』は【そんな事はない。自分は聴こえない】と友人に伝えた。
 正しい事が好きな友人はそう返す『彼女』の目をじっと見る。思わず目を逸らしてしまう『彼女』。
 ………そして、友人は黙ってその場を立ち去った」

 『門倉』はここで『ココロ』の目をじっと見やり、そしてまた話を続ける。

「『彼女』には思い当たる節があった。級友たちに隠れて
 こっそり『音楽プレイヤー』を聴いている時がある。
 それを見られてしまい、言いふらされたのに違いない。

 どうしよう。どうすればいい? 『彼女』は泣きそうになる。
 耳が聞こえないと詐称していた『音楽家』は糾弾され、今では姿も見ない。
 その立場にまさか自分が陥ってしまうなんて!

    さて、ここで問おうか。ココロちゃん。

                  次の彼女の行動について考えてくれないかな?」

239ココロ『RLP』:2015/07/21(火) 00:59:24
>>238

無理解というのは毒だ。

「そ、そ、そんなの……」

       (ど、どうしようも……ないじゃあないの。
        弁解したって、信じてもらえるはずがないわ……)

信じる心はちょっとしたことで崩れる。
だが、不信はそう簡単には晴れない。

ココロだって、この状況に立たされたら、彼女を疑うだろう。
もっとも、相手が本当に親友なら、また別かもしれないが――

(……ど、どうしようもないじゃあないのよ……
 音楽を聴くのをやめるなんて、そんなのありえないし……
 かといって、しょ、正直に言ったって……
 ……き、きっと、転校生が言いふらしたに違いないわ。
 …………だけど、彼をどうこうしたところで……
 ……そ、そもそもこんなこと考える私がおかしいわ。)

ココロは思い悩む。
心の底から善性を信じるなんてのは聖人でもないと無理だ。

「……き、きっ……きっと、何もできないわ……
 だ、だって当たり前だわ。こんな状況で、何も……」

「友達だって、し、信じてくれないんだもの、本当の事を言えたら苦労しないし……
 ひ、一人で何かするにしても……何をすればいいのか、わからないと思うわ……」

友達というのは、ココロにとっては心安らぎ、落ち着く存在。
そんな存在にすら、疑いを向けられているなら……何ができるのだろう?
実際、疑われる理由もある。だからこそ、どうしようもないのだ。

240『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/21(火) 01:35:56
>>239
「なるほど、確かにそうだね。この状況では何も出来ない。
 そして君の考えたとおり………『彼女』も泣き濡れたまま、
    何もする事が出来ずに日々を過ごす事となる」

 『門倉』の言葉が『ココロ』に届く。

「『級友』の疑惑の海の中、『彼女』は寂しい学生生活を送る事になる。
 表立って『糾弾』するような品の悪い生徒は居なかったものの、
 『彼女』の辛さはピークに達していた。

 そんな『彼女』もまた、心中にひとつの『疑惑』の海を持っていた。
 新参者である『転校生』が犯人であるという『疑惑』。
 そしてその恨みからか、気付くと『彼女』は
 彼の行動をストーカーのように監視するようになっていたんだ。

 引き続き彼はクラスの人気者だった。
  こんな彼ならば、『悪い噂』を広めるのも容易だっただろう。

  逆に言えば、彼ならば『良い噂』を広めるのも
           容易なのではないだろうか?

     ある時、『彼女』はふとそんな事を考えつく。

  そして、思いついたのは、彼の『弱み』を握る事。
  『弱み』を見つけ出して、それをダシに彼に『彼女』の『良い噂』、
   具体的には、『彼女が聴こえるなんていうのはウソ』だという噂を流してもらう。
   心が少し濁り始めてしまった『彼女』には、そんな邪な計画が思い浮かんでいた。

 それから『彼女』は、必死に『転校生』についての情報を集め始めた。
 『公平な友人』は、前よりは『彼女』と行動をともにしなくなったが、
 『彼女』を無視したりはせずに訊いた事には答えてくれる。

 友人によると、『転校生』は文武両道で『弱点』などはないタイプだと言う。
 ただ、『音楽』だけは苦手で成績もいつも『1』。『カラオケ』なんかもけして行かないという話だった。

 その話を元に『音楽の授業』の時、『彼女』は『転校生』の事をじっと観察する。
 そして―――そこで『ある事』に気付く。

    さて、ここだ。ここでココロちゃん、君に問うのは、
      いったい『彼女』は『何に気付いたか』という事だね。

 分からなければ、素直に分からないって言ってくれても構わない。

                                さあ、どうかな?」

241ココロ『RLP』:2015/07/21(火) 23:05:26
>>240

何だか、意外にダーティな方向に物語が展開してしまった。

(……な、何もしないって言ったから……かしら。
 で、でも、だからって何ができたわけでもないわよ、ええ……)

責任を感じそうになるが、耐える。
そして、ちゃんと聞いて、話の終わるのを待つのだ。

             ・ ・ ・ ・

              ズーン

(な、なんで……こんなに、上手く行かないの……?
 この子だって、ほ、ほんとは悪い子じゃあないでしょうに……)

想像以上のそれ以上に悪い方へ流されゆく少女にやや陰鬱な気持ちのココロ。
もっとも、質問に答える程度の余力はまだある。

「き、気づく……?」

(音楽の成績が悪い……のよね?
 な、何かしら……歌がものすごく下手とか……?
 楽器が苦手……い、いえ、両方……かしらね?)

              「……何を……あっ。」

思い当たったのは、一つの可能性。

「……へ、下手過ぎて……ごめんなさい、口が悪いのだけれど……
 歌とか、楽器の演奏が、彼のだけ……聞こえなかった、とか……かしら?」

               「だっ、だから何ってこともないけれど……」

音楽だけが聞こえるという耳。
音楽が出来ない少年。

組み合わされば――そういうことが起きるんじゃあないか?
いやまあ起きたから何という話かもしれないが……

242『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/21(火) 23:56:42
>>241
「―――そう。そうだね、ココロちゃん。
 あまりにも下手すぎて………『音楽』だと看做されなかったという事だろう。

 『彼女』の耳には、『転校生』の紡ぐ音色は一切『聞こえなかった』。

  そして―――音楽しか聞こえない『彼女』にとって、その事実は、
          『転校生』をより一層不気味な存在に仕立て上げる事となった。

  『ある感覚に障害を持つ者は、代わりにほかの感覚が鋭敏になる事がある』

   そう、『彼女』にもその傾向があった。『音楽以外』が聴こえない代わりに、
   誰かが奏でる『音楽』を聴けばそれの紡ぎ手の『精神』や『心情』がよく理解出来る、
   そんな特性を『彼女』は有していたんだ。

   『転校生』にはその特性さえ適用できない。
    『彼女』にとって、『転校生』は仮面を被った表情の読めない『怪物』のようなものだった。
      気付くと彼の事ばかり思い悩み、胸をざわめかせる日々が続いていた。
      『音楽』が苦手なのは『弱み』ではあるものの、おそらくは周知の事実。
       それで彼を脅し、『良い噂』を流してもらうなんて計画など、実行出来るはずもなかった。

       ……… ……… ……… ……… ………

  そうこうしているうちに学校ではクラスごとの『合唱コンクール』が行われる事となった。

   『合唱コンクール』。実のところを言えば、『彼女』は歌うのも演奏も大の得意だった。
   『音楽しか聞こえない』彼女を不憫に思った両親が、
   せめてその『音楽』だけはきちんと楽しめるようにと、
   幼少の頃からびっちりと『音楽の英才教育』を仕込んでいたんだ。
   しかし………今、『それ』を発揮する事は出来ない。
   耳が完全に聞こえないはずの『彼女』は、それらが得意であっては『いけないのだ』。

   さて、覚えがあると思うけど、『合唱コンクール』ではピアノで『伴奏』を弾く生徒が居る。
   当然、先生は『伴奏者』を『指名』しようとするわけだけど―――

    その時、発言したのが、例の『転校生』だ。

   【せんせーい、ピアノは彼女に弾いてもらったらいいとおもいまーす】
   【実は耳きこえてて、ピアノも歌も、とっても上手なんですよ、彼女!】

  ………その発言は『公平な友人』がすぐさま書いて『彼女』に教えてくれた。
      そのメモを見た『彼女』は見る見るうちに青ざめる。

 ………
       ………
             ………さて、ここで質問だ。

  『彼女』は、この事態の中、どんな行動をとったと思う?
                      思ったままでいいから、教えて欲しい」

243ココロ『RLP』:2015/07/22(水) 00:22:47
>>642

           ・ ・ ・ ・

話を聞き終えた。再びココロのターンが回ってくる。

「ど……っ、どうもこうも、出来ないじゃあない。
 ……や、自棄にでもなるくらいしか……出来ることがないわ。」

ココロは言った。

(この子のクラスメイトはこの子じゃなくてこの男を信じる連中だわ……
 そ、それは……この子も分かっていることよ。
 ……ろくでもないけれど、それが普通なんだわ、きっと。
 いまさら本当の事なんて言えないし、い、言ったところで、そんな話……)

この少女が置かれる状況はまさに最悪だ。
嘘だと否定はできない。だが本当だと認めたらウソつきに他ならない。
少女の症状を信じてくれるものなどいない――と少女は過去の経験から知っている。

(こ……この最低な男をどうこうする……なんてのはさっき駄目だって自分で決めたじゃあないの。
 わ、私ったらすぐ、暴力に発想が行くのね……け、けれど、話し合いなんて無駄だわきっと……)

そもそも、どうこうするための力もないだろう。
ココロは……この少女を、疑いようもなく弱いものであると思っている。

「何も言わない……いいえ、言えないわ。
 それか、耐えきれなくなって、自棄になってしまうか……」

「こ……ここで弁解できるほど……
 立ち向かえるほど強かったら、こんなことには……なってはいないわ。」

そして、この少女が強くないのは門倉も紡いだ物語。
ココロ本人が同じ状況でどうするかは別として、この物語では――なにも出来まい。

244『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/22(水) 00:59:55
>>243
「確かに―――君の見立ては正しいよ、ココロちゃん。
 『転校生』の指摘に『彼女』は何も言えず、押し黙ってしまうんだ。

 『クラスメイト』達が口々に何事かを言っているのがわかる。唇の形でわかる。
 それはきっとこの『転校生』が熟成させた『彼女』への負の言葉なのだ。
 聴こえない以上、真実は分からないが、そうに決まっている!
 絶望に閉ざされた今の『彼女』には、
    それ以外の可能性を思い浮かべる余裕はなかったんだ。

 『彼女』は自棄になっていた。『担任』がメモで『転校生』の言葉が本当かどうか確認してくる。
 【本当です】と『彼女』は殴り書きする。乱暴に踊る文字が彼女の心情をそのまま表していた。

                  【だから、私がやります】

 戸惑いながらも『彼女』の意思に『担任』は頷く。
  そして、『彼女』はそのまま脇にある『ピアノ』へと歩を進める。
   こうなったらもう、心中に渦巻く様々な思いを『演奏』にぶつけるしかなかった。
    たとえ誰から見放されても、『彼女』には『音楽』がついている―――

       ……… ……… ……… ……… ……… ………

 響く『音色』。渾身の『演奏』。『彼女』が紡ぐ柔らかな『音楽』に、
 その場に居た者たちは思わず息を呑む………
  ただひとり、憮然とした顔の『転校生』を除いて。

  そして―――『表題曲』の伴奏を弾き終えた『彼女』は大きなため息をつく。

           これから自分はどうなってしまうのだろう。
           実は耳が聞こえていた詐欺師として
           今以上に誰からも相手にされなくなってしまうのだろうか。

              『不安』が胸中をグルグルと回る。回り続ける」

 『門倉』はここで話を少し、区切る。

「けれど、結果的にこの『演奏』をきっかけに『彼女』の運命は好転する。
 『彼女』の演奏が極めて『不思議な現象』を齎したんだ。『超常現象』と言ってもいい。

      さて―――ココロちゃん。君に訊きたい事はひとつ。
     この『超常現象』とは、果たしてどんなものだったのか?

ああ、どうしても思いつかないようだったら素直に『分からない』と言ってくれてもいい。

                          とりあえず、考えてみてくれないかな?」

245ココロ『RLP』:2015/07/22(水) 22:32:59
>>244

「…………」

超常現象――

ココロ、そして目の前の不動産屋は、それを引き起こす。
特に、ココロは『ピアノの演奏』というキーワードに多少のシンパシーを覚える。

この少女もまた、その世界へと足を踏み入れたのだろうか?

(で、でも……この状況が好転するって、ど、どういう力なの?
 この子が嘘つき呼ばわりされるのは、も……もう、避けられないわ。
 も、もしかするとピアノに惹かれて友達が増えるかもだけれど……
 ……そ、それでも……大多数のクラスメイトは、転校生の味方だし……)

                (……け、けれど、けれどよ? 好転はするのよ。
                 だから、き、気楽に考えればいいわ。
                 私が変な間違いをしたとしても……あ、安心なのよ。)

「お、思いつくままでいいのなら、だけれど……」

安心とはいえ、真面目に考えるのは当然だ。

好転――何の好転とするかだが、まあ『人間関係』だろうか?
現状何が好転すべきなのかというと、そこからだろう。

(どうしたら……いいのかしら。
 聞こえないふりをしていた、っていうのが、よくないのよね。
 ……いいえ、本当に言葉は、聞こえないのだけれど……
 そうなると、耳が聞こえるようになっても好転はしないわ……きっと。)

(だ、だ、誰かが傷つくようなことでは、ないはずだわ。
 洗脳みたいなことでもないわとね、え、ええ。当たり前にもほどがあるわ。
 ……じゃあ、一体何が……? わ、わからないけれど、な、何か、何か……)

「……あっ。」

          「今までと逆、とか……?
           ご、ごめんなさい、つまり、つまりよ……」

「今までは演奏を聞いたら、その人の、こ、心が分かったけれど……
 こ、今回は、この子の心が、み、みんなに伝わった、なんて……こ、荒唐無稽かしら……?」

本当に思いつくままだ。

246『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/23(木) 00:39:49
>>245
「―――そうだね、しかり。

 ココロちゃん、確かに君の言うとおり、
  ピアノの演奏を聴いた者には、
 『彼女』の心が、芯から伝わったんだ」

 『門倉』はココロの提案を全肯定する。

「『演奏』が終わった後、皆、戸惑いながらも拍手を行う。
 『彼女』の『事情』が心の底から理解出来たからだ。

  その光景を『見た』、『彼女』も心の底から安堵する。
  『演奏』の途中から『彼女』にもまた『確信』が生まれたんだ。
  『ピアノ』を聴いてくれるなら、すべて『わかってくれる』という『確信』。
  根拠のないオカルティックな話だが、それは『現実』となった。

 その日から、『彼女』の生活は元通り、いやそれ以上となった。
 『彼女』はそのまま『ピアノの伴奏者』として活躍する事となったし、
 自分を最大限に発揮する事が出来るようになった。
 クラスメイトと一緒にカラオケに行ったり、楽器を演奏したり、コンサートに行ったり。
 『音楽』を通じて、『級友』たちと意思疎通をはかれるようになったんだ。

 何より素晴らしかったのは『公平な友人』が考え出してくれた『ミュージカル式コミュニケーション』だ。
 つまり、日常会話を簡単な『歌』としてアカペラで歌ってもらう事で、
 筆談などしなくても自然とコミュニケーションをとれるようになったのだ。

 この歌うようなコミュニケーションは『クラス』で流行し、『彼女』を交えなくても
 歌でコミュニケーションをとる陽気なクラスとなっていった。
 ケンカだってリリックバトル。シリアスなものにはなり辛く、円満な学校生活が続いた」

 『門倉』はここで一息つく。

 「………さて、ここで『彼女』の問題は解決し、
      『めでたし、めでたし』と話を終えたいところなんだけど。

  この状態の『クラス』で一人、トラブルを抱える存在がいた。
             言うまでもなくそれは、『転校生』の事だ。

 あの日以来、『転校生』の様子はみるみるおかしくなっていった。

 何故だかわからないが、彼にはどうやらあの日、
  『彼女の心が伝わらなかった』ようだった。

  そして何より、クラスに蔓延する『歌でのコミュニケーション』に
  彼は『全く』、馴染む事が出来なかった。
  もちろん単純に『歌』が苦手という事もあるのだろうけど………
  それにしても、彼の『疎遠ぷり』は深刻なものとなり、
  『級友』たちと埋めようもない『齟齬』が生まれてしまっていた。

  そして………彼は次第に学校に来ないようになっていった。
   自業自得、といえばそうなのかもしれない。
   『彼女』にとってみれば、あるいは、これは『勝利』なのかもしれない。

    ……… ……… ……… ……… ………

    ―――さて、ここで『ココロちゃん』に質問だ。

   そもそもなぜ、『転校生』には『彼女の心が伝わらなかった』のだろう?
    今までの話をよく考えれば、あるいはその『答え』がわかるのかもしれない。
    『ココロちゃん』が正しくその理由を推察出来るなら、
     きっと、『彼女』だってその『答え』を理解するだろうね。

    もちろん、分からなければ素直にそう言ってくれて構わないし、
     どうしても何か質問したい、という事であればそれだって自由だ。
      この話のクライマックス、『大事な部分』だからね。

        ココロちゃん、君には、好きなように、ゆっくりと考えてほしい」

247ココロ『RLP』:2015/07/23(木) 01:05:28
>>246

      ・ ・ ・ ・


「よ」

      「よかったぁ……っ……」

門倉が一息つくのに合わせて、そんな声が漏れる。

(く、クラスのみんなは悪い子なんかじゃないのよね。
 ただ、わかってくれなかった……分からなかった、だけで。
 それにしてもこの公平な子は本当にいい子ね……トモちゃん並みだわ。)

(そっ、それにしても歌いながらコミュニケーション……
 絵面を考えると、そうとう奇妙ね……い、いえ、とてもいいことなのだけれど。)

            ――が。

「……あっ、ご、ごめんなさい。続くのね。」

再び黙る。

      ・ ・ ・ ・

「……」

心にざわつきを感じるココロ。

      (そ、そうだわ……この転校生も、嫌な事を言うけれど。
       それには何か、り、理由があってもおかしくはないんだわ。)

その理由は。

……なぜ、彼は音楽が出来ないのか。
なぜ、みんなには届いた心が届かないのか。

「あっ……」

「……それも、逆――なんだわ。
 か、彼は……彼女とは逆に、『音楽が全く聞こえない』……?」

それならば、説明がつく。

248『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/23(木) 01:27:30
>>247
「まさしく」

『ココロ』の答えに『門倉』は笑顔で指さす。

「『彼女』が導き出した結論も、『ココロちゃん』とまるで同じものだった。
 彼は『音楽だけが全く聞こえない』のだ、と。

 聴こえなければ、音楽の授業がズタボロなのは当然のこと。
  『カラオケ』だって行けるはずもない。『歌でのコミュニケーション』なんて、もってのほか。
   彼は他のすべてを手にしていたが、
    『音楽』だけは手に入れる事が出来ず、しかもそれを必死に隠していた。

 転校したての頃、彼は『彼女』を『仲間』だと思っていたのかもしれない。
 耳が聞こえなければ『音楽』だって聴こえない。そういう意味の『歪んだ』共感。

 しかし、そんな『彼女』がある日、『音楽プレイヤー』で音楽を聴いているのを見てしまった。
  それについて彼は『裏切られた』と思ってしまったのかもしれない。実に勝手な話だけどね。
  そこからの『嫌がらせ』………到底許される事じゃあないが、
    おそらくこんな『理由』があったのだろう、と『彼女』は推測する。

  さて、続けざまの質問になって申し訳ないが、
    そんな推測を立てた『彼女』は、それからどうしたか?

                          ココロちゃん、教えてくれないかな」

249ココロ『RLP』:2015/07/23(木) 02:20:14
>>248

「や……やっぱり、なのね。
 けど、ど、どう……って……そんな……」

(どうもこうもないじゃあないの……
 だ、だって、この子は結局彼に何も悪いことはしていないわ。
 か……彼が、勝手に悪いことをして、勝手に負けたのよ……)

(……だ、だけど、ほっておくのも……よ、よくない気がするわ。
 だって、り、理由があったんだし……けど、悪いのは彼よ。
 音楽を聴くのは、何も悪いことなんかじゃあないし…… 
 せっ、説明しないことが悪いなら、彼だって説明していないのだし……
 ……そもそも、り、理由があったからって、そんな風に優しくするものかしら……)

(……だ、だってこの子も、弱み握って脅そうとしたりする子よ?
 別に、すごくいい子とか、そういうわけじゃあないのだし……
 いきなりそんな風に、や、優しく……出来るの?
 ……で、でも、こんな時に何もしないというのも、後味が……)

迷うココロ。

「…………と、とりあえず……何をするにしても……
 この子一人だけじゃあ、ど……どうしようもないいわ。」

「誰か……公平な子か、別の友達か……相談してみる、とか……
 な、何をしたいわけでもないでしょうけれど、気になる……と、思うのよ。」

迷ったまま、ひとまずの答えを出す。
そう簡単に答えを出せる問題でもない――気もする。

250『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/23(木) 23:14:39
>>249

「そうだ。確かに君の言うとおり、
  『彼女』は思い悩んだ末、『公平な友人』にこの事実を相談した。

   『転校生の彼』に音楽だけ聴こえない可能性があり、
     そのせいで今のクラスに馴染めなくて、
    不登校気味になっているのではないかという『推測』」

           『門倉』が語りだす。

「これを聞いて『公平な友人』は、腕を組んで少しの間考えた末、
 【それじゃあ直接、彼に訊いてみたらどうかしら】 と、『彼女』に告げる。
  そうして、『彼女』は『友人』に半ば引きずられるように
        『転校生』の元へ向かう事となったんだ。


その日の昼休み、偶然にも登校していた
『転校生』の元に二人が向かう。そこは、『屋上』。
昼食を終えた『転校生』は一人で、校庭を眺めていた。

『公平な友人』が彼に告げる。
 【この娘があなたに話したい事があるようです】

   そうして、『友人』はとっととその場を去ってしまう。

      ……… ……… ……… ………

 とても気まずい雰囲気の中、それでも『彼女』は、
 『メモ帳』に自分の『推測』を書き連ね、『彼』に見せる。
 すると、みるみるうちに『彼』の表情が変わり、
 『彼女』は、自分の『推測』が『正しかった』と知る―――」

   ここまで話すと、『門倉』は何事か考え出す。

「………さて、そろそろ『時間』も迫ってきたし、
     この『話』の終わりも見えてきた。

 ココロちゃん、これが最後の質問になるんだけど、
 結局、この『二人』の関係はどうなるんだと思う?

 漠然とした答えでもいいんだ。
 もちろん詳しい『過程』が想像出来ればそれを伝えてもらってもいい。

                    俺は、君の答えを欲している」

251ココロ『RLP』:2015/07/24(金) 00:16:18
>>250

          ・ ・ ・ ・

「……」

(ど、どう……って……どうにも、ならないんじゃあ……)

想像できるのは……そこに『和解』はないということだ。
いや、無理やりそういうことには出来るのだが、流れ的に……

(だ、だって……結局、この二人はコミュニケーション出来ないわ。
 いいえ、ひ……筆談という手は、あるのだけれど……
 でも、この子には、もう別の友達がいるのだし……
 か、彼の方だって、今となったら、こ……この子と仲良くなんて……)

(……け、けど……これは、フィクションだわ。
 私と、こ、この人の作り話……な、なら、少しくらい……)

(でも、でも……む、無理やりいい感じで終わらせて意味があるの?
 あんまり、お話として不自然すぎるのって、ど……ど、どうなのかしら……
 そ、そもそも、和解したら、それが全部ハッピーエンドなのかしら……?)

ココロは結論を出すことを迷う。

           ・ ・ ・

そして――

「……わ、私は……」

               「……この二人は、仲良くはならないと、思うわ。
                だけど、前みたいに、悪いうわさを流すとかもしない……」

「ふ、普通――に、なると、思うの。
 だって、仲良くはなれそうにないけれど……
 喧嘩をしたり、する理由は、もうないじゃあない……
 だから、普通のクラスメイトになる、と……思うわ。」

ミュージカル式コミュニケーションも、いずれこの少女専用のツールに戻るだろう。
その時には、音楽が出来ない彼も、クラスに戻ってこられるのではないだろうか。

(……お、面白くない答え、だったかしら……?)

252『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/24(金) 02:11:35
>>251
「なるほど―――確かにそれが自然な流れだね。
 そして、『物語』は君の言ったとおりに集約していく」

 『門倉』はココロの主張に深く頷く。

「覆水は盆に返らないが、零れた水をふき取るくらいの事は出来る。

 『彼』は『彼女』に謝罪し、『彼女』の方も不承不承、それを許す。
 『和解』というより『停戦』といった感じの出来事だったが、
 これをきっかけに再び『彼』は、学校に来るようになった。

 『公平な友人』が『彼』の情報を広めてくれたようで、
 『彼』が『音楽』が聞こえない事も含めて、『クラス』ではサポートしてくれた。
 例の『歌のコミュニケーション』さえされなければ、
 『彼』は再び、『普通』に生活できるのだからね。

 そうして、『彼女』にも、そして、『彼』にも、
  再び『普通の日々』が訪れる事になる。

  これが『音楽しか聴こえない女の子』―――
     そして『音楽が聴こえない男の子』。
      二人が同じ学級にて出会ってしまった物語の顛末だ。

   当然の帰結であり、ピースが上手く
         嵌まったような地に足着いた『終結』といえるだろうね」


  『門倉』は訳知り顔で頷く。
   そして、ここまで話すと、改めて『ココロ』を見やる。


「さて―――ありがとう、ココロちゃん。
 君のおかげで今日という特別な日を楽しい『話』で終わらせる事が出来た。

  これは、ささやかだけど『プレゼント』だ。受け取ってくれるかな?」

そう言って『門倉』は、例の『レアケティ』を『ココロ』に差し出してくる。

253<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

254ココロ『RLP』:2015/07/24(金) 20:21:14
>>252

            ふぅ

安堵のため息だ。
最高のハッピー・エンドかはともかく……丸く収まった。

(そうよ、こんなもの、よね。
 普通に暮らしていけるのは、いいことだわ。)

公平な友人には頭が上がらない。
ともかく、これで、不安とか後味の悪さは残さずに済んだ……

      ・ ・ ・ ・

「ご……ごめんなさい、なんだか、普通になってしまって……
 い、いえ、普通が悪いということは、ないと思うのだけれど……」

突飛な結果には、ならなかった。
それは門倉にとって、面白くなかったのでは?

                ――と、思った。

「……た、楽しかった、なら……良かったわ。
 こ、こちらこそ――」

              「……え?」

差し出された『プレゼント』に、やや細い目を丸くする。
そして、門倉の顔との間で、視線を二度ほどさまよわせて。

「……こちらこそ……あ、ありがとう。とても、とてもうれしいわ。」

受け取りつつ、小さく頭を下げる。
その表情には、確かな喜色があった。

255『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/24(金) 23:19:07
>>254
「普通――― 今の話は普通だったかい?
  ああ、『スタンド使い』にとっては当たり前の話だったかな」

   『門倉』は笑う。

「『音楽しか聞こえない女の子』
   『思いを伝えるピアノ』
     『音楽が聞こえない男の子』

  物語は『結末』がすべてじゃあない。
   その『過程』を味わいつくすのもまた一興だ。

         もっとも、君の方で拍子抜けしてしまった、
            というなら俺の方の問題だから、
                  謝るのはむしろこっちの方だな」


  そして、『門倉』は『レアケティ』を『ココロ』に手渡した。
  これは、あてどない『話』につきあってくれた『お礼』。
           Door  To  Cocoro
          『門倉』から『ココロ』への、プレゼントだ。

 ……… ……… ……… ……… ………

「ところで―――」

  と、ここで『門倉』が『ココロ』に顔を近づけてくる。

「今日、俺がこのぬいぐるみを持って町を彷徨っていたのは他でもない。
  今日という日を一緒に過ごしてくれる人を探していたんだ。
   『7月11日』………覚えてほしいんだけど、『7月11日』。
       今日は、この俺の『22歳』の誕生日なんだ。

 だから、ココロちゃん、君からも何か『プレゼント』をくれないか?
 いや―――別にモノじゃあなくなっていいんだ。

   俺の能力は『思い出の部屋』を産み出す事。
     こんな場所で『二人きり』なんだから、

           大事な『思い出』を、今から、作りたい」


    ゴゴ ゴ ゴ ゴ
                   ゴゴゴ  ゴ  ゴ

 『門倉』が妙にいやらしい笑みを浮かべて近寄ってくる。
  『門倉』が作り出した『空間』の中では
       いくら叫んでも誰も助けに来ないだろう。


   狭い『部屋』に男女が二人きり。

               いったいどうなってしまうのか―――!?

256ココロ『RLP』:2015/07/24(金) 23:37:49
>>255

門倉の言葉に動揺するココロ。

「あっ、ち、違うの、私がオチを面白くなくしてしまったかと、思って……」

               「ひょ、拍子抜けとかじゃあ、ないの。ごめんなさい……ご、誤解を与えるような、言い方だったわ。」

         「……あ、ありがとう。このケティちゃんは……大切に、するわ。」

そうしてココロは微笑んだ。

            ……が。


「……?」

話は、まだ、終わらない。
そうだ。優れた『物語』は余韻を残しても不要なモヤモヤは残さない。

Door  To  Cocoroの時間は終わった。
つまり、ここからは……


(えっ、な、何……)

近づけられた顔に驚き、少し、顔を離す。

「あっ、た……誕生日? そ、そうだっのね……お、おめでとう。本当に。」

突如告げられた誕生日。
虚を突かれた顔でケティを抱きつつ、祝いの言葉をかけるココロ。

      だが。

ゴ ゴ
                   ゴゴゴ  ゴ  ゴ


「ひっ……」

       「ひぃぃ……!!?」


それだけでは、門倉は満足してくれないようだった。
近づいてくる分だけ、下がろうとする。

「や、やっ……やめて、よしてちょうだい、良くないわ、良くないわ、こんな……っ!!」

      ジリジリ…

         「た、助けて……! ひぃ、ひぃ……!」

必死に拒絶するココロ。

257『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/25(土) 00:13:01
>>256
「ふふふ………」

下卑た笑いを浮かべ、『門倉』が近付いてくる。
同じ極の磁石のように彼から逃れようとする『ココロ』。

  しかし―――
                         ガツンッ

狭い『部屋』だ。すぐ後ろには『壁』。
『ココロ』の逃げ場はすぐに無くなってしまう。

  「ふふふ………」

『門倉』の手が『ココロ』の方に伸びる。
もう、『覚悟』をしなくてはならないのかもしれない………。

                         そして。


            ズ  ゥ


『門倉』は、『ココロ』の真横にあった棚から、ひとつの『箱』を取り出す。
『箱』を開けると、中には子供の玩具のような『ガラクタ』が入っていた。
その中から取り出したのは―――おもちゃの『ピアノ』だ。

「君のような腕を持った人に、
 こんなものを『弾いてもらう』のは心苦しいけど、
  ここには、これしかないんだ。

  ココロちゃん、君さえよければこれで、一曲。
     俺のために『プレゼント』して欲しい。

         それが今日という日の、大事な『思い出』になるよ」

『門倉』はミスコンでの『ココロ』の演奏を覚えていたのだろう。
このおもちゃのピアノで何か一曲、『門倉』のために弾いて欲しい。

           これが彼の要望だった。

258ココロ『RLP』:2015/07/25(土) 08:04:26
>>257

                         ガツンッ

(こ、こ、今度こそ、お、襲われ……っ……)

「ひ、ひぃぃーーっ……!! 
  ご、ごめんなさいごめんなさっ――」

手を伸ばされると反射的におびえる女、ココロ。
 
                「……あ、あら?」


「こ、これって……ピアノ……?
 ……ご、ごめんなさい、私ったら、か、勘違いばかりで……」

気まずそうに顔を下げる。
だが――

     この要望ならば。


「ご、ご期待に……応えられるかは、わからないわ。
 だ……だけど、私にできる、だけのことは……するわ。」

   すーー

          はーー


深呼吸。体の中の不安や根拠のない自虐を追い出す。


「曲は……月並みだけれど、お誕生日だから……」


ココロが奏でるのは、定番のバースデイ・ソング。

「……ハッピーバースデー・トゥーユー」

              「ハッピーバースデー・トゥーーユーー……」


          _,.、.-―-.、., ♪
       、-''´       `'-.、,_
―--:‐''^ ´   ♪
                             ♪                 _,.、.-―-.、.,
                                            、-''´       `'-.、,_
                                       ―--:‐''^ ´

「ハッピーバースデー・ディア……」

門倉の顔を見る。
真剣そのものな表情で、だ。

「……門倉さん。」
 
        「ハッピーバースデー、トゥーユーーッ……」


        〜♪

そして、演奏を終えた。


「……う、歌、下手じゃあなかったかしら。
 ごめんなさい、歌いながら弾くのって、あまり経験がなくて……」

少しうつむきがちに、感想を聞く。

259『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/25(土) 18:39:18
>>258

          _,.、.-―-.、., ♪
       、-''´       `'-.、,_
―--:‐''^ ´   ♪
                             ♪                 _,.、.-―-.、.,
                                            、-''´       `'-.、,_
                                       ―--:‐''^ ´

『門倉』の要望に応え、『ココロ』はおもちゃのピアノを弾く。
曲目は、『門倉』の境遇にあわせ、『ハッピー・バースデー』。
ピアノの音は玩具相応のチープなものだったが、
この曲にはそれがよく似合っているように感じられた。


  ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち
    ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち
   ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち
     ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちィ!


弾き終わった『ココロ』に返ってきたのは、『門倉』の万雷の拍手。

「いや いや いや いや―――
  素敵な演奏に綺麗な歌声! 本当に素晴らしかった!
   歌が下手だなんて、とんでもない。
             思わず聞き惚れてしまったよ―――」

『門倉』が熱心に『ココロ』にお礼を言う。
みたところ、本気で感動しているようだった。

  「君と今日を過ごせて本当によかった。ありがとう」

260ココロ『RLP』:2015/07/25(土) 23:43:29

  ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち
    ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち
   ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち
     ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちィ!


「えっ、あ、あ……?」   

やや、戸惑う。

だが、すぐに理解する。
この音は自分への喝采だ。

                 「……あ……よかった、わ……」

      フゥー……

安堵の、溜息。


        「よ、よかった……喜んで、もらえて……わ、私……本当に、よかった。」



拍手の中で、俯いたまま、頬をやや朱に染めるココロ。
ピアノは自分が人を喜ばせるための、最高のツールだ。どんなにチープでも。

それを果たせるのは、とても、嬉しい。


「……と、突然、すごく突然のことには、なってしまったけれど……
 私も、貴方の誕生日を良いものに出来たなら……良かったと、思うわ。」


怯えは、その演奏・音色とともにか、表情から抜けていた。

……残っているのは、やや不安げではあるが、いつものココロの微笑みだ。

261『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/26(日) 00:40:52
>>260
『ココロ』は安堵の笑みを『門倉』に向ける。
ピアノの音色は『門倉』だけでなく『ココロ』自身をも癒していた、という事だろう。

   そして―――

                フ ッ ッ ッ

 不意に………底が抜けるように『景色』が変わる。
  『部屋』は瞬時にその姿を失い、後に残るは『路地裏』。

   ここは、さきほどの『ネオンストリート』の路地裏だった。


「やれやれ――― 楽しい時間は真夏の氷菓子みたいに早く溶ける」

深いため息とともに、傍に佇む『門倉』が一人ごちる。
『時間』――――彼の能力の『持続時間』はさほど長くはないのかもしれない。

 「何はともあれ、再度述べるよ。
           ありがとう。本当にね」

『門倉』は『ココロ』に礼を言う。

  この男との奇妙な『対話』も、
       そろそろ終わりの時間を迎えようとしているようだ。

262ココロ『RLP』:2015/07/26(日) 03:24:49
>>261

ピアノを弾くことは、ココロの水面をフラットにしてくれる。



                フ ッ ッ ッ


「……あっ、も、元の……?」

(そ、そうよ、スタンドの部屋だもの。
 時間制限が来たから、消えたんだわ……当たり前よね、ええ。)


たった15分―― それにしたって、短く感じた。

楽しい時間はすぐ過ぎる。
ココロにとっても、この『誕生日』は……楽しいものになった。


「……わ、私も、何だか、楽しかったわ。
 お、お礼を言うものなのかは……分からない、けれど……」

「けれど、そう、良かった……と、思うわ。
 私も、ありがとう……って、言うべきな気がする。」


だから、笑顔で頷く。
とんでもない景品を貰ったかと思ったが……どうやら、けっこう、いいものだったようだ。

263『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』:2015/07/26(日) 04:16:43
>>262

 Door To Cocoro       Cocoro To  Door
『門倉』から『ココロ』へ、そして『ココロ』から『門倉』へ、
それぞれ、感謝の言葉を述べる。

「そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。
 また、会える事を楽しみにしているね。

 ああ、そうだ――‐
   『物件』の事でお困りの事があれば是非こちらに」

 そう言って『門倉』は自らの名刺を『ココロ』に渡す。

「もちろん、困ってなくても『遊び』に来てもらってもいい。歓迎するよ。
  さて―――   名残惜しいけど、そろそろ『お別れ』といこうか」

   ……… ……… ……… ……… ………

こうして、『門倉』と『ココロ』はそれぞれの帰路へとつく事ととなる。
どうやらこの邂逅はお互いにとって、いい結末を迎える事が出来たようだ。
このような良き『出会い』がこれからも積み重ねられる事を祈りつつ―――


                      『ドア・トゥ・ココロ、ココロ・トゥ・ドア』⇒『了』

264『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/26(日) 04:33:12





      その日、『水溜ココロ』はいつものように、>>265に居た。





 (※応答レスがてら、『名前』、『自己紹介』、
   『持ち物』『スタンド能力』『その他何かあれば』をお願いします)

265ココロ『RLP』:2015/07/26(日) 04:58:02
>>264

ココロはいつも、湖畔にいる。
湖畔は静かだし、不安がない。

……はずだ。
たまに、騒がしいことや、安心できないことも、あるのだが。

(……それでも、ここで会う人はいい人が多いもの。
 怖いと思った人だって、い、意外に、いい人だったりするし……)

「……ふぅ……」

            チャプン…

湖面に足をつける。


        +.:♭*♪.♪*
       .♪*     +.:♭*♪.♪*
   :♯゚♪。            ♭*♪.♪*
*:.♪.:。.                    *:.♪.:。.*:.♪.:。.*:.♪.:。.
゚                                  +.:♭*♪.♪*

『名前』水溜 意(みずたまり こころ)
『自己紹介』
私の名前は、ココロ。水溜 意よ。高校生で、17歳だわ。
じ、自己紹介と言われても困るけれど……得意な事はピアノだわ。
……ほ、他に言うこと……そ、そうね、好きな食べ物はういろうよ。
……ほ、他? す、好きな動物は針もぐらだわ。臆病なところにシンパシーを感じるの…………
ほっ……他? ……ご、ごめんなさい……もう、特には無いのよ……

『持ち物』カバン【中身:財布、ケースに入った待ち針×20、玩具の指輪(十指に着けている)】
『スタンド能力』
『エアピアノ』により発現するファンシーな鍵盤の像。
周囲50mの『可愛らしい小物』を『友達』にする。

『RLP』
破壊力:なし スピード:なし 射程距離:E
持続力:B  精密動作性:なし 成長性:A

『RLP』(小物)
破壊力:E スピード:C 射程距離:B
持続力:B 精密動作性:D 成長性:A

詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/netgame/9003/1311712763/605

『その他何かあれば』
と、特には……ご、ご、ごめんなさい。がんばろうとは思うわ。そ、それと、いいことがあると良いと思うわ。

266『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/26(日) 23:12:02
>>265

            チャプン…

湖面に足をつける『ココロ』。
 穏やかな夏の日。
  ひんやりとした感覚が『ココロ』の足から伝わる。

静かな、静かな日だった。
 こんな平穏がずっと続けばいい
   と思わせてくれるような、そんな時間。

                     ――――だったはずが。


   ゴ ォ  ォ ォ ォ
                ぉ ぉぉ  ぉ ぉ


20mほど離れた『湖畔』が!
    真平らだったその『湖面』が!
       突如、爆発的な速度で盛り上がり始めた!

      『何か』が『湖中』から出てこようとしている―――ッ!!

267ココロ『RLP』:2015/07/26(日) 23:43:29
>>266

   ゴ ォ  ォ ォ ォ
                ぉ ぉぉ  ぉ ぉ



        ビクッ!!!

「!? な、なな……っ、なに、が、一体――」

                    「な……ひ、ひぃぃっ……!?」

慌てて湖面から離れるココロ。
その様はまさしく、ほうほうのていってやつだ。5mは離れたい。

(な、なに? 何なの? また、あ……穴闇さん?
 で、でも……か、彼にしてはスケールが大きすぎるわ。
 も、もしかしたらこれだけ、大きくなれるのかもしれないけれど……)

魚取りをしていた男の事だ。

(……そ、それとも……う、ウソよ。
 あの、『エッチー』が、ま、まさか……!!?)

だが、彼以上に……巨大な何かが出るとしたら、その名が浮かぶ。
エッチー……ある年の離れた友人とともに探し、その影を垣間見たUMA。

                ドクン

           ドクン

心臓の鼓動を感じつつ、『それ』を観察するココロ。
不安と、恐怖と……ほんのすこしだけ、そう、期待も。

268『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/27(月) 00:07:10
>>267
『ココロ』は慌てて湖畔から離れる。
その間にも湖面はざわめき続け、そして―――


          ぴゅううううんッ

『30cm』ほどだろうか。盛り上がった湖畔から、
何か―――『人型』のシルエットが飛び出してくる!
どうやら先ほどからの『湖畔』の隆起はこれが原因だったようだ。

なぜか知らないが、吹っ飛ぶ小さな『人型』は
『ココロ』の方へ一直線に向かって来る!

                            そして―――

            ズ ゥ ご ゥ ン !

『ココロ』の5mほど前に、『着弾』した。
土煙が上がり、その詳細はすぐには確認できない………。

269ココロ『RLP』:2015/07/27(月) 00:15:18
>>268

          ぴゅううううんッ

「えっ……」

             「え、ちょ、何っ――」

(お、おもったより小さ……い、け、けど……!
 ど……どう見てもエッチーじゃないわ! な、何――)


            ズ ゥ ご ゥ ン !


「ひぃぃっ!!?」

             ドテー

尻もちをつく。
その状態から、じりじり下がって距離を取る。

「な、な、な……」

(あ、明らかに……っ……明らかに私の方に来たわ……
 な、なんで? どうしてなの? な……何が、も、目的なのよ……)

             「な、何が……」

                  「すぅーー……はぁーーっ……」

深呼吸で何とか精神的なフラットさを保とうとしつつ、謎の存在を観察。
一体、何者で、何をする気なのか……

(い、い、嫌な予感しか、しないわよ……
 ま……まさか湖畔に住む妖怪なんじゃあ……)

         (あ、脚なんてつけたから、お、怒っているんじゃあ……!!?
          そ、そんな、そんなことは、な……ない、わよね、ええ。うふふふ……)

あまりに唐突な非日常に錯乱気味だが、まあともかく、観察はするのだ。

270『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/27(月) 00:36:52
>>269
静寂を破る突然の闖入者。
『ココロ』の愛する『湖畔』から放たれた未知の物質に
混乱しながらも、とにかく『観察』する事に決めた。

 土煙はほどなくして薄まり、飛来物の『正体』がはっきりしてくる。
 『30cmほどの人型』。先ほど確認したそれは間違いではなかった。

        「ふひィ ふひィ〜〜〜
              しんどいィ〜〜〜
                     しんどいのォ〜〜〜〜ォ」

 そして………
          そこに居たのは、
                                  ・ ・
          妙な民族衣装のようなものを羽織った『小人』だった。

     その顔は白髭で半分以上覆われており、
        語り口調やしわがれ声から、かなりの高齢だと見受けられた。
        (もっとも人間の常識をあてはめるならば、の話だが)。

  「もうちィっと やさし〜く とばせんモノかのォ〜〜〜
                      おお! いたたたたアッ」

  『小人』は大げさに痛がっている。

271ココロ『RLP』:2015/07/27(月) 00:47:09
>>270

       「はぁーーっ」

                 「すぅー」

     「はぁあっ……」

息を荒げ、少しずつ勝手に怯えを増すココロ。
あわや、と思われたその時――

       土煙が薄れた。
       そこに、いた。

「……?」

         ゴシゴシ

目を疑う。目を軽くこすって、開いて……

「……え、えぇ……っ!?」

(こ……小人さん、だわ。
 そ、それもおじいさんの……)

(べ、べつに、お爺さんだから何、というわけじゃあないけれど……
 それにしても、ま、まるで絵本のキャラクターみたいなお爺さんっぷりだわ……)

ココロは目を少しだけ丸くして、その様子を見ていた。
……小人の老人。民族衣装。……何者なのだろう?

(……す、スタンドにしては、何だか違う気が……
 ……い、一体、何者……なのかしら? こ、湖畔の精霊とか……?)

「……あっ、あ、ご、ごめんなさい。
 だ、だ……大丈夫、か、かしら……?」

べつにココロが謝る筋合いはない。
が、ともかく、痛そうにしている謎の小人に声をかける。

272『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/27(月) 00:59:53
>>271

「おッ! うぉ〜お! だいじょうぶじゃあ!」

『ココロ』が声をかけると、『小人』は
ぴょんと跳ね上がりその健在ぶりをアピールする。

「そんなコトより! そんなコトよりじゃ!
  はじめましてじゃな、お嬢ちゃん!

     ワシは、レイク―――『レイク爺』と呼ばれておる!
      この町の『湖畔』を取り仕切る長(オサ)よォォォ!

         お嬢ちゃんの方の名前も、きいてもいいかのォ?」

『レイク爺』と名乗る『小人』はぴょこぴょこと『ココロ』の
近くまで寄ってきてこんな事を語る。

273ココロ『RLP』:2015/07/27(月) 01:15:39
>>272

「あ、そ……そう、元気なら良かったわ、ええ。」

(げ、元気すぎやしないかしら……?
 い、いえ、元気はありあまってる方が良いわよね。)

健在っぷりをアピールされた。
まあ、無事で何よりってとこだろうか。そして。

          「れ」

     「レイク、爺……お、長?」

(ほ、ほんとに……本当の本当に、こ、湖畔の……?
 ……そ、そうよ。スタンドがあるのよ?
 それなら、こ、湖畔に長の小人さんがいても、お、おかしくは……)

いやまあおかしいのだが。
まあ、ともかく。

「あっ、ご……ごめんなさい、はじめまして。
 わ、私は……ココロ。水溜 ココロ……よ。」

(な、名前以外も言うべきなのかしら……?
 ……そ、そんなこと聞かれてないし、言わない方がいい、わよね。
 べ、べつに、そうよ。名前を聞かれて名前をこたえるのって、と、当然じゃない。)

信用のおける相手という保証は一切ない。
なので、とりあえず、聞かれた名前だけをこたえる。

274『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/27(月) 01:36:49
>>273

「ココロ……みずたまり?
    ほォほォほォ〜〜〜〜オ!
                      いい名前じゃな」

『レイク爺』は『ココロ』に近付き、不躾に足をポンポンと叩く。

「よしよし、立派な体をしておる。かなりの有望カブじゃなァ―――
  『ココロちゃん』、おヌシが居れば、
      今年は、今年こそは! 『悲願』を達成出来るじゃろう!」

 『レイク爺』は一人で盛り上がっている。
                              そして―――

「なァ〜〜〜ココロちゃん!
                   イッショウのお願いじゃああ!

        ワシと一緒に『場所祭』に参加してくれんかァ!
                 ・ ・ ・

 そんでもって二人で、

        この『湖畔』を

          『場所長(ばしょおさ)』に

                   仕立て上げるのじゃァぁあああ!!」


                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

275ココロ『RLP』:2015/07/27(月) 01:51:44
>>274

「え、えっ、あ、どうも――」

            ポンポン

                   「ひゃっ!!?」

(な、何でいきなり触るの……ま、まさか体目当て……!?
 ……け、けど、こ、この人は人間じゃあないのだし……
 セ、セクハラとか、そういうのは、に、人間のルール、よね、ええ。)

いきなり足を触られたココロ。
他意はない……の、だろうけども。

「そ、そんな、立派なんかじゃあ……
 わ、私、意味もなく体が大きいだけで……
 …………ゆ、有望株? ひ……悲願……?」

「い、一体それってどう――」

(ま、まさか、変なスカウトとか、なんじゃあ……)

                     「……ば、ばっ、場所祭り……!?」

なんだ? 一体何が始まるのだ?
ココロには流れが理解できない。場所とはいったい。

「ま、待っ……待って、待ってちょうだい……!
 は、話が……話が呑み込めないの、ご、ごめんなさい。」

             「け、けど……」

                    「ほ、本当に……わからないわ!!
                     ば、場所祭りって何? ば、場所長って……!?」

高まりゆくレイク爺のテンション。
そして無尽蔵に増えゆく、知らないこと。
ココロはあまりにも非日常な世界に自分が踏み込んだことを悟る。

276『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/27(月) 23:07:08
>>275

「ほ? ほ! ほ? 知らない?
 『場所祭(ばしょまつり)』を知らぬとな?
   『場所長(ばしょおさ)』についても知らぬとな!?

               ふゥ〜〜〜むぅ」

『レイク爺』はしわくちゃの顔をますます
     しわくちゃにして『ココロ』を見据える。

「そうか……ただのオナゴじゃあ
  知らないのもムリはないのかもしれんの〜〜。
    じゃあ、ワシ直々に説明したろ。そうしたろ。

  知っとると思うが、この地、『黄金町』には『大事な場所』がいくつかある。
   人間たちが作った『駅』を中心に『商店街』『繁華街』『学園』、
    少し外れれば『郊外』『倉庫街』『砂浜』
         そして何よりこの『湖畔』! まァ、そんなところじゃな。

  ワシらの『眷属』はこれらの『場所』をナワバリとして暮らしとる。
  『人間』ごときには見つからない賢いやり方で過ごしとる。

  ワシらの間では、住む『場所』によって『序列』があり、
   上位の『場所』に住む者に対し、頭が上がらんような仕組みになっとる。

    その『序列』を決めるのが、そう! 『場所祭』なんじゃあッ!
     そして『場所祭』でイチバンとなり!
          『湖畔』を『場所長』にするのがワシらの悲願というわけじゃな!」

何が誇らしいのかは分からないが、
 『レイク爺』は胸を張って『ココロ』にそう告げる。

277ココロ『RLP』:2015/07/27(月) 23:35:55
>>276

「ご、ごっ……ごめんなさい……
 わ、私ったら、む……無知で、ほ、ほんとに……」

(し、知るわけないじゃあない……何? ば、場所?
 わ……私が何かしていいものなのかしら……そもそも場所って?)

「そ、そうね、教えてくれるなら……嬉しいわ、ええ。」

ともかく、説明を聞くことにしよう。

              ・ ・ ・

それでもって、聞いた。
場所祭り――つまり、黄金町内の場所たちの覇権争いというわけだ。
(お、思ったよりは分かりやすい話だわ……だ、だ、だけれど……
 も、もしかすると私、と、とんでもないことに巻き込まれているんじゃあ……?)

「ちょっ、ちょ……ちょっと、待ってちょうだい。
 ワシら……って、わ、わ、私、参加するなんて――」

              「い、いえ、し、しないとも、い、言ってないのだけれど……
               せ、せっ、せめて、せめて何をするのか教えてちょうだい。」

(い、一体何をするの……!? ま、まさか戦争とかじゃあ……
 場所って……そ、そもそも、わ、私が参加するのはアリなの……!?
 じゃ、じゃあ、他の『場所』はもっと怖い人を連れてきたりするんじゃあ……
 そ、倉庫街なんて、ひ、人が死んで見つかるとか聞いたことあるわ……)

「ひぃぃ……」

勝手に怯えつつ、答えを待つココロ。

278『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/28(火) 00:04:57
>>277
大いに戸惑いながら、とりあえず何をするのかを問う『ココロ』。

「何をするか―――は、相手次第じゃの。
 いわゆる『勝ち抜き戦』で勝敗を決めていくのじゃが、
 前回、上位の『序列』だった方が『勝負内容』を決める。
  であるから、具体的に『何』ってのは答えられンのじゃ。

 この『場所祭』には奇妙な風習があっての。
    各場所ごとに1人、『人間の代表』を立てて
        ソイツに『競って』もらうという規則があるんじゃ。

   まァ―――『小人』同士が直接争うと血をみるかもしれんからの。
          いわゆる『代理戦争』っちゅうヤツじゃな」

    『レイク爺』は髭をごしごし擦りながら語る。
    つまり、何で争うか分からない謎の戦いに参加しろ、という話のようだ。

「『人間の代表』は『場所に縁がある者』に限られておってのォ、
  この規則があるンで、ワシんとこの『湖畔』はいつも振るわなかったンじゃあ。
   ノン気な『釣り人』や、静養に来た『病人』なんかじゃあ、どうしても、のォ〜〜〜

  しかァし、ワシの目が正しければ!
       アンタみたいなでっかいオナゴなら!
                    今回はイケると思うのじゃよ!!」

    『レイク爺』が再度、ぽんぽんとココロの足を叩く。

 「ココロちゃん―――アンタがこの場所を愛しとるのは十分にわかっとる!
   その『湖畔』に住む ワシらのような愛らしい『種族』。

      手を貸したいじゃろ?
                     助けたくてしょうがないじゃろ?

       あい分かった! 皆まで言うな!
            それじゃあ早速、『作戦会議』といこうかのォ!」

『レイク爺』はさっきの『ココロ』の『戸惑い』をきいていなかったのだろうか?
すでに力を貸してくれる前提で話を進めている。

しかし……様々な面で不安とリスクが大きそうなこの話。
きっぱりと断るのなら、今しかないような気もする。
また、何か他に訊きたい事があれば訊いておいてもいいかもしれない。

279ココロ『RLP』:2015/07/28(火) 00:45:18
>>278

「か、か……勝ち抜き戦……!? 
  だ、だっ……代理……わ、私がち、血を見るかもってことじゃあないの……!?」

(ど、ど……ど、どうしましょう、どうしましょう……
 も、もしよ? もし倉庫街の精霊が決めたなら……
 きっ、きっと……こ、殺し合いルールになるんだわ……!)

             「ひぃぃ……」

倉庫街への偏見もいいとこだが……実際怖い。
あと、ネオンストリート――繁華街もヤバそうだ。

(繁華街は、な、ナンパ対決とかになるんじゃあないかしら……
 ど、どこが上位だったのか、き、聞いた方が良いかしら……
 ……で、でっ、でも、どうせ参加させられるなら、き、聞かない方が……?)

               ポン ポン

「ひゃっ!!?」

また触られたココロ。

(で、デリカシー…………なんて、き、期待するのが間違いよね。ええ。
 な、なんといったって、この人……いえ、この人たちは、に、人間じゃあないもの……)

人外=デリカシーなしとは言い切れない。
……が、以前『人形』にもセクハラまがいをされたことがある。

           ・・・いや、そんなことより。

「ちょ、ちょっと待って、わ……私は確かにここが好きだわ。
           だ、だけど、そんな、た……たっ、戦いなんて――」

      「あ、愛らし……!?」

             「た、助けたくないわけじゃ」

                     「ま、待って、話を――」

とんとん拍子で進んでいく話。
ココロはしがみついているのに必死で反論ができない。

    「はぁーっ」

             「はぁ〜〜っ……」

「……えっ、な、なに、さ……作戦会議?
 …………な、何を会議するの、だ、だって勝負はまだ……」

対戦内容が決まってないのでは? と言いたいのだ。
しかし、今こんな質問をすると、まるでココロが力を貸すことを決心したように取られそうだ……

280『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/28(火) 01:00:07
>>279
「勝負内容はまだ決まっておらんが、
 今、『把握』しておく事が出来る事もある。
  オヌシが出来る事、そしてワシが出来る事。

 ココロちゃん、ワシはこの『湖畔』でずっとオヌシを見ておった。
  じゃから、オヌシが『不思議な力』を使える事も知っておる。
    なんだか『針』とか動かせるんじゃろう?

     とりあえず、ワシとオヌシはもはや、一蓮托生。
             どういう事が出来るのか、詳しく教えンかい」

曖昧な態度は命取り………
 どうやら『レイク爺』は完全に『ココロ』が
  『代表』を引き受けてくれたと思っているようだ。

そしていつのまに見られていたのというのか、
『ココロ』の『スタンド』について問い詰めてくる。

281ココロ『RLP』:2015/07/28(火) 01:52:21
>>280

「えっ、あ、そ……そうよね、ええ。
 じょ、情報交換……というもの、よね。大切だわ……」

           (……あ、あら、また気づいたら、参加する流れに――)

「……え?」

ココロの困惑がぴたり、ととまる。
それは――

      (み、見っ……見てたって……ぜ、全部……!?
           わ、わ……私が、ここに来てしたこと、ぜ……全部……)

恐らくレイク爺はなにげなく言ったその一言。
その一言が、ココロの平衡を乱しに乱す。


    「はぁーーっ」

                「はぁっ」

 「はぁ、はぁ……はぁ……っ」        「ゲホッ」


むせるほど荒くなる呼吸。
信じられないものを見る目で、レイク爺を見る。

(わ、私は……こ、この場所だけは、あ、安心できると思っていたわ。
 なぜって、誰も……じろじろ見てこないし、嫌なこともしない……
 ここで会う人は、いい人ばかりで、友達にだってなれちゃう。
 わ、私の……この世界で、安心できる聖域だって、そんな風に――)

この場所で、ココロは多くの出会いを経験した。
唯一、危なげな警官に詰め寄られた以外――『嫌な思い出はない』

             ――すべての思い出の陰に、こいつがいたというのか? 

「ご……ごめんなさい……」

ココロは混乱の極みの中で、一言そう言った。
悪いのは誰だ? レイク爺か? 

(ち、違う……彼はここが家なんだわ……家にいて、何を見ようが、か、勝手じゃない……
 か、彼の家の中で……彼の……じゃ、じゃあ、わ、私が……私が悪いんじゃあ……?
 け、けれど、けれどそんな……そんなの……わ、私……私が悪いことじゃあないわよ……!
 こ、湖畔はこの人の住処でも、わ、私たちは、そんなこと……け、結局責任転嫁するの……!?
 や、やっぱり私って、に、人間のクズ――だ、だけど、み、見られていたのは、事実、ほ、本当に――)

                「わ……私……どうすればいいの……?
                 ごめんなさい、ごめんなさい、何もわからない……」

こぼした言葉は誰に向けた物でもない。
ああ、分からない……!! 誰に謝る? 誰に怒る?

                 誰も悪くない気がするのに、この感情は――

282『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/28(火) 23:05:04
>>281

「ん? ど、どした―――?」

一気呵成に語っていた『レイク爺』だったが、
さすがに『ココロ』の様子がおかしい事に気付いた様子だ。

 「ワシ……なんか言ったかの。
        アンタに対し、悪い事してしまったかの。

 ヒマゴ―――いやヤシャマゴじゃったか?
          いやいやそのまたマゴじゃったか?

  とにかく年若いモンによく怒られるのじゃァ。
   『でりかしー』とやらがないと、どやされるのじゃあ……」

クラゲのような髭に顔を埋めて、しょんぼりとする『レイク爺』。
どうやらこの『レイク爺』、種族の中でもかなり迷惑な存在らしい。

     「………わるかったの。すまんかったの」

『レイク爺』はしょんぼりとしたまま謝罪し、そこで一度話を止める。

おそらく『倫理観』などが違う生き物。
本当に的確な反省が出来ているのかは疑わしいが、
『ココロ』の気分を害した事は理解出来ているようだ。
あるいは、もしかしたらそのヒマゴだかヤシャマゴだかに
怒られた時の事を思い出しているのかもしれない。

不躾な『レイク爺』の存在の不快感を差し引いても、
そもそもが怪しい申し出で、『ココロ』に利がない話ではある。
しばらくして落ち着いたなら、この流れで思いのたけを伝えてもいいし、
勢いで断ってしまってもいいだろう………

283ココロ『RLP』:2015/07/28(火) 23:21:47
>>282

          「……あ……」

わかった。
わかったのだ……

    (わ、私……やっぱり今回も、私が悪いわ……)

「ち、ち……違うの、貴方が、貴方が悪いん、じゃあ――」

       「で、デリカシー、とか」

              「はぁーっ」

     「に、人間の……わ、わっ」   「はぁっ……」

「……私たちの、か、価値観、だから……
   だ、だから、ご、ごめんなさい、わ、私が、お、大げさ、だから……」

             「れ、レイク爺は、な、何も……」

見る見るうちにしょげたレイク爺を前に、ココロは後悔する。
やはり、彼は……何も悪くない。ただ、暮らしていただけだ。

(そ、そ……それを、不気味がって、か、勝手に、思い出がどうとか……
 わ、私、私……ありえないじゃあない……さ、最低を通り越して、最低だわ……
 み、ミスコンとか、友達ができた、とか、わ、私、は……はしゃいでたのね……)

               「ごめんなさい……わ、私、本当に屑なのよね……」

   「うふ、ふ、ふ……」

        「わ、私なんか……私なんか、もう構わない方があなたの時間のためだと思うわ……」

こうなると怪しいとか、不愉快とかはない。
あるのは……謝意と、自己嫌悪の、無意味で巨大な沼だ。

284『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/29(水) 00:01:16
>>283
「ふゥ〜〜む………
        『乙女心』かのお………
                   むずかしいのお………」

深い自己嫌悪に沼に落ちていく『ココロ』に困惑する『レイク爺』。
どうすればいいか分からないようでピョコピョコと『ココロ』の周りを回る。

「………さっきも話したとおり、『ココロちゃん』。
    アンタなら『イケる』と思ったんじゃがのう………。

   恥ずかしい話じゃが、『湖畔』は今まで一度も
     『場所長(ばしょおさ)』になった事がない……
  『競う』のが『人間』な以上、『人が多い』場所から選ばれた
    『人間』の方が優良な者が多いのじゃよなァ〜〜〜確率的に。

   そんな折にワシらはアンタを見つけて歓喜したモノじゃ。
    アンタなら『湖畔』に勝利をもたらし、この場所を『長』へと導いてくれるとな。

     ………アンタが必要なんじゃよ。ワシらは。
      もし、このワシ、『レイク爺』が相手だと気乗りせんのなら、
       別のモンを『相方』として連れてきてもいい。

            もうちょいと、考えてくれるとうれしいんじゃがのォ〜〜〜」

285ココロ『RLP』:2015/07/29(水) 00:25:44
>>284

目を伏せ、レイク爺の顔を見られないココロ。

「ごめんなさい、や、ややこしい女で……
 ご、ごめんなさい、一丁前に、お、乙女心なんかで……」

さして乙女心ではない。
ノセられたような形だ……

(なんで私っていつもこんななのかしら……
 か、勝手に人を悪人扱いして、勝手に納得して……
 わ、私が気づいてないだけで、ずっと悪いと勘違いしたままの人もたくさんいるのよね……
 わ、わ……私みたいな女のせいで、あ、悪のレッテルを貼られちゃうような人が、たくさん……)

「はぁぁぁ…………」

              「あ、ご、ごめんなさい長いため息吐いて……
               さ、さ、酸素の無駄よね、こんなの……うふふ……」

ココロの場合、秋の空と言うより、梅雨か台風かもしれない。

「…………わ、私なんて、そんな、た、大したものじゃないわ……
 湖畔には、い、いのししを素手で狩る人とかもいるもの……わ、私……」

           「わ、わ、私……」

思い悩むココロ。
自分はダメな女だ――が、彼は。レイク爺はそれを見て、まだ。

(……こ、こんな私を、ここまで買ってくれているのよ?
 …………わ、私のしたことの罪滅ぼし以下かも、しれないけれど……)
「……ほ、本当に、私じゃなきゃあ駄目……なの?
 わ、私……私、わからないのよ、体が大きい人は、他にもいるわ、なのに……」

……鬱屈とした自己嫌悪オーラはそのままだ。
だが、少しづつ、ほぐれてきたような……あと一押しか、二押しくらいのような……

286『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/29(水) 01:02:21
>>285
「おおゥ………そうじゃな。
 ワシらがアンタを選んだ理由。

  ひとつは『湖畔への愛』―――よく来てくれるじゃろ、ここに。
   そういう者に『代表』になってもらいたいということ。

   そしてもうひとつは、ワシに『出来る事』にオヌシが適切だったからじゃな」

 『レイク爺』は話を続ける。

「ワシら一族はその身体同様、『小さいもの』に何かを与える事が出来る。
 そして『湖畔』の一族に出来るのは、『絆の付与』………。
   簡単に言うと、『小さいもの』にオヌシと
     縁があるものの『力』を与える事が出来る。

   オヌシからは、とてつもない、さまざまな『絆』を感じるのじゃ。
    それもただの『絆』じゃあのうて、
      尋常じゃあない『異能』の力を持つ者との『交流』………。
        結構そういう『知り合い』が居るんじゃあないかの?

    じゃから、じゃからワシはアンタにお願いしたいのじゃ。

                        頼まれてはくれんかのォ〜〜」

『レイク爺』は『ココロ』の問いにこう答える。

『絆』………この町での『交流』や『ミスコン』での活躍が、
『ココロ』とさまざまな『スタンド使い』たちとの縁を育んだ。
それが役に立つ、という事なのだろうか―――

                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

287ココロ『RLP』:2015/07/29(水) 02:17:08
>>286

「そ、それは……そ、そうよ……
 私は……こ、湖畔が……ここが大好きなの。ええ、ずっと……」

「家が湖畔に、近いのもあるけど……とても、いい場所。
 わ、私に、私にとって、一番……特別な場所……だわ。
 ……ご、ごめんなさい、聞いてもないことまで、無駄に言って……」

自己嫌悪の大渦も。
自意識過剰に苦しんだ日も。

(そうだわ……私は、いつもここに来た……)
 
この『場所』だけは――ココロの味方だったんじゃあないのか。

(良い人に会えるのは、いつだって……ここ。
 素敵なお友達が、仲のいい子ができるのも、ここ……
 楽しいことや、び、ビックリすることも……ここで。
 レイク爺が見ていたからって、それは変わらない……
 そもそも、見ていいたのは何も悪くないのよ……い、いえ、それよりも。)

そうだ……ここには、笑顔があった。
この場所は、ココロにとってかけがえのない場所。

(ここが……『湖畔』が、わ、私を頼ってくれるなら……どうして、断れるの?
 私、そ、そこまで……恩知らずの、は、恥知らずになったりは……しないわ、きっと。)

             ・・・・そして。

            「きず、な……」

絆。そんな言葉も受け止められる。だって、今のココロは昔とは違う。

(私に結びついた、絆……たくさん。この湖畔だけで、すごく、たくさん。
 ……皆といっしょに、や、やれるなら、場……場所祭り、こ、怖くったって……)

タトゥーや、小物なんかじゃあない……友達がいる。
本当の、絆が……気恥ずかしいけれど、きっとある。

     「……すぅーっ」

                     「はあーーっ……」

深呼吸。 冷静になるためでなく――決断するために。

「……わ、わっ…………分かった……わ!
 ……この場所に、恩返しができるなら。出るわ……『場所祭り』に。」

                 (……い、言い切ってしまったわ……
                  ミミ、ミスコンとは、わけが違う……け、けれど……!)

         「わ、私が……出るのよ……ええ。」

きっと、心の底からすべての意思が肯定しているわけじゃあない。
乗せられただけかもしれない。それでも、今は……充足感のような、気持ちがあった。

288『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/29(水) 23:02:57
>>287
紆余曲折あり、様々な思いが『ココロ』を惑わせたが、
今ようやく、『覚悟』が出来た。
明確な『参加』の意思を『レイク爺』に見せる『ココロ』。

  「ほッ! ほホウ! ほほホホウウウッ!
   ホントウか! ホントーに受けてくれるかッ!」

『ココロ』の承諾を受け、『レイク爺』は大変喜んでいるようだ。
顔や身体を隠す勢いの髭がポンポンと跳ねるように動いている。

 「よかったの〜ォッ! うれしいの〜ォッ!
    これで『湖畔』がイチバンとなる日がやってくるわい!」

 そんな感じで浮かれきった『レイク爺』は、
   一しきり喜びの舞を踊り………

      ………
             ………
                   ………


                   「………ところで、どこまで話したかの?」

 しばらくして、『ココロ』に問いかけてくる。
  どうやら嬉しさのあまり、これまでの話の内容を忘れてしまったようだ。

『場所祭(ばしょまつり)』や『湖畔の一族の力』の事などなど、
いずれについても『断片的な説明』で、細部は伝えられていない。
参加するからには『気になる点』を問い質し、『準備』を整えておく必要があるだろう。

289ココロ『RLP』:2015/07/29(水) 23:26:37
>>288

「う、うふ、うふふ……ほ、本当……本当よ。ええ。」

舞い踊るレイク爺に笑顔を向けるココロ。
気のせいでなく、それは徐々に引きつっていく。

       ・・・・思ったより早く冷静になり始めたのだ。

        (どうしましょう、ああどうしましょう……
            ど、どうなるのかしら、私……
               ……い、いいえ。だ、大丈夫、大丈夫よきっと……)

それでも――『絆の力』がきっと支えてくれる。
そう思えば、少しはこれからのことに自信が持てる……気がする。

(で、でも、一番……本当にできるかしら……こ、湖畔のために……
 れ、レイク爺はこんなに期待してくれてるのよ? 私が弱気じゃダメよ……)

      ………
             ………

 
       (……こっ、この踊り、いつになったら終わるのかしら……?
        い、いえ、それだけ喜んでくれているのだし、止めるのは野暮だわよね……)

                   ………


……そして、踊り終えたレイク爺。

「……えっ! あ、え、ええと、ど、どこまでだったかしら。
    ……ご、ごめんなさい私、なんだかボーっとしちゃってて……」

(わ、私ったら踊ってもいないのに……
 で、でも、逆に考えたら、分からないことを聞くチャンス……
 ……逆って何の逆よ……い、いえ、そんなことは今どうでもいいのよ。)

「……そ、そうね、場所祭りのこと、もう少し聞きたいわ。
 例えば、い、いつどこでするのかとか……いろいろ……」

ココロにもスケジュールはある。
夏休みと言えど、いろいろと。なので時期は知りたい。

290『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/29(水) 23:50:28
>>289
「ああ………開始は『明日』からじゃの。
 それから試合は毎日行われるのじゃ」

あっさりと答える『レイク爺』。

明日から開始、という事は、こんなギリギリまで
『代表の人間』が決まってないのは問題なのではないだろうか。
そうなると、『ココロでなければいけない理由』は、
他の者を探す『時間の余裕』がないという事もあったのではないだろうか。

さきほどの強引な勧誘方法といい、
『場所祭』において、『湖畔』という場所が万年下位なのは、
なにも『人間側の人材不足』という理由だけではないのかもしれなかった。

「それで、今回の『参加場所』はたったの『八場所』ぽっち!
  『勝ち抜き戦』じゃから、ええと、そうじゃ。
   三回勝てばもう『優勝』というわけじゃな。どうじゃ、簡単なモンじゃろ?」

………本当に『簡単なモン』ならば、とっくに『優勝』出来ているような気もする。

「実際にどこの『場所』とあたるかは当日、つまり明日、伝えられる。
 よって、何で『競う』かも残念ながら今の段階では分からないのじゃ。
  競う場所や競技は前回の『上位の序列の場所』の方が決める。
   『序列』が上の方が立場も上。これはもう仕方ない事じゃな。

   ちなみに前回、つまり今現在も続いている『序列順』はこれじゃ」

そういうと『レイク爺』は懐から『巻物』を取り出し、それを広げる。
見るとそこには、

<現在序列順位>
1.『商店街』 2.『駅周辺』 3.『倉庫街』 4.『繁華街』
5.『郊外』 6.『学園』 7.『砂浜』 8.『湖畔』

                           と書かれていた。

 ……… ……… ……… ……… ………

「………ま、要は『場所』や『内容』は相手が決める、という事じゃな」

291ココロ『RLP』:2015/07/30(木) 00:16:55
>>290

「えっ、あ、明日っ……!? あ、あ、明日の何時からなの……?」

(い、いきなりすぎるわよ……! お、おかしいわ。
 も、もしよ? もし今日私がここに来なかったら……)

(ほ……本当に私じゃなきゃダメだったのかしら……?
 わ、わ、私が今日来たからなんじゃあ……い、いえ、そんなことないわよ。
 そんな風に、悪い方にばかり考えるのって良くないわよ……ええ、そうよ。)

               「す、スケジュールは、あ、空いているけれど……
                で、で、でも、お稽古の時間は絶対無理よ、抜けるの……」

まさか、『いきあたりばったり』なのでは……?
なんだか嫌な予感がしてきたココロ。

「さ、三回……全部、べ、別の勝負なのよね?
 わ、わ……私、お、大食い対決とかそういうのは無理だわ……」

無いとも言い切れない。商店街とか駅前とか。
だんだん不安が強まるココロ。

              (こ、これ、全然簡単なんかじゃあないわ……
               わ、わっ……私、安請け合いしちゃったんじゃあ……)

             ゴクリ…

「え、ええと、そうだわ、ほ……他の小人の出来ることはわかるかしら……?」

しまいには真面目な攻略情報まで求める始末だ。

292『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/30(木) 00:41:10
>>291
「明日の………お昼ごはんを食べてからじゃな」

 どうやら時間の概念はそこまで厳密ではないようだ。

「『勝負』はおそらく向こうの『場所』で向こうの得意な分野の
  『競技』になるじゃろうな。なので別になる可能性が高い。
  一応、代表の人間に配慮して『殺し合い』のような本気のものは禁止になっておる。
    『格闘技』ていどのルールでの『戦い』はあるかもしれんがの。

  そして、ココロちゃんの場合は『絆の力』を有効に使えば、
  ココロちゃん自体が頑張りすぎなくても大丈夫なはずじゃ」

『絆の力』………詳しくはきいていないが、そこまで使えるものなのだろうか。

「………あ、あと、『小人の技』は『場所』ごとに秘伝じゃからの。
        スマンがよくは把握しとらんな。

 ………い、いや、けしてすぐ負けてしまうから、
     『相手の技を見極める暇がない』なんて事はないのじゃ!
                          ………ないのじゃよ!」

………その『理由』はさておき、とりあえず『レイク爺』に
     ほかの『小人の技』までの知識はないようだ。

293ココロ『RLP』:2015/07/30(木) 01:00:33
>>292

「つ……つまり、午後からなのね。」

          (お、お稽古までに帰れるかしら……?
           そっ……それとも午前中に……い、いきなりそんなの無理よ。)

まあ明後日以降はそうすることも考えよう。
それにしてもアバウトな時間指定だ……

(ま、まぁ、そうよね、精霊だもの。
 あんまり……時間とかには、とらわれないものよね。)

納得はするが。

「そっ……そうよね、別よね……ええ。」

(よ、よかった、あんまりな勝負はないのね……
 格闘技も、こ、困るけれど、し……死にはしないのは、本当によかった……)

(そ、それにしても……)

「……そ、そうだわ。ほ……他の力が分からないのは、そ、そう、仕方ないけれど……
 絆の力……について、もう少し詳しく聞いていいかしら? つ、使い方とか……ね?」

             (……そ、そんなに弱かったのね、今までの湖畔……
              い、いえ、私だって、活躍できる保証なんて一切ないけど……)

絆の力。死ぬほど不利な条件下で、おそらく鍵になる力。
幸いにして、ココロの『力』との相性は良いらしい。もっと知っておこう。

294『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/30(木) 01:20:35
>>293
「『絆』! おお、そうじゃな、そうじゃなッ!
 それじゃあ、ためしに『実践』してみるかの!
  説明するよりその方が早いじゃろ!

    というわけで、じゃ。
      まず、ちょいと『手の甲』をワシに差し出してくれんか」

言われたとおりに『ココロ』が『手の甲』を『レイク爺』に差し出すと、
『レイク爺』は『ココロ』の手の甲に指で『円』を描く。

                            すると―――

            シュウウ  ウ ウ

奇妙な話だが、『円』に小さな縁が出来、
そこに『おもちゃのプール』のような『水たまり』が出来た。

        「覗いてみい」

『レイク爺』の言葉のままに『水たまり』を覗くと、
その奥は大きな広がりを見せており、
中で様々な『小さながらくた』が、たゆたっているのが分かる。

「『湖底』には色んなモノが『沈んで』おる。
 『ポイ捨て』から、『ついうっかりの紛失』、『台風か何かで飛ばされてきた』ものまで。

  本来は、湖を汚す忌まわしい『がらくた達』じゃが―――
  この『祭』の時ばかりは、ワシらの『資産』となるのじゃ!」

話がやや飛躍しているように思われるが………
つまり、この『円』は『湖中』のガラクタに繋がっている、という事なのだろうか。

しかし、これが『絆の力』にどう、繋がるというのだろう。

295ココロ『RLP』:2015/07/30(木) 01:42:48
>>294

「て、手の甲? ……え、ええ。こうかしら。」

       「ひゃっ……」

(ま、丸を描いたわ。何があるのかしら……お、おまじない?)

円を描かれた。
不思議そうに、それを見ていると――


            シュウウ  ウ ウ

「……えっ!? こ、これ、なっ……
 わ、わかったわ。の、覗いてみる、けれど……」

               「……? ご、ごみがたくさんだわ……」

なるほど、ココロも湖にごみを捨てる不届きものを見たことがある。
まあ、そうでなくてもいろいろ沈んでいて不思議はない。

(し、し、死体……や、やめましょ、縁起でも無さすぎるわ……!
 今はそんなこと関係ないのよ、ええ。……で、でも、これがどう……?)

「し、資産って……絆の力に関係があるの……?
 わ、私の友達は湖に物を捨てたりはしないはずだけれど……」

気になったことは聞いてみよう。

296『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/30(木) 02:02:13
>>295
「さっきも教えたとおり、
 『我が一族』の力は『小さいもの』に絆の力を与える。
  つまり、この『がらくた』が『絆の力』を注入する『媒介』になるという事じゃな」

 『レイク爺』は語る。

「『円内』の『がらくた』の中に、
  すでに『絆ある者』の『パワー』が宿っているものがあるはずじゃ
  『光り輝いている』モノがあるじゃろ。それを指でツマミとってみい」

 確認すると、確かに『光り輝いている』モノがあった。
 これは、『キーホルダー』だろうか?
  3cmほどの『人形』が、幾つも纏まってついている安っぽいものだ。

                      グ  イ

 不思議な感覚だった。
  『ココロ』が『キーホルダーを摘まもう』と念じ、もう片方の指を突っ込むと
   すぐさま『キーホルダー』が手にあたり、それを容易に摘み取る事が出来た。
    『ネコドラくん』に出てくる『四次元に繋がるポケット』が
      現実にあれば、こんな感じなのかもしれない。

 手にした『キーホルダー』は湖底にあったとは思えないほど、
  『綺麗』で新品に近い形に見える。もしかすると、
    『湖』のパワー(?)で『洗浄』されているのかもしれない。

「よォしよしよし! その『キーホルダー』には、
  オヌシの『知り合い』のパワーが宿っておる。
  この『絆のパワー』、普通じゃと、ピンチの時に守ってくれる
   『お守り』程度の活躍しかできんのじゃが………

   ココロちゃん、アンタならそれ以上の事が出来るンじゃあないかの?」
                   ・ ・ ・ ・

『小さなもの』に宿っているという『絆のパワー』。
具体的にどんなものかは、この段階になってもいまいち分からないが、
『ココロ』にはそれを更に『発展』させる術があるのかもしれない。

                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

297ココロ『RLP』:2015/07/30(木) 02:21:46
>>296

「ば、媒介……光っているのは、こ、これかしらね。」

(これって、キーホルダー……かしら?
 み、見たことのない、デザインだけれど……これが?)

                      グ  イ

「……ひ、ひゃあっ……!?
 と、取れたわ。ふっ……不思議だわ……?」

ココロの手には、確かにそのキーホルダーがある。
だが、これが一体――

「……知り合いの、パワー……わ、わかったわ。
 わ……私のできることを、教える番、というわけよね。ええ……」

           (このキーホルダーが、誰のパワーなのかは分からない。
            だけれど、分かるのは……支えてくれるって、そういう暖かさ。
            こんなに小さなキーホルダーでも……わ、私を、助けてくれる……!)

不思議な頼もしさを感じつつ、ココロはキーホルダーをそっと、地面へ。
そして……

           「すぅー」

                    「……はぁー」

吸って、よく吐きだす。
深呼吸をしてから。

              「――『RLP』っ!」

                  ∧
     ♪  ♪  ♪  <♪>
                 ∨

エアピアノ演奏――友達にするのは、『キーホルダー』だ。
はてさて、一体、何が起こるというのか――?

298『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/30(木) 23:23:55
>>297
                  ∧
     ♪  ♪  ♪  <♪>
                 ∨

『ココロ』は精神の力で宙に『鍵盤』を描き出し、それを紡ぐ。
『かわいらしいもの』を友達にするその調べ!
これを『キーホルダー』に用いると果たしてどうなるか―――

 「………こ」
   「………ん」
     「………に」
       「………ち」
         「………は」

 一体一体がモゾモゾと動き、一文字ずつ語り出す。
 喋れるのは、『絆の力』が働いているから、なのかもしれない。

「おお! うごいたぞい! しゃべったぞい!
 これなら色んな事が出来そうじゃな!」

『レイク爺』はご満悦そうに『人の群れのキーホルダー』を眺める。

そして、『キーホルダー』に強く意識を向ける事で
『ココロ』の脳内に『群衆のキーホルダー』の詳細が飛び込んでくる。
これもまた、『湖畔の一族』の技と『RLP』の相乗効果、という事なのだろうか。

――――――――――――――――――――――――――――――――
メンバー名:西真寿
ココロとの関係:『ココロ』のピアノを聴いて気持ちが救われた
能力:『写真』などで見た、人や生物の群れ、『群衆』に変化する事
――――――――――――――――――――――ー―――――――――

上記の情報の他に、『西』の顔が頭に思い浮かぶ。
つまりこの『キーホルダー』には、『西』の『パワー』が憑依したという事か。

「………とまあ、こんな感じじゃな。

 この者の『絆』が今、出てきたのは、
  他の者よりも絆が深いからなどではなく、ただの『偶然』じゃ。

  相手が極度に『ノンビリ』している時、
   何も考えずぼんやりしている時や、寝ている時。
    そんな時にちょこっとだけ『パワー』を複写させてもらうという感じとなる。
     たまたま今、そういう弛んだ状態に居るのが、この者だけじゃったという話じゃなァ。

     『絆のパワー』を使用中、相手の方はなんとなく
       オヌシの事が頭に思いうかんどるはずじゃ。
        寝ている場合なら、『夢』で見ているかも知れんのう。

     もしこの『キーホルダー』が破壊されるような場合でも、
      絆の相手はちょっと不吉な予感がするくらいで実害はほとんどない、と言ってええの」

   『レイク爺』はそのまま、絆のパワーの説明を続ける。

「『絆』っちゅうのはそんな大それたものじゃあなくていいんじゃ。
 『知り合い』かつ、『ココロちゃん』、何かあれば
  『オヌシの力になってあげたい』程度の好感を抱いている者。
  そしてさっき教えたようにその中で極度に『ノンビリ』している者が、
    『絆候補』として『がらくた』のどれかに宿り、光輝くのじゃ。

    宿る『がらくた』はその者が直接捨てたものというわけでなく、
               なんとなく『相性がいいもの』になるようじゃのぉ」

 『小さなものに絆のパワーを注入する』という『湖畔の一族』の能力と、
 『かわいらしいものを友達とする』という『ココロ』の能力。
  まるであつらえたかのように『相乗効果』を生み出すこの二つの力!

   『不明点』などがあれば、『実践』あるいは『質問』をして
    今のうちに『確認』しておくのがいいだろう。

299ココロ『RLP』:2015/07/31(金) 00:09:45
>>298

「……ぎゃっ……!?」

              「し、しゃ、喋ったわ……
               そ、それに、動きも普段とは違う……!?」

(ち、違うわ……いつもの、『RLP』とは……こ、これが、絆の力なのね。)

頭の中に浮かんでくる――

(そ、それに……この顔って、に、西さん……!
 そ、そういえば以前聞いたわ。西さんの能力は……群衆だって。)

喋るキーホルダーたち。
彼らは、『西』の、自分を助けてくれる……という心。
混じりっ気のない、それだけの心。

                    (……ありがとう、西さん。
                     今何をしているのかは、分からない……けれど。)

己のピアノが紡いで結んだ『絆』の糸。
それが今、ココロのところに、力を――『勇気』を届けてくれる。

               ・・・・それで、救われる。

「……わ、わかったわ。これなら、きっと。
 きっと、わ、私……やっ……やれると、思う。
 ここにはいないけれど、みんなの思いが助けてくれるなら……」

ココロはレイク爺に頷く。
絆の力の説明は……おおむね、理解した。

                  「あっ……け、けれど……」

しかし――いくつか、わからないこともある。
その中で緊急を要し、状況判断も出来なさそうなものを聞いておこう。

「れ、レイク爺。これって、あなたと私の能力の……合わせ技だわ。
 だから、あ、貴方に全部わかるかは、わ、分からないけれど……」

演奏の手をいったん止めて、キーホルダーを拾い上げる。
それを、大事そうに抱えながら。

「一度に、いくつもの『絆の力』を合わせて使ったり……って、出来るのかしら?
 ご、ごめんなさい、欲張りで。あ、あとは、そう。力って、どれくらい長持ちするのかしら……」

この辺は本番で試してダメだと困る。今のうちに聞いておく。

300『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/31(金) 00:42:42
>>299
「複数人の『絆』の力を同時に使う事も可能じゃが、
 使いたいその時に、『オヌシに力を貸してもいい』、かつ、
  とても『りらっくす』している者がどれだけ居るか? という問題があるの。
   あとはあまりにも『該当者』が多い場合は近くに居る者から、優先されるようじゃな。

   『絆の力』は今言った条件に当てはまっている間は、ずっと保たれる。
    ただ、『特殊な能力』の場合は相手によるのォ。
     相手の『能力』がどれだけ持続するか―――という事じゃ。

  後は『ココロちゃん』の言うとおり、『ココロちゃん』の能力がどうなっているかにもよるの」

『レイク爺』は『ココロ』にそう告げる。

つまり、『祭当日』、該当者がいない場合はこの能力は使えないという事か。
………このへんにも『湖畔』が勝てない理由があるのかもしれない。
しかし、『ココロ』には『湖畔』や『町』で築いた数多くの『絆』がある。
『分母』が大きければ、きっと『誰かしら数人程度は引っかかる』はずだ。

『持続』については『特殊な能力』、つまりスタンド能力については
相手の『持続時間』に準じるという事だろう。
その他、『絆が宿ったもの』を『動かす』ルールについては
基本的には、『RLP』のものが適用されるという事で構わないようだ。
つまり『友達』と化した『絆が宿ったもの』にひとつの目的の為に、
『ココロ』が様々な『指示』を出せると見ていいだろう。

301ココロ『RLP』:2015/07/31(金) 01:09:12
>>300

「わ、わかったわ、ありがとう。
 ……そ、そうよね、絆……助けてくれる人の、力だもの……」


(な、夏休みのお昼……そんな風にリラックスしている人、どれくらいいるかしら。
 そ、そもそも……どれくらいの……どんな人が、わ、私の事を……?
 ……い、いいえ、始めっから絆に頼りっきりなんて、よ、よくないわ……ええ。
 困ったとき、力を貸してくれる人がいる……それが分かっただけで、わ、私は……十分。)

何もかも思い通り、とはいくまい。
でも、それは当たり前だ。これは絆の力……ココロだけでは、どうにもならない。

(に……西さんの能力の使い方、を、レイク爺の聞くのは変よね。
 今ここには、写真……も、ないのだし……スマホの写メでもいいのかしら……
 で、で、でも、群衆と言うほど、人がたくさん写っている写真なんて、あったかしら……)

その他に……今すぐ聞くことも思いつかない。
西以外の絆の力はまだどんなものかも、あるのかもわからないのだし。


        「すぅー」

            「…はぁー」

(な、泣いても笑っても……明日、よ。
 明日まで、な、何をして過ごしましょう……)


「……あっ。こ、このキーホルダーって、持って帰れるのかしら?
 わ、私の物じゃあないのだけれど……な、何だか、愛着がわいちゃって……」

               「……あ、明日から、お世話になるのだし……」

絆の力は使えまいが、もう一度水底に鎮めるのもアレだ。
西本人とは何の関係もない品にせよ……だ。なんだか抵抗がある。

302『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/31(金) 01:30:16
>>301

『ココロ』が『西の能力』に思いを馳せると………
なんとなくそれが『理解』出来るような気がした。
『友達化』はそこも『以心伝心』にしてくれるのかもしれない。

「ああ、ええよ。基本的には『がらくた』じゃからの、それ」

 『キーホルダーをもっていっていいか?』
  という問いには身も蓋もない答えが返ってきた。

「さて! こんなモンかのォ〜〜〜
 『祭』に備え、今日はゆっくり休んでくれい。
 そして、明日、お昼ごはんを食べたらここに来るのじゃ!」

そして、話を締めようとする『レイク爺』。

順調に行けば、明日、あさって、明々後日、と三試合。
『ココロ』はどこか得体の知れない『戦い』に身を投じる事となる―――

303ココロ『RLP』:2015/07/31(金) 01:58:39
>>302

(あ、あら――不思議、だわ……
 西さんの能力が、わ、分かる……私に伝わってくる。
 ……な、何だか、すごい能力。私に、つ、使いこなせるかしら……)

            ゴクリ

そうだ。絆の力は……あくまでココロが使う。
うまくできるだろうか。

(に、西さん……私、で、出来るかしら……
 ……ど、どうせなら、声も届けられたらいいのに。
 な、なんて。そんなの迷惑だし、た、高望みしすぎよね……)

「え、あ、そ、そうね。ガラクタだものね、元は。」

                  ギュ
キーホルダーを握りしめた。
……きっとやれる。やれる、はず。

「……え、ええ。分かったわ。
 また明日……こ、ここに来るわ。」

         (……今日はお稽古が終わったら、ゆっくりしましょう。
          こ、湖畔のために……それに、絆のためにも……よ。)

決意を胸にし、二度ほど頷いた。
そうしてココロは、今日のところは帰ることになる……

304『ある種の異能は場所に憑く』:2015/07/31(金) 02:12:09
>>303

そして、『ココロ』は帰路につく。

  ……… ……… ……… ……… ……… ………

    『黄金町』の主だった『場所』に小人がいて、
    それらの『場所』の長を決める『場所祭』がある。
     その『祭』において、『湖畔』の小人の
    『代理』を勤めるのは、他ならぬ、『水溜ココロ』。

  ……… ……… ……… ……… ……… ………

夢見がちな『おとき話』のようなフワフワとした展開だが、
『超能力』を持つ者を大量に養うこの『黄金町』という『場所』では、
こんな事も『現実』として起こりえる、という事なのだろう。

決意を胸にし、そして、『ココロ』は帰路につく。

               すべては『明日以降』の『祭り』の為に―――


                         → TO BE CONTINUED
                         (続きは少々お待ちを………)

305『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/03(月) 23:05:31

 ―――そして、『明日』だ。

 昨日の『湖畔』でのやりとり。
  『レイク爺』という謎の小人との『約束』。
   果たして『水溜ココロ』はどう行動するのか?

    それについては>>306にて示される。

306ココロ『RLP』:2015/08/03(月) 23:26:01
>>305

      ザ ザ ザ


ココロは湖畔に来ていた。


(……あ、あら? レイク爺はどこかしら。
 も……もしかして、ね、寝坊なんてことは……
 ……い、いくらなんでも、そんなことするわけないわよ。)

           (……って、そもそも時間指定なんてなかったわ。
            わ、私ったら、勝手な思い込みで人を寝坊扱いして……)

昼ご飯を食べ、少し休んでから来た。
もちろん食べすぎたりはしていない。

(よ、呼び掛けるべきかしら?
 で、でも、彼にもプライベートがあるかもだわ……
 そ、それに、ひとりごとだと思われたら通報されかねないわ。)

         ストン

とりあえず、落ち着くためにも座った。
……手持無沙汰に周囲を見渡す。


     ・・・

           ・・・


          「れ……レイク爺……?(小声)」

307『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/03(月) 23:33:01
>>306
きちんと指定された時間付近に『湖畔』にやってきた『ココロ』。
もっとも昼ごはんの時間など人によって誤差があるものだ。
『レイク爺』の昼ごはんはもしかするともう少し遅いものなのかもしれない。

迷った末に『ココロ』は自分にすら聞こえるかどうか
分からないくらいの声で『レイク爺』の名を呼んだ。

                         すると―――

  がさがさ
            がさがさ
                      がさがさ

その『呼びかけ』に呼応するかのように、
『ココロ』の傍の草むらから何かが動くような音がする―――

308ココロ『RLP』:2015/08/03(月) 23:40:17
>>307


  がさがさ
            がさがさ
                      がさがさ

        ビクッ

「ひっ……」

         「……れ、レイク爺?」

(そ、それとも野犬? いたち? 猫?
 ……ま、またわけのわからない生き物だったりは……)

草むらを静かに見つめる。
やや縮こまり、わずかに怯えながら、静かに。

「……も、もしそうなら、返事をしてちょうだい……?」

          (き、きっとレイク爺……あ、あら? お、おかしいわ……
           ……れ、れ、レイク爺なら、み、湖から出てくるんじゃあ……?)

「ひ、ひぃぃ……
 おねっ、お願いだから返事してちょうだい。」

       「はぁ」  「ふぅ」

           ブルブル

……勝手に怯えを増すココロ。

309『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/03(月) 23:53:26
>>308
もしあの音の正体が『レイク爺』ならば
『あの時』のように湖から出てくるのではないか?
そんな推測に基づき、怯える『ココロ』。

      がさがさ  がさがさ がさがさ がさがさ
                  がさがさがさ  がさがさがさ がさがさがさ

『草むら』を掻き分ける音が次第に大きくなっていく。
それはつまり、音を立てる主が
『ココロ』の方に近付いてきている、という事に他ならない。


                                 そして―――


      ズバァ―z______!!!


『草むら』から飛び出してきたのは
                       ………なんの事はない。

 爺だ。ただの『レイク爺』だ。

       「ふぁたせたのォ!!」

『レイク爺』は口中に何かを含ませながら『ココロ』に語りかける。
おそらくこの何かのせいで『返事』が出来なかったという事なのだろう。

『何か』―――流れから考えれば『お昼ごはん』を食べてきた、という事か。

310ココロ『RLP』:2015/08/04(火) 00:05:19
>>309

      がさがさ  がさがさ がさがさ がさがさ
                  がさがさがさ  がさがさがさ がさがさがさ

「はぁーっ」

       「はぁ〜〜っ……!」

                  「や、やめて、やめ……」

(ぜ、絶対レイク爺じゃあないわ……!
 こ、殺される……きっとすごく危険な生き物なんだわ……!!)

      ズバァ―z______!!!


「ひぃぃーーーーーっ……!!」


「……」

      「お、驚かせないで……」

なんてこともなく、レイク爺の姿を認めたココロ。

「……ご、ごめんなさい。
 私が勝手に驚いたのよね、え、ええ。」

「そ、それに待ってもいないのよ。
 私も、さ、さっき来たところ……だわ、ええ。」

           (な、何か食べているみたいだわ……
            ……か、彼って、何を食べるのかしら……?)

実際、それほど待ってはいない。
……なんかデート前の茶番みたいになったのは不覚だが。

「も、もう、すぐに始まるの……場所祭りは?」

そこは気になるので、聞く。

311『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/04(火) 00:15:56
>>310
「それなら…ング……よかった……ングウ………
                よォし、完食じゃあッ!」

話している間に『レイク爺』は口の中のものを飲み込んだらしい。
一瞬、何かの脚のようなものが口からはみ出ていたような気がしたが、
たぶんココナッツのスジかなにかだろう。

「しかしまあ………ちゃんと来てくれたのう………えらいのう………
 過去には土壇場で雲隠れする不届き者も居たが―――
  やはり! ココロちゃんはそういうのとは出来が違うの!」

『レイク爺』のちょっとウザいテンションは昨日同様、健在なようだ。

「ん……それで、『場所祭』じゃな。
   そろそろ『知らせ』が来るはずなんじゃがの」

『レイク爺』はキョロキョロする。
                         すると―――

  がさがさ
            がさがさ
                      がさがさ


 またもや、『草むら』を掻き分ける音だ。

312ココロ『RLP』:2015/08/04(火) 00:25:53
>>311

「えっ……」

(い、今……あ、脚っ……す、筋……
 い、いえ、ここは南国じゃあないわ! こ、こっ……)

        (い、いえっ……止めましょう……
         か、考えるだけ私にとって嫌なことになりそうだわ……)

気にしたら負けってやつだ……
いや、しかし、あれはどう見ても。

(や、やめよ、やめ……)

「く、雲隠れなんて、そんなのよくないもの……
 や、や、約束したのだから、来るのは普通だわ。あ、あまり褒めないでちょうだい……」

褒められるのはくすぐったい。
……さて。

「そ、そうなのね。でも、知らせって一体――」

  がさがさ
            がさがさ
                      がさがさ

「ひゃっ……」

(し、知らせ……い、一体どんな知らせが来るの……?)

今度はさすがに、それほど驚かない。
知らせとやらが表れるのを待とう。

313『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/04(火) 00:41:08
>>312
「来たのう。来たのう」

『レイク爺』の『知らせ』という言葉もあり、
さすがに二度目の『がさがさ』に対し、『ココロ』は驚かなかった。

そして、現れたのは、これまた『30cm』ほどの『小人』。
歌舞伎などで見られる『黒衣(くろご)』と呼ばれる全身黒尽くめの衣装を羽織っている。


                  「これを」


『黒衣の小人』は言葉少なに『レイク爺』に『巻物』を渡す。
仰々しく『レイク爺』がそれを受け取ると、
『黒衣の小人』は蜘蛛の子を散らすように、すぐさま、その場を離れる。

「ああ、説明しとらんかったな。『彼ら』は『祭』の運営を行う『小人』じゃ。
 この町で唯一、『序列の外』にある『場所』、『神社』の『小人』じゃな。
 彼らが『祭』を取り仕切り、『進行』や『審判』などもやってくれる。

          そして、これが! 『勝ち抜き戦』の表じゃ!」

『レイク爺』はそう言うと、『巻物』をくるりくるりと開いた。
そこには以下の『表』が描かれている。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

               ┌── 『湖畔』(前回8位)
         ┌──┤
         │   └── 『繁華街』(前回4位)
    ┌──┤
    │   │   ┌── 『倉庫街』(前回3位)
    │   └──┤
    │        └── 『砂浜』(前回7位)
....  ─┤
   .. │         ┌── 『商店街』(前回1位)
    │   ┌──┤
   . .│   │   └── 『郊外』(前回5位)
....    └──┤
          │   ┌── 『学園』(前回6位)
         └──┤
               └── 『駅周辺』(前回2位)

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

314ココロ『RLP』:2015/08/04(火) 00:53:43
>>313

「……そ、そのようね。」

(く、黒い小人……この人が知らせなのかしら?
 なのかしらと言うか、そ、そうに決まっているわよね、ええ。)

「……」

     (な……なんだか、凄く本格的だわ……
      い、いえ、本格的なのは分かっていたけれど、改めて……)

その様子を見ているココロ。
……どうやら、受け渡しは完了したらしい。

「じ、神社……そ、そうなの。
 彼ら……ということは、な、何人もいるのね、ええ……」

(神社だけ、たくさんいるのかしら……?
 や、やっぱり、神聖な場所だから? 
 ……ま、まあ、あまり関係はないわよね。どうでもいいことだわ、きっと……)

         ――そして。

「こ、これが……っ」

      バッ 

食い入るように、巻物の中身を見つめるココロ。
……初戦の相手。

「は、は、繁華街……繁華街が、最初の相手なのね。」

        (い、いきなり怖そうなところからだわ……
         ……で、でも大丈夫よ、私には絆の力がある……っ。)

鞄の中に入れたキーホルダーを意識する。
それから、まだ見ぬ『絆』たちのことも。

              ・・・・きっと、やってみせなくては。

315『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/04(火) 01:08:36
>>314
「うむ! うむ! どうやらそのようじゃなァ!

 そして相手の方が『序列』が高いのじゃから、
  『舞台』は『繁華街』となるはずッ!

  よォし いっちょ行くかの!
    『繁華街』! キラキラ照明のあの『場所』にのォ〜〜〜!」

不安げな『ココロ』とは対照的に、
『繁華街』という言葉になぜか目を輝かせる『レイク爺』。
ぴょんぴょん跳ねながら、『繁華街』のある方向へと自分勝手に向かっていく。

いよいよ、いよいよ、『場所祭』の始まりだ。
不安も大きいだろうが、『ココロ』には『絆』がある。
独りでは成せない事でも………必ず、超えられるはずだ。


                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

316ココロ『RLP』:2015/08/04(火) 01:18:07
>>315

「は……繁華街に、い、行くのね。
 そ、そうよね、序列が上だと、そうなるわよね。ええ……」

小人たちのルールが少しずつ分かって来た。
……ほんの少しだが。

(た、た……確かにキラキラしているけれど……
 で、でっ、でも、そこには闇があるに違いないわ……
 べ……別に繁華街が悪いところとか、そういう意味じゃなくて……)

          (こ、怖い事件とか……で、でも、引き下がれないわ。
              あ、あたりまえだけど……そうよ。絆の力で頑張るのよ。)

「わ、わ……わたし……
   ……は……繁華街に行くの、いつぶりかしら。」

レイク爺の後ろをついていく。

   「すー」

        「はー」

繁華街――ココロに取って未知な場所だが、一体どうなるやら。
とりあえず、深呼吸早はやめたほうがよさそうだが……

317『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/04(火) 23:15:53
>>316
『ココロ』は『繁華街』にあまりいいイメージを持っていない。
ともあれ、そこが『場所祭』の会場になるというのなら、行くしかなかった。

 ……… ……… ……… ……… ……… ………

  『繁華街』―――
   その煌びやかな雰囲気は、静謐を携える『湖畔』とは真逆の存在だ。
    まだ昼間だというのに、人は多く、どこか怪しさを漂わせている。

 「ふおおおッ 『繁華街』! ええのう! ええのう!」

『ココロ』の思いとは裏腹に、『レイク爺』は妙にはしゃいでいる。
この老人、どうやら『繁華街』が好きなようでキョロキョロと忙しなく街を観察していた。
意外と慣れているのか、狭い路地を潜り抜け、奥へ奥へと入っていく。

                                 そして―――

「あ! ミズーミのジーさん! ちわ〜ッス! さしぶりィ〜ス!
        あれあれェ……今日はドーハン?
             いや〜〜スミにおけないッスねェ―――!」

『繁華街』の奥まった場所、そこからひょっこり現れたのは、
どこまでも頭が軽そうな『金髪』の『小人』だった。
流れから考えれば……『彼』が、この『繁華街』の代表の『小人』なのだろう。

318ココロ『RLP』:2015/08/04(火) 23:39:59
>>317

――繁華街。

「…………」

      キョロキョロ  
        
(あっ……よ、よくないわ、意味もなくキョロキョロしたら……
 が、が、ガンを飛ばしてると思われて、か、絡まれてしまうわ……)

(そ、それに、ナンパとか、さ、されてしまうかも……
  ……そ、それはさすがに、じ、自意識過剰というものよね、ええ。)

警戒に身を固め、レイク爺の後をついていく。
……それにしても楽しそうだ。

(な、何でこんなにはしゃいでいるのかしら……
 ……もしかして、彼……普段は、湖畔から出られない、とか……?)

          (……もしそうなら、はしゃぐのも当然よね。)

     ・・・・と。

「うっ……」

           ビク

(ちゃ、ちゃっ……チャラいわ……!
  こ……小人まで、こんな感じなのね、繁華街……)

          (……い、いえ、チャラいのが悪いとかじゃあないわ。)

「こ、こ……こんにちは。
 あ……貴方が、この場所の……?」

つまり――初戦の、対戦相手の小人、だろうか?
いやまあ、見るからにそうなのだが……

319『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/04(火) 23:54:54
>>318
「ぃス! ここいら一帯でハバ利かせてます!
 オレは『ナイト』―――『ナイトくん』って呼んでくれッス。

 ぃや〜〜〜それにしても『おねーさん』、いい感じッスね!
  こーゆー言い方ってダメかもしんないスけど、
  ミズーミの代表じゃモッタイなくないッスか?」

『ナイトくん』はグイグイと『ココロ』に寄ってくる。
『レイク爺』もそうだったが、なんというか、距離感が近い。
『小人』の特性なのか、それともこの二人の特性なのか。

「ぃや〜〜〜、ミズーミのジーさんとは戦いたくないんスけどね。
 こればっかはキマリですし、しゃーないッスねェ。
  ジーさん風に言うなら、やむなしやむなしッス」

どうやら、この『ナイトくん』と『レイク爺』は意外と親密なようだ。

320ココロ『RLP』:2015/08/05(水) 00:05:04
>>319

「な、ナイト君……ね。わかったわ。
 わ……私はココロ。水溜ココロ……よ。」

          グイグイ

            「え、ち、近……」

(ぐ、グイグイ来るわね……
 み、見た目のせいかしら、い、違和感はないけれど……)

「で、でも私は、み……湖が好き、だから……
 み、湖の代表で、いいのよ。」

         (そ、そうよ。私は湖が好きで、湖が私を選んでくれたんだもの。)

湖への帰属意識が高まるココロ。
……それにしても。

「……お、お二人は、な……仲がいいの?
 あっ、ご、ごめんなさい、もう勝負を始めるんでしょうけれど……」

なんとなく、気になった。
距離感以外、共通点の見られない二人だが……

321『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/05(水) 00:23:39
>>320
「ココロ……いい名前ッスね!
 オレ、たぶん一生忘れないッスよ! その名前!
  ああ〜〜ミズーミが好き系なんスか。
   残念だけど、ま〜〜スキズキってありますからねェ」

 『ナイトくん』は猛烈な勢いで『ココロ』に語りかけてくる。

「あ、ジーさんはよくここに遊びに来てくれるんスよ!
 トモダチのいい娘、つけてあげると喜ぶんスよねェ〜〜〜」

『繁華街』で『遊ぶ』………たぶん『トランプ』や『かくれんぼ』をするのではないのだろう。
『ナイトくん』の言に『レイク爺』は露骨に目をそらしている。口笛なんか吹き始めている。

  ………

『湖畔』が万年下位なのは、何も『人間側』の人材不足だけの問題ではなさそうだ。


         カ ツ
                          カ ツ


そんな会話をしている最中、『誰か』が階段を昇ってくるような音が聞こえる。
音の方を見やると、『雑居ビル』の『地下』へと続く階段が確認出来た。

322ココロ『RLP』:2015/08/05(水) 00:44:39
>>321

「え、え、ええ。
 あ……ありがとう。そう、す、好き好きなのよ。」

       (な、な、何なの、この人……い、いえ、小人……
         こっ、小人だから何となく拒絶できてないけれど……!)

これが原寸大ならただのチャラ男じゃないか。
とんでもない小人だ……

(れ……レイク爺はまだもう少し、精霊って感じよね。
       か、彼も、距離が近かったりは、するけど――)

        「……え?」

遊び。いい娘。繁華街。
……ココロでも意味するところは分かる。

「れ……レイク爺、貴方……」

これは精霊と人間の価値観云々ではあるまい。
……そういえば。

        (あ、あ、脚、脚を触られたわ、アレもまさか……)

   ゾゾゾ

小人特有のスキンシップかと思った。
だがもしや……単なる助平爺ムーブだったのでは……?

  「はぁー」

             「はぁ〜〜っ……」

         カ ツ
                          カ ツ


          「……え!?」

(あ、足音……い、一体、ど、どこから……か、階段?)

あわや試合前にダメになるところだったが……その音を聞いた。
いったい、どんな奴が出てくるやら……

323『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/05(水) 01:05:12
>>322
『レイク爺』への不信感が溢れそうな瞬間、
すんでのところで『足音』に反応し、そちらを見やる『ココロ』。


            ザ   ン

その女性は―――
             どこまでも聳え立つミルクティーブラウンの『盛り髪』。
                身にまとうゴージャスな『ドレス』に『アクセサリ』。
   身長は『ココロ』とさほど変わりないが、漂う雰囲気がまるで『正反対』。

 妖艶にして華麗ッ!
               繁華街の夜の蝶ッ!

                  これが!
                           この『彼女』がッ!

「ああ、ちょうどいいところに出てきたので紹介するッス!
 彼女が『繁華街』代表の『人間』、『艶美(エンヴィ)ちゃん』ッ!

                             よろし〜〜く」

『艶美』………おそらく本名ではない、彼女が『ココロ』の一回戦の相手。

 ……… ……… ……… ……… ………

しばしの間、『艶美』は『ココロ』を値踏みするようにジロジロと眺める。
デコレーションされた大きな瞳は、獲物を狙う『ターゲットスコープ』のようにも感じられた。

存分に眺めつくした『艶美』は、

  そして、
                            「フッ」


             『小馬鹿』にしたように鼻で笑った。

324ココロ『RLP』:2015/08/05(水) 01:20:20
>>323


            ザ   ン

「ひ……っ」

(す……凄いわ。本物の……キャ、キャバクラの人……!?
 あ、あ……あの頭、どれだけ時間かけてセットするのかしら……)

――夜の蝶。
テレビや雑誌でしか見たことのないような人種だ。

          (え……エンヴィ? 外人さん……じゃ、な、ないわよね。
           ぎ、偽名かしら……そ、そういうお仕事だから?)

源氏名という概念は……あまり詳しくない。
そして。

 「あ、こ、こんにちは――」

                「……っ!?」

ノンキに挨拶などしていたら、鼻で笑われたココロ。
これは、少しばかり心外だ。

(な、な……なぜ笑うのかしら……しょ、初対面よ……?
 わ、わっ……私の顔に、何かついているの……?)

「な……な、何よ……」

         (ちょ、ちょっと言い方がとげとげしいかしら?
          ……で、でもいきなり笑われたし、て、敵だし……)

『艶美』からやや目を逸らし気味に応対するココロ。

325『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/05(水) 01:48:30
>>324

 「いえね」

『繁華街』、相手のホームグラウンドな事もあるだろうが、
やけに自信満々な『艶美』からつい目を逸らし気味にしてしまう『ココロ』。

「どんなお相手が来るのかしら、って思っていたのよ。
 仮にも『場所』を背負っているのだから、
  さぞかし『オーラ』のある人物が選ばれているんじゃあないかしら、って考えていたのよ。
  そうしたら、あなたでしょお? ちょっと拍子抜けしちゃった」

 どうやら『ナイトくん』とは打って変わってかなり性格の悪い女性のようだ。

「しょせんは『前回八位』―――てところなのかしら?
 まぁ、初戦の肩慣らしがスムーズに出来るという意味では、
  私はラッキーだったのかもしれないわね」

『敵』と認識しているからか、あるいはナチュラルにそういう性格なのか、
『艶美』はさらりと『ココロ』を挑発してきている。

「な、な、なんじゃあッ! ワシの『ココロちゃん』をバカにしおってッ!
 ちょっとばかし綺麗で豊満じゃからって調子にのるんじゃないぞいッ!
  華麗でムチムチじゃからって『祭』に勝てるとはかぎらんじゃろォ!」

と、ここで、『レイク爺』が反論してくれる。
腐っても爺、というところか(やや含みのある反論ではあったが)。


 「あ〜〜〜、ジーさん、悪いんスけどォ」

    ここで口を開いたのは『ナイトさん』だ。

  「今回は『勝てる』んスよ。『艶美ちゃん』の『魅力』さえ確かなら。
    こっちの方が『序列』が上ッスからねェ〜〜
     『勝負方法』もこっちが決められるんスよ。

 そして、今回、決めさせてもらった『勝負』は―――
               『夜の店出店勝負』ッス!

    これから夜までの時間、お互い『夜の店』を即興で準備して
    『お客さん』入れて、どっちがいいか判定してもらうって勝負ッス!

   つまり、『ママ』の魅力さえあれば票がガッポリもらえちゃう方式なんスよ!」

  『ナイトくん』のその言葉を受け、
    『レイク爺』は『艶美』と『ココロ』を交互に見比べ、

                    ―――少しだけ悲しそうな表情を浮かべた。

                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

326ココロ『RLP』:2015/08/05(水) 02:16:40
>>325

「そ、それは……」

オーラ。
言われてみれば……いまいち反論できない。

(お、オーラなんて……た、確かに私にはないわ。
 こ、この人にはある……み、見ただけで繁華街って分かるオーラよ。
 見た目は、き、き、きらびやかで……中身は、き、汚い……)

        (……汚いというのはあまりにもひどいわよね、ええ。
         でも、せ、性格は悪いわ……きっと……本当に?
         わ、私が会って、ちょっと嫌な事を言われたくらいで決めるの?)

挑発にも言い返せない。
無意味なネガティブの循環に囚われかけたが――

「れ……」

       「レイク爺……!」

(あ、貴方のココロじゃあないし、い、言い方は気になるけれど……)

もはや否定しようもなく助平爺のレイク爺。
しかし、反論してくれるのは、ありがたい。

「そ、そ、そうだわ。オーラだけじゃ分からないわ。
 わ……私だって、で、出来ることはあるのよ……」

              「……え?」

奮起しかけたところで、ナイトが説明した。
……ココロは愕然とする。

「よ、よ……夜の、店……」

        (そ、そんな……そんなの、む、無理よ……
         い、いくらなんでも、ふ……不利、過ぎるわ!)

     チラ

「……れ、レイク爺……
 そんな悲しい顔をしないでちょうだい……」

(で、でも、い……一体、どうしたらいいの。
 そ、そもそも夜の店って……そ、そんなこと、私……)

早くも悲壮な雰囲気漂う一戦目。
……勝てるのだろうか? これはマズいのでは?

327『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/06(木) 00:24:03
>>326
動揺に次ぐ動揺が『ココロ』を襲う。
このルール、果たして勝ち目はあるのだろうか。
そんな中―――

                        さ  さ  さ  !

『壁』と『壁』の隙間から『黒衣の小人』が二体現れ、
『レイク爺』と『ナイトくん』にそれぞれ一本ずつ『巻物』を手渡していく。

「『序列』が上の者が決められるのは『開催場所』と、
  とりあえず『何かをやるか』。それを受け、
   細かい『規則』は『審判』が決めるのじゃよ」

突然の事態を、『レイク爺』が補足する。
つまり、この巻物にはその『規則』が書かれているのだろう。
『レイク爺』が巻物を開き、『ココロ』はそれを覗き込む。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

<『繁華街』VS『湖畔』>
 ☆対決種目:『夜の店』対決
 ☆舞台:夜の『繁華街』
 ☆準備時間:六時間

1.夜の繁華街を訪れる客相手の『店』を作る。

2.来る『客』に『無料キャンペーン』だと称し、双方で楽しんでもらう。
  (入る順番は客任せ)。

3.どちらの『店』がいいかを繁華街を訪れた『客』に投票してもらう。
  票が多い方の勝ち。

<補足>
・『テナント』と基本的な『備品』、提供する『飲食料品』については
 標準的なものが双方に提供される。

・『テナント』自体は提供されたものを使う必要があるが、
 『備品』や『飲食料品』は別のものを用いても構わない。

<禁止事項>
※『対戦相手』や『相手の建物』『備品』『食料』等に対する攻撃・破壊行為の禁止※
  相手を傷つけたり、相手に関連するもの、店に関連する何かを傷つける事は禁止となります。

※『客』に対する直接的な攻撃、入店妨害の禁止※
  客に直接攻撃したり、相手の店に入る事を妨害してはいけません。

※『客』の直接的な買収・恐喝の禁止※
  客に金銭もしくはそれに類する価値のあるものを授与する、
  あるいは何かしらの方法で『恐喝』し、『票』を買ってはいけません。

以上、『禁止事項』があった場合は『審判』による『判定』が行われ、
その罪の重さに見合った『票のマイナス』、あるいは『失格』という罰が与えられます。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

      「『テナント』は『三階建て、地下一階』のビル」
                「ここと」「ここ」

『黒衣』が指した先には確かによく似た二つのビルが存在する。
狭い路地を挟み、『対面』にビルはあるようだ。

         「以上。不明点があれば伝える事」

『黒衣』はその場に居た者にそう宣告する。

328ココロ『RLP』:2015/08/06(木) 00:37:00
>>327

「えっ、な、何――」

           「あ、る、ルールね。」

(ど、どんなルールでも……
 い、いえ、始める前から諦めちゃあだめよ。)

(も……もしかしたら……もしかしたら、な、何か活路が……)

        ジロ

巻物に目を通すココロ。
……一通り読み終えた後で、顔を上げる。

「い……いくつか、良いかしら。」

つまり、質問がある。

「こ、これ……お客さんって、同時にたくさん入ってくるのかしら……?
 それとも、じゅ、順番に何人か入ってくるのかしら……?」

(も、もし同時なら、さ……捌けるかしら……
 わ、私、接客なんて、し……したこと、ないもの……)

そもそもの技術の問題がある。
というより、一人で料理・接客・何から何まで……出来るのか?

         (……や、やっぱり無理なんじゃあ……
          い、いえ、諦めちゃあだめよ。絆の力があるじゃない……
          そ、そ、それに、準備期間だって、6時間もあるわ。きっとなんとか……)

329『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/06(木) 00:47:53
>>328

「表通りで『無料キャンペーン』である事を客に告げ、
 『二つの店』を体験してもらう。だから、
 一度にたくさん来る事もあればぜんぜん来ない事もある」
「呼び込めるならば、客数は『50名』と考えている」

呼び込みを具体的にどうやるのかは分からないが………
それは『審判』の方で行うのだろう。

「ほかには何かあるか?」
「開催中は不正なきよう『審判』もついている」
「そこで確認してもらっても構わない」

330ココロ『RLP』:2015/08/06(木) 01:04:57
>>329

「ご、ご、ごじゅっ……!?」

(そ、そんな……む、無理に決まってるじゃあない!
 料理だってそんなたくさん作れやしないし……
 ……つ、作り置きするっていう手もあるかしら?
 で、でも、でも、6時間で、50人分も……つ、作れるの?)

        (そもそも料理して出すだけじゃ、か、勝てるわけないわ。
         な……何か、何か私があの人に勝てるアイディアを出さないと……)

心中穏やかではないが――

「わ……分かった、わ……ありがとう。」

とりあえず、審判に礼を言う。
ここから6時間で……ココロに何ができるだろう?

(だ、誰かを呼ぶ……そ、そんなの悪いわよ。
 そもそも、いきなり呼んできてくれる人なんているのかしら……)

(……や、やっぱり、一人でやるしかないわ。
 いえ、私と、絆の力……皆で、力を合わせて、よ。)

「……え、ええ。
 分かったわ……ええ。ほ、他には特に……ないわ。」

人を雇う金もないし、呼んで使うほどのコネもない。
友達にそんなことをさせるのも、良くないと思うし。

331『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/06(木) 01:19:32
>>330
とりあえず当面の質問はない事を『黒衣』に告げる『ココロ』。

しかし………一人では到底無理だと思われるこの『対決』。
明言されていないが『手伝って』もらうのが前提なのだろう。
そして、この『繁華街』を根城にしているであろう彼女、『艶美』。
人手確保といわず、店造りの『ノウハウ』は当然、熟知していると考えていいだろう。

「フゥ〜〜〜
       一応言っておいてあげるわね。

     アナタ、なんだったら『棄権』してもいいのよ?
       動揺が全身から溢れちゃってるの、なんだか見てて可哀想になっちゃう」

 これは『艶美』の発言だ。身長はそんなには変わらないが、
 その盛り髪が物凄い為、恐ろしい威圧感を感じる。

「まーまー悪く思わない下さいッス。
  ジーさんはよ〜く分かってると思うッスけど、『小人の世界』は『序列』が基本!
   一度ハマっちゃうとなかなか覆せない仕組みなんスよねェ〜これ」

 『ナイトくん』の言葉に『レイク爺』は項垂れる。
 確かに相手の得意分野で試合を組まれてしまえば、
 これを打ち崩すのは大いに困難………これが『序列』の力か。

332ココロ『RLP』:2015/08/06(木) 01:34:07
>>331

ココロには知り合いは多い――が、学生ばかりだ。
一声かけて集まることもない……と、ココロは思っている。


「き、きっ……棄権、なんて……」

          チラ

レイク爺を見る。

「棄権なんて、し、し……しない、わ。
 わ……私だって、出来ることは……あ、あるんだから。」

        (そうよ。やるしかないんだもの。
         あ……諦めるなんて、諦めるなんて、ま、まだ早いのよ……)

ココロは実際、勝算などない。
だが……それでも逃げだせるほど、勇気はないし、非情でもない。

「れ、レイク爺とも約束したことよ。
 こ、湖畔を……湖畔を、私が、私が勝たせるのよ……!」

こうなれば、出来るだけのことをするしかない。
一人ででも、幸い己には能力がある。何か……手はあるはずだ。きっと。

333『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/06(木) 02:02:58
>>332
『湖畔を勝たせる』と宣言し、
ちら、と『レイク爺』を見やる『ココロ』。
『レイク爺』もまた、ちら、と『ココロ』を見やる。

「そうじゃあ! そういう事じゃあ! ワシらは負けんぞッ!
 『夜の店』の事なら意外とワシ、くわしいからのう!

  実はの!こうゆう事態になると思って
          事前に『調査』しといたんじゃフハハハッ!」

  ………

 話の内容はどこか胡散臭かったが、『レイク爺』にもまだ戦意はあるようだ。
          『湖畔チーム』は、棄権など、しない。


「アララぁ――― アナタも変わっているわねえ。
  完膚なきまでに叩きのめされるのがお好き?

    私には理解できないわァ〜〜〜そういう『趣味』」

   そんな『ココロ』を鼻で笑う『艶美』。

「行くわよ、『ナイトくん』。
  あの娘、惨めな目に遭うのが『好み』みたいだし、
               万全の準備をしてあげなくちゃ。

  私が理解出来るのは、そっちの方の『趣味』!

    鼻息荒い小娘を完璧に這い蹲らせるのって
                とっても! 『快感』よねェ〜〜〜〜〜」

そして、彼女たちは自らの方の『ビル』へと姿を消す。

  『ココロ』たちも負けじと準備を始める時だろう。


                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

334ココロ『RLP』:2015/08/06(木) 02:36:36
>>333

「れ、レイク爺……!」

(ちょ、調査って単なる、キャ、キャバクラ通いなんじゃあないの?
 ……い、いえ、それも調査よね。それに、いいじゃない、通っても、ええ。)

高まるレイク爺への仲間意識。
そして……

(ど、ど、どれだけ人の事を鼻で笑うのかしら……!
 そ、それに、よくこれだけ憎まれ口を……
 む、無謀かもしれないけれど、ここまで言う筋合いないじゃあない……)

去っていく『艶美』! 憎たらしい背中だ。
高まる彼女への敵対心。


   「〜〜〜〜ッ……
    ま、ますます負けたくないわ、こうなると……」


(い……嫌な女だわ、わ、分かっていたことだけど……
 ……い、いなくなってからこんなこと考えるのも、どうかとは思うけど……)

『艶美』の挑発に、やや憤るココロ。
ここまで言われたらそりゃ、ココロも怒るのだ。

(……で、でも、怒ったところでどうにもならないわ。
 相手の方がこの分野が得意なのは変わらない事実よ。
 み、みじめに負けちゃうのも……じ、事実……
 れ、冷静に……冷静になって、か、考えなくちゃあ……)

       「すー」

       「はぁー」


「……と、とりあえず、備品とかを見なきゃよね。
 そ……それに、どんな部屋があるのか、とかも……」

ビルへと入ることにする。
まずは、与えられたものが何かを知っておかなければ。

やりようによっては勝てるはずなのだ。
幸いにして――この相手なら。

          (わ、私も……出来ることをすることに躊躇はないわ!
           ……い、いえ、それは、限度と言うものはあるけれど。)

335『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/06(木) 23:23:40
>>334
『艶美』への敵愾心と、『レイク爺』へのそこはかとない仲間意識を胸に、
『ココロ』は自身に与えられた『ビル』の前に立つ。
『三階建てと地下一階』。その説明のとおり、『階段』が上下に伸びている。

「下に行くほどスペースは狭くなっている。
 どこを使うかは自由だし、必要ならば複数使っても構わない」

そんな説明を加えるのは一体の『黒衣の小人』。
 どうやら、ずっとついてくるらしい。
 『審判』、つまり不正がないか常に見張る役割という事なのだろう。

「広い方が見栄えはよさそうじゃが、一度に捌ける量は減るじゃろうなあ。
 ただ、『客人数』を競うものではないから、
   『ココロちゃん』が扱えそうなスペースでよいと思うぞ」

これは『レイク爺』の助言。さて、とりあえずどこの階に向かおうか。

336ココロ『RLP』:2015/08/06(木) 23:47:19
>>335

「そうね、あ……あまり広くても、捌けないし……
  ま、待たせてしまうことになるわ。それなら……」

          キョロ

(ち……地下が一番、良い気がするわ。
 でも、ど、どれくらい広いのかしら……?
 あ、あんまり狭すぎるのも、考えものよね……)

今回『入りやすさ』とかは考慮する必要がない。
レイク爺の言う通り、身の丈に合った部屋が良いだろう……

「……と、とりあえず、地下を見てみるわ、ええ。
 ……そ、そういえば、食材とかの支給って、い、いつごろもらえるのかしら?」

黒衣に質問しつつ、地階へ降りるココロ。

     (……ど、どんなお店にするかもだけれど……
      飾りつけとかも、しなくちゃなのよね。
      ま……間に合うかしら……い、いえ、やるのよ。)

  「……すー」

         「は―……」

危機感は決して安まらない。
だが、まずはつとめて落ち着き、現状を把握しなくては。

337『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/07(金) 00:04:05
>>336
「『下ごしらえ』が必要なものもあるだろうから、
 希望すれば出来る限り早く用意する。
 『出来合いのもの』も用意出来るので
 寸前でも構わないが、味は『それなり』だろうな」

『食材の支給』についての質問に答える『黒衣』。
その返答を受けながら、地階へと向かう『ココロ』。

 ……… ……… ……… ……… ………

『地階』は予想以上に狭く、いわゆる『バー』に類する備品のセッティングがしてあるようだ。
基本的にはカウンター席のみ。奥にはおそらく『厨房』などの設備があるのだろう『扉』。
照明は薄暗く、独特の雰囲気を漂わせていた。満員になってもせいぜい『10名』程度が限界か。

「おおう、ワシが知っている『店』とはちょっと雰囲気が違うのう。
 まァ、こういうのも『夜の店』、なんじゃろうな。

 これなら少人数でもきっちり対応出来そうじゃが………
  全部で『50名』というと、もしかすると『客』に、
    結構待ってもらう羽目になるのかもしれん。
      それが票に影響しなきゃいいんじゃがの」

『レイク爺』がこんな感想を漏らす。

338ココロ『RLP』:2015/08/07(金) 00:25:19
>>337

「そ、そうなのね……」

(で……出来あいにするなら、他の事でよっぽど差をつけないと……
 け、けれど、そんな、差をつけられるようなことってあるかしら……)7

向こうは料理をどうするのかは未知数だ。
だが、仮にもプロなら、多少なり手は加えてくる気はする。

       (そ……そもそも、私……お酒の事とか全然知らないわ。
        い……今から6時間で、ぜ、全部、覚えられるかしら……
        せめて、そ、そういうことが出来る知り合いが私にいたら……)

不安要素ばかり、次から次へと。
……ともかく。


「せ、狭いわね……ば、バーって感じかしら。
 ……」


地階は狭かった。

(じゅ、10人……も、は、入れるかしら? それくらいよね。)

「ひょ、票……そうね、ま、待たせるのはよくないわ。
 け、けど、もしお客さんが入れても、接客が追い付かないんじゃあ……」

「ど、どうしましょう……い、一階。一階も見ましょうか。」

地階は保留だ。
一階、つまりもう少し広い部屋を見に行くことにする。

      (や、やっぱり、根本的に無理なの?
       絆の力だって、ひ、人手が増えるわけじゃあないし……)

      (……人手?)

            ……ピタ

ココロは思い出す。

(……やってみる価値は、あるわよ。ええ。)

339『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/07(金) 00:42:54
>>338
思考をフル回転させ、自らが作る『店』の事を考える『ココロ』。
続いては、『一階』の『店舗』を確認する事とした。

 ……… ……… ……… ……… ………

『一階』の店舗は妙にカラフルな色彩だ。
『テーブル』や『椅子』もポップな造りで、なんとなく可愛らしい。
客のキャパシティは『20名』ほどか?
………ここは、どういった店の想定なのだろうか。

「!!
     ここは―――
                まさか―――
                         まさか、じゃろ!?」

と、ここで『レイク爺』が何かに気付いたように奥の扉に駆け出す。
おそらく『店員』の控え室などのスペースだろうが………

そして、次に『レイク爺』が現れた時、彼は満ち足りた顔で、
ここの『制服』であろう衣装を持ってきていた。

「ここはアレじゃあッ! これを着てお客を楽しませる場所じゃッ!

  ココロちゃん―――
               着てみる?
                       着てみちゃうかの?」

『レイク爺』が引きずってきたのは

       『ピンクのフリフリメイド服』。
                         つまりここは―――

340ココロ『RLP』:2015/08/07(金) 00:55:34
>>339

「……あ、あら? なんだか可愛いお店だわ。
 れ、レイク爺、ここは一体どういう――」

          「あっ」

(ど、どうしたのかしら……何か知っているようだったけれど……)

レイク爺が駆けて行った。
……その間に室内を見回すが、やはり分からない。

      (よ、夜のお店って感じは、しないわね……
       それに思ったよりは広くない……みたいだわ。)

……と。

「あ、れ、レイ――」

            「って……」

ココロもそれには流石に見覚えありだ。
ふりふりで、過剰なまでに可愛らしいそのデザインは――

「メ……め、メイド喫茶……なの?」

(こ、こんなお店まで、あるだなんて。よ、夜のお店って、幅広いのね……
 ……れ、レイク爺、ちょっと喜びすぎじゃあないかしら? メイドさんが好きなのかしら?)

メイド喫茶。意外な店舗の登場だ。
相手はまず選ばなさそうだし、差別化という意味ではアリか?

「……こ、ここも、保留しましょう。
 全部見てから決めたって、お……遅くはないはずだわ。」

時間制限はあるが、良い条件を見過ごすのはよくない。
2階の店舗も、ここは確認しておこう。

341『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/07(金) 01:06:24
>>340
『レイク爺』の持ってきた『メイド服』はやけに肌の露出が多いものだった。
そのへんが『夜の店』、という事なのかもしれない。
名残惜しそうな『レイク爺』を引き連れ、『二階』の店へと移動する『ココロ』。

 ……… ……… ……… ……… ………

二階に行くと、ようやくいわゆる『夜の店』らしい内装の店が広がっていた。
高級感溢れる『テーブル』に『ソファ』、ギラギラ光る『照明』。
お客は『30〜40名』程度は入るだろうか。

 「お〜〜〜 お〜〜〜 やはりこういうところも悪くないのう」

『レイク爺』がさっきよりは冷静にそう呟いた。

「おそらくじゃが、あの『えんび』とかいう女はここを選ぶんじゃあないかの。
 ここを選ぶなら真っ向勝負!
  張り合うなら、あやつに勝つような腹案を考える必要があるかもの」

342ココロ『RLP』:2015/08/07(金) 01:18:21
>>341

(よ、よくないわ、あんないやらしい感じの服……
  で、でも、そうよ、夜のお店対決、なのだし……
   そ、そういうのもないと、ダメなのかしら……?)

(……べ、別にそんなことはないわよね、ええ。)

ともかく二階――だが。
 
      「あっ……」

(ま……まさしく、夜のお店という感じだわ。
 ……れ、レイク爺はこういうところに通っているのね。)

想像するに面白い絵面な気がする。
小人が人間の女性をはべらせている……というのは。

「……ま、真っ向勝負……」

         キョロキョロ

(こ、こんな広さじゃあ、もちろん一人じゃあ回せないわ。
 こういうお店って、ひ、一人一人に女の人が付くイメージだし……
 それに、わ、私があの女に……プロに真っ向勝負で勝つなんて……)

流石に無謀な気がする。
余程の妙案でも浮かべば別だが……

「……じゃあ、最後は3階、よね。
 あ、あまりどんなお店か、思いつかないけれど……」

(50人も入るようなお店って、れ、レストランとか……?
 あ、怪しいお店とかじゃあないわよね。人がたくさん入るのだし……)

とりあえず3階だ。
それで全部見終わりのわけで、ようやく作戦を立て始められるわけだ。

343『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/07(金) 01:31:29
>>342
2階について考えた後に3階へと赴く『ココロ』。
ラストはおそらく『50名』がすっぽり入るような店なのだろうが………。

 ……… ……… ……… ………

和風の造り。テーブルがそれぞれ軽く仕切られており、
掘り炬燵のような形式となっている。
ここは、そう、『居酒屋』を想定した内装だろう。
ざっと数えたところ、客はちょうど『50名』程度入るように思われた。

「ほほう〜〜〜こういう店なら一度に規定の『お客』が呼べるわけじゃな。
 店を回す『人手』なんかは多々いるじゃろうが、
      短時間に済ませられて楽、とも言えるかも知れん。

 いや………もっとも、客が一度に全員来るわけじゃあないと思うがの」

『レイク爺』がとりあえずの感想を述べる。

そして、これで全ての『スペース』を見て、回った事になる。
当然、すぐにどこを使うかを決めなくてもいいのだろうが、
早々に決めてしまってからの方が動きやすい、という事もあるかもしれない。

なんにせよ、『ココロ』はこれからどうするかを考える必要があるだろう。


                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

344ココロ『RLP』:2015/08/07(金) 01:51:41
>>343

「……い、居酒屋さんみたいね。」

(ひ、広すぎるわ……こ、こんなの捌ききれるはずがないし……
 そ、それどころか、目が届かないレベルだわ……こ、ここはなしね。)
誰にどう手伝ってもらうにせよ、判断するのはココロ。
ココロの目が行き届かないような広さは、よくあるまい。

……それに。

(わ……私の料理なんて中途半端だし、お酒なんて全然知らない。
 ……私にできないことを、め、メインにするのは変だわ。
 そ、そうよ。逆に考えるのよ。私にできる事って、何があるの?
 い、言うまでもなくピアノしかないわ。でも、こ、ここにはピアノなんて、ないし……)

              「ど……どう、しましょう……」

……ココロは、大いに悩む。
3階だけはあり得ない。2階は艶美との競合。

(い、一階か、地下……地下は、お、お酒よね。
 わ、私の出来ることを考えたら、め、メイド喫茶になるわ……)

            「……と、とりあえず、いったん下に降りましょ。
             ここ、3階は……つ、使わないと、思うわ。多分……」

とりあえず階段を下る。
メイド喫茶しかないのか……? 戸惑うココロ。

「……ね、ねえ審判の貴方……いいかしら?
 び……備品って、どんなものを、どういう風に用意してもいいのよね?」

……自身の長所を使うならば、必ず備品は持ち込むことになる。
どの店にせよ、だ。今のうちに聞いておこう。

345『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/07(金) 22:47:05
>>344
 二人と『黒衣』は『三階』から下へと降りていく。

「用意された『スペース』を用いるのならば、
 その中の『備品』、『食材』などを
   自分たちで用意するのは、どんな形でも問題ない」

 その間に『ココロ』が投げかけた問いに『黒衣』が答える。

「ほほゥ、すでに各階、大まかに『方向性』は決まっているように見えるが、
 それらを『無視』して『何をやったっていい』というワケかの。
 もちろん、元から離れた事をやろうとするほど
  『準備』に手間がかかるじゃろうが………」

  『黒衣』の返答に対し『レイク爺』は私見を述べた。

 つまり、究極的に言えば、各階の違いは『広さ』程度で、
  時間内に準備する術さえあればどんな『店』だって提供出来るという事か。
  もちろん、今ある設備をそのまま使えば
   それだけ『労力』は減り、他の『準備』にパワーを費やせる。

  『短期間の店造り』。考える事はなかなかに多そうだ。

346ココロ『RLP』:2015/08/07(金) 23:48:37
>>345

「あっ、そ、そうなの……」

(で、でもいいのかしら、勝手にいろいろいじったりして……
 ……い、いくら何でも、照明を外したりは出来ないでしょうし……)

今考えているのは2階の事。
あの広さはいいのだが、あまりにきらびやかすぎる。

         ・・・・あれを直すのは骨だ。

(ど、どうしましょう……メイド喫茶が一番、ぶ、無難かしら?
 でも、でも内装を変えたりしてもいいなら、狭すぎるバー以外なら……)

「……わ、私、お店はまだ、決めかねるのだけれど……」

レイク爺に視線を向ける。

「……ピ、ピアノを……ピアノをお店で使いたいわ。
 でも、い、家から運んでくるなんて、不可能だし……」

そしてスマホを取り出す。
べつに話しながら触るためとかではない。

「レイク爺、こ、この辺りには詳しいのよね……?
 楽器屋さんとか、レンタルできるところとかって、し、知ってる?」

知らないようならスマホでそういう店を検索してみよう。
黄金町内にあるかは微妙だが……

「あっ、そ、それといいかしら、お料理はすると思うのだけど……
 なにか、お、お菓子が欲しいわ。甘すぎるお菓子じゃなくて……」

「大人の人でも、お、美味しく食べられるようなもの。」

黒衣に注文を付けておくのも忘れない。
お菓子は余っても困らないし、使い道はあるだろう。

347『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/08(土) 00:03:35
>>346
「ピアノ――― ほーほォー いいのう!
 『じゃずばー』みたいな店にするのかの?

 『楽器』か………そうじゃなァ。
  『楽器屋』はパッとは思いつかんが、
    『ピアノ』自体はたしか、どこかで………

   おお! そうじゃ。『りさいくるしょっぷ』ちゅうのかの?
    近くにひとつあって、そこで見たような気がするな」

『リサイクルショップ』のもの。
どういう状態のものか怪しいがそこに行ってみるべきか、
あるいは、きちんと楽器屋を探すか………。

「『大人の人でも美味しく食べられるもの』………」

『ココロ』の注文に、『黒衣』は少し戸惑っている。
もう少し具体的に品目を提示しておくといいのかもしれない。

348ココロ『RLP』:2015/08/08(土) 00:16:41
>>347

「そ……そうね、ジャズバー……そんなことが出来たらいいと思うわ。
 あ、あまりジャズには……詳しいわけではないけれど……」

問題は店員がいないことだが。
……その辺はまあ、なんとかしよう。

「リサイクルショップ……そ、そうね。
 近いなら、そ、そこを見てみましょうか。
 ……う、売り物なら、弾けないことはないでしょうし……
 ちょ、調律してもらう時間は、流石にないでしょうけど……」

まあその辺はショップのクオリティに期待だ。

(楽器屋さんは……メインストリートの方にあった気がするわ。
 ……こ、この辺りにも、あるのかしら? 
 あ、で、でも、この辺りって音楽が盛んだとか……)

ココロが思い出しているのは弁天橋のこと。
ストリートライブが有名だとかなんとか……気のせいかもだが。

そして。

「あっ、ご、ごめんなさい……
 そ、そうね、そうよね、分からないわよね……」

ココロは大人がどんなお菓子を食べているかなど知らない。
なので、同じく戸惑う。

        「……お、おつまみコーナーにあるような……
         ほ、ほら、サラミソーセージとか、イカとか……」

    「あとはチョコレートの苦いのとか……
     あっ、ち、チーズとかも食べている印象があるわ。」

  「あ……あとは何かしら……
   レイク爺、わ、分かる……?」

適当なチョイスだが……
まあ、ココロの知識はこんなものだ。

「……そ、それじゃあ、買い物に行きましょ。」

……注文が済んだら、とりあえずビルは出よう。

349『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/08(土) 00:36:49
>>348
メインストリートにはおそらく楽器屋の一つや二つあるだろうし、
『弁天橋』のストリートミュージシャンも多分そこで買っている可能性が高い。
もちろんそこまで行って買うのもいいのだが、時間のロスになってしまう可能性はある。
とりあえずリサイクルショップに行ってみる、というのが一番いいのかもしれない。

「ワシは『和菓子』とかいいのォ。饅頭とか団子とかの」

『大人のお菓子』への『レイク爺』の返答はいかにも爺的なものだった。

「了解した。今述べたものを用意させてもらおう」

 『黒衣』はそう宣言する。
  そう言いつつ、特に何かする気配はないが、
  もしかしたら仲間か何かに『以心伝心』で伝わるのかもしれない。

そんなわけで『ココロ』と『レイク爺』はビルを出て、
 『レイク爺』の言う『リサイクルショップ』へと足を向ける。

「―――そういえば、『ココロちゃん』。
  『絆』はまだ使わなくていいのかの?
    とっておきで、やれるところまでは自分でやる感じかの?」

その道中、『レイク爺』が語りかけてくる。

(※ちなみでこのミッションで何かを自費購入したい場合、
  PC設定範囲で出せるのであれば、
  『生活資金』から出した、という事にしても構いません)

350ココロ『RLP』:2015/08/08(土) 00:51:24
>>349

「わ、和菓子……ね。
 いくつか、買おうかしら……」

(……鈴眼、は……ネオンストリートからは遠いわよね。
 か、買うならあそこが良いのだけれど……)

和菓子が美味しい店は知っている。

が、時間のロスはなるたけ避けたい。
手作りするようなメニューも、ちょっとは欲しいし。

「あ、ありがとう。」

黒衣に小さく頭を下げる。 

(……う、動かないわね……?
 あ、ほ、他の黒い小人さんに任せるのかしら……
 き、きっとそうね。サボってるみたいに思ったら悪いわ……)

審判だし、そう軽率に場を離れたりはしないか。
まあともかく、リサイクルショップへ。

            スタ  スタ


「あ、き、絆――そうね、つ、使ってもいいのだけれど……
 い、今使えるような力があるかどうか、なのよね。」

ココロは少し難しい顔で言った。

        「い、いえ、どんな力でも、ありがたいのだけれど……」

今しているのは買い物だ。
その前は確認作業。

(そ……それに、西さん以外に、だ、誰もいなかったら……?
 ……な、なんて。西さんが力をくれるだけでも、十二分なのよ。)

どんな人が力を貸してくれていて、どんな力があるのか。
それすら、まだわからない。

351『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/08(土) 01:02:50
>>350
「まァ、確認も含め、必要ならばいつでも言っとくれ。
 昨日みたいに手の甲に『湖』を作って、
  空いてそうな『絆』を呼び寄せてあげるからの」

『レイク爺』は『ココロ』にそう告げる。

 ……… ……… ……… ……… ………

そうこうしているうちに『リサイクルショップ』に辿り着く。
個人でやっているような古ぼけた店だが、
店舗のサイズとしてはかなり大きく、
確かにこれなら『楽器』を売っていてもおかしくはなさそうだった。

352ココロ『RLP』:2015/08/08(土) 01:18:27
>>351

「ええ、あ、後でお願いするわ、きっと。その時は、お、お願いね。」

レイク爺に頷く。
……必要にはなるだろう、かならず。

もっとも、絆は彼にお願いしてどうにかなることでもないか。

(……そ、そういえば。
 西さんの絆が今日も使える保証って……な、ないわ……!?)

          (ど、どうしましょう、どうしましょう……!?
            そ、そうよ、西さんが暇だなんて決めつけ、さ、最低じゃない……)

……ともかく。

     「あっ。」

(あ、ここ……かしら。お、大きいわ。
 ピ……ピアノまであるかは、分からないけれど……)

「……」

(……な、な、何はともあれ、ピアノ……まずはピアノよ。
 き、きっ、き、絆のことは、あ、後で……あとでよ。)

胃が痛くなりそうだが……
覚悟を決め、入店する。

353『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/08(土) 01:29:34
>>352
「この前来た時にはあったし、大丈夫じゃろ」

『レイク爺』の『この前』がいつかは分からないので
なんとも言えないが、今は信じるしかない。

入店すると、様々なものが雑多におかれている。
わりと大型のものが多く、『椅子』『テーブル』『棚』………

そして―――あった。

『グランドピアノ』と『アップライトピアノ』、それぞれ一台ずつ。
これなら『店』の大きさに応じて選択も可能だろう。

 「なにかァ、なにかお探しですかァ」

と、ここで、『ココロ』に声をかけてくる一人の男。
腹がやたら出ており、髪の毛の薄くなった中年の男性だ。

 「あ、これ、これですかァ? 『ピアノ』?」

『ココロ』の視線から目ざとくお目当てのものを察したようだ。

354ココロ『RLP』:2015/08/08(土) 01:41:00
>>353

「そ、それなら大丈夫ね、ええ。」

        ・・・・そして。

「あっ……」

本当にあったわけだ。
……さて、ここからが本番ということになる。

(……あ、アップライトピアノと……ぐ、グランドピアノ!
 こ、こんなの私のお小遣いで買えるのかしら……っ!?
 い、い、いえ、そう、リサイクルなのよ。きっと、お、お手頃価格だわ……)

           ――と。

           ビクッ

「あ、ど、どうも……」

店員に話しかけられた。
やや萎縮気味に対応するココロ。

「……そ、そう、ピアノを……探しているの。
 こ、この二つは、どれくらいの値段なのかしら?」

ピアノの値段を聞く。

          (あ、あ、アップライトで十分よね。きっと……
           今日しか使わないのだし……で、でもお客様には関係ないわ……)

355『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/08(土) 01:53:46
>>354
「あァ、やはり『ピアノ』。
 お嬢さん弾けそうですものねェ、『ピアノ』。

 ああ、『値段』。これはね、ちっこいのが『30万』。
      大きいのが『70万』ってトコですねェ」

『中年店員』がさらりと値段を口にする。
『ピアノ』自体の質はさほど悪くなさそうであり、
妥当といえばそうなのかもしれない。

「ここにあるモノはたいてい潰れた『店』から卸されたモノでねェ。
  『ピアノ』いれてる店はそれが『ウリ』だったりするから、
   けっこう『イイモノ』だったりしますよォ。お手ごろ、お手ごろォ」

『中年店員』はそういってニカっと笑う。営業スマイル、なのだろう。

356ココロ『RLP』:2015/08/08(土) 02:02:49
>>355

「さっ、さんじゅっ……」

      (や……安いわ! 新品に比べたら、かなり……
       だ、だけれど、そんな、さ、30万も……あっ。)

アップライトピアノに目をつけるココロ。
お金には思い当たる節があった。

(……あるじゃない……あ、扱いに困っているお金。
 み……ミスコンの賞金、ご、ご、50万円……!
 ど、ど、どうすればいいのかわからないけれど……こ、これに使えば……)

流石にグランドピアノには手が届かない。
……だが、30万なら。

             ドキ  ドキ

(わ、私今、す、すごいお金持ちみたいなこと考えてるわ。
 い、いいのかしら、こんな風に、お、お金使って……)

「……そ、そうね……お店に入れるなら、いいピアノが良いわよね。
 そ、それで、図々しいとは思うのだけれど……試し弾きしても、い、いいかしら……?」

店員に微妙な笑顔を向けつつ言う。
そうはいっても1日のために30万は安くない買い物だ。

       (み、見た目はよさそうだけれど……音を聞かなきゃ。
        ピアノで勝負するなら、そ……それくらいして当たり前よね。)

そこは、譲れない。

357『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/08(土) 02:11:38
>>356
『ココロ』の想定どおり、新品ならばそれぞれ倍はする代物だろう。
もし本当に『ミスコンの50万』で買うつもりならば、
ここで手に入れるのがベストなのかもしれない。

「あァ、お嬢さんだから『ピアノ』弾くんですもんねェ。
 いいですよ! ドンと来い、『試し弾き』!」

『中年男性』は試し弾きを快諾する。

(※『リアルマネー』として提供された『ミスコン賞金』を使うのであれば
 ※『リアルマネー』の消費となります。それを踏まえて行動願います)

358ココロ『RLP』:2015/08/08(土) 02:38:22
>>357

ココロの家は金銭的な余裕はある。

……が、『30万円』をポンと出してくれるほどではない。
まして、今日使ったらすぐに手放すかもしれないピアノに。

         ・・・・ココロとしても、そんなに出してもらうのは悪い。


「そ、そうね。ええ……」

             ヒク

やや引きつり気味の笑みを浮かべる。

(お、お嬢様か何かと勘違いされたかしら?
 ……ま、まあ、いいわよね。ええ、い、今の私はお金持ち。
 も、もったいなくなんて…………)

50万円で金持ちの気分になれる。
その程度の裕福さだ、ココロは。

だから、50万のうち半分以上をポン、と出すのには抵抗もあるが……


          「すー」

      「はー」


(……見た感じ、中古って感じはしないわね。
 元の持ち主は、な、何で売っちゃったのかしら……
 ……わ、私も、今日が終わったら、う、売っちゃうかもだけれど……)


           ス

             ス


試し弾きにも、色々やり方がある。
流石に鳴る分には鳴るだろうから、音の伸びとか、ちゃんと止まるかとか。

            ス

       ス

あとは、小さな音が鳴るのか、とか。
試せることは試して――

         (……一曲、弾いておきましょう。)

最後に、暗譜している曲。
かつ、長くない曲として――

            ♪

                ♪

『メヌエット ト長調』を弾いておこう。
試し弾き向きの曲かはともかく、『弾ける曲』をこのピアノでも弾けるかは試すべきだ。

ttps://www.youtube.com/watch?v=2MoJjOI3-og

359『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/08(土) 02:51:50
>>358
『ココロ』はこの『ピアノ』を本当に買うか逡巡しながらも、
とにもかくにも『弾いて』みる事にした。
これでろくな音が出ないようなら、『問題外』だからだ。

そして―――

            ♪

                ♪


 場に響き渡るのは、『メヌエット ト長調』。
 穏やかな音の連なりが『ココロ』によって紡がれていく。

  ………
         ………
               ………
                        『悪くない』。

 いや、むしろ『良い』部類に入るのではないだろうか。
 調律はしっかりしており、音もはっきり通る。

「その『ピアノ』は確か、2、3日前に売られてきたんですよねェ。
 それまでは『現役』で、小さな『ピアノ教室』か何かで使ってたんだっけな。
  だから『状態』はすこぶるいいですよ、ええ、ええ」

『中年店員』がそう補足する。

360ココロ『RLP』:2015/08/08(土) 03:13:16
>>359

「あ、あら――」


      (い、いい音じゃあないの……!
       こ、これを売っちゃうなんて……)

もったいない。

(い、いえ、勝手な決めつけよね。
 なにか、やむを得ない事情が、あったのでしょうし……)

          ジャン♪

……演奏の手を止める。

「……ぴ、ピアノ教室。そうだったのね。」

         (何が……あったのかしら……?)

分からないが……品質は確からしい。
これならば『ピアノバー』に相応しかろう。

       (……あ、相手はプロよ。
        ちゃんとした、いいピアノで戦わなきゃ、勝てるはずないわ……
        ……う、うちのピアノを持っていくなんてことは、きっと出来ない。
        や、やっぱり、このピアノを買うしか……な、ないわよね。)

「……?」

(あっ……で、でも……よく考えたら……
 ……『RLP』はエアピアノじゃないと使えないわ。
 つ、つまり、絆の力は……つ、使えない……?)

いやそもそも、お客様の前でエアピアノをするわけにもいくまい。
そうなると、『絆』はそもそも店運営や本番には使えないか。

         (……ど、どう、し、しましょう……?)

あくまで準備用、ということになるわけだ。
……そうなると、ココロは演奏と店運営を両方やることになる。

       (……し、四六始終演奏していないにせよ……
        レジ打ちとかのたびに、いちいち演奏やめるの……?
        そ、そういうお店って、流石に一人ではやってないわよね……)

「……」

考え込むココロ。
バーテンダーを雇う……か? そんな都合よくいるのか……?

         チラ

あるいは……賭けてみる、か?
絆の力に、それを為し得るものがあるかどうかに。

361『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/08(土) 03:26:32
>>360
「………で、どうなさいますゥ?」

『中年店員』が尋ねてくる。

『ピアノ演奏』を終えた時点で、
この『ピアノ』に一定以上の品質がある事を把握する『ココロ』。
これを用いて『ピアノバー』を行う事に心が傾きかけていたが………。

一方で『絆の力』を併用するには、『RLP』のエアピアノの演奏が必須な事に気付く。
それだと何かと問題が出る可能性がある。

              〜〜 『絆の力』 〜〜

    『ココロ』は、この黄金町で、様々な『異能』と出会った。
      その『絆』の中には、この難局を乗り切る
        『カギ』となるものがあるかもしれない―――

まだ時間はある。焦る事なく、じっくり考えて
行動するのがいいのかもしれなかった。


                         → TO BE CONTINUED
                           (続きはまた今夜………)

362ココロ『RLP』:2015/08/08(土) 03:41:04
>>361

「ご……ごめんなさい。
 少し、待っていただいて……いいかしら?」

「わ、私だけで決めていい買い物じゃあ、ないから……ごめんなさい。」

           ソソクサ

謝りつつ、ピアノから離れるココロ。
……いいピアノなのは事実。

     (……絆の力と、私自身の『ピアノ』……つまり、わ、私の全部。
      ぜ、全部、活かせる手段があるとしたら……きっとそれが勝ち筋よ。)

そのためには、『知る』必要がある。
今自分に、差し伸べられている手を。

(そ、そうよ……夜のお店のプロに、夜のお店で勝つ。
 そのためには……私の全部をぶつけないと、いけないに決まっているわ。
 わ……私の……今日の、私の全部は、ピアノだけじゃあないのよ。)

無意識に、ピアノだけに頼ろうとしていた。
自分はピアノだけと、思い込んでいた。

絆を、もっと信じなければ。

「……レイク爺、ごめんなさい。
 いったんビルに戻って……『絆』を、見せてもらえるかしら。」

レイク爺に頼みつつ、来た道を戻る。
道端でスタンドを試すのは、流石によくあるまい……

363『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/08(土) 23:47:45
>>362
「そォですかァ。でしたらまた。
  またのご来店、お待ちしてまァす」

『中年店員』のそんな定型挨拶を背にして、
『ココロ』は、自らに割り当てられた『ビル』へと戻る。

 ……… ……… ……… ……… ………

「お! ついに『絆』を使う気になったかの。
 よっしゃ! まっとれまっとれ」

『ビル』に戻った『ココロ一行』。
とりあえず手近な『一階』の『テナント』に入り、『絆の儀式』を行う。
ココロが『手の甲』を『レイク爺』に差し出すと、
『爺』がそこに大きな○を描く。

           しゅわァァ―――

その動作で発現する、手の甲の『湖』。
涼しげなその『湖面』は、ココロの愛する『湖畔』そのもので、
眺めているだけでいくらか心が落ち着く。

そして、それと同時に『ココロ』は自分の持ち物のひとつが『光り輝く』のを感じた。
それは、『群衆のキーホルダー』。
つまり、昨日同様、今現在、『西』の心に余裕があるという事なのだろう。

続いて『ココロ』は『湖中』を精査する。
様々な『ガラクタ』が漂う中、光り輝くモノは―――『六つ』。

『銃を持った軍人のフィギュア』
『少しヤンチャそうな雪の妖精フィギュア』
『鈴のついた子狐ストラップ』
『太極図にも見えるパンダの意匠のシャーペン』
『蛍光グリーンのデジタル腕時計』
『ブレーメンの音楽隊のミニチュア』

「拾いたいものがあれば『念じながら』手を突っ込めば、それが拾えるぞい。
 一度に複数引っ張って来る事も可能じゃし、面倒なら
 全部引き出すように念じれば『総取り』も出来るはずじゃあ!」

『レイク爺』がそんなアドバイスをくれる。

364ココロ『RLP』:2015/08/09(日) 00:06:36
>>363

           しゅわァァ―――


「……や、やっぱり、なんだか不思議な感覚だわ。」

(H湖と私が一つになっている……のよね。
 ……へ、変な現象なのに、不思議と……落ち着くわ。)

         「……あら?」

と、キーホルダーが光った。

(西さん、今日も来てくれるのね。
 ……あ、ありがとう。)

そして――

        (1、2ぃ、3……)

  「む……六つ。
   六つもあるわ……!」

(わ、わ、私のこと……こんなにたくさんの、人が……!)

         ジワ

「……っ、ど、どうしましょう……」

いきなり全部?
……それは、何だか味気ない気がする。

(……せ、整理しましょう。
 必要な事って、何かしら。)

      (わ……私がピアノを弾くなら、お店を回してくれる人。
       『RLP』に専念するなら……と、とっても優秀なスタッフ?
       ど、どちらにせよ、人を用意できるような絆の力……)

まずは――

「……こ、これに、しようかしら。」

          ソ …

『ブレーメンの音楽隊』を、引き出そう。
他の物に比べ、明確に『音楽モチーフ』なのが選んだ理由。

それから、西のキーホルダーも手近な机においてみる。

365『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/09(日) 00:33:47
>>364
『ココロ』は『手の甲の湖』の内に、
予想外に多くの『絆』が宿っている事に戸惑いながら、
そのうちのひとつ、『ブレーメンの音楽隊のミニチュア』を引き出す。

ご存知のとおり、『ブレーメンの音楽隊』は、
『ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリ』が主役となる話であり、
このミニチュアは物語の名シーンの再現、
つまり、その四体が連なる形で構成されていた。

そして、触れた途端、以下の情報とこの人物の『顔』が『ココロ』の脳裏に浮かぶ。
――――――――――――――――――――――――――――――――
メンバー名:板踏甲賀
ココロとの関係:ミスコンの審査員として『ココロ』のピアノに接した
能力:音楽により、『炎』を強めたり、変化させること
――――――――――――――――――――――――――――――――


更に、西のキーホルダーに触れれば、昨日と同じ情報、すなわち、
――――――――――――――――――――――――――――――――
メンバー名:西真寿
ココロとの関係:『ココロ』のピアノを聴いて気持ちが救われた
能力:『写真』などで見た、人や生物の群れ、『群衆』に変化する事
――――――――――――――――――――――――――――――――

 が、脳裏に浮かんだ。

「あとは『ココロちゃん』の能力で命を吹き込めば、
 これらは自分で考えて動く存在になるはずじゃな!

 あ、そうそう。『絆』は相手の性格や能力を真似るモノではあるが………
 まったく同じものじゃあないので注意するのじゃ。
 『らぢお』みたいなもので、『電波』が悪いと、『のいず』が入って、
 変な性格になったり思考が安定しなかったりするが、そこはまあ『ご愛嬌』じゃな」

『レイク爺』が補足してくれる。

366ココロ『RLP』:2015/08/09(日) 00:52:58
>>365

「……この人は――」

      (……え、ええと……あっ、そ、そうだわ。
       ミスコンの審査員で、す、吹奏楽部の……!
       わ、私ったらすぐ思い出せないとか、さ、最低よ……)

板踏とは喋ったこともない。
だが――

(……手を、差し伸べてくれる。
 彼のスタンド能力のことは、初めて知ったけれど……
 ……こ、これプライバシー的に大丈夫なのかしら……?)

       (……い、いえ。そんなことより今は……ありがとう。)

ピアノが紡いだ糸。
そこに貴賎はない。西と同じくらい、尊い絆。

「わ……わかったわ。やってみる。」

          「……『RLP』。」

エアピアノ演奏を始める。
曲目は先程と同じで、『メヌエット ト長調』で。

(……の、ノイズって一体どんなものかしら……?
 変な性格って、い、一体……?)

何だか不安要素が増えたが、まあご愛嬌か。

367『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/09(日) 01:09:01
>>366
       ♪
               ♪

再度、『ココロ』の手が『メヌエット ト長調』を奏で始める。
それに伴い現れる『鍵盤』、つまりそれは『RLP』の能力の開始の合図だ。

     ムクリ

それにより起き上がり、大きく伸びをする『ブレーメンの音楽隊』。
そして―――

  「アニマンド」「アニマン」「アニマンテ」「アニマート」
       「「「「アニマツィオーネ!!」」」」

『ブレーメンの音楽隊』を構成する四匹の動物は思いのままに鳴いた。

鳴いた。鳴いた。鳴いた。

                      ………そして、鳴くだけだ。

これが『ノイズ』というやつか? コミュニケーションがとれる予感があまりしない。

                             「しょせん畜生か………」

『レイク爺』が忌々しげにそう呟く。


一方、『群衆のキーホルダー』は普通に起き上がり、
『ココロ』に向かって手を振っている。

「………きょうも」「………よろ」「………しく」

こちらはまだ、『意思疎通』が可能なようだ。

368ココロ『RLP』:2015/08/09(日) 01:21:04
>>367

     ムクリ

「あっ、こ、こんにち――」

         「ひゃっ」

             「……な、鳴いたわ。」

(こ、この子たちは喋れないのかしら……?
 ……と、というかレイク爺はなんでそんなに辛辣なの……?
 ど、ど、動物が嫌いだったりする……のかしら?)

動物嫌いなのだろうか?

「ど、動物でも絆だわ……
 み、みんな、よろしくおねがいね。」

……そしてキーホルダー。

「あ、よ、よろしくおねがいね、みんなも……」

キーホルダーにも挨拶する。
さて、ここからどうするか……

(……あ、自、自分で考えて動く……のよね?)

「……ね、ねえ、みんな、相談したいことがあるのだけど……
 ええとね、今、お、お店をやらなくちゃあいけないの。
 それで、今からお店員さんを見つけるための、いいアイディアってあるかしら……?」

どの程度彼らが『考える』のかは知っておきたい。
ココロにもないアイディアを生むのか、それともそれほどではないのか……?

         (西さんの能力にお願いするにしても……演奏とは両立できない。
          準備を手伝ってもらうことは、で、出来るのでしょうけれど……)

369『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/09(日) 01:43:57
>>368
めくるめく展開に戸惑う『ココロ』。
『レイク爺』に関しては動物嫌いというより、
いい意味でも悪い意味でも『素直』なのかもしれない。

そして『ココロ』は、『絆』達に『アイディア』を求める。
            果たして『意見』は出てくるのか―――

            (※以下はPLへのレス※)

<相談システム>

・このミッションには『絆』たちと『相談』出来るシステムがあります。

・『相談』には、GMが操作する『絆』たちから助言を得る『簡易相談』と、
 『絆』の元々のPLたちから助言を得る『本格相談』があります。

・『簡易相談』を選んだ場合、単純に通常の流れの中で
 GMが操る『絆』たちからの助言が得られます。

・『本格相談』を選んだ場合、ミッションは一時、『相談タイム』に入り、
 GMが『点呼スレ』にて『絆のPL』たちに『助言依頼』をかけます。
 その後、『助言』があるPLがこのスレにて自らの『絆キャラ』を操作し、
 『ココロ』は彼らと相談する事が可能となります。

・『本格相談』で『助言』出来るのは、現在表に出ている『絆』のPLのみとなります。
 (現在なら、『板踏PL』のみ)。

・『本格相談』において他PLが『助言』するかは完全に任意となります。

・『本格相談』は規定日数が経つか、『ココロ』が『相談終了』するか、で終了となります。

・『本格相談』か『簡易相談』かは相談希望時に『メール欄』で宣言願います。

 (※以上を踏まえ、次レスにて『相談種類』をお選び下さい。質問レスも受け付けます※)

370ココロ『RLP』:2015/08/09(日) 02:02:56
>>369

『絆』を紡いだ者達はココロとは全く違う人生を歩んでいる。
ゆえに、その助言はおそらく、大変役に立つはずだ。

(そうじゃなくても……ひ、一人で考えるより……
 みんなで考えたほうが、ず、ずっと……気持ちが楽だわ。)

さて、どんな意見が出てくるのやら――

       (……けど、ど、どうせ意見を聞くなら、もう少したくさんのほうがよかったかしら?
        い、いえ、あんまりいろんな意見がありすぎたら、かえって混乱しちゃうわよね……)

371『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/09(日) 02:11:28
>>370
「………私の力で」
 「………いろんな『人』になれる」
  「………『店員』にも」「………10人以上いる『写真』とか」
   「………『繁華街』なら、望みの『店員』が居る」「………はず」
     「………実際に『撮って』くれば」

『ココロ』の問い、『店員を見つける為のアイディアがあるか?』に
答えたのは『群衆のキーホルダー』だった。
まるで伝言ゲームのように一体一体が継ぎ足し継ぎ足し喋っている。
しかし………それは『ココロ』の想定内の『答え』。
『西の能力』を用いるという案だった。

「………ココロさんのピアノ、好き」「………それを聴きながら」
       「………働くのは」「………楽しそう」

372ココロ『RLP』:2015/08/09(日) 02:33:15
>>371

「そ……そう、よね。
 西さんの能力を使えば、て、店員さんは集まるわ。」

          「けれど……」

この案の問題はひとつ。

(わたしの理解が正しいなら、だけれど……
 西さんの能力は『すごく便利』だわ……で、でも……)

「でも、『写真のお店と同じ』……にしかならないわ。それじゃあ、勝てない気がするの。
 それに、わ、私は『エアピアノをやめられない』から、お、お客さんの前に出られないし……
 ……あ、『RLP』は、スタンド使いにしか聞こえないの。お客さんには、聴いてもらえない……」

つまり、西の能力で店員を用意する場合の難点は――

1.どこまで行っても素材の店と同等かそれ以下になる
2.ココロの自由がない(エアピアノ継続のため、ピアノも弾けない)

総合して、客からすれば『普通の店』にしかならない。
それも、『群衆』の統率が完璧に取れてようやく普通の――だ。

「ごめんなさい……で、でも……ありがとう。
 ピアノ……好きって、言ってくれるのは、すごく嬉しいわ。
 そ、それに、このアイディアも、な、なんとかして、上手く回したら……」

          「……そうしたら、う、上手く行くと思うのだけど……」

  「ど、どうしましょう……」

つまり、『普通の店』を超え、プロに勝るような何かを用意出来たら、だ。
そのためにはやはり――

(私は演奏に専念しなきゃだもの、頼れるのは……他の人との、絆の力。
 に、西さんや板踏さんだけじゃあなくて、他の誰かの……?)

絆の力は併用できる。
『7WC』にプラスして、店の売りになるような能力があるなら……

              (……や、やっぱり、みんなの絆を確認した方が良いかしらね。)

373『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/09(日) 02:48:11
>>372
「………そっか」

『群衆のキーホルダー』は『ココロ』の説明に押し黙ってしまう。

『どこかの店員をそのままコピーしただけではそれ以上の質は得られない』

       『ココロはエアピアノをやめられない』。

西の能力を素直に使うにはその二つの『問題』が立ちはだかる。

「コンピレーション!」「セッション!」

                        「デュオココロ!」「ココロ&ココロ!」

空気を読まずに『ブレーメンの音楽隊』が奇妙な鳴き声をあげている。

「ええい! やめんか! 大事な会議中じゃぞォッ!」

『レイク爺』の怒りの説教が愉快な畜生たちに浴びせられた。

 ………

                   さて、どうするか。

ほかの『絆』を確認するか、それとも、
もう少しこの『問題』について考えてみるか。

374ココロ『RLP』:2015/08/09(日) 03:08:18
>>373

「……ごめんなさい、悪いアイディアじゃあ、ないのだけど――」

            ……ピタ

               「……!」

――どうやら思い違いがあったらしい。

「待って、れ、レイク爺……この子たちも作戦会議のメンバーだわ……」

演奏を続けながら、音楽隊に目線を合わせる。

「……ごめんなさい、音楽隊さん。
 私ったら、は、早とちりだったわ……ありがとう。」

喋ることは出来ない。
しかし、考えてくれるし――『立案も、出来る』のだ。

           ・・・・それは盲点だった。

「『デュオ』――」

         「私と私のセッション……
          に、西さんの能力なら、出来る……っ。」

「私が写った写真を、何とかして……手に入れればいいんだわ。
 あ、い、いえ、私と……店員さんが、何人か……9人以上、ね。」

つまり……こうだ。

『ココロと店員』が写った写真を、何とかして用意すればいい。
そうすれば……『演奏』と『接客業』を、『ピアノ』と『RLP』を両立させることが出来る!
群衆のココロはスタンドこそ使えないが、ピアノ演奏は可能なはずだ。

           (そ、そのためには……どうすれば、いいのかしら……)

料理は事前の作り置きも可能だ。
それこそ『7WC』なら、超一流料理人も呼び出せよう。

……つまり、望ましいのは『接客が出来る者』だ。
もちろん、料理もできるに越したことはないが……

(それに、しゃ、写真も……撮らせてくれるようなお店って……?)

                 ・・・・新たな悩みは出来た。
                     だが、前進は……したはずだ。

375『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/09(日) 03:36:45
>>374
『ココロ』は『ブレーメンの音楽隊』の鳴き声に意味を見出す。
『二人のココロ』。『写真』の『群衆』を発現出来る、というのなら、
その『写真』に自らが映れば自分を『二人』にする事が出来る。

この『群衆のキーホルダー』ひいては西が持つ能力、
『セブン・ワールズ・コライド』については『友達化』により、直感的に把握できていた。
『群衆』において『個別性』はほぼなくなり、その者の『性質』と、その写真に写った時の『目的』が重視される。
つまり、撮影の際に『店の為にピアノを行う』という目的をしっかりと念頭においておけば、
『群衆』としての『ココロ』は、問題なく『ピアノ演奏』なり『接客』なりを行ってくれるだろう。

「………できる」「………できるね」

『群衆のキーホルダー』も『ココロ』の考えを肯定してくれる。

「………あとは」「………難しいかもしれないんだけど」
 「………色んな人を集めて」「………凄い人たちをね」
 「………手伝う気持ちになってもらって」「………写真撮影したら」
  「………まるごとひとつの『店』からコピーするより」
   「………もしかしたら」「………すごいものが出来ちゃうかも」

『セッション』とはバンド演奏の事ではあるが、たまたま揃ったメンバーで行う合奏の事も言う。
また、『コンピレーション』は様々なテーマを元に楽曲を『寄せ集めて』作るアルバムだ。

『音楽隊』が示唆し、『群衆キーホルダー』が明言した『精鋭部隊』の編成。
もちろん、そもそもそんなメンバーを『探して集める』のが
普通の店員をまるごと使うのよりよほど難しい事、
また『急造チーム』ゆえの脆さが出るケースも考える事などの懸案事項はあるが、
少なくとも『写真の店と同じ』だけの『普通の店』から脱却できる可能性は出てくるのかもしれない。

これはあくまで一つの『道』に過ぎない。
そこまで行けば普通に『実物』の店員を勧誘するという手もあるだろうし、
ほかのやり方はいくらでもあるだろう。

ただひとつ確かな事は、いずれにせよ
『店』の方針を最終的に決めるのはほかならぬ『ココロ自身』だという事だ。

376ココロ『RLP』:2015/08/09(日) 23:26:19
>>375

「そ、そうだわ……セッション、コンピレーション……
  ……ど、どの道、『ふつう』じゃあ、あ、あの女には勝てないと思う。」

            「……そ、それなら。」

キーホルダーにノせられるココロ。
思えば場所祭りへの参加もノセられてのことだった。

     (い、いろんな分野のプロ……どうやって探すのかとか……
      そもそも、見つかるのかとか、も、問題は……あるけれど。)

「……それなら、で、出来るだけ普通じゃなく……
 そ、そう。どうせ私達は寄せ集めチームになるしかないのだし……」

「飛び切り、本当に飛び切り……
 ごっ、豪華な寄せ集めを、目指しましょう。」

失敗した場合のプランは朧ながら立っている。
『接客してくれて写真も撮らせてくれる業種』には心当たりがある。

「……で、でも、どんな凄い人を集めましょう……? 
 料理とか、せ、接客とかは、ともかくとして……」

再び、案を募ってみよう。
料理人は複数いていいし、接客も複数欲しい。

            ・・・・それ以外に、どんな人員が必要だろう?

(お、お会計の人とかはべつに要らないし……
 ……お、お酒のソムリエさんとか……?
 で、でも、あんまりいろいろすぎても、さ、流石に空中分解しかねないわ。)

メインコンセプトは『ピアノを聴きながら飲食をする店』だ。
まあ夜の店なので酒担当はいてもいいかもだが……

                 (あっ……ピ、ピアノは絶対使うのだし、買いに行くべきよね。)

……ピアノも群衆に着いてくればいいのだが、サイズ的に無理らしい。
なんにせよ、リサイクルショップにはいくことになるか……

377『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/10(月) 00:01:55
>>376
「………それは」「………ええと」
 「………なんかこう」「………いい感じのね」

『どんな凄い人を集めるか?』という問いに
『群衆のキーホルダー』は曖昧な返答をする。
とりあえず今はこれ以上のアイディアはないようだ。

『音楽隊』も満足したようで各々毛づくろいを始めている。


          「あくまで『ひとつの情報』なのじゃが―――」

ここで颯爽と口を開いたのは『レイク爺』。

「ワシがしっとる『夜の店』じゃあ『ショー』とかあったぞい!
 オナゴが舞台で特別な衣装で、めくるめく『舞い』を踊るのじゃ!
  そうゆう『催し』が出来る人材を募るのもいいんじゃあないかの?

 あとはそう、なんちゅったか………そうそう、『こんせぷと』?
  『衣装』とか店の雰囲気を決めて、
   ほかの店と差別化をはかるところもあったのう」

『レイク爺』が言っているのはちょうどこの一階の
 『メイド喫茶』のようなものなのだろう。
  『正統派』の店では勝てないからそのような『絡め手』で挑む、
   というのも一つの方向なのかもしれない。

378ココロ『RLP』:2015/08/10(月) 00:24:19
>>377

「そ……そうね。ありがとう。」

(……こ、これ以上を考えるのは、私の役目だわ。
 でも、な、なにをどうしたら人が集まるかしら……)

       ・・・・と。

「あっ……そ、そうね、レイク爺。
 ピアノ以外のパフォーマンスも、あった方が良いわよね、ええ。
 コンセプト……と言うのは、む、難しそうだけれど……」

(さ、流石詳しいわね……
 で、でも衣装なんて、そんなにたくさん用意できるかしら……)


       「……あ。」

「そ、そうだわ、レンタル衣装屋……とかも、あるものね。
 ど……どう、しましょうかしら……」

方向性を『搦め手』にすることは決まった。
得意分野でもないのに正攻法で勝てるほどの自信はココロにはない。

       (このメイド服は嫌だわ……ピ、ピアノとも合わない気がするし……
        ……ピ、ピアノに合うコンセプト……って、何かしら、お嬢様……?)

……そう言えば、今何時くらいだろうか?
というか、どれくらいの時間が経過しただろうか。

379『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/10(月) 00:43:29
>>378
『話し合い』により少しずつ『店の方向性』を定めていく『ココロ』。

ここで『時間』を気にしてみる。
『開始』したのがおそらく『14時』ごろだったはずだ。
そこから6時間というと、『店の開始』は『20時』ごろか。
そして今は………『14:52』。もう『一時間』近く経っていた。
何をやるにしても早いに越した事はないだろう。

「お、そうじゃ。言い忘れとった事があった」

 と、ここで『レイク爺』が話しかけてくる。

「前にも『ココロちゃん』みたいな『異能』をもった者を
  『代表』にした事があって、そこで気付いたんじゃがの。

  自分の『能力』を宿したモノが離れられる距離があるじゃろ。
  アレ、どうやらワシを『基点』にしても大丈夫みたいなんじゃ。
  『代表契約』をした時点でワシと『代表者』、
   つまりココロちゃんは『一心同体』の扱いになるようじゃの! フホホッ」

少し分かり辛いが、要はいわゆる『能力射程』の話か?
本体である『ココロ』だけでなく、『レイク爺』を基点として
『かわいいもの』を『友達化』のまま行動させる事が可能という事だろう。
つまり『ココロ』から『50m』、『レイク爺』から『50m』。
これを上手く使えば、『二面作戦』をとれるかもしれない。

380ココロ『RLP』:2015/08/10(月) 01:02:06
>>379

(も……もう、こんな時間……!?
  ど、ど……どうしましょう、ま、間に合うの……!?)

時間的な危機感も沸いてきた。
……さて、どうする。

「……み、みんな、ありがとう。一旦休んでいてちょうだい。」

演奏を停止。

     (か、貸衣装? ピアノを買いに行く?
      それとも……ひ、人を探しに行く……!?)

「えっ……な、何?」

レイク爺の話を聞く。
つまるところ……

      (す……すごく便利と……いうことね。
       いろんなもの、さ、探すのにも……!)

あるいは、店の運営にも――だ。
これで広い店でも全体に『RLP』を展開できる。

「……れ、レイク爺、貸衣装屋さんって、この辺りにあるかしら。」

       スス

スマホを取り出し、一応検索してみる。
何の衣装を借りるか、だが……

     (他のパフォーマンスは、見つかるか分からないし……
      お、お嬢様……? お嬢様喫茶って何よ……
      ……も、もっとこう、魅力的で、い、嫌らしくなくて……)

それは考え中だ。
なんにせよ、合わせる衣装はあって損しまい。

381『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/10(月) 01:12:52
>>380
『ココロ』が演奏を止めると『群衆のキーホルダー』も、
『ブレーメンの音楽隊』もその動きを止める。
持ち歩いてもいいし、おそらくだが手の甲の
『湖』に入れれば、同じようにたゆたうのだろう。

「貸し衣装屋………おお!なんとなくしっとるぞい!
 それもわりと近いはずじゃ!
 『繁華街』はワシの故郷のようなモンじゃ! なんでもきいとくれ!」

『湖畔』の精霊らしからぬ台詞を吐く『レイク爺』。
どうやら、心当たりがあるようだ。
『スマホ検索』でも確かに一件、『繁華街』に貸衣装屋があるのが分かった。

382ココロ『RLP』:2015/08/10(月) 01:42:23
>>381

(……み、湖の中の方が、彼らは安らぐかしら?
  ……そ、そっ、それとも、私の傍においておく方が良いのかしら。)

……とりあえず、持っておこう。
ブレーメンはバッグに。キーホルダーもだ。

「……あ、貴方……い、い、いえ、ありがとう。」

      (……わ、私に教えてくれるのだもの……
        こ、細かいことは、か……考えなくていいわ、ええ。)


まあ、息抜きは大事だ。
湖畔には娯楽施設とかはないし……

(……そもそも、わ、私さっき自分で思ったんじゃない。
 レイク爺がどこでどんなことをしてても、彼の勝手だわ……)

「そ……それじゃあ、行きましょう。貸衣装屋さん。
 ……わ、私、そういうお店って初めてだわ。」

スマホ検索で正確な場所を調べつつ、レイク爺に案内してもらおう。

383『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/10(月) 02:02:45
>>382

 とて とて
          とて とて
                    とて とて

なぜか意気揚々と歩く『レイク爺』と共に
『ココロ』は『貸し衣装屋』へと向かう。

 そして―――

                「ここじゃあッ!」

 『ひとあじ違う お・た・の・し・み!
          レンタル☆コスチューム  きぶくれ 』

なにやらネオン煌びやかな『ホテル』の隣にその店は存在した。
派手な看板には可愛い文字で上記の文字が並ぶ。

  ………
         ………
               ………
                    まあ、確かに『貸衣装屋』では、あるか。

                           → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた今夜………)

384ココロ『RLP』:2015/08/10(月) 02:16:41
>>383

 とて とて
          とて とて
                    とて とて

(あ……足取りに迷いがないわ……
 い、いったい、どんな貸衣装屋かしら……?)

        (ど、ど……ドレスとか、あるかしら……?)

べつにドレスが着たいとは言ってない。
……そして。


         「あ、ここ――」

「……えっ……」

看板を見た後、スマホで店の位置を確かめる。
……ここ、なのか?

         「れ……れ、レイク爺……?」

(こ、このお店……わ、分かるわ……
 このお、お店に入るのは……わ、私きっと許されない……!)

                   (つまり……い、いやらしいお店だわ……!)

ココロはU18だ。
……これはまずいのでは? いいのか?

385『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/10(月) 23:04:22
>>384
眼前の『貸衣装屋』に、猛烈ないかがわしさを感じる『ココロ』。
店の位置は、確かにここだ。

『スマホ』でのネット検索では店のHPなどはなく、簡素な店舗まとめに
業態:貸衣装 店名:きぶくれ と書かれているだけだったので
『こんな感じ』だとは、分からなかった。
しかし、『メインストリート』ではなく、わざわざ『繁華街』にある『貸衣装屋』。
それを考えれば『こんな感じ』というのは自然な形態なのかもしれない。
店舗としてはかなり大きめであり、結構な『在庫』があるのではないか、と推察出来る。

          「よかったねー」「借りれたねー」

                             と、ここで。

店からまだ中学生くらいの女子二人が和気藹々と出てくる。
抱えている大きな袋には何かしらの『衣装』が入っているのだろう。
あくまで観察する範囲においては、この二人は健全そのもので、
学校や何かのイベントで『コスプレ』でもするのに用いるのだろう、と思わせられた。


                     「どうしたんじゃ? 早く入ろうぞ!」

『レイク爺』が『ココロ』を促してくる。

おそらく、『商店街』側にも、もう少し普通の『貸衣装屋』はあるだろうが、
そこまで行くと時間のロスは避けられないだろう。
思い切ってここに入ってみるか、それとも『商店街』まで向かうか―――

386ココロ『RLP』:2015/08/10(月) 23:49:17
>>385

「すぅ〜………………はぁ〜っ……」

      「……い、い、いいのよね?」

                「入っていいのよね……!?」

出てきた中学生くらいの女の子たち。
借りれた……という言葉はウソではあるまい。

(う、ウソだとしたら、世界はどれだけ私に厳しいのよ……
 そ、そ、そんなの被害妄想にもほどがあるじゃあない。)

         ゴクリ

商店街の店に行くか?
……否だ。ここで時間を食うと、後のスケジュールにも差し障る。

              「……え、ええ。」

「ええ、入りましょう……!
 こ……後悔はしないわ……い、いえ、したくないだけ……」

ここは覚悟を決めて、入店――だ。

387『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/11(火) 00:05:17
>>386
逡巡の結果、店に入る事を決意した『ココロ』は、眼前のドアを開く。

店内に入ると目に飛び込んで来たのは多種多様の『コスチューム』だった。
様々な『職業』の『制服』、学校の『制服』、
『民族衣装』のようなものや『着ぐるみ』、
『ゲーム』や『アニメ』をモチーフにした衣装などなど……。
相当な品揃えがあるようだ。


         「お客様は『ホンモノ』を求める」

           不意に、声が聞こえる。
        男性の声だが………裏声を用い、
      出来るだけ高い声を出そうとしているようだ。

 「『安ッぽい』モノは一切置かない。
          だからお客様に愛される―――そうでしょお?」

『ココロ』は声の方向を見やる。
    そこに居たのは、巨大な『布の塊』。

                  いや、違う―――人間だ。

ウィッグと思われる長い金髪に巨大なサングラス、2m近い身長の人物。
 これだけでも十分な存在感だが、それらの特徴が霞むほど、圧倒的なのはその『身体』!
  顔を除く体の各所がビッグサイズの『力士』のボリューム。
  だが、太っているのではない。
    おそらく『服』を幾重にも幾重にも着込んで
       あれだけの大きさになってしまっているのだ!

「毎日迷っちゃってたのよねェ〜〜〜着ていく『服』。
 アレもいい、コレもいい、だから、到底選べない。
               そういう事って、あるでしょお?

  そんなある時、気付いたの。
    だったら『全部着ちゃえばいいんじゃない』?

            その成果がコ・レェ。うふふ、凄いでしょお?」

   ………
                     ………

店内に他に人は居ない。つまり、彼(彼女?)は、この店の『店員』だろう。
非常に残念な事だが、『ココロ』は今から
この人物と『交渉』をしていく必要があるようだ。

388ココロ『RLP』:2015/08/11(火) 00:24:51
>>387

「あ……」

     (あら……み、身構えたのは失礼だったわ。
      ふ、ふつうに、たくさんの衣装があるだけじゃな――)

――と。

「ひゃっ……」

(こ、声……お、男の人かしら? お、女ではなさそうだけど……
 ……で、でも、人なんて……あ、あそこから聞こえるけれど……)

        「……えっ……!?」

ココロの視界に入っていたソレ。
およそ人間だとは認識できなかったが――

「あっ、きっ……き、着膨れ……あ、貴方が、このお店の……?」

       (そ、そういう意味だったのね……!
        ……い、今のリアクション、失礼だったかしら。)

なるほど、看板に偽りなしというところか。
商品のクオリティは、これから見るところなので、何とも言えないが。

「……そ、そ……そうね。凄い……わ。
 ぜ、全部着ちゃうなんて、わ、私、思いつきもしなかったわ。」

         (お、思いついてもやらないかもだけれど……
          で、でも、アイディアが、す、すごいわ……
          ……で、でも暑くないのかしら? 我慢してるのかしら?)

凄いという言葉には反論しようもない。
そして、彼?のファッションへの情熱も……か?

389『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/11(火) 00:41:22
>>388
「んん〜〜〜あなたは『分かる』人みたいねェ。お客様!
   ワタクシはそういうあなたを歓迎します! ンホホ」

 『ココロ』の『凄い』という言葉に『きぶくれの店員』は喜びの声をあげる。

「それで、一体全体どういったものをお探しィ?
 どのような衣装でも、どのような用途でも、
   このレンタル☆コスチュームの全力をもって提供するわよお!

   もちろん自分の目で一つ一つ見ていってもらっても構わないけどォ」

そして、『きぶくれの店員』がこんな言葉をかけてくる。
衣装の量は膨大だが、眺めているうちにいい案が浮かぶかもしれない。
逆にもう心に決めた『衣装』があるのなら、店員に見繕ってもらうのもいいだろう。

390ココロ『RLP』:2015/08/11(火) 00:58:53
>>389

「わ、分かっている……かしら? あ、ありがとう。
 ……ま、まずは、自分の目で見てみようと思うわ……」

腹案はないでもないが、不安定だ。
ここは、インスピレーションに賭けてみるのも一興だろう。

       (そ、相談するほどではないわよね。
        ……するならいくつかに絞ってから相談、が良いかしら……)

絆たちの意見は最大限取り入れたい。
彼女ら、彼らもココロの一部だから。

「……あ、で、でも、どこに何があるかは聞きたいわ。
 なんというか、え、ええと、落ち着いた感じの……
 キャラクターのコスプレとかとは違う感じの衣装を、探しているのだけれど……」

ジャンルごとに分けられているなら、求めている類型の位置は分かるかもしれない。

391『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/11(火) 01:14:52
>>390
「ん〜〜それなら、そっちらへんかしら?」

『きぶくれの店員』が指差した方向にはパーティーに
着れそうなドレスやタキシードなどが並んでいる。

「何に使うのか知らないから提案も曖昧になっちゃうけどォ」

店舗内は大体『フォーマル衣装』『職業・学校の制服』
『着ぐるみ』『民族衣装』『アニメ・ゲーム等のコスプレ』
『その他カジュアル服』といった感じに分かれているようだ。
店員が指したのは『フォーマル衣装』のコーナーだが
興味があれば他のコーナーをチェックするのもいいだろう。

392ココロ『RLP』:2015/08/11(火) 01:26:58
>>391

「あ、あっちね。ありがとう……あ、え、ええと……」

     (そ……そうだわ。この人はファッションの専門家。
      衣装のことなら、そ、相談するのにすごくピッタリなはず……)

ココロの店の『精鋭』には向いてないだろう、たぶん。
だが……『凄い人』であるのは確かかもしれない。

「ごめんなさい、つ、使い道を言うべきだったわ。
 え、ええと、今、一日だけのお店をやろうと思っていて……」

「そ、それで……ピアノを、そこで弾こうと思っているの。
 く、詳しくはないけど、ピアノバーみたいな……」

「……そ、そのお店の、店員さんの衣装をそろえたくて……ここに来たのだけれど……」

フォーマル衣装は悪くない気がする。
ココロとしても、ああいうドレスは着ることもあるし。

(……て、店員さん用の衣装なら、制服コーナーの方が良いのかしら?
 で、でも、スーツが征服というのも、別におかしくは、な、ないわよね……)

……具体的な『用法』は説明した。
流石に場所祭り云々は言っていないが。

393『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/11(火) 01:55:44
>>392
「なるほどねェ〜〜うんうん
            そうなのお〜〜〜」

『きぶくれの店員』はその巨体を震わせてココロの話を聞いてくれた。

「なら、こういうのがいいのかもねェ。

  あ、いや、これも………ちょっと冒険しちゃってこれもかな?
    いえいえやっぱりシックに決めた方がいいという事もあるわねェ。

               これも、これも、これも、これも………ッ」

そして、『きぶくれの店員』は『ココロ』の為に服を選んでくれた。

    くれた―――
                  のはいいのだが………

             ど
                 っ  さ
                         り

そうだ、この『店員』………『服』をひとつに『絞れない』のだった。
チョイスされた『服の山』を見て、『ココロ』はそれを思い知らされる。
服のひとつひとつはそれぞれ『ピアノバー』にふさわしいものだとは思えるが………

『衣装』を選択するのは、結局のところ、
『ココロ自身』である、という事なのかもしれない。
ただ、もちろん、『絆』の意見を募るのもいいだろう。


                            → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた今夜………)

394ココロ『RLP』:2015/08/11(火) 02:15:44
>>393

一つに絞ってほしかったわけじゃあ、ない。
ココロはちょっと、指針が欲しい。自分で全部決めるには自信が足りない。


             ど
                 っ  さ
                         り

「あ……ありがとう。こ、こんなにいろいろあるのね……!」

(ちょ、ちょっ……と想像以上に多いわ……!
 こ、これ全部見るのに、どれくらい時間かかるかしら?)

         ・・・・適当に三枚ほど抜き出してみる。

冒険したもの。
シックなもの。
あとは……目についたもの。

そのあたりの三種を選びたいところだ。

         「……レイク爺?」

そういえばレイク爺が静かだ。
『湖』を使うかもなので、呼びかけておこう。

395『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/11(火) 23:43:36
>>395

『ココロ』は『服の山』から適当に三枚抜き出す。

シックなもの(ttp://food-uni.com/user_data/packages/default/img/pages/b00010.jpg)
冒険したもの(ttp://image.rakuten.co.jp/acomes/cabinet/item3/45917.jpg)
目に付いたもの(ttp://image.rakuten.co.jp/auc-komuronokimono/cabinet/00995865/cd-12-9t-t-1.jpg)

時間もあまりない。素直にここから選んでしまうのもひとつの手だろう。


それと共に『レイク爺』に声をかける。

       静かだと思ったら、居ない。いつのまにか。

 ………
        ………
              ………

店内を見渡す『ココロ』。
その目に『制服コーナー』や『コスプレコーナー』を素早く横切る影が映る。
言うまでもなく、それは『ココロ』が探している小さな老人の姿だ。
あの『老体』に、これほど素早い動きが出来るのか………
いや、そもそも『小人』に『老体』という概念をあてはめていいのかも分からない。

396ココロ『RLP』:2015/08/12(水) 00:22:14
>>395

「……こ、この中なら――」

       ス

ココロが選んだのは『シックなもの』だ。

これは好みと言えるし、揃えれば『使用人』っぽく見える。
ピアノのイメージが『お嬢様』なら、マッチするはずだ。

(い、いわゆる執事喫茶というものになるのかしら?)

「……これが素敵だと思うわ。」

          (え、演奏用のドレスは家にあるもの……
           あ、で、でも持ってくるのに、時間がかかるわ。)

     ――と。

「あ、あら……?」

(な、何をしているのかしら……?
 ま、まさかとは思うけれど……)

彼好みの衣装を集めているのでは――?

            (い、い、いやらしい衣装ばかりだったりするんじゃあ……?
             だ、だめ。レイク爺をいくらなんでも馬鹿にし過ぎだわ、き、きっと。)

いやしかし、ありえない話でもあるまい。
そして、それがあながち『馬鹿げた考え』でも……あるまい。

(そ、そうよね、夜のお店……だもの。
 い、いやらしい方がお客さんはよろこぶのかも……)

397『ニエノユメ』:2015/08/12(水) 00:28:35

耳元で声がした。


  ――お前たちは『過ち』を犯した


                 ――犯した


  ――知を捨てて目前の血を求めた


                 ――求めた


  ――血と命 命と血  狭間にある真理を解けなかった


       ―愚カ   ―愚カ  ―愚カ  ―愚力


 ――さようなら 愚かで知を忘れたイケニエ達


 ――何時かまた 乙女に見初められた時     


       



         ――マタ  オ  イ  デ

398『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/12(水) 00:37:15
>>396
『ココロ』はその中から更に一着、『シックなもの』をチョイスする。
男性、女性用双方が対になるように揃っており、
今後、どんなメンバーが揃っても対応出来るのが魅力だ。

 と、そうこうしているうちに―――

「よォし! 見つけたぞい!
    『ぴあのばー』にピッタリの衣装じゃあッ!」

『レイク爺』が『ココロ』の元に戻ってくる。
どうやら、一着の衣装を引きずってきているようだ。

 「いいかの! フツーのやり方じゃあ、あの『盛り髪』の女には勝てん!
   つまり『衣装』だって『ひとひねり』する必要があるのじゃ!

    そこでワシは考えた………

  『湖畔』の自然に思いを馳せ―――
    先ほどの『動物の音楽隊』から着想を得―――
         『ココロちゃん』によく似合う『もちーふ』―――

              全てを兼ね備えた
      イチオシの『衣装』が! これじゃあアアアッ!!!」


         ダァ――z_______ン ! !

そんな高説をのたまう『レイク爺』が持って来たベストセレクション。

 (ttp://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/act-co/cabinet/cl01/img61998236.jpg)

             「これじゃあアアアッ!!!」

399ココロ『RLP』:2015/08/12(水) 00:56:18
>>398

「れ、れ、レイク爺…………」

(す、すごい熱意を感じるわ……!
 そ、そうよ、言ってるとおりだわ。わ、私ったらすぐ逃げに――)

     (……湖畔の自然?
       ブレーメン?
        な、何か雲行きが――)

         ダァ――z_______ン ! !



               「……レイク爺。」

まさかこういう路線とは……


「あ、貴方の好みなのよね、これ……
 ……すー、は―…………こ、これ、ピアノバーに、あ、合うと思うの……?」

どんなバーなのだ。
いや、なんか動物の魅力で癒すとかか……?

       (み、皆で動物の格好をして……あ、アリなんじゃ?
        ……で、でも、でも、そんなのって……)

ピアノの演奏も、何か……牧歌的な曲にすればどうだろう。
そうすれば、なんというかこう、調和が……出るのでは。

400『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/12(水) 01:11:34
>>399
「ん、んん? 『酒場』にあうよう、もっと妖艶なものがよかったかの?
 でもそーゆーのは『ココロちゃん』、イヤかなあと思ってのォ………」

『レイク爺』が言っているのは一般的な『バニーガール』の衣装の事かもしれない。

「かわいらしい感じにしてみたのじゃ!
 『夜の店』じゃからって何も大人の雰囲気だけで攻める事もないと思っての!」

  『レイク爺』は胸を張る。

 ……… ……… ……… ……… ………

さて、とりあえずこの場に居る者の『オススメ』は出揃った。
ここから選ぶか、更に探すか、あるいは―――

                後は『ココロ』の思い次第だろう。

401ココロ『RLP』:2015/08/12(水) 01:31:23
>>400

「た、確かに、そんなにいやらしくはないわ……
 そ、そう、むしろ、可愛い衣装かもしれない……」

        「け、けど」

             「けどよ……」

(れ、れ、レイク爺の言ってることは……間違っていないわ。
 ……で、でも……そ、そう。一言で言うと……こ、これ、恥ずかしいわ。)

レイク爺'sベストとシックな服を見比べる。
なるほど、後者は遊びがない。

               ・・・・前者が遊びすぎな気もする。

(どうしましょう、どうしましょう……)

気づけばその二択になっていた。

無難に、しかしシックに攻めるのか?
それとも兎を選んでぴょんぴょんするのか?

(……か、搦め手じゃないと勝てないのは分かってる。
 じゃあいっそ、ほ、本当に……本当に搦め手を選ばなきゃ勝てないんじゃあ……??)

      「……」

    (こ、湖畔を勝たせるなんて……言ったのは誰?
     私よ……そ、それを、は……恥ずかしがって……)

        「……」

       (どうせ衣装をそろえるなら……
        ちゃ、ちゃんとした、コンセプトがないと……)

          プルプルプル


   スッ

「……こっち。」

・・・・無言で兎を指さした。

ココロは自分の心に負けたのだ。

402『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/12(水) 01:50:38
>>401
悩みに悩む『ココロ』。衣装は重要な要素である。
それに基づき、『店』の雰囲気が決まっていくだろう。

 そんな大事な『衣装』を『ココロ』は………

    ぴょんぴょん

              ぴょんぴょん

                  ―――『兎』のものに決めた。

「………それでいいのォ〜〜?

         なんか言っていた感じと えらく違うけどお」

『きぶくれの店員』がなんとなく不満そうだ。
反対に『レイク爺』はウホウホ言いながらぴょんぴょん跳ねている。
自分の意見が採用された事がよほど嬉しいのだろう。

しかしまあ、とりあえず、『ココロ』の『衣装』はこれでいいだろう。
後は『メンバー』により、その都度、考える必要があるのかもしれない。

まだまだ決定しなければいけない事項は山積み。
 とはいえ、一歩、前進したのも事実。

              この調子で、『店』を完成へと導くのだ―――


                           → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた今夜………)

403ココロ『RLP』:2015/08/12(水) 02:01:33
>>402

ココロ一人でこれを着るのはいかにもバカっぽい。
店員全員を、一つのコンセプトで統一する話だったが――

「……わ、私もシックなのが良いと思ったの。
 でも……お、お客さんは、こういうのが嬉しいのかもしれないわ……」

「そ、そっ……それなら私……私……」

……まあ、実際、メンツが出てから決めても遅くはあるまい。
何もこれを着ないと死ぬ呪いに掛かったわけでもないし。

       「……こ、この種類の衣装って、数はあるかしら?」

一応そこは確認だ。
そのあとは……

(つ、ついにメンバー集め……だわ、ええ。
 だい、大丈夫かしら……こ、ここは相手のホーム……)

               チラ

この辺りに詳しいレイク爺。
自分には無い知見を持つ絆たち。

        ・・・・ここからも、彼らの力は重要になりそうだ。

404『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/12(水) 23:38:30
>>403
「ふゥん……ま、いいけどお。

この『衣装』ね〜〜〜
 まァまァ人気があるから『在庫』はあるはずよ。
 『夕方』に使うんだっけ? 一応用意しといてあ・げ・る」

 『きぶくれの店員』は『ココロ』にそう約束してくれた。

「よかったのォ! うれしいのォ!」

 自分の提案が受け入れられたのがよほど嬉しかったのだろう。
 『レイク爺』の喜びの舞は続く。
  彼の中ではすでにこの『衣装』を使う事は確定事項になっているようだ。

さて、仮とはいえ『衣装』は決まったが、
まだまだやらないといけない事は多だろう。

                      次はどこへ行くべきか―――

405ココロ『RLP』:2015/08/12(水) 23:50:46
>>404

(な、何だか不安になって来たわ……
 し、シックな方が、受けるのかしら……?)

『きぶくれ』は専門家だし、こうなってくると不安も増す。
レイク爺の助平心を信じたいところだが……

「えっ」

    「あっ」

         「あ……ありがとう。ご、ございます。」

(こうなったら、こ、この衣装で確定だわ……
 も、もう、後には引けないということね。)

まあ、衣装が決まった方がやりやすかろう。
さて、次はどうするかだが……

「……い、衣装は決まったことだし……接客の人を集めたいわ。
 けど、ど……どうしましょうかしら。」

        (……め、メイドカフェ……?
         あそこなら、写真も撮らせてくれるはずだし……)

そう言うサービスがあるとかなんとか聞いた気がする。
ただ、接客力はどれほどのものだろうか……それに、10人もいるのか?

「……レイク爺、行き先……こ、心当たりはある?」

繁華街が故郷の彼は、何か知っているのだろうか?
彼にばかり頼るのもアレだが、コンビなのだし、聞けるところは聞きたい。

406『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/13(木) 00:22:21
>>405
「『接客』のォ〜〜〜 心当たりといっても……
  それこそ『ナイトくん』とかに聞かないとコネとかはないのう」

『ココロ』の問いに『レイク爺』は答える。
彼はあくまで客としてここを楽しんでいるだけで、
特殊なツテのようなものはないという事だろう。

 「ただ漠然と人手が欲しいという事なら、
  手当たり次第そのへんの『店』を回ってお願いしてもいいのじゃろうが……

   そもそも『ココロちゃん』は、『どういう人たち』に働いてもらいたいんじゃ?
    そこをハッキリさせれば、向かうべき場所は自ずと見えてくるのではないのかの」

『レイク爺』は言葉を続ける。
つまりは、店の『コンセプト』の話につながるのかもしれない―――
『ピアノバー』なら『ピアノバー』で、更に一歩進み、
どういった雰囲気で、どんなものを『客』に提供したいのか?

ただ、『ピアノ』を演奏して、お酒や食べ物を提供する。
そんな『普通の店』で、あの『艶美』に勝てるなら問題はないが………

少なくとも今、『レイク爺』はこれ以上の目新しい『コンセプト』は思いついていないようだ。

どうしても一人で決めかねるのなら、『絆』と相談するのもひとつの手。
あるいは、時間のロスを覚悟で『偶然』の出会いに賭け、そのへんの店を回るのも手。
あとは想定のひとつ、『メイドカフェ』に赴いてみるのもいいだろう。

もちろん、他の何をするのも、今は『ココロ』の自由だ。

407ココロ『RLP』:2015/08/13(木) 00:40:03
>>406

「そ、そうよね……」

(れ、レイク爺が何でも知ってるとは限らないわ……
 で、でも、どうしましょう。)

どういう人たちが欲しいのだろうか。
どういう人を集めるのが勝負に有利なのだろうか?

……そもそもこの勝負、明確な『勝ちのライン』がない。
そして、『積み上げ』を確認する方法も、ない。

     ピアノなら積み上げを実感できる。
     料理なら味見で美味しさが分かる。
     
(こ、コンセプトに合わない人って、逆に誰かしら。
 すごく派手な人とか、こ、怖そうな人は合わないわ。
 で、でも……そ、それって私が苦手なだけなんじゃあ……?)

  (……で、でも……怖そうな人がいるお店って、い、い、いやよ。
   派手なお店は、あ、あの女とかぶっているから、負けちゃうわ。)

そうなると、自然に。
目指す雰囲気は――穏やかで、優しいお店だ。
派手に騒いだり、情熱的に楽しむお店ではなく。

(……あのシックな衣装の方がよかったかしら?
 ……でも、ただ穏やかなだけのお店じゃあ駄目でしょうし……)

しかし、それは明確なコンセプトではない。
そも、それにふさわしいメンバー集めを、どうすればできるだろう?

        「と……とりあえず、働いてもらいたいのは……
          ……そ、そうね、あまり派手じゃない感じで、優しい人かしら。」

とりあえず、聞かれたことの答えはそういうことになる。
次に何をするかは決めかねるが……

「……き、絆のみんなにも、聞いてみましょうかしら。」

手の甲の湖はまだ残っているのだろうか?

408『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/13(木) 00:51:47
>>407
『手の甲』の湖は残っており、最初に見たときと変わらず、
『五つ』の品物が光り輝いていた。

すなわち、

『銃を持った軍人のフィギュア』『少しヤンチャそうな雪の妖精フィギュア』
『鈴のついた子狐ストラップ』『太極図にも見えるパンダの意匠のシャーペン』
『蛍光グリーンのデジタル腕時計』

他二つ、『群衆のキーホルダー』と『ブレーメンの音楽隊のミニチュア』も
また、手元で輝いている。どうやら出せる『絆』は先ほど変わっていないらしい。

409ココロ『RLP』:2015/08/13(木) 01:24:42
>>408

「……」

   (あ、の、残っているみたいね。)

さて――

(……そ、相談するなら……落ち着ける場所で、がいいわよね。
 お外でするわけにも、だし……)

……相談したところで、衣装はもう確定みたいなものだ。
つまり、する相談はコンセプトや、この後の人集めに関してか。

      (時間を使いすぎるわけにはだけれど……
       で、でも、闇雲に探し回るよりは、い、いいわよ。)

ココロは、そう思う。
さて、前回の絆二人。今回は――

「あ……貴方たちにも、お願いしようかしら……」

生き物コンビで行こう。
つまり、子ぎつねと軍人。

       (……ゆ、雪の妖精さんも、お願いしようかしら?
        でも、あ、あまり人数が多すぎたら整理できなくなるし……)

ブレーメン板踏は有益な情報をくれた。
実利的に考えても、動物の子ぎつねを呼ぶのはいい案ではないか?

410『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/13(木) 01:32:21
>>409
『ココロ』は悩んだ末に、相談相手を『子ぎつね』と『軍人』に絞る。
現在、『ココロ』はまだ、『きぶくれ』の店内にいる。
一応、『店員』が不思議そうに見守っているが………外よりは落ち着けるか?

(※『相談』を行う場合はメール欄にて相談種類を決めて下さい)。

411ココロ『RLP』:2015/08/13(木) 02:01:28
>>410

(み……み、見られているわ。
 どうしましょう、と、途中で止められたりとか……
 で、でも止めるのが当たり前だわ。ぶ、不気味だし……
 そも、そもそも、私、も、もうお客さんじゃあないもの、きっと。)

(で、でも、あのビルまで戻ると、時間が……
 ……そ、そうだわ。)

         「あ……ご、ごめんなさい。
           もう少し、い、衣装をみ、見て行ってもいいかしら……?」

   「さ、さっきの衣装だけにするとは、限らないから……」

実際、他に何かいい衣装がないとも限らない。
あるならばそれに変えるかもしれないし、全員あの衣装にはしないかもしれない。

      (……ごめんなさい、ば、場所を借りるわ。
       …………『RLP』。)

      〜♪  

二体の『絆』を取り出す。
そして、『RLP』を発動し、彼らを、そして元いた二人を友達化する。

また、ココロはまず、制服コーナーへ。
ここなら、シックな衣装の亜種などもありそうだ。

412『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/13(木) 02:30:20
>>411
「あら? やっぱりまだ悩んでいるのお?
  もちろん。じっくりお選びくださいなァ〜〜〜」

『きぶくれの店員』は笑顔で手を振る。
それをバックに『ココロ』は『制服コーナー』と向かった。

       〜♪

それと共に『ココロ』は、『友達化』を行う。
すでに出してある『群衆のキーホルダー』と『音楽隊』、

  そして―――

……… ……… ……… ……… ……… ……… ………

「ふむ…どうやら『絆』というやつでココロさんの操る
 『フィギュア』に入っちゃったわけですか。」
『軍人』の『絆』は状況をしっかりと把握する。

「…まぁ、せっかく呼んでもらえたのなら、
 ひとつお役に立ちましょうかね」
『軍人』のフィギュアの持っている『銃』を構えながらそう言った。
フィギュアの鳩尾付近はなぜかやけに破損している。

――――――――――――――――――――――――――――――――
メンバー名:朱鷺宮涙音
ココロとの関係:ココロのことを心配している。
能力:自らの攻撃で、同種の『攻撃』へと『向かう』性質を持つ『的』を設置する
――――――――――――――――――――――――――――――――

 ……… ……… ……… ……… ……… ……… ………

「かいらしいものは好きやけど。」

「まさか僕がかいらしいものになるとはなぁ。」

狐のストラップに潜り込んだ『絆』はそんな事を呟く。

(お祭りの手伝いいうと、ミスコンのこと思いだすなぁ。
 あの時の優勝者さんの『オトモダチ』として呼ばれる事になるとはねぇ。
  『縁は異なもの』なぁんていうけどホンマそのとおりやわ。)

(うふふ。しかしこんな姿見たら部長どう思うかなぁ?
  パニックでおかしな事せんでくれるとええんやけどねェ。)

 (ま、されたらされたらでエエけどぉ。おもろいし。)

狐がけらけらと笑う。

弧を描くその細い目は夏の夜に浮かぶ幽玄な三日月か。
あるいは、無情に幾多の命を奪う血塗れた包丁か―――

――――――――――――――――――――――――――――――――
メンバー名:鈴元涼
ココロとの関係:ミスコンにスカウトした。彼女のピアノを好む。
能力:揺らしたものを、目を奪う『花びら』と化す
――――――――――――――――――――――――――――――――

……… ……… ……… ……… ……… ……… ………

以上、四体の『絆』と『レイク爺』、そして『ココロ』の相談が始まろうとしていた。


                           → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた今夜………)

413ココロ『RLP』:2015/08/13(木) 03:22:38
>>412

「――涙音ちゃんの絆、なのね。
 ……ええ、お願い。わ、私を手伝って欲しい。」

軍人のフィギュア。

「貴方は――す、鈴元くんの。
 ……ご、ごめんなさい、勝手に呼び出したりして……」

(な、何だか目つきが怖い気が……い、いえ、彼は優しいわ。)

狐のストラップ。

板踏よりは近しい。
されど、けっしてココロの予想していなかった二人。

       (……私が知らないところでも、私を思ってくれている人がいる。
        それって、す……すごく、素晴らしいことだわ。)

「西さん、板踏さん、貴方たちも、よろしくお願いね。」

その二人にも、目線を合わせる。

「そ、それで、相談がしたいのだけれど…………私、い、今から夜のお店をやるの。
 い、い、いえ、変な意味じゃあないわ。ただ、そ、そういう勝負を、することになって……」

「私がピアノを弾いて、あとは、そう、何かお料理を出そうと思うの。
 それで、今は……店員さんの衣装を決めている、いえ、一応決まったところ。
 ……で、でも、これからお店をどうするのかが、決まらなくて……
 と、とりあえず、接客をしてくれる人を探しに行こうと思うのだけれど……」

それ以上のことが、今一つ決まらない。
……何か、アイディアを出してくれる者はいないだろうか?

            「お、思いついたことがあったら言ってほしいわ。」

414『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/14(金) 03:38:45
>>413

『軍人』と『狐』のコンビに憑いていた『絆』は、
奇しくも『金言部』の二名。『朱鷺宮』と『鈴元』だった。
彼らに『群衆のキーホルダー』と『ブレーメンの音楽隊』を
加えた四種の『小さきもの』に熱心に相談する『ココロ』。
はたから見れば少しおかしな風景かもしれないが………構う事はない。
彼らはまごう事なき『ココロ』の『友達』なのだから。

『絆』の力か、はたまた『RLP』の能力の影響か。
『ココロ』の状況は語った内容以上に『絆』たちに伝わっているようだ。
そして、その中で一番初めに口を開いたのは―――


「せやねぇ。一番に気になるのは『お菓子』のことかなぁ。
 そんな粗末なもん『お客さん』に出すのはやっぱあかんのとちがいます?」
 
「誠意言うのは別に値段の問題やないけどぉ。
 心が籠もっているかどうかは
 分かる人にはすぐに分かってしまう思うよぉ。」

狐が言及したのは『お菓子』の事だ。
単純な市販のつまみでは『客』に好印象を持ってもらえない、という事だろう。
『飲食物』……いまのところほとんど手をつけていないが、
余裕があれば検討すべきジャンルなのかもしれない。


「…むぅ…衣装に関してはやはりきっちりとしたものが
 いいんじゃないですか。バーという事ですし。
 たとえば、私みたいな『軍人』の制服とか。」
軍人はフヒヒと笑いを浮かべる。
その直後―――

                    「ゲフッ!!」
                 鳩尾に何かが直撃!!


        「あらら、ごめんなぁ。」

それは、『鈴』だ。『狐』が自らの『鈴』を『軍人』に向かって投げたのだ。
『鈴』はまるで吸い込まれるかのように『軍人』の鳩尾に直撃する。

「おかしな事言うからつい手が滑ってしまったわぁ。ホンマにごめん。」

謝罪する『狐』だがその目はくっきりと折れ曲がり、笑みが浮かんでいる。
そして『軍人』の方も―――

「…いいんですよフヒヒヒヒ…慣れっこです……
 …むしろご褒美です…フヒヒヒヒ…
  フヒヒヒヒヒヒヒヒヒ。」
卑屈な笑い声を、壊れたぬいぐるみのように発し続ける。


………この二者、なにかおかしい。
一見、両者とも『元』に非常に近いように見えたが、
その実、その内部に深刻な『ノイズ』が入り込んでいるように思えた。
いや、それともこれが『金言部』流だとでもいうのか。

 「フォルテ!」「メゾフォルテ!」
「フォルテシモ!」「フォルテッシッシモ!」


 ブレーメン板踏は平常運転のようだ。

415ココロ『RLP』:2015/08/14(金) 17:24:04
>>414

ココロは金言部には詳しくない。
どうやらミスコンの主催団体だ、ということと――

(……よ、よく理解できては、いないけれど……
 ミスコンの時の感じだと……この二人が所属してるんだったかしら?)

      (お、同じ部活なら、あ、相性がいいかもだわ。
       ……な、なんて、そんな考え方、雑すぎるわよ。
       同じ部活だって、は、派閥争いとかがあるのかも……
       ……し、知りもしない部活にこんなこと考えるなんて最低だわ……)

それくらいの浅い見識だった。
ともかく。

「粗、末……そ、そうね。し、市販品だものね。
 あ、い、いえ、市販品がすべてダメ、というわけじゃあないかもだけれど……
 出来たら、私か……料理の上手い人に手伝ってもらって、作ろうかしら……?」

たしかクッキーなどは2時間少しもあれば焼けたはず。
簡単なお菓子なら、十分間に合うはずだ。

           ・・・・そして。

「そ……そうかしら。
 や、やっぱり、衣装は普通な方がいいの――」

                「えっ」

――いきなり振るわれた暴行。

  「ひ、ひぃ……」

        (け、ケンカ……じゃあ、な、ないのかしら?
         こ、こっ、これがノイズというもの……そ、それとも本性?
         ……ま、まさか……で、でっ、でも言い切れないわよ……)

朱鷺宮や鈴元について、ココロは多くを知らない。
彼らの日常とはこういうものなのか……

(い、板踏さんはミスコンで、普通に喋っていたわよね……?
 だから、こ、こういうのが本当の意味でのノイズなのよね……?)

「ふぉ、フォルテ……強く? もっと強くするの?
 ……こ、個性を……かしら……?」

        (……そ、それとも音楽要素を増やせという意味かしら?)

さっきは読み取れたヒントも、毎回とはいかない。
そもそも絆の言うことがすべて正しいとも限らない。

(……どうしましょう。
 衣装を決めなおすのも、いいかもしれないわ……
 そ、そう、こっちはバーなのよ。向こうはいわゆる、きゃ、『キャバクラ』……)

        (『差別化』はその時点で出来ているんだわ。
         む、無理に、変な事をするのは間違いなのかもしれない……)

同じ舞台では勝てないという思いから奇抜路線に走った。
が、『軍人朱鷺宮』の発言で、思い直す。

「……も、もし正統派なバーにするなら、どんな衣装が良いかしら?
 こういう制服みたいなのや、可愛い衣装より、フォーマルな方が良い……?」

フォーマル服のエリアへ移動してみよう。
そう言えば、今は何時だったろうか?

416『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/15(土) 23:51:47
>>415
今は『15:29』。まだ時間はある、といっていいだろう。
そして『ココロ』は『絆』達の喧騒に様々な事を思いながら、
フォーマル服のエリアへ移動しなおす。

「フヒヒ、フヒヒ、フヒヒ」
気付くと『軍人』の鳩尾を『狐』がグリグリと踏みつけていたので
流石に『レイク爺』が仲裁に入っていた。
「足が滑ってしもてねぇ。うふふ、えろぅ悪い足」
妖艶に笑う『狐』。悦楽に笑う『軍人』。

それとは別口でブレーメンが衣装を食べようとしていたので、
必死に止めているのは『群衆のキーホルダー』だ。
その数人がロバに蹴られてえらい目に遭っている。
ブレーメンがおもむろに鳴く声は『音楽用語』。
その声が場の混沌を深めていく。

そんなわけで今、『ココロ』の問いに答えてくれる者は居ない。
ただ『正統派』なら、最初に『店員』が選んでくれたような
『シックな衣装』が一番無難だろう。
あるいは、ピアノ奏者である『ココロ』だけ『ドレス』にするとか。
『ピアノ奏者の正装』なら『ココロ自身』が一番詳しいだろう。

417ココロ『RLP』:2015/08/16(日) 00:06:19
>>416

「む、む、無法地帯だわ……」

         (い、一度にたくさん出すとこうなるの……?
          それとも、こ、このメンバーが特に……なのかしら……)

主に板踏と鈴元。
あと朱鷺宮。

「み、みんな、お願いだから喧嘩するのはやめてちょうだいね……
 あ、い、いえっ、ケンカとは違うのかもしれないけれど……」

(い、いえ、違うわ、違う……悪いのはノイズよ。
 か……彼らに対して、勝手なイメージを持つのはよくないわ……)

しかし、ノイズと断じていいのだろうか。
流石に板踏が売り物の服を食わないのは分かるが――

          (……す、すっ、鈴元君、は……)

……いや、やめよう。
こんな考えは悪いだけで、何の意味もない……

(……ピ、ピアノを弾く私は、普通の制服より……ドレスがいいわよね。
 も、もし正統派の衣装にするなら――だけど。)

一度レイク爺の衣装を選んだ今、切り替えるとなると彼の機嫌を損ねないか心配だ。
……とりあえず、演奏会用のドレス、いわゆるロングドレスを探す。

418『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/16(日) 00:29:48
>>417
「あ、ごめんなぁ。僕ら仲エエからね。ついつい戯れてしもた。」
 「…むぅ、そろそろ終わりにしないといけないですね…。」
「ノン」「レスト」「フ ィ ー ネ 」「フ ェ  ル マ ー タ」

『ココロ』の静止に『狐』と『軍人』と『音楽隊』は従う。
いくら自由奔放に見えても彼らは『友達化』の能力下。
基本的には『ココロ』に協力的な存在なのだ。

そして、『ココロ』は本格的に『ドレス』を探し始める。
『ロングドレス』は様々なものがあり、
その中には『ココロ』の目を引くものもきっとあるだろう。

419ココロ『RLP』:2015/08/16(日) 00:47:56
>>418

「あっ……そ、そうよね、喧嘩するほど仲がいいというものね、ええ。
 ご……ごめんなさいね、仲良しの邪魔をして……」

          「あ……に、西さん……の絆さん、板踏さんを止めてくれてありがとう。」

(あ、ち、違うわ、板踏さんの絆を……よ。
 い、いっ、いくら何でも、失礼すぎるわ……)

「ごめんなさい、板踏さんの絆さん……」

西の絆にねぎらいをかけておく。そしてついでに謝意を覚えたので板踏の絆に謝罪。
……だんだん『○○の絆』という呼び方も野暮ったくなってきた。

まあともかく。

「……これか、これ……かしら。」

ttp://www.tweed-dress.com/?pid=91300087
ttp://www.groovynight.com/?pid=58769517

         「き、きっと買ったら物凄く高いんでしょうね……」

   ゴクリ

良いドレスは持っている。
が――完全に自分の好みで選ぶ経験は、ない。

   (緑色で、落ち着いた感じで……自然っぽいわ。
    兎の衣装みたいな『動物系』とも、あ、合わせられるかも……?)

「森……を、モチーフにする……とか?」

湖畔には、森がある。

420『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/16(日) 01:11:15
>>419
『絆』への感謝と謝罪を行う『ココロ』。
もし、『○○の絆』という呼び方が面倒ならば、
幼い少女がぬいぐるみにそうするように、
それぞれに『ニックネーム』をつけてあげるのもいいかもしれない。

「ほほーッ、どっちもええのう。
 肩の辺りがほわーと露出してのう」

新たに『ドレス』を選ぼうとする『ココロ』に
『レイク爺』は肯定の言葉をかける。
褒めている箇所が彼の心の琴線にふれたのだろう。

「『森』? なるほど、確かに『湖畔』と『森』には密接な関わりがあるの。
 あそこらへんの『自然』を『店内』に『いめーじ』として再現する……
          ほうほうほう! ええんじゃないかの!」

更に『レイク爺』の賛同を得られた。
  『繁華街』という人工的な街の『華』に対抗する為に
  『湖畔』の自然を『花』としてモチーフにする。
  それが、『ココロ』らしいやり方なのかもしれない。

『衣装』に関してはどちらもいい、という『レイク爺』のお墨付きがある。
もうここできっぱり決めてしまってもいいかもしれない。

421ココロ『RLP』:2015/08/16(日) 01:37:03
>>420

(な、何か気の利いた呼び方って、ないものかしら……)

いきなりは思いつかない。
とりあえずは、野暮ったくも無難にいこう。

「れ……レイク爺……そ、そうよね。
 どちらも、良いドレスだと思うのよ……」

       (ろ、露出が多いのに限らず、きれいなのが良いのよね、彼は……)

レイク爺の感性にも慣れてきた。気がする。

「……! え、えっ、ええ! いいわよね、このアイディア……
 ど、どうやって再現するかは、まだ思いつかないけど……!」

それに、レイク爺はこの場所祭りにおいて、ココロの相棒だ。
彼の後押しは、嬉しい。

「じゃ、じゃあ、ドレスは――」

      キョロ  キョロ

二つのドレスの間で視線と手をさまよわせて……

           「……こ、こっち。
            こっちを……き、着てみたいわ。」

ttp://www.groovynight.com/?pid=58769517

こちらを、チョイスすることにした。
……さて。コンセプトは決まった。

「ああいう動物の衣装、ほ、他の種類もあるのかしらね……?」

湖畔の動物といえば小動物(いのししもいたけど)
兎だけでなく、様々な動物の衣装があれば、面白いかもしれないが――

(あ、あれってコスプレコーナー?)

とりあえずそっちに行ってみよう。
ドレスは、確保しておく。

422『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/16(日) 02:00:54
>>421
『レイク爺』の後押しを受け、その勢いのまま『衣装』を決める『ココロ』。

そして決定したのは『衣装』だけではない。
『森』や『自然』を再現する、というコンセプト。
まだまだ困難はあるだろうが、この『コンセプト』が
羅針盤となり『ココロ』を導いてくれるはずだ。


「おお! 『森』ならばさっきの『兎』の衣装は
 他の者に着せるのもいいのぉ。いい娘がいるといいのォ!」

『レイク爺』が俄然張り切りだした。

「さっきの衣装はこっちにあったはずじゃあ!」

彼の後についていくと、『ココロ』の想定どおり『コスプレコーナー』に入っていく。

この店の品揃えはすばらしく、『動物の衣装』も充実している。
先ほどのような『動物モチーフの衣装』なども多く見られた。

ぱっと目についた『森』にいそうなものをチェックすると―――


クマ
(ttp://www.rakuten.ne.jp/gold/acomes/cabinet/38356.jpg)
リス
(ttp://www.coskobo.com/images/201304/goods_img/5407_G_1365718234276.jpg)
イノシシ
(ttp://ecx.images-amazon.com/images/I/41sZWdjHMqL.jpg)

423ココロ『RLP』:2015/08/16(日) 02:17:15
>>422

「ええ、ええ。折角見つけてきてくれたのだもの……
 ど、どうせなら、使えるものは全部使いたいわ。」

         ・・・・というわけで。

   トコトコ

コスプレコーナーに来た。

「い、いろいろあるわね……」

もちろん、お目当ての動物もだ。
……それにしても。

          「……く、熊……それにいのしし?」

森の動物、と言えばそうなのだが――

「な、なんだか怖そうな動物が多いわ……
 り、リスは別に怖くもないけれど……」

これで4種類――か。

(リスとうさぎがメインが……い、いいわよね。
 わ、私、流石に熊が湖畔にいるのは、み、見たことないし……)

ぱっと見、リスの衣装はワンセットしかない感じだろうか?
その場合、着膨れの店員にお願いすることになる。

             (……他の動物って、どんなのがあるのかしら?)

ライオンとか?

424『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/17(月) 00:17:50
>>423
リスの衣装はここには『一種類』しかないが、
あの妙な『店員』ならば、夜までにはなんとか必要量を
工面してくれそうな予感がする。


森など考えず、動物の衣装という事ならば

キリンとか
(ttp://www.rakuten.ne.jp/gold/acomes/cabinet/39076.jpg)


シマウマとか
(ttp://www.rakuten.ne.jp/gold/acomes/cabinet/42426.jpg)


もちろんライオンもある
(ttp://shopping.c.yimg.jp/lib/acomes/38305.jpg)

他にもまだまだありそうだ。
『ココロ』が探し出せれば、その衣装は『ある』だろう。

425ココロ『RLP』:2015/08/17(月) 02:04:21
>>424

「さ、流石にこれはサバンナすぎるわよね……
 こ……湖畔にライオンが居たら、こ、こ、怖いわ……」

    (でも、野犬はたまにいるのよね……ら、ライオンとは違うけれど。
     や、や、やっぱり、食べ物がたくさんあるからかしら?)

コンセプトが第一だ。
その上で、ココロなりに探してみると――

『ネズミ』
ttp://item.rakuten.co.jp/elmore2013/wsj003/

『たぬき』(スカンク扱いされているが、タヌキだろう。)
ttp://www.dena-ec.com/item/208017621?aff_id=kwm

『イタチ』(こっちが『スカンク』か?)
ttp://item.rakuten.co.jp/elmore2013/ywcs17131118/


・・・・こいつらも、森にいると言い張れそうだ。
少なくとも、いたちは湖畔で実際に見かけたし。

「……べ、別に全種類使うこともないのよね……
 でも、い、いろんな種類の服があったほうが、う、嬉しい物かしら……?」

レイク爺や、絆たちに意見を聞いてみる。
どの種類の衣装をどれだけ用意するのか? って問題だ。

            (……でも、わ、私だけドレスでみんなはコスプレなんて、お、横暴かしら?)

どうでもいい心配事も出てきた。

426『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/18(火) 00:53:05
>>425
「せやねぇ、『森』言うのを『テーマ』にするんやったら
 偏らずに色んな森の仲間たちをつこうたらええんやない?

 お寺さんの庭によぅある『見立て』みたいなもんになるのかもしれんねぇ。
 砂の流れで水の流れを表現するみたいに、
 店ん中に『湖畔』と『森』を表現する。そういう感じでいいんとちがう?」

 『狐』はコンコンと『ココロ』の問いに答える。


「となると、中心となるココロちゃんはさしずめ『湖畔』の主の役じゃな!
 衣装も緑じゃし、まさしく『エジャチシュヌシさま』そのものにみえるはずじゃ!」

『レイク爺』がうんうんと頷きながら、語る。

よくは分らないが………『エジャ? チシュ?
 ………まあなんでもいいが、偶然にも、
      何か湖畔にとって偉大な存在に似た衣装を選んでいたようだ。

427ココロ『RLP』:2015/08/18(火) 23:47:43
>>426

「そう、ね……いろんな動物がいるのが、湖畔の森だものね。」

       (し、新種もいたものね……)

朱鷺宮と出会った時のこと。
……ともかく。

「でも、さ、流石にライオンとか、シマウマとかは……ミスマッチだと思うの。」

チョイスするのは……
熊・猪・りす・たぬき・ねずみ・いたち・うさぎ、だ。

         (ねずみやりす……そういう動物は、た、たくさんんいても違和感はない気はするわ。)

りすの衣装は他のに比べてカワイイ気がするし、複数いた方が森っぽかろう。

「この辺り……かしら。衣装は……」

         「…………ぬ、主だなんて、そんな、え? えじゃ……?」

(……え、えじゃ、ちしゅぬし……? 湖畔の主ってこと……? れ、レイク爺が様付けってことは、か……『神様』とか?)

謎めいたものが一つ増えたが、まあ、それは、良いだろう……

428『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/19(水) 01:58:51
>>427
『絆』のアドバイスを参考に、『ココロ』は衣装を選別していく。
ある程度決まれば後は『店員』に取り置きしてもらえばいいだろう。

「………あとは」「………それを着る」
「………店の従業員?」「………写真があれば」
「………私たちが」「………変身できるし」
「………『本物』を」「………雇ってもいいし」

『群衆のキーホルダー』が口を開く。

そうだ。ほかにも様々な付加要素は考えられるだろうが、
『店』として最低限、形を成す為に必要なのは確かに『人手』だろう。
それを、どこで『確保』すればいいか………

「…ふむ、具体的には思いつきませんが、
 発想は柔軟にしてみた方がいいかもしれませんねー。」
これは『軍人のフィギュア』の発言だ。

『ココロ』の思い描く店を体現出来る『人員』。
とりあえず今現在、『絆』や『レイク爺』から
具体的な案は出てこないようなので、『ココロ自身』が考えるしかないようだ。

もちろん、『人員』ではなく、ほかの要素。
たとえば『料理』や『備品』の充実や、
『客』を喜ばせる『仕掛け』などを先に準備してもいいだろう。

429ココロ『RLP』:2015/08/19(水) 06:25:35
>>428

とりあえず前述の7種をチョイスするのだが……全部一着ずつでは少ない。
りす、ねずみの『小動物』については3着ずつくらいあってもいいか?
なんにせよ、具体的な枚数は今のうちには決めづらい……多めがよさそうだ。


         「……あ、そ、そうね。従業員……」


第二――いや、第一の問題だった。
コンセプト以前に、店員が居なければ店は動かない。

「……お、思ったのだけれど……インターネットには写真がたくさんあるわ。
 そ、そ、そういうのを……『群衆』にしたりは……」

「い、いえ、よくないわね、プライバシーとか……あ、あるもの。
 そ……それに、私が写っていないと、『演奏』役がいないし……」

それに、あまり有名人などの写真を使うとバレが怖い。
やはり、この繁華街で探すのが無難な気がするが――

             (……じゅ、柔軟に、って言っても……)

悩むココロ。

完璧な(=自分から店を良くしてくれる)メンバーは時間をかけたところで集まる気がしない。
……『言うことを聞いて、店の方針を理解してくれる』者が、『理想の人員』ということになるか。

(……それなら、ふつうの店員さんでも、なんとかなりそうだけれど……
 ふ、ふつうって何? なんで私、う、上から目線なのかしら……)

           「……と、とりあえず、衣装を取り置いてもらいましょう。」

きぶくれの店員を探す。
まずは何にせよ、それからだ。

430『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/19(水) 21:31:34
>>429
悩む『ココロ』。しかしいつまでもそうしているわけにはいかない。
とりあえず、『きぶくれの店員』の元へと戻る。

「あァら〜〜〜 まだ欲しいものあるの?
 なんでも言ってちょうだいよお」

『店員』はマイペースに『ココロ』に語りかけてきた。

431ココロ『RLP』:2015/08/19(水) 23:14:28
>>430

「あ、え、ええと……そうなの、欲しい衣装が増えて……」

つまり動物7種。
それから、件の『ロングドレス』で8種。

「ドレス、は……一着でいいのだけれど……
 他、は……な、何着使うか、わ、わからないの。」

「それで、多めに、と、取り置いてもらえたら……
 そ、そうね、多くても5着くらいだとは思うけれど……」

       (こ、こんな注文、め、迷惑に決まっているわ……
        で、でっ、でも、こうするしかないじゃあない、今のところ……)

なんでも言ってくれとのことだ。
ココロとしてもやや心苦しいが――無理を言ってみる。

432『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/19(水) 23:24:48
>>431
「ふゥゥ〜〜 五着、五着ねェ〜〜〜」

『きぶくれの店員』は片方の手指をパックリと開き、
もう片方の手の一指し指で、それを数える。

「ちょっと大変だけど、手配してみるわ!
 お客様の要望だものねェ〜〜〜。

  でも、揃わなかったら………ごめんね?」

 『きぶくれの店員』は なんとか承諾してくれた。

433ココロ『RLP』:2015/08/19(水) 23:37:48
>>432

「ご、ごめんなさい。
 そんなに着るか、わ、分からないし……二着とか、かも……だけれど……」

      「い、いえ、謝るのは私の方だわ……ごめんなさい。」

      ペコペコ

しきりに頭を下げるココロ。

(な……なんていい人なのかしら……
 そ、それに比べて私、人数も決めずに予約なんて、ろ、ろくでもなさすぎるわ……)

ネガティヴな気分になりつつある、が……今はそんな場合でもない。

「……あ、ありがとうございます。
 いろいろと……む、無理も、言ってしまって……」

         ♪   ♪♪

そろそろ、店を去ろう。
『RLP』の曲調を変え、すべての『絆』を回収しておく。

434『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/19(水) 23:45:58
>>433
『きぶくれの店員』―――そのアバンギャルドな
出で立ちからは想像もつかないが、割といい人物であったようだ。

『ココロ』はそんな彼(彼女?)に別れを告げ、『店』の外へ出る。
てんやわんやな『絆』たちも、『ココロ』の音楽には従順だ。
リズムとハーモニーに乗りながら、『ココロ』と共に店を出た。

(※『絆』の回収というのは、『湖』に戻しておくという事?)

435ココロ『RLP』:2015/08/19(水) 23:54:43
>>434

(*手近に集める、くらいのニュアンスでした。紛らわしくてすいません。)


      「…………ふう。」

(い、衣装は……あの店員さんが、な、何とかしてくれる。きっと……)

心配事は一つ、いや、二つ消えた。
店内でのやり取りで、コンセプトがまとまったのは僥倖だった。

(……こ、ここからは……店員さん探し、だけれど……)

ハッキリ言うと自信はない。
中古ピアノならばリサイクルショップ、服ならば貸衣装。

         ……店員はどこに行けば見つかる?


(お、お店に入れば入るでしょうけど、お店の店員さんって、わざわざ私のお店に来てくれるかしら……? あ、い、いえ、そこは写真よね……)

         (…………で、でも、写真にしても、どうしたら一度にみんなに集まってもらえるかしら……?)

とりあえず道を歩こう。
……いや、その前に絆たちを鞄にしまい、『RLP』は解除だ。

         (みんな、少しの間待っていてちょうだい……)

相談とかはしたいが、道端ではよくない気がする。

436『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/20(木) 00:06:49
>>435
店を出た『ココロ』は次の目標について考える。『店員探し』。
だが、それは一筋縄には行きそうもない―――

とりあえず『ココロ』はぶらぶらと道を歩いてみる。

昼間の『繁華街』は『商店街』に客をとられているのか、あまり活気がないように見える。
もっともこの場所の本領が発揮されるのは『夜』。
『ココロ』には、その『夜』までにやらなければいけない事がある。

『絆』たちは『鞄』に仕舞われ、一度、眠りにつく。
あるいは少し休み、『本格的』に語り合うのなら、
『ノイズ』も減り、この状況を打開出来る意見が彼らから出るのかもしれなかった。

………もちろんそれは『希望的な観測』ではある。
自力でアイディアが浮かぶのなら、それに越した事はない。

437ココロ『RLP』:2015/08/20(木) 00:16:14
>>436

「……」

       ブラ

        ブラ

ぶらぶら歩くココロ。

          (こ、こ、これ、時間の浪費なんじゃあ……?)

焦る。
……が、アイディアは浮かばない。

(どうしましょう、どうしましょう……
 や、やっぱり、お、お店に入るべき……?)

辺りを見渡す。
そう言えば、この辺りは夜の街だ。

(い、今開いているお店って、あまり多くないのかしら?)
 
        ・・・・喫茶店的な店はあるだろうか?
           なければ、カラオケなどでもいい。

(ど、どこかに座って……ちゃんと考えた方が良い気がするわ。
 そ、それに店員さんがいるお店なら、もしかしたらす、スカウトできるかも……)

むやみやたらに歩き回るより、時間を決めて熟考すべき――と考えたのだ。
店に入って店員探しという目的も果たせるし、一石二鳥か。

438『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/20(木) 00:26:33
>>437
無為な徘徊で、次第に焦燥に駆られていく『ココロ』。
とりあえず何かしらの『店』に入ろうと辺りを見回す―――

『ファミレス』『中華料理屋』『喫茶店』『カラオケ』………

とりあえずぱっと目に入ったのはこんなところか。
いずれも一応開いては、いるようだ。

439ココロ『RLP』:2015/08/20(木) 00:31:53
>>438

    (……どうしましょう?
     き、喫茶店――それとも、カラオケ?)

前者は店員の宛てにはなりそうだ。
後者は――

              チラ

(そ、相談……また、か、彼らと相談するなら、カラオケが良い気がするわ。
 か……カラオケなら、み、皆と話していても変に思われないはずよ……)

鞄の中、そして湖に未だ沈んだ『絆』たち。

               ・・・・ここは。

   「カラオケ」

           「……に、入りましょう、みんな。」

頷いて、カラオケに入ってみることにした。
店員の宛てはお世辞にも期待できないが……

(み、みんなと相談すれば、何か、い、いいアイデアが生まれるはず……)

440『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/20(木) 00:43:24
>>439
悩んだ末に『カラオケ店』に入っていく『ココロ』。それに付き添う『レイク爺』。

「ほォ〜〜、歌う場所じゃろ? ここ!
 初めて入るのォ〜〜。楽しみじゃ」

 『レイク爺』は興味津々で『店内』を見回す。

「いらっしゃいませ。お一人ですか?」

対応してくれたのはショートカットの茶髪の『店員』だ。
大学生程度だろうか? 普通のアルバイトという感じだ。
部屋は普通に空きがあるらしい。

「フリータイムとワンドリンク制ありますけど、どっちにします?」

441ココロ『RLP』:2015/08/20(木) 15:03:57
>>440

「え、ええ。私も……あまり、来たことはないのよ。」

レイク爺に言いつつ、入店。

「あっ、は、え、ええと………」

         チラ

(れ、レイク爺は……そ、そうよね見えないわよね、ええ。)

「あ、ひ、一人……です。」

レイク爺も、喉くらい乾くだろう。
一人と言ってしまうと、彼の分の飲み物が頼めない(気がする)が……

                (あっ……あ、後から一人来るって言えばよかったわ……!)

「わ、ワンドリンク……を。」

(わ……ワンドリンクって、どれくらいの時間になるのかしら……?)

とりあえず注文しておこう。
中に入ってからが、本番だ。

442『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/20(木) 22:48:36
>>441
「はーい、分かりました。ええとじゃあ、何時間にします?」

『ワンドリンク制』の説明には『30分180円』と書かれている。
学割を使うと『150円』でいいようだ。
そして更に、脇に小さく『ドリンクを必ずひとり一杯以上、注文して下さい』と書かれている。
『ワンドリンク制』とはこの事だろう。

『レイク爺』は引き続き店内を見回していた。

443ココロ『RLP』:2015/08/20(木) 23:00:56
>>442

(あっ、わ、ワンドリンクしか頼めないわけじゃあないわよね、ええ。)

やや安心だ。

「え、じ、時間……」

      (ど、どうしましょう……長すぎても意味ないし……)

時計を確認する。今何時だろうか? 焦燥感ばかりは消えない。

が、まあ、焦り過ぎもよくないので――

「じゃ、じゃあっ……1、1時間……で。お願いします。」

無難なところに、しておこう。
また、レイク爺に目配せしておく。はぐれたりしたらよくない。

444『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/20(木) 23:09:37
>>443
今は『15:53』だった。

「一時間ですねー。分かりました」

そして店員はマイクとリモコン、おしぼりにレシートが入ったカゴを渡してくれる。

「105号室になります。それではごゆっくりー」

『レイク爺』は『ココロ』の目配せに気付き、ひょいひょい近寄ってきた。

「手続きは済んだのかの? じゃあ、行くぞい!」

445ココロ『RLP』:2015/08/20(木) 23:20:17
>>444

「あ、ありがとう……」

        ペコ

店員に小さく頭を下げ、かごを受け取る。
……そして。

           「え、え、ええ。行きましょう。
            ……105号室、だそうだわ。」

(か……カラオケ屋さんの店内って、め、迷路みたいよね……
 い、いえ、遊びでそうなっているんじゃあなくて、必要なのでしょうけれど・……)

   キョロキョロ

「イチマルゴ、イチマルゴ……」

その部屋に向かうことにするのだ。
まずは探すことになるが、看板もあるし、迷いはしまい。

446『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/20(木) 23:32:02
>>445
『ココロ』は『105号室』を探す………。

思ったとおり、軽い迷路を想起させるような造りではあったが、
辿り着けないという事は勿論なく、『ココロ』は『105号室』に入室する。

                       ギ イ

おそらくこのカラオケ屋で一番狭い部屋なのだろう。
5、6人が適正と思われるコンパクトな部屋だ。
ソファにテーブル。テーブルの上には食物や飲料のメニュー表が置かれている。

 「ここで歌うのじゃな。ほほォ〜〜」

『レイク爺』はもはや社会科見学のように念入りに室内を観察していた。

447ココロ『RLP』:2015/08/20(木) 23:37:10
>>446

                       ギ イ

「お、お邪魔します……」

        (だ、誰もいないのは分かっているけれどね……)

       トサ

荷物を置いた。

        キョロ

            キョロ

室内を見回すココロ。
メニューとかはあるだろうか?

「そ、そうね……そこの機械で、曲を入れるのよ。
 ……そ、そうだわ、何か注文しなくちゃ。メニューメニュー……」

相談も大切だが、ワンドリンク頼むのはもっと大切だ。
ドリンクを持ってきてもらってからでないと、かなり……落ち着かない。

            「……れ、レイク爺も、何か飲む?」

448『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/20(木) 23:44:48
>>447
『ココロ』は荷物を置き、一息つく。
メニューはテーブルの上に置かれているのが分かった。
いわゆるカラオケの定番メニューは大体抑えてあるようだ。

「ほーほー、飲み物も頼めるのじゃな。
  酒など一杯かっ食らいたいところじゃが………
   今日ばかりはシラフでいた方がいいじゃろうな。

  そうじゃな。自然の恵み、『めろんそーだ』でもお願いしようかの」

『レイク爺』は『ココロ』にそう告げる。

449ココロ『RLP』:2015/08/20(木) 23:52:56
>>448

(……いろいろあるわね。
 前に連れて行ってもらったカラオケ屋さんもだけど……)

        (ぱ、パフェなんてものもあるのね。)

メニューに目を通していたが・・・・

「あ、そ、そうね。
 ええ……じゃあ、め、メロンソーダと……」

         (あ、あれって人工感凄いけれど、い、いいのかしら?
          ……わ、わざわざ言うのも、レイク爺に失礼よね、ええ。)

それから――

「そ、それと……この抹茶ラテも頼みましょう。」

ココロものどは乾く。
というわけで、注文だ。電話で注文する形式だろうか?

450『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/20(木) 23:58:41
>>449
「あの鮮やかなミドリはメロンの皮からとっているのじゃろうなあ。
 そしてあの味! おそらくさぞかし高級なメロンの果汁を使っておるのじゃろう。
   でないとあの味は出せんものなァ!」

『メロンソーダ』に関して『レイク爺』は盛大に勘違いしているようだ。
そっとしておいてあげるのが大人の対応なのかもしれない。

部屋を見回すと『受話器』が設置されている。
これで注文する形式という事で間違いないだろう。

451ココロ『RLP』:2015/08/21(金) 00:04:41
>>450

「・・・・・・」

    (ど、ど、どうしましょう、どう……どうしたらいいの……?
     ……だ、黙っておくのが、お、お互いのためよね?
     れ、れ……レイク爺が、それで苦しむわけでもないのでしょうし……)

ここは……大人の対応で行こう。
勘違いとはいえ、悪質ではない……

(教えることは、ゆ、夢を壊すこと……)

            ゴク

     「……じゃ、じゃあ、電話……するわね。」

(な、何だか緊張するけれど、へ……平気よ、ココロ。
 わ……わ、私だって、いくらなんでも電話くらいふつうだわ。)

受話器を取り、耳へ。

452『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/21(金) 00:09:02
>>451
『レイク爺』の幻想を砕かないよう、事実をそっと伏せる『ココロ』。
そして、少し緊張しながらも受話器をとる。

 「はい、なんでしょう」

ほどなくして、『店員』の声が聞こえる。

453ココロ『RLP』:2015/08/21(金) 03:53:18
>>452

(こ、これで……いいのよね、きっと。)

罪悪感はある。
が、納得もしている。

「……あっ、ちゅ、注文を……お願いしていいかしら。」

           「すぅー」

    コク

前置いてから、レイク爺に頷く。

「ええと、メロンソーダひとつ。
 それから、ま、抹茶ラテ……も。」

          ・・・・そして、注文した。

電話越し、というのが緊張するが、まあやること自体は普通の注文だ。
それほど、問題はなかった。

454『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/21(金) 22:54:21
>>453
「承知しましたー」

緊張しながらの注文。
しかし、『ココロ』の考えたとおり、
特段の問題はなくそれは受理された。

 「楽しみじゃのォ〜〜〜」

無事、注文出来たことに『レイク爺』は喜びの声を漏らす。

「ところで、今更じゃが。

  こんな場所に何の用なのじゃあ?
     『歌』のダシモンでも練習するのかの?」

       そしてここで、『レイク爺』からの問い。

455ココロ『RLP』:2015/08/21(金) 23:13:05
>>454

「……ふう……」
  
         ガチャ

とはいえ、上手くいったのはいいことだ。
席に座る。

     「え、ええ、そうね。
      それで、こ、ここに来たのは……」

  ス


鞄を持ち上げ、中から『絆』の小物たちを出す。
……一応、全員だ。

「改めて、みんなと……相談、しようと思うの。
 私だけで考えるより、その方が良い作戦が出そうだし……」

「ここなら、落ち着いて相談できるわ。」

悩み続けてもいいなら別だが、今回は時間制限もある。
今一度、『絆』たちの助言を得よう。

       (……わ、私も自分で考えなくちゃあいけないわ。
         ……け、け、けど、今は……力を借りたほうが、いい。)

少しでも良いものを、早く、思いつくために。

             ・・・・まあ、まずは注文が届いてからだ。

456『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/21(金) 23:28:18
>>455
『ココロ』は『レイク爺』に自分の意図を説明しつつ、
まずは鞄の『小物』たちを出す。
鞄の中にあるのは今まで出した『群衆キーホルダー』『ブレーメン音楽隊』
『子狐ストラップ』『軍人フィギュア』の四つ。

手の甲の『湖』の中には残り三つ、
『雪の妖精フィギュア』『パンダシャーペン』『止まったデジタル腕時計』
が、先ほどと変わらず光り輝いている。
『全員』というなら、彼らも出してあげてもいいかもしれない。

「おお! 相談かァ〜!
 なるほど、確かにこの『部屋』はそういう用途にも使えそうじゃな!」

『レイク爺』が納得してくれる。

                        そして………

「お待たせしましたー」

ほどなくして『店員』が『メロンソーダ』と『抹茶ラテ』を運んでくる。
『ミドリと緑』。色合いの異なる二杯のグリーンの飲み物。

『店員』はそれを置いて、

                  「ごゆっくりどうぞー」

        事務的な言葉と共にさっさと立ち去る。

457ココロ『RLP』:2015/08/21(金) 23:47:35
>>456

「……ええ、きっと、み、道端とかよりは……いいと思うわ。」

ある程度防音だろうし、視線を気にすることもない。
相談に集中できる環境では、あるはず。

     ・・・・そして。

        「……あ、貴方たちも……お願い。」

誰のものか、は、まったくもって未知だが――

           スス

残る絆たちも、『湖』から出す。
……これで、ついに『全員』が揃うことになるわけだ。

    

          ビクッ

「あっど、どうも……」

         (み、緑と緑でかぶってしまったわね……
          まあ、お、お弁当じゃあないんだし、色合いは別にいいわよ、ええ。)

店員から飲み物を受け取る。

(……ご、ごゆっくりとはいっても,ゆっくりはしていられないわ。
 早速、は……始めなくちゃあ……これで終わりじゃあないのよ、ココロ。)

          ゴクリ

彼が部屋を出たのを見計らって――

              〜♪

            「……『RLP』。」

『絆』たちを、友達化する。

458『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/22(土) 00:15:59
>>457
飲み物も届き、いよいよ『相談』の準備は整った。
『湖』からも光り輝く三つの『絆』を引っ張り出す『ココロ』。

  そしてここに―――

   いよいよ、計『七つ』の『絆』が勢ぞろいする事となった。

『ココロ』のエアピアノが鳴り響き、『RLP』の能力は発動する。
そして理解する、残りの『小さいもの』に憑依した『絆』たちの詳細。

『雪の妖精フィギュア』は―――
――――――――――――――――――――――――――――――――
メンバー名:高天原 咲哉
ココロとの関係:ナンパ
能力:音を立てるものの時を止める
――――――――――――――――――――――――――――――――

『パンダのシャーペン』は―――
――――――――――――――――――――――――――――――――
メンバー名:エリー
ココロとの関係:湖畔で共に様々な生物を貪るように求めた
能力:『妖怪』を産み出す
――――――――――――――――――――――――――――――――

『7:53を示し続けるデジタル腕時計』は―――
――――――――――――――――――――――――――――――――
メンバー名:坂下佳侑希
ココロとの関係:湖畔で互いの大事なものを見せ合った『初めて』の相手
能力:『見た』ものの『予定』の記された『時刻表』を映し出す。改竄も可能。
――――――――――――――――――――――――――――――――

459『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/22(土) 00:19:56

 〜〜 ここで唐突に! 『絆』に関するまとめ 〜〜

<絆の能力+友達化ッ!>

『絆の能力』とは謎の存在、『湖畔の小人』が有する力。
契約を結んだ生物(今回はココロ)の他者との『絆』を『小さいもの』に宿す能力。

『絆』は、『何かあれば契約者を助けたい』と思っている存在と結ばれている。
その『思い』を嗅ぎ取り、『小さいもの』に『絆のパワー』が複写されるのだ。
ただし『助けようと思っている存在』がリラックスしている事が必要である。
何かに集中したり、心に『余裕』がない状態だと『ノイズ』が入り、きちんと能力が発揮出来ない事がある。

本来、『絆のパワー』は霊験あらたかな『お守り』のような役割を果たす。
『契約者』がピンチの時に光り輝き、自動的に助けてくれるような
使用法が平常で、動いたり喋ったりする事はその『ピンチ』の時くらいである。

これを今回、『かわいらしいものを友達化させる』能力者である
『ココロ』が用いる事で、常時、動く事が出来るようになった。
(ココロの心が、常時ピンチの不安な状態なのでは? という学説もある)。

友達化した『絆たち』は精神の象徴である元の人物の『スタンド』を使用出来る。
『絆たち』が憑依する『ちいさいもの』がヴィジョンそのもののような挙動をする。
(例えば『セブン・ワールズ・コライド』は紙人形を模し、『キーホルダーそのもの』が群衆へと変化する)。
基本能力、持続時間や制約なども大抵元になった能力に準じるが、
ものによっては能力や威力が『変化』してしまっているものもある。

『友達化』した『絆』たちは、以心伝心で『ココロ』の現状をなんとなく察する事が出来る。
(ココロの説明がなくても、場所祭の経緯やこれまで準備した事は把握出来ているという事)。
逆に『ココロ』の方でも『絆たち』の能力をなんとなく察する事が出来る。
『絆たち』同士でも各々の能力をなんとなく『把握』している。

『友達化』により、意思を持ち『会話可能』となった『絆たち』だが、
元になった本体のふとした『心境の変化』や諸々の事情により、『ノイズ』が入る事もある。
『ノイズが入る』とは、具体的には、『絆』の『性格・口調・思考』が変化する事。
『ノイズ』が強すぎると元の性格等とはまるでかけ離れてしまったり、
『会話不可能』といった状態に陥る事もある。

基本的に『絆』は『友達』であり、目的に向かって
『何とかしてココロを手助けをしたい』という思いが根底にある。
おかしな行動を起こしたとしてもそれは、『よかれ』と思い『空回り』した結果や
『手助け』とはまるで関係ないところでの嗜好という事になる。

460『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/22(土) 00:32:01
(※以下、PLへのレス)

・さて、これを踏まえ、今回繋がっている『絆』との『本格相談』が始まります。
・これからGMより『点呼スレ』にて各PLに『相談お誘い』をかけますので、
 『ココロ』は次レスをしてから、その反応をお待ちください。
・あまりにも長引かないために『相談期間』を最大一週間と定めます。
 つまり、『29日0時』(28日と29日の間)までを『相談限界期間』とさせて頂きます。
・それ以前に『相談終了』したい場合は、『ココロPL』が『相談終了』とメール欄にお書き下さい。
 そこでミッションは通常進行に戻ります。

【メンバーの詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1395590726/833(西)
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1395590726/846(ほか六名)

       それでは、『本格相談』、よろしくお願いいたします。

461ココロ『RLP』:2015/08/22(土) 01:01:07
>>458-460

「……高天原さん。」

ナンパ。
……その言葉が、嫌じゃない。

(……ありがとう。
 こんな風にして会うとは、思わなかったけれど――)

特別な好意はないけれど――この世で数少ない。

         ・・・・信じてる、男の人。

「エリー、ちゃん。
 ……ふふ、む、貪るって……」

思い浮かぶのは、あの日見た『影』。
けれど、その『冒険』そのものよりも……もっと大切な、暖かさがあった。

   「……また、一緒に遊びましょう。
    ええ、貪るように……よ。」

         ・・・・ココロは、そう信じてる。

「坂下さん、も……」

彼女とは……まだ、あまり絆は紡げていないと思う。
けど、これからきっと、大切な友達になれると……信じてる。

      「……また、来てくれたのね。
       まだ、お礼、言えてないのに……」

         ・・・・いつかきっと。だって、あの時勇気を出したから。


   「……みんな。」

改めて、7つの絆を見渡す。
出会った場所も、繋がりも違えど、一つだけ確かなのは。

         「お願い、私を……手伝ってほしいの。」

みんなが、ココロを助けてくれる。
それは……ココロにはたまらなく嬉しいことだ。

462『パンダのシャーペン』@エリー:2015/08/22(土) 23:39:58
>>458-461(GM、ココロ)
「ココロおねーさんのピンチ……」

       「笹食ってる場合じゃねえ!」

                ガバア!

動き出すなりパンダはそんなことを言いだした。
なんかちょっと様子がおかしいが、『ノイズ』が入っちゃってるのかもしれない。
……いや、案外本物通りか……?

ちなみに『パンダのシャーペン』に笹のデザインは含まれていない。

463『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/08/22(土) 23:52:06
>>458-461
「ふー…おっと、なんだか意識がはっきりしてきましたよ!」
軍人フィギュアは先程のちょっとした不気味さから一点、
随分と元気な声を出すようになった。

「ココロさん、頭がスッキリとしてきました。
 もしかしたら私は今まで以上に深く物事を考えられるようになったかもしれません。」
そう言ってグッと敬礼をしてみせる。

「状況は察しています…ずっと心配だったので、
 こうして力に慣れるのは嬉しい限りです!」
どうやらどんな指示も受け入れる覚悟のように見える。

464『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/08/23(日) 00:20:02
>>458-461 (GM ココロさん)

「ん?」

「お昼寝しよ思うててんけどぉ。」

欠伸でもしてしまいそうな雰囲気がある。
その姿は実にリラックスしているといえる。

「うふふ。」

「寝る間を惜しんでお手伝いするわぁ。」

けらけらと目を細めて笑う。
尻尾で鈴をもてあそびながら笑っている。

さて、この狐。
はたしてどこまで本気なのだろうか。

465『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/08/23(日) 00:21:26
>>458-461

先ほどまで完全に畜生の音楽隊と化していたブレーメン板踏のノイズが晴れる……!
つまりやっとココロは板踏とまともなコミュニケーションが取れるようになるのだ。
本人は直接会話したことが無いため、人格を投影した存在とはいえこれがココロと板踏のファーストコンタクトと言えるだろう。
そしてついにブレーメンの音楽隊が……

口を……

……開いた!


  「シエンプレ!」

         「パッショナート!」

                  「レリシオート!」

                          「セグイド!」


          「「「「カンタービレ!」」」」


あ、ダメだこれ。
あからさまにノイズがそのまんまなのだ!
……もしかすると板踏甲賀は素でこういう人物なのではないかという可能性すら浮上してくるレベルだが、まぁとりあえず協力的ではあるようだ。
連なった動物たちが元気に跳ね回っている。

466ココロ『RLP』:2015/08/23(日) 01:52:55
>>462(エリー)

「あっ……ご、ごめんなさい、食事中だったのね。
 けれど……あ、ありがとう。来てくれて。」

       (……さ、笹?
        これって、ノイズ……かしら?)

なんだか怪しいが、頼れる第一声だ。

>>463(朱鷺宮)
>>464(鈴元)

    (……ま、また暴力を振るったりとか……
     い、いえ、あれはああいうもの……
     な、な……仲良しのしるしよね、ええ……)

このコンビには危ういものを感じる。
……が、朱鷺宮の自信ありげな発言は頼もしい。

「あ、ありがとう二人とも……頼りにしているわ。
 す、鈴元君は、ごめんなさい、お邪魔して……」 

        (……ほ、本人には迷惑じゃないのよね。
         け、けど、この『絆』には、め、迷惑だし……)

>>465(板踏)

「あっ、ど、どうも……」

     (の、ノイズ……なのよね? これ……)

困惑するココロ。
……いやまあ、さっきまで通りではあるのだが。

(だ、だってミスコンでは喋っていたわ……
 で、でもノイズにしても変じゃあないかしら……)

思い悩むが、この辺は本人に会わぬことにはわからない。
それに今、ありがたい援軍であることには変わらない。

>全体

……他の3人が動き出す様子はあるだろうか?
どちらにせよ、時間あまりない。

「……もうすこしだけ待って、それから相談を始めましょう。
 あ、そ、そうだわ、今どんな状況かは、み……みんなも知っているのかしら?」

朱鷺宮は知っているようだが。

演奏は極めて簡素に。
腕を疲れさせないためだ。

467『雪の妖精フィギュア』@高天原咲哉:2015/08/23(日) 11:13:54
>>466

 次いで動き出したのは、『雪の妖精フィギュア』だ。

 大きな頭と丸い胴体、短い手足は、雪だるまを彷彿とさせる。
 一方で、穴が開いたような黒目と犬歯、帽子の二つ角はどこかアクマチックで、子供向けアニメに登場する某バイキンのようだ。
 (ココロは知る由もないだろうが、高天原のお気に入りのゲームに登場するマスコットである。)

 全体的にポップなデザインの人形は、てこてことココロの足元に寄ってくる。
 ぽんぽん、と自分に注意を向けるように手を叩き、跳びはね、



             /ヽ
             / ,ィ ヽ            , -、
            rv' / |  !        /   |
            V^ヽ レ ¬て二ト、/  ,イ |
        r‐、  _  / ,-‐ ,ニ ‐- 、   / ! L_
       r-ゝ y' / //   f _j /ヽ ヽ ヽ  レイ/
        > { 〈イ!  r‐‐v- 、_ー'   ! |     ̄
      `ー 、  ヽヘ  ヽ、   _ > | /          「ヒホホ!」
           \_ >、     ̄   ,ィ ヽ
            厶ィ ¬ `ー─----く ゝノ          「この前のデートのお礼ヒホ!!」
           O /  |/| ∧  ト、\           「俺に出来ることなら、何でもするッホ!」
              {   O  L/ ヽ_| !~「O
           \   O   Oイ  `¬
              ヽ ┬┬ 7´ ヽJ`ー′
           , - 、 こ二} こニア
           {    ヽ _」 L_jフ⌒ヽ
           ̄ ̄ ̄    `ー‐┘



 ……妙に高い声で、そう言った。


 「でも、荒事はゴメンだヒホ!」

 ちょっぴり頼りないようだ。現状、ノイズはおかしな語尾程度で収まっているらしい。
 ところで、ココロの置かれた状況については『なんとなく意識があったので把握している』ことだろう。
 メタで言うなら、流れは一通り読んだ。

468『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/08/23(日) 23:34:49
>>466

  「シーミレ!」

        「シーミレ!」

  「バンド!」

        「オーケストラ!」

……多分、「状況はわかっている」という意味合いの返答である。多分。
ノイズは入りっぱなしだが、PLによる副音声が入るので多分会話に問題はないだろう。

469『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/08/23(日) 23:53:21
>>466 (ココロさん)

「いや、別にエエんよぉ?」

「むしろ水溜さんのお役に立てて嬉しいくらいやわ。」

暴力を振るう雰囲気はない。
いや、だからといって振るわない証明にはならないのだが。

「確か、夜のお店やるんよねぇ?」

「それのご相談やろか?」

けらけらと笑う様は本当に普段の鈴元のようである。
一応現在の状況への認識はそういう感じらしい。
特に説明は要らないだろう。

470『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/08/23(日) 23:57:17
>>466
「えーっと、確か今はお店をどう設計するか…
 お客様を集める方法…それを相談したいということですよね?」
ちょっと自信満々気味にフィギュアは答える。

「そうですね〜。ひとまず現在の状況をまとめて考えてみましょうか…
 相手の状況がわからない以上、出来る限りのことをしないと…」
とは言え、自分一人ではちょっと心配のようだ。

471『パンダのシャーペン』@エリー:2015/08/24(月) 00:09:12
>>466
「基本的にどんな状況かは知ってるパンダよ!!」

語尾がおかしいのはノイズだと思っていただきたい。

「さあどんなことでも相談していいぞ! 大船に乗ったつもりで!」

472ココロ『RLP』:2015/08/24(月) 02:37:57
>>467(高天原)

「……! あ、ありがとう。高天原さん。
 …………う、うふふ……頼りにするわ。」

(か、可愛いわ……このキャラクター。
 彼の趣味……というわけでは、ないのかもしれないけれど……)

         (……ひほ、っていうのはノイズかしら?)

案の定、知らないキャラだ。
荒事が嫌なのはココロもなので、そこは悪いと思わない。

「とりあえず、今は相談……で、できるだけ荒事には、巻き込まないようにするわ。」

とはいえ、試合形式によっては役立ってもらうかもしれないが……

         ・・・・さて。

>>467 >>468 >>469 >>470 >>471(全体)

「…………え、ええ。分かってくれているなら、助かるわ。本当にありがとう。」

(……鈴元くんの絆、今回はさっきより大人しいみたいだわ。ノイズがないおかげ……かしら?)

説明には時間がかかる。しなくていいのはいいことだ。

……さて、どうするか。


         (……え、エリーちゃんの語尾は突っ込み待ちなの?
          そ……それとも、これも、ノイズというもの……?)

「そうね、じゃあ、お……大船に乗った気分でいくわ。
 まず相談したいのは……どうやって人を集めるか、かしら。」

      「な、中々……いい考えが、浮かばないのよね……」

自分で思いつける、とは思えない。
だからこそ、絆たちに頼らせてもらう。

「西さんの能力……を使うのが、い……一番、『手っ取り早い』気はするのだけれど……」

それにも、いくつかの問題は伴う。

473『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/08/25(火) 00:19:53
>>472
「人を集める…
 無理やり引っ張るわけにも行かないですし…
 やはり、入りたくなるような店作りが重要に思えますが…」
うーむ、と軍人フィギュアが首を傾げながら考える。

「西さん…というとその『キーホルダー』の方がそれに当たるわけですか…
 たしか人は、行列はあったら並びたくなるとか、そういう心理があったかなと思いますけど…」
そう言って群衆キーホルダーの様子を見ると

「どうでしょうか?可能であれば、行列を創りだしてみたりとか…出来るでしょうか?」
と、改めてココロへ尋ねてみた。

474ココロ『RLP』:2015/08/25(火) 00:27:12
>>473(朱鷺宮)

「……そ、そうね……確かにそれなら、人は集まるわ。
 け、けど……ご、ごめんなさい、せっかく意見してくれたのに。」

反論の前に、謝罪はしておく。
人を集めるには人を集めればよい、それは正論ではあるのだが――

「お客さんを集める必要は、な、ないのよ。
 人数は……勝負に関係がないの。」

一呼吸ほど、間を置く。

「私が言った人を集める……っていうのは、て……店員さんの話なの。
 店員さんを、ど、どう集めるか……っていう話……ごめんなさい、ま、紛らわしくて。」

あるいは朱鷺宮はそのつもりで言ったのかもしれない。
が、『入りたくなる店づくり』という発言から、ココロは『勘違い』と受け取った。

475雪の妖精フィギュア@高天原:2015/08/25(火) 00:28:34
>>472

「つまり、マーケティングってことヒホ!」

 白い妖精が手を上げる。

「一番大切なのは、『客層の明確化・差別化』だと思うホ!
 どういった人をターゲットとして呼び込むのか…これが明確化ヒホ。
 そして、『向こうの土俵では勝負しない』。これが差別化ヒホ。
 これが決まっていれば、『どういう店にするか』も決まるヒホ。その上で…」


「より多くの人を呼び込むなら、次に『客層を広げる』ことが大事ッホ!」


 この妖精…

 言ってることは見た目ほどかわいくねーらしい。
 おそらく本体も、根っこは頭でっかちなのだろう。

「まずこの勝負。見てて思ったけど…
 客の最大数は『50人』って決まってるのに、それぞれの階数によって収容数が大きく違うホ。
 『10人しか入れない』店を選んだら、その時点で不利って分かるはずだホ。
 これたぶん、『複数の店を同時に経営すること』を視野に入れた勝負だと思うッホ。思うッホ。」

「これは提案なんだけど。みんなの能力を駆使して、『同時に二つの店を運営する』ことはできないかホ?」


 そしてこの妖精、ガチだ。

 みんなで仲良くパーティプレイのゲームをしているときに、一人だけ本気でやってちょっと空気悪くするタイプのやつだ。


 ともかく。
 例えば地下のバーでは、ココロがピアノを弾く、シックで落ち着いた大人向けとして。
 そして一階のメイドカフェでは、ファンシーな飲食店として。
 従業員については、それこそ西さんの能力を活かせば事足りそうだし。

 なにより、ココロが授かった『絆』の力。
 その最大の、そして最も分かりやすい魅力は『手数』のはずだ。
 それを活かせば、活路は見えるのではないか。

「それを『系列店』として運営すればいいと思うホ。
 みんながみんな、セクシーな店が好きなわけじゃあねーヒホ」

「どうだホー」


 思う存分喋ったら、他の意見にも耳を傾けたい。


>>473

「良い案だと思うッホ、『行列に並ぶ心理』は使えるホ!
 ただ、『行列があるなら別の店に行こう』って人も出てくるのが怖いホ…」

 妖精がなんか言ってる。

476雪の妖精フィギュア@高天原:2015/08/25(火) 00:36:40
>>474


「……ごめんホ。勘違いしてたホ。
 焦点は『どうやって店員を集めるかだったホ」

「覚えたての知識を使いたくなっちゃうアレだホ」

 へこんだ。
 つまり>>475はまったく目を通す必要のない、意識高い系フィギュアの独白ということだ。
 すみませんでした。

477ココロ『RLP』:2015/08/25(火) 00:51:41
>>476(高天原)

「い……いえ、気にしないで。
 二つの店をやる……というのは、とてもいいと思うわ。」

「い、今は……人を探さなくてはだけれど。
 そのあと、お、お店を良くするためには、すごく参考になる……わ。」

焦点は違えど、使える意見だ。
これは、覚えておこう……もっとも。

        (けど、そ……それだと、従業員は倍、いるわよね……
         あ、で、でも、バーならそんなにたくさんは集めなくていいかしら?)

簡単にはいくまいが。

ネックは――『ピアノを弾くココロ』と『RLPを使うココロ』は両立に条件がいる。
つまり『7WC』による、ココロ自身の群集化だ。
また、『7WC』の射程は決して、余裕をもって長いわけではない。

478『デジタル腕時計』@坂下:2015/08/25(火) 00:59:14
>ALL

「ええっと」

『デジタル腕時計』のバックライトが灯り、
液晶がぱちぱちと瞬きするように明滅する。

「あ、意外としゃべれるもんだね。
 勝手が分かるまで、だいぶ戸惑っちゃったけど」

本来『アラーム』を鳴らす為の『スピーカー』を通じて声が流れ出す。
音質は決して良くは無い。トランシーバーを通したようなざらついた声だ。

「事情は大体分かってる、つもり。
 私の『使い方』も、大丈夫ってことでいいんだよね?」

私の能力ってば、まあなんとも頼りない奴なんだけど、
それでもこういう状況に限っては、それなりに使い道が無いわけでもないって思うんだよね。

「それにしてもこの、時計ってのはいいね。
 表情が出ないから、こう、照れ臭くなくって。
 
 なんにせよ、よろしくね――ココロさん」

なにはともあれとりあえず、私が来たってことなんだ。
遅くなっちゃって、ごめんねえ。

479『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/08/25(火) 01:19:02
>>472 >>474 (ココロさん)

「店員さんねぇ……」

「ウチの店の人連れてくる……ちゅうんは反則やろか?」

「まぁ、なんにせよ実際のお店屋さんの店員さん連れてくるんがエエ思うわぁ。」

「それが西さんの力で出来るんやったらした方がエエかも。」

適材適所だ。人を集める能力を持つものがいるならそうしたほうがいい。
と、子狐は告げる。

「ただ誰でもエエ訳やないよ?お店の雰囲気に合ったお人さんやないとアカンねぇ。」

「お上品なお店に髪染めたり制服着崩す店員さんはおらんやろ?
 お店に恥かかせるっちゅうんは、店の評価を下げることやからね。」

「染めるんも着崩すんもそれ相応のお店やないと雰囲気壊してまうわ。」

「そういえば、水溜さんのお店はどんな雰囲気なんやろか。」

真剣な言葉であった。
顔は笑っているが、その言葉に茶化したりする雰囲気はなかった。

>>478 (坂下さん)

「いや、おはようさん。」

とりあえず挨拶だ。

480『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/08/25(火) 01:27:16
>>474
「あ、すいません。
 勘違いしてましたね…」
ふぅ、と溜息を付くように答える。

「えーっと、そういえば店員さんはどういう人がほしいんですか?
 例えばその…若い人とか、ベテラン?あるいはバイトみたいな子も歓迎とか…」
ふと、考えるのはどんな店員が最も入用なのかということだ。

「…まぁ店員さん集めで一番なのはアルバイトですけどねー。」

481ココロ『RLP』:2015/08/25(火) 01:40:37
>>478(坂下)

明滅する液晶、そして……声。

       「――! ……ありがとう。来て、くれて。」

目線を落とし、そこに合わせる。
時計だからか? これだけ目を合わせることに、照れは薄い。

「それに、な、なんだか……ごめんなさい。
 こ、こんな形で、呼びつけたりして。
 それに……の、能力、使い方まで……知ってしまったわ。」

言うなれば、他人の日記を盗み見たような。
表紙を見ただけとは、それは意味が全然違って。

        「……か、駆け足になって、しまったかしらね。
         でも……ご、ごめんなさい、勝手だとは、思うけれど……」

本当はもう少し、ゆっくりと。
お互いへの見識を深めていくのが、友情なのかもしれないが。

「……こちらこそ。
 こちらこそ、よろしくお願いするわ……坂下さん。」

今日、この助けが、嬉しかった。
それが変わることはない。


>>479(鈴元)

「そ、それは――」

店の人を、連れてくる。

     「……は、反則では、ないと思うわ。理由がないもの……
      け、けど…………いいの、かしら。」

鈴元はイイと言ってる。
が、実際通るのだろうか? ほぼ面識のない女の無茶な誘いが。

「お店は……出来れば、落ち着いた雰囲気が良いと思うの。
 だ、だから、あんまり……ちゃ、チャラチャラした人は、良くないわ……」

もっとも、ココロ自身髪は黒くない。
そこまで潔癖的に『身だしなみ』を求める気はないが――

「一応、こ、湖畔……森。
 そういう、自然……みたいなのを、モチーフにしようと思って。」


>>480(朱鷺宮)

「い、いえ、私の言い方がよくなかったのよ。
 ごめんなさい、朱鷺宮さん。」

悪い気にはさせたくない。
来てくれて、意見をしてくれたのだし。

「ど……どういう人、ということもないわね……
 で、出来れば。女の人が良いかしら……? あっ、せ、接客の話よ。
 お料理を作る人とかは、ま、また別だと思うし……」

衣装はあからさまに女性向けだ。
男性が来るなら、また別の衣装も用意することになるか。

          「……あ、あと、経験者の人の方がありがたいわ。」

まるきり素人に、一から教える時間も、技量もココロにはない。

「あ……アルバイト……
 お、お金、そんなに払えるかしら……」

それに、金が絡むとややこしい。

482『パンダのシャーペン』@エリー:2015/08/26(水) 00:27:48
>>481
「…………素直にお願いしてみるのは、駄目なのかー?」

一通り話を聞いてみたエリー ――ではなく、パンダ――は首を傾げて問いかける。
ぐにゃり、とプラスチックが生き物のように曲がった。奇妙だ。

「レイク爺って、けっこう知り合いも多いんでしょ?
 ならおじーさんの為に手伝ってってお願いしてみれば、
 手伝ってくれる人だってそれなりにいるんじゃないかー?」

必ずしも雇う必要はない、という考え方だ。
もちろん半分ボランティアみたいなことになるが、
今回はお祭り騒ぎみたいなものだし乗ってくれる人もいるかもしれない。

結局はレイク爺の人望次第なので、あまりアテにはできないかもだが……。
女の人の知り合い、というのであればレイク爺はたくさんいそうな気がする。

483『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/26(水) 01:12:40
>>482(『パンダのシャーペン』@エリー)

「………うゥむ、実は今回、ワシの『人脈』はあてには出来んのじゃ。

 そもそもの話じゃが、ワシは『一般人』には『見えん』ようにしとる。

 だって、見えてたら『大騒ぎ』になるじゃろ?
 小人なんてカワイイ存在は捕まって『見世物』にされちゃうじゃろ?

 だから『繁華街』の『人間』たちはこっちから『見るだけ』じゃ。
 いわゆる『うぃんどうしょっぴんぐ』みたいなものじゃな。
 色んな店に潜入してじっくり眺めるのも、それはそれで楽しいのじゃが―――

 実際、ワシがここで『交流』するのは、同種、つまり、『繁華街の小人』たち。
 『ナイトくん』から紹介されたイキのいい小人女たちじゃな。

 だからそういう小人たちの『人脈』はある。あるのじゃが………

 今、ここでワシらと競っているのは他ならぬ『繁華街の小人』。
       当然、この件で力は貸してくれないじゃろうな………」

 『パンダのシャーペン』の発案に『レイク爺』は項垂れる。

「まァ、仮に知り合いがいたとしても、この『繁華街』の
 いわゆる『夜の店』のオナゴたちは『湖畔の自然』とはそぐわん
 けしからん格好の者ばかりじゃからな!
 じゃから、『てーま』を追求するなら、
  雇うにしろ、お願いするにしろ、写真を撮るにしろ、
  『どこで』『誰を』というのが重要になるやもしれんな」

484『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/08/26(水) 01:33:54
>>481 (ココロさん)

「まぁ、イケそうやけど確実ではないわ。」

「お店から人借りるんは難しいとは思うんよ。」

「やから、水溜さんと面識のある僕のトコから人を借りるってことなんやけど
 正直もっと効率のエエ方法はある思うわ。」

申し訳なさそうに言う。
ココロの懸念はもっともなことだ。

「落ちついたお人さんねぇ。」

「あんまり派手やのうて、ゆったりした優しい雰囲気のお人さんがエエやろか?」

この辺りにそういう人間は少ない気がする。

>>483 (GM)

「かいらしい?
 ……見世物はまぁ、分からんでもないけど。」

一瞬冷ややかな視線を送り、ココロに視線を戻す。
子狐の尾はしっかりと鈴を握っている。ぐぐっと力をこめているようだ。

「湖畔に『湖畔に似合うお人さん』がおるんちゃうやろか。」

「や、作業効率を求めるんやったら、似た雰囲気のお店屋さんの店員さんのがエエやろうけど。」

「雰囲気重視やったら、そっちがエエ……んかなぁ?」

485『パンダのシャーペン』@エリー:2015/08/26(水) 01:41:49
>>483
「そっかー……残念」

パンダは分かりやすく肩を落とした。
ペンなのに肩を起こすとはこれいかに。
なお、ボケについてはスルーした。
ボケはツッコミができないのだ。

「それじゃあ、『湖畔』の小人も頼れないなー。
 スタンダードなところだと、湖畔の近くのお店……かなぁ?」

湖畔近くにもそれなりにお店はあるだろう。

486『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/08/26(水) 02:21:18
>>481(ココロ)

「『セブン・ワールズ・コライド』!」

        「『シャッターチャンスの連続』!」

「レコーディング! レコーディング!」

畜生の音楽隊が高らかに叫ぶ。
恐らく、「『7WC』の能力なら必ずしも本人を呼ぶ必要はなく、ただ店内で写真を撮らせてもらえばいいだろう」という意味合いの鳴き声だろう。
確かにわざわざ人を雇うこともない。
『群衆』抜きで人を呼ぶと言うのも有効な手といえばその通りなのだが、時間と人脈の面で不安がありすぎる。

「ジャズバー!」

       「セッション!」

「ミュージカル!」

       「『ライオン・キング』!」

次の叫びは、選ぶ『群衆』の種類を指すものか。
つまり、それこそ『ジャズバー』で写真を取るか、雰囲気を重視するというのならどこかで『劇団員』でも引っ張ってくるか、という。
『ジャズバー』であれば、接客はもちろんのこと、ココロのピアノに合わせて楽器を演奏する『奏者』も呼べる。
ネックは、素材入手の面か。昼間にジャズカフェと称して開けている店もあるが、大半は18時程度からの開店……準備期間的にはギリギリだ。
バーの紹介雑誌などを漁る手もあるが、うまいこと条件に一致する写真が見つかるかどうか。
『劇団員』であれば、湖畔の雰囲気を出すという要素に置いて大きな力を発揮してくれるだろう。
ネックは接客面での不安。素材入手は演劇雑誌でも買えばいいとして、料理や接客の能力に長けた劇団員がどれだけいるか……
一応劇団員というものはそれだけで食べていくのが難しいので、大抵は本職があったりバイトで食いつないだりしているのだが、それに期待するのは流石に難しい。

487『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/08/26(水) 02:26:48
>>481
「別に大丈夫ですよー」
そう言って軽く手を振ってみせた。
悪い気にはなってないようだ。

「ふーむ…接客経験の有る女性が一番良し、ですか…
 とは言え、どうしたらいいんでしょうねえ…
 小人さんの力は借りられないとなれば…」
とりあえず色々と考える。

「見返りをなにか出さなければ人員を連れてくるのは難しいですね。
 西さん…の能力を使うにしてもやはり足りないですし…」

488ココロ『RLP』:2015/08/26(水) 19:23:16
>>482-487(全体)

「そ、そうね……お願いして、聞いてもらえたら良いけれど……」

(……か、可愛い……? い、いえ、感覚の問題だわ。
 わ……私が思っているってだけのことじゃあない……
 ……と思ったけれど、す、鈴元君も同意みたいね……)

相談や意見を聞きつつ、考えるココロ。
『鈴眼』の店員を借りるのはアリだと思う。
もっとも、それだけでは足りないかもしれないが……

盲点だったのは――

     (そ、そうだわ。なにも繁華街で探す必要はない。
      湖畔のお店なら……H湖の湖畔で探せばいいんだわ。)

エリーや鈴元の意見だ。
餅は餅屋、和菓子は鈴眼なら、湖畔系の人は湖畔で探すべきだ。

          ・・・・さらに。

「……れ、レコーディング……ジャズバー……ミュージカル?
 そ、それって……ええ、ええと。」

「……ジャズバーの人を、『素材』にする……?
 あっ、そ、それとも、ミュージカルの……劇団員さん、とか……」

専門職を引っ張ってくるのは、難しそうだが妙案だ。
ここまでを総合するなら――

「……こ、湖畔の近くに、劇団員が集まる落ち着いたジャズバーがあれば完璧よね。
 …………ごっ、ごめんなさい、流石に、め、めちゃくちゃだったわ、今のは……」

だが、無いとも言い切れまい。
劇団員はともかく、ジャズバーならあってもおかしくなかろう。

           (え、演奏しながらじゃあ調べられないのよね……)

489雪の妖精フィギュア@高天原:2015/08/26(水) 19:37:31
>>481-487

>「お店は……出来れば、落ち着いた雰囲気が良いと思うの。
> だ、だから、あんまり……ちゃ、チャラチャラした人は、良くないわ……」


 (゜д゜ )

 ( ゜д゜)


「ヒ、ヒホホ……」

 雪の妖精がなにやらダメージを受けたらしいが知ったことではないな。





「あ、あー… 『接客経験のある女性』。一人だけ、心当たりがあるヒホ」

 気を取り直した チャラ男 in 雪の妖精 が喋りだす。

「飲食店じゃないけど、一応実家が商売店だホ。営業スマイルできるホ。
 器用だし力持ちだホ。料理も出来るホ。見た目も、まあ……黙ってれば、美人だホ」

 ココロちゃんには全然及ばないが、と付け足し、話を進める。

 使うのはココロの『絆』だけじゃなくてもいいはずだ。
 彼女が呼んだ仲間が、また別の仲間を呼ぶ。

「一番良いのは、たぶん『気に入られれば、ノーギャラで仕事してくれる』ってことだホ。
 その辺、気前は良いホ。俺の名前使ってくれれば、たぶん話は聞いてくれると思う…ヒホ。
 それに本人を呼ぶのが難しくても、店のWebページとか雑誌に経営者として写真載ってるホ」



「…………『車屋』っていう、駅前の古い『花火専門店』、知らんかホ。そこの店主やってる人だホー」



「狐っちのトコの店員さんとも、もしかしたら町内会と商店街イベントとかで面識あるかも知れんホ」

 駅前といえば『商店街』の区分になるが…
 問題ないだろうか。ないよね。ないといいな…。

 あと狐っちとは当然鈴元氏のことだ。あだ名つけやがったコイツ。


「店員さんさえ自前で用意できれば、『7WC』の能力を別の用途に使える。コイツはデカイッホ」

 それこそ、ブレーメン板踏氏がいう『劇団員』や『ジャズメンバー』を呼び、イベントが出来るのだ。
 正直、イベントをメインに据え、それに『7WC』を当てる案は、雪天原的にとても面白そうだと思う。
 鑑賞するタイプのイベントを開催すれば、接客が最低限で済むからだ。これは大きい。

 『7WC』でイベントの精鋭たちを呼び出し、メインに据える。
 涼眼、車屋などの少数が切り盛りする。
 料理やドリンクは、どうしても必要なら、作り置き出来るものを事前に準備してしまえばいい。
 店の収容数にも寄るが、どんなに多くても50人分。たいした手間じゃあない。

 これは良い方針ではないだろうか。



「あとは…… 劇団ならミュージカルっぽくして、クライマックスにココロちゃんのピアノ独唱とか」

 ぼそっと余計なことを付け足す。

490ココロ『RLP』:2015/08/27(木) 01:58:14
>>489(高天原)

「……え、ご、ごめんなさい……?
 わ、私、何か言ってしまったかしら……」

不安になる。

         ・・・・が。

「えっ……」

(……な、何だかダメージを受けていたのはもう大丈夫なのかしら?
 ふ、不安だけれど……で、でも、大切な情報だわね……!)

ちゃんと、聞いておこう。

「き、き……聞いている限り、すごく、素晴らしい人な気がする。
 …………は、花火、屋さん。え、駅前の……車屋、さん。
 そ、そんな人がいるのなら……た、助けてもらえるのなら……」

         (そうだわ、みんなの知りあいとか……
          な、なんとか集めて、その人たちで切り盛りして……
          『7WC』で、ピアノを弾く私と、せ、専門の人たちを出して……)

――この助言は、大いに助かる。

「い、いい……出来るかも……しれないわ。」

なんとなくだった『道』が固まる。
道が固まれば、固めながら歩く手間は要らない。

「……みゅ、ミュージカルというのは少し、や、やりすぎな気もするけれど……」

全ての客が同時に来るでもない。
とはいえ、パフォーマンスに工夫の余地があるのも、事実だ。

491『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/08/27(木) 02:49:37
>>488 (ココロさん)

「うん。お願いすれば答えてくれる思うよぉ。」

「僕もおるし、そやねぇ……僕も入れて三、四人ぐらいは連れてこれるかも。」

もちろん成功すればの話だ。
しかし成功すれば戦力にはなるだろう。
少なくとも子狐はそう思っているようである。

「あ、他に楽器できるお人さん呼ぶんはエエかなぁ。」

「最初にサクラで入ってもろて
 途中から演奏に加わってもろたら見世物としてもエエかもしれん。」

「センセ……あ、板踏さんは楽器演奏できた思うけど、どないやろ。」

492『デジタル腕時計』@坂下:2015/08/27(木) 02:58:02
>>481
「え、へへ」

なんというか、こんな感じで再会するなんて思ってもみなかったし、
そもそもこれを再会って言っていいかどうかっていう問題もあるんだけど、

けど、嬉しい、よね。

「そんな謝るようなことじゃないんじゃないかな。
 多分、これって私だけど『私』じゃないって感じだし」

これはきっと、裏ワザとかボーナスステージとかそういうお話で、
絆、なんて大層な言い方すると照れくさいし恥ずかしいけど、
そういうのは改めて、きちんと、しなきゃいけないと思うんだ。

「今度ちゃんとさ。
 そう、ちゃんと、お話すれば、それでいいんじゃないかなって思うんだよね。
 これは『きっかけ』みたいな感じでさ」

>>ALL
「その、『西』さんの能力で呼び出す人たちとは別に、
 ほんとの、ええと、生身の人間っていうか、そういう人たちに協力をお願いするのが、
 できるってのが前提だとして、さ」

私といえば、正直頭がこんがらがっちゃってるというか(頭はないんだけど)、
方針がバチッと見えてこなくてなんだかコメントをするのもちょっと不安な感じだったりして。

ただ、あんまり時間がないんじゃないかなっていうのは、なんとなく分かる。
や、一応私時計なわけだし。

「お店の『人員』を、ぜんぶ西さんの能力で用意するのか、
 それとは別に、知り合いの人に声を掛けて手伝ってもらうのか、っていう、
 そこんとこの方針だけは、決めちゃった方がいいんじゃないかなって思うんだよね」

『知り合いの人に声を掛けて手伝ってもらう』のが『アリ』なら、
そもそもまず第一に私も含めてこの場の人たちの、『本人』を呼んじゃえばって思う。
話も早いし、人手も増えるし、それから『接客に向いた人』を当たるってのが手っ取り早いんじゃないかなあって。

ただ、

「ただ、私は、個人的にはって話なんだけど、
 他の知り合いの人を呼んできてなんとかするっていうのは、あんまし、したくない、かな」

効率とか勝率とか、合理性とかって話ではないんだけど、ええっと、なんてんだろね。

「ぜ、全然、無視してくれちゃって構わないんだけど。
 私達、ええと、この場合の私達ってのは、この『小物』の私達ね。
 ココロさんと、小人さんと、私達とで、その能力で、ちゃんとしたいっていうか、さ」

私は状況を理解している、つもり、だ。
だから今の私が、湖の小人さんとココロさんの能力が上手いことハマって相まって生まれた、
仮初で一時的な嘘っぱちの意識、人格だってことも、理解しているつもり。

だからこそ、っていうのかな。『本当に生身の知り合い』を呼ばれてしまうと、なんというか、
この『私』が台無しになっちゃうような、そんな気がするんだよ。
だって私達、この『場所祭』が終わったら、綺麗さっぱり消えてなくなっちゃうかも知れないじゃん?

これは本当にただの感傷、センチメンタルって感じで、
嫉妬っていうのも近いかも知れないんだけれど、
私は、人を集めるなら、『西』さんの能力で、だと嬉しいかなって。

「なんて。
 ごめんね、『ノイズ』だと思ってくれると嬉しいかも」

493『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/08/28(金) 00:28:33
>>490(ココロ)
>>491(鈴元)

「『トランペット吹きの休日』!」

              「『歓びは永遠に』!」

多分、「『板踏甲賀』はトランペットが吹けるぞ! 任せておけ!」という意味合いの鳴き声。
あと『歓びは永遠に』はミュージカルのタイトルなので、イベント性の強い店を推すという意味もあるのだろう。
どうせまともに接客しても勝てるわけはないのだし、積極的に『変な事』をしていくべきだ。
もちろん、それは接客を無視していいと言うわけでないのだけれど。
それでも、力を入れるべきは『水溜ココロ』の持ち味の方であり、そのための人員を――――


>>492(坂下)

     「…………」

『腕時計(坂下)』の言葉を聞いて、先ほどまで意気揚々と飛び跳ねていた『ブレーメンの音楽隊』の動きがピタリと止まる。
馬が尻尾を一振り、二振り。
喉の調子を確かめるように、ぶるると体を震わせ一声鳴いて。



       「……確かにそうだな」



       し ゃ べ っ た


    「俺たちは『ジャグバンド』だ。
     相手はプロで、こっちは素人。
     おたまや鍋が楽器になるから、それを使って対バンしようって連中だ」

        「俺たちは今だけの『ジャグバンド』。
         インスタントで、寄せ集めで、今だけのメンバーで――――」


      「――――――ああ、確かに、こいつを『本物』なんかにくれてやるのは惜しすぎる」


馬のセリフを犬が引き継ぎ、犬のセリフを猫が引き継ぎ、猫のセリフをニワトリが引き継ぎ。
ノイズが晴れたのか、今までの姿が演技だったのか、『ブレーメンの音楽隊』が、流暢にしゃべる。

        「俺はトランペットなんか吹けないぜ。
         今の俺が能力を使うなら、それはきっと『声』って形になるんだろうさ」

   「だから、役に立つって意味なら『本物』の方がきっと役に立つ。
    もちろん、『本物』よりもうまい演奏者なんてゴロゴロいるが、それでも俺よりは役立つだろう」

     「俺たちは『水溜ココロの力になりたい』と思ってる連中の想いの力。
      だから当たり前だが、『本物』に頼ったって力を貸してくれるはずだ」

          「だが――――だが、どうせなら、俺もこのメンバーでやりたいと思う」


       「…………とはいえ、このバンドのリーダーはおまえだ。
        これは『水溜ココロ』の物語であって、
        楽譜なんかないおまえの『アドリブ』であって、
        どんな音楽を奏でるのかは、おまえが決めるべきだ」

               「きっと『本物』に頼ったほうがいい結果が出る。
                別に『本物』じゃなくとも、なにかしら人脈を頼ったほうが絶対にいいだろう」

            「俺たちはおまえの力になりたくて来てる連中だ。
             おまえが決めたことなら喜んで力を貸そう。だから、どうするかはおまえが決めてくれ」

494雪の妖精フィギュア@高天原:2015/08/28(金) 00:43:28
>>492

「あ、あー…」

 言われてみれば、だ。

 生身の人間を呼んでくる。これほど手軽で便利な手段はない。
 残りのステージ全部これで解決できるんじゃないか?と思えてしまうほどだ。

 例えば小学校の学芸会に、助っ人でプロの演者を連れてくるのと似ている。
 少なくとも、醍醐味は消えてしまいそうな。そういう一手だ。
 (このイベントを学芸会だと罵っているわけでは決してない。あくまでも例え。)


「や、言ってること分かるホ。確かに、このやり方で勝っても、
 『湖畔の勝ち』、と言い切れないような気がするホ。物言いが付くかも」

「ただ、本当にどうしようもなくなった時に、手段の一つとして使うのはアリ、だとも思うホ」


 雪天原としては、デジタル坂下氏の意見に、積極的に反対はしない。
 というか、むしろスタンスとしては同意だ。



>>ALL

「ええっと。ちょっといいかホ? 出てきた意見、整理したいホ。
 『森カフェ』だったり、『ジャズバー』だったり、『演劇』だったり…
 あとは、『湖畔近くの店を選ぶ』ってのもあったホ。
 店員については、『知り合いを呼ぶ』と『7WCを使う』の二つの方法があるホ。
 大まかな雰囲気としては、『落ち着いた』感じで統一ってことで問題ないヒホ?」


 雪だるまが仕切り始めたぞ… 倒すなら今だ。


「まだ『こういうのある!』って意見持ってたりしたら、出して欲しいホ」
「んで。とりあえず、今出てる条件に合いそうなトコは、ケータイで先に調べるホ?」



>>488&GM

>           (え、演奏しながらじゃあ調べられないのよね……)

「ココロちゃん、スマホかケータイ借りていいかホ?
 先ずは、湖畔近くにそういう店があるか調べて…
 どれにするかは、それを見つけてからでも遅くないと思うホ」

 と、いうわけで。
 ココロの許可が得られたなら、彼女の携帯とかを使い、検索したい。
 先ずは、湖畔の近くに条件に適いそうな店があるかどうかだ。
 検索ワードは『黄金町 湖畔 カフェ』 『黄金町 湖畔 バー』 とかそんなん。

「まずは素材探すホ。見つけてから、どれにするか決めようと思うホ」
「新しい意見出たら、それも探してみるホ。」

 料理と同じだ。
 何を作るか決めてから素材を捜し求めるよりも、最初に素材を見つけてから調理法を考える方が安定する。

495雪の妖精フィギュア@高天原:2015/08/28(金) 00:45:42
>>493

「おいノイズ出てるホ」

 流暢な日本語を喋るブレーメンにとりあえず突っ込んでおく。

「でも、ノイズの割りに良いこと言うホ」

496『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/08/28(金) 00:48:36
>>490
>>492
「私は…両方をまんべんなくとかがいいかなーって思ったりしますね。
 人員を少なく両方を補えます。」
そう言って群集と手助けの人員で十分な人数を集めるということを提案してみた。

497ココロ『RLP』:2015/08/28(金) 01:09:02
>>491(鈴元)

「さ、3、4人も……ありがたいわ。
 …………が、楽器も、そ、そうね、ええ。」

ココロのピアノ演奏はかすむかもしれない。
だが、店全体としてはプラスになりえる。

      (……で、でも、板踏さんは……れ、連絡先も知らないし……)

あったこと自体ないのだ。

>>492(坂下)

「あっ……そ、そうよね。絆は、本人じゃあない……
 そ、それでも、来てくれたことに、変わりはないけれど……」

             コク

「ええ、そ、そうよね。そう言ってくれたら、嬉しいわ。
 これが終わったら、ま、また、会いましょう。その時に、ちゃんと……」

         「……き、きっとよ。」

もう一度、頷いた。
ここで約束することに、意味があるのかは分からないが――

      ・・・・ともかく。

「……それ、は。」

坂下――の、言うことはココロにも一理あった。

この自分とレイク爺、そして絆たちだけで店をできるなら、それはきっと価値がある。
絆たちに頼らない解決手段は、来てくれた彼らの意思を、無駄にしてしまうのでは――

「……に、西さんの能力だけでも、お店は出来るかもしれない。
 だけど……わ、私は……」

        「……出来るのかも、しれないけれど、け、けど……」

煮え切らないことを言っているのは承知だ。
しかしこの『意見』は、ココロに響いた。

(坂下さんが言っていることは……き、気持ちだわ。気持ちの話。
 だ、だけれど……気持ちを無視して、勝って、そ、それでいいのかしら……?)

(け、けど……それで負けたら?
 西さんの能力はとても便利だけれど……わ、私の『RLP』がないと使えない……
 それに、き、気持ちというなら、鈴元君さんの意見にも、き、気持ちはあるわ……
 彼は『知りあい』が参加した方が良いって、き、き……気持ちがあるのよ?
 坂下さんは……大切な、友達。でも、他のみんなも、大切な人たちだもの……)


絆たちは本来別々の人間で、ココロとのかかわりも、違う。
その全員が思うことを、すべて反映できるはずはない。

>>493(板踏) >>494-495(高天原)

「しゃっ……」

     (…………べった……!?
      の、ノイズが……晴れたということ……?
      も、元から喋れたとか……い、いえ、そんなことないわよね、ええ。)

いや、今それは重要ではない。
衝撃的だし、驚くべきことだが――

「……い、板踏、さん……」

           「高天原さん……も……」

彼らの意見にも、やはり理がある。気持ちで言えば、ココロも、賛同できる。

彼らは本物ではない。しかし、心は本物だ。
ゆえに、単なる道具じゃあないし――

(……そ、そうだわ。みんなのリーダーは……きょ、今日だけは、私。
 私が決めたら彼らは……着いてきてくれる。私が決めなくちゃあ、困らせちゃう……)

          ・・・・だから、選ばねばならない。


>>496(朱鷺宮)
>全体

「私は……」

       ・・・・絆たちを見回す。

彼らを信じ、このメンバーで全てを回すのはきっと美しい。
だが、しかし――

「……借りられる力は……か、借りたほうが、いいと思う。
 坂下さんの言っていることが、ノイズだなんて、思わない。けど……」

             キョロ

「けど……に、西さんの能力だけじゃあ、『アドリブ』に、た、対応しきれないわ。
 私以外に、の、能力抜きで動ける人がいなくちゃあ……きっと、良くないと思う。
 もし、もし私が……演奏を続けられなくなったら終わりのお店じゃあ、良くない……わ。」

西の能力を信じていないわけじゃあない。
むしろ、自分がピアノだけならともかく、全てに対応できるのか、という心配。

それに……相手はプロで、スタンド使いで、小人もついていて、ホームグラウンドだ。
 
         (き、きっと、出来ることは、しなくちゃあ……勝てない。)

「……出来るところまでは、わ、私たち9人の力でやりましょう。
 それで、出来ないことは……誰かに、手伝ってもらいましょう……?」

可能な限りはこのメンバーで、出来ることをしよう。


             「……みんな、それでいいかしら?」

     ゴクリ

反発されたとしても――それを、ノイズとして切り捨てる気はない。
叶えることは出来なくても、受け入れることは出来ると……信じたいから。

498ココロ『RLP』:2015/08/28(金) 01:09:27


>>494-495(高天原)

「あっ、え……ええ。私は、落ち着いた雰囲気が良いと思うわ。
 そ、それに、衣装はもう用意されるから……ベースは、も、森になると思う。」

ジャズバーだとか演劇だとかは後付だ。
店のパフォーマンスを拡張するうえでの方向性……ということだった気がする。

「……そ、そうね、みんな、何かあるかしら。 
 出来そうなことなら、み、店の中に織り込みたいし……」

         「あっ、す、スマホね。
          鞄に入っているから、取ってもらえるかしら……?」

(へ、変な履歴とか、は、入っていないわよね?
 画像とか……い、いえ、勝手に観たり、し、しないわよ。
 いきなり信じてなくてどうするのよ……)

『雪の精霊』高天原に、スマホを貸す。

499『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/08/28(金) 01:45:26
>>497-498(ココロ)

ココロの言葉を聞いて――――『ブレーメンの音楽隊』は、少しだけ残念そうなそぶりを見せてから、口をそろえて高らかに叫んだ。


           「「「「『それでいいさ』!」」」」


動物たちは、みんな笑っていた。



>>494-495(高天原)

「アジタート」「マルカート」

……そしてまた音楽記号を吐き出しながら、『雪の妖精(高天原)』に四匹がかみついた。
元に戻った(という表現で合っているのか微妙だが)のだろうか?
ひとまず、またまともな言語を喋り出すということはなさそうだ。完全に畜生の音楽隊である。


「『セブン・ワールズ・コライド』!」

            「カンタービレ!」

「『友よ』!」

            「アッコンパニャート!」

…………今度は多分、「とはいえ主眼に置くべきは『群衆』で、人脈で集めた生身の人間はサポートに留めるぐらいで考えるべき」か。
実際『7WC』の様々な専業スキル持ちを呼び出せるという特性は強力で、それで足りない点を生身の人間で補う、というスタイルが望ましかろう。

どうでもいいが、スタンドを大っぴらに使う以上、呼ぶ人間はスタンドに理解がある者を選ぶとかするべきかもしれない。
あるいは、誤魔化し方を考えるか。
少なくともココロが二人いる、という状況は説明が必要だろう(裏に引っ込めば客にはわからないのでそっちはいいとして)。

500『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/28(金) 01:57:53
>>494(雪の妖精フィギュア) >>498(ココロ)

『ココロ』は『雪の妖精フィギュア』に『スマホ』を貸す。
それを器用に動かしていく『雪の妖精フィギュア』。

『黄金町 湖畔 カフェ』『黄金町 湖畔 バー』
二通りの検索を試してみると―――
とりあえず引っかかったのが『3件』の店だ。
(これ以上あるのかもしれないが、すぐには見つけられなかった)。

『レストランバー ティンバーレイク』
『CAFE ほとりのそばであなたと』
『中華 湖畔』

前二件は『湖畔近くの店』という事で、この『繁華街』からは少し離れている。
最後はそのものズバリ、『湖畔』という名前のようだ。
これは『駅』近くにあり、わりと近くはあるが………。

いずれも規模はさほど大きくなさそうだ。
おそらくは個人経営でほそぼそとやっている店だろう。

>>497(ココロ)
「………私は」「………私たちは」
「………いい案はちょっと」「………思いつかないけど」
「………任せるよ」「………あなたに」

先程から黙っていた『群衆のキーホルダー』が口を開く。
もしかしたら、いきなり発言者の数が増えたので、
気後れしているのかもしれない。
この後も、あまり発言する気配はなさそうだ。


「ワシは一貫してココロちゃんの意見に賛成じゃあ!
 なんたってワシが選んだんじゃからのおッ!」

それにあわせるように『レイク爺』が高らかに宣言する。

501『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/08/28(金) 03:23:02
>>497 (ココロさん)

「好きにしぃ。僕らは水溜さんを助けたいだけなんやから。」

「とことん隣でお手伝いするわ。」

あくびをして、子狐は笑う。
チリンチリンと鈴が綺麗な音を立てる。

「今のあんさんに出来ひん事なんてなんもありゃせんよ。」

「やから、お好きに指示を。僕は従う。とりあえず口と足が滑るんに気ぃつけとくわぁ。」

502ココロ『RLP』:2015/08/28(金) 23:22:43
>>500(GM)
>>501(鈴元)

「……ええ、ええ、ありがとう。
 みんなが任せてくれるなら、わ、私は……」

それを任されよう。
つまり、考えなくてはならない――

         ・・・・可能な限り、自分たちだけで勝てる策を。

  (でも、ど、どうしたら……
   や、やる気が出たからって、案が浮かぶわけではないわね……)

「……そ、そういえば西さん。
 合成写真って……そ、素材にできたりするのかしら?」

……ふと、思い立った。
いまどき複数の写真を組み合わせて一枚の画像を作るのは造作もない。

         ・・・・それから。

>高天原

「……お、お店、出てきたかしら?」

高天原に問いかける。
応答がなければ、画面を見て確認しよう。自分のスマホだし。

503『パンダのシャーペン』@エリー:2015/08/28(金) 23:31:03
>>502
「どうしても、足りないピースがあるなら」

ちょっと黙って入た『パンダ』だが、
ちょっと口を挟んでみる。
まあココロは何かしら作戦を思いついたようなので、
よけいなお世話かもしれないが……一応だ。

          ラフカディオ
          「わたし を使う手もあると思うぞ」

『妖怪』を生み出す能力。
此処には『絆』を持つ者たちがいっぱいいる。
素材には困らないだろうし、
そう考えれば大抵の事態には対応できるだろう。

『策は思いついたけど此処が微妙』というとき、
自由に補強することができる一手が生み出せる――
というのはなかなかに心強い保証なのではないだろうか。

……とそこまで考えたかどうかはさだかではないが、
『パンダ』は軽く首を傾げた。
…………よく考えたら今の自分は純粋な人間やスタンド使いじゃないわけで、
能力の勝手が違っていても少しもおかしくはない……。
そのへんは自分の本能と相談してみるのだ。

504『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/29(土) 00:54:33
>>502(ココロ)
「………合成は、出来ないね」「………残念だけど」
「………虫なら出来るよ」「………鳥とかも」
「………あ、あとは、『動画』とかでも出来るけど」
「………その場にいる人たちで作ったり」
「………その人たちの『スタンド能力』は使えないけどね」

『群衆ホルダー』から返答が来る。

また、『雪の精霊』のスマホを覗くと三件の検索結果が出ているのが分かった(>>500)。

>>503(略してパンペン)
『パンペン』は自分の元となったエリーの能力『ラフカディオ』に思いを馳せる。
『ラフカディオ』は『幽霊』や『スタンド』を粘土のように捏ねる事で『妖怪』化するが………
『パンペン』には手がない。だから用いるのは………『絵』だ。
『幽霊』や『スタンド』、あるいはそれに類する『怪奇現象』を『絵』で表現する事で、『妖怪化』は成される。
その『絵』が誰にでも分かるような上手い絵であるほど、
素直に思い通りの『妖怪化』が出来るように思えた。作っておける『妖怪』は一種のみ。
絵を描くだけで『そのもの』を素材として使わない為、『そのもの』の挙動を制限する事はないようである。

『パンペン』の『画力』は元となったエリーに準じる………
いや、『ノイズ』が入れば更に『悪く』なる恐れがあるか。

505雪の妖精フィギュア@高天原:2015/08/29(土) 12:04:14
>>499(板踏PC)

    もぐ
         もぐ  もぐ

「ぐああ…!」
「や、やめろ! ぼくわるいフロストじゃないヒホ!」

 どちらがノイズなのかは結局闇の中であった。


>>500(GM)>>504(ココロPC)

「あるにはあったヒホ」

 それぞれ…

  ・食事処も兼ねたバー
  ・落ち着いた雰囲気の正統派カフェ
  ・がっつり中華

 と、いったところだろうか。

「どれも、そこまで大きな店じゃないヒホ」

506ココロ『RLP』:2015/08/29(土) 17:31:45
>>503(エリー)

「あっ……そ、そうね、エリーちゃんの能力なら……」

いろいろなことが、出来る。
・・・・もっとも。

「でも、い、今はどのピースが足りないのかも分からないし……
 また、あとで、頼らせてもらうわ。ありがとう。」

現状では、『どんな妖怪にすべきか』というところにやや欠ける。
今後、見つからないピースがあったら、思い出そう。

>>504(GM)

「そ、そ、そう……よね。
 それが出来たら、な、なんでもありだものね。
 ごめんなさい、無理を言ってしまって。」

それが出来たら誰も苦労しないし、仕方あるまい。
動画や、動物、群衆そのものも素材にできる――というのは朗報か。

(猫カフェとかみたいに、ど、動物を出して……
 い、いえ、それじゃあ従業員がいなくなるじゃあないのよ。)

と、スマホに視線を戻す。

>>505(高天原)

「あ、あったのね。ありがとう。
 ……そうね、こ、この中なら……」

        (ま、真ん中……カフェがまさにぴったりだわ。
         けど、あ、あまりにもピッタリすぎて逆に怖いわね……
         ……ぎゃ、逆って何よ。なんで私をだますための店があると思うのよ。)

「……ま、真ん中が無難かしら。
 カフェ、だし……い、一番下は、あんまり関係なさそうだわ。」

作戦会議が終わったら、湖畔方面に向かうことになりそうだ。
上手くいけばいいのだが……

「あっ、そ、そういえば……レイク爺。
 貴方も、わ、私の能力の起点になれるのよね……?」

「そ、それなら、向かいながら、こっちでは別の準備ができるわ。
 西さんの能力で、りょ、料理が出来る人を出して、作り置いてもらうとか……」

もちろん大まかな指示はしていく必要がある。
それに、エアピアノ演奏を保つのも、疲れるが……

507『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/29(土) 22:41:32
>>506(ココロ)
「おう! その話なら任せとけい!」

ふと気付くと『レイク爺』の白髭は妙に緑ばんでいた。

「………特にこだわりがないのなら」
「………『10人以上』の料理人の写真とかあれば」
「………私たちが『変身』して」「………『レイク爺』がうまく言ってくれれば」
「………美味しい料理を作っておけるよ」
「………ほかにも『内装』とか」「………『裏方』の仕事があれば」

『群衆キーホルダー』も賛同する。

『食材』は『黒子』に言えば標準レベルのものは用意してもらえる。
(物凄く存在感はないが、『審判の黒子』は一応傍にずっと居る)。
特にこだわりがなく、『写真』などの素材が用意できるなら、
『裏方関係』の仕事は彼らに任せておいて大丈夫かもしれない。
『エアピアノ演奏』をしながらの行動は疲れはするが………
日々、鍛錬を続けている『ココロ』なら出来なくはないだろう。

508ココロ『RLP』:2015/08/29(土) 23:00:48
>>507(GM)

「こだわり……そ、そうね。
 深いこだわりとかは、特には……わ、私、料理は詳しくないし……
 森っぽくなさすぎる……のは、よ、よくないとかは、思うけれど……」

ないわけではない。
店のコンセプトに合わせた料理を出したい。

       (お、お野菜に……何か、お菓子……とか?
        の、飲み物のメニューも、決めなくちゃあなのよね……)

ここで作ってもらうのはあくまで作り置きメニュー。あとは、下ごしらえなど。
その場で作るようなメニューは、集めた群衆たちに任せよう。

「だから、そ、そうね……お任せしようかしら。
 素材には……スマートフォンで、料理人の写真を探して、それを使いましょう。
 食材は……あ、貴方に頼めば、用意してもらえるのよね? 確か……」

一級食材は集める時間もつても、金もない。
偶然手に入ったら、それはいいことだが……

         (……そ、そうだわ、内装も大切なのよね……
          けど、二つの群集を動かすのは出来ないし、料理優先よ、ええ。)

内装は後で頼むことになるだろう。

509『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/08/29(土) 23:08:00
>>508
少しの間黙っていた軍人フィギュアは顔を上げる。
「店のコンセプトに合わせた料理、ですか…
 店の雰囲気との『調和』になるわけですから、
 そこは重要なところですね。」
そう言ってあたりを見回す。

「和洋中では、私は洋食の方が好きですけど…
 シックな雰囲気を出すならばやはり洋風メニュー中心ではないでしょうか?
 ピアノとうまく合うと思いますし…」

510『ある種の異能は場所に憑く』:2015/08/29(土) 23:25:56
>>508(ココロ)
メニューに悩む『ココロ』。
折角なのでこの機会に『絆たち』にアイディアを貰ってもいいかもしれない。
また、『料理人』の画像も探す必要があるだろう。

「用意は可能だ」

これは『黒衣の小人』の台詞だ。
標準的な『食材』ならば、問題なく手に入ると考えていいだろう。

511ココロ『RLP』:2015/08/29(土) 23:40:17
>>509(朱鷺宮)
>>510(GM)

「か、可能なのよね。何度も聞いてごめんなさい、ありがとう。」

黒衣に頭を下げる。

「そ、そうねよ。調和……
 森のお店なのに、う、海のお魚が出たりしたら、変だと思うもの。」

森は食材の宝庫だ。
いくらでも、メニューを考える余地はあるはず。

「……私も、それが……そう、洋食が、いいと思うわ。
 それに、本格的なレストラン……というよりは、軽食的な……」

           (そ、そうよ、メニューのことも相談すればいいじゃあない。
            あ、頭を柔らかくしなくちゃあ……柔軟に、よ、ココロ。)

軍人朱鷺宮に言われたことがよみがえる。
柔軟に。相談することを増やしても、いいのだ。

「……皆、な、何か……いいメニューって思いつくかしら?
 洋食系か、す、スイーツ系……それで、森で採れそうな素材を使うもの。」

         「き、キノコ料理とか……?
          果物……お、おしゃれな感じの……」

                  「あるいはH湖の鰻……
                   ……う、ウナギの洋食って、思いつかないけれど……」

広い意見が欲しい。
この中に、料理に詳しいものがいるかは知らないが。

512雪の妖精フィギュア@高天原:2015/08/30(日) 19:22:58
>>511

「ふむ。料理ならちょっと一家言あるヒホ」

 雪の妖精が真っ先に手を上げる。
 そろそろ役に立っておかないとヤバい気がしたのだ。


「森の素材を使うってことを念頭に置くと…
 やっぱり『癒し』だったり、『美容健康』を求められると思うヒホ」


  「『ドリンク』なら、蜂蜜や果物を使ったものが良いと思うホ。
   蜂蜜(ハニー)ティーとか、蜂蜜コーヒーは定番だし、砂糖よりも美容健康志向だヒホ。
   果物ならジュースもいいけど、最近はスムージーとかフルーツウォーターっていう、オシャレなのも流行ってるホ?」

  「『軽食』なら、サラダとサンドイッチは定番だホ。
   ちょっと前に流行った『アボカド』は、森のバターって呼ばれてて、調理も簡単だホー。
   渓流で取れる魚だっているし、それと組み合わせてパンで挟むと美味いホ。
   がっつり食べたい人向けのメニューも、1つか2つあると親切だホ。
   たくさんのキノコを使った『カレー』とか、『ハンバーグ』にしてワンプレートランチにするとカフェっぽいホ」

  「『デザート』なら、やっぱりケーキ系が定番だホ。
   季節のフルーツタルトとか、いかにもなんかOLとか好きそうな響きがするホ。
   ジャムとかがあれば、それを紅茶葉を混ぜたスポンジケーキで挟むだけでもお手軽ケーキだホ。
   小麦アレルギーの人とかもいるから、ゼリーやプリンみたいなのも一品あると、喜ばれるホー」

  「あとはせっかく和菓子屋さんいるんだし。
   一個くらい『和』を取り入れたオススメメニュー作っても良いと思うホ」


「『作り置き』できる、ってのを前提に考えると、この辺になると思うヒホ」


 雪の妖精が… 張り切っている…!!


「ヒホホー!」

513『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/08/30(日) 19:38:19
>>511
「森で取れそうな食材というと…
 やはり木苺やアケビなどの野の果物が用いられることになりますか?
 あまりやったことはありませんが、
 一応それらを用いたケーキなどといったものもできるといいでしょうね。」
とは言え、軍人フィギュアはさほどフルーツの知識がなさそうだ。
ココはどんなものが湖周辺に群生しているかをお爺さんに聞いてみてもいいかもしれない。

「あ、そういえばうなぎはむしろ西洋でもいっぱい採れていて
 西洋の食べ物としてもそれなりにメジャーらしいですよ。
 燻製にしたりとか…」
とは言うが少し複雑そうな表情だ。
「まぁ、日本人的には蒲焼きのほうがいいかもしれませんから…
 ちょっとだけ和の要素を混ぜても良さそうですね。」
と答えてから、近くで怒涛の勢いで提案する妖精フィギュアの姿を確認する。

「…後はあの雪の妖精さんのようにするのも良さそうですよ。」

514『パンダのシャーペン』@エリー:2015/08/30(日) 22:02:40
>>504(GM)
「ふふん」

なんか得意そうに笑いだした。
自分の本能と相談した結果、クラスで『画伯』の名を
ほしいままにしているエリー(の自意識と近しい自我を有する)『パンペン』は
『概ね思った通りの「妖怪」』を作ることができると判断したらしい。

なお、『画伯』というのはおよそネット上で使われる意味での『画伯』で間違いない。
要するに『ド下手』という意味だ。(だめだこりゃ)


>>511(ココロ)
「笹が食べたいパンダ!」

ノイズしかなかった。
あと語尾も雑だった。

「……んー、ちょっと思ったんだけど、
 あんまり難しすぎるメニューを考えても
 料理する人は大変なんじゃないか……?」

     「あんまり無茶振りしすぎていざ本番で失敗したら怖いぞ」

実際には『群衆』なのだから心配要らないのだが、パンペンはそんなことは知らない。
……とはいえ、『群衆』の行動の制限がどの程度なのか分からない以上、
写真を撮った店のメニューから大きく外れるようなメニューにするのは
ちょっと無謀かもしれない……という懸念が生まれるのも事実だ。(やってみたら案外平気かもしれないが)

515『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/08/30(日) 22:54:00
>>511(ココロ)

「…………」

     「…………」

          「…………」

               「…………」

……あっ黙った。
明らかに答えに詰まっている感じだ……多分食に対する興味とか知識がほとんどないのだろう。

「……酒が飲める!」

         「酒が飲める!」

                「酒が飲めるぞ!」

仕方ないので一般論、という感じで声を挙げる。
まぁ「お題は『夜のお店』なんだし、酒はあったほうがいいだろうな」ぐらいの感覚か。
酒もビールや日本酒などよりは、ワインやウィスキーなどの洋酒を用意するのが無難なところだろう。

516ココロ『RLP』:2015/08/30(日) 22:54:32
>>512 >>513 >>514(高天原、朱鷺宮、エリー)

「ごめんなさい、笹はみんなが食べられないし……
 く、燻製はさすがに時間が間に合わない気がするわ。」

この二つは却下だ。
提案はありがたいが……

「そ……そう、ね。
 スムージーなら、野菜の物もあるし……
 み、見た目にも、おしゃれな感じがするわ。」

飲み物はフルーツや野菜が埋めればよかろう。
コーヒーくらいは用意すべきかもだが。

「ワンプレートなら……か、カレーハンバーグにするのはどうかしら?
 ……つ、作るのは私じゃあないし、どうも何もないかもだけれど……
 き、キノコをたくさん使って、あ、で、でもそれだとシチューっぽい……?」

シチューバーグというものもある。
洋風だし、おしゃれで、野菜もふんだんに使える。

「メニューは、エリーちゃんの言う通り、多すぎても分かりにくいし……
 そうね……さっき言ったものに、サ、サンドイッチを何種類かと……
 ……タルトみたいなケーキ系に、もう一つ何か、で、デザートが二種類くらい?
 ゼリーとかは、か、固まるか……し、心配だけれど……」

素材にする料理人、もといシェフは必然、洋食系になる。
細かい味付けまで決めてしまうのはきりがないし、シェフ任せもいいか――

       (た、高天原さんってお料理に詳しいのね。
        なんだか意外……と、というわけでもない……?)

家庭的な面を見せつけられた。
あるいは、グルメとしての面なのだろうか――?

            「そ、それで……」

     チラ

ココロが視線を送ったのは『狐鈴元』だ。

「……あ、貴方は、和なメニューのアイディアって、あ、ある?」

和の専門家である彼のアイディアは貴重だ。
・・・・もちろん、それにすべて頼る気でもないが。

        (わ、和風メニュー……お魚?
          け、けど、お刺身とかはイメージに合わない気がするわ……
           わ、和スイーツ……とか、かしら? お抹茶とか……こ、湖畔?)

和については、いまいち思いつかない。

517ココロ『RLP』:2015/08/30(日) 22:59:34
>>515(板踏)

      「お、お酒……そう、そうよね。」

まあ夜の店だ。
ファミレスでもあるのだし、ないのも変だろう。

「けど・……お酒って、全然詳しくないのよね。
 どんなお酒を置けばいいのかしら……?」

            「わ、ワイン……とか……?
             だ、誰か、お酒に詳しかったりするかしら?」

(び、ビールとか……あんまりそう言うのは雰囲気に合わないわよね、ええ。
 ……で、でもお客さんは、ほ、欲しがるかしら……? い、いえ、コンセプトだものね。)

ソムリエでも呼んで聞くのが早いか。
料理人とソムリエが一緒に写った写真も存在し得るはずだ。

518『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/08/30(日) 23:28:43
>>511 >>516 (ココロさん)

「んー。そやねぇ。」

「洋の知識もあるにはあるんやけどぉ……」

「……え。あぁ、和風でかまんの?」

ぼぅっとしていたらしい。
慌てたように笑顔を作っている。
本体らしくない仕草ではある。

「和菓子やとお菓子と器とかで湖畔を表現したりするんやけど
 それは創作和菓子とか上生菓子とかの範囲で、割とお高いし職人の腕が重要になるわ。」

「円柱状に焼いた焼き菓子を切り株に見立てた盛り付けとかやったら、まだ簡単やね。」

「どんな年齢、性別のお客さんが来るんかよう知らんけど。」

しばし沈黙。鼻をくんくんとしている。

「寒天の中に金平糖みたいなちぃさいお菓子仕込むんもありかなぁ。
 ちょっと切って細工したお団子でお汁粉つくってもエエか……」

「料理……ううん。お店が洋風やからねぇ。山菜をバターで焼いてみる?
 汁物の方が湖畔っぽいかな……や、でもきのこは沈んでへんし。」

なにやらうんうんと考えている。

「お酒……やっぱり日本酒?珈琲に甘いんが合うんは知ってるけど……
 草団子やったら甘いお酒に合うかも。」

「まぁ、簡単に作るんやったら寒天系やね。混ぜモンもしやすいし。
 中に青蜜柑の果汁と皮混ぜると美味しいんよ。」

「和食は煮物とかが美味しいけどお店には合わんね。」

519『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/09/01(火) 00:13:52
>>517

「…………」

     「…………」

          「…………」

               「…………」

……あっ黙った。
とりあえず一般論としてお酒を挙げてみたが、特に詳しいということも無いのだろう……

「…………『父よあなたは強かった』?」

……多分、「場所からするに主な客層は大人の男で、遊び慣れてる連中だろうから、酒や料理はその辺考えた方が良さそうかもな」か。
しかし発言に自信はなさそうだ。とりあえず言ってみただけという感じである。
まぁ少なくとも、夜の繁華街に繰り出す家族はそう多くないだろう。
会社帰りのサラリーマンやOL、夜遊びに繰り出す大学生などが主な客になると思われる。
問題は、こういう『真っ当な夜の店』としての要素は、対戦相手との差別化を考えねばならない点だが……

「…………」

     「…………か、『カクテル』」

……カクテルとか作れると魅力的かもしれないが、問題は専門の技術がいることか。

520ココロ『RLP』:2015/09/01(火) 00:32:39
>>518(鈴元)
>>519(板踏)

「あっえ、ええ。和風も一品くらいは……
 けれど、あ、あまり『和』過ぎるのは、少し……ごめんなさい。」

和の専門家に洋を任せるのもなんだ。
ともかく、狐鈴元の意見を聞く。

        (……お、お酒、どうしましょう?)

    ・・・・酒のメニューについても考えなくては。


「え、あ……そう、ね。客層……
 私もお父さん……仕事帰りの人が、多いと思うわ。
 も、もちろん女の人も来るでしょうけど、い、イメージで……」

何せ夜の店だし。

「難しいメニューは、こ、困るかもしれないし……
 寒天……がいいかしら。湖のイメージにも、あ、合っているもの。」

和のメニュ―に大体の目星をつけたところで――

        「……カクテル。
         そ、そうね。いいかもしれないわ。オシャレだし……」

(ど、どうやって作るのかしら……?
 と、というか私がお酒をあつかうのは……い、いいのよね? 勝負だし……)

だが、ココロもオシャレだというイメージ以上の知識はない。
……酒担当を群集で出すべきか。

521雪の妖精フィギュア@高天原:2015/09/02(水) 00:03:38
>>520

「市販の酒とジュース混ぜるだけでも、簡単にカクテルできるッホ?」

 ちょっと助け舟を出してみる。

「ビールとジンジャーエールで『シャンディガフ』だホ。
 トマトジュースなら『レッドアイ』、コ○・コーラで『ディーゼル』だホー。
 自分で面白そうなの作って、オリジナルカクテル作ってもいいかもしらんホ」

「あとは、『森』のテイストを出すなら、『果実酒』とかどうだホ?
 苦めのやつを紅茶や炭酸で割れば、ケーキにも合うホ。
 紅茶にブランデー入れて飲む人もいるッホー。カフェっぽいホ」

 酒それ自体は、けっしてカフェやスイーツと相性が悪いわけではない。
 目指すのはダイニングバーや、カフェ&バーといった、汎用性の高い方面になるだろう。


「今ならちょっとくらい味見したってバレないホ!みんな黙ってるホ!」

 そして、こいつは…
 ダメなタイプの年上の男だ…

522ココロ『RLP』:2015/09/02(水) 00:32:44
>>521(高天原)

       「え、えぇ……?」

「で、でも、そんな……
 わ、私きっと、お、お酒は飲まない方が良いタイプだと思うし……」

      アセ

          アセ

          (こ、こんなこと言ったら、の……ノリが悪いって思われる?
           しょ、勝負だし、扱うのはいいんでしょうけど、の、飲むのは別じゃあ……?)

この辺は各人の良識の問題だ。
ココロは、怖い。

「で……でも、あ、アドバイスは……ありがとう。
 カクテル、も……そ、そんなに、難しくないのね。意外だわ……」

簡単なカクテルなら、という話だ。
もっとも、簡単でも美味ければいい。

だが、それより。

        「……果実酒。」

(紅茶に垂らすのは……み、見たことがあるわ。
 なんだかおしゃれな感じだし……お、お店のコンセプトにも合う?)

  「な……なんだか、よ、よさそうね。」

果実酒に惹かれる。
……知識がない以上、細かいことは分からないが。

「か、果実酒……というのを、使うことにしましょうかしら。
 あと、寒天と、金平糖……それから紅茶に、キノコに、お野菜……
 あ、ハンバーグにするなら、お肉もいるわ。後は調味料……?」

       (こ、こんなに用意してもらうのって、なんだか悪いわね……
        け、けど、これもこの人たちのお仕事なんだし……か、感謝はするわ、ええ。)

今のところ挙がった食材を羅列する。
なかなかたくさんあるものだ……

523『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/09/02(水) 00:46:14
>>520
「お酒をメニューに置くならば…
 サワーとかそういう軽めのもののほうがいいかもしれませんねー。
 居酒屋とは違います…し」
お酒を出すならば、という言葉を聞いて考えてみる。
軽めの方が料理も楽しめるのではないかという考えだろう。

524『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/09/02(水) 01:38:32
>>520 (ココロさん)
>>521 (高天原さん)

「音楽聴いてゆっくりするんやったら、あんま強すぎるお酒は向かんかもねぇ。」

「それに、そんなお客さんおらんとは思うけど酔うて暴れられても困るし。」

酒の事故は恐ろしい。
もちろん、そういうのは運営側が気を遣ってくれているとは思うが
そういう荒事は出来るだけ避けたいのだ。

「ところで。」

「バレへんとか、そういう問題なんやろかぁ?」

けらけら笑っている。尾で鈴をちりちりと鳴らして遊んでいる。
その視線は雪の妖精に向けられており、子狐自身妖精に近づいている。

525ココロ『RLP』:2015/09/02(水) 02:42:59
>>523-524(朱鷺宮と鈴元)

「あ……そ、そうね。
 軽いお酒……か、果実酒って軽いのかしら……?」

そこんところよくわからない。
軽いのも重いのもあるのだろうか――

      (る、涙音ちゃんってお酒のこと知ってるのね。
       ……い、今時、学生でも普通に飲むのかしら……?
       い、いえ、知識だけよ、きっと。お父さんとかが飲むのかも……
       か、勝手に未成年飲酒だなんて決めつけるのは、さ、最低よ……)

――などと考えていると。

「あっ……」

    (す、鈴元君……お、怒っているのかしら?
      そ、それとも、か……からかっているだけ……?)

          オロ

           「す、鈴元君、高天原さんも……
            わ、悪気があったんじゃあないと思うわ……」

    オロ

仲裁というのは、ほとんどしたことがない。
困惑するココロ。

526『パンダのシャーペン』@エリー:2015/09/02(水) 20:40:01
>>523-425
「ココロおねーさん、お酒はやめた方が良いホ」

と、そこでパンペンが声をかけた。
語尾がうつってるのはご愛嬌だ。(ノイズなのか?)

「わたしもワインを飲んだことあるけど、
 あれはすっぱくて飲めたものじゃないホ……」

実はただのすっぱいぶどうジュースなのだが、
(参照:ShotBar『ヒデヨシ』)
エリーの自意識的にはワインなのであった。
閑話休題。

「ところで、わたしはH湖に来るのによく車で行くんだけど……
 よくおとーさんが『車で来てるからお酒は駄目』って言ってるの、良く見るぞー」

エリーは湖畔近くの地理に詳しくないが(両親に連れられて遊びに行く程度だ)、
住宅街からH湖へ行くと考えれば徒歩では時間がかかる距離だ。
電車の類もないし、行くとなればバスか自家用車が基本……という感じになるだろう。
となると、客層の殆どがお酒を飲めない。なのにアルコールをメニューに入れる必要があるだろうか?

527ココロ『RLP』:2015/09/02(水) 21:58:31
>>526(エリー)

「えっ・……?」

      (ほ、『ホ』……?
        う、移ったのかしら?)

「あ、そ、そうなの……?
 で……でも、大人の人は喜んで飲んでいるし……」

エリーが客ならいいのだが、相手は大人。
ココロにとっても未知数の世界……

       (……と、というかエリーちゃんも飲んだことあるの?
         や……やっぱり、案外みんな飲んでいるのが普通なのかしら?)

困惑する(いつもしてるが)ココロ。
ともかく、閑話休題。

「そ、そうね、飲酒運転……けど……
 この辺りは、車じゃなくても来れるんじゃあないかしら?」

店を出すのはネオンストリートだ。

「バスや電車……お、お仕事帰りでしょうし……
 飲めない人もいるでしょうけれど、置いておいて損はないような……気がするわ。」

その分のメニューの試行錯誤は要る。
が、それはまあ、必要経費だろう。

528雪の妖精フィギュア@高天原:2015/09/02(水) 22:15:15
>>522-524

(あっやべ)

「じょじょじょじょじょ〜だんヒホホ」
「そそそそんな本気で未成年にお酒を勧めるわけが… っぐぁあ…!!」

 宿主(?)の不興を買い、肉食獣に追い詰められる雪だるま。
 先ほどのブレーメンといい、なぜ動物からのヘイトを稼いでいるのだろうか。
 血の臭いでもするのだろうか。


>>526

「ハッ…!!」

 そして新たな動物の存在に、改めて気づく雪だるま。
 不安そうな視線を『パンペン』に向けている…


>>527

「まー、飲むだけが酒の用法じゃないッホ。
 ブランデーならフランベとか。香り付けにも使えるし」

「料理でも、ビール煮とか。リキュールなら、アイスクリームにかけるだけでも美味いホ」

「俺も、酒そのものをメインにするかどうかは別として、置いとく分には良いと思うホ」

「あと、狐元君とか朱鷺宮上官の意見にも賛成だホ。
 果実酒は結構度数高いのが多いし、出すならサワーなり、紅茶と混ぜるなりするといいヒホ」

529『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/09/03(木) 01:42:47
>>525 (GM) >>528 (高天原)

「え?悪気ないんくらい知っとるよぉ。」

「冗談、なんよね?雪だるまさん?」

すりすりと頬ずりをするように雪だるまとじゃれあう。
尾と狐自身で雪だるまをサンドイッチする形だ。

「えっと、水溜さん。」

「いっぺん今まで出た意見まとめる?」

確認も兼ねて、と付け加えた。

530ココロ『RLP』:2015/09/03(木) 02:04:14
>>528-529(高天原、鈴元)

「あっ、ご、ごめんなさい。
 私、ご、誤解してしまって……じょ、冗談だったのね。」

     (す、鈴元君って、なんだか……
       ……い、いえ、決めつけよ。ノイズかもしれないし……)

ともかく、冗談なら良かったのだ。
……さて。

>>529(鈴元)

「そ……そうね。まとめましょう。
 みんな、いろんな意見を出してくれたものね。」

まず、店員――素材集め。

「ええと……『CAFE ほとりのそばであなたと』だったかしら?
 そ、そこに行って、店員さんをなんとか、集められたらいいと……思うわ。」

「……そ、その間に、ビルの方では準備を進めるわ。
 西さんと、レイク爺……には、残ってもらって……
 あと、群衆の素材になるものも、の、残していくべきかしら……?」

そうして進める準備は、料理。
様々なメニューが提案された。

「りょ、料理をしてもらうのだけれど……つ、作るメニューは、ええと。
 サンドイッチを2,3種類……それに、サラダ。ええと、あ、アボカド。
 キノコを使った、カレーか、ハンバーグ……
 あるいは、あ、合わせてカレーハンバーグか、ワンプレートのメニュー。
 それから、ケーキ系が一つに、寒天を使うデザートが一つ……?」

食べ物もだが、飲み物も大切だ。
酒をどうするかは、いまいちまとまらないが……

「コーヒーに紅茶、ジュースも置くとして……あと、スムージーよね。
 それから、お、お酒……サワー? というのと、簡単なカクテルと……
 そ、それから、ええと、果実酒、を紅茶に入れるんだったかしら……」

賛成やら反対やらでややこしい。
ともかく、こんなものだったか。

       「……わ、私ったら、何か言い忘れてはいない?」

不安だ。全員に聞く。

531雪の妖精フィギュア@高天原:2015/09/04(金) 01:28:45
>>529


 ―――『じゃれる』、とは。

 本来、肉食獣固有の行動であり、その起源は。
 彼らの狩猟本能。兄弟や親子で行う、『狩り』の『予行練習』である―――


     「………ッッッハイ……」  「すべて、じょうだんです……ッ」


 しゅるり、と身体にしなり巻きつく、狐と尾。
 雪だるまに、逃げ道などない。



>>530

「良いと思います。あ、思うホ」

 特に異論はないようだ。

「まあ、コンセプトは再確認しといた方がいいかも知れんホ。
 あと、これは今じゃなくてもいーけど、店の名前とか決めたいホ」

 目指すべき方向がはっきりしているのとしていないのとでは、
 同じものを作るのだとしても、出来栄えや統一感に大きな差がでる。

 とはいえ、それもおおよそ決まってはいることなので、蛇足だ。
 『落ち着いた雰囲気のカフェ』『夜の湖畔』『ダイニングバー』とか、なんかそんな感じの。

532『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/09/04(金) 01:43:10
>>530(ココロ)

「『OK!』!」

       「『大丈夫だよ』!」

                 「『問題ない』!」

                          「『それでいいさ』!」

           「「「「レスト!」」」」

……特に異論や問題などはない、ということらしい。

533『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/09/05(土) 23:29:24
>>530 (ココロさん)
>>531 (高天原さん)

「うふふ。」

「よかったぁ。『冗談』で。」

するりと雪だるまを解放する。
相変わらず尾で触れられる距離にいるが……

「……そやね。言い忘れたことはないと思うわ。」

「問題はやっぱり料理やろか。」

「ちょっとごちゃごちゃしてるみたいやね。
 まぁ、今まで出た中から選ぶんがエエかなぁ。」

534ココロ『RLP』:2015/09/05(土) 23:47:32
>>531 >>532 >>533(高天原、板踏、鈴元)

「だ、大丈夫ね。ありがとう。」

      (……じょ、冗談……い、いえ。この話は終わりよ。)

ひとまず安心か。
別に何かが進んだわけではないが。

「コンセプトは……こ、湖畔の森のカフェ・バーってところかしら……
 ……ちょ、ちょっと安直すぎる? で、でも、実際そうだもの、ええ。」

そして、店名は――

      「……お、お店の名前は、そうね。
       もうちょっと全体が出来た後に、考えましょ。」

無くてもいいのかもだが、あった方がよかろう。
とはいえ、今はまだ完成形が見えたわけでもない。

                  ・・・・それから。

「そう、ね……メニューはもう少し、は、はっきりさせた方が良いわよね。
 サンドイッチの種類とか……や……やっぱり、BLTはあった方が良いかしら?」

         「……こ、コンセプトには合わないかしら?」

別に湖畔っぽくはないが……
まあ、『スタンダードな品』がある分には問題ない……気もする。

535『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/09/06(日) 00:40:56
>>534
「申し訳ありません。先ほどのコンセプト。
 中々グッドでしたよ。」
そう言ってぐっと親指を立てた

「私、ベーコン・レタス・トマトサンドは大好きですよ。
 基本ですから問題ないのではないでしょうか?
 そうですねー、あとは…」
サンドイッチは何にするか。というのを少し考えて。

「たまごサンドとか、食べやすくてサイドメニューに使えそうな気がするんですけど、
 どうでしょうか?」

536雪の妖精フィギュア@高天原:2015/09/06(日) 02:08:57
>>534

「ん、分かったホー。『湖畔の森のカフェ・バー』ヒホね」

「『定番メニュー』がある分には、全然良いと思うホ。
 『湖畔』感を出すなら、香りの強いチップで燻製したベーコン使うのもアリホ」

「ただやっぱり、『湖畔』『森』っていうのを意識すると…
 肉よりも魚、野菜よりも果実、ってイメージはあるヒホ」

「とりあえず、俺が提案するのは……」


  ・アボカドとサーモンの『渓流のサンド』

    森のバターとも呼ばれるアボカドと、塩気の効いたサーモンのスライス。
    (サーモンに限らず、湖畔で釣れる魚でも可。ニジマスとかいそう。)
    ハード系(固いパン、フランスパンなど)のパンを使うことで、食べ応えも抜群。
    食感と色味に、トマトやレタス、たまねぎを挟むのもアリ。主食系。


  ・蜂蜜とフルーツの『森のサンド』

    フレンチトーストにした食パンで、果実を挟むスイーツ系のサンドイッチ。
    つなぎとしてホイップクリームや、果実のジャムを用いるのも可。
    疲れた社会人達を癒す甘味系。他のデザートとの差別化が必要?


  ・くるみパンの『蜂蜜サンド』

    健康志向。パン生地にくるみなどの木の実を練り込み、ハニーマスタードを挟む。
    ボリュームがない分、手軽に食べられる。食感で勝負。『湖畔の森』感は一番?




「サンドイッチは手軽な軽食だし、店の外で待ってる人たちに配っても喜ばれるかもホ」

537ココロ『RLP』:2015/09/07(月) 00:53:07
>>535(朱鷺宮)

「そ、そう? ありがとう。
 ……で、でも、私一人で考えた物ではないわ。」

微笑むココロ。

「卵サンド……そ、そうね、作る分にも簡単そうだわ。
 あ、あんまり難しかったり、時間がかかったりは……だもの。」

手軽で美味しい定番メニュー。
そればかりでは困るが……あって損はしまい。

>>536(高天原)

定番メニュー推しの軍人朱鷺宮。
反して、雪天原は――

「…………た、高天原さんって、凄く料理に詳しいのね。
 ど、どれも、と、とっても美味しそうだわ……私が食べたいくらい。」

それも工夫のある、独創的なメニュー。

        「卵サンドやBLTは手間もかからないし……
         そ、その3つ、メニューに入れてしまいましょうか。」

定番2つに、独自性が3つ。
フードメニューに困ることはなくなりそうだ。

(……た、ただ、群衆の人たちには複雑すぎるかしら?
 い、いえ、もし無理そうなら減らせばいいのよ、ええ。)

多いのを減らすのは逆より楽だ。
サンドイッチの具材は、どれも他のメニューにも転用できよう。

「そ、それもいいわね。
 で、でも、配るとなると、好みの問題とかが難しそうだわ……」

人手の話もある。
店の外では、群衆の射程が及ばない可能性もあるし。

           (……そ、それにしても私、め、メニュー、自分で考えてなさすぎ……?
            ……い、いえ、分からないことは聞いていいのよ、そのための相談じゃない……)

538『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/09/07(月) 01:00:39
>>536-537
「…高天原さんって、料理の知識がかなりあるんですね。
 実に素晴らしいアイデアです。」
そう言って彼…雪の妖精フィギュアに向けて嬉しそうに拍手をする。

「いいアイデアはどんどん取り込んでいきましょう。
 軽食メニューは、恐らくお客様の周りも良くなりますよ。」
理由は分からないが、客の回転率的なものを考えて
軽めのメニューもあったほうがいいと思っているらしい。

「一先ずは…
 うむ、お店の雰囲気に合い始めてきたと思います。」

539『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/09/08(火) 00:39:05
>>537 (ココロさん)
>>536 (高天原さん)
>>535 (朱鷺宮さん)

「いや、スゴイねぇ。」

メニューのアイディアに対して前足で拍手を送る。
二足歩行に慣れていないのかふらふらしている。

「僕もお手伝いしたいんやけど、考えがあんまり浮かばんわぁ。」

「あ、お付だしするんやったら二、三種類の軽食がエエかもね。」

「甘いのと辛いの二種類とかあれば大体の人に対応できるんちゃうかな。」

「パンの耳を炒って砂糖とかまぶすんよぉ。」

配るメニューはなるべく軽いものがいいらしい。

540ココロ『RLP』:2015/09/08(火) 00:55:49
>>538(朱鷺宮)
>>539(鈴元)

(あ、か、可愛い……じゃ、じゃないわよ。
 わ……私もした方が良いわ。き、きっと。)

拍手する二体。

           パチパチパチ

ココロも小さく拍手しておく。

「そうね、だ、大分、らしい感じになってきた気がするわ。」

正直、凝るなら無限に凝れるだろう。
……もちろん、どこかで区切る必要はある。

「おつきだし……あ、く、配るもののことね。
 そ、そうね、あんまり凝ったものにすると大変だし……」

「パンの耳、い、いいと思うわ。
 それと……べ、別の味のパンの耳も用意するとか……?」

      「ピ、ピザトーストみたいにするとか……
       い、いえ、それは少し重たすぎるわよね、ええ。」

パンはたくさん使う。
よって、耳もたくさん出るわけだ。

それを再利用すれば、材料は事足りよう。

541『雪の妖精フィギュア』@高天原:2015/09/09(水) 00:31:38
>>537-540


>           パチパチパチ


       (あれ、なんか俺の時代キタ……?)


 芸というほど達者でもないが、趣味が高じて役立つこともあるものだ、と独りごちる。
 そして久々に他人に褒められた気がする雪だるまが、ほんのり赤くなっているようだ。


「ま、まー配るのが無理でも、試食コーナーみたいにしておいとくとか」
「そーゆーのはあってもいいかもしれんホ」

 と、付け足しておく。

542『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/09/09(水) 01:31:37
>>540-541
「ピザトースト!
 私、結構好きですよ、そういうの」
そう言って軽く微笑んで見せるフィギュア

「パンの耳をさっくり揚げて…チーズとトマトソースをかけて
 ピザトースト風の味付けとかにすれば重たくなり過ぎないんじゃないでしょうかね。
 さくさくしてるからちょっとクリスピー生地っぽくなるかもしれません。」
楽しげにパンの耳の使い方を考えてみる。
…なんだか彼女が食べたいというふうに見えなくもない。

「試食コーナーですか、いいですね〜。
 ちょっとだけ食べたらむしろ人間は食欲を刺激されるものです。
 もっと食べたいと思わせられるかもしれません!」
雪の妖精フィギュアに嬉しそうに同意をする。

543ココロ『RLP』:2015/09/09(水) 02:47:59
>>541 >>542(高天原と朱鷺宮)

「し……試食コーナー……いいわね。
 場所とか、ど、どうするか難しいけれど……」

配る人員を配置するよりはやりやすかろう。
いいアイディアだ。

「で、でも、やってみるに越したことはないわよね。
 砂糖のと、ピザトースト風のと……二種類でいいかしら。」

        「……じゃ、ジャムとかも……?」

甘味でも、ジャムのそれは砂糖のそれと違う。
手は汚れるだろうが……お手拭きでも用意しておくか。

「あっ、お、お水も置いておいた方が良いかしら。」

のどに詰まらせたりしたら大変だ。

544『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/09/10(木) 00:57:41
>>543 (ココロさん)

「甘いんは砂糖かジャムかどっちかにしたほうがエエかもね。」

「湖畔の雰囲気にあうんはジャムやろか?」

甘いものと甘いもので被ってしまうのも問題ではない気もするが
子狐的には気になるらしい。

「試食できる場所作るんやったらお水の容器とか置いといたらエエかな。」

545ココロ『RLP』:2015/09/10(木) 01:24:08
>>544(鈴元)

「あ……そ、そうかしら。
 そうね、あ、あんまり多くても、こ、困るわよね。」

なにせ試食みたいなものだし。

「わ、私ったら変に張り切ってしまったわ。うふふ……
 ど、どちらか選ぶなら……私は、じゃ、ジャムだと思うけれど……」

      (そ、そうよ、いくら味が違っても、じゃ、ジャムも砂糖だわ。)

湖畔に合う。
それに、砂糖よりは贅沢感がある。

「けど……誰かが見張っておいた方が、も、揉めない気がするわね。」

色々置くし、トラブルがありえる。
そんなにたくさん待たせることには、ならないと思うが……

546雪の妖精フィギュア@高天原:2015/09/14(月) 01:19:41
>>545
>>ALL

 「……みんな、ちょっと提案があるホ」

   なにやら真面目な調子で、雪だるまが語り始める。


   「この調子で、他の『内装』とか『コンセプト』まで考えて、
    それを実際に準備して、ってやると、たぶんちょっと時間足りないホ」

   「会ったばっかで、信用なんて出来ねーかもしんないけど」


      「『カフェのメニュー』、俺に任せてくれないかホ?」


    コンセプトに沿ったドリンクと軽食、デザート。
    調理方法、必要な器具と材料。
    それらの草案を、自分に任せてくれ―――そういう提案だ。


   「何もないところから、みんなで「あれを足そう」「これは止めよう」って作るより…
    例え雑でも、草案を一個作っちゃって、それに意見を言ってもらう方が、たぶん建設的だホ」

   「もちろん、手を抜くつもりはないケド…
    『絆の力』を使って、みんなで考えて、っていうコンセプトからは、ズレちゃうかもしれないホ。
    そういうやり方、よくないっていう意見がもしあれば、それはそれで正しいものだと思うホ……」

   「けど、もしも、俺に『メニュー』を任せてくれるなら。
    真剣に考えるホ。その分、みんなの負担も減ると思うし、
     1人で考えてるだけだから、メニューが完成するのも早いと思うホ」


   最低限、考えてくる力は、先ほどのサンドイッチ案の提示で出来たと思う。
   それを踏まえての提案のタイミングだ。
   けっしてリーダーシップを振りかざしたいわけじゃあない。
   だが、例え愚鈍なリーダーだとしても、いないよりはマシだ。誰か1人が取り仕切った方が、きっと早い。

547『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/09/14(月) 01:37:59
>>543
「まぁ、そんな感じでいいですね。
 しかし…食べ物話となるとキリがありませんねー」
いろいろと提案を出しては見たものの、
有効なのかどうかが、フィギュアの少女自信難しいと思った。
ならばどうするべきか、と考えてから

>>546
「ムッ?えーっと、高天原さん…ですね?」
ふと、彼が何か提案を呼びかけてきたのを聞く。

どうやら、カフェのメニューを任せて欲しいというもののようだ。

「…構いません。確かにこのまま続けていたら
 いつまでも中々決まらなそうですし…
 舵取りをする人が一人いれば、非常に助かると思います!」
どうやら涙音は賛同してくれているらしい。
色々煮詰まってきたのも有るかもしれない。

「私達は他の、内装やコンセプトを考えていきましょうかねー。
 どうします?」
そう言って改めてココロに目を向ける。
流石に自分の一存では決められない。
ここは、彼女が最終的に決めることだろうと考える。

548『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/09/14(月) 01:49:19
>>545 (ココロさん)
>>546 (高天原さん)

「……」

「今回のこのお祭り。僕らは水溜さんを助けるために呼ばれた。
 『皆でココロさんを助ける』そのためやと僕は認識しとる。」

子狐が口を開いた。
その動きは柔らかく、ゆっくりしている。

「皆でっちゅう部分で考えたら
 あんさんの意見は自分勝手かも知らんね。僕かって力になりたいし。」

「やけど、まぁそのなんやろね。」

「『皆でやろうね』『おててつないで仲良うやろうね』ってやっとって
 発揮されるべき力、活躍するべきお人さんが機能せんっちゅうんは嫌や。」

雪だるまに近づいていく。
先ほどのようにじゃれるための接近ではない。

「ただ、一人が考えるっちゅうことは『責任が集まってくる』かも知れんよ?
 あんさん、失敗したら責任全部取れる?」

じっと雪だるまを見つめた。

「うふふ、冗談冗談。僕はあんさんのこと信じてるよ。
 正直、僕は今回お力になれそうにないからね。」

「適材適所。あんさんはお料理が適所、そやろ?」

「水溜さん。僕はこの意見に賛成やわ。」

そう言ってココロのほうを向く。
尾が雪だるまの肩を叩いた。
まるで頑張れと鼓舞するかのように。

549『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/09/14(月) 01:54:11
>>546

   「…………」


     「スピリトーソ(心を込めて)!」

          「アドリブ(自由にやれよ)!」

先ほどから(多分話題についていけてなかったのだろう。こいつ多分音楽以外は何もわからない)黙っていた畜生共が声を上げる。
嫌々だとか渋々だとかいう様子はなく、「がんばれよ」という激励の意味で鳴いたのだろう。
すまないがそれについては専門外だから、おまえががんばってくれ、と。

550ココロ『RLP』:2015/09/17(木) 00:47:05
>>546(高天原)
>絆全員

      ・・・・高天原の提案。

「…………」

絆たちを見回す。
それから、雪の妖精に目線を合わせる。

「……ええ。そ……そ、そうね。
 貴方に全部、ま、任せちゃうのは……なんだか申し訳ないけれど……」

「…………お願い、するわね。で、でも、気負いすぎないでちょうだい。
 私達で決めたのだから……あ、貴方だけの責任とかじゃあ、ないわ。」

失敗もありえるだろう。だが、適材適所――ここに向いているのは、彼だ。
料理を彼に任せられるなら、その分のリソースを他に回せる。

            ・・・・そして。

「私達はその間に、ま……まず、内装を詰めていきましょう。
 湖畔の森をイメージして、そ、それに、準備できるくらいのものを……」

「……そ、それに、どのお部屋を使うかも、決めなくちゃだわ。」

それによって、準備の規模も変わってくる。
まだまだ課題は山積みだ。

551雪の妖精フィギュア@高天原:2015/09/18(金) 01:27:27
>>547(朱鷺宮PC)

「ン、ありがとホー。『船頭多くして船山に登る』って言うホ」

「内装は俺サッパリだから、そっち任せるホ!」


>>548(鈴元PC)


「無理だホ!」

 狐の言葉に―――雪だるまは、胸を張って答えた。
 胸を張るような言葉では、まったくもってないが。

「責任なんて、そんな大層なモン、取れんホ。
 俺がやって、俺が失敗して、みんなに一言謝って。
 それで済むような簡単な問題じゃないホ、どう責任取ったらいいかも分からんし」


「だから、その時に責めを一身に受ける『覚悟』は出来てるよ。
 それに言っておくけど、失敗するつもりで挑戦するわけじゃねーからな」



「そこんとこ、よろしくヒホ!」


 肩をたたいた尻尾を、軽く撫でる。


>>549(板踏PC)


   「マルコ・ポーロ!」
                      「スプラトゥーン!」

 それっぽい言葉で応じた。
 なんとか意志疎通したいようだ。
 がんばれば音楽用語に聞こえるかもしれない。


>>550(ココロPC&絆全員)

「いや、俺こそ無理言っちゃって申し訳ないホ。
 『楽しさ捨てた効率プレイ』っぽい感じで、ホントは嫌に思ってる人もいると思うホ。
 でも、俺はこれが一番話が早く進むと思ったんだホ。いつまでも時間があるわけじゃあなし」

「それに、こういうのって学級活動の班員決めみたいで、ワクワクしないかホ?
 みんなで一つ一つやってくのも良いと思うけど、担当決めてお互いに任せるのもありだと思うんだホ」

 雪だるまが負担に思っている様子は微塵もない。
 楽しさ半分と、自分のやり方が他の絆たちからその楽しさややりがいを奪ってしまう申し訳なさ半分と、だ。

「いっそ全部担当決めてった方が、話は早いかもしれんホ。
 とりあえずコンセプトと、ルール確認して… ちょっと筆記具とメモ帳借りるホ」

552『デジタル腕時計』@坂下:2015/09/19(土) 00:12:16
>>547-551(ALL)

ぱちり、と、私は目を開く。
や、今の私に目なんてあるわけも無くて実際はバックライトがそれこそぱちりと点灯したんだけれど。

気持ちが離れると、『ノイズ』に飲まれてどうにも身動きが取れなくなるって感じなのかな。
これはひょっとすると、私とココロさんが一回会ったっきりのいかにも薄っぺらな『絆』しか持っていないからかも知れないけれど。

そしてだから今のこれは、『気持ちが繋がった』ってことなんだ。
『雪の妖精のひと』の言葉を受けて――『責任』、『覚悟』。

「ええっと、料理の件はまったく賛成、異議なし、いいと思う」

私に覚悟は無い。責任も取れない。
何故って今の私は、いつ消えるとも知れない薄っぺらな存在だからだ。

「で、『内装』の話じゃなくってごめんね。
 だからこれは今のタイミングって話ではないんだけれど」

負けて傷付くのは、『ココロさんだけ』なんだ。
代表として戦って、負けて、それでも人生が続いて行くのはココロさんだけだ。
それは『私』じゃあないんだ。
今の私じゃあ、一緒に傷付くことすらできない。

「これは私からの『お願い』で――」


だから、『絶対に負けられない』。


ワガママを言っている場合でも、黙っている場合でもない。
主張するのは得意ではない、けれど、苦手なこともしなくちゃいけないんだ。

「――『対戦相手のひと』を、『見せ』て欲しいんだ。
 相手の店舗は分かっているわけだから、難しいことじゃないと思う。
 もし相手が見つからなくても、『お店』が見れれば、きっと、多分多少は」

「『相手が何をするつもり』か、『分かる』。『対策』が立てられる」

「『勝負に勝つ』には『いっとう素敵なお店を作る』だけじゃあ、駄目なんだと思う。
 相手が本気なら、勿論おんなしように頑張ってお店を作るんだろうし。
 歓楽街が向こうのホームでこっちがどうにも不利ってのは間違いないんだし。
 向こうの『小人のひと』に、なにか能力がないとも限らないわけだし、さ」

「『何をしてもいい』から、『何でもしなくちゃいけない』んだ。
 『情報』があれば、『舵取り』ができる」

私の能力に『時間』は要らない。
槍が降ろうが月が降ろうが、全ての予定を盗み見る。

なにかのどこかのタイミングで、試してもらえると嬉しいんだよね。


「……内装は、今考えてるからちょっとまって」

なあんて。締まらないったらないよねえ。

553ココロ『RLP』:2015/09/19(土) 00:49:34
>>551(高天原)

「い、いいえ。無理じゃあないわ。
 楽しいのもいいけれど……か、勝たなきゃいけないのだから。」

別に楽しむために呼んだのではない。
場所祭りに勝つために、わざわざ、来てもらったのだ。

      (……む、無理を言ってるのは私の方。
       勝手に、き、絆だけを借りているんだから。)

     (……でも……)

(ぜ、全員の担当決めは……ど、どうなのかしら?
 そ、それこそ、全員が責任を負うことになるし……
 い、いえ、高天原さんだけが責任を負う方が、お、おかしいのかも知れないけど……)

一人の責任――という空気にしたくはない。
したくはないが、必然、そうなるところはあるだろう。

「あ、え、ええ。コレを使って。」

ともかく、必要なもので、持ってるものは貸す。
……そのとき。

>>552(坂下)

腕時計のバックライトが点灯した。
ココロはそちらに振り向く。

「……? え、ええ。大丈夫よ。
 内装じゃなくても、ど、どんな意見――お願いでもありがたいわ。」

ここに来てくれているだけで十分、いや十二分なのだ。
意見してくれるなら、それはどんなものでもありがたい。

        ・・・・ましてや。

「……!」

それが勝利につながるなら。

(そ、そうだわ……妨害はしちゃいけないけど……
 あ、相手にスタンド能力を使う分には、別に問題ないんだわ。)

       「……い、いいアイディアだわ。
        きっと少しくらい、それが出来る時間はある……!」

    「いいえ、時間が無くても……
     や、やった方が、良いわ。ありがとう、坂下さん。」

ココロも懸念していたことだが――
正攻法では勝ち目がないのだ。それはひとえに、敵も本気だから。
搦め手で勝つと決めたなら、店の方針だけではなく……使える手は使おう。

          ・・・・それは卑怯などではない。

「ええ、ええ。まずは内装を考えてから――
 この相談が終わったら、す、すぐにでも。
 どうせ、い、一度は私たちのビルに、戻ることになるのだし……」

ともかく、今は内装。
そこに関しては変わりはない。

      「……な、内装に使えるスタンド能力、とかは……」

群衆、炎、花びら、的、停止、妖怪、予定帳。
……それ単体で使えるものは、無い気がする。

いやまあ、群衆を使えば工程は捗るだろうけど。

554『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/09/19(土) 00:58:28
>>551
「わかりました。
 お任せします!」
どうやら彼に一任するらしい。
彼への信頼が有るということだろう。

>>553
「内装…
 良いデザインの内装となると…
 ここは静かな湖畔なわけですから、
 木の小屋のような、落ち着いた雰囲気がいいんでしょうかねー。」
ふと、内装について考えていく。
一応は、相手次第となるもののこちらの目指すものを考えておいたほうがいいだろう。

「…私の能力だと、
 的をくっつけるくらいですね…
 と言っても、変に誰かが攻撃したりなんてしたら大変ですし…
 使えるとしたら、壁にペイントみたいに的をくっつけるくらいでしょうかね。」
自分の能力を活用するとしたら
内装にアクセントを加えるくらいかもしれない。
一先ずは、出来そうなことを上げてみた。

555雪の妖精フィギュア@高天原:2015/09/23(水) 00:58:49
>>553

   「こんなとこかホ?」
                  ピラ

     「レポートでっち上げるよりかは楽だったホ」


 と、数枚のメモ用紙を手渡した。
 メニューの草案と、簡易な留意事項が書かれている。
 (└→ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1414167533/l50575-576)


   「大抵のレシピはググれば出てくるから省いたホ。
    ちらっとでも確認してくれたら、後は料理担当の『群衆』の人に渡しといて欲しいホ」

 今ここで熟読する必要はないだろう、ということだ。
 作るのは、きっと『群衆』なのだろうし。

 自分が力になれるのはこの程度がいいとこ。
 そして、せいぜいが『フレーバー』程度の力しか持たないだろう。
 良い店を作ることは出来るかもしれない。売上もそこそこかもしれない。が、『勝負』には勝てないかもしれない。


>「『勝負に勝つ』には『いっとう素敵なお店を作る』だけじゃあ、駄目なんだと思う。
> 相手が本気なら、勿論おんなしように頑張ってお店を作るんだろうし。
> 歓楽街が向こうのホームでこっちがどうにも不利ってのは間違いないんだし。
> 向こうの『小人のひと』に、なにか能力がないとも限らないわけだし、さ」


 本当に、その通りだ。

 自分の『静止』の力では、それに貢献できそうもない。
 勝つための力と策、そして意志。それをを備えているのは―――



>>552

  「偵察…… 行くのかホ?」
   「あの、なんつーか… 気を付けてホ?」

 『腕時計』に宿る彼女に、せめて言葉をかける。
 もしそれが成功したなら、きっと大きな力になると信じて。

556『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/09/23(水) 23:35:22
>>553

   「カントリーミュージック……」

        「ヒルビリー?」

              「フォーク! フォーク!」

                   「『コルピクラーニ』!」

……「内装はまぁ、木をできるだけ用いて自然っぽくする感じでいいだろう」というところか。
夜の店であることを考えると、清涼感を与えすぎない工夫も必要かもしれないが。
あまりに『爽やかな湖畔』でありすぎると、少し『夜の店』としては不満要素になるかもしれない。

    「『ラフカディオ』!」

       「『ゲゲゲの鬼太郎』!」

          「『フォクシー・レディ』!」

こっちは、「内装なら『ラフカディオ』の『妖怪』は使い物になるかもしれないぞ」だと思われる。
……まぁ例えば板踏の『ウィズイン・サイレンス』なんて水芸ならぬ『火芸』ができる程度で、内装の役には立たないだろう。
この中で内装に使えるとすれば、『妖怪』……例えば旅人を化かす『化け狐』のような妖怪とか、だろうか。
『山の中でたまたまたどり着いた豪邸に一晩泊めてもらったが、朝起きると荒地だった』みたいなアレだ。

557『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/09/24(木) 00:12:14
>>553 (ココロさん)
>>552 (坂下さん)

「エエんちゃうやろか。相手さんのトコの視察。」

「正直なトコ、考えるべきことが多すぎて、どないしたらエエかって感じやわ。」

「勝つんやったら出来ることはやるべきや思うし。」

坂下の意見に同調する。
出来ることが多すぎると思考がバラける。
それを一本化するには時間がかかる。
しかも相手はこの勝負に対して有利な人間。
勝つためには相手のことをもっと知らなければならない。

「規則にひっかからんのやったらエエとも思うわ。」

「得意分野なんやし、『それぐらいされても平気』ぐらいに構えてもらわんと。」

相手が勝つ自信がないという事はないだろう。

「内装は、僕らでなんとかするわ。」

「花びら散らすぐらいしか僕には出来んけど。」

>>556 (板踏さん)

「『フォクシイ・レデエ』?」

なんとなく意味を理解した。狐・女だ。

「僕、オトコノコなんやけどぉ。」

558『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/09/24(木) 23:23:44
>>557(鈴元)

   「「「「『ちがう、そうじゃない』」」」」

……鈴元狐のことではないらしい(素材にはなるかもしれないが)。

559ココロ『RLP』:2015/09/27(日) 19:42:03
>>554(朱鷺宮) >>556(板踏)

ココロは皆を信頼している。
なぜなら、ここにいてくれるから。

「木……カントリー……そうね。木目っぽい壁紙を貼る……とかかしら?
 も、元の店そのままは、よくないわね。……ファンシー過ぎても変だし。」

的の能力はここではあまり使えない気はする。
描かれた的のレパートリー次第……くらいか。
板踏の能力も、少なくとも内装には価値を見出せない。

「……え??
 ラ、ラフカディオ――エリーちゃんの能力?」

         「妖怪……な、内装に使える妖怪、ということ……?」

ニュアンスはなんとなく、伝わる。
とはいっても、それを考えるのは難しそうだ。

「でも、そうね……ど、どんな妖怪でも作れるなら……」

                  ・・・・と。

>>555(高天原) 

「えっ。あ……す、すごいわ。もう出来たの……!?」

(お、思っていたよりもずっと早いわ……
 い、いえ、もちろん、いいことなのだけれど……)

             「そ、それに……すごく、本格的、だわ。
              あ、ありがとう、高天原さん……これなら……!」

内装をその間に決める、という策は変更することになるか。
ともかく、高天原からメモを渡された。

これで、料理は……一応の『合意』にたどり着いた、気がする。
しかし、そうなると。

 >>557(鈴元)
>全体

「……あとは、内装、コンセプト、人集めに……偵察よね。
 き、規則には、ええ。ひっかからないはずだし……
 あ、で、でも、ひ、人集めと偵察は、一度には出来ないわね……」

       「料理も、弄れるところは弄ってもいいかもしれないけれど……」

現状でも完成度は高い。
優先すべきは、他の点だろう。

さて、考えることより、『行動すべきこと』が多くなってきた。
そして、行動はココロでないと出来ない。

「わ、私が……人集めと、偵察、どちらかをするにして……
 な……内装とかを考えるのは、その間みんなに任せてもいいかしら?」

         「私たちのビルなら、作戦会議の場所には使えるでしょうし……」

鈴元の意見に合わせて、提案する。
相談は大切だが、行動も大切だ。

……このカラオケルームも、そろそろ時間でもおかしくないし。

560ココロ『RLP』:2015/10/02(金) 02:23:10
>全体

「だ……大丈夫かしら? い、異論とかは……
 ご、ごめんなさいね、勝手に進める感じにしてしまって。」

            (異論……な、なさそう……?
             へ、変な事言ってないわよね、私……)

反応を覗うココロ。
まあ方針を決めるのは自身だが――

「……て、偵察に行くなら、ここから出ることになるわ。人探しでも。
 ……だ、大丈夫かしら? いえ、び、ビルでも相談は出来るけれど……」

                「ど……どうかしら?」

とはいえ小物たちの意思も確認したい。
まだやるべきことがある――と言うものがいても何らおかしくない。     
そして、それは坂下や高天原のように、尊重されるべき意見だ。
ココロにとって、繋がりの深浅はあれど、そこに軽んじられるべきものはない。 

                ・・・・さて、どうだろうか?

561『デジタル腕時計』@坂下:2015/10/03(土) 00:36:26
>>555(高天原さん)

>「偵察…… 行くのかホ?」
>「あの、なんつーか… 気を付けてホ?」

「ん、と」

声を掛けてくれたのは料理のメニューをまとめてくれた『雪だるま』のひとで、
これまで私が黙っている間にも、それはもう本当に懸命にアイデアを出してくれていたひとで、
きっとそれはもう全力で真剣に絶対に勝とうとしてくれていたひとで、

「そのさ」

もちろん彼(?)はココロさんの為に頑張ってくれていたのだと思うし、
そのことについて私がどうこう、たとえば、お礼だとかというのは、どうにもへんてこな気がするけれど、
それでも黙っているっていうのはあんまりにも私の中で居心地が悪くて仕方がないから、
せめて『心配してくれたお礼』に見えるように、私は私の素直な気持ちを、こぼしてみるわけだ。

「ありがと、ね」


>>560(ココロさん)

「私はやっぱり、こう、ぱっと『偵察』に出ちゃうのがいいんじゃないかなと思うんだけど」

なんだか自分の能力を押し出すようでいかにも気恥ずかしいんだけれど、
私の能力は『見る』だけで済んじゃうってところと、
相手のひとにお店とこっちのお店がすぐそばだってところと、
もし上手く行くなら先に情報を持ってから話し合ったほうが上手くいくんじゃないってところと、
ええっと、あと、もし空振るんなら早めに済ませちゃったほうが傷が浅そうっていう保身の気持ちも込みで。

「や、もちろん収穫ナシって可能性も全然あるからさ、
 こう、さらっとその、さ。ねえ?」

562『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/10/03(土) 00:54:53
>>560
「バレなければいいんですよ。フヒヒ」
ちょっと悪そうな顔でこの人形は答えた。
どうやら全く問題ないと思ってるらしい。

>>561
「…デジタル腕時計ならば、
 誰かが腕にはめて近寄っていくだけで大丈夫ですけど…」
ふと首を傾げる。

「相手側に近づいていっても怪しまれない人ってだれかいますかね?」
そこが問題かなぁ〜と考える。
もちろん、腕時計自体が行くということもあるだろうが

563『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/10/03(土) 01:20:34
>>560 (ココロさん)

「異論はないよぉ。」

ぼーっとしていたようだが話は聞いていたらしい。

「偵察、僕お手伝いしよか?」
                               ツコ
「僕のんは目ぇを奪う。相手さんがぐずりはったら、使うてくれてかまんよ。」

まぁ、1/1スケールで能力が使えるかは疑問が残る。
つまりは多少能力にもノイズが入っている可能性があるという事だが。

「腕時計さんが調べる。僕がその補助をする。」

「そんな感じでどないやろか。」

「で、僕の能力はちゃんと使えるんかな、お爺さん?」

レイク爺に聞いておこう。
あとこの部屋の時間は大丈夫だろうか。

564『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/03(土) 01:44:22
>>563(鈴つき子狐)
『子狐@鈴元』は『レイク爺』に、自身の能力について問いかけようとする。
が、次の瞬間、自身の今の能力の現状について『把握』できている自分に気づいた。

『ギャザリング』の基本的な能力はそのまま。
ただし『ヴィジョン』というものがない為、『子狐ストラップ』が直接揺らすか、
あるいは『子狐ストラップ』を所持した『ココロ』あるいは『レイク爺』が
ものを揺らす事で能力は発動するようだ。
(※以上の能力は、チーム間で直感的に『把握』出来ている)

「ほ! 皆の意見に翻弄されて少し静かァにしておったが、
 ここに入ってからそろそろ40分は経ったかの?
 まだ1時間にはならないのじゃが、ぼちぼち話をまとめた方がいいのかもしれんの」

ここで『レイク爺』が電池を入れ替えたおもちゃのように唐突に語りだす。
入室がだいたい16:00頃だったので今は16:40くらいか。
なんにせよ行動を起こすなら早いに越した事はないだろう。

565雪の妖精フィギュア@高天原:2015/10/03(土) 01:55:34
>>560

「ン。ほんじゃ、内装はこっちである程度考えとくホ」

 異論ない、ということのようだ。

「坂下さんに、狐元君も行く感じかホ? ホント、気を付けてホ…」

 どうやら、元が臆病と言うか心配性らしい。
 すこしくどいくらいに言葉をかける。

566『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/10/03(土) 02:01:05
>>559-560(ココロ)

「アタッカ!」

    「アレグロ!」

         「アレグレット!」

              「アレグロ・ノン・トロッポ!」

畜生共が思い思いに鳴いた。
意訳すれば、「偵察するなら早めがいいだろう」というところか。
内装の細かい部分を詰めるにせよ、相手の情報があるに越したことはないのだし。


ところで、板踏の『ウィズイン・サイレンス』は絆化によってどのように変容しているのだろうか。
それについて、自分の中で『思い返して』みたい。

567ココロ『RLP』:2015/10/03(土) 02:13:50
>>561(坂下) >>562(朱鷺宮) >>563(鈴元)
>>564(GM) >>565(高天原) >>566(板踏)

「……そう、ね。坂下さん。ここを出たらすぐに……偵察しましょう。
 ――その時は、貴女を私が着けるわ。い、いいかしら?
 それで……あっ、そ、そうね。鈴元くんも手伝って、くれるなら……」

           「き、きっと上手く……
            な、なんて、無責任かしらね、ええ。」
 
       「でも……きっとよ。」

能力的にも適格だ。
身一つでの偵察、『逃げ札』は重要。

ともかく、これで偵察の算段はある程度ついた、と言える。
まあ、ビルを見るだけと言えば、それだけなのだが――

(……そ、そういえば、坂下さんの能力はどうなのかしら?)

鈴元の能力状況を把握して、思う。
その話はまだ出ていなかった気がする。

          ・・・・ココロの方でわかるだろうか。

「……あ、あと20分ね。これからのことだけど……
 で、出たらまずは私たちのビルに戻るわ。それから……
 な、なにせ向かいのビルだもの、偵察をしてくるわね。」

「皆は、その間に……内装のことを任せるわね。
 も、もちろん私も帰ってきたらすぐ、一緒に考えるわ。」

            「……いいかしら?」

絆たちに確認を取る。返答は無くてもいい。
残り時間はあるが、早く出て悪いこともない。

「それじゃあ……
 いったん、『RLP』を終えるわね……?」

何か言い残したこととかあれば、聞く。
まあ、ビルに戻ったらすぐに。また、演奏するつもりではあるが。

568『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/03(土) 02:31:34
>>566(ブレーメンの音楽隊@板踏)

『ブレーメン@板踏』は思い返す………自らの能力。
ヴィジョンはない為、能力のキーとなるのは四体の動物の『鳴き声』のようだ。
四体すべてが全力で『鳴く』事、または、
『ブレーメン@板踏』を所持する『ココロ』もしくは『レイク爺』が
楽器を演奏する事によって能力は発揮される。
能力については、純粋に『炎』を操る事『のみ』が可能なようだ。
(スタンドに対する影響はノイズのためか、再現出来ていない)。
『炎操作』に関しては、通常の能力と変わりないレベルで運用出来ると思われた。

>>567(ココロ)
ココロは『腕時計@坂下』の能力について『感じ取る』。
坂下の能力は『時刻表』を通して行われるが、
ヴィジョンがない為、『腕時計』の表面が
『ディスプレイ』となり、そこに『予定』が描かれるようだ。
時刻表より表記面積が狭い分、一度に表記出来る情報も限定的となってしまい、
『時刻の検索範囲の指定』がより重要になってくると思われた。
ただそれを除けば『改竄能力』を含め、通常の能力と同様に使えるようだった。

「ワシはかまわんぞい。メロンソーダも堪能できたしのォ」
これはレイク爺の発言。

そして、『西』の絆が宿った群衆キーホルダーも、『ココロ』の言葉に頷いた。

569『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/10/03(土) 22:55:45
>>567
「フヒヒ、構いませんよそれくらい。」
そう言って軽く微笑んだ。

「まぁ、こういう経験もなかなか面白いものです。
 また何か困ったことがあればいつでもお呼びください。
 私はいつでも、あなたのお力になりますよ。」
そう言ってぐっと親指を立てる。

「あなたを思う人々はこんなにいるということです。
 ゆっくりとがんばってください。」

570『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/10/03(土) 23:05:56
>>567-568(ココロ、GM)

どうやら、やはり、『ウィズイン・サイレンス』では内装の補助にはならないらしい。
ココロの演奏でも使えるから、それこそ火芸ぐらいはできるだろうが、それが『湖畔』の雰囲気に合うとも思わないし。


「……『ガッツだぜ』!」

       「ジョイントライブ!」

              「セッション!」

                   「セッション!」


畜生共が「頑張れ。こっちも頑張る」というような意味で鳴いた。
能力でどうにかできないなら、頑張って考える。それだけのことだ。
元より、これは『チームプレイ』なのだし。

571『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/10/05(月) 00:24:59
>>567

「じゃあ、それでいこか。」

「僕に出来ることはなんでもやらしてもらうわぁ。」

けらけらと笑い、鈴を鳴らす。
愉快そうである。

「それじゃあ皆さん、いったんお休みなさい。」

うふふと笑い。演奏の終了を待つ。

572ココロ『RLP』:2015/10/07(水) 01:45:41
>>569 >>570 >>571(朱鷺宮、板踏、鈴元)
>>568(GM)

「…………ありがとう、みんな。
 それじゃあ……す、少しの間、おやすみなさい。」

         ジャーーン♪

     ・・・・

   ・・・・

『RLP』の演奏を、終える。
軽く手を振り、指を解しておく。

「……ふぅ……」

くつろぐ時間はない。残っている飲み物を飲み乾し、立つ。
ブレーメン、パンダペン、軍人フィギュア、Jフロスト、群衆キーホルダーは鞄に。
 
         シュル

デジタル腕時計を右手首に巻く。
ストラップは、少し迷ったがつけるところが思いつかない。

        「……一旦鞄でいいかしら。」

そういうわけで鞄に入れた。
忘れ物に気をつけて、エアコンとか電気とかは切って、部屋から出る。

(偵察……う、上手くいくといいけれど……)

とりあえずはビルに戻り、他の絆たちを置いていくことになるか。

573『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/07(水) 21:21:15
>>572
『ココロ』は演奏を止め、絆たちとの『作戦会議』を終えた。
随分と長い間話していたようにも思えるが、
その分、有意義な『相談』だったといえるだろう。

さすがに身体や指に些細な気だるさを感じるが、今の『ココロ』には時間がない。
飲み物を飲み干し、絆たちをそれぞれの場所に仕舞い、
室内の片づけを終えると部屋を出た。

 「それじゃあ支払いを済ませてビルに戻るかの!」

その後ろを『レイク爺』はちょこちょこと着いて来ている。
特に何もなければ爺の言うとおり、
さっさと支払いを済ませ、自ビルに戻るのが得策だろう。

574『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/07(水) 21:25:28
【これまでの準備の簡易まとめ】

1.対戦相手描写
 ・ナイト君&艶美との顔合わせ(>>317-326 >>331-333

2.『繁華街』VS『湖畔』ルール(>>327
   ・追加質疑、客数と入り方について(>>328-329
   ・追加質疑、備品の準備の確認(>>344-345

3.使用ビルの部屋状況(>>335-343
   ・B1階:『バー』【収納10名】(>>337
   ・1階:『ポップなメイド喫茶』【収納20名】(>>339
   ・2階:『キャバクラ風内装】【収納30〜40名(>>341
   ・3階:『チェーン店風居酒屋』【収納50名以上】(>>343

4.リサイクルショップでピアノ確認(>>347-361

5.初回相談(群衆と音楽隊)(>>362-379
   ・レイク爺を絆の基点に出来る(>>379

6.貸衣装屋で衣装確認(>>380-405

7.第二回相談(狐と軍人)〜衣装再選択(>>409-434
  ・衣装たち(>>395 >>398 >>419 >>421-422 >>424 >>425

8.第三回相談(ALL絆)(>>437-572
 ・湖畔近くの店の検索結果(>>500
 ・ヒーホー提案食事メニュー(>>536>>555

準備時間:14:00頃〜20:00頃
現在時刻:16:40

575ココロ『RLP』:2015/10/07(水) 21:38:29
>>573-574(GM)

どれだけ疲労しようが、ココロは『演奏し続ける』必要がある。
ゆえに、疲労は――ある程度、度外視しなければならない。

      「……」

          グ
            グ

その場で伸びをしてから。

「あ、え、ええ。
 そうしましょう、レイク爺。」

レイク爺に頷く。
あとは、支払いを済ませるため、レジへ。

           トコ
 
        トコ

(こ、ここからは私が頑張らないと……)

偵察なんて、人生で初めてだ。
なんとか、上手くいけばいいのだが。

       ・・・・ヒトカラの支払いも人生初だが、それはまあいいだろう。

576『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/07(水) 22:05:23
>>575
『ココロ』は伸びをした後、受付に向かう。
他に客はおらず、すぐに『店員』が対応してくれた。

  「お支払いは940円になりますねー」

室料は一時間分で360円、ドリンクは一杯290円を二杯。計940円。

577ココロ『RLP』:2015/10/07(水) 22:22:29
>>576(GM)

   ゴソ

財布を取り出して、開いて、中を確認する。

「あ……ご、ごめんなさい。
 せ、千円札で……」

     パサ

お札を一枚出した。

ぴったりを用意していなかったココロ。
ともかく、お釣りの60円をもらうだろう。

(……料理はだいたい決まったし……
 ほ、他にもいろんなことが進んだ。意味がある時間だったわ。)

同時に、意味がある支払いだ。
さて、もう何もないだろうし店を出て、ビルに帰ろう。

578『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/07(水) 22:46:26
>>577
「ありがとうございましたー」

マニュアル的な感謝の言葉とお釣り、
それにレシートを受け取った『ココロ』は
カラオケ店を後にし、『自ビル』へと戻る。

 ……… ……… ……… ………

10分ほど歩いただろうか。『ココロ』はビルへと戻ってきた。
そろそろ17時、残りは『3時間』。
限られた時間を効率よく使っていく必要があるだろう。

579ココロ『RLP』:2015/10/08(木) 00:00:13
>>578(GM)

「ふぅ……」

とりあえず、ビルへと入ろう。
時間は惜しい。一分一秒でも。

             ・・・・さて。

「ま、まだどの階を使うかは……
 決めていなかったけれど――」

         (と、とりあえず荷物はここでいいわよね、今は。)

1Fの店舗(メイド喫茶)に入り、奥の控えスペースへ。
ここを使わないにせよ、荷物置き場には適しているはず。

580『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/08(木) 00:12:35
>>579
『ココロ』は素早くビルに入り、まずは『一階』、ポップなメイド喫茶の控え室に向かう。
『控え室』内はさすがに店舗内と比べれば落ち着いた雰囲気だったが、
数々のロッカーの脇に並べられる様々な色・デザインの『メイド服』が室内に彩りを添えていた。

「ほ! ほほほゥ! やっぱりイイのう! ここはイイのう!
 若返るココチがするのぉ〜〜〜〜ォ!」

先ほど同様、興奮する『レイク爺』を尻目に、
端のテーブルに荷物を置いた『ココロ』。

              さて、これからどうするか。

581ココロ『RLP』:2015/10/08(木) 00:37:54
>>580

(ほ、本当に…………)

今さらレイク爺の言動にツッコミも入れまい。入れたいが。
彼は素直なだけなのだ……きっと。

         「……」

鞄から小物たちを取り出し、机の上に並べる。
その中から、『子狐』は選り分けておく。

「そ、そ、それじゃあみんな……目を覚ましてちょうだい。」

            「――『RLP』。」

      ――♪

          ――♪

なるべくシンプルな演奏を。
絆の小物たち全員を、友達化する。腕時計ももちろんだ。

「それじゃあ……わ、私達は偵察を。
 皆はその間に、内装のことを……お願いね。」

      「き、きっとすぐ戻ってくるわ。」

再度、今からすることを確認しておく。
そういえば、このビル、向かいのビルが見える窓などはないのだろうか?

582ココロ『RLP』:2015/10/08(木) 00:48:45
>>581(追記)
ココロがいないところで案を出してもらう都合、形式は『本格相談』で。

583『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/08(木) 01:05:42
>>581-582
『ココロ』は『レイク爺』に対する思いをあえて抑え、
『絆の小物』を取り出し、『演奏』を始める。

      ――♪

          ――♪

長続きさせるためのシンプルな『演奏』。
それにより『絆の小物』たちは再度、友達として『命』を与えられる。

「ええと、『ココロちゃん』と腕時計ちゃん、狐の若人が『偵察』で、
 その他のものがワシと残って、『内装』について考えるって事でいいんじゃったか?

     あ! そうじゃ。結局、どの『階』に店を開くんじゃ?」

『レイク爺』が確認してくる。

こちらの『窓』から、向こうの『窓』はぼんやりと見える。
具体的に何をやっているかは分からないが、
何やら動いているようにみえるのは、『2階』。『キャバクラ風内装』の箇所だ。

(※『本格相談』という事なので、『絆』の方々は自由レス願います。
   GMレスを求めるレスには当然返しますが、
   基本的には参加者の『ココロPC』に対してGMレスは返していきます)

584ココロ『RLP』:2015/10/08(木) 01:21:54
>>583(GM)
>坂下

「え、ええ。人選は……それで合っているわ、レイク爺。」

そして、どの階にするかだが――

「あまり時間もないし……ひ、人だって……
 どれだけ集められるか、ぜんぜん分からないわ。」

        「だから、そうね……
         この階か、この上の階……かしら。」

最上階は広すぎる。
50人の客を同時に入れる理由もない。

地階は逆に、狭すぎる。
そうなると、この階は上の階を、改装しつつ使うことになる。

「み……みんなのアイディアも、聞きたいし……」

             ・・・・と。

「あっ……」

窓の向こうに動きあり。
おおかたの予想通り、二階――か。

「……坂下さん。
 ここからでも能力は使えるわよね?」
 
         「見たものの時刻表を作れる。
          ……向こうの建物が見えるわ。」

      ギュ ・・・ ・・

目を細めて、向かいのビルを見る。

坂下の能力を真に知るのは坂下。
恐らく可能だろうし、ノイズでまだ応答がないようなら、独断で能力を発動。
 
           ・・・・まずは、使えるか? を試す。
              実際どうなるかは気になるし。

585『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/09(金) 00:00:16
>>584
意図としては『窓の人影』に能力を使ってほしいという事でOK?

586ココロ『RLP』:2015/10/09(金) 00:22:43
>>585
分かりにくい表現ですいません。
『建物自体』、可能なら『2階の部屋』に能力を使って欲しい、という意味です。
無生物にも可能だったと思うので。

587『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/09(金) 00:44:44
>>586(ココロ)
回答感謝。

>>584(ココロ)
ココロの申し出に『腕時計』は従い、『向かいのビルの二階』の予定を映し出す。

  『店舗準備│17:00〜19:30』
  『店舗開店│20:00〜』
  『店舗閉店│未定』

『検索』などをしていない為、大雑把な予定が示される。
少なくとも『二階』で『店舗』を開くのは確定のようだ。

(※円滑な進行の為、『本格相談』時でも『ココロ』PLの希望があれば、
  簡易な『絆』の能力についてはそのまま使用させて頂きます。
  もし、『自身の能力を使う際には自レスを待ってほしい』
  という方がいれば申告頂ければ次回より対応します。
  『絆』の方々には申し訳ありませんが、ご了承ください)。

588ココロ『RLP』:2015/10/09(金) 00:54:40
>>587

「ず、随分……
 準備を始めるのが遅いわね……?
 い、いえ、私たちはまだ始めてもいないけれど……」

      (ちょうど、今さっきってこと……よね。)

向こうも何か別の『準備』をしていたのだろうか。
考えてみれば、人手や道具は向こうも集める必要はある。
 
               ・・・・難易度が違うだけで。

「……ええと、もう少し細かくも見られるのよね。
 お……お願いしても、いいかしら? 坂下さん。」

検索を試してみよう。
範囲は、『17:00〜17:30』にする。物は試し。

           ・・・・何か助言があるならそれに従う。

(……そ、そういえば、時刻表を改ざんも出来るのよね。
 そ、それなら……い、いえ、ルール違反…………じゃ、じゃないわよ……?)

ふと浮かんだ、悪辣な考え。
もっともそう、上手くもいかないだろうが――

589『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/09(金) 01:23:57
>>588(ココロ)
相手の『準備』の時間が遅いように感じる『ココロ』。
しかし、ほどなくして『腕時計』の現在時刻が『17:00』を示している事に気づく。
『レイルウェイ・チルドレン』は過去の『予定』を見る事は出来ない。
つまり表示された『準備』に関しては、
もっと前から継続して行われている『予定』なのかもしれない。

いずれにせよ、『準備』の詳細を見るのは悪い事ではないだろう。
『17:00〜17:30』に予定を狭めて『検索』するようお願いする『ココロ』。
『腕時計』は承諾し、少しの時間の後、映し出される『予定』。


     『鱗粉散布(二階南東フロア部分)│17:00〜17:30』


       ………『腕時計』の能力に間違いがなければ、
            これがこの時間帯の『店舗準備』の『詳細』という事、なのだろう。

590ココロ『RLP』:2015/10/09(金) 01:29:24
>>589

(あ……そ、そうだわ。
 今より前のことは、予定じゃあないから見られない……)
 
      「ご、ごめんなさい。
       勘違いしていたわ……」

誰に謝るでもないが。
ともかく、検索をして――

              ・・・・鱗粉?

「……な、何かしら?
 い、いえ、そうよね。向こうもスタンド使いだわ。」

        「な……何かの、能力なんだわ。
         鱗粉というものを、ばら撒くことが出来る……!」

効果は分からないが……おそらく有用なのだろう。
つまり、向こうも単なる『いい店』の次元は超えてくる。

「ど、どうしましょう……
 もう少し、見て行っていいかしら?」

        ・・・・検索続行。

(り、鱗粉……たしか、蝶とか、蛾みたいな虫の粉よね?
 ど、毒とか……そ、そんなわけないわよ、自分の店なのに……)

17:30〜18:30の予定を確認だ。
まだ、鱗粉の散布とやらを続けるのか?

591『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/10/09(金) 02:04:25
>>581-583(ココロ、GM)

再び、音楽隊に命が吹き込まれる。

  「リピート!」

       「ダルセーニョ!」

              「アンコール!」

                    「アルモ二クス!」


       「「「「ジャグバンド!!!!」」」」


今回もノイズは絶好調、畜生の音楽隊の参上である。
はてさて、再び命を吹き込まれた理由、その議題は。

    「ライブハウス……」

そう、ライブハウス……もとい、店の『内装』である。

  「フォーク!」

       「コルピクラーニ!」

『落ち着いた雰囲気の自然っぽい感じで』という方針は先ほどの話し合いで決まったが、細かい部分は全然だ。
ブレーメン板踏も、とりあえず机や椅子は木で揃えるというぐらいしか思い浮かばない。
ひとまずは、他の『絆』の覚醒を待とう……

592『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/10(土) 00:45:57
>>590(ココロ)

『鱗粉』。『ココロ』が考えたとおり、蝶や蛾の羽の極小の『ウロコ』の事だ。
これが『店舗準備』の予定として表示されるという事は、
『店』にとって『プラスのもの』なのだろう。そして―――

  『鱗粉散布(二階南東フロア部分)│17:30〜17:44』
  『鱗粉散布(二階南西フロア部分)│17:45〜18:30』

『17時半以降』も鱗粉散布は終わらないようだ。

「なんじゃあこりゃァ? ずっと粉を振りまくだけってことなのかの?」

 『ココロ』と共に『腕時計』を覗き込んだ『レイク爺』が率直な感想を漏らす。

「ふゥむ………ただまあ、『店』に必要なモノは一通り、揃っちょるわけじゃからな。
 普通の準備が今より前にとっくに終わっているのなら、
 この面妖な『予定』も説明がつくのかのしれんのォ」

考えてみれば、この『勝負』のテーマを決めたのは『繁華街側』。
『ココロ』たちのように『店』のコンセプト決めや備品調達から始める必要はなく、
ある程度の『下準備』は当然してあっただろう。
そして『店』のコンセプトが与えられた『初期装飾』と大きく変わりないのなら、
基本的な『準備』が短時間で終わってしまう事は十分にありうる話だ。

593ココロ『RLP』:2015/10/10(土) 02:08:23
>>592(GM)

「ず、ずっと……ずっと鱗粉を撒いているわね。
 な、南東は……他に比べると、やけに短いみたいだけれど……」

        「どうしましょう……
         これだけじゃあ、何も……」


鱗粉を撒くのは分かった。
だが、それだけだ……これで何が起こるのか?

            ・・・・さらに。


「そ、そ……それも、そうよね。
 向こうは、ふ、普通の夜のお店で来るんでしょうし……」

「今さら物を集めるとか、人を集めるとか……
 そ、そういう……時間のかかること、しなくていいものね。」

2Fをそのまま使えば事足りるのだ、向こうは。
人材などはコネがあるだろう。
細かい必要品の事前準備すらできたのだ。

こうなると、改めて不利を思い知る。
そうだ、向こうは準備に回す手間を全て工夫に回せるのだ。

(ふ……不利なのは今さらだわよ。しょうがないじゃあない。
 で……でも、これじゃあ偵察の意味がなくなってしまうわ……)

鱗粉とやらは「『艶美』の仕業なのだろう。
つまり漢書の予定を調べても、同じになりかねない。

          ・・・・どうすべきか?

「……」

とりあえずもう少し時間を進める。
もう、ざっとやろう。18:30〜20:00の検索を坂下に頼む。

           ・・・・まだ、人影は窓に映っているか?

594『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/10(土) 02:36:51
>>593(ココロ)
『ココロ』は出てきた予定について考察する。
分割して表示させたので分かり辛かったが、『南東』については
『17:00〜17:30』(>>589)、『17:30〜17:44』(>>592)の『45分』とれている事に気づいた。
『鱗粉散布』はそれぞれ『45分』ほどかかるという『予定』なのだろう。

時間を進め、『予定』を見る。今度は『18:30〜20:00』。

  『備品出し│18:30〜19:30』
  『スタッフメイク│18:30〜19:30』
  『店舗最終チェック│19:00〜19:30』

複数の『予定』が並行して行われるようだ。
最初に『予定』を見た時には『店舗準備』は『19:30』までだった。
つまりその時間にはもう『準備』は完了し、
それ以上は特に『予定』もない状態という事か。

595ココロ『RLP』:2015/10/10(土) 15:40:37
>>594

(…………あっ、ち、違うわ。
 南東はさっき撒いていた続き……な、なんで分けるのかは分からないけれど。)

「……そうなると、一つの区画に鱗粉を撒くのが……45分だわ。」

      「そ、相当大掛かりね……」

大掛かりなのは分かった。
が、対策を取るとか、そういう次元の話ではない。

(…………この予定。
 3つも同時に、大変な事をしているのだし……当たり前だけど、人が沢山いるんだわ。)

      (て、偵察を続けるにも……ビルに入るなんていうやり方は、きっと、無理ね。見つかってしまうわ……)

さて、どうするか。

「……もっと細かく絞っていけば、例えば……そう、備品の種類とかも、わ、分かるのかしら?」

この『検索』には、まだ掘り下げる余地がありそうだ。
より詳細に予定を調べれば……何か、役に立つ事が分かるかも?

(一度やってみましょう、ええ。)

再度、検索を頼もう。
指定範囲は18:30〜18:35にする。

596『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/10(土) 16:10:06
>>595
窓の人影については今はあまり動いていないように見えた。
さきほど見えたのは偶然だったのかもしれないが………
『予定』とつき合わせて考えてみても、まだ人がいる可能性は高いだろう。

『ココロ』は更に『予定』を狭めて検索する。『18:30〜18:35』。
5分間の検索なら更に情報は詳細になる、そう踏んでのことだ。

  『備品出し(看板から)│18:30〜18:35』
  『スタッフメイク(『グラマラス・ライフ』による、かな子から)│18:30〜18:35』

『時計』の表示幅の問題や、これ以上、分刻みの『予定』は決まっていないだろう事もあり、
おそらくだが、更に分を刻んでも更なる詳細は出てこないように思われた。

597ココロ『RLP』:2015/10/10(土) 21:54:19
>>596

人影はまだある――もっとも、今はそれより。

       「……!」

「この言葉……グラマラス・ライフ……
 きっと、こ、これ……あの女のスタンドのことよね。」

        (わ、私のは、違うけれど……
         英単語が二つ繋がっているスタンドの名前って多いわ。)

つまり、鱗粉をばら撒いたり、人をメイクしたりできる。
建物と人、店を開くうえで、共通して必要になるものは――

「り、鱗粉を撒くのもこのスタンドなら……
 『鱗粉を振りかけた物を綺麗にする能力』……とか、かしら?」

         「綺麗……というか、き、きらきら?
          た、建物とスタッフさん、両方に使っているのだもの。」

あるいは魅了とか、そういう能力かも知れない。
まあ、そこを断定することは出来ないが……

どちらにせよ、脅威だ。
基礎力を極限まで高めてくる――ということ。

598『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/10(土) 22:29:28
>>597
『ココロ』は『予定』に出てきた単語を直感的に『スタンド名』と判断し、その能力を推理する。

「なるほどのォ! 綺麗なお店に綺麗なオナゴ。
 そんな店作れるのならあれだけの『自信』があるのは納得じゃ!」

『レイク爺』がなぜかそわそわしている。
 もしかすると、行きたくなってしまったのかもしれない。

「さて………どうするかの。
 今は『鱗粉散布』とかいうのをやっている『予定』のはずじゃが、
  『カラオケ』で話したとおり、実際に『偵察』にいくのかの?」

残り時間は『3時間』を切っている。
こちらもしっかりとした『予定』を立てておいてもいいのかもしれない。

599ココロ『RLP』:2015/10/10(土) 23:17:19
>>598

「……そ、そう、そうよね。
 女の人とお話しするお店なら……
 き、綺麗な方がいいに決まっているわ。」

頷くココロ。
レイク爺の下心はともかく、理屈はその通りだ。

「偵察は……す、するわ。今あの女は二階にいる。
 ……べ、別の人かも、知れないけれど……
 それに、い、入れてもらえないかも……無理かもしれないけれど……」

         「でも……出来ることはするわ。
          そ、そうでしょう? 坂下さん……」

予定を立てられるのは、やることが決まっているからだ。
こちらは予定の前に、やることを決めなくてはならない。
 
             ・・・・ともかく、偵察に出る。

600『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/10(土) 23:39:42
>>599
『ココロ』は当初の予定通り、『偵察』に出る事を宣言する。
『坂上』の絆が宿る『腕時計』は『ノイズ』が入ってしまったのか、
発言こそしないものの、『ココロ』の腕で確かな存在感を放っている。

「そうかそうか! お気をつけてのォ〜〜〜。
  じゃあ、ワシは残りの者と『内装』について相談しとけばいいのかの?」

『レイク爺』が当初の予定を確認する。
『ココロ』が『腕時計』と『子狐ストラップ』を持っていき、
他の者が『内装』について話し合っておく。
これで問題ないのならば、そう伝えておけばいいだろう。

(※『ココロ』の方で『絆』の反応などを待ちたい場合は
   その旨をお書き下さい。GMはウェイトします)

601ココロ『RLP』:2015/10/11(日) 02:05:20
>>600

       (……行きましょう、坂下さん。
        それに、鈴元くんも……で、出来るわ、きっと。)

      スー

          ハー

深呼吸。心を落ち着ける。

「い……行ってくるわ。あ、そ、その前に……」

鞄の中の針を友達化。
3本ほどケース、そして鞄から飛び出させ、後ろをついてこさせる。

「……今度こそ、行ってくるわね。
 そ、そうね、レイク爺は相談をお願いするわ。」

         「わ、私も……戻ったら、すぐに混ざるから。」

まずは入り口まで下りる。
向こうの入り口に誰かいたりするだろうか?

(*GMには申し訳ありませんが、ウェイトでお願いします。
  内装相談組の反応を待ちます。もしよろしければ、レスお願いします。)

602『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/10/11(日) 22:31:32
>>601

「アダージオ!」

      「ビエン・リズム!」


……「気を付けて行って来いよ」的なことを良いつつ。
やはり一人では『相談』はできないので(レイク爺もいるけど)、他の絆の反応を待つのだ。

603『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/11(日) 22:40:58
>>601(ココロ)
『ココロ』は針を3本、『友達化』しておく。
入り口まで降りたが、特に向こうの入り口に人影はない。

(※このレスでGMレスは『休止』とします。
  『ココロ』の方で『レス再開』の要望があり次第、
  『偵察パート』を進めていきます)

604『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/10/11(日) 22:41:47
>>601
「フガッ!?
 ううー…妙な夢を見ましたよ。」
なにか妙なことを口走りながら、フィギュアは再び動き出した。

「お気をつけ下さい!
 私達の方でその…内装関係は考えておきますよ!」
そう言って軽く手を振りながら見送っていった。

605『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/10/16(金) 23:59:13
>>604

……しばらく待ったが、他の絆が動き出す気配はない。

    「デュエット……」

…………仕方がない。
二人で話すほかあるまい。畜生共の視線が一斉に軍人マスコットの方へ向けられる。

    「ステージ!」

          「ステージ!」

                「センター!」

とりあえず、「店の中央に近い位置にステージを置き、そこでココロのピアノ演奏などを見せるのがよいのではないか」というところか。
この店の主体はココロだ。ならばココロは、店の中心に配置したい。

606『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/10/17(土) 01:16:03
>>605
「…なるほど。
 要するにこういうことですね!?」
ココロを主体としたピアノ演奏ステージ…
確かにとてもいい案だとこの人形は考えた!

「ココロさんの腕前は、
 ミスコンで割りと知られてると思いますからねー。
 だとしたら、店の雰囲気はピアノが似合う感じにするのが良さそうですがねー…」
そう言って少し考える。

「ピアノと、木目調の内装は似合いますかね?」
そう言って首を傾げる。

607『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/10/17(土) 03:10:32
>>606(朱鷺宮)

「カントリー・ミュージック!」

            「フォーク!」

                 「フォーク!」

……「曲調にもよるが、木目調の内装とピアノの組み合わせは問題ないだろう」という感じだ(多分)。
机や椅子なども、できれば木製のものを使用するのが望ましいだろう。
あとは観葉植物などか。
置きすぎるとジャングルっぽくなってしまうが、量を弁えれば『自然っぽさ』の演出になる。
できれば、湖畔らしく水のギミックも入れたいところではあるのだが……
……その手の設備は準備に手間がかかる。あまり現実的ではないだろう。
カウンター付近に小魚入りの水槽を置くとか、そういう手もないではないのだが。

608ココロ『RLP』:2015/10/18(日) 03:29:16
>>603(GM)

(い、行くなら……今のうちがよさそうね……
 不法進入……いえ、違うわ、これも勝負なのよ……そ、そうよ。平気よ……)

      スゥー

              ハァー

ルール違反でもない。
しかし、いつ人が来るとも限らない。違反じゃなくてもココロは怖い。

(きっと大丈夫……け、警察に捕まるとかではないし……
 つ、捕まらなければ別にいいというわけではないわ、もちろんよ。
 そ、そんな考え、あまりにもよくないわ……で、でも、もし敵に捕まったら……?)

そういえば。

「あ……ね、ねえ鈴元くん。
 花びらは……今のうちに作った方がいいかしら……?」

      「わ、私は手がふさがってるし……
       作ったとしても、あまりたくさんは持っておけないけれど……」

能力の使い方は自分より本来の使い手がよく知っている。
聞いておこう。いや、そもそも揺らすものを見つける必要があるが。

・・・・それと。

(一目でもあの女を見ることが出来たら、時刻表が作れる……わ。
 ……あら? そういえば、針の……他の『友達』の視界はどうなのかしら?)

         (……出せないのかしら……?
          だ、出せるなら、その方がいいわよね。)

頭の中で、能力の『使い方』を思い描く。
つまり、坂下を除く『小物』を通した視認でも時刻表は出せるのか? ということ。

609『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/18(日) 17:13:17
>>605-607(残る絆)
『ココロ』達が『偵察』に行こうとしている。
残る絆は『音楽隊@板踏』『軍人フィギュア@朱鷺宮』『ヒーホー人形@高天原』『パンダペン@エリー』
      『群衆キーホルダー@西』、そして『レイク爺』。

『ノイズ』で発言が難しくなっていない限り、
このメンバーで『偵察』の間も、『内装談義』を続けておくのがベターだろう。

>>608(ココロ)
一方、『偵察』に行くのは『ココロ』自身。
それに『腕時計@坂上』と『子狐ストラップ@鈴元』だ。

『腕時計』の能力について思いを馳せる『ココロ』。
あくまでこの『腕時計』が行使出来る能力としては、
『視認』は、『時計を装着したココロ』自身、あるいは『腕時計』のものが必要らしい。

『ココロ』は『子狐』に花びら準備が必要かどうかの『提案』をする。

(※先に述べたとおり、GMは基本的には『ココロ』を軸として、進行していく。
  絆の返答をどの程度待つかは『ココロ』に一任するので、よろしくお願いしたい)

610ココロ『RLP』:2015/10/18(日) 21:57:57
>>609

頭の中で、答えを見つけたココロ。
ないはずの記憶がある、不思議な……悪くはない気持ち。

(そ、そうよね、そんな……何事も上手くいくわけじゃあないわよ。
 坂下さんはノイズが出ているようだし、私ががんばらなくちゃあ……だわ。)

針は別の用途になるか。
少なくとも『あって困る』事はない。

        ・・・・そして。

「……どうしましょう?
 む、向こうのビルに入ってから準備をするのは、なんというか遅い気がするわ……」

(す、鈴元くんも、ノイズ……?
 いえ、あ、ありえるわ。むしろ全員起きているほうが、よほど珍しくて、ありがたいことなのよ……)

(か、彼の能力も、結局、使うのは私なのだから……い、今だけは。そうよ、私が理解するのよ……)

鈴元から反応がなさそうなら行動だ。
でも、もう少しだけ、待ってみよう。

……なんだかんだ、怖いのだ。ココロは。

(*絆のレスは、ココロから反応を求める内容の場合は『その日の夜+翌日の夜』ほど待ちたいです。
  そうでないなら、特に待たなくていいと思います。何か必要があれば、その時に待ちたい旨を伝えます。)

611ヒーホー人形@高天原:2015/10/18(日) 23:03:20




    「…………あと……ごふん」

                 「…………、フガッ!!」


 奇妙な声を上げて、人形が飛び起きる。
 本体は、随分と寝坊助らしい。

   「ご、ゴメンホ、ちょっと意識がお花畑に…」


    「とりあえず俺の案としては、『照明』をちょっと凝りたいホ」


 起き抜けに、先ず提案。


   「『夜の湖畔』っていうのを考えると、明かりっていうのは重要だホ。
    本来のものは月明かりしかないし、それで十分なんだろうケド。
    飲食店ってなるとそれじゃあ心許ないだろうし、派手過ぎない灯明が欲しいホ」

   「ランプとか、その辺で売ってないかホ」

   「店の装飾については、俺も木目調で賛成だホ」

612『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/10/18(日) 23:39:03
>>610

「んっ。」

「あ、すんません。ちょっとゆっくりしすぎたみたいやね。」

鼻をくんくんしている。
相変わらずけらけら笑っているようだ。

「えっと、花びらよね?」

「そやねぇ。花びらは今あったほうが便利やねぇ。」

「材質を合わせるっちゅう条件もあるから
 世の中にありふれてる素材のがエエけど、そう都合よく目当てのモンが落ちてるとは限らんからね。」

能力も無制限に使えるわけではない。
それにココロは演奏をしているのだから、咄嗟に使うのはあまり得策ではないだろう。

「そうやねぇ。花びら作って針とかに刺しとくとかしとくと便利。」

「針が刺さると同時に花びらがくっつくから、後は別に取っといた花びらを舞わせるだけやからね。」

さらっと恐ろしい提案をしている。
やはりこの子狐、どこか猟奇なにおいがしているかもしれない。
刺すかどうかはともかくとして、友達化した小物に花びらを持たせるのも運搬方法の一つである。

「さて、どないしよかなぁ。」

613ココロ『RLP』:2015/10/19(月) 01:13:23
>>612(鈴元)

「あ、いいえ、気にしないでちょうだいね。ノイズが入るのは、仕方ない事だもの……」

鈴元涼のペースで、協力してくれるなら、それで十二分。

絆は絆。
手下とか、奴隷じゃあない。

        ・・・・そして。

     ゾ〜……

(こ、怖いこと、考えるわね……いえ! わ、私のために……勝つために考えてくれているんだわ。)

(い……いいじゃあない。
 考えることが怖くても……わ、私の……絆なのよ。鈴元君は。)

それに、『怖い』とは……即ち有効性があるということ。

やはり、正解だった。
本人の能力は本人に聞くのが一番だ。

「じゃあ……今のうちに花びらを作っておきましょう。
 ゆ、揺らす……何か揺らせそうな物は無いかしら……手で持って振る、とかでも、いいのよね。」

(す、鈴元君はいつも、どうやって用意しているのかしら? つ……使ったことがある口ぶり、だったわよね、今。)

>GM

周囲を見渡す。
何か、こう……ポイ捨てされた瓶とか空き缶とかが落ちてたりしないだろうか?

持ち歩いてる品から作るのもいいが……基本的に大切な物が多い。
できればいらないものがいい。

614『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/19(月) 01:40:25
>>613(ココロ)
自ビルの入り口から周囲を見回す『ココロ』。
一応『試合会場』周辺だからなのか、
さっと見た限りではゴミのようなものは見当たらない。

ただ、自ビルのすぐ脇に『自販機』が二台連なって設置されているのが確認出来た。
その横には『ビン・カン』と『ペットボトル』と書かれたフタつきの『ゴミ箱』。
そこを漁れば目当てのものは確保できるように思われた。

615ココロ『RLP』:2015/10/19(月) 01:51:19
>>614(GM)

「……そ、そう簡単には落ちていないわよね。」

       (こ、ここがいくら繁華街でも……
        いえ、ま、まずその前提が失礼よ。
        繁華街の人たちも、生きてるし働いている……)

ゴミくらい拾うだろう。
そもそも湖畔だってけっこう汚い。

       ・・・・ともかく!

「……」

(さっきから目に入っているあのゴミ箱……
 て、手を出すしかないわね、ゴミ漁りに……
 ……わ、私だってそこまで高尚な……
 で、でもゴミ漁りは……さ、流石にどうかしら。)

        (…………で、でも、勝つためだし……そうよ。勝つため。)

   コソ

       コソ

気は進まないが、ゴミ箱の方へ。
いや、気が進まないとかは関係ないのだ。

「あ……空き缶と空き瓶。どっちがいいかしら? 
 ……うふふ、より取り見取りね。ええ……」

ヤケのようなことを言いつつ。

616『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/19(月) 21:10:19
>>615(ココロ)
漁るという行為に躊躇いを持つ『ココロ』。
しかし、ある瞬間に覚悟を決め………

                     『ゴミ箱』に近づく。

『ゴミ箱』はカン・ビン用とペットボトル用の二つに分かれているようだ。
ちらりと蓋を開け、中を覗くとそれぞれ10本ほどの『ゴミ』が捨てられているのが分かる。

 ………
        ………

 ふと、『ココロ』は背後から視線を感じた気がして、その方向を見やると、それは『二階』。
   先ほど居た相手ビルの二階の人影がこちらを観察しているように思えた。

617ココロ『RLP』:2015/10/19(月) 21:59:37
>>616(GM)

(か、数は……あるわね。これを揺らせば金属の花びらになる……)

         (……あら?)

視線を感じた。
咄嗟に蓋を閉める。

(い、い、今……見られていたわ!
 ど、どうしましょう、偵察作戦がバレているの……!?)

(それとも、ご……ゴミを漁っているところを見て、嘲笑っているのかしら。
 も……もしかして、その写真を撮ってばらまくとか、そ、そういう手を使ってくるかもしらないわ……)

普通に考えて、向こうはこちらを見下している。露骨な妨害はして来まい。

(そ、そっ……そんなことになりでもしたら勝てる戦いも勝てなくなるわ……
 わ、私だったらゴミ漁りをしている女が店主の店って聞いたら悪いイメージを……そ、それは私が狭量なだけかしら?)

(で、でも、嫌な事に変わりはないわよ、きっと……ど、どうしましょう……
 ……と、というかそもそも漁る理由って何? け、ケチる必要あるかしら……?
 て、手を出すしかないって……私ったらどこまで視野が狭いのよ……)

……が、ココロは心配性だ。
分かっていても、なかなか。

「す、鈴元君……やっぱりゴミを使うのはやめて……
 買って、飲んで……それを使った方がいいと思うのよね。」

         「う、うふふ……」

そういうわけで財布を出す。
缶のジュースを一本買おう。

別に種類はどうでもいいが……同じ値段なら果物のジュースがいい。
炭酸では無いやつだ。

618『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/19(月) 23:06:26
>>617(ココロ)
『ココロ』の位置からは詳しい人影の動向は分からない。
相手の感情や思考は当然、把握不可能だ。

熟考の後、とりあえず『ココロ』は
より品行方正なやり方、すなわち、素直に『ジュース』を買う事にした。

 ……… ………

                       ガタン

純度100パーセント、炭酸抜きの『オレンジジュース(350ml、缶)』!
を入手する『ココロ』。まだ暑い盛り、一本くらいグイっと飲んでしまってもいいだろう。

619『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/10/20(火) 00:35:24
>>617

「そ、そやねぇ。」

「捨てたあるんを使うんは、あんまようないねぇ。」

「汚いし。」

誰が口をつけたものかもわからない。
それに素材として同じなら構わないだろう。

「振ったり軽く触ったりで花びらにできるわぁ。」

「まぁ今はそれ飲もかぁ。」

けらけらと鈴を揺らした。

620ココロ『RLP』:2015/10/20(火) 01:02:36
>>618 >>619(GM,鈴元)

                       ガタン

「……ふう。」

(な、何私ったら何事もなかった風を装ってるのかしら……)

     キョロキョロ

         プシ!

プルタブを起こす。

「そ、そ、そうよね。
 汚いわよね、そもそも……ええ。」

        「え、衛生にも気を遣わなきゃだわ……」

などと言いつつ。

     ゴク

          ゴク

(ちょ、ちょうど暑くて……喉も乾いていたわよ、ええ。
 ……こ、こんな言い訳、何か意味があるのかしら……?)

オレンジジュースを飲む。
むせたりしないように、息継ぎもしつつ。

       「ぷはッ……」

「ごご、ごめんなさい、なんだかグダグダね……
 の、飲み終わったら、花びらにして、今度こそ偵察だわ。」

……鈴元と坂下に謝る。
事実、あまり段取りはよくないのだ。

         ・・・・そもそも偵察の心得なんかないし。

621『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/10/20(火) 01:16:42
>>620

「まぁ、グダグダとか別にエエよぉ。」

「僕は水溜さんの手助けが出来たらなんでもエエからね。」

別段気を遣っている様子はない。
慣れぬ事をする以上しょうがないことでもある。

「……そういえば。」

「花びらって水溜さんの能力でお友達に出来へんのかなぁ?」

「ちょっと試してみぃひん?」

桜の花びらが友達化できるならかなり便利にはなりそうである。
もちろん何もかもがそう上手くいくわけではない。
あくまで一提案である。

622『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/21(水) 00:36:21
>>620-621(ココロ&狐@鈴元)
様々な思いを浮かべながら『ココロ』はオレンジジュースを飲み干す。
それに対する『鈴元』の提案。
『RLP』の友達化は『他者のスタンドの産物にも通用』するので、
問題なくそれは成す事が出来るはずだ。

623ココロ『RLP』:2015/10/21(水) 02:15:22
>>621 >>622(鈴元、GM)

「あっ……あ……ありがとう。
 嬉しいわ、鈴元くん。そ、そこまで言ってくれて……」

       ジーン

完全無償、善意の協力。
それも、そこまで親しくもない相手に。

(わ、私……私、嬉しい……こんな風に言ってもらえるなんて。
 こんな、き、きっと裏なんてない……あるはずもないわよ。き、きっと……)

「……あっ、そ、そうね。
 きっと出来ることだし、するべきだわ。
 は、花びらは……可愛いものね。大丈夫。」

花びらは可愛い。小さい。間違いない。
さあ取り掛かろう。

(まずは……缶を花びらにするのよね。
 ええと、ゆ、ゆらす……)

       「…………あら?」    

ふと気付いた。
……缶を持ってるので、ピアノを弾けるわけがないのだ。

         ・・・・??

(さ、さっきはどうやって弾いていたのかしら……?
 う、う、腕が3本あっていたような気持ちがするわ……ふ、不思議だわ……怖いわ……)

           ソソクサー

「ご、ごめんなさい……うふふ。」

そそくさとビルに缶を持ち帰り、ビル内の床に置いて、ピアノ演奏を再開だ。

「ご、ごめんなさい鈴元くん……
 わ、私ったらつい、無茶なことをしてしまっていたわ……」

「そ、それで……その缶を揺らすのを、お、お願い出来るかしら……?」

パワー的に足りるだろうか?
無理ならココロの足ででもする事になるが。

624『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/10/21(水) 22:23:31
>>611(高天原)

   「メゾピアノ!」

          「『静かな湖畔』!」

確かに、明かりはあまり大きすぎないほうがよかろう。
ジャズバーなんかは大抵照明を暗めにとる。
対戦相手がキャバ嬢――――『輝くような美しさ』をウリにしてくるのであれば、差別化の意味でも暗めがよかろう。
目標は『客が落ち着いてくつろぎながらココロのピアノを聞けるお店』だ。
ランプも有効だろうし、単純に照明をオレンジ色の淡い照明に付け替えるというのも手だ。
群衆なりなんなりで人手を確保すれば、そう時間のかかる作業ではない。

    「……『静かな湖畔』……」

……しかし、問題は。
やはり『湖畔』を再現するのなら、『水』が欲しいということだ。
大掛かりにならず、湖畔らしい『水』……さて、どうしたものか?

625『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/21(水) 23:16:20
>>623(ココロ)
『両手』で弾かないと『RLP』は発現しない。
飲んでいる間は『鈴元』も小休止する形になっていたのだろう。
『ココロ』の腕前ならば、ピアノを弾きながら何かするという
『同時行動』のような事は十分に可能だが、流石に手が塞がれば演奏は出来ない。
(※カバンは手で持つ必要のないショルダーバッグのようなものを想定している)

一度ビルに戻り、ピアノ演奏を再開する『ココロ』。
そして、『子狐』に『アルミ缶』を揺らす事を依頼する。
子狐のパワーは『RLP』の操作に準ずる為、非力(パE)ではあるが、
『アルミ缶』をカタカタ揺らす程度なら可能だろう。

626ココロ『RLP』:2015/10/22(木) 01:00:51
>>625(GM)

鞄はまさしく、ショルダータイプのものだ。

(こ、小物のパワーじゃあ難しいかしら……?
 は……箸も持てないくらいだもの……
 け、けど、揺らすくらいなら大丈夫よねきっと……)

            ソワソワ

様子を見守るココロ。
無理そうなら足で軽くタッチして揺らそう。

        ・・・・その方が早いし。

「花びらにしたら……
 どうしましょう、一枚くらい鈴元君が持つ?
 そ、それとも全部友達にすべきかしらね……?」

一枚くらい隠しておいた方がいい気もする。
向こうはこちらを見ていた――つまり確実に接触することにはなるはず。

627『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/10/23(金) 00:33:19
>>626

「じゃあ、やってみよかぁ。」

子狐が缶を動かせないかと、ぶつかる。
見ようによってはじゃれている様にも見えるかもしれない。

「ん?」

「あ、そやねぇ。僕か水溜さんが持っといたら、すぐに使えるしエエんちゃう?」

どうやら賛成らしい。

628『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/23(金) 00:51:15
>>626-627(ココロ&狐元)
『ココロ』の依頼に従い、懸命に『アルミ缶』を揺らす『子狐ストラップ』。
その様子はどこか微笑ましい。

         かたかた
                   かたかた

いくら非力とはいえまるでパワーがないわけではない。
『アルミ缶』程度なら、全身を使えば『揺らす』事は十分に可能だった。
そして、揺らすたびに『アルミ缶』の表面は『花びら』と化していき………
『アルミ箔の花びら』が作り上げられていく。

629ココロ『RLP』:2015/10/23(金) 21:21:07
>>627 >>628(鈴元、GM)

         かたかた
                   かたかた

「……」

(な、何だか可愛らしい……
 い、いえ重労働だわ。真剣な事よ……)

しゃがんでその様子を見守るココロ。
口元が少し緩みそうになる、が、それは抑える。

         ・・・・それから。

「そ、そうね。じゃあ私が二枚、貴方が一枚持って……
 残りは、そう、連れて歩くことにしましょう。」

(そ、それがいいわよね。何枚できるのかにも、よるけれど……)

アルミ箔の花弁は片っ端から友達化。
そのうち2枚をジャンプさせ、服の両袖に一枚ずつ忍ばせる。

630雪の妖精フィギュア@高天原:2015/10/23(金) 23:20:24
>>624

「水、水ねぇ……」

 一口には言うが、難しい。

 水を用いた何らかの設備を用意することは出来るかもしれない。
 席から見える位置に水槽を置いたり、人工的な小池を作ったり。
 だが、水を『意識させる』というのは、それとはまた別だ。

「意識させるほどの設備を置くと、今度は店内が狭くなりそうヒホ」


>    「……『静かな湖畔』……」


「……ふむ」

 ブレーメン板踏の声に、少し考えを及ばせる。

「……『BGM』、ってのはどうヒホ?」

「『フリー素材』で、水のせせらぎの音とかってよくあるホ。
 心を落ち着かせる効果があるって聞いたことあるッホ。
 ほら、『静けさや、岩に染みいるなんとやら』っていうし」

 『静かな湖畔』を再現するために、あえて『水の音』を使う。そういう案だ。

631『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/24(土) 00:00:00
>>629(ココロ)
次第に作り上げられる『アルミ箔の花びら』。
それをどんどんと『友達化』する『ココロ』。
彼らの『1メートル』ほどのジャンプ力を用い、
そのうちの二枚を自身の服の両袖に一枚ずつ忍ばせさせた。

『1メートル』ではあるが、このジャンプを使えば
風がなくとも自力で『舞わせる』事が出来る。
この面を考えれば、『RLP』と『ギャザリング』の相性は良好と思われた。

このままいけばそのうち缶は問題なくすべて『花びら』となる。
ほかに準備がなければそろそろ『偵察』に入るのがいいのかもしれない。

632ココロ『RLP』:2015/10/24(土) 00:09:23
>>631(GM)

出来ることはまだあるかもしれない。
だが、それは時間が許すなら、だ。今は許してくれない。

      「……行きましょう。二人とも。」

   コクリ

鈴元に声をかける。
演奏がある以上、隠密性は皆無。

         ・・・・上手く立ち回ることが求められる。

(い、い、一瞬でも、見ればいいのよ……
 あの女を、少しでも見れば、坂下さんが時刻表にしてくれる……!)

絆を信じるとき、だ。
坂下は未だノイズの中だが――声は、きっと届いている。

     スー

           ハー

深呼吸しつつ、向かいのビルへ。
なるべくこっそり侵入しよう。意味があるかは謎だが。

633『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/24(土) 00:26:51
>>632(ココロ)
そして、『ココロ』は決意する。

『先ほどの人影』と『ピアノの演奏』を併せて考えれば見つかって当然の『偵察』。
その上でどう立ち回るか。

『予定』。
『腕時計』の表示面の小ささからか、あるいは『絆』のものだからか、
おそらくオリジナルの能力より、一度に得られる情報は少ない。
『見る』時は、『何時から何時まで』の予定が知りたいか、
しっかり頭に描いて見た方がいいだろう。
大まかに知りたいなら『長め』に、ピンポイントなら『短め』に。
悠長に何度もチェック出来る余裕があるならそれはそれで問題ないが―――

『腕時計』は沈黙を守っている。
『喋る』というのは高度な『自立思考』が必要であり、
単純に『ココロ』に行動で協力するより『ノイズ』に負けやすいという事なのだろう。
しかし、きっと、『ココロ』が考えているとおり、
『思い』は届いているし、『能力』も遅滞なく使用してくれるはずだ。

『ココロ』は向かいのビルに侵入していく。
その後から三本の針と、無数の『アルミ箔の花びら』、そして『子狐』がついてきている。
『友達』の追従方法について何かあれば、今のうちに陣形調整をしてもいいのかもしれない。

『入り口』前に立つと、上下に続く『階段』がある。
造りは自ビルとほぼ、変わりないようだ。

634ココロ『RLP』:2015/10/24(土) 00:40:00
>>633(GM)

陣形としては、花びら一枚(Aとする。)をココロから5mほど先行させる。
アルミの花弁は一見、ゴミにしか見えまい。
見つかるリスクも低いし、悪くない判断のはずだ。

また、針三本は
ココロの前、右、左に三角形を描いた配置。
残る花びらたちはココロの周囲に。
また、残りのうち一枚、ココロの真後ろに配置された花びらをBとする。

「鈴元君は……わ、私の後ろに隠れていてちょうだい。
 いざとなったら、あ、『RLP』で指揮を出すわ……」

現在の命令は『ココロの偵察を補助せよ』だ。
個々にはココロの陣形に従って動く以上の指示はない。
先行する花びらAと、後方のBのみ、視覚を共有しておく。

(わ、罠なんて仕掛けていたりは、しないとは思うけれど……
 お、お店だものね、あんまり散々な事は、し、していないはずよ……)

さあ、まず花びらAを建物内に先行させよう。
目指すは上へ登る階段。ココロ自身はまだ動かない。後方はBの視界で警戒だ。

635『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/24(土) 00:53:07
>>634(ココロ)
『ココロ』は友達たちを適切な配置につくよう心中で『お願い』する。
友達たちはそれに従い、簡易な陣形を作る。

       ぴょん    ぴょん    ぴょん

そして先陣を切る『花びらA』が階段を跳ねていく。
その視聴覚は『ココロ』と共有しているが、特に怪しいものはない。
後方のBの視界も同様だ。

  ………

何事もなく『花びらA』は階段を上り、そして二階の様子が確認出来る。
二階の店舗の『ドア』の前には『ENVY 艶美』と書かれた
派手な『看板』が設置されていた。他に特に気になるものはない。

636ココロ『RLP』:2015/10/24(土) 01:03:13
>>635(GM)

       ぴょん    ぴょん    ぴょん

(か、看板だわ……うちも作るべきかしらね、やっぱり……)

……時間があるかは別だ。
なければないでやるしかない。

       ・・・・ともかく。

『RLP』の強みは……
『命令が一つなら個々への指示は自在』なこと。

花びらAをジャンプさせる。
ドアに窓がついていたりはしないだろうか?

(わ、罠とかもないみたいかしらね……
 これなら、せ、潜入しても大丈夫なはずよ……)

         (み、見つかるのはどうせ見つかるわよ。
          そ、そこでどう立ち回るかが重要なのよ……)

どちらにせよ心の中は騒がしく。
しかしできるだけ、静かに。

階段に近付いてみよう。
階段の下から、二階の様子は見えるだろうか?

637『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/24(土) 01:12:28
>>636(ココロ)

  ぴょんぴょん   ぴょんぴょん

『花びらA』がジャンプするが………そもそも『ドア』に窓はなかった。
ぴょんぴょんがなんだか可愛いだけで終わってしまった。
『罠』のようなものは少なくとも室外には見られない。

階段の下からは『二階』の様子は見えなくもなかったが、
『ドア』は少し曲がったところにある為、確認できない。
見えるのはただ、壁だ。

638ココロ『RLP』:2015/10/24(土) 01:25:07
>>637(GM)

「……い、行くしかないわね。」

(そ、そんな上手くいくわけ、ないのよね。元から……
 こ、これくらいが普通。落ち込んだりするのは筋違いもいいところ。)

          スゥー

            ハァー

階段を上がろう。
花びらAはその場で停止。

     (つ、捕まったらどんな目に……
       い、いえ、そんな想像、今は無駄よ……)

ネガティヴを押さえこみ、階段を上がろう。
一応、忍び足は意識しておく。

並行して花びらAに階段まで戻ってくるようお願い。
それと、花びらBだけは現在地(階段下)に残ってもらおう。

639『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/24(土) 01:35:32
>>638(ココロ)
『ココロ』は何度目かの深呼吸を終えると、階段を上っていく。
忍び足を意識するほど、自らの『ピアノ』の音色が際立って周囲に響く気がした。
この音色こそ『RLP』の能力の肝。小さく弾く事は出来るだろうが、それも限度がある。

 ………

二階まで上がると、『花びらA』が見たとおりの光景、
すなわち『看板』と『店舗のドア』が確認できた。
傍らには更に上階に行く為の『階段』。

ここまで来ても、特に何事も起こらない。
予定通り、『鱗粉散布』とやらに集中しているのかもしれなかった。

640ココロ『RLP』:2015/10/24(土) 02:04:49
>>639(GM)

「……」

(ど、どうしましょう……何事もないわ……
 こ、こ、こういう場合どうすればいいのかしら……!?)

        アセリ

あせるココロ。
……いや、これでいいのだ。これがいい。

「ど、どうしましょう鈴元君……
 ど、ドアを開けてしまおうかしら……?」

(で、でも開けた瞬間に罠が……?
 こ、黒板消し落としみたいに……い、いえ、この形のドアよ?
 それに……そっ、そんな幼稚な罠……な、ないわよ、流石に……)

しかし、流石に逡巡するものだ。
どうすればいいのだろうか……

「ど、堂々と入っていく場合……そういう建前で行くものかしらね……?」

コソコソ行くならともかく、だ。
しかしこうなってはもう、コソコソも何もない気もする。

         ・・・・ドアに少し近づく。

641ココロ『RLP』:2015/10/24(土) 02:06:06
>>640(メ欄訂正)

642『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/24(土) 02:15:05
>>640-641(ココロ)
何も起こらなすぎる事に戸惑う『ココロ』。
『子狐@鈴元』に問いかけてみるが、
『ノイズ』の事を考えると、いつ返事が来るかも分からない。

『ドア』に近づくと、何やら『物音』がするような気もしないではないが………
自身の『ピアノの音色』が邪魔でそれが具体的に何の音かは分からない。

                        さて………どうするべきか。

643ココロ『RLP』:2015/10/24(土) 02:35:53
>>642(GM)

      ―♪

          ―♪

「……ど、どうしましょう……?」

不法侵入。
……訴えられたらヤバイ?

       ・・・・そういえば。

「ね、ね……ねえ、いいかしら?
 こ、これって、ルール違反では、な、ないわよね?」

黒子こと、判定役の小人はいるだろうか?
一応確認というか、裏は取っておこう。

(ど、どちらにしても、も、もう……やるしかないじゃあない!
 い、今は鱗粉を撒いている時間だから、い、いるのよ、ここに……!)

答えを待ちつつ、決意の気持ちでドアノブに手を掛ける。
偵察をする――そう決めたのだから。

非難されても……そうしないと勝てない!
何か策にせよ、なんにせよ、突破口を……!

644『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/24(土) 02:55:37
>>643(ココロ)
『黒子』はそれとなく、後ろに居た。
よくよく注意しないと存在を感じ取る事が出来ないくらい影が薄いようだ。

「たとえば進入の際に鍵を壊したり、進入後、
 備品を破壊したりすれば、『ルール』に引っかかる。
 しかし、訪問する分にはまったく『ルール違反』ではない」

『黒子』はそう答える。
確かに『予定』や先ほどの人影などを考えれば、
おそらく中に誰かが居るのは間違いない事で、
それならば、『侵入』というより、『訪問』の形が近いだろう。
………少なくとも、今現在は。

『ココロ』はドアノブに手をかける。
カギがかかっているような感触はない。
一捻りすれば、ついに敵陣へ潜り込む事となる。

                           → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた後ほど………)

645<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

646ココロ『RLP』:2015/10/24(土) 23:20:41
>>644(GM)

「ありがとう、も、も……もちろんそんなことはしないわ……
 も……もう一ついいかしら? あ、ありえないとは思うけれど……」

         パッ

ドアノブを握る手を離す。

「思うけれど……
 けれどよ? も、もし……」

「もし向こうが、わ、私を、監禁……なんて。
 そ、そんなことは……は、反則よね? し、しないでしょうけど……」

            「……しないわよね……」

ココロは……心配性なのだ。
もちろん、そういう時のための能力ではあるが――

(ど、ドアを開ける瞬間は演奏が出来ない。
 もし隙をつかれたら、そ、そうすれば……)

ドアを開けるパワーは小物にはない。
少し開けてこっそり見る、とかも難しいわけだ。
いやそもそも演奏しながらこっそりも何もあるまい。

         ・・・・どうするか。

(あ、危なそうなら……即演奏する。それしかな、ないわよね。
 ど、ドアは足で押さえるなり、な、何とかして……で、出来るわ。やるの。)

      スー

          ハー

改めて、深呼吸。
そしてドアを開ける――ゆっくりだが、大きくだ。

(どうせ隠れるなんて……
 も、もう気づかれてるわよ、普通に……!)

       (そ、それならのぞき見するより……)

……むしろ堂々とする! 
度胸で至った考えではないが、形としてはそういうことだ。

「……」

    (お、お邪魔しますというべきかしら……?)

開けたら、室内に半身を入れる。
つまり、廊下と部屋の境目に位置することになる。

647『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/25(日) 01:15:11
>>646(ココロ)
「『監禁』も『攻撃』の一種となる。少なくともこの対戦においては」

『ココロ』の不安に『黒子』は答える。
ルールを決めたのは人間とは違う、『小人』という存在。
曖昧な部分や不安なところ、利用出来そうなところは
不利益をこうむる前にしっかり確認しておく必要があるだろう。
そういう意味では『心配性』はけして悪い事ではないはずだ。

そして―――『ココロ』はようやく覚悟を決める。
手にしたドアノブを捻り、ドアを開け………

               ギイイイイイ

                             室内に半歩踏み入る。

「あ! やっぱり『ココロちゃん』だったンすねェ〜〜〜 ピアノうまッ!」

      そんな『ココロ』を出迎えてくれたのは、
        『繁華街』の小人、『ナイトくん』だ。

「遊びに来てくれたンスか? ヨユーアリアリッスねェ〜〜〜」

敵対しているとは思えないほど『ナイトくん』は『フレンドリー』だ。
油断させる作戦なのか、それともこれが彼のスタイルなのか………。

彼とは3mほど距離はある。
仮に襲い掛かってきたとしても対処する余裕くらいはあるだろう。

648ココロ『RLP』:2015/10/25(日) 17:27:56
>>647(GM)

「そ、そうよね。監禁だって、り、立派な犯罪だものね、ええ……」

       ホッ

安堵するココロ。

とにかく、無茶はされないわけだ。
……ルールの穴、ってのはあるだろうが。

               ギイイイイイ

「………っ!」

(こ、この小人は……ナイトくん、よね。
 あ……あの女はいないのかしら? い、いるはずよね……?
 も、もしかして、偵察に来てるって知って予定を変えたのかしら……!?)

フレンドリーさにやや萎縮するが、室内を見回すくらいの余裕はある。
その隙に襲われる、なんてことはあるまい。

「あ……ありがとう、褒めてくれて。
 あっ、遊びに来たんじゃあないわ、た、ただ……」

(ただ……な、なんて言いましょう? 偵察って素直に言うの?
 ま、まあ、偵察はルール違反じゃあないものね、ええ……でも、な、何かされるかもしれないわ……ど、どうしましょう?)

悩むココロ。

「ただ…………そ、そう。け、見学……みたいなものよ。
 よ、余裕なんてないし、遊んでいるわけでも、ないわ……」

(……け、見学ってなによ。偵察と違わないじゃあないの……へ、へんに言い換えることもないじゃあない、こんな状況で……)

結局中途半端な答えを返す。
手は少し前に出し、いつでも『演奏』出来るように備える。

         (……そ、そういえば、別にこの『ナイトくん』の予定を見るのでもいいんじゃあないの……?)

もっとも、『艶美』と違ってだいたいの予定も分からない。
つまり、どの時間に絞って使うべきなのか、判断しづらいところはあるが……無意味ではないはず。

649『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/25(日) 22:06:17
>>648(ココロ)
突然の『ナイトくん』との邂逅だったが、
『ココロ』は自分の成すべき事を行う。

『偵察』の第一歩―――まずは、『部屋』を見回してみる。
備品は『ココロ』のビルにあるものと、同じだ。
『ソファ』や『テーブル』がある為、すべてを確認出来るわけではないが、
少なくとも、さっと見た限りでは人影はない。
『艶美』はやはり、『ココロ』の偵察を察知して、
『控え室』にでも隠れてしまったのだろうか。

「『見学』ねェ〜〜〜。いや、いいッスけどね。
 モノは『ココロちゃん』トコとそんな変わりないハズだから、
  今、見てもそんなタノしくないかもしれないッスけど。

   ホントは『本番』に来てもらいたいんスけどねェ。
        それはムリって奴か! ザンネン!」

『ナイトくん』はあくまで友好的な態度を崩さないが、
自らの店舗に絶対の自信があるようだ。
この態度もその余裕から来るものなのかもしれない。

650ココロ『RLP』:2015/10/25(日) 23:32:43
>>649(GM)

「そ……そうね、今は、べ、別に……変わらないわね、私達の方と……」

      キョロキョロ

室内を見回すココロ……が、あまり意味もなさそうだ。

「……ほっ、本番は今よりもっと、もつまと忙しいわ。こ、こっちに来る時間なんて、ないわよ。」

(と……遠回しに降参しろって、言われているんだわ……そ、そんなわけにいくわけがないじゃあない。)

(でも、こ、ここまでで既に物凄い準備をしているとかではなさそう……
 い、いえ、備品はどこかに置いているのかもしれないじゃあないの……それに、見た目で判断しちゃあ駄目だわ……)

準備をするならこれから。
今偵察に来たのは……まあ、そういう意味では、やや意味薄か。

「そういえば……あ、貴方の相方の……え、艶美さんはいないのかしら?
 べ、別に会いたいとか、そういうわけではないのだけれど……ほ、本当に。」

偵察的には会うべきだ。

が、感情的には実際別に会いたくない。
ココロだって、嘲られるのは嫌なのだ。

(そ、それにしてもどうしましょう……い、いきなりピアノを弾き出したら怪しまれるかしら……?
 けれど、ひ、弾かなくちゃあ会議の方も進まないわよ。ひ、弾くしか、ないんじゃあないかしら……この局面……)

         ピク

『ナイトくん』を試すように、小さく指先を動かす。
どう反応してくるだろうか。

651『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/26(月) 00:02:28
>>650(ココロ)
室内を見回す『ココロ』。
だが、この位置から漫然と目的なく見回してもこれ以上の収穫はなさそうだ。

「ああ……『艶美ちゃん』は今、ちょっと準備中ッスね。
 だからこのオレがお相手させてもらってるンですけど、
                なんか『ごフマン』ッスか?」

『ナイトくん』は少し言いよどみながらそう主張する。
彼の言うとおりなのか、それとも他に理由があるのか―――

そして、『ナイトくん』は『ココロ』の指先の動きに、興味深そうな視線を向ける。
彼は『ピアノ』について言及していた。つまり『聴こえている』という事。
『レイク爺』もそうだが、彼らは『スタンド』を認識出来ている。
面と向かってこっそり能力使用するという事は基本的に難しいだろう。

652ココロ『RLP』:2015/10/26(月) 00:22:48
>>651(GM)

「い、いえ、不満とか、そ……そういうわけじゃあないわ。
 い……いないみたいだから、き、気になって。準備中なのね、ええ。」

(べ、べつにナイトくんでもいいのよね……
 この人も、れ、レイク爺みたいに協力するわけでしょうし……)

        キョロ

パッと見てわからないならしょうがない。
細かく分析する術もないし、能力による変化なら参考にもなるまい。
こちらには相手と同じ能力もなければ、敵の能力を解除する術もない。

         ・・・・さて。

「……あっ、ご、ごめんなさい。」

視線を受け、手を引っ込める。
そこでココロは、思いついた。

(そ、そういうのって……い、いえ。勝つためだわ。
 べ、別に悪いことをするわけでも、ないじゃあない……)

「く……く、癖、なのよ。
 え、エアピアノを弾いてしまうの……」

         「き……気分が楽になるから……だ、駄目かしら?」

癖、というのはウソでもない。
緊張きわまると指が動くのは、ココロの癖だ。

……今はそれほど緊張もしていない。
何とか敵前でのエアピアノ――『RLP』につなげるための些細な嘘だ。

653『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/26(月) 00:34:12
>>652(ココロ)
「あ〜〜クセね。なるほど!
 オレもあるッスよ! 前髪、ムダにかきあげちゃうの!
          ゼンゼン! アリじゃないッズか?」

前髪をかき上げながら『ナイトくん』が答えてくれる。

「弾く人はそういうクセあるもんなんスかね?
   『ココロちゃん』、ピアノうまいッスからねェ〜〜さっきもなんか聴こえてたッスよ」

たいていの楽器の音は、多少距離や壁に阻まれていても響く。
『聴かせる』という用途の為にあるものだから、
本来、それは良い性質ではあるのだが………

654ココロ『RLP』:2015/10/26(月) 00:49:40
>>653(GM)

「そ、そうよね、おかしくはないわよね。
 ピ、ピアニスト皆に同じ癖があるかは、わ、分からないけれど……」

     (どうなのかしら実際のところ……
      ほ、他の人の癖なんて知らないわね、そういえば……)

図らずもナイトくんの癖は、分かった。
分かったからどうってことも、あるまいが……

「……あ、き、聞こえていたわよね、ええ……あ、ありがとう。
 あ、あれは私のスタンドなの。あ、『RLP』……って言って。」

         ♪

           ♪

       「ピ……ピアノを弾けるわ。
        いい音で、お、落ち着くの……」

(な、なんてどうしようもないウソなのかしら……)

軽快な音を鳴らすエアピアノ。
あたかも自分の能力を簡単に見せる『マヌケ』のように。

         ――デジタル腕時計を友達化。
           また、小狐や花びらもだ。
           腕時計以外は、動かさない。

(お……お願い、坂下さん。
 あなたの能力を、あ、あの小人に……)

ナイト君の『20:00までの予定』を時刻表に。

意味はあるだろうか? 
いや、しないより、するに越したことはないのだ。

(お、お店を開いてから何かをする能力なのかもしれないけれど……
 その前の準備にだって、あ、ある程度絡んでいるはずだわ、か、彼も。
 開いてからのことは、わ、わかったところでどうしようもないもの……)

       ……そういえば。
       坂下は『表示された時刻表』を自分で確認できるのだろうか?

655『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/26(月) 01:07:01
>>654(ココロ)

         ♪

           ♪

『ココロ』はあえて正面から『RLP』を発現させる。
『ピアノを弾くだけの能力』―――そう思ってくれれば。

 「へェ〜〜〜そんな感じで出るンすね」

『ナイトくん』は感心したように『ココロ』のピアノに見入っていた。

そんな彼の『時刻表』。
今から『20:00』までの予定を確認するよう『腕時計@坂下』に念を送る。
その『予定』は当然、『腕時計』自身も確認出来ているだろう。

 そして出現した『予定』は―――


          『自由時間(フリータイム)│17:15〜20:00』

   ………
           ………

       まあ、仮に『レイク爺』の予定を見てもそう大差ないだろう。


                           → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた今夜………)

656ココロ『RLP』:2015/10/26(月) 23:05:33
>>655(GM)

          『自由時間(フリータイム)│17:15?20:00』

   ………
           ………

「……」

自由。良い言葉だ。
じつに……のびやかで。

    (よ、予定という概念が……彼にはないのね。
     そ、それもそうよね、私達人間とは少し、違うのだし……わ、悪いとかじゃあなくて。)

精神構造が異なる相手なのだろう。素直に諦めよう。
こうなると、あの女こと『艶美』の予定を見るべきだろうが……

(い、今15分だから……予定通りならフロアの南東、だったかしら?
 でも、姿が見えないし……もし隠れているなら、で、出ては来ないわよね……私だって敵が来たら隠れるわ……そもそも南東ってどっちよ……)

         チラ

やり方は……一つだけ思いつく。
ココロはここを離れ(つまり艶美を誘い出し)て、時刻表は作る方法。

          ・・・・つまり。

(さ、坂下さんを、忘れ物のていでこっちのビルに残す……?
 い、いえっ、ありえないわ……もし壊されでもしたら……!
 護衛をつけていても、しょ、しょせん『友達』は強くはないし……そ、そもそもやり方が非道過ぎるわ……ありえないわ。)

考えたが、実行には勇気がいる。
ともすれば……犠牲にしかねないのだ。

          ・・・・それはあってはならない。

「も……もう少しだけ、見て回っても……いいかしら?
 い、一応言っておくけれど、ずるはしないわよ。し、審判が見てるから、出来もしないでしょうし……」

(ど、どうにかして考えるのよ……
 え、艶美を、わ、私の視界に入れる方法を……!)

とはいえ、すぐに思いつくものでもない。
……ココロの後方の花弁一枚と視界共有。

また、手持ち無沙汰なので視界にあるソファから『時刻表』を作って確認。
これも、20:00までの予定を。何かあればこれ幸い、くらいの感覚だ。

657『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/27(火) 00:11:11
>>656(ココロ)
どうすれば『偵察』が捗るか?
『ココロ』は考える。様々な思いが去来する。

      『鱗粉散布(二階南西フロア部分)│18:00〜18:05』

これは、『ソファ』の『予定』だ。指定された時間内で
この時間帯のみ、明確な『予定』があったという事だろう。

「あ〜〜〜はいはい。ただ、イッコ言っておくと、『控え室』には入らないで欲しいッス。
 ヒミツがあるから、イイかんじに輝く。
  そういう仕組みになってるンスよね〜〜〜。ジョセイだって、オミセだって。

  あとはいきなり走り出したり、ミョーな動きはしないで下さいッス。
   サビシーですけどイチオー、ライバル的関係でもあるんで」

      『ココロ』の申し出に『ナイトくん』はそう答える。

そして―――

 そんな彼の返答を受けながら、『ココロ』は『後方の花びら』と視界共有してみた。

地に落ちた『小さな花びら』から見えるものは、そう多くはない。
しかし、『ココロとは違う角度からフロアをチェックする事が出来る』。

    ………
                ………

                               ファサァ………


                 『小さな花びら』から少しだけ見えたのは、
                 『ココロ』から隠れるように動く
                 『一匹のカラフルな蝶のヴィジョン』だった。

『蝶』は『ココロ』から少し離れた『ソファ』の陰に器用に隠れてしまい、
『花びら』の視界からも、すぐに見えなくなった。

658ココロ『RLP』:2015/10/27(火) 00:28:16
>>657(GM)

「え、ええ。分かっているわよ。変なところには行かないわ……
 みょ……妙な動きをしていたらすぐに指摘してちょうだいね。」

          「き、きっと止めるから……
           けど、ごめんなさいね、ピ、ピアノは許してくれるかしら……?」

          ♪
              ♪

(ひ……控室にいるのかしらね。
 それなら会うのは無理だわ、き、きっと……
 む、無理に押し入ったら、反則になっちゃうかもだし……)

そうでなくとも、乱暴な真似はあまりしたくない。
そしてソファからはここの方位以外、あまり有益な情報は得られなかった。

           ・・・・と。

    ………
                ………

                               ファサァ………

(……い、今! あれがあの女のスタンドね……!
 ちょ、蝶のヴィジョン……今まさに鱗粉を撒いているんだわ……!
 あ……あれを見たら、時刻表が作れるんじゃあないかしら……!?)

しかし、逃げるように動くなら捕捉は困難だ。
花びらの視界では『時刻表』は作れない……から。

        ♪

            ♪

   キョロ

            キョロ

とりあえずココロは部屋内を見回しつつ、動くことにする。
つまり、ソファの位置から察せる……部屋の南東に向かって。

花びらの視覚共有は維持しつつ、動かしはしない。
ナイトくんの低い視界なら、小物の動きは即・バレるだろうし。

            ・・・・そういえば、何か小物は見当たる?
            ペンとか、置物とか、何でもいい。小さくてかわいいもの。

659『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/27(火) 00:45:47
>>658(ココロ)
「はい、ピアノはいいッスけど………歩き辛くないっスか? それ」

『ナイトくん』が首をかしげながら答える。
疑っているというほどでないにしろ、何かを感じとっているのだろう。
『ココロ』が考えたとおり、仮に今、落ちている『花びら』なり
『針』なり『子狐ストラップ』なりが妙な動きをすれば、
バレてしまう可能性は十分にあるだろう。

『ココロ』が先ほどの『蝶』を見た方向にすぐに足を向けると、
『ナイトくん』は心なしかそわそわしているように思えた。

『テーブル』の上には豪華な『灰皿』が設置されている。
シックなデザインで、通常の感覚なら、『かわいい』とは表現されないだろう。
その脇にとりあえずといった感じで個包装された『飴玉』が小皿に入っているのがみえた。
とりあえず今、目に入る小物はその程度だ。

 ………

さきほどの『蝶』が居た『ソファ』の陰が見える距離まで来たが、そこにはすでに何もない。
部屋に設置された数々の『ソファ』や『テーブル』は
小さなものが『かくれんぼ』するには持って来いの環境を作り出している。
普通に『ココロ』が移動している分には、すぐに隠れる事が出来る。
だからこそ『ナイトくん』は『見学』を許可したのかもしれなかった。

660ココロ『RLP』:2015/10/27(火) 01:01:31
>>659(GM)

「あ、歩きやすくはないけれど……
 けれど、生きやすい感じはするわね……」

         (……??? わ、我ながら意味不明だわ……)

意味の分からないことを口走るココロ。
複数の視界と、偵察の緊張感のせいだろうか――

       ♪

             ♪

小皿の飴玉を全て友達化。静止させておく。
友達が増えても――何も困ることにはならない。

    (い、いつでも視聴覚は共有できるわ、これで。
     覗きに盗撮みたいで、あ、ああ、あまりよくはないけど……
     で、でも、これも勝負だし、妨害をしているわけじゃあないわ……)

ある意味偵察要らずだろう。
予定を知ることには、また違う意味があるが――

「……」

      ・・・・

           ・・・・   

(そ、そうだわ、監視カメラなら……
 す、少し、く、くすぐったいけれど……)

漫然とした感じに、ソファの方に近付いていく。
ナイトくんは今……どうしているだろうか? こちらに来てたりしない?

661『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/27(火) 01:16:34
>>660(ココロ)
『小皿の飴玉』は小さくて可愛い。
だから、『RLP』の音色は彼らの心に染み渡り、そして、彼らとは『友達』となった。

『飴玉』は『テーブル上』という目立つところにあり、
その視界がこそこそと動く『蝶』を捉えられるかは微妙なところかもしれないが、
今だけではなく、『今後』の事を考えれば十分に役に立つだろう。

『ナイトくん』は『ココロ』が妙な動きをしないよう監視しているのか、ついてきている。

「しかし、自分のホーの準備はいいンすか?
  ただ、見てるだけってのは、余裕シャクシャクってカンジっすけど」

漫然とソファに近づいていくだけの『ココロ』に『ナイトくん』は語りかけてくる。


                           → TO BE CONTINUED
                             (続きはまた今夜………)

662ココロ『RLP』:2015/10/27(火) 13:36:45
>>661(GM)

(つ……ついてきているわね。どうしましょう……
 は、花びらで目を奪う? でも、そんなの即追い出されるわ……
 と、というか、別に……何も、わ、悪い事はしないけれど……)

        ・・・・どうしよう。

蝶を探すのは至難。
さらに、あまり長居するのも不自然だろう。

どうしようか。

「わ……私がいない間に、進む準備もあるのよ。
 見学しているのも、い、意味はあるわ……きっと……」

詳細は語らないし、騙らない。
怪しんだところで妨害は出来ない、追い出される程度だろう。

          ・・・・さて。

(さ、最悪……時刻表は作らずに行くことになるかもしれないわね……
 み、見つけられなかったら、そうするしかないもの……けど、見つけなくちゃあ……)

         (……よく考えたら花びらって、しゃ、射程があるのよね……た、足りる?)

止められないなら、やはりソファの方へ。もう少しだけ蝶を追ってみよう。

「……けど、やっぱり、私たちの方と……そんなに変わらないわよね、今は……」

そういえばココロ側ビルからこのビル、入り口を直線で結ぶと何mくらいだろうか?

坂下には先ほど友達にした飴玉から時刻表を作るようにお願いしておく。
範囲は現在〜23:00くらい広くてよかろう。大した予定もあるまい……

663『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/27(火) 22:02:46
>>662(ココロ)
「イミあるスか? この見学にィ? ふゥ〜〜ん」

 『ナイトくん』は少し困惑しているようにも見えた。

『ココロ』はこれからの事を考える。
ビルのは『入り口』と『入り口』は直線距離にすれば10mほどか。
後は高さの差や、部屋の大きさなどを考えると『射程外』に出る可能性は十分にある。

ソファに近づき、『蝶』を探すが………やはり、見当たらない。
『鱗紛散布』という『予定』はあくまで『予定』。
今はもう別の『ソファ』や『テーブル』に隠れてしまっているのかもしれない。

 そして、

   ここで、『ココロ』は、新たに友達にした『飴玉たち』の『予定』を確認する。

              『輝く(SHOW時)│20:00〜』

   ………
           ………
                   ………
                              ?

664ココロ『RLP』:2015/10/27(火) 23:56:06
>>663(GM)

「そ……そうよ、あるのよ……も、もう少しだけ見させてちょうだい。」

意味は……ある。
現に、今。そうだ、見つけた。

              『輝く(SHOW時)│20:00〜』
(……!? か、輝……輝く? あ、飴玉が輝くって……
 す、スタンド能力ってことよね……それより、しょ、ショー……?)

思わぬところで予定が拾えた。
ショー。つまり、それが艶美の店の『仕掛け』なのだろう。

       ・・・・となると。

(じゃ、じゃあ……店を互角にして、私のピアノ演奏を高めに見積もって、よ、ようやくそれで……互角?)

相手は単に店であり、パフォーマンスはないとばかり思っていた。

そんなことはなかった。
夜の街には『ショー』を披露する店も、あるのだろう。
……それを執り行うのも、当然、その道のプロだ。ココロは、アマチュアだ。

(こ、これじゃあ…………ど、どうしたらいいのよ……
 こ、こっちも、やっぱり私の演奏だけじゃなくて、もっと豪華な……)

        キョロキョロ

(ちょ、蝶も、全然……全然見つからないじゃあない……ど、どうしましょう、どうしたら……!?)

ソファに近付きつつ、室内をさらに見回す。
さっき友達にした以外に、飴玉や、他の小物はないだろうか?

665『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/28(水) 23:24:29
>>664(ココロ)
『ココロ』は焦る。新たな情報らしきものを得たのはいいが、
それは『SHOW』、『艶美』の店に『パフォーマンス』が
あるのではないかという可能性を示唆していた。

プロの店に更に『パフォーマンス』が加わる。
果たして、『ココロ』の提供するものはそれに打ち勝つ事が出来るのか―――


                           キョロキョロ

焦りとともに、『ココロ』は室内をさらに見回す。
ほかの小物はまだ準備されていないようだが、
各『テーブル』には、最寄の『テーブル』同様、小皿の飴玉が設置されている。

『ココロ』はすでに、初めに『蝶』を見かけた『ソファ』の至近距離まで来ている。
相変わらず『蝶』の姿は見当たらない。普通に探すだけでは
『蝶』の小ささや身軽さには勝てない、という事だろうか。

 ………
           ………

                      と、ここで、『ココロ』は『違和感』に気づく。

                    『床』。

 『蝶』や『小物』を探す為に視線を下げていたのが功を奏したのだろう。
 『床』にはいかにも高級そうな紫に近い赤の『絨毯』が引かれていたが、
 今立っている周辺一帯が、他と比べて色が異なるように感じた。
 しゃがみでもすれば、もう少し念入りに調査できるのかもしれないが―――

「……『ココロちゃん』、さっきからなァんか、様子おかしくないスか?
  ちょっと焦ってるカンジとか、何か探してるみたいなカンジとか。

   ぼちぼち、帰った方がいいんじゃあないスかねェ〜〜〜」

ここで、『ナイトくん』がこんな事を言い出す。
さきほどまでは気楽な歓迎ムードだったが、
『ココロ』が単身乗り込んで来て、どこか様子がおかしいとなれば、
さすがの彼も何かを感じ取っているのかもしれない。

666ココロ『RLP』:2015/10/28(水) 23:48:03
>>665(GM)

飴玉は片っ端から友達化。
友達が増えて――悪いことは一切ないのだから。

          ・・・・そして。

「…………? ……!」

(床……な、何かしら? 色が変だわ……?
 よ、汚れ? それとも……こ、これが鱗粉なの?)

             (つ……使いどころは、今よ!)

        ヒラ

――ロングのワンピースの裾、そして脚。すぐ近くにはソファ。
ナイトくんには見えない角度で――床に『花びら』を落とす。
あらかじめ、袖に仕込んだ花びらを服の中で移動させ、下に運んでいた。

>>660 メール欄『袖の花びらを移動→下へ』】

この花びらと視界を共有。
これにより、床の様子を間近で確認できる。

(そ、そして……もし、もしこれが鱗粉というものだとすれば……)

坂下に頼み、床の――可能なら床の色を変えている何かの時刻表を作りだしてもらう。
時刻は20:00〜だ。

「そ、そ……そうね、そろそろ、十分かもしれないわね。
 貴方たちにとっても……じゃ、邪魔になってしまう、でしょうし。」

         ・・・・偵察はそろそろ、〆だ。

667『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/29(木) 00:06:00
>>666(ココロ)

    ヒラ

発見した『違和感』を調べるべく、
『ココロ』は予め落としやすい状態にしておいた
『花びら』をそっと、『床』に落とす。

  そして、『花びら』は見た。感じた。
    絨毯に振りまかれた透明に近い『粉』。
     おそらくこれが、『鱗粉』という事で間違いないだろう。
      更にこれは………『スタンド』で生み出された、いわゆる『スタンド物質』だ。

間近での観察によりその『正体』を『確信』出来た事で、
『時刻表作成』の指定が容易になった。
『腕時計@坂下』に依頼し、『鱗粉』の予定を調査してもらう―――

「ジャマってほどでもないんスが、そうッスねェ〜〜〜。
  お互いまだやるコトあるでしょうしねェ〜〜〜」

『ナイトくん』は前髪をかき上げ、『ココロ』に同調する。

                      「お帰り願いましょうかァ」

こうなったら、後は戻る以外の反応は『不自然』になってしまうだろう。


          『色変化&輝く(SHOW時)│20:00〜』

668ココロ『RLP』:2015/10/29(木) 01:13:16
>>667

「……! え、ええ。そうよね。
 ごめんなさいね、な、長居……してしまって。」

       「……じゃあ、し、失礼するわ。
        見学させてくれてありがとう……」

今落とした花びらは放置。
……流石に、見ている前で動かすわけにも行かない。

(鱗粉の能力……ひ、光ったり、変色したり……
 人にも使えるなら、き、きっと上等なお化粧にもなる……!)

        (わ……分かったのはいいけれど……
         こ、こんなの、やっぱり対処も何もないわ……!)

地力の差があると単純な『バフ』『デバフ』こそが恐ろしい。
この能力、おそらく使おうと思えば妨害にも使えるだろう。

          ・・・・この上なく厄介だ。

「……」

(最後に、お、お願い……!)

部屋内に落ちている分の花弁全てを飛び上がらせる。

        ヒラ

              ヒラ

花びらは目を奪いこそしない。
だが、大きくナイトくんの『気を上方に引く』だろう。

その隙に、部屋を出る。
連れてきた小物たち――特に子ぎつねや針は、連れ帰る。

669『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/29(木) 02:01:28
>>668(ココロ)
『ココロ』は『ナイトくん』の言葉を受け、彼に見学への感謝の言葉を述べる。

相手の能力は、おぼろげながら把握出来た。
『艶美』たちの『絶対の自信』の源は、
艶美自身のスキルと、その『能力』の両輪にある、という事だろう。

   光ったり、変色する―――『彩る能力』。
少なくともこの勝負においては、大いなる武器となるに違いない。

  その事実を脅威に感じながらも、『ココロ』は願う。

      ふわぁ
           ふわぁ
                ふわぁ
                       ふわぁ

            ふわぁぁぁぁぁぁァ――――――


       『花びら』が舞い上がる事を、願う。

        「んん〜〜〜〜!?」

いきなりの事態に『ナイトくん』は戸惑う。
花びらたちの飛び上がる高さは『1mほど』だったが、
『ナイトくん』が『小人』であった事が幸いした。
相対的に上方を向く『ナイトくん』を尻目に、屈んだ状態で『ココロ』は部屋を出る。
『花びら』たちは残したものの、『子狐』や『針』は無事回収できた。

                ば   た   ん


   『ピアノ』の音が遠ざかり、『艶美』たちの店舗には静寂が訪れた。

670『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/29(木) 02:08:49
>>668(ココロ)


  ………
         ………

                 「………帰ったの?
                               あの娘」

ほどなくして『控え室』からフロアに現れたのは、『繁華街の代表』、『艶美』だ。

   「あ! 艶美ちゃん! そっスねェ〜〜〜
      なんか色々調べたかった感じみたいッスよ!

       あと、『花びら』を舞い上げていったんスけど、
           そういう能力なんスかねェ〜〜〜?
                   『ピアノ』弾いて、ものを動かす的な?」

『ナイトくん』の言葉を受け、
        『艶美』は『アルミ箔の花びら』の一枚をそっと拾い上げる。


                                    パタ パタ

  そんな『艶美』の元に一頭の『蝶』が寄ってくる。
         『蝶』は『艶美』の頭に吸い寄せられるように止まる。

「ふゥ〜ん。『花びら』を、舞い上げる。
 『ピアノ』といい、あの娘、なかなかステキな能力を持っているのね。
            この勝負が終わったら、スカウトしちゃおうかしら」

 呟くようにそう言いながら、
         『艶美』は手にとった『花びら』を再び手放し、地に落とす。

  パタパタ
      パタパタ  パタパタ  パタパタ      パタパタ
         パタパタ   パタパタ  パタパタ
             パタパタ   パタパタ
                            パタパタ;ァ―――


 それが合図だったかのように、『蝶』が『艶美』の元にやってくる。
   『一頭』だけではない。
     『ソファ』や『テーブル』の端に隠れていた、たくさんの『蝶の群れ』。

               ・ ・ ・        グ゙ラマラス・ライフ
          これらすべてが、『艶美』の『スタンド』だ。


「まァでも、
      今回の勝負は私が勝たせてもらうわ。

  若さに任せ、
          『花びら』を舞い上がらせたって、
                               『花の命』は短い。

    ―――結局、
              最後には、
                       『舞い散る運命』なんだから」


                             → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

671ココロ『RLP』:2015/10/29(木) 03:25:50
>>669-670(GM)

                ば   た   ん

「…………」

        「はぁぁぁ〜〜〜……っ!」

     ♪

        ♪

部屋から出た。緊張が解けた気分だ。
やや昂ぶっていたピアノ演奏を極めて簡素で、緩やかなものにする。

        ・・・・さて。

     コツ
          コツ

「……ごめんなさい、坂下さん。
 本体もスタンドも、みっ……見つけ、られなくて。
 それどころか、た、対策しようのない事ばかり分かってしまったわ。」

        「わ、分からないより、良いには違いないけれど……
         こ、こういうことを、知らぬが仏とことわざで言うのかしらね……?」

   トボ    トボ

意気消沈。有用な手は打てたが――想像以上の相手の強大さを知ったショックもある。

自分のビルに戻る。相談の進みはどうだろうか。
進んでいれば幸い、いなければ仕方がない。

        (な、何度か演奏を止めてしまったものね……
         て、偵察、私のしたことは裏目ばかりだったわ……)

とにかく、ビルに戻るのだ。

672『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/29(木) 21:30:51
>>671(ココロ)

「おお! ココロちゃん!
  無事にもどったのォ〜〜〜 よかったのォ〜〜〜。

   で、どうじゃった? ちゃんと『偵察』出来たかの?」

『自ビル』に戻ると、『レイク爺』はヒョコヒョコ跳ねて、帰還の喜びを表現する。


  「ちなみにこっちは、まだ、結論は出てないが、いくつか案は出とるぞ!」

 そう言うと『レイク爺』は、出た案を『ココロ』に伝えてくる(>>591>>605-607>>611>>624>>630)。
 『ノイズ』や『ピアノの小休止』の中、
  残った『絆たち』が懸命に出してくれた案。
   これからこれをどう活用していくか―――

「あんまり時間もないし、リーダーは『ココロちゃん』じゃ。
 そろそろ、今まで出た案を『ココロちゃん』の方でまとめて
   具体的にどうするかを決定した方がいいのかもしれんのォ〜〜」

            『レイク爺』はこんな事を言ってくるが………

673ココロ『RLP』:2015/10/29(木) 21:55:19
>>672(GM)

「た……ただいま。無事だわ、一応……
 て、偵察も、ある程度……けれど、あ、あまり成果は無いわね……」

向こうはとにかくひたすら、持つ能力を高めて殴ってくる。

「新しく分かったのは、しょ、ショーをするってことと……
 スタンドの能力は、ひ……『光ったり色が変わったりする鱗粉』? 多分、そんな感じだわ……」

……つまり、対策とかはない。
こちらも、可能な限り高めるしか、ない。

「あと……む、向こうに、たくさん『友達』を残したわ。
 つまり、カメラみたいに見たり、聞いたりが……出来るわね。
 ご……ごめんなさい、元々の、予定を見るというのは、出来なくて……」

出来ることはした、つもりだ。
それで足りるのかは、分からない。

          ・・・・ともかく。

(相談は、あ、あまり……仕方ないわよね、な、何度も止めてしまったもの。
 み、みんなを責めるなんて筋違い……絆として、いてくれるだけで、それ以上を望むのは間違いなのよ。)

「そうね……も、木目調のインテリアにするのは、良いと思うわ。
 灯りをすこし、暗めにするのも……観葉植物も……向こうのお店との、ええ、さ、差別化にもなるし……」

「BGMも……そ……そうね、ピアノを弾かない時間も、あるわよね。
 ありがとう、さ……採用しましょう。考えてくれたんだもの……」

出たアイディアは悪くないものばかりだ。
かたっぱしから採用しても、さほど困らないだろう……準備の手間以外は。

「……い、今言ったような備品って、用意してもらえないわよね?」

念のため、『黒子』に聞いてみる。
とはいえ、明らかに基本的の範疇外。買いに行くことになるだろうけど。

674『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/29(木) 23:09:13
>>673(ココロ)
「ほほう! ほほう! ショーかァ! ショーと来たかァ!
 光ったり色が変わったりするのはなんだか綺麗じゃからのォ。
  客どもは見惚れてしまうかもしれんのォォ」

  『レイク爺』が素直に感心している。

「『友達』が居るなら、相手の出方は
 いつでも調べられるという事じゃから………
 『予定』はないならないでなんとかなるんじゃあないかの」

『ココロ』は『偵察』の報告を終えると、
今度は、『自らの店』について考え始める。
時間は三時間を切っている。そろそろ本格的な準備が必要な頃合だ。


「『備品』に関しては、予め『ビル』にあるもの以外は自己調達だ」

『ココロ』の問いに対する『黒子』の答えは、予想通りのものだった。

675ココロ『RLP』:2015/10/29(木) 23:40:50
>>674(GM)

「そっ……そうよね、予定無しでも、なんとか……なるかしらね。」

(そ、それに……予定のおかげで、ショーや能力が分かったのよ。
 坂下さんも、鈴元くんも、元々とは違うところででも、活躍してくれたわ……)

飴玉の視界は、まだ使わない。
複数の視界を同時に覗くのは相応に疲れる。

「……ご、ごめんなさい。ありがとう。
 そうなると……そ、そういう家具を買いに行く時間も、いるわね……」

買い物ができるのは当然、自分だけだ。
また、ここを開ける事になる。

「ど、どうしましょう。
 先に……この部屋ですべきことは、してから行くべきよね。」

人手も調達しに行く必要がある。
やり残したことを無くしてから、出発したいところだ。

(料理は決まったし、内装もイメージは出来たわ……
 衣装は任せているし、ぴ、ピアノは……う、売り切れは、しないわよね、流石に……)

           (あ、後は……)

途方もない道のりが、ようやく一つに結実しつつある気がした。

676『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/29(木) 23:56:45
>>675(ココロ)
『ココロ』はこれからの事を考える。
現在は『17:20』頃か。店舗開催まであと『3時間』もない。
効率よく行動しなければ間に合わない事も出てくるのだろう。

「部屋ですべき事か………内装も材料がなければ無理そうじゃしの」

 『レイク爺』が意見を述べる。

「………買い物は」「………適切な写真さえあれば」
「………群衆になって」「………私たちと」
「………レイクさんで」「………いけるけど」

と、ここで言葉少なだった『群衆のキーホルダー』が口を開く。
『おつかい』をしてくれるような『群衆』ならば、そういった事も可能だという事か。

677ココロ『RLP』:2015/10/30(金) 00:07:22
>>676(GM)

「料理は……ざ、材料さえあれば大丈夫よね。
 高級な材料なんて、買う場所も買うお金もないのだし……」

レシピを再確認する。
その材料さえ集めれば、一応料理の準備には進める。

             ・・・・そして。

「あっ……そ、それもそうね。
 ここで何かしている間に、買ってきてもらえば……」

それは名案に思えた。
ビルにいながら、あるいは他所に行きながらでも、買い物も進められる。

「りょ……料理の準備、かしら? それこそ……
 む、難しい料理は、それこそ群衆に任せたいけれど……」

           「か、買い物してくれるような群衆って何かしら?
            ち……小さい子のお使いじゃあ、重い物は持てないし……」

簡単な下ごしらえなどは、自分にも出来る。
調理器具は……用意があるのだろう。基本的な備品だし。

678『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/30(金) 00:17:57
>>677(ココロ)
「………買い物は」「………『専門家』に任せても」
「………いいのかもね」「………料理なら料理で」
「………『料理人』なら食材の目利きは十分に出来る」
「………『群衆』は素直だから、上手く誘導すれば」
「………きっと買ってきてくれるはず」

 『群衆のキーホルダー』が『ココロ』の問いに答える。

調理用具に関しては各々の階の『控え室』や『スタッフルーム』の脇に
『調理場』があり、そこに揃えてあった。それぞれそれなりに立派なもので、
そこに関してはどこを選んでも公平なように設置されているのかもしれない。

679ココロ『RLP』:2015/10/30(金) 00:30:16
>>678(GM)

「あっ……そ、そうね。インテリアの専門家!
 ね、ネットで探したら、出てくるかしら……」

流石にそこまで探しには行けない。
問題は、今はスマホが使えないこと。

          ・・・・なので。

「だ、誰か……手がある人、わ、私のスマホで調べてくれないかしら?」

        「インテリアの専門家……
         きっと、ち、力になってくれる……!」

    スッ

その場にしゃがみ込み、絆たちに語り掛ける。
名乗り出る者がいれば、その者にスマホを貸す。

680『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/30(金) 00:43:18
>>679(ココロ)
『ココロ』は他の絆で『スマホ』での操作を呼びかける。
非力な『絆たち』でも、『スマホ操作』は十分可能だと思われた。

『ココロ』が求めているのは『インテリアの専門家』。
『群衆』には『10名以上』が映っている『素材』が必要である。
それを踏まえて、巧いキーワードで検索する必要があるだろう。

(※少し、他の『絆』の反応を待つ?
  待つのならば、GMは今日は落ち、
  明日の夕方以降までWAIT。
  待たないのならば『群衆のキーホルダー』が操作を行う。
  その場合でも、GMは次レスでTOBEとさせて頂く予定)

681ココロ『RLP』:2015/10/30(金) 00:50:44
>>680(GM)

「ぜ……全員が専門家である必要はないし……
 検索ワード、何がいいかしら……? インテリア系の……」

悩みつつ、絆たちの反応を待つココロ。
まあ、あまり長くも待てないし、今話している西に任せるのがいいか――

「も、模様替え プロとかかしら……?
 模様替えの会社とか、あ、あるらしいわ。」
 
         ・・・・まあ、多少待とう。

682『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/30(金) 01:00:59
>>681(ココロ)
『群衆のキーホルダー』も『ココロ』と一緒に考え込んでいる。
どうやらどういうふうに検索していいか悩んでいるようで、
なかなか行動を起こそうとしない。

目端の利く、他の『絆』がさっと動いてくれれば理想だが―――

(※今夜23時まで、『絆』のレスをお待ちします。
   GMとしては実際に検索して『素材』のURLを
   貼り付けてくれるのが理想ですが、難しければ
   これこれこういうワードで『検索』する、といったレスでも構いません。
   ご協力して頂ければ幸いです)

683『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/10/30(金) 01:01:30
>>679-681(ココロ、GM)

      「「「「ブレーメン!」」」」

ココロの提案に、畜生共が反応した!
代表してか、猫がロバの背から飛び降りる。
一応手はある。『前足』と呼ばれるものだが。

というわけで猫がスマホの操作を試みるが……肉球で操作はできるだろうか。
できるのなら、『インテリアプランナーの講習会』の写真でも探そう。
狙い目は『講師』。『生徒』で人数を嵩増ししようという算段だ。
もちろん『生徒』も講習会に出るぐらいだから、相応の知識はあるだろうし。

684『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/30(金) 23:02:07
>>683(ブレーメン@板踏)
『ココロ』の提案を受け、面妖な叫びと共に飛び出してきたのは
『ブレーメンの音楽隊』の『猫』。その『肉球』がスマホを操作していく。

おかしな言動とは裏腹に、スマホを操る知能を見せる『音楽隊の猫』。
検索ワードを入れ、画像を探していく―――

(※>>683のとおり、『素材URL』があるのなら提示願います。
   ない場合はその旨を申告下さればそれはそれとして進行します)

685ココロ『RLP』:2015/10/30(金) 23:31:32
>>682 >>684(GM)
>>683(板踏)

「あ……貴方たちが、調べてくれるの?」

      (だ、大丈夫かしら……
       い、いえ、信じましょう。)

「お……お願いするわ。」

ブレーメンこと板踏は、要所で締めてくれる縁の下の力持ち。
彼を信じて、検索するのは任せよう。

そして、今のうちに。

「……りょ、料理の材料……どうしましょうか?
 ごめんなさい、私知識がないから、このレシピにどんな材料がいるのか……」

       「そ、それもあとで、専門家の人に見てもらうべきかしらね。」

考案した『ヒ―ホー君』こと高天原ならわかるのか?
ググれば出るとか言っていたし、スマホが空いたら調べてもらうのも手か。

686『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/10/30(金) 23:34:53
>>684(GM)

『インテリアプランナー 講習会』で画像検索を行い……

サイトURL:ttp://comobit.com/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC%E5%8D%94%E4%BC%9A-%E8%AC%9B%E7%BF%92%E4%BC%9A/
写真URL:ttp://comobit.com/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC%E5%8D%94%E4%BC%9A-%E8%AC%9B%E7%BF%92%E4%BC%9A-7.jpg
(『インテリアプランナー協会講習会―スローな暮らし、スローなデザイン■島田市で“自然と暮らす”木の家』の写真)
(サイトの特性上写真の表示が一定しないため、サイトと写真のURLを同時に貼るものとする)

「フォルテ!」

    「フォルテッシシモ!」

これや!
誇らしげにココロに画像を見せよう。

687『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/30(金) 23:51:39
>>685(ココロ)
『ココロ』は一抹の不安を感じながら、『音楽隊の猫』に検索を任せる事にした。
そして―――

>>686(音楽隊@板踏)
『猫』が手際よく『検索』を行い、『画像』を誇らしげに見せてくる。

688ココロ『RLP』:2015/10/30(金) 23:56:37
>>686(板踏)
>>687(GM)

「……! す、すごいわ板踏さん!
 こ……これなら、これならたくさんいるし、群衆だし……」

歓喜するココロ。

     ♪
             ♪

少しだけ曲調もアップテンポだ。
調子に乗ってる場合でもないのですぐ戻すが。

        「い、インテリアにも詳しいはず……!
         に、西さん、この写真で大丈夫かしら?」

群衆専門家の西にも見てもらおう。
問題点があれば、彼女から指摘があるはず。

689『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/31(土) 00:05:45
>>688(ココロ)
「………ええ、問題ないわ」「………ただ、写真全員が出てきちゃうけど」
「………この集団で買い物は」「………ちょっと目立つかもね」
「………目立つだけで、問題はないんだけどね」

「………あと、この人たちは『講習』を受けていて」
「………そういう『目的』をもった『群衆』に『買い物』に行かせる」
「………その『説得』をあなたがしないといけないね」
「………『群衆』はわりと『素直』だから、多少突飛でも『納得』してくれるけど」
「………あまりにも強引な頼み方だと、上手くいかないかも」

『ココロ』の問いかけに『群衆のキーホルダー』は答える。

690ココロ『RLP』:2015/10/31(土) 00:15:02
>>689(GM)

「あ……そ、そうね、少し目立つわね、これだけいると……
 い、いえっ、板踏さんのチョイスが、良くないとかじゃあないのよ。」

       「た……沢山いれば、荷物も持ちやすいでしょうし……」

それなりの量の家具を買うことになる。
持ち運びを考えても、人数は多くて損はしまい。

         ・・・・怪しまれるとかはありえるが。

「せ、説得……」

出来るだろうか。
見た感じ、大人の男性が多い。

「で、でも、迷っている時間は、な、ないわよね。
 それに……も、物は試しというもの、や、やってみるわ……!」

        「に、西さん、お願い……」

とりあえず試して、駄目ならまた別の写真を使えばよし。
西に、写真から群衆を呼び出すようお願いする。
 
              「すー」

                    「はー」

691『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/31(土) 00:32:59
>>670(ココロ)
「………了解」

『群衆のキーホルダー』はそう言うと、
まるでUFOを呼び寄せる儀式か何かのように『スマホ』の周りを回り始めた。

そして―――

                  パアアアアアアアッ

一階の『メイド喫茶』の雰囲気にそぐわない
真面目な講習生たちが店舗一杯に現れる。

「―――つまり、常に急かされる現代社会の中で
     ふと立ち止まり、リラックスする事が出来る空間、
     それを提供する事が必要なわけで―――」

話しているのは、『講師』だ。
場所が変わったというのに『講習』は続けられ、
『講習生』もそれを真剣に聞いている。

692ココロ『RLP』:2015/10/31(土) 00:37:38
>>691(GM)

「……」

                  パアアアアアアアッ

         「……!」

(ぐ、ぐ、群衆……こ、こんなにたくさん……)

            オロ
                 オロ

これにはココロは参った。
まさか完全無視の状況からとは――

「あ……あ、あの……い、いいですか?」

         「ご、ごめんなさい、話の途中に……」

とりあえず講師に声をかける。
自分はどういう存在として扱われるのだろう……?

(う、上手くいけばいいけれど……
 な、何だか騙すみたいで……い、いえ、騙すのよ。)

              ・・・・さて、どう返してくるか?

693『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/31(土) 00:45:17
>>692(ココロ)
「―――その為のデザインのやり方として………

                          ………はい?」

『講師』は突如話しかけてくる『ココロ』に怪訝そうな表情を向ける。
それと同時に『講習生』たちの視線も一斉に『ココロ』に集まる。

『講師』は『ココロ』を明確に『誰か』と見なしているわけではないようだ。
逆に言えば、『講師』がそれなりに納得できる存在だと主張できれば、
彼は、それを信じてくれるだろう。

694ココロ『RLP』:2015/10/31(土) 00:50:46
>>693(GM)

「あっ……」

       シュン

視線にやや萎縮するココロ。
だがミスコンでの経験が、ココロの口を開かせる。

         パク  パク

「あ、あ……あの、わ、私、提案があるのだけれど……」

              キョロ

部屋の内装を見渡す。
らしい立場を主張する、というのは思いつかず――

「デザインのやり方として……じ、実際に内装を作ってみるのは……」

           「ど、どうかしら?
            ちょうどいいところにこんな部屋があるわ!」

この部屋を示しつつ、講師に、『アドバイス』する。
講師からすれば謎の女でも、生徒からはどうだろう?

「こ、この部屋はお店に使うのだけれど……
 そ、それを、じ、実際にデザインしたら、い、いい経験に……」

          ・・・・なにか凄い人に見えるのでは?

695『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/31(土) 01:02:26
>>694(ココロ)
『ココロ』は萎縮しつつも、必死に『説得』に入る。

「この部屋?」「そういえばここは……」
「いつのまにか変わったお店になっている!」
「つまり『演習』というわけですか?」「今回はそういう趣向?」

『講習生』はざわつきながら、『ココロ』の言う事を各々解釈していく。
『群衆のキーホルダー』は彼らが『素直』だと言っていた。
このまま『ココロ』が主張を続ければ、彼らはいずれ説得できるかもしれない。

 「ちょ、ちょっと、待って下さい。あなた? あなたは一体―――?
      なんの権限でそんな事をいきなり言い出すんです?」

          と、ここで口を挟んできたのは『講師』だ。

『講師』は『講義を行う』という使命をもった群衆としてここに立っている。
いくら『素直』とはいえ、流石に自分の『目的』を
真っ向から捻じ曲げられては反抗するのが自然な流れなのかもしれない。

そんな彼を『納得』させる事が出来るかどうか………
『買い物』を頼めるかはここにかかっているだろう。

696ココロ『RLP』:2015/10/31(土) 01:13:29
>>695(GM)

(せ、生徒は大丈夫そうね……問題は……)

「け、け、権限……!?」

これにはまいった。
権限。講師に指示できる権限とは一体――

            「わっ……私は……」

「私は……あ、貴方の……
 あ、貴方の……上司だわ! 協会の! わ、忘れたのかしら!?」

勢いあまった口調で言い切った。
インテリアの先生とは何ぞや? しかしココロはその道に詳しくない。

「あ……貴方の授業に、あ、アドバイスしに来たのよ!!」

           「そ、そ、そういう権限なの……!」

(ど、どうしましょう……
 そ、そもそも……上司なんて概念、あるの?
 それに、い、良いのかしら、こんなどうしようもない嘘ついて……)

            (……い、いいのよ。
             騙すのよ、と、とにかく!)

まあもしダメなら解除してもらおう……
それが出来るのが、群衆のいいところ、か?

697『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/31(土) 01:27:45
>>696(ココロ)
「『上司』………
   『アドバイス』………」

 『講師』は首を捻って悩んでいたが、

                  「……そうでしたっけ?」

半信半疑といったところだが、『ココロ』の必死な主張が少しは信じてもらえたようだ。
このまま、上手い具合に畳み掛ければ、『説得』は成功する、はずだ。

698ココロ『RLP』:2015/10/31(土) 01:48:36
>>697(GM)

「そ、そうよ……そうなのよ。
 ご、ごめんなさいね、突然口出しして……」

        「でも、は、話が行ってなかったのね……
         ど、どうっ、どうなって……い、いるのかしらね!」

(に……西さんはいつも……
 いつも、こ、こんな大変な能力を使っているのね……)

いうことを聞いてはくれない。
ココロの『RLP』とは、何もかも違う。

      「ええと」
               「ええと」

「わ、わ……私も、もっと上の人から……
 た、た、頼まれた……の、だけれど……
 ええ、だから理由とかは分からないけれど……」

         「こ、ここは……アドバイスを聞いてちょうだい……?」

(わ、我ながら嘘がスラスラ出てくるものだわ……)

ココロ自身、あまり自覚はしていないが――
さらなる上の人物を持ち出すことには意味がある。

つまり、『威圧』だ。眼前の小娘ではなく、顔の知らない『上』の意向だ、と。
さらに、ココロ自身も威圧された被害者のように見せかけ、同情を誘う……

699『ある種の異能は場所に憑く』:2015/10/31(土) 02:22:37
>>698(ココロ)
「ああ……… はい………

   ………わ、わかりました。

        それで、私はいったい、どうすればいいんです?」

『講師』は『ココロ』の主張の懸命さに呑まれ、
とりあえず『納得』してくれたようだ。
『群衆』の『素直』は、伊達じゃあないというところか。


これで、この『群衆』に買い物に行かせる事が出来るだろう。
あとはそれらしく振舞い続け、具体的な指示を出していけばいいはずだ。


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

700ココロ『RLP』:2015/10/31(土) 23:57:53
>>699(GM)

(ごめんなさい、見知らぬインテリアデザイナーの先生……
 あと、こ、この人の上司の人とか、協会の上の人とかも……)

      「わ、分かったなら良かったわ。」

    フゥー ・・・

安堵しつつ多少の罪悪感。
思ったよりはスムーズに済んだ。

さて、ここからだ。

「そ……そうね、じゃあまず、家具を買ってき……くるべきよね。」

      キョロ

生徒たちに目を走らせる。

つまり家具の買い出しに行け、ということ。
……演技は得意でもない。上手く誘導できるだろうか。

「あ、ある程度は自由に……けど、そ、そう。
 この部屋の持ち主には、よ、要望があるの。」

「コンセプトは……し、『静かな湖畔』――そういうことら、らしいわ。」

個人的な頼みと気づかれてはいけない。

701『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/01(日) 00:07:58
>>700(ココロ)
「『静かな湖畔』……ですか?」

  『講師』と『講習生』は店舗を見回す。

「ええ、と、ここにはもうテーブルやら椅子やら、
 『お店』をやるものは一応揃ってますけど、それを総とっかえするんです?」
「具体的には『テーブル』と『椅子』、あとは、『壁紙』といったところですか?」

 様々な質問が一斉に『ココロ』に浴びせられる。
 買ってくるものの具体的な品目や、色合いなど、
 伝えられる事は伝えた方がいいのかもしれない。

 もちろん、ここにいる『講師』は『プロ』ではあるのだろうが、
 『依頼主(クライエント)』である『ココロ』のオーダーが
 しっかり伝わっていなければ、購入するものは『イメージ』とズレてしまうだろう。

702ココロ『RLP』:2015/11/01(日) 00:18:02
>>701(GM)

「そっ……そうね、てっ、テーブルやいすはイメージと違うから……
 あ、か、か、壁紙もよ。そのあたりは替えたほうがいいのでしょうね……」

           「そっそ、それから……」

       (ひ、必要な物……
        ええと、何だったかしら……)

講習生達の質問にあせるココロ。
ミスコンで人目には慣れたが、こういうのはやはり苦手だ。

「え……ええと、か、観葉植物! そ、そういう草系の物……
 そ、それから、こ、湖畔だもの、み……水のイメージでも何か……」

         「……そ、そんな感じよ。あ、後は暗めの照明。
          あっ、あまり派手で明るいものは……
          い、イメージにそぐわない……と思うわ! ええ!」

イメージを伝え、細部は任せる。
そのために呼んだ、インテリアのプロたちだ。
      
        ・・・・あまり脱線すれば、講師が指導するはず。

703『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/01(日) 00:26:04
>>702(ココロ)
「なるほど………」

  『群衆』達が『ココロ』の言葉に頷く。

「わかりました。それを実際に買ってくる『演習』と。

                 ………で、『予算』はいかほどです?」

そうだ、『予算』………。
 この『店舗』のイメージを完全に変えるとなると、それなりのお金がかかるだろう。
                                 それをどうするか―――

704ココロ『RLP』:2015/11/01(日) 00:39:58
>>703(GM)

「そ、そういうこと……ね。
 そういう演習……ということよ。」

     コク

大きく頷き返すココロ。
どんな演習だよ、という感じはするが、素直さに感謝。

        ・・・・しかし。

「えっ……あ、よ、予算……」

インテリア――家具。
机やいす、壁紙はココロの生活費でバンバン買えるものではない。

      「……」

          「……」

     スー
          ハー

「…………ご、ご、五万円……なら足りる……?」

貯金を切り崩すしかない……

足りないなら……ミスコン資金を切るしかない。
ピアノを買ったとして、その残りがある。

            ・・・・それしかないのだ。

705『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/01(日) 00:56:32
>>704(ココロ)
『ココロ』は決死の思いで金額を提示する。

 ……… ……… ………

  なぜか起こる沈黙。そして―――

「ええと、五万………五万ですか? 五十万じゃあなく?」

 『困惑』しながら訊ねてくるのは『講師』だ。

「このお店……『20名』は入るキャパで、
 それにあわせ今は『テーブル』が『六脚』、椅子は………『二十五脚』ありますよね。
  それにこの広さの壁紙を揃え、『観葉植物』やその他、
   『湖畔』のイメージにあわせた小物を用意するとなると………

         『5万』では、本当に最低品質のものになってしまいますけども」

706ココロ『RLP』:2015/11/01(日) 01:03:19
>>705(GM)

「ご、ご、五十万……!?」

     (……あるわけないじゃあない!!
      ええ、わ、分かっているわよ……
      足りないわよ、足りるわけないわよねそれじゃあ……)

   スーハー

深呼吸して、心を整える。

      ・・・・
 
            ・・・・

「……25万。
 25万なら、で、出来る……?」

ピアノ代、30万。
そして内装代20万。

これで、ミスコンの賞金は無に帰るが――必要経費だ。

707『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/01(日) 01:15:28
>>705(ココロ)
「25万………ですか」

『講師』は言いよどむ。
『インテリアのプロ』であるからこそ、彼らのチョイスは
高級なものである事が多いのだろう。
(庶民の)家庭用ではなく店舗用となればなおさらだ。

「あ! アレですね。予算がない中でも
 クライエントの厳しいリクエストに対処する為の!
  その術を学ぶための『演習』!」

と、ここで『講習生』の一人が声を上げる。

「ああ―――そういう事なら。
 ―――分かりました、皆で話し合って用意してみます」

 『講師』も納得してくれた。
  特に問題なければ、お金を渡し、
    買いに行ってもらうのがいいのだろう。

708ココロ『RLP』:2015/11/01(日) 01:48:24
>>707(GM)

 スー
        ハー


これで拒否されたら終わりだ。
そう思っていると――

「……! え、え、ええ。そうよ、そういうこと……!!」
 
         「予算は……す、少ないけれど!
          けれど、ひ、必要……らしいのよ!」

(い、良いのよ……
 あんまりたくさんお金を持っていても……意味がないわ……
 そうよ、な、ないわよ、ええ、し……市場を回すんだわ、私のお金で……)

          「うふふ……」

特別金への執着が強いわけではない。
ないが……この出費額は中々こう、こたえる。

          ・・・・というわけで。

「……じゃ、じゃあお願いね……!
 お、落としたりとかはしちゃだめよ……!」

          「に、西さんも……
           レイク爺も、よろしくねお願いね。」

お金を渡して、行ってきてもらおう。
50万円を普段から持ち歩いているわけではないが……

             ・・・・まあ、そこはそれだ。

709『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/01(日) 02:02:15
>>708(ココロ)
「分かりました……」

冷静にみるとかなりツッコミどころの多い
『説得』ではあったかもしれないが、
それでも『群衆』たちは買い物に出かけてくれるようだ。
『ココロ』は代表である『講師』にたまたま持っていたお金を渡す。

  「よォし! 行ってくるぞい!」

大金を投じる『ココロ』の葛藤など知る由もなく、
『レイク爺』は意気揚々と出かけていく。
『西』の絆が宿る『群衆のキーホルダー』は、
現在、『群衆』として出現している為、その姿はないが、
きっと、『ココロ』の呼びかけはその『魂』に届いているだろう。

 ……… ……… ……… ……… ………

さて――― 『内装問題』は一応は片付いた。
とりあえず、次にやるべき事をやるといいだろう。

710ココロ『RLP』:2015/11/01(日) 02:16:22
>>709(GM)

「お、お願いね……!」

(ほっ、本当に……素直な人達で助かったわ……
 ……い、いえまだ、帰ってくるまでが買い出しよ。
 け、けど、大丈夫よね、あの人たちはプロだもの……)

もし本物の人間なら――
いや、それはもはや言うまでもない。


 ……… ……… ……… ……… ………

             ……さて。

「な、内装のことを、任せている間に……
 どうしましょうかしら、りょ、料理には材料がいるし……
 い、今のうちに、いる材料は揃えてもらっておきましょうか。」

もう金もないし、食材は普通のを使うしかない。

材料はスマホで知らべれば出るのか?
出るにせよ、なんて検索すればいいのだろう?

「こ、紅茶に、コーヒーに、ワインに……ええと、りんごと柑橘類?
 しょ、しょうがと、ほ、他の香辛料と……ヨーグルトに、凍った果物に……」

          グル  グル

(ほ、ほ、本格的すぎるわ……!
 め、メニュー名で検索すればいいのかしら?)

          「だ、誰か、スマホをお願い……
           メニューに、つ、使う材料を調べるわ。」

また、頼んでみることにしよう。
両手が使えないというのはかくも不便なものだ。

711『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/01(日) 02:25:48
>>710(ココロ)
『大金』を渡した不安はあるが、一応、『レイク爺』もついている。
常識的にはあれだけ大量の家具を即日配達は難しいのかもしれないが………
まあ、そのへんも上手くやってくれると信じよう。

そして、次に『食材』について考える『ココロ』。
再度、『スマホ』検索を『絆たち』にお願いする。

(※ここでGMは落ちますので、前回同様、
  検索してくれる『絆』を募集する形とします)

                              → TO BE CONTINUED
                                (続きは『絆』が来た後………)

712雪の妖精フィギュア@高天原:2015/11/02(月) 00:43:07
>>710-711


   「ヒホホ!
          ヒホホ!」


  雪だるまが、何かをアピールしている……


   「俺がやってもいいホ?」

   「……というか俺が言いだしっぺだし。
    俺がやるのがスジの気がするホー。
     予算や売品に応じて、メニューのリアレンジも必要だし」

713ココロ『RLP』:2015/11/02(月) 00:46:36
>>711(GM)
>>712(高天原)

上手くやってくれるに違いない。
それでようやく、『五分』になる――とココロは思う。

        ・・・・半ばヤケでもある。

「あっ……た、高天原さん、お願いしてもいいかしら。
 わ……私や、他の皆では、細かいところは分からないものね……」

動き出した『雪の精霊』に任せよう。
料理面では彼の知識がありがたい。

(そ、そういえば……
 飴玉、せ、せっかくなのだし……)

視聴覚リンクを行ってみよう。
おためしだ。とりあえずは、どれか一つで構わない。

       (な、何か……見えるかしら?
        いえ、な、何かは見えるでしょうけれど……)

検索を任せている間の、『空いた時間』潰しだ。
偵察の成果、果たしてその効果のほどは……?

714『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/02(月) 23:15:22
>>712(雪の妖精@高天原)
『ココロ』の許可が出たので存分に腕を振るうのがいいだろう。

(※GMとしても詳細を提示して頂けるならありがたい)

>>713(ココロ)
『雪の妖精@高天原』に許可を出す『ココロ』。
それと同時に相手ビルにある『飴玉』の『視聴覚リンク』を行う。

 ……… ……… ……… ………

『飴玉』は縁のある小皿に重ねあって入っている関係もあり、『視界』はあまりよくない。
一つでは斜め上の狭い範囲が辛うじて確認出来るくらいだが………

                                    フワァ

 『運』がよかったのか?
  一羽の『蝶』がふわりと視界を横切るのが確認できた。

715ココロ『RLP』:2015/11/02(月) 23:21:10
>>714(GM)

もちろん皿で一番高い位置にある飴玉の視界だ。

 ……… ……… ……… ………

                                    フワァ

「……!」

高天原の様子を伺いつつ――

(さ……散布中、かしらね?
 まあ、そ、そうじゃなかったら何をって話だし……)

       (こ、声とか……いえ、向こうは一人、二人だもの……)

      ♪
          ♪

飴の視界で、蝶を追う。
また、蝶が向かった方向に別の飴皿があればそちらに切り替え。

716『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/02(月) 23:38:14
>>715(ココロ)
飴の視界を操作し、蝶を追っていく。
『視界』に限界が来ても、飴は『テーブル』ごとに、多量にある。
上手く『視界』を張り合わせていけば―――

                          フワァ

『蝶』をよく見ると、『粉』のようなものを撒いている。
これが『鱗紛』なのは間違いないだろう。
『絨毯』に少しずつ、少しずつ、『鱗紛』が撒き散らされる。
これを全ての『絨毯』に満遍なく行う、という事なのかもしれない。

                          そして。

 『飴玉』の『視界』は、更なる『蝶』を捉える。
   最初の『蝶』………だけではない。

     二頭目、三頭目、四頭目――――

                           いったい何頭居るのだ?

    フワ  フワ
           フワ    フワ    フワ
     フワ  フワ    フワ
                            フワァァァァ―――

 『視界』を変えるごとに更なる『蝶』が見つかる。
  最初の『飴玉』で即座に『蝶』が見つかったのは運がよかったからではない。
   これだけ居れば、一頭くらい映るのがむしろ自然だったという事か。

717ココロ『RLP』:2015/11/02(月) 23:48:36
>>716(GM)

    フワ  フワ
           フワ    フワ    フワ
     フワ  フワ    フワ
                            フワァァァァ―――

「ひゃっ……」

      (す、す、すごい数だわ……!?)

スタンドは一人一つ。
つまりこれは――

(こ、これだけの数……全員が能力を使えて、まとめて一体……!
 わ……私のRLPに、に、似ている……? い、いえ、私のはピアノで一つよね。)

数を武器にするタイプ――というところは同じか。
アレ一匹では散布に時間がかかり過ぎよう。

               ・・・・驚愕するココロ。

(と、とりあえず……
 一つくらいオンにしておきましょう……)

テレビを視界の片隅に入れて置く感じ。
今は何もないのだし、この状態にしておこう。

(……な、何だか犯罪的な気がするわ。)

              ・・・・仕方はあるまい。

718『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/03(火) 00:05:02
>>717(ココロ)
『ココロ』はたくさんの『蝶』の群れに驚愕する。

これらは全て『スタンド』。スタンドは一人一体というが、
人によっては『一つの群れ』を一体を見なすパターンもあるのかもしれない。
もちろん、ココロの『友達』や西の『群衆』のように、能力の結果という可能性もあるが………。

『ココロ』は飴玉の視界を心の片隅に置いた。
今は何もしていない状態なので何か特変があればすぐに気付くだろうが、
何かに集中している時は、『見逃す』可能性もある事に気をつけなければならない。

 ………

 とりあえず今は、時折、『散布中』の『蝶』が映るのみで特段、変化はない。
 おそらくだが『散布中』はこれからも、そう変わり映えしないのではないかと思われた。

719ココロ『RLP』:2015/11/03(火) 00:26:50
>>718(GM)

「…………」

(ちょ、蝶が飛んでいる、だけ……ね。
 まあ、そういう予定なのだし、そういうものよね……)

今はそれでよい。
ずっと見張っているわけにもいかないし――

       ・・・・さて。

(た、高天原さん、苦戦しているのかしら。
 そ……そうよね、作り的に操作しにくいでしょうし……)

       (な、なんて。失礼よね、そんな考え方……)

今は出来ることも思いつかない。
へたに動き回るわけにもいかないし。

            ・・・・高天原を待とう。

720高天原:2015/11/03(火) 00:44:01

「こんなもんかホ?」

 とりあえず、レシピと材料をピックアップ。
 レシピに関してはネット上に落ちていたものに限るが…

 とりあえずメモ帳に保存して、見せる。


ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1414167533/l50/583-587

721雪の妖精フィギュア@高天原:2015/11/03(火) 00:46:38
>>720

722『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/03(火) 01:21:48
>>719-721(ココロ&ヒーホー)
『雪の妖精』のスマホ動作をじっと待つ『ココロ』。
ほどなくして、『雪の妖精』は種々の『レシピ』を
スマホのメモ帳に貼り付け、『ココロ』に見せてくれた。

723ココロ『RLP』:2015/11/03(火) 01:32:19
>>720(高天原) 
>>722(GM)

「あっ……す、すごいわ、高天原さん。
 も、もう……検索し終えたのね。ありがとう……!」

       「こ、これなら――」

(そ、そうよ。調べるだけじゃなくて……メモしていたんだわ!)

だから苦戦しているように見えたのだ。
彼に感謝しつつ、これで。

「こっ……このメモに書いてある材料!
 これのよ、用意……お願い、出来るかしら?」

黒子の小人に聞いてみよう。
不可能や、不都合があれば言ってくれるはず。

          (も、問題は、量だけれど……)

多くても置き場に困る。
少ないのはもっとだめ。

        ・・・・どうするか。

724『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/03(火) 01:42:01
>>723(ココロ)
「………『食料』として用意は可能だ」

『メモ』を一読した『黒子』は『ココロ』にそう告げた。
『標準的なもの』という基準を満たしていたのだろう。

 「どの程度、用意しておく?」

そして『黒子』は、『ココロ』が今まさに悩んでいる事を訊ねてくる。
まあ、大まかに『何人分』というのでもいいのかもしれないが………

725ココロ『RLP』:2015/11/03(火) 01:57:43
>>724(GM)

「え、ええ。調理はこっちで頑張るわ。」

           ・・・・そして。

(ご、五十人分だと……
 どうなるのかしら……? 多すぎる?)

       (み、皆が同じもの頼むとは限らないものね。)

「しょ、食パンは……
 いろいろなメニューに使うから、多めがいいわね。
 そ、それこそ、50人、いえ、40人分くらいはまあ、用意しても……」

       「ほ、他は……
        ど、どうしましょう……」

頭を悩ませる。
仕入れなど経験を通り越して想像すらほとんどしない。

「あ……あとから追加って出来るかしら?
 とりあえず、に、25人分くらい……? お、多い? 少ない?」

       「つ、追加できないならもう少したくさん……
        あっ、しょ、食パン以外でも、色んなメニューに使うのは多めに……」

あまりにも目安が分からない。
整理にも時間がかかるし、思い切った真似はしづらい。

               ・・・・ひとまず、取り返しのつく量にしよう。

726『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/03(火) 02:07:39
>>725(ココロ)
『ココロ』は悩んだ末に、とりあえず食パンは、『40名分』、
他は『25名分』くらいを頼む事にした。

『黒子』が言うには、『追加』も可能だという事であり、
いざとなれば廃棄してもいいのだろうから、
そこまで深刻にならなくてもいいのかもしれない。

 「20分ほど時間をもらうが、いいか?」

『黒子』は『ココロ』にそう告げてくる。どういう手段を使うのかは不明だが、
『20分あれば今の食材を用意出来る』という事なのだろう。

727ココロ『RLP』:2015/11/03(火) 02:15:57
>>726(GM)

「え、ええ……ありがとう。お任せするわ。」

       コク

頷いて返す。

廃棄は出来るにせよ、抵抗はある。
出来れば適正量を見極めたいところ。

            ・・・・無理だが。

(こ、これで……あとは色々と、帰ってくるのを待つだけね。)

視聴覚を確認しつつ、だ。
他に何かやることはあったろうか――

(ピアノ……は、そ、そういえばどうしましょう。
 あれがないと、内装を組もうにも組みづらいわよね……)

演奏しながら行くのは不自然……か?

しかし今演奏を切るわけにもいかない。
そもそも、今ここを離れるとインテリア軍団が困る気もする。

「あ、そ、そういえばBGMも用意しなきゃなのよね……」

まあ必須ってこともないだろうが……
それから、人員集めにもいかなくては。

             ・・・・まさしくてんてこまいだ。

728『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/03(火) 02:27:56
>>727(ココロ)
『ココロ』は『黒子』に『食材』を依頼する。
『飴玉』の視聴覚には、相変わらず『蝶』が飛び交っている。

『インテリア軍団』は、普通に考えれば
あれだけの家具をチョイスするのに、少なくとも『一時間』はかかるのではないだろうか。
それまで何もせずに待つのは、効率的ではないが………
一方で、『エアピアノ』を弾きながら行動しなければならないという制限がある。

『時計』を確認すると今は『17:35』で、開始までは、約『2時間半』。

                               ………果たして間に合うのか?


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

729ココロ『RLP』:2015/11/03(火) 23:26:11
>>728(GM)

「……」

(か、考えなくちゃあ……絶対に必要な物……
 い、今何が何でも、必要な物といえば、そ、そうだわ。)

        「……ひ、人。人よ。
         人だけはいないと始まらないわ。」

ピアノがなくても。
内装がそのままでも。
料理がちゃちでも――店は一応出来る。

      ・・・・なので。

「ひ、人を……見つける。それが最優先。
 今は西さんがいないから、後になるけれど……」

『ココロに協力して』『ここまで来て』『自身の複製を許してくれる』
『料理か接客の技術を持つ』『雰囲気のあった人を』『最低でも9人』

(……どう、しましょう。
 今からそんな都合よく、あ、集まるの……?)

ピアノを弾かなければ、群衆任せに出来る。
そして、ピアノ調達に必要な諸々の手間も省ける。

(け、けれど……向こうはショーまでやるのよ……!?
 ピアノを弾いて勝てるかですら、ぜ、絶対とは言えないのよ……!?)

                   ・・・・どうするか。

730『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/03(火) 23:56:09
>>729(ココロ)
『ココロ』は現状を考察し、優先すべき事項を頭の中でまとめる。
最優先は―――『人』。『従業員』。

 『従業員』については様々なパターンが考えられる。

まず、西の能力で『群衆』を使うパターン。

 一番手軽なのは、『ネット検索』で必要な群衆の『写真』を確保する事だ。
 先ほどの『インテリア軍団』の例からもわかるとおり、
 『群衆』は『目的』こそ重視するものの、上手く誘導してあげれば
 間接的に『操作』する事も可能だ。
 ただ、それだと、その『写真』の中に『ココロ』はおらず、
 『群衆』を出し続けるために『ココロ』が『エアピアノ』をずっと弾き続けなければならない。
 (=『ココロ』の生ピアノ演奏アピールは難しくなる)。

 また、『接客に秀でた者を複数人探しだし、それらとココロが写真を撮り、素材となる』という案もある。
 これを行う事で、『群衆』の中に『ココロ(偽』が含まれる事となり、
 その『ココロ(偽』が『ピアノ演奏』を行う事で店が華やかに彩る事が出来る。
 ただ、『ココロ』が懸念しているとおり、今からその者たちを探すのは、
 効率よく目的を持って捜索する必要があるだろう。

後は、西の『群衆』を使わないパターン。
 これのメリットは『ココロ』が常時、エアピアノを使わなくて済み、融通が利くという事か。
 つまり本物の『ココロ』が『ピアノ演奏』に没頭する事が出来、
 また、店で何かあった時、すぐに対応しやすくなるだろう。
 問題は………『本物の従業員』を探すのが困難だという事か。
 手っ取り早いのは金銭による雇用だが、すでに『ココロ』の持ち金はジリ貧だ。
 よほど上手くやらなくては確保は難しいだろう。

現在、この場には『レイク爺』と『群衆のキーホルダー』以外、残り全ての『絆』が揃っている。
一人だと考え付かない事や不安な事もあるはずだ。
『ココロ』を助けるべく、意見がある『絆』がいれば気軽に発言するのもいいかもしれない。

731???:2015/11/05(木) 21:02:25
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1407520052/184
『異なる時空』より、何かが現れようとしている……

732ココロ『RLP』:2015/11/05(木) 21:18:39
>>730(GM)
>絆各位

(……は、早く決めなきゃ……
 でも、や、やっぱり……ピアノ無しで勝負できるとは思えないわ……)

         ・・・・つまり。

A.ココロを含む10人以上の写真を用意し、群衆にする。
B.ココロ本人が店に出て演奏する(少なくともその間は絆は使えない)

「……しゃ、写真を用意する方がまだ簡単よね。
 絆の力無しで店員さんを用意できるはずがない……」

      「……け、けど……」

不安要素は――人数だ。
カフェやレストランに、ほんの二時間半後に9人も自由に動けるスタッフがいるか?
 
            ・・・・説得の方法は?

(せ、せめて、せめて店員さんを何人か確保出来たら……
 え……演奏中はその人たちに任せて、それ以外の時は群衆任せにしたりも……)

(そ、そ、そんなの……しょせん、机上の空論よ。
 とにかく、従業員がたくさんいそうで、お店の雰囲気とはずれない店……)

複数の店、という手もある。
だが、その場合どこかに集まってもらう必要がある。
その際に相手どるのは群衆ではなく実際の人間。下手を打てば、終わる。

「み、み、みんなは……
 みんなは何か、あ、アイディアは……ないかしら……?」

        「ご、ごめんなさい、私……う、上手く思いつかなくて……」

今頼れる存在は、絆たちだけだ。
もしノイズで動けないなら、そう長い時間も取れない。

スマホで前に調べた店を含めて適格そうな店を求め、即座に向かわねば。
その帰りにピアノを購入して設置し、また衣装をも回収しに行く。それでなんとかする。

733『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/05(木) 23:50:22
>>731(???)
荒咬PLは以下のアンケートにお答えください。

当ミッションに………
1.がっつりミッション参加可能
2.ちょこっとなら参加可能
3.現在多忙の為、すぐ離脱したい
4.その他(細かい参加周期・希望をおききします。
       ご希望に添えない場合もございます)

いずれの場合も報酬すら出るんだか出ないんだか分からない
どんな事が起こるか分からない有様となります。

734『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/05(木) 23:56:32
>>732(ココロ)
『ココロ』は『絆』にアイディアを募る。

以前、調べた店を思い出す(>>500)。
ここから選ぶか、更に探すか、
はたまた『店』以外の場所から確保するか―――

(※『絆』の回答を『待つ』のであれば、進行は休止します。
   その場合は大まかな『回答待ち期限(リアル)』をご提示下さい)

735ココロ『RLP』:2015/11/06(金) 00:00:01
>>734(GM)

「…………」

    ゴクリ

(む、無責任だとは思うけれど……
 しょ、正直、私だけじゃあいいアイディアは出ないわ……)

      (それでも……
       いざとなったら、そうするしか……)

絆たちの反応を待つ。

(*長考も兼ねて、待たせていただきます。
  期限は11/9月曜の23:00まででお願いします。)

736???:2015/11/06(金) 00:07:27
>>733
(1や2も楽しそうなので非常に残念なのですが中の人のリアル事情により3でお願いします)

737『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/11/06(金) 00:21:03
>>732

「うん。」
             「うん?」
                              「う〜ん?」

子狐が首を傾げる
悩んでいるのだろう。

「しょうみ、どれも難しいわなぁ?」

「鈴元家家訓『心持つものは玩具ではない』」

「さっきみたいに、はよすむんやったらエエけど。相手の説得に時間かかるやろし。」

ともあれ人間を生き物を相手にするのは骨が折れる。
玩具のように自由に弄べはしない。

「写真やったらその人がどんな人なんかはわからんしねぇ。」

「今の僕にスカウト、勧誘は出来んしなぁ……
 でも何人か、生身のお人さんがいてくれたら嬉しいわぁ。」

「ちゃんと自分で選んだお人さんやし、信頼できるやろ?
 それにそのお人さん中心にしたら、他の店員さんがアカンくてもなんとかなりそうやし。」

子狐はそう言って鈴を尾で弄んだ。
心無き物体で遊ぶ。元は心などない小物がココロを通して心を持った。
奇跡的な縁だ。縁は異なもの味なものである。

「『群集の写真』を用意する。『生身の店員さん』も用意する。」

「両方、出来るやろか?」

738『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/06(金) 00:29:21
>>731>>736(荒咬)

         ズ  ァ  ァ  ン

『荒咬』が出てきたのは、どこかの『繁華街』のようだった。
 どこか―――いや、ここは『黄金町』か。狭い路地。
   ………暑い。季節的には『夏』だろう。

「まったくなんでこんなミスするかのッ!
     急いで帰らねばならぬのに!」

こんな声に目をやると、そこには車輪が溝にハマって立ち往生する『軽トラック』があった。
『軽トラック』には『テーブル』がいくつか積まれている。
その『軽トラック』の周りで数人の男たちが必死に車体を溝から上げようとしている。

そして、『軽トラック』の上には………『小さな老人』が居た。
奇妙な格好のソレは、周囲の人間には認知されていないようだった。

「急がねばならんのじゃァ! 『ココロちゃん』が待っているのじゃあ!」

 事情はほとんど分からないが、急ぎの用事があるようだ。

739雪の妖精フィギュア@高天原:2015/11/06(金) 18:07:17


「内装はまだないそうヒホ」
「……」

 氷魔法を唱えつつ覚醒する雪の妖精。
 おのれノイズめ。

「ところでホ、スゲー都合のいい話を思いついちゃったんだけど。
 ココロちゃんが写っている、料理か接客ができる群衆の写真があるのが一番良いヒホね?」

 その他は善後策、ということなのだろう。
 ココロ抜きの群衆を出すとなると、ピアノ生演奏ができない。
 群衆に頼らず生身の人を集めるとなると、金銭やその他のしがらみがある。

 ただ、最善策はそれを用意するのが困難と言う話だ。
 であれば、用意するのではなく、既に存在している可能性を一応探ってみたい。


「そんでホ、話は変わるんだけど、ウチの学園って学園祭あるホ。
 『煌々祭』つって、結構でっかい規模でやるやつ。
 そんで学園祭っていったら、文集とかのために、必ず『記念写真』撮ってるホ」

 『煌々祭』。秋映学園で行われる学園祭の名だ。
 屋台が並んだり、学外からも人が来たり、クラスごとで催し物をやったり。
 やったのは二年前じゃねーのとか、二年前なのに学年変わってねーなとか絶対言ってはいけない。

 とにかくココロも学生である以上は、おそらくこのお祭りに参加しているはずなのだ。


 (参照:ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/netgame/9003/1328104343/589)

740雪の妖精フィギュア@高天原:2015/11/06(金) 18:14:27

「特にこの手のイベントって、イベント後に撮影した写真を壁一面に並べて、
 生徒は欲しい写真を注文して……みたいなこと、やるヒホ?
 しかも卒アルとかにも必要になるから、絶対一度はクラス全体の集合写真みたいなの撮るホ」


「ココロちゃん。単刀直入に聞くけど、『学園祭の時の、クラスの集合写真』って買ってたりしないホ?」


「ココロちゃんのクラスが、例えばカフェとか料理系の出し物やってたのなら最高ヒホ。
 そうじゃなくても、このシーズンの学生って『出し物』にかける異常なやる気があるホ。
 『プロ』と比べりゃあどうしたって質は落ちるけど、それを補う『手数』と『テンション』はあると思うホ」

「何より、同級生ッホ? 見ず知らずの相手より、ずっと気心も知れてるホ」
「説得だって、その分楽になると思うホ。ギャラも要らないだろうし」


 集合写真は、イベント系の記念写真の中でも一番注文数が多い。
 写真なんてどうしたって、『自分が映っている』ものを優先的に購入するからだ。
 写真に写るのが苦手な子でも、集合写真には写っているだろうし、
 この手の写真は「思い出のために」と親が買わせるようなこともある。

 さらに言えば、学園祭は『毎年』行われるものだ。
 今年の出し物が飲食関係ではなかったとしても、去年。それがダメでも一昨年。
 遡って、一番今回の企画に合う集合写真を探せるはずだ。
 もし一度も飲食関係に携わったことが無くとも、メニューにはせいぜいが家庭科レベルで再現可能な料理しか載せていない。

 つまり、『ココロが写っている、10人以上の、接客や調理の出来る人材の写真』。
 条件を満たす集合写真をココロが持っている可能性は高い。


 一方で……

 持っていたとしても、それを家、もしくは学校に取りに行く時間的な余裕があるかどうか。
 そもそもココロが学園祭に参加していなかった可能性だってある。
 プロに質は劣れども、やる気と手数は……とはいうが、その辺りは全て希望的観測だ。
 全ての質が『学生の出し物』レベルになってしまう可能性がある。

 都合が良い、と言ったのはそういう意味だ。

741荒咬子『ザップ』:2015/11/06(金) 22:11:39
>>738

                      『 Z A P 』!

虚空より、『男服を着た女』が現れた。
彼女――いや彼こそ『荒咬左武郎』。『次元移動者』だ。

「……暑ッ! 『レース場』もそうだけど、いまちょっとチャンネルが『夏』寄りっぽくなってるのかしら? ……アラ?」

『レース場』、『列車の上』と来て『夏』。
黄金町の外にこれだけ連続で出るのは珍しかったが、元の場所に戻ってきたようだ。
……そこに。

>「急がねばならんのじゃァ! 『ココロちゃん』が待っているのじゃあ!」

目の前には、立ち往生する『軽トラック』と『見えない老人』。
荒咬子は、男たちの背後から『老人』に『スタンド会話』で話しかける。

「ウッフーン。手、貸そっか〜?」

『ザップ』の『豪腕』と『超神速』で、『軽トラック』の車体を持ち上げる。(パスBA)
豪腕とはいえさすがに車をぶん投げられるほどのパワーはないが、男数人と一緒に溝から脱出させるだけならなんとかなるだろう。

「『もう貸しちゃった』けど〜」

742ココロ『RLP』:2015/11/07(土) 00:02:43
>>737(鈴元)

「ほ、他のことはともかく……
 ええ、ひ、人の……心がある相手だものね……」

     「事情とかも、あるでしょうし……」

何もかも違う。
『友達』とも、『群衆』とも。

「そ……そう、よね。
 絆の皆と、私だけじゃあ、出来ないこともあるわ……」

「生身の人と、ぐ、群衆の写真……」

当然同じ相手ではいけない。
一人でも被ってしまえば、『同じ人が二人いる』ことになる。

      「……りょ、両方用意しなくちゃあね……」

実際、群衆無しでは人が足りない。
群衆だけでは咄嗟のことに弱すぎる。

         ・・・・そして。

>>739-740(高天原)

「しゅ、集合写真――――」

        「ど……」

           「どう、だったかしら……」

学園祭。もちろん参加はしていた。
サボる勇気もないし、そんな理由もない。

         ……とはいえ。

ココロは凄まじく消極的だったし、出し物にも乗り気ではなかった。
今だって、お祭り騒ぎよりは静かなところが好きなのがココロなのだ。

(集合写真……か、買ったような覚えは……
 け、けれど、ど……どこにしまったかしら……)

      (……ひ、引き出し?
       す、捨てちゃった……?)

「ご、ごめんなさい、探せばあるかもしれないけれど……
 ど……ど、どこにしまったか、わ、忘れてしまったわ……」

確かに集合写真は格好の群集素材だ。
人数は申し分ないし、少なくともその辺のバイト店員と比べて、そう見劣りはしまい。

「せ……折角の案なのに、ご、ごめんなさい。
 でも……や、闇雲に動くよりは、い、いえに戻って探す方が確実かもだわ……」

最悪、他の写真なら家にいくらでもある。

他に何も出なければ、この案を採用すれば結果は出せる。
もっとも――相手側のスタッフはスタンドで強化されたプロの接客業。

            ・・・・まあ、人材差は覆しがたい。

743『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/07(土) 00:19:42
>>741(荒咬子)
突然の光景だったが、あらゆる次元を移動し、
奇妙な場所に出くわす事も多い『荒咬』にとっては、
比較的穏やかな状況だったかもしれない。

取り乱す事もなく即座に人助け―――

                 『軽トラック』の車体をスタンドで持ち上げる『荒咬』。

                 ズルルル     ドガァン!

その助力が功を奏し、『軽トラック』は無事、溝から脱出する事が出来た。

 「おお! やったぞ!」「なんだか急に軽くなったような……」
  「あ、アレだ。火事場の馬鹿力? そんな感じだろ?」

持ち上げようとしていた男性たちはどうやら、一般人のようだ。
『ザップ』の姿が見えない為、いきなり脱出できた事に少し戸惑っていたが
ほどなくして、車内へと戻っていく。

     「ほほほ! ありがとうのォ〜〜 助かったワイ」

唯一事態を正確に把握出来ていたのは『小さな老人』。
どうやら、『スタンド』の知覚が出来ているようだ。

まもなく車は発進するだろう。
何かあればこの『老人』と少し話してもいいし、
特に何もなければそのまま見送り、再び『旅』に出るのもいいだろう。

744荒咬子『ザップ』:2015/11/07(土) 01:22:30
>>743

荒咬は、困っている人を見かけたら積極的に『手助け』するようにしている。
どんなときも前情報なしであっという間に『当事者』になってしまうので
なんでもいいから行動の基準が必要だということもあるし
『この世には総合的には善人の方が多い』ということを信じていて、そしてそれを実際に見てきたからだ。

「またね〜 おじいちゃん。
 『ココロちゃん』に『異なるチャンネルのファン』がヨロシク言ってたって伝えてねぇ」

そのまま『軽トラック』に乗っていく『小さな老人』を、笑顔で手を振って見送った。


軽トラックが見えなくなったあと、荒咬は老人の言葉を思い出していた。

「……『ココロちゃん』? 聞いたような聞かなかったような……
 名前は知らない子ねぇ」

実は荒咬とココロは何度か会ったことがあり、面識がある。
ココロは荒咬が『異なるチャンネル』から出てきた場面を目撃したこともあるが
色々とタイミングが重なって、互いに名乗ったことはない。
ちなみにそのときも「ココロの元に向かう一般人」の近くに『出現』していた。
二人は何か『奇妙な縁』がある…… のかもしれない。

「……さて、『夏』! 『アイス』! 『海』! 『スイカ』! 『ナンパ』!
 あと『10分』くらいしか『このボデー』が持続しないし、急いで満喫しないと!」
「あっ、『自分』に出会っちゃうのだけは気をつけないといけないけどね〜」

よそ者の『次元移動者』は上機嫌のまま、『夏』の『黄金町』に旅立っていった。

745『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/07(土) 01:50:11
>>744(荒咬子)
「お? おう! なんだか分からんが伝えとくぞい!
 ありがと(ここで車が発進した)

           お  お    お ぉ  ぉ

                                な   あ
                                        ぁ   ぁ   ぁ

遠ざかっていく『老人』の、叫ぶような謝礼を背に
『荒咬子』は残り少ない自身の身体での生活を満喫する事にする。

 『夏』。元の月日より『数ヶ月前』に遡ってはいるが………
 いや、『ザップ』の前ではその程度は『誤差』にしか過ぎないのだろう。

                                        スレッド
  さようなら、『次元旅行者』。もし遭えるならば、願わくばまたこの場所で。

746『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/09(月) 23:25:19
>>742(ココロ)
『絆』たちの意見をそれぞれ考察する『ココロ』。
ただあくまで意見は意見。最終的な『決定』は『ココロ』がするべきだろう。

意見が出尽くしたのか、『ノイズ』の為か、
『絆』は小休止し、少しの間、『沈黙』が訪れる。

また、新たな問いかけをすれば、
あるいはそれに反応してくれる
『絆』が出てくれるかもしれないが―――

747ココロ『RLP』:2015/11/10(火) 00:08:56
>>746(GM)

出た案――『集合写真』
これは実際有用な案だ。

高天原が言うように知り合いが映っているのも悪くない。
店員としての質も、学生気分とはいえ、そう悪い物ではないだろう。

……問題があるとすれば、過去のココロを従えられるのかどうか、だ。
従えたとして、ベストな演奏をさせられるのか、どうか。
また、実際に今店などで写真を撮るよりも、『店員が店に来てしまう』リスクが高い。

(いい手だけれど……さ、最終手段、ね。
 でも、そ、それがないとあるでは、全然……違うわ。)

いざとなれば携帯にも写真くらいある。
自分と親友のツーショットが多いが……10人以上の写真もあっておかしくない。

         (……す、少しは気が楽ね……)

「……じゃ、じゃあ……そ、そうね。
 さっきのお店以外で……こ、湖畔らしい人がいそうなところって、思いつくかしら……」

        「ご、ごめんなさい。
         こ、湖畔らしいと言っても……
         よ、よくわからないでしょうけれど……」

出来れば人数も、多い方がいい。
改めて、何かいいアイディアはないだろうか?

           ・・・・ないならないで、動き出さねば。

748『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/11/10(火) 00:13:10
>>747
「…うう、あ、すいません。
 足ががたがたしてました…」
暫くの間、ノイズの影響なのか
しばらく口を閉じていた軍人フィギュアは口を開いた。

「湖畔らしい人…?
 えーっと例えば…釣り人とかですか?」
まず最初にイメージとして思いついたのがそれだった。
まぁ、湖畔にいてもおかしくない人といえば釣り糸を垂らしている誰かと考えたのだろう。

「…まぁ、私の場合まずはじめに思いついたのが
 ココロさん自身だったりするんですけどね…
 他に考えられるとしたらやっぱり…
 湖畔のレストラン風味に、エプロンを付けて三角巾を被った
 そんなアウトドア風のコックさんなんですけどね…」
妙かな?と心配そうに尋ねてみる

749『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/11/10(火) 00:39:08
>>747 (ココロさん)

「湖畔?」

「んー?」

「おっとりしたお人さん?」

子狐の中での湖畔のイメージはそんな感じらしい。

「水溜さんか、おっとりしたお人さんや思う。」

念押しするように二度告げた。

「湖畔に行ったらおりそうやけど、時間もったいないしぃ。」

湖畔に行って、帰ってくるまでにも時間はかかる。
居たとしても交渉に時間はかかるし、居なかったら目も当てられない。
どんな手段をとるにしてもある程度の危険を背負わなければならない。
だが、出来れば安全確実な策を選びたいのが人間なのかも知れない。

「あ、弁天橋?」

「あそこはお人さんようおるし。」

昔そこで色々やったような気もする。

「誰かそこにおるお人さんの友達紹介してもらうとか
 人とか探す手伝いしてもらえるかも知れへんわ。」

あくまで上手くいけば、の話である。

750ココロ『RLP』:2015/11/13(金) 02:26:28
>>748 >>749(朱鷺宮と鈴元)

「つ、釣り人は……そうね、こ、湖畔らしくはあるけれど……」

         「……ご、ごめんなさい。
          聞いておいて反対するなんて。」

(わ、悪いとかじゃあない、けれど……
 お、お店のイメージとは、な、なんとなく……
 そんな、な、なんとなくなんかで、拒否するのもどうなの……?)

しかし釣り人は何か違う気はする。
こう、湖畔は湖畔でもワイルドな方というか、男の趣味感がある。
 
             ・・・・女性もいるだろうが。

「わ、私? そ、そうよね。湖畔代表だものね。
 こ……湖畔らしさといえば自分だという自信を持たなくちゃあね……」

(そうよ、私は湖畔代表よ……
 け、けれど、まあ、べ、別に偉ぶることもないわよね。
 こ、湖畔を勝たせるために、さ、最後まで頑張るだけだわ。)

湖畔らしい女ココロ。
確かに湖畔はココロのソウルスポットだ。

「お、おっとりした人……
 そうね、やっぱりこ、湖畔――H湖の方に行くのが――」

            「……弁天橋?」

(え、ええと……確か、な、ナンパの人がいっぱいいる……
 ね、ネオンストリート、は……繁華街の、真っただ中、よね……?)

湖畔よりははるかに近い。
そして、多様な人種がいそうでは、ある。

あるのだが――

(か、絡まれたりとかするんじゃあ……!?
 ……べ、別にナンパされるとかじゃなくても、そ、そうよ。
 こ、こ、怖い人とか……こ、これも自意識過剰かしら……?)

少し怖くもある。人前での耐性は昔より上がった。
けれど、根本的に臆病なのは、そうそう変わらない。

                (こ……ここから何分くらいだったかしら……?)

751雪の妖精フィギュア@高天原:2015/11/13(金) 23:16:58
>>747


「『湖畔』らしい人……」

 首をひねる。

「『湖畔』……『キャンプ』……『アウトドア』……」

 つまり、連想ゲームだ。
 湖畔という単語から、何を思い浮かべるか。


「……『DION』の『レジャーコーナー』」

 黄金町にどっかと構える、一大百貨店。
 思えばあそこも人材、群衆の宝庫だ。


「さっきまでの『カフェ』や『レストラン』とは、ちょっと違う方向になるけど……
 『湖畔』っていうと、俺は『キャンプ』や『アウトドア』を思いつくホ。

 この町でアウトドア用品そろえようって思ったら、まず『DION』に行くホ。
 『レジャーコーナー』の販売スタッフなら、きっと展示設営にも詳しいホ。
 まるで湖畔にキャンプに来たような! ……そんな内装を作ってくれるかもしれないホ。

 それに、『DION』は生鮮食品も売ってるホ。『フードコート』だってあるホ。
 つーことはいわゆる、『試食コーナー担当』や、『調理アドバイザー』もいるはずだホ。

 もし『DION』の従業員一覧みたいな、集合写真を見つけてこれれば……
 『料理人』も『展示担当』も『接客担当』も『レジ打ち』も、いっぺんに確保できるホ。ただ……」


 ただ。

 今までの案と比べて、その『素材』の確保や、『群衆』への説得の難易度は跳ね上がるだろう。

 まず『素材』の確保。
 店舗によっては、ホームページや店頭に、従業員の写真を載せている場合がある。
 ただ、確証はない。もしなければ、自分が乗り込んで、素材を探してくるしかない。

 それに、『群衆』への説得。
 本来『DION』の店員である彼らに、いかにして喫茶店の経営を頼むのか?
 研修だと偽るか、系列店を騙ってヘルプに来て貰う体を取るか、……どうだろう。

 学生とは違う、技量を伴った専門のスタッフ。確保できれば、力強いだろうが……


 ということを、一応提案してみる。




 ……なんだかひどくタイミングを逃したというか、発言をするのが遅くなってしまったような気がする。
 ので、発言した後はいたたまれず、こっそり隅の方へ移動する。
 まあ、現状そろっている案でも戦えないことはないだろうし、自分のこの案はなくてもいいだろう。

752『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/13(金) 23:20:10
>>750(ココロ)
『ココロ』は新たに出た『絆』たちの意見を考察してみる。
『釣り人』に関しては今回の店のイメージとは少し違ったが―――『弁天橋』。
こちらの意見はもしかすると役に立つのかもしれない。

『弁天橋』は『繁華街』を流れるS川にかかる橋だ。
ここからは10分もあれば余裕で辿り着けるだろう。
しかし、『ナンパのメッカ』と目されるこの場所………。
うら若い『ココロ』が一人でいけば、どうなるかは想像に難くない。

753ココロ『RLP』:2015/11/14(土) 01:17:47
>>751 >>752(GM、高天原)

(弁天橋……ほ、本当に自意識過剰かしら……?
 あ、あの辺りって、治安も良くないと聞くし……
 な、ナンパじゃなくても、こ、怖い目にあわされたりとか……
 そ……そんなところにいる人に、は、話しかけてもいいのかしら……?)

弁天橋に行くのは、やはりどうにも恐ろしい。
被害妄想とか自意識過剰では済まない事が起こりかねないとココロは思うのだ。

「……き、決めたわ。
 や、やっぱり、湖畔の近くのお店に行くことにする。」

「べ、弁天橋の人は……ご、ごめんなさい。
 イメージだけど……お店に合わない気がするの。」

安パイを取ろう。弁天橋は近いが、『危険』だ。
都合よく行くことを信じるなら、より効果の高い方を信じたい。

「きょ……協力してくれる人がいたら……
 その人たちと一緒に、しゃ、写真を撮るわ。
 も、もしできるなら、お店に来てもらってもいいけれど……
 けどきっと、それは無理だわ。そのお店だって営業があるもの。」

         「写真も駄目なら……演奏は、な、無し……」

もはやそれしかない。
カフェなりレストランなりに、協力してくれる人が9人いることを。

「そうなったら、しゃ、写真はネットで探しましょう。
 DIONモールのような大きなお店なら、そうね、色んな人が一度に集まるわ。」

(せ、説得は難しいかもしれないけれど……
 ぐ、群衆なら、な、何とか……丸め込めるかもしれないし……
 もし、もしそうなったら、もうその手しかないんだもの……やるしかないのよ。)

とりあえず、今度どうするかは決めた。
もちろん、絆たちの意見があるなら、まだ取り入れる余地はある。

754『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/14(土) 01:31:37
>>753(ココロ)
逡巡の末、『ココロ』はとりあえずの結論を出す。
『湖畔近くのお店』へ赴く。
とりあえずの検索結果はスマホに残っている(>>500)。
ここから店を選ぶもよし、更に違ったアプローチで探すもよし。

検索で見つかった
『レストランバー ティンバーレイク』
『CAFE ほとりのそばであなたと』

は、位置的には似通っており、徒歩で行けば『30分』ほどか。
往復するだけで『1時間』―――
ただ、これは『湖畔』近くまで戻るなら、仮にほかの店を探したところで大差ないだろう。

755ココロ『RLP』:2015/11/14(土) 01:42:20
>>754(GM)

「……よく考えれば、湖畔近くじゃなくても……
 お、落ち着いた雰囲気のお店なら、それでもいいわね。」

(湖畔は、と、遠いものね。 
 時間があるなら、そのほうがいいでしょうけど……
 こ、これも妥協よね。でも、こ、これくらいの妥協は……)

        (よ、よくは、ないけれど……
         コンセプトは、そ、そのままだもの。)

湖畔っぽいカフェ、というコンセプトはある。
衣装も用意はしている。

とはいえやることは普通の接客。特別な技能は必須ではない。
ゴールさえ変えなければ、そこにたどり着く経路は違ってもよかろう。

「……だ、誰か、スマホで調べてくれないかしら。
 『黄金町 カフェ 落ち着く』とか……そ、そんな感じに……」

(どんな感じよ……あ、あいまいすぎるわ。
 けど、そ、それ以上に良いキーワードも思いつかないし……)

とはいっても、けっこうこういうキーワードでも出る物だ。
誰もノイズで動けない感じなら、『軍人朱鷺宮』辺りにお願いしよう。

756『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/14(土) 01:53:11
>>755(ココロ)
『湖畔』までの距離を考え、ココロはより
最寄の店舗を検索してみる事にする。
思い浮かぶ『キーワード』はやや曖昧………
より良い『キーワード』を提示してくれる『絆』がいるのなら
それを参考にしてもいいし、ただ『検索』だけをお願いするのもいいだろう。

(※『絆』のリアクションを待つのなら、期間提示をお願いします。
  特に待たないのならば、そのまま、
  『提示キーワードを軍人@朱鷺宮に検索してもらう』という判定でGM処理します)

757ココロ『RLP』:2015/11/14(土) 01:56:42
>>756(GM)

ココロは少しだけ、絆たちの動きを待つ。

(*せっかくなので待ちます。
  期間は今日の23:30まででお願いします。)

758『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/15(日) 00:14:16
>>757(ココロ)
『ココロ』は『絆』たちの動きを待ったが、あまり反応は見られない。
『ノイズ』なのか―――あるいは『疲れ』のようなものもあるのかもしれない。

『軍人@朱鷺宮』が『ココロ』のお願いを聞き届けるべく『検索』をはじめる。
そのワードは『ココロ』が提示したとおりの『黄金町 カフェ 落ち着く』。

    ………
           ………
                   ………

『黄金町』に点在する落ち着くカフェ。
その中でも今現在この場所に近い店舗を探していく『ココロ』。
出てきたのは―――

『ライトブルー・ムーン』 『パラダイス・シフト』
『かふぇてらす あまてらす』 『喫茶 よるのとばり』

 とりあえず10分以内で、いけるのはこんなものか。
  ………場所柄か、どこも、そこはかとなく、『怪しい』。

759ココロ『RLP』:2015/11/15(日) 00:19:19
>>758(GM)

「…………」

(な、なんでカフェまで怪しいの……
 この辺りの人って、怪しくないと落ち着かないのかしら!?)

          (そ、それは偏見よね。でも……)

どうしようか。
もう少し情報を見てみよう。

「と、朱鷺宮さん、店員さんの数、いえ、お店の広さはどうかしら……」

人数が多くないと意味がない。
色々な店を巡って仲間を増やす、というのもなくはないが。

「あ、あと、口コミとかは……?
 どうかしら、な、何かないかしら……?」

(も、もう少し離れていても、怪しくないお店の方が……
 けれど、ぜ、ぜいたくなんて言っていられる身分じゃあないわよ……)

レビューとかないだろうか?
極端な人気店はかえって避けたい。忙しいだろうし。

760『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/15(日) 00:39:09
>>759(ココロ)
『ココロ』はとりあえず情報検索を続けてもらう。
いずれもチェーン店などではなくあまり大きな店ではないようだ。
『喫茶店』という店舗形態ではそれが通常なのかもしれない。

そして、調べた内容としては―――

『ライトブルー・ムーン』
マスターが元船乗りらしく、『海の幸』を中心としたメニューが受けている様子。
レビューには『海鮮パスタがおいしい!』『マスターがタバコの煙が苦手とかで全面禁煙の店』
などと書かれており、わりと好評そうではあった。

『パラダイス・シフト』
あなたの『認識』を切り替えます、という怪しい宣伝文が書かれている。
店舗は地下にあるようで、情報はほとんどない。レビューも見当たらない。

『かふぇてらす あまてらす』
いわゆる巫女喫茶の一種のようで、
『ひめみこがあなたをおむかえしま〜す☆ あくりょう†たいさん!』
と書かれている。天照と名にはあるが、
それっぽい雰囲気の名をとりあえずつけた感ありありの店のようだ。

『喫茶 よるのとばり』
『落ち着いた大人の空間が、あなたをそっと、癒す』とある。
メニューはわりと本格的なようだが、よくよく営業時間を見ると、
23:00〜6:00となっている。完全夜営業のお店だったが、
逆に言えば、今は『暇』なのかもしれない。アダルティな店なのかは不明。

761ココロ『RLP』:2015/11/15(日) 00:50:18
>>760(GM)

「…………」

          (あ、怪しいわ……!)

本当に怪しいではないか。
唯一マトモ気な船乗りは店の雰囲気に合わなさそうだ。

             ・・・・さて。

(わたしのお店まで禁煙にしなくちゃいけなくなるし……
 い、いえ、私だってタバコは苦手だし、禁煙でもいいけれど……)

しかし夜のお店。
禁煙は不評になるのでは?

「このパラダイスシフトは良くないわね……
 な、なんとなくだけれど……い、一番怪しいわ。」

       「……み、身震いがするわ。なぜかしら。」

除外。

(あ、アマテラスか……
 よるのとばり、かしら……)

前者はコスプレ耐性がありそうだ。
後者は営業時間帯的に、迷惑にならない。

            ・・・・どちらにするか。

「この二つのお店は、どれくらい距離があるのかしら……」

調べてもらおう。

762『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/15(日) 00:57:57
>>761(ココロ)
『ココロ』は『あまてらす』と『よるのとばり』の距離を確認する。
『よるのとばり』の方がほんの少し近くて徒歩で『5分』、
『あまてらす』は『徒歩7分』といったところか。
いずれにせよ、誤差の範囲といえるかもしれない。

763ココロ『RLP』:2015/11/15(日) 01:19:29
>>762(GM)

(どっちも近いわね……
 ……ふ、二つとも、行ってみる……?)

(行くなら……ち、近い方、よ、よるのとばりからが、良いかしら……?)

悪くはない選択肢だろう。
二つの店の距離はどれくらいだろうか?

「朱鷺宮さん、ありがとう。
 と、とりあえず……お店は決めたわ。」
 
            ・・・・それと、今何時だったか?

764『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/15(日) 01:24:49
>>763(ココロ)
幸い二店舗は同じ方面にあり、2、3分で移動は可能だろう。

時間は『17:43』を指している。

765ココロ『RLP』:2015/11/15(日) 01:39:38
>>764(GM)

「じゃあ、い……行きましょう。
 ……る、留守番は……必要かしらね?」

        (レイク爺が……
         群衆の皆が帰ってきたら、どうしましょう?)

何なら荷物さえ置かせたら解除してもいいが。
……それは悪辣すぎるか?

(で、でもそうするしかないわよね。
 ……あ、か、帰って来たかどうかの判断がいるわね。)

          キョロ
            キョロ

「……」

「す、鈴元君と朱鷺宮さん、一緒に来てくれるかしら?
 他の皆は、こ、ここでレイク爺が帰ってくるのを待っていてちょうだい。」

護身のために、絆を連れていく。
他のメンバーは、ここに残しておこう。

          ・・・・そろそろ出発だ。

766『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/15(日) 01:49:43
>>765(ココロ)
『ココロ』は考えた末、『鈴元』と『朱鷺宮』の絆のみを携え、
他のものはこの場に残す事に決めた。
『ノイズ』があるのか、返答こそないものの彼らはココロの『友達』だ。
『ココロ』の意を汲み、残るものは残り、
共に行くものは一緒についてきてくれるはずだ。

 時間は限られている。それで問題なければ、
 出発し、目的地を定めるといいだろう。

767ココロ『RLP』:2015/11/15(日) 02:01:23
>>766(GM)

(やっぱり、まず……近い方から、ね。)

「よるのとばり……
 こちらから、い、行ってみましょう。」

          コクリ

二人の絆に、そのあと他の絆たちに頷く。
一旦、飴玉との視聴覚リンクを意識し、「そこにある」事を自覚しておく。

             ・・・・一度は見た物だ。
                あると分かれば、再度友達に出来る。

「……みんなも、こ、ここにいてちょうだい。」

奥の方のスペースに移動しておいてもらおう。
レイク爺が帰ってきたら、『RLP』の射程に収まる。

そのタイミングで、再び友達化しよう。
ここを離れる以上、一旦解除されるのは仕方がない。

                    ・・・・さて。

「い、行く前に書置きをしておいた方が良いかしらね。」

何か紙とかはないだろうか?
あれば、そこにエリーの絆にお願いして書置きしておこう。

『少し出かけます 荷物を置いておいてください ココロより』

               ・・・・今演奏を止めるわけにはいかない。

768『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/15(日) 02:14:15
>>767(ココロ)
出かける前に準備をしておく『ココロ』。

飴玉の視聴覚を意識し、彼らの位置を再確認しておく。
また、射程が途切れる関係もあり、残る絆たちには一度休んでもらう事にする。
そして、書置き。テーブルにおいてあるペーパーに、
『ペン@エリー』に頼んでメッセージを残す。

これで、よかっただろうか。
問題なければ『ココロ』は、『よるのとばり』へと向かう事になる―――

769ココロ『RLP』:2015/11/15(日) 02:21:53
>>768(GM)

「……これで、だ、大丈夫ね。」

         ♪
             ♪

問題はない。
演奏を緩やかにする。

          ・・・・そろそろ手も辛いか。

(に、荷物を置いてもらったら……一旦演奏を止めようかしら?)

交渉ごとにあの動きは不向きだ。
まあ、タイミングの問題もあるが――

「さあ、こ、今度こそ……行きましょう。」

             ・・・・ビルを出ることにする。

770『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/15(日) 02:33:08
>>769(ココロ)
演奏を緩やかにし、少しだけ手を休める『ココロ』。
いくら日々練習を重ねているとはいえ、動きながら、考えながら、
ピアノを弾き続けなくてはならないという状況はやはり疲れるものだ。
いいタイミングで演奏を終え、開店という『本番』に備えておくのも手だろう。

しかし、今は手を完全に止めるわけにはいかない。
引き続きエアピアノを行いながら、『ココロ』はスマホの地図を元に
『喫茶 よるのとばり』へと向かうのだった。

  ……… ……… ……… ………

きっちり五分歩いたところで、『ココロ』は地図が指し示す
『喫茶 よるのとばり』の場所へと赴いた。
どうやら店は『雑居ビル』に入っているようで、住所上は『三階』となっている。

『よるのとばり』………名前のとおり深夜営業のこの店、
そもそも今、人がいるのかという疑問もあるが、
来たからにはとりあえずアタックしてみるのがいいのかもしれない。


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

771ココロ『RLP』:2015/11/15(日) 23:07:02
>>770(GM)

事前の調理準備や部屋の準備も、群衆に任せなくては出来ないこと。

休まる暇はあるのだろうか……?
あるいは調理については、全て本番で行う手もあるか。

「…………こ、ここね。」

(ど、どう見ても……人が10人もいるようには見えないわ……)

つまり写真には期待出来ない。
二店合同で頼むのは二店目の協力が前提となるし、難しいものだ。

(……どうしましょう。
 あ、開いてない時間だし……だ、誰もいなかったら……)

(いえ、そ、それよりも、それよりもよ。誰かいて、き……機嫌を損ねてしまったら、どうしましょう……!? で、でも……行かなきゃ……)

まあ、とりあえず行動しなくては。
何かの間違いで店を手伝ってくれる、かもしれないし。

(こ、ここで失敗したら…………い、いえ大丈夫、集合写真を使えば……そ、それに最悪、今から町で一枚撮ってもいいのだし……)

悩みつつ3Fまで行ってみよう。
しかしエアピアノをしながら真面目な話をするのも、なんだかアレだ。

(…………け、けど、今はエアピアノを止められないもの……だ、大丈夫よ、間違ったことはしていないわ、き、きっと……)

772『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/15(日) 23:25:01
>>771(ココロ)
『ココロ』の眼前の店はいかにも小規模。
更に今は営業時間ではない。
懸念事項は多々あるが、今は前に進むしかないだろう。

エアピアノの音色とともに『ココロ』は三階へと進む。
そこにはアンティーク調の扉が存在し、
『CLOSE』と書かれた看板がかけられていた。

一見、人の気配はなさそうだが、
当然外からでは分からないという事もあるだろう。

773ココロ『RLP』:2015/11/15(日) 23:35:45
>>772(GM)

閉店中。当たり前だ。

「……」

      ピタ

(あ、明らかに……閉まっているわね。
 ……ど、どうしましょう、ノックしてみる?)

エアピアノでは満足にドアも開けない。
まあ、鍵は閉まっているんだろうが――

(……と、朱鷺宮さん。)

ここは、『絆』にお願いしよう。
手足がある朱鷺宮に頼み、ドアを軽く叩いてもらう。

(こ、こんなこと、迷惑極まりないけれど……
 けれど……い、いい加減悩んでいる場合でもないのよね……)

         (け、けど……
          いえ、も、もうノックしたのよ。)

                     ・・・・誰かいそうだろうか?

774『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/15(日) 23:47:20
>>773(ココロ)
『ココロ』は『軍人フィギュア』にノックをお願いする。
それに従う『軍人フィギュア』―――

          タァンッ

                     タァンッ

『絆』のパワーでは軽く叩く『ノック』ですらも、
思い切り『体当たり』するような形でしか再現出来ない。
『軍人フィギュア』は訓練されたような機敏な動きで、それを成し遂げる。

     ……… ……… ……… ………

その後、少しだけ待ったが出てくる気配はない。
心中に不安がこみ上げてきたその時………


                       「どなたか いるの?」

         女性の声がドア越しに響いた。

775ココロ『RLP』:2015/11/15(日) 23:59:11
>>774(GM)

(……よ、よく考えたら、フィギュアに『使い方』なんてないわ。
 つまり、ど、どんな動きをさせても、力は弱いままになる……)
 
       (お……置物、だものね。
        それが悪いなんてことはないわ……)

「ありがとうね、朱鷺宮さん……」

実際には使い方があるのかもしれない。
だが、ココロは知らない。

朱鷺宮に礼を言い、待つ。

     ……… ……… ……… ………

(……で、出ないわ。そ、そうよ。
 そうよね、ま、まだ、空いていないんだもの……当たり前よ。)

          (で、出直しましょ。
           あまてらすの方に、先に――)

その時。

「ひゃっ……」

(こ、声……お、お店の人!?)

         「は、は、はいっ。
          い、います、ご、ごめんなさい……」

不意を突かれ、内心跳ねあがるココロ。
なぜ謝罪するのか? それはココロにも説明がつかないこと……

776『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/16(月) 00:05:50
>>775(ココロ)
突如の呼びかけに驚愕する『ココロ』
咄嗟に反応したその返答は、いかにも『不審』だ。

           「………なにか、用かしら?」

心なしか女性の声に警戒心が宿っているようにも思えた。
落ち着いた、少し年配の女性の声のように感じられる。

777ココロ『RLP』:2015/11/16(月) 00:17:32
>>776(GM)

(け、警戒されているわ……当たり前よ。
 あ、明らかに怪しいし……わ、私だって警戒するわよ……)

「あ、あの……」

      「あの……よ、用というか……」

あせるココロ。
こういう時上手く嘘をつける性格ではない。

(と、とにかく、落ち着かなくちゃあ……落ち着けば話くらい出来るわ……)

           スー

              ハー

深呼吸で気を整える。
それから。

「あ、あの、ご、ごめんなさい、失礼ながら、お……お願いしたいことが、あって……」

             (こ、ここからよ……
              も、問題は、ここから……)

なんとか、用件のはじめを切り出すことには、成功した。

778『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/16(月) 00:28:14
>>777(ココロ)
「お願い…… お願い。
  そう、お願いがあるのね」

『ココロ』が必死に紡ぎ出した言葉が女性に伝わり、女性がそれに対し返答する。

「それって急ぎの用なのかしら?
  『お店』はまだ始まっていないし………
      私がここに居るのだって『たまたま』よ?」

779ココロ『RLP』:2015/11/16(月) 00:50:41
>>778(GM)

「そ、そう、お、お願いがあるんです……」

          「す、すごく急ぎ……
           あと、二、二時間くらい……」

   スー

      ハー

深呼吸。
興奮してはいけない。

「ご、ご迷惑だとは、お、思うんですけれど……
 お、お店も、あ……開ける前、なのに、け、けれど……」

          「どうしても、い、急ぎで……」

余計な事を言う余裕はない。
そして、言うべきでもないように思う。

「わ、私の……私のお店を、て、手伝って、く、くれませんか!?」

そして、言うべきことは早く言わねば、時間がただ過ぎていく。

           スー
              ハー

(ぜ、絶対に断わられるわ、この感じ……
 そ、それどころか、凄く怒られるに違いないわ……で、でも当然よ……)

            ・・・・返答を待つ。

780『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/16(月) 01:07:16
>>779(ココロ)
息継ぎをしないクロールみたいに
ココロは苦しみながらも、最後には思いを伝える事が出来た。
思い―――『店を手伝ってほしい』。

 ……… ……… ……… ……… ………

『返答』を待ったのはほんの数秒だろうとは思うが、妙に長く感じられる。
 そして―――

「そもそも…… そもそもよ?
  お店って何? いったい何のお店?」

                               ガチャリ

唐突に『ドア』が開き、出てきたのは長身の女性だ。
顔立ちを見るに妙に掘りが深く、『東南アジア系』なのではないかと推察される。
年齢は少し判別し辛いが、30代半ばといったところなのではないだろうか。

                        「あら、思ったよりかわいい娘」

 『ココロ』を見つけた女性は、ポロリとそんな感想を漏らす。

781ココロ『RLP』:2015/11/16(月) 01:23:44
>>780(GM)

 ……… ……… ……… ……… ………
 
      ハーー

          ハーー

動悸がする、分かる。
時間が長い。

(ど、どう……どうなってしまうのかしら……
 ここで私の人生にも、とばりが下ろされてしまうんじゃあ……)

               ・・・・そして。

                               ガチャリ

「あっ……」

「ど、どうも……・あ、ありがとう、ご、ごめんなさい……」

        (が、外国から来た人……?
         それとも、は、ハーフの人かしら……
         い、いえ、そんな詮索をするのは失礼だわ。)

やや俯きがちに、女性に応対するココロ。

「お、お店……お店というのは、き……喫茶店で。
 だ、だから、き、喫茶店をしている方に、て、手伝って貰いたくて……」

「きょ、今日だけ、開くお店で……
 い……いきなりで、ごめんなさい、本当に……」

質問に答える。
絆――『軍人朱鷺宮』には特に指示を出さない。

             ・・・・エアピアノは止められないが。

782『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/16(月) 01:39:24
>>781(ココロ)
懸命に言葉を搾り出す『ココロ』。
そんな『ココロ』の様子を女性は少し面白そうに眺めていた。

「あなた、学生さんでしょ?
 今日だけというのは、学校の『出しもの』か何か?
  その人手を探すのに、いきなり飛び込みでお店を回っているっていう事?」

 ここで女性がおどけたように笑う。
  『ココロ』の外見から本当のお店だとは思われていないようだ。

「ねえ、ここがどこだか知ってる? 黄金町が誇る『繁華街』。
 うら若いあなたのような人が、知らない店にそんな理由で回っていると、
  どんな目に遭うか分かったもんじゃあないわよ。

                    ―――ねえ、ところで、それってクセ?」

唐突に女性が指摘したのは、『ココロ』のエアピアノを行う運指だ。
まあ、普通に考えればおかしい行為ではあるだろう。


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

783ココロ『RLP』:2015/11/16(月) 02:12:22
>>782(GM)

「ち、違います、学校じゃあなくて……」

(なくて、な、何だっていうのよ……
 ば、場所祭りのことを言うなんて、あ、頭がおかしいと思われるわ……
 で、でもじゃあ、どう説明するの? 私が店を出すちゃんとした理由って何……!?)

「個人的に……私が、どうしても……
 どうしても、や、やらなくちゃあいけなくて……」

          スー
               ハー        

「そ、そう、どうしても……今日中に。
 わ……私だって、この辺りの治安が悪いのは、き、聞いていますし……
 けど、ど、どうしても、こ、こ……こうしなくちゃあ……」

(そうよ、ど、どうしても……どうしてもよ。
 こ……ここまで来て、もう引き下がるなんてありえない……)

本当のことを言うべきだろうか?
場所祭り。スタンド使いであるココロですら、想像もしていなかった戦い。

信じてくれるのだろうか?
嘘をつき続けるわけにも、いくまいが。

             ♪

               ♪

「く……癖というか……
 これを辞めたら、わ、私、困って……ご、ごめんなさい。」

(あ、『RLP』は……見えていないのね。
 そ、それはそうよね、スタンド使いも多いとはいえ……)

(で、でも、これこそ今やめるわけにはいかないのよ……)

おかしくてもやめるわけにはいかない。
家具の運送中だとしたら、大惨事になりかねない。

                 ・・・・なんとかこのまま、やらねば。

784『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/16(月) 23:47:21
>>783(ココロ)
「ふぅゥん………」

女性は値踏みするかのように『ココロ』を見つめながら、話を聴く。
高度な演技という可能性もないわけではないが、
とりあえず、『RLP』は視えてないように思える。

「あなた、なにかとても、焦っているみたいね。
 だからかは知らないけど、言っている事がすごく曖昧。

つまり―――

  『今日中に』『喫茶店を』
    『どうしてもやらなくちゃあいけないから』
        『手を貸してほしい』

                 と、そういう事でいいのよね?」

 まとまりのない『ココロ』の話を要約する女性。

「いろいろ言いたい事はあるけれど、
  そうね――― まずは『報酬』についてきいてみようかな。

   あなたくらいの歳になればさすがに分かっていると思うけど、
    人に何かをやってもらう時は『報酬』が必要なの。

  『報酬』といえば『お金』なんかが分かりやすいけど、
    たとえば『愛情』、たとえば『満足』、たとえば『暴力からの開放』、
     目に見えない『報酬』だって多々あるわね。

     あなたは、何をもって、私を動かそうとする?
                   あなたが提示する『報酬』は、一体なに?」

785ココロ『RLP』:2015/11/17(火) 02:57:32
>>784(GM)

「そ……そう。
 そういう事で、あ、合っています……」

     スー

       ハー

(そ、そうよ……難しく考えなくていいのよ。
 じゅ、順番に……順番に、話を進めて行けばいい……)

要約を受け、思考のまとまりを得るココロ。

「報酬……」

(どうしましょう、あ、当たり前……報酬が必要なのは当たり前だけれど……)

難しい話だ。
お金、というのは――まだ、ある程度の額こそあるが。

あるいは労働や、精神的な物も、返せないわけではないだろうが――

「ほ、報酬は……ま、まだ決めていません。
 お、お金でいいなら、少しはし、支払えるわ。
 わ……私の出来るような手伝いなら……む、無茶な事じゃないならします。
 愛情とか、満足は……貴方がどう感じるかは、分からないけれど……けれど……」

      「お、お仕事を、お願いするなら……
       ほ……報酬は、貴女が決めたほうが良いんじゃあ……?」

何か、と聞かれれば難しい。
自分だけで出来ないことは他人の手も借りよう。

ココロは自分への評価が高くない。だから『これなら!』というものがない。
唯一自信があるものはあるが――それを聞かせるには、道具がいる。

「……貴女の望みを、聞かせてください。」

だから、相手に合わせる。
相手が嫌な思いをしないように。

(わ、私に無理なことを言われたら、もう仕方ないわ……)

                  ・・・・彼女は、何が報酬ならいいのだろう?

786『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/17(火) 22:57:06
>>785(ココロ)
「私の望み。そうね―――」

女性は『ココロ』の言葉を受けると、その人差し指をアゴに当てる。

「もちろん単純にお金でもいいのだけど、
 そうね―――そうね。
      あなたみたいな可愛い娘が望みを聞かせてほしいって事なら」

   すたすたすた……

 『彫りの深い女性』はゆっくり『ココロ』の方へ近づく。
   そうする事で、女性の顔が『ココロ』の顔に近づく。

                             近い。


                 「ねえ、『賢者の贈り物』って知っている?」

787ココロ『RLP』:2015/11/17(火) 23:15:57
>>786(GM)

「お、お金……か、可愛いなんて、そんな……」

     「……」

       ジリ

            ジリ…


(ち、近いわ……)

「……」

      (ど……どんどん近づいて……
       な、何なの……や、やっぱり、危ない――)

危機感を強めるココロ。
知りあいにこういう距離感の人がいる。

      ・・・・少しアブナイ感じの人だ。

「け……賢者、の……?
 ご、ごめんなさい、お……思い出せません……」

(た、確か、外国のお話だったような……
 む……昔、聞いたことがあるような、気がするわ……)

          (た、確か……ええと……)

ココロはすぐには思い出せない。
賢者の贈り物。それが一体――


「あっ……!」

     ハッ

思い出した、ような気がする。話の内容ではなく、オチの――

          「……あ、あの……そ、そういう……?」

     オド
          オド

想定外の提案だ(憶測だが。)
ココロは続く言葉に窮して、女性の反応を待つ。

788『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/17(火) 23:47:11
>>787(ココロ)
「知っている? O・ヘンリっていう
 アメリカの作家が書いた物語なんだけど。
  知っているなら話は早い」

『彫りの深い女性』は『ココロ』に顔を近づけたまま語る。

「あるところに貧しい夫妻が居て、
 お互いに『クリスマスプレゼント』をしようって考えるの。
  もちろんサプライズで! そこまではいい話なんだけど。

  夫は大事な『金の懐中時計』を、妻は自慢の『長い髪の毛』を
   それぞれ売ってまで、互いのプレゼントを買った。

  で、そのプレゼントなんだけど―――
    夫は、妻の髪を梳かすための『櫛』、
    妻は、夫の時計を吊るす為の『鎖』をそれぞれ買っちゃったのね。
  つまり、お互いがお互いの為を思ったが故に、
    お互い意味のないプレゼントをしてしまった、という話」

『彫りが深い女性』は意味ありげに笑う。

  「作者のO・ヘンリは結びとして、
  彼らは、愚かなことをしたけど、贈り物をやりとりする中では
    最高の賢人だと述べている。

     私もそう思うわ。愚かだけど、それ故に純粋で素敵な話。

  ―――で、一度味わってみたかった事があるの。
       『自分のために自慢の長い髪を切ってくれる』人がいるという体験。
      もちろん、状況はぜんぜん違うのは分かっているのは
       理解出来ているけど、やってみたいものはしょうがないわよねェ」

      『彫りの深い女性』はじっと『ココロ』を見る。
                                    ………近い。


                         「分かった? 分かってくれた?
                                  私が、望むもの」

789ココロ『RLP』:2015/11/17(火) 23:58:05
>>788(GM)

そうだ。

            ゴクリ

(つ、つまり。つまりこの人が言いたいのは――)

そうだ――思い出したのだ。

            ファサ

(わ……私の、わたしの髪の毛を……
 な、何ていう人なのかしら……こんな、な、斜め上の……)

            (ど、どうしましょう……!?)

ハーフアップにした、茶色の髪。
ココロもご多分に漏れず、髪は大事だ。

                ・・・・しかし。

(ど、ど……どう……
 どうしようも、な、ないんじゃあないんの……?
 ……と、というか、この人、な……なんだってこんなに近いのかしら!?)

(と、とにかく、か、髪はまた……伸ばせばいい。
 そう、そうよ……自分可愛さに足を止めていてはいけないわ……)

              スー
 
                  ハー

「……どっどれくらい!」

           「どれくらい切れば……い、いいのかしら……」

聞くのだ。

それから、切るための道具とかはあるのか?

790『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/18(水) 00:21:38
>>789(ココロ)
「ちょっと待っててね」

そう言って一旦引っ込んだ『女性』が持ってきたのは、
『ヘアカット用』らしいハサミだ。

「やってくれるなら、これで。
 勇気が出ないなら私が切ってもいいよ。

          どれくらいというのは―――そうね」

 『女性』はまた、口の端をあげる。

        ・ ・
「あなたの『覚悟』の分だけ。

             それに私が満足したら、喜んで手伝わせてもらうよ」

791ココロ『RLP』:2015/11/18(水) 00:36:41
>>790(GM)

「……」

      「す、少し、心の準備を……」

   スー

      ハー

(さ……させて、ちょうだい。
 髪…………髪くらい、な、何よ。)

          (……や、やらなくちゃあ……)

覚悟。この戦いで、何度覚悟してきたか。
今度の覚悟は、身を切る思い。

「か、肩……」

「かっ……肩まで。一思いに肩の上まで……」

背中までかかる、長い髪。

        「わ、わ……」

           「私の気が、か、変わらないうちに……」

ココロが長らく、保ってきた物の一つ。
一種の個性とも言える、それ。

         キュ

               少しだけ目を閉じる。

792『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/18(水) 00:55:51
>>791(ココロ)
 「………分かったわ」

分かった、という事は『納得』してくれたという事だろう。
これで手伝ってもらえる。
                 しかし、それはすなわち―――

      「それじゃあ、行くわよ」

『ココロ』の髪が切られる事を意味する。

たかが髪、と考える者もいるかもしれないが、
長い間保持してきたこの『長さ』は、
もはや身体の一部となっているのかもしれない。

                   そして―――
 ………
        ジョギ
              ジョギ ジョギ
                      ジョギ
                             ………

少しだけ不快な音と共に、『ココロ』の頭部は次第に軽くなっていく。
その感覚はつまり、何かを失っていく過程の『軽さ』だ。

   ………  ………  ………  ………

                     「はい―――おしまい」


女性の声と共に、『ココロ』は目を開ける。
鏡はないが、女性がもっている『こげ茶色の束』を見れば、
自分の姿は、おおよそ想像がつくだろう。

793ココロ『RLP』:2015/11/18(水) 01:25:47
>>792(GM)

「お……お、お願い、します……」

 ………
        ジョギ
              ジョギ ジョギ
                      ジョギ
                             ………


「〜〜〜……っ。」

切られていく髪。
分かる。

(私、今、どんな風になってしまっているのかしら――)

(凄く、変かもしれない……
 も、元から、変なのよね、私は……)

          不安。
          そして。

「あっ……」

            パチ

頭が、軽い。ひどく。
肩より上を残し、長かった髪は、単なる糸に。

「……」

     ス

少しだけ俯く。
何と言いだすべきなのだろうか、この奇妙な契約相手に。

                ・・・・髪をどうするのだろう?

794『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/18(水) 01:35:31
>>793
「なるほどね………こういう気持ちかあ」

『彫りの深い女性』は手で『ココロの髪の束』を弄ぶ。
『こういう気持ち』とはいうが、
彼女がどういう気持ちなのかはいまいち分からない。

「じゃあ、話を聞きましょうか?
 あなたが頑張ったんだから今度は私が報いる番。
  ここじゃあなんだし、中に入って」

そう言って『彫りの深い女性』は『ココロ』を室内に招きいれようとする。

「ああ、そうだ。毛先がバラバラだろうから軽く整えてあげる。
 店の娘のもよく切ってあげるんだ。
                  別に免許とかは持っていないけどね」

『おいでおいで』と手招きする『女性』。
 どこか得体の知れない女性と、得体の知れないお店―――


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

795ココロ『RLP』:2015/11/18(水) 23:13:08
>>794(GM)

「…………」

(こ、こういう気持ちとは言うけれど……
 いったい、ど、どういう気持ちなのかしら……?)

          (べ、別にいいじゃない、どんな気持でも。)

ココロがそれを知る時は来るのだろうか?
別に来て欲しいとは思わないが……

            ・・・・ともかく。

「あ……」

        「あ……」

(これで……よ、よかった。話だけでも、き、聞いてもらえる……!)

なんとか、こぎつけた。
代償はそれなりのものだったが。

「あ……ありがとう……
 ほ、本当に……ありがとう、ご、ございます。

            ……あっ、お、お邪魔します。」

          ソロ

            ソロ

おそるおそる、店に踏み入るココロ。
その手は相変わらず、エアピアノとして虚空を弾いている。

796『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/18(水) 23:27:25
>>795(ココロ)
おっかなびっくり店へと入っていく『ココロ』。

室内は小ぢんまりとした空間で、
いくつかの小さなテーブルと椅子が点在している。
紫の上品なテーブルクロス。
テーブルごとにおかれるオレンジの光を放つ球状の『照明器具』。
まるで『占い師』の館のようだ。

      「いらっしゃいませェ♪」

『彫りの深い女性』はひとつのテーブルを指し示す。
そこに着席しろという合図だろう。

797ココロ『RLP』:2015/11/18(水) 23:49:48
>>796(GM)

         キョロ

     キョロ

「……」

カフェ、というより占いの館。
ココロは店内を見回しつつ、席へ。

「あ、は……はい。どうも……」

(……ま、まず何から説明しましょう……?
 場所祭りのこと……ど、どうやって説明すればいいのかしら。)

一つ次のステージには進めた。
しかし、問題はまだまだあるのだ。

             ストン

                ・・・・着席しよう。

798『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/19(木) 00:21:08
>>797(ココロ)
着席する『ココロ』。

  ………
               さわ……ッ

『彫りが深い女性』はそんな『ココロ』の後ろに回り、その『髪』に触れる。
どこかくすぐったいような、妙な感覚が『ココロ』を駆けた。

「言ったでしょ? 『髪先』を整えてあげるって。
 そのままじゃあちょっと不恰好だものね」

    じゃきん   じゃきん

『女性』がハサミを開閉させながらそう告げる。

「さあ、その間に―――
   説明できる事は説明してね。
    私はなにを、どうやって、手伝えばいいの?」

799ココロ『RLP』:2015/11/19(木) 01:05:10
>>798(GM)

「ひ……」

妙な感覚。

(な……あ、そ、そうね、整えるのよね。
 ……ど、どうしましょう、何から説明を……)

    じゃきん   じゃきん

「あ……は、はい、説明します。
 ええと……ま、まず、どこから話せばいいのか……」

           キュ

目を閉じる。
……本当に、どこから話したものか。


「て、手伝って貰うのは……私の開く、喫茶店です。
 ひ、人手が足りなくて……他のスタッフも、ま、まだ揃っていなくて……」

        「だから、わ、私以外で、頼りになるまとめ役が欲しくて……」

そこまで言い切る。
群衆特有の弱点を補うための、穴。
群衆の素材になってもらう手は、この人数では厳しそうだ。

……そして核心は、まだだ。
いきなり突飛すぎることは言うものではない……と、思うのだ。

800『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/19(木) 01:36:06
>>799(ココロ)

  じゃきん  じゃきん

 毛先が少しずつ切られている感覚がする。
 その感覚の中で、『ココロ』はぽつぽつと説明を始める。

「ふゥゥん。まとめ役。それは別にいいけど―――

   あなたみたいなとっても若い娘がいきなり今日、
    喫茶店をやらなくちゃあいけないなんて。
     しかもスタッフもまだ揃っていない、ってきてる。

    約束だから当然その話は引き受けるけど――
            その『秘密』は話してくれないの?」

『女性』はハサミを器用に用いながら、
 まさに『ココロ』が言う『核心』に切り込んでくる。
  正直に説明するか、あるいは上手い具合に誤魔化すか―――
   多少の不審があってもこの女性は『約束』は守ってくれそうではあるが………


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

801ココロ『RLP』:2015/11/19(木) 23:31:52
>>800(GM)

「あ、ごっ……ごめん、なさい……
 でも、その、説明して……し、信じてもらえるか……あんまり、突飛な話だと、思うから……」

         「す……少しずつ、話します。」

    ジャキン

         ジャキン

髪を切られていく、感覚。
それとともに、ためらいがちに口を開く。

           ・・・・ゆっくり。

「あ、貴女は……」

「そ、その……精霊……みたいな不思議な存在って、し、信じます……?
 ご、ごめんなさい、なんだか胡散臭い言い方になってしまうけれど……」

なんだか宗教勧誘のような文句だ。
しかし、これが肝要な確認なのだ。

信じるなら――あるいは信じないなら、説明の仕方は変わる。

802『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/19(木) 23:43:14
>>801(ココロ)
「………」

  じゃきん   じゃきん

語り始めた『ココロ』の言葉にわずかに沈黙が訪れる。
女性は『ココロの問い』について少し考えているようだ。

  そして。

「『精霊』ねェ。ううん、あまり、
 考えてみた事がないからよくわからない、というのが本音ね。
  ただ………
   『今日、自分の喫茶店をやりたいから手伝って欲しい』って
   見知らぬ私のところにいきなり、押しかけてくる不思議な娘がいるわけだから―――
    そういう不思議だってあってもいいのかもしれないね」

                    『トトロみたいなやつ?』と彼女は笑う。

803ココロ『RLP』:2015/11/19(木) 23:59:45
>>802(GM)

「……ご、ごめんなさい、不思議な事をして。」

「『トトロ』というよりは……
 な、何ていえばいいのかしら……小人なんですけど……」

あれは間違いなく小人だ。
ファンタジーさ、というのはどうにもこう、ないが……

            ・・・・ともかく。

「あの……こ、この黄金町にも、いるんです。
 しょ、証拠とかは、今はちょっと……見せようがないけれど……」

ここにレイク爺はいない。
いたとしても、説明困難だが。

「そ、その小人たちが、憑いている場所同士で『競争』みたいなことをしていて。」

      「か、彼らに……いえ。
       彼らの一人と、私が、く、組むことになって……」

ともかく流れを追って話していこう。
小人の存在。そして彼らの、ココロの戦い――場所祭り。

804『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/20(金) 00:08:45
>>803(ココロ)
「『小人』が………この町に居る?
   場所同士で………競争?」

 『彫りが深い女性』が、『ココロ』の言葉を反芻していく。

「確認するけど、それは『真剣』な話なのよね?
  昨日読んだ漫画のお話とかじゃあなく?」

『女性』は興味深そうに『ココロ』を見つめている。
少なくとも不快に思っている感じはないようだ。

805ココロ『RLP』:2015/11/20(金) 00:39:57
>>804(GM)

「…………わ、私だって、まるで幻みたいなお話だとは思います。」

           「け、けれど……
            本当で……私は、真剣だわ。」

ココロはそう返す。

夢ではない。
漫画のお話でも、もちろんない。

「……本当に、不思議なお話なのだけれど。
 私は……し、真剣に、信じて……『勝ちたい』」

      「だから、お、お店を……いいものに。
        お客さんが喜んでくれる、良いお店にしたいんです……」

冗談でも、なんでもない。
真剣に、場所祭りで湖畔を勝たせたい。自分の場所を。

        ♪
              ♪

そのために、まずは一回戦を勝つ。
ココロは――苦しみながらも、その気になっている。強く思い、望んでいる。

806『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/20(金) 01:03:56
>>805(ココロ)

                      「………まァ」

 『彫りの深い女性』がハサミの手を止める。
 どうやら、毛先を整え終わったらしい。

「もう『約束』してしまったんだもの。
 どういう事情であれ、手伝わせてもらう事には変わりない。
 今ので、あなたの『熱意』は伝わったしね。

  ああそう、そうだ。自己紹介がまだだったわね。
   私のことは『レミ』って呼んで」

『彫りが深い女性』が『ココロ』に、そう告げる。
『ココロ』の思いが『女性』に伝わったのか、
改めて、彼女は『店』を手伝う事を約束してくれたようだ。

さて―――このまま、更に細かい話を説明してもいいし、
やって欲しい事を今のうちの伝えておいてもいいだろう。

807ココロ『RLP』:2015/11/20(金) 23:38:29
>>806(GM)

    ハッ

髪はどうなったろう。

    キョロ

       キョロ

鏡でもないだろうか?
と思ってから、気づく。『指輪』の一つの視聴覚をリンク。

         ・・・・自分の髪を見てみよう。

「あ……ありがとうございます、ど、どうも……」

礼を言う。
それから、大切なこと。

「わ、私は……ココロ。水溜ココロ。
 よ……よろしくお願いします、レミさん。その、ほ、本当にありがとう……」

         ・・・・自己紹介を、返す。

これにて生身の人間が仲間になった。
彼女にすべて任せきりとはいくまいが、多少楽にはなろう。

「あっ……そ、それで。
 手伝って貰うんですから、い、言わなくちゃあいけないことが……」

          「その……い、いろいろあって……
           けど、ま、まずは、お店の内容から。」

店の細かい説明。
現状の説明。
敵チームがどんなものか。
そして、避けられぬは『力』の説明だろう。

            ・・・・まだまだ問題は山積みだ。

808『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/21(土) 01:01:42
>>807(ココロ)
『ココロ』は『玩具の指輪』の視聴覚を借り、
自らの髪の毛の状態を確認する。

 ……… ……… ……… ………

毛先はうまい具合に整えられている。
しかし、今までとは違う髪の長さに違和感があるかもしれない。

「ありがとう―――というのは髪を切った事?
 それとも私が手伝うって決めた事?
  どっちも過剰に感謝しなくても大丈夫よ。
  『報酬』はすでに支払われていて、
    それに対して私は働き始めているだけだから」

『彫りの深い女性』が最初に切った
 『ココロの髪の束』をくるくると回しながらそう述べる。

「お店の内容ね―――ふんふん」

そうして『女性』は『ココロ』の話を聞き始める。

(※伝えたい内容を箇条書きなどでまとめてくれれば、
  具体的な言葉にしなくても伝達可能)

809ココロ『RLP』:2015/11/21(土) 01:26:28
>>808(GM)

「…………」

   (す、すごいわ、まるでプロみたい……
      …………い、良いのよ、髪はまた伸びるわ。
        伸びるころには……今のが、ふ、普通になっているかも。)


違和感は、もちろんある。
今までとは自分が、違いすぎるから。中身までは変わらないが。

「えっ……あ、りょ、両方です。
 ご、ごめんなさい、しつこくて……」

(か、髪……)

          ・・・・さて。

「そ、それが――――」

ココロは説明する。
・そもそも、今回の対戦は『夜の店対決』であること。ルールにより、相手が決めた。
・コンセプトは『湖畔の森』で、自然的な食材を使用し、衣装は動物モチーフの予定。
 →対抗店はプロの仕切る正統派『夜の店』のため、差別化した。
・今のところ、料理のメニューが決まり、店の内装が進行中、並行して人集め中。

「――――と、いうことなんです。
 あ、あまり余裕はないけれど……まだ、きっと出来ることは有るはず……」

          「……そ、それから。」

    ♪


       ♪

目線を下に――エアピアノに、向ける。
今回の店運営には、『スタンド能力』が大きくかかわる。

             ・・・・説明がいる。


「さっき言った、せ、精霊――小人の話……
 あれも不思議な話だけれど、も、もう一つあるんです。」

「ご、ごめんなさい、不思議ばかりで……
 それというのは、わ、私の……私の、『超能力』の、は、話……で。」

           ♪

               ♪

           「こ、これも本当の……真剣な話なんです。」

届かない音色は、ずっと響いている。
今のうち、室内に目ぼしい小物があれば、『友達化』しておこう。

810『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/21(土) 01:42:06
>>809(ココロ)
『ココロ』は友達化出来そうなものを探しておく。
室内は整然としており、小さいものはあまり見当たらない。
ぱっと目に入ったのは『よるのとばり』と印字されたマッチ箱くらいか。

 「へええ………」

『彫りの深い女性』はココロの前半部分の説明(※箇条書き部分)を聴く。

「なんというか、ついていくのに少しパワーが要るわね。
  ええと………動物? つまり私も着るってわけ?」

とりあえず衣装についてのみ確認された。

                    そして―――

「そして、また不思議な話。
  あなたは『超能力者』というわけね」

『彫りの深い女性』は少しだけ天を仰いだ。


        「………どっかでカメラ回っているわけじゃあないよね?」

つぶやきながら、きょろきょろと女性は周囲を見回す。

811ココロ『RLP』:2015/11/21(土) 01:57:07
>>810(GM)

(小さいけれど……どうかしら、か、可愛くはないかしらね……?)

           ・・・・価値観的に無理そうだ。

(す、鈴元君……
 それに、朱鷺宮さんも……)

ここは二人に頼もう。
既に、絆の小物たちは友達化している。

「ご、ごめんなさい、一度二択さんで……」

一度に色々言い過ぎたか。

「い、衣装は……キッチンなら、着なくていいと思います。
 けれど、お、お客さんの前に出るならその、と、統一感というか……」

まあ普通は多少抵抗感はあろう。
群衆を丸め込んで着せるつもりだったわけだし。

           「……そ、それで。」

      ♪

         ♪

(そ、それは疑うわよね、当然だわ……
 私だってこんなことになったらきっと逃げてたわよ……)

「わ、私が、『エアピアノ』をしたら……
 小さくて、可愛いものなら『友達』になってくれます。」

「それで、お、お願いを聞いてもらえる……そういう能力です。」

            ―♪

              ―♪

二体の絆の小物を、小さく跳ねさせる。
それから、髪を縛っていたリボンがあれば、それもだ。

            「……し、信じて、くれます?
             ど、ドッキリの看板は用意してません。」

812『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/21(土) 02:19:20
>>811(ココロ)
「………まあ、衣装については『現場』で話すとして」

 『女性』が関心を持っているのは、今は衣装より、

「『エアピアノ』をしたら………可愛いものが『友達』になる。
  お願いを、聞いてもらえる?
   ………そういう『超能力』を、ええと、ココロさん、
               あなたが持っていると、そう言うのね」

                   『超能力』についてだ。

この町で『スタンド使い』で居るとつい忘れそうになってしまうが、
非スタンド使いにとって、『能力』はまるで『御伽噺』のようだと取られても仕方がないだろう。
とりわけ『ココロ』の能力は、『ファンシー』で『ファンタジー』。
退屈な授業の片隅でノートに書き散らした『妄想』と
同じようなレベルの『戯言』と思われているのかもしれない。

             ―♪

              ―♪
                     ピョーン ピョーン

     シュルルルル


そんな『女性』の疑惑を払拭すべく、『エアピアノ』にあわせ跳ねるのは『軍人』と『子狐』。
そして、その間を舞うのは今までずっと『ココロ』の髪を纏め上げてくれていた『リボン』。

                      「―――!?」

この不可思議な光景に、今まで平静だった『女性』が驚愕の表情を浮かべる。

        「………」

              「………」

                 「やっぱり、どっかでカメラ回っているんじゃないの!?」

813ココロ『RLP』:2015/11/21(土) 02:35:27
>>812(GM)

                     ピョーン ピョーン

     シュルルルル


「……今は、『動いてもらう』ようにお願いしています。
 こ、これが私のスタンド――ちょ、超能力。名前は『RLP』」

            「か、カメラとかは……
             まっ、回っていなません。本当に……」

   ♪

        ♪

(せ、説明の前に、な、何かもう少し、証拠がいるかしら……?
 ここにまだ絆のこととか、絆のうち、せめて西さんの能力は教えなくちゃあ……)

リボン。絆たち。
仕込みの余地がある。

         ……どうしようか。

「な、何か……可愛いものがあれば。
 友達になって、そ、それで……本当だって証明を……」

つまり、仕込みの余地がない『小さくて可愛い』を見せてもらえばいいのだ。

814『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/21(土) 02:50:28
>>813(ココロ)
「……あ、『RLP』。
    か、環太平洋経済連携協定………?」

 幾分混乱した『女性』はあらぬ事を口走っていたが、

「え、ええ、ええと、可愛いもの?
              そ、そうね―――」

 少しすると落ち着きを取り戻し、ガサコソと傍らにあった棚を漁る。

          「これなんか、どうかしら?」

『女性』が持ってきたのは日本産ではないと思われる、3cmほどの人形だった。
褐色の肌に愛嬌のある顔とつぶらな瞳。

「幸せを呼ぶトロール人形よ。これも動かせちゃうわけなの?」

815ココロ『RLP』:2015/11/21(土) 19:37:22
>>814(GM)

「わ、私も何の略なのかは……
 む、無線リンクプロトコル(radio link protocol)……?」

別に詳しいわけではないが……

「と、ともかく……RLP。
 そういう名前の、超能力……です。」

             ・・・・そう、ともかく。

「トロール人形……
 あ、ありがとうございます。」

(こ、これなら……大丈夫よね。
 す、少し不気味にも見えるけれど、可愛いし……)

       スー ・・・

「……『RLP』」

      ―♪

           ―♪

『トロール人形』を、友達化する。
そして、お願いを聞いてもらう。動け、と。

          「き、きっと……動いてくれるはずです。」

816『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/21(土) 22:48:33
>>815(ココロ)
『ココロ』は、『女性』が差し出した『トロール人形』に能力を施行する。


      ―♪

           ―♪

                               しゅぱっ

『ココロ』の求めに応じて、『トロール人形』は立ち上がり、トコトコと歩き出した。

   「これが……
            これが、あなたの『超能力』
                              ………なのね」

自分の持ち物である『トロール人形』が動いた事によって、
『女性』の信頼は増したようだ。『半信半疑』から、
いくらか『信』に心が傾いている様子が窺える。

817ココロ『RLP』:2015/11/21(土) 23:32:10
>>816(GM)

                     しゅぱっ

「そ、そう……これが。
 これが私の能力……そう、私の。」

       ♪

「て、敵のチームも、能力があるみたいなんです。
 まだ、ど、どんなものかは……完全には、分からないけれど……」

      「多分……物のい、色を変えたり、光らせたり出来る能力。」

能力の有無は勝敗とは?がらない。
仮に向こうが無能力でも、それは勝因にはなるまい。

          ・・・・そして。

「こ、こっちには、私の能力と……
 あと、他にも出来ることがあるんです。」

「そ、それというのは――絆の、力。
 ……あ、ふ、普通のチームプレイとかじゃあなくて、これも超能力絡みで――」

ここで、絆の力について説明する。
・自分のチームの小人の持つ能力であること。
・7つあり、それぞれココロをサポートしてくれること。
・『RLP』無しでは動けないが、使えばそれぞれの能力があるということ。

「……て、店員集めは、そのうち一人の能力で出来ると思います。」

次に説明するなら、西の能力か。
とりあえず一旦区切って、反応を待つ。

818『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/21(土) 23:47:45
>>817(ココロ)
「へええ……」

『女性』―――『レミ』は『ココロ』の怒涛の説明に
ただただ驚嘆の言葉をこぼすのみだった。

「へええ………としか言えないけど。

 『そういうもの』なのね。理解する努力はするわ」

『スタンド』という概念を今の今まで
知らなかった者とすれば、柔軟な対応なのかもしれない。

819ココロ『RLP』:2015/11/22(日) 00:39:26
>>818(GM)

「ありがとうございます……
 か、簡単には信じがたい話だとは、思うけれど……」
 
        「こ、今回は、そういうもの……なんです。」

理解してもらうしかないのだ、こうなると。
柔軟に、力を貸してもらおう。

そして説明の続きだ。

「そ、その能力なら人数は稼げるのだけれど、問題もあって……」

「まず、わ、私が演奏し続けないとその能力は使えない。
 だから、それに頼りきりだと、わ、私は演奏以外何もできない……」

            「柔軟に……う、動けないんです。」

だからこそ、人がいる。
このくだりの説明は相当長くなりそうだ。

「そ、それ、その能力というのが――」

・写真に写った人を複製するような(厳密には違う)能力である。
・複製された人は群衆の一部であり、素直に言うことを聞きやすい。
・ココロがそこに映っていれば、ココロのコピーも出せる。
・これから、ココロも写った『より使える写真』を撮りたいと思っている。

「――という、ことなんです。」

この辺だろうか。
レミの参戦はありがたいことこの上ないが、まだ足りないのだ。

820『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/22(日) 01:22:58
>>819(ココロ)
「―――なるほど」

『レミ』は『ココロ』の話をうんうんと聞いてくれる。

「つまりは……働いてくれそうな人とあなたとの
 『記念撮影写真』がほしいって事ね。

 そこに関しては、何とか出来るかもしれない」

『西の能力』について、『ココロ』が話し終えると、『レミ』は口を開く。

「ここ、『よるのとばり』は私ひとりでやっている『お店』じゃあない。
 『手伝ってくれる人』や『従業員』が居るのよ。
       それに『友人』だってそこそこ居るし。

  私みたいに直接は手伝ってはくれないかもしれないけど、
   『あなたを手伝うという』目的でちょっと集って、
   『写真』を撮るくらいなら引き受けてくれる人もいるでしょう。

                ええと、何人いればいいのかな」

『ココロ』の懸念事項はもしかすると、あっさりクリア出来るのかもしれない。

821ココロ『RLP』:2015/11/22(日) 12:23:38
>>820

「そ、そう! そういうことで――」

記念写真。その通り。
それがいい。

        ・・・・そして。

「――え? な、何とかって、そ、そんな。」

レミの提案。
     
「あ、そ、そんな……め、迷惑なんじゃあ……
 い、いえ、私は今してることも、たいがいは迷惑だけれど……」 

             「け、けど……けれど……」

それは、実際、極めてありがたいこと。
人数の心配が要らなくなれば、他にすべてを回せる。
 
      ならば。
 
「……10人。……あ、わ、私込みなら、9人。
 それだけ揃えば、の、能力で『群衆』を出せるように……」

               「お、お願いしても……いいんですか?」

お願いしてみよう。
自分には出来ないことは、他人にやってもらえばいい。

822『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/22(日) 23:02:34
>>821(ココロ)
「9人ね………そういう格好してくれるような。
  なるべく若い娘がいいのかな」

 『ココロ』の依頼に、『レミ』は強く頷いた。

「たぶん………『一時間』以内には全員集まると思う。
  ここに集めて、集まったらあなたに『連絡』するようにしようか?
  ほかにも準備とかあるんでしょう?」

『ココロ』は無意識に時刻を確認する。
現在、『18:06』。開始は『20:00』。
開始までに、すでに『二時間』を切っていた。

823ココロ『RLP』:2015/11/22(日) 23:12:37
>>822(GM)

「そ、そう、出来れば若い人の方が……
 あ、い、いえ、『調理』を任せる人も何人かいるでしょうし、全員じゃないですけれど。」

          「そ、それじゃあ……
           い、一時間後に、お願いします。」

(こ、この人……
 ものすごく人望があるんだわ。)

一時間で、九人も集めるのは至難だ。
しかし、その自信があるという。

協力してくれるにせよ――ここまで、してくれるとは。

(か……勝たなくちゃあ……なおさら勝たなくちゃあ……いけないわ!)

奮い立つ。
あまり熱くなりすぎるのも禁物だが。

「そ、それじゃあ……他にやらなくてはいけないことも、あ、あるので……」

              「い、一旦、戻ろうと思います。
               私達が準備しているビルへ……
               あっ、場所は――――――――の辺りで……」

(……れ、レイク爺はもう戻ったかしら?)

レミはここで人を集める。
一応、ビルのだいたいの場所は教えておこう。

               ・・・・次は、料理か?
                  それともピアノ調達か?

(う、売り切れていなくちゃ……いいのだけれど……)

どちらにせよ、一旦戻ることには変わりはないが。

824『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/22(日) 23:24:43
>>823(ココロ)
「ああ、あのあたり―――分かったわ。
 ケータイとかあれば番号を交換しておきましょう」

 『レミ』はスマホを取り出し、そう告げる。
 交換し終えたなら、一度戻るのがベターだろう。

825ココロ『RLP』:2015/11/23(月) 00:54:18
>>824(GM)

「じゃ、じゃあ、携帯番号を教えておきます。
 と……朱鷺宮さん、スマホをお願いするわね。」

      ♪

スマホを軍人朱鷺宮に任せる。

彼女には手足がある。
スマホの操作とかは、しやすいだろう。

「わ、私の番号は―――――」

            「――です。」

そして番号を教える。

「あ……あの、レミさん、本当にありがとうございます……」

礼を言おう。
そして全て上手いこと済んだなら、一旦ここを去ろう。
 
              ・・・・戻らなくては。

826『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/23(月) 01:00:55
>>825(ココロ)
「ああ、その動きをしていないといけないんだっけ」

そう言いながら『レミ』は、『軍人フィギュア』の挙動を興味深そうに見つめる。

「あ、ああ、ありがとう。番号登録しておくよ」

『ココロ』は代わりに『レミ』の番号をきく。
『軍人フィギュア』に頼んで『スマホ』に登録しておくといいだろう。

そして、『ココロ』は『レミ』に礼を言い、『よるのとばり』を立ち去る。
想定どおり、いや想定以上に得るものはあった。
だが、『ココロ』がやらなくてはならない事はまだまだあるはずだ。

827ココロ『RLP』:2015/11/23(月) 01:14:05
>>826(GM)

「え、ええ……止めると、能力が解けてしまいますし……」

(ここまで休みなしはつらいけれど……
 そ、そんなことも言ってはいられないわよ……)

          ♪

       ♪

「お、お邪魔しました……」

       コツ

        コツ


        「…………はぁぁ〜〜。」

『よるのとばり』を去った。
つまり、これから自分たちのビルに帰ることになる。

(人はこれできっと、集まるわ……
 あとは、店の質を、ど、どこまで高くできるか……)

材料は揃った。
勝負は、そこからどう発展するのか――だ。

        コツ     コツ

(あ、あと二時間後には、私、お、お店を開いているのよね……)

               ・・・・急がなくては。

828『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/23(月) 01:37:36
>>827(ココロ)
『よるのとばり』を去ると、どっと疲れが襲ってくる。
しかし、道のりはまだまだ遠い。

 ……… ……… ……… ……… ………

ビルの前まで戻ってくると数台の『軽トラック』が止まっている。
見ると、『インテリアセミナーの受講生』たちがせっせと、
テーブルや椅子をビルに運び込んでいるのが分かった。

 「おお! ココロちゃん!
                 ココ……ロ……ちゃん?」

と、ここで『ココロ』に声をかけてきたのは『レイク爺』だ。
目を丸くする『レイク爺』の視線が自分の『髪』に向いているのに気づく。

 「ど、ど、どうしたのかの!? 美容室で気分転換かの!?」

829ココロ『RLP』:2015/11/23(月) 23:16:35
>>828(GM)

 ……… ……… ……… ……… ………


(あっ……ちょ、ちょうどよかったみたいね。
 良かったわ、む、無駄な時間は少ない方がいいものね……)

             コツ

               コツ

「れ……レイク爺。
 席を外してごめんなさい、ひ、人探しに行っていたの。」

「……?」

(あ……か、髪よね。そ、それ以外に何があるのよ。意味もなく見たりはしないわ……)

髪への視線。
ある意味当然だろう。

「……」 

(ほ、本当のこと、言うべきかしら……? 
 か、髪を対価にしたんだ、って……あ、後でばれるよりは……)

  ♪
      ♪


「う、うふふ……か、髪のことよね。こ、これは……」

(でも、本当のことを言ったら、れ、レイク爺がレミさんに何か言ったりする……?
 け、けれど、仲間なのだし、包み隠すことは少ない方がいい……のかしら? ど、どうしましょう。)

少し悩むココロ。
もっとも、レイク爺が何を言おうがレミは協力してくれる気がする。

あくまで、気持ちの問題だが――気持ちというのも、けっこう重要だ。

「い……色々あって……切ることになったの。
 で、でも、わ、私の意思だから……き、気分転換ではないけれど……」

             「……そ、それに、人探しの目途はついたわ。
              写真に写ってくれる人が9人に、手伝ってくれる人も。」

とりあえず、成果を報告しよう。
インテリアの方がどうなったのかも、気になるところだが――

830『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/23(月) 23:40:53
>>829(ココロ)
「そうかァ―――いろいろあったのかの。
  髪を切る『いろいろ』………    ハッ」

  『レイク爺』は何かに気付いたようだ。

(聞いた事があるぞい。人間のオナゴが髪を切る『いろいろ』。
   ………『ココロ』ちゃんもそういう相手が居たのじゃなァ)

「ま、まあ、人生いろいろじゃあ! 気を落とすでないぞいッ!」

 『レイク爺』は何かに納得したような表情で『ココロ』を励ます。

 ………

 「そして、『写真』に写ってくれる者が見つかったのは何よりじゃ!
   こっちも上手い具合に奴らが『交渉』して、安く家具を買い叩けたぞい!

   あ、あとは、妙な人型の『ぱわー』を使う女だか
     男だかわからん奴に助けられたんじゃが………

     『異なるチャンネルのファンがヨロシク言ってたって伝えてねぇ』とか言ってたぞ!」

その後、『レイク爺』はちょっとしたエピソードを『ココロ』に伝える(>>731>>738>>741>>743-745)。

831ココロ『RLP』:2015/11/23(月) 23:55:21
>>830(GM)

「そ、そうよ、いろいろ……」

      「……??」

謎の励まし。

(な、何か……大きな勘違いをされている気がするわ。
 き、気のせいよね、きっと。わ、私の自意識過剰に違いないわ……)

         「……あっ、え、ええ。
          そうね。がんばるわ。あ、ありがとう。」

噛みあわないコミュニケーションだ……
まあともかく。

「そ、そう……なら、後はインテリアを上手くしてもらうだけね……!」

「……そ、その、違うチャンネル?
 というのは……よ、よくわからないけれど……」

ココロは『荒咬』と二度ほど遭遇している。

しかし、間違いなく男性だった。
それに、『どういうスタンド使いか?』は未だ知らない。

        (で、でも……ありがとう、よね。
         私が知らないだけの絆も、あるんだわ……)

感謝の意は、誰であれ同じ。
さて、ここからは準備の時間になる。

(……は、運び込むのに、まだ時間はかかりそうね。)

                 ・・・・様子を確認しておく。
                 運搬に向いた群衆に切り替えたほうが早いか?

832『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/24(火) 00:07:38
>>831(ココロ)
『レイク爺』に何か誤解されているような気もしたが、
今はそんな事にこだわっている状況ではない。
『ココロ』は『運搬』の様子を確認していく。

『インテリア軍団』たちは男性が殆どであり、
皆で協力して家具を運び込んでいるようだ。
もちろん『プロ』の方が早く出来るだろうが、
後の『配置』などを改めて説明する手間を考えると、
打ち合わせしてあるであろう『インテリア軍団』に
そのまま任せた方が結果的には早く終わる気がした。

………『軽トラック』に関してはおそらく店に無理をいって借りてきたものだろう。
この後、これを返している余裕がなければ、本来よくはないが、
『店』の邪魔にならない場所に移動させておき、
『すべて』が終わった後に返しに行くのでもいいかもしれない。

『テーブル』は円形で淡い水色、『椅子』は淡い緑色、
いずれも木製で『北欧風デザイン』のものだ。
おそらく、『湖』と周囲の『木々』を表現しているのだろう。

833ココロ『RLP』:2015/11/24(火) 00:57:35
>>832(GM)

「あっ……い、いい感じの家具だわ……!
 さ、流石はインテリア軍団といったところだわ……」

        (ど、どこから目線なのよ……で、でも、いい感じだわ……)

実際に水を使うのではなく――
それらしいものを使って、『表現』するとは。

         ・・・・職人的な技巧を感じる。

(こうなると……後は待つだけかしら……
 あっ、そ、そうだわ、今のうちにピアノを買いに行くのは……)

       (……あ、あら?)

そういえば。

レイアウトを任せるのはいいが――
言ってなかったんじゃないか? ピアノのことを。

(ど、どうしましょう……今のうちに言うべきよね?
 な、なんて説明したらいいのかしら。お、怒られるんじゃあ……)

予定ではピアノが来てからレイアウトを組むはずだった。
まあ、予定なんてのはココロの中だけの話。

        「ちょ、ちょっといいかしら……
         い、依頼主から、『追加の要望』があるそうなの。」

                          ・・・・インテリア軍団に声をかける。

834『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/24(火) 01:05:33
>>833(ココロ)
「はい? 先生、何か?」

『インテリア軍団』の実質的な長、『講師』が『ココロ』の呼びかけに応える。

「『25万円』になんとか納めましたが………
    追加要望? 今更ですか?」

少しだけ眉を顰める『講師』。
まあ、全てを購入してから『追加』と言われるのは、
彼でなくてもあまりいい顔をしないだろう。

835ココロ『RLP』:2015/11/24(火) 01:11:34
>>834(GM)

良い顔をされなくても、ピアノが置けないと困る。
まあ、別に新しく何をしろってんじゃないし、許してくれないだろうか……?

「あっ……ご、ごめんなさい……
 ありがとう、よ、よかったわ、収まって。」

(こ、ここで引いたら駄目よ。
 ちゃんと言わなくてはいけないことだわ……)

      「そ、そういうことも……
       あ、あるってことらしいわよ。」

これも授業の一環なのだ!
という強い意志を見せよう。

「こ、コンセプトとかはそのままだけれど……
 ピアノを。アップライトピアノを、置きたいらしくて……」

     「そ、その分のスペースを、用意しておいてほしいそうだわ。」

そして、要望を伝えよう。
さて、どうなるだろうか――?

(だ、駄目なら最悪、群衆を呼び直せばいいわ……)

それも戦略だ。

836『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/24(火) 01:17:59
>>835(ココロ)
「ピアノ、ですか?
  アップライトピアノっていうのは、家庭によくあるタイプの奴でしたっけ」

『講師』が少し考え込むが………

「まあ、その程度の話なら、やってみましょう。
 そのピアノってのは今あるんです?
  ないなら、『スペース』作っておきますね」

 わりとすんなり、対処してくれた。
  おそらくこのレベルの追加注文など、腐るほどあるのだろう。

「人数居ますし、要領は分かっている人多いですから、
 30分とかからずに設置は出来るんじゃあないかな」

 更にこんなコメントもあった。

837ココロ『RLP』:2015/11/24(火) 01:53:24
>>836(GM)

「そ、そう。小さめのピアノね。
 今ここにはないから、スペースをお願いする……」

                  「……ということだそうよ。」

嘘ではない。
他人事にしてるのは、嘘だが。

「さ、30分……! 
 ゆ、優秀な人たちだわ……」

思わずそうこぼす。
連絡が来るのはあと……50分くらいか?

(じゃあ……え、ええと……今のうちにピアノかしら? 
 じゃあ、30分以内にピアノを買って、戻ってきて…………は、運び方は?)

          (……こ、このトラック?
           いえ、私物じゃないわ、これ……
           す、好き放題使うのはどうなのかしら……)

「わ、私が今から……
 そのピアノを取りに行くわ。」

「30分以内には、き、きっと戻ってくると思うから……」

とりあえずそう宣言する。

実際、向かうことになるだろう。
恐らくだが、搬入はともかく持ち帰り手段のサービスはあるのでは?

                  ・・・・再度時間を確認しておく。

838『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/24(火) 02:01:09
>>837(ココロ)
「分かりました。まあ、最後に入れられるようにはしとくんで、
 30分以上かかってもいいですよ」

『講師』がこう応えてくれる。現在時刻は、『18:19』。
かぎられた時間で、出来る限りの事をするしかない―――


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

839ココロ『RLP』:2015/11/24(火) 23:01:44
>>838(GM)

「え、ええ。ありがとう。
 それじゃあ……行ってくるから。」

     コツ

      コツ

そういうわけで、向かおう。
今のうちに全ての『絆』と、『飴玉』を友達化。

             ♪ 

       ♪
         
           ――そして飴玉の視聴覚を確保。
 
      (向こうは今……どんな感じかしら……?)

位置が変わっていなければ、『復縁』出来るだろう。
今度はレイク爺が残っているし、維持する分には安心だ。

840『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/24(火) 23:28:56
>>839(ココロ)

     コツ

       コツ

『ココロ』は例のリサイクルショップへと向かう。
その間に『絆』の友達化、そして―――

相手ビルの『飴玉』の友達化も併せて行う。
更に、その視聴覚をリンク。
相手は今、何をしているのか………

 ……… ……… ……… ……… ………

シックな相手の『夜の店』が映し出される。
人の気配はない………『控え室』にいるのかもしれない。

 フワァ
                    フワァ


時折、横切る数々の『蝶』………『グラマラス・ライフ』の姿が見える。

  『鱗粉散布(二階南西フロア部分)│17:45〜18:30』

おそらく、以前、確認した『予定通り』という事なのだろう。

  ……… ……… ……… ……… ………

そんな事をしているうちに『リサイクルショップ』に着いた。

841ココロ『RLP』:2015/11/24(火) 23:38:44
>>840(GM)

(……ま、まあ、予定通りよね。
 蝶がいるのだから、あの女もいるんでしょうし……)

店を離れる理由もあるまい。
あるとしても、それはこちらには無関係だ。

まさか向こうからこちらを妨害はするまい。
……飴玉の視聴覚は切り、『高天原の絆』の視聴覚を入れておこう。

          ・・・・そして。

(ま、まだ残っていればいいけれど……
 まあ……そ、そんな簡単には売れないわよね。あの値段だもの。)

         (……問題は持ち帰る方法よね。
           買うまえに、まずはそこを決めなくちゃあ……)

着いたので、入ろう。
そして先ほど訪れたコーナーに直行。

お目当ての『アップライトピアノ』は、まだあるだろうか?

842『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/24(火) 23:47:02
>>841(ココロ)
「あァ、また、来てくれたんですね」

入店する『ココロ』に再び『店員』が語りかけてくる。

 「ピアノ、二台とも残ってますよォ」

見ると、『グランドピアノ』、そして『アップライトピアノ』、両方とも残っている。

  「で、で、どうなさいます?
     買っていただけるんで?」

                         『店員』が迫ってくる。

843ココロ『RLP』:2015/11/24(火) 23:57:44
>>842(GM)

「え、ええ……残っていて良かったわ。
 も……もちろん、か、買うつもりなのだけれど……」

店員に、ややぎこちない笑みを向ける。

           「ええと……」

聞かねばならないことがある。
頭の中で整理してから。

(まず、う、運搬するための方法があるのかどうか……
 それから、もう一つ……すごく大切な事だけれど……)

「ふ、二つほど、質問いいかしら?
 な、なにせ気安い買い物ではないし……」

         「買うまえに、か、確認しておきたいことがあって。」

なにせ30万円だ。
買ってだめでしたでは遅いのだ。

844『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/25(水) 00:02:47
>>843(ココロ)
「質問? ええもちろん! 二つといわず納得するまできいて下さい」

『店員』がにこやかに対応してくれる。

「後で話と違う! なんて駆け込まれるケースもありますからねえ。
 今のうちに気の済むまで!」

実感のこもった『店員』の言葉。身に覚えがあるのだろう。

845ココロ『RLP』:2015/11/25(水) 00:12:35
>>844(GM)

(りょ、良心的な対応だわ……
 と、というより、この人が困るんでしょうね……
 そ、それが当たり前だわ。別に優しいとかではないわよね。
 そ、そもそも、私が偉そうに評価するのも、お、おかしな話よ……)

ともかく質問だ。

「ま、まずは……そうね。
 『持ち帰り』について聞きたいのだけれど……」

「私……歩いて来たのだけれど……
 こ、これを持って帰るのは流石に大変だわ。
 何か、も、持ち帰りに便利な方法ってあるかしら?」

        (さ、最悪トラックで来てもらう……?
          それとも、あとで群衆を呼んでみる……?)

能力を駆使すれば、自力で持ち帰れないこともないだろう。
しかしそれには他の作業の一時停止が必要になる。

             ・・・・出来れば手段があるといいのだが。

846『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/25(水) 00:20:28
>>845(ココロ)
「『持ち帰り』ですか! そうですね。
 手続きさえして頂ければ、後日配送という形はとれますよ。
  県内でしたら送料1000円でさせて頂きますが―――」

『店員』が薦めるのは『配送』―――
大型のものを買う時は一般的な方式だろう。
しかし、『後日』になってしまうという………

847ココロ『RLP』:2015/11/25(水) 00:27:24
>>846(GM)

(ご……後日じゃあ困るのよ、後日じゃあ……
 け、けれどそんなの、私のわがままだし……無理は言えないわ……)

         (け、けれど……)

「きょ……
 今日中は、無理なのかしら?」

「今日中の配送は……む、無理よね、流石に……?
い、いえね、無理だとは分かっているけれど……一応ね。」

ダメ元ってところだ。
さらにぎこちない笑みを浮かべて、聞く。

(も、もし無理なら……どうしましょう。
 やっぱり、群衆に頼んでトラックで来てもらう……?)

難しいところだ。
もっとも今日中に出来るならそれがいい。

          ・・・・値は張るだろうが。

848『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/25(水) 00:33:40
>>847(ココロ)
「今日中………ですか?
  どうしても、今日中?」

『店員』はやや困惑するも、

「えェと、場所はですね、どこですか?
  このへんなら私がクルマ出してもいいですよ、ええ」

訊いてみた甲斐があった。近場なら今日中でもOK。
徒歩圏内の『自ビル』は近場も近場、問題ないだろう。

849ココロ『RLP』:2015/11/25(水) 00:41:08
>>848(GM)

「ど……どうしても! 
 どうしても、きょ、今日中じゃないと……」

今日中どころか今すぐだ。
今すぐでなきゃあ、意味がない。

     「今から使うのよ、だから……
      ば、場所は、―――――だわ。
      ごめんなさい、お、お願いできるかしら……?」

何でも言ってみるものだ。
……それから。

(こ、これで調達自体は出来たわね。
 問題は……こ、これを、この後どうするか……も、よね。)

このピアノ、勝負の後は不要もいいところだ。
家には当然あるし、小さめとはいえ持ち運べるサイズでは当然ない。

「それと……も、もう一ついいかしら?」

               ・・・・再度売れないだろうか?

850『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/25(水) 00:46:41
>>849
「ああ、そんな近いんですか。
 それでしたら買って頂けたらちょちょいのちょいでお運びしますよ。

      ―――それで、もう一つの質問というのは?」

『店員』は『これからの配送』を請け負ってくれる。
そして、続いての質問を待っているようだ。

851ココロ『RLP』:2015/11/25(水) 00:53:06
>>850(GM)

「そ、それは良かったわ……! あ、ありがとう。」

       「それで」

「か、仮に、だけれど……
 ピアノを買って、汚さずに使って……
 そ、それを、こ、ここに売りに来たとしたら。」

汚さないのは難しいだろう。
だが、壊したりはしない。

十分に使える状態で、終わるはずだ、だから。

     「か、買い取ってくれたり……
      す、するかしら……? 仮にの話だけれど。」

(ど、どれだけ予防線を張るのよ、私……
 別におかしなことは言っていないのだし、む、胸を張るのよ……!)

まあダメなら別の店でもよい。
ピアノ買い取りの店は探せばあるだろう。

852『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/25(水) 01:01:39
>>851(ココロ)
「ああ………」

『ココロ』の問いに『店員』は何故か少し言いよどんだ。

「いや、はい。もちろん『買取』は致します。
  致しますけど、その場合、
   全くの『新規の買取』として判断させて頂きます、

  ………

  ええとですね、お客様にこういう話をするのもなんですが、
  一般的にこういう店では『買値は売値の10分の1』とも言われています。
   もちろん『売れ筋』なんかだとその差は縮まるんですが、
    この『繁華街』で『ピアノ』というのは
            ―――『売れ筋』と言えるものではないんですね。

 ………それを踏まえて、なおも売ってくださるのなら、構いませんけど」

つまり、少なくとも『この店』では、処分こそ出来るものの、
『使った金銭』はほとんど戻ってこないと思った方がいいだろう。

853ココロ『RLP』:2015/11/25(水) 01:12:59
>>852(GM)

「……そ、そう。」

「いえ、そ、そうよね。
 そ……そういうものよね。ええ。」

         「か、仮にの話だから……何てことはないわ。」

(ど、どうせなら他のお店で処分した方がよさそうね……
 わ、私ったら、何て強欲……で、でも、30万円だもの……)

          (……ま、曲がりなりにも、私のだもの。
            つ、使うのは、し、しかたないけれど……)

帰ってくるならそのほうがよい。

まあ、後で考えよう。
ここで買えば、とりあえず運搬とか、そういう問題はなくなるのだ。


「じゃ、じゃあ……そうね。
 買わせていただくわ……こ、このピアノ。」

        「……30万円よね?
         他に何かいるかしら……手続きとか?」

購入を決断する。
ミスコンで得た金はこれで一切なくなった。

              ・・・・まあ、これでよかったの、かもしれない。

854『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/25(水) 01:24:50
>>853(ココロ)
「お買い上げありがとうございますゥ!
 本来、『配送』ですと、『運送業者』に回す用紙を書いて頂くんですが………
 今回は、私が運ぶんで必要ないかな」

『ココロ』は(何故か持っていた)現金を『店員』に渡す。

「それじゃあ、早速今から配送させて頂きますね。
 そうだな………急ぎで『20分』以内には届けますんで」

 『店員』はそう約束してくれた。
  『大金』を投じた甲斐あって、これで『ピアノ』も『家具』も揃った。
   あとの問題は『時間』か―――残りの『時間』で何を成すか?
    効率的に考えていく必要があるだろう。


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

855ココロ『RLP』:2015/11/25(水) 23:07:10
>>854(GM)

「あ……ありがとう。それだけ早くしてもらえれば、十分だわ。」

      「じゃ、じゃあ……よろしくお願いするわね。」

      コツ
         コツ

そういうわけで、店を出る。
これで目的はとりあえず達成だ。

           ・・・・次は?

(あ、あと……今、出来ることは何があるかしら……?)

群衆は仕事中。
演奏は止められない。

・・・・衣装か?
しかし、十数名の衣装を一人で持ち帰れるだろうか? しかも演奏しながら。

(…………そもそも衣装って、今行ったとして用意出来ているのかしら……?
 い、いくらあの店員さんが頑張ってくれたとしても、無理を言ったんだもの、時間がかかるはず……)

連絡が来てから――『よるのとばり』の帰りに寄るのがいい、気がする。

(…………い、一旦戻りましょう。
 ピアノが届いて、内装が出来るのを見るまでは群衆は解けないし……)

とりあえず、今はビルに戻ろう。

856『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/25(水) 23:13:45
>>855(ココロ)
『ココロ』は今は『待ち』の時間だと感じる。
なんにしろ『自ビル』へと戻っていく。

 ……… ……… ……… ………

『自ビル』の前は静かだ。
どうやらすでにトラックから『家具』は『店舗』に搬入出来ているようだ。

857ココロ『RLP』:2015/11/25(水) 23:26:33
>>856(GM)

エアピアノをしながら出来ることは多くない。
荷物も持てないし、初対面の相手をするのもはばかられる。

             ・・・・ここは待ちだ。

(……は、搬入は済んだみたいね。
 内装を組んでいる途中なら、じゃ、邪魔は出来ないわね。)

            (……どうしましょう?)

部屋内にいては困られるだろう。
別室で待機でもするか?
あるいは、何か指示でもすべきか?

     ・・・・とりあえず入ろう。

(い、一応……様子は見ておいた方がいいわよね……)

おかしなことには、なっていないはずだが――

どんな感じだろうか?
進んでいる様子なら、それが一番だ。

858『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/25(水) 23:37:14
>>857(ココロ)
「おお! 『ココロちゃん』!
 ピアノは確保出来たかのォ〜〜〜!」

『店舗』に入ると雰囲気が一変していた。
『テーブル』の配置は初期の『メイド喫茶』のものと変わりないはずだったが、
穏やかな色合いの『テーブル』と『椅子』が配置される事で、
落ち着いた雰囲気を醸し出すようになっている。

壁紙も大方張り替えられている。グリーンに張り替えられた壁は、
『森林』の中に居るような心持ちにさせてくれた。

「こっちももうそろそろ終わるようじゃの!
 いや、これだけ人数が居ると作業も捗る捗る!」

『レイク爺』は嬉しそうにぴょんぴょん跳ねていた。
とりあえず、『模様替え』については問題なく進んでいるようだ。

859ココロ『RLP』:2015/11/25(水) 23:44:40
>>858(GM)

「た、ただいま。レイク爺……ピアノは手に入ったわ。
 た、高くついてしまったけれど……あ、あと少しで着くはずよ。」

         キョロ

            キョロ

「い、いい感じだわ……
 本当のお店と変わらないみたい……!」

       (流石はプロだわ……
        これなら、な、内装で負けることはない……)

スタンド能力の補正抜きならだが。
敵スタンドがどれほどの効力を生むかは、未知数。

           しかし少なくとも。 
           基本的な『ステージ』には立てた!

(そ、そういう……実感があるわ……! 
 あまとは、ピアノが到着するのを待てば、内装は……)

完成、のはずだ。
あとは料理と、スタッフ群衆の用意、くらいか?

(も……模様替えが終わったら、料理かしらね……
 ……あら? そういえば、食材はどうなったのだったかしら?)

黒子小人に頼んでいたはずだ。
20分はあれから経過しているし、もう届いているのか?

                  ・・・・探してみよう。

860『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/25(水) 23:55:49
>>859(ココロ)
『ココロ』は『模様替え』した『店舗』を確認する。
さすが『インテリア集団』というべきか、基本的な『コンセプト』は
表現出来ているように思える。

続いて気になるのは『食材』。
『キッチン』に行くと、大きな『冷蔵庫』があるのが確認出来る。
そこを開けると―――あった。依頼しておいた『食材』。

               「すでに」

気付くと傍らにいる『黒子』が一言、『ココロ』にそう伝える。
『冷蔵庫』に入れる必要のない食材は食材で、
キッチンの傍らに用意してあった。

861ココロ『RLP』:2015/11/26(木) 00:04:05
>>860(GM)

             ビクッ

「……! あ、ありがとう。」

(問題は下ごしらえよね……
 ど、どうしましょう、もう、すぐ始める?)

模様替えが終わり次第、ということ。
休憩時間を入れることが出来るのも、今のところそこだけだが――

              ・・・・難しいところだ。

(と、とりあえず今はどうしようもないわ……
 模様替えが終わらなきゃあ、誰も何も出来ない。)

(あとどれくらいかかりそうかしら……
 でも、せ、急かしたりすると、良くないわよね。)

群衆は解除できない。
エアピアノもやめられない。

こうなると――ココロに使えるのは足と口。それから。

         (み……見ておきましょ……)

視聴覚くらいか。
飴玉の視聴覚に没入しつつ――

「こ、ここまではいい感じだけれど……
 みんなの方で、な、何か思うところはあるかしら?」

絆の小物たちに話しかけてみよう。
まあ、ノイズもあるし、返答があるかは微妙だが……助言は大切だ。

862『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/26(木) 00:17:21
>>861(ココロ)
『ココロ』は引き続き『待つ』。
その間に『飴玉』の視聴覚確認を行っておく。

現在時刻は『18:40』。
予定だと、『備品出し│18:30〜19:30』
『スタッフメイク│18:30〜19:30』が始まっている頃か。

 ……… ……… ……… ………

 「これは……ここで?」「ああ、そうだね」

『相手のフロア』は、先ほどとは打って変わって賑わっていた。
『ボーイ姿』の男たちが何人もせわしなくフロアを動き、
『テーブル』などの清掃を行ったり、位置を整えたりしている。
指示を出しているのは、年配の男性、『ボーイ長』のような男だ。
逆に『蝶』の姿は一切無くなっている。

 ……… ……… ……… ……… ………

と、ここで、『携帯電話』が鳴る。
見ると、先ほど登録したばかりの番号。

                  つまり、『よるのとばり』からだ―――

863ココロ『RLP』:2015/11/26(木) 00:28:11
>>862(GM)

(……あら? だ、誰かしら。
 まあ、ふ、普通に考えて向こうの仲間よね……)

ツテだろう。
まあ気にすることもない。

(お掃除は……こっちもすべきかしら。
 でも、テーブルとかは新品だし……どうかしらね?)

            ・・・・そして。

「……!」

スマホを友達化。
厳密には、そのカバーを、だが。
鞄から飛び出させ、机の上かどこかへ。

「だ、誰か……朱鷺宮さん、通話ボタンをお願い。」

絆に押してもらおう。
手があって手っ取り早い『軍人朱鷺宮』に頼む。

     「よいしょ……」

しゃがみ込み、スマホを肩の上にジャンプさせる。
そして、肩の上で静止しておいてもらう。

(で、電話に出るのも一苦労だわ……!
 でも、しょ、しょうがない事よね……そういうものよ。)

「……は、はい、ココロです。レミさんですか?」

                ・・・・電話に出よう。

864『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/26(木) 00:41:01
>>863(ココロ)
突然の着信に『ココロ』は『スマホカバー』を友達化し、
机の上に転げ落ちるように『スマホ』を移動させた
(『スマホ』そのものではなく『スマホカバー』の友達化という事なので、
 『カバー』が『スマホ』を持ち上げるような形となり、パワーの関係でこういう判定に)。

『軍人フィギュア』は『ココロ』の希望に沿うよう迅速に行動する。
『スマホ』の着信ボタンを押し、『スマホカバー』と共に力を合わせ、
『スマホ』を『ココロ』の肩まで引き上げさせた。
(これも『スマホカバー』を『友達化』という事なので、それに伴う処理変更)。

     「ハーイ、元気だった? 揃ったわよ、9人」

『電話の相手』は紛れもなく『レミ』だ。

   「どうする? 今から、みんなでそっち行ってもいいけど」

865ココロ『RLP』:2015/11/26(木) 01:10:11
>>864(GM)

(ご、ごめんなさい、無理をさせてしまって……)

スマホカバーに詫びる。
どうもスマホ自体は可愛いとは思えない……

        (デコるべきかしら……?
         い、いえ、今はそんなことより。)

「あっ、は、はい、元気です。
 ど、どうも……も、もう揃ったんですか!?」

思ったより早い。
それはいいのだが――

          チラ

(な、内装がまだ終わっていないのよね……)

「あ、ありがとうございます……」

(……来てもらった方がいいかしら?
 今離れたら、ピ、ピアノとかややこしくなるし……
 そうでなくても、行き来してばかりじゃあ不便だし……)

ココロが出向くよりよかろう。
ここを離れるとどうにも色々不便なのだ。

(で、でも、その分よけいに迷惑を掛けてしまうのよね……
 そうなったら、しゃ、写真も撮ってもらえなくなるかも……?)

             (……それに、じ、時間はもうないのよ。)

「……い、いえ、私から向かいます。
 それで、か、帰りに衣装を取りに行っても……?」

(…………で、でも本人達に衣装を見せたら拒絶される?
 そ、それなら、衣装は後の方が……なんて、わ、悪い考えはよしましょう……)

レイク爺に残ってもらえば。
そして、エリーがいれば。

……遠隔で筆談が出来、指示も出せる。
目はいくらでもある。内装の済み次第、群衆の解除も出来る。

866『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/26(木) 01:22:06
>>865(ココロ)
『ココロ』は『レミ』と話しながら、考えをまとめていく。

『インテリア講師』が『30分とかからずに内装を終えられる』と言ったのは『18:19』。
今の時刻は『18:41』………『22分』経っているという事は内装自体の準備はほどなく終わるだろう。
『リサイクルショップ』を離れたのは『10分』ほど前。
『ピアノ』は『20分』以内には運んでくれるとの事だったので、
これも『10分』ほど待てば届けられるはずだ。

「そちらの都合のいい方で構わないわよ。
 衣装を着た写真が必要なのであれば、それでいいんじゃあないかな」

『レミ』自体は快諾してくれたが………
『レミ』が集めた者たちに『コスプレ』が受け入れられるかは謎だ。

           「じゃあ、待っていればいいのね?」

                             『レミ』が確認してくる。


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

867ココロ『RLP』:2015/11/27(金) 00:07:12
>>866(GM)

(そ、そういえば……群衆に着替えてもらうことって出来るのかしら?
 もしできないのなら、ハナっから着替えておいてもらうしかないじゃない……)

さて、どうするか。
能力のことは考えれば出てくるが――

(時間的に……ま、待ってから……?
 ピアノが届くのを見てから、向かうべき?)

(衣装を回収するのは帰りで……
 そ、それが良い気がするわ。一番安心する。)

「え、ええと……」

(も、もし群衆が、衣装を着替えられるなら……
 それならわざわざ本人に見せる必要はない、け、けれど。
 それは……い、いくらなんでも、こう、ず、ズルい気がするわ……)

群衆の使い方としては正しいのかもしれない。
しかし、許可を取れるのに取らないのはいかがなものか。 

              ・・・・そうなると。

「え、ええ。けれど、少し待っていただけますか……?
 だいたい、え、ええと……7時過ぎにはそちらに……」

今から10分ほど待って。
それから、よるのとばりまでの時間。

「よ、よろしくお願いします。
 では、ま、また後ほど……」

ここに来て最後の説得要素が出てくるか。
まあ、写真だけその場で撮って帰ってもいいが……

868『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/27(金) 00:16:53
>>867(ココロ)
『群衆』はいくつかの心理的な傾向・制約を除けば生身の人間と遜色ない。
最長『六時間』連続で発現可能であり、着替えてもらうのは問題ないだろう。
ただ、元となる者たちが『コスプレ』を嫌がるのであれば、
同様の傾向を持つ『群衆』たちも当然、『コスプレ』を嫌がるはず。
いざ、『群衆』を出してから拒否されても厄介である為、
今のうち『本物』たちの感触を確かめておくのは悪くないかもしれない。

    「7時過ぎね。分かった」

『レミ』はそう言って電話を切ろうとしている。
何事もなければそのまま会話を終了するといいだろう。

 ……… ……… ……… ………

「おーい、『ココロちゃァ〜〜ん』!

   配達じゃって! ピアノの配達がきとるぞォォォォい!!」

と、ここで、『フロア』の方から『レイク爺』の朗報。

               予想以上に早い御着きのようだ。

869ココロ『RLP』:2015/11/27(金) 00:36:02
>>868(GM)

「ごめんなさい、お待たせして……で、では失礼します。」

電話はこれ以上いうこともない。
もっといい方法はあるのだろうか?

      (お、思いつかないのだもの……
       思いつく限りで一番いいようにするしかないわ……)

            と、ここで。

「ピ、ピアノ――もう届けてくれたのね!」

         「い、今行くわ! 
          ごめんなさい、少し待っていてちょうだい……!」

嬉しい誤算、というやつだ。
フロアの方へ向かおう。

      ト  トト

アップライトピアノ。本番までに、もう少しは触れておきたい。

870『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/27(金) 00:46:22
>>869(ココロ)
『レイク爺』の声に呼び寄せられ、『ココロ』は『フロア』に向かう。

              「よいしょ……と」

すると、ちょうど『アップライトピアノ』が、予め空けてあった
店の端のスペースに運び込まれたところだった。

「あ、あなた! お買い上げありがとうございますゥ。
  確かに、確かにお届けしましたよォ」

みると『リサイクルショップ』の店員が『ココロ』に向かって、
軽く礼をしたのが確認できる。『店員』はそのまま去っていく。


 「おおォ! ピアノが入るとなんか『雰囲気』が出てきたのォ。
  さわやか〜〜な『湖畔』に、美しい『音色』!
      かなりいいんじゃあないかのォ〜〜〜〜」

『レイク爺』もぴょんぴょんと喜んでいる。
改めて周囲を確認すると、『テーブル』や『椅子』も、
もうしっかり配置されているようだ。

871ココロ『RLP』:2015/11/27(金) 01:02:35
>>870

「あ、ありがとう……! し、仕事が早くて本当に助かるわ……」

          ペコペコ

リサイクルショップ店員に頭を下げる。
繰り返し、だ。そして姿が見えなくなってから――

       キョロ

           キョロ

「……い、いい感じだわ。
 さっきからこればかり言っているけど……凄くいい感じ。」

           「……」

(い、今気づいたのだけれど……
 これを演奏する私は、ど、ドレスを着るのよね?
 それで、ほ、他の皆は、動物のコスプレって……ど、どうなの?)

(わ、私が私を贔屓するみたいじゃあないの……どうなの? それって。)

今になって余計な事に気づくココロ。
いや、余計ではあるまい。心情は大切だ。 

           ・・・・しかしまあ後戻りも出来ない。

(わ……私が一番そういうのは拒みそうな気がする……
 ま、まあ、最悪、私にも動物のコスプレをしてもらえばいいのよ。)

「……こ、これで内装は完成かしら?」

         室内を見渡す。
         インテリア軍団は作業を終えているか?

872『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/27(金) 01:11:59
>>871(ココロ)
順調に物事が運ぶ事に喜ぶ『ココロ』。
しっかりと『絆』と会話し、自ら『方向性』を固めていった成果なのかもしれない。
まだまだ懸念はあるが………このまま突き進むしかない。


「ええ、テーブル・椅子・壁紙の変更―――
 限られた予算の中、参加者一同が知恵を絞り、
  作ってもらいましたが、いかがでしょうか?」

『インテリア講師』が『ココロ』に感想を仰ぐ。

先ほど確認したとおり、『店内』は『水色』で円状のテーブルが『湖』を、
グリーンの『椅子』と『壁紙』が『森』を表現しているようだ。
床は最初から『木製』だった為、何もしなくても周囲と調和している。

なんにせよ、作業は完了。
これでようやく『エアピアノ』を休んでも問題はなくなっただろう。


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

873ココロ『RLP』:2015/11/27(金) 01:32:04
>>872(GM)

もはや勝負は後戻りの利かない段階。
あとは演者がどこまで、腕を振るえるか――だ。

        キョロ
 
            キョロ

(湖畔――間違いなく、湖畔。
 て、テーブルやいすで、ここまでのことが出来るのね……!)

インテリアもまた、芸術。
音楽とも絵画とも異質な芸術。

「……ほ、本当に、素晴らしいわ。
 こんなに厳しい条件で……ここまでの物を。
 き、きっと、いえ、絶対――クライアントも喜ぶわ!」

「あ、ありがとう。皆。本当にありがとう。
 ……それから、本当に、本当に、本当に。」

             ♪

                ―― ピタ

                    「・・・・・・ごめんなさい。」

演奏を、ストップする。
これにより、群衆たちは消えてしまうだろう。

            ・・・・同じ群衆を出しても。
               そこに連続性はない。

         キュ

「ごめんなさい……」

(……これが、『セブン・ワールズ・コライド』)

自分の『友達』とは、また違う。
ココロにはきっと、本当に使いこなすことは出来ない。

                  ・・・・さて。

(……お、落ち込んでいる時間なんて、ないわ。
 これくらいのこと、こ、これからも何度もすることよ……
 群衆は、あ、あくまで……群衆。元から、作られた存在。)

          (……?)

少しひっかかるものを感じる。
作られた存在。それは、今ここに――――

    ブンブン

「〜〜っ。」

頭を振る。
悩みを増やしてどうする。       

 (む、向かわなくちゃあ……!
   よ、よ……『よるのとばり』、へ。)

余計な事を考えている暇はない、そう言い聞かせる。

時間には――多少余裕がある。
少しだけ息をついてから、向かうことにしよう。

874『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/27(金) 23:36:39
>>873
『ココロ』は『インテリア講習』の『軍団』に、心からの賛美を告げ、

「よかった! そう言ってもらえると私たちも嬉しいです!
 じゃあこれで、『合格』ってわけです――――」

        それに反応する『講習陣』。その言葉が終わらないうちに、


                     ―― ピタ

謝罪の言葉とともに『ココロ』は演奏を止める。
止まれば、『群衆』は………消える。
『ココロ』とは違う『精神性』から生まれたものは、やはり、
『ココロ』とは違う『精神性』でないと十全に扱えないのだろう。

 ………
        思うところはあれど、それに捉われている暇は今はない。


『群衆』を喪い、『絆』たちもやけに静かだ。
おそらく皆、これから始まる『本番』を前に、
滑らかな泥のような『ノイズの海』で
わずかばかりの休憩をとっているのだろう。

   『ココロ』にだって、休む権利はある。
                 ―――あるいは義務か。

875ココロ『RLP』:2015/11/28(土) 02:31:57
>>874(GM)

     シィ  ――  ン


「……」

    パチ

壁に凭れて、目を閉じる。

       フルフル

物事を深く考えず、手指を軽く振る。
少しでも筋肉の疲労を和らげるために。

(本番は……少しでも、手は休められない。
 休めた瞬間、全部、水の泡になってしまうのよ……)

今のうちだ。
今しか、指の安息はない。

            ・・・・それも、あまり長くは取れない。

(ここから……多めに10分と見積もって……
 18:55分には、ここを出ましょう。それなら7時過ぎに着くわ……)

       (ご、五分前行動なんて言っていられない。
         待たせておいて、こんな考え方、汚いけれど……)

それでも、今は指を休めることを優先したい。
迎えに行って、帰ってきたら、もうその後はノンストップだ。

           グニ
 
        グニ

神妙な面持ちで、手を揉むココロ……

876『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/28(土) 02:54:20
>>875(ココロ)
気の遠くなるほどの長時間の演奏を完遂できたのは
気の遠くなるほどの日ごろの練習の賜物だろう。

しかし、当然、手が疲れないわけではない。
マッサージを施し、指を休める………。
わずかな休養時間だが、とらないより百倍マシだ。

                「………すまんのォ」

その様子を見て声をかけてきたのは『レイク爺』。

「ワシらの為に、『湖畔』の為に、ありがとのォ」

『常人』とは異なる感性を持つ彼だったが、
自分の『代理』として身を粉にして頑張る『ココロ』に対し、
さすがに申し訳ない気持ちが芽生えているようだ。

877ココロ『RLP』:2015/11/28(土) 23:21:39
>>876(GM)

    グニ

手を止める。

「……き……気にしないでちょうだい。
 レイク爺。湖畔は……大切で、素敵な場所だもの。」

         「それに……」

ココロは少しだけ、笑みを浮かべた。
余裕の笑みなどでは到底ない。

ココロは――

(負けたくないのは、私の意思だわ。
 湖畔が負けたくないのも、だけれど、私も負けたくない……)

            (……ここまで、来たんだもの。)

「それに……私の。
 私自身の気持ちでも、あるの。」

「だ、だから……やるわ。私。最後まで……」

むしろ余裕はなかった。
しかし、やり抜こうと思う以上に――勝ちたい、と思った。

     ・・・・

          ・・・・今、何分ごろだろうか?

878『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/28(土) 23:37:43
>>877(ココロ)
「そうか! そう言ってくれるとワシも気が楽じゃな!
 ワシはせいぜい『絆』たちの中継点になるくらいしか出来んが……
  指示してくれれば力いっぱいがんばるぞい!」

 『レイク爺』にいつも元気が戻った。

  現在は『18:50』。
    『ココロ』が出ると決めた『55分』まで、あと『5分』ほどか。

879ココロ『RLP』:2015/11/29(日) 00:11:11
>>878(GM)

「ええ……で、出来る限りの指示はするわ。
 けれど、何かアドバイスがあれば、その時はお願いね。」

頷くココロ。元気はないが、やる気はまだまだ、ある。

あと5分ある。
まあ、ココロがそう決めたのだが――

       (……焦っても何にもならないわ。
         行って戻ったら、もう休憩の時間はない……)

・・・・

   ・・・・

       ・・・・待つ。

と、そういえば。

(……行って戻って、だいたい19:20くらいだとして……
 お、お料理の準備は、だいぶ時間が足りないわね……
 い、今のうちに、最低限の準備は、し、しておきましょう……)

スマートフォンを手に取り、『料理人 学校』と検索。
以下の画像をスマホのブラウザに表示しておく。
ttp://shingakunet.com/school/9000886662/images/image_1480098.jpg

調理学校の生徒たち。
料理の準備をしてもらうなら、悪くない人選だろう。

880『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/29(日) 00:17:50
>>879(ココロ)
『ココロ』は、休む。その合い間に『料理用』の画像を検索し、表示した。
おそらく問題なく、発現は可能だろう。

 ………

 他に何事もなければ、ほどなく『五分』は経つはずだ。

881ココロ『RLP』:2015/11/29(日) 01:01:39
>>880(GM)

「……」

(群衆を使う時は……
 事前に準備をしたほうがいいわね。)

   ス

適当な紙を手に取り、シャーペンを走らせる。

『講師より。
 メモ用紙に書かれたメニューの準備をしておくこと。
 材料は、この部屋と、冷蔵庫の中に用意している。』

          サラサラ

(本当、こ、こういう嘘はよくないんでしょうけど……
 けれど、こうでもしなくちゃあ、ぐ、群衆を上手くは使えない……!)

『今回は実際の店舗に協力してもらっている。
 お店に出しても恥ずかしくないような調理を心掛けること。
 みなでよく協力して事に当たるよう、よろしくお願いします。』

          サラサラ

(わ、我ながら、どこから目線よ……
 ま、まあダメならダメでその時だわ。
 い、今踏みとどまるよりは、進んだ方が良い……)

           「……こ、こんなものかしら、ね。」

あとはこの書置きと、『メニューのメモ用紙』を合わせて置いておく。
これで、少なくとも、何もしないよりはだいぶマシになるはずだ……

                       ・・・・そろそろ、出よう。

882『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/29(日) 01:06:32
>>881(ココロ)
『ココロ』は『講師として』の書置きを『群衆』の為に残しておく。
さきほどの『インテリア軍団』の事例を考えるに、
この程度でもおそらくは信じてくれるだろう、と思われた。

 そして―――時間は来る。

 『ココロ』は、

       「がんばってくるんじゃぞい!」

  そんな『レイク爺』の声援を背に、『よるのとばり』へと向かう。

883ココロ『RLP』:2015/11/29(日) 01:37:16
>>882(GM)

書置きはなるべくわかりやすい位置に置いておく。
スマホは、『西』の近くがいいだろう。

「ええ……わ、私、がんばってくるわ……!」

          トトト

そうして店を出る。
ここからは再び二正面作戦だ。

(説得、出来るかしら……それも、完全に。
 わ、私はドレスで、みんなにはコスプレを……)

      (……げ、劇とかなら普通のことよ。
       そこまでおかしなことでは、な、ないはず……)

そういうわけで、『よるのとばり』へ。
持ち物は鞄と、『絆』の内――鈴元、朱鷺宮、高天原だ。

884『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/29(日) 01:43:22
>>883(ココロ)
『よるのとばり』へと向かう『ココロ』。
持ち出す『絆』は『鈴元』『朱鷺宮』『高天原』の比較的ノイズに強いと思われる三種だ。

 ……… ……… ……… ………

 というわけで、『ココロ』は『よるのとばり』のドアの前に来た。
 ここで『レミ』と会った事で、『店作り』はかなり前進したが―――
 果たしてその勢いのまま、『レミの集めた人材』を説得できるかどうか。

885ココロ『RLP』:2015/11/29(日) 02:17:23
>>884(GM)

 ……… ……… ……… ………

ドアに歩み寄るココロ。

「……」

   ゴクリ

(じ、自信を持つのよ……
 堂々と、堂々とお願いして、説得しなくちゃあ……)

      コン

         コン


「ご、ごめんください……!」

堂々とした表情を意識するココロ。

ドアを叩き、声をかけてみる。
反応は……あるだろうか? どうだろうか。

886『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/29(日) 02:31:15
>>885(ココロ)

    コン

         コン

                  がちゃり

『ココロ』のノックにあわせ、ドアが開かれる。
そこには『レミ』の姿があった。

「ああ〜〜〜、待ってたよ。
  もうみんな揃っているから、入って入って」

促されるまま、『よるのとばり』の中を覗くと………居る。

 全部で9名の女性。彼女たちは『レミ』同様、
  どこか日本離れしたエキゾチックな顔立ちだったが、
  それより特徴的なのはその格好。
   みな、占い師然とした『頭巾』のようなものを被っており、
    顔をヴェールで覆っている者も多い。

     『よるのとばり』は、そういう傾向のお店、という事なのかもしれない。


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

887ココロ『RLP』:2015/11/29(日) 23:31:58
>>886(GM)

ドアが開いた。

「あ、ど、どうも……
 ごめんなさい、お待たせしてしまいまして……」

          キョロ

      キョロ

(……う、う……占いの、館?
 いえ、こ、こういうコンセプトのお店、なのね。)

      (けど、か、顔を隠したい人達なら……
       い、いえ、それならレミさんも呼ばないわよね。)

ある意味すでにコスプレのようなものだ。
彼女ら特有の文化――なのだとしたら、ここに呼ばれては来るまい。

「あ、あ、あの……皆さん、こ、こんばんは。」

とりあえず、挨拶からだ。
いきなり用件から、というのも失礼だろう。

「わ、私、ココロと言います。
 み、皆さんに、お願いがあって来ていただきました……」

とはいえ、待たせているのだ。
早めに用件――そして、本題に入るのも大事だろう。

        (早くしなくちゃあ、じゅ、準備の時間もあるわ……
         そ、そんなことはこちらの都合に過ぎないけれど……)

888『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/29(日) 23:44:49
>>887(ココロ)
「ああ、とりあえず少しは話しておいたけど、
 あなたの口からきちんと説明してもらうのがいいかもね」

話し始める『ココロ』に『レミ』がこんな言葉を投げる。
『レミ』自体はリラックスしているようで薄い笑みが口元に浮かんでいた。

   「………」

説得に入る『ココロ』の言葉を、『集められた女性たち』はじっと聞いている。
まさか言葉が分からないというわけではないとは思うが、今のところ反応はなく、無言。
その出で立ちと相まって妙な威圧感を感じさせる。

889ココロ『RLP』:2015/11/29(日) 23:56:24
>>888(GM)

      コクリ

レミに対して、頷く。
自分の言葉で説得するのとは全然違うだろう。

         ・・・・そういうわけで。

「……そ、それは。お願いというのは。」

(……す、すごい威圧感だわ。
 怖いわ……け、けれど、ここで止まってはダメよ……!)

       スウゥゥーー

            ハァーーー

深呼吸。
そして、顔を上げて。

     「わ、わ……私の、お店を。
      『湖畔カフェ』を、て、手伝ってほしいんです。」

まずは、一番基本的な事を言う。
もうすでに聞いているのだろうが……改めて、だ。

890『ある種の異能は場所に憑く』:2015/11/30(月) 00:23:32
>>889(ココロ)
「―――『湖畔カフェ』ね」

 『ココロ』の依頼に対し、口を開いたのは『ヴェール』をかけた女性の一人だ。
 いや………女性というには少し、若い声のような。

                          パ サ ァ ッ

声を上げた女性が『ヴェール』をとる。
その顔は幼く、『ココロ』より若く感じられた。

「『レミ』さんにあらかた聞いたから、知ってるよ。

 小人が場所の縄張り争いしてて、
   超能力をもったあなたが『夜の店』で対決する。

     すっごくバカバカしく聞こえるけど、
      『レミ』さんが本当だって言うなら私は信じるし、
        協力する事だって、問題ない。

             動物のコスプレだって、してあげる」


           『  だ  け  ど  』

   『少女』は『ココロ』を威圧するような喋り方をする。

「一つだけ条件をクリアして欲しいんだ。

 つまり、私たちが、手伝うならさ、『勝たなきゃ』イヤだって事。
   だからアナタが勝てる『根拠』を教えてほしいんだ。

  『湖畔』をモチーフにして、あなたが『ピアノ』を弾いて、
   私たちは森の動物たち? なかなか悪くないと思うけど、
   『夜の店対決』ってテーマで、
     相手は、『プロの仕切る正統派夜の店』なんでしょ?

  王道に対して、邪道で攻める。
   それなら、あともう『一押し』、何か、何かないの?
    私たちが納得できる『何か』。

     それを提示してくれるなら喜んで手伝わせてもらうよ。

  実際手伝うのは『写真』らしいけど、
   今、私たちがこう思っている以上、
    『写真』の私たちだっておんなじ気持ちになるんじゃない?」

唐突にしゃしゃり出てきた『少女』に、
順々に説得にあたろうとする『ココロ』のペースは崩される。

ほかの女性たちが異論を挟まないという事は
予め、話しあいは出来ているのだろう。
つまり、『少女』が彼女たちの代表者と見て問題ないように思える。

891ココロ『RLP』:2015/12/01(火) 04:31:56
>>890(GM)

                          パ サ ァ ッ

「……!」

    (わ、若いわ……い、いえ。
     見た目で判断するのもなんだけれど……)

少し驚くココロ。
だが、説得は続け――

     「っ……」

威圧を受け、口を閉じる。
事実、『少女』の言うことには、説得力がある……理もある。

(じょ、条件……それはそうかもしれないわ……
 勝算もないのに、手を貸したくない、そ、そういう物よね……)

ココロだって、よくわかりもしない相手に手を貸すなら。
何の条件もなく、貸したりはしないだろう……ましてやプロなら!

(こ、根拠……そ、そんなの……あるわけないじゃあない……
 あったら私だってもっと堂々としているわよ……でも、考えなくちゃあ……)

現状、勝てる根拠などない。
何一つない。しかし、思いつかねばならない。

            ・・・・自分たちの、強みとは何だ?

(ピアノ。料理。お店のコンセプト。
 ……どれも、向こうのお店とは違うものだわ。
 だけど、だからって、強みになるものとは限らない……
 ピアノがある分向こうにはショータイムがある。
 お料理も、プロが作るのは向こうも同じでしょうし……
 お店のコンセプトは差別化であって、勝てる要素じゃあないわ。)

(私にしか無くて……それに、必ず強みになるものって、何?
 …………あるわ。一つだけ。そうよ。このコンセプトなら、無理なくできる。)

「……き、絆。私には、絆がついているわ。そして私には能力があるの。」

「絆は私の大切な仲間たちよ……
 いてくれるだけで、力になってくれる。
 でも、でも……別の言い方をするならよ……」

そして、ココロは『エアピアノ』をはじめて。

 
          _,.、.-―-.、., ♪
       、-''´       `'-.、,_
―--:‐''^ ´   ♪
                             ♪                 _,.、.-―-.、.,
                                            、-''´       `'-.、,_
                                       ―--:‐''^ ´


           「動く、可愛い、小さいもの。」

       三人――いや、全ての絆を起き上がらせる。
       それだけではなく、目につく小物を全て、立ち上がらせる。

           「き、絆だけで……7人。
            他の小物もなら、いくらでも。
            こんなお店、他にあるかしら……!?」

       その光景は、『店がきらきらする』なんかよりずっと幻想的だ。
       ずっと動いていたら目障りだろうが、パフォーマンス時には十分使える。
       今はミスコンとは違う。持てる力全てを使って、店の運営に挑む。

892『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/01(火) 22:34:46
>>891(ココロ)

          _,.、.-―-.、., ♪
       、-''´       `'-.、,_
―--:‐''^ ´   ♪
                             ♪                 _,.、.-―-.、.,
                                            、-''´       `'-.、,_
                                       ―--:‐''^ ´

『ココロ』の『エアピアノ』が周囲に響く―――
それは『スタンド使い』でない眼前の『少女たち』には聴こえないが……

              しゃん!  シャン!
          シャン!   しゃん!   シャン!
              シャン!   しゃん!

『呼応』し、起立する『絆』たちの姿ならば、見えるはずだ。
連れてきた三体―――
    『軍人フィギュア』『小狐ストラップ』『雪の妖精フィギュア』。

                            「あらら」

そして、更に反応したのは『レミ』の持つ『トロール人形』。

     ぴょん   ぴょん!  ぴょん  ぴょん!

四体の人形や動物が、その存在をアピールするかのように楽しそうに跳ねる。


   「これが………話にはきいてたけどさ。
          あなたの『超能力』なのね」

                                    ヒョイッ

『少女』は物珍しい昆虫を見つけた幼児のように、
手近に居た『雪の妖精フィギュア』をつまみ上げる。

    「ふゥん……『機械仕掛け』ってわけじゃあないのね? コレ」

『少女』はぶっきらぼうに発言しているが………
   『ココロ』は彼女の顔に『笑み』が浮かび始めているのに気づいていた。

893ココロ『RLP』:2015/12/01(火) 23:22:06
>>892(GM)

          「あっ……」

(ら、乱暴な事は……しないわよね。
 するわけないじゃあない……失礼な憶測だわ……)

          ♪

つまみあげられた『雪の妖精』こと高天原。
とはいえ暴れさせては余計に危なかろう……

「……き、機械なんて、入っていません。
 歯車も、モーターも……何もなくても、動いてくれます。
 私の能力は、『小さいもの』を友達にして、お願いを聞いてもらうこと……」

            ♪

                 ♪

「それが、私の……『RLP』」

ほんの少し、語調を強める。

「こ、この力と、絆の皆の力があれば……
 普通の夜のお店になら、プロ相手だって……!」

(……か、勝てるのよ。勝てると思うのが私のすべきこと。
 そ、そうよ、もう今にもお店は始まる……
 わ、私が負けると思っていては、どうしようもないんだわ……!)

          「……か、勝てる! 勝てます……!」

    ♪     ♪       ♪

店に今から、どれだけ組み込めるだろうか。
思えばこの勝負は常に『ぎりぎり』だった。

              ・・・・最後まで、そうなりそうだ。

(む、向こうの方も……進めなくちゃあ。)

遠方の『西』にお願いし、スマホ画面の写真を確認してもらう。
その他のビルに残してきた『絆』は、控室の奥の方に待機させておこう。
出しっぱなしの置きっぱなしでは、雑な扱いをされてしまいかねない。

894『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/02(水) 00:03:54
>>893(ココロ)

『ココロ』はまずは友達化した『群衆のストラップ』にスマホ画面を確認させる。
何事もなければ、『シェフ見習いたち』を発現可能だろうし、
おそらくメモを見てくれれば、準備を『開始』してくれるだろう。
ただ、それはつまり『ココロ』がもう『エアピアノ』を中止できなくなるという事でもある。

 ……… ……… ………

 「『白雪姫と七人の小人』って………
                       いや当然、知っているよね」

 『雪の妖精フィギュア』を弄ぶ『少女』がおもむろにこんな事を口にする。

「や――― そんなに意味はないんだけどさ。
 さっき言ったじゃない? 『絆だけで七人』。
 その数でつい連想しちゃったんだよね。

  そうなるとアナタは見目麗しい『白雪姫』?
    相手はおォっかない『魔女』ってわけかもね〜〜〜」

 そう言って『少女』は今度こそしっかりとした笑みを浮かべる。

「分かった。この『切り札』があるなら、私たちも力を貸すよ。
 『写真』をとればいいんだっけ? ここで?」

 そして―――
           『ココロ』の熱意はどうやら『少女』に届いたようだ。

895ココロ『RLP』:2015/12/02(水) 00:38:24
>>894(GM)

まだ、群衆の作成は行わない。
写真撮影の後にしなくては、ややこしいことになりかねない。

           ジャー
              z_ン

演奏を一時止める。
小物は安全な位置にあることを確認して、だ。

「し、白雪姫……そ、そんな……
 そんなすごい物では、な、無いですけれど……」

    (お、お姫さま……い、いえ、例えよね。
     絆の皆の人数が主語で、そうなったのよ……)

          (でも、あの女は魔女って感じするわ……
           ど、どう考えても、嫌な女だったもの……!)

悪い気はしない。
とはいえ、流石にこう、恥ずかしい。

そして。

「……! え、ええ! あ、ありがとうございます!
 そ、そう……出来れば、こ、ここで写真を……お願いします。」

「わ、私と、皆さんで……合わせて10人。
 そんな写真を……と、撮らせて頂けたら……」

今の時間はいかほどだったろうか?
なるべく急がねば。衣装もだし、今さらだが小物も増やすべきかもしれない。

           ・・・・もちろん、間に合う限りでだが。

「あっ……れ、レミさん、携帯で撮ってもらっていいですか?
 それで、あ、後で私の携帯にも、そ、それを送ってもらえたら……」

この人数だと、撮る係は写真に映れないレミに任せるしかない。頼もう。

896『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/02(水) 00:59:52
>>895(ココロ)

          「オーケーよー」

『レミ』は快く引き受けてくれた。
自分のスマホを『ココロ』たちに向かって翳す。
『ココロ』を中心として『少女たち』が自然とカメラに
写るようコンパクトにまとまってくれる。

                     「じゃー撮るわねェ?」

『レミ』が合図を送り、そして―――

                         パ シ ャ リ

―――今は、『19:08』。

               残り、『一時間』を切っている。


                              → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

897ココロ『RLP』:2015/12/02(水) 23:56:56
>>896(GM)

「……!」

目は閉じないように。
そして出来るだけ、強い意志を保って、被写体になる。
群衆の自分が、少しでも頑張れるように。

                         パ シ ャ リ

「……あっ! い、いけないわ。
 ご、ごめんなさい、わ、私、急がなくちゃあ……」

「み、皆さん、本当に……ありがとうございました。
 いえ、い、今からも、働いてもらうことになるのだけれど……」

時間が、ない。
頭を下げ、散らばっているであろう絆達を回収して。

「そ、それじゃあ……また今度。
 こ、今度は客として、ここに来ますから……!」

         「ありがとうございましたッ!」

店を、急いで出る。
向かう先は、もちろん『貸衣装屋』だが、まずは店を出る。

(出来れば……ざ、雑貨やとか……
 そういうところにも、行きたいけれど……!)

(こ、この辺のお店は、詳しくないし……まずは衣装だわ……!)

……そういえば『レミ』は今からもう、着いてきてくれるのだろうか?

898『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/03(木) 00:10:40
>>897(ココロ)
そして、『ココロを手伝うという目的』をもった『群衆』の写真が完成する。

「私たちこれから、それぞれ用事あるから
  直接はサポートできないけどさ。

  アナタなら毒リンゴ飲まされても
     王子様なしで目覚めるって信じてるよ」

                   別れ際の、『少女』からの声。

 ……… ……… ……… ………

              「ごめんねェ、ユーコが生意気で」

『レミ』は『ココロ』と共についてきてくれた。
『ユーコ』というのはおそらく『少女』のことだろう。

  「………育て方間違ったかな」

 『貸衣装屋』へと急ぐなら、何事もなければ問題なく着くだろう。

899ココロ『RLP』:2015/12/03(木) 00:56:29
>>898(GM)

         コク

声に反応する時間もなく、頷いて飛び出した。
そして、貸衣装屋へと急ぐ道。

「え……? あ、ああ、いいえ。
 な、生意気だなんて、そんなこと……」

(た、確かに少し、お、驚きはしたけれど……
 何もなしで協力してくれる人なんて、そうそういないわよね。)

       (……それこそ、絆の皆くらいよ。)

他でもない『レミ』にも条件を出された。
それに比べれば、驚きはすれ、一般人的な常識の範囲は出るまい……

(そ、育て方……? ああ、て、店員としての、よね。
 そ、そうじゃなくても……い、いえ、あまり深く追求するものではないわよね。)

「そ、そういえばレミさん……この辺りに、雑貨屋さんってありますか?」

道すがら、聞いてみる。

繁華街は夜の店だけではない。
昼の時間は、学生の遊び場にもなりえる場所――女学生向けの店もあるのでは?

もちろん、大方の想像通りそういうのはなくても、それはそれでいい。

900『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/04(金) 00:00:37
>>899(ココロ)
「『雑貨屋』? 『雑貨屋』ねェ〜〜
 そーゆー専門店はたいてい『商店街』側にあるのおね」

 『レミ』は答える。

「あ、『大人の』ってついているのはあるけど―――
  そーゆーのじゃあないものね。

   そうだ、『100円ショップ』ならあるよ?」

『レミ』はそういって自店の斜め先を指す。
確かにそこに『100円ショップ』が存在しているのが確認できた。

901ココロ『RLP』:2015/12/04(金) 00:47:36
>>900(GM)

「そ、そうですよね、この辺りには……
 ええ、お、大人の……というよりは、ファンシーな……」

         「あ、ひゃ、100均なら……」

レミの指さす先に、視線を向けるココロ。

何かあるかもしれない。
位置的には、こちらを先にするべきか――

「ご……ごめんなさい。
 寄らせていただいていいかしら……?」

        「こ、小物を買うので……」

(小物……つ、机の上かどこかにでも……
 インテリアみたいな感じで……? それともどこかに隠しておく……?)

そういうことで、百均だ。
時間は危ういが、急がば回れ。出来を追求すると決めたのだ。

902『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/04(金) 01:03:53
>>901(ココロ)
「謝る事はないわ。もちろん大丈夫よ」

『レミ』は快諾し、二人は『100円ショップ』へと向かう。

 ……… ……… ……… ……… ………

店内はそこそこ大きく、一般的に『100円ショップ』に
売っているものなら大抵は売っているように思われた。
時間もない事だし、効率よく購入していくのがいいだろう。

903ココロ『RLP』:2015/12/04(金) 01:23:34
>>902(GM)

「あ、ありがとうございます……ええと、買う物なんですが……」

         「あ、あるかどうか……」

      キョロ

        キョロ

雑貨コーナーを探そう。
たいてい、天井から案内が吊られているはず。

「さ、探してみます。
 き、木の動物の、玩具なんですけれど……可愛くて……」

        「そ、それに、凄く小さいんです。あれなら……」

ココロが探してるのはミニチュア玩具だ。
木で出来た、素朴な動物の置物。店に合うはず。
(参照:ttp://d.hatena.ne.jp/tokusaka/20071129/p1 の下の方)


「そ、それから……
 そ、そうだわ、食器……!」

「あ、で、でも……今から50人分も買えないわ……
 しょ、食器は、な、無しで……と、とりあえず小物を……!」

       トト

やや足早に雑貨コーナーへ。
買い物を終えないことには演奏も難しい。

(は、早いところ料理人たちを……
 う、動かさなきゃ……このお店を出たら……!)

真剣な面持ちで動物を探すココロ。
レミに持ってもらうにせよ、限界はあるからだ……さて、見つかるか?

904『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/04(金) 01:55:06
>>903(ココロ)
『ココロ』は急いで『ミニチュア玩具』を探す。

 ………
       ………

                 見つかった!

『ココロ』が想定していたものと同じものだ。
………ここではあまり人気ないのか、結構な数残っている。

「これを動かすってわけ?
           ふゥん………」

『レミ』は興味深そうに動物を眺めている。

905ココロ『RLP』:2015/12/04(金) 02:09:22
>>904(GM)

「あ、あったわ……!」

(あ、あまり人気ではないのね、これ……
 まあ、私もまあ、普段から欲しかったわけでもないものね。)

        ヒョイ
            ヒョイ

結構な数買おう。

幸い、財布にはまだお小遣いは残っている。
今後は金欠になるが、まあ普段からそうお金を使う方でもない。

「ええ、これなら……小さくて、可愛くて。
 それに、お店の雰囲気にも、合うと思うんです。」

        コク

ココロは『レミ』に頷く。

「それに、お、置かれていても、不自然な感じではないですし……」

        ヒョイ

かごを取って、そこにいれよう。
百均というのはあちこちにかごが置いていたりする。

             ・・・・なければ探す。

906『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/04(金) 02:17:58
>>905(ココロ)

        ヒョイ
            ヒョイ

      結構な数を買った。

「あー、確かにメルヘンな感じだものね」

 『レミ』が相槌を打つ。カゴはすぐに見つかり、
 そこに『動物玩具』を入れておいた。

                 「あとは何が必要?」

907ココロ『RLP』:2015/12/04(金) 02:42:17
>>906(GM)

「ええ、湖畔にいる動物かどうかは、び、微妙ですけれど……」

      ヒョイ

          ヒョイ

「いないよりはいたほうが、い、良い気がします。」

まあいる種類も混じっている。
というか、いそうな種類を優先的に選ぶ。

           ・・・・さて。

「他は……しょ、食器は数をそろえられないですし……
 他の……他の備品、な、何か……
 他……あ、そ、そうだわ! ちょ、ちょっとごめんなさい……」

        キョロ

             キョロ

監視役の『黒子』は見当たらないだろうか?

908『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/04(金) 22:56:31
>>907(ココロ)
「……なにか用か?」

『黒子』は『ココロ』が探せば、居た。
そもそもずっとついてきているようなのだが、
意識していない時はつい見逃してしまう。

『レミ』には『黒子』が見えていないようだ。
不思議そうに『ココロ』を見やっている。

909ココロ『RLP』:2015/12/04(金) 23:40:39
>>908(GM)

「あ、そ、そう、用なの。」

      (……い、いつの間にいるのかしら。
       いえ、いるのに私が気づかないのかしら……)

少し屈む。
自分で探して自分で見つけたため、驚きとかは薄い。

「た……確か、基本的な備品は、用意してもらえるんだったかしら?」

食料の用意と同じように、だ。
食料は依頼すれば持ってきてくれた。

「例えば……食器とかって、もう用意してくれているの?
 後は、お客さんが手を拭くのに使う紙とか……そういうものは。」

何があって、何がないのか。

(……か、感覚がマヒしているけれど……
 レミさんからすれば、これ、き、奇行よね……今さらだけれど……)

         (で、でもいいのよ、聞かなくちゃあ。)

既にある物を買ってもしょうがない。
黒子に、聞ける範囲で聞いておこう。

910『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/04(金) 23:49:00
>>909
「特殊なものでない、各フロアに一般的な食器などは
 用意されている。紙なども同様だ」

『黒子』が答える。おそらくそのへんは
『キッチン』に存在するという事なのだろう。
どの程度が基準か測りかねるが―――
標準的な飲食店の『備品』はおそらくだが用意してもらってあるのだろう。

「よく分からないけど、それも超能力の一環? テレパシー?」

『レミ』が問う。奇行といえば『エアピアノ』も見られているし、今更という感じもする。

911ココロ『RLP』:2015/12/05(土) 00:04:21
>>910(GM)

        クル

「え、ええ……テレパシーというか、こ、ここに人がいて……」

          「ま、まあ……
           テレパシーみたいな感じです。」

振り返って『レミ』に言う。
超能力者特有の感覚だし、テレパシーみたいなものだろう。

              ・・・・ともかく。

「わ、分かったわ、ありがとう。」

もう一度振り返って『黒子』に言う。

「い、一応聞いておくけれど……
 食器を別の物に変えたりはお願いできないわよね?」

聞かないより聞いた方がよい。
木の食器に出来れば、雰囲気に合うだろう。

(とはいっても、別に白いお皿ならどんなお店に合うわよね……
 あ、あまり凝りすぎても、準備や管理するのが大変になっちゃうし……)

まあ、そこは『こだわり』レベルの世界だ……時間もないし、妥協でもいい。

912『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/05(土) 00:12:31
>>911(ココロ)
『ココロ』の説明に『レミ』は訳知り顔で頷く。

「そこまでは『不可能』だ。用意されたもの以外を用いる場合は『持ち込み』となる」

『黒子』の答えは『ココロ』の想定内のものだった。

913ココロ『RLP』:2015/12/05(土) 00:26:57
>>912(GM)

「そ、そうよね、ごめんなさい。ありがとう。」

まあルール通りだ。
食材を持ってきてもらえたしもしや、とは思ったが。
 
               ・・・・そうなると。

「じゃ、じゃあ……これくらいにしておきます。
 他に買わなくちゃあいけない物も、思いつかないですし……」

「じ、時間も、お金も、もうぎりぎりですし……
 か、貸衣装屋に急ぎましょう。
 それからビルに戻って、最後の準備をしなくちゃあ……」

              (ほ、本当に……何もかもがぎりぎりだわ。
               でも、まだ準備よ。ほ、本番こそがメインイベント……!)

     トトト

小走り気味にレジの方へ。
さっさと会計を済ませてしまおう。

『レミ』から何かアドバイスがあるなら、それは聞くが。

914『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/05(土) 00:32:41
>>913(ココロ)
「分かった。了解」

『レミ』は即答する。
相談されているわけでもなく、特に意見はないようだ。

会計は問題なく終了し、二人は外に出る。

 「次は、『貸衣装屋』ねー」

『レミ』が確認するように呟く。思うところがなければ、
今はやる事を機械的にこなしていくのが吉なのかもしれない。

915ココロ『RLP』:2015/12/05(土) 00:44:37
>>914(GM)

「ええ、貸衣装屋へ行きましょう。
 そこで衣装を……人数分、受け取ります。」

「けれど、ごめんなさい、その前に……え、演奏を始めます。
 ここからはしばらく、て、手を止められないので……ごめんなさい。」

        ♪
 
           ♪

ここで『RLP』を発現する。
そして予定通り、『キーホルダー西』にお願いし、スマホの画像を群集化。
また、残してきた絆の小物のうち、『エリー』の視聴覚リンクをONにしておく。

           (ここからはノンストップよ……)

   ♪

        ♪



百均で買ったものは、演奏を始める前に鞄へ。

受け取った貸衣装も、量がそれほどでもなければ持てるだろう。
もっとも、持つのには『レミ』の補助が必要になるだろうが……

(か、帰るまでに、食材の準備くらいは終わっていればいいけれど……)

                  ・・・・後は料理がどの程度進むか。

916『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/05(土) 00:55:35
>>915(ココロ)
「あ、出た〜〜
         踊る小物のエアピアノ」

『レミ』がうれしそうに言う。

                   「………でも、何うごかしてるの?」

『レミ』には理解出来ない事だったが、すでに準備はしてある。
『群集キーホルダー』である西はほどなくして、
『シェフ学生群』に変化し、料理を開始するだろう―――

 ……… ……… ……… ………

そうして二人は『レンタル☆コスチューム  きぶくれ』の前までやってくる。

                「………ここ? ここでいいの?」

そのいかがわしさに『レミ』が思わず確認してくる。

917ココロ『RLP』:2015/12/05(土) 01:19:05
>>916(GM)

(と、ともかく、貸衣装だわ……人数的には、ふ、普通に足りるし……
 それをもらって、帰って、お、お料理を進めてもらって、店員さんを出して……)

             (……本当に、本当にもう少しで、本番だわ。)

      ♪

           ♪

そして、店の前まで来た。

「え、ええ、はい……ここです。
 ちょ、ちょっといかがわしそうですけれど……」

           「良いお店、なので……ここです。」

立地の問題だろう。
この店自体は、良心的なお店だ。

(い、衣装、取り揃えておいてもらえたかしら……
 いえ、きっと大丈夫よね、予定より人数も少ないし……あの人を信用しましょう。)

「入りましょう……」

                   ・・・・入店する。

918『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/05(土) 01:32:10
>>917(ココロ)
「そ、そう? ならいいけど」

『レミ』は『ココロ』に続いて入店した。

 ………

  「あ〜ら、あなた。待ってたわよォ〜〜〜
    待ちくたびれて、また、こんなに着込んじゃった!

    『衣装』の方は、
    タップリ用意出来てるんだからァ〜〜〜」

出迎えてくれたのは『きぶくれの店員』だ。
前と変わらない長身、そして更に大きくなった気もする『きぶくれ』。
金髪のウィッグがその異様さを倍増させている。

  「ねえ。
       ―――『大丈夫なの』?」

『ココロ』に突き刺さるような、『レミ』の冷ややかな視線。

919ココロ『RLP』:2015/12/05(土) 01:57:32
>>918(GM)

「え、ええ。きっと――」

 ………

        「……」

「…………あっ、え、ええ、ごめんなさい。
 ずいぶん待たせてしまって……ほ、本当に……」

「い……衣装、見せていただいてもよろしいかしら?」

            (な、何で……さらに怪しくなっているの!?
             話したら普通に、い、良い店員さんなのになんで……!?)

      ハッ

『レミ』の視線に気づく。
いやまあ……当然の視線だろう。

「……だ、だ、大丈夫です、きっと……ええ。
 ほ、ほら、言うじゃないですか、人は見かけによらない……」

(れ、レミさんの気持ちも分かるわ。
 で、でも、私にそんな目を向けられても困るわ……)

「……い、衣装を見ましょう。
 たっぷり用意できているって言っていますし……」

                ・・・・そう小声で返す。

920『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/05(土) 23:21:19
>>919(ココロ)
「オフこォぉぉス!」

 暑苦しくはしゃぐ『きぶくれの店員』と、冷ややかな視線を止めない『レミ』。
 寒いんだか熱いんだかよく分からない感情のまま、『ココロ』は衣装を見せてもらう。

「あなたが言っていたとおり! ぜェんぶ準備できているわよォ〜〜〜」

 それはそれとして『店員』が出してくれた衣装―――

・『ココロ』が着る予定のドレス(>>421
・うさぎ(>>398
・クマ・リス・イノシシ(>>422
・ネズミ・たぬき・イタチ(>>425

計八種。ドレスは一着、ほかは五着。
『ココロ』の注文どおりの品揃えだ。

921ココロ『RLP』:2015/12/05(土) 23:56:02
>>920(GM)

「…………あ、ありがとう……あ、あの、でも、ごめんなさい。」

「言っていたより……
 か、かなり、人が少なくなってしまって。」

           コツ
               コツ

衣装群に近付く。
念のため用意した、大量の衣装だったが……

          ス

「わ、私含めて、11人しか集まらなくて……
 ごめんなさい、衣装も、その分だけしか……」

しかも、うち半分くらいはキッチンに当てる。
まあキッチン要員の分の衣装も、借りたほうがいいかもだが――

・うさぎ
・リス
・たぬき
・いたち
・くま

上に上げた小動物を計二着ずつ、ドレスで一着。
鼠は身近に不潔なイメージがあるし、ここはやめておこう。
いのししもなんだか粗野な感じだ(偏見)

                 ・・・・そういうわけで。

「ごめんなさい。折角集めてもらったのに……」

俯くココロ。

『きぶくれ店員』には悪いことをした。
寒暖の視線が、自分を罰するものと、強く感じる。

922『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/06(日) 00:04:46
>>921(ココロ)
「あ〜〜〜 ……いいのよ、別に。
 予約しといてドタキャンなんてザラだしねェ〜〜〜。

 それに比べればあなたなんてゼンゼン『まし』!
    分かったわ、使う分だけ借りってって!」

『店員』は快く、『ココロ』の申し出を受ける。
服を丁寧に大き目の専用バッグに入れてくれた。

「借りるのは『一日』でいいのよねェ〜〜〜
  明日中に返してくれればいいわよォ〜〜〜」

明日は明日で『次の試合』があるような気もするが………
まあちょっと隙を見て返しに来るぐらい出来るだろう。

923ココロ『RLP』:2015/12/06(日) 00:11:34
>>922(GM)

「本当に、ごめんなさい……
 か、カバンまで、用意してくれて……」

       (やっぱりいい店員さんだわ……
         ふ、普通、文句の一つくらい言いたいはずなのに……)

     ジーン

快さに感じ入るココロ。
……見た目は異常だが、心はきれいだと思った。

「え、ええ! きっと……明日の早いうちに。」

「ほ、本当にありがとう……
 あ、れ、レミさん、バッグを肩に掛けさせてもらっていいですか……?
 あと、で、出来れば私の鞄から財布を出してもらえたら……」

エアピアノしながらじゃ一人では持てない。
なので、レミに頼んで、肩に掛けてもらおう。

               ・・・・支払いの後、店を出よう。

924『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/06(日) 00:18:37
>>923(ココロ)
「がんばってねェ〜〜〜!」

くるくると回る『きぶくれの店員』。
支払いは11着で『4万円』。一着4000円弱というところか。

「分かった。
  ………しかし大変な能力ね、案外」

『エアピアノ』を続けないといけない『ココロ』に
『レミ』はそんな言葉をかけつつ、荷物を持つ。

 そうして、二人は『店』を後にする。
  これで―――必要なものは揃っただろうか。

925ココロ『RLP』:2015/12/06(日) 00:37:54
>>924(GM)

4万円。まあ代金は良い……
その分は初めから残していたのかも……

           ・・・・ともかく支払って店を出たのだ。

「普段なら演奏を止めればいいのだけれど……
 今は遠くで、お、お料理をさせているので、止められなくて。」

            「ご、ごめんなさい、持たせてしまって……」

他はおそらくないだろう。
あったとして、思い出せない。
 
         ・・・・つまりないのと同じだ。

「な、無かったわよね?
 何か……他に必要な物とか……無いとは思うけれど……」

まあ無いに違いないが……
一応、手持ちの絆の小物たちに聞いてみよう。

                ・・・・返答がなければ、このまま帰る。

926『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/06(日) 00:45:42
>>925(ココロ)
『ココロ』は帰路に着く。

やり残しがなければ良いと思い、思わず、『絆』たちに確認を取る。

手持ちは『高天原』『朱鷺宮』『鈴元』の絆。果たして―――

927『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/12/06(日) 01:19:00
>>925 (ココロさん) >>926 (GM)

「くぁ。」

「えっと、なんやっけ。」

子狐が前足で毛づくろいをするように顔をなでる。
その挙動はさながら猫である。

「ないんとちゃう?やり残し。」

「あ、仏作って魂入れずとはちょっとちゃうんやけど。」

「水溜さんの目標をもっぺん言葉にしてみたら?」

「別にやらんでもエエことやけど。」

けらけら笑って鈴を鳴らす。

「すでにやってるから大丈夫、と思うんやったらそれでかまんよ。」

「でも言霊を信じるんやったら何べんでも目標を口にして心に秘めるんもエエんとちゃう?」

ただそれだけ言うと子狐は黙り込んでしまった。

928『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/12/06(日) 01:31:04
>>925
「うーん、やり残しですか…
 見た限りでは、できる限りのことはした…かも知れないですね」
そう言ってあたりを見回す。
何故か右足を軽く引きずっている。

「後は、そうですね〜。
 もっと自信満々にやれば完璧かなって思います。」
曖昧な言い方になるが、
フィギュアは力強く答えた。

「絶対成功させるぞー!
 ってくらい強く思うことですよ。
 あなたのスタンドはきっと、いや絶対答えてくれますから!」
自信満々に答えた。
 スタンドとは精神のエネルギー
  そして精神とは人の心
    ならば、それを強く持つことがスタンドの強さになる。

「まぁ、おそらく、ですけどね。」

929ココロ『RLP』:2015/12/07(月) 00:20:10
>>926 >>927-928(鈴元と朱鷺宮)

ノイズから起き出してくれた、二人の絆の声。

「目標――」

       「じ、自信――」

(そ、そうよね……自信がなきゃ勝てないって、さっき思ったばかりじゃない。
 私がここで不安になってしまったら、皆も不安になって、演奏も乱れちゃう……!)

(む、胸を張らなくちゃあ……いけないわ。
 何度だって、お、思い直さなきゃ。勝てるってことを……)

        スー

            ハー

ココロの精神は弱い。
それゆえに、幾度となく崩れ、混乱し、道に迷ってきた。

だが、ここからは一本道。
何度でも確認しよう。ゴールは、一つ。


「目標は……湖畔を勝たせる事。そして……わ、私が勝つこと。
 そのために、お、お客さんに……と、飛び切り、喜んでもらうことよ。」

         「……き、きっと他にはないわ。
          それじゃあ……ビルへ帰りましょう!」

                    ・・・・そういうことだ。

930『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/07(月) 00:28:00
>>929(ココロ)

『目標』……
        『自信』………

        スー

            ハー

                    『深呼吸』………!

『絆』からの言葉を受け、『ココロ』の決意は定まった。
『レミ』と共に意気揚々と『ビル』へ向かう。
あとはやるべき事をやる為に突っ切るしかないのだ。

 ……… ……… ……… ………

そうして、『ココロ』はビルまで戻ってきた。
時間も時間だ。夏場ではあるが、すでに陽は翳っている。

  今は、『19:32』。残り時間は『30分』もないが………

931ココロ『RLP』:2015/12/07(月) 00:34:40
>>930(GM)

「…………」

言霊が功を奏したか――

      ココロは比較的落ち着いて、ビル内へ。

(……あ、いえ……その前に。)

と、一旦立ち止まる。
入店前に、留守番をさせた絆――『エリーペン』の視聴覚を共有。

       (確認しておきましょう……
        あ、危ない感じになっていたらよくないわ……)

   ♪

         ♪
 
今、どんな感じに進んでいるだろうか……?
場合によっては、入店前に解除すべきこともある。

          ・・・・必要なら、他の絆達の視聴覚に切り替える。

932『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/07(月) 00:46:14
>>931(ココロ)

   ♪

         ♪

『ココロ』は『エリーペン』の視聴覚を用い、
『自ビル』の内部を覗く―――

 ………

 『シェフ見習い』の『群衆』達が懸命に、下ごしらえをしている様子が見えた。
 どうやら『メモ』は上手く機能したようで、着々と準備は進んでいるように思える。

933ココロ『RLP』:2015/12/07(月) 23:04:52
>>932(GM)

(だ……大丈夫、そうよね。これなら平気だわ。
 まあ、そうよね、そんなおかしなことにはならないわよ……)

         ♪
            ♪

「……」

     (ともかく、い……行きましょう。
      あくまで彼らの先生の、私として……!)

店内へ向かおう。
準備をしている、『シェフ見習い群衆』の元へ。

「た、ただいま……帰ったわ!
 あ、貴方たちの先生である私が……帰って来たわ。」

(な、何だかエラそうな言い回しになってしまったわね……
 で、でも、私は偉いとかじゃないけど、先生は偉いものね、ええ、問題ないわ。)

まずは群衆の心に事実を刻む。
あの写真は生徒たちだが、先生は存在しない――

              ・・・・ココロが先生だ。

「調子はいかがかしら……?」

(わ、私なんかが邪魔したら悪いわね……いえ、でも先生よ。
 それに、もう今にも、解除するといえば、そうなのだけれど……)

(やっぱり、ちゃんと見て、お礼は言わなくちゃあ……だわ。)

     ソォォ〜

埃とかを立てると怒られそうだ……客も嫌だろう。
唾とかも飛ばないように、気をつけよう。

       そろそろと、学生たちの進み具合を見て回る。

934『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/07(月) 23:36:23
>>933(ココロ)
「せ…先生? 先生……ですか?」

唐突に『先生』だと宣言する『ココロ』に学生たちはやや困惑しているようだ。
前回の『インテリア軍団』の時は上手くいったが………
一般的に『ココロ』は、先生というには若すぎる。

「え、ええ。シンプルなメニューが多いからスムーズに出来ていますけど。
 いや! 学生レベル、なんですけどね」

『高天原メニュー』は作りやすさも考慮されたナイスチョイスだ。
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1414167533/583-587)
                          何気に『雪の妖精』……使える男!

「ただ―――
             量もあるし、『カレー』もありますし、
             あと一時間はかかっちゃいますかね」

それはそうと『学生』からはこんなコメントも見られた。
おそらくは『カレー』の煮込みに時間がかかるのだろう。

935ココロ『RLP』:2015/12/08(火) 00:19:03
>>934(GM)

「ええ……先生、よ!」

断定的に言う。

ココロは押し切ることにした。
一般的に先生がいくら若く見えても、『若いからダメ』というやつはいない。

「いえ、学生レベルでも――」

            「……一時間?」

(い、一時間じゃあ……間に合うわけないじゃあない!
 あ、あともう30分もしたら開店時間……て、店員の準備もあるのに……)

              (ど、どうしたら……!?)

ココロは時計――時刻を確認する。
腕にずっとつけていた、『デジタル腕時計』を。

「ま……ま、まあそうよね。
 カレーがあるんだもの……じ、時間はかかるわよね。そんなものだわ。
 か、火力は……足りているかしら? 足りなければ強くできるけれど……」

(でも、火力を強くしたからって、に、煮込みに掛かる時間は普通……いえ。
 分からないじゃあない……板踏さんの能力なら、普通じゃない火が出せるはず……)

               ・・・・そして。

「とりあえず……今準備出来ているメニューは何があるかしら?」

(最悪……はじめのうちはカレーは無しにすればいい。
 よく考えたらメニュー表とかもあった方が良かったかしら……
 けれど、い、今さら何を後悔したところで、意味はないわ……!)

無いなら無しでやるしかない。
完璧な店など、プロでだって、作れないのだ。

会話しながら、『店』を視界に納める。
そして『腕時計坂下』に頼み、その予定を確かめる。

(けれど……いまさらだって、できることもあるわ……)

(禁止行為は……他店やお客さんへの妨害だと、聞いたわ。
 『試合の開始時刻を変える』のは……禁止じゃあないはず……!)

          (出来ることは全部試すのよ……
            今日ずっと、そうやってここまで来たんだから!)

時間帯は――『19:55』〜『21:00』だ。
恐らくは、どちらにせよ『試合開始』からの予定が表示されるはず。

936『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/08(火) 00:43:04
>>935(ココロ)
「ええと………『飲み物』はすぐ出せるようなところまでは出来ています。
 サンドウィッチ系もすぐ作れるよう食材を準備しているんで……
 これはみんなであと20分もあれば、出来るかな?
 抹茶あんみつもアイスをつければ出来るまでにはなっているから、
 やっぱり『カレー』ですね。時間かかるのは」

『ココロ』の問いに『シェフ見習い』の一人が答える。

そして―――

   『開店準備│19:55〜20:00』
      『開店│20:00〜21:00』

この『店』の『予定』を確認すると以上のような結果が出た。
まあ、当然だろう。この『店』を開くのは『ココロ自身』。
『ココロ』が現在想定している『予定』がそのまま出るのが自然な流れだ。


                             → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

937ココロ『RLP』:2015/12/08(火) 23:38:44
>>936(GM)

(……そ、それはそうだわ。
 このお店はわたしのさじ加減次第……さじ加減次第じゃないのは……)

             (……そもそもカレーが間に合えばいい話じゃあない?
              出来るかも怪しいグレーな事に時間を使うくらいなら……)

『絆』はココロとは別個の意思を持つ。
『絆』に何をさせようが、ココロの負担にはならない。

「……そう、ありがとう。引き続きお願いするわね。
 私は今から、このお店の人に連絡しなくちゃあいけないから……」

         「もうしばらく、貴方たちがじゅ、準備……お願いね。」

(あと20分だと……55分くらいかしら……だ、駄目だわ、やっぱり間に合わない。
 着替えに、どう見積もっても10分はかかるもの……と、途中で切り上げるしかないわ。)

今度は、『カレーの予定』を確認してもらおう。
シェフでもいいが、作業を分担している以上、一人の予定を改ざんしてもしょうがない。

時間は『現在』〜『22:00』とする。
改竄は『前倒し』にすることも出来る……試す価値は、ある。出来そうなことはする。

         無理なら無理で、どうせカレーは元から無理なのだ。
            他の料理は、群衆に引き継がせればいいだろう……

938『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/08(火) 23:57:29
>>937(ココロ)

『ココロ』は今度は『カレーの予定』を確認する。

『カレー準備│19:35〜20:35
 カレー販売│20:35〜22:00』

『カレー』の予定は学生の言ったとおり一時間後に完成のようだ。
これを『前倒し』にすれば………

939ココロ『RLP』:2015/12/09(水) 00:28:25
>>938(GM)

「…………」

      ゴクリ

(お願い――坂下さん。)

念じる。意識する。
カレーの完成予定を――『19:50』まで、早める。改竄する。

              ・・・・駄目でもともと。

(人手が増えて早くなるものでもないでしょうし……
 他の料理がおろそかになるとかでも、き、きっとないはず……!)

加えて、カレーの作業は煮込みだ。
特別な技法がなくとも、それなりの出来にはなろう。
というか他のメニューもそうだ。どれも簡単さが売りの一つ。

もう少しの間、シェフ見習い軍団を発現しておこう。
そして今のうちに、もろもろの準備をしておこう。

          ソロォ〜

ゆっくりと調理場を離れて。
エリーと板踏辺りの視界で、調理場は観察しておく。

「……れ、レミさん。
 今のうちに二階で衣装の準備をしようと思います。」

「お料理は、それなりに進んでいるみたいですし……」

着れる状態にしておく、というわけ。
流石に15分もあれば着替えられると信じたいが……

940『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/09(水) 00:53:20
>>939(ココロ)
『坂下』の『レイルウェイ・チルドレン』の能力において
『予定』を見るのはいわば『前段階』だ。

真の能力、それは―――

『カレー準備│19:35〜20:35』
『カレー準備│19:35〜20:35
『カレー準備│19:35〜20:3・
『カレー準備│19:35〜20:・・
『カレー準備│19:35〜2・・・・
『カレー準備│19:35〜・・・・・
『カレー準備│19:35〜1・・・・
『カレー準備│19:35〜19・・・
『カレー準備│19:35〜19:5・
『カレー準備│19:35〜19:50
『カレー準備│19:35〜19:50』

                       『予定改竄』ッ!

これにより『カレー販売』の方も、自然と『20:00〜22:00』に変更された。
おそらく、『ココロ』の思惑は成功したと思われる。
結果的な話だが、『シェフ』に対する改竄ではなく
『カレー』に対する改竄とした事が功を奏した結果となったようだ。
(『シェフ』改竄の場合は、調理不足の『カレー』になったと思われる)。

(※判定に少し迷ったが、能力詳細を読み込んだ結果、
  >7.『1時間後』に崩れそうな『崖』を『1分後』に崩す。
  >『可能』。
  に類する『改竄』だと判断。
  『生物』の場合は、対象の認識だけの変化だが、
  『無生物』の場合は、その『状態』が『早まる』のだと判定した。
  ご本人がいらっしゃないようである事、
  元の能力からの変化もありえる『絆』での能力という
  特殊状況である事から、質疑はせずに、この判定で通します)

 「あ、ああ〜〜分かった。
   ………しかし、この人たちも『アレ』なの?
        『写真』から出したってわけ?」

レミがひそひそと『ココロ』に話しかけてくる。
彼女にとってはすべてが驚きの連続のようだ。


                             → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

941ココロ『RLP』:2015/12/09(水) 23:15:05
>>940(GM)

『レイルウェイ・チルドレン』は――強大な能力だ。
時刻表という小さな端末で、これほどまでに運命に干渉する。

         (や、やった……!)

            (ど、どう変化するか怪しいけれど……
             これで、ぎ、ギリギリ……お店に間に合いそうだわ。)

カレーは何とかなった。
これで、料理は何とかなるだろう。

「え、ええ、そうです。
 か、勝手に写真を使うのは、よくないですけれど……
 調理学校の写真を使って……出してもらったんです。」

(そ、そうよね、レミさんからしたら、普通じゃないことだわ……
 いえ、私にとっても、本当は普通じゃないことなのだけれど……)

           ヒソ ヒソ

レミに潜めた声で答える。

ともかく――ここはシェフ見習い達に任せ、2Fへ行こう。

―――

(*ご厚意に感謝。
  PLも、『崖』の例を参考にしました。)

942『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/09(水) 23:36:24
>>941(ココロ)
『カレー』は大丈夫―――!
坂下の『絆』を信じる『ココロ』には、その確信があった。

『レイルウェイ・チルドレン』。相手の動向調査といい、
今回の『対決』にとても有用な能力であった。

「はァ〜〜、写真なら何でも出来るのねェ」

感心する『レミ』と共に、二階へと向かう。
ここは、『キャバクラ風内装』のフロア。
ちょうど『艶美』が根城としている『店舗』とほぼ同様の形状をしている。
『控え室』などもあり、着替えるならここを使うといいかもしれない。

943ココロ『RLP』:2015/12/10(木) 00:00:10
>>942(GM)

「……ええ、絆は皆、とても頼りになる人達なんです。」

      (能力もだけれど……
        そ、それだけじゃあ、ないわ。
          この勝負を戦えているのは、みんながいるから。)

        コツ
           コツ

頼りにならない絆などいない。
『西』や『坂下』の『能力』は――この勝負で殊更強大だ。
実質、能力だけで言うならば、ほぼ彼女らだけで回している。

しかしそれ以外の5人も――ココロの精神を支えてくれる。
能力には適所があるが、『絆』がそこにあるということは常に力になる。

           ・・・・それこそが真に尊い『力』だ。

「わ、私はエアピアノを止められないので……」

    「鞄の中身を出してもらえますか?
      ご、ごめんなさい、雑用ばかりさせてしまって……」

申し訳なく思うが、ココロには今できないのだ。

着替えはここで行う(行わせる)つもりだ。
1Fとの距離や、広さ、その他もろもろ都合がいい。

944『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/10(木) 00:07:22
>>943(ココロ)
『絆の力』―――この特殊な状況でのみ使える特別な能力だが、
それだけ『ココロ』を助けたいという思いがあるという事………
その『力』のありがたみに改めて感謝しつつ、『ココロ』は『レミ』に指示を出す。

「カバン? ああ、『衣装』を出せばいいのね?」

『レミ』は言われたとおりに『カバンの中身』を出していく。
他に出してほしいものがあれば、それも出してくれただろう。

945ココロ『RLP』:2015/12/10(木) 00:23:33
>>944(GM)

「あっ、え、ええそうです、衣装を。
 ごめんなさい、や、ややこしくしてしまって……」

       (……あ、そ、そうだわ。)

   ♪

        ♪

演奏は維持しつつ、鞄に目線を向ける。
……ややこしいが、ココロのショルダーバックだ。

「そ、それと……この中の……あ、い、衣装のあとで……
 さっき買った動物も、と、取り出すのをお願いしていいですか?」

      「本当に雑用ばかりで……」

そういうことで頼もう。
もちろん、本当に肝心な衣装の方を確認してからだが。

946『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/10(木) 00:41:38
>>945(ココロ)
「『衣装』とォ〜〜〜」

    ばさ     ばさばさ    ばさ

『レミ』が衣装を順々に出し、『テーブル』においていく。
『レンタル』した衣装、間違いなくすべてがここにある。

                       「あとは『動物』ね〜〜」

続いて『100円ショップ』で購入した動物を取り出す。
これもまた、(当然だが)、買ったもの全てがきちんと揃っていた。

「これらを使って『パフォーマンスタイム』を設ける感じ?
 それとも常時、面白く動かして楽しませるとか?
   『絆』さんたちの超能力も、絡んでくるのかな?」

ここで『レミ』が無邪気に問いかけてくる。

確かに『艶美の店』に勝つためには、
ユーコと呼ばれた『少女』が言っていた『もう一押し』、
そのイメージを明確にしておく必要があるかもしれない。

『ココロ』にしっかりとした想定があるならそれでもいいし、
もし迷うところがあれば、『写真の群衆』たちが
着替える時間を使って、『絆』と相談してもいいだろう。
残り時間はあまりないが、
すでにお馴染みとなった『絆』達との相談なら、
効率よく出来、そこまで時間はかからないように思えた。


                             → TO BE CONTINUED
                                (続きはまた今夜………)

947ココロ『RLP』:2015/12/10(木) 23:29:00
>>946(GM)

「ありがとうございます……
 そ、そうですね、これをどう配置して……どう使うか……」  

『動物たち』を前に思案する。

     (どうしましょう……?
      ずっと動いてたら、め、目障りかしら……?)

          (絆の皆の能力も使うなら……
            わ、私だけじゃあ、アイディアが足りないわ……) 

1Fにいる『ブレーメン板踏』に指示を出し、招集しよう。
『エリーペン』は、シェフの卵たちの見張り役として残しておく。

「い、一応……演奏中はそれに合わせて動かそうかと……
 ピアノが演奏していない時は、止まっていてもらいます。
 けれど、絆の皆の能力込みのアイディアは、私だけじゃ思いつかないから……」

      「……そ、相談してみますね。」

そういうわけで、恐らく今回戦最後の相談が始まる。
今すぐにしなければ、アイディアが出ても準備の時間は足りないだろう。

        (皆ももう、疲れているはずだわ……
         全員ノイズの中でも、何もおかしくない……けれど。)

「皆、何か……あるかしら、い、いいアイディアとか。
 そうでなくても、気になるところとか……あ、あるかしら……?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

(*『本格相談』を希望。
  期限は『週明け』までを希望したいです。)

948『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/10(木) 23:49:07
>>947(ココロ)
『ココロ』は思案する。さまざまな可能性が考えられる『パフォーマンス』。
時間はあまりないが、今まで同様、『相談』するのがいいと判断した。

「『相談』―――ね。そういう事も出来るんだ。
 じゃあちょっと私は見学させてもらうね」

『レミ』は近くの『椅子』にどっかと座った。

 ………

ほどなくして『板踏のブレーメン』が狂ったように走りこんできた。
彼(ら)なりに時間がない事を悟っているのだろう。
これで、『坂下』『高天原』『鈴元』『朱鷺宮』『板踏』の絆がその場に勢ぞろいした。
 (レイク爺を呼んだかどうかは『ココロ』の任意)
見張り役の『エリーペン』、そして『群衆』と化した
『西のキーホルダー』は相談には参加出来ないが………それもまた運命だろう。

『絆』たちは『ノイズ』に阻まれ、現状や議題を十分に把握出来ていない可能性がある。
もし意見を募るなら、改めて現状を大まかにでも説明し、
今の『ココロ』の意向やアイディアを披露しておくのもいいかもしれない。

(※了解。そちらが『良い』と思うまで伸ばして構わないので
  終わった時はしっかり終了を宣言して頂きたい。
  また、GM介入必要時も明示をお願いする。

  この相談に限って言えば『原作の台詞の掛け合いくらい』の
  短時間での意思疎通が可能。存分に『相談』して頂いて構わない)

949ココロ『RLP』:2015/12/12(土) 22:56:12
>>948(GM)
>坂下、高天原、鈴元、朱鷺宮、板踏

         ス

『絆』達を前に、ココロは少しだけしゃがみこむ。

「まず……今は試合の20分前よ。
 それで、最後の準備をしているところなのだけれど……」

       「これを見てもらえるかしら。」

    ♪

          ♪

『木製動物』達を友達化。
『絆』達に見えるところにまで移動させる。

「この動物たちも使って……出来るなら貴方たちの能力も使って。
 何か、ピアノといっしょにパフォーマンスをできないかと思うのだけれど……」

       「いえ、別にピアノに合わせなくても……
         あるいは、この動物たちはなしでも、いいのだけれど。」

  「何か……思いつくかしら?」

とりあえず現状を説明してみよう。
誰の絆がノイズから解放されているか、反応を見たいのもある。

950『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/12/12(土) 23:27:30
>>947-949

   ダッタカ
           ダッタカ
      ダッタカ

  「アレグレット!」
 
         「アレグレット!」

  「アニマンド!」

         「アニマート!」

颯爽登場、ブレーメンの音楽隊だ。
競走馬の如くロバが飛びこんでくる。背中に猫やら犬やら鶏やら乗せてるのでちょっと辛そうだ。


   「……休符?」

          「休符! ホールレスト!」

   「モヴィエンド!」

          「アダージオ!」

―――『パフォーマンスは期間を区切ってやった方がいいんじゃないか』。
恐らくはそういう発言だろう。
もとより『湖畔風の落ち着いたお店』がコンセプトの一つなのだから、常時何かが動いていると言うのは良くないだろう。
邪魔にならない程度のパフォーマンスタイムが望ましいのではないか……と、『ブレーメンの音楽隊』は言っている。多分。

その上で――――

   「パッショナート……」

          「アダージオ?」

――――『ブレーメンの音楽隊』にできるのは、『火炎操作』だけだ。それも火力を上げる方向の。
『火芸』程度はできるが、穏やかな湖畔の雰囲気には、あまり合致しまい。
少なくとも、今回は『ブレーメンの音楽隊』が協力するのは難しそうだ。

951『軍人フィギュア』@朱鷺宮涙音:2015/12/12(土) 23:42:30
>>949
「ほほう…なかなか可愛らしいですね〜。
 この動物たちのパフォーマンスはやはり…
 賑やかさよりも落ち着きがほしいでしょうね〜。」
と、木製動物たちの動きを注意深く眺めながら応える。

「となると…
 うーむ、私の能力は『的』を作ること…
 そしてその的は攻撃に反応するとかなわけですから…
 困りましたね、能力を活かした事はできなそうですが…」
と、少し申し訳無さそうにする。

「まぁ、パフォーマンスの参加者としてできる人がいたら
 この中から選ぶっていうのもいいんじゃないでしょうかね。」
絆の人の中にも参加ができる人がいるだろうか…
少し注意深くあたりを見る

952『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/12/12(土) 23:56:07
>>949 (ココロさん)

「あら、僕らのお友達?」

『木製動物』に対してそういう印象を抱いたのだろうか。
子狐の第一声はそれであった。

「僕の能力は、まぁ桜の花びらを作ることやわ。」

「今の季節は桜の時期やないけど、舞わしたらきれいやわ。」

そう言って、少し黙り込む。
んー、と鈴を尾でもてあそぶ。
ちりちりと鈴の音が鳴っている。

「お客さんの机の上で踊らしてみる?その動物さんとか僕の花びらを。」

「こう、簡単な動きでエエと思うわ。普通のお人さんやったら動物さん動くだけで驚かはる思うし。」

953ココロ『RLP』:2015/12/13(日) 23:35:24
>>950 >>951 >>952(板踏、朱鷺宮、鈴元)

        ・・・・

    ・・・・

ココロは三人の意見を聞く。
ときおり相槌を入れたり、頷いたりしつつ。

         そして。

「……ありがとう。
 そうね、パフォーマンスタイムは区切って……」

        (30分に一回位かしら……?
         も、もう少し多い方が良いかしらね……)

これは予定通りだ。
演奏自体、多少のインターバルは必要だろうし。

「鈴元君の花びらみたいに、使える能力は使ってしまいましょう。
 絆の皆は……ごめんなさい、あまり湖畔のイメージには、合わないけれど……」

          チラ

     「……板踏さんと、鈴元君なら……動物、ではあるわね……」

とはいえ、ただ躍らせるなら木の動物でいい。
何か意味がないのなら、能力に専念させたいとも、思う。

「エリーちゃんの能力も、が、がんばったら使えそうな気はするわ。
 けれど……よ、妖怪を作るのには、時間が足りないかしら……?」

              ・・・・もうすこし相談を進めよう。

954『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/12/14(月) 00:00:58
>>953

  「『ラフカディオ』…………」

              「…………『わらしのうた?』」

  「『座敷童』!」

              「『ラフカディオ』!」

……『ブレーメンの音楽隊』が言っているのは、『ラフカディオ』の能力で『座敷童』を呼び出すということだろうか。
『座敷童』――――住み着いた家の幸福と繁栄を約束する妖怪。
効果は確実ではないが、『店の成功』に対して何かしらプラスになるのではないだろうか、という感じだ。
去れば家は没落してしまうが、今回の『場所祭一回戦』に限れば問題は無いだろうし。
なにより、ヴィジュアルが『おかっぱ頭の子供』というだけであり、作画が比較的簡単である点もポイントが高い。

955ココロ『RLP』:2015/12/14(月) 02:39:31
>>954(板踏)

「……わ、わらし……? あっ『座敷童』……そ、そうだわ。
 そ、そういえば聞いたことがあるわ、座敷童は家を幸せにする……!」

            「も、もし作れれば……」

      ♪

「そ、相当有利に……なるかもしれないわ。」

(あ、あくまで、推測だけれど……)

            ♪

しかしココロは難しい顔をして考える。
妖怪には材料が必要だ。しかも、能力に関係のある材料が。

            ・・・・座敷童の材料は?

(き、絆の皆にそんなこと……
 一時的では、あ、あるにせよ……そもそもできるのかしら?
 そ、それに、絆の皆の中に、座敷童っぽいスタンドの人なんて……)

         (子供……幸せ……繁栄……
           どうしましょう、せ、せっかくいいアイディアなのに!)

                      (わ、私の想像力が貧困なせいで……)

       ♪
                ♪

ココロは考えを巡らせる。
座敷童――でなくとも近いコンセプトの妖怪はいよう。

       「どうしましょう……」

しかしそもそも能力が噛みあっていないのだ、とココロは思う。
静止、的、花びら、炎、群衆、時刻。どのようにこじつけたものか。

956『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/12/14(月) 19:37:32
>>955

     「?」

        「?」

           「?」

              「?」

……畜生共が一斉に首を傾げた。

      「「「「>>504」」」」

そして口を揃えて>>504と……『>>504』!?
ちょっと何を言っているのかわからない。どう発音する言語なのかもわからない。
おそらくノイズが酷いのだろう……ここにきていよいよ意味不明な発言が飛び出した。

……………が、ココロは思いだすかもしれない。


>『ラフカディオ』は『幽霊』や『スタンド』を粘土のように捏ねる事で『妖怪』化するが………
>『パンペン』には手がない。だから用いるのは………『絵』だ。
>『幽霊』や『スタンド』、あるいはそれに類する『怪奇現象』を『絵』で表現する事で、『妖怪化』は成される。
>その『絵』が誰にでも分かるような上手い絵であるほど、
>素直に思い通りの『妖怪化』が出来るように思えた。作っておける『妖怪』は一種のみ。
>絵を描くだけで『そのもの』を素材として使わない為、『そのもの』の挙動を制限する事はないようである。


……………という感じのことを。

957ココロ『RLP』:2015/12/14(月) 23:50:55
>>956(板踏)

「…………???」

(な、なにを言っているのかしら……
 でも分かるのは、わ、私が何か、おかしなことを言ってしまったんだわ……)

ココロはやや狼狽えつつ、考える。

(今、そうだわ『ラフカディオ』の話をしたところよね……)

      「…………」

          「あら?」

(……あっ、あら?
 私、そもそも何を言ってたのかしら。
 絆の『ラフカディオ』は……絵で描いたらそれでいいんだわ。)

つまり勘違いだった。

「ご、ごめんなさい、勘違いをしていたようだわ……そうね、ざ、座敷童を、エリーちゃんに描いてもらえば……」

      「……だ、誰か、エリーちゃんと監視を代わって貰えるかしら?」

ココロは改めて絆たちに呼びかける。
まあ誰でもいいが……名乗り出る者がいないならノイズの重そうな『坂下』辺りに任せたい。

958『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/12/14(月) 23:56:27
>>957

「…………」 プイッ

……畜生共は露骨にそっぽを向いた。
…………どうも監視の役目は嫌らしい。

959ココロ『RLP』:2015/12/16(水) 02:10:51
>>958(板踏)

(そ、そうよね……板踏さんは、ノイズも軽いのだし……
 いえ、ノイズが重いからダメというわけではないけれど……)

        (……相談できる人は、一人でも多い方がいいわ。)

  コクリ

神妙な面持ちで板踏に頷くココロ。

(そうなると……やっぱり、坂下さんに任せるべきかしら……?
 能力を使いすぎたせいかもしれないけれど、ノイズが辛そうだものね……)

ノイズがあっても絆は絆。
そこにいるだけで、ココロの心をつないでくれる。

とはいえ、相談は別だ。
ノイズの軽重が、ここでは重要だ。

        「……他の皆はどうかしら?」

         ♪

                ♪

もう少しだけ待つが、無理に行かせたいとも思わない。
何もなければ、予定通り、『デジタル坂下』にがんばってもらおう。

960『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/18(金) 23:34:25
>>959(ココロ)
しばしの沈黙を味わった後、『坂下の時計』が『エリーペン』の元へと向かった。
とりあえず他の者はまだこちらで会議に参加したい様子だった。
『坂下の時計』はその能力で十分に活躍した。
こういう形で少し休ませてあげるのもいいのかもしれない。

 ……… ……… ……… ……… ………

ほどなくして、代わりにピョンピョンとやってきたのは『エリーペン』だ。
どこなく元気がなくあまり喋りそうにないが、
『自立意思を発露』する行為はとりわけ『ノイズ』にやられやすいようなので、
その他の、たとえば指示に従い、『能力を使う』事は可能ではないかと思われた。

961ココロ『RLP』:2015/12/18(金) 23:48:05
>>960(GM)

(……同じ人にばかり苦労を掛けるのもよくないわよね。
 坂下さんには、す、少し休んでいただいた方が良さそうだわ……)

『デジタル坂下時計』を見送るココロ。

           ・・・・

              ・・・・

そして、メンバーが一人入れ替わったわけだ。

「……あ、え、エリーちゃん。
 ごめんなさいね、監視役にしてしまって。」

       ♪   ♪

やってきたエリーペンに小さく頭を下げる。
 
           「そ、それで。早速なのだけれど。
              ――お願い、したいことがあるの。」

お願いしたいこと。
エリー自身は動けずとも――彼女の能力は。

           ・・・・絆の力は。

「妖怪を……描いていたくれないかしら?
 ふ、福を招く妖怪の……ざ、『座敷童』を……」

              ・・・・動かずとも、きっと答えてくれている。

962『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/19(土) 21:28:56
>>961(ココロ)
『エリーペン』に『座敷童』を描くよう要請する『ココロ』。
………しかし、『エリーペン』は困ったように、首をかしげるかのように体を傾けた。

                        『ノイズ』のせいか? いや―――

以前感じたとおり(>>504)、この『ラフカディオ』は捏ねる代わりに、絵を描く事で能力を発動する。
これは『想像で勝手に絵を描ける』というわけでなく、
元の能力同様、『素材となるもの』が必要でそれを書き写す必要があるというわけだ。

『座敷わらし』………幸せを呼ぶ妖怪。
『ココロ』の考えたとおり近いコンセプトの妖怪だか妖精だかが居て、
更にその元となるような存在が仲間内にいればいいのだが………。

963ココロ『RLP』:2015/12/19(土) 23:47:34
>>962(GM)

「……??」

     「……あっ。」

          「そ、そうよね、そうだったわ……」

そういうことだったとは……
しかし、こうなると、どうするべきか。

(座敷童……は、そ、それらしい人は……
  ……そ、そもそも、子供みたいなスタンドなんていないわ。)

座敷童は子供のような妖怪だ。
子供のようなスタンドでもいればよかったのだが。

      キョロ

              キョロ

いかんせん、物事はそう上手くはいかないものか。
他の『縁起の良い妖怪存在』には、ココロとしては心当たりはない。

別の妖怪を最大限改変して、でっちあげるか……?

「み、みんな、妖怪のアイディアとかは……あるかしら?
 座敷童のお仲間とか……お店を手伝ってくれる妖怪だとか……」

まあプラス・アルファの要素ではある。
あるが、出来ればもう一つ、妖怪パワ―が欲しくもある……

                  (……座敷童……家に憑く妖怪……)

                            (……憑く? ひょっとしたら……)

964『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/19(土) 23:58:16
>>963(ココロ)
考える方向性としては、今は『適切な妖怪』について。
あとは『絆』の能力を使うなら使うでどう繋げるか、といったところか。

『ココロ』の方で何か思いついたのなら『提案』するのもいいだろうし、
引き続き『本格相談』するのもいいだろう。
しかし、『ココロ』と『絆』、双方からあまりにも妙案が出てこないようならば
もう腹を括って今ある発想で『店』を開いてしまうのも一つの手だ。

965『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/12/20(日) 00:15:47
>>964 (GM)

「妖怪さんねぇ。」

「人間の手助けをしてくれはる妖怪……?」

別にそういうのに詳しいわけではないのだろう。
子狐は微妙な感じである。

「付喪神さんとか……?」

「お稲荷さんとか宗旦狐さん、葛の葉ぁさんとかは狐っちゅうだけやし。」

「うーん。」

子狐からいいアイディアは期待できないかもしれない。

966『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/12/20(日) 00:19:02
>>962-964

      「「「「………………………!!!!」」」」  ガーン

制限の勘違い……これはブレーメン板踏の失態だ……!
戦慄し、硬直し……直後、畜生共が円陣を組んで何か相談し始めた。


     ゴニョゴニョ       ゴニョゴニョ

              ゴニョゴニョ
       ゴニョゴニョ


……しばらくそうしていたが、ひと段落突いたのか、再び四匹で塔を……否、ロバ以外が塔を作り、ロバが前に飛び出した。


       「「「「『ケサランパサラン』ッ!」」」」


『ケサランパサラン』……かつて江戸時代に流行した妖怪、ないしUMAのことである。
たんぽぽの綿毛かなにかのような、白い毛玉の姿をし、暗所を好みおしろいを食べて育つと言う。
そして重要なのは――――『ケサランパサランは福を呼ぶ』こと。
加えてもうひとつ――――その正体は『馬や牛などの胆石や結石』であるとする説が存在すること。
つまり、『ブレーメンの音楽隊のロバ』を素材に『幸福』を呼べるのだ。

967ココロ『RLP』:2015/12/20(日) 00:39:27
>>965 >>966(鈴元と板踏)

「あっ……い、板踏さん達……いえ板踏さんは悪くないのよ……」

          (……そ、相談しているわ。
            複数の意思があるのかしら……?)

     ゴニョゴニョ       ゴニョゴニョ

ともかくだ。

              ゴニョゴニョ

「あ、あまりいないのかしら……?
 人助けをしてくれる妖怪……私も、詳しくないのよね……」

       ゴニョゴニョ

      「一つ思いつくとすれば……
        で、出来るかどうかは、分からないけれど……」

相談を横目に『小狐鈴元』と話すココロ。
と、そのときだった。

         ビクッ

「ひゃっ……」

いきなり塔を組んだ畜生たちが叫んだのだ。

          ――ケセランパサラン。

「あ……き、聞いたことがあるわ。
 ケセランパサラン……あ、あれも妖怪なのかしら……でも、幸せの存在だわね。」

         「い、板踏さんを……
           ロバの板踏さんを、素材に……?」

胆石とかそういう事実は知らないが……
言いたいことは、ココロとしても、なんとなくわかる。

              ・・・・しかしこの場合何を描けばいいのだろう?
                  ロバ? 綿毛? それともロバの胆石……?

968雪の妖精フィギュア@高天原:2015/12/20(日) 16:00:16

   こそ・・・

              こそこそ・・・


妖怪『うまづら』
ttp://jin115.com/archives/51982122.html

概要:

 昼寝をしているといつの間にか家に入り込んでいる。
 家人の面倒を見、目が覚めると消えている。
 食卓には夕食が用意されており、食べると出世する。


「……『黒子』っぽい妖怪だホ。見えないところで色々やってくれるホ。
 あとは、料理に特殊な効果を付けてくれるホ。問題は馬がいないことだけど」

「まあロバも似たようなもんだホ…」


 ぼそりと呟いてこそこそしている。

969ココロ『RLP』:2015/12/20(日) 16:26:08
>>968(高天原)

「あっ、高天原さん……」

      (何でこんなにコソコソしているのかしら……?
        ま、まるで私……いえ今は自虐の場合ではないわ……)

『雪天原』に視線を向ける。
……不安な雰囲気を感じる。どうしたのか。

ともあれ彼の紹介してくれた妖怪は――

「うまづら……こんな妖怪もいるのね。」
 
             チラ

「こっちの方が……馬……
 いえ、ロバに近い気がするわね……」

         「あ、ありがとう、高天原さん。
           ……けれど、どうしましょう。」

ココロは目を少し細め、『エリーペン』を見る。

描きやすいのは――ケセランパサランだろう。だがロバっぽくない。
ロバに見た目が近いのは――うまづらだろう。だが描くのは難しい。

「エリーちゃんの絵って、見たことがないけれど……
 の、ノイズが入っているのだし……複雑なのは、辛いわよね。」

              (……どちらがいいのかしら?)

エリーの『ラフカディオ』は難解な能力だ。
ココロには未だ把握しかねているのだが……『素材に外見が近い方が良い』のだろうか?

970『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/12/20(日) 22:36:59
>>967-969

   「「「「………………」」」」

……押し黙った。
ロバがちゃんと素材になるのか? という点に確信が持てないようだ。

        「ピアノ! ピアノ! 『RLP』!」

     「……『さくらさくら』?」

一応、幸福云々を考えなければ、伴奏を行ってくれる『楽器の付喪神』などもいる。
実利を考えれば、むしろこっちの方が扱いやすいかもしれないが。

あとは、『桜の精』か。
見目麗しい女の姿をした桜の化身で、人に夢のようなひと時を与える代償に生命力を奪う妖怪である。
『生命力を奪う』という物騒な部分をどうにかできれば、客を満足させるのに適しているはずだが。

971ココロ『RLP』:2015/12/22(火) 01:32:57
>>970(板踏)

「あ……そ、そうね。
 私の『RLP』も……そ、素材には出来るわ。」

       「付喪神なら……
         ピアノそのままでも良いし……」

悪くはないアイディアだと思った。
そもそもココロの『宙に浮かぶ鍵盤』自体、付喪神っぽい。

「桜……? 鈴元君を素材に?
 ……さ、桜の妖怪、良そうだけれど……」

          (桜……妖怪らしさはあるわね。
             さ、桜の木の下には……な、なんて。)

桜の精は――生命力を奪うのがいかにもまずそうだ。
客に危害を加えるような真似は、禁止されている。

一工夫必要……エリーの画力で、一工夫は出来るのか?
ここで、ココロは浮かんでいた案を出してみることにした。

「ねえ……い、いいかしら。
 私、思ったことがあるのだけれど……」

        キョロ   キョロ

絆達を見回す。        

「的外れなら、ご、ごめんなさい。
 そのね、れ、レイク爺のことなのだけれど……」

……小さな姿。場所に憑く存在。

       「……彼を、座敷童に出来ないかしら……?」

幸せこそ呼ぶわけではないだろうが、似ている点も多い。
……童でも何でもないが、心の素直さは童と言えなくもないのでは?

972『鈴付き子狐ストラップ』@鈴元涼:2015/12/22(火) 02:25:01
>>971 (ココロさん)

「さ、桜の妖怪?」

「僕には向かんかなぁ……?」

あまり自分が妖怪になった様子が浮かばないのか微妙な感じである。

「ん?なんやろ?」

ココロの提案に耳をピコピコ動かして傾ける。

「……うふふ。」

「うん。エエんちゃう?やってみんと分からんけど……うふふ。」

「あのお人さんが座敷わらし……うふふふふ。」

973『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/12/22(火) 02:40:39
>>971

  「『レイク』……」

         「『座敷童』……」

……………行けるような、行けないような。
行けると言われれば行けそうな気もするし、行けないと言われれば行けない気もする。

  「……アドリブ?」

         「プロダクション?」

とすると、まぁ、『実際やってみる価値はあると思うし、試してみていいんじゃないか?』という結論になる。

974ココロ『RLP』:2015/12/22(火) 13:54:01
>GM
>>972-973(鈴元と板踏)

「ええ……や、やってみなければ、分からないけれど……」

              「けれど」

                 「可能性は高い気がする……
                  共通点も……けっこう、多いもの。」

         コク     コク

ココロはゆっくり二度頷く。

妖怪としての性能も高い。
『うまづら』や『楽器付喪神』はあくまで増強だが……『座敷童』は『幸せ』を招く。
つまり、既存の店のスペックと別の軸で強化できる。

「とりあえずやってみましょう……だ、駄目でもともとよ!」

            「……」

           キョロ    キョロ


レイク爺は話し合いには呼んでいないので、一階か。

「れ、レイク爺ーっ……」

控えめにレイク爺に呼びかけてみる。
来なさそうなら、こちらから探しに行こう。

975雪の妖精フィギュア@高天原:2015/12/22(火) 18:24:57
>>974

「……なんか『座敷童』よりも『ぬらりひょん』って感じがしないかホ?」

 とりあえずつっこんおく。
 が、反論はない。『ロバづら』案よりもイケそうだし。
 結果として得られる効果が同じなら、子どもだろうが爺だろうが些細な問題だ。
 それに、『あるものを全部活かす』というスタンスが好きだ。

976『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/22(火) 23:04:07
>>974(ココロ)

 ………
                     とてとてとて

「よんだかのォ〜〜〜」

やってきたのは民族衣装のようなものを
羽織った小人の老人、『レイク爺』だ。
彼が果たして『座敷わらし』の代理になるのか―――?

               「なにか、ようかの?」

977ココロ『RLP』:2015/12/22(火) 23:20:05
>>975(高天原) >>976(GM)

      コク

雪天原に小さく頷く。不安。だがやってみるのだ。

「…………」

歩いて来たレイク爺に視線を向ける。
やはり、どう見ても童ではないが……
しかしそれを言うならロバは馬じゃあないのだ。

「あ……ごめんなさい、レイク爺。来てもらって……」

           チラ

『エリーペン』に視線。
それから、レイク爺に視線を戻して。

「あの、お、お願いがあるのだけれど……
 いえ、もう、単純に言うわ。貴方を『妖怪』の素材にしたいの。」

           「エリーちゃんの能力で……
            か……描かれてくれるかしら?
            だ、大丈夫、貴方が消えたりはしないわ。」

そういうわけで、単刀直入に頼んでみよう。
しかし今日は色々な物を素材にする日だ……

978『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/23(水) 00:11:43
>>977(ココロ)
「よ……『妖怪』!?
 うゥむ、そんな事を言われるのは心外じゃが………

   ま、まァ、しょうがないから引き受けてやるわい
              それが『ココロちゃん』のタメになるのならのォ〜〜」

『レイク爺』は口では消極的だが、
なんだか妙なポーズをとり始めている。意外と乗り気なのかもしれない。

 ……… ……… ……… ……… ………

<エリーペン版『ラフカディオ』の手引き>
 ・当ミッションにおける『ラフカディオ』は絆のパワーで変質した
  『別物』であるため、『妖怪化』の判定は当方で行わせていただきます。
 ・まず、ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/530
  を元に、『想定した妖怪』の『能力』『能力値』『材料』『ルーツ』『活動範囲』を提示して下さい。
 ・『エリーの絵』が上手く描ければかけるほど、提示した『妖怪』そのものが発現出来ます。
 ・絵については本来『エリーPL』に、AAなどで実際に提示して頂き、
  その出来で最終的な『妖怪』を決定する予定でしたが、
  『エリーPL』が現在不在のようですので、
  1.他に絵(かAA)が描けるPLがいるならその方に描いて頂く(ノイズの影響)
    この場合、『素材』の要素を適度に絡めた絵にしないと減点となります。
  2.いなければ運試し(こちらを選ぶなら後ほどルールは提示)
                                         とさせて頂きます。

979ココロ『RLP』:2015/12/23(水) 01:27:38
>>978(GM)

「ええ……き、きっと私のためになるはずだわ!
 だからレイク爺……ち、力を、貴方の姿を貸してちょうだい……!」

         (い、意外にノッてるのかしら……?
           いえ、でも、嫌な気持ちもあるはずだわ。
            せめて……いい妖怪を作って、気持ちに応えるのよ……!)


        +.:♭*♪.♪*
       .♪*     +.:♭*♪.♪*
   :♯゚♪。            ♭*♪.♪*
*:.♪.:。.                    *:.♪.:。.*:.♪.:。.*:.♪.:。.
゚                                  +.:♭*♪.♪*


そういうわけで妖怪を作ろう。
まず細かいところ抜きで大雑把に行けば・・・・

1.『能力』:憑りついた場所に繁栄をもたらす。
2.『能力値』:パワーやスピードは不要。
3.『材料』:レイク爺。
4.『ルーツ』:座敷童。
5.『活動範囲』:ココロのお店に憑りつく。

「……じゃ、弱点とかも座敷童のままでいいかしら。
 いえ、弱点というか、生態みたいなものなのでしょうけれど……」

1.『能力』:憑りついた場所に繁栄をもたらす。去った場所は廃れる。

こんな感じだろうか。

「で、でも気分次第で去られたりすると、怖いわね……
 じ、時間制限式にするなんてどうかしら……都合がよすぎるかしら……」

ココロとしても、妖怪づくりというのは初めての経験なのだ……どうしよう。

980ココロ『RLP』:2015/12/25(金) 00:06:07
>>979(続き)

「去った場所が廃れる設定は……
 べ、べつに、盛り込まなくても……いいのかしら?
 伝承次第では、ないということもあるのかもしれないし……」

「でも、弱点がないと良くない気もするわね。
 い、良いところばかりというのも、何だか妖怪として不自然だわ。」

別に伝承の座敷童にこだわることもないのだが……
まあ、一から何かを作るよりは、座敷童の方がわかりやすい。

(と、とりあえず基本から詰めていきましょう。
 エリーちゃんの能力も大変だわ……みんな大変な能力なのね……)

           (妖怪ってどんな感じなのかしら……?
             よ、妖怪は……見たことないわよね……)

とりあえず、もう少し基本を詰めよう。
それからまとめに入っていき、足りないところを補完する。

                 ・・・・上手くいくといいが。

――――――――――――――――――――――――――――――――

1.『能力』:憑りついた場所に幸福をもたらし、立ち去ると幸福は消える。
2.『能力値』:小さい妖怪だし、能力にもぜんぜん関係ないので、低くてよい。
3.『材料』:レイク爺。
4.『ルーツ』:日本の妖怪(守り神)・座敷童。
         ttp://www.jiten.info/dic/asia/zashikiwarashi.html
5.『活動範囲』:ココロのお店に憑りつき、そこから出るのは立ち去るときだけ。

――――――――――――――――――――――――――――――――

981ココロ『RLP』:2015/12/27(日) 15:49:11
>>980(続き)
>GM

「と、とりあえずそんな感じでまとめてみましょうかしら……」

           チラ

     (こ、こんな感じでいいのかしら……?
       こ、答えが見えないというのは辛いわね……)

レイク爺や絆達の反応を覗いつつ。
まあ、最終的に決めるのはココロだが……

――――――――――――――――――――――――――――

――『座敷童』。
極めて著名な妖怪であり、福の神ともされる存在。
伝承に因り様々な姿を見せるが・・・・
ほぼ共通することは、『憑いた家に幸を齎す』事。
反面、去ってしまうと、その幸は消えてしまうともされる。


『湖畔』に憑く小人、『レイク爺』から描き出される妖怪。
レイク爺に似た装束を身に纏う、小さな童の姿をしている。
『湖畔』の要素を有する『屋内』にしか、召喚は出来ない。

性質は伝承上の座敷童に酷似する。
召喚した場所に憑りつき、その場所にいる者に幸福を齎してくれる。
幸福に決まった形は無いが、少なくとも悪い事にはならない。

機嫌を損ねたりすると、その場所を立ち去ってしまう。
立ち去ると、逆に、その場所にいる人には不幸が齎される。
不幸に決まった形は無いが、少なくとも良い事にはならない。

『座敷童』
破壊力:E スピード:E 射程距離:B(屋内)
持続力:C 精密動作性:C  成長性:E

――――――――――――――――――――――――――――――

「こ、こんな感じかしらね?
 き、機嫌を損ねるというのが、曖昧だけれど……」

       「レイク爺の絆の要素も取り入れるべきかしら……」

とりあえず、こんな感じでも妖怪は作れるのだろうか?
ココロが一番心配するのは、そこのところだ。

982『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/27(日) 23:04:17
>>981(ココロ)
そして『ココロ』はエリーペンの能力に基づき、
『レイク爺』を元にした『座敷わらし』を作る事とした。
―――『座敷わらし』はその名のとおり『童(わらし)』の容姿だ。
小さいとはいえ、『レイク爺』は老人の外見。
その差が悪影響を及ぼさなければいいが………。

自身の案で問題ないのであれば、それを『エリーペン』に
語り聞かせ、『レイク爺』を『座敷わらし』ぽく描いてもらえばいいだろう。
それが上手くいけば………なんにせよ『妖怪』で出来るであろうと思われた。

 『レイク爺』はすでに描いてもらう気満々で怪しいポーズをとり始めている。

(※描いてもらう場合、>>978に記した1.仲間PLが描く 2.運試し
 のどちらかを選択してください)。

983『ブレーメンの音楽隊』@板踏甲賀:2015/12/27(日) 23:22:28
>>981

    「アドリブ!」

         「アドリブ!」

    「セッション!」

         「セッション!」

――――『多分それで大丈夫なんじゃないか。後は実際に試してみるほかないだろう』。
まぁ多分そんな感じだ。
問題は無さそうに思えるし、弱点に関しても『楽しいお店』にすればなんとかなるだろうし。

984ココロ『RLP』:2015/12/27(日) 23:37:36
>>982(GM)
>>983(板踏)

「こんな感じでも作れるのね……
 じゃ、じゃあ、どうしましょう、もう少し直そうかしら……
 アドリブも大事だけれど、直せるところは直した方が良いわ。」

ピアノも同じだ。
基礎が成ってないアドリブは醜い。

         「そ、そう……言い訳みたいになるけれど……」

確かに童と老人は違うかもしれない。
なんか老人っぽい座敷童もいないものだろうか?

――――――――――――――――――――――――――――

――『黄金翁』。
極めて著名な妖怪、座敷童の伝承の亜流。
様々な地域において、座敷童に似た妖怪が存在する。
これもそのうちの一種であり、特徴的なのは姿が老人であることだ。
だが、本質的には座敷童と特に変わりない。良くある亜種と言えるだろう。

『湖畔』に憑く小人、『レイク爺』から描き出される妖怪。
レイク爺に似た装束を身に纏う、小さな翁の姿をしている。
素材の性質から、『湖畔』の要素を有する『屋内』にしか召喚出来ない。

その性質は、多くの座敷童伝承と共通する。
召喚した場所に憑りつき、その場所にいる者に幸福を齎してくれる。
幸福に決まった形は無いが、少なくとも悪い事にはならない。

機嫌を損ねたりすると、その場所を立ち去ってしまう。
立ち去ると、逆に、その場所にいる人には不幸が齎される。
不幸に決まった形は無いが、少なくとも良い事にはならない。

『黄金翁』
破壊力:E スピード:E 射程距離:B(屋内)
持続力:C 精密動作性:C  成長性:E

――――――――――――――――――――――――――――――

             ・・・・やっつけだが、元より整合性があるのでは?

「……じゃ、じゃあ、やってみましょうかしらね。」

エリーペンに視線を向けて。

         「エリーちゃ……隊長。
           こんな感じで描いていただけるかしら……」

お願いする。
あとはエリー画伯の筆力に期待だ。

……ノイズのおかげでかえってよくなるかもしれない?

(*1を選択するするつもりです。
  レイク爺の姿はイメージでいいのでしょうか?)

985『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/27(日) 23:52:37
>>984(ココロ)
『ココロ』はアドリブを交えて、エリーペンにお願いする。
エリーペンの『ノイズ』は酷いようだが、それが逆にいい方向に転がるかもしれない。

エリーペンは手早い動きで『黄金爺』を描き始める―――

(※GMのレイク爺イメージ画像です。参考までに
  ttp://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/g6622067.jpg)

986ココロ『RLP』:2015/12/28(月) 02:30:59
>>985(GM)

       ・・・・

        ・・・・

         ・・・・そして。

    ピタ

エリーペンの動きが止まった。

「あっ……で、出来たみたいだわ……!」

どうやら完成したらしい。
ココロはエリーペンの描いたイラストを見る。

――――――――――――――――――――――――――――――

『黄金翁』イラスト:
ttp://ux.getuploader.com/goldrectangle/download/300/IMG_3074.JPG

987『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/28(月) 23:15:28
>>984(ココロ)
エリーペンが描きあげた『黄金翁』―――
意外とリアルな造詣、これなら………

   しゅうううううううううううううッ!

『ワレは……』
         『ワレは……』
                     『オキナ……』

 『こがねおきな ジャアアアア――――!!』

そして! エリーペンが描きあげた『絵』から生まれ出たのは!
    『レイク爺』とよく似た存在の『妖怪』だ!
 なにやら神々しさすら感じるこの『黄金翁』………

  能力は抽象的ではあるが、
    とりあえず彼がいれば上手くいくような、そんな気がした。

988ココロ『RLP』:2015/12/28(月) 23:53:28
>>987(GM)

「えっ……」

(エリーちゃんってもっとカワイイ絵を描くと思っていたわ……)

        (の、ノイズかしらね、ええ。)

   しゅうううううううううううううッ!

「ひぃっ……」

そうこうしてると黄金翁が出てきた。
畏れるココロ……何とも不気味な怪物だ。

            ・・・・レイク爺はどうだろう?

「はっ……初めまして。黄金翁さん。
 わ、私が貴方をこのお店に……しょ、招待した、ココロです。」

      ビクビク

おそるおそるあいさつする。

        (れ、レイク爺より怖そうだわ……)

そういえば、こいつ、解除したらどうなるだろう?
いきなり不幸に見舞われたりするんだろうか?

        ココロ的にはその辺の融通の利く翁であってほしいが……

989『ある種の異能は場所に憑く』:2015/12/29(火) 00:18:26
>>988(ココロ)
「ほうほう―――ほほうほう!」

『レイク爺』は自分が元となった『翁』の姿に感銘を受けているようだ。

   ぎ ろ り

『黄金翁』は、そんな『レイク爺』を睨みつける。
『レイク爺』は慌てて、『ココロ』の後ろに隠れた。

 ………

この『黄金翁』、絵が上手くいったからか、
『ココロ』の語ったとおり(>>984)の性質になっていると思われた。
しかし、その性格までは提示されておらず、何に機嫌を損ねるかは『未知数』だ。
とりあえず居てくれれば『幸福』にはしてくれる………はずだが。

 『………』
               ぎ ろ り

なぜだか『ココロ』も睨まれた。
いや、ただ見ているだけかもしれないが………。

990ココロ『RLP』:2015/12/29(火) 01:12:43
>>989(GM)

「ひぃっ……」   ビクッ

(れ、レイク爺ったら隠れないでちょうだいよ……
 い、いえ、自分に似た妖怪なんて、怖いわよね、けど。)

    シュン

      「……ご、ごめんなさい……」

レイク爺と違い可愛げがない顔だ・・・・
普通にかなり怖いし、いきなりにらまれると困る。

(き、機嫌が悪いのかしら……
 もしかすると、急に呼び出されて怒っているんじゃあ……?)

  「あ……あの、ごめんなさい。
    もしかして、お、お忙しい感じでした……?」

               オソルオソル

『黄金翁』・・・・ 

      これは、一筋縄では行かない感じか?

991『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/01(金) 22:44:56
>>990(ココロ)
『ワレは…』『家ニ憑ク…』

『黄金翁』―――絵柄に影響されたのか、
思ったよりもずっといかめしい存在だ。
そしてココロの問いに反応せず。
そもそも話が通じるのかどうか………

      『ココに…』『湖のニオイはナイ』

『黄金翁』はキョロキョロと周囲を見回して呟く。
二階……メイン会場でないここはお気に召さないようだ。

992ココロ『RLP』:2016/01/01(金) 23:06:11
>>991(GM)

「……あ、あの……」

    (ど、ど、どうしましょう……
      もしかしてよくないものを呼んでしまったんじゃあ……!?)

もっと可愛く描けば――
もとい、描かれていれば。

       ・・・・いやしかし誰も責められまい。

「み、湖……あ、あの、ごめんなさい。
 この下の階は、み、湖っぽいんじゃあないかしら……」

          オソルオソル
            オソルオソル

すごくおそるおそる、『黄金翁』に声を掛けてみる。

                  ・・・・耳は聞こえるのか?

993『ある種の異能は場所に憑く』:2016/01/01(金) 23:52:55
>>992(ココロ)

『シタ……』
           『ココデハない』
                       『次のバショ……』

どうやら耳は聞こえているようだ。
『黄金翁』にはこの場所は似つかわしくないのだろう。

 『次の場所』を求めて、彼はゆっくりと移動を始めた―――
 とりあえず『ココロ』も彼に続き、『移動』を行うのがいいのかもしれない。


                                          → TO BE CONTINUED
              (続きはttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1451658546/)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板