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[Sorcerer]ソーサラースレ Part25

168名無しさん:2016/03/03(木) 16:35:18 ID:xCVgQAUo
エンタングルメントとは、 二つ以上の離れた系の間に見られる量子力学特有の相関です。 夫婦が一人ずつ東京と大阪に旅行したとき、 大阪に行ったのが女と観測されれば、 東京に行ったのは男と瞬時にわかります。 これも相関ですが、 二人がどちらに行くか決めて別れた時点でコトは終わっていたのです。 これは古典的相関と呼ばれます。 ところが量子論では二つの粒子が別れた後も見えない赤い糸で結ばっていることがあります。 たとえばベル状態と呼ばれる二つの光子は片方が偏光メガネを通過すればもう片方は通過しないという相関がありますが、 これだけなら古典相関です。 でも大阪で誰かが全然別の偏光フィルタで篩いにかけるという操作をすると、 東京の光子はその篩いを通らない性質を持つように変わります。 これをもっと進めて組合せ事象を吟味すると、 個々の確率分布や合成確率分布などで説明できない事象、 つまりどう考えても後ろで赤い糸で結ばっているとしか考えざるを得ない事象が出てきます(ベル不等式の破れなど)。 これはエンタングルメントが古典論で説明できない一例です。 その赤い糸の強さがエンタングルメントの強さになりますが、 いろいろな定義があって理論上の統一を見ていません。 でも大ざっぱに言って0%がエンタングルメント無し、100%が完全なエンタングルメントを表すように作られています。
 何かをするときエネルギーが必要なように、 また何か秩序立った構造を作ろうとするときエントロピーの捨て場所が必要なように、 量子情報処理をするときにはエンタングルした粒子ペアをたくさん準備して、 それをリソースとして使います。 すなわちエンタングルメントは量子コンピューティング・量子暗号・量子テレポーテーションなど量子情報処理を成り立たせる根源的概念です。
 一度作ったエンタングルメントが簡単に壊れなければ話は楽なのですが、 エンタングルメントは外界の雑音の影響を受けやすいのです。 光子を光ファイバーで遠くに運んでいる間に、 あるいは情報をメモリーに保持している間に弱まって行きます。 一度弱まったエンタングルメントは、 ペアを成す二つの粒子を再び同一地点に持ってこない限り、 回復することはできなくなります。 つまり減る一方です。 しかしこのようなペアがたくさんあると、 それらを一括操作することによって、 エンタングルメントを回復した少数のペアを抽出することが理論上可能です。 大阪に来た粒子達を一堂に集め、 東京は東京で一堂に集め、 東京-大阪間の電話連絡は許すとすると、 そこからエンタングルメントが回復した粒子ペア(東京-大阪にまたがる一対の粒子ペア)が何対か得られます。 これがエンタングルメントの蒸留です。 このようにエンタングルメント蒸留はより大規模な量子情報処理実現のために不可欠な応用技術ですが、 後述するように、 より原理的意味もあります。

もし期待値の計算の仕方が分からなかったりするなら、教えてあげるから恥ずかしがらずに聞いて。ただ、大学行くぐらいの理解力が無いとチンプンカンプンかもしれないです。




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