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バトルロワイアルぺティー
271
:
リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>
:2004/06/02(水) 21:34 ID:2KqO5TgA
以前の行動
>>263
〜
>>265
時刻は、一時五十六分だった。永良博巳(男子十二番)は、自分の支給武器の、催涙スプレーを持っていた。万が一、誰かに襲われた時にやられないように、一応自分の武器も持っていくということにした。
そして、梁島裕之(男子二十番)は、元々は初島勇人(男子十五番)の武器だった、SIG P226を手にしていた。
銃と痴漢よけスプレーだと、何となく自分が情けない感じなので、梁島の持っていたナイフも博巳が持っていることにした。よし、準備は完璧(?)だ。
また、ドアをコンコンと叩く音がした。
「おい、行くぞ」梁島は中には入って来ずに、ドアの外から言った。
う……何だかドキドキしてきた。おれ達は生きて帰れるのかな。
博巳は短く深呼吸をして、ドアを開けた。
「なるべく早く帰ってこよう」梁島は言った。
「おう!」博巳は大きく頷いた。
本当は、少し怖かった。
「……何だったら、おれ一人で行ってもいいけど」梁島が言った。
博巳はぎくっとした。もしかして、おれが怖がってることに気づいたのか?
「いや、行くよ! 絶対行くから! 何が何でも行くから!」博巳は言った。
それを聞いて、梁島はプッと笑った。「ならいいや。面白いな、あんた」
面白い? いやはや、そんな。
「まあ頑張ろうぜ」
「お、おう!」博巳はまた、強く頷いた。
外へ出ようとした時、梁島が言った。「そうだ、あの二人に言っておかなきゃな」
「あ、そうだな……」博巳は鼻の頭を掻いた。
先ほどの場面が、頭の中でフラッシュバックした。
勇人とはまだ、気まずいままだった。
梁島が言った。「やっぱり初島を残して行くのは、ちょっと不安だな」
「何で?」博巳は訊いた。
「実を言うと、おれは新島を信用してない。まるっきりただのカンなんだけど、何か引っかかるんだよな」
「そうかなあ? いつもあんなんだけど」
梁島は言った。「初島は武器もないし、一緒に連れてくか」
博巳はぎくっとした。まだ、一緒にはいたくない。全く許せてないんだ。無理だ。
「大丈夫だよ。敏紀はああ見えて悪い奴じゃないんだ。心配しすぎだって」
「そうかな……」梁島はまだ、何かを考え込んでいた。
「お願いだから二人で行こうよ。今喧嘩してて……」
梁島は博巳を見て数秒沈黙したが、わかった、と頷いた。
「じゃあそこで待ってろ。初島に言ってくるから」
梁島は勇人のいる部屋に向かっていった。
博巳は少し大袈裟に「はー」と、ため息をついた。
これから先、こんなことでやっていけるのかな。まあ、もうすぐ死ぬかもしれないんだけどさ。
死という言葉を頭の中に浮かべて、博巳はまた怖くなった。
死ぬのか? おれも、梁島も、勇人も敏紀も、クラスの奴らも。みんな、みんな死ぬのか?
体がブルブルと震えた。背筋を、悪寒が突き上げた。
何で突然……こんなに怖くなるんだ!
いや、本当は、ずっと怖かった。しかし、必死で、その言葉を忘れようとしていたのだ。体の震えが止まらなくなっていた。
「大丈夫?」
唐突に声が聞こえたので、博巳は後ろを振り向いた。梁島と、勇人が立っていた。
「ああ……」博巳は頷いた。
勇人は心配そうに、博巳の方を見ていた。「じゃあ、気をつけてな」と言った。
博巳はコクリと小さく頷き、「行こう」と言って、梁島を促した。
ドアを閉める時に、一瞬見えた。勇人が、悲しそうな顔をしているのが。
博巳は、何だか複雑な気持ちになった。でも、許してやる気は毛頭ない。どっちも許さない。当たり前だろ? そんなの。
博巳は怖い顔をして、そのまま歩いていた。
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