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バトルロワイアルぺティー

219リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/05/09(日) 00:15 ID:2KqO5TgA
以前の行動>>211>>212

 笹川加奈(女子十四番)は、丘のふもとを歩いていた。

心配になっていた。和輝はどうなったんだろう。
先に逃げてきちゃって、本当に大丈夫なのかな。

でも、せっかく和輝が助けてくれたのに、私が戻ったら、きっと和輝に悪いと思う。
「死なないって言ったんだもん。死なないよね……」

――本当に? 本当に死なないの?
加奈は不安になった。薫の時みたいに、私がいない間に死んでたら、どうしよう。
いや、そんなことない。和輝は死なないよ。何となくだけど。


とりあえず、洞窟を探さなきゃ。加奈は歩いた。

地図を見た。丘の右側……どっち? 加奈は方向音痴だった。
下に降りて、右に曲がってみたが、それらしき物は見当たらなかった。


涙ぐんだ。和輝もいない。武器もないのに、どうやって、生き残れって言うの?
和輝……帰ってきて。お願いだから。

自分が、思っていた以上に和輝に頼りっぱなしだったということに気づいた。
私って嫌な奴かも。こんな時でも自分のことばっか考えて。加奈はため息をついた。


――何?


加奈はビクッと震えた。自分が通ってきた丘を見た。およそ、ここでは聞こえるはずのない音が聞こえていた。


えっ、えっ! 有り得ないよ。ってゆーか、車とかずるいし。どこで見つけたの?
加奈の頭は真っ白になった。あんなんで轢かれたら、一発で死んじゃうじゃない!
腰を抜かしていた。


間抜けなクラクションの音が聞こえた。

「逃げんなよ!」車に乗っていた誰かが叫んだ。
バタンとドアを開ける音がして、男が中から出てきた。

「ひさしぶりー」

北川哲弥は、加奈のすぐ傍までやってきて、言った。「洞窟探してんの?」



加奈は黙ったまま、目の前の出来事を整理していた。
何で北川先輩がこんなところに。まさか助けにきてくれたとか? ……まさか。

「送ってってあげるよ」哲弥が加奈の腕を取った。加奈は我に返った。
「あ、いいです。もうわかったんで!」
「さっきっから同じとこぐるぐる回ってたくせに」哲弥は笑みを漏らした。「遠慮しないで乗ってきなよ。別に取って食ったりしないから」


加奈は、自分の置かれている状況がうまく把握出来なかったが、いつの間にか車に乗ってしまっていた。


訊いた。「あの……ここで何してるんですか?」
「休憩入ったから、散歩」
……何だそれ。

「気楽でいいですね。見てるだけの人は」
北川は不思議そうに加奈を見た。「何で怒ってんの?」

久しぶりに会った好きな人が、いつの間にか政府側の人間になってて、お前ら殺しあえって言われたら、誰だって怒るっつの。

「まあ、俺だって好きでこの仕事やってるわけじゃないし」
「早く発車してください」
「はいはい」北川は運転を開始した。

加奈はハッとした。「そうだ、和輝が丘の上にいるんです! 迎えに行かなきゃ……何もわざわざ洞窟なんか行かなくても……」
「へー。和輝って新しい彼氏?」
「違います! とにかく急いでください」


北川はハンドルをきった。全然反対の方向へ進んだ。

「ちょっと! 丘はあっち!」
「まあいいじゃん。ドライブしようよ」
「しません! もう、降ろしてくださいー!」加奈は叫んだ。

こんなことしてる場合じゃないのに。こうしてる間にも和輝は――
丘を見つめた。和輝の姿も、信介の姿も見えなかった。
加奈は不安に駆られた。


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