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バトルロワイアルぺティー

211リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/05/06(木) 22:12 ID:1Nf1VncU
以前の行動>>206>>207

「きゃあああああ!」
 笹川加奈(女子十四番)が驚いたように叫んだので、千嶋和輝(男子九番)は振り返った。

そこには、顔が土気色に変色し、目は不自然に黒目の部分が少なく、口から血をゴボゴボと吐き出しながら、まるで壊れかけのロボットのように走ってくる、代々木信介(男子二十一番)が、いた。

「うわっ、何だあれ!」和輝は叫んだ。

信介は声を上げながら、凄い形相で襲いかかってきた。
あまりの出来事に、和輝は引き金を引くのを忘れていた。
恐怖でいっぱいになった。そうだ、撃たなきゃ。

だが、もう遅かった。信介は和輝に飛びかかったまま、銃を奪おうとした。
「うわああ」

……何でそんなに走り回れるんだ? 背中に穴が開いてるんだぞ。おかしいだろ。

ともかく、和輝は叫んだ。
「早く逃げろ! こいつに追っかけられないところまで逃げろ!」
加奈は首を振った。
「いいから逃げろって!」和輝は悲痛な叫びをあげた。


信介が和輝の銃をガッと掴んだ。和輝は必死で振り払った。
が、信介は離れてくれない。二人はもつれ合ったまま、倒れた。

信介は和輝の髪を掴んだ。銃を恐ろしいほどの力で捻じ曲げた。
「逃げろよ!」和輝は叫んだ。


しかし、加奈は何を思ったのか、和輝と信介の方に走ってきた。

あっ、馬鹿。

信介に思いっきりタックルした。
信介は苦しそうな表情をしたが、加奈を突き飛ばした。

あっ……

「てめー!」和輝は信介に襲いかかった。

銃を発射しようとしたが、信介の馬鹿力はそれを承知しなかった。

和輝と信介はドサッと地面に倒れ込んだ。すぐ近くには階段があった。
落ちたら……どうなるんだろう。

満員電車でもみくちゃにされた時のように、しんどかった。
そして、降りるはずの駅で、人がどいてくれないぐらいに焦っていた。

和輝は必死で、信介の腕を引き剥がした。そして、加奈の手を引っ張って逃げた。
「うわああ」

信介は凄い速さで追い掛けてきた。
信介が走った道には、血で出来た道が続いていた。
だから何で死なないんだって! 和輝はそうつっこみたかったが、そんなことを言っている場合ではなかった。

和輝は呟いた。「俺があいつの関心を引くから、そのうちに逃げろ。洞窟を探して、そこにいろ。俺も後で行くから」
「でも……」
「いいから」和輝は、少し笑顔を見せた。「大丈夫、死なないから」

格好をつけたつもりだった。加奈は悔しそうな、悲しそうな複雑な表情を見せた。
「わかったろ?」

振り向くと、信介はすぐ傍まで迫ってきていた。
和輝は加奈の手を離した。

信介は目いっぱいジャンプして、和輝に跳びかかった。


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