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バトルロワイアルぺティー

208リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/05/05(水) 14:54 ID:1Nf1VncU
以前の行動>>194>>196

 飛山隆利(男子十七番)は、G=9で、高城麻耶を待っていた。
生徒全員が聞いているのに、一人の人間を呼び出す。それは危ないことだとはわかっていたが、麻耶にどうしても会いたかった。

あいつ、今ごろ一人で、泣いて……はいないだろうけど、寂しがって……もいないかな。でも、少しでもオレに会いたいと思うなら、きてくれるはずだ。

……思うかな? 思わなかったら――
オレはやる気になってる奴に襲われて、死亡ってっとこかな。


ありえそうで、少し怖かった。まあ、何だかんだ言ってもクラスメイトだ。本気で殺し合いなんて、起こるはずないだろう。隆利はそう思った。


隆利は辺りを見回した。小さいが、割合綺麗な部屋があった。ここの放送室の声は、公園全体に聞こえるようだ。ドアには鍵がない。
もっかい呼び出してみようかな。
……やめとくか。さすがに。

隆利は支給武器の刀をブラブラさせながら、麻耶を待った。
割といい武器だと思った。幼少時代から剣道を習っている隆利には、ピッタリというべき物だった。でもやっぱ、本物は重いな。

そんなことを考えていると、隆利のいる放送室(と呼ぶべきか)のドアが開いた。

麻耶か? 期待を胸に、ドアを見つめた。


……がっかりした。そこにいた人物は、高城麻耶ではなかった。



「ひゃっほう! 飛山クン」
派手なシャツをきていて、蛇のような鋭い目をしていて(今にも噛まれそうだ)、手の甲には蝶のタトゥーが美しく彫られていた。
塩沢智樹(男子五番)は、やけにテンションが高かった。

「元気ー? あんたの彼女の代わりに、来てやったよー!」
きてくれなくていい。
こいつは、やる気なのか? 隆利は少し怖くなった。

「いいねえ。彼女呼び出して、ここで乳繰り合うんだ? へー。それはそれは……」
「別にそんなんじゃ……」
隆利の言葉を遮って、塩沢は言った。「高城を呼んでたろ? それで考えなかったの?」

塩沢はデイバックを近くに投げ、近寄ってきた。
隆利は右手にある刀を握りしめ、様子を窺った。何をだよ。

塩沢は続けた。「誰かがお前を殺しにくるって可能性を、考えなかったのかよォ!」
塩沢はそう言うと、隆利に向かって襲いかかってきた。


「うわっ」隆利は近くにあったゴミ箱のフタで、斧を受け止めた。

カッ、と小気味よい音がして、斧がゴミ箱のフタに突き刺さった。
「お願いだ、やめてくれ!」
隆利は必死で説得したが、塩沢はゴミ箱のフタを投げ捨てて、ニヤリと笑った。
「やーだね」そしてまた襲いかかってきた。


隆利は、滅茶苦茶に斧を振り回す塩沢から、必死で逃げ回った。
「ホラホラ、逃げてないでその刀使えばー?」塩沢はおちゃらけた調子で言った。
笑っていた。今の状況を、心から楽しんでいるようだった。

チクショウ。調子に乗りやがって。隆利は刀を構えた。「わかったよ。使ってやるよ!」刀を構えたその瞬間、表情がガラリと変わった。



何だコイツ。刀持った瞬間に顔が変わった。智樹は少したじろいだ。
剣道の腕前は、二人とも大体同じくらいだった。しかし、二人の間にどこか差があるとしたら、それは精神力の違いなのだろう。


「負けてたまるかよおおおお!」
智樹は斧を振り回した。

キーンと音がして、斧の動きが止まった。

隆利は刀で、斧を受け止めていた。

ギリギリと刃が合わさる音がして、隆利と智樹は刃物越しに睨みあった。


だが、智樹の口からは、不意に笑いが漏れた。
フッ、お前の刀じゃ、オレの斧には勝てねえよ!

智樹は持ち前の力で、思いっきり斧を振り下ろした。


カキーンと音がして、隆利の手から、刀が離れた。

へへへ、これでオレが勝ったも同然だな。
智樹は斧の持ち方を変えた。
簡単に殺すのはつまんねーから、取り敢えず脚でもぶった切ってやるか。

何しろ、隆利の右脚は智樹の方に投げ出されていた。武器もない隆利は、智樹にとって、羽をもがれた小鳥のようなものだった。

智樹はニヤニヤとしながら、斧を振り下ろそうとした。
「死ねよ。オラッ!」


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