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バトルロワイアルぺティー

194リズコ </b><font color=#FF0000>(CMFYrBvc)</font><b>:2004/05/01(土) 17:17 ID:1Nf1VncU
また訂正。
↑と同じ場面。きゅうすが特殊警防に変わってました。

 高城麻耶(女子十七番)は、G=7の森の中を、スタスタと歩いていた。
まさか、自分が、あの“プログラム”に参加することになるとは、思っても見なかった。

麻耶は近くに腰を下ろし、ため息をついた。


いいの、わかってる。私はこんな殺し合いゲームの中でなんて、死ぬことはない。死ぬ気がしない。私の第六感がそう言ってる。だから信じる。

麻耶は昔から、どこか人とは違う、不思議な力がある女の子だった。
と言っても、他の人よりもカンが冴えていたり、占いが得意だったりするだけで、超能力があるというわけでは、決してなかったが。

でも、ここぞという時のカンはよく当たる。
麻耶はそれで何度か、ピンチを乗り越えてきたのだ。
だから私は死なない。生き残ってみせる。

麻耶は自分の左手に握られている(余談だが、麻耶は左利きだ)、文化包丁を見つめた。

あーあ、こんな物持って歩いてたら、まるっきり自分が殺人鬼になった気分になるじゃない。
包丁のきらりと尖った刃先を、右手の人差し指で触ってみた。
それも、悪くないのかな。麻耶は大きめの口を横に広げ、少し笑った。


麻耶は美しい少女だった。長く綺麗な黒髪、横に広い漆黒の目、細く理知的な鼻。まさしく、和風美人といった印象だった。
伊藤愛希(女子五番)がフランス人形だとすれば、麻耶は日本人形のイメージだろう。

にもかかわらず、麻耶は少し癖のある性格をしていたので、クラスには親しい友人などいなかった。
まあ、本人的には、私には友人なんていらない。そんなモノ、生きていく上で必要があるとは思えない。という感じだろうか。

でも、こんなことになったら、やっぱり一人は寂しかった。
麻耶は近くにあった花を見て、フッと笑った。

私には友達もいないし、恋人だっていない。
両親だって、私が小さいころに死んでしまったし、一人っ子だから兄弟もいない。
それについては寂しいと思ったことはなかったけど。
(いや、もしかしたら、心の奥では思っていたかもしれない)

私はいつも強く生きていると思っていたけど、たまに。こういう気分になる時だってあるんだ。
麻耶は、自分が泣きそうになっていることに気がついた。

麻耶はハッとして、目をぱちくりさせた。何、感傷に浸ってんだか。
今日は、何だかおかしい。いつもは全然平気なのに……

やはり、殺し合いゲームが、自分の心を弱くしているらしかった。
でも、くだらない感傷を起こしている暇は、ない。

とにかく、今は生き残ることだけを考えなくちゃ。このまま一人で行動するべきか。それとも仲間を作るべきか。

……仲間か。麻耶は考えた。私はいつも一人でいたから、信用してくれる人なんていないだろう。
ただ一人を除いては――

麻耶の頭に、一人の男子生徒の顔が浮かんだ。

飛山隆利(男子十七番)。あいつなら、信用してくれるかもしれない。


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