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他人が書いた小説の一部を批評するスレ

1イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/20(金) 16:17
 書いてみたはいいけど、この表現どうなの?会話シーンに自信ないんだけど、ちょっと見てもらいたい・・・。
 そんな悩みを抱えるあなたは、このスレに、書いた作品の一部を載せてみましょう。
 ついでに、執筆上の悩みもガンガンぶちまけましょう。
 
 投稿する際には、あまりに長いのは避けてください。また、このスレはオリジナル限定とします。
 その他は、ライトノベルであれば、ジャンルその他は問いません。

1605イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/08(火) 00:29:05
>>1604
普通に読めますし、きちんと描写になっていると思います。
気になったところは――

>ピントの合わないレンズ
眼球の比喩なのか本当の眼鏡なのか分かりません。

>その泣き声は、康介を安心させるには十分であった。
泣き声で安心するかどうかは、微妙なところかと。
痛くて泣いてるのかも知れませんから。
その泣き声はどういう性質の泣き声なのか、主人公の主観ででも書いておいた方が分かりやすいです。

>僅か一瞬
修飾するまでもなく、「一瞬」は「僅か」です。

>幕がかかったかのようにボヤける
膜の誤変換ですか?

>見慣れた白い康介のスニーカー
「見慣れた」「白い」「康介の」と、少し修飾しすぎです。

>その赤に比例するように、スニーカーを中心に赤い水溜りが広がっていく。
熱い、という描写と合わせても、足がちぎれていることが分かりづらいです。
ですが、後に明記することによって「あぁちぎれてたのか」と思わせるためなのであれば、問題ないです。

――このくらいでしょうか。
あと根本的な問題に「子供を助けて車に轢かれる主人公ってどうよ?」というのがありますが。
どういうつもりでこの冒頭にしたのか、教えてほしいですね。

1606イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/08(火) 09:46:35
さて、横だけど、

>僅か一瞬

>見慣れた白い康介のスニーカー
は問題が無いように思います。

「僅か」は程度の修飾で、「一瞬」は「瞬き一回分の時間」という具体的な数量。
つまり「たった二、三滴」というのと同じような文法かと。

そして、スニーカーに関してはこの三つの修飾は必要では。「見慣れた」がないとあっさりしすぎだし、「白い」は血で赤く染まる演出に必要、
そして「康介の」がないと、文面から推測はできるものの「子供のもの」にも思える。

ただし、
>康介はその白いスニーカーを睨みつけた。
>白いスニーカーが変わって行く。
の「白い」は抜くべき。

あと、俺は読んでいて>>1605を目にするまで「足が千切れている」ことには気が付かなかった。これは本当にわかりにくいと思う。
せめて、
>赤い水溜りが広がっていく。
の後ろに肉塊に関する記述を入れるか、最後のセンテンスの
>左足だけは未だに

左足の本来あるべき場所は未だに
としてみては?

1607イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/08(火) 17:42:24
>>1604
これは始まりかな?
だとすると状況がすぐ伝わらないかな
親切な文とは言えない
でも熱意というか、やる気は感じられる
「電波的彼女」に近い感じ

ぜひ、いろんな書き方に挑戦して欲しい
伸びる人と見た

1608イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/08(火) 19:00:52

>>1605
この話は義足をテーマに扱っていこうと思っていますので、こういう始め方にしました。
ひとまず、漠然と"左足がない"ということを匂わせておきたかったのです。ですので、これは冒頭と言うよりプロローグなのかもしれません。
批評ありがとうございました。

>>1606
確かに分かりづらいです。。最後の部分と、左足の描写を修正します。
批評ありがとうございます。


>>1607
批評ありがとうございます。
あまり深く描写すると、後の展開が読めてしまう可能性がありますので、先にも述べました通り"左足がない"ということだけを、読者に意識させようとしました。話の前提を知っておいていただきたかったのです。

1609イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/09(水) 00:38:01
前後の状況が分からない、一場面だけの批評を求められても困る訳だが……

1610イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/09(水) 23:39:01
>>1609
スレタイ嫁

1611イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 00:45:08
 月は、どこで見ても同じだと思っていた。
 ……月まで、こんなに遠いなんて。
 冴え凍る夜気に自分の体を抱きしめながら、少女は天空遥かに浮かぶ満月を見上げていた。
 故郷の月は、もっと手の届きそうに近かった。
 都の月はこんなに遠く、風はこんなにも冷たい。
 体はすっかり冷えきっていたし、明日も朝から稽古がある。早く戻って休まなければと思うが、いまは、まだ教坊に戻る気分にはなれなかった。
 ……みんな、元気かな。
 白く光る月に、懐かしい面影が、浮かんでは消える。――父に母に、弟や妹たち。
 一番年上の自分が、一番先に売られるのは、仕方のないことなのだ。そうしなければ、弟妹たちが食べていけない。二番目の弟の修安。あの子は頭がいいから、できれば塾に入れてやりたい。勉強すれば、あの子はきっと、立派になる。
 だから、泣いてはいけない。皆のために、家を出たのだから。
 そう思って、少女は唇を噛みしめる。
 それでも月を見上げる大きな瞳は、水面のように揺らいでいた。
 ……みんな、きっと元気。だいじょうぶ。あたしも、元気。だから泣いたらいけない。泣いたら――
「誰か、そこにいるのか?」
 ふいに声をかけられて、少女はひっと悲鳴を上げ、振り向いた。その途端、堪えていた涙が一滴、頬をこぼれ落ちる。
 月明かりの下、少年が立っていた。
 十六、七歳くらいで、きちんとした身なりをしている。少なくとも、夜回りの番兵ではなさそうだが――
 その少年が、少女のほうに歩み寄ってきた。
「……泣いているのか?」
「なっ、泣いてない、ですっ」
 とっさにそう言って、少女は慌てて頬をごしごしと擦った。
「どうしたんだ、こんな夜更けに、こんなところで。……どこから来た?」
「……教坊……」
 答えながら、少女は少年を見上げた。
 上品で、やさしい顔をしている。
 自分の知る男どもといえば、ごつごつした石くれのように粗野な者ばかりだが、この少年は同じ石でも、磨き上げた宝玉のようだと思った。
 それでも軟弱そうには見えないのは、凛とした涼やかな眉と、意志の強そうな瞳のせいだろうか。
「教坊ということは……おまえは、妓女か」
 言い当てられて困ることもないはずだが、何となく気恥ずかしくて、少女は首をすくめ、小さく頷いた。
「教坊でも、皆もう休んでいるだろう。こんな夜更けに、こんなところまで歩いてきて、どうかしたのか?」
「……」
 どうとも答えられず、少女はうつむいた。
 すると少年は、少女の目の高さに合わせるように屈み、その顔を覗き込んだ。
「怒っているわけではないんだ。あまり長く外にいては、体を悪くするから。外にいなくてはならない訳でもなければ、戻ったほうがいい」
 穏やかな口調に、少女はおずおずと顔を上げた。
 少年は、微笑んでいる。
「……月が」
「月?」
「見たくて……」
 たとえここが城壁に囲まれた大きな都でも、その真ん中の広大な宮殿の内でも、月だけは、故郷と寸分違わないと思ったのに。
「……月か」

1612イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 00:45:51
 少年は上に着ていた長い衣を脱いで、少女の肩に掛けた。小さな少女には幾分大きい衣は、裾が引きずれてしまう。
「晩冬の月見も、悪くはないな。一緒においで」
「え、でも、あの……」
 少女は慌てた。宮殿のこんな奥に、夜更けまでいられるとすれば、相当位の高い官吏か、あるいはもっと身分ある――帝の縁者ぐらいのはずだと、急に気づいたからである。
「ここは風が通るから。どうせ月を見るなら、風を避けられるところがいい」
「……」
 誰なんだろう。
 少年は歩き出そうとしたが、立ちすくむ少女に苦笑して、戻ってきた。
「大丈夫。すぐ近くだ」
「……」
「名は?」
「……え?」
「おまえの名だ」
「……愛鈴」
 少しためらって、少女――愛鈴は、名を言った。田舎者のくせに、ずいぶん可愛らしい名前を持っているものだと、ここで名乗るたびに笑われている。
「愛鈴か。良い名だ。おまえによく似合っているよ」
「え……」
 からかわれているのかと思ったが、少年は先ほどと変わらず、穏やかな笑みを見せていた。
 ……いい人なんだ。
 きっと人を笑ったりしないのだろうと、愛鈴はほっとして、ようやく少年について歩き出した。
 ところが、少年の行く先に番兵が立っているのを見て、愛鈴は足を止める。
「どうした?」
「だって、あの」
「遠慮することはない。この先は、私の庭だよ」
 ……私の?
 宮殿に来て日が浅い愛鈴には、まだ教坊の中とその周辺ぐらいの建物しかわからず、いったい誰の庭に案内されようとしているのか、見当もつかなかった。
 だが官吏であれば、まさか宮殿に自分の庭を持っているはずはない。それに、官吏にしては、少年は若すぎる。
 躊躇する愛鈴の前で、少年を見た番兵が姿勢を正した。
「おかえりなさいませ!」
「御苦労だったな。もう番所に戻る時刻だろう。構わないから、下がっていい」
「は。では失礼いたします、慧俊様!」
 ……慧俊様?
 その名は、聞いたことがある。いや、ここに来て、真っ先に聞かされた。
 我々、宮殿の妓女は、この猿国の帝様にお仕えする身です。しかし帝様は、最近病がちで御気分が優れません。我々が日頃鍛えた技芸を御披露するお相手は、いずれ帝様の後継ぎとなられる太子の慧俊様、あるいはその弟君の昇貴親王殿下、さらには貴族のお歴々が主となるでしょう――
 慧俊様。
「……太子の……慧俊様……?」
 愛鈴の肩から、衣がすべり落ちる。
 いずれ帝となる人物であるかもしれない少年は、苦笑して衣を拾い上げ、もう一度愛鈴に羽織らせた。
「いかにも私は陸慧俊だが、おまえが気にすることはないよ。今夜はただの、月見の相手だから」
 気にするなと言われて、気にせずにいられる者がいるだろうか。愛鈴は思わず後ずさりして――衣の裾を踏んでしまった。

1613イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 11:31:13
少女小説かな?

>月は、どこで見ても同じだと思っていた。
>……月まで、こんなに遠いなんて。

同じ単語から始まる文の繰り返しは読んでて違和感を覚えます。
韻を踏んだりリズム感をつけたいとか特別な意図があるなら別だけど。
しかも出だしからコレだと読者側が物語に入りにくい

>一番年上の自分が、一番先に売られるのは、仕方のないことなのだ。
>上品で、やさしい顔をしている。

特別おかしいわけでもないけど、句読点の位置がちょっと気になった
まあこれは好みの問題ですね

雰囲気は素敵です。読みやすかったし。
頑張ってください

1614イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 12:55:58
>>1611
一つだけ感じたことを。
筆者が頭にある情景・人称・心理で書いた文が、必ずしも読者と一致するとは限りません。
>>1613さんも言ってますが、最初の書き出し二行で地の文に二通りの文体があると、
大抵は違和感を覚えてしまいます。
頭の中の台詞を『……』以下で表現しようとしてるんですよね?
やはりここは、do as the romans doがいいでしょうね。
よく使われる手法は、
(こんなかんじ……かな?)
のように括弧を使うやり方でしょうか。
それから、他の上官の言葉と思われる『我々は──』という行も、
何らかの括りに入れた方がいいでしょうね。

句読点にしても字下げにしても、先人が文章を書きながら編み出した、
読みやすくするための手法です。有り難く使わせていただきましょう。

それ以外は特にすんなり読めました。上品な雰囲気で、綺麗な文だと思います。

ただ、自分の好みとしてはもう少し、少年の品を落とすことでギャップを入れた方が、
キャラクターが入って動かしやすそうだなとは思いました。
シンデレラストーリーもいいですが、完璧超人はのっぺらぼうになりやすいので……。

1615イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 16:05:03
>>1611
ああ、なるほど、そういう事か(笑
君はこの作者とレスする人両方を馬鹿にしてるって訳だ

1616イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 16:31:05
これか。
ttp://lu3.gagaga-lululu.jp/maihime/

1611-1612の人はどういう意図で持ってきたんだろ。
まさか、「他人が書いた小説」だからなんて間違った理由じゃないよね?

他人が、「(あなたが)書いた小説の一部」を批評するスレだよ?

1617イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 19:28:05
釣りだろ?
どっちにしても最低なことに違いはないけれど。

てか、法的にはどうなんだろ?

1618イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 20:25:21
要するに、ここの奴らの「見る目」がないっつー事を言いたいんだろ。
プロだからっつって突っ込み所がないかというとそういうわけじゃないけどな。

1619イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 20:33:52
それでも、

 特別おかしいわけでもないけど、句読点の位置がちょっと気になった
 まあこれは好みの問題ですね
 雰囲気は素敵です。読みやすかったし

とか、

 >>1613さんも言ってますが、最初の書き出し二行で地の文に二通りの文体があると、
 大抵は違和感を覚えてしまいます。

 外は特にすんなり読めました。上品な雰囲気で、綺麗な文だと思います。

なんだから、結構ここの人にも批評眼は有るんだな。

1620イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 21:20:33
文芸板の酷評スレじゃしょっちゅうだよ

1621イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 21:59:41
>>1619
そりゃあプロなんだから

1622イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/19(土) 03:32:57
サイエンス・フィクションの冒頭部です。よろしくお願いします。
設定的には、現在の人類とほとんど変わらない『地球系人類』と、
火星に入植後、自らの身体を改変して宇宙に適応する『火星系人類』が、
外宇宙開発競争をしている世界での、ある地球系植民惑星の話です。

   ***

 人類支援システムが発狂した。

「ダナン第三地区、中央計算機、発狂しました」
「ナポリ、パレルモで生産システムの発狂を確認、現地の自律ロボット群は胎児生産施設及び畜獣生産施設を横断する形で改修、計画にない大型獣の生産を開始しました」
「大規模サボタージュ! それも惑星開拓システム自体の本当に奥深いところで、だと」
「南極隔離コロニーでの検証作業中、問題のコードが含まれる領域を検査中の作業員がトリガーワイヤに引っかかりました。南極隔離コロニー、火星化します」
「感染が広がる前に焼き払え。治安システムは?」
「治安システムは初期から人類支援システムへの接続を許されていません。圏内制圧用自律戦闘体群、起動を確認」
「大虐殺になるぞ。植民地の人間は」
「受け入れるしかないでしょう。惑星上の人間のうち、古典的な意味で生き残れるものは少数のはずです。人類支援システムの発狂と同時に、人類支援システムへのアクセス権のある人間の大部分は悪意のあるコードを受け取ったと予想されます」
「その結果は」
「自由意志を保てるものは幸運でしょう。恐らく、圧縮データから再生された人間のほとんどが、外部からのコントロールを受けるための拡張か、なんらかの条件で顕在化する火星製のコードを埋め込まれていたはずです」
「生ける死者の群れか」
「いつまで生かしてくれるかは解りません。過去の事例からして、火星人は生産システムの制圧後に、惑星環境に最適化された火星人か、使役生物の生産を開始するはずです。資源不足を補うために、意思のない人間が再処理施設に行列を作ることになります」
「ならば結果は同じだな。この惑星系で地球系人類を存続させるためなら」
「一つ、感染・発狂が確認された人類支援システムの速やかな破壊。一つ、感染・発狂が確認された、あるいは疑わしいその他のシステム全ての速やかな破壊。一つ、感染・発狂が確認された、あるいは疑わしい生物全ての速やかな破壊」
「もちろん、人間も」
「もちろん人間も」
「治安システム自律戦闘体群、大陸中央部にて都市防衛システムとの戦闘に入りました」
「あそこはまだ無事だと思ったんだが」
「南部の都市から受け入れた難民の一部に、感染の可能性があったようです」
「千人にも満たない難民のために、数十万を皆殺し」
「きわめて妥当な判断です」
「私もそう思う」

1623イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/19(土) 04:19:31
>>1622
まず大きな所から行くと、会話だけってのはこの場合辛すぎる。
この場合は、そこに登場するキャラクター達は全て同等の重要度になるんだが、
シーン的には指揮官と部下の会話が入っているようなので、これを分ける必要性が出てくる。
指揮官か、あるいはその場所を傍観する対象によって状況を説明しつつ会話を進めないとダメだと思うな。

もう一つは使われている用語にどうもセンスがない。「発狂」というのが何に対するものなのかハッキリとしないし、
どういう状態なのかもあやふやすぎて分からない。「システム」の使い方も広範囲だからどう捉えて良いのやら。
「横断する形で改修」なんかにも引っかかる点があるし、まぁ言ってみれば「映像が浮かばない」。

難しそうな単語を並べただけじゃ知的には見えない。
ちゃんとその言葉の概念を理解し、一つの概念に則って単語を繋げていかないと面白く感じないよ。

1624イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/19(土) 11:01:57
冒頭部がこれだときついなあ
何が起こったんだ!? と読者を引き付けるくらいじゃないと

1625イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/19(土) 22:48:32
>>1622
一言で表せば、「効果音が長い」かな。

最初の意味深長な台詞というのは、読者にとって効果音でしかないよ。
つまり、緊迫感や速度、温度なんてのを受け取ってもらえるのが精々で、
その台詞を全て作者の頭の中通りに理解してもらうのはまず無理ってこと。

今の状況は、あまりに読者の理解とはかけ離れ過ぎている感じ。
置いてかれても、読者は追ってきてくれるとは限らない。

この簡単な解決方法は、読者を作中に出してしまうこと。
言い換えれば、「何も分からない人物を出して、狂言回しがそいつに説明する」ってこと。

何にせよ、効果音は3行ぐらいに留めた方がいいかな。
後はキャラに喋らせたり、画面に表示させたり、機械に喋らせたり。

もしかして緊迫感を出したかったのかもしれないけど、これでは逆にダレる。
それなら体言止めで無感情を出すとか、他にも方法はあるし、ね。

1626イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/20(日) 02:16:02
>人類支援システムが発狂した。
>
>「ダナン第三地区、中央計算機、発狂しました」

この時点でぬるぽ。同じことを二回言うのってどうよ。
でだ、この文章すべてが「発狂した」という状況の説明なわけじゃん?
この中でストーリーに必要な内容は? 冒頭で書いとかなければ「いけない」ことってなに?
発狂したということだけがわかればいいのなら、一文で済む。

そんで地名がナポリとかになっているけど「ここは地球なのか」と読者に誤読させたいわけじゃないなら、フォンブラウンでも何でもいいから変えるべきじゃね?
だれがなに言ってるのかわからね。全員がモブならこのシーン自体いらない。主役級のキャラがいるなら、きちっと描写すべき。
もし、主役のいない作者が主人公みたいな小説(私小説って意味じゃないよ)ならラノベではない。ラノベでないなら延々「」はありえない。

つーわけで、要約されていない文章というのは基本的に読者にとって不快。なにを書きたいかを明確にすべき。

16271622:2006/08/20(日) 09:23:22
参考になります。SF好きとしての側面が暴走してそれ以前のレベルになってるっぽいです。
出直してきますです。

1628イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 07:58:48
軽い練習になんとなく思いついたまま書いた駄文なんですが、せっかく書いたので晒してみます。
相当腐ってると思いますので、あんまり酷いと思いましたら「酷い」とだけ言ってくれれば結構です。

 どんよりとした暑い雲が空を覆う、ある夏の朝のことである。
『――早朝に幸川市大和町で発見された男性の死体は、奇怪な状態で放置されていたことから、今回も一連の事件と同一犯によるものだと――』
 切迫した表情で話すアナウンサーの声がテレビから響く。
 幸川市大和町で猟奇殺人が起こるのは今月に入ってからすでに四度目である。最初の事件が起こったのは八月三日。次が八日。三度目が十一日。そして昨日は十二日である。事件の間隔が短くなっているのは誰の目にも明らかだった。
 一度目の死体は抉られた心臓を口に押し込まれていた。二度目の死体は首を切られ、それを両手で抱えるようにして放置されていた。そして三度目は開きにされ、臓器を全て取り出された代わりに子猫の死体を入れられていた。今回はどうだかわからないが、アナウンサーが『奇怪な状態』と明言を避けたように、とても朝の食卓で聞きたい内容ではないだろう。
 こんな手の込んだ殺人が起こるのは深夜であると相場が決まっている。
 そのことが一人の少年を燃え上がらせた。
「よくもまあ、好き勝手やってくれちゃって。夜は俺の縄張りだ。聖域を荒らす奴は俺が許さないんだからな。とっ捕まえてやる」
 一見すると『こいつが犯人なんじゃないか』と思われるような劣悪な人相をした少年は、上記のセリフを冗談で言っているわけではない。本気である。
 今の少年は、空想物語の主人公になったつもりでいた。
 いつも少年は夢見ていた。何かワクワクするような事件が起きて、自分が知恵を絞り、スリリングな戦闘を切り抜け、その事件を解決することを。
 テレビの見すぎ漫画の読みすぎ妄想のしすぎである。
 はっきり言って、バカである。だから大学にも落ちるのだ。
 少年は朝食を早々に切り上げると、いつもより少し早めに家を出て、予備校前にある店へ寄って、あるものを買った。
 少年はアニメイトでコスプレ用の木刀を買った。
 それで殺人犯と戦うつもりである。
 バカである。
 その後、木刀を抱えて予備校に行った少年が、いつも以上に周囲から奇怪な目で見られたことは言うまでもない。

1629イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 08:00:33
 時計の針はすでに午前一時を回っていた。
「そろそろ行くか。月の見える晩は、やけに気持ちが高揚するぜ」
 今夜は曇りである。月など見えるはずがない。
 バカである。
 夜道の散歩は毎日の日課と化していた。『夜は俺の縄張り』たる所以である。ただ、今回の事件が起こってからは、当然であるが夜道の独り歩きは禁止されていた。
 少年は眠っている両親に気づかれないよう、そっと家を出た。もちろん木刀持参である。
 そうして、少年は自転車に跨り、夜の街の散策に出かけた。
 自転車を漕ぎつつ、木刀を背負った少年は怪しい人物がいないか周囲の様子に気を配る。少年自身が一番怪しい。
 一つだけ色の違う街灯。どこかで響く銃声のようなもの。知らずに聞こえ出した奇妙な音。いつもは気に留めないような場所にまで意識を割いていた少年はそんなものを発見した。
 もしここが現実ではなくて、小説や漫画の世界だったのなら。
 色の違う街灯は異世界への招待状であり、銃声は謎の組織による強襲の合図、意味不明な音は超常現象の予兆であっただろう。
 しかし現実は、ただの整備不足だったり、どこかの不良達が爆竹で遊んでいるだけだったり、大型の排気口から漏れる音が聞こえただけだったり。そんなものだ。
 現実は現実で、空想は空想。現実は空想ではなく、現実世界に空想世界の出来事は起こらないのだ。
 現実は現実的である。そこに存在する登場人物に一切の情けや援助を与えることはない。
 つまり。
 木刀一本で猟奇殺人犯と渡り合おうと思っても、返り討ちにあうのがオチなのだ。
 それでも少年は自分になら、現実が空想のように味方をしてくれると思っている。故に自分が失敗することはないと思っている。
 だったら、今頃大学生だろうに。
 全く、少年はバカである。
 幸か不幸か、一時間ほど辺りを散策したが、少年は犯人を見つけることが出来なかった。
 当然といえば当然である。もしその程度の探索で犯人が見つかれば警察も苦労はしまい。

1630イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 08:01:44
 少年は休憩がてらに二十四時間営業のスーパーに寄って、アイスを買った。そのまま近くの公園で食べることにした。
 マンションに併設された小さな公園だ。一つしかない街灯の白い光に一つしかないベンチが照らされていた。
 少年は公園のベンチに腰掛ける。ベンチはちょうど公園の入り口部分に背を向けるようにして配置されていた。
 少年はアイスを食べ始めた。
 夏の夜風が心地良い。少年は音楽を聞きたくなった。何か夏の風情を感じられる音楽を。少年はポケットから取り出したMDプレイヤーにつながれているイヤホンを耳につけ、MDを聞き始めた。七十年代を象徴するメロディーが少年の脳に響く。
 曲名は『なごり雪』。全く夏とは関係ない。
 気分も上々、アイスを食べていた少年は世代を越えた名曲に心を奪われ、背後から迫る影に全く気づかなかった。
 影は少年に声をかけるも、周りに人がいなかったことをいいことにガンガンに音量を上げて音楽に浸る少年の耳に、その声が届くはずがない。
 ――影は少年に近づいて行く。
 影の腰には銃が下げられていた。
 ――影は少年に近づいて行く。
 そして。
 ――影は少年の肩を叩いた。
 そして――


 少年は補導された。
 当然である。あんな事件が起こっている時期のこんな真夜中に、こんな木刀を背負った男が深夜の公園で佇んでいたのである。真っ当に職務をこなそうとする警官なら放っておく訳がない。
 少年は、木刀は護身用であること、自分はただ勉強に疲れて散歩をしていただけのことなどを適当に話し、結局少年から変死体を作り出せるような凶器も見つからなかったことから、無事解放された。

1631イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 08:04:02
とりあえず↑で半分くらいです。

1632イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 12:22:59
練習という言い訳のようだが、問題としては描写が足りない。
主人公に人間味が足りないし、どういう人物なのかも想像が出来ない。
ただ「そういう人間だから、そういう行動に出て、そういうオチがついた」という感じ。

人物が面白いわけでもなく、行動が面白いわけでもなく、ストーリーが面白いわけでもない。
まぁ「練習だから」って言い訳して逃げるのは構わないけど、例えばこの作品をプレゼンする時、なんて説明する?

1633イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 16:06:20
物凄く読む気が失せる文章、とだけ言っておこう

1634イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 17:01:02
やっぱり相当クソな文章みたいですね。
感想くれた人、どうもありがとうございました。

1635イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 18:53:37
俺は好きだな。文章も読みやすいし、コスプレ用の木刀だの真夏に「なごり雪」だの、シニカルな演出が行き届いていい。
ただ、「大学にも落ちる」年齢設定が痛すぎて、かえって1632のいうように「人間味が足りない」といった感じになっている。
要するに「記号としての痛いやつ」だ。

できれば小学生。せめて中学二年くらいまでだといい。
なぜなら

 >テレビの見すぎ漫画の読みすぎ妄想のしすぎである。
 >はっきり言って、バカである。

に対して、いまの年齢設定だと、読者としては
うん、バカだわ(笑)。で?
になるけど、年齢設定を下げることによって
まあ、バカだけど……俺も対して変わらなかったような気がするし、いいんでね?
と、地の分のツッコミに対する擁護や逆ツッコミを起こさせることによって、主人公と読者を近づける作用がある。

1636イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 20:21:28
読ませていただきました。
ねらいたいこと自体は全然面白いと思います。

ただ、読者をもっと意識したほうがいい。
たとえば、


 ――影は少年に近づいて行く。
 影の腰には銃が下げられていた。
 ――影は少年に近づいて行く。
 そして。
 ――影は少年の肩を叩いた。
 そして――


 少年は補導された。


の部分たるすぎ。説明だとつまらない。
近付いてくる影を「もしかして殺人犯?」と思わせたいならこういうリズム(スローのように強調して見せたい?)ではなく、
突然後ろから肩をつかまれて、意気揚々とでかけたのにその殺人犯だと思ってめっちゃあわてたら警察でーみたいな描写のほうが、
バカな主人公に共感が持てると思います。(ありきたりかもしれませんが)

先を読ませない裏切るリズムも必要かと。

1637イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 20:59:38
>>1635>>1636
あんな文章に少しでもお褒めの言葉が戴けて光栄です。
年齢は確かにもうちょっと若くしたほうが良かったような気がしますね。
影のところについての指摘も参考になりました。
ありがとうございました。

1638イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 22:39:46
てかなんで文章にかたくなに拘るんだw

足りないのは読書量と引き出しの数。

1639イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 02:16:55
なんかの賞に送ろうと思って途中で断念した作品の頭です。
ちなみにラノベ。厳しく酷評してください

「暑っちぃ……」
 真夏の外気と太陽の真摯な視線に、思わずバスから降りる足を止めてしまった。 冷房の効いた車内とのギャップについ顔をしかめてしまう。
 背中に届くバスの中からのほのかな涼気のせいで後ろに下がりたくなってくるものの、そんな恥ずかしい真似ができるものかと一喝して停留所へと降りる。
 一つのベンチに屋根をつけただけのような簡素な停留所には二人のおばあさんがいて、俺が降りるのを見るとバスに乗り込もうとゆっくりと歩いてきた。おばあさんたちとすれ違うように停留所の下へと向かう。
バスから降りる客は自分ひとりであったようだ。バスの入り口から離れると微かな涼気と別れることになり疲れた気分になった。
 それにしても、暑い。
時計は既に四時を回っていたものの、その日差しにまだまだかげりはない。
本当はもう少しゆっくりと、それこそ比較的動きやすい涼しい時間帯に到着するようにくるつもりだったのだ。しかしたった今降りたバスの前に乗り継いで来た電車は、図ったように降りた先降りた先にすぐに乗り換えの電車がやってきた。 別に混んでいるわけでもないローカル線を見送る理由は何もなく、比較的スムーズにやってきてしまったのだ。
その点に関しては文句は無い。久しぶりの長旅で景色を楽しむために結構な距離を鈍行で進むことにしたのだ。降りた先にすぐに次に乗る電車があるということは、一本見送れば次に電車が来るまでまるまるの時間を待つ羽目になるということで。それを考えれば幸運だったといってもいいだろう。
眩しい太陽から逃れるために、やや駆け足で目の前の停留所へと避難する。 停留所のベンチの上にぼすっとたった一つの手荷物であるボストンバッグを置いた。それほど重いわけではない。主な中身は当面の間の着替えだけである。その横に自分も腰を落ち着ける。
ベンチに座るとちょうど目の前にはさきほど降りたバスがある。 さきほどのおばあさん達がやっと乗り込んだらしく、プシューっという音を立ててドアが閉まった。エンジンをふかせたままのバスがゆっくりと出発する。

1640イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 02:20:42
 それが完全に通り過ぎると心地よい潮風が体を包んだ。 目の前には堤防があり、その切れ目がちょうど目の前にあり、その隙間の先には海が広がっていた。バスの陰になり見えなかったようだ。
なんとなく嬉しくなる。 暑さにより寄っていた眉の間の皺が伸びた。
私は海が好きだった。特に理由は無いが、少なくとも真夏に海はいいものだ、そう思っている。同じように思っている人も多いだろう。これから海に飛び込めたならなおさら良かったのだが、私のバッグの中身にはあいにくと水着は入っていなかった。 裸で飛び込むような勇気はないし、服のまま飛び込むような気もさらさらない。
それにその前に訪ねなければならない場所がある。知らない仲では無いものの、これから世話になる家にいきなり濡れ鼠で参上するのは明らかに礼に欠いているだろう。そこまで礼儀も恥も知らないわけではない。それにこれからこの町に住むのだ。泳ぐ機会なんていくらでも作れるさ。
 夏はまだ始まったばかりだ。
 ベンチに下ろしていた腰を上げる。潮風から少しばかりの活力を貰った私は、ボストンバッグを握りなおして目的地に歩いていくことにした。


一応区切りがいいとこまで

1641イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 06:08:55
情景描写というよりいいわけ(説明文)にとどまっている。
改行の位置が悪い。
主人公の能動的な気持ちが読み取れない。

1642イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 10:03:16
何かってどこだよ
せめてだいたいの目安はつけとくべき。
細かい情景描写だと賞を取れるとでも思ったか?

こんなとこか

1643イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 20:20:33
>情景描写というよりいいわけ(説明文)にとどまっている。
>主人公の能動的な気持ちが読み取れない。

>細かい情景描写だと賞を取れるとでも思ったか?

ありがとう
細かいだけじゃ何も伝わらないんだね
難しいな

>何かってどこだよ
確か電撃だった気がする

1644イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 20:24:16
細かさの意味をはき違えてる。

例えばだ、登場人物が階段を昇る描写があったとする。

右足を上げて体重を移動し、しかるのちに右足を階段のステップに乗せて――

みたいな描写を読みたいと思う?
必要なのは印象的な描写であって、細かさというのはその印象を強めるための補足事項に過ぎない。

1645イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 21:19:35
↑にまったく同意。

もっと右脳を鍛えなさい。感覚的になること。
畑違いだが、マンガでいう「切符を買う」という状態。

つまり主人公が電車に乗ってるシーンを描くだけで、よっぽど特異な状況じゃないかぎり、もう「切符を買っている」とみんな判るのに、
わざわざ「切符を買う」コマを描くとする。
するとそのネームはぐだぐだで読者を飽きさせるモノになる。

あなたの文章はムダが多すぎる。
むしろ細かくするよりも、1センテンスでどれだけ判らせるか、
感じさせるかだと思う。

通りすがりえらそうにスンマセン。

1646イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 21:24:08
>>1639
えっと、まず、細かいけれど大事なこと。

>俺が降りるのを見ると
>私は海が好きだった。

一人称の主語は統一してください。主人公が解離性同一性障碍の患者で、場面ごとに人格が入れ替わっているというのなら別ですが。
あと、主人公の年齢、性別が全然つかめません。説明をいれろとまでは言わないですが、匂わせるくらいはしてください。

それと、視覚の描写を追いすぎです。>>1644のいうとおり、細かい描写というよりも「余分」が多い。

>しかしたった今降りたバスの前に乗り継いで来た電車は、図ったように降りた先降りた先にすぐに乗り換えの電車がやってきた。
>ベンチに座るとちょうど目の前にはさきほど降りたバスがある。
>これから海に飛び込めたならなおさら〜服のまま飛び込むような気もさらさらない。

いらない。

余分を全て捨てるのがいいわけじゃないと思う。俺も比較的くどい文章を書くほうだし。
ただ、だらだらと続く情景の中の「余分」は無用。例えば映画の手法とかで、登場人物の会話を映してたかと思ったらいきなりカメラが切り替わって小道具や遠景を映す、
そういった形の「余分」なら効果的。
そういう意味では「おばあさんたち」を描いたのはよかったと思う。

16471646:2006/08/31(木) 21:36:53
補足

>これから海に飛び込めたならなおさら〜服のまま飛び込むような気もさらさらない。
これをいらないと言ったけど、正確には
「最初からその気がないのなら言うなよ」
といったところ。
なんとかうまいこと表現を変えて「主人公が海が好きで、現在泳ぎたい衝動に駆られていて、それでも諦めを得ざるしかない」
ということを伝えられたらと思う。

1648イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 21:46:51
>>1639
>>1639-1640までを総合するとさ
「あまり遠出をした事がない、なんとなく海が好きな主人公が、
熱い日にボストンバック担いで電車を乗り継いでからバスに乗って、
海が目の前に見える停留所で降りたら二人のお婆さんと擦れ違い、
時計が四時を指している頃に木陰で休んでから目的地に行く」
という「お話」なわけ。

だいたい4KB使ったって事は、1KB500文字だからその四倍で2000文字。
40*34原稿が1360文字だから、改行や空白を考えるとだいたい二枚分なわけ。
これをラノベにすると四頁なわけ。

All You Need Is Killだったらヨナバルが即死してるし、
ネクラ少女はクラスメイトに心の中で毒を吐いてるし、
ドクロちゃんは桜くんの脳髄をエスカリボルグで吹っ飛ばしてるし、
はじめ君は自分の脳みそを運ぶ宇宙人がヤク○トで酔っぱらうのを目撃してるわけ。

何が駄目か自分で考えるわけ。

1649やっぱり長いけど、よろしく 1/4:2006/09/03(日) 00:02:07
 
 唐突ですが>>1312-1317の続きです、章が変わったと思って読んでください。

 分厚い雲の切れ間から、ようやく顔を覗かせた赤い満月が、地上に淡い光を投げ掛ける。
 不吉な赤い月光に照らされて、夜の帳に包まれた公園に、二つの人影が浮かびあがった。
 一つは、背の高いスマートな影。その影は、黒のイタリアンスーツに身を包みでいた。派手な
シャツは、胸元をはだけ着崩し、その首元には金色のアクセサリーが光っていた。
 一見、ホストを思わせる風体だが、その顔は、色男と言うには程遠かった。いや、それ所か人類
の範疇からも大きく逸脱していた。
 狼を思わせる、その異形の相貌の主は、人狼――。この世の影の中に蠢く、妖魔に連なる闇の
眷属。
 人狼の紅玉にも似た、その凶眼から放たれる光りは、憤怒、怨恨、殺意、そして狂気。それら
負の感情を視線に込めて、もう一つの人影に叩きつけていた。
 人狼の視線の先、相対するように、もう一つの人影が立っていた。人狼よりも更に背の高いそ
の人影は、少年の姿をしていた。
 タンクトップにジーンズ姿の、その少年は、体こそ大きいが只の人間の様に見えた。しかし――。
その肉体が、その表情が、少年が只者で無い事を、無言の内に、証明していた。
 シルエットだけでも判る、彫刻像を思わせる、鍛え上げられた鋼の様な隆々たる肉体。
 ボディビルの様に器具を使ったトレーニングだけでは、決して得る事の出来ない、柔軟性に富ん
だしなやかな筋肉は、それが人に見せびらかす為の”飾り”ではなく、戦いの為の”武装”である事
を示していた。
 そして、その顔に浮かぶ表情。人狼から叩きつけられる憤怒、怨恨、殺意、狂気と言った、負の
感情を正面から受けながら、それら全てをねじ伏せて、笑っていられるこの少年が只者であろう筈
がなかった。
 両者は、7メートル程の間合いを置いて対峙していた。
 人狼は、少年を見据えたまま、上体を屈め前傾姿勢を取っていた。その様は、あたかも獲物に
襲い掛かろうとする、狼の如く。
 一方の少年の方は、右肩をぐるぐると回して、まるでこれから人狼とキャッチボールでも始める
のではないかと思わせる風情だが、しかし、その目は、一瞬たりとも人狼の姿を外す事は無い。
 両者の戦いは、既に始まっているのだ。少年と人狼の間には、可視不能の火花が飛び散り、緊張
感が両者の周りの空間を凍らせた。風のざわめきすらも息を潜め、静寂の中、両者の息づかいだけ
が、時を刻む。永遠とも思える、一瞬が続く。
 ザッッツ!
 唐突に人狼が動いた、地面を蹴って走る!残像を残しつつ砂塵を巻き上げ、風を切り裂き走
る様は、まさに肉弾!7メートルの間合いを瞬時に詰めて少年の顔面に左の手刀を叩き込んだ。
 ブィン!
 人狼の手刀が少年の顔面を捕らえたかの様に見えた。――が、人狼の手刀は空しく宙を切り裂
いただけだった。
 回避不能と思えた人狼の必殺の打ち込みを、少年は、左に一歩、距離にして僅か90センチ動
いたでけで躱したのだ。
 たった一歩、だがその一歩で、右腕を欠いている人狼の攻撃範囲の死角に入る。
「!?」
 人狼の異形の顔に驚愕の表情が浮かぶ。そして次の瞬間、その顔は苦痛に歪んだ。 
 ドンッ!
 少年の腰溜めの左掌打が、人狼の右わき腹にめり込んだのだ。
「グェエッ!」
 呻き声を漏らし、人狼はよろめきながら後退った。それに合わせて、少年は一歩踏み込むと同時
に、左足を振り上げた。左の上段回し蹴りだ。

1650やっぱり長いけど、よろしく 2/4:2006/09/03(日) 00:03:08
 独特の山形の軌道を描き、振り上げられた蹴り足は、上から下ヘ叩きつける様に振り降された。
 その回し蹴り―いや、縦蹴りと言うべきか―は、ブラジル人空手家が多用するブラジリアンハイ
キックと呼ばれる蹴りによく似いていたが、切れ、スピード、伸び共に、少年の蹴りは、常人のそれ
を遥かに凌駕していた。
 風を切り、少年の左足が人狼の顔面を襲う。
「ガァアッ!!」
 態勢を崩しながらも、人狼がその巨大な口を開いた。少年の蹴り足に喰らいつこうというのか!?
「フン、しゃらくさいぜ!」
 瞬間、少年の蹴り足は、空中で身を翻す飛燕さながらに、軌道を変化させた。左の上段回し蹴り
は、スピードは、そのままに、中段回し蹴りへと姿を変える。
 ドスッツ!
 再び、少年の蹴りが人狼の右わき腹にめり込んだ。しかも狙っていたのか、寸分違わず、掌打を
打ち込んだのと、同じ部分だった。
 開いたままの口から、ヨダレと血玉を撒き散し、人狼は体をくの字に折りまげて3メートル以上、
吹っ飛んだ。少年は、更に追い討ちを掛けるべく、間合いを詰める。
 空中に飛ばされ、そのまま地面に激突すると思われた人狼の体は、地面スレスレの所でクルリ
と体を返すと見事に着地して見せた。人間では、ありえないその体捌きは人外の獣の運動能力の
成せる技か。すかさず身を起こすと、走りこんでくる少年にカウンターの中段蹴りを放つ。
「チィッ!」
 ズザッザザ――
 少年は、スニーカーで地面を耕して急制動を掛つつ、上体を退け反らした。 
 ブゥウンッ!
 人狼の黒い革靴がが少年の胸板を掠めた。蹴り足の起す風圧が少年の前髪を揺らす。
 少年は、紙一重で人狼の蹴りを躱したかの様に見えた。しかし――。
 ズサッ!
 その時、黒い革靴のつま先を衝き破り、五本の黒々とした鋭い爪が30センチ程、伸びてきた。
その内の一本がタンクトップを切り裂き、少年の左胸、心臓の辺りに傷を刻み付けた。
 が、浅い。人狼の爪は、少年の分厚い大胸筋に浅く傷を付けただけだった。
 少年は、間合いを開くべく、後方に二歩、飛び退いた。人狼もそれに倣うかの様に一歩、退き、
再び両者は、7メートルの距離を置いて対峙した。
 パラッパラパラ――。
 一瞬、遅れて、両者の超高速の動きによって巻き上げられた砂塵が、夕立の様に地面を叩いた。
 常人には、その動きを目で追うことすら敵わない、神速の攻防だった。
 しかし、それにしても、少年は、この少年は、一体何者なのだろうか?人外の魔物である人狼と
互角以上に渡りあうスピード、技の切れ。少年の技量は、武術、武道の達人といったレベルをも
遥かに超越した次元にあった。或いは……或いは、この少年もまた、人の姿をした獣なのかもしれ
ない。
 その獰猛な笑みを崩さないまま、少年は、チラリと自分の胸板に目を遣った。胸の中心から左胸
にかけて15センチ程の裂傷が走っていたが、傷の深さは、精々3、4ミリ程度の浅い物だった。
 少年は、右手の人差し指と中指の伸ばすと、まるで投げキッスでもするかの様に、人差し指と中指
を唇に付けた。そして、そのまま人差し指と中指を、胸の傷口に宛がうと、傷口をなぞる様に、動かし
た。すると、指が動いた後、傷口は消え去り、その跡には、ピンク色の真新しい地肌が覗いていた。
 少年は、再び顔を上げると、人狼に兆発的な視線を送った。
「へっ!、使い間風情がなかなかやるじゃねーか!それじゃあ、もう少し楽しませて……」
 そこまで言うと、何故か少年の笑みが一瞬、揺らいだ。
「………いけねぇな、どうも。この血は、この体は、戦いを楽しんでやがる……今は、そんな気分じゃ
ないのにな」
 獰猛な笑みは、何時の間にか、自嘲めいた苦笑に変わっていた。

1651やっぱり長いけど、よろしく 3/4:2006/09/03(日) 00:03:58
 不意に、人狼が土下座したかの様に地面に這いつくばった。無論、少年に許しを乞うている訳では
ない。四肢―今は、右腕を失って三肢となっているが―で、地面を踏みしめる事により、強
力な反発力を得る為だ。
 人狼の体が、矢を番えた弓の様にしなる。服の上からでも、その筋肉がギリギリと音を立てて
引き絞られているのが判る。
「…グルルルル!」
 牙を剥き、喉を鳴らして、人狼が少年を睨む。真紅の視線がビームの様に少年の顔を射抜く。
 それを受け、再び少年の笑みは、獰猛なモノとなった。
「ケリを着けよう、てか?……フン!いいだろう、相手になってやるぜ!」
 少年は、右足を半歩前に出し、左足は、一歩後ろに下げ、体重を右足に乗せて腰を下げた。
そして、右手の一指し指と中指を合わせて立てると、それを人狼に向けた。
「…テメェにまだ人語を理解出来る理性が残っているのであれば、御神楽神勢(みかぐらかぜ)と
いう名を覚えてろ。テメェをあの世に送る男の名……つまり俺の名だ!黄泉路の船頭にこの名を
告げれば超特急で地獄に送ってもらえるぜ!」
 伝法に言い放つと少年……神勢は、人狼に向けていた右腕を折り曲げて、右手の人差し指と
中指を左肩に付けた。まるでプロレスの水平チョップを繰り出す前のポーズだ。さらに腰を捻って
右肩を人狼の方へ向けると、神勢は不敵な面構えで人狼を見やった。
「さあ!、おっ始めようぜ!」
 睨み合う両者。途端に、周囲の空気が重くなり、痛い程に研ぎ澄まされていく。
 両者とも睨み合ったまま、ピクリとも動かない。まるで時間が凍りついたかの様な錯覚を覚えた。 
 静止した時の中、不意に両者を照らしていた月光が陰った。赤い満月が雲の中に姿を隠したのだ。
 再び、薄闇が世界を覆い隠す。 
 その瞬間――
「ウォオオォオオゥン!!」 
 咆哮と共に、風を引き裂き、人狼が駆けた。
「おぉおおぉお!!」
 雄叫びを上げ、闇を貫き、神勢が跳んだ。
 ゴオッオッオオオオ!!!
 両者の影が、交錯した瞬間、風の唸りが轟き、空気を震撼させた。
 そのまま、両者の影はすれ違うと、ちょうどお互いに対峙していた場所を入れ違える様に止まった。
 一瞬の間………、そして――
 ブシュアッ!!
 影の一つから、音を上げ、墳血が噴き上がった。夥しい出血に、周囲に血の匂いが立ちこめる。
 その時、きまぐれな満月が再び姿を現し、月光が薄闇を溶かしていく。
 墳血を上げいたのは、人狼だった。人狼の体には、肩口から袈裟切りに、鋭利な刃物、大刀か
何かで切り裂かれたかのよう創傷が走り、半ば胴体を切断していた。
 傷口から鮮血と臓腑をぶちまけて、口から吐血しながら人狼はヨロヨロと振り向いた。
 明らかに、絶命しているにも関わらず、それでもなお獲物を、神勢を求めるのは、魔獣のサガか?
背を向けたままの神勢に向けて左手を伸ばした――が、そこまでだった。グラリと身を傾がせると
ゆっくりと人狼は地面に崩れ落ちた。人狼の周りにルージュの海が広がって行く。
「……御神楽兵法、空ノ刃」
 振り向かないまま、神勢は言った。それが、人狼に体を断った技の名か?
 右手の人差し指と中指を数ミクロンの間を開けて固定し、右腕を超高速で振りぬく事によって
指の間にカマイタチを発生させ、人狼の体を切断したのだ。
 しかし、文字で表すは容易いが、実際にカマイタチを発生させる為に、一体どれだけ肉体を酷使
しなければならないのか。そしてそれがどれだけ肉体に過酷な事なのか、小刻みに痙攣を起して
いる神勢の右腕を見れば想像がついた。
 その痙攣を、腕をグルグルと振りまわすという乱暴な方法で、無理やり止めると、神勢は
ジーンズのポケットに手を突っ込み、携帯電話を取り出して、通話ボタンを押した。
「……俺だ、終わったぜ、ちっとばかり派手にやっちまったから、後始末を頼む。場所は、分かる
よな、それからさっきの……そうか身元が分かったのか……ああ、分かった。それじゃ俺は先に
フケさせてもらうぜ」

1652やっぱり長いけど、よろしく 4/4:2006/09/03(日) 00:04:36
 手短に要件を言って携帯を切ると、神勢は大きく溜息を吐いてから振り向いた。
 人狼の遺体を一瞥する神勢の顔には、神妙な表情が浮かんでいた。真理に見せていた悪ガキ
の様な表情や、人狼に見せていた不敵な表情に比べると幼く見えたのは、それが神勢の初めて
見せる、歳相応の表情だったからかもしれない。
「……こんなのが手向けになるなんて思っちゃいないけど、仇は取ったぜ、安らかに眠ってくれ」
 それは神勢が助けることの出来なかった、あの女性に向けた言葉だった。
「あーっ!やっけてくれたんだー!」
 いきなり、神勢の感慨や余韻をぶち壊す、脳天を衝くようなキンキン声が木霊した。
 声の主は、確認するまでもなく真理だった。神勢はウンザリしながら声の方に顔を向けた。
 どうした訳か真理は、少し離れた芝生の所でペタリと座り込んでこちらの方を見ていた。
「お前、逃げたんじゃなかったのかよ?」
「あははは、安心したら腰が抜けちゃってさ……」
「ふーん、あそ、じゃな」
 あっさりと言うと神勢は真理を無視して歩き出した。
「ちょ、ちょっと待ってよ!、か弱い女の子をこんな所に置いてくつもり!」
 真理は、気味が悪そうに人狼の遺体とチラリと見ると、縋りつくような視線を神勢に送った。
「しばらく待ってりゃ、人が来る。そいつ等に助けてもらえよ」
 取りつく島もなく言い放つと、神勢はどんどんと歩いていく。
「あ、あんた!さっき言ったでしょ!、男てのは女を守るもんだ、特に私みたいな美少女は、って!」
 ハタっと神勢の足が止まった。微妙にセリフが違っている気もしないでもないが、確かに神勢が
さっき言った言葉だった。
「…御神楽家、家訓、御神楽の男子は、一度口外した事柄は、それがどんな瑣末な事であれ、一命
を賭して遂行すべし、か…くそぅ、恨むぜ、ご先祖さま」
 ボヤクようにそう言うと、神勢はボサボサ頭を一掻きしてから、面退くさそうに真理の所に歩いて
行くと、座り込んでいる真理を引っ張りあげようと手を伸ばした。すると真理は上目づかいに神勢を
見ながら一言、
「……お姫さま抱っこ(はーと)」
 ピシッと言う音と共に、神勢の眉間に皺が刻まれた。が、反論のも面独臭くなったのか、そのまま
無造作に真理を抱え上げた。
 軽々と抱えあげらた真理はキャキャと奇声を上げながら破れたタンクトップから覗く分厚い胸板を
つんつんと指で突ついている。そんな真理を無視して、神勢は公園の出口に向かって歩いていく。
「……あたし、草むらからあんたがアイツと戦ってるとこ、見てたんだけど、あんたちょっとカッコよかっ
たよ」
 そう言いながら、チラリチラリと神勢の顔を仰ぎ見る真理の視線は、妙に粘っこく熱っぽい、それは
いわゆる”恋する乙女”の眼差しだった。
 ピシッピシッと音と共に、神勢の眉間の皺は日本海溝よりも深いモノとなった。
「あー、ハッキリと言うけどな、俺はお前みたいなタイプの女が大嫌いなんだ、悪いがな」
 率直すぎるほど率直に神勢は言った。その言葉を聞いて、真理は子猫の様な大きな瞳を、更に
見開いた。
「!………も〜〜ツンデレなんだから!、そういう素直じゃない所も、ちょっといいかも(はーと)」
「………て、オイ」
 神勢は、目の前クラクラする思いだった。そんな神勢に、更に追い討ちを掛ける様に、真理は
言葉を続けた。
「ねぇ、ねぇ、ところでさぁ〜、あんた一体何者なの?」
 今更な質問を真理は口にした。神勢は、もはや考えるのも面独臭くなったのか素っ気無く一言、
「見ての通りの、通りすがりの只の退魔師だ」  
 と、ぶっきらぼうに言い放った。

 長々となりましたが、よろしくお願いします。
 最後に、>>1318>>1319>>1320>>1321お礼をするタイミングを逸して、今更になりましたが、
 御批評ありがとうございました。これからの執筆の参考にさせていただきます。

1653イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 00:59:18
>或いは
もう毎度になるが、開け
然しとか但しとか漸くとかこの手のものに当てはまるパターンは多いから気をつけて。
訊くも常用外ではあるんだが「質問する」という意味合いを持っていたりするから、こういうのは微妙。

んで、本題ね。
強度の表現が貧弱! 貧弱! 貧弱!
「スゲェ!」とか「マジヤバ!」とか言っているのと(作家を目指すものとして)同レベル。
ゴォォォォとか安易に使いすぎ。こういうのが「表現の安っぽさ」を割り増しさせる。
で、普通の文章にしても「超高速」のすぐ後に「超越」と来ている。
はぁ「超スゲェ!」んですね、と言われてもしょうがない。
とりあえずテンプレサイト巡礼に行ってらっしゃい。他のテクニカルなところは他の人へパス。

それから、キャラクターが安っぽい。ストーリーもありきたり。
まぁ、こんな一部だけを見ていえるようなことではないがな。この部分だけではハッキリとそう言える。
君の文章を一言で批評(なんかいやな言い回しだな)「安易」。以上。

>>1648
どっかで聞いた事ある口調だと思ったら、
肌と腹が黒い、痴女じみたシャーマンか。ちがった?

1654イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 05:52:41
批評お願いしてもいいですか?ごくごく一部です
---------------------------------------------------
 そのあとは……
 先輩達の稽古風景を見てて、なんか、萎縮しちゃってた。
 だって、なんか、みんなハキハキ大きい声出してて。
 すごい熱気っていうか……
 ――ううう、すいません。
 とにかく、誰かに謝りたい気持ちになっちゃって。
 私、ちょっと、舐めてた。
 ウチの近所の小劇団。
 とっかかりには、じゅーぶん!
 ぐらいな、軽い気持ちだったにも、関わらず。
 想像以上に本格的なんだもん!
 よく見たら、女の人でも結構いい体つきの人が多いし。
 筋肉、マッスル!って感じじゃないんだけど、キュッと引き締まってて。
 なんかこう、カモシカ的な……
 キレイなボディラインの人が、多いこと多いことっ!
 私なんか、すごく貧弱なカラダ。
 ハッキリ言って、筋肉ナシ。
 というか、運動ニガテ。
 50メートル走、確か最速、13秒……だっけ?
 かなりの不安を感じつつ、お芝居をする先輩達を、じぃーっと見て。
 そっか……稽古するときは、ジャージとかスウェットとか。
 動きやすい服装がキホンなんだ。
 ――考えてみれば、そりゃそうだ……
 何で私は、こんな場にスカートで来ちゃってるんだろぉぉ。
 場違いだ……
 服装とかを教えてもらってなかった、ってのもあるけど。
 そんなこと、基本中の基本だった、ってことなんだろーな……
 と、とにかく、せめて、カタチから入んなきゃ!って内心焦りながら。
 頭の中に、メモメモ……稽古用のスニーカーも買わなきゃ……
 私って、根っからインドアな人間で。
 こうしてアクティブな稽古を傍から見ているだけでも、こんなに刺激的な世界。
 ……っていうか……刺激的すぎて……
 挙動不審になってきた――――っっ!
 なんのトリエもないような私には、もう、すっごい華やかな世界に見える。
 というより、別次元の世界に紛れ込んじゃったっていうか……
 宇宙っていうか……
 チャレンジ精神以前の、モンダイで。
 紛れ込む世界、間違えたかもしれない……
 ひょっとして、ここはブラックホールなのでは?
 ※別シーンに続く

1655イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 06:00:05
「すみません……ちょっと、気分が悪いんです」
 その会話を聞いて、こっちに歩いてきた人は……
 トーマさん。
「体調、悪いのか?」
「……」
 ――――答え、られない。
「おい」
「……」
「森下、そんなに体調悪いのか?大丈夫か」
 とうとう、トーマさんは。
 氷室さんと並んで、私の目の前に立った。
「貧血かもしれないわね」
「貧血なら、しばらく寝かしときゃ治るだろうけどなぁ……。お前……おいおい、フラフラ、してる、って!」
 ぐらあっ。
 バランスを崩した私の身体を、トーマさんが支えようとした瞬間。
「やめてくださいっっ!」
 私は叫んで、そのまま膝から倒れこんで。
 床に、うずくまってた。
 氷室さんが、心配そうにしゃがみ込んでくれる。
「相当、体調悪いみたいね……今日は、早退したら?」
「……はい……そうします」
 答えて。
 立ち上がろうとした私の腕を……
 ひょいっと、トーマさんが掴んだ。
 またも反射的に、心と身体が、それを拒絶する。
「やめて、ください……」
 トーマさんは。
 至って、普通の表情で言う。
「やめてくださいって、お前、まともに歩けねーじゃん」
 やめて……
 また、先輩達に、私……
「とりあえず、外でタクシー拾った方がいいな。手空いてる奴、手伝えよ。こいつの荷物と靴、入り口まで持ってこい」
 また、あんな思いをするのは……
 イヤ……
「肩貸してやるから。頑張って、少しは歩けよ。――氷室、こいつ運んでくるわ」
「わかった」
 やめて……
 離して、離して……
 さっきの先輩達が……見てる……
「……っ」
 抵抗しようとしたけど、全然、身体に力が入らない。
 私、そのままトーマさんの肩を借りて、歩かされてしまって……
 内心は、絶望的な気分だった。
 またひとつ、火種。
 トーマさんの優しさよりも、何よりも、火種が増えてしまったことが悲しくて。
 次の稽古の時に……また、このことで何か言われたら。
 仮病だったんじゃないの?なんて……言われてしまったら。
 その時は……どうしたら……
「おい」
「……え?」
 いきなりトーマさんが、近くで話しかけてくる。
 朦朧とした中だけど、耳元ではっきり聞こえるトーマさんの声。
「何か、気負ってることでもあんのか?」
 ――――。
 心配、してくれてる。
 純粋に。
 ただ、ただ。
 心配してくれてるんだ……
「人生相談とかなら、聞かねーけど。もし芝居で悩んでんなら、少しは力になれる」
 今、本当の意味で。
 トーマさんがモテる、というのが。
 ただ単にカッコいいからなのでは、ないんだ、って。
 理解できたような気がして。
「人生悩み相談なら、あいつにしろよ。氷室。あいつも苦労してっからなぁ。気の利いたコトワザのひとつも、出してくれんだろ」
 何故かは、分からないけど。
 ぽろぽろ、ぽろぽろ。
 涙がこぼれた。
「へっ?」
 トーマさんがギクッとした顔で、目を見開く。
「お、お前、何、泣いてんの……!?」
 私、慌てて、首を横に振って。
「違うの。違うんです。うれしいだけなんです。本当に」
「な……なら、いいけど」
「……あの……」
「――あんま無理して喋んなくても、いいけど」
 どアップのトーマさんが、視線をこっちに向ける。
「大丈夫です。少し落ち着いてきました」
「そうか」
「私……やめたくないんです」
「何を?」
「ここを」
「……お前、入って1ヶ月も経ってねーだろーが」
「ハイ。だから、やめたくないんです」
「……普通、そーだろーなぁ」
 稽古場の入り口が、近付いてくる。
 タクシーが、停まってる。
 入り口の方で、私の荷物を持った人が、手を振ってる。
「――私……、また来ても」
「あ?ごめん、ちょっと聞き取れなかった」
 私は、すとん、とトーマさんの肩から降りる。
「また、来ても、いいですか?」
 そしたら、トーマさん。
 声を出して、笑った。
 そして、呆れたような顔になって。
「何言ってんだ、お前。変な奴。来たけりゃ勝手に来い。お前が決めることだろ?」
----------------------------------------------
こんなところです。よろしくお願いします。

1656イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 09:18:25
これ・・ネタか?
釣られるべきか?

1657イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 09:22:34
>>1649
前に批評されたとこ直した?
>>1318>>1321で指摘されたとこ、まったく変わってないけど?

なんていうか悪いけど文全体から昭和のかほりが漂ってるよ・・・
台詞とか、人物の服装の描写とか、ストーリーそのものもすべてが1980年代ですよ。

>金色のアクセサリー(今時のホスト風は金アクセなんかしない。ヤクザならする)
>投げキッス(・・・)
>「それじゃ俺は先にフケさせてもらうぜ」(フケる、という単語自体が古い)

もしかしてそれが狙いなのかな?だとしたらある意味成功してるが。

文章は読みやすいと思う。でも表現方法は使い古されたものばかりで
読んでいて新鮮味がまったくない。

1658イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 13:01:46
>>1654
基本からやりなおしてこい。
話はそれからだ。

1659イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 16:45:15
>>1649
>ようやく顔を覗かせた赤い(ry

「ようやく」は余計。この言葉は主観性が伴わなければ意味がない。

>人狼よりも更に背の高いその人影は、少年の姿をしていた。

人狼ちっちゃ!!

>まるでこれから人狼とキャッチボールでも始めるのではないかと思わせる風情だが

言いたいことは分かるけど、キャッチボールを例えに出さなくてもそういった構え方は既にありふれてるから、
「緊張してない」とかその程度で十分。この辺を自分の個性と勘違いしているのかもしれないけど、単なる無駄。

>ザッッツ!

that's

>ブィン!

たまにこういうおならの音ってするよね。

>距離にして僅か90センチ

肩幅どんくらいか知らないけど、おそらく人一人分動いてるから「わずか」ではないと思う。

>回避不能と思えた

誰が思うのこれ?

静かなシーンで雰囲気を出せず、戦闘シーンで迫力を出せない。
もうちょっと読み手の事を考えて作るべきだと思うけど。

>>1654
目が滑った。
自分の中で完結し過ぎ。

1660イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/04(月) 01:01:30

 >>1653>>1657御批評ありがとうございます。

 >君の文章を一言で批評(なんかいやな言い回しだな)「安易」。以上。

 やはり、見る人が見れば、一発で分かってしまいますね。
 これは、大昔に設定もロクに考えないで勢いだけで書いた物に、ちょこちょこと描写を付け足した
 物です。
 バックボーンなんかも設定していない、ぺらぺらに薄いキャラに、安直でありがちなストーリー展開、
 テンプレートを切り貼りしたような、ありがちな描写。はい、自覚してましたorz
 自覚しているなら、何とかしろとよと、つっこみが入りそうですが、それっぽい、描写で誤魔化せる
 かな、などとなめた事を考えてました。やはり、読者を舐めてはいけませんね。

 >台詞とか、人物の服装の描写とか、ストーリーそのものもすべてが1980年代ですよ。
 
 これの元を書いたのは97年頃なんですけど…orz
 その頃、ソノラマの菊地秀行作品に、ハマッていてそれの影響をモロに受けています。
 強烈な80年臭は、そのせいかなと。
 
 >もしかしてそれが狙いなのかな?だとしたらある意味成功してるが。

 古い文章の方に、合わせて改稿しています。1/3ほど新しく継ぎ足していますが、読んでいて違和感
 がないのなら、成功と言えば、成功です。

 ただ、今回は、意識して古い文章に合わせていますが、自分の文章が、古臭い事は、自覚しています。
 私は、出戻りワナビで、数年間、ラノベはおろか一般小説も、読んでいません。その為、センスや感性
 が古いまま、錆ついちゃってます。一応、最近のラノベを、読んで研究はしていますが。

1661イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/04(月) 20:46:02
一つ質問。


 うだるような炎天下の中、城へと続く街道を、騎士ギルベルト・マルデンは馬を駆っていた。
 大柄で逞しい体を鎖帷子で包み、その上から軍衣を着ている。兜はかぶっておらず、燃えるような赤い髪と髭に覆われたいかつい顔は剥き出しだった。その後に、従者のヨアヒムが御す馬車が続いている。
 強い光を放つ暗褐色の目で、騎士は周囲を見回す。畑にはまだ人影はなかった。
「お前さま!」
 横合いから大声で呼び掛けられ、騎士は右手を振り向いた。
「おう」
 思わずギルベルトは声を上げる。
 街道沿いに流れる川の向こう岸、小さな水車小屋の陰に、イレーネと妻のメイディアの姿を見つけたのだ。すぐさま馬首を巡らせ、川にかけられた橋を渡る。
「こちらにおられましたか、姫」
 巨体を感じさせない軽捷な動作で馬から下りると、ギルベルトはイレーネに騎士の礼を取った。
「何があったの、ギルベルト?」
 問うイレーネの声は固い。
 ギルベルトは旗騎士として、ウインクルム領に残った留守役の騎士たちを取り纏めている。北の大門に詰めているはずの彼が自ら馬を駆って城に向かうというのは、余程の事に思われたのだ。
「実はですな――」
 丸太のような腕を組み、ギルベルトは少し言いよどんだ。さて何から話すべきかと、迷っているようだった。
 髭のため年配に見えるが、ギルベルトはまだ三十前である。そういう表情をすると、年齢相応の若さが顔をのぞかせた。
「……こちらを御覧になっていただくのが早いでしょうな」
 ようやく追いついたヨアヒムの馬車を指し示すギルベルト。馬車の荷台には藁で即席の寝台が作られており、一人の若者が横になっていた。
 おそらく意識がないだろう。両目は硬く閉ざされており、ひび割れた唇からは苦痛の呻きが上がる。だが何よりイレーネの目を捉えたのは、木の葉を思わせる形の、細く尖った耳だった。
「エルフ……」
 呆然と呟くイレーネ。
「先ほど、深手を負った姿で大門に現れました。取り合えず、血止め等の応急処置は施しましておりますが」
 閉鎖的で、他種族と交わろうとせぬエルフが、人里に助けを求めてきたというのだ。一体、何事があったのだろうか。
「分かったわ、わたしも城に戻ります」
 頷くと、イレーネはメイディアとヨアヒムの手を借りて荷馬車に乗った。
「ギルベルトは城への先触れを。メイディア、あなたは修道院に行ってブリエンツ司祭さまを呼んできて」
「承知」
「了解しましたよ」
「急ぎましょう、姫様」
 てきぱきと指示を出すイレーネに、一同が答える。
 イレーネの母マリアは五年前に他界しており、父オトカルはそれ以来、後添えを貰っていない。オトカルが出征の途についている今、残された民と領地を守るのはイレーネの勤めだった。
 その時、またもやイレーネは目を細めた。
 風が、吹いた――
「どうなされました、姫様?」
「ううん、何でもないのよ」
 ヨアヒムが朴訥なつくりの顔に心配気な表情を浮かべているのを見て、イレーネは慌てて手を振る。だが、内心は穏やかではない。
 今の風に乗っていた悪意に満ちた嘲笑を、イレーネは確かに聞いたのだ。


こういう風に、途中で視点が人物から人物にスライドするのはNGだろうか?

16621651:2006/09/04(月) 20:49:16
3段落目と5段落目の『騎士』は『ギルベルト』に脳内で差し替えてください。

1663イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/04(月) 22:15:19
↑の文章を自分が読んだ時は、特に違和感なく自然に読めました。
わかりにくくなければ、いいんじゃないかと思う。

16641653:2006/09/05(火) 00:06:48
>>1661
視点のぐらつきが良くないと言われているのは、意味がわからなくなるから。
意味がわかればよい。ただ、文章作法原理主義みたいな人もいて、そういう人は気に食わない、らしい。
下読みの人がそういう人の可能性もあるから、乱発しないほうが無難かも?

>>1660
そういう事情ならしょうがないのでは? 技術的な問題を聞きにきたというより、ありかなしかを聞きにきているみたいだし。
ところで、今の表現っていう話があったけど、真理に年齢はないというし、純粋に文章力うpを目指せばいいんじゃない? 漱石とか今でも素晴らしいわけだし。
で、それだけじゃあれなんで、俺の言う強度の表現のお話。
斉藤環(だったと思う。東かも)によると、今の子どもたち(つまりラノベ読者層)は強度を伝え合うそうだ。
マジとかゲキとかテラとかギガとかピコとか多用している話を例に言っていた。
俺もなるほどと思って強度の表現に気を使っている。それで強度のことを言ったのです。
参考になれば。

なんか俺の文章高圧的だな。そういうつもりはないので、一つよろしく。

1665イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/05(火) 23:38:23
>>1661
主体はしっかりさせないと。誰を中心に(もしくは神視点)書くのか固定しないと分かりづらい。
始めギルベルトが、急にイレーネにすり替わって違和感を感じる。こーいう移動は好ましくないね。
部分的に1人称的なとこもあるし、神視点か主体視点かがハッキリしないのもモヤッとだ。

基本的に視点移動は、流れやシーンに区切りがついて、別のシーンにならないと駄目だろう。
分かりやすく言うと、俺のターン!〜でターンエンド→敵のターンって感じ。

1666イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/06(水) 14:25:45
>>1661
例えばA氏とBさんがいる。分かれ道があって別行動をした。右へいったA氏の話に区切りがついて、
一方その頃〜てな具合にBさんに移るのはおーけー。Bさんについてはスタート地点からでも、リアルタイムザッピング
でも、時間的・場所的な変化もあり。ただ段落ごとにA→B→A・・ってのはやめた方がいいやな。

とりあえずどんな効果を狙って視点移動、複数視点をやりたいのか聞きたいな。

1667イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/09(土) 03:37:09
>1661
そのていどの視点の移動は文章としては問題ないよ。

ただ、読者としては、騎士はどうなったんだ?と疑問に思う。
主人公が姫なら、どういう効果を狙って騎士の視点から始めたのかも疑問。

だから、手法としては問題ないけど、この例では使う意味がないと思う。
構成が下手、と思われるだけ。

16681661:2006/09/09(土) 13:31:32
遅くなりましたが、いろいろな意見をありがとうございます。

やっぱ途中で段落を分けて視点の変化を明白にするか、最初からイレーネの視点で書いたほうが無難のようですね。
推敲してみます。

1669イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/18(月) 09:40:20
ファンタジーのプロローグです。
よろしければ感想をお願いします。

 信じられない人物が目の前にいる。
 ゆっくりと近づいてくるその人物に出会った驚きで、マルスは剣の稽古を中断し、立ち尽くしていた。
 切れ長で細い目をした長身の堂々とした体躯の男。髪は長いが、後ろで束ねているので肩まではかかっていない。その全身を覆いつくした黒いマントが風にたなびいていた。
 顔はもう完全に大人になっているが、五年前に突如として行方不明になった実の兄テルスに間違いない。と、マルスは確信した。
「テルス兄さん!」
 もう会えないと思っていた兄に合えたことで、マルスは持っていた稽古用の剣を地面に放り出し、歓喜の表情でテルスに駆け寄る。鈍い金属音が地面に響くと同時に、テルスは歩みを止めその場で立ち止まった。
「お前がマルスか?」
 テルスは抑揚の無い声でマルスに話しかけてきた。
「そうだよ。五年もたったから見違えちゃったかな? 俺ももう十六だし。ほら、背もこんなに大きくなって」
 マルスが自分の頭に手を当て上に伸ばす動作をしている間に、テルスは腰の脇から静かに短刀を抜き出す。
 何事かと思い、テルスの顔を見上げるマルス。
 どこまでも無表情なテルスの顔。その額には、美しく輝く緑色の輝石がその存在を主張していた。マルスは短刀の事を忘れ、しばしその美しさに魅入られてしまった。
「兄さん、その宝石はいったいなんな……」
 マルスは最後まで言葉を発する事はできなかった。何が起きたのかわからず、自らの胸より流れる血潮を眺めながら、膝を折り前のめりに倒れる。薄れゆく意識の中で、マルスが最後に見たのは不敵に微笑むテルスの姿であった。
 
 ――誰かが自分を呼んでいる。
 所々耳に入ってくるこの声。マルスにとって昔から馴染みのある声だ。この声の主に呼応してマルスは目を明ける。目を明けると、その声の主が叫び声をあげながらマルスの体を揺らしていた。
 サラサラとした長い後ろ髪を赤く大きなリボンで束ね、腰までの長さにとどめている。顔の中で一際目立つ、他人より大きいその目は幼さを際立たさせていた。そしてその両眼からは涙がとめどなく流れている。その涙は少女が身につけているミニスカートに、吸い込まれていた。
 マルスの妹、リスティである。
「リスティ……」
「お兄ちゃん!」
 マルスが気がついた途端、リスティは一瞬笑顔に変わり喜んだが、すぐその後でマルスに泣きついていた。
「お兄ちゃん! お父さんが! お兄ちゃんが……」
 取り乱している二歳年下の妹をあやすように、マルスは両腕をリスティの背中にまわし優しく抱きしめる。
「大丈夫だ……兄ちゃんがついてる」
 震えるリスティを抱きしめながら、マルスは脳にいくつかの疑問をうかばせた。
(なぜ、兄さんは俺を刺した? なぜ、俺は助かった?)
 自分の胸をみても、刺された形跡はなく、それどころか服に血痕一滴ついていない。しかし、あの体験は夢なんかじゃない。マルスはそう確信していた。胸をえぐるようなあの感覚が夢ではなく現実なんだと思い起こさせるからだ。
 しばらくすると、リスティは落ち着いたのか、細々とではあるが、事の仔細を話し始めた。
「あのね……」

 家の扉を勢いよく開け放つと異臭がした。
 ――そんな、ばかな!
 ありえない、とマルスは思った。
(あの、父さんが、出鱈目に強い父さんがそんなことになるわけがない!)
 そのマルスの思いもむなしく、目の前の光景は現実を叩きつけてくる。
 マルスはフラフラとした足取りで家の外へ出て、そこで待っていたリスティに視線を向けた。
「お兄ちゃん……」
 心配そうな顔でマルスを見つめてくるリスティに、救いを求めるかのようにマルスは泣きついた。
「父さん……父さぁああん!」
 自分の中の悲しみを全て出し尽くすまで、マルスは泣き続けた。悲しみを出し尽くした後に残ったのは、兄テルスに対する限りない憎悪だけであった。

1670イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/18(月) 15:38:23
>>1669
「あ、そう」って感じかなぁ。
キャラに感情移入できるだけの描写がない状態で展開してるから、
兄に刺されようが親が殺されようが「ふぅん」としか思えない。

それと、「額の宝石のせいかもよ」ってのは読者を誘因する力に欠けると思うよ。古くさすぎる。
もちろん中盤か後半で「そう思わせておいて、実は違うんです」ってひっくり返す予定なんだろうけど、
そこまで読んでもらえないと意味ないし。

1671イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/18(月) 22:10:03
>>1669
悪い意味で展開が早いね。必要なことが説明されてない。
まず主人公はどこで稽古してるのかは普通書いてないといけないし、
「過去に兄が失踪したある程度の詳しい状況」「超絶的な父の強さ」も
この最初のシーンで書いておくべきだと思う。

自分でわかる範囲でいいから、必要なことを考えて書き足していくといいよ。

1672イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/18(月) 22:18:03
>>1669
まずファンタジー世界の土台が説明されていない。

物語世界は何でもありだから「ファンタジー」と一口に言っても、
SFやスチームパンク、ハイ・ファンタジーにロー・ファンタジーと沢山ある。
しかも社会構造や観念の違いというのもあるから、それを説明しないとならない。

まずは先入観を捨てて、真っ白な紙に一つずつ世界を描いていくつもりで書くといい。
そのプロローグは舞台を説明した上で展開しないとならない物語だから。

1673:2006/09/19(火) 09:20:41
40×34字で4ページの長いプロローグです。お手間でなければ
ご批評おねがいいたします。主人公達は高校生、一応は伝奇系の話として
考えています。

 去年の五月か六月の事だ。街を歩いていると、ぱらぱらと流れる人の流れの向こうに
見知った顔を見かけた。伊部崇だった。おとなしくまとまった髪型と地味な眼鏡、
頼りなげなたたずまいを見れば間違いない。啓耀学園高校に入学してからまだ日も浅いが、
剣持弓鹿はすでにクラスメイト全員と学年で目立つ生徒の顔を概ね覚えていた。
伊部崇はクラスでも印象の薄い方に入る。目立つのが嫌いなのだろう、いつも
肩をすくめるようにしているし、大きな声を出すのを聞いた事はない。
問題を起こしそうにも見えない――というのは、ひいき目に見れば
知性の匂いのする目を持っているように思えたからだが――。黙っていれば
十人中九人が目にも留めない、そういう人物だ。実際今日見かけて目に留まったのも、
言ってはなんだがちょっとした偶然と言っていい。
 日曜日の街の賑やかな雑踏の中で崇の姿がこうも目を惹いたのが何故か、
即座に理解した。挙動不審だったのである。腰をかがめ、道の端から人の流れに背を向け、
路地を所在なげに見つめている。何を考えているのか時々不安げに
周囲を見渡し、また視線を路地に戻す。路地の奥にあるものの正体を知りながら
足を踏み出しかねているといった風情だ。

1674:2006/09/19(火) 09:21:15
 見ていていらいらさせられる光景だった。優柔不断がどうの
男らしさがどうのとは言わないが、クラスメイトが町中で
不審げな様を晒しているのを見ると、自分まで恥ずかしくなる。
下世話ではあるが、気にもなった。素知らぬ顔で声でも掛けて、
ついでに問いただすか――。
 声を掛け損ねた。弓鹿が一歩踏み出すのと同時に、崇も恐る恐るに
路地に足を踏み入れたのだ。そして、これもまた即座に看取した。
崇の注意はあくまでも前方に向かっている。背中に降りかかる視線など
気にも留めていないくせに、妙に緊張している。
 興味をそそられた。崇の足取りも視線も、気後れはあっても
後ろめたさを感じさせないものだ。反射的に足取りを弛め、弓鹿は
崇に気取られぬ程度の距離をキープした。もちろん崇はそんな視線になど
気付きようもない。へっぴり腰でおどおどと、遊園地の
お化け屋敷を行くような足取りで路地を進んでいく。
 路地はそれなりに奥深く延びている。曲がり角もあればビルの裏口に積まれた
ビールケースもあるので視界はだいぶ遮られ、また裏通りという事で
掃除なども行き届いていない上に薄暗い。さまざまな意味で
人の目が届きづらい環境になっている。死角だ。街の構造そのものが
人払いをするように作られている。そんなところに気弱な優等生が
何をしに行くというのか。暗い好奇心に顎をくすぐられる。

1675:2006/09/19(火) 09:21:46
 するすると進むうちに弓鹿は異変を察知した。鈍く短い音が、
遠くから断続的に耳をノックする。鈍く、重く、水っぽい音。
崇は恐る恐る、だが迷い無く音の源へ向かっている。
 角を曲がったところで崇は足を止めた。いや、すくめた。
その視線の先でどんな事が起こっているのか、弓鹿の想像にも難くない。
殴り合いか、袋叩きか。だがそんなところにわざわざ首を突っ込んで
何をするつもりか。ビルの陰から頭半分だけ出して、弓鹿は崇を見据えた。
「……あの」
 自分の声に驚く崇はともかく、何故自分まで心臓が跳ね上がるような
思いをするのか。いささかの不条理を噛み締める弓鹿など気にも留めず、
崇はほとんどすくみっぱなしのまま、へっぴり腰で一歩前に出た。
その先にどんな連中が何人いるのか弓鹿からは見えない。が、
たとえ一人二人が相手でも、どうかと言えばひ弱なおぼっちゃまにしか
見えない崇に何とか出来るとは思えない。
 予想通りだった。路地の向こうからニットをかぶった男が一人、
崇に額をぶつけるほどの距離に詰め寄って来た。肩を押しつけ、
胸を突き飛ばす。見ているだけで胸がむかむかするような、あからさまに
嵩に掛かった態度。突き飛ばされた拍子に崇がこちらに気付きはしまいかと、
弓鹿は慌てて頭を引っ込めた。それからしばらくは隠れてやりとりを
聞いているだけだったが、流れは手に取るように分かった。

1676:2006/09/19(火) 09:23:03
ウザいクチを叩くバカを、ニットの男が引っ掴んで仲間の所に
引きずり出そうとしているのだ。
 しばらく待つ。男達のけたたましい笑いとからかいの言葉が
ひとしきり続き、それから再び一つ、何かを打つ音が響いた辺りで
とうとう弓鹿は立ち上がった。
「誰か! 喧嘩です! 誰かーっ!」
 声には自信がある。警察のサイレンみたいだとからかわれた事も
あるくらいの大声だ。
 急に向こうの気配があわただしくなった。声の強さが幸いだ。
弓鹿を捜す事よりも引き払う事を第一にしたらしい。連れだった足音が
どんどん遠ざかるのが分かる。それでも足音が完全に消えるまで待ってから、
弓鹿はやっと物陰から出て、崇が引き込まれた道まで足を踏み入れた。
「大丈夫? 怪我はない?」
「あ……剣持さん。どうして?」
 何故かあの男達に絡まれた時よりもよほど驚いた顔で――と、
弓鹿はさしたる根拠もなく想像する――訊ねてくる。その顔を見て
弓鹿は溜め息を吐いた。さっきまで掛けていた眼鏡が外れ、頬が
赤くなっている。弓鹿の視線を察して崇は慌てて頬を隠し、少しばかり
口ごもってからまたパッと弾かれたように後ろを振り向いた。
「そうだ、あの、早川君がちょっとひどい事になっちゃって。
僕ちょっと人を呼んでくるから、その間に電話を、いや、傷を
見たほうがいいかな。でもさっきの人達がまた……」
「携帯で呼べるでしょ。さっきの人達もわざわざ帰ってきたりはしないわ」
「いや、待て。病院はいらない。大丈夫だ」
 第三の声はさっきまでうずくまっていた早川慎司だった。こちらは
きれいな顔立ちも少々いじられているが、後々まで残る――つまり
後遺症になりそうな傷はなさそうだ。数日は体中が腫れて仕方ないだろうが。

1677:2006/09/19(火) 09:23:40
「でも早川君、そんなに……」
「大した怪我じゃないさ。いや、嘘だけど、担ぎ込まれるのは勘弁してくれ」
 むしろ弓鹿のほうが、それを冗談としてきちんと受け止められた。だが
精密検査は受けた方がいいだろう――。そう伝えると、苦笑いで
肩をすくめられる。
「しかしまあ、伊部、助けられて言うのもなんだけど、わざわざ
こんな事に首を突っ込む事もないだろうに。尾けてきたのか」
「ごめん。余計な事だったかな」
 何故か助けた方が恐縮している。慎司は何も言わずに崇の肩を叩いて、
弓鹿にも向き直る。
「剣持にも感謝しなくちゃな。まさかとは思うけどお前も尾けてきた?」
 いたずらっぽい顔で訊かれて、何となく気恥ずかしい思いで頷く。
「伊部君を見かけて、それで……」
「ありがとさん。お前がいてくれなかったら男二人で心中だったよ。しかし、
ウチのクラスは野次馬が多いな」
 軽やかに笑う。崇も表情をカチカチにしながら――きっとこういう時に
笑う事に慣れてないのだ――言ってくる。
「ありがとう、剣持さん」
「どうするつもりだったの?」
「え?」
「わざわざ危ない事をして、あれからどうするつもりだったの?」
 思ったよりも鋭い切り込みになった事に、弓鹿は自分でも驚いた。
もう少し、そう、呆れたような笑いを浮かべながらでもよかったろうに。
怒っているようにしか思われまい。

1678:2006/09/19(火) 09:24:08
 案の定、崇は頬を押さえたまま気後れしたように目を逸らした。呟く。
「その……声を掛ければ気が削がれていなくなるかな、とか、うまく引きつければ
早川君を逃がせるかな、とか……うわっ」
 ひっくり返ったような声を挙げたのは、慎司が突然後ろから崇の首に
抱きついてきたからだ。入学早々噂の多い早川慎司だが、そっちに
強いというのは初耳だ。
 弓鹿は一度喉の奥で息を引き絞ってから、弓弦のように張ったそれを
弛めて呑み込んだ。茶々を入れるのが勿体なく思えたのだ。救われた気分と
言ってもいい。
 それに加えれば、自分の卑しさに対する引け目もあった。慎司はああ言っているが、
弓鹿が崇を尾行したそもそもの根拠は単なる下世話なのぞき見趣味であり、
危険を察知したにも関わらず崇の行動を観察し続けたのは、崇のひ弱な印象を
裏付ける行動を見る事で自分の暗い感情を満足させたかったからだ。もっとも
その期待は裏切られた訳であり、その意味ではまったく救われていないが。
 それなのに救われたと感じる自分が情けない。そして弓鹿が傍観を
決め込んでいた事に思い至っている――思い至らない訳がない――にも関わらず、
詮索一つしない二人に言いようもない劣等感を抱く。
「剣持さん、どうしたの? 気分でも悪いの?」
 慎司にへばりつかれたまま、崇が心配そうな顔で見ている――。さっきとは
別の感情に喉をくすぐられているのを感じてから、それがますます情けなくなる。
「早川君は大丈夫でも、伊部君は来なさい!」
 慎司を引き剥がし、そのまま腕を掴む。昔は父に倣って武道を
やっていたのだ。動きの鋭さでは負けない自信があった。
「いや、ちょ、ちょっとあの、僕も全然平気だから。冷やせば……」
「もう少し殴られ慣れてから言いなさい。目が驚きっぱなしよ」
 まだむにゃむにゃと繰り言を述べるのは無視した。如才なく出したハンカチを
ひらひらと振る慎司に一瞥を送りながら手近の病院を思い出す。
 掴む手から伝わる手首の感触はやっぱり頼りない。ろくに鍛えていないのだろう。
こんな情けない腕で、馬鹿だ。へっぴり腰でおどおどとしか立ち向かえないくせに。

1679イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/19(火) 11:02:55
4以降、会話が始まるとそれなりに読めるのに、それまでが非常に読みにくい。
まず、この書き出しだと伊部崇が主人公なのかと思ってしまう。もちろん数行後で剣持弓鹿が主人公だとわかるのだが。
第一、剣持弓鹿が女性だとは途中まで気が付かなかった。いや、もしかしたら女性のような話し言葉の男性なのかもしれないが。
それくらい主人公に対する描写が無さ過ぎる。

>主人公達は高校生、一応は伝奇系の話として考えています。

これは本文じゃないところで記しておくものではなく、本文を読んでるうちにわからせる努力が必要。

要するに描写が不親切。脳内で動いているドラマや情景を、どうやって言葉を解して他人にわかるように伝えるべきか工夫すべき。
文章そのものよりは、映画などでカメラワークを研究したらどうだろうか?
主人公の年齢、性別、服装および容姿(ミクロ)→街の情景、天気、時間帯、そもそも舞台が現代日本かいや地球上であるか(マクロ)→主人公視点での事件、会話(ミクロ)
みたいに、カメラワークを意識してミクロとマクロの描写を丁寧にするべき。

あと、文章自体は極端に主語省略文が多すぎると思う。そこにきてモノローグの挿入のタイミングが悪いから、自由間接話法どころか視点の定まらないただの一人称三人称ごちゃ混ぜ文になっている。

まあ、俺が気になったのはそんなところかな?

16801673-1678:2006/09/19(火) 22:00:06
>>1679
ありがとうございます。キャラクター一人だけの状態での
行動描写がいい加減ということですね。
もしかしたらリライトして再うpするかも知れません。

1681イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/19(火) 22:16:46
俺は逆に会話が始まってからの内容がいまいちわからんかった。
主人公の心理描写が特に。

何故といわれてもわからんがな!

1682イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/19(火) 22:23:18
名前が読めん。人物どころか学園とかも。
後、非常に個人的なことですまんが『――』を使いまくる文が嫌いな俺にとってはすっげぇ読みにくかった。

1683イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/19(火) 22:39:29
たくさん感想を聞きたいようなので、読者の目線で勝手なことを言わせてもらう。
もっと読みやすく!!

2の途中で読むのやめた。

16841673-1678:2006/09/19(火) 23:53:32
>>1681
会話ですな。何故と言われて答えられないくらい意味不明と受け止めて、
読者に伝えたい情報を明瞭にしてきます。

>>1682
失礼しました。ルビを忘れておりました。「――」は抑えたつもりなのですが、
これについても更に善処させていただきます。

>>1683
よっしゃ! なんとかして半分くらいに縮めて、
さっぱりとした文章に仕立て直して来ます!

どなた様もありがとうございました。

1685イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/20(水) 00:08:26
>>1684
全然わかってないなあ〜。
1679は、主人公が一人のとき、と言ってるのではなく複数だとお前の描写の問題点が目立たないと言っている。

1682は、ルビ云々もだけど、それを突き抜けて読ませる魅力が無いと。
『――』に関しては俺もよく使うが、それ以前の文章のわかりやすさに気をつければ問題にはならない部分だ。
てか、主語を省くな。それだけでがらりと変わる。

1683の「もっと読みやすく!!」はイコール「簡潔に」という意味ではないぞ。
文を読むと同時に想像力を喚起され場面と情景とキャラの行動が浮かび上がり、すらすらと読めるようになる。
要するに1679に通じる意見だ。

一言でいうと、勉強しなおして出直して来い!

16861684:2006/09/20(水) 00:48:43
>>1685
おう、これは丁寧な翻訳ありがとうございます。こちらがどの程度
咀嚼出来たか、ただちに伝えられないのが残念ですが、
一度文章全部書き直してきます。ノシ

16871669:2006/09/20(水) 07:52:44
>>1670
おっしゃるとおり描写がないですね。申し訳ありません。
宝石は話の根幹に関わってくることなんですが、たしかに古くさい気もします。
>>1671
情景描写をしなかったのは失敗でした。すいません。
兄と父についても後々明らかにする予定なのですが、
感情移入してもらうならはやめに情報をだしたほうがいいですね。気をつけます。
>>1672
世界観はたしかに大事ですよね。
言われてみれば、いつ、どこで戦ってるのか全く書いてないので状況がつかめないですね。
今度は、説明的にならない程度に世界の土台を書いてみたいと思います。

みなさま、読んでいただいたうえに感想をくださってありがとうございました。
文章以前の問題の作品を投稿しておいてあれなんですが、文法や文章はどうだったでしょうか?
読みづらいとか、日本語になってないとか、教えてもらえるとありがたいです。

1688イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/20(水) 08:22:24
>去年の五月か六月の事だ。
具体的な数字は要らなそうなので、
リズムを考えると「去年の春の事だ」などの方がよさげ。

>剣持弓鹿
一瞬、名前に見えなかった。伝奇だったらもっと平凡な名前の方が良いかと。

>見えない――というのは
まぁ人にもよるんだけど、ここは「――」じゃなくて「、」か「。」の方がいいかも。

>からだが――。

ここは「……」の方がいい。

>不審げな様を晒しているのを見ると、自分まで恥ずかしくなる。

ここまで来て一気に読む気が失せた。
なんでかっつーと淡々とした日常描写を延々と続けているから。
そしてその先も何の進展もなさそうだから。

>下世話
辞書で引いた? よくみんな感覚で使いがちだけど、
「それって要するになんていう意味?」って聞かれたときに断言できなければ、
しっかりと辞書引くべき。「下世話」にしても通じなくはないけど不自然。

>看取
逆にこれは他人が辞書引かないと読めないんでやめておいた方がいい。
常に一般常識と一般的感覚ってものに注意を払わないと。

>声を掛け損ねた。
>興味をそそられた。
どうも英語っぽいというか、結果や結論が先に来すぎ。
「なぜ」という説明がついてないから、頭に残りにくい。
この辺は話の持って行き方の悪さだな。
出来れば「〜〜だから、興味をそそられた」の様な形にするといい。

>肩を押しつけ、胸を突き飛ばす。
これがどういう状態なのかよく分からない。
突き飛ばすだけでいいかもしれん。

>嵩に掛かった態度
これもあんま使わない方がいいかもしれん。
まぁ「雰囲気作り」の一環としてありっちゃありだけど、
中学、高校辺りが理解できるかねぇ。これ。

>ウザいクチを叩くバカ
なんか使い方を誤っている様な気がしないでもない。
どうも読んでると三十代四十代が無理矢理書いてる感じがする。
言葉の選び方も昭和の匂いがしてるんだけど勘違いかな。
ちなみにgoo辞書で「うざい」をひくと載っていたりする。

>「携帯で呼べるでしょ。さっきの人達もわざわざ帰ってきたりはしないわ」
あれ、これって女だったの?
性別が何処にも書いてないから男だと思ったんだが。どっちなのか悩む。
この時点で主人公達の説明が思い切り不足してるなぁ。


6の最後の方は何がなんだか分からないまま進んでしまっている。
プロローグというわりに淡々とした、ありふれたエピソードで興味が湧かない。
序章をどういう意味に取るかによるが、わざわざ分けるんだから、
もっと非日常的な物語の始まりを予感させるものにした方がいい。

1689イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/20(水) 12:44:26
>>1669=1687 じゃあ、純粋に文章の話で。
批評始めてなんで、おかしい部分があったらこのレスにも指摘お願いします>批評家の方々

●言葉の重複
>信じられない人物が目の前にいる。
>ゆっくりと近づいてくるその人物に出会った驚きで、
「人物」のどっちかを「人」にするだけで文の流れと印象が変わる。

>所々耳に入ってくるこの声。マルスにとって昔から馴染みのある声だ。
>この声の主に呼応してマルスは目を明ける。目を明けると、その声の主が叫び声を
・一段落に「声」が5回
・「マルスは目を明ける。目を明けると、」
ちょっとくどい。できれば別の表現に。

>マルスの妹、リスティである。
>「リスティ……」「お兄ちゃん!」
下の呼びかけで名前も関係もわかる。地の文の説明は不要。

>悲しみを全て出し尽くすまで、マルスは泣き続けた。悲しみを出し尽くした後に残ったのは、
この反復は幼稚な感じがする。

>髪は長いが、後ろで束ねているので肩まではかかっていない。その全身を覆いつくした黒いマントが風にたなびいていた。
>顔はもう完全に大人になっているが、五年前に突如として行方不明になった実の兄テルスに間違いない。
「〜〜が、」が続いて読みにくい。

等々。全体的に似たような言葉をあまりにも近い位置で使いすぎだな〜と。
言い換えるか、要らない部分はどんどん省いちゃってください。
その方が本当に伝えたいこともクリアになるだろうし。
もちろん、何らかの効果をねらってやる場合は別ね。
あとテンションが一定すぎるので、もっと文章の流れや緩急を意識するべし。
書いたものを音読してみると、読みづらい部分がわかって(・∀・)イイ!!かも。

●矛盾
>信じられない人物が目の前にいる。
>ゆっくりと近づいてくるその人物に出会った驚きで、
コレすごく混乱する。
男は足を止めてるのか、それともこちらに向かって動いているのか?
マルスの間近にいるのか距離的に離れているのか?
いや最初立ち止まっててマルスが自分に気づいたことでまた歩き出したのか?

とか。たぶん「目の前にいる」という表現を「視線の先にいる」の意で使ったのかな。
「目の前」というと手を伸ばせば触れるくらいの位置だと思うんで、気をつけて。

>膝を折り前のめりに倒れる。
>薄れゆく意識の中で、マルスが最後に見たのは不敵に微笑むテルスの姿であった。
前に倒れる→うつぶせで意識を失う、ってことなら、最後にテルスの表情が見えるのは物理的におかしい。
普通地面しか見えないはず。マルスが倒れきる前にお兄ちゃんの顔が見えたんなら別だけど。

1690イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/20(水) 13:05:14
>>1664
なんか肩に力入りすぎかな。もうちょっと力抜いて書いた方がいいと思うよ。書き直しはいくらでもできるのだから。
後、最初一人称かと思った。主人公の回想から始まるのかと。一行目くらいに剣持ユミカは・・・みたいな文章でもいれてくれると。
ああ、そうそう剣持って名前をみた瞬間、キャラクターの映像が佐藤ふみになったんだが・・・w これは俺のせい? か?

それと文法ミスがちょくちょくある印象。不審「げ」とかね。こういう使い方はできなかったはずだと思うけど。
あと、嵩に掛かったって言い方も気になっていたんだが、嵩に掛「け」たじゃなかった?

んー、一まとめに言っちゃうと、統一感がないかな。ストーリーや、文章や、心情の流れが感じられない、とでも言い換えればいいのかね。

1691イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/20(水) 22:58:31
>>1669
プロローグだと掴みが弱いと思う。
いっそ兄貴に刺されるあたりから初めて、主人公が気絶したところで切り
親父や妹云々は本編の回想等で改めて語る、ぐらいにほうがインパクトがあるんじゃ?

16921664:2006/09/20(水) 23:38:28
>>1688
細かいご指摘ありがとうございます。文章の品質に関わるご指摘については
こちらの著者校正・推敲が足りないとしか言いようがありません。
牽引力の低さについては、全体の構成そのものを入れ替えるなど
「文章レベル」とは別の次元での解決も考えておりますが、
そもそも魅力的な文章であればそのようなご指摘もなかったかとも思います。
冒頭に持ってくる文章としては無神経でした。申し訳ありません。

>>1690
>心情の流れ
恥ずかしながら思案の埒外でした。
またこちらも文法ミスのご指摘で、こういう細かいつまずきで
いちいち興を殺いでいるかとも思っております。
あとはやはりカメラの安定の悪さのご指摘でしょうか。取り急ぎ対処いたします。
肩の力はニンともカンとも。私自身が作品イメージについて、
こういう固さの表現でなければならないと凝り固まっているのでしょう。
一度頭を冷やして参ります。

どちら様も、お時間を割いていただきましてありがとうございました。

1693イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/21(木) 01:05:39
ドラゴンライダー対ワイバーンの空中戦のシーンですが、どうでしょうか?


 風に乗って高度を稼ぎ、雲の間に隠れながら、イレーネとアルバインはワイバーンの群れの上方に周りこんだ。
 距離が詰まるにつれ、群れの様子がはっきりする。ワイバーンの数は四頭、歪んだ菱形の隊型を組み、南を目指していた。
(まだ、気付かれていない)
 緊張で渇いた唇を舌で湿し、イレーネは心中で呟いた。戦いの期待に昂奮したアルバインが、咽の奥から唸りを洩らす。
 マントの襟を上げて口元を覆うと、イレーネはアルバインの首の付け根をぴしゃりと叩いた。
『行って』
 無言の指示と共に、アルバインは動いた。四肢をたたみ、翼を閉じ、ワイバーンの群れに直上から急降下をかける。
 ワイバーンの姿がみるみる大きくなる。その時になってようやく気付いた右のワイバーンが、警告の叫びを上げる。たが、遅い。
『先頭を狙って』
 アルバインの口がかっと開き、その奥から灼熱の吐息がほとばしる。直撃を受けた先頭のワイバーンは、悲鳴一つ上げられないまま松明のように燃え上り、落下した。
『次は後ろから』
 降下の勢いを利用して巨体を旋回させ、アルバインは群れの後方に潜り込む。同時に再び炎の息を放つ。残った三頭のワイバーンは素早く散開して回避するが、最後尾の一頭がやや遅れた。
『逃がさないで』
 アルバインはそのワイバーンに踊りかかると、喉笛に喰い付いた。鋭い牙が鱗を貫き、深々と肉に食い込む。甲高い悲鳴を上げながら、ワイバーンも必死に鉤爪や尾の毒針で反撃する。しかし背後からのしかかられる体勢のため力が込められず、竜の強固な鱗に弾かれてしまった。
 空中で激しくもつれあいながら、アルバインは容赦ない力を顎に込めた。頸骨が砕ける鈍い音が響き、二頭目のワイバーンが血の泡を吹きながら断末魔にのたうつ。
 と、周囲を見渡していたイレーネの目が、後背から襲いかかる残り二頭のワイバーンを捉えた。
『後ろ』
 それだけで十分だった。アルバインは痙攣するワイバーンを放り出すと、振り向きざまに吐息で迎撃する。
 虚空を薙ぎ払った炎をかわしそこねた一頭は、右半身を炭化させられ墜落する。だが最後の一頭は灼熱の洗礼をかいくぐると、アルバインと交叉しざまに尻尾を振るう。その一撃は、アルバインではなく背のイレーネを狙っていた。

1694イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/21(木) 01:08:59
1693の続き

『下に避けて!』
 とっさにアルバインを降下させ、致命の毒針をかわす。だが避けきれない。ワイバーンの尾はイレーネの頭をかすめ、アルバインの翼を傷つけた。
「あうっ」
 マントのフードが裂け、額当てが弾け飛ぶ。激しい衝撃に意識が飛びかけた。
 竜騎士の最大の弱点は、竜に比べてはるかに脆弱な人そのものだ。だがその人が、本能のまま荒れ狂う竜を御す事によって始めて、竜騎士は竜騎士たりうる。
 この瞬間、イレーネはその手綱を手放してしまった。
 るるるるぐおおおぉぉぉ――
 アルバインが吠えた。格下の敵に主と自身を傷つけられた怒りが、白竜を駆り立てる。
 傷ついた翼を猛然と羽ばたかせ、一気にワイバーンとの距離を詰める。凄まじい速度と勢い。だがそこには、先ほどまでの戦術がまるでなかった。
『落ち着いて、アルバイン』
 懸命に呼び掛けるイレーネ。だがまだ意識が回復しきっておらず、初めての実戦に昂奮した騎竜まで『声』が届かない。
 突撃の勢いのまま、アルバインはワイバーンに襲いかかった。まずすれ違いざまに、反撃で振るわれた右の鉤爪を自らの尾の一撃で粉砕。続いて反転し、悲鳴を上げるワイバーンの首・両翼・左足・尻尾に、牙と四対の爪を打ち込む。最後に、そのまま首を伸ばし四肢を大きく広げた。
 ワイバーンの肉体は、文字通り引き裂かれた。五つに分断され、血と臓物を撒き散らしながら地上へと落下する。
 おろろぉぉぉん――
 白い鱗を赤く染め、歓喜の咆吼を上げる騎竜を、イレーネは叱りつけた。
『アルバイン――』
 その時、アルバインの巨体が大きく揺れた。
「な、何っ!?」
 慌てて周囲を見回しましたイレーネの顔が、恐怖でひきつった。傷ついた右翼の皮膜が、強引な動きの負荷に耐えられず、大きく裂けてしまったのだ。
 るらららぁぁぁ――
 苦痛の声を洩らしたアルバインが、平衡を失って空中で横転すると、石のように落下する。まるで、自分が屠った四頭のワイバーンの後を追うかのように。
「ああああぁぁっ!!」
 イレーネは悲鳴を上げた。凄まじい勢いで、地表の情景が拡大する。
「母さま――」
 今はもうこの世のどこにもいない人への呼び掛けは、誰の耳にも届かなかった。

1695イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/21(木) 14:31:29
>>1694
俺からは二点。

1)竜の火炎強すぎね?w
直撃したら即死かよ……。
そんだけ熱量持っている火球を吐き出して、竜の体は無事なのか
と突っ込みたくなるのは常識的な感覚だと思いたい。

2)無言の指示が万能すぎるw
『』が全部無言の指示というのはさすがに無理あるだろう。
実際に言葉に出したほうが自然だと思う。
でなければ「とっさに下へ避けるように指示した」などと
地の文にまぎれこませてしまったほうが違和感は少ない。

1696イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/22(金) 22:40:45
 戦闘機のドッグファイトを意識したんだろうけれど、これだと戦記物にも劣るよ。
少し気の利いた戦記物ならば、スティックを引いただのGの強烈さだのを書くことで、
読者に臨場感を与える工夫をするもの。
 例えば敵ワイバーンの編隊に襲いかかるシーン。

 >翼を閉じ、ワイバーンの群れに直上から急降下をかける。
 >ワイバーンの姿がみるみる大きくなる。

 ここに一文入れてみる。

 >イレーネは内股で竜鞍を締めて、宙に浮きかけた腰を固定した。

 とか。或いは風圧に目を細めたりとか。
 それに乗り手の脆弱さを強調するなら、竜がワイバーンに噛みついた時点で、イレーネは
かなりの衝撃を受けるだろうし、ワイバーンともつれ合えば振り合わされるだろう。臨機に
そうした描写を入れたらどうかな?
 そうそう。竜の炎がどれほど強力だろうと、そこはファンタジーだからとやかくは言わない。
しかし当然、乗り手もマズルブラストを感じるはずだ。
 例えばマグナム拳銃は、銃口を頭に付けた状態なら空砲でも人を殺傷出来る。
であれば、

1697イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/22(金) 22:47:14
 済まん、途中で送ってしまった。

 であれば頬や額に強烈な熱風を感じたり、焦げ臭い臭いを嗅いだり、或いは髪がチリチリに
成ることさえあるかも知れない。情景に対してそんな時はどうなるか想像力を膨らませ、
五感を総動員して読者に「感じさせる」努力をして下さいな。

16981669:2006/09/23(土) 07:06:17
>>1689
細かい批評ありがとうございます。
今度からは言葉の意味をよく考えて、重複した部分や、要らない部分を省いていきたいと思います。
「目の前」は言われてみればすぐ近くって感じがしますね。
自分としては「視線の先にいる」みたいな感覚で使ってました。
倒れきる前に見たという表現のほうがわかりやすいですね。すいません。
>>1691
自分としては掴みはこれでいいかなと思っておりました。
構成を考え直したいと思います。貴重なご意見ありがとうございました。

みなさんどうもお世話になりました。
いただいた感想を糧にこれから頑張っていきたいと思います。

1699イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/03(火) 22:02:47
すみません、よろしくおねがいします。今書いている長編の冒頭部分です。
冒頭だけなので、ストーリーの意味がわからないと思いますが、初小説で文章にまったく自信がないので、文章が通じるかどうかを教えていただけると幸いです。
文章が下手すぎて意味が伝わらないのではないかと、このまま書き続けるのに不安を感じていますので……

 川原にぽつりと小さなベンチがある。
 中年の男がそこで雑誌を枕にごろりと横になった。
 春の陽気のせいか、男はすぐにいびきをかき始めた。
 そのとき、すこし離れたところで、バアンという音が響いた。鉄板を叩いているような音だった。
 眠っている男は、すこし身じろぎをしたが、そのまま眠り続けている。
 しばらくして、またバアンという音が響いた。しばらくしてもう一度、そしてまたもう一度。
 男は目を覚ました。
 さっきからやたらとやかましいな。男は腕時計を見た。4時30分を回ったところだった。学校帰りの子供たちが、鉄柵を叩いて遊んでいるのだろうか。
 バアン。
 男は音のした方を見上げた。どうやら、少し離れたところに立ててある看板から音がしているようだ。「チカンに注意」。ありふれた看板だ。しかし、看板のそばには子供たちはおろか、誰の姿も見えなかった。
 男は顔をしかめた。どういうことだろうか。
 バアン。
 今度ははっきり見えた。石だ。どこからか石が飛んできて、看板を打っているのだ。
 対岸から飛んできているのか?
 男は対岸のほうへ首をめぐらせ、目をこらした。この川は幅が200メートル近くある。対岸にあるものはどれも小さくしか見えない。
 その時、対岸で豆粒のような影が動き、そこから石が飛んでくるのが分かった。
 石は吸い込まれるように看板にぶちあたった。
 あれは……子供じゃないか。
 その子供は小学校低学年ぐらいに見えた。あんな小さなガキが、こんなに遠くまで石を投げているというのか? それだけではない、さっきからあの2メートル四方の看板に石を当て続けているのである。尋常のコントロール力では不可能だ。
「どうみても小学生ぐらいやないか。ありゃあ、野球選手になったら、どえらい投手になるぞ」
 男は思わず口に出していった。
 自分が応援していたプロ野球チームで、その少年が投げているところを想像した。
 しかし、男はその妄想をすぐに打ち消した。
 いや、俺は何を言ってるんだ。もうプロ野球なんてこの世には存在しない。それどころか、全てのスポーツはこの世界から姿を消した。もう馬が走るところも見ることができないし、マラソン中継だって無い。
 サッカーは嫌いだったが、今だったら観たいような気がした。しかし、当然サッカーも禁止されている。
 唯一許されているのは、格闘技だけだ。それも普通の格闘技ではない……極めて血なまぐさいやつだ。
 男はため息をついて、堤防の上へと続く階段を昇り始めた。家に帰って、一杯やるつもりだった。もちろんビールは禁止されている。せいぜいコーラを枝豆でぐいとやるのが関の山だ。
 背後でまたバアンと看板が鳴ったが、男はもう振り返らなかった。

1700イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/03(火) 22:04:35
>>1699の続きです

 あちゃあ、あのベンチに人が寝てたのか。悪いことしたな。
 マモルはペロリと舌を出した。
 対岸のベンチで眠っていた男が起き上がって去っていくのを見てはじめてそこに人がいたことに気付いたのだ。
 きっと看板に石が当たる音がうるさくて、怒って帰ってしまったんだ。
 マモルは握っていた石を足元に放り投げた。
 堤防の石段に腰を下ろし、疲れた腕をぐるぐると回す。
 もうあれぐらいの看板なら、百発百中で命中させられるようになった。さすがに飽きてきたなあ。
 別にマモルは何か目的があって、看板に石を投げているわけではない、ただの暇つぶしである。
 堤防の上にはバス停がある、マモルはそこへバスに乗って帰ってくる姉を待っているのだ。毎日毎日待っている間に石を投げ続けた結果、これだけの腕になってしまった。
 はじめは川の中ほどまでしか届かなかった石が、一年もすれば対岸まで届くようになった。さらに半年で、大体の狙った位置へと投げることができるようになった。そしてさらに半年かかて、今のコントロールを身につけたのである。
 まったく意味のないことだ。マモルは苦笑した。
 石を投げる仕事でもあれば、一生食いっぱぐれは無いのにな。……こんなくだらない妄想をしていると知ったら、姉ちゃんに怒られるな。
 マモルは足元に落ちている木切れを拾った。そしてそれを大上段に振りかぶり、階段の手すりを打ち据えた。
 両手に痺れが走り、マモルは顔をしかめて枝を取り落とした。
 ……かと言って、闘技場で闘う気にもならないしな。
 俺は姉ちゃんのように背も高くないし、力も弱い。ああいうのは俺には向いてないだろうと思う。
 その時、向こう側の角を曲がって、バスの黄色い車体が姿を見せた。
 マモルは階段を駆け上がり、バス停へと走った。
 しかし、バスから降りて来る人の中に、姉の姿は無かった。
 マモルはふてくされてように、また川原へと降りた。
 気がつけば、また石を掴んでもてあそんでいた。
 対岸に人がいないか確認する。
 今度は……そうだな、あの遠くの電柱を狙ってみるか。
 マモルは、さっき当てていた看板よりも、さらに遠い位置にある電柱に狙いをつけた。
 大きく振りかぶり、足を高く上げて石を放った。
 石は放物線を描いて川を越えていく。
「あっ!」
 マモルは思わず声をあげた。あれは……電柱じゃない。
 マモルが電柱だと思って狙いをつけたのは、人間だった。いや、人間といっても地球人ではない。黒い衣服に身を包んだ、3メートルほどの巨体。○○星人である。
「あぶない」という声をあげる間もなく、石は○○星人の体へ激突した……と見えたその瞬間、石はフッと消滅した。
 ○○星人がゆっくりとマモルの方を向いた。
 その巨大な体を別にすれば、○○星人の見た目は地球人とそれほど大差はない。
 ○○星人の赤く輝く目が、マモルを捉えた。マモルは心臓を思い切り握りつぶされたような気がした。
 ○○星人が笑った……ように見えた。この距離である、対岸にいる人間の表情が見えるはずがない。しかし、マモルには、彼が笑ったということがはっきりと分かった。
 その時、背後でパアンという音が響き、マモルはふくらはぎに激痛を覚えた。
 マモルが振り返ると、石段の上に、粉々になった石が散乱していた。
 その欠片のひとつが、マモルのふくらはぎに浅く突き刺さっていた。
 ひとつひとつの石の見分けがつくはずもないが、マモルはその砕けた石が、自分の放ったものだという確信があった。
 もう一度対岸を見やると、○○星人の姿は無かった。

 
 冒頭の第一章になります。長いですがよろしくお願いします。

1701イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/04(水) 01:16:30
いい掌編かけたので、久々に批評というか感想というか、させて頂きます。
私的意見なので俺の読解力不足もあるかもしれないですが、そこはご容赦を。

まず感想。
「読めました?」と聞かれたら「読めました」と答える。しかし
「読みますか?」と聞かれたら「読みません」と答える。そんな感じっした。

・導入部としては、ちょっと弱すぎる。
・(たぶん無関係な)おっさんのシーンが長すぎ。
・世界観の伝え方が少なすぎ。
 近未来?超未来?宇宙人がいて普通の世界?異常な世界?ファンタジー?
 とにかくわかるのは「ここが現代世界ではない」と言うことだけ。
 伝わらないので3mの行動が「どれだけ不思議なのか」がわからない。
 マモルが200mの遠投が出来ることが「どれだけすごいことなのか」がわからない
 (↑おっさんの感想が冷静すぎるのもある。ちなみにプロ野球の入団テスト遠投は100mもない)
 足に石が刺さっているのが「痛い」のか「それほどでもない」のかわからない
 (↑マモルが冷静すぎ)
 とにかく「現象」に対してのリアクションが薄すぎて、その凄さのイメージがわかない。
 たとえばテレポーテーションで友達の家に遊びに行っても「やあ、いらっしゃい」とリアクションされたら、「この世界では普通のことなんだな」って思うでしょ。
 特に現代世界じゃない場合、その世界に住んでる人(小説内の人物)のリアクションでしか把握できないからね。メリハリ付けた方がいいと思う。
・スポーツが無い世界、と言うのを一生懸命説明しているが、その理由に全く触れないのでその事が重要なのか重要じゃないのかわからない。
・慣れてるならともかく、初小説なら人称の統一はしておいた方がいいと思う。

全体の感想は「漫画のコマを文章で書いてみた」という感じ。

まず、「必要な描写」「伝えたい描写」と「不必要な描写」を分けて、不必要なことを出来るだけ削除してメリハリを付けること。
描写やリアクションで「世界観」を伝えること。
これで少しは「読んでみようかな」って感じになると思う。

こんなもんでしょうか。頑張ってください。

1702イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/04(水) 15:40:16
まず、初めてなりに自信をもって書こう
すぐに読者に見透かされてしまう
そして、もっともっと本を読んで書きまくる事。

1703イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/04(水) 22:05:28
>>1699
おもしろいものを書けてると思うよ。
初めて書いたものに不備があるのは当然だから、
あまり悩まずにどんどん続きを書くべき。
書いてりゃ直ることもいっぱいあるから。

でも○○星人は、ちゃんと何星人か考えような。

1704イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/04(水) 23:18:03
批評でも皮肉でもないんだが一つだけ言わせてくれ。

>コントロール力

こんとろーるちからと読んでしまった。




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