したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

( ´_ゝ`)/こちら流石探偵事務所\(´<_` )

770 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:34:59 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「いやーヤバいなこれ。たかが数キロがこんなに遠いとは」

(=゚д゚)「確かに、距離感覚が地上とは全く違うのう」

( ´_ゝ`)「支えの木が散乱しまくってるのがほんとホラーだわ。さっきなんて木片が山になってたし」

( ’▽’)「支保杭ですね。崩落を防ぐためのものなので、崩れてると割と黄色信号ではあります」

( ´_ゝ`)「ちなみに赤信号は?」

( ’▽’)「支保杭が大きく歪んでるのは特にヤバいです、現在進行形で崩落してる状態ですからね。
      あとは露出してる岩の状態とかでの判断になりますけど、この坑道は特に崩れやすいところは金属板で覆ったりしてるので、
      赤信号レベルはつい先程の二ヶ所目の崩落くらいです」

( ´_ゝ`)「なるほどな。……って普通に赤信号渡ってるんだが?」

(´・ω・`)「確かにあそこ、金属板で覆われてましたね。突き破って崩落してましたが」

( ’▽’)「あそこ、帰れるかは毎回不安になります。通り抜けてる間の崩落は確率的に低いですけど、
      通り過ぎた後の崩落は滞在時間の関係上確率跳ね上がるので」

( ´_ゝ`)「いや酔狂だなほんと。すげーわ」

(´・ω・`)「流石に同意します」

(=゚д゚)「ワシは少々親近感を覚えるな。ワシらの修業とはある意味そういうもんじゃからな」

( ´_ゝ`)「修験道もヤベえ……」



 ―――。

771 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:35:33 ID:1.9LjSAM0
【A区画 坑道 崩落地点】
      ;;;;;;;,,;;;;;;;,/      ―.'.'.............,! 、 "    ノ   ,,-、  、 i,__ii,_i,-''゙i,   i_,、-ー''゛!、 ミ゙ィ.
   .ゞミ ノ"''ー-、,_i   ,/''-,i_,ii__,i !ニ 」, '、,,し‐''冖'''''"、..-"  .`'--' ニ=,-ー'゛(,  i゙  ゙i   ゙i l
   l /   /  ゙i  ノ"'ー-,=ニ 」, i゙\   .,,ノ゙' 、,,し‐''  `'ー..,_,゙i ゝ,  ″、.| _,..-.゙ー ゙i l ゙i
   / l / ー゙.-..,_ レ″  ,ゝ i゙\   .`i.、"゛^'‐'''"´__,、_l」..:イ;;;;   7´   〈  j l   (, | ]. !;,
  ,;! .] | ノ   l j  ,,_,,,,-‐'゛``''、,.. .. . ... ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7  7;;;;;;; ,.!:     (, `    |il ソ.,_
   _,.ソ li|    ´ ノ' ;~'',;'''',;'';'' ;~'',;''゚ ;~'',;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; :::.. . . .,,,::    . ... .{.  ソ,  ゙!、 ,.l゙
   ゙l、 ノ゙  ,ソ  .,;'',;''゚ ;~,;":;;;: : ;: ;: ;::::::`::::``゙''::;.-‐'゛~゙`゙''-、,:;、,"'.:.:`;'' ;``'‐ゝ    `゛ 、. "゛
  "゛ .、 "´    ::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,'`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:.::.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙ :: :;"\    ,.. j  {
   }  j .、   /:;,':,:;.,:;'' ;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~;,;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"'~'',;'',;' v'゚ ;~,;''゚ !,  {  ゛'  .
  .  '"  }  ,!  ":;;;: : ;: ;: ;:  ; ::; : ;:; : ;:; :; :  :: :; '' ;~'',;''゚ ;i'',;'',;''゚ ;~,;::;.:".:;  j   l.  |  !|
   |!  |  .l   j   ::;...;;.;;ii:i;;:;i,'' ;~'',;''゚ ;~'',;'''',;'',;' '゚ ;~,;''゚ ;..;;.;;ii:i;;;~,;''゚ ;~゚''゚ ;"i|:;.:: ,r'.   j. ,.|
   |、.j   .ヽ   .゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ,:;,`゙ゞ:.ミゞ:.ミ,,;'',;' ;~゙ゞ:.ミ,,;'',;'',,;'',;' ;~,;''゚ ,:;,`゙    ゙i    ン'`l,
   ,l`'く    /    :.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ,::.ミ,,;'',;' ;~ ;~,;:.ミ,,ii;'',;' ;~,;''゚ :....;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.゙:.: (,,    (,  {.
     .}  ノ    ,.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,'`:;,':,:;.゙:.:゙.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,...::::::::::::'-,_., 、.,     ,.ー'゙   ,.''
  ''、  ゙'ー、    ,.、 ,._,-'::::::::::::...:.:::::::::..'.'―――――..',',― ................:::::::゛ゝ ゛;.   i''´  / 、
  、 \  `''i   .;" ゝ":::::::................   ――――――=.',',―..  ......:,,. . ,,,::::::::::゛''-,,_  ,r'  ,.
 、 ヽ  _,,-''"::::::::::,,, . .,,:......     ―――――――.............、,r'.!.゛ ⌒゛' ゙i...:::::::::::::゛''!  !.

772 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:36:07 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「既に3時間近いが未だ一本道、そしてまた崩落」

(=゚д゚)「なかなか良い精神修行になりそうじゃ」

( ´_ゝ`)「まだ心折れるほどじゃないが、かなりしんどいな……」

( ’▽’)「一本道最後の関門です。ここは拡張しなくても大丈夫そうですね」

(´・ω・`)「ええ、通れると思います」

( ´_ゝ`)「くれぐれも慎重に頼むぞ。絶対だぞ」

(´・ω・`)「わかってます」

(=゚д゚)「体が大きいというのも難儀じゃな」

( ’▽’)「細身だとこういう時に得なんですよねぇ」

( ´_ゝ`)「いや、普通はこんな状況ないけどな……」



 ―――。

773 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:36:40 ID:1.9LjSAM0
【A区画 坑道】
      ;;;;;;;,,;;;;;;;,/      ―.'.'.............,! 、 "    ノ   ,,-、  、l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
   .ゞミ ノ"''ー-、,_i   ,/''-,i_,ii__,i !ニ 」, '、,,し‐''冖'''''"、..-"  .`'--'l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l
   l /   /  ゙i  ノ"'ー-,=ニ 」, i゙\   .,,ノ゙' 、,,し‐''  `'ー..,_,゙i l              l
   / l / ー゙.-..,_ レ″  ,ゝ i゙\   .`i.、"゛^'‐'''"´__,、_l」..:========================= !;,
  ,;! .] | ノ   l j  〉   `7   、   ,.ゝ ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7  |.| |.| |.| |.| |.| |.| |.| |.| |.|ソ.,_
   _,.ソ li|    ´ ノ     :!、   ,.!  i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈  二二二二二二二二二二二二 ,.l゙
   ゙l、 ノ゙  ,ソ  .}  〉   | !  i| j }   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;  !  〉 l.、;;;;|| : ::::::::::::::::::::::://|、. "゛
  "゛ .、 "´    ゝ ,ゝ    | j`'i   〉   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;-.L_/   ,!;;;;||:::::::::::::::::::::://|| {
   }  j .、   /  」    `'i   〉   ;;;;;;;;;,,,,,,ニ .,.  ゙i 」 i  ..|| ::::::::::::: // ::::|| .
  .  '"  }  ,!        /   i 」 /,,;;;;..,, 二二    :.゙i 」,  ||::::::::::://:::::::::::|||
   |!  |  .l   j   7    ,ゝ   ,」 /.:  ―――― .::..\l  ,r'|| :: //::::::::::::::: ||
   |、.j   .ヽ   .}    `ヽ  l/..::.  ―.'――',―  :...:.: '.....||//::::::::::::::::::::::||'`l,
   ,l`'く    /    .!       | ,=' :.:...: ―.'.'――-',',―:.:.......:.. ; |//::::::::::::::::::::::: : ||
     .}  ノ    ,ノ    :/_ゞ;;:.:.:.......:.:―.'.'――――',',.:::::::::.:.. : //::::::::::::::::::::::::::::::: ||,.''
  ''、  ゙'ー、    ,.、 ,._,-'::::::::::::...:.:::::::::..'.'―――――..',',― ................:::::::゛ゝ ゛;.   i''´  / 、
  、 \  `''i   .;" ゝ":::::::................   ――――――=.',',―..  ......:,,. . ,,,::::::::::゛''-,,_  ,r'  ,.
 、 ヽ  _,,-''"::::::::::,,, . .,,:......     ―――――――.............、,r'.!.゛ ⌒゛' ゙i...:::::::::::::゛''!  !.

774 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:37:15 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「むっ、何かでかい構造物が見えて来たぞ」

( ’▽’)「ホッパーですね。上から落とした鉱石を鉱車に積み込むための機械です」

( ´_ゝ`)「ほう、これがそうなのか。現地で見ると雰囲気違うな」

(´・ω・`)「……用途的にちょっと危なそうですね」

( ’▽’)「はい、廃坑では壊れている場合が多いです。これは直近大丈夫そうですが、崩壊しているものや寸前のものが多い」

( ´_ゝ`)「うへー、なるべく遠くを歩いた方が良いな」

(´・ω・`)「皆さんなるべく僕の近くにいてくださいね、何とかするので」

( ‘∀‘)「……何なら普段より安心感ありますね。不意の崩落なんてどうにもならないですから」

( ´_ゝ`)「そりゃそうだ。何とかなる方がおかしい」

(=゚д゚)「とはいえ岩盤ごと落ちてくるようなレベルじゃと流石にどうかの」

(´・ω・`)「パッと見無理そうなら皆さん抱えて退避しますよ」

( ´_ゝ`)「とても頼もしい」

( ’▽’)「ですねぇ」



 ―――。

775 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:38:13 ID:1.9LjSAM0
【B区画 坑道】
      ;;;;;;;,,;;;;;;;,/      ―.'.'.............,! 、 "    ノ   ,,-、  、 i,__ii,_i,-''゙i,   i_,、-ー''゛!、 ミ゙ィ.
   .ゞミ ノ"''ー-、,_i   ,/''-,i_,ii__,i !ニ 」, '、,,し‐''冖'''''"、..-"  .`'--' ニ=,-ー'゛(,  i゙  ゙i   ゙i l
   l /   /  ゙i  ノ"'ー-,=ニ 」, i゙\   .,,ノ゙' 、,,し‐''  `'ー..,_,゙i ゝ,  ″、.| _,..-.゙ー ゙i l ゙i
   / l / ー゙.-..,_ レ″  ,ゝ i゙\   .`i.、"゛^'‐'''"´__,、_l」..:イ;;;;   7´   〈  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  ,;! .] | ノ   l j  〉   `7   、   ,.ゝ ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7  7;;;;;;; ,.!:     (, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   _,.ソ li|    ´ ノ     :!、   ,.!  i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈   /;;;;;;;;! |   〈  {. ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   ゙l、 ノ゙  ,ソ  .}  〉   | !  i| j }   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;  !  〉 l.、;;;;;;;j |    ゝ, ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  "゛ .、 "´    ゝ ,ゝ    | j`'i   〉   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;-.L_/   ,!;;;;;;i'´    」   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   }  j .、   /  」    `'i   〉   ;;;;;;;;;,,,,,,ニ .,.  ゙i 」 i   \        !,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  .  '"  }  ,!        /   i 」 /,,;;;;..,, 二二    :.゙i 」,   ゝ,    7   j ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   |!  |  .l   j   7    ,ゝ   ,」 /.:  ―――― .::..\l  ,r'´    {.   ,; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   |、.j   .ヽ   .}    `ヽ  l/..::.  ―.'――',―  :...:.: '=, |       !. ; ; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   ,l`'く    /    .!       | ,=' :.:...: ―.'.'――-',',―:.:.......:.:.:;;゙ィ_゙i:    (,,; ; ; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
     .}  ノ    ,ノ    :/_ゞ;;:.:.:.......:.:―.'.'――――',',.:::::::::.:...::::::::::::'-,_., 、.,; ; ; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  ''、  ゙'ー、    ,.、 ,._,-'::::::::::::...:.:::::::::..'.'―――――..',',― ................:::::::゛ゝ ゛; ; ; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  、 \  `''i   .;" ゝ":::::::................   ――――――=.',',―..  ......:,,. . ,,,::::::::::.................::::::::
 、 ヽ  _,,-''"::::::::::,,, . .,,:......     ―――――――.............、,r'.!.゛ ⌒゛' ゙i...:::::::::::::.........:::::::::

776 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:38:47 ID:1.9LjSAM0

(=゚д゚)「むっ、分岐か」

( ’▽’)「ここから分岐が沢山あります。迷ったらまず出られないので、皆さんくれぐれもはぐれないように」

( ´_ゝ`)「こえー……」

(´・ω・`)「逸れなければ良い話です」

(=゚д゚)「最悪逸れても、まあ何とかなるじゃろう」

( ´_ゝ`)「二人とも流石だな。そこまで怖いもの知らずにはなれねーわ俺……」

( ’▽’)「油断はしないでください。突然足元が崩れて幾トンもの岩石とともに数百メートル真っ逆さま、なんてこともありえますから」

(´・ω・`)「すみません、気を引き締めます」

(=゚д゚)「うむ、少々緩んでおったかもしれん」

( ´_ゝ`)「頼むぜ。更には急な襲撃だってありえるんだからな」

(´・ω・`)「そうですね」

(=゚д゚)「そこに対しては気を張っておるが、今のところ変わった様子はないの」

( ´_ゝ`)「なによりだ。引き続き頼む」



 ―――。

777 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:39:20 ID:1.9LjSAM0
【B区画 坑道】
        __,  〈  ..:::::j <___j /  、::::
       f__ノj   ー=≦      }     \:::::
         ̄ __         ー 、__.ィ厂.:::
         /: イ=- _                、_
        ___l/ニl=--: : ̄ ─ _        -...、
     / /-ニニlニ===--: : : : : :  ̄ ‐┐{_ ...::::j
     i r<ニニニニlニニニニ===--: : : ://li    ̄
   /| | . .  ̄ -=ニニニニニニニニ/ . :l  li
  _ : :| | : : : : : . . .  ̄ -=ニニ//l: :ll  li
  二 | |: : : : : : : : : : : : . . . ̄ | l  l: :ll  li
   ̄ | |: : : : : : : : : : : : : : : : : | l  l: :ll  li
  : : : ‐ -=ニ:_: : : : : : : : : : : : :| l  l: :ll  li    _
  ニ=- _7´ `ヾー=ニ _: : : : : :| l  l: :l|/. _ /: :>
    -= { O ノ .. _ 7 ¬=ニ l  |/ニニニ=- .
      ゝ ー彡=ニニニ{  O  } ‐ ´ / ̄: .-=二
      l{: :r:^: :/  ̄:乂_ ノ二=- ´: _: :/: : : :
       ̄ーl{ : : i/      ̄  -=ニニニ=- .∠
   ....::;        ̄        r'^: : /  ̄> -=ニニ
    ̄                 <{: : r:^ /    ̄
      __              ー一
     f´rク}    r ─:.、        r冖::;、
      ´     〈  .::j「         ¨¨´

778 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:39:54 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「いやマジで分岐だらけだな。あの地点からツリー状に広がってるのか?」

( ’▽’)「今までの調査でわかってる限り、そうです。大多数は途中で閉塞してますけどね」

(´・ω・`)「数少ない閉塞していない分岐を進んでいくわけですね」

( ´_ゝ`)「む、これは……トロッコか」

( ’▽’)「グランビー鉱車ですね。動力のない荷台で、当時はバッテリーロコに牽引されていたものです」

(´・ω・`)「随分と古いもののようだ。博物館みたいですね」

( ’▽’)「まさにそれが古い廃墟の魅力ですね。そういった古いものが博物館と違い、当時のままに留め置かれている」

( ´_ゝ`)「なるほどな。確かにロマンは感じる」

( ’▽’)「ここの廃坑はそういった遺構は密度薄めなんですけど、なにしろ広いから見どころは沢山あります」

( ´_ゝ`)「観光ツアーのつもりはなかったんだが、ガイドが優秀すぎるな」

(´・ω・`)「確かに、かつての光景に想いを馳せてしまいますね」

( ’▽’)「気に入ったなら今度お誘いしますけど」

( ´_ゝ`)「それは遠慮しとく」

(´・ω・`)「……考えておきます」



 ―――。

779 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:40:28 ID:1.9LjSAM0
【B区画 坑道】
│ .l  'i   |  !│ .l  'i   |  !   ′ i' .|   .!  j  ,  .,i'1  .|  l .|  ! ; i′ i' .|   .!  j  , /  /
.l゙ .i,!  .!  .|.l'  .l゙ .i,!  .!  .|.l'   、   .l   、 |  l  .|   l !   l   !  l  l   .l   、 |  l  .| l  /
.! l}  .!  | !  .! l}  .!  | !   l ...|   | .!   !  ! .  !|  .l゙   !  .「  l゙, ...|   | .!   !  ! ."  !
  |,!     |   /|,!     |   / l  .〉  | .| 「 .!,," .iト    |.ll  !   .,!    ."l  .〉  | .| 「 .!,," .iト
  ″  .,     ,! ″  .,     ,! .]/│ .|  ゙  l ,! .l l   !."! l .!  ,!  !  |,/│ .|  ゙  l ,! .l l  i
 ri    |     ″ri    | |  !   ′ i' :!   ",! .l ."  ,ゝ|!  ゙ .; .!.、 l   │ l゙  ,!:!   ",! .l ." .!
 .l! l.  .l, .,!  、 .r、、   .|.l'   、   .l   γ~’” ̄\/ .!  ., .} |│ l   l゙ l  ".!  l .、.!  !、 .l !
 .|  .l  ,! .l゙.! .,!  !  .゙l、  | !   l ...|   /      ヽ.!、 !  .!  | .! .l .!    │    l .| !.ゝ .!l゙.,.〉 ′
. i ′│  ! ."" .,! .!   .ヽ、 |   / l  .〉  ,,l}        l . l }  !  .ゝ,!    ! /   .! ! !  .ネ !   |
 !  !  !  ` ヽ ~|  .  | 、  ,! .]/│ /          l  ! ! l.゙   )、   .! .|.  1l゙  !  .,リ  j !
 ! ! |  ゛    .゙l. 」 .|  .l;;i.l、  ″ '|l゙  ,!:          /゙l ネ .;;.! i   .}i、  .! .,!|  ,!  l │l  .| !
.'i. .".!'、   │ .|゙!|  |  .!  `-.     ill         │.l  l、 |.| .l   .l!l i   !1 /  、  !  !, l゙‐ !
 l,  .l l 、  |  ! . l l., 、  l   ミ'-.  j          ] |   ヽ ./l   .ヽ|.l   !; .!  .|  !   | │
  .!  " ゙'│ "  ! .| ."l  !  l 、 | 、 \          l.!.! ! 、 .゙t、′    .! .!  .!"| .|; " ! 、  !  |i
  .!    |.l     |  .!、 .! .! .| .ゝ ! .l .l 、 ヽ       l.,.l′.l .! .; ゙゙゙.l、`'ー..__   !  !.゙"   " .l.i   ,!|
 │  i ゛|  !  .|_  .!ヽ゛ ‘ .|.! │ ` 〉 .!  !三三三三三 l │.1 .".! .|  .l i  | ,ヽ、 !    :! .、  ".l  ./ l 、
  .! .,  .!    |.!   l  l.゙li_._,, --,,,,゙,,.... -――┘三三三三三 ゙'''''"´゙'''―‐'''''ー|. !.、,!.l .、ヽ.|    ! .l     │. ′
l │.! .、  .l゙,! _,.__,.l._./   = ─二 ─ニ─―― ──二  = ─二二  !'゙‐'... l  &..,,,_、 .|   i  .!│
゛  .゛ ...l,, -¬" __  -   ニ     ――  __ ─二 ̄ ̄  __    ―   ̄ ̄`'-、l、 |  ゛ |

780 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:41:01 ID:1.9LjSAM0

( ’▽’)9m「あっちの横穴はホールに繋がってます」

(´・ω・`)「どれ……うわ、これは凄い」

( ´_ゝ`)「でかいな。ここ降りてくのか?」

( ’▽’)「まさか。下はそんなに高さないように見えますが、落ちて来た土砂で塞がってるだけですからね」

(´・ω・`)「うっかり降り立つと奈落の底まで、ってなりかねないわけですか」

( ´_ゝ`)「こわー。よく見りゃ下の方に横穴見当たらないし……奈落の底まで行かずとも普通は帰ってこれないな」

( ’▽’)「皆さんなら案外大丈夫かもしれませんけど、どのみちルートではないのでスルーです」

(´・ω・`)「なのに紹介したんですね。本格的に廃坑ツアーになってきてません?」

( ’▽’)「いやー、好きな眺めなのでつい紹介したくなっちゃったんですよね」

( ´_ゝ`)「まあ、多少なら気分転換になっていいけどな。こんな地中にいちゃ嫌でも気が滅入る」

(´・ω・`)「そうですね」

(=゚д゚)「視界も空気も悪いからのう」



 ―――。

781 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:41:35 ID:1.9LjSAM0
【B区画 竪坑】
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _,,,.. -ー: : : :ト、: : : 、: : :.{: : : : :‐-、 : : : :Y: : : :ヽ;_;ノ: :: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :-、: : :/:Y: : : : : : : :ヽ: : : \;_;_;_;_;/\: : : : : : : :/-‐ ''" \: :^'〜 ..,,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : ,: : ;_;_;_;_;/ : : :|: : : ‐-: : :∠フ― '": : : : `ー--‐, '         :ヽ;_;ノ: : : : : :- 、、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : ,,/″/ : : `ー--' \;_;_;_;ノ: : : : |: : \;_;_;_;_;/\: : : : : : : : |: : : ‐-: : :∠フ\: :-‐ :/  `ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : :ヽ;_;ノ: : : : : :/l: :;/ ー'''"三三三三`ー-┴― '"三三三`ー--‐, '三 \;_;_;_;ノ´三三 ヽ;_;ノ: : : : : :`ヽ、: : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : /'" \: :-‐ :/: |:/三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 " \: :-‐ :/   ヽ: : : : : : : : : : : :
: :_; -:.V: : : /:.:.: ,,/″三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三`ヽ、;ノ: : : : : : :〉┤: : : : : :
;_;_;_;_; ' -‐ ''"7/゛三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\: : : :;/: : :: : : : : :
: : : : \: : :、:.:.:{:三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三`ー; : /: : : : : : : : : :
: : :_; : :ノ: := :Y´三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三` :}': : /: : : : : : :
―‐-く : : : :/三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三-、_; : /:: : : : :
: : : : : :.\:《:三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三}': : : : : :
: : : -、 : :|:.:ヽ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三:::rァ'、: :〈: : : :
\: : : : :/:.:.:.:;〉三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三/: : : :ヽ: : : : : :
. : ;〉-‐ ' '": :.\:三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三 / : : : |:: : : /: : : :
: : : : : : : : -、 : :|:.:ヽ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三/: : : : : ;〉: :-―|: : :
: : : : : : : : : : :/:.:.:.:;〉、,三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三_..-‐ ''"\ : r‐ '"\ー: : :|: : :
: : : : : : : : -‐ ' '"∨ー- 、::''-..,,,三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三_,..イ : :\: : : : 〉┤: :、: :;/\r勹: :
: : : : : : : : : : : : :〈: : : : 、;〉,..-―- 、 ―ァ――――- 、三三三三三三三三三三三三三三_,,,.. .-‐'".:/. : : : :;|/ヽ、_;/: :-、: : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/:.:.:.:;〉 : :}/: : : : : : : : : : : :>―- 、三三三三三三三三r-―<: : : : : : ;/. : -: : ;八: : :.\: : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : '"∨ー- 、::: : : : : : : :∠: : : : : : : ヽ´: : : : : ゝ: r――- 〈 .: : : : :|/ヽ、_;/:/. : : : :: : : : :: : : : :: : : : :: : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: :〈: : : : 、;〉_,,,.. -ー: : : :ト、: : : 、: : :.{: : : : :‐-、 : : : :Y: : : :ヽ;_;ノ: :: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

782 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:42:09 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「うわ、竪穴」

( ’▽’)「これは鉱石を下に落とすための竪坑ですね。かなり下層まで続いてます」

( ’▽’)っ◇



 カツッ...ガッ!...カツーン...コッ............ドン



(;´_ゝ`)「ヒュウ」

(´・ω・`)「100m以上ありそうですね」

( ’▽’)「ここはわかりやすいのでいいですけど、わかりにくいところもあるので気を付けましょう」

( ´_ゝ`)「警告よろしく」

( ’▽’)「もちろんです」

(=゚д゚)「何事も専門家がいるもんじゃの」

(´・ω・`)「ですね」



 ―――。

783 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:42:43 ID:1.9LjSAM0
【B区画 斜坑】
               ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
               ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
              ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
              ;;;;;;;;;;;;;;-;;;-;;;;;;,,;;;;;;;,,
             ;;;;;;;;;;;;;;-.'.',',-;;;;;;,,;;;;;;;,,
             ;;;,,;;;;;;;;,-.'.'-',',-;;;;;;,,;;;;;;;,,
             ;;;,,;;;;;;;,―.'.'-',',―;;;;;;,,;;;;;;;,,
             ;;;,,;;;;;;;,―.'.'―',',―;;;;;;,,;;;;;;;,,
           ;;;,,;;;;;;;,―.'.'―-',',― ;;;;,,;;;;;;;,,
          ;;;;;,,;;;;;;;,―.'.'――',',― ;;;;;;,,;;;;;;;,,
          ;;;;;;,,;;;;;;;,―.'.'――-',',― ;;;;;;,,;;;;;;;,,
         ;;,,;;;;;;;, ―.'.'―――',',― ;;;;;;,,;;;;;;;,,
         ;,,;;;;;;;, ―.'.'―――-',',― ;;;;;;,,;;;;;;;,,
        ;;;;,,;;;;;;;, ―.'.'――――',',― ;;;;;;,,;;;;;;;,,
         ;;;;;;,,,,,;;;;;;;,―.'―――――',―  ;;;;;;;,,,,,;;;;;;;,,
         ;;;;;;;,,;;;;;;;, ―.'.'―――――-',',―.   ;;;;;;;,,;;;;;;;,,
     ;.;;;;;;,,;;;;;;;,,  .―.'.―'―――――',',―.    ;;;;;;;,,;;;;;;;,,         ;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,
   ;;;;;;;,,;;;;;;;,,   ―.'.'――――――-',',―     ;;;;;;;,,;;;;;;;,, , /\ | ̄|;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,
 ;;;;;;;,,.;;;;;;;,,     ―.'.'―――――――'.',',―..      ;;;;;;;,,;;;;;;;,,|_| \/;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,
;;;;;;;,,;;;;;;;,      ―.'.'――――――――.',',―       ;;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,;;;;;;,,;;;;;;;,,

784 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:43:17 ID:1.9LjSAM0

(;´_ゝ`)「こ、今度は上下か……」

(´・ω・`)「ガイドがいないと絶対迷いますねこれ」

(=゚д゚)「ううむ、想像していた以上に広大じゃ」

( ’▽’)「今回は上層レベルに用はないので下層に向かいますが、上も色々見どころはあります」

( ´_ゝ`)「ほんと酔狂だなあ、改めて」

(´・ω・`)「ん……?」

(=゚д゚)「どうかしたかの?」

(´・ω・`)「何か……少し違和感が」

( ´_ゝ`)「えっ?」

(=゚д゚)「やはりそうか? 気のせいかと思っておったが」

(´・ω・`)「はい。下層の方から何か……嫌な感じがしますね」

(=゚д゚)「うむ。元からあった違和感が少し強くなった……気がする」

( ´_ゝ`)「それは……やはり繋がってるのか」

(=゚д゚)「可能性は高いのう。ここから先はより気を引き締めて行く必要がありそうじゃ」



 ―――。

785 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:43:51 ID:1.9LjSAM0
【C区画 坑道】
      ;;;;;;;,,;;;;;;;,/      ―.'.'.............,! 、 "    ノ   ,,-、  、 i,__ii,_i,-''゙i,   i_,、-ー''゛!、 ミ゙ィ.
   .ゞミ ノ"''ー-、,_i   ,/''-,i_,ii__,i !ニ 」, '、,,し‐''冖'''''"、..-"  .`'--' ニ=,-ー'゛(,  i゙  ゙i   ゙i l
   l /   /  ゙i  ノ"'ー-,=ニ 」, i゙\   .,,ノ゙' 、,,し‐''  `'ー..,_,゙i ゝ,  ″、.| _,..-.゙ー ゙i l ゙i
   / l / ー゙.-..,_ レ″  ,ゝ i゙\   .`i.、"゛^'‐'''"´__,、_l」..:イ;;;;   7´   〈  j l   (, | ]. !;,
  ,;! .] | ノ   l j  〉   `7   、   ,.ゝ ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7  7;;;;;;; ,.!:     (, `    |il ソ.,_
   _,.ソ li|    ´ ノ     :!、   ,.!  i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈   /;;;;;;;;! |   〈  {.  ソ,  ゙!、 ,.l゙
   ゙l、 ノ゙  ,ソ  .}  〉   | !  i| j }   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;  !  〉 l.、;;;;;;;j |    ゝ, ゝ    `゛ 、. "゛
  "゛ .、 "´    ゝ ,ゝ    | j`'i   〉   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;-.L_/   ,!;;;;;;i'´    」  \    ,.. j  {
   }  j .、   /  」    `'i   〉   ;;;;;;;;;,,,,,,ニ .,.  ゙i 」 i   \        !,  {  ゛'  .
  .  '"  }  ,!        /   i 」 /,,;;;;..,, 二二    :.゙i 」,   ゝ,    7   j   l.  |  !|
   |!  |  .l   j   7    ,ゝ   ,」 /.:  ―――― .::..\l  ,r'´    {.   ,r'.   j. ,.|
   |、.j   .ヽ   .}    `ヽ  l/..::.  ―.'――',―  :...:.: '=, |       !.    ゙i    ン'`l,
   ,l`'く    /    .!       | ,=' :.:...: ―.'.'――-',',―:.:.......:.:.:;;゙ィ_゙i:    (,,    (,  {.
     .}  ノ    ,ノ    :/_ゞ;;:.:.:.......:.:―.'.'――――',',.:::::::::.:...::::::::::::'-,_., 、.,     ,.ー'゙   ,.''
  ''、  ゙'ー、    ,.、 ,._,-'::::::::::::...:.:::::::::..'.'―――――..',',― ................:::::::゛ゝ ゛;.   i''´  / 、
  、 \  `''i   .;" ゝ":::::::................   ――――――=.',',―..  ......:,,. . ,,,::::::::::゛''-,,_  ,r'  ,.
 、 ヽ  _,,-''"::::::::::,,, . .,,:......     ―――――――.............、,r'.!.゛ ⌒゛' ゙i...:::::::::::::゛''!  !.

786 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:44:24 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「かなり下ってきたな」

( ’▽’)「現在行ける中では一番下のレベルです」

       |!l i;|;!.il| !l
  ザ ザ ァl!|゚;l i;i !l i;|!;
      i ;|;!ァ l|;ァ !l i;
     ' ; !i !l i;|゚!; l!;l ァ ァ
     ! ; |!l i;|;!.il | !l    ッ
      . !l!|;li;i !l i; |!;
      ゚。.i l| !l゚;l i|i;
     ゚.': l|!i !l i;|゚!; l!;l  。
   ゚ :  ; |!l i;|;!.il | !l 。'
      i . !l!|;li;i !l i; |!;i;
    :.  l゚。.i l| !l゚;l i|i;i l|
      li;il i;|;;i !l !.il l;i。!l
     <"::'〉;;「:::/::ヾ:,〉:〉

(´・ω・`)「ところどころ水が流れてたりしますね」

( ’▽’)「管理されてない鉱山では地下水が流れ出して下層が水没しがちなんですよね」

( ´_ゝ`)「水没か……流石に水没してるところは通らないよな?」

( ’▽’)「完全水没区画は通らないですね、ここの坑道だとボートとか持ってこれないので」

( ´_ゝ`)「半端に水没してるとこは通るから全員ウェーダー装備なわけね……」



 ―――。

787 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:44:57 ID:1.9LjSAM0
【C区画 シュリンケージ】
: : :}__ト、.\.:}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{:./.、イ__{: : :
: :∧: \.:.:ハk:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::kハ:.:./ :∧: :
: :/ :j}: : :∨イl二二二二二二二二lト∨: : :{j: ゙i: :
`ヾ: r─‐ヘ廴.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.廴ヘ‐─r :ッ`
:.{.:.:k.:.:.:.:/\.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::.:.:./゙i:.:.:.:.k:.:.}.:
: : 〉: :ヘ、_L.:.:.:〉:.j.::::::::::::::::::::::::::.:.j.:〈:.:.:._l_、ヘ: :〈 : :
:,,{: : :.∧ ヾ.:.:.{イ.:.:.:.:::::::::::::::::.:.:.:.ト}.:.:.ッ ∧.: : :},,:
:/: : : : :∨}Y:.ヾ,イ:::::::::::::::::::::::イ,ッ.:Y{∨: : : : :゙i:
 ヾ─ 、,,/.:.廴:/、l==========l、゙i:廴.:.゙i,,、 ─ッ
: : :〉¨ヾ:`ヾL,/:.:.:ヾ.:.:.:::::::::::::::::ッ:.:.:゙i,_lッ`:ッ¨〈: : :
厂{ : イ ̄\.:\lニニニニニニl./ ̄イ : }厂
: ∨¨\: : ∧::::〉:::∨::::::::::::::::::::::〈::::∧ : :/¨∨ :
.|.: : : :.}! : : jli : :.∧::}イ::::::::::::::::∧.: : ilj : : !{.: : : :.|.
|_,,,,/___リ: i : :lニニニニニニl: i :リ___゙i,,,,_|
: :∧-__〈 ̄\___込::::::::::::::::込___/ ̄〉__-∧: :
\ ∧: : }.: l二二二二二二二二二l.{ : :∧ /
: : \}'""~ ̄ヾw'´: : :::::::::::::::::::`'wッ ̄~゛゛'{/ : :
;;:}: : : :j!.: : : :.r‐从Y⌒::::::::::::::Y从‐r.: : : :.!j: : : :{:
:::Y´ ̄`\、'`乂、ィ''":::::::::::::::::'ィ、乂`'、/´ ̄`Y:
リ、__/;;;:,,:,:..''"        ゛''..:,:,,:;;;゙i__ ,.リ
:::/;;;:,:,:,:.:.:,    .: .: .: .: : :. :. :. :.    ,:.:.:,:,:,:;;;゙i:
ィ;;;:,:,:,...   .: .: .: .: .:     :. :. :. :. :.   ...,:,:,:;;;ィ

788 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:45:34 ID:1.9LjSAM0

(;´_ゝ`)「うおっ、なんだこれ。天井が見えん……」

( ’▽’)「シュリンケージですね。鉱脈に沿って縦に掘り抜く工法です」

(´・ω・`)「噛まされてる木は何か意味が?」

( ’▽’)「岩盤が閉じないように噛まされている、らしいですけど効果があるのかはよくわかりません。
      どこの鉱山でもやられているので効果があるんだとは思いますけど」

( ´_ゝ`)「あまりにも頼りなく見えるがなぁ……わからんもんだ」

(=゚д゚)「見た目ほど頼りなくはないじゃろう。木を縦に潰すは至難ゆえ」

( ´_ゝ`)「そう言われるとそうなのかもな」

(´・ω・`)「もっとも、今は最早朽ち果てて役目を果たしそうにないですが」

( ’▽’)「ですねぇ。そうは言っても何があるかわかりません、極力触れないようにお願いします」

( ´_ゝ`)「それは了解」

(=゚д゚)「何事もないのが一番じゃからな」



 ―――。

789 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:46:09 ID:1.9LjSAM0
【C区画 地底湖】
////////| /////// /// /三三三三三.`ヾ//////// ./////>-<三三三弍///////,.イ////三
////////| ////// ///.:/.三三三三三三 ::∨/////| ////     `ヾ三三三Y////Y/////:|三
////////! ////∧./∧/ ´ ̄`ヾ:.:.// ̄ ̄ヾ:i/////! !//∧        `ヾ:三.弍////|/////∧三
//////// .////| ∨        `Y:!:      ∨//./ ヾ/                  `ヾ:!,'∨/////!
/////// ./////!           `        `ヾ'’                     ´  ∨////!
////// ,//////                                           ∨///
////∧//////                                             ∨/
////. `ヾ///=― - 、__ ___         _    _____   ___    ヾ
´`´. : : : : :.`´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
 ̄ ̄  ̄ ̄ 三二ニ≡= ―― - . - .、 : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
 ̄ __ ――  二  三三  二ニ二ニ≡x、_: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
_   ― ―  ̄  _   ―  _  ―    `ニ:x、: . : . : .,,-==-、: . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
__    ―   ―   __    ― _  三 ニ弍.x . : '、_ノ `Y人_: ,,<三 三 `ヾ: . : . : .
    __  ―   _     __ -   __  三 >x、 `゙´ _,,≦ `ー 、.x< :ヾj!: . : . : .
_  ―    __     ―       _    __  ー  `ヾ: . : .`ー>=<,ノ`丈_人: . : : .
     _      ー    ――  _   ―     __   `: .、: . : .``ー=―ヾ`ー'’: . : :
- _    __    ___   ―    __  _     ―   `ヾ: . : . : . : . : . : . : . : : :

790 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:46:42 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「こりゃすげぇ……! 地底湖か」

(´・ω・`)「滅茶苦茶でかいですね……まるでラピュタだ」

( ’▽’)「水が青く澄んでて綺麗ですよね」

( ´_ゝ`)「パッと見で超深いから、落ちたらろくなことにならなそうだがな」

( ’▽’)「まあ、死にますねぇ」

(´・ω・`)「流石に装備着けたまま泳げるのは僕くらいでしょうしね」

(=゚д゚)「対処のしようはあるが、そのまま泳げはせんなあ」

( ´_ゝ`)「パニックにならなきゃパージでどうにか」

( ’▽’)「改めて人間辞めてますねぇ皆さん」

( ´_ゝ`)「いや、俺のは至極真っ当な対処法だろう?」

( ’▽’)「ウェーダー装備じゃパニック不可避ですよ、生存ありえないとまでは言いませんけど」

( ´_ゝ`)「そう言われりゃ、普通とはちょっと違うけどな」

(´・ω・`)「生存率9割と1割ってとこでしょう、ちょっとではないですね」

(=゚д゚)「謙遜が過ぎるのも考えものじゃぞ、探偵殿」

791 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:47:15 ID:1.9LjSAM0

( ’▽’)「この先半水没区画を通るので、ここで少し休憩していきましょう」

( ´_ゝ`)「む……そうか、わかった」

(´・ω・`)「ちょうど眺めも良いですしね」

(=゚д゚)「……例の違和感がまた強くなっているのが気がかりじゃがな」

( ´_ゝ`)「そいつは……もう確定だな。絶対何か起こってるし、そこに近づいてる」

(´・ω・`)「でしょうね。確証は得られたので、一度引き返すという判断もなくはないかと」

( ´_ゝ`)「援軍のアテがあれば確実にそうするが。もう少し決定的な何かが必要……そうだろ、登良さん?」

(=゚д゚)「そうじゃな……特課の本隊を動かすには"違和感"では難しい」

(´・ω・`)「……不思議、ですよね。魔力ではないし……」

(=゚д゚)「魔力ではないのか、あるいは……"魔力だと認識できていない"のか」

( ´_ゝ`)「おい、そりゃあ……」

(=゚д゚)「無いとは言い切れん話じゃ。そこまで行くと神の権能の粋ではあるがの」

(´・ω・`)「その発想はなかったですね。そうか、そういう可能性も」

( ´_ゝ`)「……"混沌の何とか"。既に復活している……?」

792 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:47:48 ID:1.9LjSAM0

(=゚д゚)「それは違うじゃろうな。仮に現世に降臨しているとしても、自由に動ける状態ではなかろうて」

(´・ω・`)「同感です。無駄に勿体ぶる意味はありませんからね」

( ´_ゝ`)「と、すると……何らかの儀式により権能の一部を引き出している?」

(=゚д゚)「もしくは、封印が解けかけているような状態か、じゃな」

(´・ω・`)「後者の方が可能性は高そうだ。不特定多数の認識を操るほどの権能、生半な儀式では行使できないでしょう」

( ´_ゝ`)「……そうとも言い切れんな。なんなら先日九州で直面したぞ?」

(=゚д゚)「なんと……」

(´・ω・`)「ああ、そうでしたね……」

( ´_ゝ`)「とはいえ……今それを論じても仕方ないか」

(´・ω・`)「そうですね。憶測の粋を出ませんし」

( ´_ゝ`)「……腹ごしらえでもしておくか」

(=゚д゚)「賛成じゃ。空腹は能力を著しく下げる」

( ’▽’)「ここから難所ですから、丁度いいと思います」

( ´_ゝ`)「おし、んじゃお湯沸かすぞ」

793 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:48:21 ID:1.9LjSAM0
          ________        ⌒ ⌒
        [,―,]______」    (  (   )
      / /           ヽヽ     ///
      / /           ヽヽ    ///
      | |       __     | |   __
      | |     [__]     | |  /  /
      | |―''''''' ̄'――` ̄'''―、|/   /
     (| |ー―---------―''''' '   /
    /| |  _______   \ /
    |: :|○|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|/
    |: :  ̄: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
    | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|
     | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|
     \,,_ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   _,/
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

794 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:48:55 ID:1.9LjSAM0

  ( ´_ゝ`) ズー (=゚д゚) ズー (’▽’ ) ズー (´・ω・`) ズー
  (っ. 川 .o   (っ 川.o    o川 u)    o 川⊂)
 ̄ ̄`ー―′ ̄ ̄`ー―′ ̄ `ー―′ ̄ ̄ `ー―′ ̄\



( ´_ゝ`)「「うめぇ……!」」(´・ω・`)

( ´_ゝ`)b「青く澄んだ地底湖を眺めながらのカップメン。最高」

d(´・ω・`)「やはり料理はシチュエーションも大切ですね」

(=゚д゚)「……別に否定はせんが、聊か舞い上がりすぎではないかの?」

( ´_ゝ`)「登良さんもカップメンとか食うんだな」

(=゚д゚)「殺生を厭うは逃げも同然。生物として当然の罪科を受け止められぬようでは悟りはない」

(´・ω・`)「ほう? ……どうも、仲良くなれそうな気がしてきました」

( ´_ゝ`)「宗教は嫌いだし宗教家はもっと嫌いなマスターが珍しい」

(´・ω・`)「個別の哲学にまで昇華されていればその限りではないですよ。そこまで行けば別物ですから」

( ´_ゝ`)「なるほどな。まあ俺も妄信は嫌いだ、なんとなくわかるぜ」

(=゚д゚)「お主らが嫌うは薄弱な精神じゃろうな。まさに強者の論理。無暗に肯定はできん話じゃて」

795 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:49:29 ID:1.9LjSAM0

( ´_ゝ`)「あー……自覚はある」

(´・ω・`)「……そうですね。なんか刺さりました」

(=゚д゚)「自覚しておるなら問題はなかろうがな。社会はそういった人々の営みにこそ支えられていること、努々忘れてはいかん」

( ´_ゝ`)「改めて肝に銘じる」

(´・ω・`)「……最近はどうも、奢りがちで困ります」

(=゚д゚)「お主ほどの力を持つ者としては、十分に謙虚な範囲じゃな。じゃが――」

(´・ω・`)「お察しの通り、歯止めが効かないタイミングが増えていましてね……」

( ´_ゝ`)「むっ、それは」

(=゚д゚)「奢るなら、魔の誘惑に対してこそ傲慢さを通して欲しいものじゃ」

(´・ω・`)「では、ここいらで一品振舞いましょうか」

( ’▽’)「えっ??」

(´・ω・`)「自作の保存食をいくつか持ってきていましてね。組み合わせることで旨い雑炊になります」

( ´_ゝ`)「おっ、そいつはいいな。腹八分目には少し足らんと思ってた」

(´・ω・`)「ふふ、二人前くらいを全員で分ければ丁度よさそうですね」

796 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:50:02 ID:1.9LjSAM0
                          >   ̄ ̄ ̄ ̄  <
                        /              \
                       〈〈   > ──── <   〉〉
                     >::´〉\/ ==    /〉  \/〈`::<
                   /:::::〈   > _____ <   〉::::::\
                  ./::::::::::::::\                /::::::::::::::∨
                  /::::::::::::::::::::::::>....    ̄ ̄     < \::::::::::::::::::::∨
                 {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄:::::,... )/ /、:::::::::::::::::::}
                 {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ Y´ ̄ヾ 〈::::::::::::::::}
                 /l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |:::::::::::::l }::::::::::::::lv
                 〈. ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::マヘ _::::::/ /:::::::::::∨ .〉
                 ∨ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:...‐....´::::::::::/ ∨
                 ノ;\  ` <:::::ノヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::> ´ (ゝ、´ヘ
                 乂 > イ乂 ノ   } ─ --- ─ < ´   < ) ヾ |
                 //ゝゞ``   (________ ><   ヽ  (从
                 // / )      (─从──人)ゝ、 >  ヽ  ∨  ノ
                 ∥ /   (       ソ  ソヽノ     `ヾノヽソ∧  ∨ (
                || |/ ̄\ヽ                     ヾ∨ |ノ / >
                || | ,,,从 \)                     〉|:. |/ /--─┐ ____
              =====|| |=(   `´                   _< |:. |ノゝ人---─´       〉
           l二二二二|| |二)ソへ∠)                丿|  |:. |    乂_ソ从      /
             ,∥ ̄ ̄|| |/≧> >(  /ゝ/\       へ ,∧  |  |:. | ヘヘ   ヘミミミ ̄ ̄

797 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:50:36 ID:1.9LjSAM0

(´・ω・`)「特製・味噌雑炊お待ち」

( ´_ゝ`)「めっちゃ良い臭いしてるな。どれ……」

( ’▽’)「うまっ!」

(=゚д゚)「ほーう、これはなかなか。味噌と魚の濃厚な旨味がたまらんの」

( ´_ゝ`)「うめー、まさか地下でこんなちゃんとした料理を食えるとは。魚はアジだよな? 野菜は……何だろこれ?」

(´・ω・`)「アジの干物と、芋がら縄です。米は干し飯」

( ’▽’)「芋がら縄というのは? 干し飯はなんとなくわかりますけど」

(´・ω・`)「里芋の弦を編んだものを味噌で煮詰めたものです。干し飯は文字通り炊いた米を干したもの。どちらも戦国時代の保存食ですね」

(=゚д゚)「芋がら縄や干し飯はワシも作っておるが、これほど旨いものは初めてじゃ。それに、戻るのが早い。いかなるカラクリじゃ?」

( ´_ゝ`)「登良さんは現代で普段使いか……イメージ通りではあるが。
      しっかし保存食とは思えん完成度の雑炊だ、普通に店で出せるぞ」

(´・ω・`)「シチュエーション補正ですよ。店で出すには香りがいまいち足りてませんね、食感と色味も含めもう一捻りしたいところ」

( ´_ゝ`)「ネギ、シソ、ニラ、ノリ、ショウガ……オーソドックスな薬味でも一段階上がりそうだな、確かに」

(´・ω・`)「です。ただ、どれがベストかは非常に迷うんですよねぇ……」

798 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:51:10 ID:1.9LjSAM0

(´・ω・`)「戻りが早かったカラクリは、アクを出し切るまでガッツリしばいているからですね。
      更に実も蓋もない種明かしをすれば、乾燥がまだ不十分だったのも大きいですが……」

(=゚д゚)「合点が行った。道理で柔らかい食感だったわけじゃ」

( ´_ゝ`)「本来はもっと食感強いのか」

(´・ω・`)「もっとシャクシャクした食感ですね。戻すのにも時間がかかるし、アクもしっかり出る」

( ’▽’)「へぇー」

(=゚д゚)「……ふむ、なるほど。お主は根っからの闘士と思っておったが。……本質は料理人、なのじゃな」

(´・ω・`)「いえ、バーのマスターですが」

( ´_ゝ`)「料理禁止でバーテンダーやるのと、酒類提供禁止で板前やるなら絶対後者取るだろ」

(´・ω・`)「なんですかその究極の選択。どちらも御免被ります」

(=゚д゚)「その心、努々忘れるでないぞ。その想いこそがお主という存在を現世に留める」

(´・ω・`)「ええ、この身が朽ちるまでバーのマスターをやりますよ」

( ´_ゝ`)「おい、聞こえるか? 聞こえたら返事をしてくれ」

( ’▽’)「えっ??」

(=゚д゚)「むっ……?」

799 ◆KDJGUfbY2o:2025/01/11(土) 23:51:44 ID:1.9LjSAM0

(;´_ゝ`)「なっ……!?」















  Case13「混沌の極点」
  Day3B「探検隊」

                          To be continued...

800名無しさん:2025/01/12(日) 00:17:18 ID:BoSEDyos0
乙!!

801名無しさん:2025/01/13(月) 19:37:07 ID:A8Aax7To0
乙!
このメンバーでも危ないってことは坑道って怖いんだな

802名無しさん:2025/01/19(日) 00:36:47 ID:7otD7IqE0
乙乙
地底湖でヒュンしたし芋がら縄で腰に巻いたり荷物縛るのに使うやつだ!ってワクワクした

803 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:37:04 ID:eK2LmuqE0
>>800
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>801
( ´_ゝ`)「はっきり言ってヤバい」

>>802
(´・ω・`)「ワクワクしちゃいますよね」

804 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:37:38 ID:eK2LmuqE0
Case13-Tips7 多少無理を通しても
                                                          >'≦≧ッ。
                                                       >'´     `'ヾ}iッ。
                                                    >'´           .ヾi}ヽ
                                                  /           _,,。-‐'''"´
                                          >;;;;\ ̄ ̄ ̄ ̄  〉彡ゞ‐'''""´
                                       >'´;;;;;;;;;;;;;;;;;i}┐>===ミ_i{/
                                    >'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ=ヽ{             __
                                 >'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>ヾ_>'´           >'´  \
                               >ニ≧s。;;;;;彡ゞ'´ ` ̄´          >'´       \
                             >ニ二>ニニヾシ'´            >≦ヾ。      >'´_ノ
                           >ニ二>ニニニゞ'´           、=ッ|\イii,イii、.ヾ。 >'´ >'´
                        >'´  ヾッ。二ゞ'´          i'つi |  |.\.\.ヽ ヽゞ'´>'´
                     .>'´       }iゞ'´           .| ..| |  |   \}i >'´
                  >'´        >´              |、 >''"´ヾム,  ´
                >'´        >'´            ノミi ノヾ>''"´_,,i}ィ'
             >'´        >'´              /  /イ )i´ゝイ''"´
          >二i}ッ、      >'´                / 、/ミ /
       >≦二}、ヾ}iニi、   .>'´                  `"´'''''´
    >≦二ゞ'´、{ムニマムニiゞ'´
  >≦二ゞ'´   弌弐}i'
イニニニゞ'´       Ⅷ}
.ヾiゞ'´

805 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:38:13 ID:eK2LmuqE0

( ゚∋゚)「銃のメンテっすか?」

( ‘∀‘)「おう。まっちゃんを信用してないわけじゃないけど、こればっかりは自分でしっかりやらないと」

('A`)「流石はプロですね」

( ゚∋゚)「道具の状態は生死に関わりますからね」

('A`)「考えてみれば道理です。俺もパソコンのチェックは念入りにしますもん」

( ‘∀‘)「ドッくんはパソコン使えるんだよな。いやー凄いぜ」

('A`)「えっ??」

( ‘∀‘)「あたしは全然わかんないからなー。兄貴が教えてくれようとしたこともあったけど匙投げたし」

('A`)(あの人が匙投げるのは相当だなぁ)

( ゚∋゚)「俺の中でパソコンと言えば累次先輩なんだけど。教えて貰ってたりする?」

('A`)「あー、前にとあるサーバー構築の時にちょっとだけ。バイト始めた時は入院されてたんで……」

( ゚∋゚)「あー……そうか」

( ‘∀‘)「早くよくなるといいけどな。まっちゃんも結構思い詰めてたみたいだし」

806 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:38:47 ID:eK2LmuqE0

( ゚∋゚)「そりゃそうっすよ。二人で三人みたいな感じだったっすからね」

('A`)「? 二人で一人の間違いじゃ?」

( ゚∋゚)「いや。一人でも一人前なんだけど、二人揃うと出来高1.5倍くらいになるんだよね」

( ‘∀‘)「あー、なんとなくわかる。まっちゃん弟君いないからショボクレてたもん」

( ゚∋゚)「できれば、幻滅はしないであげてほしいっす」

( ‘∀‘)「冗談。オバチャンむしろ惚れ直したわ」

( ゚∋゚)「えぇ……?」

( ‘∀‘)「そんな状況でも強がってみんなを引っ張ってく。ちょっとカッコよすぎない?」

('A`)「わかります」

( ゚∋゚)「……そうっすね」

( ‘∀‘)「だろ? ……本当にあたしなんかで良いのか、ってのは正直な心境だよ。まっちゃんカッコよすぎる」

('A`)「いや、御前さんほどカッコイイ女性もそうそういない気がしますけど」

( ‘∀‘)「……そうか?」

( ゚∋゚)「そうっすね。出会うタイミングとか色々違えば惚れてたかもしれないっす」

807 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:39:21 ID:eK2LmuqE0

( ‘∀‘)「「えっ?」」('A`)

( ゚∋゚)「あ、言っときますけど深い意味はないっすよ。俺は俺で婚約者いますし」

( ‘∀‘)「うぇっ? いやそれも初耳なんだけど」

( ゚∋゚)「言ってないっすからね」

('A`)「それじゃ独り身は――」

(;'A`)「あっ!?」

( ‘∀‘)「ん、どうした?」

(;'A`)9m「結界に反応ありました。方角はあっち、敵意なし」

( ゚∋゚)「ん……それは」

( ‘∀‘)r=≡=
     ジャキッ

(;'A`)「……覚えのある魔力です。これは――」



 ―――。

808 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:39:54 ID:eK2LmuqE0
【拠点】
.           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄} ̄\
        /           /      /   丶、
.      /           /       /       =- _
    /           /      /           =- _
.  /           /    _/ ___________=- ___
_,∠=-─‐┬‐───┬=ニ二  ̄ ̄| ̄{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|―――|二二ニ==―‐┐
| ___   | __    | r┬‐┐  |  |         | ̄ ̄  |//////|    |.     |
| |_((_|  | |_((_|   | |_ノノ__」   |  |       |      |//////|    |    |
|     │       |         |  |       |      |//////|    |    |
|      |       |        |  |       |     |//////|    |     |
|      |       |        |  |       |     |//////|    |     |
|_     |       |        |  |       |     |//////|    |     |
  `’<__|__       |           |  |       \     |//////|    |____|
        `’<_|__       | l|           ヽ  |//////|    |
              `’<     | |      _  =- }__|      ̄ ̄ ̄
                 `’<__{__{_ =-   ̄

809 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:40:28 ID:eK2LmuqE0

( ‘∀‘)r=≡=

\(;´ー`)/\(;=゚ω゚)ノ

(;´ー`)「おいおい、マジかよ」

(;'A`)「刑事さん!」

( ‘∀‘)r=≡=「……本当に本物?」

(;'A`)「……刑事さん! 俺の好きな人、知ってますよね!?」

(;´ー`)「ン……ヌケド店員のクール系美人だよな? アルバイトのプロフェッショナルを自称している」

(;=゚ω゚)ノ「黒髪ロングの店員さんです!」

('A`)「あっ、本物です」

( ‘∀‘)スッ

( ‘∀‘)「警察?」

('A`)「です」

(;‘∀‘)「ふぅ〜……緊張した」

(;´ー`)「こっちの台詞だ」



 ―――。

810 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:41:02 ID:eK2LmuqE0
あれ、これ投稿済だな……なかったことに

811 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:41:36 ID:eK2LmuqE0
Case13-Tips8 世の中支え合い

(´・_ゝ・`)「……」

88 @-@)「おや、デミタスくんじゃないか」

(´・_ゝ・`)「小川さん。こんにちは」

(’T’)「ご無沙汰してます」

(´・_ゝ・`)「円谷さんも。ご無沙汰です」

(’T’)「いやー先日いらした吉野さん」

(´・_ゝ・`)「ん?」

(’T’)「大変勉強になりましたよ。流石探偵の師匠というだけあります」

(´・_ゝ・`)「ああ。ご本人は首を傾げてましたけどね」

88 @-@)「あれで満更でもない感じだったけどねぇ」

(’T’)「そうなんですか?」

88 @-@)「あたしはそう感じたよ」

(´・_ゝ・`)「小川さんが言うならそうなんだろうなぁ」

812 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:42:09 ID:eK2LmuqE0

88 @-@)「でもあの子、あんたのこと褒めてたよ。まるでお手本のようだって」

(’T’)「はは……教科書通りってことですよ。どうも応用が効かなくて」

(´・_ゝ・`)「千手烏賊では貴重ですよ。みんな教科書なんてビリビリに破いてきたような人達なんだから」

88 @-@)「それはそうだねぇ。ヤンチャ坊主ばっかりだから」

(’T’)「皆さんバイタリティが凄いですよ。とても真似できません」

(´・_ゝ・`)「わかります。だから僕は漁師をやめました」

88 @-@)「色んな人間がいるさ。いなきゃいけない。世の中支え合いだよ」

(’T’)「それはここに来てから強く感じます。それぞれ得意なことで支え合う、そんな理想が千手烏賊には根付いている」

(´・_ゝ・`)「それだけに元町長が裏切ったのは痛手でしたけどね。ちゃらんぽらんな僕なんかが担ぎ出されるくらいには」

88 @-@)「本当にちゃらんぽらんならそんなこと言いやしないよ」

(’T’)「ですね。盛岡さんは立派な次期町長ですよ」

(´・_ゝ・`)「えぇ……」

88 @-@)「助けてくれた探偵さんには何か恩返ししないとね」

(’T’)「ええ、本当に」

813 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:42:43 ID:eK2LmuqE0
Case13-Tips9 ほんとお??

(,,゚Д゚)「やった……! 遂に手に入れたぞ!」

(*゚ー゚)「扉を開く魔術! これで外に出れる!」

(,,゚Д゚)「ミラクルだぜぇ、これは……! あのCD-Rとやら凄すぎるだろう」

(*゚ー゚)「まさか一発成功するとは思わなかったよね」

(,,゚Д゚)「早速脱出の計画を練るぞ。……誰が行くかで喧嘩になりそうだが」

(*゚ー゚)「それはそう」

(,,゚Д゚)「まあ、あいつらを信じて力を貸した俺らを優先して貰う。あいつらがいなきゃ絶対手に入らなかったからな」

(*゚ー゚)「うまい演説を考えないとだね」

(,,゚Д゚)「……任せる」

(*゚ー゚)「任されたよ」

(,,゚Д゚)「うまい説得は思い浮かばないが、遅いか早いかでしかない。いずれ皆が出られる」

(*゚ー゚)「そうだね。そうなるように頑張らないと」

(,,゚Д゚)「なる! 絶対に皆で脱出できる!」

814 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:43:17 ID:eK2LmuqE0
Case13-Tips10 古傷



((lコ)) prrrrrr....



∬´_ゝ`)コ「私だ」

∬´_ゝ`)コ

∬´_ゝ`)コ「今、何と言った? ……答えろ、シーナ」

∬;´_ゝ`)コ「……なん、だと」



 ―――。

815 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:43:51 ID:eK2LmuqE0
【流石家】
:.:.:... )⌒ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : ``丶、
:.;:.;:.;:.:.   ⌒:、 : : : : : : : : : : : : : : : : : ``〜ー- ..,,_        __,.,.,、,、__           _、-'"~
:.;:.;:.;.... ..,:'^: : : )、: :从从....八ハ : :ハ: : : 从从 : : : 、、、>---‐'''"~´: : : : : : : : ``〜、、   ,、-'" : : : : : :
:.;:.;:.;:.;:.;'´..., '´.′: ヽ::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;V:;:;:...:::.:,:.:.:,:.,:,:,:,::.;:.;:.;/⌒:. ヽ : : : : 从: : : : >'´: : : ハ从、、.,
;';';';';';'ノ:.;ノ;';'/: : : _ノ⌒ヽ: : rzzzzzハ ̄ ̄'.zzzュ: : /:.;:.;:.;: : : .. ㍉: :从从;';';'乂从'^^、-ハ从ハ:;:;:;:;:;:;:;:;
;';';';'彡イィ彡:.;:.'´: :.::㍉:.:.}: :| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨´;';';'´.... : : : }. . 从;:;.;,.;.;.;.::::;.;.;.;.;.从:;:;:;:;:;:;::.:.:.:;:;:;;:;:;:;:;
i:{_从_ノL_从ノノ乂:.;:.;:.;:.:._ノ__|:_:_:_: : : : : : : :_:_:_:_:_〉;';';';':.;:.;: : : ,::; : :Y:.;:.;:.;:.;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:;i:i:i:i:i:i:::::.;:.;:.;:.;:.;i:i:
``^⌒ヽ:.;:.;:.;``く;';';';';':∧___〉ニニニニア ̄i|i:i:|'⌒Y乂..,.,;';';':.;:.;ゾ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙"":":":":"⌒"⌒"
;';';';';';';';'乂:.;:.;:.;:.;:.;`ヽ、|i:|二二二|⊥⊥⊥|‐‐┴┘_从_Yif'^^´. . . . . . : : : : : ::_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_
⌒^^''ー-ミs。゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ミs。 `゙'ミ、;';';';';';';';'ヽ、============、``〜、、,、,、,、,、,、,、,、
ニ=-  ,、,、,、,、`二二二二二二二二二二二二   ``''ー- ..二ニ=---------'".,.,.,-=ニ二_""""""
,.xX彡'"""""""""""""""""""""""""""""""゙'ミx、  ミ彡'"""""""""'"""""""゙⌒''≧s。 `'〜
: : : : : : : . . . . . . . .       . . . ., ., .: .: : : : : : : `゙'ミミx `'ミミx、: : : : . . . ., ., : : : : : : :: :; :; :; `ミx、、
:゙:゙:゙: : : : : : :: :: :; :; : : . . . ., ., ., . . ., .: .; :; :; : : : :: :: :: :; :; :ミミx、、 ``'ミx、、:; :; :; ;; :: :: :: .. .. ., ,: ,: :; :; :; :;
;゙;";゙;゙:":゙: : : : : : : : :; :; :; :; :; .. ., . .  . . : : :: : :: :; :; :; :; :; :; :; ミミメ、  `ミミミx、、:; :; :; :; :; :; :; :: :: :: : : :
;゙:;゙:;":;`:;゙:;゙:;":;゙:;゙ :゙ : : : . . .   :; :: :; :; :; :; :; :; :; :; :; :; : :゙:゙::゙::゙":゙:"ミミミx、、``゙''ミミミx、、:;゙:;゙:;゙:;":;`:;゙:;";;゙:;
:;゙:;`:;゙;";゙;`;";゙;";゙:;":;`:;":;゙:;゙:;":;゙:;゙:;`:;"::゙::";゙;";:゙:;":::゛::"::`::"::゙:":":゙:゙:":゙゙`ミミミミx  :. `'ミミx、、:゙:":`:":゙:":゙
;";゙;";゙;゙;";゙;";゙;゙";゙:;゙:;":;゙:;"::":゙:;゙:;":;゙;゙;";";゙:;゙::"::゙;:":;゙:;゙:;"::゙:;~:;`:;゙;゙;";`;":゙:";゙;`,ミミミx、 : . .`'ミミx、;゙;";゙:;":;
:;゙゙:゙:;":゙:;":゙;゙:゙:;":゙:":;゙:;":゙::゙:":`:゙::゙:;゙:":;゙:゙:":":;":;゙:;゙:;゙:;":゙:゙:゙:;゙:;"゙:;゙":;゙":;゙:;゙:;";゙;";゙;゙;゙弌ミミwx、  :.``'ミミx、

816 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:44:25 ID:eK2LmuqE0

爪゚ー゚)「……痛み分け、ってことですかね」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「そうなるね。不覚にも脚をやられて、まんまと逃げられちまった」

爪゚ー゚)「とはいえ、山井さんの方はその……右半身を吹き飛ばした、でしたっけ? 到底生存不可能に思えますが」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「ありゃもうマトモな人間じゃないよ。別府の様子からして、復活可能と見て間違いないだろうね」

爪゚ー゚)「ふむ……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「ヒグマとの戦いの古傷がこんな形で……鍛え方が足りなかったかn」
爪゚ー゚)「いやそれはないです」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「そうk」
爪゚ー゚)「そうです」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「随分食い気味にくるね」

817 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:44:59 ID:eK2LmuqE0

三∬;´_ゝ`)「母者!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「なんだい、そんな大声を出して」

∬;´_ゝ`)「いや、そうは言うが」

爪゚ー゚)「気持ちはわかるけど落ち着こうか。この通りピンピンしてるよ」

∬´_ゝ`)「……そのようだ」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「ちょいと脚をやられただけさ。三日もあれば治る」

爪゚ー゚)「骨折は三日で治らないと思います」

∬´_ゝ`)「いや、母者なら治りかねん」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「冗談さ。まあ、三日もすれば杖はいらなくなりそうだけどね」

爪゚ー゚)「ほんとに人類ですか? 魔術とかじゃなくて自然治癒ですよね?」

∬´_ゝ`)「不思議なことに、れっきとした人間だ」

818 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:45:32 ID:eK2LmuqE0

三l从;・∀・ノ!リ人「母者!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「なんだいあんたまで」

l从;・∀・ノ!リ人「……あれ?」

∬´_ゝ`)「わかるぞ妹よ。母者が大怪我などという一報を受ければな」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「骨の一本や二本で大怪我なんて、随分大げさだね」

爪゚ー゚)「えぇー……」

l从・∀・ノ!リ人「母者……元気そうでよかったのじゃー!」

爪゚ー゚)「そもそも入院していない時点で察するべきじゃ?」

∬´_ゝ`)「ふぅん。重態でも帰れるなら帰るぞ、母者だからな」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「帰れるならそりゃ帰るさ」

爪゚ー゚)「えぇー……」

819 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:46:05 ID:eK2LmuqE0

  彡⌒ミ
三(;´_ゝ`)「母さん!」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「……あんたもかい」

爪゚ー゚)「親子だなぁ……」

∬´_ゝ`)「父者、ときに落ち着け」

l从・∀・ノ!リ人「大丈夫なのじゃー!」

 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「あれ……?」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「ちょいと脚をやられただけさ。三日もあれば治る」

 彡⌒ミ
( ;_ゝ;)「よ、よかったぁ……!」

 彡⌒ミ
( ;´_ゝ`)「……ってまずい、仕事に戻らないと」

爪゚ー゚)「同じくですね……近場だったから寄りましたけど、事後処理手伝わないと」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「行っといで。あたしゃこの通りピンピンしてるからさ」

820 ◆KDJGUfbY2o:2025/02/01(土) 02:46:38 ID:eK2LmuqE0
本編は進捗10%くらい

821名無しさん:2025/02/01(土) 19:18:21 ID:/ysraJyU0
乙!!!

822名無しさん:2025/02/01(土) 22:12:43 ID:2hg8fJgI0
乙乙
母者の骨を折るほどの存在がいるとは…

823名無しさん:2025/02/03(月) 06:40:12 ID:qwdT.Isc0
乙!
母者の骨って重機使わなくても折れるんだな…

824名無しさん:2025/02/05(水) 21:11:48 ID:Fe7IVvR.0


825名無しさん:2025/02/08(土) 01:18:54 ID:xDh7BXRg0
乙乙
家族の慌てようがおんなじでワロタ
母者が病院送りになるなんて…

826名無しさん:2025/02/16(日) 10:36:47 ID:yQziTZyY0
おつ!
別府の補助ありで山井に勝ったんなら母者はもう教授クラスか…?

827名無しさん:2025/04/03(木) 22:53:35 ID:LbpboCM20
楽しみにしとるで

828名無しさん:2025/04/15(火) 14:09:26 ID:vq/1bWlg0
楽しみにしとるで

829 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:48:07 ID:fhWh2smE0
>>821,824
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>822
(´<_` )「んなバカな、ありえん。担がれたんじゃないか?」

>>823
 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「あんた、人を何だと思ってるんだい?」

>>825
l从・∀・ノ!リ人「病院行ってないのじゃー!」

>>826
<(' _'<人ノ「本当に勝つ気があったのか疑問です」

>>827,828
( ´_ゝ`)「なるほど、大事なことだな」

830 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:48:41 ID:fhWh2smE0
Case13-Tips11 K-UMA
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : :   . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. . : : . .  . : .   : : : : : : : : : : : . . . . : : : : : : : . : . : : : :   : . : : : : : : : : : : : : : :
  :  : : : : : .    . : : : : : : : : : : : : : : : :    . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
                  :  : : : : : : : : : : : :   : : : : : :   : : : : : :  : : : :
                                :  : : : . . . . .
                               ...:::::::::::::::::......................: : : :
::.._   _____ ........              ...  ......:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::| 立 |:::┌────┐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ミ、::::::::| 入 |:::::| 群馬県 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...............:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
。 `丶| 禁 |:::::|.gunmapref.|:::::::::::::::::::::::::::, --‐=≠≦≠±;ivl.:ヾ,、__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._,.
_ ゙  |_..止_|:::└┬──┬┘ミ≧王W´M_., :.., " :.., :.;,,, ;, ナ:: ;<;,,:.,,,: ̄千;,,<:._/
. :_   || || べy. |_^V/,_○<チ《 . 。  . ̄`^⌒^´`^゙¨ ̄` 《:,,+:.,,;:.|;,ミヾ;,\
 ., ^<iコトイ,、_,,_ |_r<__; |;/.V/M`   。 ` :.  ・  ゚ ¨ ..  >ヾ\ヽ\V/
,。__;:-L:;.,_~:.:_ ≫ - " ̄ . / 。 ` ’  _  ;,  ・   ”  ゞヾVゞヾ《ヾゝゞ
  -  ~  .  :  : `‘   '  _  ;,  ;.  ・  "  :. :イヾ\\Vゞヾ《巛\
;,   `  *   "   ゚   ;,   .    _     ;l  , チミ<へ׉\ハ}V
    `    :.  .   。   +    "   :;.  , <ヾへ`\巛ぐヘイゞ\ハ、
  ; :..  :.^  ;  `  ’ /    ゙゚  *  -  《ミ\ヾ\kへイんヾ<\ゞ、ヾ
。   `  *  .:  '  "  ゙  +* . ゚ ゙ 。 ^ ゞヾぐ巛ヾ\Wミマへ` <、 ヾ

831 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:49:16 ID:fhWh2smE0

( ’▽’)「おー、ここがあの有名な県境! 看板の朽ちた感じが雰囲気ありますねぇ」

( ▼土▼)「ですねぇ。霧が出てるからより一層ミステリアスで良い」

( ’▽’)「それはそうなんすけど、霧のせいで遺構巡りは難しそうですね」

( ▼土▼)「たぶん少し待てば晴れるんじゃないかなあ。飯でも食って待ってみません?」

( ’▽’)「そっすね、せっかくここまで来ましたし」

( ▼土▼)「霧が晴れるとなかなか絶景ですよ。日本ではなかなか見られない荒野に遺構の鉄塔が映えます」

( ’▽’)「いやー楽しみです!」

( ▼土▼)「さて、そうと決まれば飯の準備しますか」

( ’▽’)「来る途中これ買ってきたんですよね。マイタケの天ぷら!」

( ▼土▼)「おっ、いいですね。俺はいつものカレーメシです」

( ’▽’)「土井さんのカレーメシうまいっすからね」

( ▼土▼)「何十年もやってりゃ改良も進むってもんですから」

( ’▽’)「メシ一つ取っても流石レジェンドって感じです」

( ▼土▼)「いやそれはどうなんだ……?」



 ―――。

832 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:49:52 ID:fhWh2smE0
            ゝ : : .                            . : : )
              ): :        _............................._           :.{
             . : : .                           : : ノ
            :{  ,  ゛                         :(
            >ゝ . . ゛                       `  `: : 、
              :} . .          ....................             : :) 、
         //. : : : :7     ,...γ⌒ヽ:__:::::::〈__ ,)::__::::::::≧s 。    ..:ノ  \
         . : : : : : : : i(.ィiii.>.::::__::::::::(ヘ  Y^ヽ::ノ__.ィ>__:::::ヽヽ::::::>.。  :(   ヽ ヽ
        _7 /. : : : : : /.::_:::::>;;;;;;;;;ヽ:::ム __( ノ. . . . . .\zx_.〉「⌒ヽ:::>┐、     ,   ,
.     _7 ,′: : : ,.<:::::「⌒ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;》:::::::_、.゛. . . . . . . . .`ヽ::::\/;;Zzx::::::r ミ    ム  V
     _ .: : : : :.ィ:::____,,,,,,,ヽノ ニ==‐´::::::::〈 . . . . . . . . . . . . . . 〉::i{;;;;;;;;;;;;ノ::ノ_ィ:::ヘ      W
     ] [: : : /:「 . . . . . . . . }>-‐‐ /. . .`''''''. . く : ,,,,__. . . .ノ:::::::_>'^゚. . . . 寸::ム   }ヤ ,
      ] ヤ: :,'.:::i. . . . . . . . . .}〃 /. . . . . . . . . . . .Y´::::<__>::::Y. . . . . . . . . . . . マ:ム ,': }  [
       Ⅴ:::: |. . . . . . . . . h{_.ノ. . . . . . . . . . . . . }:::γ⌒ヽヽマ. . . . . . . . . . . . . }::::.,'. :,'  厂
     ∧  〈:YヘL. . . . . . . ノ::::j{ . . . . . . . . . . . . ノ:::::::丶`;;;ヘ::::乂. . . . . . . ,,,. . . .j::::::}:.7
     / ∧  、〈`ヽ::::¨¨/ ̄\ 、, . . . . . . . ィ゙:::::::::〈;;;;;;;;;;;;;;ル:::__:::`~~/;;;;;;`ヽ:::::::::jフ  .′
...    ./ ∧  寸ゝ_〉::::::\  __」:::::::≧=‐‐:::::::::_____::::::>‐. .´. . . .`ヽ:::ゝ;;;;;;;;ノ ┐:::シ / ,'
.      / ヤ。  ヽ:::::::::::::::::`´::::::ニ=‐…ミ::〃    }:::/. . . . . . . . . . ヽr ミz.::::::/ .イ./
         ]l \  \:::::>' ´. . . . . . . . .ヤ、_______ィ.ア. . . . . . . . . . . . . . }:::::}ィ ゛ / ,'
       ]liiト   <   <. . . . . . . . . . . .Vr⌒ヽ::rxゝ、. . . . . . . . . . . イ>`
        .]l: : \  、     ‐= _. . . . . .}::::`¨ヽヽ_ノ:::.> . . . _,ニ=‐ ¨      イ  √
         ]l: : : : 丶   _         ‐========‐        _  ‐   /:.√
          .]l\: : : : \    ‐  _       ___     _  ‐ ニ   .イ: : : .√
        .]l   <: : : : > .,    ~    ‐-------‐   ~     .ィ:i{: : : : : :.√

833 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:50:40 ID:fhWh2smE0

( ’▽’)「そういえば」

( ▼土▼)「ん?」

( ’▽’)「あの噂って本当なんすかね? K-UMA」

( ▼土▼)「ああ、例の」

( ’▽’)「顔に傷のある体長3メートル超の大熊、って話ですよね」

( ▼土▼)「遭難者が目撃したって都市伝説がありますね」

( ’▽’)「やっぱり、ただの都市伝説なんですかね……?」

( ▼土▼)「……実は、その話の元って知り合いだったり」

( ’▽’)「ほう……!」

( ▼土▼)「場所はご存じの通りここ、毛無峠。偶然ですが、その日も霧が濃かったらしいです」

( ’▽’)「そ、それで?」

( ▼土▼)「当時の彼は若かった。まあ行けるっしょの精神で先に進んだとか」

( ’▽’)「それ絶対遭難するやつじゃないですか」

( ▼土▼)「まあ実際そうなったわけです。しかも――」

834 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:51:14 ID:fhWh2smE0

( ’▽’)「しかも?」

( ▼土▼)「……本当に荒唐無稽な話だと思うんですが、ね。襲われたらしいんです」

(;’▽’)「えっ、例のK-UMAにですか!? でもそれだけなら別に荒唐無稽とは……?」

( ▼土▼)「いえ、それとはまた別の。……人狼のような、と当人は言っていましたが」

( ’▽’)「へっ?」

( ▼土▼)「そうなりますよね。俺もそうなりました」

( ’▽’)「えー、っと……なかなか脈絡ないですよね。人狼の都市伝説なんてあんまり聞かないですし」

( ▼土▼)「です。……いや、意外とそうでもないかもしれませんが」

( ’▽’)「ん? と言うと?」

( ▼土▼)「実は、他でも人狼の話はちらほら聞いたことはあるんですよ。脈絡がなさすぎて噂にもなっていない、そんな感じかもしれません」

( ’▽’)「あー、そういうこともあるかもですね。いずれにせよ信じ難いですけど」

( ▼土▼)「ですよね。直接聞いた俺も何かの動物だと思ってますし」

( ’▽’)「あ、なるほど。それはあるかもですね」

( ▼土▼)「ホラ話ではないと思うんですけどね。爪痕みたいなのも見せられましたから」

835 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:51:47 ID:fhWh2smE0

( ’▽’)「あれ、でもそれだとK-UMAはどこで出てくるんです?」

( ▼土▼)「その、人狼? に襲われて絶体絶命という場面で、一瞬黒い影が通り過ぎ――人狼の上半身が消えた、とか」

( ’▽’)「えっ」

( ▼土▼)「驚いて影が通り過ぎた方向を見ると、巨大な――3メートル以上ある大熊が仁王立ちしていたらしいです。
       いくらなんでもでかすぎるので、大きさは流石に見間違いだと思いますが……」

( ’▽’)「へぇー……! それがK-UMA」

( ▼土▼)「ですね。噂じゃ道を教えられたって話になってますけど、本人が言ってたのはこんな話です」

( ’▽’)「毛無峠のK-UMA、まさかそんな話だったとは」

( ▼土▼)「実際は大きめの猿か何かに襲われて、2メートルくらいの熊に助けられたって感じじゃないのかなと思ってます」

( ’▽’)「猿ですか? このへんいるんでしたっけ?」

( ▼土▼)「いなくはないですね」

( ’▽’)「じゃあ、猿なんですかね? 鹿や猪じゃ人狼と見間違えたりしなそうだし」

( ▼土▼)「だと思います。本人は否定してましたけど」

( ’▽’)「うーん、流石に人狼って言われてもなあ」

836 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:52:36 ID:fhWh2smE0

( ▼土▼)「まあ非常事態じゃ見間違いなんてよくあることですしね」

( ’▽’)「それもそうですね。とか言ってたら意外とそこらへんにいるかもしれないですけど」

( ▼土▼)「いやいや、流石にないでしょ」

( ’▽’)「わっかんないですよー?」

(;▼土▼)9m「あっ!?」

(’▽’;)「えっ?」

( ▼土▼)「なんちゃって」

(;’▽’)「ちょっと、脅かさないでくださいよ!」

( ▼土▼)「あれ、意外とマジで信じてる感じです?」

( ’▽’)「いや普通の熊でも普通に嫌ですからね?」

( ▼土▼)「それはそう」

( ’▽’)「霧が濃いとはいえ物陰は少ないですから、至近距離でバッタリってことはなさそうですけど」

( ▼土▼)「距離あっても嫌だなあ、熊は」

( ’▽’)「あはは、ほんとそうですよねー」

837 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:53:11 ID:fhWh2smE0

  〇    〇 ハハハ
  | ト    ノ|.|
  | ̄|   | ̄|





                 ___ ___
                ,ィf爪//////}ト//〉   γ⌒)
                /////////// ///\      ⌒)
         _。s≦/////           /ハ    、_ノ
   γ⌒ヽ  \///////          /ム
  γ    )   Υ/////       __//\
   乂_,       |////////>       // ̄≧s。_
     ゝ     ∠///> /{         /////////\
           Z/////         ///////////\
  (⌒       ///////////              '/////\
  乂、_ノ    ////////////                 //////\
          ////////                   ///////\
       /////////                      /////ハ
        ミ///////                            /////∧
        ミ//////                         /////∧
        ミ//////          ,                       /////∧
        ミ//////     ,ィf爪                   /////∧
       ミ//////     .///                      /////}
        ミ/////    ///                          /////}
        ミ///       |//                         ////}

838 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:56:43 ID:fhWh2smE0
前回のあらすじ
・支えの木が散乱しまくってるのがほんとホラーだわ。さっきなんて木片が山になってたし
・うむ。元からあった違和感が少し強くなった……気がする
・魔力ではないのか、あるいは……"魔力だと認識できていない"のか


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

839 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:57:18 ID:fhWh2smE0
Case13-Day3C
////////| /////// /// /三三三三三.`ヾ//////// ./////>-<三三三弍///////,.イ////三
////////| ////// ///.:/.三三三三三三 ::∨/////| ////     `ヾ三三三Y////Y/////:|三
////////! ////∧./∧/ ´ ̄`ヾ:.:.// ̄ ̄ヾ:i/////! !//∧        `ヾ:三.弍////|/////∧三
//////// .////| ∨        `Y:!:      ∨//./ ヾ/                  `ヾ:!,'∨/////!
/////// ./////!           `        `ヾ'’                     ´  ∨////!
////// ,//////                                           ∨///
////∧//////                                             ∨/
////. `ヾ///=― - 、__ ___         _    _____   ___    ヾ
´`´. : : : : :.`´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
 ̄ ̄  ̄ ̄ 三二ニ≡= ―― - . - .、 : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
 ̄ __ ――  二  三三  二ニ二ニ≡x、_: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
_   ― ―  ̄  _   ―  _  ―    `ニ:x、: . : . : .,,-==-、: . : . : . : . : . : . : . : . : . : .
__    ―   ―   __    ― _  三 ニ弍.x . : '、_ノ `Y人_: ,,<三 三 `ヾ: . : . : .
    __  ―   _     __ -   __  三 >x、 `゙´ _,,≦ `ー 、.x< :ヾj!: . : . : .
_  ―    __     ―       _    __  ー  `ヾ: . : .`ー>=<,ノ`丈_人: . : : .
     _      ー    ――  _   ―     __   `: .、: . : .``ー=―ヾ`ー'’: . : :
- _    __    ___   ―    __  _     ―   `ヾ: . : . : . : . : . : . : . : : :

840 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:57:56 ID:fhWh2smE0



( ´_ゝ`)「おい、聞こえるか? 聞こえたら返事をしてくれ」



( ’▽’)「えっ??」

(=゚д゚)「むっ……?」



(;´_ゝ`)「なっ……!?」



(´・ω・`)「……聞こえますよ」

841 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:58:29 ID:fhWh2smE0

(;´_ゝ`)「おt――兄者はちょっと黙っててくれ。どうも口を借りる形になるようだ」

( ’▽’)「??」

(´・ω・`)「弟さん、ですかね? 一体どうなってるんです?」

( ´_ゝ`)「まあ、ちょっと色々ありまして……兄者のお守りを介して現世に介入できるようになったみたいです」

(=゚д゚)「現世に……? よもやお主――」

( ´_ゝ`)「あ、生きてます。一応、ギリギリ……たぶん恐らくきっと……? 少なくとも沢近判定では」

(´・ω・`)「沢近……処刑人ヘリカル? ……なるほど、そういうことですか」

( ´_ゝ`)「流石はマスター、話が早くて助かります」

( ’▽’)「何言ってんですかこの人?」

(=゚д゚)「お主はあまり気にせぬが吉じゃの」

(´・ω・`)「それで。ご用件は?」

( ´_ゝ`)「俺も同行……で合ってるのか? とにかく協力するので、やれることは増えるはずです」

(´・ω・`)「ふむ……だ、そうですが。探検隊リーダーの意見は?」

( ´_ゝ`)「むっ……」

842 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:59:02 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「まず、意外と元気そう……で合ってるのか? とにかく話せて何よりだと言わせてくれ。
      ……沢近のとこなら一旦招待してくれりゃよかったのに。俺や美和ちゃんがどれだけ心配したか……」

( ´_ゝ`)「あっちもあっちの事情がある。見た目合法ロリだし一見アホの子だが、その真意は測り知れん」

( ´_ゝ`)「それはまあ、な。だから積極的に頼りたくはないんだが……グッジョブと言わざるを得ない」

(;’▽’)「なんか一人で会話してて怖いんですけど」

(=゚д゚)「ええい、気にするでない。ハゲるぞ」

( ´_ゝ`)「状況は大体把握してるつもりだ。兄者が死なないようにサポートさせて貰う」

( ;_ゝ;)「なんだよもー! 泣かせんなよ!」

( ;_ゝ;)「いや何急に泣き出してんだ」

( ;_ゝ;)「うるせー! お前に俺の気持ちがわかるか!」

( ;_ゝ;)「……心配かけて悪かった」

( ;_ゝ;)「うおお弟者ぁぁぁ!」

(;’▽’)「……」

(´・ω・`)b「麗しい兄弟愛ってやつですね」



 ―――。

843 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 22:59:36 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「少しは落ち着いたか?」

( ´_ゝ`)「ああよ。もう何も怖くない」

( ´_ゝ`)「ネタに走れるなら大丈夫そうだな」

( ´_ゝ`)「しかしこれはちょっと不便だな。端から見たら不気味だろうs――」
(;’▽’)「めっちゃ不気味です!」

( ´_ゝ`)「ああ。式神呼んで同期しようか、そっちで喋るようにしよう」

( ´_ゝ`)「むっ? 前試した時は発声はできても喋れなかったよな?」

( ´_ゝ`)「この数か月、俺もただ死んでたわけじゃないってことだ」

( ´_ゝ`)b「……流石だな、弟者」

( ´_ゝ`)「あの状況を生き延びた兄者ほどではないがな」

( ´_ゝ`)「マスター達来なかったら俺も終わってたが。マジで助かったぜ」

(´・ω・`)「前にも言いましたが。チート野郎がいなければ見捨ててた手前、素直には受け取れないですね」

( ´_ゝ`)「それでも、マスターいなかったらあの面子でも厳しかったろ」

(´・ω・`)「まあ、それはそうなんですが……」

844 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:00:09 ID:fhWh2smE0

(=゚д゚)「本当に謙虚じゃな。だからこそ踏み止まれている、か」

(´・ω・`)「そうなのだとしたら、努めて謙虚にいきましょう」

( ´_ゝ`)「そういえば……沢近さんからマスターに伝言です。"気張れ、私のようにはなるな"と」

(´・ω・`)「ふっ……噂の処刑人は、随分とお優しい人物のようで」

( ´_ゝ`)「ヴィーガン拗らせて発狂したアホ、と本人は言っていましたよ」

( ´_ゝ`)「ああ……やっぱりそういうことなのか」

( ´_ゝ`)「うむ。まあ、人間観察なんざできない俺の目から見てさえ……やっぱ人間とはズレてると感じたがな」

( ´_ゝ`)「人間で言や動物愛護拗らせたような感じだろうよ。そりゃ教授も面白がるわ」

(´・ω・`)「僕もそうやって面白がられてると思うと、後先考えずにぶん殴りたくなりますね」

( ´_ゝ`)「わかる。帰ったらやるか、今回うまく運べば特課のバックアップも期待できそうだ」

(´・ω・`)「良いですね、殺りましょうか。あなたなら後釜の器には十分だ」

( ´_ゝ`)「えっ。後釜とかそれは普通に嫌なんだが……マスターの方が適任だろ」

(´・ω・`)「僕では既存の柵もありますし、誰一人納得しませんよ。それくらいわかるでしょう?」

( ´_ゝ`)「やっぱそう? 気のせいってことにしときたかったなー……」

845 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:00:43 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「なあ、式神呼んでいいか?」

( ´_ゝ`)「あっ、はい」

(´・ω・`)「邪魔してすみません、どうぞ」

(=゚д゚)「式神……陰陽道かの?」

( ´_ゝ`)「俺自身はいくつか術を習っただけのにわかですけどね。師匠は古風な陰陽師です」

(=゚д゚)「現代の修験道には、長い歴史の中で陰陽道から取り入れられた術も多い。参考にさせて貰うとしよう」

( ´_ゝ`)「そう言われるとちょっと緊張しますが……参考になるようならしてください」

( ´_ゝ`)人「狐仮虎威、救急如律令」

    r‐、_             _ィ-、
    |::::::::`ヽ、,_,ィー----一-、∠::::::ハ
    >,.''':::''"ソ,.彡'==tr==ミ:ヘ、'''"_,/
     "'ーァ ,. ;i'"_,,_=''ヘ=t=/''=_,_ i! {,
     、ミ゙'' ,i:' tー-、(:、   ノ--ァ'i, 'r
     ミ'" ,il゙  ゙'==';;7   〈=='  ゙! 彡
     ,「;;: i! `'ーノ ;:゙ :::::::::: ヘー'゙ i! 'ミ
    ,.;' '─il-ヾ__,.--{^'ーv‐'^}-、_,⊥-─
    彡,--─===_: `゙'Y'´:.===‐--
     彡ノ, /'T''--一'^ー-ァヘ´⌒ヽ
     彡'ミ゙  ヾヽ、/l;;;;;;;ハノ,:'  ,ミ`
      } ":シ:::.."ヽ,,__,,ノ`ミヾ`ヾヽ、
     /il  ゙:::::::::.:::::::::::::::::::::::::'''   ゙i:,`''ー-、
      } ゙i!                i:!    `ヽ、
     / 'i、                ,i:'      `''ー

846 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:01:18 ID:fhWh2smE0

(;’▽’)「とっっ!? 虎ぁッ!?!?」

(=゚д゚)「ほう……見事な術じゃ。凪の海のように静かな発動、隠密向きじゃな」

又( ノフ「隠密性ト持久力ガ取リ得デスネ」

(;’▽’)「シャベッタァァァァ!?」

( ´_ゝ`)「おっ、いけそうじゃないか」

又( ノフ「伊達ニアノ世ハ見テネエゼ」

(´・ω・`)「なんかレトロゲーみたいな音声ですけど、十分意思疎通はできますね」

(=゚д゚)「器用なもんじゃのう。ワシにはできん芸当じゃ」

又( ノフ「ぱわーハごみデスケドネ」

( ´_ゝ`)「力の一号技の二号ってやつだな」

又( ノフ「ソウカ?」

( ´_ゝ`)「そうだ」

(;’▽’)「あばばばば」

(´・ω・`)「大丈夫ですよ、喋る馬のエドみたいなもんです」

847 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:01:52 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「気持ちはわかるけどな。数年前の俺らなら大層取り乱していただろう」

又( ノフ「ソレハ否定デキナイ。慣レッテ怖イナ」

(´・ω・`)「それは……そう、ですね」

(=゚д゚)「努々、じゃ。重ね重ねにはなるがの」

(´・ω・`)「……ここであなたと出会えてよかった。心からそう思います」

( ´_ゝ`)「本当にな。帰ったら一杯やりたいもんだ」

(=゚д゚)「ほっ。久々に宴会というのも悪くないのう」

(´・ω・`)b「腕によりをかけましょう。そこらの板前崩れには負けませんよ」

又( ノフ「違イナイデス」

( ´_ゝ`)「総合力では筆府で5本の指に入るからな。探偵の俺が言うんだ、間違いない」

又( ノフ「ソウカ?」

( ´_ゝ`)「そうだ」

(=゚д゚)「ほほう、それは楽しみじゃ。先程の雑炊もうまかったしな」

(´・ω・`)「期待しておいてください」



 ―――。

848 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:02:25 ID:fhWh2smE0
【D区画 半水没地帯】
三三三三三三三三三三三三三r'=i´  r'´ ,       、,     |=ト、二二
三三三三三三三三三三三三ソ´=j .ノ´  ´圭圭圭     j  !k| iニト 二
三三三三三三三三三三三ソ´>' ノ   圭filililif圭.       `i| |ニ| `ー
三三三三三三三三三=r‐‐'二}   {.  ヽ   .|ililili|   ノ       ! |ニ|‐、
三三三三三三三三三/二二ソ _j´ 、    lililili|‐'     ナ      |ニ|  i
三三三三三三三三ソ=二/´  ,´   乂   .|ililili|    /      |ニ|  |
三三三三三三r'二´二r'´   .r' 圭圭   ヽ  |ililili|              |ニ|  |
三三三三三r'二二二r'   Y! |  |i|       |ilili;;;i} _ ノ.        iニ', |
三三三三ノ´`i二二r'   | V.   |i|  ヽ     |ilil| |i|      .ノ    i二∧'
三三三/´{   Y二f    i   、  |i|   `;   |ilil| |i|        Y´二二ヽ
三三i'´.二l    i二|.     {   i , |i|      _|ilil| |i|___ノ λ  y'` 从 从 从
三=r'二二{    |ニ|    〉 ___,..|i|__r‐‐'´ ̄ ""゙゙`゙`...`v'´ `,' r'´ __ /
三={二二=! ---l二l‐‐‐‐‐'‐..´:::::::"゙`::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`<_r'´r'´, --' ´_
三三三i、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,‐、::::::::::::::::::::::r‐'´_____r'´_ _
三三三三::.. :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r'ヽ::::::::: ̄::::::::r‐´____
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r'´`:、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

849 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:02:58 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「うへー、めっちゃ水没しとる」

( ’▽’)「しっかり後を着いてきてくださいね。踏み外したら竪坑がないとは保証できません」

(;´_ゝ`)「こわっ!」

又( ノフ「安心シロ、最悪玄武デ助ケニ行ケル」

(´・ω・`)「僕が行ってもいいですしね」

(;’▽’)「えぇー……普通は水がないとこ以上に死亡確定なんですけどね」

( ´_ゝ`)「じつに頼りになる隊員達だ」

(=゚д゚)「お世辞でも何でもなく特課の小隊を超えるな。ま、それくらいでなくてはの」

( ’▽’)「えぇー……もう帰ってもいいですか?」

( ´_ゝ`)b「何言ってんだ、あんたも優秀な隊員の一人だぞ」

又( ノフ「違イナイ。コレホド優秀ナがいどハ他ニイナイデスヨ」

(´・ω・`)b「頼りにしてます」

( ’▽’)「えぇー……」



 ―――。

850 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:03:32 ID:fhWh2smE0
【D区画 坑道】
      ;;;;;;;,,;;;;;;;,/      ―.'.'.............,! 、 "    ノ   ,,-、  、 i,__ii,_i,-''゙i,   i_,、-ー''゛!、 ミ゙ィ.
   .ゞミ ノ"''ー-、,_i   ,/''-,i_,ii__,i !ニ 」, '、,,し‐''冖'''''"、..-"  .`'--' ニ=,-ー'゛(,  i゙  ゙i   ゙i l
   l /   /  ゙i  ノ"'ー-,=ニ 」, i゙\   .,,ノ゙' 、,,し‐''  `'ー..,_,゙i ゝ,  ″、.| _,..-.゙ー ゙i l ゙i
   / l / ー゙.-..,_ レ″  ,ゝ i゙\   .`i.、"゛^'‐'''"´__,、_l」..:イ;;;;   7´   〈  j l   (, | ]. !;,
  ,;! .] | ノ   l j  〉   `7   、   ,.ゝ ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7  7;;;;;;; ,.!:     (, `    |il ソ.,_
   _,.ソ li|    ´ ノ     :!、   ,.!  i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈   /;;;;;;;;! |   〈  {.  ソ,  ゙!、 ,.l゙
   ゙l、 ノ゙  ,ソ  .}  〉   | !  i| j }   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;  !  〉 l.、;;;;;;;j |    ゝ, ゝ    `゛ 、. "゛
  "゛ .、 "´    ゝ ,ゝ    | j`'i   〉   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;-.L_/   ,!;;;;;;i'´    」  \    ,.. j  {
   }  j .、   /  」    `'i   〉   ;;;;;;;;;,,,,,,ニ .,.  ゙i 」 i   \        !,  {  ゛'  .
  .  '"  }  ,!        /   i 」 /,,;;;;..,, 二二    :.゙i 」,   ゝ,    7   j   l.  |  !|
   |!  |  .l   j   7    ,ゝ   ,」 /.:  ―――― .::..\l  ,r'´    {.   ,r'.   j. ,.|
   |、.j   .ヽ   .}    `ヽ  l/..::.  ―.'――',―  :...:.: '=, |       !.    ゙i    ン'`l,
   ,l`'く    /    .!       | ,=' :.:...: ―.'.'――-',',―:.:.......:.:.:;;゙ィ_゙i:    (,,    (,  {.
     .}  ノ    ,ノ    :/_ゞ;;:.:.:.......:.:―.'.'――――',',.:::::::::.:...::::::::::::'-,_., 、.,     ,.ー'゙   ,.''
  ''、  ゙'ー、    ,.、 ,._,-'::::::::::::...:.:::::::::..'.'―――――..',',― ................:::::::゛ゝ ゛;.   i''´  / 、
  、 \  `''i   .;" ゝ":::::::................   ――――――=.',',―..  ......:,,. . ,,,::::::::::゛''-,,_  ,r'  ,.
 、 ヽ  _,,-''"::::::::::,,, . .,,:......     ―――――――.............、,r'.!.゛ ⌒゛' ゙i...:::::::::::::゛''!  !.

851 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:04:05 ID:fhWh2smE0

(=゚д゚)「むぅ……」

(´・ω・`)「かなり違和感が強くなってきましたね」

( ´_ゝ`)「相変わらず全然わからん」

又( ノフ「ウム」

(=゚д゚)「この不快感を覚えぬのは正直羨ましいの」

(´・ω・`)「はい」

( ´_ゝ`)「そんなにか」

(=゚д゚)「星野殿が霊的に敏感ではなくてよかった、そう言っておこうか」

(´・ω・`)「ですね、だからこそ前回生還できたと言えるでしょう」

(;’▽’)「ひぇっ」

( ´_ゝ`)「俺が何も感じないのは……お守りのお陰、か?」

又( ノフ「ソノ可能性ガ高イナ。ダカラトイッテ試シニ外ソウトスルナヨ? 俺トノ接続モ切レル」

( ´_ゝ`)「わかってんよ。知ったところでさほど意味もないし」

又( ノフ「ダヨナ。ソイツノ恩恵ハヨクワカッテルシ」



 ―――。

852 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:04:41 ID:fhWh2smE0
【D区画 坑道】
│ .l  'i   |  !│ .l  'i   |  !   ′ i' .|   .!  j  ,  .,i'1  .|  l .|  ! ; i′ i' .|   .!  j  , /  /
.l゙ .i,!  .!  .|.l'  .l゙ .i,!  .!  .|.l'   、   .l   、 |  l  .|   l !   l   !  l  l   .l   、 |  l  .| l  /
.! l}  .!  | !  .! l}  .!  | !   l ...|   | .!   !  ! .  !|  .l゙   !  .「  l゙, ...|   | .!   !  ! ."  !
  |,!     |   /|,!     |   / l  .〉  | .| 「 .!,," .iト    |.ll  !   .,!    ."l  .〉  | .| 「 .!,," .iト
  ″  .,     ,! ″  .,     ,! .]/│ .|  ゙∴∵∴∵∴∵  !."! l .!  ,!  !  |,/│ .|  ゙  l ,! .l l  i
 ri    |     ″ri    | |  !   ′ i' :!∴∵∴∵∴∵∴∵!  ゙ .; .!.、 l   │ l゙  ,!:!   ",! .l ." .!
 .l! l.  .l, .,!  、 .r、、   .|.l'   、   .l∴∵γ~’” ̄\∴∵∴∵.} |│ l   l゙ l  ".!  l .、.!  !、 .l !
 .|  .l  ,! .l゙.! .,!  !  .゙l、  | !   l ...|∴∵/      ヽ∴∵ .!  | .! .l .!    │    l .| !.ゝ .!l゙.,.〉 ′
. i ′│  ! ."" .,! .!   .ヽ、 |   / l  .∴∵,l}        l ∴∵  !  .ゝ,!    ! /   .! ! !  .ネ !   |
 !  !  !  ` ヽ ~|  .  | 、  ,! .]/∴∵/          l∴∵l.゙   )、   .! .|.  1l゙  !  .,リ  j !
 ! ! |  ゛    .゙l. 」 .|  .l;;i.l、  ″ '|∴∵,!:          /∴∵;.! i   .}i、  .! .,!|  ,!  l │l  .| !
.'i. .".!'、   │ .|゙!|  |  .!  `-. "゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,'`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:. |.| .l   .l!l i   !1 /  、  !  !, l゙‐ !
 l,  .l l 、  |  ! . l l., 、  l   ;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~;,;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"ヽ ./l   .ヽ|.l   !; .!  .|  !   | │
  .!  " ゙'│ "  ! .| ."l  !  l 、: ;: ;:  ; ::; : ;:; : ;:; :; :  :: :; '' ;~'',;''゚ t、′    .! .!  .!"| .|; " ! 、  !  |i
  .!    |.l     |  .!、 .! .! .|"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,'`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:..;;.;;ii:i;゙゙゙.l、`'ー..__   !  !.゙"   " .l.i   ,!|
 │  i ゛|  !  .|_  .!ヽ゛ ‘ .|;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~;,;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,":.ミ,,;'',;'.|  .l i  | ,ヽ、 !    :! .、  ".l  ./ l 、
  .! .,  .!    |.!   l  l.゙li_._,, : ;: ;:  ; ::; : ;:; : ;:; :; :  :: :; '' ;~'',;''゚ ~,;''゚ :..‐'''''ー|. !.、,!.l .、ヽ.|    ! .l     │. ′
l │.! .、  .l゙,! _,.__,.l._./   =i;;:;i,'' ;~'',;''゚ ;~'',;'''',;'',;' '゚ ;~,;''゚ ;..;;.;;ii:i;= ─二二  !'゙‐'... l  &..,,,_、 .|   i  .!│
゛  .゛ ...l,, -¬" __  - ,;' ;~,;''゚ ,:;,`゙ゞ:.ミゞ:.ミ,,;'',;' ;~゙ゞ:.ミ,,;'',;' ̄ ̄  __    ―   ̄ ̄`'-、l、 |  ゛ |
                   ;~,;''゚ ,::.ミ,,;'',;' ;~ ;~,;:.ミ,,ii;'',;' ;~,;''゚ :..

853 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:06:28 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「ここが……」

( ’▽’)「はい、例の入口です」

又( ノフ「本格的ニえどがー・なずノ気分ダナ」

(´・ω・`)「誰ですそれ?」

( ´_ゝ`)「フィッシュ面蔓延るインスマスにて台車でカーチェイスし、鮫に乗って脱出した、英雄たる幼女だ」

(=゚д゚)「ほう、さような人物が」

(´・ω・`)「インスマス……ああ、クトゥルフ神話ですか」

( ’▽’)「あ、その動画見たことあります。……この先にアブホースとかいないといいですねぇ」

( ´_ゝ`)「似たようなの確実にいるだろ。ただ、まだ間に合う……はず」

(´・ω・`)「……この感じ、事前に想定していた以上に猶予はなさそうですけどね」

(=゚д゚)「そうじゃの。いざという時に応援を呼ぶ暇(いとま)があれば良いが」

( ´_ゝ`)「いくらこの面子でも、流石に応援なしでは……」

又( ノフ「一度連絡シテオキマセンカ? 多少ナリ材料ハ増エタンデショウ?」

(=゚д゚)「ふむ、妥当な提案じゃな」

854 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:07:01 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「……よし、一旦ここでキャンプ。通信機を試すか」

(´・ω・`)「良いと思います」

又( ノフ「ア、ナンカ沢近サンノ方デ黒磯サント白髭サンニハ連絡通シテクレルソウデス」

( ´_ゝ`)「おっ、そりゃ助かる」

(´・ω・`)「……聞くだに恐ろしい存在ですね。味方のうちは良いですが」

( ´_ゝ`)「ほんとそれな……。まあ、味方に着けときたきゃミノリちゃんに全力で味方することをお勧めする」

(=゚д゚)「ふむ……先程からの話から察するに、八百万の一柱かの?」

又( ノフ「当人曰ク、天成ノ崇メル神……死後ニソノ神託ヲ受ケタ巫女ダトカ」

(=゚д゚)「なるほどの。探偵殿は随分と顔が広いようじゃ」

( ´_ゝ`)「それほどでもない」

(´・ω・`)「それほどでもあるでしょう。あなたがいなければこのパーティもないですし」

( ´_ゝ`)「そうか?」

又( ノフ「ソウダ。不本意ナノハワカルガナ」



 ―――。

855 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:07:35 ID:fhWh2smE0

(=゚д゚)「術はかけたぞ。後は実際に通じるかどうかじゃな」

( ´_ゝ`)コ「ドキドキだな……もしもーし!」



lコ ザザ...



(´・ω・`)「……」

( ´_ゝ`)コ「聞こえるかー? 聞こえたら返事くれー」



lコ ザザ...



又( ノフ「……ダメカ?」

( ´_ゝ`)コ「おーい! おーい!」



lコ ザ...

856 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:08:08 ID:fhWh2smE0

lコ ザ..."まっちゃwfjz"

( ´_ゝ`)「!! かっちゃんか!?」

lコ ザ..."plmb"

又( ノフ「ますたー、ソコノツマミヲ右ニ」

(´・ω・`)「む、こうですかね?」

(=゚д゚)「こちらも少し調整する……どうじゃ?」

lコ"まっちゃん、聞こえるか?"

( ´_ゝ`)「オーケー、バッチリだ」

(=゚д゚)b d(´・ω・`)

lコ"おー、思ったより問題なく聞こえるな"

( ´_ゝ`)「そっちは何事もないか?」

lコ"おう! 今んとこ誰も――あー、怪しい奴は来てない"

( ´_ゝ`)「ほっ」

(´・ω・`)「何よりですね」

857 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:08:43 ID:fhWh2smE0

lコ"そっちはどんな感じ?"

( ´_ゝ`)「ポイントγに到達した。登良さん達の見立てによると、かなりヤバそう」

lコ"無事に到着できたのはよかったけどマジかー"

( ´_ゝ`)「ドッくんは近くにいる?」

lコ"いますよ。事件ですか事故ですか?"

( ´_ゝ`)「この状況でネタ挟むとは、随分リラックスしたみたいだな」

lコ"ええまあ。警らを兼ねたキノコ狩りが結構楽しくて"

(´・ω・`)「キノコですか。丁度いい時期ですね」

( ´_ゝ`)「かっちゃんいれば許可は取り放題だろうしな」

lコ"流石は林業の人ですね、地元で顔が広いです"

( ´_ゝ`)「だろうな」

lコ"ひらたけ炒めて食べたんですけど、うまかったですよ"

(´・ω・`)「良いですね。余ったら何か作らせてくださいよ」

lコ"えっ? まあいいですけど"

858 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:09:21 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「世間話はそんなところで。冨竹に連絡頼みたい」

lコ"内容は?"

( ´_ゝ`)「登良さんとマスターから所感を説明して貰う。それをそのまま伝えてくれりゃいい」

lコ"わかりました、伺います"

(=゚д゚)「ふむ」

(´・ω・`)「どう説明したものか、悩ましいですね」

(=゚д゚)「じゃの。この地の命運を分けることになりかねん」

( ´_ゝ`)「シンプルに思ったところを伝えれば良い。そのへん汲み取るのは得意そうだからな、冨竹」

(=゚д゚)「そうか……そうじゃな」

(´・ω・`)「……ま、なるようにしかなりませんか」

(=゚д゚)「それでは説明するぞ」



 ―――。

859 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:09:54 ID:fhWh2smE0

lコ"では、以上の内容で連絡しますね"

(=゚д゚)「うむ、よろしく頼む」

(´・ω・`)「動いて貰えるといいですが」

lコ"ほんとそうですね。仮にも政府機関ならここらで頼り甲斐のあるとこ見せてほしいです"

(=゚д゚)「耳の痛い話じゃのぉ……」

( ´_ゝ`)「官房機密費とかで騙し騙し運営してるんだ、しゃあないだろ」

(´・ω・`)「近頃は昭和の時代と違って巨額の隠し予算は難しいでしょうしね」

lコ"あぁ……そう考えるとクリーンになるのも良し悪しですね"

( ´_ゝ`)「これに限らず、必要だけど絶対に理解を得られない案件ってのは掃いて捨てるほどあるからな……」

(=゚д゚)「民主主義最大の課題じゃな。公僕の中には望まずして我ら修験者のような生活をしている者も多い」

(´・ω・`)「署長さんとか見てるとわかりますよ。彼らの使命感に依存してこの国は成り立っている」

( ´_ゝ`)「ほんとにな。……話が盛大に逸れたが、連絡よろしく」

lコ"はい、すぐ送信しますよ"



 ―――。

860 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:10:28 ID:fhWh2smE0
【D区画 坑道】
│ .l  'i   |  !│ .l  'i   |  !   ′ i' .|   .!  j  ,  .,i'1  .|  l .|  ! ; i′ i' .|   .!  j  , /  /
.l゙ .i,!  .!  .|.l'  .l゙ .i,!  .!  .|.l'   、   .l   、 |  l  .|   l !   l   !  l  l   .l   、 |  l  .| l  /
.! l}  .!  | !  .! l}  .!  | !   l ...|   | .!   !  ! .  !|  .l゙   !  .「  l゙, ...|   | .!   !  ! ."  !
  |,!     |   /|,!     |   / l  .〉  | .| 「 .!,," .iト    |.ll  !   .,!    ."l  .〉  | .| 「 .!,," .iト
  ″  .,     ,! ″  .,     ,! .]/│ .|  ゙∴∵∴∵∴∵  !."! l .!  ,!  !  |,/│ .|  ゙  l ,! .l l  i
 ri    |     ″ri    | |  !   ′ i' :!∴∵∴∵∴∵∴∵!  ゙ .; .!.、 l   │ l゙  ,!:!   ",! .l ." .!
 .l! l.  .l, .,!  、 .r、、   .|.l'   、   .l∴∵γ~’” ̄\∴∵∴∵.} |│ l   l゙ l  ".!  l .、.!  !、 .l !
 .|  .l  ,! .l゙.! .,!  !  .゙l、  | !   l ...|∴∵/      ヽ∴∵ .!  | .! .l .!    │    l .| !.ゝ .!l゙.,.〉 ′
. i ′│  ! ."" .,! .!   .ヽ、 |   / l  .∴∵,l}        l ∴∵  !  .ゝ,!    ! /   .! ! !  .ネ !   |
 !  !  !  ` ヽ ~|  .  | 、  ,! .]/∴∵/          l∴∵l.゙   )、   .! .|.  1l゙  !  .,リ  j !
 ! ! |  ゛    .゙l. 」 .|  .l;;i.l、  ″ '|∴∵,!:          /∴∵;.! i   .}i、  .! .,!|  ,!  l │l  .| !
.'i. .".!'、   │ .|゙!|  |  .!  `-. "゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,'`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:. |.| .l   .l!l i   !1 /  、  !  !, l゙‐ !
 l,  .l l 、  |  ! . l l., 、  l   ;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~;,;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"ヽ ./l   .ヽ|.l   !; .!  .|  !   | │
  .!  " ゙'│ "  ! .| ."l  !  l 、: ;: ;:  ; ::; : ;:; : ;:; :; :  :: :; '' ;~'',;''゚ t、′    .! .!  .!"| .|; " ! 、  !  |i
  .!    |.l     |  .!、 .! .! .|"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,'`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:..;;.;;ii:i;゙゙゙.l、`'ー..__   !  !.゙"   " .l.i   ,!|
 │  i ゛|  !  .|_  .!ヽ゛ ‘ .|;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~;,;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,":.ミ,,;'',;'.|  .l i  | ,ヽ、 !    :! .、  ".l  ./ l 、
  .! .,  .!    |.!   l  l.゙li_._,, : ;: ;:  ; ::; : ;:; : ;:; :; :  :: :; '' ;~'',;''゚ ~,;''゚ :..‐'''''ー|. !.、,!.l .、ヽ.|    ! .l     │. ′
l │.! .、  .l゙,! _,.__,.l._./   =i;;:;i,'' ;~'',;''゚ ;~'',;'''',;'',;' '゚ ;~,;''゚ ;..;;.;;ii:i;= ─二二  !'゙‐'... l  &..,,,_、 .|   i  .!│
゛  .゛ ...l,, -¬" __  - ,;' ;~,;''゚ ,:;,`゙ゞ:.ミゞ:.ミ,,;'',;' ;~゙ゞ:.ミ,,;'',;' ̄ ̄  __    ―   ̄ ̄`'-、l、 |  ゛ |
                   ;~,;''゚ ,::.ミ,,;'',;' ;~ ;~,;:.ミ,,ii;'',;' ;~,;''゚ :..

861 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:11:01 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「……さて、行くか。気は進まないが」

又( ノフ「マア、星野サンガ前回行ッタ場所マデハ大丈夫ジャナイカ?」

(´・ω・`)「そう願いたいですが、油断はできませんね」

(=゚д゚)「うむ。違和感の元は間違いなくあの先じゃ」

(;’▽’)「何かあったらよろしくお願いしますね、皆さん」

( ´_ゝ`)「おう、パニックにならないようにだけ心がけてくれ」

又( ノフ「ナカナカ難シイコトヲ言ウナ」

(´・ω・`)「ですね。とはいえ、パニックになって変な方向に走られたりしたら対応が難しいですから」

(;’▽’)「が、がんばります」

(=゚д゚)「あまり他人事ではないぞ。何が起こってもおかしくはない」

( ´_ゝ`)「確かにな。そこは認識を改めるべきか……」

又( ノフ「俺ハりもーとダカラ問題ナイデショウガ、皆サンハ気ヲ付ケタ方ガ良イカト」

(=゚д゚)「念には念じゃ、ここからは結界を張っておくとしよう」

(´・ω・`)「それは、大丈夫ですか? スタミナ的に」

862 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:11:35 ID:fhWh2smE0

(=゚д゚)「ま、何とかなるじゃろ。それほど消費の多い結界を張るつもりはない故な」

( ´_ゝ`)「そういうことなら是非頼む」

(´・ω・`)「僕も使えればよかったんですがね。どうも結界の類は不得意で」

( ´_ゝ`)「ナカーマ。まあ俺の場合は強化以外全滅なんだが」

又( ノフ「俺モ結界張ットクカ?」

( ´_ゝ`)「流石に消費まずいだろ。突入してから雲行き怪しかったら頼むかもしれん」

又( ノフ「マアソウダナ、ワカッタ」

(=゚д゚)「では早速やるとするかの」

(´・ω・`)「お願いします」



 ―――。

863 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:12:08 ID:fhWh2smE0

(´・ω・`)「むっ……?」

(=゚д゚)「ふむ」

( ´_ゝ`)「どうした?」

(´・ω・`)「違和感、だいぶ弱まりましたね」

(=゚д゚)「そうじゃの。この結界で正解だったようじゃ」

又( ノフ「後学マデニ聞キタインデスガ、ドノヨウナ結界ヲ?」

(=゚д゚)「魔除けの結界じゃ。魔の者の放つ瘴気を防ぐものじゃな」

(´・ω・`)「通常、瘴気といえば負の魔力ですが……なるほど」

(=゚д゚)「やはりと言うべきか、魔力として認識できていないという仮説が正しそうじゃの。
     地上ではハッキリしなかったが、ここでは如実に違いがわかる」

( ´_ゝ`)「……良いような悪いようなだな」

又( ノフ「少ナクトモ最悪デハナイダロウ。想定ヲ超エテハイナイッテコトダカラナ」

(´・ω・`)「はい。活動に支障が出るようなことはなさそうです」

( ´_ゝ`)「改めて言っとくけど、マスターに異変があれば即撤退だからな?」

(´・ω・`)「わかってますよ。些細な変化でも報告します」

864 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:12:42 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「……それじゃ、改めて。のりこめー^^」

又( ノフ「わぁい^^」

(´・ω・`)「何ですかそのノリ」

( ’▽’)「おちんちんランドあくしろよ」

( ´_ゝ`)「ホモはせっかち」(´・ω・`)「あっ(察し)」

(=゚д゚)「??」

( ´_ゝ`)「複合コンボしっかり決めてくる、やるなガービー」

( ’▽’)「ま、多少はね?」

(´・ω・`)「やりますねぇ!」

(=゚д゚)「???」

又( ノフ「ソノヘンニシトケ、登良サンガめだぱに食ラッテルゾ」

( ´_ゝ`)「あんだけノリノリで返事しといて何言ってんだこいつ」

(´・ω・`)「やはり精神を解すには馬鹿馬鹿しい話が一番ですね」

(=゚д゚)「????」



 ―――。

865 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:13:16 ID:fhWh2smE0
【坑道?】
  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::':::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::゙\:::::::::::::::::::,_,゙i::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::.`i.、:::::::::::::l」..:イ::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::,.ゝ ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7:::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::: i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈 ::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::}   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;  !  〉::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::〉   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;-.L_/::::::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::::::  ;;;;;;;;;,,,,,,ニ .,.゙i::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::/,,;;;;..,, 二二    :.゙i:::::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::\l:::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::'=,::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::,=':::::::::::::::::::::::゙ィ_゙i::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::/_ゞ:::::::::::::::::::::::::::'-,_.::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::,-'::::::::::::::::::::::::::::::::::゛ゝ:::::::::::::
  ::::::::::::::::ゝ"::::::::::::::::::::::::::::::::::::゛''-,:::::::::::
 、 ヽ::::::::::_,,-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゛' ゙i::::::::

866 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:13:51 ID:fhWh2smE0

(;´_ゝ`)「うーわ……想像以上の光景だな」

(;’▽’)「いやぁー……改めて見るとヤバいですね」

又( ノフ「何デスカネ、コノ岸壁」

(=゚д゚)「むぅ……ワシもお目にかかったことはないのう」

(´・ω・`)「右に同じです。あまり見つめない方が良いでしょう……この黒い輝き、視覚から浸食される恐れがある」

(;´_ゝ`)「こわ。なるべく見ないどこ」

(;’▽’)「ですね」

又( ノフ「ナア、俺ガ先頭行コウカ? 思ッタ以上ニやばソウダ」

( ´_ゝ`)「そうして貰うか。弟者なら残機あるし」

又( ノフ「残機アルノハ俺ジャナクテ式神ダケドナ」

(´・ω・`)「便利なもんですね」

又( ノフ「ソウ言ッテ貰エレバ、来タ甲斐ガアリマス」



 ―――。

867 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:14:25 ID:fhWh2smE0
【???】
               三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
                   |∴∵|                     |∴∵|
             三三三|____!三三三三三三三三三三三三三ニ!___|三三三
                      |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴/:: |∵|
                  |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵/∴::: |∵|
                   |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴ノ∵∴ : :::|∵|
                     |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵/∴∵∴ :::::|∵|
                |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵|∴∵∴∵∵:|∵|
                 |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵|∴∵∴∵∴ |∵|
                  |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴/∵∴∵∴∵ ::|∵|
                   |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴)∵∴∵∴∵∴ |∵|
                    |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵ ノ∴∵∴∵∴∵∴|∵|
                     |∵|∴∵∴∵∴∵∴ (∵∴∵∴∵∴∵∴|∵!
                |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵ \∴∵∴∵∴∵∴|∵!
                 |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴J∵∴∵∴∵∴::: |∵|
                  |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴/∵∴∵∴∵∴::::::|∵!
                   |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴|∵∴∵∴∵∴∵: |∵!
                    |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵∴|∵∴∵∴∵∴∵: :|∵!
               |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵/∴∵∴∵∴∵∴:::: |∵!
       ___    |∵|∴∵∴∵∴∵∴∵U∴∵∴∵∴∵∴∵ :|∵|    ___
      l     l    :|∵|∴∵∴∵∴∵∴/∵∴∵∴∵∴∵∴∵ |∵!   l     l
      l      l    :|∵|∴∵∴∵∴∵∴|∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴:|∵|   l      l
     l       l  ::|∵|∴∵∴∵∴∵ ノ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵:::|∵|  l       l
     :l       l  :|∵|∴∵∴∵∴/∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵::::|∵|  l       l
    :l         l  :|∵|∴∵∴∵/∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵::: |∵| l         l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

868 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:14:58 ID:fhWh2smE0

(;´_ゝ`)「こ、これが例の」

(;’▽’)「そうです」

(´・ω・`)「門、と言われればそのように見えますね」

(=゚д゚)「ふむ。鳥居のようにも見えるの」

又( ノフ「……タブン、ドチラモ正解ナンデショウネ」

( ´_ゝ`)「むぅ……? 何か聞こえるな」

又( ノフ「水音……カ?」

(´・ω・`)「僕の耳にもそう聞こえます」

(=゚д゚)「まだ耳は遠くなっておらんが、そのように聞こえるの」

( ’▽’)「やっぱりそうですよね」

( ´_ゝ`)「……この先っぽいな。グララアガア」

(´・ω・`)「ですね。象……もとい滝でもあるのか……?」

又( ノフ「耳ノ良イ兄者トますたーガ言ウナラ当タッテソウデス」

869 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:15:32 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「それはともかく、だ。この先に進む方法を調べる必要があるな」

(´・ω・`)「左右に何か、石碑のようなものがありますね」

( ’▽’)「本当ですね。前回は気付かなかったですけど……」

又( ノフ「何カ壁画ノヨウナモノガ刻マレテマスネ」

            ========
            ========
   ∧∧    。   ::l:::::::::l::
  (,,゜Д゜) 。゚  ゚。 ;;::l:::::::::l::
  (]づy/:|~()。.。゚  :::l:::::::::l::
  /:::|:::|:::|ノ      ::l:::::::::l::
  /:::::|:::|:::|       ::l:::::::::l::
  (ノ  `J       ::l:::::::::l::
   ̄ ̄ ̄*+&”Q@S


(´・ω・`)「……素直に解釈すれば、門に何か術をかけろと?」

( ´_ゝ`)「そう見えるが、さてどんな術なのか。下にある文字らしきものがそれを示してるのか?」

(=゚д゚)「この耳、大名の信徒じゃな。となると、それに因んだ術か?」

又( ノフ「ソレダケデハ何モワカラナイヨウナモノデスネ。……? アレ、コンナノドコカデ……」

(=゚д゚)「ふむ……解析してみても良いが、相応にリスクはあるの」

870 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:16:05 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「反対側の石碑は……拝んでるのか、これは?」


              ∴∵∴∵∴∵
  ∧_∧      ∴∵∴∵∴∵
  ,( -∀-)      ∴∵∴∵∴∵∴∵
γ      i     ∴∵∴∵∴∵∴∵
と_)∪∪    ∴∵∴∵∴∵
            ∴∵∴∵∴∵
     「5=〜¥>


(´・ω・`)「これは……黒き霧、ですかね?」

( ´_ゝ`)「そんな感じがするな」

又( ノフ「さっぱりダナ。ドウスル?」

( ´_ゝ`)「むぅ」

( ’▽’)「ええと……門外漢から良いですか?」

( ´_ゝ`)「ん? 無論だ」

( ’▽’)「素直に真似してみる、というのはどうでしょう?」

(´・ω・`)「むっ、それは」

871 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:16:39 ID:fhWh2smE0

(=゚д゚)「ふむ……ワシらでは出てこない発想じゃの」

( ´_ゝ`)「相応にリスクはある気がするが、な」

(´・ω・`)「やるなら僕がやりますよ。失敗しても懸念が一つ減るだけですし」

(=゚д゚)「お主、つい先程のやりとりをもう忘れたのか?」

(´・ω・`)「あ、いえ……採れる選択肢のうち、合理的な判断をしたつもりですが」

(=゚д゚)「合理的であるのは否定せんがの。英雄願望すらない自己犠牲は、到底人の道ではないぞ」

( ´_ゝ`)「それには同感だな。だが同時に、極めて合理的だとも感じている」

又( ノフ「オイ、兄者」

( ´_ゝ`)「一つ付け加えるなら、しょうもないモノマネで唯一効果が望めそうなのがマスターだ。
      ヒトとしての信徒ではなく、ケモミミおじさんが敢えて描かれていることを考えるとな」

(´・ω・`)「ケモミミおじさん」

( ´_ゝ`)「そこんとこどうなんだよ、弟者。その肉球じゃなかなか操作が厳しそうだが」

又( ノフ「舐メンナヨ、一本指打法デモソコラノ自称SEヨリハ早イ」

( ’▽’)「ジッサイ早いですねぇ。この5倍となるとアニメのハッカーも真っ青」

872 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:17:12 ID:fhWh2smE0

又( ノフ「……何トナク既視感ガアルト思ッタガ、タブン古代まや文明ノ文字ダナコレ」

(=゚д゚)「マヤ文明じゃと……? それは確か――」

(´・ω・`)「現在のメキシコあたりで栄えた古代文明ですね」

( ´_ゝ`)「マヤ文明か、なんともいかにもな感じ。誰かキバヤシ呼んで来い」

又( ノフ「俺ガきばやし分ニナル(キリッ」

(´・ω・`)「ゴレイヌ乙」

( ´_ゝ`)「御託はいい。何て書いてあるんだ?」

又( ノフ「"我々"ヲ意味スルふぇめれふノ言イ回シ。ソシテ"祈リ"」

( ’▽’)「マヤ語翻訳できるとか、どうなってるんですかそのパソコン?」

( ´_ゝ`)「弟者の完全オリジナルPCだからな。古今東西の言語の翻訳システムくらいは入っている」

又( ノフ「昨夜真言ハナイケドナ。……落チ着イタラつるサンニ辞書登録頼ムカ?」

(´・ω・`)「ドクオさんが持ってるのがオリジナルだと思ってましたけど、違ったんですね」

( ´_ゝ`)「あっちはクローン、正真正銘こっちがオリジナル」

又( ノフ「ヨクコンナでっどうぇいとヲ持ッテキテクレタ。オカゲデ解読デキタカラナ」

873 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:17:47 ID:fhWh2smE0

( ´_ゝ`)「こんなこともあろうかと、ってやつだな」

又( ノフ「マア、兄者デモコレクライハ時間カケリャ使エルダロウシナ」

( ´_ゝ`)「その時間が問題だ。……マスター、早速頼めるか?」

(´・ω・`)「ん、やってみましょう。ただ、くれぐれも気を付けてください」

( ´_ゝ`)「おう。登良さんもそれでいいな?」

(=゚д゚)「うむ、異論ない」

又( ノフ「二人トモ白虎ノ後ロニ。最悪壁ニナリマス」

( ´_ゝ`)「助かる」

(=゚д゚)「まっこと便利じゃな……」

(´・ω・`)「それじゃ、やりますよ?」

( ´_ゝ`)「頼む」

(´・ω・`)⊃「まずは――」



 ―――。

874 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:18:20 ID:fhWh2smE0

            ========
            ========
   ∧ ∧   。   ::l:::::::::l::
  (´・ω・`)。゚ :゚。   ::l:::::::::l::
  (]づy/:|~()。.。゚  :::l:::::::::l::
  /:::|:::|:::|ノ      ::l:::::::::l::
  /:::::|:::|:::|       ::l:::::::::l::
  (ノ  `J       ::l:::::::::l::
   ̄ ̄ ̄



(;=゚д゚)「むっ!?」

(;´_ゝ`)「こ、これは……っ!」

(;´・ω・`)「……どうやらビンゴかもしれませんね」

(;´_ゝ`)「これは若伝さんの時の……!」



    ∴∵∴∵∴∵
  ∴∵∴∵∴∵
   ∴∵∴∵∴∵∴∵
 ∴∵∴∵∴∵∴∵
∴∵∴∵∴∵
  ∴∵∴∵∴∵

875名無しさん:2025/04/15(火) 23:18:50 ID:YlJ/PEsE0
来てる! ミテルヨー

876 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:18:58 ID:fhWh2smE0

              ∴∵∴∵∴∵
  ∧_∧      ∴∵∴∵∴∵
  ,(´・ω・`)      ∴∵∴∵∴∵∴∵
γ      i     ∴∵∴∵∴∵∴∵
と_)∪∪    ∴∵∴∵∴∵
            ∴∵∴∵∴∵



              ∴∵∴∵∴∵
  ∧_∧      ∴∵∴∵∴∵
  ,(´-ω-`)      ∴∵∴∵∴∵∴∵
γ      i     ∴∵∴∵∴∵∴∵
と_)∪∪    ∴∵∴∵∴∵
            ∴∵∴∵∴∵



(;´_ゝ`)(祈り……マスターは何を祈る?)

又( ノフ(そこが最大の問題だ。場合によっては――)

(´-ω-`)「……」

(;´_ゝ`)「むっ!?」

(;=゚д゚)「おおっ!?」

877 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:19:31 ID:fhWh2smE0












   / ̄/ココ    / ̄/ココ    / ̄/ココ   ./ ̄/ココ    / ̄/ココ    / ̄/ココ   ./ ̄/ココ
   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;   /  ゙ー-;
  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙  /  /ー--'゙
  /_/     /_/     /_/     /_/     /_/     /_/     /_/












.

878 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:20:04 ID:fhWh2smE0

               三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
                   |∴∵|                     |∴∵|
             三三三|____!三三三三三三三三三三三三三ニ!___|三三三
                      |∵|∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴/        |∵|
                  |∵|∵∴∵∴∵∴∵∴∵/        /:|∵|
                   |∵|∵∴∵∴∵∴∵∴ノ        ノ:∵|∵|
                     |∵| ∵∴∵∴∵∴∵/       /∴::::|∵|
                |∵| ∵∴∵∴∵∴∵|        |∴∵:: |∵|
                 |∵|:∵∴∵∴∵∴∵|        |∴∵:::::|∵|
                  |∵| ∵∴∵∴∵∴/        /∵∴∴:|∵|
                   |∵|∴∴∵∴∵∴)        )∵∴∵: ::|∵|
                    |∵|∴∴∵∴∵ ノ         ノ∴∵∴∴::|∵|
                     |∵|∴∴∵∴ (        (∵∴∵∴∴:|∵!
                |∵|∴∴∵∴∵ \       \∴∵∴∴::|∵!
                 |∵|∴∴∵∴∵∴J  <●>   J∵∴∵∴|∵|
                  |∵|∴∴∵∴∵∴/        /∵∴∵∴ |∵!
                   |∵|∴∴∵∴∵∴|        |∵∴∵∵∴|∵!
                    |∵|∴∴∵∴∵∴|        |∵∴∵∵∴:|∵!
               |∵|∴∴∵∴∵/        /∴∵∴∵∴:|∵!
       ___    |∵|∴∴∵∴∵U       U∴∵∴∵∵∴::|∵|    ___
      l     l    :|∵|∴ ∴∵∴/       /∵∴∵∴∵∵::: |∵!   l     l
      l      l    :|∵|∴ ∴∵∴|        |∵∴∵∴∵∴∵::::|∵|   l      l
     l       l  ::|∵|∴ ∴∵ ノ       ノ∴∵∴∵∴∵∴∵|∵|  l       l
     :l       l  :|∵|∴ ∴/       /∵∴∵∴∵∴∵∴::::|∵|  l       l
    :l         l  :|∵|∴ /∴∵∴∵∴/∵∴∵∴∵∴∵∴∵:: |∵| l         l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

879 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:20:38 ID:fhWh2smE0

(((=゚д゚)))「っ……!?」

(´ ω `)「……」













  Case13「混沌の極点」
  Day3C「太古からの呼び声」

                          To be continued...

880 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:21:12 ID:fhWh2smE0
今回はここまで

881 ◆KDJGUfbY2o:2025/04/15(火) 23:21:46 ID:fhWh2smE0
>>875
リ゚▽゚ リ<l「キテルヨー」

882名無しさん:2025/04/15(火) 23:33:09 ID:YlJ/PEsE0
乙!

883名無しさん:2025/04/16(水) 23:24:13 ID:/KVTL68.0
うおー、ドキドキやでぇ!
弟者復帰良かった!

884名無しさん:2025/04/23(水) 08:54:37 ID:/XHOyfE60
壁画のAAかわよ
乙でした、ずっと待ってたしずっと待ってるよ

885名無しさん:2025/05/03(土) 15:33:22 ID:qckIZgvU0
乙!
更新きてて嬉しいよ!!
今気がついたけどね!

886名無しさん:2025/05/10(土) 08:35:44 ID:ftnsAdzo0
乙乙
万が一細かすぎて伝わらないモノマネ選手権に出るような事あったら>>842やって落ちようと思う。ここ何度も笑っちゃった。
式神のレトロゲーみたいな音声聞いてみたいし壁画も可愛い。

887名無しさん:2025/06/08(日) 12:27:42 ID:rFIL11Xw0
そろそろこないかなー

888 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/02(水) 00:27:46 ID:veQT1Nag0
>>882
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやでー」

>>883
(´<_` )「ターン終了時に墓地に帰りかねない状態ではあるけどな」

>>884
( ´_ゝ`)「やったぜ」

>>885
(=゚д゚)「よう気付いたもんじゃの」

>>886
( ’▽’)「ぶっちゃけ気味悪かったですけど……」

>>887
リ゚▽゚ リ<l「ちょっとだけ来たで」

889 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/02(水) 00:28:20 ID:veQT1Nag0
Case13-Tips12 地主の北都さん

(=゚ω゚)ノ「とりあえず無事そうでなによりでしたね」

( ´ー`)「問題はここからだがな。いくらあいつらでも無事に済むかどうか……」

('A`)「信じるしかないですね」

( ‘∀‘)「だな」

( ゚∋゚)「累次先輩の不在が不安材料ですね」

('A`)「それはまあ……」

( ´ー`)「真理男を見くびるんじゃねーよ。一人じゃ何もできないガキじゃねーんだ」

( ‘∀‘)「おう。まっちゃんならやれるぜ」

( ゚∋゚)「……ま、そうですね。なんやかや何とかするのが先輩らしい」

(=゚ω゚)ノ「凡田さんがしてやられる所も想像つきませんしね」

( ´ー`)「マスターがどうにもできないんじゃ、誰がやっても無理だろうな」

('A`)「無数の実戦で鍛えた筋肉ムキムキマッチョマンかつその肉体に全く見劣りしない魔力量の持ち主ですからねぇ……」

( ‘∀‘)ノシ「ありゃ勝てない」

890 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/02(水) 00:28:52 ID:veQT1Nag0

( ´ー`)「……まあ、勝てるとか勝てないって次元なら……俺らよりはできそうだな、嬢ちゃん」

( ‘∀‘)「嬢ちゃん。これでも四十路前なんだけど」

(=゚ω゚)ノ「えっ?」

( ゚∋゚)「見えないですよねぇ」

( ´ー`)「そいつは失礼したな、姉ちゃん」

( ‘∀‘)「そこまで若く見えるかなー」

('A`)「あんまり30代には見えないですね」

( ‘∀‘)「そうかー。普通にオバチャンなんだけどな」

( ゚∋゚)「オバチャンかどうかはともかく、普通とは程遠いですね」

( ‘∀‘)「そうか?」

( ´ー`)「そうだな」

('A`)「フル装備の警官より強いかもとか、ちょっと普通ではないですね……」

(=゚ω゚)ノ「ですよねぇ」

( ‘∀‘)「そう言われるとそうかも?」

891 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/02(水) 00:29:24 ID:veQT1Nag0


 チリッ...!


(((;'A`)))「っ!?」

(=゚ω゚)ノ「市民を守る公僕としては情けなく――あれ、どうしました?」

( ‘∀‘)r=≡=
     ジャキッ
( ´ー`)r=-
     ジャキッ

(;'A`)「だ、誰か来ました! 敵意あり!」

( ´ー`)「こりゃあ……おい伊藤、来た甲斐があったようだぞ?」

(;=゚ω゚)ノ「うわ、マジっすか」

( ‘∀‘)「ドッくん、緊急通報頼む。警部さん、一緒に来てくれる?」

(;'A`)「は、はい!」

( ´ー`)「おう。伊藤、お前は隙を見て狙撃。ガチムチの兄ちゃんはドクオの護衛」

(=゚ω゚)ゝ「了解!」

( ゚∋゚)/「オーケーです」

892 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/02(水) 00:29:56 ID:veQT1Nag0



   ( ゚д゚ )
 (⌒`::::  ⌒ヽ
 ..ヽ:::: ~~⌒γ⌒)
   ヽー―'^ー-'
    〉    │



( ´ー`)「ありゃあ……!」

( ‘∀‘)「あー……見た顔だな。まっちゃんから聞いてた顔でもある」

(;=゚ω゚)ノ「仮称・ミルナッ……!」

(;'A`)「気をつけてくださいッ! 周囲の藪の中にッ――」



( ‘∀‘)r=≡=
     ジャキッ
( ´ー`)r=-
     ジャキッ

893 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/02(水) 00:30:28 ID:veQT1Nag0
         |  /        |  / ,                                __
      ,\__ノし//     \__ノし// 、      ___   __    _   __ __    / /
    /  )/⌒ヽ(_  __)/⌒ヽ(_ ',      7 /ン )  / /    /,イ |   /,イ|./,イ.|    / /
     ̄ ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄   ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄ ̄   ./ /ン)  / /_.   //7| // | './ | |   .L/
    ´  /⌒|「⌒\    /⌒|「⌒\.      ̄ ̄    ̄ ̄ ̄   ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ∠フ            __
                    |  / ,                  ___   __    _   __ __    / /
                    \__ノし//´                     7 /ン )  / /    /,イ |   /,イ|./,イ.|    / /
             |  / ,, )/⌒ヽ(_                   / /ン)  / /_.   //7| // | './ | |   .L/
             \__ノし// ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄ ̄                 ̄ ̄    ̄ ̄ ̄   ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ∠フ
           )/⌒ヽ(_ /⌒|「⌒\
          ̄ ̄)ヽ__ノ( ̄ ̄ ̄
         ´  /⌒|「⌒\

           |  \\∧へ| レへ厶 /   /  |
           |   ∧  \       /  /  /
           ゝ_Zソ           厶Zイ
             「     _       _ ∧  厶
            Z//┃ヽ    | / /┃ヽ|∧ Z
           ≦ {| ┃ |   \|/   | ┃ | へ /
           ヘ  ヽ┃'   _} {_.ヽ.┃/Z  厶
           /∧   三三Zミ イ三三三7 / ∧
            / Z     // `Y´ V\厶イ   ∧´
        /∧   へ    | `Y´  |ヘ三三三∧ ∧
____ / / ∧    \.イ| `Y´  | |三三/  ヘ  へ
     /  /  ∧      へ   ノ /三/     ヘ   \___
          〈    \      {ニニニ}イ三/     /
        へ    \    三三三三 イ    /

894 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/02(水) 00:31:01 ID:veQT1Nag0

(;゚∋゚)「っ!?」

( ´ー`)r=-「ちっ、躱したか」

( ‘∀‘)r=≡=「ま、そこまで舐めちゃくれないよな」

(;=゚ω゚)r=-「……ッ!」

ゞ(;'A`)ゞ カタタタタタッ...

(;゚∋゚)/「……北都さんから漏れた、っすかね」

( ‘∀‘)r=≡=「もしくは……あいつらのどれかが北都さん、かもな」

( ´ー`)r=-「数的不利……撤退一択か。おい伊藤喜べ、二階級特進だ」

(;=゚ω゚)r=-「喜べるかッ! 市民の為に体張りますけどね!」

(;'A`)「通報完了ッ!」

( ‘∀‘)r=≡=「ナイス。そんじゃま、やるかあ」

( ´ー`)r=-「プランBだな。……来るぞ」



( ゚д゚ )9m スッ...

895 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/02(水) 00:31:33 ID:veQT1Nag0
本編は進捗70%くらい

896名無しさん:2025/07/05(土) 11:07:00 ID:9HtY9po.0
来たわ…!

897名無しさん:2025/07/06(日) 17:16:00 ID:v8OryH4U0
見落としてた!
かっちゃん一番落ち着いてない…?一般人とは…
本編も待ってる!

898名無しさん:2025/07/11(金) 00:14:02 ID:yT0HDzB20
乙乙
かっちゃん格好良い…活躍が楽しみ

899 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/13(日) 23:34:39 ID:G9c7FHwQ0
7/19本編投下予定

900名無しさん:2025/07/14(月) 20:40:19 ID:oY2iUtGM0
待っとるでぇ〜

901名無しさん:2025/07/14(月) 22:51:25 ID:xo7i.2A.0
やったああああ!

902 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:31:10 ID:zoOh/Qfk0
>>896
リ゚▽゚ リ<l「来たで」

>>897
( ´ー`)「そうは言うが、そもそも猟師なんざ貧弱一般人間にゃ務まらねーよ」

(=゚ω゚)ノ「いやそれはそうですけど、程度の問題ってあると思いますよ……」

>>898
( ‘∀‘)「無駄に活躍するよりみんなでササッと逃げたいけどなー」

>>900
リ゚▽゚ リ<l「待たせたでぇ〜」

>>901
( ´_ゝ`)「あ……ありがてえっ……!」

(´<_` )「正直似てないな、カイジの真似……」

903 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:33:58 ID:zoOh/Qfk0
前回のあらすじ
・まあ、ちょっと色々ありまして……兄者のお守りを介して現世に介入できるようになったみたいです
・本格的ニえどがー・なずノ気分ダナ
・祈り……マスターは何を祈る?


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

904 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:34:30 ID:zoOh/Qfk0
Case13-Day3D
               三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
                   |∴∵|                     |∴∵|
             三三三|____!三三三三三三三三三三三三三ニ!___|三三三
                      |∵|                        |∵|
                  |∵|                           |∵|
                   |∵|                         |∵|
                     |∵|                            |∵|
                |∵|                          |∵|
                 |∵|                        |∵|
                  |∵|                            |∵|
                   |∵|                          |∵|
                    |∵|                        |∵|
                     |∵|                           |∵!
                |∵|                        |∵!
                 |∵|                            |∵|
                  |∵|                         |∵!
                   |∵|                            |∵!
                    |∵|                         |∵!
               |∵|                             |∵!
       ___    |∵|                          |∵|    ___
      l     l    :|∵|                              |∵!   l     l
      l      l    :|∵|                             |∵|   l      l
     l       l  ::|∵|                           |∵|  l       l
     :l       l  :|∵|                          |∵|  l       l
    :l         l  :|∵|                              |∵| l         l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

905 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:35:38 ID:zoOh/Qfk0

(;=゚д゚)「おい、大事ないか?」

(´ ω `)「……」

(;´_ゝ`)「お、おい……マスター?」



(´ ω `)「……」



.

906 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:36:12 ID:zoOh/Qfk0



(´ ω `)「……」



(´・ω・`)b「……オーケー。アンガーマネジメントの3秒ルールが存外に有効でした」

(;´_ゝ`)「ほっ」

又( ノフ「ゴ無事ナヨウデ何ヨリデスガ、一体?」

( ´_ゝ`)「今のは流石に俺も感じたぞ。なるほど、違和感とは言い得て妙だな」

又( ノフ「ホウ?」

( ´_ゝ`)「……まるで迷子にでもなったような感覚だ。自分自身の存在や常識といった土台を、スッとテーブルクロス引きされたかのような」

(=゚д゚)「達者な表現が思い浮かぶものじゃの。言われてみれば、しっくりとくる」

(´・ω・`)「そしてテーブルクロス一枚の下には悍ましい真実が、と」

( ´_ゝ`)ノシ「違うな、間違っているぞ」

(´・ω・`)「……?」

( ´_ゝ`)「そんなものは断じて真実ではない。皮膚を取り去った人体に感じる嫌悪感、それは果たして真実か?」

907 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:36:44 ID:zoOh/Qfk0

又( ノフ「ソレハソウダ、生理的ニ嫌悪感ヲ覚エテシマウダケデ、何ラ悍マシイものデハナイ」

(=゚д゚)「なんとまあ、次から次へと言語化が達者なことじゃ。まさに真実とは程遠い、ワシも同感じゃよ」

( ´_ゝ`)「お褒めに預かり恐悦至極。これで枯れ尾花と化せば多少なり防御力上がるかも?」

(´・ω・`)「幽霊の正体見たり、ですか。いかにも探偵らしい」

又( ノフ「星野サンハ大丈夫デスカ?」

( ’▽’)「えー、皆さんが何を仰っているのか、これ全く」

( ´_ゝ`)「防御力が高すぎる」

(=゚д゚)「何よりじゃな。……しかし、ここから先は案内の役目もない。帰還を勧めるが如何か?」

( ’▽’)「えっ?」

( ´_ゝ`)「なに、その考えてもみなかったって反応」

( ’▽’)「いや、その……気になるじゃないですか? すっげー見てみたいんですけど?」

(´・ω・`)「オブラートに包んで言いますが……死にますよ?」

( ´_ゝ`)「オブラートどこ定期」

( ’▽’)「うーん……なんか今更というか。こんな機会絶対にないよなと思ったら、逃せないなって」

908 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:37:17 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「クレイジー。やっぱイカレてるよこの人」

(´・ω・`)「結構なことじゃないですか。僕はもちろん、あなたも大概ですし」

又( ノフ「正直マトモナノハ俺ダケデスネ」

(=゚д゚)「ここにいること自体が異常な半死人が何を言っとる。自覚せい」

( ´_ゝ`)「……まあなんだ、こんな異常事態に挑むにはこれ以上ないパーティか」

( ’▽’)「たぶんお役には立てませんけどね」

(´・ω・`)「運悪く全員バッドトリップしてる時、動ける人がいるだけでも保険にはなります」

又( ノフ「デスネ、俺モ兄者ガヤラレテタラ動ケルカ仕様上怪シイデスシ」

(;’▽’)「いやー、いざという時ちゃんと切り札使えるといいですけど」

( ´_ゝ`)「まあ本当に万が一だし、そうなった時点で基本は全滅ルートだからあんま気負わず」

(=゚д゚)「じゃな。ただ、守り切れると断言はできん。どちらかというとその時じゃな、切り時は」

(;’▽’)「が、頑張ります」

( ´_ゝ`)「あー、そこはマジで頑張って。死ぬから」

又( ノフ「帰レバ良イト思イマスケドネ、俺ハ……」

909 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:38:33 ID:zoOh/Qfk0

(=゚д゚)「……では、先に進もうかの」

(´・ω・`)「隊列、変えます?」

( ´_ゝ`)「ふむ……とりあえず弟者先頭かな」

又( ノフ「ソレガ良イダロウナ」

( ´_ゝ`)「次にマスター、真ん中に星野さん、その後ろに俺、殿が登良さん」

(=゚д゚)「妥当な隊列じゃ」

(´・ω・`)「異議なしです」

( ’▽’)「真ん中なら安心感あります」

又( ノフ「油断シナイデクダサイヨ? 物理的隔タリ=安全デハナイデスカラ」

(;’▽’)「えっ? はい」

(=゚д゚)「ま、これだけの面子じゃ。霊的にも十分隔たりがあるがの」

(´・ω・`)「足元や天井はその限りではないですが、ね」

( ´_ゝ`)「はいはい、あんま脅かさない。先に進むぞ」

又( ノフ「オウ」



 ―――。

910 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:39:08 ID:zoOh/Qfk0
【坑道?】
  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::':::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::゙\:::::::::::::::::::,_,゙i::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::.`i.、:::::::::::::l」..:イ::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::,.ゝ ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7:::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::: i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈 ::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::}   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;  !  〉::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::〉   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;-.L_/::::::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::::::  ;;;;;;;;;,,,,,,ニ .,.゙i::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::/,,;;;;..,, 二二    :.゙i:::::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::\l:::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::'=,::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::,=':::::::::::::::::::::::゙ィ_゙i::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::/_ゞ:::::::::::::::::::::::::::'-,_.::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::,-'::::::::::::::::::::::::::::::::::゛ゝ:::::::::::::
  ::::::::::::::::ゝ"::::::::::::::::::::::::::::::::::::゛''-,:::::::::::
 、 ヽ::::::::::_,,-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゛' ゙i::::::::

911 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:39:41 ID:zoOh/Qfk0

(´・ω・`)「水音、みたいですね。やっぱり」

( ´_ゝ`)「うむ、正体がわかれば不気味さも和らぐな」

( ’▽’)「扉越しだと結構気味悪かったですもんね」

又( ノフ「アンマリ決メツケナイ方ガ良イカト」

(=゚д゚)「じゃな。そうではなかった場合に動揺を生む」

( ´_ゝ`)「あー、それは言えてるな」

(´・ω・`)「ふむ。……何かで音だけ流して……幻覚系魔術の補強に使う、という線もありますか」

又( ノフ「何セ常識ガ違ウ相手デス、何事モ決メツケハ良クナイト思イマス」

( ´_ゝ`)「心の柔軟性が試されるな」

(´・ω・`)「それを言うなら思考の柔軟性では?」

(=゚д゚)「いや、思考で捉えようとしないことじゃ」

( ’▽’)「考えるな、感じるんだ、ってやつですかね」

( ´_ゝ`)「感じちゃうとそれはそれでまずいんだよなあ」

又( ノフ「ふーんッテ感ジガ一番ダト思イマス」

912 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:40:38 ID:zoOh/Qfk0

(=゚д゚)「埒外の相手には重要な捉え方じゃ。自らの常識と照らし合わせないことが肝要」

( ´_ゝ`)「そのへん自然にやってそうだよな、星野さんは」

( ’▽’)「そうですかね?」

(´・ω・`)「自分の常識の範疇外のことが起こっても、むしろ喜んでそうではありますね」

又( ノフ「マサニ。……心ノ柔軟性トハ言イ得テ妙ダナ」

( ´_ゝ`)「だろ? 常識という枠組みによって自己同一性を保たにゃならん俺らパンピーとは、靭性がダンチ」

(´・ω・`)「常識と自己同一性、ですか。……なるほど、確かにそうですね」

( ’▽’)「うーん??」

(=゚д゚)「精神性としてはむしろワシら修験者に近いの」

( ´_ゝ`)「やっぱそうだよな。絶対早死にするよあんた」

( ’▽’)「あー……よく言われます」

(´・ω・`)「ふっ、意外と長生きしそうな気がしますけどね」



 ―――。

913 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:41:11 ID:zoOh/Qfk0
                                          -- ,.. -‐…―
  rf                                    _
 {{_                                 >
/             、              。-=ニ彡。<     _,,..  -‐…
   ヽ           ',ヽ、iヽ、  ノ}  /       。o     ゚~´ _.. -‐====
  /        、    }.     ̄ ゝ ' l.   ,,..・;'"゛         _..  -‐…
 /       `マ  ヽ`ー '          。<彡'"゛      ,, <_ノ
  ,,       ー=彡〉.   _・-==  ・"゛         ,,ィ彡'/    ,,;;;,,   xイミx彡
   ;;・ -= ` _つ    _ _― -=彡'  ,         ,,..・;'"゛//`ー  '' 、 ;;,,   {i!ミ
      _ _)    三=       /       。<  /}、           >.    / {i! /
       -`>    _-              ・"゛  /  ';;;;;''  ,,    / .。イ  ノ
.        -='              ∧    /   /      /  ';;      ′ /
   /     ヽ,         ,,ノ  `ー           ;;,,    ;;;;;''' ,,;;    ′
       - -=      _ノ      ,  ,          '';;,,     '' ,, /
  ′            >        `  ヽ          >-、    /  /
. l       ⌒`  ノ-=                     /    // /
  ,     ' ,ー=彡 - ノ                   / /. /   / /
.. ’      ' `ヽ     )                ハ,、/ //.      /
  ヽ      <      )              {'      /      //
    \   、 >    `ヽ        rf´
          -=ニ、    '-                       ′
       ′     ノ __         '            //
     l      ´ -, '' '' ¨ )。oフ   <             ///
                    (    ノ            {i! l
       ,              ) _   )ノ}
..     ’            ・´´ ,     `ヽ     -、r ´
.      \          /  /       lr ´ヽレ´ ,
        ゜ o。          `lノー=彡厶=-_乂ノ-‐
                     '   ( ((⌒ `ー=ミ
           l                   _,ノ
           ',
                ヽ
                   。
               ゜  。
                    ゜  - '

914 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:41:45 ID:zoOh/Qfk0

(;´_ゝ`)「ぬおっ、地下水の濁流……」

(;’▽’)「うわ、凄いですね。流石にこんな激流は初めて見ましたよ」

(=゚д゚)「……石橋の残骸のようなものが岸辺にあるのう」

又( ノフ「コレハ、カナリ古イモノノヨウデス」

(´・ω・`)「水流で岸辺ごと削り取られた感じに見えますね」

(=゚д゚)「むぅ……?」

又( ノフ「何カ、オカシイナ……」

(=゚д゚)「お主も気付いたか」

( ´_ゝ`)「む、何がだ?」

又( ノフ「マズ、大雨デモナイノニコノ流量ハ普通トハ思エン」

( ’▽’)「ん……言われてみれば、そうですね。入洞後の雨なら、この深度に影響出るまでもう少しかかりそうですし」

(´・ω・`)「なるほど?」

( ´_ゝ`)「なるほどな。そして、普段からこの流れだとしたら……それはそれで新たな矛盾が出てくる、と」

(=゚д゚)「そうじゃ。この水流に晒され続けたなら、数十年もあれば岩は削られ、全く違う流れになっているじゃろうて」

915 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:42:20 ID:zoOh/Qfk0

(´・ω・`)「……ちなみに、橋はどれくらい前のものなんですかね?」

又( ノフ「流石ニ年代マデハワカリマセンガ、オ手軽ナ吊リ橋ナドデハナクワザワザ石橋ヲ築イテイル以上、
      数年デ使イ捨テトイウコトハナインジャナイデショウカ?」

( ’▽’)「近年だったら鉄骨とかの方が楽そうですし……そう考えると、作られたの自体も相当昔なのかも?」

( ´_ゝ`)「ってことは何だ、今は何らかの理由で増水している?」

(=゚д゚)「あるいは……この黒い石が埒外に頑丈か、じゃな」

(´・ω・`)「あー……そっちの方がありそうですか」

( ´_ゝ`)「試してみる気にはならないな。何が起こるかわかったもんじゃない」

又( ノフ「アア、ソレデイイ」

( ’▽’)「何らかの理由で水量が増えてるなら、そっちの方が怖いですね。
      最悪、洞内洪水に見舞われかねない。その可能性に思い至った時点で引き返しますよ、普段なら」

( ´_ゝ`)「行く気満々なの流石」

( ’▽’)「行けるとこまで行くモードになっちゃいましたからね、今日は」

(=゚д゚)「まあ、少なくともワシらは引き返すわけにはいかん」

又( ノフ「最悪流サレタラ救助頑張リマスケドネ……」

916 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:42:53 ID:zoOh/Qfk0

( ’▽’)「それはそれとして……これ、詰んでません? どうやって渡ります?」

( ´_ゝ`)「わかってて聞いてるんじゃないのか?」

( ’▽’)「いえ、魔法的な何かかなーとは思ってますけど」

( ´_ゝ`)「いや、普通に飛び越える感じだが?」

( ’▽’)「えっ?」

(´・ω・`)「あ、星野さんは僕が背負いますよ」

( ’▽’)「えっ?」

又( ノフ「ソロソロ、コノふぃじかるオ化ケ達ノ感覚ニ慣レマショウ」

( ´_ゝ`)「なあに、走幅跳選手なら普通に跳べるレベル」

(´・ω・`)「僕らチートみたいなもんですから、まあ一般的なアスリートレベルくらいはね」

(=゚д゚)「たまに大会で"使おう"とする阿呆がおるがの、"使える"者はドーピング扱いで弾かれるぞい」

( ´_ゝ`)「よくまあ全部弾けてるもんだ。いつも思うんだが、もっと他に優先すべきことがあるんじゃないのか特課」

(=゚д゚)「耳の痛い話じゃのう。内部にどうしても煩い連中が多いんじゃよ」

又( ノフ「デショウネ……」

917 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:43:26 ID:zoOh/Qfk0
_______________________________
                          ∩( ´_ゝ`)∩
〜 (=゚д゚)                     /   /
〜⊂.:.  .:.つ                    ノ ノ ノ
〜 (⌒/⌒)                   (_ノ、_ノ
〜   ̄ ̄                  彡           _
                             ――=≡\二ニ( ´>`)二ニフ
―=≡(  ・ω・)(▽’;)
 ―=≡(と と    )/
  ―=≡(</</
____                                ___
      〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
      〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
      〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

918 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:43:59 ID:zoOh/Qfk0
【坑道?】
  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::':::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::゙\:::::::::::::::::::,_,゙i::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::.`i.、:::::::::::::l」..:イ::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::,.ゝ ヾ;;;;;;;;;;;-ヘ   7:::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::: i/  ;;;;;;;;;;;;;;;;; 〉 〈 ::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::}   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;  !  〉::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::〉   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;-.L_/::::::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::::::  ;;;;;;;;;,,,,,,ニ .,.゙i::::::::::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::::::::::/,,;;;;..,, 二二    :.゙i:::::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::\l:::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::'=,::::::::::::::::::::::
  :::::::::::::::::::::::,=':::::::::::::::::::::::゙ィ_゙i::::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::::/_ゞ:::::::::::::::::::::::::::'-,_.::::::::::::::::
  ::::::::::::::::::,-'::::::::::::::::::::::::::::::::::゛ゝ:::::::::::::
  ::::::::::::::::ゝ"::::::::::::::::::::::::::::::::::::゛''-,:::::::::::
 、 ヽ::::::::::_,,-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゛' ゙i::::::::

919 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:44:31 ID:zoOh/Qfk0

(;’▽’)「うう、死ぬかと思いました」

( ´_ゝ`)「格ゲーばりの空中ダッシュとかなかなか経験できないゾ、よかったな」

( ’▽’)「そう言われると確かに」

又( ノフ「納得スンノカ……」

(´・ω・`)「やっぱり逆に長生きするんじゃないですかね」

( ´_ゝ`)「そうかも」

又( ノフ「探偵向イテマスヨ」

( ’▽’)「探偵。正直興味はありますねぇ」

( ´_ゝ`)「だろうな」

(´・ω・`)「……そういえば、星野さんってお仕事は何をされてるんです?」

( ’▽’)「タクシードライバーです」

( ´_ゝ`)「納得っちゃ納得」

又( ノフ「愉快ナ話ガ聞ケソウナたくしーデスネ」

( ’▽’)「有難いことに、結構好評ではありますねぇ」

920 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:45:04 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「それはそうと、気付いてるか?」

( ’▽’)「するっと流しますね」

(´・ω・`)「ええ。今度は風の唸りのような低音が」

又( ノフ「タシカニ」

( ’▽’)「……もしかしたら、坑口あるかもですね。人が通れるかはわかりませんけど」

(=゚д゚)「ふむ、道理じゃな。これだけの音を発する空気の流れがあるとなれば」

( ´_ゝ`)「どっかしら地上に通じてるだろうってことか」

( ’▽’)「です。もし通れそうなら正直助かりますが」

(´・ω・`)「それはそれで気がかりなこともありますね」

( ´_ゝ`)「あぁ……この空間があの門とかもなしに地上に繋がってるってのはゾっとしない」

(=゚д゚)「あの門の存在を考えると、人の通れるような状態にはなっておらんじゃろうがの」

(´・ω・`)「同じ考えです」

( ´_ゝ`)「封印の意味がないからな。となると、通気口的なもんがある感じか?」

( ’▽’)「普通の鉱山でも通気用の竪坑はありますからね」

921 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:45:36 ID:zoOh/Qfk0
【大空洞】
. | .!   ! |   !.|  V゙  l│  l |   | | ., .n./   l l゙   .l   .l ∨   .| i、.,. i.,i  ∨ '―¬‐、,, ー 、
 ! !   `゙   .!「  i n.i .U.、 .! !   .| |  .| .|  , .i, l l    .l iト│  .、ッr .!,/.!′ ‘.U゙.,.i   i1.. .,   `'"´゛
 lj    i  .| |    .|l゙.゛  | ュ! U | |  lj   !| │l  U    ` l .!   l !     .! |   l .| | l゙ ″ .| .|  .| .lU
.! |ゞ .! .|  lj二二二二二二∨二 U 二二二二 lj二二二二二 .lj二二.lj二二二 .lj 二 .U .∨二二 .レ゙ !.l二二
.| |二 l l二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 lj二二二
. lj二 .lj二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
二二r、二二二二二、、二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 ,,, .八 .,,二二二二
-、/  `-''-.二二二 ー''‐二二,i、, 二二二二二二二二二/ '´゙''-..-.. 二二二二二二二二 _/ '"⌒ ".!.ヽ、二二二二
 `.´  .―-..、           ゛ .゙     .∧.                            ∧ lll 〟  .| ,′
    Ο               三三三三三三             -─-
                 ∧     lヽ.
=======                        ヘ          ∧ ,、                         ∧
三三        ノ゙'ー      ーー-               / .ヽ                    ∧   ".´
     ._r'"゙'、         ____               "  `゙"  三三三三三三 ∧     ∧`
                 --'''"゛             三三三三三三∧三三三三
..r'"⌒              、          二二三三三三三三三三三三三三三三            ,i、、
              - 丶 ∧. ''   _,,..             三三三三三三三三三三三三三三三
      三三三三三三三三三三 ″.-'_.            ∧                   - ‐"''――¬

922 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:46:10 ID:zoOh/Qfk0

( ’▽’)「大ホール……! こんなところに!」

(;´_ゝ`)「うへ……こりゃ、すっげぇな……」

(´・ω・`)「四方八方奇妙な岸壁じゃなければ、さぞ感動的だったかもしれませんね」

(=゚д゚)「何も感じんこやつだからこその感想じゃろうな」

又( ノフ「イヤ、何モ感ジナイりもーとノ俺モ感動ドコロジャナイデスガ……」

( ´_ゝ`)「やっぱこのパーティに相応しいイカレっぷりよ、星野さん」

( ’▽’)「えぇー、そうですかねぇ……?」

(=゚д゚)「そうじゃ」

(´・ω・`)「それで……どうします? 空気の流れは右奥から左後方のようですが」

( ’▽’)「そのへんに通気用の竪坑があるんでしょうね」

( ´_ゝ`)「うーん……とりあえず存在わかってれば十分か。金網とか掛かっててもいざとなればぶち抜けるだろう、マスター」

(´・ω・`)「見てみないと何とも言えませんが」

(=゚д゚)「当人はこう言っておるが?」

( ´_ゝ`)b「大丈夫だ、問題ない」

923 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:46:49 ID:zoOh/Qfk0

又( ノフ「普段ノ兄者ナラ確認ニ行クダロウ。猶予ナサソウカ?」

( ´_ゝ`)「嫌な予感が止まらん。急がないと取り返しがつかなくなりそうな」

(´・ω・`)「笑い飛ばすのは難しいですね、他ならぬあなたの勘なら」

(=゚д゚)「……占術でもそちらの選択には凶兆が出ておる。先を急ぐべきじゃろうな」

( ´_ゝ`)9m「オーケー、全速前進だ」

又( ノフ「全速ハヤメロ」

( ’▽’)「じっくり見て回りたいですけど、流石にワガママは言えないですね」

( ´_ゝ`)「悪いがそうして貰えると助かる」

(´・ω・`)「では……正面の石畳を進みましょうか」

(=゚д゚)「うむ」



 ―――。

924 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:47:21 ID:zoOh/Qfk0
【下り階段】





                                /≡≡≡:.:',
                                 /≡≡≡≡:.:',
                            /=====:.:',
                            /======:.:',
                           /i───────il:.:',
                             /f───────┴i:.:',
                          ./ト────────┴i:.',
                        /. |  .  . ... .....:..:.:.:.::.::.:::.:::|;::::',
                       ./[ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄]:',
                        ./ | . . : : : : : :.:.:.:.::.::::::::::::::;|;;:::',
                      /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|',
                     ./ | . . ..: .::.: :::::::::: ::::::::::::::::::::::::;;;;;;|i;;;',
                     /.i‐┴―――――――――――─┴‐:',
                    ./ |  . . ..: .:: .::: ::::: ::::::::::::::::;::;;::;;;;;;:;;;;;;;;;:|i:',
                   /_」 : : : : : :.:.::.:::::::::: : : : : : :.:.:.:.::.::::::::::||:.:',
                  /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|:',
                 / |                             |::.',.

925 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:47:53 ID:zoOh/Qfk0

(;´_ゝ`)「おい、こりゃあ……」

(´・ω・`)「下り階段ですか」

(=゚д゚)「どうした? 随分と驚いておるが」

又( ノフ「階段……マサカ?」

( ´_ゝ`)「……いや、単なるデジャブだ。あの時の階段は普通のコンクリートだったしな」

又( ノフ「単ナル、トハ言イ難イナ。一応訊イテミルワ」

( ´_ゝ`)「無駄だとは思うが頼む」

又( ノフ「……イヤ聞クマデモナカッタ。ナンカあわあわシテルシ絶対何モ知ランゾこれ」

( ´_ゝ`)「そんなこったろうと思った」

(=゚д゚)「ふむ?」

( ´_ゝ`)「以前受けさせられた試練とやらで、ひたすら階段下ってくのがあったんだよ」

又( ノフ「正直、無関係トハ思エン」

( ´_ゝ`)「ああ」

(´・ω・`)「何か気にかけておいた方がよさそうなことはありますか?」

926 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:48:27 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「……裏切者」

(=゚д゚)「何じゃと?」

( ´_ゝ`)「試練のシチュエーションは、一行に裏切者が紛れ込んでいて、そいつは嘘つき……そういうもんだった」

(´・ω・`)「裏切者……」

( ´_ゝ`)チラッ(=゚д゚)チラッ(´・ω・`)チラッ( ’▽’)チラッ

又( ノフ「何デ皆シテコッチヲ見ルンデスカネ?」

( ´_ゝ`)「いやー、そもそもここにいること自体意味不明ではあるからな」

又( ノフ「ム、ソレヲ言ワレルト」

(´・ω・`)「ただまあ、無根拠に疑うほど怪しんではいませんが」

(=゚д゚)「そうじゃの」

( ´_ゝ`)「そんな感じ。仮に裏切者がいるとして、一番怪しいのは逆に怪しくないまであるがな」

又( ノフ「何トモ言エンナ。虎穴ニ入ッテミルシカナイ、カ」

(´・ω・`)「虎が虎穴に」

( ’▽’)「ははは、確かに。おまけに登良さんまでいます」

927 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:48:59 ID:zoOh/Qfk0

又( ノフ「コノ状況デ随分余裕デスネ」

(´・ω・`)「残念ながら逆ですよ。軽口でも挟んでないと飲まれそうだ」

( ’▽’)「えっ?」

(=゚д゚)「まだ余裕はありそうに見えるがの。無為に心を重くしないことは重要じゃな」

( ´_ゝ`)「メンタルチートの星野さんは置いといて。気が滅入らないように意識すべきではある」

又( ノフ「ナルホド」

(´・ω・`)「僕は特に気を付けないといけませんからね」

( ´_ゝ`)「マジで頼むぞ」

又( ノフ「いざトナッタラ俺ガ3秒稼グ」

(=゚д゚)「ほっ。3秒あれば対処のしようもあるの」

( ´_ゝ`)「おいやめろ、俺は絶対に登良さんとバーボンハウスで飲むからな? 絶対だぞ?」

(´・ω・`)「はは。頼もしいですよ、本当に。イザとなれば何とかしてくれそうな面子だからこそ、気負わずにいられる」

又( ノフ「ソレハアリマスネ。3乙シテモ安心」

( ´_ゝ`)「いや弟者以外は残機ないからね?? ほんとにやめてね??」

928 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:49:37 ID:zoOh/Qfk0

(=゚д゚)「……さて、心の準備はできたかの?」

( ´_ゝ`)「うむ。どうにか」

(´・ω・`)「もとより、覚悟は決まってます」

( ’▽’)「ワクワクしますねぇ!」

又( ノフ「わくわくトハ、マタ……」

( ´_ゝ`)「結局この人が一番頼もしいわ」

(´・ω・`)「チームの精神的支柱ですね」

( ’▽’)「えぇ?」

(=゚д゚)「一番安定しとるからな。そこな物の怪よりも余程」

又( ノフ「さらっト物ノ怪扱イシナイデモラエマス??」

( ’▽’)「正直人間か物の怪かと言われると――」

( ´_ゝ`)「物の怪であるとも言える」

又( ノフ「ソウカ?」

( ´_ゝ`)「そうだ」

929 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:50:11 ID:zoOh/Qfk0
【下り階段】





                                /≡≡≡:.:',
                                 /≡≡≡≡:.:',
                            /=====:.:',
                            /======:.:',
                           /i───────il:.:',
                             /f───────┴i:.:',
                          ./ト────────┴i:.',
                        /. |  .  . ... .....:..:.:.:.::.::.:::.:::|;::::',
                       ./[ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄]:',
                        ./ | . . : : : : : :.:.:.:.::.::::::::::::::;|;;:::',
                      /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|',
                     ./ | . . ..: .::.: :::::::::: ::::::::::::::::::::::::;;;;;;|i;;;',
                     /.i‐┴―――――――――――─┴‐:',
                    ./ |  . . ..: .:: .::: ::::: ::::::::::::::::;::;;::;;;;;;:;;;;;;;;;:|i:',
                   /_」 : : : : : :.:.::.:::::::::: : : : : : :.:.:.:.::.::::::::::||:.:',
                  /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|:',
                 / |                             |::.',.

930 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:50:55 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「結構下ってきたが……どこまで続いてるんだこれは?」

(´・ω・`)「どれだけ長くても地下1000m以内でしょうね」

又( ノフ「アア……地熱ノ関係デスカネ。確カ100mゴトニ3度? イヤ5度ダッタカ?」

(´・ω・`)「細かい数字は忘れましたけどね。以前調べた際に、居住可能な限界はその辺だろうと」

( ’▽’)「何かの動画で見ましたね。世界で一番深い穴は12kmで、底は天ぷら揚がるくらいの温度なんでしたっけ」

( ´_ゝ`)「人類の最高到達点でも市丸の自称やゴンさんの髪より短いのか……思った以上に未知なんだな、地底」

又( ノフ「アレ? 13kmッテマサカソコカラ……?」

(=゚д゚)「平地の距離と考えるとたった1kmじゃが、高さと考えると1kmは結構なものじゃ」

( ´_ゝ`)「それでも山よりは低いが。建築も800mそこそこまでしか到達してないからな」

( ’▽’)「そう考えると途方もないですね、世界一のビルより深い可能性があるなんて」

又( ノフ「朱雀デ先ヲ見テクルカ?」

( ´_ゝ`)「お前それ本気で言ってる? 絶対捕まって偽物が帰ってくるパターンじゃん」

又( ノフ「イヤ、アクマデ兄者経由デ接続シテルダケダカラ、ソノ心配ハナイト思ウガ……」

(=゚д゚)「過信は禁物じゃぞ。思いつく程度のことは起こり得る、それくらいの気構えをしておくべきじゃ」

931 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:51:30 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「常識的に考えれば、温度より先に酸素が問題になりそうだ」

( ’▽’)「ですね。今のところ酸素濃度計は問題なさそうですが、どこまで大丈夫なことやら」

(´・ω・`)「大名の信徒は低酸素に強いですが、限度はある。人が死ぬような酸素濃度では万全は保てないでしょう」

又( ノフ「ダトスルト、斜度カラ考エテ……ソレホド途方モナイ長サデハナサソウデスネ」

(=゚д゚)「どうかの。何かしらの呪具を用いて環境を整えている可能性もある」

( ´_ゝ`)「ま、決めつけはしない方がよさそうだ。気を抜きすぎない程度に雑談でもしながら進むしかないな」

( ’▽’)「あれ……?」

( ´_ゝ`)「ん、どうした?」

( ’▽’)「いや……話していて何か引っかかったんですが。んー?」

(´・ω・`)「その様子だと、何が引っかかったのかわからない感じですか」

( ’▽’)「はい。うーん?」

又( ノフ「重要ナコトカモシレマセン。何トカ捻リ出セマセンカ?」

( ’▽’)「そう言われても……わかったらお伝えします」

(=゚д゚)「気になるのう」

932 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:52:42 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「追及したって出てきやすくはならんだろ。とりあえず置いとこう」

又( ノフ「ウム」

(´・ω・`)「じゃあ何の話しますか? 恋バナでもします?」

又( ノフ「ウッ」

(=゚д゚)「コイバナ? 何じゃそれは?」

( ´_ゝ`)「そんなことよりメシの話でもしようぜ」

(´・ω・`)「あー……すみません、配慮が足りませんでした」

( ’▽’)「ん? 何かあったんですか?」

( ´_ゝ`)「こいつ実際は寝たきり状態だからな。恋人がどれだけ荒れてたかわかるか?」

又( ノフ「ウッ」

( ’▽’)「あー……」

(=゚д゚)「恋人……ふむ。恋の話、略して恋バナとな」

( ´_ゝ`)「メシの話しようと言っといてなんだが、登良さんは恋とかは?」

(=゚д゚)「む、ワシか? この道に入る前じゃから……相当昔の話になるぞ?」

933 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:53:21 ID:zoOh/Qfk0

( ’▽’)「修験者さんの恋ですか、ちょっと興味ありますね」

(´・ω・`)「右に同じく」

( ´_ゝ`)(あれ……? もしかしてだが、これって死別してたりしないか……?)

(=゚д゚)「まあ、別に構わんが……あまり愉快な話ではないぞ?」

( ´_ゝ`)「あっ。じゃあストップで」

(´・ω・`)「あっ……」

( ´_ゝ`)「せっかく止めたのにアイデアロール成功してんじゃねーよ」

( ’▽’)「んん??」

又( ノフ「ドウイウコトダ?」

( ´_ゝ`)「やっぱメシの話しようってこと」

(´・ω・`)「……そうですね。あまり不躾に踏み入るようなことではなさそうです」

(=゚д゚)「……なるほど。(小声)お主も――」

( ´_ゝ`)「さあメシの話をしよう! ここから帰ったらやっぱラーメン食いたいなー」



 ―――。

934 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:53:53 ID:zoOh/Qfk0
【下り階段】





                                /≡≡≡:.:',
                                 /≡≡≡≡:.:',
                            /=====:.:',
                            /======:.:',
                           /i───────il:.:',
                             /f───────┴i:.:',
                          ./ト────────┴i:.',
                        /. |  .  . ... .....:..:.:.:.::.::.:::.:::|;::::',
                       ./[ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄]:',
                        ./ | . . : : : : : :.:.:.:.::.::::::::::::::;|;;:::',
                      /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|',
                     ./ | . . ..: .::.: :::::::::: ::::::::::::::::::::::::;;;;;;|i;;;',
                     /.i‐┴―――――――――――─┴‐:',
                    ./ |  . . ..: .:: .::: ::::: ::::::::::::::::;::;;::;;;;;;:;;;;;;;;;:|i:',
                   /_」 : : : : : :.:.::.:::::::::: : : : : : :.:.:.:.::.::::::::::||:.:',
                  /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|:',
                 / |                             |::.',.

935 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:54:28 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「ちょっとしんどくなってきたな……」

(´・ω・`)「そうですね」

( ’▽’)「確かに……って、お二人の体力なら全然余裕なんじゃ?」

( ´_ゝ`)「慣れの問題よ。登山でもしてないとこんなに下り続けないから」

(´・ω・`)「はい。おまけにこの岸壁ですからね」

又( ノフ「兄者ハ登山シテタトハイエ、ぶらんくガナ」

( ´_ゝ`)「うむ。登良さんや星野さんと比べるとな」

( ’▽’)「なるほど。まあそれでも常人の俺よりは余裕なんでしょうけど」

(=゚д゚)「ここらで少し休憩しておくか?」

( ´_ゝ`)「そうするか。イザと言う時動けませんじゃシャレにならんからな」

(´・ω・`)「はい、必要な安全マージンだと思います」

( ’▽’)「実はちょっとおしっこ我慢してました」

( ´_ゝ`)「なら猶更だな」

(=゚д゚)「では、そこな踊り場で小休止といこうか」



 ―――。

936 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:55:01 ID:zoOh/Qfk0
【踊り場】
____\
_(=゚д゚)__\
_⊂.:.  .:.つ___\
_ヽ ヽ ヽ____\
__∪ ∪___\ (´・ω・`)
             /     ヽ
 ( ´_ゝ`)  (’▽’ )/ |    | ヽ
⊂.:.  .:.つ ⊂.:.  .:.つ / /|  |
 (⌒/⌒)   (⌒/⌒) ( ) ( )
___________
__∧ ∧______/
ヽ(, )又)_____/
__ハ ノ__ヽ   /
________/

937 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:55:34 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「う〜〜トイレトイレ」

(´・ω・`)「今トイレを探して全力疾走しているボクはタクシーを運転するごく一般的な男の子。
      強いて違うところをあげるとすれば廃墟が好きってとこかナ……名前は星野ガービー。
      そんなわけで探偵さんの鞄にある携帯トイレを借りて来たのだ」

( ’▽’)「あの」

又( ノフ「ドコカラ突ッ込メバ良イヤラ」

(´・ω・`)「おっ、いいのかい? 俺はノンケでもホイホイ突っ込んじまうタチなんだぜ?」

(;’▽’)「うほっ、イイオトコ」

( ´_ゝ`)「安心しろ、こんなこと言っといておっぱいがでかい女でしか勃たないからな、こいつ」

(´・ω・`)「あんたも似たようなもんでしょう」

( ´_ゝ`)「舐めんなよ、別に貧乳だって抜けるぞ」

(´・ω・`)「へぇ。抱けるぞ、じゃないんですね」

(;´_ゝ`)「……ど、どど、童貞ちゃうわ!」

(´・ω・`)「ダウト」

又( ノフ「一体何ノ争イヲシテルンダ……」

938 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:56:58 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「えっ……あれ。ひょっとしてこの場で童貞って俺だけなのでは……?」

( ’▽’)「いえ、ここ10年はご無沙汰なんで……所謂セカンド童貞ってやつですね」

(´・ω・`)「僕も似たようなもんです」

(=゚д゚)「ワシもじゃ。ちと年期は違うがの」

( ´_ゝ`)「……なるほど。よかったな弟者、この面子の中ではモテの者のようだぞ」

又( ノフ「もてノ者ッテ何ダヨ馬鹿馬鹿シイ」

( ’▽’)「実は結婚願望はあるんですけどねぇ。なかなか良い相手が」

(´・ω・`)「僕は結婚願望はないですけど。もし――いえ、何でも」

(=゚д゚)「色欲に関しては最早枯れたのう。残滓を懐かしむことがあるくらいじゃ」

( ´_ゝ`)「マスター達はともかく、星野さん結構モテそうだけどな。廃墟探訪仲間とかでそういうのないの?」

( ’▽’)「女性がそもそも少ないし、恋愛興味ない勢を除くと大体相手がいますねぇ」

又( ノフ「デショウネ」

( ´_ゝ`)「ホビーの集まりあるあるだな……」

(´・ω・`)「あの。地流さんを紹介して差し上げては?」

939 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:57:31 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「えっ」( ’▽’)「えっ?」

又( ノフ「……ナルホド? ありデスネ」

(´・ω・`)「でしょう? 好奇心のために死ねる二人です、きっと気が合うはず」

( ´_ゝ`)「……言われてみればそうかも?」

( ’▽’)「いや死ねないですよ? 死んでたら今ここにいないですからね?」

(´・ω・`)「何やかや生き残るバランス感覚も一致。
      お互い刺激を求めがちですが、別分野でエキセントリック少年ボウイしてますしキラキラして見えるのでは?」

( ´_ゝ`)「少なくとも、地流さん基準でのおもしれー男に含まれるのは間違いない。……うむ、アリだな」

( ’▽’)「なんか勝手に話が進んでますけど、どういう人なんです?」

( ´_ゝ`)「群馬県警所属の魔術師で、親友とその彼氏をあわよくば丼にして食べようと目論むイカレたバイ。
      好き好んで危機的状況に飛び込んでは下着を濡らしてるやべーやつ」

( ’▽’)「えぇー……」

又( ノフ「説明ニ悪意ガアリスギル。何一ツ間違ッテハナイノガ困ルガ」

(´・ω・`)「セールスポイントをアピールしましょうよ。……ひょっとして照れくさいですか?」

( ´_ゝ`)「確信持ってるくせに"ひょっとして"とか言うのやめろ。禁止カード」

940 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:58:19 ID:zoOh/Qfk0

( ´_ゝ`)「美形、頭がいい、正義感と責任感が強い、本人談では超絶テク、何故か分別がある、不思議と人の気持ちがわかる」

( ’▽’)「超絶テク」

又( ノフ「ソコニ引ッカカルノカ……」

( ´_ゝ`)「男女問わず100人以上は食ってるだろうからな。実際テクは凄そう」

( ’▽’)「それでいて正義感と責任感が強いって、凄く興味深い人物ですね……!」

又( ノフ「まじデ好奇心ノ塊ダナ、ドッチモ……」

(´・ω・`)「帰ったら是非セッティングを」

( ´_ゝ`)「うーん……それもまた良しか。結果どうなるかは当人達次第だしな」

( ’▽’)「いやー楽しみです! これはなんとしても生きて帰らないとですね!」

(´・ω・`)「そんな面白そうなイベント見逃せません。初デートは是非うちの店で」

( ´_ゝ`)「はは、そりゃいいな。マスターが生きて帰る理由が増えるなら一石二鳥だし」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「……え、は?」

941 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:58:54 ID:zoOh/Qfk0
【踊り場】
____\
_____\
______\
_______\
________\

 ( ´_ゝ`)
⊂.:.  .:.つ
 (⌒/⌒)
___________
__________/
_________/
________/
________/

942 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/19(土) 23:59:27 ID:zoOh/Qfk0

(;´_ゝ`)「なっ……!?」

(;´_ゝ`)「……」

(;´_ゝ`)「ど、どうなってやがる……おい弟者、聞こえるか!?」

(;´_ゝ`)「……」



(;´_ゝ`)スゥー...



(#´_ゝ`)<おおぉーい!!!!! 誰か返事しろぉぉぉぉーッ!!!!!



 シーン...



(;´_ゝ`)「い、一体何が……」

(;´_ゝ`)「落ち着け、素数を数えて落ち着くんだ……イー、アル、サンスー……」

(;´_ゝ`)「……」

943 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/20(日) 00:00:00 ID:l4o4W3oE0

(;´_ゝ`)「……おーい!!」















  Case13「混沌の極点」
  Day3D「かいだん」

                          To be continued...

944 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/20(日) 00:00:54 ID:l4o4W3oE0
Case13-Tips13 2ch名物

(´<_- )「むっ……?」

|::━◎┥「アラート:接続が切断されました」

*(‘‘)*「あれ?」

(´<_` )「突然戻されましたが……何かトラブルですか?」

*(‘‘)*「とりあえず再接続!」

|::━◎┥「アラート:リダイレクトを検知。ジャンプしますか?」

*(;‘‘)*「むむっ!?」

(´<_` )「……何かあったみたいですね」

*(;‘‘)*「ええい、ジャンプ!」

|::━◎┥「情報:メッセージが応答されました」

*(‘‘)*「……再生して」

|::━◎┥「メッセージを再生します」

945 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/20(日) 00:01:26 ID:l4o4W3oE0

ERROR: アクセス規制中です!!

やあ (´・ω∵∴∵∴)∵∴∵∴∵∴
ようこそ、バーボンハウスへ。∵∴∵∴
このテキ∵∴はサービスだから、まず飲んで落∵∴∵∴欲しい。
∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴
うん、「また」なんだ。∵∴ない。∵∴∵∴
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。∵∴
∵∴∵∴∵∴
∵∴、このスレタイを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない∵∴
「ときめき」みたいなも∵∴感∵∴∵∴たと思う。∵∴∵∴
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲し∵∴
そう思って、この∵∴を立てたんだ。∵∴∵∴

じゃあ、注文を聞こうか。

946 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/20(日) 00:01:58 ID:l4o4W3oE0



バン ∩(#‘‘)* バンバン!
 _/_ミつ_ミつ___



*(#‘‘)*「……クソがッ! 完っっ全にナメられてるじゃん!」

(´<_`;)(うわぁ……兄者達大丈夫かこれ?)

*(‘‘)*「踏み台ボット全部使って。仕掛けるよ」

|::━◎┥「警告:リスク大。実行しますか?」

*(#‘‘)9m「やれッッ!!!!」

|::━◎┥「プログラム名:城之内ファイヤーを実行します」

*(#‘‘)*「絶ッッッ対に後悔させてやるんだからッ!!」

(´<_`;)(ふ、不安だ……)

947 ◆KDJGUfbY2o:2025/07/20(日) 00:02:35 ID:l4o4W3oE0
今回はここまで

948名無しさん:2025/07/21(月) 09:49:01 ID:BwfPvEso0
乙!令和の世にこんなヌクモリティを感じるスレは中々ない

949名無しさん:2025/07/21(月) 17:45:42 ID:fGT.XEDM0
おつ!
こんな童貞に優しい世界ないよ…とほんわかしてたら落差えぐい

950名無しさん:2025/07/28(月) 22:55:27 ID:0kZjy4Mw0

兄者は童貞ナカーマなのか…
逃さん

951名無しさん:2025/08/08(金) 23:20:56 ID:fZ4poyqs0
乙…

952名無しさん:2025/08/11(月) 10:05:14 ID:sjmujOKs0

結局童貞なの兄者だけやんとわろてたらどん底に…
大声出すのは危険かもなのに出しちゃうあたり兄者の動揺が窺える…


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板