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310名無しさん:2021/04/30(金) 21:45:43 ID:L4uSg5iE0

从 ゚∀从 ....。


(# ^ω^)

( ^ω^)播院。起こしてごめんお

从 ゚∀从 いや。大分前に起きてたから平気


('A`) すまん...見苦しかったよな

从 ゚∀从 全然?



('A`) ...そうか

311名無しさん:2021/04/30(金) 21:46:25 ID:L4uSg5iE0

从 ゚∀从 何の話してたんだ?

('A`) 播院は、知らなくていいよ


从 ゚∀从 えぇ〜聞かせてよ


(#'A`) うるさいな、知らなくていいって言っただろ!?


从 ゚∀从

(;'A`) ハッ

(;'A`) ...ごめん


从 ゚∀从 (あ〜あ...)

从 ゚∀从(俺が喋ると、いつもこうなるんだ...)


从 ゚∀从 ...ごめん

312名無しさん:2021/04/30(金) 21:47:01 ID:L4uSg5iE0

( ^ω^)

( ^ω^)...播院は、ムカついたりしないのかお?

从 ゚∀从 何に?

( ^ω^)僕らは、社会の底辺にいるんだお

( ^ω^)生まれる場所なんて選べないのに、たまたま運が良かった奴らに見下されて、這い上がる機会もくれないんだお...?

( ^ω^)悔しく、ないのかお?

从 ゚∀从 ...悔しい?

从 ゚∀从 ごめん。全然分からないんだ


从 ゚∀从 だから嫌われるのかなって...思うけど

(; ^ω^)...っ

313名無しさん:2021/04/30(金) 21:47:26 ID:L4uSg5iE0

从 ゚∀从 でも、他人が何言おうと、俺たちはここにいるんじゃないの?

从 ゚∀从 そりゃ、殴られたりしたら俺も痛い。でもそんなことしてないし、飯だって食わせてくれてるじゃん

(; ^ω^)それは、そうだけど....

从 ゚∀从 俺は、悪口言ってくる奴等より、第2区の連中みたいに殴ってくる方が嫌いだ

从 ゚∀从 どっちかっていうとね

从 ゚∀从 ...どうして、文はあいつらとつるむんだ?

(; ^ω^)...。

('A`) 文。播院にはまだ分からないよ

(; ^ω^)不思議と播院の言ってることの方が正しい気も、してくるお...

从 ゚∀从 そうなのか?

314名無しさん:2021/04/30(金) 21:48:09 ID:L4uSg5iE0


从 ゚∀从 俺...やっぱ何も分かってない

从 ゚∀从 いつか、分かるだろうとか思ってたけど

从 -∀从 一生、このままなんだろうなぁ...


( ^ω^)そんな、ネガティブなこと言うなお

从 ゚∀从 いや、俺は思ったこと言っただけで。全然悲しくないよ

('A`) ...俺は、播院に助けられてる

从 ゚∀从 そうなの?

('A`) ...うん。多分

(;'A`) 変な喩えだけど...窓を開かれる感覚っていうか...お陰で、自分を見失わずに済むんだ

从 ゚∀从 んん?

( ^ω^)あ〜....分からないようでめっちゃ分かるお

从 ゚∀从

315名無しさん:2021/04/30(金) 21:48:36 ID:L4uSg5iE0



私は、女の身体の中に居る宇宙人みたいなものだった。
「殻」に無自覚だから「振る舞い」すらままならなかった。
だから、文や独生が私を見る目に気付けなかった。

私には、それを受容する領域も、如何なる恋愛感情も備わっていなかった。



そんなある日、第2区の連中から決別した捻余達が私達の元にやって来た。
インジェクターを3本持ってね。



( ‘∀‘)おー文、お久だな

( ^ω^)お...何でここに?

('A`) どうしたんだ?一体




( ‘∀‘)仲間に入れてくれねえか?

316名無しさん:2021/04/30(金) 21:49:36 ID:L4uSg5iE0


(;'A`) ....え?

( ´ー`) 馬鹿

(; ‘∀‘)馬鹿とは何だ!

( ´ー`) すまん。こいつは礼儀ってもんを知らないよな

( ´ー`) ...嫌気が差したんだよ。あいつら無茶苦茶やるからさ

('A`) ...まあ。そりゃそうだよな

( ´ー`) だが義理は通す。ブツはあるよ

('A`) ...いらない




( ‘∀‘)そう言うと思った。だけどこれはな、普通の薬物とは全然違うぜ

( ‘∀‘)俺も捻余も、これ一筋にすると決めた


( ´ー`) 知らないのか?インジェクターっていうんだが

('A`) 知ってるよ

从 ゚∀从 ...。

317名無しさん:2021/04/30(金) 21:50:23 ID:L4uSg5iE0

( ´ー`) やってみる価値はあるよ


('A`) 俺は、出来るだけまともに生きたいんだ


( ´ー`) 「ビジョン」を見たほうが、何倍もまともに生きれるよ

('A`) ...信じられないな

(; ´ー`) うーん。まあ、そう言うとは思ってたよ

( ‘∀‘)ま、要らないんだったら俺らが使うけど

( ´ー`) 馬鹿

(; ‘∀‘)んだとー!?



从 ゚∀从 俺、興味ある

(;'A`) 播院


从 ゚∀从 ちょっと聞いたことある。何もリスクがないんでしょ?

( ´ー`) ああ

318名無しさん:2021/04/30(金) 21:50:56 ID:L4uSg5iE0

( ´ー`) ...どうするよ

从 ゚∀从 ねえ、独生、文。これは良いこと?ダメなこと?


(;'A`)( ^ω^)


(;'A`) ...ダメだと思う

( ^ω^)僕は、播院が望むならいいと思うお


从 ゚∀从

从 ゚∀从 えぇ〜...どうすればいいんだよ



从 ゚∀从 なあ、捻余

从 ゚∀从 ...俺は、自分のことも、何にも分からないんだ

( ´ー`) ...だろうなと思ってたよ


从 ゚∀从 これ使えば、何か分かるかな?

319名無しさん:2021/04/30(金) 21:51:26 ID:L4uSg5iE0


( ´ー`) ...分かるよ。約束してもいい

从 ゚∀从 そうか。じゃあ使う

(;'A`) 待て。罠の可能性もあるんだぞ


(; ‘∀‘)いやいや。俺らのこと信じろよ。大体ブツを持ってくるのは最大限のリスペクトじゃないのか?

( ´ー`) 独生に限っては話が違うみたいだよ。俺らの失策だよ

('A`)



( ´ー`) ...ま、立場は俺らの方が下だ。断られる覚悟もできてる

从 ゚∀从 もし、俺らの仲間になれなかったら、どうするんだ?

( ´ー`) ...居場所ねーから、奏柵出るよ


从 ゚∀从 ...やっぱ俺がやる

320名無しさん:2021/04/30(金) 21:52:08 ID:L4uSg5iE0

(;'A`) 播院、

从 ゚∀从 安心しろって


( ´ー`) 交渉成立かな?

( ^ω^)...そうおね、独生

('A`)

('A`) ...分かったよ


( ´ー`) オッケー。これから、よろしくお願いするよ

( ‘∀‘)よろしくな!












その晩、私は初めていった。
私の世界は、凄惨を極めていた。

321名無しさん:2021/04/30(金) 21:53:18 ID:L4uSg5iE0




そこでは、私の一切の記憶が無くなった。
一面真っ白の、無限に続く世界で、見知らぬ誰かに殺され続けた。
逃げても逃げても、どこにも安全な場所はなかった。
殺される度、私の記憶は無くなって、誰かに騙され殺される。
仮に逃げ切れても、食べる物がないから、ついには餓死してしまう。

だけどそんな無限に続く「私の殺戮」の中で、私はどこかで親密さを覚えた。
今思えば、性的な親密さに近かったのだと思う。
私は、殺される私にも、私を殺す誰かにもなれた。ここは言葉では説明しきれない感覚。
私が生み出した、私の殺戮。そう思うと、戻ってきても何か腹の中に温かいものを感じた。初めて、ここに居るんだと思えた。


2人は最初心配してくれた。
私の世界を聞いて、捻余に詰め寄ったりもした。
だけど、時を経る毎にそれが心配に値する事柄ではないのだと理解していった。

文や独生も、行くようになった。
2人の「美」が何だったのか、もう知る由もないけれど。

322名無しさん:2021/04/30(金) 21:54:00 ID:L4uSg5iE0


それでも、私は人間にはなれなかった。
「美」は私の様態を微笑みながら眺め、そして私にそれを上映してくれた。
私は「美」の眼差しに嬉しくなって、「美」を愛でた。その愛に嬉しくなった「美」が、私の非人間性を優しく扱った。そういう無限に続くループが生まれた。
だけど私は、文や独生が何を考えてるのか、私が何を考えているのかも、理解することが出来なかった。
...いつしか私は、私の世界を統べる存在になった。
終わりなき殺戮を繰り返すうち、私は世界を意のままにコントロールする能力を手に入れた。
世界の人々は私を殺すことをやめて、私のことを「森のアンコウ」と呼んだ。


ある時、水を通じて一緒に行くことを捻余から教わった。

そして、私は最悪の思考に至った。
他人の美を、取り込んでしまおう、と。

当時の私には、何が罪か、分かりようがなかった。
それが原罪なのだ。罪は罪を呼ぶ。

323名無しさん:2021/04/30(金) 21:54:41 ID:L4uSg5iE0


从 ゚∀从 ね、文。俺の世界に来てくれるか?


(* ^ω^)お...いいのかお?

从 ゚∀从 ああ

(* ^ω^)何で、僕なんだお?独生はいいのかお

从 ゚∀从 文なら、やってくれると思ったんだ

(* ^ω^)...おー



( ^ω^)あ、でも独生には伝えたのかお?

从 ゚∀从 なんで伝える必要があるんだ?俺とお前だけの話だろう?

( ^ω^)独生が可哀想だからだお

从 ゚∀从 ...そう。そうか

从 ゚∀从 分かったよ

324名無しさん:2021/04/30(金) 21:55:12 ID:L4uSg5iE0





そうして、私は文を世界に引き入れた。
私は、彼の想いに全く気付かなかった。






.

325名無しさん:2021/04/30(金) 21:57:13 ID:L4uSg5iE0



私は、彼に殺された。
彼が、私を愛していたから。
私は彼の物になった。

だけどそれは長く続かなかった。
私を手に入れられないことを悟ると、文は私に全てをくれた。彼の想いには気付けなかったけれど、
全てをくれると、最初から分かっていた。全てをくれるまでが、私の世界のなり行きに含まれていた。
罪深かった。

私と文は、長く行きすぎていた。帰ってくる兆しがなかったから、独生は私の世界へ入ってきた。
彼も、私を好いていた。

326名無しさん:2021/04/30(金) 21:58:09 ID:L4uSg5iE0


文の全てを得た私は、極度の混乱に陥った。私はもはや世界を制御することができなくなった。

私はその時、女になった。
播院は殺された。その死骸から生まれた女を、文は「ジャスミン」と名付けた。
何もかも求めていた物とは違う。けれど引き返すには遅いと知った。

再び、「私の殺戮」が始まった。

327名無しさん:2021/04/30(金) 21:59:01 ID:L4uSg5iE0


私は、自分が女であることを独生によって知った。そして独生によってそれを受け入れようとした。
そしてそれは歪な形で成功した。私は、独生をも壊してしまった。
さも偶然のように感じられた。実際初めは何も意図してなかった。
だけどそれも、分かっていたことだった。分かっていて、やったんだ。
その為の世界だったのだから。

罪悪感でいっぱいになって、女になった私、人間になった私なんて、くたばればいいと思った。
だから世界を壊そうとした。だけどそれは、叶わない夢となった。

...四威が現れたから。
彼女は、白翼の天使として私の世界に入ってきた。そうして、混乱しきった私を、この混沌とした現実へと引き上げた。

それすらも、分かっていたことだったんだ。




全ては私の非人間性から始まって、それに人間になった私が気付いた。
だから罪が、私を人間ではいさせてくれない。私は成り損ないのまま、ただ償いのために生きていくしかないんだ。

328名無しさん:2021/04/30(金) 22:00:04 ID:L4uSg5iE0

从 ∀从 ...私は、目覚めて自分の罪をありありと自覚した

从 ∀从 私は、自らの美を使って他人の美を、人間性を奪ってしまった

从 ∀从 大切な仲間を壊してしまった

(  ω )

从 ∀从 独生も、かつての独生じゃなくなった

('A`) ...


从 ∀从 文はもう自分が何者かも、何を考えてるのかも、分からなくなった

从 ∀从 私にできる償いは、文を死ぬまで養うことだけ

从 ∀从 ...これが、私の話

329名無しさん:2021/04/30(金) 22:00:34 ID:L4uSg5iE0


从 ∀从 ねえ、診競

从 ∀从 文を、助けてくれる?


ミセ ー )リ そん、な

ノパ⊿゚) みっちゃん...

ミセ; ー )リ できない、できないよ....!

ミセ; ー )リ 私はもう、ダメなの

从 ∀从 どうして

ミセ; ー )リ 私の「美」はもう、神聖なんかじゃない!誰も助けることなんてできない!

ミセ; ー )リ 本当に、ごめん...!何もできないの


从 ∀从 そう

从 ∀从 こちらこそ、無理言ってごめん

330名無しさん:2021/04/30(金) 22:01:04 ID:L4uSg5iE0

ミセ; ー )リ 失望、したよね


从 ゚∀从 ...大丈夫だよ。私は私の責任を果たさなきゃいけないって、今はっきりわかった

ミセ; ー )リ ...それは違う

从 ゚∀从

ミセ ー )リ きっと、違う道があるよ...今の私では、何も示すことが出来ないけど

ミセ ー )リ 美を失っても、それだけは忘れたくないの。でも忘れそうで、怖い

ミセ ー )リ だから、播院にはそう思ってほしくない

从 ゚∀从

331名無しさん:2021/04/30(金) 22:01:40 ID:L4uSg5iE0

从 ゚∀从 ...でも私にそんな資格、ないと思う

从 ゚∀从 ...私は自分の美を信じられないんだ。もう

ミセ ー )リ やめて

从 ゚∀从 私の美が皆を狂わせた

ミセ ー )リ 違う

从; ゚∀从 美なんて――


ミセ; Д )リ うるさいッ!




从; ゚∀从

332名無しさん:2021/04/30(金) 22:02:26 ID:L4uSg5iE0

(*゚ー゚) 姉さん

ミセ; ー )リ ...っ!


(;'A`) 播院。そのくらいにしてあげてくれ


ミセ; ー )リ 美はもっと高いところにある。私たちの考えで決めつけられるものじゃないの

ミセ; ー )リ 絶対に、違う...!そんな考え、私は信じない!


从 ∀从 ...私がしたことも

从 ∀从 美の前では、許されるってわけ...?

ミセ; ー )リ

从 ∀从 そうなの?




ミセ ー )リ そうだよ

333名無しさん:2021/04/30(金) 22:03:10 ID:L4uSg5iE0

从 ∀从 じゃあ、文は

ノパ⊿゚) 播院

ノパ⊿゚) ...多分、気付いてるんだと思うけど

ノパ⊿゚) 美はあなたそのものだ

ノパ⊿゚) それを、あなたが歪めたんだ。多分

334名無しさん:2021/04/30(金) 22:03:41 ID:L4uSg5iE0


从; ∀从

ノパ⊿゚) ...あたしも、播院の気持ち、少し分かるよ


从; ∀从 ぁ...

ノパ⊿゚) ...それでも、良いんだよ。美は、あなたを縛り付けるものじゃないから


从; ー从 私は...

335名無しさん:2021/04/30(金) 22:04:12 ID:L4uSg5iE0
从 ∀从 ...ああ

从 ゚∀从 本当に、本当に、全部私のせいか...




(*゚ー゚) 過ぎたことは、しょうがないよ。播院

('A`) ああ。いつまでも後悔したって、先に進めないだろ

('A`) それに、お前は変われたじゃないか

从 ゚∀从

('A`) 何回も言ったけど、俺は後悔してない

('A`) 多分、文もそうだ

('A`) お互い、変わった。だけど俺は今のお前が好きだ。正直な気持ちだ

从 ゚∀从 どく、お...

336名無しさん:2021/04/30(金) 22:05:26 ID:L4uSg5iE0




ミセ*゚ー゚)リ ごめん。また迷惑かけたよね

('A`) 全然気にしてないぞ。本気でお前が心配になってきたが...

ミセ*゚ー゚)リ ...っ

ミセ*゚ー゚)リ そう、だよね

ミセ*゚ー゚)リ 多分、近いうちに全部終わっちゃうの

ミセ*゚ー゚)リ 「美」も無くなって、自分も無くなる...

ノパ⊿゚) ...あたしが、何とかする

ミセ*゚ー゚)リ ひーと

('A`) ...任せたぞ

ミセ*゚ー゚)リ ごめん。迷惑かけっぱなしだね...

ノパ⊿゚) みっちゃんがあたし達にしてくれたことに比べたら、大したことないよ

337名無しさん:2021/04/30(金) 22:05:52 ID:L4uSg5iE0

从 ゚∀从 ...これからも、よろしくな

ノパ⊿゚) うん

从 ゚∀从 ... 文にも、優しくしてやってくれると助かる。たまに自我を少し取り戻すんだ

ノパ⊿゚) もちろんだよ



(*゚ー゚) 姉さん、長い間話してなくてごめんね

ミセ*゚ー゚)リ ...ううん。大丈夫よ

ミセ*゚ー゚)リ いつから、播院と知り合いだったの?

(*゚ー゚) 奏柵に来て...非記が先に捻余を紹介してくれたんだ

从 ゚∀从 それから私らと暮らすようになったってわけ

ミセ*゚ー゚)リ そうだったんだ...

338名無しさん:2021/04/30(金) 22:06:35 ID:L4uSg5iE0



('A`) あ


('A`) 亜丹

ノパ⊿゚) ...大分放置しちゃったな

(;'A`) 散々だな...謝らねえと!

339名無しさん:2021/04/30(金) 22:07:06 ID:L4uSg5iE0





( ‘∀‘)その小杜ってやつ知ってたぜ...個人的に友達だった


(; ´_ゝ`)マジで!?


( ‘∀‘)ああ。お兄さんが急にどっか行って探してるみたいなこと言っててな

( ‘∀‘)にしても、そっくりだな...そうか。自殺しちまったのか...


( ´_ゝ`)あいつは真面目な性格だったからな...

( ;_ゝ;)俺、弟がいないと何にもできないんだよ。後追い自殺しようと思うくらいにな


(; ‘∀‘)まじかよ、大変だな

340名無しさん:2021/04/30(金) 22:09:15 ID:L4uSg5iE0

( ´_ゝ`)あ

( ´_ゝ`)聞きたい?俺のショボすぎるエピソードの数々

(; ‘∀‘)いやいいわ

(; ´ー`) 身内に天然がまた増えるのかよ....


( ´_ゝ`)天然?


( ´ー`) この馬鹿と脾都。あと昔の播院

(; ‘∀‘)あ、俺は天然じゃねーぞ!言っとくけど!

( ´ー`) それぞれエピソード挙げたら数え切れないよ


(; ´_ゝ`)...脾都、そんなんじゃないだろ?

( ´ー`) いやアホじゃね?不用心過ぎるぞあいつ

( ‘∀‘)あいつはアホかも


(; ´_ゝ`)えぇ...

341名無しさん:2021/04/30(金) 22:09:48 ID:L4uSg5iE0
九,了

342名無しさん:2021/04/30(金) 22:17:56 ID:mJrKRj..0
乙。。。

343名無しさん:2021/05/04(火) 07:19:03 ID:VCTTh.qI0
乙!楽しみにしてる

344名無しさん:2021/05/04(火) 22:18:54 ID:s7z78/Z60

わからない部分を自分で想像してるけど中々追いつけない…!

345名無しさん:2021/05/25(火) 21:26:29 ID:7RGLWbPk0
更新が遅れていてごめんなさい
じわじわ進めて行くのでよろしくお願いします
私の言葉で説明するならば、美は神に近い概念です
また、感覚です なので厳密にはただ「美」としか言い表せないのですが...

346名無しさん:2021/05/30(日) 11:19:32 ID:KXf65te.0
待ってる

347名無しさん:2021/06/02(水) 16:48:16 ID:Qz/v009c0
私の使っていた端末が故障してしまい書きだめとプロットが回収不可能になってしまったので、もう少しかかります (´;ω;`) 申し訳ないです

348名無しさん:2021/06/02(水) 17:13:06 ID:9bfsm8FY0
マジかッッッ

349名無しさん:2021/06/29(火) 16:45:50 ID:/sZluw6Q0
作者氏は大丈夫か?続き待ってる
期待あげ

350名無しさん:2021/07/16(金) 14:34:49 ID:kON9Cn9Q0
生存報告
とりあえず新しい端末で試みてますが、データが回収できるまでしばらくかかります… 
それまで短編など書いてみようと思います

351名無しさん:2021/07/19(月) 20:56:15 ID:C6o8I1Hk0
生存報告ありがとう
ずっと待ってる

352名無しさん:2021/07/20(火) 13:28:36 ID:VIxxh/Gg0
ゆっくりでいいから待ってるぞ

353名無しさん:2021/07/23(金) 12:33:36 ID:3wtcBWBI0
待ってるぞ

354名無しさん:2021/10/17(日) 17:28:21 ID:qGGwqWoI0
長い間お待たせして申し訳ないです!近々最新話を投下したいと思います
ここからは第二部になります

355名無しさん:2021/10/17(日) 17:49:23 ID:ERjMelD.0
!!!

356名無しさん:2021/10/17(日) 22:49:49 ID:qGGwqWoI0
休日ですし今から投下します!

357名無しさん:2021/10/17(日) 22:53:02 ID:qGGwqWoI0





「脾都」


「いま世界がどうなってるか、知ってるかい」


「いいや、知らなくてもいい。ただ…想像したことはある?」


「…それは違うよ。世界は法則に過ぎない。空間に無限の広がりがあるとはいえ、みんな法則に従っている」


「それに、世界の全ては生活の中にある」

「だから…君は想像したことがあるかい?」






.

358名無しさん:2021/10/17(日) 22:53:32 ID:qGGwqWoI0


知らない男の声が聞こえる。


はじめたのは13の時から。
昼過ぎに一回、寝る前に一回
その日は寝付きが悪かった。そんなこと、今までに無かったのに。

診競の青白い手を握っていたが、
気付けば独り、見慣れない闇の中に居た。


光はなく、何も見えないが、大勢があたしを囲んでいる。
彼らは何も言わない。男の声も消えてしまった。

あたしの答えを待ってるの?




.

359名無しさん:2021/10/17(日) 22:54:03 ID:qGGwqWoI0



「…そもそも、あなたは誰?」

訊いても、答えることはない。それは期待されていなかった。
彼らに触れようと数歩歩き出す。
しかし幾度歩いても、彼らの元に辿り着くことはできなかった。奇妙にも気配だけが近く感じられた。

あたしが男の質問に答えるまで、何も起きないのだ。





…世界なんて、

360名無しさん:2021/10/17(日) 22:54:26 ID:qGGwqWoI0


世界なんて、あたしには心底どうでもいい。
診競の他に何も要らない。

あたしは腕組みをして、彼らがどう答えるか待つことにした。


——そのまま、数分が過ぎたように感じられる。



徐に男の声がこう続けた。


「…ああ、そういうことか。君には何も無い」

「君は生活すら持ってないんだったね」

「焦らなくていいよ。僕らはいつも君と一緒にいるし、ひらかれるべき窓もそこにある」



ノパ⊿゚)



「また来なよ」



ノパ⊿゚) あたしがここに来たの?

ノパ⊿゚) 自分の意思で?

361名無しさん:2021/10/17(日) 22:54:56 ID:qGGwqWoI0



目覚め、夢と気付く。
診競が居ない。

あたしは飛び起き、辺りを見渡す。
集会所には人もまばらで、もう朝遅い時間だ。

彼女の姿はない。


ノハ; ⊿ ) ッ….


あたしも、彼女が本当に何を考えているか分かっているわけじゃないのだ。
彼女は繊細で、触れれば消えてしまいそうな、そしてあたしという汚点を照らし出してしまうような光を持った存在だった。

それでも、あたし以外に彼女を救い出すことなんてできない。
見つけ出さねばならない!

362名無しさん:2021/10/17(日) 22:55:25 ID:qGGwqWoI0

ノハ ⊿ ) 亜丹

(; ´_ゝ`)脾都

ノハ ⊿ ) 診競は

(; ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)…そこにいる。危なかったぞ

ノハ ⊿ ) …どういうこと


( ´_ゝ`)俺が外に出てたら、道をふらふら歩いてる彼女を見つけて

( ´_ゝ`)車に轢かれそうだったんで慌てて連れ戻した。今は休ませてるけど、そのなんというか….

ノハ ⊿ )

ノパ⊿゚) …よかった。会わせてほしい

(; ´_ゝ`)もちろん。けど、ダウン中?って感じだが

(; ´_ゝ`)にしても急すぎて…何があったんだ?普段はもっと元気だったよな?

ノパ⊿゚) …そう、ね

363名無しさん:2021/10/17(日) 22:56:01 ID:qGGwqWoI0


ミセ ー )リ


ノパ⊿゚) みっちゃん

ミセ ー )リ …誰?

ノパ⊿゚) しっかりして、あたしだよ

ミセ ー )リ ひーと

ノパ⊿゚) うん

ミセ ー )リ …ごめん。私、何がなんだか

ノパ⊿゚) 言わなくていいよ、大丈夫

ミセ ー )リ …もう、自分でコントロールできないの

ミセ ー )リ …私に、何が起こってるの?

364名無しさん:2021/10/17(日) 22:56:30 ID:qGGwqWoI0
ミセ ー )リ どうして、私の「美」は壊れていくの?

ノパ⊿゚) …大丈夫

ギュッ

ノハ ⊿ ) 大丈夫だよ。あたしがいるから

ノハ ⊿ ) 今日、奏柵を出たら。VIPに帰ったら…みっちゃんの美も戻るかもしれない

ミセ ー )リ 本当に?

ミセ ー )リ 本当に、私は大丈夫なの?

ノハ ⊿ )





ノハ ⊿ ) …うん。本当だよ

365名無しさん:2021/10/17(日) 22:57:11 ID:qGGwqWoI0



———まずひとつ言えるとすれば、世界には渇いた人間と狡猾な人間しかいないということだ。
渇いた人間は狡猾な者を見下す。だから彼は嫉妬される。
両者共に「美」を解そうとしない。だけど本当のところ、彼らの魂は常にそれを求めているのさ。

僕には「美」は水のように思える。
降り、潤し、溜まり、流れていく。
どの土地にも残りはしないけれど、絶望してはいけない。
そこに川があるならば、その先には海があるのだから。





.

366名無しさん:2021/10/17(日) 22:57:47 ID:qGGwqWoI0







Inspired by “The Ape Of Naples” by Coil

https://youtu.be/INMo0sj9AMw






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367名無しさん:2021/10/17(日) 22:58:11 ID:qGGwqWoI0






                美





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368名無しさん:2021/10/17(日) 22:58:50 ID:qGGwqWoI0

奏柵 第一区 行政庁舎 麻薬取締課


(´・_ゝ・`) よし

(´・_ゝ・`) …礼状が間に合ってよかったよ


(´・_ゝ・`) 諸君。久々に今日はデカく動くぞ

(´・_ゝ・`) もう警官隊は控えてる。僕らは後方から差し押さえるという形だ。各自装備を整えてくれ


(´-_ゝ-`) …辺尼の一件と、彼らがVIP市へ逃れるという情報が入ったのが一昨日の夜だ…色々なことがあった

(´・_ゝ・`) だが、ゆくゆくは組織全体を潰す。このチャンスを逃してはならないぞ



(´・_ゝ・`) 総員取り掛かれ!独生の拠点に急行するぞ!

369名無しさん:2021/10/17(日) 22:59:14 ID:qGGwqWoI0


( `ー´)先輩

(´・_ゝ・`) ん?

( `ー´)辺尼を、このまま放っておいていいんでしょうか

(´・_ゝ・`) …というと

( `ー´)彼女は彼らに接触してる。今日の情報を流さないとはいえないのでは

(´・_ゝ・`) …彼女が独生らに加担してたとすれば、もう手遅れだよ

(; `ー´)…ええ。そうではありますが

(´・_ゝ・`) 彼女が辞めた後どうなったか、君は知ってるかい?

( `ー´)? いいえ

(´・_ゝ・`) …壊れてしまったようだ

( `ー´)

(´-_ゝ-`) 聞いた話だがね。だから、そんな状態の彼女が彼らと協力なんてできる可能性をまず信じてないし、

(´・_ゝ・`) 僕は、一人の人間として彼女を許したいんだ

( `ー´)そうですか

370名無しさん:2021/10/17(日) 22:59:43 ID:qGGwqWoI0


警察車両内

ゴォォォォォ….


(´・_ゝ・`)


( `ー´)


( `ー´)辺尼は、奴らの何を知ったんでしょうかね?

(´・_ゝ・`) …僕にはわからない



( `ー´)「美」でしょうね?

(´・_ゝ・`)

(´・_ゝ・`) …率直に言えば、それについてはもう考えたくない気持ちになってきたよ

( `ー´)…そうですか

371名無しさん:2021/10/17(日) 23:00:18 ID:qGGwqWoI0

(´・_ゝ・`) 君は、「美」を何だと思う?

( `ー´)彼らの行動基準であることは確かですよね?

(´・_ゝ・`) 鋭いな。そうだ、何らかの行動基準ではある

( `ー´)しかしそれは結局、何かの快楽体験とは違うんでしょうか

(´・_ゝ・`) …そうとも取れるが

(´・_ゝ・`) …何か、違うようにも思えるね



(´-_ゝ-`) 個人的に、その話題は僕の過去にダブってくる気がしてならないんだ

( `ー´)先輩の過去ですか?何かあったのですか

(´・_ゝ・`) …あるさ

(´・_ゝ・`) 君は、「美」について客観的な感想以上に何か感じないのか

372名無しさん:2021/10/17(日) 23:01:07 ID:qGGwqWoI0

( `ー´)

(´・_ゝ・`)

( `ー´)いやぁ、全くですね

(´・_ゝ・`) そうか

(´・_ゝ・`) もうこの話はやめにしよう。これ以上は仕事に支障をきたしそうに思える

373名無しさん:2021/10/17(日) 23:01:45 ID:qGGwqWoI0


ファン….
            

             ファン…. ファン….


                   ファン….


ファン….

         ファン….
            

             ファン…. ファン….


                   ファン….


ファン….





.

374名無しさん:2021/10/17(日) 23:02:06 ID:qGGwqWoI0




(´・_ゝ・`) まず先発隊が突入する。中にいる人間を押さえたら、僕らが行くよ


( `ー´)はい


(´・_ゝ・`)

( `ー´)

(´・_ゝ・`)

( `ー´)

(´・_ゝ・`)

( `ー´)












<突入成功。独生含む男3人を確保。一人は逃亡中です。顔は確認できていません!>


(´・_ゝ・`) よし。行くぞ

( `ー´)コクッ

375名無しさん:2021/10/17(日) 23:02:38 ID:qGGwqWoI0


カッカッカッカッ


(´・_ゝ・`) 出視だ。三人の柄は?


< ゚ _・゚> こちらです!案内します


/
あと一人いる!探し出せ!絶対に逃すな!
\


< ゚ _・゚> 逃亡中の男は捻余だと思われます

(´・_ゝ・`) そうか。絶対に逃すわけにはいかない


< ゚ _・゚> この部屋です

(´・_ゝ・`)





ガチャッ





.

376名無しさん:2021/10/17(日) 23:03:00 ID:qGGwqWoI0


(´・_ゝ・`) はじめまして、独生君、臥名君




(;'A`) ちくしょう…チクショウ!

(; ‘∀‘)何でこのタイミングで….ッ!

(; ´_ゝ`)


(´・_ゝ・`) (あと一人居る奴は…見たことないな)

( `ー´)俺は捻余の確保に向かいます

(´・_ゝ・`) 頼む



(´-_ゝ・`) さて….

377名無しさん:2021/10/17(日) 23:03:28 ID:qGGwqWoI0


(; ‘∀‘)て、

(; ‘∀‘)てめえが出視か….

(´・_ゝ・`) ああ。うちの者がお世話になったな


(;'A`)

(;'A`) まさか…辺尼の密告か!?

(´・_ゝ・`) いや

(;'A`)

(´・_ゝ・`) はっきりさせとこう…僕は嘘はつかない


(;'A`) じゃあなんで、

(´・_ゝ・`) まあ焦るなよ。後でじっくりお話しようじゃないか、独生君









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378名無しさん:2021/10/17(日) 23:03:48 ID:qGGwqWoI0










( `ー´)捻余はどこに!?

[ Д`]この窓から飛び降り逃走中です!

( `ー´)それは何時頃だ?見つかってないのか

[ Д`]3分ほど前です!

( `ー´)…一緒に来てくれ!恐らくあそこから地下通路へ逃げたな

[ Д`]はっ!

379名無しさん:2021/10/17(日) 23:04:18 ID:qGGwqWoI0


奏柵 第一区 地下水道路




( `ー´)灯りはあるか?

[ Д`]はっ!

(; `ー´)気をつけろよ。俺が先に行く、何かあれば俺が撃つ





ザッ…ザッ...

380名無しさん:2021/10/17(日) 23:04:41 ID:qGGwqWoI0


キュッ!!


(; `ー´)ッ!!
  y== スチャッ

[ Д`]動くな!警察だ!



(::::::::::) ダダッ






.

381名無しさん:2021/10/17(日) 23:05:04 ID:qGGwqWoI0


(; `ー´)クソ、追いかけるぞ!







パンッ! パンッ!!



(; `ー´)ッ!!


(; `ー´)(銃まで持っていやがるのか!?)


(; `ー´)応援を呼べ———


(::::::(; `ー´)———なんだ?灯りが



ドッ…..

(; `ー´)


ドサッ

382名無しさん:2021/10/17(日) 23:05:39 ID:qGGwqWoI0



( ´ー`)



(; `ー´)捻余….か! おまえッ…!


( ´ー`) 死にたくなかったら黙ってることだよ

( ´ー`) 俺は捕まるわけにはいかない。そこの警官と一緒に暫く眠ってもらう


ギッ….

(; `ー´)ぐぅっ….

(; `ー´)(こいつ、首を絞め….ッ! だめだ、ていこうできな…)


ギリリリリ…..

(;  ー )


(  ー )




( ´ー`)

( ´ー`) じゃあ、またな

383名無しさん:2021/10/17(日) 23:06:06 ID:qGGwqWoI0



ファン….
            

             ファン…. ファン….


                   ファン….


ファン….

         ファン….
            

             ファン…. ファン….


                   ファン….


ファン….


.

384名無しさん:2021/10/17(日) 23:06:34 ID:qGGwqWoI0




ミセ*゚ー゚)リ ピタッ





ノパ⊿゚) どうしたの?

ミセ*゚ー゚)リ …嫌な予感がする

ノパ⊿゚)

ノパ⊿゚) 独生の所へ急ごう


ミセ*゚ー゚)リ …うん

385名無しさん:2021/10/17(日) 23:07:41 ID:qGGwqWoI0




嫌な予感。それはあたしも感じていた。
今朝の夢からずっとだ。とにかく、独生の場所へ急がなければ。その一心だった。

だけど、独生らの住処が近づくにつれて、足がすくんだ。冷や汗が流れる。
空気だ。

嫌な空気が、流れてくる。





独生らの区画へ入るや否やというところで、私は何者かに肩を掴まれた。


ノハ; ⊿ ) ッ!

386名無しさん:2021/10/17(日) 23:08:04 ID:qGGwqWoI0





('、`;川 はぁっ、はぁっ、

ノパ⊿゚) 辺尼…?

ミセ*゚ー゚)リ どうして


('、`;川 今は話してる場合じゃないわ、ついてきて!

387名無しさん:2021/10/17(日) 23:09:22 ID:qGGwqWoI0


('、`;川 私がここに来たのは、あなたたちを助けるためなの

ミセ*゚ー゚)リ それって

ミセ*゚ー゚)リ 独生たちに、何か

('、`;川 ええ。みんな、手視に捕まったわ

ミセ*゚ー゚)リ そんな!?

('、`;川 捻余から公衆電話で連絡があって。彼だけ逃げ切ることができたみたいなの、それであなたたちを匿ってくれって…

ノパ⊿゚) どうして!辺尼が巻き込まれることないよ

('、`;川 あなたたちの携帯が盗聴されてる可能性があるからよ。それに、私も借りがあるし…

ノパ⊿゚) …それじゃあ、これからどうすれば

388名無しさん:2021/10/17(日) 23:09:44 ID:qGGwqWoI0

( 、 *川 私があなたたちを捻余が指定した場所へ連れて行く


('、`*川 第二区に行くわ

ミセ*゚ー゚)リ 危険だよ、第二区なんて!

('、`*川 大丈夫。私は第二区の出身だから土地勘はある

ノパ⊿゚) …っていうことは、このまま捻余の知り合いに匿ってもらうってこと?

('、`*川 そうなるわね…申し訳ないけれど、私はそこまで

ノパ⊿゚) ありがとう

389名無しさん:2021/10/17(日) 23:10:05 ID:qGGwqWoI0





あたしたち三人は、人目を避けるようにして、夜の公園を進んだ。
公園を出た後は、大通りからすぐに路地裏へ入り、表と裏を縫うように、入り組んだ道を第二区へと進んでいく。

黒く聳え立ったビルとビルの隙間から、大きな月が見えていた。

診競の手は今までになく冷たく、震えていた。
あたしは絶望を感じた。





.

390名無しさん:2021/10/17(日) 23:10:28 ID:qGGwqWoI0


数十年前、第一区の一部が現在の官庁街/経済街として再開発された。
その時に大量に動員された労働力は、実際のところその多くが違法在留者や戸籍のない者が闇斡旋を通じて補充されていたという。
そうして開発が済んだあと彼らは暗黙のうちに、大きな運河を挟んだ反対側にある第二区に安値で居住することを許された。そこには元々開発従事者のためのアパートメントが大量に建設されていた。

時を待たずして、区画自体が巨大なスラムとして形成されるようになった。
元の第一区の権利者達は政府から多額の賄賂を受け取り、その活動範囲を第二区へ動かした。表層部こそ商業施設などが立ち並び、比較的安全に思われるが、その深層はあらゆる重犯罪の温床で、一般人が立ち寄ることを許されない。

…これがあたしがかつて捻余や独生から聞いた話だ。
つまり、そこは身を隠すには最適の場所であると同時に、最も危険な場所。

391名無しさん:2021/10/17(日) 23:11:02 ID:qGGwqWoI0


最終的に、危険な空気の漂う、寂れた路上の一角に辿り着いた。
秋の夜は冷え込み、殺気をまとった風が吹いている。
風は塵を巻き上げ、通りを東から西へ駆け抜けていく。

通りは辺一面真っ暗で、ただ一つ、ガラスの割れた公衆電話ボックスだけが黄色い光を放っていた。

そこでは捻余が、見たこともないような気配を発しながらあたしたちを待っていた。
闇を生きる男の殺気だった。
「美」を宿していた普段の彼の姿は、今やどこにもなかった。

392名無しさん:2021/10/17(日) 23:11:24 ID:qGGwqWoI0

( ´ー`) 感謝するよ

('、`*川 二人を、頼むわね

( ´ー`) …すまねえが、帰りは送りかねるよ

ノパ⊿゚) そんな、こんなところに一人残していくなんて!

( ´ー`) 無理だよ。俺らはすぐに隠れないといけない


ミセ*゚ー゚)リ 辺尼はリスクを負ってるんだよ、利用するだけ利用するなんて、間違ってる

('、`*川 いいの。私はそこらの男だったら倒せるわ

ミセ*゚ー゚)リ そんな、

( ´ー`) あんたが捜査官だってことを見込んで頼んだ。覚悟はできてるだろうよ

('、`*川 ええ

393名無しさん:2021/10/17(日) 23:11:55 ID:qGGwqWoI0

ノパ⊿゚)

ノパ⊿゚) 気を付けてね。辺尼

('、`*川 大丈夫よ。そちらこそ、無事でいてね

('、`*川 捻余。部外者を第二区に匿うなんて、普通だったらありえないわ


( ´ー`) …百も承知だよ

('、`*川

('、`*川 それじゃあ、ね。行くわ


彼女は懐から銃を取り出すと、それを分厚いコートのうちに隠すようにして、素早く闇の中へ消えていった。

394名無しさん:2021/10/17(日) 23:12:19 ID:qGGwqWoI0


( ´ー`) いいか、これは非常にマズい状況だ

( ´ー`) けどこれしか方法がなかった。俺が第二区に住んでたころの知り合いに廿って男がいる

( ´ー`) 多分、今頃最悪の男になってると思うが、なんとか頼んでみるつもりだ

ノパ⊿゚) …分かった

ミセ ー )リ

( ´ー`) …だから最初に言っておくが、ここの人間は「美」なんて知らねえ

( ´ー`) 甘い考えは捨てろ

ミセ ー )リ ッ….


( ´ー`) …診競には酷だろうが、耐えるしかねえよ。とにかく、絶対に隙を見せるな

395名無しさん:2021/10/17(日) 23:12:40 ID:qGGwqWoI0

ノパ⊿゚) 独生たちは、助かるの

( ´ー`) 俺が動く。予め打ち合わせたことがあるんでな

( ´ー`) 少しでもこんなクソみたいな場所に居ないで済むよう、全力を尽くすよ

ノパ⊿゚) …ありがとう








( ´ー`) …よし。行こうか

396名無しさん:2021/10/17(日) 23:13:03 ID:qGGwqWoI0
十,了

397名無しさん:2021/10/18(月) 13:53:55 ID:JCfwsNfU0
乙です

398名無しさん:2021/10/21(木) 00:19:52 ID:LJ.x8yv20
乙!ずっと待ってた!続きが気になる

399名無しさん:2021/10/23(土) 11:31:20 ID:byzemKpw0
今日か明日にでも十一を投下しようと思います

400名無しさん:2021/10/23(土) 12:02:36 ID:eVLykt6Q0
やったー待ってる!

401名無しさん:2021/10/23(土) 17:13:06 ID:byzemKpw0

通りを離れ、建物の裏手へと回る。
そこには人一人が通れる程の隙間があり、そこからぞっとするような漆黒が覗いていた。
奥からは、何者かが、あたしたちを見ているように感じられた。


捻余は迷わずその中へ入っていった。
あたしたちも同じ闇の中へ身を投げた。


(:::::::::::) …..。


月明かりでにぶく照らされる彼の後ろ姿。
右手は常に壁を撫でていた。
暫く進んだところで、彼は動きを止めた。


(:::::::::::) …ここだ


見てみると、彼の右手は、壁の表面に唐突に現れた郵便受けのようなものに触れていた。
彼はそれを指で軽く小突く。小さく、しかしはっきりとした音が静寂に鳴り響いた。

402名無しさん:2021/10/23(土) 17:13:35 ID:byzemKpw0


息をつくまもなく、郵便受けの蓋が内側から開かれ、両目がその中から覗いた。


「…誰だ?」


(:::::::::::) 捻余だよ。廿と話したい


「とっとと失せろ」


(:::::::::::) イキんじゃねーよガキが

(:::::::::::) いいか?もう一度言うぞ

(:::::::::::) 廿に話を通せよ


「….。」

「…わかった。そこで待ってろ」

403名無しさん:2021/10/23(土) 17:14:19 ID:byzemKpw0

数分して、左側の壁の扉が開かれた。
右側の建物と、左の建物はどこかで連絡しているらしい。

青白い光が漏れ出し、扉には人影。
ゆっくりとした足取りで少年が姿を表した。


(#゚;;-゚) ….廿の部屋まで案内する。入れよ


ノパ⊿゚) (…..!!!)



泥!

火傷を負った無表情。
辺尼と一緒にいった時に見たものと同じ。
間違いなく、同一人物だった。


(#゚;;-゚)

彼はあたしの目線に気付き、目を合わせた。
彼の目は、歳の割には信じられないほど据わっていた。瞳はどこまでも真っ黒で、あたしを睨むようにして決して目を逸らさない。


( ´ー`) 行くぞ

ノパ⊿゚) う、うん….


あたしから目を逸らさずにはいられなかった。
診競があたしの左手を強く握るのを感じた。

404名無しさん:2021/10/23(土) 17:14:43 ID:byzemKpw0


通路は薄暗く、異常に細長かった。
その上、いくつも道が分岐していた。
床には注射針や薬剤の殻が散乱し、青白い照明の光を受けて鈍く輝いている。

恐らく、「すぐに殺せる」ようにこのような構造になっているんだろう。どの曲がり角にも人の気配と、殺気を感じた。


ノパ⊿゚)(監視されてる…)

( ´ー`) 何も見るなよ

ノパ⊿゚) …うん

通り過ぎた部屋のドアが開いていて、夥しい量の血が一面に飛び散っているのを視界の端に捉えた。青白い肌の男が、血の海でしゃがみ込み、いやな水音がしていた。

ミセ; ー )リ

照明のせいではないだろう。診競の顔色はどんどん悪くなっていった。
彼女の脈が遅くなっていくのを、掌で感じた。

先導する少年の後ろ姿は、どこにも隙がなかった。だけれど、どこか今にも潰れてしまいそうにも思えた。

405名無しさん:2021/10/23(土) 17:15:47 ID:byzemKpw0


あたしたちは一言も漏らさず、いくつか角を曲がり、2階へと続く階段に辿り着いた。踊り場には鏡が置いてあり、この場に相応しくないほど綺麗に磨き上げられていた。階段を上り切ると、また細い通路が真っ直ぐあった。

右の壁際には古ぼけた革ソファが置いてあり、そこに痩せこけた女がぐったりとしていた。まるで骸骨が寄りかかっているようだった。
彼女の目は開いてる。けど天井の一点を凝視したまま、あたしたちに気付いていない。彼女の纏っているボロ布の隙間から、彼女の胸から腹にかけて、巨大な刺青があるのを見た。それはゆっくりと動いているように見えた。

少年は彼女に一瞥もくれず、ただ通り過ぎた。


.

406名無しさん:2021/10/23(土) 17:17:20 ID:byzemKpw0


このようにして、何回か階層を上がり曲がりくねった通路を行ったところで、
少年は一つの扉の前に立ち止まった。

扉を叩く。初めに2回。遅れて3回。
少しして扉の鍵が開いた。


(#゚;;-゚) 入れ


( ´ー`) ああ

ノパ⊿゚)セ*゚ー゚)リ ….っ

407名無しさん:2021/10/23(土) 17:17:52 ID:byzemKpw0



ガチャ…


(#゚;;-゚)


( ´ー`) 廿










(; ゜三゜) んんーーーーーーッ!? んんーーーーーーーっ!?


( ^ν^)うるせえな。ぎゃあぎゃあわめくんじゃねえよ



.

408名無しさん:2021/10/23(土) 17:18:52 ID:byzemKpw0

( ^ν^)
つ====> スー

ジューーーーーーーーー….


(; ゜三゜) んんんんんーーーーーーーーッ!!!?!?!?


( ^ν^)あーーうっせ。だめだ耳いてえ

「( ^ν^) ポリポリ


( ^ν^)ねえ仕亡さん。こいつに半田で拷問する必要性あるとおもいますー?


( `ハ´)….。


( ^ν^)

( ^ν^)ないよな。え?

バリバリッ

409名無しさん:2021/10/23(土) 17:20:04 ID:byzemKpw0

(; ゜W゜) ブハッ!!ハァッ!ハァッ!ハァッ!

( ^ν^)なんか言うきになった?


(; ゜W゜) ヒィィィィィ! ほんとに!勘弁して下さい!

( ^ν^)

ゴッ


( ^ν^)ふざけてんのか?口開けろ
つ====>

(; ゜□゜) あ、アァァァァァァァァァァァ!!!!!


ジューーーーーーーーーーーーーーーーー



アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアジェネおsめkdっmdcrjfんっtんtnっtkっよごgんsグッ!
ア゛ッ…… ァ゛…ッ!  カハッ……



(; 。皿。) ヒューーーーー…..ヒューーーーーーー



( ^ν^)仕亡さーん、あとお願いしていいっすかぁ。頭痛いすわ


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