[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
さゆえり「れいなはココが感じるの?w」5@新狼
261
:
名無し募集中。。。
:2014/08/02(土) 01:48:59
突然ですが本スレ
>>632
から…当方初のifご夫妻を…
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦を……
262
:
名無し募集中。。。
:2014/08/02(土) 01:50:10
「ねぇれいな、これも可愛くない?」
「…うん、似合うっちゃよ」
「何よぉ、その気のない返事は」
「……さゆ、もう2時間経っとるっちゃん……」
「でも、優樹も飽きてぐずったりしてないでしょーが。ね、優樹」
「ハハ、ユカタ、キレイキレイ!」
「ほらね。れいなも見習いなさい!」
「ふぁーい」
ここは、デパートの催事場。今は、丁度時期にあたるので、浴衣のバーゲンセールが開催されている。
さゆみのシフトにれいなの休みを合わせて浴衣を買いに来たのだ。
久し振りに家族3人でのショッピングの為か、優樹までもがキャッキャッとはしゃいでいる。
催事場は、階下の呉服屋と違って充分なスペースがあるので、浴衣のサイズも種類も豊富に取り揃えられている。
れいなの浴衣は簡単に決まった。紺地の落ち着いたものではあるが、水色の流水柄が全体を鮮やかに彩っている。
男性用の浴衣売り場で、ひと目見てたちまち気に入ってしまい、迷いなく手に取った。
「れいなにしちゃ地味じゃない?」
「いやいや、この流水が気に入ったと」
「確かに、流水柄だけ見てると派手にも見えるかな?」
まだ足元がおぼつかない優樹は、女の子用の可愛い甚平にした。
これもまた目に鮮やかなエメラルドグリーンの地に色とりどりの金魚が泳いでいる。
甚平を幾つか並べて見ていたら、優樹が小さな手を伸ばして握り締め、離さなかったものだ。
「来年はもう着られなくなるんだしね…」
「そうやね。やけん、優樹が気に入ったんなら良かやろ」
「それに、夏が終わってもしばらくは寝間着にも使えるもんね」
「そうそう。もう10年くらいはそのリピートでいけるけんね」
「いやいや、幾らなんでももう5年もしたら浴衣でしょう」
「浴衣なんか着て色気づくのは10年後でも早か!」
さゆみは、呆れた眼差しでれいなを見た。れいなは知らん顔でそっぽを向いた。
263
:
名無し募集中。。。
:2014/08/02(土) 01:51:10
れいなも、女性の買い物が時間が掛かるのは承知していた…つもりだった。
が、まさかこんなに時間が掛かるとは……。
「ちょっと甘く見てたかもしれん…」
「何が?」
「いや…ところでさゆ、早うせんとランチタイムが終わってしまうっちゃん」
「え!もうそんな時間?!」
デパートには開店に合わせて入り、浴衣売り場に直行したのだが、気付けば1時近くになっている。
「大変!お昼ごはん食べはぐっちゃう!」
「やけん、早うすると。どれにするとね?」
「うーん…れいなはどれが良い?」
さゆみの手には、あちこちから持って来た浴衣が5枚もある。
「そうやね、このピンクのが似合いそうたいね」
と、れいなは、淡いピンクに曼珠沙華をあしらった浴衣を手に取った。
さゆみはにっこりし、それを姿見の前でもう一度体に当てて
「じゃ、これに決めたっと。お会計してくるから、これ、返してきといてね」
と、れいなに残りの浴衣を押し付け、足早にレジに向かう。
ホッとした顔で、れいなは優樹を抱き上げ、浴衣を元あった場所に返すべく、売り場に足を向けた。
夕食後、ゆっくり風呂に入って優樹に甚平を着せ、自分達も浴衣に着替えると
「折角やし、これ、せん?」
「…いつの間に買ったのよ」
「先刻さゆが晩メシの買い物してる間に」
れいなの手には少量パックの花火セットがあった。
「良いけど…」
近くの駐車場に向け、花火と水の入ったバケツを持って、れいなが意気揚々と歩く。
優樹を抱っこしたさゆみが並んで歩く。
「優樹に持たせるのは…」
「まだ早い!火傷したらどうするの」
「じゃ、さゆは?」
「優樹抱っこしてるから」
264
:
名無し募集中。。。
:2014/08/02(土) 01:52:19
れいなは、地面にろうそくを立て、花火に火をつけた。
可愛い娘を火傷させるわけにはいかないから振り回して遊んだりは出来ないが
「チチ、ハナビ、スゴイ!」
と言いながらキャッキャッとはしゃく優樹を見ていると、みるみる顔が綻んでくる。
「なんか、花火より優樹見てる方が楽しかぁ」
「さゆみも花火好きだけど、自分で花火やるより優樹抱っこしてる方が楽しいかも…」
ふたりの視線は自然に愛娘に集まる。
その視線を知ってか知らずか、優樹は嬉しそうに手を叩き、はしゃぐ。
少量パックだからそんなに量は入っていない筈だが、半分位の花火が終わると、優樹の眼がトロンとしてきた。
「あれ?もうおねむかな?」
「…そうやね。じゃ、終わりにしよっか」
「へぇ。全部やらなくて良いの?」
「すぐには湿気ったりせんけん、またすれば良か。それより優樹寝かさんと」
「…そっか。そうだね」
さゆみは、立ち上がってよっこらしょと優樹を抱え直した。
れいなは、ろうそくと花火の残骸を片付け、さゆみと一緒に歩き出した。
ぐっすりと眠った優樹をベビーベッドに寝かせ、頬にチュッとキスをして、さゆみは立ち上がった。
「寝たと?」
「うん、もうぐっすり。お出かけと花火で疲れちゃったのかな?」
「さゆは?」
「…ちょっとだけなら」
顔を赤らめて、さゆみはベッドに座っているれいなの隣に来た。
れいなはさゆみの肩を抱き寄せながら
「えっと…こうかな?」
「え、ちょ…あん…れいなぁ……」
懐手をして、さゆみの浴衣の八つ口にその手を差し込み、胸をそっと揉む。
まだ授乳中の所為でサイズはいつもより大きいままだが、れいなの手に丁度フィットして何とも揉み心地が良い。
何よりも、ふわふわの手触りが、慣れた今でも本当に気持ちが良い。
265
:
名無し募集中。。。
:2014/08/02(土) 01:53:49
「こん…なコト…どこで……」
「YHに何とかいう小説家のエッセイが置いてあったっちゃん。それは着物やったけんが、浴衣でも出来るかなって」
「んっ…れーなぁ……」
さゆみは、力が抜けたようにれいなに凭れかかり、切なそうな息を吐いた。
それを見て、れいなは、肩を抱く手を外してさゆみの頭を抱き、唇を寄せた。
すっかり慣れた舌遣いで、互いが互いの口中をピチャッ、クチュッと探る。
さゆみは、手をれいなの背中に回してきた。
れいなは、さゆみを片手で支えながらそっと体重をかけた。
「ゆ…浴衣…しわになっちゃ……」
「後で掛けておけば良かったい」
れいなは、半ばさゆみの躰をベッドに倒し、帯にそっと手を掛け
「んぎゃああぁぁぁっ!」
「優樹!」
さゆみはガバッと体を起こし、れいなを跳ね除けた。
不意を突かれたれいなはベッドに尻餅をつく。
先刻までのうっとりとした風情が嘘のように、さゆみは脱兎の如く隣の部屋のベビーベッドに向かう。
邪魔をされたのは癪だが、娘の尋常では無い泣き声に、れいなも慌ててさゆみを追う。
れいなが部屋に入る頃には、優樹は少しだけ落ち着いていたようだ。
それでも、ぐすんぐすんと鼻を鳴らし、さゆみの襟をしっかりと握り締めている。
「ハハ…ハハ……」
「よしよし、もう大丈夫だよぉ」
さゆみは優樹を抱っこして、あやすように揺らしながら、部屋を歩き回っている。
「どうしたと?」
「怖い夢でも見たみたい。おしめじゃないし、抱っこしたらちょっとだけ泣き止んだから」
「そっか。…優樹、もう大丈夫よぉ。パパもおるけんねぇ」
「チチ…チチ……」
優樹は、れいなの指に片手を伸ばし、ぎゅっと握り締める。
266
:
名無し募集中。。。
:2014/08/02(土) 01:54:51
「じゃ、さゆ」
「ん?」
「名残惜しいけど、今日は3人で寝ると」
「…ん。そうだね」
「浴衣エッチは、また今度、ゆっくり…」
「もう……バカ」
れいなは急いでパジャマに着替えてさゆみから優樹を受け取る。
さゆみもまた急いで着替えると、れいなはもうベッドに優樹を寝かせていた。
さゆみがベッドに入り、キュッと優樹を抱き締めると、優樹は、安心したようにすやすやと眠り始めた。
その寝顔を見ながら、頭を撫でたり頬を突いたりしているうちに、ふたりとも眠ってしまった………。
〜〜〜〜〜一方その頃とあるところで〜〜〜〜〜
「じゃ、そういうことだから、着付けが出来る女を10人ほど探して」
「御意」
「この時期は浴衣で歩くカップルも多いから、ラブホテルでも需要が多いのは予想出来るの」
「仰せのとおりでございます」
「向かいの事務所の1階を開放して、着付けだけも承れば一石二鳥だし」
「は…しかし、腕の良い着付け師はかなりの人数が『S&H』に雇いあげられているそうですが」
「エスアンドエイチ?」
「飯窪様のカジュアルウェアショップでございます。オープン前ですが、プレオープンとして浴衣の販売と着付けをしておられるそうでして」
「……仕方が無いの。後で飯窪に相談して何人か分けて貰うの」
「ところで若、もしかして例の夫婦が来てしまったら…」
「少しならあのガキのことも我慢するの。これは、少子化問題を回避するための、いわば政府への協力なの!」
「は……」
みちしげ君の側近、通称【クロさん】は、這う這うの体で主の前から下がった。
いつになくご機嫌の“主”の手には、数枚の紙がしっかりと握られていた。
それに書かれているのは、いつぞや香音が腹いせに書いた“鞘重の情事”であった……………。
267
:
名無し募集中。。。
:2014/08/02(土) 01:57:11
以上になります
唐突な妄想で申し訳ありません
書きかけとはまた別ですが展開が同じようになりそうなのを必死で違えているところです
今回はこんなところでご容赦を賜れればこれ幸い……
268
:
名無し募集中。。。
:2014/08/02(土) 01:57:45
いやはや素晴らしい!
転載しますね^^
269
:
名無し募集中。。。
:2014/08/04(月) 07:01:55
【悲報】
鈴木君作者と名乗る人間が「8月5日」に備えて一行も書けてない件。
……ごめんなさい。
270
:
名無し募集中。。。
:2014/08/04(月) 09:30:35
鈴木君作者様
「ごめんなさい」は無しですよ
こういうのは書けるときに書けば良いんですから
それよりも作者さんのご病気にはこういうストレスが厳禁の筈なのですからどうぞお気を楽にしてください
俺もこれから病院ですから大口は叩けませんが
書けるもんなら“寸止め”くらいは考えてみても良いでしょうか?
書かれると邪魔だとかストーリー上支障をきたすとかなら勿論止めます
271
:
名無し募集中。。。
:2014/08/04(月) 13:55:22
>>270
様。
むしろ歓迎、熱烈歓迎です。
是非お願い致します!
272
:
名無し募集中。。。
:2014/08/04(月) 21:42:39
ノd;´◇`)<優しくしてね
273
:
名無し募集中。。。
:2014/08/04(月) 21:53:45
鈴木君乙女ww
274
:
名無し募集中。。。
:2014/08/04(月) 23:43:48
君が優しくされる側なんかいw
275
:
名無し募集中。。。
:2014/08/05(火) 00:18:07
鈴木君お誕生日おめでとうございます
僭越ながら鈴木君作者様に成り代わり“解禁未満”を…
いつもながらいらねーよ!という方&苦手な方はご容赦をば……
http://www1.axfc.net/u/3290191
パスはメール欄です
鈴木君と一緒にヘタレた妄想で申し訳ありません………
276
:
名無し募集中。。。
:2014/08/05(火) 10:48:13
鈴木君がぶきっちょと思いきや意外にできる子だった…!
277
:
名無し募集中。。。
:2014/08/05(火) 12:54:52
里保ちゃんもやりよる
278
:
名無し募集中。。。
:2014/08/07(木) 01:03:15
鈴木君はどこでそんなテク覚えたのだろう
知識を得ようにもいかがわしい本や動画は恥ずかしがって見なさそうだし
…頑張って見た?潜在能力?本能?
279
:
名無し募集中。。。
:2014/08/08(金) 18:36:34
男子の方が台風で飛びそうなのが殆どだなここの奴らは
280
:
名無し募集中。。。
:2014/08/15(金) 21:29:51
http://stat.ameba.jp/user_images/20140815/19/morningmusume-9ki/ed/90/j/o0480048013035591857.jpg
ノd*´ー´リ<お母さんまた洋服あげたのかな?
281
:
名無し募集中。。。
:2014/08/16(土) 00:03:05
また脱がすのか
282
:
名無し募集中。。。
:2014/08/16(土) 01:38:26
ノd*´ー´リ从*´◇`)
283
:
名無し募集中。。。
:2014/08/19(火) 01:29:04
さすがに学習していきなり脱がすのとかはないよな鞘師くん
信じてるぞ
284
:
名無し募集中。。。
:2014/08/19(火) 12:33:42
鞘香のヘボです
いやはや…突然ですが入院しました
それほど長くならないとは思いますがひと月ほどは書くに書けませんので悪しからず
次スレがもしも別れましたら'14にお世話になりますので宜しくよしなに
長文失礼しましたm(_ _)m
285
:
名無し募集中。。。
:2014/08/19(火) 16:13:40
从*´◇`)<お身体お大事になんだろうね
ノd*´ー´リ<そうじゃ!無理はいかんからの
286
:
名無し募集中。。。
:2014/08/19(火) 16:21:33
>>284
別れる必要が無くなったから安心してね
287
:
名無し募集中。。。
:2014/08/21(木) 23:23:26
70スレ
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1408630773/
288
:
名無し募集中。。。
:2014/08/22(金) 00:09:00
69スレ目
>>38-48
爆発しろ、リア充(if生聖)
>>98-101
おたんじょうびプレゼント(佐藤君と小田ちゃん)
>>122-127
大爆発しろ、リア充(if生聖)
>>131-138
彼と彼女の七夕物語(かめれなオールスターズ)
>>251-265
光射す場所への設定を他人が書いてみたよ編2(さゆりほ)
>>287-295
夢のつづき(中篇)
>>374
夢のつづき(後篇)
>>395
シゲチン(イラスト)
>>403-407
鞘重の事情小ネタ
>>656-660
ifたなさゆ
>>727
彼女の想いと、彼の優しさ(鈴里)
>>818-819
好きな処(かめれなしげ)
本スレ書き込めないんでこっちに。。。
289
:
名無し募集中。。。
:2014/08/22(金) 13:14:05
オプショナルツアーの集合写真撮影終了。自分のコースのメンバーと撮る
のだけど、すぐ近くに他のメンバーもいるので、わちゃわちゃしてるのが
見れる感じ。どぅーがあゆみちゃんを、香音ちゃんが生田をお姫様だっこ
してました。
鈴木君w何してんだ!
290
:
名無し募集中。。。
:2014/08/22(金) 14:14:57
生田君が香音ちゃんをお姫様抱っことかあったし逆もまたありってことで…
里保ちゃん怒るだろうけどね
291
:
名無し募集中。。。
:2014/08/22(金) 15:33:52
このネタ見て
「えりぽんコケる→鈴木君抱き上げる→里保ちゃん激怒の腰車」
まで頭に浮かびました
あー鈴木君作者さんにご許可頂いて“番外編”書きたいっ!
でも病院にはパソコンが無いっ!
……どうしてこーゆーネタを書けないときに振りまいてくれるんだろう……
292
:
名無し募集中。。。
:2014/08/22(金) 16:12:31
鈴木君作者は元気だろうか
293
:
名無し募集中。。。
:2014/08/22(金) 19:02:08
読みた過ぎるww
294
:
名無し募集中。。。
:2014/08/22(金) 20:44:02
鈴木君作者様へのお薬として献上すれば良かないですか←読みたいだけですが
295
:
名無し募集中。。。
:2014/08/23(土) 08:31:49
写真まで撮ってたw
http://stat.ameba.jp/user_images/20140823/05/morningmusume-9ki/c0/00/j/o0480064013043451140.jpg
296
:
名無し募集中。。。
:2014/08/23(土) 09:55:38
鈴木君の左手ww
297
:
名無し募集中。。。
:2014/08/23(土) 10:37:47
>>293-294
申し訳無いことながら俺も今入院中です……
放免されるのは早くても来月になりますので旬を過ぎるこのネタは脳内でお蔵入りになりそうです……
298
:
名無し募集中。。。
:2014/08/23(土) 12:43:47
そうだったのか・・・まー身体が第一やからね
ノd#◇#(<そうなんだろうね・・・
299
:
名無し募集中。。。
:2014/08/24(日) 11:49:38
書き手さんが入院続きだけど大丈夫だろうか
まずはお大事に
300
:
名無し募集中。。。
:2014/09/09(火) 22:12:15
お久し振りです 鞘香のヘボです
どうにかこうにか退院しました
ところで以前話があった“お姫様抱っこ”はまだ需要がありますでしょうか?
需要があって鈴木君作者さんのご許可をいただければリハビリがてら番外編を書いてみようかと思うのですが……
301
:
名無し募集中。。。
:2014/09/09(火) 23:02:28
おかえりなさ〜い!
勿論需要はありますよ^^
302
:
名無し募集中。。。
:2014/09/09(火) 23:26:26
退院おめでとうございます
とにかく作品に飢えてるのでぜひプリーズ
303
:
名無し募集中。。。
:2014/09/10(水) 17:37:29
おかえりなさ〜い\(^o^)/
304
:
名無し募集中。。。
:2014/09/11(木) 15:11:22
それでは…鈴木君作者様には勝手に書いてしまったことを幾重にもお詫びして……
“お姫様抱っこ&腰車”を投下します
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦を……
305
:
名無し募集中。。。
:2014/09/11(木) 15:12:52
練習が終わった後に格技場の掃除をしながら、聖君は傍らで雑巾を絞っている里保を見た。
里保は、何かを思い出したように、顔をほんのり赤らめながらも
「デュフフフ………」
と、気持ち悪い笑みを浮かべている。
「あ、あの……里保ちゃん、何かあったの?」
「へ?」
「い、いや、何だかさ、嬉しそうに、笑って、るから……」
流石に聖君は「気持ち悪く笑っている」とは言えないので、一生懸命になって当たり障りのない言葉を探す。
そんな聖君の葛藤を知ってか知らずか、里保はにんまりとした笑みを浮かべながら、雑巾を床に広げた。
「やっぱり…フクちゃんにも分かるぅ?」
「ま、まあ、ね……」
(“愛しのえりぽん”以上に)不気味にしなを作る里保を見て、聖君は嫌な汗をかきながら答える。
「香音ちゃん家にねぇ…クフフ…先週お泊りしたのぉ」
「ふーん。そうなんだ」
「そう。それでねぇ、香音ちゃんの部屋でねぇ……」
里保が何を話そうとしているか、ピン!ときて顔をボフッと赤くした聖君。
みなまで言わせず、里保の口に掌をカポッと被せる。
「り、里保ちゃんストップ!」
「んーっ!んーっ!」
「せっ、先生!僕ら、用具室の掃除に行ってきます!」
「おー、じゃ、防具の棚も拭いてきてくれ」
「はい!」
じたばた暴れる里保を引きずって用具室に入り、聖君は雑巾をすすぎだした。
「じゃ、里保ちゃん、僕が棚拭くから床掃いて」
「……ん」
話を無理やり中断させられた里保は、不満げに箒を手に取った。
聖君は片手で防具を抱え、空いた棚を順番に拭いていく。
里保は、不承不承、のろのろと箒を動かして床を掃く。が、恐らく部屋の隅には埃が溜まったままだろう。
306
:
名無し募集中。。。
:2014/09/11(木) 15:14:03
「わ!」
聖君の手元が狂い、抱えていた面が転がり落ちた。それをはっしと里保がキャッチする。
「あ、ありが………」
お礼を言いかけながら里保を見た聖君は、目を見張ってその場に固まってしまった。
「えへへ。香音ちゃんの面じゃあ……」
……それは確かに鈴木君の面ではあるが、頬擦りをしてニタニタ笑う里保は、やっぱりおかしい。
これは、不本意ではあるが里保が言いたいことを吐き出させる必要がありそうだ。
「あ、あのさ、里保ちゃん」
「何じゃ?」
「さ、さっき、言いかけたこと、あった、よね?」
「んー……うん!」
「か、香音ちゃん家に、お泊り、したって」
「そう!」
里保は、目をキラキラさせながら答えた。
「な、何か、良いコト、あったみたい、だね(……やっぱり、里保ちゃんが作るしなは、不気味だ……)」
「聞きたいぃ〜?」
「う、うん」
嫌な汗の所為か、聖君の体はすっかり冷え切ってしまった。
「あのねぇ、香音ちゃんが『元気ないよ』って、頭撫でてくれてねぇ」
「うん」
「もうこれは香音ちゃんに甘えるしかない!って思ったんじゃ」
「そ、そう」
「でね」
「うん」
「ウチ、思い切って香音ちゃんを押し倒して脱がしたの!」
「は?」
里保は明るく言い放つが、そもそも日の高い時間に普通に話す言葉ではない。
そもそも「甘える」って、方向が何だか明後日の方どころでは無く間違っていると思うのだが………。
307
:
名無し募集中。。。
:2014/09/11(木) 15:15:20
「そんでね」
「はぁ」
「香音ちゃんの、スゴく大きいじゃろ?」
「ま、まぁ(女の子がフツーに言う言葉じゃないでしょ……)」
「じゃけ、上手く挿入らんかったんじゃ」
「う、うん(香音ちゃん、襲われたのか。気の毒に……)」
「したら、香音ちゃんが『里保ちゃんの準備できてないでしょ』って言うてウチのこと抱き上げてくれて……」
「……はい」
「ベッドに寝かせてくれてね、香音ちゃんからシてくれたの!」
キャーキャー言いながら顔を隠す里保の様子は乙女で可愛いが、会話の中身は色々と突っ込みたくなる内容でしかない。
「そ、それは、良かったね……」
「うん!もうね、香音ちゃんの熱い手がウチのカラダ中を撫でてくれてね、キスもカラダ中にいっぱい……」
里保の話は延々と続く。聖君は、里保に見えないようにそっと溜息を吐いた……が。
(あれ?)
ふと思い当たった聖君、里保の話が僅かに切れたところで問いかけてみた。
「で、でさ、里保ちゃん」
「なぁにぃ〜?」
「は、挿入ったとき、どうだった?」
「ふぇ?」
「そ、その、香音ちゃんの……」
ふっ、と里保は眼を伏せた。
「ウチ……指で精一杯じゃった」
「?」
「指を挿入れられただけで痛くて泣いてしもうて……」
「あぁ(だから肝心なトコの話が無かったのか)……」
「だからこれから練習する!色んなモン挿入れて入口だけでも拡げておくんじゃ!!」
「………ナカ傷付くし止めといた方が良いと思うよ………」
308
:
名無し募集中。。。
:2014/09/11(木) 15:16:44
一方その頃。
掃除当番では無かった鈴木君は、先に着替えて里保と聖君の鞄を持ち、昇降口前でふたりが来るのを待っていた。
「もうそろそろ掃除終わるかなぁ……」
ずっと立ちっぱなしも疲れるので、鈴木君は昇降口前の段差に腰掛けてのんびりしていた。
すると、タタタ……と、軽快な足音が聞こえた。無意識に、足音の方に振り向く。
「香音ちゃーん!」
「ああ、えりちゃん」
「聖、まだ来らんとぉー?」
「まだだ……えりちゃん危ない!」
衣梨奈の足元を見て、鈴木君は思わず声を張り上げた。
……が、ひと足遅く、衣梨奈の左足は校庭にあった小さい窪みを踏んでしまった。
「キャァッ!」
鞄を放り出し、派手に転ぶ衣梨奈。咄嗟に受け身は取ったようだが、転び方が少しだけおかしい。
「えりちゃん!」
鈴木君は衣梨奈の傍に駆け寄り
「大丈夫?どこか、捻ったりしてない?」
「ん……ちょっと膝擦りむいただけっちゃけど……」
「立てる?」
スッと手を差し出す。
「あ、ありが……痛っ!」
立ち上がろうとして、衣梨奈は顔をしかめる。
どうやら、窪みを踏んだ足がバランスを取り切れなかった為に、足を挫いてしまったようだ。
「えりちゃん……足元くらい、ちゃんと見とくんだろうね」
鈴木君は呆れ顔をして
「じゃ、保健室行こうか……って、おんぶはマズいな」
「何で?」
「あとで聖君呼んでくるから、聖君に聞きなよ」
手を伸ばし、ひょいと衣梨奈をお姫様抱っこの恰好に抱き上げる。
「じゃ、行こ。保健室の外から呼べば、先生も気付いてくれるんだろうね」
そう言って、鈴木君は衣梨奈を抱き上げたまま、とことこと保健室に向かって歩き出した。
309
:
名無し募集中。。。
:2014/09/11(木) 15:18:22
ちょうどそのとき。
掃除を済ませた聖君と里保は、顔を洗いに格技場の外へ出た。
“鈴木君との夜”の熱弁をふるった里保は満足げにニヤニヤし、聞かされつつ里保の分まで掃除をした聖君は少々お疲れ顔だ。
「急いで顔洗って香音ちゃんのトコに行かんとのう」
「そうだね。えりぽんももう来てるかな?」
顔を拭きながらフッと校舎の方を見た聖君、
「あれ?えりぽん、と、香音ちゃん?」
「え?どこど………」
水に濡れたままの顔を上げた里保の表情が固まる。
(も……もしかして、ちょっと、ヤバい、かな?)
「あ……り、里保ちゃん、急いで、着替えて、行こうか」
「……ん」
「ほ……保健室、行った、みたい、だね」
「……ほうじゃの」
聖君に答える里保の声は、地の底から響くかのように、低く、重い。
………それを聞いた聖君が肝をつぶして、再び嫌ぁな汗が噴き出してきたことは想像に難くないだろう………。
着替えた聖君と里保が急いで外から回って保健室に着いたとき、衣梨奈は椅子に座って足首に包帯を巻かれていた。
「あ、里保ちゃん、聖君」
鈴木君がいち早くふたりを見つけ、ニコニコと迎える。
「えりぽん、どうしたの?」
「んー、走って香音ちゃんのトコに行こうとしたら校庭の穴踏んづけて転んだっちゃん」
「え!危ないなぁ」
「聖、心配してくれたと?」
「当たり前だよ!『転んだっちゃん』じゃなくて気を付けなきゃ……」
「ん……ごめん、聖」
「ま……えりぽんが謝ることじゃ無いし大怪我じゃ無かったから良いけどね。香音ちゃんもありがとう」
「どういたしまして。お互い様なんだろうね」
310
:
名無し募集中。。。
:2014/09/11(木) 15:53:18
結局、衣梨奈は聖君がおんぶして家に送り届けることになった。
「じゃ、えりぽん、ジャージに着替えて。ひとりで出来る?」
「それは大丈夫っちゃけん……何でジャージ?」
聖君はスッと衣梨奈の耳に顔を寄せ
「えりぽん、歩いてる人達みんなにパンツ見せながら行く気?」
「見せパンっちゃけん、大丈夫よ」
「とにかくダメ!」
不承不承、衣梨奈はジャージに着替え、外へ出て聖君に背負われる。
「聖君、鞄は後で僕が届けるんだろうね」
「ごめん……じゃなくてありがとう、香音ちゃん」
「どういたしまして」
自分の分と合わせ、計3ヶの鞄を持った鈴木君に、里保はすうっと近寄る。
「香音ちゃん……」
掠れ声で鈴木君の名前を呼び、そろっと片腕を鈴木君の首に回す。
「り、里保ちゃん……」
この間のコトもあって、鈴木君は思わず顔を赤くして、ドギマギしながらこれまた掠れ声で答える。
……………転瞬。
「うおりゃぁぁぁぁっ!!」
回された腕がギュッと鈴木君の首を巻き締め、里保は腰を落として向こうへ振り向く。
ドシイィィン!
………哀れ鈴木君の体は、里保の腰に乗り、綺麗に一回転して校庭に叩きつけられた。
所謂、柔道で言う『腰車』である。
「り、ほ………」
鈴木君はそれだけ言うと、頭を打ったにも拘わらず、ワイルド鈴木君が出る間もなくふうっと意識を手放した。
「うえぇぇぇん!ウチにはお姫様抱っこなんてしてくれたこと無いのにぃ!!」
泣きじゃくる里保と気絶している鈴木君を見て、衣梨奈は目を白黒させ、口をあんぐりと開けている。
聖君は、衣梨奈をおぶいながら、深ぁい溜息を吐いた。
優しいのも、程々に、ね 終わりなんだろうね
311
:
名無し募集中。。。
:2014/09/11(木) 15:56:27
里保ちゃんw復帰作乙カノンでした
312
:
名無し募集中。。。
:2014/09/11(木) 15:59:17
以上になります
誠にイタい妄想で申し訳ありません
実は鞘香も1本ありますが……
実家のパソコン(現在自宅療養中)が不調(最後のレスはガラケーポチポチの投下)なので後日投下させていただきます
313
:
名無し募集中。。。
:2014/09/11(木) 20:28:34
不器用鈍感な香音ちゃんにキュンキュンするwww
314
:
名無し募集中。。。
:2014/09/12(金) 04:25:27
里保ちゃん喋りすぎw
315
:
名無し募集中。。。
:2014/09/12(金) 07:25:24
聖くんはヤキモチを焼かないってのがもうそういう次元は超えたって感じで感慨深い
いろいろあったけど良かったね も一回読みなおそうかな
316
:
名無し募集中。。。
:2014/09/12(金) 10:23:46
体験談をべらべら喋るとは里保ちゃんよっぽど嬉しかったのねw
解禁したらもっとお喋りになるのかな
317
:
名無し募集中。。。
:2014/09/12(金) 18:33:18
>>312
鞘香も楽しみ
318
:
名無し募集中。。。
:2014/09/13(土) 09:11:13
感想等色々とありがとうございます
なんとなくですけど…里保ちゃんがそれをネタに鈴木君にベタベタしようとしても超乙女な悲鳴をあげるか何か被って般若心経唱えるかしか浮かばなかったんですよね……
んで浮かれ気分の舞い上がった里保ちゃんは…まぁ…自分の言い分だけを聞いてくれる聖君を犠牲にして喋りまくったと……
鞘香は…出勤出来るようになったらネットカフェ辺りで上げますので今しばらくお待ちいただければこれ幸い………
319
:
名無し募集中。。。
:2014/09/13(土) 11:38:47
鞘師くんてこんな感じなのかな?
从*´◇`)<イケメンの彼氏を持つと色々心配なんだろうね
http://stat.ameba.jp/user_images/20140909/22/morningmusume-9ki/60/8a/j/o0480064013061813574.jpg
320
:
名無し募集中。。。
:2014/09/17(水) 17:00:48
http://22.snpht.org/140917161610.jpg
鞘師君と香音ちゃんの熟年夫婦
321
:
名無し募集中。。。
:2014/09/17(水) 21:39:17
>>320
いい夫婦だな
322
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 02:27:04
ノd*´ー´リ<…縁側でHしてみたいのう香音ちゃん
从#´◇`)<台無しだ!!
323
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 18:06:47
ではお待たせいたしておりました鞘香を投下します
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦を……
324
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 18:07:54
「もうすぐ、誕生日じゃの」
昼食に、と、香音のお父さんが慌てながら出掛けに腕を奮ってくれた炒飯をパクつきながら、鞘師君が言った。
炒飯を温め直すついでに作ったワカメスープを啜りながら、香音はキョトンとした顔をする。
「里保ちゃん?あたしの誕生日、8月だよ?」
「もう夏休みじゃろうが」
「夏休み入ったばっかりだし、まだ10日もあるんだけど……」
香音は呆れ顔をする。
夏休みの宿題はさっさと終わらせて思いっきり遊ぼう、と、ふたりで前から話し合っていた。
少々ごたごたがあってスタートは遅れたものの、1日おきに交互に互いの家で、宿題をしている。
鞘師君の家で宿題をするときは、お母さんが昼食を作ってくれるので、3人で食卓を囲んでいる。
香音の家で宿題をするときは、お母さんや、偶にはお父さんが作ってくれたものに香音が1〜2品作り足して、ふたりっ切りで食事をしている。
「僕、毎日香音ちゃん家で宿題したいなぁ…」
「何で?里保ちゃん家のゴハン、美味しいじゃん」
「でも、こうやってふたりだけで食べられるじゃろ?」
「ところで、さ」
「何?」
「香音ちゃん、誕生日のリクエストは無いかの?」
「リクエスト、って?」
「その…例えば、僕、『香音ちゃんが欲しい』って言うたじゃろ?」
「あ……」
それを聞いて、香音の頬がほんのりと染まる。
鞘師君はスッと顔を香音に近付け、耳元でささやく。
「あんなコトでも良いし、他のことでも構わんけぇの」
「……」
「香音ちゃんが欲しいもの、あげたいんじゃ」
「……」
「欲しいもの、何でも言って。出来る限りのこと、したいんじゃ」
325
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 18:09:11
香音が、ぽつりと口を開いた。
「それじゃ、さ………」
「うん?」
「あのね……ギュッとして、『好きだよ』って、言って欲しいなぁ……」
「……それだけ?」
首までもを染めて、こくりと香音が頷く。
鞘師君は(自分にとってはあまりにも)ささやか過ぎる“お願い”に、驚いてしまって声が出ない。
その様子を見て、何か香音は誤解したのだろう。
「あ、あの…い、嫌だったら、別に………」
鞘師君は、香音に向き直り、そっと近付いた。
両腕を差し伸べ、ギュッと香音を抱き締める。
もう一度耳元に口を寄せて
「嫌な訳、無いじゃろ……」
「え……」
「そんなことじゃったら、誕生日じゃなくても良えって」
「……」
「いつだって、言うてくれたら良えのに…」
「で、でも、普段はして貰っても殴り飛ばしちゃったりしてるのに……」
「だから言うて欲しいんじゃ。僕、ニブいからのう」
鞘師君は、ひとつだけ、息を吸った。
耳元で、アツい吐息と一緒にささやく。
「香音ちゃん、好きじゃ…」
「……」
「他の誰も見えんくらい、香音ちゃんが好きじゃ…」
「……」
「愛しとるよ…」
「……」
「この手の中から、離しとう無い…」
「……」
「ずっと、こうやって、一緒に居たいのう…」
326
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 18:10:26
閉じられた香音の目から、スッと、光るものが零れて、頬擦りしていた鞘師君を濡らした。
鞘師君は驚いて顔を離し
「ど、どうしたん、かの?」
香音は、そっと目を開け、潤む瞳で鞘師君を見詰め
「幸せ…」
「香音ちゃん…」
「嘘でも、嬉しいよ…」
「あ、あの…」
「幸せまみれで、死んじゃうかも、なんて、思っちゃった。えへっ……」
そっと顎を摘み、チュッと軽くキスをして、鞘師君が言う。
「それは、ダメ」
「え?」
「僕は、まだ足らん」
「い、いやその…」
「例えでも、100年早い。それ、100年後に聞かせて…」
言葉が終わるか終らないかのうちに、香音に唇を寄せる。
唇に、頬に、額にキスを落とし、耳朶を吸い、首筋に唇を、舌を、這わせる。
「好きじゃ…」
「……」
「大好きじゃよ、香音ちゃん…」
「……」
「愛してる…」
「……」
「香音ちゃんの、甘い匂いで、頭が痺れそうじゃ…」
「……」
「もう二度と、離さんけんの」
「……」
「この手の中から、消えんでな………」
それを聞いて、香音の表情が、フッと曇った。
327
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 18:11:41
「ごめんね……」
「香音ちゃんが、謝ることじゃ無いじゃろ」
「でも…」
「不安にさせた僕が悪かったんじゃけん」
「ううん。そんなこと…」
「でも、これだけは覚えといてな」
「な、何?」
「僕が好きなのは、香音ちゃんだけじゃ」
「うん……」
「フクちゃんには、もう甘えんからの」
「そこまでしなくても……」
香音を抱き締めてささやきながら、キスをしつつ首筋や喉元に舌を這わせていた。
その所為か、はたまた息が上がる香音を見ていた所為か、鞘師君のカラダに少々“異変”が起きたのは必然だったのだろう。
体から突き上げる衝動を必死に堪え、腰を引いて抱き締める腕に力を込める。
……が、不自然な姿勢で抱き締めていたからか、香音も“異変”に気付いたらしい。
「あ…あのさ、里保ちゃん」
「ん?」
「う、上の、あたしの部屋、行く?」
「へ?」
「だ、だって……シたい、でしょ?」
香音は、下を指差しながら顔を真っ赤にして言う。
鞘師君は、思い切りかぶりを振り
「きょ、今日は準備しとらんし……」
と、口籠る。
「で、でも、里保ちゃん、キツそうだ、よ?」
「が、我慢する!…でも、我慢し切れんかったら、トイレ、貸して……」
何とも情けない顔で言う鞘師君の腿に、そっと、香音の手が置かれた。
「それで、良い、の?」
「え?…って、香音ちゃん?!」
328
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 18:13:36
香音は、そっと鞘師君のデニムに手を掛け、ファスナーとパンツを同時に下ろした。
鞘師君の硬くなったモノがピョコンと顔を出す。
香音は、一瞬怯むような表情を見せ、ぐっと息を呑んだ。
「な、何、を………」
髪を耳に掛け、眼を閉じてそっと顔を下ろして……。
「か、香音ちゃん!そんなコト、せんで良えって!!」
鞘師君のモノが温かいものに包まれた。
ぬるりとした感触が竿を上下し、時たま出っ張りを柔らかいものがそっと掠める。
「うあっ!」
吸い込まれるような感触に、今すぐに出してしまいそうになるのを懸命に我慢する。
背筋を駆け抜けるような快感と衝動に必死に耐える。
それなのに…香音が添えていた指が裏スジを無意識になぞり、同時に上目遣いで見上げられたとき……。
「うわ、あああぁぁぁぁっ!」
……………呆気無い程に、果てた。
「かっ、香音ちゃん!!」
鞘師君は、香音が自分から離れると同時に、慌ててティッシュの箱を手に取った。
「こ、これに吐き出して……」
と、急いでティッシュを引っ張り出そうとする。
……が、香音はギュッと目を瞑り、両手で口を押さえて上を向く。
ごくん、と、喉が鳴る。
「の、飲んじゃっ、た」
瞳にいっぱいの涙を浮かべつつ、香音は微笑った。
それからが大変だった。
鞘師君は急いで香音を洗面所に連れて行ってうがいをさせ、背を擦ったり叩いたりして吐かそうとする。
が、無論のこと、そんな程度で飲んだモノを吐き出す筈も無い。
背を叩く幾度か目で、香音が痛がるので、鞘師君は諦めてリビングのソファーに香音を抱きかかえて戻った。
並んで座り、泣き出しそうな顔で、鞘師君は香音を抱き締める。
「ごめん…香音ちゃん、ごめん!本ッ当に、ごめん!!」
「何が?」
「あんなモン飲ませてしもうて……僕……僕……」
329
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 18:14:26
泣き出しそうな顔の鞘師君に、香音はそっと向き合った。
どうして、僕、こんなに酷いコトしたのに、香音ちゃん、微笑えるんじゃ?
「ううん。お礼」
「お、お礼?」
「そ。我儘聞いてくれて、いっぱい好きだよって、言ってくれた、お礼」
香音はそっと近付き、チュッと音を立てて鞘師君の頬にキスをした。
「大好きだよ、里保ちゃん」
ア・ナ・タ三昧 了
330
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 18:20:17
以上になります
本ッ当に大したことのない妄想で申し訳ありません
それにしても…自分で書いていてなんですけど…
一応鞘師君は“準備”しないと香音ちゃんとシないことに決めているようですねぇ……
そちらの“解禁”も予定していますけどその話は以前ちょろっと書いた
「シゲクボががっつり絡む解禁○回目」
になる予定です………
331
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 20:16:54
キャーー!甘ーい(≧∇≦)
こっちまで幸せな気分になるね
332
:
名無し募集中。。。
:2014/09/18(木) 23:14:30
香音ちゃんがだんだん大胆になられてる
ノd*´ー´リ<胸でやってもらうんじゃった。なーんて思ってたりしてw
333
:
名無し募集中。。。
:2014/09/19(金) 00:07:45
ではお待たせいたしておりました鞘香を投下します
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦を……
334
:
名無し募集中。。。
:2014/09/19(金) 01:59:06
香音ちゃんったら積極的になりあそばれて…モットヤレ
パイ○リされたら即射だろうな鞘師君
シゲに絶倫になるおクスリ作ってもらえばいいのに
335
:
名無し募集中。。。
:2014/09/22(月) 21:08:33
http://i.imgur.com/bc1qsmE.jpg
皆いい感じのカップルなのにやっぱり飯は扱いが
そして鞘師君は興奮したからTシャツで隠してるのか?
336
:
名無し募集中。。。
:2014/09/23(火) 00:38:35
香音ちゃんの隠しきれないダイナマイト乳に興奮してしまったのか
ノd ´ー´リ<けしてはるなんに興奮したわけじゃない
337
:
名無し募集中。。。
:2014/09/30(火) 00:28:12
http://stat.ameba.jp/user_images/20140929/23/morningmusume-9ki/23/56/j/o0480064013082583698.jpg
撮影者:ノd*´ー´リ
338
:
名無し募集中。。。
:2014/09/30(火) 11:01:24
いい奥さんになるな
339
:
名無し募集中。。。
:2014/10/03(金) 13:46:42
http://youtu.be/KBxlr_Dn5rs
でもヘタレです
340
:
名無し募集中。。。
:2014/10/03(金) 18:53:11
かのんちゃん素で恥ずかしがってるw
341
:
名無し募集中。。。
:2014/10/03(金) 22:15:21
今日からコチラにお世話になります…
自分が書けないから本スレ落ちちゃうかも
342
:
名無し募集中。。。
:2014/10/03(金) 23:21:49
>>339
胸当たって嬉しがりすぎだろw
343
:
名無し募集中。。。
:2014/10/05(日) 14:41:44
あゆどぅーがNYで相部屋と聞いて
344
:
名無し募集中。。。
:2014/10/05(日) 22:21:52
本スレれなえりいいなぁ
最近はすっかりさゆれな派だったけどれなえりもイイ
345
:
名無し募集中。。。
:2014/10/05(日) 23:16:37
ちょっとどころではなく短いですが保全用に2レスほど
……となると本スレの方が良かったか?とも思いますが一応こちらに
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦のほどを……
346
:
名無し募集中。。。
:2014/10/05(日) 23:17:43
あ………まただ。
激しくてふんわりとした夢の中にいる今、また。
「香音ちゃん……」
里保ちゃんがあたしを呼ぶ声で、瞳を開ける。
そんなときは、決まって、里保ちゃんの顔が、息がかかるくらい、近くにあって。
いつもは絶対に見ることが無い切ない表情に、いつになっても慣れなくて、胸がドキドキする。
里保ちゃんの掌が、体中を這い回って、その手が触れたところから、アツい感触が広がっていく。
心臓がドキドキで張り裂けそうになって、脳ミソがアツさで沸騰しそうになって。
………こんなふうになるの、里保ちゃんと、だけなんだからね。
今日は、きっとこうなるんだろうな、って思ってた。
昨日、みんなで道重さんのところの別邸に行って、はしゃいで遊んだんだけど。
そこで里保ちゃんが甘えてきて、あっ、て思った瞬間に胸が当たって
「えへへ……当たっちゃったぁ」
なんて言われて、恥ずかしくなって里保ちゃんを振り払っちゃった。
お昼ごはんを食べてるときも、手を伸ばしてちょっかいを出してくるもんだから、適当にあしらってた。
そしたら、優樹ちゃんがトトト…って傍に来て、コロン、って膝枕で寝てきて。
おにぎりを食べながらそっと里保ちゃんを横目で見たら、ぷうっとほっぺたを膨らませてた。
優樹ちゃん相手じゃ文句言えない里保ちゃんが恨みがましい眼でこっちを睨んできたから、苦笑してそっと見詰めた。
そうしたら、ふいっと目線を切って向こうに寝返りを打った。
今日はたまたま休日出勤で、お父さんもお母さんも家には居ない。
そんなときに里保ちゃんが来て
「今日は飽きる程一緒に居るんじゃ!」
………そう言って、こうなっちゃったんだっけ………
今日は執拗に太股を撫でられてるような気がするけど、気の所為かな?
押し殺すような声も、どんどん高く、大きくなって来てるけど気にしない。
恥ずかしいけど、一緒に居るのは里保ちゃんだから。里保ちゃんにだけは、こういうあたしを見せても良いって思えるから。
里保ちゃんが飽きる迄で良いから、こうやって一緒に居てね……………。
347
:
名無し募集中。。。
:2014/10/05(日) 23:18:49
果ててから急いで後始末をして、香音ちゃんを見下ろした。
まだ息を弾ませているけど、温かい体が腕の中に居るのを見てホッとする。
情けないけど、この間のコトはちょっとだけトラウマになったみたいだ。
今も、香音ちゃんが腕の中に居るのをこの目でしっかり見るまでは不安で不安で堪らなかった。
本当は僕が膝枕で寝たかったんだけど、香音ちゃんの近くで寝るのが精一杯で。
だからぼやぼやしてるうちに、優樹ちゃんに膝枕を取られちゃった。
それもちょっとだけムッとしたけど、その後で道重さんが乱入してきたんだよなぁ。
膝枕が外れたのはホッとしたけど、香音ちゃんは邪魔にならないようにってどこかへ行ってしまった。
淋しい、何てもんじゃない。胸が痛くて、姿が見えないのが怖かったんだ。
だから、この雨の中、朝ごはんを食べ終わると同時に香音ちゃんの家に走った。
そして、濡れた服を脱ぎながら香音ちゃんに
「今日は飽きる程一緒に居るんじゃ!」
そう言って、呆れた顔をする香音ちゃんをぎゅっと抱き締めたんだ。
……香音ちゃんが拾って洗濯機に放り込んでくれた服は、もう乾燥も終わったんだろうな。
窓の外に広がる黄昏時の空が、ほんのりと色付いている。
香音ちゃんは、優しい。
誰にだって、本当に、優しい。
だから優樹ちゃんやどぅーや……みんなみんな甘えたくなるんだろうな、って思うけど。
香音ちゃんが、甘えてくるのは、僕だけが、良い。
他の誰もが見たことが無い香音ちゃんは、僕だけのものにしたい。
アツい吐息も、潤む瞳も。
しっとりと掌に吸い付いてくる肌の感触も、必死で僕にしがみついてくる掌の感触も。
そして、僕の名前を呼ぶ、いつもよりトーンの高い掠れ声も。
無意識のまま、僕の胸に頬擦りをしてきたのを見て、布団をそっとふたりの体に掛けた。
そして、布団の下でもう一度奏音ちゃんを抱きしめ直した。
飽きる程一緒に居よう、なんて言ったけど、さ。
僕は、死ぬまで、ううん、死んでも、香音ちゃんに飽きるなんて出来っこないよ……………。
348
:
名無し募集中。。。
:2014/10/05(日) 23:19:59
以上になります
他愛もなく色気もない妄想で申し訳ありません……
349
:
名無し募集中。。。
:2014/10/05(日) 23:51:27
アツアツでええねえ
350
:
名無し募集中。。。
:2014/10/06(月) 03:53:32
本スレにも転載して欲しい
351
:
名無し募集中。。。
:2014/10/06(月) 04:07:01
また新作が読める幸せ
Dマガとリンクしてていいなw
>>350
行ってきます
352
:
名無し募集中。。。
:2014/10/06(月) 06:57:37
マガ63はいろんなCPの
>>346-348
みたいのができそうだね
353
:
名無し募集中。。。
:2014/10/10(金) 22:59:07
ノd ´ー´リ<香音ちゃんのおっぱいは僕だけのものじゃったのに…
http://www.hello-online.org/res/picboardimg/201410/img20141008215818648.jpg
354
:
名無し募集中。。。
:2014/10/11(土) 01:53:11
猿くらってしまいました転載お願いします><
↓
以上です
リアルさゆの休業はまだ先ですがIfさゆでフライングしてしまいました
専業主婦になって時間を持て余す嫁さゆの話も書いてみたいなー
そして一旦我々がさゆと過ごせる時間も残りわずかですが精一杯楽しみたいものですね
ってことで感想待ってます!(避難所の方もね^^)
ではまたの機会に…
執筆BGM : Pharrell Williams - Happy
http://www.youtube.com/watch?v=y6Sxv-sUYtM
355
:
名無し募集中。。。
:2014/10/11(土) 09:46:07
>>346-348
の鞘香を見た直後に思い出した曲があったので貼ります。凄く鞘香と鈴里にあってると思う。
北海道民は聴いたことあるかも?笑
backnumber 日曜日
http://youtu.be/BdEXltVrndM
356
:
名無し募集中。。。
:2014/10/11(土) 15:35:34
えーと……お久し振りのあゆどぅー話など……
こいつらもそろそろどうにかしないといけないかなと……とか言いつつ終わってませんが
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦の程を……
357
:
名無し募集中。。。
:2014/10/11(土) 15:36:33
佐藤君は、ぷうっと頬を膨らませてそっぽを向いている。
さくらは、そんな佐藤君を見ながら、時折ちらちらと工藤君に、涙を含んだ非難めいた眼差しを向ける。
優しくて、それでもどこか悲しげな瞳で、工藤君の前に座っているのは春菜だ。
そして……当の工藤君は、僅かに怒りを堪えながらも所在無げな眼つきで腰を下ろしている。
ガタン!
不意に、空気が動いた。
「どうすれば良かったんだよぉっ!!」
椅子を蹴飛ばしながら吠える工藤君の声は、虚しく大気に溶けていった。
そして………。
いつもならば、そんな工藤君をなだめてくれる亜佑美は、ここには、居ない。
亜佑美の学年ともなると、男子も女子も異性を意識し始めるお年頃だ。
その所為なのだろう。ボツボツとカップルが誕生してきているのは。
「ねぇ、亜佑美ぃ」
「んー?」
亜佑美に声を掛けてきたのは、そんな風潮に乗ったか乗らずか、最近彼氏が出来たクラスメイトのひとりだった。
「あのさぁ、アンタ、恋愛とかに興味無い?」
「んーと、まだ考えたこと無いなぁ」
「えー?何で??」
「あたし、まだお子ちゃまだから、じゃない?」
「そんなぁ。勿体無いよぉ」
「……って、自分に彼氏が出来たからってねぇ」
亜佑美は呆れ顔をする。
浮かれた彼女が事ある毎に彼氏ののろけ話をしていることは、クラスでも持ちきりの話題だった。
そして、その話はクラス中が適当にあしらっているのも周知の事実で。
だから、という訳に他ならないのだが、彼女は、クラスの女子に彼氏の友人達を紹介しまくっていたのだ。
(だからって、あたしにそーゆー話を振られてもなぁ……)
358
:
名無し募集中。。。
:2014/10/11(土) 15:37:21
「ねぇ、何でみんなそんな風に言うのよぉ」
「みんなは解んないけどさぁ、あたしはまだそーゆーの早い気がするんだよね」
「でもさ、亜佑美可愛いじゃん」
「そう?ありがと」
心なしかドヤる亜佑美を見て、苦笑しながら
「あのね」
「何?」
「この間さぁ、校外学習に行ったじゃん?」
「うん」
「あの時の写真をさぁ、彼んトコ持ってったんだよね」
「……はぁ」
「したらさ、ちょうど来てた彼のトモダチがアンタに興味持ったんだわ」
「へ?」
「んで、紹介してくれって言われちゃってさぁ」
「はい?」
「だからさぁ、今度会ってやってくんないかなぁ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!そんな話、勝手に……」
「いーじゃん、別に」
「良くないよ!」
荒げた声の大きさに、亜佑美自身が驚いた。
が、相手は意にも介さず
「そんなに怒ることないじゃぁん」
「別に、怒ってなんか……」
「あれ?それとも、もう付き合ってるひととか居る?」
「い、いや、特には……」
亜佑美の脳裏をほんの一瞬だけ掠めたのは他ならぬ工藤君だが、そういう対象にするにはまだ早過ぎるだろう。
そもそも彼が異性を意識しているとは、亜佑美にはまだ思えない。
「じゃ、決まりね!今度の土曜日、開けといて」
「ど、土曜日?」
「そ、忘れないでよね」
言い捨てて自分の席に戻る彼女の背中を、亜佑美は茫然と見詰めていた。
359
:
名無し募集中。。。
:2014/10/11(土) 15:38:10
重なるときには、物事は重なるものだということを、亜佑美は身をもって知った。
その日の昼休みに
「亜佑美ぃ」
「……今度は何?」
「アンタに用事があるって子が来てるんだけど」
「あたしに?何だろ」
教室の入り口には、知らない下級生の女の子が立っていた。
「えっと、あたしに何か用?」
「ええ。石田さんですよね?」
「そうだけど?」
「ちょっと、付き合ってくれませんか?」
と、連れてこられたのは、北校舎の裏だった。
何時だっただろうか?リックに嫉妬した鞘師君がここで踊り狂っていたのは。
……と、それはさておき。
険しい顔をして振り返る彼女を、亜佑美は目を丸くして見詰めた。
「ど、どうしたのかな?そんな怖い顔して」
きつく口を引き結び、しばらく黙って亜佑美を見ていた彼女だったが、ようやく口を開いた。
「はっきり言います」
「は、はい」
「工藤君に近付かないでください!」
「……………は?」
思いもかけない言葉に、ポカンとした亜佑美は、目を丸くして間抜けな声で答える。
「ふざけてるんですか!その言い方!!」
「い、いや、そんなことは無いけど……」
「じゃ、何なんですか?!」
「……ってか、何の事だか……」
「今言ったとおりです!工藤君はあたしのカレですから!」
「ええーーーっ!!!」
360
:
名無し募集中。。。
:2014/10/11(土) 15:39:15
話をしながら激昂している彼女の顔は、だんだん歪んできている。
(悪いけどこのコに角付ければ鬼の面が出来そうだなぁ……)
余りにも予想外の話に、亜佑美の思考は明後日の方に向いていた。
そんな亜佑美の頭の中を知ってか知らずか、彼女は言葉を続ける。
「アタシ、工藤君のカノジョになったんです!」
「……はぁ」
「デートの約束だってしたんです!」
「……はい」
「それ、立派なカノジョになったってことでしょ!」
「えーと……」
「なのに何で工藤君からアンタの話なんか聞かなきゃいけないのよ?!」
「うーん……」
「帰りだって、一緒に帰ろうとしてもアンタのトコに行っちゃうなんて……」
「あー……」
「アタシ、アンタより可愛い自信あります!」
「あ、そう……」
「アンタみたいなオバサンが、工藤君を縛るなんてかわいそうでしょ!」
「……」
「工藤君には、アタシみたいな同い年の若いコがふさわしいのよ!」
興奮のあまり、彼女は亜佑美に失礼な言葉を吐く。
が、亜佑美は、混乱した思考のまま、その言葉に怒ることさえ思いつかない。
「だからもう工藤君には近付かないで!」
「……」
「アタシ達にとって、迷惑だわ!!」
「……あのー、はるなんとかまーちゃんとかさくらちゃんと話すのも?」
「当たり前じゃない!愛し合ってるアタシ達の邪魔しないでよ!!!」
そう言い捨てて、彼女はくるりと踵を返した。
興奮のあまり泣きじゃくりながら走り去る彼女の背中を、亜佑美はまたもや茫然と見詰めていた。
(そう言えばこんな風に人の背中を見るの、今日2回目だっけ………)
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板