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さゆえり「れいなはココが感じるの?w」5@新狼

1名無し募集中。。。:2014/05/25(日) 00:02:24
このスレのプロローグ――
さゆえりレズSEXを不意に目撃してしまったれいな
拒否反応を示して嫌悪感をあらわにするれいなを捕獲するさゆえり
抵抗するれいなを口封じのために2人で気持ちよくさせて一言
さゆえり「れいなはココが感じるの?w」
れいなは抵抗するものの、自然と漏れてしまう甘い吐息
れいな「ハァハァ」

キャラ紹介兼相関図最新ver.
http://image02.wiki.livedoor.jp/m/9/mdpg119/4a3d6cffa630dabb.jpg
かめれな世界相関図
http://www.hayasoft.com/reina-her-ways/cgi-bin/src/rena-pai0573.jpg
学年まとめ
http://image01.wiki.livedoor.jp/m/9/mdpg119/05eb84fab2469c9c.jpg

前スレ
さゆえり「れいなはココが感じるの?w」4@新狼
http://yy21.kakiko.com/test/read.cgi/morning/1390394170/

まとめサイト
http://seesaawiki.jp/w/e6esr/

178名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 15:48:46

あまりの理由に。
涙も引っ込んだ。
眼を開けると、しょんぼりした彼の顔が間近にあった。

「……怒ったと?」
「……」

黙っていると、彼は首をすくめた。

「みずきぃ、ごめんちゃ」

ないハズの犬耳が大きく垂れているのを感じる。
聖が怒っていると勘違いしている彼の頭に手を伸ばして――、

「んっ!?」

後頭部をがっちりロックして深く唇を合わせる。
戸惑っている彼に覆いかぶさってキスを続ける。
口腔内を舌で撫でて・舌先をつついて・歯列をなぞり・舌同士を絡め合わせる。
充分に堪能したところで。
ゆっくりと唇を離す。

179名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 15:49:22

鼻の頭が触れ合う距離で見つめ合う。

「その、良かと?」
「……言わせないでよ、ばーか」

そう言った瞬間に。
あっけなく体が上下交代した。
「愛しとーよ」
「……聖も」

今日を彼の望む一日にするのなら。

……ピザじゃなくて。
商店街のウナギ屋さん、出前もしてくれてたっけ、とぼんやりと思った。

そして彼の背中に腕を回した。

おめでとえりぽん、ありがとみずき。 終わり


お粗末でした。仮タイトルは「大爆発しろ、リア充」でした。

180名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 16:33:39
おのれ…マジ盛大に大爆発しやがれコンチクショー!!

181名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 16:38:09
きゃー甘いわー爆発しろ!

あれですねウナギで精力付けさせる気満々ですねフクちゃん

182名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 18:45:56
もうスッポン鍋でも何でも食べて爆発しろ(笑)
ノd*´ー´リ从*´◇`)ノ<ハゲろハゲろ

183名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 20:22:26
>>173です。
これどこの世界のPONPONか書いてないことに今気づきました。
一応if生聖です。
すみません。。。

184名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 20:42:54
そっちだったかーw

185名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 20:48:16
>>184様。
生田君が8時間もの床上手なわけがn(ry

186名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 20:50:56
転載します

187名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 20:57:26
転載しました
32行オーバーだったので>>176だけ分割しましたm(__)m

あと>>173は1行目だけにしときましたw

188名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 20:59:09
>>187
転載とお心遣いありがとうございます。

189名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 23:39:20
今日中に投下したかったので…かめれな世界で七夕です
苦手な方はスルーお願い致します



今日は年に1度の七夕。
もとの七夕伝説は、働き者の牽牛と織女が出逢い、結婚を認められたが、
その後愛し合うことに夢中で働かなくなり、天帝の怒りを買ってしまい、離れ離れとなり天の川を隔てられた、というものらしい。
1年に1度、7月7日に銀河を渡ってしか逢えないふたりの寂しくも美しい物語にあやかり、世界中で七夕まつりが行われている。
日本のこの某高校でも例外なく笹に短冊を飾っているのだが……


act1.彼の場合。

短冊に願い事を書こうと、多くの生徒が休み時間や放課後に西校舎4階の生徒会室前に訪れた。
本来なら屋上に飾りたかったのだが、今年は雨が降ったために笹は室内へと置かれることになったらしい。
日誌を職員室に届けた彼は、そういえばまだ短冊書いてなかったっけと人気のない校舎をのんびり歩く。

湿気で前髪が妙な方向へ撥ねる。もともと少しウェーブがかっているとはいえ、やっぱりカッコ悪い。
こんなのをカッコいいと言ってくれるのは、物好きな後輩か、前の彼女くらいだ。そういえば彼女、いまどうしているだろう。
嫌な思い出なわけではないけれど、思い出すとこめかみが痛む。
ポケットに手を突っ込んで小走りに生徒会室へ向かうと、そこには色とりどりの短冊が飾ってる笹が2本置いてあった。1本は高等部用、1本は中等部用らしい。

190名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 23:40:22
「短冊に願いを書きましょう」という教師の走り書きメモとともに置かれたなにも書かれていない短冊は、あと2枚だけ残っていた。
2枚とも似たような色だったので、とりあえず上の1枚とマジックを手に取り、なにを書こうか考えていると、ふいに笹の葉が揺れた。
風がどこからか吹いているらしい。湿気を帯びた夏の風は、嫌いじゃないが、好きにはなれない。
ぼんやりと揺れる高等部の短冊を眺める。思い思いの高校生の欲望があふれていて、彼は思わず笑いそうになった。


―――れーなと早く結婚できますように


書いた張本人の名前は書いていないものの、これを書いた人間が誰だか察しが付く。
語尾にたくさんのハートマークと、その横に「いっぱいエッチして、子どもは3人ほしいです」と付け加えられているあたり、実に彼らしい。
その右隣の水色の短冊は、先ほどのオレンジに寄り添うように飾られ、「えりとずっといっしょにいられますように」と可愛らしいひらがなで書かれていた。
こういうのを見てイチイチ胸が痛みはしないが、それでも何処か寂しく思うのもまた事実だ。
このオレンジ短冊は人気者のようで、左隣に目が痛むほどのピンクの短冊が「かめしげと鞘重が流行りますように!!」と必死に主張していた。
それは叶わん夢だろうなあと独り言ちていると、そのもう少し先から薄黄色の短冊が「みちしげさんにもっともっといじめられますように」と見つめていた。
こっちはすぐ叶いそうだなと喉を鳴らし、笹全体を見渡す。

「彼女が欲しい」「それはムリだ」「諦めろ」なんて会話している短冊もあるし、「世界平和」と壮大な夢を書いているものもある。
「ST○P細胞、あったらいいな」と話題性満載なものもあれば、「給料上がりますように」と生々しいものもある。
これを書いたのはあの体育教師か社会科教諭だろうなと察する。なんてことを書いてるんだと苦笑していると、黄緑色の短冊を見つけた。


―――さゆみんとデートできますように


「副会長……」

頭を抱えたくなったが、そのすぐ横の黄色の短冊が「アラガキのバカが治りますように」と祈っていたので、とりあえず笑ってみた。

191名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 23:41:08
こんなことでこの高校は大丈夫なのだろうかと心配したくなる内容ばかりだったが、ふとこの短冊を書いている光景を想像した。

ギャーギャー言いながら短冊に願いを書き、だれの隣が良い、目立つ場所が良いと競って飾り、
そんな不純な願いは叶うわけないと罵り合って互いの顔をマーカーで落書きし合い、漁夫の利のようにだれかが目立つポジションをゲットし、
1年に1度しか逢えない牽牛と織女を想って「じゃあ109の前で待ち合わせしたらいいとに」と伝説ぶち壊しのことをだれかが言って、
それでも結局みんながそれぞれの想いを込めて笹に飾る、7月7日の光景。

「悪くないもんやねぇ」

彼はそうして目を細めると、マジックの蓋を取り、小気味いい音を立てて短冊に願いを込めた。
走り書きだけれど、決して下手ではない字だ。


―――高等部のみんなが、平和に過ごせますように


「……こういうところでくらい、欲張った方がええんやろか?」

欲張れない損な性格だと分かり切った自分に苦笑しながら、紫色の短冊をそっと笹に飾る。
柄にもなく笹に頭を下げ、またポケットに手を突っ込んで生徒会室をあとにする。すると、すぐ近くの音楽室から、吹奏楽部の音楽が聴こえた。
ああ、この曲は聴いたことがある。そういえば彼女も好きやったっけ。
そっか、これ、七夕の曲やったんやと、また深い場所にしまっておいた蓋を開けてしまい、彼は困ったように眉毛を掻いて、階段を駆け下りた。

192名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 23:41:50
act2.彼女の場合。

風紀委員とは嫌われ者だと自覚していた。スカート丈が短いだの授業中の携帯電話の使用は禁止だのと口うるさくクラスメートを注意する。
だれもやりたがらない仕事、だけどだれかがやらなければいけない仕事。分かっていたから、私は自分から手を挙げた。
それはまあひとつの自己満足や自己陶酔で、別に「お前なんかに頼んじゃいない」って言っていることは分かっていた。
そういうことをひっくるめてなお、私はこういう仕事をする。中学生の風紀委員なんて、って思うけれど、手を抜けないのもまた、たぶん、私の性格。
転校生で友だちも少ないくせに、さらに友だちを減らすようなことをするなんて、どうにかしてると感じるときもあるけれど。

「七夕……かぁ」

人の少ない校舎を当てもなく歩きながら、ふと思う。今日は7月7日、年に1度、織姫と彦星が逢える日だ。それにあやかって短冊に願いを込める日本の風習。
家ではあまり七夕を祝うなんてしたことなかったけれど、クラスメートの何人かが「短冊書いた?」って聞いてきたことを思い出す。
そういえば、生徒会室前に笹を置いているらしい。
どうせなら帰る前に書いて行こうと、彼女は鼻歌まじりに階段を上がった。

4階の生徒会室前にはだれもいなかった。
もうすぐ下校時間なのだから当たり前かと思いながら、「短冊に願いを書きましょう」という教師の走り書きメモを見る。
箱に入った短冊は、幸か不幸か、あと1枚だけ残っていた。まるで私のために残っていたような、と言えるほどの勇気はなくて、私は最後の1枚を手に取る。
好きな色が残っておいてくれて良かったと思いながらマジックを手に取る。

中等部用の笹の前に行き、なにを書こうか考えていると、ふわりと風が吹いた。
今日は珍しく下ろしている前髪が微かに揺れる。あ、夏の匂いと思わず目を閉じる。先ほどまで聴こえていた吹奏楽の音や生徒たちの声が遠くなる。
まるでこの世界に自分しかいないような錯覚を感じ、再び目を開けた。
やっぱり周囲にはだれも居ないのだけれど、目の前にある色鮮やかな短冊の波をぼんやり見つめる。

193名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 23:42:24
まず目に飛び込んできたのは、緑色の短冊に大きな文字で「カツカレーがたくさん食べたい」というものだった。
「食べられますように」ではなく「食べたい」って、それもはや願望じゃないですかと私は眉を下げる。
そのすぐ横に、半分にちぎられた赤い短冊があって、そこには「もっちり感を失くさずに、でも食欲がちぃとだけ落ちま」と書かれていた。
たぶんその下には「落ちますように」と書かれていたんだろうな。破ったのも、破られた方もだれか見当がつく。
風が吹き抜けるのは、天窓あたりが割れたせいなんだろうな。だれかさんの昇竜拳で、私は天を仰ぐ。
雨が滴り落ちてこないのは奇蹟としか言いようがないほど、派手に割れているそれを見て、苦笑した。

すると再び風が吹き、ふわりとなにかが浮かぶのが見えた。
目の端に入ったのは、破り捨てられた短冊だった。これがさっきのやつかなと思ったが、どうも色が違う。さっきのは赤だけど、こっちのは黄緑色だ。
もう、ごみはちゃんとごみ箱に……と風紀委員らしく小言を言いたくなるのを堪え、ばらばらになった短冊を見下ろす。

「なんでこんなにビリビリなの……?」

綺麗に16分割ほどにされた短冊を、暇人であり、物好きな私はパズルのように組み合わせ始めた。
最後は恐らく「ように」で締められているからこの紙は此処で、空白の部分は無視して、このピースは此処で…と嵌めていく。

「ええっと……聖なる……あ、違う、これ、聖、か」

そこでもはや嫌な予感しかしなくなったけど、私は一応、読んでみた。

194名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 23:43:14
「……聖の聖を聖したい……もっといっぱいエ…」

顔が沸騰するような感覚を覚えて私はせっかく揃った短冊をぐしゃりとまた丸め込んだ。
そりゃこんなこと書いたらビリビリに破られるに決まっている。
たぶんあの天窓にラリアットされたんだろうな…なんてその風景を想像しながら、もはやごみと化してしまった短冊をどうするか、悩んだ。
帰って教室のごみ箱に捨てようかとも思ったが、次に目に入った短冊を見て、私のその考えは一瞬で引っ込んでしまった。


―――いつまでも、シアワセでいられますように


ピンク色のそれに書かれた願いは、紛れもなく、破ってラリアットをした彼女のものだ。
私の声を最初に褒めてくれたあの人の恋人は、だれよりもあの人を想って、あの人の傍に居たいと願っている。
そうして祈りを捧げる日々こそが、シアワセなのだと、知っていて。

「うらやましいなぁ……」

ないものねだりをしながら、私は破れた短冊をそっと空になった箱の中へとしまい込んだ。
穴の開いた紙の上の部分だけを手に取り、丁寧にひもを通し、ピンク色の横に飾る。
「聖の」としか書かれていない不恰好な黄緑色だけど、なんだかこれはこれで悪くないと私は思う。

195名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 23:43:53
ほかにはなにが書いてあるんだろうと私は再び短冊を見つめる。
すると、これまた大きく「あゆみの胸がおっきくなりますように」と書かれているオレンジ色の短冊を見つけた。
どうして男の人ってこういうことしか書かないんだろうと私はもはや呆れた。
しかも名前書くって失礼ですよ、いくら事実だとしても。だいたいああいうのって本人の努力でどうこうなる問題じゃないと思うんです。
遺伝とか小さいころからの食事の摂取とかで変わるんですから放っておいてください。

「石田さん、ごめんなさい」

だれも見ていないだろうけど、私はとりあえず頭を下げた。
だって、その横に飾ってあった青い短冊には、恨み言なんかじゃなく「もう少し素直になれますように」って真剣なお願いが書いてあったんだもん。
私がばかにしたことはもちろん悪いし、なにより、彼女のまっすぐな想いが胸に刺さった。
私もこれくらい素直になれたら良いのに。

本当は風紀委員なんてやりたくない。嫌われるのなんて怖いし、もっと友だちだってつくりたい。
陰口をたたかれるのも、時に面と向かって悪口を言われるのも、ケンカを売られるのだって、好きじゃない。
そういう風に正直な想いを叫べば、なにかが変わるのだろうか。


そんなことを考えていたらまた風が吹く。
夏風。雨の匂い。葉っぱの香り。優しくて痛い、そんな感じ。ああ、いやだな。すぐ感傷的になる。


―――中とうぶのみんな、かなてくだせーん!!


そして目に飛び込んで来た短冊。
夏という季節にぴったりなエメラルドグリーン。夏風のように爽やかな淡い色を携えて、その短冊はゆらゆら揺れる。

196名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 23:44:31
「……もう。なんですか、これ」

笑う、しかなかった。
一瞬で、私の気持ちを変えてくれる、不思議な色。
あの人は不思議。私を落ち込ませて、喜ばせて、突き放して、包み込んで。

あの人は、不思議―――


私はそうして目を細めると、マジックの蓋を取り、小気味いい音を立てて短冊に願いを込めた。
走り書きだけれど、決して下手ではない字だ。


―――中等部のみんなが、穏やかに過ごせますように


「……こういうところでくらい、欲張った方がいいですか?」

でも、こんなふうな言葉を綴るのもまた、私の性格なんだと分かり切ったうえで目尻を下げ、ラベンダー色の短冊をそっと笹に飾る。
柄にもなく笹に頭を下げ、スカートの裾をふわりと翻し、生徒会室をあとにする。すると、すぐ近くの音楽室から、吹奏楽部の音楽が聴こえた。
聴いたことのない音楽。だけど、なんだかこの七夕の季節によく似合う、切なくも優しい音色だった。
涙雨で逢瀬のできない織姫と彦星をふと思う。
あなたたちは、今日は、シアワセじゃないんですか?と。

余計なおせっかいを思いながら、彼女は階段を駆け下りる。
また、夏の風が優しく、校舎を通り抜けていった。



彼と彼女の七夕物語 おわり

197名無し募集中。。。:2014/07/07(月) 23:45:03
以上です

198名無し募集中。。。:2014/07/08(火) 00:29:18
素敵な七夕作品!
そういえば歴代紫担当メンバーはグループのことを想う人たちだったなぁと
何人か例外はいますけどねw

199名無し募集中。。。:2014/07/09(水) 11:04:28
http://stat.ameba.jp/user_images/20140709/09/sayumimichishige-blog/66/b1/j/o0480032112997821660.jpg
色々と出来過ぎた写真だな

200名無し募集中。。。:2014/07/09(水) 12:40:08
すごいねこれw

201名無し募集中。。。:2014/07/11(金) 21:01:25
三浦祐太朗くんの月になってという曲が光射すっぽいのでぜひきいてみて
( `. ∀´)の舞台の共演で知ったんだけどねw

202名無し募集中。。。:2014/07/11(金) 23:04:09
|||9|‘_ゝ‘)<りほ!もうすぐ香音ちゃんの誕生日っちゃろ?作戦会議するっちゃ
ノリ*´ー´リ<映画館じゃ喋れんのじゃ

http://stat.ameba.jp/user_images/20140711/20/morningmusume-9ki/6e/4f/j/o0480064013000188344.jpg

203名無し募集中。。。:2014/07/12(土) 02:39:45
本スレ重くて書き込めない

204名無し募集中。。。:2014/07/12(土) 11:10:43
今普通だけどまだ重いかな?

205名無し募集中。。。:2014/07/12(土) 23:19:13
>>201
アコースティック版ですが聴きました
教えていただきありがとうございましたm(__)m
待ってる人そんなにいないでしょうががんばりますw

206名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:52:31
予告通りに見・参☆

というわけで。
今年もお借りさせていただきました。ありがとうございます。

苦手な方は全力でスルーお願いします。


光射す場所への設定を他人が書いてみたよ編2

207名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:53:09

光射す場所への設定を他人が書いてみたよ編2


シーツの海に漂う彼女は、本物の人魚のようだった。

愛しくて、愛しくて。壊したくなる。
切なくて、切なくて。抱き締めたくなる。

のど笛に噛みつく。
声をくぐもらせ、それでも喘ぐ彼女はとても妖艶で。

その無垢な体に自分を刻みつけたかった。
そっ、と彼女の体に指を這わせる。

「あぁ……っ!」

高ぶったかのような声に気をよくして行為を続ける。

「はあっ、あ、ふぅ、ん……っ!」

指を動かす度に上がる嬌声。

「みちしげさん……」
「り、ほり……」

喘ぎながらも自分を呼んでくれる、その桜桃のような唇に自分のを重ね――

208名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:53:43

「わああああっ!!」

叫び跳ね起きた。

「……?」

はあ、はあと荒い息。汗をかいた頬に貼りつく自分の長い髪。周りを見る――間違えようのない自室。着ている服は……パジャマ。

「ゆ、夢……?」

確認するかのように呟いて――脱力した。
好きな人を懸想する夢を見るなんて……男子中学生か、自分。

時計を見るとアラームの設定より1時間早かったけれど、もう一度寝ようなんて思わなくて。
寝汗と共に燻った心も洗い流そう、そう考えてシャワーを浴びるためにベッドから出た。

209名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:54:18

「おはよう、りほりほ」
「お、はようございます、道重さん……」

今朝の夢のせいで、彼女をまともに見ることが出来ない。
微妙に視線をずらす里保をさゆみは不思議そうに見た。

「どうかした?」
「いえ……今朝、少し寝違えまして……」

あまりにも在り来たりな嘘をつく。
彼女はそれを信じたのか、小さく笑って、そっと手を伸ばし、
「お大事に」
と言って、首を撫でてくれた。
首を撫でる指の温もり、それだけで昂ぶりそうになる。

朝からなにを考えている、そう自分を罵倒して、努めて平静のフリをして彼女を車に乗せた。

210名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:54:56

撮影所の控室で、改めて今日のスケジュールを確認する。
さゆみの所属する事務所がオーディションしてグランプリを獲った新人モデルとの共同撮影があった。
どんな人物だったっけ、そう考えているとタイミングよくドアがノックされる。
「はい」一声かけて近づくと、
「おはようございます!」と元気な声がドア向こうから聞こえた。
その声を確認してからドアを開ける。
スレンダーなモデル体型の健康的な肌を持つ人物がそこに立っていた。

ああ、この子だっけ、そうぼんやり思っていると。
「あの、道重さんはいらっしゃいますか?」
とオズオズとした声がかかる。
我に返り、「はい、いますよ」そう言って体を横にずらす。
彼女はさゆみを見た途端、瞳を輝かせ、
「本日はよろしくお願いします!」と挨拶した。
そして、さゆみがなにか言う前に、
「あの私! 道重さんに憧れてこの世界に入りました!」
よく通る声で言った。
「そうなの?」
さゆみは疑問形を口にしながらも表情は柔らかく崩している。
椅子から立って、新人に近づくさゆみを。里保はどこか遠い出来事のように見ていた。
「今日一緒に撮影できることが光栄です!」
「そっか。お互いに頑張ろうね」
そう言って右手を差し出す。新人は両手でそれを握り返した。
「嬉しいです! ありがとうございます」
「そんなに喜ばれると、なんだか恥ずかしいよ」
と。

彼女の頭を撫でた――。

211名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:55:42

ちょ、ちょっとちょっとみちしげさん!!

現実に引き戻された里保は、声に出したいのをなんとか堪える。
撫でられた新人モデルは顔を真っ赤にしてさゆみにお辞儀をしている。
もどかしい気持ちでぎりぎりしているとスタッフが二人の撮影の用意が出来たと知らせに来た。
「じゃ、行ってくるね」
「はい……」
二人、手を繋いで出て行く。里保はそれをただ見送った。

もともとこの部屋で領収書整理をしなければならないことは伝えてある。
だから、二人が出て行くことはなにも不自然はない。
ないのだが――。

「……ええぃっ!」
ぐちゃぐちゃに固まった思いを叩きつけるかのように、カバンを逆さにして勢いよく領収書の束を机に広げる。

それから二時間、他のことを考えないように領収書整理に没頭した――。

212名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:56:16

経費項目別に分けた領収書の山をクリップでまとめる。
山をファイルに仕分け、カバンの中に戻した。

「はあ……」
事務作業は体力を使わないが妙に肩が凝る。
コキ、と首を鳴らし、体を深く預けることができるソファへと移動する。

道重さんはまだ撮影だろうか……――ぼんやりと、まだ時間がかかるのなら後で様子を見に行こう、そう考える。

……今日はやけに眠い。
……あんな夢をみたせいで眠りが浅かったのかもしれない。
……目を閉じているだけでも少しは楽になれるかも。
眼を閉じる。
――すうっと意識が遠ざかるのが分かった……。

…………。

カク、と首が落ちた瞬間に目が覚めた。
自分が寝ていたことに気付いて慌てて立ち上がる。はらり、と体にかかっていた物が床に落ちた。
え? と思うと、それはどこか見覚えのあるブランケットで――誰の物か、そう考えるより先に、

「あ、起きた?」

持ち主が里保に声をかけた。

213名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:56:51

ソファで寝ていた自分の隣に彼女がいた、その事実に驚愕する――マネージャーが寝て、それをトップモデルが見守る、だなんてトンデモ逆転だ。恥ずかしさで顔が熱くなる。
……というよりは。この人にはみっともないトコロなんて、見せたくないのに。

「夏でも風邪引くよ?」
相変わらず彼女は優しい声で言う。
「道重さん、帰ってらしたのですね……」
狼狽えるこちらを意に介さず、
「うん。ただいま」
と彼女はサラリと言った。

「……すみません……寝てしまって……それにブランケットまで……」
「いいよ、寝顔可愛かったし」
その言葉に悪意はなく、本当にそう思っているようだった。――それはそれで恥ずかしい。

落としたブランケットを拾って折りたたみながら尋ねる。
「あの、……新しいモデルの方は?」
聞かれたさゆみは不思議そうに答える。
「一人での撮影中だけど?」
「……そうですか」
目線を落とした里保にすぐ気付いたらしい――。
「――あの子がどうかした?」
こちらの調子を汲み取って質問を返す。

214名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:57:29

里保は畳む手を止め、さゆみの方を向いたものの、敢えて訥々と言葉を出す。
「可愛い方でしたよね」
「うん。かなり整った顔をしてたよね」
「素直で明るい感じでしたし」
「うん。すごい好感がもてたね」
「道重さんのことすごく尊敬してましたね」
「うん。あれは嬉しかったな」

「道重さんも、満更じゃなかったですよね」
「――りほりほ?」

違う。こんなこと、言いたいわけじゃないのに。
道重さんは後輩想いですね、ただその一言で済むハズなのに。
だけど――けれど――、
けれど言葉は止まらない。

「あ、その……お似合いでしたよ」
思った以上にぶっきらぼうになってしまった。
里保の言葉にさゆみは目を丸くして、それから、

「もしかして……ヤキモチ?」

どこか嬉しそうに聞いた。

215名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:58:04

さゆみの驚きは目を丸くした程度だったが、図星を突かれた里保の驚きは比ではなかった。
慌てふためく、という言葉が相応しいほど、焦っていることが分かり、それに若干早口になっている。
「いえ、ヤキモチじゃなくてっ」
「うん」
「えっと、道重さんは後輩との距離が近いと言いますかっ」
「うん」
「だから、不安になるというか……」
「うんうん」
もうこれ以上、彼女を見ていられなくて里保は目を逸らす。
「つまり……」
さらり、頭に柔らかい温もりが触れた。
彼女を見ると、にこにこと満更でもない表情で里保の頭を撫でている。

――欲しかったけれど、素直に言えなかった感触。

「……子ども扱いしないでください」
こんなこと言うのが子どもだと自分で分かっている。
さゆみは何も言わずに笑顔で里保を撫で続けていた――。

――だめだ、この人にはかなわない。心からそう思った。

216名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:58:48

夜。

今日の仕事が終わり、さゆみをマンションまで送る車中。
自然と二人の会話は間近に迫ったさゆみの誕生日のこととなった。

「去年はお仕事だったから、今年はお休みしたーい」
「多分、今年も仕事ですよ」
「むぅ。りほりほ冷たい」
そう言いながらも、さゆみは「ま、お仕事があるのはいいことなんですけど」と呟いている。

「ね、誕生日当日じゃなくてもさ」
「はい」
「またお休みが取れたら、二人で出かけよっか」
広島のときみたいに、そう続ける彼女の瞳は輝いていて、年齢より幼くみえた。
それが可愛くて、つい、くすりと笑みが零れる。
「――いいですよ。どこにでもついていきます」
「本当に?」
ちょうど信号が赤なのでブレーキをゆっくり踏んで車を止めてから、彼女の方を向いた。

「ええ。貴女が望むのなら、月の裏側までも」
一緒に行きます――そう言った声は自分で思った以上に甘い音だった。

217名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 12:59:26

それから首を正面に戻す。――運転中ということもあったが、それ以上に気恥ずかしさがあった。
少しだけ、車の中で二人無言だったが。

「Fly me to the moon だね」

とても嬉しそうにさゆみが言った。

その弾んだ声の調子で里保も笑顔になって運転する。

脳内で一つの曲が再生される。それは――ジャズが好きな義父がよく聞いているやつで。
あぁそうだった、これは――。
Frank Shinatra の「Fly me to the moon」だ……。

Fly me to the moon
Let me play among the stars
Let me see what spring is like
On a-Jupiter and Mars
In other words, hold my hand
In other words, baby, kiss me
…………

街灯に照らされた道を、車はゆっくりと走っていった――。

218名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 13:00:02

さゆみのマンションの前、車は静かに止まる。
「では夜更かししないで早く寝てくださいね」
「りほりほはこの後は?」
「私は事務所に戻って仕事です」
「そっか、残念」
美味しいお酒を貰ったのにな、なんて言いながらシートベルトを外して外に出る。
里保は運転席にいたまま、彼女がエントランスに入るまで見守る、のが常だった。
さゆみは車から出て――それから、ととと、と車を回って運転席にいる里保のほうまで来た。
コンコンとガラスを叩き、開けるように促すさゆみを疑問に思いつつ、里保は窓を下す。
「道重さん?」
「ね、りほりほ、約束して?」
「はい?」
「どこまでも、月まで一緒だって」
彼女のこんな言葉に、里保は小さな目を更に細める。それでも、しっかり目と目を合わせて、嘘偽りのない想いを口にした。

「はい――どこまでも……ずっと貴女の隣にいます」

さゆみはくすぐったそうにその言葉を聞いて――「はい」と小指を差し出した。
「……? えーっと……」
「知らない? 約束の、おまじない」
「――ああ」
里保も手を伸ばし、自分の小指と彼女の小指を、絡ませる。

219名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 13:00:43

ゆーびきーりげーんまーん うそついたら針千本のーます ゆーびきった

指と指をそっと外し、
「なんか、子どものころに戻ったみたいです」
そう素直な感想を述べたら、
「いいの、こういうのは子どもっぽいほうが」
と、簡単に肯定された。

「じゃあね、おやすみ、りほりほ」
「お疲れ様でした。おやすみなさい、道重さん」
そう返すと。

さゆみはイタズラっぽく、
「夢の中でも逢えたらいいね」
付け加え、それから建物に入っていった。

残された里保は――呆然というより、陶然と、さゆみの言葉に絡め取られる。
甘く痺れ、マンションに消えていくさゆみの姿をただ目で追った――。

220名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 13:01:24

…………。

清く澄み渡った丸い月が夜空にあった。

その化身のような美しさを湛えた女性が一人、窓から月光を浴びていた。
女性は似つかわしくない缶を一つ、両手で持っている。
「嘘つきだね、キミは」
手の中は、あの子が好きだった銘柄の缶ビール。

7月13日の今日。
当たり前のように仕事があり、当たり前のようにそれらをこなした。
ただ、隣にあの子はいない――。

貰ったプレゼントたちはテーブルに放っておいた。プレゼントたちがテーブルの上で軽く小山を作っている。
ファンから貰ったものもあれば、おっきな赤ちゃんとも表現できる後輩や、驚く程のモデル体型を維持している健康的な肌を持つあの後輩からのも入っている。
しかし――今のさゆみにはどうでも良かった。

たとえ豪奢な宮殿をもらうより、彼女に逢いたい――。

手の中のビールを一口煽る。
やっぱり、苦い。どうも自分はビールとの相性は良くないな、と一人で苦笑する。

苦い、味。
苦い、恋。

真珠のような涙が一粒、床に落ちた。


光射す場所への設定を他人が書いてみたよ編2 終わり


お粗末でした。

こんな内容ですが道重さゆみさんお誕生日おめでとうございます。

祈願! 光射す再開!

221名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 13:21:50
りほりほ居ない…
本編とリンクしてる〜(T_T)

222名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 15:28:56
だめだわOrz続き行ける人お願い

223222:2014/07/13(日) 16:29:04
何とか最後まで行けましたε=( ̄。 ̄;)ホッ

224名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 16:35:13
>>222
ご迷惑おかけしました。
転載ありがとうございますm(__)m

225名無し募集中。。。:2014/07/13(日) 23:33:57
本スレ重い

226名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:20:27
えー…取り敢えず“7月13日”のタイミングは外しましたので投下します
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦を……

227名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:21:54
「……馬鹿たれ」
机の向かい側から、呆れたような声がした。
鞘師君は、それを聞いて、怒るどころかますます身を縮めて俯く。
当然ながら、声の主は生田君である。
そして、ちょっと離れたところには、聖がハラハラした表情で座っている。

「お前なぁ……香音ちゃんが折角新しい服着て見せに来てくれたとに、何も言わずにおっぱじめた、やとぉ」
「……」
「そら、香音ちゃんもあげん言うわけたい」
「だって……」
「何ね?」
「ワシ、何て言うて良えか分からんかったんじゃもん」
「阿呆か。『可愛いよ』ってひと言で済むことやん」
「……」
「えー、でも、そうやって態度で示してくれるのだって聖は嬉しいけどなぁ」
「聖。お前、ちょっと黙っとらんね」
「でもでも、えりぽん、最近ご無沙汰だし……」
「だーかーら!何やったら後でゆっくり抱いてやるけんが!」
「そんなこと言って、いつも……」
「あの…えりぽん…フクちゃん…ワシと香音ちゃんのことは……?」
危うく本格的に痴話喧嘩を始めようとした生田君と聖は、ハッとして、顔を赤くし、押し黙った。

生田君はワザとらしくゴホンと咳払いをして
「で?」
「何じゃ?」
「何でひと言くらい言うてやれんかったと?お前やったら、歯の浮く台詞のひとつやふたつ浮かんでくるとやろ?」
「じゃけん……」
「何ね?」
「香音ちゃんは、違う……」
「何が違うと?」
「簡単に、いい加減な言葉で言えんじゃった。『可愛い』でも、『綺麗』でも無くて…」
「ん?」

228名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:23:07
「その場がパアッて輝いて…この手の中に閉じ込めておきたい、宝物に見えたんじゃ」
呆れ顔の生田君を前に、鞘師君は話し続ける。
「じゃけ、ありふれた言葉で片付けとう無かったんじゃ」
「……ほう。それで」
「この気持ちを香音ちゃんに伝えるのは、抱き締めるのが一番かな、って思うてのう……」
「……うん」
「抱き締めたら…香音ちゃんの甘くて良い匂いがして…我慢出来んじゃった……」
「……で、何も言わずに折角の服を脱がした、と」
「……うん」
「そら、香音ちゃんが傷つくのも当たり前やん」
「……傷ついとったんか?」
「泣きそうな目ェばしとった。そして、お前と聖を見らんで、遠くを見とった」
「とお、く……?」
「お前のことを思い切る目ェたい」
「香音ちゃん、が、ワシを……?」

「香音ちゃんはな……」
「な、なん、て、言うたん、じゃ?」
「こんなに人を好きになるなんて思わんかったって……」
「……」
「お前のこと、何もかも独り占めしたくなるって……」
「独り占めすれば良かったじゃろ!ワシは、香音ちゃんだけのモンじゃ!!」
「あのな里保。そう興奮すんな。で、お前、それ香音ちゃんに言うたんね?」
「言わんでも分かってくれとる……」
「じゃ、どうして香音ちゃんは行ってしまうなんて言うたとや?」
「それは……」
生田君は、ひとつだけ、大きく息を吸った。
「香音ちゃんは、不安やったんやなかとね?」
「……」
「お前の気持ちが分からんで」
「……」
「そばってんか、あげんこと言うたんやなかと?」

229名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:24:38
何も答えられなくなった鞘師君を見て、生田君は溜息をひとつ吐いた。
「英語のせんせーに聞いたっちゃけど…」
「?」
「香音ちゃん、行くにしても、行かんにしても、もう一遍は帰ってくるそうたい」
「か、帰ってくるんか?!」
「今回は、向こうの人達の説明せらすとを聞きに行くんで、家族全員で行かしたとやろ」
「説明?」
「向こうの受け入れ態勢とか、向こうでの生活とか。本当に行くとやったら、大事やろうが」
「……うん」
「香音ちゃん家のおじさんおばさんにとっても、大事な娘を手放すことになるけんね」
「あ……」
そうだった。
香音と離れるのが辛いのは自分だけだと思っていた…。
おじさんやおばさんには、もっと辛いことになるんだ……。

「でな、里保」
「何じゃ?」
「お前、香音ちゃんが帰ってきても近付くな」
「え…な、何で?!」
「俺じゃあ、荷が勝ち過ぎるかもしれんが、な」
「……」
「香音ちゃんに、男に優しくされることがどんなもんか、教えてやりたかったい」
「そ、それ、ワシで良えじゃろ!そして香音ちゃんに……」
「あのな」
「何じゃ」
「お前の所為で、香音ちゃんは男に絶望しとると。それも分からんとや?」
生田君の言葉は穏やかだが、眼光は鋭い。
それに射られて、鞘師君はビクッと体を強張らせる。
「せめて、次に巡り会う男を拒絶させたくは無か」
「このままワシとじゃ……駄目なんか?」
「自分の胸に手ェば当てて考えてみらんか」

230名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:25:43
翌日遅く、香音は帰ってきた。
翌々日から、登下校の際には必ず生田君が寄り添うように歩いていた。
生田君は、聖にも、香音に近付くことを許さなかった。
「どうして?聖も香音ちゃんと話せないの?」
「聖…お前が甘い顔するから里保がつけ上がって香音ちゃんを傷つけたっちゃん。お前も共犯みたいなモンっちゃろ」
「何でよ!何で聖が……」
「俺達も、小さい子どものままや無か。お前もちっとは自覚せんね」
鞘師君は、聖から様子を聞こうと思っていた当てが外れて呆然とした。
そして、表面は穏やかに装っていた生田君の怒りもまた、ひしひしと身に沁みていた。
鞘師君は、登下校は聖とふたりで、香音と生田君に見え隠れについて行った。
生田君は時折ちらりと視線をこちらに投げかけた。その鋭い一瞥に、鞘師君は動けずにいた。

……とは言うものの、同じクラスなのだから、必然的に教室では一緒になる。
が、鞘師君は、いつものようにベタベタすることは出来ず、俯いて身を縮こめていた。
香音も、鞘師君に挨拶くらいはするが、特に気にする様子も無く過ごしていた。
「おい鞘師」
「何じゃ?」
「お前、鈴木と喧嘩でもしたのか?」
「いや……」
「…ま、その様子じゃ悪いのはお前の方みたいだしな。とっとと謝っちまえよ」
「謝って……それで済むんかのう」
「お前が何したのか迄は知らねえけどな。土下座してでも謝って許して貰えや」
「……」
その場合、誰に謝れば良いのだろう。
香音だけで良いのか?
生田君や、聖にも謝るのか?
……考えても堂々巡りで答えは見つからない。

「クラスの雰囲気が重いのも分かってるよな」
「え?」
「クラスのみんなは、お前らの味方なんだぜ」
「……」

231名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:27:08
「俺ら男子は、鈴木に近付こうとしてる男をガッチリ牽制してるし。お前への取次ぎも拒否してるし」
(……確かにバレンタインのときのチョコレートの取次ぎも他のクラスの男子じゃった……)
「女子も鈴木のことがっちりガードして、嫌がらせ受けないようにしてるんだしさ」
「知らんかった……済まんかったの」
「だからって訳じゃ無えけどさ、早く仲直りしろって」
それでも鞘師君は、香音と生田君に近付けずにいた。
生田君の言葉に気圧されたのではない。
香音に、拒絶されるのが怖かったのだ。

季節の変わり目の天気はコロコロと変わる。
その日も、日中は大雨が降ったが、帰り際にはからりと晴れて暑いくらいになっていた。
香音と生田君が肩を並べて歩いている。
それを見るだけでも、気が重くなっていた。
ふと気が付くと、冠水に近い大きな水溜りが出来ている道がある。
香音と生田君が何かを話しながら歩いている。
鞘師君は、身を乗り出すように、ふたりの会話を聞いた。
「わ…えりちゃん、これじゃ靴濡れちゃうね」
「そうやね…香音ちゃん、これ持って」
「?」
生田君に渡された鞄を、訝しげな顔をして香音が受け取る。
……と、生田君は、ひょいっと香音を抱え上げた。
「ちょ、えりちゃん!」
「暴れんで。落ちるけん」
お姫様抱っこの体勢で、生田君はすたすたと歩きだした。当然、靴はじゃぶじゃぶと水を踏んでずぶ濡れになる。
香音は、落ちないようにキュッと生田君の首に手を回し、申し訳なさそうな顔をしている。
水溜りを渡り終えると、生田君は優しく香音を地面に降ろした。
「……ごめんね。びしょ濡れにさせちゃって」
「ごめんはいらんよ。女の子を濡れさせんのは当然やけんが」
「でも……」
「香音ちゃんは気ィ使い過ぎったい。こういうときくらい、甘えれば良か」
「うん……ありがと」

232名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:29:05
鞘師君は、一部始終をふたりの後ろで見ていた。
目の前が真っ暗になった。
胸が引き裂かれそうなくらいに痛い。
体ごと、バラバラになりそうだ。
生田君が好きなのは香音では無く聖だ。生田君が、香音に手を出すことなど考えられない。
それでも…生田君が香音に触れたことが…香音が生田君の腕に身を任せたことが……。

ふと傍らを見ると、聖がぷうっと頬を膨らませている。
「何よえりぽん!あんなコト、聖にもしてくれたこと無いのに……」
「フクちゃん?」
「もう!後でとっちめてやらなきゃ!」
「……フクちゃんは、あれを見て辛くは無いんか?」
「え?」
聖は鞘師君の方に振り返り、鞘師君をじっと見詰めた。
「だってさ、えりぽんは聖のこと好きだって分かってるもん」
「あんな風に…してても?」
「だってえりぽんはちゃんと聖のこと好きだって言ってくれるし」
「あ………」
そう言われて、思い当たった。
最近は、香音にちゃんと「好きだ」とは言っていない……。
自分の言葉が足りないことは自覚しているけれど。
大切なことは口に出さなければならない筈なのに。

「だから、不安だったんじゃろうか……」
「え…と…里保ちゃん?」
「ん?」
「もしかして、香音ちゃんに、ちゃんと好きだって言ってあげてないの?」
「……うん」
「どうして?」
「抱き締めれば、伝わると思うとった……」
聖は、半分納得したような、半分呆れたような顔をした。

233名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:30:51
「それじゃ不安にだってなるよ」
「……」
「えりぽんはああだけどさ、里保ちゃんはモテるでしょ?」
「そんなことは……」
「あるの。ちゃんと自覚しなさい」
「う……」
「香音ちゃん、それじゃ、里保ちゃんのこと諦めちゃうよ。昔っから、香音ちゃんは諦めるの早かったじゃん」

鞘師君は、何も言えなくなった。
聖は、溜息を吐いて
「じゃ、さ」
「……うん」
「えりぽんに言っとく。里保ちゃんと香音ちゃんにもう一度話をさせてって」
「フクちゃん……」
「香音ちゃんにちゃんと好きだよって、今度こそ言いなさい」
「……」
「綺麗にまとまった言葉なんていらないの。思ってること、素直に全部伝えなさい」
「……」
「香音ちゃんなら、分かってくれる。香音ちゃんを引き留められるの、里保ちゃんしかいないんだからね」
「……うん」


香音は、帰国してから、毎日放課後に交流協会の理事の訪問を受けていた。
香音のニュージーランド行きは、先生達の間でも賛否が分かれているのだ。
早くから馴染んで、向こうの生活に溶け込んだ方が良いという先生。
もっと日本で学んで、日本のことも理解を深めた方が良いという先生。
職員室の中でも、この議論は終わりが見えないまま、続けられていた。
この日も、進路相談室で、担任の先生と、ニュージーランド行きを渋る香音の両親を交え、理事の説得が行われていた。

「…とまぁこのように、向こうでの受け入れは万全の態勢を敷いております」
「しかし香音はまだ親元を離れるには若過ぎるのでは……」
「お父さんお母さんのご心配は、重々承知しております。が、それも踏まえまして我々は……」

234名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:32:55
トントン

ガラッ

「失礼します!」
「な…何だね!道重君と、飯窪君まで!」
「今回のことで、ひとつ提案があって参りました!」
連れ立って進路指導室に入ってきたみちしげ君と春菜を見て、先生も、交流協会の理事も目を白黒している。
「理事さんには既にお聞き及びのことかと思いますが…」
「あ…もしや、道重財閥と飯窪財閥からのお申し出があった、あの件ですかな?」
「流石、お話が早い」
「み…道重君。何のことかね?」
春菜が話に割って入る。
「実はですね、先生。ミチシゲと、イイクボは、この度ニュージーランドとの交流のための基金を作ったんです」
「基金?」
「ええ、主に若年者の交流のための基金ですわ」
「それが、何か?」
みちしげ君が話を引き取って進める。
「手始めに、我々は、留学生が安心して住める寮の建設を始めました」
「ほう」
「セキュリティ完備、警備員による出入りの管理、三食賄い付きの寮です」
「ふむ」
「留学生には格安の料金で入って貰います。無論、経済的な理由を補う為に、奨学金も準備しております」
「それはまた……」
理事は、感極まったような声を上げる。
「そのようなご配慮をいただけるとは…しかし、おふたりは未だ財閥を動かせるお立場に無いのでは?」
「当主である祖父と話し合いました。この件については、僕が一任されております」
「父や重役との会議で、百万米ドルの資金をご用意いたしました。運用は私が行うようにとの指示を受けております」
「何と……」
「しかし、建設には時間が掛かります。早くても今月いっぱいの工期とのことです」
「他ならぬ学友の鈴木さんですもの。万全を期して、環境を整えたいですわ」
「さよう…おふたりのご友人思いのお言葉には、まことに私共も頭が下がります」

235名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:34:07
みちしげ君と春菜は、香音と両親にくるりと向き直った。
「そういうことだから、まだ少し考える時間はあるから」
「じっくり考えてみてくださいね、鈴木さん」
「で、でも、そこまでされちゃうと……」
「ね、鈴木…香音さん」
みちしげ君は、香音の両親に視線を向けて、ちょっとだけ言い直した。
「あんただけの為じゃないの。もう留学生の何人かには声を掛けてあるの」
「交流協会だけではなく、いずれ道重や飯窪の系列会社に入って貰うことも考えているんですよ」
「そ。有能な人材の確保、ってね」
ポカンとしてしまった香音に、みちしげ君と春菜はさらに言葉を継ぐ。
「もしあんたが行くなら、ウチのセスナで送ってあげる。それこそ寮や学校の近くまでね」
「日本文化の習得も必要でしょうし、よろしければ、先ずは私が華道の心得などお教えしますよ」
「だからじっくり考えなさい。今行くのがベストなのか、ってことも含めて、ね」



夢のつづき(中篇)    了

236名無し募集中。。。:2014/07/14(月) 23:40:03
以上になります
だらだら長い妄想で申し訳ありません

流石に次回で終わりたいと思いますが…多分もっと長くなりますので斧を使わせていただきたいと思います
(カウンターがあることは今回斧の画面を見返して遅まきながら気が付きました…未熟者です)
そのときはtxtファイルで書き込んだ方が良いですかね?

237名無し募集中。。。:2014/07/15(火) 00:59:35
とりあえず転載してきますね

238名無し募集中。。。:2014/07/15(火) 01:10:03
行って参りました。不備があったら申し訳ないです
斧に投下の場合はtxtでもwordでもどっちでも良いと思うけどtxtの方が無難かな?

239名無し募集中。。。:2014/07/15(火) 04:12:50
ハラハラさせますね生田くんが腰痛めてないか少し心配した人ですw
ファイルはtxtの方が良いかもですね

240名無し募集中。。。:2014/07/16(水) 00:32:51
ものすごく続きが気になる!

241名無し募集中。。。:2014/07/17(木) 23:48:37
鞘師君早く仲直りしてね
http://stat.ameba.jp/user_images/20140717/23/morningmusume-9ki/62/93/j/o0480032113006197505.jpg

242名無し募集中。。。:2014/07/18(金) 00:25:14
次がとてもとても待ち遠しい

243名無し募集中。。。:2014/07/19(土) 19:48:31
それでは……無駄に長い鞘香を投下します

http://www1.axfc.net/u/3279532

パスはメール欄です
こんな妄想で申し訳ありません……

244名無し募集中。。。:2014/07/19(土) 20:28:51
きた!!
読ませていただきます(^^)

245名無し募集中。。。:2014/07/19(土) 20:34:22
可愛い奴らだこのヤロー!またヘドロが出るくらいイチャこくんでしょうねw

246名無し募集中。。。:2014/07/20(日) 14:25:22
思わずウヒョー!!ってなってしまった
切な可愛かったです

247名無し募集中。。。:2014/07/20(日) 23:44:10
はっはっはっ……長いのが書き終わって少し壊れております
という訳で本スレ>>384のシゲ君リクエストの鞘重(もどき)をば少々
これこそいらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦を…

248名無し募集中。。。:2014/07/20(日) 23:45:12
どうして、こうなったんだっけ……?
僕は、訳が分からぬままに、天蓋付きの豪華なベッドの上にぺたりと座っていた。
勿論、その肌には、何も身に着けていない。
そして、ドアを開けて、ゆっくりとこっちに歩いてきたのは……
「み、みちしげ、さん……」
「りほりほ…そんなに、緊張しないで…」

ピンクのガウンをゆったりと纏った姿は、男のひとなのに、それはそれは色っぽくて。
艶然とした笑みを浮かべて、何かが入ったグラスを持って近付いてくる。
そして、そのままベッドに腰掛けると
「はい、どうぞ」
と、片方のグラスを差し出してきた。
喉が渇いていたので、迷わずそれに口を付ける。
「美味しい……」
「でしょ?さゆみの“特製”だもの」
その飲み物の味は、とっても甘くて、爽やかだった。
思わず、一気に飲み干してしまう。

「気に入った?」
こくこくと頷く。
「じゃ、もう少し、あげるね」
そう言うと、道重さんはグラスの中身を口に含み、僕の顔を、その細い華奢な指で上げさせた。
思わず、目を瞑って口を開ける。
道重さんの唇が、僕のそれに重なる。
あの甘い飲み物が、道重さんの甘い唾液と一緒に送り込まれてくる。
こくん、こくん、と、喉が鳴る。
道重さんに、飲ませて貰った所為だろうか?
先刻よりも、ずっとずっと美味しい。
そのまま舌を絡められる。ねっとりと口中を刺激する道重さんの動きに翻弄される。
ガウンを脱いだ道重さんの体が僕に重なり、ベッドに押し倒される。
温かい重みを感じながら抱き締められるのも悪くは無いもんじゃなぁ……。

249名無し募集中。。。:2014/07/20(日) 23:46:12
道重さんの肌は、無駄な贅肉が無いくせにふわふわで、すべすべで。
その感触に陶然となる。
道重さんに触れているところから、体がアツくなってくる。
「ふふっ。感じやすいんだ」
そう言われて、下腹部をそっと撫でられる。
思わず、顔がカッと熱くなった。
恥ずかしいけど、道重さんにはお見通し、ってことか。

細い指先で、胸板をつぅっと探られる。
「あんっ」
思わず声が出てしまって、僕が一番驚いた。
まさか自分が女みたいな声を上げるなんて。
「我慢しなくていいからね……」
道重さんが耳元でささやく。
その言葉と、ささやかれたときの吐息が耳の敏感な場所を刺激して、ますます体がアツくなる。

道重さんの指は、僕の乳首を弾き、ゆるゆると脇腹に移った。
普段なら、くすぐったくて身を捩るだけだが、今は、その指が気持ちイイ。
するすると脇腹を指の腹で撫でられる。
「あんっ!あっ!はぁぁん!」
先刻自分で驚いた、女みたいな喘ぎ声が僕の口から滑り出てくる。
「りほりほ…可愛い……」
道重さんの顔が近付き、チュッと触れるだけのキスをする。
「オトナのキスは、おあずけ、ね」
「そんなぁ……」

道重さんの手は、今度は僕の腹に移動してきた。
ビクッと、体が強張る。
最近、結構ぽにょったりしてたし、だらしない腹だって呆れられるんじゃないだろうか?
…と、思ったら、
「硬い、腹筋だね…やっぱり男の子なんだぁ…」
って、言って擦ってくれたから、少しだけホッとした。

250名無し募集中。。。:2014/07/20(日) 23:47:06
そのまま掌で腹をしばらく撫で擦られた後、細い指が、僕のいきり立ったモノにかかった。
「んあっ!」
「りほりほの、可愛い…」
そりゃ、道重さんの立派なモノに比べれば僕のは“カワイイ”ですよ。
そう思って、ちょっとムッとしたら
「そうじゃなくて、さゆみで感じてくれてるのが可愛いんだってば」
と、笑いを含んだ声で言う。
「す、すみません」
「いーのいーの。気にしないで。気持ちヨカッたら、我慢しちゃダメだよ?」
くすくす笑いながら言う。
あーあ、僕、敵わないなぁ……。

片手でゆるゆると僕のモノを扱き、もう片手はフクロをゆったりと弄んでいる。
流石に感じるツボは心得ているようで、僕は、その手に翻弄されっ放しだ。
ハアハアと吐く息は、どんどん荒くなっている。
下腹に力を入れて、せり上がって来るモノを必死で押さえつける。
もう、一瞬の油断で暴発してしまいそうだ。
道重さんもそれに気付いたのだろう。手の動きを止めて
「ね…このまま、イク?」
「え?」
「それとも、クチでしてあげようか?」
僕の喉がごくりと鳴る。
その“初めて”の誘惑は、とても眩し過ぎて。
「あ、あの……」

くちでして……………

それは声になったんだろうか?
道重さんは怪しい笑みを顔に浮かべて
「りょーかい」
とひとことだけ言って、僕に覆い被さる。
僕のモノに道重さんの舌がねっとりと絡ん

251名無し募集中。。。:2014/07/20(日) 23:48:31
「どわあああああ!か、かか、香音ちゃん、何書いとるんじゃあ!!」
「んー。万年発情中の里保ちゃんにはこんなのも良いかな、って思って」
「良いかな、じゃなかろうが!」
香音に殴り飛ばされて、這う這うの体で帰ってきた鞘師君は、香音が書いている文章を見て顔を真っ青にした。
「だって里保ちゃんが悪いんでしょ!」
「だってえりぽんもフクちゃんに……」
「だからって、今のあたしに『お風呂場でしようよ』なんて、どうして言えるのよ!」
「風呂場だったら後で流せば良えじゃろうが!汚れは残らん!」
「あたし今生理中だって言ったでしょ!」
「だからナカで出しても危なくないじゃろ!」
「ただでさえあっちこっち擦れると痛いのに!お腹だって痛…あ痛たたた……」
「か、香音ちゃん!」
お腹を押さえて蹲ってしまった香音を見て、鞘師君は慌てて立ち上がった。
…が、その拍子に近くに置いてあったごみ箱に躓き、派手に転んでしまった。
「い、痛ってぇ…」
「ちょっと、里保ちゃん…い、痛たたた……」
鞘師君はぶつけた膝を擦り、驚いて立ち上がった香音はまたもお腹を押さえて蹲る。
「か、香音ちゃん、薬持ってくるけぇ、そのままじっとしてて……」
鞘師君は膝を擦り擦り階下へ行き、痛み止めの薬と水を持って部屋へ上がる。
部屋の中では、香音がぺたりと座り込み、お腹を抱えている。
薬を飲むと、香音は、一旦階下に降り、また鞘師君の部屋に戻ってきた。
少し顔色が悪くなっているのも、気の所為ではないだろう。

「や、やっぱり、具合悪そうじゃの」
「ま…興奮した所為かちょっと出血も多かったしね…」
「少し、ベッドで横になっていった方が良いんじゃないかの?」
「うん…そうだね。じゃ、悪いけど、ちょっとベッド借りるね」
横になった香音を見て、鞘師君は心配そうに、ベッドサイドに座り込む。
「こうすれば、少しは痛みも無くなるんじゃ…」
と、お腹を擦ろうと伸ばした鞘師君の手は、ペシッと香音に叩き落とされた。
少し眠った香音は僅かに回復し、帰宅したが、その際に鞘師君が「生理中は手繋ぎ以外の接触禁止」を言い渡されたのは想像に難く無いだろう。
そして、香音が書いた文章の行方は誰も知らない……………。

252名無し募集中。。。:2014/07/20(日) 23:52:34
以上になります
壊れきったのーみそが捻り出したトンデモナイ妄想で申し訳ありません

また前回の妄想に感想をくださったみなさまありがとうございました
今回もまた『奇跡』に引き続きわかりやすく“さやまさし”にしてしまいました

253名無し募集中。。。:2014/07/21(月) 00:13:04
ウホッ…!と思ったら香音ちゃん何書いてんだw
香音ちゃんのあの日が終わったら入浴中のスキに特攻したらええねん鞘師君

254名無し募集中。。。:2014/07/21(月) 00:23:23
いいわ〜やっぱり鞘かの好きww

255名無し募集中。。。:2014/07/21(月) 00:44:01
いい流れですし転載しますね

256名無し募集中。。。:2014/07/21(月) 00:48:09
行って参りましたm(__)m

257名無し募集中。。。:2014/07/21(月) 13:25:19
何してんだ香音ちゃんw

258名無し募集中。。。:2014/07/21(月) 21:07:26
あー…昼酒3合であれ書いた作者ですけど……
鞘師君について少々弁解など……
鞘師君は“抜くのが間に合わないから”ああ言っただけで別に生なら出しても出さなくても良かったんではないかと

それにしても今回の書き上がりスピードはおこがましくも例の『私は犬になりたい』を彷彿とさせたような……
(エッセイによるとあれも2時間で作詩・作曲・ギター1本のデモテープまで仕上がったそうで)

いずれにしてもあんな阿呆な話をお楽しみくださいましてありがとうございました

259名無し募集中。。。:2014/07/21(月) 23:10:58
http://stat.ameba.jp/user_images/20140721/23/morningmusume-9ki/1f/8e/j/o0480048013010258767.jpg
鈴木君と里保ちゃんだな

260名無し募集中。。。:2014/07/21(月) 23:20:51
>>259
ナイスカポー
そういやもうすぐ誕生日か

261名無し募集中。。。:2014/08/02(土) 01:48:59
突然ですが本スレ>>632から…当方初のifご夫妻を…
いらねーよ!という方&苦手な方は平にご容赦を……

262名無し募集中。。。:2014/08/02(土) 01:50:10
「ねぇれいな、これも可愛くない?」
「…うん、似合うっちゃよ」
「何よぉ、その気のない返事は」
「……さゆ、もう2時間経っとるっちゃん……」
「でも、優樹も飽きてぐずったりしてないでしょーが。ね、優樹」
「ハハ、ユカタ、キレイキレイ!」
「ほらね。れいなも見習いなさい!」
「ふぁーい」


ここは、デパートの催事場。今は、丁度時期にあたるので、浴衣のバーゲンセールが開催されている。
さゆみのシフトにれいなの休みを合わせて浴衣を買いに来たのだ。
久し振りに家族3人でのショッピングの為か、優樹までもがキャッキャッとはしゃいでいる。
催事場は、階下の呉服屋と違って充分なスペースがあるので、浴衣のサイズも種類も豊富に取り揃えられている。

れいなの浴衣は簡単に決まった。紺地の落ち着いたものではあるが、水色の流水柄が全体を鮮やかに彩っている。
男性用の浴衣売り場で、ひと目見てたちまち気に入ってしまい、迷いなく手に取った。
「れいなにしちゃ地味じゃない?」
「いやいや、この流水が気に入ったと」
「確かに、流水柄だけ見てると派手にも見えるかな?」

まだ足元がおぼつかない優樹は、女の子用の可愛い甚平にした。
これもまた目に鮮やかなエメラルドグリーンの地に色とりどりの金魚が泳いでいる。
甚平を幾つか並べて見ていたら、優樹が小さな手を伸ばして握り締め、離さなかったものだ。
「来年はもう着られなくなるんだしね…」
「そうやね。やけん、優樹が気に入ったんなら良かやろ」
「それに、夏が終わってもしばらくは寝間着にも使えるもんね」
「そうそう。もう10年くらいはそのリピートでいけるけんね」
「いやいや、幾らなんでももう5年もしたら浴衣でしょう」
「浴衣なんか着て色気づくのは10年後でも早か!」
さゆみは、呆れた眼差しでれいなを見た。れいなは知らん顔でそっぽを向いた。

263名無し募集中。。。:2014/08/02(土) 01:51:10
れいなも、女性の買い物が時間が掛かるのは承知していた…つもりだった。
が、まさかこんなに時間が掛かるとは……。
「ちょっと甘く見てたかもしれん…」
「何が?」
「いや…ところでさゆ、早うせんとランチタイムが終わってしまうっちゃん」
「え!もうそんな時間?!」
デパートには開店に合わせて入り、浴衣売り場に直行したのだが、気付けば1時近くになっている。
「大変!お昼ごはん食べはぐっちゃう!」
「やけん、早うすると。どれにするとね?」
「うーん…れいなはどれが良い?」
さゆみの手には、あちこちから持って来た浴衣が5枚もある。
「そうやね、このピンクのが似合いそうたいね」
と、れいなは、淡いピンクに曼珠沙華をあしらった浴衣を手に取った。
さゆみはにっこりし、それを姿見の前でもう一度体に当てて
「じゃ、これに決めたっと。お会計してくるから、これ、返してきといてね」
と、れいなに残りの浴衣を押し付け、足早にレジに向かう。
ホッとした顔で、れいなは優樹を抱き上げ、浴衣を元あった場所に返すべく、売り場に足を向けた。


夕食後、ゆっくり風呂に入って優樹に甚平を着せ、自分達も浴衣に着替えると
「折角やし、これ、せん?」
「…いつの間に買ったのよ」
「先刻さゆが晩メシの買い物してる間に」
れいなの手には少量パックの花火セットがあった。
「良いけど…」
近くの駐車場に向け、花火と水の入ったバケツを持って、れいなが意気揚々と歩く。
優樹を抱っこしたさゆみが並んで歩く。
「優樹に持たせるのは…」
「まだ早い!火傷したらどうするの」
「じゃ、さゆは?」
「優樹抱っこしてるから」

264名無し募集中。。。:2014/08/02(土) 01:52:19
れいなは、地面にろうそくを立て、花火に火をつけた。
可愛い娘を火傷させるわけにはいかないから振り回して遊んだりは出来ないが
「チチ、ハナビ、スゴイ!」
と言いながらキャッキャッとはしゃく優樹を見ていると、みるみる顔が綻んでくる。
「なんか、花火より優樹見てる方が楽しかぁ」
「さゆみも花火好きだけど、自分で花火やるより優樹抱っこしてる方が楽しいかも…」
ふたりの視線は自然に愛娘に集まる。
その視線を知ってか知らずか、優樹は嬉しそうに手を叩き、はしゃぐ。

少量パックだからそんなに量は入っていない筈だが、半分位の花火が終わると、優樹の眼がトロンとしてきた。
「あれ?もうおねむかな?」
「…そうやね。じゃ、終わりにしよっか」
「へぇ。全部やらなくて良いの?」
「すぐには湿気ったりせんけん、またすれば良か。それより優樹寝かさんと」
「…そっか。そうだね」
さゆみは、立ち上がってよっこらしょと優樹を抱え直した。
れいなは、ろうそくと花火の残骸を片付け、さゆみと一緒に歩き出した。


ぐっすりと眠った優樹をベビーベッドに寝かせ、頬にチュッとキスをして、さゆみは立ち上がった。
「寝たと?」
「うん、もうぐっすり。お出かけと花火で疲れちゃったのかな?」
「さゆは?」
「…ちょっとだけなら」
顔を赤らめて、さゆみはベッドに座っているれいなの隣に来た。
れいなはさゆみの肩を抱き寄せながら
「えっと…こうかな?」
「え、ちょ…あん…れいなぁ……」
懐手をして、さゆみの浴衣の八つ口にその手を差し込み、胸をそっと揉む。
まだ授乳中の所為でサイズはいつもより大きいままだが、れいなの手に丁度フィットして何とも揉み心地が良い。
何よりも、ふわふわの手触りが、慣れた今でも本当に気持ちが良い。

265名無し募集中。。。:2014/08/02(土) 01:53:49
「こん…なコト…どこで……」
「YHに何とかいう小説家のエッセイが置いてあったっちゃん。それは着物やったけんが、浴衣でも出来るかなって」
「んっ…れーなぁ……」
さゆみは、力が抜けたようにれいなに凭れかかり、切なそうな息を吐いた。
それを見て、れいなは、肩を抱く手を外してさゆみの頭を抱き、唇を寄せた。
すっかり慣れた舌遣いで、互いが互いの口中をピチャッ、クチュッと探る。
さゆみは、手をれいなの背中に回してきた。
れいなは、さゆみを片手で支えながらそっと体重をかけた。
「ゆ…浴衣…しわになっちゃ……」
「後で掛けておけば良かったい」
れいなは、半ばさゆみの躰をベッドに倒し、帯にそっと手を掛け

「んぎゃああぁぁぁっ!」

「優樹!」
さゆみはガバッと体を起こし、れいなを跳ね除けた。
不意を突かれたれいなはベッドに尻餅をつく。
先刻までのうっとりとした風情が嘘のように、さゆみは脱兎の如く隣の部屋のベビーベッドに向かう。
邪魔をされたのは癪だが、娘の尋常では無い泣き声に、れいなも慌ててさゆみを追う。

れいなが部屋に入る頃には、優樹は少しだけ落ち着いていたようだ。
それでも、ぐすんぐすんと鼻を鳴らし、さゆみの襟をしっかりと握り締めている。
「ハハ…ハハ……」
「よしよし、もう大丈夫だよぉ」
さゆみは優樹を抱っこして、あやすように揺らしながら、部屋を歩き回っている。
「どうしたと?」
「怖い夢でも見たみたい。おしめじゃないし、抱っこしたらちょっとだけ泣き止んだから」
「そっか。…優樹、もう大丈夫よぉ。パパもおるけんねぇ」
「チチ…チチ……」
優樹は、れいなの指に片手を伸ばし、ぎゅっと握り締める。

266名無し募集中。。。:2014/08/02(土) 01:54:51
「じゃ、さゆ」
「ん?」
「名残惜しいけど、今日は3人で寝ると」
「…ん。そうだね」
「浴衣エッチは、また今度、ゆっくり…」
「もう……バカ」
れいなは急いでパジャマに着替えてさゆみから優樹を受け取る。
さゆみもまた急いで着替えると、れいなはもうベッドに優樹を寝かせていた。
さゆみがベッドに入り、キュッと優樹を抱き締めると、優樹は、安心したようにすやすやと眠り始めた。
その寝顔を見ながら、頭を撫でたり頬を突いたりしているうちに、ふたりとも眠ってしまった………。





〜〜〜〜〜一方その頃とあるところで〜〜〜〜〜
「じゃ、そういうことだから、着付けが出来る女を10人ほど探して」
「御意」
「この時期は浴衣で歩くカップルも多いから、ラブホテルでも需要が多いのは予想出来るの」
「仰せのとおりでございます」
「向かいの事務所の1階を開放して、着付けだけも承れば一石二鳥だし」
「は…しかし、腕の良い着付け師はかなりの人数が『S&H』に雇いあげられているそうですが」
「エスアンドエイチ?」
「飯窪様のカジュアルウェアショップでございます。オープン前ですが、プレオープンとして浴衣の販売と着付けをしておられるそうでして」
「……仕方が無いの。後で飯窪に相談して何人か分けて貰うの」
「ところで若、もしかして例の夫婦が来てしまったら…」
「少しならあのガキのことも我慢するの。これは、少子化問題を回避するための、いわば政府への協力なの!」
「は……」
みちしげ君の側近、通称【クロさん】は、這う這うの体で主の前から下がった。
いつになくご機嫌の“主”の手には、数枚の紙がしっかりと握られていた。
それに書かれているのは、いつぞや香音が腹いせに書いた“鞘重の情事”であった……………。

267名無し募集中。。。:2014/08/02(土) 01:57:11
以上になります
唐突な妄想で申し訳ありません

書きかけとはまた別ですが展開が同じようになりそうなのを必死で違えているところです
今回はこんなところでご容赦を賜れればこれ幸い……

268名無し募集中。。。:2014/08/02(土) 01:57:45
いやはや素晴らしい!
転載しますね^^

269名無し募集中。。。:2014/08/04(月) 07:01:55
【悲報】
鈴木君作者と名乗る人間が「8月5日」に備えて一行も書けてない件。
……ごめんなさい。

270名無し募集中。。。:2014/08/04(月) 09:30:35
鈴木君作者様

「ごめんなさい」は無しですよ
こういうのは書けるときに書けば良いんですから
それよりも作者さんのご病気にはこういうストレスが厳禁の筈なのですからどうぞお気を楽にしてください

俺もこれから病院ですから大口は叩けませんが
書けるもんなら“寸止め”くらいは考えてみても良いでしょうか?
書かれると邪魔だとかストーリー上支障をきたすとかなら勿論止めます

271名無し募集中。。。:2014/08/04(月) 13:55:22
>>270様。
むしろ歓迎、熱烈歓迎です。
是非お願い致します!

272名無し募集中。。。:2014/08/04(月) 21:42:39
ノd;´◇`)<優しくしてね

273名無し募集中。。。:2014/08/04(月) 21:53:45
鈴木君乙女ww

274名無し募集中。。。:2014/08/04(月) 23:43:48
君が優しくされる側なんかいw

275名無し募集中。。。:2014/08/05(火) 00:18:07
鈴木君お誕生日おめでとうございます
僭越ながら鈴木君作者様に成り代わり“解禁未満”を…
いつもながらいらねーよ!という方&苦手な方はご容赦をば……

http://www1.axfc.net/u/3290191

パスはメール欄です
鈴木君と一緒にヘタレた妄想で申し訳ありません………

276名無し募集中。。。:2014/08/05(火) 10:48:13
鈴木君がぶきっちょと思いきや意外にできる子だった…!

277名無し募集中。。。:2014/08/05(火) 12:54:52
里保ちゃんもやりよる


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