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『両儀式』(セイバー)「魔力供給?」
29
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/07(土) 16:12:42 ID:sVjgvBgs
剣式スレはもっとやれ
30
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/08(日) 14:43:52 ID:/8BCXuXQ
新作ええぞ!ええぞ!
31
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 03:26:23 ID:.mgglITs
沖田総司(オルタ)「ぬう…逃がしてしまったか。それにしても虚空に門を開くとは…奇怪なこともあるものだ」
両儀式(セイバー)「ありがとう、沖田さん。とても助かったわ」
沖田総司(オルタ)「ふあ… なんだか疲れたな。つかれみ。 …んん?変だな。 私は疲れないはずなのだが」
両儀式(セイバー)「あれだけの量を斬り伏せたんだもの、疲れるのも当然よ。よければここで少しお休みしていかないかしら? せっかく私たちを助けてくれたんだもの、お礼の一つはさせて欲しいわ」
沖田総司(オルタ)「むう…何かお前に乗せられている感じがしてあまり気が進まないが… 眠いものは仕方ない。…それに立香のこともあるしな。お言葉に甘えるとしよう。 あ、そうだ、おやつはちくわで頼む」
32
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 03:29:03 ID:.mgglITs
『ありがとう、マスター。マスターが嬉しいと私も嬉しい』
『私だって嫌だ! もっとマスターと過ごしたい! もっと世界を見たい! もっと生きたい! このまま消えたくなんてない…!』
『ああ、そうだ。マスターは私に全てをくれた。本来、この世界に存在しえない私に、居場所を、生を、全てを……。私は、マスターと、マスターの生きるこの世界が好きだ。たとえこの身の霊基が砕けようと、私はわたしの全てをかけて、マスターとマスターのいるこの世界を守ろう』
「…」
目が覚めると、辺りはすっかり暗くなっていて、部屋を照らすものは窓から差し込む僅かな月光だけだった。
和室の天井、というものは往々にして私に謂れもない懐かしさを抱かせる。 こうして安全の確保された和室に横になること自体随分と久しぶりな気がするが、それとは別に私には和室に思い入れがあるのだろう。
ふと違和感を感じ、頬に触れてみた。 …濡れている。 泣いていたのか。 何故? さっき見たもののせいだろうか。夢か、幻想か、それとも私の記憶か。
マスター、と私は言っていた。 抑止の守護者たる私にマスターなどいないはずなのだが。 …ここに来てからおかしなことばかりだ。見覚えのある少年。虚空から現れ虚空へと消えた少女。私の身体の不調。
「…喉が渇いたな」
自然と欲求が口から漏れ、再び私は頭を傾げる。 何故喉が渇く?サーヴァントは食事を必要とせず、補水もまた不要だ。
戦いの後に疲れ、眠りの内に夢を見て、起きれば喉が渇く。これではまるで人間じゃないか。
『よければここで少しお休みしていかないかしら?』
両儀式の淡い微笑みが脳裏に浮かぶ。
虚空より現れた少女ももちろんなのだが、この女性も、ともするとこの女性のほうが、得体の知れない恐ろしさがあった。
彼女は…何かを知っている。私のことも、立香のことも、あの少女のことも。
彼女を問いただしてみるか。案外あっさりと答えが返ってくるかもしれない。
またあの少女は襲ってくるだろうか。 立香やあの姉妹たちはあの襲撃を知っているのか。
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 03:30:49 ID:.mgglITs
とりとめもなく考えながら、昼の記憶を頼りに流し場へたどり着き、水を飲む。冷たい水が喉を通り、胃に流れ落ちる。
「…うまい」
思わず素朴な感想が口に出る。 …私の語彙力ならば素朴な乾燥しか述べられないのも事実だが。
「…人間、か」
サーヴァントが聖杯の力で受肉し、再び人として現世を生きることができるのは、知識としては知っている。
知ってはいても、私には無縁のことだと思っていた。
しかし、もしこのまま私の霊基が元に戻らずに、人のように飢え、食べ、眠り、そして老い、緩やかに死んでいくならば…
「馬鹿馬鹿しい」
両儀式の言う通り、疲れているだけだ。明日になれば少しこのあたりを調べて、斬るべき者を探して、斬る。それでいい。それだけでいい。今まで幾度となくやってきたことだ。
立香という少年も気にはなるが… 結局のところ、私にとっては斬るべき人間か、斬らない人間か、その二択でしかない。
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 03:31:22 ID:.mgglITs
「…?」
寝室に戻る時に、私は閉まった襖のうちの一つから灯りと声が漏れていることに気付いた。
中にいるのは昼に見た5人のうち誰かか。
それとも私が未だ知り得ぬ何者か。
ほんの少し躊躇した後、私は襖の裏に張り付き、耳を寄せた。 聞き耳は良い趣味とは言えないが、とにかく謎が多いこの地においては、情報が必要だ。
しかし聞こえてきたのは他愛ない会話でも、恐ろしい謀でもなかった。
「は、あ…姉さん…姉さん…!」
息の上がった男の声。 私の知る限り、この家にいる男は立香一人だ。
彼の声に混じって、ほんの少し高い吐息も聞こえる。 恐らくは立香が『姉さん』と呼んでいる人物。
…そういえば、私と食卓を囲んでいる時に立香は両儀式を姉さんと呼んでいた。
こんな夜更けに、二人で碌な会話を交わすでもなく何をしているんだろう。
私は襖の取っ手へと手を伸ばす。好奇心もあるが、立香のこととなると、私はいささか非合理的になってしまうらしい。そのまま新しい動きがあるまで聞き耳を立てていればよいものを、
逸る気持ちを抑えられずに私はほんの少しだけ襖を開けて中を覗き見てしまった。
案の定、中には立香と両儀式がいた。 そして… 何かを、している。 着物をはだけさせ、顔を近づけ、身体を、重ね、て…
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 03:32:48 ID:.mgglITs
「…!」
とっさに視線を襖の隙間から見える光景から外し、呼吸を整える。 いや、呼吸を再開する。 あの二人を見ている間、ずっと呼吸を忘れていた。
あれがどんな行為かくらい、なんとなくは、わかる。 立香と両儀式がそういう関係だとしても、私には関係のない話だ。そのはずだ。 でも、なぜこんなに胸が苦しくなるのか。 なぜ、こんなにも… 不快なのか。
自分でも理由は分からないが、今すぐ部屋に押し入って、両儀式を無理矢理に立香から引き剥がしたい衝動に駆られる。その時、目に入ったのは私の左手に固く握られた煉獄だった。
『戦場に事の善悪無し』
言葉が私の口から紡がれる。 しかし、それは『私』の言葉ではない。
『只ひたすらに斬るのみ』
この私の霊基を構成する基本骨子。 『沖田総司』の言葉だ。
私は、音も立てずに煉獄を鞘から抜いた。
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 13:35:37 ID:UUe/fsiU
お前の続きを待ってたんだよ!
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2019/09/17(火) 19:02:17 ID:bAdsFWRg
シリアスなのもいいゾ〜これ
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/12/20(日) 17:36:33 ID:Q23eRYM6
いいゾ〜コレ
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2020/12/20(日) 20:58:41 ID:cob6oAvk
剣式すき
40
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/01/27(水) 00:31:51 ID:gs1gLEsY
何ということはない、後ろから近付いて一刺し。
それで終わりだ。今まで幾度となくやってきたことを、もう一度やるだけ。
そして、私は襖をすり抜け、大太刀で二人を貫いた。
「----!!」
シキが白い背中を仰け反らせて息を呑む。
ゆっくりとこちらを振り向き、
「……残念だわ、とても」
そう呟いて、リツカの上に突っ伏した。
「……あ」
一時の…よくわからない感情に突き動かされて、咄嗟に斬ってしまった。
(大丈夫…大丈夫だ)
息を整えて自分に言い聞かせる。無辜の人々を斬るのは、これが初めてではない。
抑止力の守護者としての戦いの中、斬るべきでない人を斬ってしまったことは幾度となくある。
消える前に役目さえ果たすことができればいいのだ。 犠牲が何人か出ようと、仕方のないこと。
とにかく死体を処理しなければ。できればあの姉妹たちまでは殺したくはない。
私は動かなかくなったシキの身体を動かし……
リツカと、立香と、目が合った。
41
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/01/27(水) 00:32:24 ID:gs1gLEsY
「おき…た…」
シキの身体を貫通した煉獄の刃は、立香の腹も貫いていた。
「あ……」
その時。命を失っていくその少年を見た時。
私は思い出した。思い出してしまった。
『ありがとう。助かったよオルタ』
『俺だって別れたくない!一緒にカルデアに…』
『これからよろしくね、沖田ちゃん』
「マス、ター……?」
私が、殺した。私、が……マスター、を…
「…………!!」
気が付いたら、そこは再び和室の天井が広がっていた。
障子から柔らかい陽光が差し込んでいるところを見ると、今は朝か。
……無性に喉が渇く。
私は布団から飛び起き、昨夜と同じく台所へと向かった。
「あ、おはよう。えっと…沖田総司、さん。顔色が悪いようだけど、大丈夫?」
「あ………」
そこには、リツカが…マスターが何食わぬ顔でエプロンを巻いて家事に勤しんでいた。
そして、その横にはシキも。
「あらあら。『悪い夢』でも見たのかしら、沖田さん」
そう言って、シキが微笑む。昨日も見た嫋やかなその笑みが、私にはとてつもなく末恐ろしいものに見えた。
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/01/27(水) 00:33:52 ID:wC7MxwxQ
続編ええぞ!
43
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/01/27(水) 00:35:07 ID:gs1gLEsY
「……そういうわけで、私はお前たちを斬るのをやめた。しばらく世話になるからよろしく」
「…………あっそ」
何が「そういうわけで」なのか見当もつかないが、別段驚きはしない。なんとなくそうなる気がしていたからだ。
結局、こいつも、私も、立香も。全てあの女の掌の上で遊ばされている。
「……ん。 やっぱりおでんはうまいな。うまみ。 …なあ、シキ。例の少女、また現れるだろうか」
「ええ。きっとまた来るでしょう。きっとね。その時はよろしくね?」
…やっぱり私が思った通り。 あの少女も、このオキタという女も、全て織り込み済み、思い通りというわけだ。
オキタ自身も、恐らくはそれを知っている。それを承知で、それでも抑止の守護者としての責務を捨ててまでここにいる理由は。
「はぁ…確かにおいしいけど毎日おでんはちょっと飽きてきたかなあ」
呑気な顔で箸を進めているコイツだ。
そういう私だって、いけすかない『両儀式』と一緒に茶番劇を続けているのはコイツと一緒に居れる、ただそれだけだからだ。
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/01/27(水) 00:35:50 ID:gs1gLEsY
「…ははっ」
思わず渇いた笑い声が漏れる。これが根源。アカシックレコード、あるいは『 』。なんというズル、ペテン。
これに比べれば聖杯すら霞む。
要するに、あの女は文字通り『なんでもできる』のだ。
唯一例外があるとすれば、あの少女、アビゲイル・ウィリアムズ。
外なる神と繋がっているフォーリナーにはその出鱈目な力が通じないのだろう。
だからこうして、沖田総司オルタを引き込んだというわけだ。
(……いや、それも怪しいか)
確かこいつは根源以外にも何でも殺せる出鱈目な魔眼を持っていて、少なくともカルデアにいた頃はそれを取り柄として通していたはずだ。
それを使えばこんな回りくどいことをしなくても一人で対処できるのではないか。
それでも、こんなことになっているのは、ただその状況を楽しみたいだけか。
それとも……この人の形をした『 』なりの… 慈悲、なのだろうか。
今日も、明日も、その先もずっと、こんな日常が続くことが。
「ふふ。今日は、よい夢を見られるといいわね」
そんな私の思考を知ってか知らずか、『両儀式』がいつものように嫋やかな笑みを浮かべた。
茶番だろうと、傲慢だろうと、慈悲だろうとどうだっていい。
私はもう少し、この夢の中に浮かんでいたいと思う。
45
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/01/27(水) 00:38:17 ID:gs1gLEsY
https://youtu.be/8sjAfUfIK0U?t=187
いつの間にかアーケードの剣式のセリフが更新されていたので初投稿です
間違いを犯した剣式と一緒に地獄に堕ちてえなあ俺もなあ
46
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/01/27(水) 07:13:53 ID:4tfVXGUc
続きやったぜ。
47
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/01/27(水) 10:24:10 ID:AJrVU9C2
剣式密かにすき
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/02/17(水) 19:56:47 ID:pMNLtRYE
誕生日おめでとうございます
49
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2021/10/20(水) 23:53:11 ID:998/kSNI
剣式また流行らせコラ!
50
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2024/09/15(日) 15:00:57 ID:7XXfZWOU
待ってるぜ
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