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【誕生日スレ】今日は何の日?【総合】

503Republica de Venexia:2015/02/25(水) 00:01:46 ID:???
2月25日はヴァレンシュタインが暗殺された日です

1618年、ボヘミアでの宗教反乱をきっかけに始まった三十年戦争ですが、この戦争では様々な傭兵隊長が活躍しました
ボヘミア出身のヴァレンシュタインもその一人で、>>345で見た白山の戦いを含むボヘミア反乱の際には神聖ローマ皇帝フェルディナント2世に傭兵を提供し、反乱鎮圧に貢献しました
その後も皇帝に資金や傭兵の提供を続け、1623年には北ボヘミアのフリースラント侯に任じられます

ヴァレンシュタイン軍に特徴的だったのが軍税の有効活用で、彼は占領地に軍税をかけ、徴収した税金をその場で兵士に分配しました
つまりヴァレンシュタインの下に集まった傭兵たちはヴァレンシュタインに直接雇われていることとなり、その効果的な軍税制度活用もあって、ヴァレンシュタインの私兵となった大軍勢が編成されたのです
ヴァレンシュタインはこの大軍勢を背景に1625年、皇帝軍総司令官となり、デンマーク王クリスティアン4世を撃退します

これを機に、フェルディナントは回復令を発布します
皇帝権の絶対化を目指したこの法令に帝国諸侯は反発しましたが、フェルディナントはヴァレンシュタインの大軍勢をちらつかせ、法令の強行を図ります
諸侯はここでヴァレンシュタイン罷免を要求し、認められなければ嫡男フェルディナントのローマ王選出を拒否すると決議します
ヴァレンシュタインが皇帝の意向を無視して専横を進めていたこともあって、フェルディナントは1630年、ヴァレンシュタイン罷免を決定しました

ヴァレンシュタインが復帰したのは>>285>>68で見たブライテンフェルトの戦い、レヒ川の戦いで皇帝軍が敗北した後でした
スウェーデン軍に押された皇帝はヴァレンシュタインを復帰させ、スウェーデン王グスタフ=アドルフに対抗します
>>353のリュッツェンの戦いで皇帝軍は敗れたもののグスタフ=アドルフが戦死し、スウェーデンの攻勢は一時中断しました
しかしヴァレンシュタインはかつてのように強大な権力を得ることができませんでした
というのも、彼自身が確立した軍税制度を皇帝も活用し、皇帝直属の大軍勢が組織され、ヴァレンシュタインはその一指揮官に過ぎなかったからです
またヴァレンシュタインはスウェーデンやフランスと秘密裏に交渉を行っていたことが露見し、また皇帝最大の脅威であったグスタフ=アドルフが戦死したこともあって、獅子身中の虫になりかねないヴァレンシュタインを抱える意義がなくなり、1634年2月25日、ヴァレンシュタインはあえなく暗殺されたのでした


本日は最大の傭兵隊長の命日です、お悔やみ申し上げます


参考文献
・菊池良生『戦うハプスブルグ家 近代の序章としての三十年戦争』講談社、1995年
・木村靖二編『世界各国史13ドイツ史』山川出版社、2001年
・長谷川輝夫・土肥恒之・大久保桂子『世界の歴史17 ヨーロッパ近世の開花』中央公論新社、2009年


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