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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか、今度こそ」
262
:
Mii
:2021/06/26(土) 22:45:32 ID:NzWQi0XQ
ロゼッタ「だから、お願いだから説明をしてくれませんか…って。
ほ、本当に残り時間が…1分切ってる!?考え込み過ぎました!!」
ああもう!この際、経験値うんぬんは諦めましょう!当てにしないっ!
サヤカ「ママ、頑張って。
…タブーの精神攻撃なんかに、絶対っ!ぜーーーーったい!!
負けちゃ、駄目なんだからねっ!!」グズッ
ロゼッタ「もはや遺言も忘れてしまいましたからねっ!
負けるわけには行かなくなりました!残念ながら!
勝ってきますよ、こうなったら!」
サヤカ「…それ、じゃあ。送り届けるよ――」パアアアアアア!!
ロゼッタ「…………ええ」
サヤカ「――――――――またね!結果はいつか、聴かせて!
…そう、夢の中ででもっ!!」
――――ええ、「またね」。
――――涙腺緩みながらも、「さよなら」だなんて嫌だから――!
景色がおぼろげになり、涙目で笑うサヤカの顔が、どんどん遠くに――――
263
:
Mii
:2021/06/26(土) 22:47:28 ID:NzWQi0XQ
サヤカ「…………ほっ」ヘタリ
ママを送り届けて、私は力尽きた。
体力の限界が来たということもあるし、そもそも管理者の役割が終わったわけだし。
サヤカ「…あー、世界が、くずれて、きた、なあ」
サヤカ「…………まあ、『私』は『貴方』だから、悲しくなんてないよ、うん」
サヤカ「最後のプレゼント、喜んでくれるといいなあ。
うふふ。…きっと、今のママなら…使いこなしてくれる、だろう、から――」サラサラ・・・
サヤカ「――――――――――――――――」・・・・・・
シュン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
264
:
Mii
:2021/06/30(水) 05:49:00 ID:bzZ4v6Ks
〜スマブラ試合会場〜
ニンテン「そりゃあああ!石化なんてどうってことないぜ!」パアアアアアァァァ!!
アナ「……で、でもなんだか、他の人と様子が違うようなっ!
気、気のせい!?無駄に頑丈に固まってる!ちょっと慎重に解いた方がいいかも!」パアアアアアァァァ!!
ニンテン「そーゆーことは後で考えるっ!」パアアアアアァァァ!!
アナ「それじゃ意味ないでしょ!」パアアアアァァ!
マリオ「ロゼッタッ!」
ルイージ「ロゼッタッ!」
デイジー「ロゼッタァ!!」
リンク「ロゼッタッ!」
パリイィィィ―――――――ン!
ロゼッタの 石化が 解かれた!▼
265
:
Mii
:2021/06/30(水) 05:51:27 ID:bzZ4v6Ks
…………現実世界に舞い戻った途端、闇の衝撃に脳を揺さぶられる。
ロゼッタ「――――――――」
なすすべもなく。
ロゼッタ「――――――うぁ――――」
もとより、魔法陣を繰り出すことすら、無理――――だった。
2秒あれば十分だとか、笑わせてくれる。
恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖
絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望
恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖
絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望
恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖
絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望
恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖
絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望恐怖絶望
266
:
Mii
:2021/06/30(水) 05:52:50 ID:bzZ4v6Ks
涙こぼれ、口を開けたまま、瞳孔開いたまま、微動だに出来ぬまま。
そのまま前に倒れ込み――――
20cm、
10cm、
5cm、
1cm、
ロゼッタ「――――――――――――――――」ガシィッ!!
――――でも。今なら、どうかは、わからない。
267
:
Mii
:2021/06/30(水) 05:55:28 ID:bzZ4v6Ks
ロゼッタ「――――――――」
俯いた表情のまま、間一髪手を突いて顔面衝突は免れる。
…なんだか、「幽玄の間」に飛ばされたときと、似ている。
誰にもばれないよう、小さく息を吸って、吐いて。
ロゼッタ「――――――――」
心、真っ黒に塗り潰されてしまったか?
何も考えられなくなってしまったか?
生きることを諦めてしまったか?
全て、終わってしまったか?
――否。まだ、抵抗の想い、胸の奥にハッキリと秘めている。
キリキリ締め付けようとする圧力を、押しのけ跳ね返すだけの、熱い心が。
黒い闇、まとわりつくのを、気合い一発、取っ払って。
ロゼッタ「――――――――」
脚に力を加える。周囲が見つめ見守る中、私は――――
確かに、しゃんと、立ち上がる。
268
:
Mii
:2021/06/30(水) 05:57:43 ID:bzZ4v6Ks
目線の先は、騒動に乗じてまんまと距離を取ってほくそ笑んでいたものの――
私の、心が、ぺしゃんこにならなかったことに驚愕している、タブー。
――――――――ば、馬鹿な!耐えられるはずが、ない!
ああ、いま私、顔を上げた。
タブーを見ているうち、どす黒かった――――いえ、今は違う。
真っ赤な、真っ赤な。暴走しているわけでもない、強い、強い――
――――――――怒りの、感情っ!!!
ロゼッタ「――――――はあああああああああああああぁぁぁぁっ!!」カッ!
咆哮して。声滾らせて。
FPとともに、思う存分、解き放て!
リンク「ういっ!?」
デイジー「…ロ、ロゼッタ!?」
269
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:01:52 ID:bzZ4v6Ks
私の突然の変わりように、驚かれるけれど、気にも留めない。
紅蓮の台風、身に纏い――――嘆き悲しむのではなく、使命感にただただ燃えて!
ロゼッタ「――――この、下郎が――――」グワッ
――――――――――――!?
今の私の眼光、タブーも思わず怯むほど。
実況「ロゼッタ選手っ!!――――相手を、威圧しています!」
特殊能力 「威圧感」が 発動した!
タブーの 攻撃力が 下がった!▼
ロゼッタ「――――――――覚悟しなさい。過ちを地獄で悔いなさい。
私は、貴方を―――――――――決して、絶対に、許さないっ!!」ゴオオオオォォォッ!
周りの激しい奔流が、タブーを倒すべく、ますます唸りを上げ出した…!!
270
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:04:29 ID:bzZ4v6Ks
マリオ「なんかよくわからんが、ロゼッタが無事に復活して、よかった!本当によかった!
よし!あとは俺たちに任せておけ!ゆっくり休んで―――」
ロゼッタ「…いえ。私が、この手で最後まで、けりをつけます。
…行けるところまでは、せめて、どうか」
デイジー「ちょ、ちょっと!無理はしないで――――」
マリオ「……!そっか。よしわかった。最小限のサポートに留めておく。
――――ロゼッタ、やっちまえ」
マリオの言葉に甘え、ただ1人、前に出る。
デイジー「ななな、何言ってるのさマリオ!タブーを甘く見てない!?
いくらなんでも、ロゼッタには受け流しが精一杯で、倒すのは荷が重いよ!
おまけに全然本調子じゃないはずなのに!乗せられてないで――――」
マリオ「なぁに――――負けねぇよ、今のロゼッタは」
最早、訳の分からないまま、思い通りにならないことに逆上して、
タブーが最後のあがきを見せる――――
そんなタブーに引導を渡すために、私は空を駆けていく――――
271
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:06:23 ID:bzZ4v6Ks
カービィ「ぽよ!!」ダッ
ヨッシー「怪し気な不意打ちの処理なら任せてください!」ダダッ
リトル・マック「よーし!目に物見せてやれ、ロゼッタ!」ダダッ
マルス「彼女にここまでの度胸があるとはね…僕の眼もまだまだ節穴だな」スッ
サムス「…ふふ。好敵手出現と言ったところ、だなっ!対戦が楽しみだ!」ダダッ
むらびと「いっけー!タブーをやっつけちゃえ!」タタタッ
ピット「いよいよ終わりの時が近付いてまいりました!…フラグとか言わないでね!」フワッ
ピカチュウ「ピッカァ!」ダダッ
マリオ「…そんじゃ、まあ。俺達も行きますか」ダダダッ
リンク「…おうっ!!」ダダダッ
272
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:10:16 ID:bzZ4v6Ks
くるくるくるくる…シュタッ!
駆けつけるのも速い。撮るのも速い。天才写真家でーす。
思い出の写真を撮りますからねー。
さあ こっち向いて 撮りますよーっ チーズ サンドイッチ!
…って、流石にこっちは 向いてくれませんよね、皆様がた。
おー いい写真が撮れた。
この写真は きっと 最高の 思い出になりますよ。
ではまた、いつか――――
くるくるくるくる……………………。
273
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:14:04 ID:bzZ4v6Ks
リンク「闇雲に走っちゃ駄目だ、ロゼッタ!お前の走力じゃ、敵の攻撃を避けきれないぞ!」
私が前面に出ているせいで、私に飛んでくる触手の対処までは、
結果的に…間に合わない。食らえば、大減速に大ダメージ、請け合い。
また心を汚染されないとも限らない。
私の移動能力の低さ。速度の足りなさ。それは、十分分かりきったつもり。
だから、少々小狡い手を…裏技を使います。
ぽんっ!!
ロゼッタ(分身)「行きますよ――――」パアアアアァァァァ
1人だけでいいので、分身体を作って。私の背中に、手を置いてもらって…処置開始。
背中の後は、その手は両脚の踵に向かう。…よし、OK。
終わった後は――――他の方のところに待機してもらって。
ロゼッタ(分身)「さあ、任せました――――」
ロゼッタ「ふっ――――――――」ダンッ!!
踵、そして背中に、小細工。あとは…疾駆するだけ!
274
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:19:01 ID:bzZ4v6Ks
デイジー「…!?」
敵の触手をひとつ、またひとつと掻い潜り、
どんどん近づいて近付いて――――!!
デイジー「嘘っ!ロゼッタ、はやーい!?」
リンク「うおっ、ロゼッタの奴、なっかなか速いじゃんか!
あれ、並の奴のLv.60くらいには相当するぞ!?」
絡繰りは、駆動箇所と背面に計3つ、発動させている、魔法陣!
その輝きが――――勝利へと誘う道しるべ!
速度が足らないなら、「隔壁ピストンを利用した加速」が有用。皆さんとの特訓の成果。
でも、戦いの最中、咄嗟にそんな制御をし続けるのは、あまりにも荷が重すぎる。
…………だったら!魔法陣で隔壁生成を自動化して!さらに体の各部に固定化してっ!
いつでもターボを…加速できる体制を整てておけばいい、それだけのことっ!!
ロゼッタ「――――――――加速円環《ダッシュリング》――――っ!!」
275
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:24:21 ID:bzZ4v6Ks
意のままに――急加速!
意のままに――――大跳躍!!
意のままに――――――――切り返し、方向転換っ!!!
3つのリングが、私の体を自由自在に舞わせる!
それでも目の前に立ちはだかる触手たち。
避けてばかりではいられない、直接触れると闇の力に汚染されそう。
第2の策、「要塞法衣」の――――パンチンググローブ化っ!!
かつての12層には拘らない。部位を限定する代わりに……
百にも届かんとする、隔壁バリアを凝縮に凝縮を重ねた超多層構造!
余りにも重ね掛け過ぎて、硬化し金属質を帯びて、メタリックに輝く――――!
お灸を据えるべく、これでもかと振りかぶり――――
ロゼッタ「――――――――フンッ!」ドゴォッ!!!
襲い掛かってくる触手、数本纏めてやすやすと一撃粉砕っ!
ルカリオ「――――!お、おい!今の…!ロゼッタっ!そのパンチ!
あと、もう少しだけ、拳の更なる鋼化と速度増、果たせるかっ!?」
後ろから、ルカリオの助言が聴こえる。――――そんなこと、造作もない。
速やかに、術式を追加、編集、再構築!
276
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:29:25 ID:bzZ4v6Ks
デイジー「ど、どうしたのっ!」
ルカリオ「今の一発で分かった!ロゼッタには――先制技の素質があるぞ!」
デイジー「なんだってー!…そ、そういや、ゲイルアタックとやらも――――!!」
更なる重ね掛けで強化をされた拳。相当な衝撃力を内包して。
ダッシュリングで体全体も弾けるように速度を高め、拳が風を纏い唸るっ!!
どんどん、触手がはじけ飛ぶ威力、増していく!
ルカリオ「予想した通りだ――――あれはまさしく!
弾丸の一撃―――――『バレットパンチ』!
やったな!パンチング特訓の集大成じゃないか!」
デイジー「うおおおぉぉ!マジで!?ルカリオが太鼓判押すなら確実だね!」
――――――――線で駄目なら、面ならばどうだっ!!
投擲網のように、傘状に暗黒物質を次々と放り投げられる。
最初の1回だけは思わず後退、でも、次は――――
277
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:32:53 ID:bzZ4v6Ks
懐に手を指し込んで――――
ファイアロゼッタ「――――ファイアフラワー、使用っ!!」ポンッ!
そのまま、敵の魔の手を気にせず、真正面から突撃!!
クッパ「ロゼッタ!流石にそれは無茶だっ!引けっ!後戻りできなくなるぞっ!」
心配には、及ばない。
「ダッシュリング」と同じ考え。
ファイアボール装填に時間を食っていた、いままでの私。
だったら、そう。ファイアフラワーそのものの効力に、「パイロキネシス」の発動を乗せて。
燃え盛る火球をどんどん作ることを、パイロキネシスで。
大きな威力を付与して矢継ぎ早に投げることを、ファイアロゼッタとしての能力で。
効率よく、役割分担すればいい――――っ!!
ボンッ! ボンッ! ボンッ!
ファイアロゼッタ「――――――――Fire Satellite《火球衛星》!」
――――――――な、に!?
マリオカートで見かけた――――トリプル緑甲羅にトリプル赤甲羅。
甲羅にできることなら、どうしてファイアボールができない、なんてことがあろうか…!
278
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:37:00 ID:bzZ4v6Ks
私を包み絡めとろうとする悪意を、己の周囲を巡らせる3つのファイアボールで!
…焼き切って、打ち消してみせる!ガーディアンのように、自動制御で動いてくれるから!
数度の飛弾は気にせず、そのまま体当たりしてタブーに肉薄!
攻撃を受けるたび、残念ながら消えていく火球も。
ありあまるFPを、燃え盛る怒りに載せてっ!即座に再充填!余念はない!
タブーの本体に――ついに、届いた、拳!!
ズンッ・・・・・・っと、鈍い音を立てて、正拳がタブーのどてっ腹にめりこみます!
たまらず、腹を抱えて苦しそうに蹲るタブーを尻目に、一旦距離を取り――――
燃え盛る炎を、力に、力に、集め切って――振りかぶって――
振りかぶる腕に膨大な「怒り」のFPが絡みつき、灼熱の炎となって。
いつもの何倍も大きい、50cmはあろうかという大火球を、一気呵成で――!
ファイアロゼッタ「ジャイロ、ファイアアアアアアアァァァァ――――――――!!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!
超特殊能力 「鉄腕」が 発動しています!全球種、球速+3%!
ジャイロファイア補正!球速+30%!
最終球速 ――――372km/h!▼
――――――――ヌ、ガアアアアアアアァァ!!?
279
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:40:52 ID:bzZ4v6Ks
申し訳程度に漂う触手、全部貫いて。
空中で身動き取れないタブーの、心臓部を。たちまちあっさり貫通して、勝負あり――!
所詮私のレベルでは即絶命とは行かないにしても…みるからに、演技の訳もなく。
最早タブーは、逃げることすらできないで苦しそうにもがいている!
ここにきて、少し…バーニング状態が途切れます。気持ちの昂ぶりがひと段落。
もう、溜飲は下げた。流石に、もう、他の方に任せてもよいのではないのか。
…そう、冷静になって、周りを見渡そうとした、まさにその時――――
リンク「よっしゃあロゼッタッ!フィナーレだ!
――――メテオでトドメをさせ!!」
私の身勝手な面子を優先させ、露払いに専念してくれていた、他の方々。
その中から、リンクが鶴の一声を。
ファイアロゼッタ「――――――――!!」ドクン
喉がゴクリと鳴って、緊張の瞬間。
自信までちょっとしぼんでいく。…まだ、OFF波動の悪影響は完全には解けて…いない。
280
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:43:37 ID:bzZ4v6Ks
ファイアロゼッタ「…わ、私には、そんなこと、や、やったこと、なくて…
おまけに疲れ切っていて…とても、できません!!」
リンク「頑張れ頑張れできるできる絶対できる!頑張れもっとやれるって!
やれる!気持ちの問題だ頑張れ頑張れ!そこだ!そこだ諦めんな!
絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張れ頑張れ!」
ファイアロゼッタ「――――!!」
リンク「諦めんなよ!諦めんなよお前!どうしてそこでやめるんだそこで!
もう少し頑張ってみろよ!ダメダメダメダメ、諦めたら!
周りのこと思えよ!応援してる人たちのこと思ってみろって!
あともうちょっとのところなんだから!
絶対やってみろ!必ず目標、達成できる!だからこそ――Never Give Up!! 」
ほろり、涙がこぼれる。
ファイアロゼッタ「――――ど、どうして、こんなことをしでかした私を、
そこまで…信用して、くれるの、です、か…?」
その呟きは、決して大きい物ではなかったのに。
拾い上げてくれた人たちが、いた。
281
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:46:06 ID:bzZ4v6Ks
ファルコ「…ああ、なんだ。ちょっと時間は遡るが。皮肉なことにな。
偽者のお前に、マリオやピーチですら騙され続けた。それが理由ってやつかな」
ファイアロゼッタ「――――えっ」
ファルコ「…だから、だな。うまいこと騙されたこと自体は癪に障るが。
要するに、お前の本質は、偽者たちが演じていた通りの――――
気苦労絶えない、優しさの塊みたいな奴だってことには、間違いねぇんだろう?
…ちっ、二度と言わせるんじゃねえぞ、柄じゃねえ」
むらびと「そういうこと、そういうこと。
ファイター達も、観客たちも…ロゼッタさんの偽者を恨むことは有っても。
ロゼッタさん本人を恨むことなんて、絶対にできないもん!
こーんなに、優しいお姉さんなんだから!!
きっと、本物のロゼッタさんが窃盗騒動のときにいたとして、
あの時以上に僕のことを庇ってくれたんだろうなぁって心の底から思えるんだ!
さあ、最後はガツンと大勢の観客の目の前で――――
本物と偽者の違いをしっかり示して、冤罪なんかとはおさらばだよ!」
ファイアロゼッタ「――――――――あ――――――――う――――――――」
涙が、止まらない。
見捨てられても、おかしくないとばかり、悲観していたというのに。
…………嬉しい。嬉しい。戻って来られて、本当に、よかった。
282
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:49:29 ID:bzZ4v6Ks
ファイアロゼッタ「――――わかり、ましたっ!」
――――やる気、全開。この命に代えても、最後の最後まで、私の意志で…………!!
思い切って、高く、高く、飛び上がります――――!!
ピーチ「…………はぁっ、はぁっ!や、やっと戻って来られた…!!
制御室の位置、再考の余地があるわね…!非常時には不便だわ…!
…って!ロゼッタ1人に任せて、何をやってるの!!」
マリオ「何って、最後のツメをロゼッタ本人にやって貰ってるところだ。
大丈夫、もう危ない橋は何もない」
クッパ「そうとも!身体的にも精神的にもあれほど成長して…ワガハイは嬉しいぞ!」
リンク「あはははは、なんでクッパが偉そうにするのさー」
ピーチ「あんまり油断しないようにねっ!3強さんたちっ!」
ルイージ「…………それにしてもロゼッタ、妙にたかぁく飛び上がるなあ……
というより、厳密には浮かび上がってるのか、魔法で。
…あれ?両手を天に掲げた。何する気だろ」
ヨッシー「言われてみれば…」
デイジー「…………」
283
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:52:56 ID:bzZ4v6Ks
デイジー「…………あっれぇ?
――――そもそも私、『メテオ』って単語の説明、ロゼッタにしたっけ…?
ヒルダ、覚えてる?」クルッ
ヒルダ「Chiko Meteor《キラキラ落とし》は使っていました、けど。
今はチコたちもいない、で、す、し――――――――」
デイジー「いや、そもそもメテオって別に流星系の技を意味する訳でもないし…
空中にいる状態の敵を奈落に叩き落とす攻撃のことでだね…
…………ヒルダ?どうかしたの?急に呆然として」
ヒルダ「」
デイジー「ロゼッタがどうかし――――――――」
284
:
Mii
:2021/06/30(水) 06:56:21 ID:bzZ4v6Ks
…………本当は、最悪、太陽のヒトカケラでも、よかった。
その場合、投げ飛ばす威力が、ちょっと心もとなかった。
でも、おあつらえ向きなものを、奇跡的に、見つけられた。
一瞬で、FPが枯渇。
事を為したとき、激痛と共に、ナニカが終わった。
ロゼッタ「――――ひ、ふ――――――――」ビリッ
全身がマヒし、魔法回路が沸騰し、思考が止まってしまいそうな感覚。
HPと、FPと、もしかしたら生命力、と。沢山のものを、削り落とされた。
視界は急激に狭く。そして、喪失感。
右目が「あった」ところから、滝のような出血。
ああ、もう、頬を伝って…心地悪い、なあ。
全てを投げ打った代償で――――右目が、完全に、お役目を果たし終えました。
これは、もう。二度と、復活してくれないん、でしょう。
相変わらず激痛には慣れないけれど――――後悔は、ない。
285
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:00:05 ID:bzZ4v6Ks
デイジー「…………元気玉?」
マリオ「…………デッカクドッカン?」
クッパ「…………大王星?」
リンク「…………月落とし?」
それは、遥か、遥か、遥か先を通りかかった、宇宙からの贈り物。
届け、届けと全てのFPを右目に注ぎ込み、見つけて、選んで、切り取った。
やや低空に浮かぶタブーを、FPの赤い衣をつい先ほどまで纏い、
血涙流しながら斜め上から見下ろす、私。
そして、天に掲げる私の掌、その少し上空に――――現れたるは。
突然の召喚に、外周の有機物や金属の化学反応が引き起こされたか、
地獄の業火のごとく激しく外周から火を噴く、大きな、大きな球体――――名付けて、そう。
286
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:02:54 ID:bzZ4v6Ks
ファイアロゼッタ「――――――――――――――――――――――――
――――Trans-Meteor《 転 移 彗 星 》――――――――!!」パアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!
マリオ「」
クッパ「」
リンク「」
デイジー「モノホンの彗星繰り出しちゃったんですけどぉ――――!?」
287
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:05:38 ID:bzZ4v6Ks
マリオ「……あれ、ヤバくね?直径30…いや50メートルはあるんじゃね?」
クッパ「ま、まあ彗星にしては小さい方だろ、たぶん」
リンク「」
デイジー「って、ロゼッタったら右目から大量出血してるんだけど!?
あれ、やばくない!?すっごく無茶苦茶やばくない!!?
おまけになんか、禁断症状が出たみたいに不気味に笑ってるんだけど!
リンク、アンタが簡単にそそのかすからこんなことにぃ――――!!?」
リンク「」
ピーチ「ま、まさかあれを、えいって投げ下ろす、つもり…………!?」
ファイアロゼッタ「…………」
ファイアロゼッタ「…………」
ロゼッタ「……………………」ティウン ティウン ティウン
ロゼッタ「」フラァ
「「「「「「「「落ちたぁ――――――――!?」」」」」」」」
288
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:09:04 ID:bzZ4v6Ks
デイジー「――――――――ロゼッタァ――――――――ッ!」ダダダダッ!
思わず、体が、動いてた。
周りのみんなが、マリオですら、ビックリするあまり咄嗟に動けずに。
リンクも、ショット系のアイテム、とっとと使ってくれたらよかったのに。
ドデカい彗星…いや隕石見て、全員既に、真下から避難済。
逆に言うと、ロゼッタを受け止められる人がいない。
このままじゃロゼッタが…奈落に、落ちる。
残機制度が、働いていない、まま。すなわち、死ぬ。
――――そんなの、絶対、駄目!!
…ただ失敗したのが、私が飛び出したタイミングも、ぶっちゃけ…遅すぎた。
ロゼッタを抱え込むようにして飛びついたまではよかったけれど、
残念、既にフィールドの最下層よりも下にいる。運動方向も下向き。
ぎゅっと抱きしめ、空を仰いだ。上空には、フィールド全体を覆わんとする、天体が、控えてる。
289
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:11:16 ID:bzZ4v6Ks
…………仕方ない、か。
――――気絶している…ロゼッタだけでも、助けよう。
――――大事な、大事な、親友なんだもの。
――――思いっきり上に向かってぶん投げれば、大丈夫。
――――反動で、私は死んじゃうけど。…まあ、まだマシだよね。
――――さよなら。
デイジー「いっ、せー、のー…………」
もう悟りを開いて、投げようとしているときに。
ゼルダ「せい、やあああああああぁぁ――――――――っ!!」ブンッ!!
ゼルダが、私たちめがけて…何か、下に投げ下ろしてきたっ!?
…………いつぞやの、額縁っ!!
290
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:14:58 ID:bzZ4v6Ks
勢いよく投げ出されたそれは、たちまち、落下する私たちを追い越して…!
ロゼッタ(分身)「まに、あいまし、たっ!!」ポンッ!!
デイジー「…………うぇっ――――」
ロゼッタ(分身)「デイジー姫。
本体のこと、頼みましたよっ!!」
デイジー「…え、その腕、『T―ホールド』…ま、まさか――――!」
ロゼッタ(分身)「――――――――――――――――
フロルの、風ぇ――――――――っ!!!!」パアアアアアアア!!
ブオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!
デイジー「う、わぁ――――――――」ブワッ
覚悟を決めていた私ごと、ロゼッタ本人は、一転してグングン上昇し――――
デイジー「あぁっ――――――――」
分身体のロゼッタが、代わりに、奈落に吸い込まれて行った。
291
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:18:40 ID:bzZ4v6Ks
悲しむ間もなく飛ばされた先は、フィールドの隅っこ。
受け身を取れなかったけれど、大した痛みじゃあない。
…あ。というより、誰も彼もファイターたちは中央から離脱してる。
中央に存在するのは、未だ満足に動き出せないタブー、
そして上空に浮いたままのでっかい彗星。
…彗星は、ロゼッタが魔法発動を失敗(?)して、それからどうこうするわけでもなく、
依然、同じ場所に留まり続けている。どうなってるんだろう。
ロゼッタ「――――――――で、い、じーひ、め」
顔をむくりと上げることもなく。単に、口を小さく動かすだけだけど。
片目は酷いありさま、もう片目も閉じたままだけど。
ロゼッタが、かすれる声で、生きている証を示してくれた。
デイジー「…ロ、ロゼッタ!大丈夫!?よくやったよ!
すぐに病院に連れて行って…いや、ピーチに回復して――――」
ロゼッタ「――――――――た、ぶー、の。ま、わり、に。
だ、れも。ふぁい、たー、いま、せん…………か?」
デイジー「…い、いない、けど?みんな、ロゼッタの最終兵器にビビッて
離脱しちゃってるよ。そ、それがどうかした?」
ロゼッタ「……………………ありがとう、ござい、ます」フッ
292
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:21:00 ID:bzZ4v6Ks
デイジー「…………ちょ、そういう穏やかな笑みは不吉だからやめてほしいんだけどっ!切実にっ!
お願いだからさぁっ――――――――死なないでよロゼッタ――」アセアセ
ロゼッタ「…………」スゥ・・・
ロゼッタ「―――――――― り す た ー と 」ボソッ
293
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:22:07 ID:bzZ4v6Ks
マリオ「え――――」
ドンキーコング「うほ――――」
リンク「な――――」
サムス「あ――――」
ヨッシー「へ――――」
カービィ「ぽ――――」
フォックス「は――――」
ピカチュウ「チュ――――」
ルイージ「う――――」
ファルコン「む――――」
ピーチ「や――――」
クッパ「げ――――」
ゼルダ「ひ――――」
マルス「ぐ――――」
メタナイト「ば――――」
294
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:23:10 ID:bzZ4v6Ks
ピット「うぇ――――」
アイク「ぬ――――」
リザードン「グォ――――」
ディディーコング「キ――――」
デデデ「ぎ――――」
オリマー「ん――――」
ルカリオ「が――――」
トゥーンリンク「ひょ――――」
トゥーンゼルダ「ひゃ――――」
むらびと「にゃ――――」
Wii Fit トレーナー「と――――」
リトル・マック「ぶ――――」
ゲッコウガ「フ――――」
パルテナ「ふぇ――――」
ルフレ「わ――――」
295
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:25:13 ID:bzZ4v6Ks
ルキナ「く――――」
シュルク「の――――」
ソニック「ぜ――――」
ロックマン「て――――」
パックマン「ざ――――」
ファルコ「ちょ――――」
ワリオ「び――――」
ブラックピット「で――――」
ロボット「W――――」
クッパJr.「り――――」
Mr.ゲーム&ウォッチ「ヲ――――」
ダックハント「ガル――――」
プリン「ぷ――――」
――――――――――――――カッ!!!!!!!!!!!!!!
296
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:27:57 ID:bzZ4v6Ks
――――K.O.!!!!!
《ロゼッタ、タブーを撃破! タブー完全消滅! タブー軍、著しくやる気低下!!》
ラナ「」
シア「」
297
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:31:45 ID:bzZ4v6Ks
〜王国第一ラジオ塔〜
ネス「イテテテ…ダレダ姫に休んどけとは言われたけど。
みんな中央に集まってるだろうに、自分たちだけ呑気に休んでるなんて。
なんだかストレスたまるなあ…。
…よしっ!やっぱり助太刀しに行こう!リュカたちは休ませておくけどね、とーぜん!
1人でもファイターは多い方がいいでしょ!
もう、終戦迎えているかもしれないけど、それはそれでいいことだし!よし行くぞー!!」
ズギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァ―――――――――ン!!!!
ネス「ひぃっ!ごめんなさいごめんなさい!調子こきました!!じっとしてますっ!
…って、そうじゃなくて。何事だあ――――――――っ!?」
ネス「…………」キョロ キョロ
ネス「……………………あれ、中央会場の方、だよね」
ネス「…………」
ネス「試合会場らしき箇所にでっかい火柱立ってるぅ!?」
298
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:35:17 ID:bzZ4v6Ks
ピーチ「…………」
ピーチ「…………うーん」パチッ
なにやら、大きく吹き飛ばされて、観客席にまで叩きつけられていた、みたい。
あら嫌だ、観客のみなさんに囲まれて。こんな気絶姿晒して、恥ずかしい。
…………あれ?
絶対に注目の的になると思ったのに、観客たちが見つめる先が、私じゃない。
フィールドを、こわばった表情で見つめている。
一体どうしたというのかしら。そ、そういえばタブーはどうなって――――
というか、なんだか無性に暑いんだけ、ど――――
ピーチ「」
炎、炎、炎。
一面、炎。太陽の表面を観察してるみたい。
ピーチ「」
――――フィールドが、影も形も無い!?
――――代わりに、灼熱のマグマで埋め尽くされてるっ!?
299
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:38:46 ID:bzZ4v6Ks
キノピオ「ひひひひひひひひひひひひひひひひひひ姫様ぁっ!!
タブーの消滅を残機記録よりおおよそ確実視できましたっ!
でも、今はそんなことよりっ!
フィールドからの火炎地獄だけで観客席のバリアが壊れ出していますっ!
避難させようにも、大混乱させそうで二の足を踏んでおりまして…!
我々だけではどうすることもっ!お願いします姫様、指揮を願いますっ!!」ダダダダッ!
ピーチ「わかった!わかったわよっ!もう!最後のひと踏ん張りねっ!!」
デイジー「ロゼッタッ!ロゼッタッ!目を覚ましてっ!」
ロゼッタ「――――は、い」パチッ
デイジー「ロゼッタァ・・・・・」ボロボロ
ロゼッタ「たぶー、は。たおすことが、でき、ました、か?」
デイジー「もちろん!さすがロゼッタ!凄かったよ!
あんまり何が起きたか分かってないけどっ!目が覚めたら火の海だったからっ!」
ロゼッタ「ああ、よか―――った――――」ガクッ
デイジー「――――ロゼッタ?」
デイジー「――――ロゼッタ?ね、え。じょうだん、でしょ?」
デイジー「ロゼッタアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァ!!」
300
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:40:28 ID:bzZ4v6Ks
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〜翌日 AM 5:00〜
Dr.マリオ「…………」
デイジー「…………たすかる、よね?もちろん、たすかった、よね?」
Dr.マリオ「…………」
デイジー「なんとか言ってよ、マリオ!」
Dr.マリオ「…………手は、尽くした」
デイジー「な、なら――――」
Dr.マリオ「…だが。医学でも、1UPキノコでも、回復魔法でも。
限界と言うものは、あるんだ。わかってくれ」
デイジー「……………………っ!!!!」
Dr.マリオ「――――ロゼッタは、もう――――」
301
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:43:06 ID:bzZ4v6Ks
デイジー「そんな、嘘!でたらめ!何とかしなさいよ!医者でしょ!」
ピーチ「デイジー…無茶を言わないで頂戴。
マリオは、寝る間も惜しんで――――必死に、全力尽くして頑張ってくれたわ」ポンッ
デイジー「そん、な、あ――――」ボロボロボロボロ
ピーチ「そういうわけで――――残念だけど―――――――――
ロゼッタ、貴方は早めに義眼手術受けてね。手配しとくから」
ロゼッタ「はい…………」ションボリ
デイジー「生きとんのかああぁぁぁ―――――――――い!!!!」
302
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:48:11 ID:bzZ4v6Ks
Dr.マリオ「当たり前だろ。医者なめんな」
ピーチ「ロゼッタほどじゃないけど、回復魔法なめないで」
ロゼッタ「おかげで右目以外はピンピンしてます…」
一応、ベッドの上で安静にはしていますが…。念のため、というやつで。
デイジー「ありがとうね2人とも!なんかムカつくけどっ!!」
パルテナ「まったくもう!酷使にもほどがありますっ!
せっかく奇跡のチカラを授けてあげたのに、さっそく駄目にするなんて!」クドクド
パルテナさんが大層おかんむり。
それはそうでしょう、彼女の多大なるご厚意をふいにしてしまったのですから。
軽率な行動をとった私は怒られて然るべきです。
ロゼッタ「大変申し訳ございません…
あ、あの。もう一度、奇跡を掛けてくれるわけには、いきませんか…?」
パルテナ「はぁ!?奇跡を舐めているのですか!奇跡というのはですね!
2度は起こらないから奇跡と呼ぶのですよ!!
残念ながら、あなたの右目の復活は、もはや私にも…不可能です!」
ピット(…初耳です)
303
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:52:32 ID:bzZ4v6Ks
ロゼッタ「ひっ…ごめんなさいごめんなさい…!
で、でも、このままでは…ほうき星に襲い来る隕石を防ぐことすら…!
ほうき星の管理主として、どうにか、しないと…………!!
あれ?そういえば、右目を失ったにしては、FP暴走が起きていない、ような」
前の時は、呼吸をするのも辛いというありさまだったのに。
パルテナ「ピーチ姫から、貴方の魔法使いとしての素質、重要性は散々説かれましたから。
仕方がないので―――――――――
代わりに別の奇跡で、左目を魔法回路の心臓部にしておきました」
ロゼッタ「わぁい!」
デイジー「ご都合主義バンザイ」
ピット「まるで奇跡のバーゲンセール」
304
:
Mii
:2021/06/30(水) 07:55:35 ID:bzZ4v6Ks
パルテナさんから、魔法回路の心臓部が切り替わったことによる弊害――――
適応まである程度の期間を要すること、
日常生活を義眼でこなす気がないのならば左目の負担が大きくなってしまうこと、
義眼と魔眼とのバランスは少々取りにくいことなどを懇切丁寧に説明されました。
…これから大変そうですが、そのくらいの困難、へっちゃらです!
ピーチ「落ち着いたところで、念のため聞いておくけど。
…ロゼッタ、結局あなたはタブーをどうやって倒したの?
時間差であの彗星がタブーに飛んで行くように術式を仕込んでいたのかしら?」
デイジー「すっごい魔法だったよね。
タブーを倒すところ、全く見えなかったもん。
どれだけ魔法を重ね掛けしてたのさ」
ロゼッタ「…え?」
ピーチ「…え?」
デイジー「…え?」
305
:
Mii
:2021/06/30(水) 08:01:11 ID:bzZ4v6Ks
ロゼッタ「…えっと。勘違いされているようですが。
私、最後の最後で、魔法を発動させたわけじゃありませんよ?
最後の最後で『魔法を破棄した』んです」
…なるほど。傍から見ると、確かに。
魔法を使って一気に彗星を動かして、どうにかしたように見えた訳ですね。
デイジー「魔法を…破棄した?」
ロゼッタ「はい。まわりに誰もいなくなったタイミングを見計らって。
別にあれは、彗星を具現化する魔法ではありません。
もちろん、彗星を勢いよく放出する魔法でもありません。
単に、離れたところの彗星を持ってくるだけの魔法です。
すごーく遠くの彗星を持ってくるためだけに、ほぼ全ての、大量のFPが消費されました」
ピーチ「…………じゃ、じゃあ。彗星は、単に魔法の束縛から解かれて自由落下しただけってこと?
それにしては、方向もまるで違うし、威力がとんでもなかったような――」
ロゼッタ「私からタブーへの向きに、進行方向が被る彗星がちょうど見つかったもので」
ピーチ「…進行方向?」
306
:
Mii
:2021/06/30(水) 08:05:02 ID:bzZ4v6Ks
ロゼッタ「はい。そんなわけで、あの彗星――――――――
地球から見た相対速度で、秒速50〜100kmほど出ていたと思います」
Dr.マリオ「」
ピーチ「」
パルテナ「」
ピット「」
ロゼッタ「タブーを叩き潰しつつ、残機を失う『特異面』に衝突した時、大爆発して…
それはそれは膨大なエネルギーを放出したかと」
デイジー「ソレデ フィールドゴト ブットンダノカー」
ピーチ「…………頭いたい」フラッ
ロゼッタ「え?だ、大丈夫ですか?」
ピーチ「貴方のせいよ!!」
お見舞いの(用意が早い)フルーツ籠をポイッと投げつけられました。
おっとと、我ながらナイスキャッチ。
病人(ということになっている)に対して酷いですよ、まったく。
307
:
Mii
:2021/06/30(水) 08:10:28 ID:bzZ4v6Ks
あれから、どうなったのかというと。ピーチ姫談。
タブーを倒し切り、正直な所、消化試合になったそうで。
ファイターたちは取って返して城下の完全制圧に向かいました。
統率が乱れに乱れた敵さんたちは、簡単に撃破され、
ものの2時間程度で1体たりとも生き延びなかったそうです。
そのあたりでようやく、試合会場観客席の情報統制解除。
危険と隣り合わせであったことに愚痴をこぼす声、罵る声が皆無とはいいませんが、
大多数の方は嘘も方便と賛同してくれたとのことで。皆さんおおらかです。
…ただ、とにかく。物的被害は甚大。
城下の8割が、何らかの被害を被ったとまで推測されるとか。
人的被害も凄まじく、各病院はひっきりなしの対応に追われました。
骨折くらいなら軽いほうで、生死を彷徨った方や、石化の後遺症が残り掛けた方。
とにかくピーチ姫が深夜病棟の数々を巡り、孤軍奮闘して、
疲労のあまり失神したほどの状況だったとのこと。
今もなお無理をしている真っ最中だったりします。目にクマができています。
それでも、命を失った者がゼロであったことは不幸中の幸いです。
…私も。不謹慎ながら、肩の荷が下りました。
誰か一人でも亡くなっていたら…と思うと。
やっぱり立ち直れなかった気がします。
…こんなことを考えるなんて心が狭いですね、私…。
308
:
Mii
:2021/06/30(水) 08:15:11 ID:bzZ4v6Ks
驚愕したのが、「残り2日のスマブラ大会日程、しっかり行う」との
お触れを出したということ。…え、正気…ですか?
国庫から緊急で予算を吐き出させ、警備面を一層強化。
更に、治療費・滞在費・交易費・観光費…あらゆるお金の流れに湯水のごとく補助を付け、
「一部贅沢品以外は満喫し放題」状態に持って行ってしまいました…!
このくらいでキノコ王国の財政はびくともしないとのことです。
これを、街の修復と同時並行で指示しているというのだから凄まじい。
…もちろん、完全修復には、大会閉幕までではとても間に合いません。
それでも、キノコ王国がタブーに屈していないことを少しでも示すため、あえて修復現場を公開。
なんでも、遅い時間帯にもかかわらず人気が出ているそうです。
キノピオたちが、物量作戦で、可能な限りの勢いで建物をリフォーム中。
ピーチ「なかば、やけっぱちだけどね。
『スマブラ大会に行って損をした、行くんじゃなかった』だなんて
感想で締めくくられるのは癪なのよ。タブーに負けたも同然なのよ。
『なんだかんだ楽しかったな』って思ってもらわないと…
キノコ王国の名折れ。絶対に皆さんに満足してもらうんだからっ!!」
「120時間働けます!」と書かれた栄養剤片手に、
クマを作ったピーチ姫が叫んでいたのが凄く印象的でした。…はい。
寿命が1年は縮んでいそうです。
…マリオいわく、任天堂があるかぎり寿命は尽きないそうです。私含めて。考えるのはやめましょう。
309
:
Mii
:2021/07/02(金) 23:39:26 ID:/0g3pETI
コンコン!
ロゼッタ「…あ、誰かお見舞いに来てくれたみたいですね。
――――どうぞ、お入り下さいませ」
ガチャッ!!
リンク(半裸)「ごめんなさいぃぃぃぃぃ!!」ジャンピング ドゲザ
ロゼッタ「きゃああああああああああああぁぁぁぁ――――!?」
リンク「ホントごめん!マジでごめん!
俺が迂闊なこと言ったばっかりに、ロゼッタにとんでもないケガをさせて!
取り返しがつかないことになっちゃって…すいませんでした!
自分への罰として、次の伝説に飛ばされることがあったら
俺、半裸縛りで冒険するよ!!」ドゲザ
ロゼッタ「服をっ!服を着て来てくたさいっ!!!」
ピーチ「まさかリンクが大会最中に露出狂としてお縄に付くなんて…」
310
:
Mii
:2021/07/02(金) 23:42:39 ID:/0g3pETI
ラナ「まあまあ、ロゼッタさん。リンクも精一杯の反省を示したいんだよ。
ここはひとつ、真面目に応対してあげるってのはどう?
…お初にお目に掛かります、魔女のラナでーす!魔女繋がりで仲良くしようよ!」ヒョコッ
シア「…この律義さ、不器用ながらの誠意の見せ方もリンクの長所なの。
貴方にも、そのあたり分かるでしょう?
…初めまして、シアよ。覚えたければ好きにするといいわ」ヒョコッ
ロゼッタ「た、確かに、そうですね…………
――――と、すんなり頷いていたところですよ。
シアさんがカメラを構えてさえいなければ…………」
ラナ「ななな、なんのことかなぁ!?」ギックゥ
シア「…………」スッ
ドン引きです。魔女同盟みたいな言葉で括られることにすごく抵抗があります。
311
:
Mii
:2021/07/02(金) 23:45:08 ID:/0g3pETI
リンク「とにかくさ!何か、償いか罪滅ぼしか、させてくれ!」バッ!
ロゼッタ「べ、別に気にしてませんよ……大げさな…………」
というより、最終的に早合点&無茶をしたのは私の判断ですし。
…もっとスマブラについて学んでおくべきでした。
Dr.マリオ「はい、はい。露出狂は追い出すぞー」
リンク「からかうなよ、マリオ…!俺は至って真剣で…」
Dr.マリオ「…あー。実はだな。どのみちリンクは追い出さなきゃならん。
勿論ピットも。最終的には俺もだな。…ロゼッタの名誉のために」
リンク「…そーなの?名誉って?」
Dr.マリオ「女性が弱り切っているところを見るのは失礼だろ?
まだ峠を越えてないんだよ」
ロゼッタ「…………初耳なんですけど?」
Dr.マリオ「…すまん、ショックを受けると思って伝えてなかった」
…そ、そうは言っても。
とりあえず危機は脱して…特に容体が急変するとも思えないのですが…。
まだ、もがき苦しむことがある、と?……はは、まさか――――
312
:
Mii
:2021/07/02(金) 23:54:47 ID:/0g3pETI
…得てして、口に出した途端、考えた途端に、事態が動くことって、割とありますよね。
ドクンッ!
ロゼッタ「…あ、れ?なんだか、急に、力が、抜けて…………」ゾワッ
Dr.マリオ「やばい!もう襲ってきたか…!リンク、ピット!――すぐにここから出ろ!早く!」
デイジー「……始まって、しまった…のね!」
深刻な表情の…マリオに、デイジー姫が。より一層不安を駆り立てます。
リンク「お、おう!わかった!一応聞いとくが…大丈夫なんだよな!」
ピット「じゃ、じゃあ僕もお暇するねー!」
2人に釣られて、ラナさん、シアさん、パルテナさんも退出していきます…が。
そんなことに気を取られている場合ではありません。
ロゼッタ「――――――――――――――から、だ、が――――」バタッ
313
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:02:14 ID:jHb9NQS.
ヒルダ「急がないと、急がないと…」タッ タッ タッ
大事な親友のために、廊下は走るな…という警告をほんのちょっぴり無視して、
速足で移動、移動、移動。…あ、教えてもらった病室が見えてきました!
思い出はたくさん作りました。でも、そろそろお別れの時のようです。
悔いを残さないよう、しっかり挨拶しておかないと!
…こう、いざ会ってみたら泣いちゃったりするんでしょうか、私。
なけなしの涙腺に期待します。もちろん、ゆる…むように。
一旦停止して、扉の前で深呼吸。
ガチャッと、勢いよく扉を開けます!
ヒルダ「ロゼッタ!最後のご挨拶に参りました――――」ギイィ
ロゼッタ「…………」
ヒルダ「…………え」
ロゼッタ「…やる気でなーい……………………」グデー
314
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:05:28 ID:jHb9NQS.
ロゼッタ「…………あー、ヒルダ姫じゃあ、ないですかー」グデー
ヒルダ「…………ロ、ロゼッタ?」
ロゼッタ「あ、ちょうどいいですー。
そこのリンゴ、ちょっと取って頂けますかー?そう、それー」
ヒルダ「…………?は、はい。どうぞ…?」
ロゼッタ「ありがとうございますー」
ロゼッタ「…………」ゴシッ ゴシッ
ぱくっ
ロゼッタ「ん――、美味れす」シャクッ シャクッ
ピーチ「ベッドの上で果汁垂らしつつ丸かじりしないでぇ!!」バシッ
ヒルダ「」
315
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:08:12 ID:jHb9NQS.
Dr.マリオ「説明しよう。今のロゼッタは、
『覚醒状態』の反動がやってきて、やる気が激減している。
特に初回である今回は、それはそれはやる気が空っぽで、
何をするにもグウタラのものぐさになるのだ」
デイジー「うっわー、なっつかしー…
あのロゼッタの変貌ぶりから予感がして、スタンバイしといてよかったね…。
他人から見ると、こんな感じなんだ…………
人のふり見てなんとやら、だね…」
ピーチ「うわぁ…これは男性陣には見せられないわ…
正直マリオにも見てもらいたくないわ…」
Dr.マリオ「そう言われるとは思ったが、デイジーの症例を知っていると
いろいろと解読出来て便利だからな…大目に見てくれるとありがたい」
ロゼッタ「…………喉が渇きましたぁ」
ピーチ「あ、そこのボタンを押せばお水が入ったコップが用意されて――――」
ロゼッタ「…………むー」
Dr.マリオ「『何か美味しい飲み物を買ってきて』だって」
ピーチ「」
316
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:10:50 ID:jHb9NQS.
デイジー「しょうがないなあ。何が飲みたい?買ってくるよ」
ロゼッタ「…………はぁ」
Dr.マリオ「『そのくらい考えて上手く選んでください。面倒です』だって」
デイジー「お、おっけー。やれるだけやってみる!」
ロゼッタ「なんだったら全種類買ってきてくれてもいいですよー」
デイジー「あ、その方が楽だからそっちにしよう!」ダダダッ!
ヒルダ「」
デイジー「…お待たせぇ!抱えるほどドッサリ買ってきた!お金なら要らないよ!
はい、好きなだけ飲んじゃって!余ったのはこっちで飲むから!」ズイッ
ロゼッタ「…………これを」
デイジー「ああ、そのオレンジジュースね!いいよー」
ロゼッタ「…………ん」ツキカエシ
デイジー「…………??やっぱり要らないの?別のにする?」
Dr.マリオ「『開けてほしい』だって」
デイジー「お、おう」プシュッ
317
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:15:40 ID:jHb9NQS.
ロゼッタ「――――」ゴクッ ゴクッ
ロゼッタ「ぷはぁ」
ロゼッタ「…なんだか疲れました、体が重くてー。ずっとこうして寝ていたいですー」
Dr.マリオ「『肩でも揉んでほしいです』だって」
デイジー「まあ、そのくらいなら………」モミモミ
ロゼッタ「中々気持ちいいです――――」
デイジー「そりゃあ、よかった!」
ピーチ「マリオ、流石ね…よく解読できるわね」
ロゼッタ「…………そろそろお手洗いに行きたいです」チラッ
ピーチ「…あ、ごめん。邪魔だったわね、どくわ」
Dr.マリオ「……………………一応、セクハラじゃないぞと前置きしたうえで」
Dr.マリオ「『トイレまで運んでくれないとここで漏らします』だぞ」
デイジー「そういやそうだったああああああぁぁぁぁぁ!!!」ガシィッ ダダダダッ!
ピーチ「ものぐさにも程があるでしょう!!!!
というよりデイジー、ちょっと後で話があるんだけどっ!!!!!!」
318
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:20:50 ID:jHb9NQS.
デイジー「…任務、完了いたしましたーっと」
ロゼッタ「どうもです、デイジー姫ー。
…あ、そういえば。ヒルダ姫、何か御用ですかー?」
ヒルダ「やっと聴いてくれましたね、まったく…コホン。
呆気に取られて切り出せなかった私も私ですが。
実は。そろそろ、わたくし、ロウラルに帰ろうかと思います。
あと2日くらい滞在して大会を見届けたい気持ちもあるのですが、
やはり故郷が気になってきて仕方がなくて…。それで、最後のご挨拶にと」
ロゼッタ「……………そう、ですかー」
ヒルダ「ええ、名残惜しいですが――――」
ロゼッタ「ちゃんと故郷の皆さんにー、お土産は買ってあげてくださいねー」
ヒルダ「」ガクッ
デイジー「ヒルダ、怒らないで怒らないで。
今のロゼッタはこういう反応しかできないから」
ヒルダ「…わかっています」ハァ・・・
ヒルダ「それでは、また。
皆さん、本当にお世話になりました」ペコリ
319
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:23:49 ID:jHb9NQS.
ピーチ「こちらこそ。またいつでも遊びに来て頂戴ね」
ヒルダ「…………はいっ!」
ガチャッ バタン・・・・・・
ロゼッタ「…………ふわぁ…………」
ピーチ「マリオがいるんだから、そんなに無防備に欠伸しないでよ…」
ロゼッタ「…………」ウツラ ウツラ
ピーチ「…正直、ロゼッタに早くいつも通りになってほしいんだけど。
回復魔法使ってくれたら大助かりだし」
Dr.マリオ「…んなこと言われてもな。デイジーの例だと、
まる1日はこんな感じだぞ。相当興味を惹かれるイベントでもない限り」
ピーチ「興味、興味、ねえ…………よし!じゃあ、こうしましょう。
ロゼッタ!手配を早めるから、朝の9時からでも…
とっとと医療センターに義眼を選びに行ってちょうだい!」
ロゼッタ「…………!」ピクッ!
320
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:30:50 ID:jHb9NQS.
デイジー「選ぶって?バリエーションがあったりするの?
一番性能のいいやつを、患者に合う大きさに調整するだけでしょ?」
ピーチ「そんなわけないでしょ?キノコ王国の技術力、あいかわらず凄いんだから。
最新技術を駆使して、CGシミュレーションも行って、医師と相談しながら……、
何百万通りものカラーから好きな色を選択できるの。自由度が凄まじいわ。
もとの色に拘るもよし、気になる色におしゃれ感覚で変えるもよし。
ロゼッタなら結構時間を潰せると思うけれど」
ロゼッタ「義眼っ!!朝一番に向かえるというのならぜひ!」バンッ!
ピーチ(食いついた!)
ピーチ「選び終えたら、ものの1時間で手術は終了するわ。
なんなら、ロゼッタほどの回復魔法を使えば、自分でも手術できるかもね。
こう、グイッとはめ込んで即回復、みたいな」
デイジー「そんなおもちゃの部品みたいな言い方はどうかと思うっす」
ピーチ「まあともかく。デイジー、ロゼッタの付き添いをしてあげてくれる?」
デイジー「ロゼッタ、やる気が底を尽きやすいこと以外はおおよそ健康なんだよね。
喜んで!まかせといてよ!よーし、7時には出発するぞー!」
ロゼッタ「はい!なんでしたら今から外に向かいましょう!」
デイジー「…せめて病人服は着替えようね。今絶対、横着しようとしたでしょ」
ロゼッタ「…………」ギックゥ
321
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:35:51 ID:jHb9NQS.
〜船場までの街道〜
ヒルダ「わざわざ見送りに加えて案内までしていただいて…ありがとうございます」
ゼルダ「ふん。わざわざ、中途半端なタイミングで帰郷しなくてもよろしいでしょうに。
今度会ったら、どれだけ決勝が盛り上がったかを語って悔しがらせてあげますよ。
…大会終了後に、祝賀会も開催されるというのに」
ラヴィオ「デイジー姫にちらっと伺ったのですが…大会最終日が明日の12月6日、
祝賀会は12月7日から12月13日までの丸々1週間でしたか。
主にファイター達だけで集まって、割と無礼講で…
食べては飲んでは、1週間思いっきりどんちゃん騒ぎするんでしたっけ」
ゼルダ「…やたらデイジーの趣向に偏った説明のされ方ですね。彼女らしい」
ラヴィオ「それにしても…わかりやすいツンデレ具合」
ゼルダ「何か仰いまして?」
ラヴィオ「い、いえ何も!!」
ヒルダ「…ふふ。私も、ゼルダ姫と…気軽に会えるような環境に、間柄に、
なれたらいいなと思いますよ。…おっと、間柄についてはもう十分ですよね。
今まで本当にありがとうございました」
ゼルダ「…………手紙の一つでも出してくださいよ。リンクに運ばせますから」
ヒルダ「あ、だったら私もラヴィオに運ばせましょうか。交流できていいですね」
ラヴィオ「…ははっ!なんだかお二人を見てると、こっちまで嬉しく、楽しくなってきますよ」
322
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:39:51 ID:jHb9NQS.
ヒルダ「ふふ。…ねえラヴィオ、帰ったら…話したいことがいっぱいあるのです。
私、守られてばかりだったけれど、この大会の中で…………
ずっと、ずっと、ずうっと、強くなったんですよ。まだまだ弱いですけれど。
これからも、一緒にロウラルを良くしていきましょうね!」
ラヴィオ「ええ、私からお願いしたいくらいですよ!改めて…貴方が主で、よかったです!」
ゼルダ「…はあ。そうこう言っているうちに、ほら。
ハイラル・ロウラルに向かうための船場が見えて来て――――」
「ストーップ!」
ゼルダ「…?」
ナンシー「きちゃ、ダメっ!!!!!!!!
さっき、ダレかがぶつかってきたときに、コンタクトレンズをおとしちゃったんだよ!
いま、さがしているところなんだから、動いちゃダメだよ!
ゼッタイ!動いちゃ!!ダメだからね!!!!!!!!!!!」
ゼルダ「えっ」
ヒルダ「えっ」
ラヴィオ「えっ」
323
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:41:27 ID:jHb9NQS.
〜1分経過〜
ナンシー「どこだろうね、こっちにもないね…」キョロキョロ
3人「「「…………」」」
〜3分経過〜
ナンシー「ほんと、どこに転がっていったんだろうね、まったく…」キョロキョロ
3人「「「…………」」」
〜10分経過〜
ヒルダ「あ、あの!せめて私たちも探させて――――」
ナンシー「いいから!余計なことしないで!
あなたたちはただ、そこから一歩も動かずにいてくれたらいいの!!!
そのかわり、進むのも戻るのも禁止!!!!」キョロキョロ
3人「「「」」」
324
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:44:16 ID:jHb9NQS.
ラヴィオ「ヒルダ様、いくらなんでも埒があきません。待ちぼうけは止めましょう」ヒソヒソ
ヒルダ「さ、策があるのですか!」ヒソヒソ
ラヴィオ「深く考えることはなかったんですよ。…行儀は悪いかも、ですが。
ヒルダ様、うんと強くなった…と仰ってましたよね。
…ここから、ほぼ真上の、家の屋根まで…ジャンプで届きますか?
そのまま屋根伝いに進めばいいんですよ」ヒソヒソ
ヒルダ「…あ、そういうことですか!
…この高さと距離なら…ええ、なんとかなりそうです」ヒソヒソ
ゼルダ「もちろん私は大丈夫ですよ、考えましたね」ヒソヒソ
ラヴィオ「それじゃあ、行きますよ…せーの!」ピョンッ!
ゼルダ「それっ!」ピョンッ!
ヒルダ「えいっ!これで――――」ピョンッ!
ピシッ・・・ ピシッ・・・
ゼルダ「」
ヒルダ「」
325
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:47:14 ID:jHb9NQS.
ナンシー「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
ふんだね!!コンタクトレンズ!!!
あんなに動いちゃダメっていったのに!!!!!」
ゼルダ「どうしてこんなところに落としたんですか!?」
ヒルダ「むしろ上って来てるんですけど!?」
ナンシー「アンタたちのせいだからね!べんしょうしてよ!!
コンタクトレンズ!!!べ・ん・しょ・う!」
ヒルダ「えっと、あの、その」
ナンシー「アンタたちがそのつもりならアタシにもかんがえがあるよ。
アンタたちが代わりのコンタクトレンズを買ってくるまで
船場に行く道を通らせないんだから!」
ヒルダ「す、すいません!ロウラルに誓って必ず近いうちに弁償しますから、
今はどうか――――――――」
ナンシー「ディーフェンス!ディーフェンス!」シュバッ!
ラヴィオ「うわあ!?屋根の上まで飛び上がってきた!?
この人も中々やるみたいですね…!」ビクッ!
ゼルダ「…ここは、私に任せなさい!流石に向こうも…やりすぎです!」
326
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:51:28 ID:jHb9NQS.
ゼルダ「何処の何方か存じ上げませんが…あまりしつこいと逆に脅迫になりますよ!
…ああもう、今だけは一旦、押し通りますっ!覚悟なさい!」ダッ!
ナンシー「どすこーい!!!!」ドゴーンッ!
ゼルダ「ぐふぅ」ドゴォ
ゼルダ「」チーン
ヒルダ「ゼルダ姫が負けた!?」
ナンシー「今の私はマリオより強いんだからね!!!!」ムフー!!
ゼルダ「」ガタガタガタガタ
ラヴィオ「…こうなったら!私が囮になります!自信、あまりありませんが!
私に気を取られている隙をついて…一気に駆け抜けてください!
もちろん、日をずらして私も帰還しますから!」ヒソヒソ
ヒルダ「…ラヴィオ、申し訳ありません…では、そのように…」
327
:
Mii
:2021/07/03(土) 00:58:25 ID:jHb9NQS.
ラヴィオ「おー!我こそは、こちらにおわすロウラルの姫君、ヒルダ様の一の臣!
中々の実力者とお見受けする!僭越ながらお相手させて頂きます!
そこまで通したくなければ、いざ、尋常に勝負と行こうではありませんか!」バーン!
ナンシー「あ、どうぞお通り下さい」ササッ
ヒルダ「」
ラヴィオ「私はいいんですか!?通したくないんでしょう!?
倒してでも止めたいんでしょう!?」
ナンシー「いやいや、まさかー。そんな野蛮な行動になんて出ませんよー。
私は一介の市民ですしー」
ラヴィオ「…じゃ、じゃあヒルダ様だって別に――――いいですよ、ね?」
ナンシー「何勝手に通ろうとしとるんじゃワレェ!!」カッ
ヒルダ「ひゃああああ!?
ラヴィオ!別の道!別の道で迂回ですっ!!」タタタッ!
ラヴィオ「ヒルダ様っ!そのまえにゼルダ様を!ゼルダ様を回収しないとっ!」
328
:
Mii
:2021/07/03(土) 01:02:18 ID:jHb9NQS.
工事の人「おっと!今はそこは通行止めだ!いつ工事が終わるかは知らん!」
少年「あんた、シショーと戦ったのか?戦ってないだって?
先に進みたいのならシショーを倒してからにするんだな、案内してやるよ!」
大男「意味もなく通せんぼするぞー!」
キノピオ?「この先のお城は危険だからね!行かない方がいいよ!」
おじさん「こら!電車が来るかもしれないのにトンネルの中に突っ込むな!死にたいのか!」
おばさん「今ちょっと限定品の行列作っててねえ…
悪いけど、邪魔しないでもらえるかね?割り込むつもりかい?」
ヒルダ「」
ゼルダ「」
ラヴィオ「そのぐらい通してくださいよ!」
おばさん「アンタは別にいいよ」
ラヴィオ「ますます訳が分かりませんよ!?」
329
:
Mii
:2021/07/03(土) 01:04:55 ID:jHb9NQS.
〜AM 9:30 医療センター〜
技術者「…はい。検査のほど、お疲れさまでした、ロゼッタ様。
義眼のサイズ、性能についてはすんなり決定しましたね。全く問題ありません。
それでは、お待ちかね…性能以外のところのカスタマイズに移りましょうか」
ロゼッタ「はい!待っていました!どんな色合いを選択していこうか、ドキドキが止まりません…!
目は魔女の『命』ですから!」
デイジー「まさにロゼッタ、『目の色が変わってる』ね。
その眼帯の下、一体どんな義眼になるのかなぁ?私も楽しみになってきたよ。
でもロゼッタ、一応忠告しとくけど。
いつぞやのドレス購入時に興味を失って5分で即断したみたいに、
途中で飽きて適当な選び方をするのは、駄目だよー?」
ロゼッタ「もちろんですよ!」フンス
デイジー「ははは、本当にわかってるのかなあ」
技術者「それではさっそく。PC画面をご覧ください。
今から候補をどんどん羅列していきますから、うまく絞っていきましょう。
色彩の微調整、いくらでもできますからね。なんなりと希望をお伝えください。
デイジー様のご意見も踏まえて、ロゼッタ様だけの義眼、用意していきましょうね」
CGを使い、手術後の想像図を映し出し。
ああだ、こうだと意見を交わしながら、私の義眼選びが、始まりました――――
330
:
Mii
:2021/07/03(土) 01:08:47 ID:jHb9NQS.
〜執務室〜
ドンッ! ドンッ!! ドンッ!!!
ピーチ「やたら煩いノックの音ね…こんな忙しい時に。
――――はーい、どなたかしら?」ゲッソリ
ガチャッ!!!
ヒルダ「ピーチ姫!一体これは、どういうことですかっ!!」
ゼルダ「何か仕組んだのですか、とっとと白状してください!!」
ピーチ「…あ、あれ?ヒルダ?帰国の途についたんじゃなかったの?」
ヒルダ「帰国も何もっ!船場に向かおうとするたび、
ことごとく妨害が入って、一向に船に乗れないんですよ!!
街の人だったり、観光客だったり、はたまた仕掛けだったり…
狙ったかのように足止めをしてくるんです!
お願いですから帰らせてくださいよ!」
ゼルダ「そうです!お、おまけに、街の人たちに扮して…
あまりにも強すぎる者たちで固めている、なんて!なんたる屈辱…っ!
意地の悪い!ヒルダ姫をキノコ王国に閉じ込めたいとでも!?」
331
:
Mii
:2021/07/03(土) 01:13:29 ID:jHb9NQS.
ピーチ「そんな訳ないでしょう、何のメリットもないじゃないの。
…妨害を受ける?ゼルダが音を上げるほどの凄腕の?いろんな人たちから?
そんな指示を出した覚えはないし、指示をこなせる人員もいないって。
事実ならしょっ引かせてもらうけど…」
ラヴィオ「なんだか、私だけは問題なく帰れそうだったんですけどね…」
ピーチ「…………貴方だけ?ヒルダは駄目なのに?」
ヒルダ「…はい」
ゼルダ「ついでに言うと、帰る予定のなかった私まで止められた節があります。
キノコ王国のやりかたは私の理解を超えています…」イラッ
ピーチ「ヒルダと、ゼルダだけ、妨害された?」
ピーチ「……………………」
ピーチ「………………………………あ」
ピーチ「………………………………あ、ああああああっ!?」
ゼルダ「……?どうかしましたか?」
332
:
Mii
:2021/07/03(土) 01:21:28 ID:jHb9NQS.
ピーチ「……………………2人ともっ!つかぬことを聞くのだけれどっ!!
スマブラ大会に参加する全てのファイターが、厳守しなければならない…大会規約っ!
『大会中、最低10戦、試合に出場する』って条件、満たしたの!?」バンッ!
ヒルダ「…………あ」
ゼルダ「…………まだ、1戦も、出ていません、ね」
ピーチ「言ったわよねっ!!口を酸っぱくしてっ!!パンフレットにも書いてるっ!!
この条件満たさない限り、参加ファイターはキノコ王国から脱出できないわよ!?
この規約は抑止力さえ味方に付ける強制力があるのっ!!」
ゼルダ「そ、そのようなことを急に言われても…
隔離されていたのですから、仕方がないではありませんか!」
ヒルダ「そ、そうです!」
ピーチ「憤慨の気持ちは察するけど、イレギュラーな事態だからって
規約は規約、びた一文も負けてくれないのよ!」
ラヴィオ「ちょ、ちょっと待ってください。…ってことは。まとめると…
今日、明日中に最低10戦終えないと…ヒルダ様、とゼルダ様は。
キノコ王国に永久に幽閉されるってことですか!?」
333
:
Mii
:2021/07/03(土) 01:30:04 ID:jHb9NQS.
ピーチ「永久ってことは、ないけど…」
ゼルダ「な、なんだ。脅さないでください――――」
ピーチ「『次回のスマブラ大会開催後に改めて10戦を終えるまで』…要するに数年間はマジで幽閉されるわよ」
ゼルダ「ちょっとおおおおぉぉぉっ!!!?」
ヒルダ「」ブクブク
ラヴィオ「ヒルダ様が倒れたぁ!」
ゼルダ「なんでそんな融通の利かない規約がっ!」
ピーチ「冷やかしで大した度胸も無い戦士が参戦希望するのを避けるため、とのことよ。
…………なんか文句ある?」
ゼルダ「あるに決まっているでしょう!責任者を出しなさい!」
ピーチ「じゃあ抑止力にも一枚噛んだ任天堂法務部の連絡先を教えるから――――」
ゼルダ「やっぱりないです」
334
:
Mii
:2021/07/03(土) 01:34:29 ID:jHb9NQS.
ピーチ「ああもう!こうなったら!ゼルダっ!ヒルダっ!
今日、さっさと10戦終えちゃって頂戴!ハードなスケジュールになるけど!
むりやり試合を組ませてあげるから、覚悟しなさい!」
ヒルダ「ええっ!?」
ピーチ「明日…最終日は、午後3時頃…割と早いうちから表彰式に入るの!
実質、残り時間は1日半しかないのよ!
…ごほっ、ごほっ。…あんまり叫ばせないでよ」
ゼルダ「せ、せめて1日半まるまる使って消化していくというのは…」
ピーチ「別にいいけど…明日の午前は、優勝者を決めるための最終決戦…
3強のマリオ、リンク、クッパが毎試合2人以上は確定で出場する、
泣く子も土下座するような血みどろの『死合』ばっかりよ?
おまけに、終了間際、僅差のポイント勝負ともなれば、撃墜数稼ぎのため
下手すりゃ集中的に狙われて瞬殺される貧乏くじなんだけど…出たい?」
ゼルダ「さあ今日中に全て消化しましょうか!!」
ヒルダ「わあ、ゼルダ姫ったら洒落を言うなんて!面白いですね、ははは。
でも寒気がしてきたので私も今日中に終わらせたいかも!」
ピーチ「それが賢明だと思うわ。…じゃあ、他の予定は一切入れずに…
気合い入れて控室で待機しておいてね」
ゼルダ「…………はい」ドヨーン
ヒルダ「…………うう。結局、大会が終わるまで残ることに…」ガックリ
335
:
Mii
:2021/07/03(土) 01:46:37 ID:jHb9NQS.
〜正午 医療センター〜
ロゼッタ「もうちょっと、青みがある色で!あと、明暗もいじりたいです」
ロゼッタ「…ああ、それはすこし偏らせ過ぎです!もう少し戻してください!」
ロゼッタ「中央部分にかけて、グラデーションをつけることってできますか?
目を凝らして観察されれば分かる、程度でいいのです」
ロゼッタ「左目…もう片方の眼球とすこし重ね合わせて色差確認したいのですが…」
ロゼッタ「FPを込めて、やや光った状態になった目は…………これまた別の見栄えになるんですよね。組み合わせも重要ということです。
候補が本当に一杯ありそうで、探し甲斐がありますね!試しに、手術前の義眼にFPを通してみてもいいですか!?」
ロゼッタ「あ、経年による多少の色度変化についても提示をお願い致します」
ロゼッタ 「一度手術してからの、微調整用の目薬とかってあったりしますか?
…いえいえ、無いなら無いで構いません。私の方で調合・調製しますから」
ロゼッタ「ほうき星で過ごすことが多い以上、宇宙線の影響は少なからず受けますから…
この際、抵抗力の勝る色合いにしようかしら。…結構、変わってくるんですよ、ただの色の違いだけでも。
FP波長、光波長の同期について解説を始めると軽く3時間は飛んで行くのですが…え、要らないですか。
あ、じゃあ少し手前の候補に戻らせて頂けますか?すいません。
評価値が増えるって大変ですね、でもだからこそ楽しい!」
技術者「ひいいいぃぃぃ…た、ただいま実行してみますね…」ガタガタガタガタ
デイジー「……………………」
デイジー「……………………お昼ごはん食べる隙すら無いやん」
336
:
Mii
:2021/07/08(木) 20:48:03 ID:0GtDLJ.g
――まだまだ復興真っ只中…むしろ復興開始したばかりではあるものの…
――まだまだ熱狂は消えない冷めない止まらない!残りはたったの2日間!
ピーチVSブラックピットVSルフレVSヒルダ
ブラックピット「…ほう、まあ敵はピーチのみと考えて良さそうだな…」
ピーチ「…………あら、そうかしら?」
ブラックピット「…フン。ルフレもヒルダとやらも、俺の敵などではないということだ。
まだまだ新米のヒヨっ子だからな」
ピーチ「おっけー。貴方の気持ちはよーく分かった。そしてそういう思想が気に食わない。
それじゃ、今大会の全ての鬱憤を貴方にぶつけるから頑張って耐えてね…!!」
ブラックピット「え」
ピーチ「私もね、ノルマはとっくに終わってるし、体調最悪だし、
今更必死こいたところで戦績も順位も大して上がらないだろうし…。
そこまで本気にならなくても、いいかなーって考えてたわけ。
でも気が変わったわ。――――叩き潰す」
ブラックピット「え、あの、ピーチさん?
落ち着こう!なっ!落ち着こうじゃないか!」ガクガク
337
:
Mii
:2021/07/08(木) 20:52:00 ID:0GtDLJ.g
ルフレ「…とりあえず、僕もピーチ姫と同じく、ノルマの10戦は終えてます、けど。
ヒルダ姫のノルマ処理、手助けしますよ。よろしくお願いします。
他のファイターに比べればだいぶ弱いと思うので、我ながら」
ヒルダ「あ…ありがとうございます!!本当に助かります!
…でも、ちょっと開き直ってるんです。ですから――手加減は要りませんよ!精一杯頑張らせて下さい!」
ルフレ「勿論です!どちらかというと、魔法合戦の方が楽しみだったり…!」
ヒルダ「ふふ、分かりますよ。私も、リンクが認めた神軍師の戦略、
この際、十分に堪能しようと思います!」
マスターハンド「それでは、大事件にも大混乱にもめげず挫けず――
いつもより更に気合を入れて、試合開始のカウントダウンですっ!」
観客「ファイブ!」
観客「フォー!」
観客「スリー!」
観客「ツー!」
観客「ワン!」
パアアアァァン!!
実況「――――さあ、試合開始です!!」
338
:
Mii
:2021/07/08(木) 20:56:28 ID:0GtDLJ.g
――ロウラルの姫君がなけなしの勇気をもって精一杯足掻く中…
――ハイラルの姫君が見劣りする訳には行かない、それが必然と言うもの――!
ルイージVSリトル・マックVSマルスVSゼルダ
ルイージ「一応言っとくと、この中で一番の実力者、僕だからね!
今さらながら、ものすっごく勘違いされてそうだけど!」
※強さの指標の仕様上、このスレ内でのルイージは、臆病ながらも
普通にファイター達の中で10本の指に入る程度には実力者です。
リトル・マック「お、おう。わかった。わかってるって。誰に言ってるんだ。
…なんでだろう。ルイージが言うと、生意気さというよりは
とにかく切実な想いが込められているような気がして怒れない」
※強さの指標の仕様上、このスレ内でのルイージは、臆病ながらも
普通にファイター達の中で10本の指に入る程度には実力者です。
ゼルダ「ああ、マック。そういえば、お礼を言いそびれていました。
なんでも、貴方と貴方のトレーナーが…ロゼッタのポテンシャルまた一つ、開花させてくれたとか。
彼女の親友として、感謝をお伝えしておきます。――誠に、ありがとうございました」
リトル・マック「…い、いやいや。ロゼッタ自身の努力と実力の賜物さ。
変に畏まられると…こちらも慣れてなくて照れる」
339
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:00:16 ID:0GtDLJ.g
ゼルダ「ふふ。そうですか。それではこの位にしておきましょう。
…ルイージ、胸を借りるつもりで全力でぶつかります。
あまり油断していると、足元を掬われますよ」
※強さの指標の仕様上、このスレ内でのルイージは、臆病ながらも
普通にファイター達の中で10本の指に入る程度には実力者です。
マルス「そういえば、今大会でルイージと当たるのは初めてか。
マリオには、中々勝てるものじゃないからね。
さて、ルイージの方は…如何ほどかな。それでは改めて…
――――――――――――――――お手並み拝見!」
※強さの指標の仕様上、このスレ内でのルイージは、臆病ながらも
普通にファイター達の中で10本の指に入る程度には実力者です。
ルイージ「なんだか凄いプレッシャー…!
…いやいや、ここで怖気づいてちゃいつもとおんなじ!うおー!頑張るぞー!
――――――――――――――――Oki Doki!」
340
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:02:58 ID:0GtDLJ.g
マスターハンド「大会はまもなく終了、それでもファイター達の輝きは弱まらない!
むしろ一層輝きを増すばかりと言ってもよいでしょう!
思い思いのチカラを描いて、夢見て、期待して――
さあ、何度でも!試合開始のカウントダウンですっ!」
観客「ファイブ!」
観客「フォー!」
観客「スリー!」
観客「ツー!」
観客「ワン!」
パアアアァァン!!
実況「――――さあ、バトル開始です!!」
341
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:06:41 ID:0GtDLJ.g
ピーチ「…………ふらふら〜」フラフラ
ピーチ「…うん。わかっては、いたけど。無理して参加すること、なかった、かしら。
…また、徹夜で回復巡回するのに…………」
…えーっと。仮に祝賀会終了くらいまで徹夜続けるとしたら、
12徹?あれ、13徹?どっちだったっけ。
……………いやいや、違うわよ、きっと。
そう、一応1時間ちょっと仮眠をとらせてもらってるから、0徹ね。マチガイナイ。
ピーチ「早く戻って、デイジーとロゼッタに状況説明でもしておこうかしら。
…それがいいわね、善は急げよ」タッタッタッ
〜キノコ城〜
キノじい「あの…デイジー様と、ロゼッタ様は…
こちらにも、病院の方にも、まだ一度もお戻りになられておりませんが…」
ピーチ「……」
ピーチ「…………は?」
342
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:10:00 ID:0GtDLJ.g
〜PM 7:00 医療センター〜
ロゼッタ「やっと…やっと!ようやく!
候補を残り10個に絞り込めました!あともう少し!
なんとか明日以降に掛からずとも決められそうです!
…あ!手術時間についてはご心配なく!
ピーチ姫の助言通り、私自ら手術してしまいますので!」キラキラ
技術者「モウカエリタイ」ウツロ
デイジー「ソーダネー」グウゥゥゥゥゥゥ
343
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:12:17 ID:0GtDLJ.g
〜キノコ城〜
ピーチ「ねーえ、宛がった部屋に付いたわよ。まったく、世話をかけさせるんだから。
…応答なしなら、このまま2人とも…それぞれのベッドにぶん投げるからね」ブンッ
ヒルダ「むきゅい…………ばたん、きゅー…」ベタァ
ゼルダ「ぐふっ…手荒な真似はしないでください…
じゅ…10戦、無事に、おわり、まし、た…」ベタァ
ピーチ「運ばせておいて感謝の言葉もなしなの?はぁ…まあいいわ。2人とも、まあ、お疲れさま。
そんなにとことん疲れてるんなら、そのまま寝ちゃいなさい。
ぐっすり休んで、明日の最終日を十全な状態で楽しむといいわ」
ヒルダ「デイジーの、きっつい特訓がなかったら、
肉体的にも精神的にも、とても耐えられませんでした…」
ゼルダ「あれに耐えた、時点で…大抵のことには、耐えられます、から」
ピーチ「…………」
ピーチ「さてと。仕事仕事」
ゼルダ「…………まだ働くのですか!?いい加減休まれては――――」
344
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:18:03 ID:0GtDLJ.g
ピーチ「キノじいがね。……あの、気難しい、キノじいがね。
戦後処理終わったら、お正月含めた一か月ばかり、催事をどれもこれもほったらかしにして。
チャーター機でバカンスに行っていいって。ゆーっくり、羽を休めてくださいませって」
ゼルダ「……………?」
ピーチ「だからお言葉に甘えて。
――――――――それまでは必死に頑張るわ」
ゼルダ「甘えているって言うのですか、それは」
ピーチ「…………さあ?」ゲッソリ
ヒルダ「おやすみ…なさ…い…………」
ヒルダ「――――」スヤスヤ
ゼルダ「ヒルダ姫ったら、あどけない寝顔をしちゃって。
…相当疲れていたのでしょうね、言うまでもなく。
…私は、どうしましょうか。一応、ちょっと様子を見て――――
余裕が有ったら、せめて浴して、身を清めておいた方がよさそうですね…」
345
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:21:53 ID:0GtDLJ.g
ピーチ「…あら?もしかして、もうちょっと気力、残ってる?
無理を言うつもりはなかったのだけれど、まだ大丈夫なんだったら…
ちょっと付き合ってほしいお話があるのだけれど」
ゼルダ「…………む。勿体ぶっていましたね、水臭い。そのような気遣い、不要です。
なんですかこの期に及んで。
いいでしょう、お相手しましょう、いくらでも。
とりあえず、紅茶の一杯でも淹れて頂けるのならば、ね」スクッ
ピーチ「…………紅茶だってコーヒーだって、ココアだって…
好きなドリンク、なんだって用意してあげるから。じゃあ、ちょっと会議室に――」
ピーチ「――――――――懺悔しに、向かいましょうか」
346
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:25:58 ID:0GtDLJ.g
ルフレ「ふわあぁぁ……一体、何だろう…………」
今日の試合結果を、振り返り議論し反省し…大会も残すところ、あと1日。
いろんなことがあったけれど、泣いても笑っても、あと1日。
試合内容をあらゆる方面から考察・研究し尽くして、ちょっとは成長できただろうか。
だがしかし、流石に疲れて眠いな。昨日の疲れもどっと残っているし。
ルフレ「まさかリンクさんが更に追い上げを見せるだなんて…
3強の方々、もはや誰が優勝してもおかしくないな」
3人の戦いっぷりは、力強く、そして芸術的なもの。観る者全員を引きつける。
明日も本当に楽しみでならない。こんな試合を、特等席で観られるだなんて…ついてるね。
さてさて、そんなことに胸を膨らませる僕だけれど。今はどういうことか、
キノコ城に参上してテクテクと集合場所の一室まで歩いている。
――そりゃあ、ピーチ姫に直々に呼び出されたんじゃあ、断れない。
347
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:28:52 ID:0GtDLJ.g
ルフレ「…………あ、あれは…」
華麗さを身に纏う姫君を視界に捉え、ちょっと背筋を伸ばして失礼のないように。
ルフレ「やはりそうでしたね、ゼルダ姫でいらっしゃいましたか。
今宵はこのような所まで、如何されましたか?」
そう、疲れをぐっと飲みこんで、精一杯挨拶を――――
ゼルダ「―――――――――――――――」ブツブツ
ゼルダ「―――――――――――――――」ブツブツ
ゼルダ「―――――――――――――――」ブツブツ
ゼルダ「―――――――――――――――」ブツブツ
ルフレ「……………………」ギョッ
…なんだか、心ここにあらずって感じの上の空で、ふらふらと歩きながら――――
華麗にすれ違って、去ってしまわれました。…らしくないですね。
…何か、悪いことでも、あったんでしょうか。
348
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:32:40 ID:0GtDLJ.g
ルフレ「失礼します…………って、あ、あれ?マルス様、アイク様!どうしてこちらに……?
し、失礼いたしました!もしかしてお待たせしてしまいましたか?申し訳ありません!」
マルス「ははは、そんなに固くならなくてもいいよ。
なに、僕とアイクも、おそらく君と同じ状態…ピーチに呼び出されたんだよ。
到着したのもついさっきさ。リラックスしていこう」
アイク「ああ、そんなに不安がるなって。
今までの観察で随分と成長したかと思っていたが、そんなところは
まだまだ相変わらずだな!男ならもっと堂々と構えておけ」
ルフレ「は、はい!…ちなみに、これは…どういった集まりなのでしょうか?
ピーチ姫から、何か伺っていますか?」
アイク「いや、全く分からないな。まあ、ピーチのことだ。
そこまで理不尽な話ではないだろう、なあマルス?」
マルス「――――――――――――ああ、そうだね」
…なんだか、マルス様の様子がおかしい気がしましたが、気のせいでしょうか。
349
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:36:30 ID:0GtDLJ.g
ピーチ「…あら?もう全員集まってたのね。
呼び出しておいて、遅れてごめんなさい。資料を用意していたものだから」ガチャッ
マルス「――――これで全員かい?」
ピーチ「ええ、そうね」
マルス「つまり、ルキナ以外のFE勢を集めたかったんだね?」
ピーチ「――――ええ、そうね」
マルス「…………そうか。薄々と感じては、いたけれど。
アイク、ルフレ。楽観していたところに水を差すことになって残念だが…………
ちょっとばかり、厄介な話を持ち掛けられるみたいだよ」
ピーチ「そうね、否定しないし…話が早いわ。さっさと本題に斬り込んじゃいましょう。
――――キノコ王国と、FE勢…いえイーリス聖王国との、戦後処理…
――――もとい、責任追及についてのお話を…」
ルフレ「――――――――っ!?」
アイク「――――――――っ!?」
350
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:41:36 ID:0GtDLJ.g
ピーチ「こちらの資料に、キノコ王国の物的・人的被害状況…
ならびに、キノコ王国が責任を追及するにあたっての事細かな主張・議論点を
できるだけわかりやすくまとめてあるわ。人数分あるから各自、目を通してちょうだい」
マルス「――――」
アイク「――――こりゃあ、酷いな」
ルフレ「――――目を覆いたくなる状況ですね。
本当に、死人が出なかったことが奇跡としか思えない」
ピーチ「やけに他人行儀ねー。ちょっと苛ついちゃうわよ。
…とりあえず、いま私が伝えたいのは。
…………FE勢は、今回の事件について、どうやって埋め合わせしてくれるのってこと」
アイク「…うぐっ!」
ルフレ「…あ、そ、そういう、こと、ですか――――!」
ピーチ「もちろん、『全部が全部、FE勢のせいだ!』だなんて素っ頓狂なことは言わない。
主犯格のタブーが誰よりも何よりも悪いのは自明の理。
それでも、ガノンドロフとギムレー…こいつらの責任も決して零じゃない。
そして、こいつらを暴れされた主要因として…………
かの国の英雄たちが『しっかり手懐けていなかった、倒し切っていなかった』ことは
当然ながら、挙げられるはずよね?」ギロッ
351
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:50:12 ID:0GtDLJ.g
ピーチ姫の主張はごもっともだ。
僕たちが、自分たちの王国に巣食うギムレーをしっかり打倒していなかったばかりに、
他所様に多大な迷惑を掛け、甚大な被害を被らせた。
この点について、キノコ王国は…イーリス聖王国に損害を償わせる権利が発生する、はず。
ピーチ「タブーを見過ごしたキノコ王国の自損として…ドーンと、被害の9割は免除してあげる。
あとの損害分は仲良く、ハイラル王国と半分こして――被害の5%、貴方たちにカバーして貰わないとね。
残念ながら――――王国同士の物価差、国力差のせいで。
イーリス聖王国の年間予算、何年分かは吹き飛ぶでしょうけど」
ルフレ「う、げ――――!?」
場が、凍り付く。アイク様が、パクパクと口を動かして唖然としている。
そ、そんな、こと。…とても、できない。できっこ、ない!?権利も、現実性も、ありはしない!
ピーチ「…………一応聞いておくけれど。厳密に言うと、知っての通り。
これ、『貴方の暮らすイーリス聖王国のギムレー』の仕業じゃないのよ。貴方にとっては平行世界のギムレーよ。
ルフレ、貴方がここで突っぱねるのなら…国家間の賠償責任、
ルキナに全部押し付けることもできるわよ?…私は責めないわ」
ルフレ「そんなことできるわけがないでしょう!!ふざけないでくださいっ!!!!」ガバッ!!
かっと血が昇る。そんな無慈悲で薄情な事、できるわけがない!そんな恥さらしになんかなるもんか!
352
:
Mii
:2021/07/08(木) 21:55:07 ID:0GtDLJ.g
マルス様が、優しげな眼を僕に向けている。
ハッと冷静になって、あわわ、あわわと取り繕って。とりあえず再度、着席。
さ、流石に感情のまま行動し過ぎた。軍師失格だ。
ルフレ「――――ルキナを呼ばなかった理由が、ようやく僕にも分かりました」
ピーチ「…じゃあ、貴方たち…あるいはルフレ、貴方だけが。
責任を被るってことでいいのね?二言はない?」
ルフレ「――――――――正直、払えるような対価など、何もありません。
決してイーリスは富んだ王国じゃないんです。ご存知の通り。
せめて、支払いをできるだけ、できる限り、延ばしていただけないでしょうか?」
それこそ、100年払いとか。…我ながら虫が良すぎる発想。
ピーチ「ええ、いいわよ。1000年払いとかでどう?」
ルフレ「相手の方がもっと虫が良かった!?」
353
:
Mii
:2021/07/08(木) 22:00:27 ID:0GtDLJ.g
ピーチ「…まあ、お金のほうはそれでいいのよ。実の所、全く困ってないし。
一部、文句を言う上層部も、私が口八丁で誤魔化して見せるわ」
ピーチ姫が、机に頬杖を突いてゆらゆら顔を揺らしつつ、ジト目で睨んでくる。
高貴なお姫様らしからぬ、行儀の悪さ。
マリオさん曰く、実は日頃から案外こんな感じだとか。俄かには信じ難い。
ピーチ「問題はね。貴方たちが、まだギムレー本体がのうのうと生きている…
ルキナの世界のイーリス聖王国をどうやって治めてくれるのかってこと」
ルフレ「…え?」
ピーチ「言ってみればさ。キノコ王国を酷い目に遭わせた悪役が、
成敗されることもなく健在なままでいるわけなの、このままじゃ。
わが王国の上層部は…まあ、私も含めて。
――――それはいくらなんでも我慢ならないでしょうってことなのよ」
蛇に睨まれた、カエルの気分。
ピーチ姫の声色、口調、そして眼光に…怒気が篭る。
大国の威圧、威厳というものを、どうして僕は忘れていたのだろうか。
354
:
Mii
:2021/07/08(木) 22:05:39 ID:0GtDLJ.g
ピーチ「感情的にも我慢ならないし、いつ何時、
またよからぬチョッカイを掛けてこないとも限らない。
ましてや、ギムレーのために国防に余計な出費が幾ばくか払われるとしたら、
こんな馬鹿な話はあるものかってことよね。
ゼルダには、ついさっき、ガノンドロフの分の責任について
それはもうきっちりと話を付けさせてもらったわ。
祝賀会が済み次第、ハイラル総出で、オールスターで、
何か月掛かってでもガノンドロフの勢力を削ぎに削げってね」
――――それであんなに暗かったんですね、ゼルダ姫。
マルス「残念ながら、僕やアイクは…生身の体が時代のずれに制約を受けるせいで…
王国に帰っても、干渉は出来かねるんだ。すまない。
直接助けに行けるのなら越したことはなかったのだけれど、
戦力としてはカウントできないよ」
アイク「全く、酷い話だよな…!」ブツクサ
ルフレ「…そんな」
355
:
Mii
:2021/07/08(木) 22:09:02 ID:0GtDLJ.g
なけなしの頭で思案する。
だったら、僕やクロムがルキナ側のイーリス聖王国に出張して、なんとかギムレーを倒せるか。
リンクさん曰く、案内人がいるのならば、とりあえず…
平行世界との行き来自体はなんとかなるらしいから。
…いや、あまりにも非現実的だ。ギムレーをある程度の期間を経て、
全勢力をぶつけて最終的に倒し切る…という、力量的な話に限ってすら。
どうやら、僕が元々知っていた「ギムレー」より、数段強くなっているらしく。
必ず倒せるという確証が持てない。
おまけに、ふたつのイーリスを同時に守るだなんて無茶振り…どう考えたって。
戦力が分散してどっち付かずになって、共倒れになって、何も守れやしない…!
ルフレ「…あ、そうです!
ここはいっそのこと、マリオさんに遠征してもらって、
ギムレーを瞬殺してもらう…というのは如何でしょう!?」
アイク「おお!単純明快でおまけに確実じゃないか!
それがいい!そうしようぜ、ピーチ!」
ピーチ「…………」
356
:
Mii
:2021/07/08(木) 22:13:21 ID:0GtDLJ.g
マルス「…………………それは、駄目だ」
アイク「どうしてだよ!?マリオならギムレーなんかには負けないだろ!」
マルス「うん。絶対負けないだろうね。
まあ、ルキナの世界が滅ぶよりはマシだから、最終手段として残しておくのはアリかも。
だが、覚えておいてほしい。それは、本当に――最終手段だということを」
アイク「……それは、どういう」
マルス「アイク。きみは…………
イーリス聖王国を、キノコ王国の従属国にしたいのかい?」
アイク「…………!?」
ピーチ「マルスが居てくれると、本当に話が早いわね。助かるわぁ」
ピーチが気だるげに、それでいて満足げにニヤつきつつ、
綺麗な頭髪のひと房に指を絡めて…くるくると遊びだした。
357
:
Mii
:2021/07/08(木) 22:18:28 ID:0GtDLJ.g
ピーチ「どんなに、大国だろうと。どんなに、悪を倒すための正義の軍だと主張しようと。
一方的に他国へ兵力を動かすのは、この世のご法度、禁忌事項。
やったら最後、任天堂の抑止力によって国が滅ぶと言われている。
じゃあどうするかっていうと、ひとつは軍事同盟を結ぶこと。
同盟有効のさなかに同盟国が攻められたから代理で成敗する、これはOK。
ただあいにく、現状で軍事同盟をキノコ王国と組むのは…
サラサ・ランドとハイラル王国だけ。今回は、この作戦は使えないわ。
それで、もう一つが――――
『属国になりますから守って下さい』って傅くことよ。
これは、後出しが利く。つまり、今からでも有効にできる。
イーリスが『自分たちで治められません、助けてください』って土下座外交するのなら、
キノコ王国の庇護下に置かれ、キノコ王国に動いてもらうことができる。
…そのかわり、属国化は一瞬でも、解消はものすごく面倒よ。
最低でも何十年単位で、キノコ王国の指示がイーリス首脳陣より優先される。
スマブラ含め、何かイベント事で各国が集まるようなとき、
キノコ王国としてはイーリス聖王国だけ序列を一つ落として扱うことになる。
立場や面子、色々と捨てることになっちゃうかもね」
ルフレ「――――――――――――――――」
ちく、たく、ちく、たく。
時計の秒針の音が、静まり返った部屋のなか、ただ聴こえている。
358
:
Mii
:2021/07/08(木) 22:21:25 ID:0GtDLJ.g
マルス「………………………はぁ」
マルス「ねえ、ピーチ。
…あんまり、今世代のイーリスが誇る頭脳を、ねちねちと虐めないでくれないものかな。
観るに堪えないよ。ルフレの姿も――――ピーチ、きみの姿もね」
ルフレ「…え?ええ?」ズルッ
マルス「こんなに汗をかいているルフレに、何か一言」
ピーチ「…はいはい、悪かったわね」ヤレヤレ
途端に、ぷしゅぅと空気が抜ける感じ。
そして、切れる緊張の糸。
マルス「ピーチもさっきチラッと言ったように…要は、『建前』なんだよ。
ルフレ、そこから『本音』を探り当てるのがきみの仕事だ」
――――建前。そして、本音。
359
:
Mii
:2021/07/08(木) 22:24:52 ID:0GtDLJ.g
ルフレ「…………」
ルフレ「…………」
ルフレ「…………ピーチ姫は」
ピーチ「…何かしら?」
ルフレ「全部ひっくるめて、丸く収められる、策を。
…………キノコ王国の上層部を形だけでも納得させられ、
それでいてイーリス聖王国が不可逆な傷跡を残さずにギムレーを倒せるだけの効力を持つ
一発逆転の秘策…いえ奇策を、僕が、提案するのを、期待して、いる…?」
ピーチ姫は、得たり、といった満面の笑顔で僕を出迎えた。
ピーチ「…ルフレに注文を出すわ。
遅くとも…祝賀会が終了するまでに、私にその策を伝えに来なさい。
私も、どうしても思いつかなかった、素晴らしい策を。
有用だと私も認めれば、協力は惜しまないから――」
ルフレ「――――」ゴクリ
360
:
Mii
:2021/07/08(木) 22:28:34 ID:0GtDLJ.g
ピーチ「間に合わない場合は、こちらから出向いて――――
ルキナに私から事情を伝えるか、キノコ王国に従うか、
はたまた…やってられるかー!と自棄になってキノコ王国と敵対するか、
いずれかの道を速やかに選んでもらうわ」
ルフレ「最後のを選んだら最速RTAでイーリス聖王国が滅びそうなんですが…」
マルス「あはははは」
アイク「そりゃあ確かに有り得るな、はっはっは」
ピーチ「ふふふふ…………心配しなくても、一旦実家に帰るまでは
手出しはしないでおいてあげるわよ」
アイク「マジ顔だ!?」
マルス「――っ、言うね、流石だ」
ルフレ「…………」ダラダラ
――――大変なことになりました。
361
:
Mii
:2021/07/08(木) 22:34:16 ID:0GtDLJ.g
〜PM 10:00〜
ロゼッタ「只今戻りましたー!
見てください、この義眼っ!苦労して選んだ甲斐あって、
素晴らしい出来ですよっ!我ながら見事な仕事でしたっ!!」
デイジー「どのみち大体の時は髪で隠れる義眼なのに…うう…
そんなことよりピーチぃ…………何か、おりょうり、つくって…………!
サンドイッチいっこでも、いいからぁ…………つかれたぁああああああぁぁぁぁ…………おなかすいたぁ…」
ピーチ「…………わかったわよ…人を何だと思ってるのかしら…。
絶対私、早死にするわ…命の蝋燭燃やしてるわ…絶賛…」
デイジー「…ぷはぁ!生き返ったあ!ごちそうさま!」
ピーチ「結局言われるがまま作らされて、20個も食べてるじゃないの!!
馬鹿なの、デイジー!馬鹿なの、私!」
ロゼッタ「……」パクパクパクパク
ロゼッタ「…御馳走様でした。まことに美味でした!」フキフキ
ピーチ(そして、ロゼッタがいつの間にか23個食べてる…!?)
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