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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか、今度こそ」
1
:
Mii
:2020/12/13(日) 04:46:59 ID:9GX1QhWw
このスレは
ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」 【前々スレ】
ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですね、是非!」【前スレ】
に引き続く続編となります。前々スレ、前スレをご覧になられていない方はそちらを先にどうぞ。
過去作を読まれていないと把握困難な設定、独自解釈が多々あります。
遅い進行のうえに寄り道万歳のスレですが、引き続き頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いします。
ラナ「たったーん♪たかたかた〜ん♪
そのほか、いくつか注意点をお知らせするよー。
・スレ主の、基礎体力面での戦闘能力解釈は、ざっくり言うと…
キャラとしての登場時期の早さと、登場回数の多さで大方決まるからね!
マリオ、クッパ、リンクを『3強』と表現してるけど、たとえばクッパVSガノンドロフだと、
クッパが欠伸しながらパンチを繰り出すだけでガノンドロフを一撃粉砕できるくらいの力量差があるよ!
パーティゲームに参加しないから仕方ないってことで、うん。敵があっさりやられても嘆かないで…。
リンクとの差が付いた理由は、前々スレを読めばわかる、のかなあ…?
・前々スレ・前スレ同様、いろんなパロディ、メタ発言が散りばめられてるよ!
キャラが自分たちの背景情報を活用する…みたいなご都合主義が白けるなら
急がず慌てず別のスレに移って、このスレのことは忘れよう!
・ようやくスマブラ編が完結して…マリオカート編にちょっとずつ戻っていくんだって!よかったよかった!」
シア(…………ちょっとずつ?)
795
:
Mii
:2026/05/09(土) 21:22:24 ID:oe59loe6
ロゼッタ「え?え?え?ここ、どこですか!?
…なんだか暑い…いえ熱い。マグマステージ?」
キノピオ『ロゼッタ選手は異空間ステージに放り込まれましたー!
1辺100メートルくらいのキューブステージで、スタート地点のぞく全5面を突破すればクリアです!
活躍のほどはしっかり観客に中継させてもらっているので頑張ってください!
あと、ご自慢の空間操作能力で空気読まず脱出することだけは止めてくださいねー!』
ロゼッタ「何の疑問にも思われていない無茶振り…」
ロゼッタ「…ええと、とりあえず用意された特殊コースを1人でクリアすればいいということですね?
やるべきことはフェアリーランドの攻略と一緒…………うん、それなら大丈夫」
ロゼッタ「…………(頬を叩く)」パシッ
ロゼッタ「仕方がないですね、突破すればよいのでしょう!!」
796
:
Mii
:2026/05/13(水) 00:56:21 ID:JpCuaSCc
〜1st Stage〜
ロゼッタ「ファイアバーを避けながら、小さい足場たちをジャンプで進んで…
踏み外すとマグマに落ちて一巻の終わりですから、くれぐれも慎重にっ…!!」
――――ジュウッ!!
ロゼッタ「ひやぁっ!?熱っ……くない?
火傷の跡も……とりあえず確認できず、と。
そうでしたそうでした、それなりに炎耐性が付いているんでした。
もうちょっとファイアバーのぎりぎりの距離を攻められそうですね」
797
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:02:51 ID:JpCuaSCc
〜2nd Stage〜
ミニクッパ「どうだ!パズルパネルの絵柄を完成させないと先に進めないぞ!」
ミニクッパ「マリパ4準拠でちゃんとミニクッパの顔になってるもんね!羨ましいだろ!!」
デイジー「あのパズル、簡単な方でもたしか5×5のサイズだったよね…
初期配置を固定してくれたのが救いだったけど」
ワルイージ「わざわざクッパが問題集作ってくれたし、みんな必死こいて解答例を丸暗記したよな。
特におバカな誰かさんは、そうでもしなきゃ一生クリアできなかっただろうよ」
デイジー「…………あらあら、そんな自分のことを卑下しなくてもよろしくってよ?」ゴゴゴゴゴ
ワルイージ「…………お前だよお前、煙と同類のデイジーさん」ゴゴゴゴゴ
ルイージ「でもロゼッタには全く必要なさそう」
ロゼッタ「できました!!!!」ババーン
ミニクッパ「早いよ」
ミニクッパ「攻撃させろよ」
798
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:06:27 ID:JpCuaSCc
〜3rd Stage〜
ロゼッタ「ファイアバーを避けながら、小さい足場たちをジャンプで進んで…」
ロゼッタ「ファイアバブルに不意打ちされないよう動きをよく見て…
ゆっくり追尾してくるカロンを定期的に踏んで気絶させて…
ボム兵がちらほら飛び出してくるのでマグマに放り込んで処理して…」
キラー「突撃ぃー!!」ガンッ!
ロゼッタ「…ぐっ!?キラー、まで飛んでくるん、ですか!?さすがにノーダメージは無理です…!!」ライフ-1
観客「俺、マリパ4のときも観戦した古参だけど…敵キャラの数が増えてない?」
観客「お前なんにも覚えてないんだな、密度はもっと低かったけど前からいたぞ」
観客「そうだったっけ…?マジか、すまんかった」
観客「なんでもクッパの気分でマグマ帯に適応できるキャラを呼び集めてるとか。
まあ当時のマリオはもっとスルスル〜っとクリアしていったけどな」
799
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:10:10 ID:JpCuaSCc
ルイージ「一部観客の辛辣な感想が聞こえるけど。ロゼッタ、ほんとに動きよくなったなあ。
フェアリーランドの1-2でダメージ受けまくってた頃からは想像できない」
ワルイージ「ま、マグマに落ちると一撃でやられちまうのは変わんねえけどな!
…え?今の俺たちはライフが1減るだけ?親切設計になったってマジか!?」
デイジー「まあ、私たちはマグマに落ちても『ダメージを受けたことにする』って感じだし、
そのあたりのダメージ塩梅は臨機応変ってことだよ、いいね?
とはいえ、ひ弱なロゼッタは流石にまだまだ大ダメージ受けちゃうか」
どんけつ「どーーーーーーん!!」
ロゼッタ「……ぶっ!?」
ロゼッタ「え、嘘――――」フラッ
ボチャンッ!!
ワルイージ「げっ、言ったそばから!!おい落ちたぞ!?」
800
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:14:12 ID:JpCuaSCc
ロゼッタ「嫌ああぁぁぁぁー!!!!マグ、マ!たす、けて!!
しん、で、しまいます!!」モガキ
ロゼッタ「あっつい!熱いです!!はや、く、陸に上がら、ないとっ!!
…はあぁ、死ぬかと思いましたっ!!」ライフ-2
ワルイージ「…わりと余裕だな」
デイジー「…わりと余裕だねぇ」
ルイージ「…いやいや、一瞬で生死を彷徨うようなレベルだったら
さすがに僕もロゼッタに挑戦させてないからね?」
デイジー「しかし一連スレの初期の初期は全く慈悲がなかったような」
ルイージ「それは僕のせいじゃない」
801
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:19:02 ID:JpCuaSCc
〜4th Stage〜
クッパ「ガッハッハ!!ドデカくなってパズルパネル再登場なのだ!」
ロゼッタ「10×10マス、気の遠くなるような大きさですね…!」
クッパ「だが放置しておくと、わりかしすぐにロゼッタには解かれるからな。
早いうちから攻撃を仕掛けさせてもらうのだ」
ロゼッタ「…………えっ? そそそそんな滅相もないです」
クッパ「とりま、カメック頼んだ」
カメック「任されました!!いざ、巨大化魔法!!」パアァァァ
ムクムクムクムク…………!!
巨大クッパ「というわけで、パネルを揃えようとするロゼッタを
タテからヨコからナナメから、色々と攻撃して妨害するのだぁ!!
レッツ!! クッパパーティーーー!!」グオオオォォォォ
ロゼッタ「 」
802
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:24:51 ID:JpCuaSCc
ロゼッタ「ま、まずはこちらでヒップドロップを……!!」
巨大クッパ「ファイアブレスっ!!!」
ロゼッタ「ひぃっ!?熱っ…!容赦、ないっ!?」ライフ-1
巨大クッパ「ほれほれ、ハンマーで叩き潰してやるのだ!!
潰されたくなければぎりぎりのタイミングで方向転換でもしてみるのだ!」
ロゼッタ「ぐっ…………!」ライフ-1
巨大クッパ「ここで唐突にスロットを出すぞ、回すぞ」
ロゼッタ「ゴホッ…ゴホッ…な…なんです、か…?」
巨大クッパ「スロットの絵柄にロゼッタが出たらその数だけ追尾キラーを飛ばすのだ!
…おっとおめでとう、ぜんぶロゼッタだったな。
キラーを3発くれてやろう。マグナムじゃないだけ有難く思え」カシャン カシャン カシャン
キラー「「「うおおおおおぉぉぉぉーーーー!!マグマに突き落とせー!!」」」
ロゼッタ「ちょっと!?」
巨大クッパ「もうちょいスロット回してみるか…また揃ったな、おかわりなのだ」カシャン カシャン カシャン
ロゼッタ「やめてください!!!」ライフ-1
803
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:30:56 ID:JpCuaSCc
巨大クッパ「空前絶後の大ジャァァンプ!!……かーらーのー!!!」ブワッ
巨大クッパ「メガトンヒップドロォォォップ!!!」ズギャァァァン!!
ロゼッタ「ヒィッ……!? ハァ、ハァ、ハァッ……!!
いいいいい今のをまともに食らっていたら命が有ったか怪しいんですけど!?」
巨大クッパ「そこらへんは上手く調整、手加減してるのだ!」
ロゼッタ「全く信じられないっ!!
…………あ、せっかく地道にヒップドロップで動かしたパネルが
グチャグチャに入れ替わってます……」ガクッ
巨大クッパ「ガッハッハ!今度はトゲボールをフィールドに大量投入してやるぞ!!
触れたら最後、グサグサ刺さってチョー痛いのだ!!」
ロゼッタ「……………………………」
ロゼッタ(ガシッ)
ロゼッタ「フンッ! フンッ! フンッ! フンッ!」ゴリッ! ゴリッ! ゴリッ! ゴリッ! ライフ-1
巨大クッパ「……ワガハイが悪かったのだ。
ぜんぶ回収するからパネルの絵柄のワガハイの顔の部分を
ライフ犠牲承知でトゲボールで引っ掻き抉るのはやめろ!!」
804
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:35:32 ID:JpCuaSCc
ロゼッタ「…………私、ふと思ったんですけれど。
クッパ側だけ魔法を解禁されているって、なんだか不公平じゃないですか?」ボロッ
巨大クッパ「…いやそれは悪役側の特権というかなんというか。
ギミック扱いみたいなもんだし、たぶん」
ロゼッタ「少なくともカメックに頼った巨大化魔法はズルいと思います!!」
巨大クッパ「それはお約束というか……わかった、わかった。
じゃあロゼッタにも1回だけ魔法を使わせてやるのだ。
今使ってもいいし、次の第5面…最終ステージで使ってもよいぞ」
ロゼッタ「……むう。なら最後までとっておきましょうか。
約束ですよ!約束ですからね!!」
キノピオ『ロゼッタ選手、かなり満身創痍のようす!
それでも少しずつパネルパズルが揃ってきたようです!
まもなく最終ステージに進むことができるでしょう!
引き続き、熱い声援をお願いします!』
――――ウオオオォォォォォ!!!
805
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:37:35 ID:JpCuaSCc
〜last Stage〜
クッパ「よくココまで来れたな!褒めてやろう!!
が!!もう、ワガハイも黙ってはいられないのだ!!!
今度こそオマエも終わりなのだー!!!」
ロゼッタ「パネルを揃えるのに…ゴホッ……1時間以上……ゴホッ……
掛かって、しまい、ました…………
わたし、偉い…ここまで死なずに来られて、偉い……………」
キノピオ『観客のボルテージも最高潮に達していますよ!!
ロゼッタさん、あともう一息です!頑張ってください!!』
ロゼッタ「ところ、で……この、ステージは…………」
デイジー「…あっれぇ?最終面のクッパさん、私の知らない動きだぞ?
足場の周囲にヒップドロップで押せるスイッチがあって、
三角形に囲むことでクッパにダメージを与える…的なギミックじゃなかったっけ?」
ワルイージ「俺もそう記憶してるが……スイッチ、どこにもねぇな。
かわりに変な爆弾が足場の外に浮いてやがる」
806
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:42:09 ID:JpCuaSCc
クッパ「フンッ!!!」ダンッ!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…………!!!
ルイージ「…………あ、足場が崩れ、始めた、だって!? どんどん、狭くなって――――まさか!」
ロゼッタ「――ーーーーーマグマが、無くなって、奈落に」
クッパ「…………ふっふっふ。 『さいごのたたかい!!』改め――――
ここに『てんくうのたたかい』再現なのだぁ!!!!!」
ロゼッタ「――――てんくうの、たた、かい!?」ゾワッ
クッパ「まあ、流石にサービスで……
すでに2回、爆弾にワガハイを当てたテイで勝負してやろう!!
その非力な腕力で、ジャイアントスイングできればの話だがな!!」
キノピコ『わああぁぁ!!いよいよクライマックスです!!
絶体絶命にも思えますが、ここからなんとしてでも逆転し、勝利をもぎ取ってほしいところ!
さあ、ロゼッタ選手の次の一手は如何にっ!?
目を離さず、しっかりと見届けましょう皆さん!!』
観客『がんばれぇ!!』
観客『クッパを倒せれば大金星だよ!!』
807
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:45:15 ID:JpCuaSCc
ロゼッタ「…………」
ロゼッタ「……………………」
ロゼッタ「……………………」スゥ
ロゼッタ「それでは、FPを振り絞って、全神経研ぎ澄まして……
なけなしの魔法を、一度だけ、使わせて、頂きます!! お覚悟を!!」
クッパ「はーっはっは!!ドンと来い!!しかと大魔王の実力と胆力で受け流してやるのだ!!」
808
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:48:01 ID:JpCuaSCc
ロゼッタ「クッパを爆弾の真上 10センチメートル に空間転移」パアァァァ!!
クッパ「 」
観客『『『 』』』
ドカアアアァァアン!!
ロゼッタ「…………すいませんすいませんホント体力限界なんですぅ…」クラッ
ロゼッタ「 」チーン
809
:
Mii
:2026/05/13(水) 01:50:05 ID:JpCuaSCc
キノピオ『…………あ、え、ええと、これにてフィニッシュでーす!!
ロゼッタ選手は気絶しましたが場外にはなっておらず
クッパも倒したので問題ありません!!』
キノピコ『ええええぇぇぇ……?』
観客『『『…………………………………………』』』
デイジー「ははははは!!ロゼッタらしい実にシュールな勝ち方だね!!」
ルイージ「一回ロゼッタに怒られた方がいいと思うよ…?」
デイジー「だいじょうぶ、この程度の揶揄じゃ私たちの友情は壊れないもん!」フンス!
ルイージ「そういう問題じゃないやい。
え、ええと、この観客の雰囲気を仕切り直さなきゃならないの、僕…?」
810
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:00:37 ID:w.NYcCTQ
急遽参加して、わちゃわちゃした元日のマリオパーティ100の催し。
…私は体力の限界が来て、そのままディナーの頃合いまで眠りこけていたのですが。
ピーチ姫は相変わらずバカンスで不在のままですが、
デイジー姫やルイージ、ワルイージたちとの打ち上げのようなものに参加して、
美味しい晩餐に舌鼓を打ちました。総じてリフレッシュにはなったかと思います。
終了当時の、観客の皆さんの白け具合はあまり確認したくありませんでしたが、
ルイージ曰く「なんとかやりすごせたよ、ハハハ」とのことです。
…横でデイジー姫が『あれで…?』と言いたそうな顔をしていましたが
決して見なかったことにします。
それから、数日ばかりが過ぎまして。
お正月ムードも徐々に去り、街中がそろそろ仕事始めに動こうかとする頃…。
ロゼッタ「バカンスから戻られたピーチ姫より、直々の呼び出しですか…………」テクテク
とりあえず、マリオカート8用の『反重力ペンキ』の開発進捗を報告する必要はありそうですね。
簡単ではありますが資料を作成し、封筒に収めてお城に向かいます。
約束の時間まで余裕がありすぎるくらいですが…早めに着いておきましょう。
――――経験則で、ええ。
811
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:03:20 ID:w.NYcCTQ
ロゼッタ「…………」テクテク
ロゼッタ「…………」テクテク
――――サワッ!
ロゼッタ「ひゃっ!?」サッ!!
ワリオ「おーおー、これはロゼッタか。元日以来だな?
大晦日まで研究室にカンヅメ状態っつうウワサを耳にしたぞ、体は大丈夫か?」
ロゼッタ「どこでその話を…ご心配なく。幸い皆さんに気遣っていただいて
心と体をリフレッシュすることができています。
また今日明日あたりから頑張れますよ、大事なお仕事ですから」
ワリオ「そっかそっか。それはよかった。頑張れよ。
ロゼッタとの話はいろいろと知見が深まるものが多いし、
適当なカフェとかでもう少し駄弁りたいのは山々なんだが……
アイハブアンアポイントメント。グッバーイ」
ロゼッタ「そうですか、それではワリオも頑張ってください!
………………………と、私が見過ごすとでも思いましたか?」ガシッ!
812
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:07:22 ID:w.NYcCTQ
ワリオ「うぉっと、どうした急に。俺に惚れて思わず呼び止めちまったか?」
ロゼッタ「今何をしたか分かってますか!?性懲りもなく、またお尻を触ろうとしましたよね!?
今回はなんとか避けられましたけど!!自分の反射神経の向上に大感謝です!!」
ワリオ「言いがかりはよくないぞ、冤罪だっつーの」
ロゼッタ「こんなこともあろうかと…えいっ! ワリオ対策のためだけに最近開発した!
嘘を付いている人がニンニクを食べられなくなる魔法をかけました!」パアアアァァ!
ワリオ「はあああ!?何てことしやがる!!解呪しろ解呪っ!!もうすぐメシの時間なんだ!」
ロゼッタ「…冗談ですけど。お間抜けさんは見つかったようですね」ゴゴゴ
ワリオ「なっ…………!!」ワナワナ
ロゼッタ「さあ、どう落とし前をつけてくれましょうか……!」
ワリオ「…まさか、ロゼッタに『間抜け』呼ばわりされるなんて…クソォ屈辱だ…」ガクッ
ロゼッタ「そっちですか!?思い当たる節はゼロじゃないですけど侮辱罪かなにかで訴えますよ!?」
813
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:14:14 ID:w.NYcCTQ
なんだなんだ、と周囲の人たちが騒ぎを聞きつけて集まってきました。
私としても、あまり大事にはしたくないのですが。
…されたことを考えると、ワリオにお灸をすえても全くの妥当な気もするのですが。
ロゼッタ「…………!!」ハッ
ロゼッタ「一つ提案があります。今から話す、私の提案に乗ってくれるなら、
さきほどの貴方の行為は…百歩譲って、水に流して差し上げましょう」
ワリオ「みなさーん!!このロゼッタとかいう女性、対価をくれたら体触っていいとか抜かしましたよー!
見かけによらず…よらず?とんだふしだらな女性ですねー!!」
ロゼッタ「きゃぁあ!! そんなこと一言たりとも話していません! 張り倒しますよ!!」
〜喫茶店〜
ワリオ「結局ホントにお前と駄弁ることになっちまったな。
やけに血の気の多い性格になってねぇ? おまけに俺に奢らせるとはふてぇ奴だな。まあ、いいけどよ」
ロゼッタ「それは、ええと、ご馳走になります?」
……ワリオが勝手に店を選んで、勝手に注文して、勝手に押し付けてきただけですけど。
まあ、呪文みたいな商品名を紡ぎ出して注文することは、正直私には無理でしたけれど。
血糖値スパイクが怖そうな代物のドリンクが目の前に。
ワリオ「それで?……『金稼ぎの方法を教えて欲しい』ったぁ、どういう風の吹き回しだ」
814
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:18:11 ID:w.NYcCTQ
ロゼッタ「以前マリオに、『ワリオは社長業をいろいろやってるからお金のことには詳しいぞ』
と教えてもらったもので」
ワリオ「なるほど、マリオもたまにはいいこと言うじゃねぇか」
ロゼッタ「『とにかくガメツいからミグルミ剥がれないよう注意しろよ』とも警告されましたけど」
ワリオ「なるほど、マリオはろくなこと言わないじゃねぇか。
とりあえず、どんくらい稼ぎたいんだ?それによって難易度も時間も変わってくるんだがよ」
ロゼッタ「………………………………………………………………
………………1年以内に43億コインくらい、稼ぎたいなあ、と」コゴエ
ワリオ「…………………………………………………………………すまんよく聴こえんかった」
あのワリオが、聴こえてきた情報をうまく処理できずに目を真ん丸にしています。
815
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:21:30 ID:w.NYcCTQ
ワリオ「え?なんなの?ロゼッタ、なんか破滅的なことに手を染めたん?
もうそれ、道徳的・倫理的にヤバいことか、いかがわしいことに
片足…いや両足突っ込んでも達成できるかどうか分からん――」
ロゼッタ「それを回避するためにワリオの知恵すらもお借りしたいんですよ…!!」コゴエ
ワリオ「……………………」
ロゼッタ(仮に、ピーチ姫ご所望の反重力ペンキが完成に至ったところで…
本当に私の借金を帳消しにするほどの利益に繋がるか、確証はどこにもない…!
仮に半分返済できたとしても20億コイン以上、正直まったく手に負えません…!!
仮に仮に、ピーチ姫やデイジー姫が残りの借金を肩代わり……
なんてことになったら、もうお二人の隣を対等に歩んでいけない…!!)
ワリオ「…………はぁ、しょうがねぇな。乗りかかった船だ、話聞いてやんよ」ポリポリ
ロゼッタ「正直藁にも縋る気持ちなので、どうかよろしくお願いします」
ワリオ「ちまちま俺のこと悪く表現するのやめろや」ワラジャネェ
816
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:24:15 ID:w.NYcCTQ
ワリオ「まず始めに、ロゼッタちゃん。
金を真っ当に稼ぐ方法には、大きく分けてどんなものがあるか知ってるか?」
ロゼッタ「…………ええと。
自然資源から恵みを得る、農業、林業、漁業、鉱業などの一次産業。
それらの原料を加工することで製品化する、製造業・建設業などの二次産業。
そして経済活動を下支えする、情報通信、金融、教育、医療などの三次産業。
こんな感じでしょうか」
ワリオ「知ったかの堅苦しい解説だなー。もっと簡単に行こうぜ。
まず一つ目は、『モノ』を売る方法だ。
誰かが欲しがる実物を用意して、提供する代わりに金を貰う。
ときにロゼッタ、農地か工場をポンと立てられる土地とか持ってたりする?
土地の大きさ次第で、分かりやすくドドンと一気に稼げる可能性があるんだけどよ」
ロゼッタ「……まさかぁ」
ほうき星の一部の土地を活用?いえいえ、流石にそれはちょっと。
キノコ王国だけで完結する金策でないと。
817
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:28:22 ID:w.NYcCTQ
ワリオ「次に、『サービス』を売る方法だ。作業をこなすための知識や技量を持たない人、
あるいは作業に時間を割いてられねぇ人に代わって作業を引き受けることで金を貰う。
本人の才能次第では1件あたりの稼ぎはマジで良くはなるんだが…
凄い技術ほど、必要とされる件数は少なくなるジレンマがあるから荒稼ぎするには向かないかもな。
一応聞いとくがロゼッタ、人前で魔法を教えるとかできるのか?」
ロゼッタ「…お、教えることはできるとは、思うのですが」
ワリオ「…ですが??」
ロゼッタ「私が空間魔法と回復魔法というニッチな魔法しか使えないので
基本的に生徒のみなさんのための実践ができません。座学オンリーです」
ワリオ「論外じゃねぇか」
ロゼッタ「ううぅ」
ワリオ「…じゃあ、空間魔法で運送業とか、回復魔法で医療系とかで活躍すればいいんじゃね?
ほれ、分身作れば数十人体制にできるんだろ?」
ロゼッタ「…諸事情あって、まともな分身体を出向させてあとは放任、
ということができないので、結局は私が監視監督つきっきりになりますね…」
主に反乱が怖くて。反乱が怖くて。反乱が怖くて。
ワリオ「論外じゃねぇか」
ロゼッタ「ううぅ」
818
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:31:34 ID:w.NYcCTQ
ワリオ「だったら、最後の方法だ」
ロゼッタ「…………最後の、方法?」
ワリオ「ああ。ロゼッタ、『知識』を売れ」
ロゼッタ「??? それはサービスを売る範疇に入るのでは?」
ワリオ「…あー、ある意味それの最上位版って感じか。まあいい。
ロゼッタ、特許とか論文とかをこしらえて、例えばキノコ王国に売れ」
ロゼッタ「…………ええええっ!?」
そんな無茶なっ!!と、とても通用するとは思えません!!
ワリオ「どんなに法外に思える金額でも、有用と判断されれば買ってくれる。
それが国ってもんよ。ピーチのことなら審査も早いだろ。そろそろ戻ってんだろ?
すでに研究室使わせてもらってんなら、ちょうどいいじゃねぇか。
当然ながら、王国が認めるほどのめちゃくちゃ高難易度な知識やデータ…
それも大勢がその恩恵を受けて王国のためになるようなものを要求されるけどな」
819
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:34:02 ID:w.NYcCTQ
ワリオ「こいつのいいところは、本人の能力次第では
手助けする人も場所も物も要らず、いちど情報を渡したらオシマイなことだ。
『自分の手持ちのリソースだとこの知識は製品化に繋げられません、
でも王国なら使いこなしてくれますよね』と投げっぱなしにできるぜ」
ロゼッタ「とは言っても、申請内容を補強するための追加データ取得や、
申請却下に対する反論や手続きの準備などが控えていて大変なのでは?」
ワリオ「…そこはロゼッタが持ち前の知識で最初からカバーできるものとする」
ロゼッタ「投げっぱなし!!」
ワリオ「諦めろ、ロゼッタ。これを逃すとあとは…
レバレッジ投資で儲けるとか、公営賭博に金をつぎ込むとかの博打寄りの選択しかなくなるぞ」
ロゼッタ「ぐぬぬ…………」
ロゼッタ「……まあ、話を聞いていただいただけでもすっきりしました。実践するかどうかはさておいて」
ワリオ「いやいや、待て待て。俺がわざわざ時間を割いて駄弁ったからには実践してもらわないと困る」
ロゼッタ「…………え?」
ワリオ「とはいえ、初期投資としていくばくの金は必要だろうな…………
ロゼッタ、一応聞いとくが銀行口座持ってるか?」
ロゼッタ「あります、けど?」
820
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:36:45 ID:w.NYcCTQ
〜キノコバンク〜
ワリオ「というわけで、とりあえず口座間振り込みで
ロゼッタの口座に100万コイン(1000万円)入れといたぜ」
ロゼッタ「 」
ワリオ「ロゼッタはこの金を使って、好きに研究してみろ。1年経ったら、ロゼッタが損しない範囲で返せ。
ただしそれに加えて、差し引きで利益が出たら2割よこせ」
ロゼッタ「損しない、範囲?利益の、2割?」
ワリオ「分からず屋だな、仕方ねえ。
たとえば100万のうち50万掛けて作成した特許をピーチに売って
ピーチが200万で買い取ってくれたとする」
ロゼッタ「ふむふむ、手元には250万が残りますね」
ワリオ「そしたら、まずは元手の100万を俺に返す。さらに、利益150万のうち30万を俺に渡す。計130万だな。
要するに、ロゼッタは身銭を一銭も切らずに120万を獲得できる。
ちなみに130万相当の価値があると俺が認めるものなら物品で納めてくれてもいいぜ!」
ロゼッタ「…80万掛けて特許を作成しておいて、買い取ってもらえなかったら?」
ワリオ「その場合なら、残った20万を俺に返して終了だな。ロゼッタは得はしないが損もしない」
ロゼッタ「…その仕組みですと、どう転んでも私は一切損をしなくないですか?
さ、さすがに虫が良すぎるルールのような」
821
:
Mii
:2026/05/17(日) 18:43:14 ID:w.NYcCTQ
ワリオ「まあこれ自体がオレからの、ギャンブル気味の一種の投資だな、ギャハハ!
ロゼッタがドデカいことを達成してくれれば俺も労せず儲けられるって寸法よ。
…あ、今更だが『一切損をしない』ってわけじゃないぜ?」
ロゼッタ「ま、まさか返済するまで体を触られても文句言うな、とか…?」ヒキッ
ワリオ「あまりにもお粗末な結果だと、俺からロゼッタへの信頼度と扱い方がまた下がる。
一応言っておくと、損したくないあまりに金をろくに使わないってのも同様な。
顔を合わせるたびに唾を吐きかけるようになるかもしれん」
ロゼッタ「あ、何気に心に刺さる嫌なパターンです」
顔を合わせるたびに唾を吐かれるだけでなく、これ見よがしにため息も付かれそう。
そして自己責任のため反論もできずに苦しみそう。
ワリオ(ま、ロゼッタの場合は最初に大盤振る舞いして良心を揺さぶる方が
奮闘していい結果を出してくれそうだからな!俺様冴えてる!)
ワリオ「口約束で済ませちまうが、そこんところはロゼッタを信用してやるからなー。
異論質問なければ来年の仕事始めあたりに正直に結果報告してくれよー!」ヒラヒラ
ロゼッタ「……………………行ってしまいました。大丈夫でしょうか…」
822
:
Mii
:2026/05/20(水) 06:19:59 ID:4NO7SXCw
〜キノコ城〜
ピーチ「久しぶりね、ロゼッタ。年末年始くらいはちゃんと休んだかしら?」
ロゼッタ「や、休んでもよろしかったのですか?」
ピーチ「……………………」
ロゼッタ「…ハッ!?も、もちろん大いに休みましたよ!
リフレッシュイベントまで開催していただきましたし!」ダラダラ
ピーチ「…まあ、信じてあげることにするわ」
ロゼッタ「…………」ホッ
ピーチ「さっそくなんだけど。今日呼んだのは他でもないわ。
仕事始めに関して、ロゼッタにどうしても…知っておいてほしいことがあってね」
ロゼッタ「……知っておいて、ほしい、こと?」
ピーチ「いつか、知り得てほしいと思っていたこと。
ただ、とくに期限というものは無かったから、臆病風で…
なんやかんや理由を付けて先延ばしに、先延ばしにしていたこと。
今でも…まだ早いんじゃないかって…正直、迷いに迷ってるんだけどね…」ハァ
ロゼッタ「…………?」
823
:
Mii
:2026/05/20(水) 06:23:42 ID:4NO7SXCw
ピーチ「……以前、ロゼッタが私やデイジーに対して
『どうか1人前に扱ってほしいです!子ども扱いはやめてください!』
って泣き叫んだ場面があったでしょ?覚えているかしら?
そのときの気持ちに、揺らぎはない?」
ロゼッタ「……あ…!!」ゾクッ
――――苦い記憶。勘違いした恥ずかしい記憶。
――――背伸びしたばっかりに、現在進行形で苦しんでいるのはご愛嬌、で片付けてよいものやら。
ですが、そうため息を付かれると、是が非でも立ち向かいたくなります。
どんな困難でも、すぐには無理かもしれませんが、打破したくなるというものです。
ここで逃げていては、女が廃るというもの。
ロゼッタ「…なにか、精神を強く保っていないと滅入ってしまうような情報があるのですね。
大丈夫です、覚悟はできています」
ピーチ「……なら、私も心を鬼にするわ。―――ー付いて、来なさい。
――――キノコ王国の、『闇の領域』へ、案内してあげる」
――――闇の、領域…?
824
:
Mii
:2026/05/20(水) 06:26:39 ID:4NO7SXCw
〜キノコ城 深部〜
ピーチ姫に付いて行きながら、地下へ地下へと降りて参ります。
とくに、すれ違うような人もおらず。
徐々に、通路の明かりも寂しく心もとないものになって。
地下10階、20階、30階…………。
こつ、こつ、こつ。
静寂の中、ハイヒールの音だけが不気味に反響しつつ響き渡ります。
小さな音のはずなのに、とてつもない大音量に錯覚してしまうほどの静けさ。
階段を降りて、降りて、また降りて…………。
面妖なのが、あえてデタラメな配置で、かなり遠回りをさせられながら下層へ向かっていること。
水平方向にもかなり歩いた気がして、本当にキノコ城の敷地内に留まっているのか定かではありません。
ロゼッタ「…………?????」
きょろきょろ。さっきから、あちこち視線を移してみますが。
さながら深層ダンジョン、一人で迷い込んでいたら不安で確実に涙目になりそうな空間です。
825
:
Mii
:2026/05/20(水) 06:30:54 ID:4NO7SXCw
そもそも、キノコ城の地下がこれほどまで深く広がっていることなど、全く知りませんでした。
関係者の間では常識だったりするのでしょうか?
ロゼッタ「さっきから、扉を通過するたびに…何重にも結界が貼られていますね。
…いえ、この感じ…階層間まで結界で遮断していますか?
相当厳重みたいですが、何か隠してあるのですか?うすら寒いというか、薄気味悪いというか…」
ピーチ「…………」
地下に潜りこんでからまもなく、ピーチ姫は無言のままひたすら歩いていくだけ。
その後ろを、アクションを貰えない私は不安になりながら付いていくだけ。
私たちが持つ魔法のカンテラが、辛うじて道しるべとなってくれます。
ピーチ「まずは、ここで、いいかしら」ピタッ
ロゼッタ「…あ、ようやく止まっていただけましたか」
ピーチ「……………………」
ロゼッタ「あの、ピーチ姫?」
826
:
Mii
:2026/05/20(水) 06:33:49 ID:4NO7SXCw
ピーチ「ちょっと唐突だけど、ロゼッタに今のキノコ王国のことについて聞きたいのだけれど、いい?」
ロゼッタ「…はい。構いませんが?」
ほんとうに唐突な話ですが、きっと大事なことなのでしょう。気にしないことにします。
ピーチ「キノコ王国が…というより『私が』って言ったほうが正しいのかしら。
私たちが、かつて相まみえた強敵について……仮に当時倒したとしても。
何かしらの不思議なチカラや悪運で、復活や蘇生をしてのける、
そして王国にとって再び脅威となる可能性もゼロじゃないから……
万が一に備えた情報収集を欠かさないでいる、というのは知ってたかしら?」
ロゼッタ「その内容、どこかで…………
ああっ!ディメーンと対峙した時です!!思い出しました!
そっくりそのまま同じことを、ナスタシアから伺いました!」ポンッ
懐かしいですね!あのときはディメーンとの戦いで、
心臓をナイフで貫かれて危うく人生が終わるところでした!
心臓を刺したのは自分だったような気もしたりしなかったりしますが!
827
:
Mii
:2026/05/20(水) 06:43:50 ID:4NO7SXCw
ピーチ「へえ、なっちゃんがね…それは話が早いわ。
言い渋っていてもすぐにバレるし意味がないから、さっさとぶっちゃけるとね。
その一環として、私の独断で………………………………
一部の者を、情報を吐かせるため、あるいは特性や弱点を知るために――
ここ…キノコ城の地下深くに厳重管理したうえで牢に入れて、
生体実験やら、尋問まがいの苛烈なこともやっているのよ。極力尊厳は守ったうえでね。
…いえ、白状するとゴウモンと表現しても差支えないかしら」
ロゼッタ「………………………………えっ」
薄暗い通路のなか、ピーチ姫が、暗い貌で…………少し顔を背けて、自嘲気味に笑います。
思わず、心臓が止まりそうになりました。
ピーチ「周辺諸国にそういった行為の全廃を宣言したわけでもないし、
国際法上で責められる筋合いは一応ないけど………………軽蔑、した?」
ロゼッタ「え、ええと。驚き過ぎてうまく言葉にはできないかもしれません、が。
キノコ王国にとって、平和のために、必要なこと、なんですよね?」
828
:
Mii
:2026/05/20(水) 06:47:41 ID:4NO7SXCw
ピーチ「まあね。……たとえば、この部屋」
立ち止まったところに、そういえば鎮座していた仰々しい扉がひとつ。
よく観察してみると、「ゲドンコモンスター」と書かれた表札がありました。
何重にも魔法と南京錠で過剰なほどにロックが掛けられていた扉を、
ピーチ姫が丁寧に、丁寧に解錠していきます。
扉を開けると、そこにあるのは小部屋。
奥半分には、新品と見まがうほどの鉄格子の牢が備え付けられており――――。
ゲドンコモンスター「■■■■■■■■!!!」
ロゼッタ 「ひっ!?…び、びっくりしました…!!」
私たちに気付くや否や、中にいた魔物が、たちまちタックルを仕掛けてきましたっ!!
…もっとも、鉄格子に阻まれて自身の体を叩きつけられているのですが。
一旦深呼吸して落ち着いて、あらためて周囲をよーく見渡します。
ロゼッタ「……両足に足枷、さらに魔法封じの護符まで部屋の随所に…!
なるほど、万が一にも脱獄されないよう、安全管理を徹底しているのですね」
829
:
Mii
:2026/05/20(水) 06:51:04 ID:4NO7SXCw
ピーチ「…なんか、割と冷静ね?もっと怖がるとか、解放してあげてくださいと憐れむものかと思ってた」
ロゼッタ「まあ、とっても悪いことをしたのなら…しかたない、ですよね?
ピーチ姫も人道的に穏やかに、ちょっとずつ攻撃していますよね?」
ピーチ「穏やかかどうかは良くわからないわね…
息絶えそうになったら加減するし、回復魔法をかけてあげるけど」
ロゼッタ「 」
ピーチ「目下の目標は、言葉を理解することね。けっこう時間かけてるけど、未だによくわからないの…」
ロゼッタ「――――これ、が。キノコ王国の闇の領域…!必要悪、というもの、ですか」ブルッ
そして、ピーチ姫の、裏の、顔。
なにか計測結果を記入しているピーチ姫が、遠い存在に思われます。
ピーチ「会話という意味だと、人型を相手にするときは幾分楽よね。
こんどはゴウモンで心が痛むっていう別の問題が発生するけど。
人間のエゴでしかないかもしれないけど。
…よし、とりあえず健康チェックと様子観察はこんな所ね。
発声と脳波のデータを回収して…作業終わりっと。とっとと退出するわよ」
ロゼッタ「…………ちょっと吐き気を催してきました」
830
:
Mii
:2026/05/20(水) 06:55:11 ID:4NO7SXCw
そのあとも、ピーチ姫に連れられながら、怪しげな回診が続きます。
見たこともない敵が、扉を開けるたびに襲い掛かってくる恐怖。
牢屋によって、そしてピーチ姫によって守られているので絶対安全!…とはいえど。
頭から完全には消し去ることのできない不安という楔(くさび)が、打ち込まれた気がします。
…こんな気持ちを、はるか昔からピーチ姫は抱え込んでいたというのですね。
ピーチ「……………………で、問題が、最後の…この部屋なんだけど」チラッ
ロゼッタ「…………??」
ロゼッタ「…………………………????」
ピーチ「じゃあまた、解錠していくから気をしっかり持ってね」
表札『ロゼッタ』
ロゼッタ「……………………………………………………………………………………
?????????????????????????????????」
831
:
Mii
:2026/05/20(水) 06:59:01 ID:4NO7SXCw
扉を開けると、そこには――――――――
さっきまでと、おんなじような空間。
さっきまでと、おんなじような牢屋に、拘束具。
足にはひときわ大きな足枷を。
みすぼらしい囚人服には、仰々しい大量のお札を。
囚人服から除く素肌には、意地でも自由を与えてなるものかと、
魔法封じの封印紋をこれでもかと。
女性「…………う、あ?」
虚ろな目をしたまま力なく地べたに座り込んでいたその「女性」は、
私たちに気付いて、その刹那。
目を見開いて、鉄格子の端まで、よろよろと駆けこんできました。
832
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:01:11 ID:4NO7SXCw
泣き腫らしながら、もんどりうって倒れ込みながら、
魂の籠った嘆願の金切り声。
女性「――けて」
女性「たす、けて」
女性「たすけて!」
ロゼッタ「 」
女性「た す け て!」ボロボロ
女性「た す け て!!」ボロボロ
女性「た す け て!!」ボロボロ
女性「た す け て!!」ボロボロ
女性「た す け て ぇー!!!!」ボロボロ
ロゼッタ「 」
833
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:05:58 ID:4NO7SXCw
ピーチ「あー、はいはい、そういうムダな情の訴えかけはいいから」ポチッ
女性「あ゙っ」ビクッ
バチィ、と彼女の体から発せられる嫌な音。
一瞬のけ反って、たちまち糸が切れたかのように地に伏せます。
え?
――――え?
――――――――ええ?
ピーチ姫と、私との、たしかに有ったはずの絆かなにかが、
サラサラと崩れていく、気がしました。
これは、悪夢かなにかで、しょうか?
あまりにも『私』にうり二つのその女性は、たちまち物言わなくなりました。
…いえ、嘘でした。蚊の鳴くようなごく小さい声ですが、呻き声が聞こえます。
とうに、目も光を失っています。
いままで、一体どんな、どれほどの仕打ちを、受けてきたのでしょうか。
834
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:09:26 ID:4NO7SXCw
ピーチ「大丈夫、別に死ぬような大電流は流しちゃいないわよ。
このリモコンのボタンをポチっと押すたびに電流が走るようになってるの。
ほかにも色々あってね。熱湯を掛けるボタンとか
上から重りを落とすボタンとか軽い毒を噴霧するボタンとか――痛っ!!」
自分でも分かる…たちどころに猛烈に湧き上がって、止め処なく溢れてやまない、怒気…!!
一瞬の隙を突いて、ピーチ姫の懐に滑り込み、乱暴にリモコンを掻っ攫う。
そのまま、牢屋の鉄格子を…満身創痍の『女性』を背に、守り通さんと激昂しますっ――――!!!
ロゼッタ「これは、どういう了見ですか…答えてください。
なにかの間違いであると、そう言っていただきたいのですが――――」
ピーチ「……………………」
ロゼッタ「――――――――答えなさいっ!!!!」
ピーチ「…嫌だと、言ったら??」
愕然と、します。
ピーチ姫が…あの、憧れの対象であったピーチ姫が。
為政者として、人として……完全に、道を違えてしまっています。
835
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:14:11 ID:4NO7SXCw
ロゼッタ「私に対する、積もり積もった不満の捌け口ですか?
何の罪もない方を、ただ『私に似ているから』というだけで拘束して、
猟奇的に、理不尽に、なんの正当性も無く、痛めつけているの、ですかっ?
不甲斐ない私に対して腹を立てるのは否定しませんし、一向に構いませんよ、ええ!
滅茶苦茶にしてやりたい、という願望がふつふつと沸き起こることも有るかもしれません!
でも、それなら私本人に思う存分ぶつければいいではないですかっ!!
それを受け止め、謝罪したり改善を図ったりする気概くらい、しかと持ち合わせています!
――――失望しました。こんな、あまりにも、酷い…酷すぎ、ます……!!!」
ピーチ「……………………ちょっと、深呼吸でもして落ち着きなさいな」
やれやれ、出来の悪い子ね。
そんなことでも言いたそうなピーチ姫に、苛立ちがますます募ります…!
ロゼッタ「これが落ち着いていられますかっ!ただちにこの方を解放しなさい!!
これ以上渋るなら、本気で私も絶縁を考えなければなりません!!」クワッ!
836
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:21:32 ID:4NO7SXCw
ピーチ「…………そいつ。
偶然ノビてたところを無力化してひっ捕らえることができた、
スマブラ編でタブーの部下としてキノコ王国を好き放題荒らし尽くしてくれちゃった、
偽ロゼッタの生き残り分身体なんだけど。
案外、ロゼッタ本人も気付かないものなのね。ちゃんと識別しなさいよ。
罪状は国家転覆罪…もとい 内乱罪 と 外患誘致罪 」
ロゼッタ「あ、このボタンをありったけ連打すればよろしいのですね!!」ポチポチポチポチポチィ!
偽ロゼッタ「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙―――――!!!!!!」ビリビリビリビリ
ピーチ「そこまでやれとは言ってないわ」
837
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:26:22 ID:4NO7SXCw
ピーチ「……………………はぁ。そうは言っても、ロゼッタが激昂した通り。
全く褒められた行為じゃない…国家元首としてあるまじき外道な行為よ。
軽蔑されても、絶縁されても、文句言えない。全然不思議じゃない――――」
ロゼッタ「パンチ!キック!スターピース剛速球!!
わあ、基礎体力レベル20の頃の私、弱すぎ…?」ボカスカ
偽ロゼッタ「カハッ――――ーい、じめない、で」
ピーチ「……それでもね。心を鬼にして、この任務を遂行してるの。
私が好きなのはロゼッタの内面であって、外見・見せかけがロゼッタだろうと
臆することはないわ。極悪人と見做した、至って厳正な対処をするわ。
……ごめんなさい、嘘ついた。結構つらくて、泣きそうになる時もあるんだけど」ウルッ
ファイアロゼッタ「(ボンッ!)ちょうどファイアフラワーを持っていたんですよ!
当時の時点で多少は炎耐性がありましたけど、
さすがに全身火だるまになったらけっこう堪えますよね!
こう、腕を掴んで拘束してですね……ファイヤー!」
偽ロゼッタ「キャアアアアアアアアアアアアァァァァア―――――ー!!!!」ボウッ!!
838
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:28:55 ID:4NO7SXCw
ピーチ「もし、ロゼッタに止められたとしても頷くわけには行かないの。
これが、キノコ王国を絶対守るための、トップとしての覚悟。トップとしての定め。
新年早々、吐き気を催すようなグロテスクな舞台に巻き込んでしまって、
本当に、私は、どうしようもない人間だけど――――」
ロゼッタ「ちょっと、勝手に息絶えないでくださいね?
私の恨みはこんなものではないですから。…はい、回復して差し上げました。
何度でも苦痛は蘇りますよ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……
自分の不始末は自分できれいに整理整頓しちゃいましょうか!」
偽ロゼッタ「タス……ケテ……………ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ」
ピーチ「ちょっと人の話聞いてくださる!?
私が言うのもおかしいけれど、もうちょっと慈悲をあげなさいよ!!」
ロゼッタ「…………慈悲?」クビカシゲ
ピーチ「なんという心底理解不能って表情」
839
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:34:50 ID:4NO7SXCw
ロゼッタ「…ちなみに、ピーチ姫が私をここまで連れてきたのには、深い理由があるんですよね」
ピーチ「…………深い、理由。まあ、ある意味そうとも言えるわね。
そろそろこの子も、精神が参りすぎて何も話してくれなくなったから
最後にロゼッタに正直に暴露して後腐れを無くしておきたかったというか――」
ロゼッタ「なるほど、読めました!私の空間魔法を駆使することで、もっとスタイリッシュで効率的な
生かさず殺さずのゴウモン方法を確立して欲しいということですよね!
毎度毎度、回復魔法や1UPキノコを消費するのは手間ですし勿体ないですものね!
完璧に理解しました!この私にお任せください、最善を尽くしましょう!」
偽ロゼッタ「 」ガタガタガタガタガタガタガタガタ
ピーチ「全く違う! かすりもしていない!
というか、自分とうり二つの人間がひどく傷付いて、ロゼッタは気分が悪くなったりしないの!?」
ロゼッタ「ピーチ姫やデイジー姫が血みどろな状態だったら絶対狼狽するでしょうが…
お陰様で、自分に関してだけはスプラッタな姿にも随分と慣れました!」
ピーチ「ロゼッタ、貴方疲れてるのよ…………どうして、こんなことに…」グズッ
ロゼッタ「…恨んではいませんが、その一端を担われた方がまさしく目の前にいると思います、はい」
ピーチ「…ナニ イッテルノカ サッパリ ワカラナイワネー」
840
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:38:53 ID:4NO7SXCw
ロゼッタ「…………ふむ」
ロゼッタ「……………」
ロゼッタ「…………!!」ハッ!
ロゼッタ「ひとつ、即席でひらめきました。
たとえば、私がその分身体に、えいやと抱き着いて…………
背骨をバキボキっと折ったとしますよね」
ピーチ「…いきなり変な想像しないでほしいのだけど」
ロゼッタ「大量出血し、内臓も大きく損傷。あからさまに虫の息…ですが。そのタイミングで!
あらかじめ空間情報を取得しておいた上で、
分身体の構成要素すべてを構成し直し、5秒か10秒前の位置と状態に巻き戻せたら…?」
ピーチ「今は巻き戻しって言葉使わないわよ…………って。
ちょ、ちょっと待って。空間魔法ってそんなことまでできるの!?」
ロゼッタ「あ、勘違いしないでくださいね!?
森羅万象に対してそんな所業をできたら神の領域ですから!私などでは絶対に不可能です!!
ただ、構成情報を十二分に理解している『自分あるいは自分の分身』のみを対象とするなら…
まあ、工夫次第ではできそうな気がしておりまして」
ピーチ「…………………………えぐいわね」
841
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:44:49 ID:4NO7SXCw
ロゼッタ「そんな、魔法さえ編み出すことができれば…………!!
どんな怪我を負わせても、痛めつけても…………
苦痛だけ与えながら実質何度でも復活させて、ゴウモンし放題…!!
それこそ、マグマにダイビングさせ続けたり、
底なし泥沼や奈落に落とし続けたり、ドッスンに潰させ続けたり…お手軽になるかも……!」
偽ロゼッタ「 」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
ピーチ「その話はもうやめましょう! ねっ! ねっ!
もしかしたら、魔法をコピーする能力を持つ敵に悪用されるかもしれないしっ!
というかゴウモン専用すぎて、日頃は使い道がまったくない魔法じゃない!」
ロゼッタ「……………………強いて言うなら、
マリオカートで走行中に、失敗したショートカットをすぐ再挑戦できて挽回・練習しやすいとか、
トゲゾーの甲羅が着弾する瞬間に自分の位置を数秒ぶんだけ戻して被弾回避するとか…
多少は他の事にも使えるのでは?」
ピーチ「…一瞬興味が湧いたけど。ロゼッタがズルできるようになるだけじゃない、それ?
お願いだからやめてちょうだい…………」
ロゼッタ「そこまで懇願されては…仕方ない、ですね」
842
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:48:39 ID:4NO7SXCw
ピーチ「だいぶ話が逸れちゃったから、いい加減に話を戻すわね。
そろそろ、この分身体からは情報を得られなくなったから
最後にロゼッタに正直に暴露して後腐れを無くしておきたかったというか――」
ロゼッタ「そういうことでしたか。お気遣い感謝します。
でしたら、ピーチ姫に最後の手をかけさせるには及びません。
私自ら、トドメを刺しましょう」
偽ロゼッタ「…………ウッ」ビクッ
ロゼッタ「…いえ、それでは少々物足りないですね。
情報収集漏れがないとも限りませんから、私が分身体の経験値を還元して
新情報があればピーチ姫にお伝えしますよ。記憶をバッチリ、カンニングできますから」タッチ!
ピーチ「…ええっ!?そ、そこまでしなくてもいいから!!」
ロゼッタ「――――それでは、いざ!」パアァァァ!
偽ロゼッタ「…………ヤット カイホウ サ…レ…ル…………」シュゥ・・・
ロゼッタ「問題なく経験値を還元できまし――――」
843
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:53:23 ID:4NO7SXCw
ピーチ「気持ちはうれしいけど、そんなことやったら分身体のゴウモンの記憶まで
まるごとまるっと引き継ぐんじゃないの!?ほんとに大丈夫なの、あえて避けてたのに!?」
ロゼッタ「――――――――」
ロゼッタ「――――――――」
ロゼッタ「――――――――」バタッ
ロゼッタ「 」チーン
ピーチ「あちゃあ…」
844
:
Mii
:2026/05/20(水) 07:55:17 ID:4NO7SXCw
ピーチ「もしもし。もしもーし。目が濁ってるけど、生きてるー?」ユサユサ
ロゼッタ「ピーチひめ、こわい」ガタガタガタガタ
ロゼッタ「ピーチひめ、こわい」ガタガタガタガタ
ロゼッタ「ピーチひめ、こわい」ガタガタガタガタ
ロゼッタ「ピーチひめ、こわい」ガタガタガタガタ
ロゼッタ「ピーチひめ、こわい」ガタガタガタガタガタガタガタガタ
ふっかつまで こいちじかん かかりました。
なにを ぎじたいけんしたかは はなしません。
はなしたくありません。
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