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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです

1名も無きAAのようです:2015/10/10(土) 05:03:05 ID:cQB6.m2k0
      ,、,,..._
     ノ ・ ヽ
    / :::::   i
   / :::::   ゙、
   ,i ::::::     `ー-、
   | ::::          i
   ! :::::..        ノ
   `ー――――― '"

488名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 17:50:09 ID:GnBXv.tI0



 渋澤は歩調を乱さず歩き続ける。
 彼はその最中に周囲の音を聞き分け、追手の数を推測した。

 敵数、およそ三人。
 その三人が立てる極僅かな音は散り散りで、後方と左方の森に隠れているようだった。

 _、_
( ,_ノ` )「……帰った方が身のためだろうに……」

 突風が森を駆け抜ける。
 瞬間、渋澤は刀を抜いて身を翻した。


    
∠ ̄\
  |/゚U゚| 「覚悟ッッ!!」

 身を翻すと、その視界に二人の男が飛び込んできた。
 忍装束を纏う彼らは忍者であり、その手には武器としてのクナイを構えている。
 彼らは真っ直ぐな戦意を渋澤に向けていた。

 話す間も無く、忍者の一人が渋澤に切りかかった。
 渋澤はそれを後退して避けると、迷いなく忍者の顔に拳を打ち込んだ。

 この一撃で忍者は狼狽し、一瞬の隙を露にした。
 渋澤はその隙を見逃さず、刀を振って忍者の胴に刃を走らせた。

.

489名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 17:53:52 ID:GnBXv.tI0


〜〜〜〜〜〜〜〜



ξ゚⊿゚)ξ「っていう ゆめ」

(^ω^)「ゆめ」

(;'A`)「おめえどんだけ夢見る少女なんだよ」

( ^ω^)「でも銹錆刀っていうのはカッコイイお!
      モンハン二次創作時代の片鱗を感じるお!」

 ブーンの知識量が「1」上がった。

ξ*゚⊿゚)ξ「へへっ」

(;'A`)「・・・・・そういや俺も変な夢を見たな」

(^ω^)


 ポワワン

━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━

━━━━━

490名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 17:54:45 ID:GnBXv.tI0

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 巍晶山は人里からちょっと離れたところにある普通の山。
 この山のてっぺんにはものすごい大きな水晶があり、村人達は毎年その水晶の前で巍晶祭というお祭りを催していた。
 しかし今年の巍晶祭、その前日に祭りの象徴となる巨大水晶がどこかに消えてしまった。

 それについて村人達から相談を受けた巫女ツンは、風邪だったので友達のブーンに異変解決を押し付けた。
 ブーンは頑張ることにした。やれいけ内藤ホライゾン、巨大水晶を取り返すのだ!

             「頑張るお!」
         /⌒ヽ 
  ⊂二二二( ^ω^)二⊃
        |    /       ブーン
         ( ヽノ
         ノ>ノ 
     三  レレ

491名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 17:55:31 ID:GnBXv.tI0



ξ;゚⊿゚)ξ「ゲホゲホ、あーつら……」

 ツンデレ神社の神主兼巫女の少女・ツン。
 彼女は 畳の上 に大の字で寝転がり、数日前から続く高熱と戦っていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「いやだぁー……動きたくないー……働きたくないー……」ゴロン

ξ;゚⊿゚)ξ「クソォー……なんでこんな時に限って熱なんかぁー……」ゴロンゴロン


             「ツーーーン!!」
         /⌒ヽ 
  ⊂二二二( ^ω^)二⊃
        |    /       ブーン
         ( ヽノ
         ノ>ノ 
     三  レレ

 その声と共に庭先に現れたのは内藤ホライゾン。
 ツンとは色々あって友達である。彼は時折ツンデレ神社に遊びに来るのだった。

.

492名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 17:56:48 ID:GnBXv.tI0


( ^ω^)「ツン遊ぶお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「いや、見てのとおり風邪なんだけど……」

(# ^ω^)「いいから遊ぶお! おんぶしてあげるから走ろうお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「イヤよ。あんた絶対転ぶし」

(# ^ω^)「僕が転んでもツンだけは守るお! キュン・・・」

ξ;゚⊿゚)ξ「勝手にキュンとさせないで。分かった、分かったから……」

( ^ω^)「おっ! 遊んでくれるのかお!?」

ξ;´⊿`)ξ「お仕事片付けたらねー。
       なんか山の水晶が消えたとかで探さなきゃいけないのよ」

( ^ω^)「うはwwそんなの楽勝すぐるwwww」

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、なら代わりにやってきてくれない?
       その間に風邪治しとくから」

⊂二二二( ^ω^)二⊃「お任せあれだお! 早速凸ってくるお!」ブーーン

ξ;´⊿`)ξ「いってらー……」


ξ゚⊿゚)ξ


ξ;゚⊿゚)ξ(……今の内にデレの家に逃げ込もっと)

.

493名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 17:57:40 ID:GnBXv.tI0
┌───────────┐
│   ブーン加速中。。。。 .│
└───────────┘

       /⌒ヽ
     ⊂( ^ω^)⊃
        (  、ノ  ブン
       ノ> ノ
       レレ

494名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 17:58:20 ID:GnBXv.tI0


【Stage 1:ツンデレ神社のお友達】

【BGM:オリエンタルダークフライト】
https://www.youtube.com/watch?v=nG3HiNCzwgM&index


.

495名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 17:59:00 ID:GnBXv.tI0


( ^ω^)「とりあえず村に行って情報収集するお!」


⊂二二二( ^ω^)二⊃「さっさとこの山を降りるお!」 ブーーーン


('A`)「おっす」ヌルッ

( ^ω^)「おっドクオ! なんか用かお?」

('A`)「いや、ツンのとこ行こうとしたらお前が居たからよ。
    暇だし話しかけてみた。お前こそなに急いでんだ?」

( ^ω^)「向こうの巍晶山に行くんだお! 水晶が無くなって大変らしいお!」

(;'A`)「あのデカブツ水晶が!? そりゃやべーな・・・」

(^ω^)「ドクオは何か知ってるかお?」

('A`)「初耳だしなんにも知らん。けど知ってそうな奴なら心当たりは」


⊂二二二(# ^ω^)二⊃「それをさっさと吐けお! バトル!」ブーーーーン!!

(;'A`)「は!? いや普通に教えるんだが!?」

496名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:01:39 ID:GnBXv.tI0


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



('A`)「という」

(^ω^)「ゆめ」

ξ゚⊿゚)ξ「ああっ もうひとつあったわ」

(^ω^)「もはや敗戦処理だお」


 ポワワン

━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━

━━━━━

497名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:03:07 ID:GnBXv.tI0

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


その1 「魔法少女の日」


 夕暮れ時、下校時間、夕飯前のちょっと小腹が空いちゃう時間。
 陸上部の先輩方はとっくに家に帰っちゃって、いま、私は一人で校庭を走っている。
 寂しいとかは全然ない! そもそも私は足が遅いから、それをなんとかしたくて陸上部に入ったのだ。
 なのでこうしてちゃんと努力できる今の生活、私は気に入っているんだ。

ミセ;*゚ー゚)リ「ファイッ! おー! ファイ!」

ミセ;*゚゛ー゚)リ「んっ! 転ぶ!」 ツルッ

 ・・・結果が伴うと、もっと幸せなんだけどね!


ノハ;゚⊿゚)「……おい、転ぶ前に転ぶ宣言するのは冗談だよな?」

ミセ;*゚ー゚)リ「あ、ヒートちゃん……。ごめん、半分マジ」

 すっ転んだ私を引っ張りあげてくれたのは友達の素直ヒートちゃん。
 部活にはなにも所属してないけど、運動神経は私の何倍もある。
 宝の持ち腐れだ! しかもおっぱいまでデカイ! 理不尽だ!

ノパ⊿゚)「なあよミセリ。アタシが言えた事じゃねーけどさ、人には向き不向きってのがあるんだ」

ミセ;*゚ー゚)リ「えと、どういう意味?」

ノパ⊿゚)「適材適所って言葉がある。後で調べて自分に当てはめてみな」

ミセ;*゚ー゚)リ「……ぐぬぬ……」

ミセ;*゚Д゚)リ「クソー! 才色兼備! 巨乳! 処ッ」

ノハ#゚⊿゚)「――口は災いのもとッ!!」ヒュッ

 処女と言いかけると、ヒートちゃんはすぐさま私の頭を思いきり叩いた。
 うるせー全部本当の事だもんバーーーカ!! という反抗的な視線を送ると、もう一発叩かれた。

498名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:03:58 ID:GnBXv.tI0

ミセ;*´ー`)リ「痛いよ〜……辛いよ〜……」

ノパ⊿゚)「因果応報。それに人目が無いからって言っていいこと悪いことがある。
     アタシに愛想つかされていいなら、いくらでも喋ってていいがな」

ミセ;*´ー`)リ「チクショー……弾圧だぁー……」

ノパ⊿゚)「とにかく今日は帰ろうぜ。
     日が落ちたら危ねえって、こないだから言われてんだろ?」

ミセ;*゚ー゚)リ「はあい。分かりましたあ」

 間延びした返事をすると、ヒートちゃんはやれやれと呟いて踵を返した。

 ふと空を見上げる。そろそろ太陽が沈みきり、夜が来る。
 今日は四月末。明日は五月。どこぞの国ではワルプルギスの夜なんて呼ばれるこの夜。

ノパ⊿゚)「お〜い。さっさと部室戻ろうぜ〜」

ミセ*゚ー゚)リ「あ、ごめん。すぐいくー」

 私達はそんな夜の道を往く。
 ちょっぴり不安。だけどヒートちゃんが居るし、大丈夫。

 半年前からこの町には危ない噂が広まってるけど、それも噂だけに決まってる。
 大丈夫、大丈夫、大丈夫……。どんな言葉も三回唱えれば魔法になるって、お母さんが教えてくれた。
 私は大丈夫。未来に不安なんかない、大丈夫……。


ミセ;*゚ー゚)リ(っと危ない! 五回以上は呪いになっちゃうんだった!)

ミセ;*゚ー゚)リ(あぶねぇ〜)


ノパ⊿゚)「おいミセリー! 肩貸すかー?」

ミセ;*゚ー゚)リ「はいはい! だいじょぶだから! すぐいくってば〜〜!!」


.

499名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:04:38 ID:GnBXv.tI0


 ――学校を出てテクテク歩く私達。


ミセ*゚ー゚)リ

ノパ⊿゚)

 私とヒートちゃん、実はあんまり喋らない。
 友達ではあるけど、あくまで他人。そういう線引きがお互い心地良い。
 きっと人との距離感の取り方が似ているんだと思う。だから終始無言でも、私達は友達で居られる。

ノパ⊿゚)「コロッケ食べたい」

ミセ*゚ー゚)リ「分かる」

 一言交わしてまた五分の沈黙。テクテク。
 そんな感じの帰路は、現実の過酷さを忘れさせてくれる。
 頑張っても頑張っても頑張っても、どれだけ頑張っても届かない場所がある事を、忘れさせてくれる。


ノパ⊿゚)「……なあ、進路なんだけどさ」

ミセ*゚ー゚)リ「……」

ノパ⊿゚)「……ああ、やっぱ県外行くわ。この町は少し、居心地が悪い」

 赤みがかった茶髪をかき上げて、ヒートちゃんはぽつんと言った。
 彼女は、自分が思いのままに羽を伸ばせる場所に行くと決めたようだった。
 うん、正しい。でも思わず、足が止まってしまった。

500名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:05:30 ID:GnBXv.tI0


ミセ*゚ー゚)リ「……そっか。残念」

ノパ⊿゚)「……お前はどうすんだよ。先生みてーな聞き方だけどさ」

 私が立ち止まるとヒートちゃんは振り返ってくれた。けれど、彼女は決して足を止めなかった。
 うん、正しい。自覚こそしてないだろうけど、彼女はこういう時の同情が意味を持たないことを知っているんだな。

 私は歩き出し、ヒートちゃんの隣に戻る。

ミセ*゚ー゚)リ「多分、普通のとこ。推薦貰えそうだし、それで楽しようかなって」

ノパ⊿゚)「……そか。なんか安心した、けど……やっぱ寂しいな」

ミセ*゚ー゚)リ「またどっかで会うでしょ。同窓会とか、色々」

ノパ⊿゚)「……それもそうだな。ま、そん時はよろしく。多分ぼっちだからよ」

ミセ*゚ー゚)リ「や〜い、コミュ障〜」

ノハ;゚⊿゚)「くっそお〜〜言い返せねえ〜〜〜」

 そんで今度は十分くらい沈黙。それで今日の会話は終わり。
 ヒートちゃんと別々の道を歩き始め、私は一人になった。

 ・・・こういう無駄な比喩いる? やっぱメンヘラ感が出るからナシで


.

501名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:06:55 ID:GnBXv.tI0


ミセ*゚ー゚)リ「……もう走ろう! よっしゃ!」タタタタッ

 って事で走り始めた!! 私は青春らしさの過剰演出に打って出た!!
 イヤッフーーーヤッターーーーー青春だーーーーーうわーーーーーーーー

ミセ*゚Д゚)リ「ホギャーーーーーーーーーーーーーー!!!」ダダダダダダダダダ!!!!!!

 ・・・って感じ。こんな自分だ。大好きハッピーリフレイン。
 うん、思いついただけ。走るのサイッコーーー現実死ねーー!!

 ・・・そんな感じ。
 退屈で、嫌味ったらしくて、ほんとう、私なんかにゃどうしようもない現実だ……。

502名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:07:53 ID:GnBXv.tI0



  *   *   *   *   *



「――『ヴヴォォォォォォォオオオオッッ!!』」

 街から遠く離れた山、鬱蒼とした森の中。そこで人外の絶叫が弾けた。
 耳を劈くその声――音声は、もしかしたら街の方まで届いたかもしれない。

 鉄の体に電子の心。森の木々にも劣らぬ巨躯。
 四足歩行、長く太い鼻、どでかい手足に


どかーん!
(⌒⌒⌒)
 ||

/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   「『パオーン!!』」
| ・ U      |
| |ι        |つ
U||  ̄ ̄ ||
   ̄      ̄


 とくれば、これの正体など語るにも及ばないほど明白。
 いま少女の目の前で雄々しく暴れ狂う(下ネタではない)それは、まさしく『象のロボット』と言う他にない代物であった。

.

503名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:08:46 ID:GnBXv.tI0

「『――――ヴァオオオオオオ!!』」

 象のロボットが前足をもたげ、勢いをつけて走り出す。
 一歩一歩が地面を揺らす強烈な突進は、一人の少女に向かって更に加速していく。

ξ;゚⊿゚)ξ「チッ、通常魔法じゃ火力不足か……!」

 対するはピンクでフリフリフワフワな魔法少女っぽい魔法少女。
 魔法少女!? ボブは悩んだ。ボブって誰だ!? マイクは困った。


ξ;゚⊿゚)ξ「しゃーない! 全力火炎魔法で消し飛ばすッ!」 ジャキッ!

 少女は魔法のステッキっぽい魔法のステッキを前に構え、すう、と静かに息を整える。
 途端、少女の脳内になんだか凄い文字列が羅列され、それっぽいアレが、凄い感じでアレだ――ッ!


ξ# ⊿ )ξ「火炎魔法全種起動!!」

ξ# ⊿゚)ξ「まず一発! 全力ファイア!」

 木々を薙ぎ倒して迫り来る象のロボット。
 それを迎撃せんと繰り出されたのは、3メートル超えの特大火球!

ξ#゚⊿゚)ξ「やっちまえ! 象の丸焼きだ!」ブンッ

 少女が殺意を込めて魔法のステッキを振るう。
 それと同時に火球が飛び出し、象のロボットと真正面からぶつかり合った!


どかーん!
(⌒⌒⌒)
 ||  
       ドタドタドタ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   とてもあつい!!
| ・ U      |   三三
| |ι        |つ      三三三
U||  ̄ ̄ || 三三  疾走感≡≡≡
   ̄      ̄   ドタドタ

 だがッ! 象のロボットは止まらないッ!!
 火炎を突き抜け跳ね除けて、なおも少女に向かってくるッ!!

.

504名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:09:26 ID:GnBXv.tI0


ξ#゚⊿゚)ξ「だったら次! 全力フレイム!!」
   ⊃―☆
       
 うわあ!火炎魔法だ!しかも凄い方の火炎魔法だ!
 ツンは後方に三度跳躍。十分な距離をとり、象に再び照準を合わせる。

ξ;゚⊿゚)ξ(これで駄目ならもう奥の手しかない!
       森ごと焼ききるつもりの火炎魔法! 頼むから効いて――!)バンッ

 少女の手の平が地面を叩く。
 瞬間その場所に爆発が起こり、巨大な爆炎が中空に溢れ返った。
 そして、爆炎は象ロボットの視界を一瞬で真っ赤に染め上げた。

「『――ッ!?』」

 唐突に現れた爆炎に狼狽した象ロボットは思わず足を止めて数歩引き下がった。
 それも束の間、爆炎はすぐさま象ロボットを取り囲むように変形し、その退路を遮断する。


ξ# ⊿ )ξ「全力ッ……!」

 少女の声は頭上。
 象ロボットは咄嗟に空を見上げ、ステッキを振りかぶる少女を捉えた。
 しかし既に二手遅かった。紅蓮を纏う魔法少女は、上位火炎魔法の発動を宣言する。

ξ#゚⊿゚)ξ「――バーンフレイムッッッ!!!!!!!」

505名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:10:06 ID:GnBXv.tI0
    ( モクモク
   )  )
  ( ::(     ) ::)
   ) ::)  (:: .(
   //    )::) プスプス
  v      l/
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   やられたぞう
| × U      |
| |ι        |つ
U||  ̄ ̄ ||
   ̄      ̄


    \      ☆
           |     ☆
        (⌒ ⌒ヽ   /
  \  (´⌒  ⌒  ⌒ヾ   /
      ('⌒ ; ⌒   ::⌒  )
    (´     )     ::: ) /
☆─ (´⌒;:    ::⌒`) :;  )
     (⌒::   ::     ::⌒ )
   / (    ゝ  ヾ 丶  ソ ─

  ドッカーーーーーーーン!!!!!!


ξ゚⊿゚)ξ「やったわ」

  決着ゥゥ――――ツ!!!!


.

506名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:10:58 ID:GnBXv.tI0


 ――否。安息する間もなく、少女は次の気配を察知していた。
 燃え盛る象ロボットの残骸を背に、少女は周囲の森に目を見張った。


ξ; ⊿ )ξ(…………)


ξ; ⊿゚)ξ(次の敵、もう来たのね……)

 数は三、いや四……そう数えている間に、敵はどんどん数を増やしていく。

 厄介極まりない、と少女は固唾を飲む。
 闇に紛れてはっきりとは目視出来なかったが、敵は象ロボットのような大きさでない。

 かわりに小さく、そして疾走(はや)い。
 まるで暗殺者のように少女を取り囲む次なる敵のロボットは――

.

507名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:11:38 ID:GnBXv.tI0

       昆虫界のハヤブサ――――ギンヤンマッッッッッ!!
      
       ,r‐- 、                   !  |
       ',  . :.:`ヽ、                   |  i
        \  ::.::.:.:丶、           __/| く|
         \  .:::. :.::`ヽ、        rヘ土,.)、! .ト、
           \ . ::.::::.:..::`丶、    ! /´  )-+'
           /´ `丶.,_  :.: .:::.:`ヽ、 Y´>-=チl  l
           (   :.::. ::.`丶、 :::.: :.:::`<=(__,.ノl.}ト、_レ'′
            ヽ、 :::::.::..::..::.`:.ー-..、ヨ -―--!|_ |
             \ :::. :.: :: :. :::..:::..:式rト、:::.:. :.:`丶、
              ヽ、  ..::.. :.::.:::. {(ー-}::`ヽ、:::.: .::.:` ー- 、_
                `丶、 ::.:::.:::::)L_,' ..:::.:::`ヽ、 ::. :.:.::.:::.:.::`..:ー-.、
                   `ー一'´ ,'-l! .::.:.:.:.::.:::丶、  ::.:: .:.::::..::..:.:.:::`ヽ、
                       /、V.'、  ::.::::.:::: .::`丶、  ::::.:::: :.:. :.:::. .:ヽ
                          /ー/  ヾ、   :::. :.:.::.::::..:丶、 ___ , . 、 -‐'
                      /`7     lヽ、  ::.:: :.:::.::..:.:::.:`ヽ、
                    /ー/     |  |`丶、  ::::. :.::.::::.:::::ヽ、
                    /`7     i  l   ` 丶、    :::..::.:.::\
                     /ー/       l  !       ` 丶 、_  ::::.:.ヽ
                     /`フ       i  l            `ー‐'′
                   レ′       |  |

≪出てこないと思ったら出てきてしまい、使わざるをえなくなったギンヤンマのAA≫

508名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:12:49 ID:GnBXv.tI0


ξ; ⊿゚)ξ「――ッ!」バッ!

 その時、少女は咄嗟に腕を引いた。
 ほとんど無意識の、直感的な行動だった。


ξ゚⊿゚)ξ「やられた……けど残念。相性が悪かったわね」

 自分の腕を一瞥し、少女は嘆息を零した。
 腕に刻まれた一撃――本来それは、腕一本を丸ごと切り落とす筈の攻撃であった。
 しかし、それは少女の薄皮をほんのちょっぴり裂いた程度の傷にしかならなかった。


ξ゚⊿゚)ξ「それに、さっき象ほど装甲が厚くないならッ」

 少女は腰を落として両腕を眼前で交差させ、次の魔法を体内に展開する。
 同時に始まるバチバチという炸裂音。起動された魔法は、身体強化の電撃魔法――ッ!

ξ# ⊿゚)ξ「こいつで一掃できる!!」

 逆立った髪の毛を翻し、少女は交差させた腕を一気に振り払った。
 それはスタートダッシュの合図。その時既に、少女の姿は電撃の残像を残して消滅していた。

.

509名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:13:29 ID:GnBXv.tI0


 ――森の中に小さな爆発がひとつ、ふたつ。
 小さな爆発は連鎖するように次々と発生し、次第に一回一回の間を狭めていく。

                     _
  (疾走感)        ,.::'´:::::::;!_____
               _/:::::::::::::/   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
             _,.::'´::::::::::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         _,..::'´::::::::::::_;::- '_____
    r::v'::::-=ニ二´.....______
    `7ハ>ヾ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´

     ≪とても速いトンボ≫


 森の中を飛び交うギンヤンマ達は、もはや少女にとって動く的でしかなかった。
 一匹一匹が電撃に追走され、追いつかれ、一瞬の閃光と共に焼け焦げて地に落ちる。
 それが繰り返されて早くも二十。最後の一匹も既に少女の指につままれ、電撃によって燃えカスに変えられていた。

ξ゚⊿゚)ξ「私以外の魔法少女だったら、これも有効だったかもね」ポイッ

 電撃魔法を解き、ストンと肩を落とす少女。
 だが、これだけやってもまだ、少女の周囲には無数の敵が潜んでいた。


ξ;゚⊿゚)ξ「……いいわよ、何体でも来いっての……」

 暗がりに現れる機械的な赤い光の数々。
 少女は魔法のステッキを携え、それが動き出すのを待ち構えた。

.

510名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:18:03 ID:GnBXv.tI0


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


( ^ω^)「ツンは魔法少女になりたいのかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「え、なんで」

('A`)「いや夢見てるじゃん。魔法少女もの、二回も」

ξ;゚⊿゚)ξ「うーん、そうなのかなあ……」

 ツンは状態異常 『魔法少女?』 にかかった。

ξ゚⊿゚)ξ「そうかもしれない! 今度やってみる!」


 キーンコーンカーンコーン

('A`)「お、授業が始まるぜ」

( ^ω^)「一限目は国語だお! ツンには必要な分野だお!」

ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっと! それどういうこと!?」

(^ω^)「ツンは賢いって事だお」

ξ゚⊿゚)ξ

ξ゚⊿゚)ξ「なあんだ。さっ、授業の時間よ」


(^ω^)

('A`)

511名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 18:24:55 ID:GnBXv.tI0
   ,、,,..._   ハヤシライスを食べてきます
  ノ ・ ヽ  次からツンちゃんの方を書きます
         紅白は本当に逃亡です(エイプリルフール) 赤組がんばれ!

512名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 19:08:06 ID:WM3cbDNA0
ヘリカルの眉毛あるAAとか
>(# ^ω^)「僕が転んでもツンだけは守るお! キュン・・・」
の下りとか所々笑える
待ってるよ

513名も無きAAのようです:2016/04/01(金) 20:55:34 ID:wzhlr78c0
ハヤシライスくれ

514名も無きAAのようです:2016/04/02(土) 02:27:48 ID:6a6OFfI.0
ハヤシライス食べたい

515名も無きAAのようです:2016/04/02(土) 02:39:16 ID:ry9B0ApY0
  ,、,,..._   ハヤシライスを食べながら寝てました
 ノ ・ ヽ  寝ます 起きたら頑張ります

516名も無きAAのようです:2016/04/02(土) 02:52:23 ID:4z168sh60
設定も砕けた地の文もドストライクでどれも面白そうなんじゃー!
ゆっくり休めよ

517 ◆gFPbblEHlQ:2016/04/02(土) 13:18:43 ID:ry9B0ApY0
ごめんなさい予定入っちゃいました!!
全然書けてないね!食って寝てるだけなのがバレてしまった!!
この血迷いは日を改めます!!没ネタ披露だけで終わってごめんなさい!!
今から紅白頑張ります!!!!!!心を入れ替えます!!逃げませすん!!

518名も無きAAのようです:2016/04/06(水) 23:03:33 ID:0rHfD2LI0
逃げたら泣く

519 ◆gFPbblEHlQ:2016/04/17(日) 06:55:26 ID:voff0Dl60

【interlude:3】


 ――――血潮は正義の名の下に。

 振るう剣はとうに錆び、この身でさえも地に崩れ―――



ξ´⊿`)ξ グコー グコーー


 ――また寝ている―――――



ξ゚⊿゚)ξ パチッ

    あっ――続きが言えそう――――


ξ゚⊿゚)ξ

ξ´⊿`)ξ


ξ´⊿`)ξ ングォーー


 んもおぉぉ―――――


【interlude:out】

520名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 06:56:09 ID:voff0Dl60

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 前回のあらすじ!

 ツンちゃん起床! 素直四天王登場! ブーンパパ登場!即死!

 素直キュートVS歯車王! ヤキニク! スシ! ヤッター!

 勇者軍のアジト発覚!? どうなる!? 分からない・・・・

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

521名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 06:57:00 ID:voff0Dl60


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 〜学校〜


( ´∀`)「じゃあ先生は出張だから」


( ´∀`)ゞ「あと自習ッ」 ガラガラッ



┗(^ω^)┛「やったお!」

('A`)「暇になったなあ」

 きわめて簡潔な自習宣言。教室はあっという間にざわめきで溢れ返った。


      カキカキ
( ^ω^)φ「スゴロクでもやるお! ちょっと待ってね、今から作るお……」

( 'A`)「サイコロは鉛筆でいっか。よし、俺からな」 コロコロ


ξ゚⊿゚)ξ「……」


('A`)「ほれほれ3が出たぞ。はやくスゴロク書けよ」

(; ^ω^)「ひどいお! まだ完成してないのに始めないでほしいお!」

( '∀`)「次はなにが出るかなァ〜〜?」 コロコロコロ

(; ^ω^)φ「助けておーーーーー!!」 キュッキュッキュッキュ!!

.

522名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 06:58:18 ID:voff0Dl60


ξ-⊿-)ξ「……ねえ、二人とも」



('A`)「6が出たぞ。書けよ」

(^ω^)「はい」カキカキ トンッ


【ドクオ、出家前に戻る】


('A`)「!?」

(^ω^)「これは今から出家スゴロクだお」

('A`)

(^ω^)「徳を積んで解脱に至るお」

('A`)


ξ-⊿-)ξ「……今は敵の本拠地が分かって、ハインさん達が作戦を練っているって時なの」

ξ゚⊿゚)ξ「遊ぶのはいいけど、あんまり気が抜けてるのは関心しないわね」


ヘ( ^ω^)ノ 「よし! 大体書けたしブーンもやるお!」 コロコロ


【ツン、解脱】


( ´ω`)「……ゴールだお……」

('A`)「世俗から解き放たれたな」

.

523名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 06:59:02 ID:voff0Dl60


 現状をまとめるとこうだ。
 脱走してきたブーンパパのおかげで敵の本拠地が判明。
 ハインさんは先んじて魔王軍にそれを伝え、今はお父さん(魔王ロマネスク)と一緒に作戦会議中。

 で、現状とりあえずの決定事項が以下のとおり。
 遅くとも二週間後には襲撃をかける。
 そしてそのメンバーは少数精鋭。魔界からも何人か呼び寄せるらしい。

 そんな感じ。なんて分かりやすいんだ!


ξ゚⊿゚)ξ「……」

( ^ω^)「……意気込むのも分かるお!
      でもツンはバカだから考えたってしょうがないお! 元気出すお!」

('A`)「そうだそうだ。モンハンやろうぜ」

ξ゚⊿゚)ξ


ξ-⊿-)ξ「……ごめんなさい。あんまり、今はそういう気分じゃないの。
       この戦いが終わったら、またいっぱい遊びましょう……」

 私は席を立ち、髪をファサーとしながら教室を出て行った。
 キマった! なんて理知的な去り方なんだ・・・

 テクテク・・・・

.

524名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 06:59:49 ID:voff0Dl60


( ^ω^)


('A`)




( ^ω^)「……ツンはなんで頭かいてたお?」

('A`)「風呂に入ってないから痒かったんだろ。察してやれ、デリカシーだ」


(^ω^)


<(^ω^)>「オーマイガッ! デリカシーショック!」


('A`)



('A`)「これで一発ギャグ作れそうだな。考えるか」

(^ω^)「いいNE」

525名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:01:05 ID:voff0Dl60


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 〜ツンちゃんハウス〜


 ツンちゃんハウスのリビング。
 お昼休みのウキウキ番組を垂れ流しつつ、ハインとロマネスクは敵地襲撃作戦を練っている。

 作戦会議開始が始まって早くも一時間。
 参加メンバーの絞り込みも進み、ようやくうんたらかんたら(地の文が思いつきませんでした。ごめんなさい)


从 ゚∀从「――俺とアンタは確定。で、ミセリと貞子とワカッテマスは第一候補。
      魔界の四天王とツンちゃん、ブーンは次点と……」

 ハインはメモ用紙に羅列した名前を見直し、ロマネスクに言った。

从 ゚∀从「急いで集められるのはこんくらいか? ちぃと不安だな」

526名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:01:45 ID:voff0Dl60


( ФωФ)「……そうか? 最初から言っているが、我輩だけでも十分なのだぞ」

从;゚∀从「いや、勇者軍の本拠地がどんな規模か分からねえだろ。
      そりゃあ魔王軍に比べれば小規模だろうが、あんた一人じゃ敵に囲まれて終わるぞ」

( ФωФ)「ムッ」

从 ゚∀从「考えてもみろ。少なくとも四天王クラスの敵が九人、あんた無事で済むのか?」

( ФωФ)


( ФωФ)┛「やれる! 任せておけ!」

从 ゚∀从




从;゚∀从(……魔王軍は参謀を置くべきだ。こいつバカだ!)



☆まめちしき☆

(^ω^)「ツンのパパもバカだお!」

527名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:02:57 ID:voff0Dl60



 ガチャ それは玄関が開く音

 トテトテ それは誰かが近付いてくる音

 ガチャ それはリビングのドアが開く音


      ☆脳死した地の文、恥を知らず――!




( ´∀`)「お邪魔しますモナ〜」


( ФωФ)「ムッ。誰であるか。新聞の勧誘か、殺すぞ」

从 ゚∀从「おーう。遅かったな」

 入ってきた男に手を振って見せてから、ハインはロマネスクにその男を紹介した。


从 ゚∀从「勇者軍抜ける時に一緒だったヤツでな、モナーってんだ。
      俺の持ってる情報は大体こいつから貰ったもんだ。使えるヤツだぜ」

( ´∀`)「どうも〜」

.

528名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:03:37 ID:voff0Dl60


( ´∀`)「……という紹介で、十分モナ?」

( ФωФ)「……ふむ、まあよい。敵の敵であるなら誰であろうとな」

 素っ気無く言い、ロマネスクは腕を組んで背中を丸めた。

( ФωФ)「しかしハインリッヒよ。
       ずいぶん長い間、我々を謀っていたようだな」

( ФωФ)「特にブーンの血筋だ。あれには驚かされた。
        まさか勇者の末裔だったとはな……」

从 ゚∀从「悪いが目的があった。ブーンの父親を助け出すっていう目的がな」

 ロマネスクの詮索に、ハインリッヒは特に悪びれる様子もなく答える。

从 ゚∀从「俺もあいつも長期的な情報収集の為に魔王軍とつるんでたんだが、
      オヤジさんの居場所も分かった今、下手な芝居をうつ必要もなくなった」

从 ゚∀从「なんにせよ俺もブーンも敵の敵だ。今はそこまでがハッキリしてりゃあいいだろう?
      お互い戦力も情報も不足してんだ。今までどおり仲良くしようぜ」


( ФωФ)(魔王の娘が勇者の息子と学園生活など完全に事案ではないかよくやった……)

 ロマネスクは話を聞いていなかった。

.

529名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:05:41 ID:voff0Dl60


( ФωФ)「……なるほど、話はちゃんと聞いていたので理解した。
        ならば、人の娘を切り札扱いしておった事にも目を伏せてやろう」

从;゚∀从 ギクッ

( ФωФ)「妖刀・首断ちも大して悪用していなかったようだしな。
        色々と、まあ、許してやろうではないか。ちゃんと聞いていたのでな」

从;゚∀从「悪かったって。実害も出てないんだから勘弁してくれ、な?」

( ФωФ)「だから許すと言っている。ただし、次はないというだけでな」

从;゚∀从「……あいよ」


( ´∀`)「いやあ魔王様の寛容な精神、まったくもって痛み入るモナ」

( ´∀`)「それで早速だけど敵の内部情報をいくらか聞き出してきたモナ」

 多少の息苦しさを物ともせず、モナーはさっぱりした態度で話を進めにいった。
 モナーはさっさと席につき、どうこう (ここもダメでした! ごめんNE!(^ω^)

( ФωФ)「聞き出してきた? 誰からだ」

( ´∀`)「こないだの女の刺客。デレとかいうらしいモナ」

 ああ、とだけ呟き、ロマネスクは瞑目する。

530名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:06:32 ID:voff0Dl60


从 ゚∀从「で、何が分かった」

( ´∀`)「……単純に言って内部分裂だね。
      勇者軍の中に王座の九人を中心とする武闘派が一つ。
      それとは別に、ブーン君のパパを利用した実験をしている派閥が一つ」

( ´∀`)「表向きは王座の九人が全体を指揮しているけど、危険性は後者のが上らしいモナ。
      こっちは勇者万歳の宗教団体。勇者製作の為なら手段を選ばないんだと」


( ФωФ)「……なるほど。そいつらが裏から王座の九人を操っているという事か」

( ´∀`)「多分その認識で間違いないと思うモナ。
      なんにせよ、敵は二つの集団だと見るべきモナ」

( ФωФ)「そうだな。どちらにせよ、いずれ二つとも全滅させるが……」


从 ゚∀从「……とりあえずツンちゃんどうする。
      確かな戦力にはなるが、敵の狙いもツンちゃんだぜ」

从 ゚∀从「しかも今の話からして捕まれば即刻実験材料だろ?
      どうなんよ。そこら辺、父親として……」

( ФωФ)

 ハインリッヒに視線を向けられ、ロマネスクは少しのあいだ沈黙した。

 女子供とはいえ一人娘である以上、いずれはツンが魔王の座を継ぐことになる。
 それを思えば此度の戦いもまた試練。ここで終わるような者に継がせるものなど何も無い。

.

531名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:07:23 ID:voff0Dl60


( ФωФ)(ほんとは死ぬほど可愛がってフリンフリンの服を着せたかった)

( ФωФ)(我輩みずからピアノを教えてやりたかった・・・あとやっぱり犬も飼いたかった・・・)

( ФωФ)(ちっちゃいツンと子犬? 最高ではないか・・・)

( ФωФ)(なのに何故どっちも拒否したのだ、ちっちゃい頃のツンよ……)

( ФωФ)(嘆かわしいぞ、ツン……今からでも遅くはないぞ……)

( ФωФ)(犬を飼いたがれ、ツン……!)

 ――魔王が情に走って血統を軽んじるような真似は出来ない。
 ロマネスクは、極めて魔王らしい思慮を終えた。


( ФωФ)「――ぬるい事を言うなよハインリッヒ。ツンも連れて行く。
        アレとて自分の身を守れるだけの力は付いている」

从 ゚∀从「……んじゃ三人目は確定か。
      あとはどうする? いっそのこと、もう全員連れてくか?」

(; ´∀`)「……考えるの面倒臭くなってるモナ?」

从 ゚∀从「いやあ、だって要は残党狩りだしなあ……。
      王座の九人を倒したら終わりだし、そんな意気込む事もねえかなって……」

( ФωФ)「あとは順当にミセリと貞子を連れていけばよかろう。
        範囲攻撃に関しては魔術師が一歩先を行く。数での不利もこれで解決だ」

.

532名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:08:32 ID:voff0Dl60

从 ゚∀从「それでいっか。いいよ、大体俺らで片付けるし。
      ツンちゃん達にはザコを一掃してもらう感じでさ」

从 ゚∀从「俺が三人倒す、アンタが六人倒す。
      それで王座の九人は壊滅。オッケー?」

( ФωФ)「よし、心得た」

 紆余曲折の結論は、とても簡単な引き算によって導き出されてしまった。
 もう面倒臭いからなんでもいいという極めて分かりやすい理由によって。

( ´∀`)「一応僕も部下を連れて近くに待機しとくモナ。
      なんというか、怖いのは王座の九人だけじゃない気がするモナ」

从 ゚∀从「……分かった。なら諸々の備えは任せる。暗躍は俺よりお前のが上手い。
      こっちに報告もしなくていい。好きに動いてくれ」

( ФωФ)「こちらも異存ない。邪魔さえしなければ何でもよい」

( ´∀`)「しないと約束するモナ。とにかく、僕は合理と利益の為に動くモナ」

( ФωФ)「……利益」

.

533名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:09:41 ID:voff0Dl60


( ФωФ)「……お前達、何が望みだ。世界の半分か」

从 ゚∀从「……ちげェ。俺はただ、俺のもんを返してほしいだけだ」

( ФωФ)

从 ゚∀从「ありゃあ戦争中の出来事だったな。
      懐かしいぜ。そっちの四天王が三人掛かりで俺を囲んでよお……」

从 ゚∀从「……ま、俺はギリギリ生き残ったが、代わりに自分の武器を大半失くしちまった」

( ФωФ)「……」

 ロマネスクはモナーが口にした「利益」という言葉に言外の意図を察していた。
 とどのつまり、結局のところ――


从 ゚∀从「……ひとつ残らず返せとは言わねぇ。
      だが今度の戦いに必要な分だけは絶対に返してもらう」

从 ゚∀从「それが今回、俺がおめえらに協力する為の条件だ」


 ――目的が無ければ、行動は起こらないという事だ。


.

534名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:10:31 ID:voff0Dl60


ピョイン
     ∧_∧   ┌────────────―
   ◯( ´∀` )◯ < 僕は日本円で十億欲しいモナ!
    \    /  └────────────―
   _/ __ \_
  (_/   \_)
       lll        ☆その男、現実主義――!!


.

535名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:11:11 ID:voff0Dl60








━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━









.

536名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:11:52 ID:voff0Dl60

【interlude:4】



 ――――勇者軍本拠地、医療区画――――




.

537名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:12:46 ID:voff0Dl60


 スライドドアの前に立つと、センサーが反応し、プシウと音を立てながら道を開けた。
 ギコは持ってきたささやかな花束を傷つけまいと、そおっと病室に足を踏み入れる。


(*゚ー゚)「でね、そのときお兄ちゃんがね――」

 病室にはベッドが一つ、少女が一人。彼女の話し相手として看護婦も一人ついていた。
 二人は穏やかな雰囲気のなか、一人が笑えばもう一人も笑うような仲睦まじい様子を見せていた。

 今している話が余程盛り上がっているのか、二人はまだギコが入ってきたことに気付いていない。
 平和な時間を遮ってしまう事に申し訳なさを感じながらも、ギコは空いた手で壁をノックする。

 二人の視線が、ギコに向けられた。


(,,゚Д゚)「よっ」

(*゚ー゚)「あ、お兄ちゃんだ! シスコンの!」

看護婦「あら、シスコンのお兄さん……」

(,,゚Д゚)「どうも、こんにちは」

 逐一訂正しているとキリがないくらい、ギコのシスコン設定は勇者軍全体に広まっていた。
 噂の発信源は彼の妹・しぃ。
 それを咎めることは容易いが、余り構ってやれない負い目から、ギコはとりあえず彼女の多弁っぷりを見逃してやっていた。

 病弱なのにやたらヤンチャをしたがる手間の掛かる妹だが、ギコにとってはたった一人の家族。
 彼女のワガママを聞いてやれる人間は、もうこの世にはギコ一人しか居ない。

.

538名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:13:39 ID:voff0Dl60


(,,゚Д゚)「元気そうだな」

(*゚ー゚)「……あれ、シスコン訂正しないの?」

(,,゚Д゚)「もう手遅れなくらい広まってるから訂正しない。諦めた」

(*゚ー゚)「噂って怖いね!」

(,,゚Д゚)「お前が広めたんだけどな」

(*´ー`)「でへへ……。愛ゆえに、ってヤツですなあ」

(,,゚Д゚)「そうだな。ありがとうよ」

 しぃの枕元に立ち、ギコは彼女の手を取った。
 シスコンかな? 看護婦は思った。

(,,゚Д゚)「……今日も元気か、しぃ」


 薄く、透き通るような綺麗な手。
 だが、それは決して彼女を褒める言葉には成りえなかった。

(*゚ー゚)「ん? 元気元気、顔色もバッチリでしょ!」

 しぃが外出や激しい運動を禁止されて十年余り。
 かけっこで転んで出来た傷も、勉強を頑張るあまり出来てしまったペンダコも、友達と喧嘩をした思い出も。
 彼女が一人の人間として生きてきた過去は、この十年の療養生活に真っ白に塗り替えられてしまった。

 綺麗な手だが、この手が彼女の望む平穏な日常を掴む事は二度とない。
 死を約束された命、空白に塗り替えられた体。
 急がなければ彼女はいずれ本当に全てを失ってしまう。
 ギコは彼女の手を見るたび、己の無力さと確固たる決意を思い出す――

.

539名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:14:23 ID:voff0Dl60


(,,゚Д゚)「……そうか。ならいい。よかった」

 ギコは花束をしぃに渡し、ほんの少し笑みを見せた。
 しぃ以外にはこれが彼なりの笑顔だとは分からないほど、ほんの少しだけ。

(*゚ー゚)「またお仕事行っちゃうの?」

(,,゚Д゚)「ああ。帰ったらまた来る。
    でも次はちぃと大仕事でな、いつ帰れるか……」

(*゚ー゚)「……分かった! なら、約束。ちゃんと帰ってきてね」

 差し出された小指。
 ギコは一瞬押し黙ってから、そこに自分の小指を引っ掛けた。

(,,゚Д゚)「てめえに嘘をつけるかよ。心配すんな、帰ってくる」

(*゚ー゚)「……うん! また待ってるから、信じてるから」

 指をほどき、踵を返す。
 ギコは最後にしぃの顔を一瞥し、病室を後にした。

.

540名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:15:25 ID:voff0Dl60



(-@∀@)「あの子、そう長くは持たねえぞ」



(,,゚Д゚)「分かってる」

 廊下に出た途端、脈絡なく突きつけられた言葉に即答する。
 ギコはアサピーに目もくれず、立ち止まらずに歩き続けた。


(-@∀@)「一人じゃ無謀だぞ」

(,,゚Д゚)「だからって誰が来るんだよ」

(-@∀@)


(-@∀@)「……ま、誰も来ねえなあ」

(,,゚Д゚)「……俺が三日以内に魔王城ツンを仕留めてくる。手段は選ばない。
     テメエは手術の準備だけ済ませておけ。大急ぎでだ」


(-@∀@)「……死ぬぞ」

(,,゚Д゚)「死なせない為にいく」

 ギコは一人、道を行く。
 その背中を見送りながら、アサピーは呟いた。


(-@∀@)「……昔は、ウチにもああいう奴が沢山居たもんだ……」

(-@∀@)「……居心地わりぃぜ。なあ、フォックス……」

 懐の煙草を一本抜き取り、それをくわえて口を閉ざす。
 火は点けなかった。アサピーにとって、煙草はただの口封じでしかなかった。

.

541名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:16:36 ID:voff0Dl60


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 〜学校〜


( ´∀`)「出張終わり!」

( ´∀`)ゞ「でももう放課後! 解散! また明日!」


┗(^ω^)┛「やったお!」

('A`)「暇になったなあ」

 きわめて簡潔な終了宣言。教室はあっという間にざわめきで溢れ返った。


('A`)「これからどうする? 遊んで、……は、いかねぇか」

(^ω^)「そうだNE! はやく帰って寝たいお」

('A`)「だな。近々でかいことすんだろ、頑張れよな」

( ^ω^)「ツーーーン! 帰るおーー!」



( ^ω^)「……」   シ

             |

('A`).「……」      ン



.

542名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:17:17 ID:voff0Dl60

( ^ω^)「おかしいお。ツンが居ないお」

( ´∀`)「魔王城さんなら早退しましたよ。聞いてないモナ?」


(^ω^)「いつ!?!?」

( ´∀`)「自習の時かな? 気分が優れないって言ってたモナ」

(^ω^)


(^ω^)「……ドクオ気付いてたお?」

(;'A`)「……そら気付いてたけど、ていうかなんでお前が気付いてねえんだよ」

(;'A`)「いちおう護衛役だろ? いや、じゃあ今あいつどこに……」

(^ω^)


(^ω^) ヤベッ

(゚A゚)

543名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:17:57 ID:voff0Dl60


(;;^ω^)「ま、まあツンも強い子だお! 大丈ブイ!」


(^ω^)v ダイジョウブイ

(;゚A゚)


(;;^ω^)「……とりあえずツンの家に行くお。
       居なかったら、探しに行くお」


(; ´∀`)「居なかったよ。さっき出張帰りにお見舞いしてきたけど……」


( ^ω^)

(^ω^)


(^ω^) ウーワ


【interlude:out】
.

544名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:19:20 ID:voff0Dl60


〜〜駅前 カラオケ屋〜〜


<アザッシァー


ξ゚⊿゚)ξ「あー歌った」 テクトコ

 適当に理由をつけて学校を抜け出してきた私、魔王城ツン。って今更かな? うふふ
 学校を出てから暇だったので三時間ほどカラオケにこもっていた。楽しかった。


从'ー'从「たのしかったね〜」

 そしてもちろん一人ではなかった。
 この子は渡辺ちゃん。数少ない、本当に数少ない私の女友達である。
 学校を抜ける時に誘ったら一緒に来てくれたのだが、多分本人には学校をサボった自覚はない。


ξ゚⊿゚)ξ「学校サボってよかったの?」

从'ー'从

从;'ー'从「何にも言わずに出てきちゃった!!」

 案の定であった。


ξ゚⊿゚)ξ「やれやれ。明日行ったらちゃんと謝るのよ」

从;'ー'从「ぶぇ、ぶぇぇ〜」

 彼女はいわゆるアホの子で、本当にヤバイと思っている時は死にかけのブブゼラみたいな声を出す。
 なので今日のサボりはヤバイ判定なのだろう。となれば少し、罪悪感も湧いてくる。

.

545名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:20:46 ID:voff0Dl60


ξ゚⊿゚)ξ「なんか食べてから帰る? 奢っちゃうよ」

从*'ー'从「え、いいの!? わーい!」

ξ゚⊿゚)ξ「何がいいかな……。駅前だから何でもあるし、リクエストある?」

从*'ー'从「ヤキニク! 上カルビ!」

 即答だった。

 ただいま時刻は午後五時を回ったくらい。
 この時間から制服を着た女子高生二人が焼肉屋に入るというのも憚られ

ξ゚⊿゚)ξ「よし、行こう!」

 ない! ヤキニク最高! 私達はスキップした。

 しかしそろそろ帰宅ラッシュがどうこう。
 焼肉屋は駅の向こう側なので、このままだと人混みに飛び込むことになる。

 私はその場でスキップしながら周囲を見渡した。
 近道、近道……そうして探してみると、ちょうど近道になりそうな路地を発見。
 私は見つけた道を指差し、渡辺ちゃんに提案する。


ξ゚⊿゚)ξ「あそこの路地裏通ってく? きっと早いわよ」 スキップスキップ

从'ー'从「えっと……うん! よくわかんないからついてくね〜」 スキップスキップ

.

546名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:21:33 ID:voff0Dl60


 とりあえず道も決まったので、私達はスキップでその路地裏に入っていった。
 大体の感覚で、なんとなく進んでいく。




 それから大体3分後、



ξ゚⊿゚)ξ「うーん」 スキップストップ


从'ー'从「どうしたの〜」 スキップストップ


ξ゚⊿゚)ξ「迷った」


从'ー'从


 迷った。



.

547名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:22:37 ID:voff0Dl60



ξ゚⊿゚)ξ(……マズったな)


 ――というのも建前で、今の私達は実際ヤバイ。

 ここは既に勇者軍の結界内だった。

 しかも今回、その結界ですら何かが違う。



ξ゚⊿゚)ξ(結界の展開を察知できなかった。
       今までそんな事なかったのに。この結界、特別製か……)

ξ゚⊿゚)ξ(……敵の狙いは私だけでしょ。渡辺ちゃんとは離れた方が……)


从'ー'从「えっと、どうする〜? スマホで調べる〜?」

 思案を打ち切り、振り返る。
 きっと表情が険しくなっている。私は笑顔を作り、それを彼女に見せた。

ξ゚⊿゚)ξ「とりあえず前進あるのみでしょ!
      私はこのまま真っ直ぐ行くから、渡辺ちゃんは来た道を戻ってみて」

从'ー'从「うん! 分かったぁ〜」

 え? それだと私だけ焼肉屋に着かなくない? いやいや、もしこの道が近道なら後でケータイで呼ぶから大丈夫。
 というやりとりまで考えていたが、渡辺ちゃんはやはり致命的なアホのようだった。

 なんの疑問も抱かず、彼女は来た道をスキップで帰っていった。

ξ゚⊿゚)ξ(アホで助かったー)

.

548名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:23:17 ID:voff0Dl60



ξ゚⊿゚)ξ「……さて」


 息を整え、全身に満ちる魔力に私の意思を通す。
 魔力は意思に反応し、意識をもって私の求めに応じる。

 仄かな閃光――私の首に、赤いマフラーが具現化する。


ξ゚⊿゚)ξ「行くわよ」

 私は自分の影を見下ろし、ゼノグラシアに声を掛けた。


(::::::::⊿)「……」

 影の中で揺らめく曖昧な存在。確かにあるのは鋭く光る片目だけ。
 これがゼノグラシアの待機状態。無愛想は相変わらずだった。

ξ゚⊿゚)ξ「敵は気配を消してる。魔族でもないから魔力探知もできない。
       目立つところに立って、向こうから出てくるのを待つ」

(::::::::⊿)「……愚行ダナ。的ニナルゾ」

ξ゚⊿゚)ξ「言ってなさい。移動する。迎撃任せたわよ」

(::::::::⊿)「……了解シタ」


.

549名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:24:15 ID:voff0Dl60


 私はぐっと腰を落とし、腕を構えて目先を見据えた。
 走り出すタイミングは適当。心の中でカウントダウンを開始する。

ξ゚⊿゚)ξ「いち……に、さんッ」

 心の中で言うつもりが口に出ていた辺りは愛嬌。
 とにかく、走り出した私はさっさとトップスピードに入ることにした。

 ――肉体が風を切る。
 体表の熱は瞬く間に吹き飛び、空気の塊をかき分けて進む感覚がどんどん強くなっていく。

 たなびく赤マフラーが騒がしくバタバタと音を立てている。
 さすがに音を置き去りにはできないのでここら辺で加速を止める。というかこれが限界。

 これで助走は十分。路地の突き当たりも見えてきた。
 あとは適当にホップステップジャンプで空中に出るだけだ。


ξ゚⊿゚)ξ「よっ――」

 歩幅を大きく広げて軽く跳躍。ふわっ、と体が浮く感覚。

ξ゚⊿゚)ξ「ほっ――」

 着地と同時に地面を蹴る。跳躍は高度を増し、滞空は数秒に渡った。


ξ#゚⊿゚)ξ「せえ……」

 次で飛ぶ。
 タイミングを計り、私は最後の跳躍に向けて両足にぐっと力を込めた。

.

550名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:25:18 ID:voff0Dl60



ξ#゚⊿゚)ξ「――のッ!」


 着地の瞬間、私は両足で地面を叩いた。
 体が一気に空に舞い上がる。数秒後、私は駅前のビル群を眼下に一望できる程の高さにまで到達していた。

 浮遊感が始まった。この感覚は束の間だ。私に体はすぐに落下し始める。
 私はくるっと体を翻し、着地できそうな建物に目星をつけた。

ξ゚⊿゚)ξ(あそこにしよう)

 今度は赤マフラーに魔力を込める。
 そもそもが魔力で出来たこのマフラーは、命じればその通りに動く私の手足でもあった。

 私は赤マフラーをぎゅっと握り締め、赤マフラーの尾で空中を叩いた。
 空気が弾ける乾いた音。途端、落下と加速が同時に始まった。

 目標の建物はあっと言う間だった。
 私は赤マフラーを先に着地させ、衝撃の大半をマフラーで受けきった。
 それからゆっくり安全に、私はその建物の屋上に降り立った。

.

551名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:26:07 ID:voff0Dl60



ξ゚⊿゚)ξ「――さて」


 静止した夕日、わずかに紫がかった結界世界。

 ビル群に乱反射した夕日を浴びながら、私は――




(,,゚Д゚)



 ――視界の一端に、敵を見つけた。


.

552名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:26:48 ID:voff0Dl60



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                   第一戦 王座の九人・ギコ

                    VS 【欺帝審判】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


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553名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:33:05 ID:voff0Dl60

☆敵のステータス☆


≪ (,,゚Д゚) / 欺帝審判(フェイク・アンド・バニシングエクスカイザー) ≫


【本体名】 ギコ

【タイプ】 スタンド

【基本能力】 

[破壊力:C] [スピード:C] [射程距離:B]

[持続力:D] [精密動作性:C] [成長性:D]

A=かなり凄い B=けっこう凄い C=まぁまぁ良い
D=人並み    E=よわい     F=論外     S=最強


【概要】

真実と欺瞞を暗示する激化能力。発動するとジョジョ的スタンドが現れる。

スタンドで触れた物の 『真実』 を 『望んだ嘘』 と入れ替える能力がある。
硬い物は柔らかく、冷たい物は熱く、偽物を本物にしたりなどが可能。
あらゆる物質の性質を好きなように変化させられるが、代わりに持続力は低い(頑張っても10分)。
特に偽物を本物のするのはかなり疲れる。あんまり無理があると一瞬で能力が切れてしまう。

真実と嘘を入れ替える事は出来るが、その逆は出来ない。
なので、ギコには激化能力とは別に ≪真実を見極める目≫ というスキルがある。
滅多な事では騙されない鋭い観察能力がある。すごい!

そしてあくまで『入れ替える』なので、嘘と入れ替えた真実は、そのままスタンドの性質として活用できる。
硬い物を嘘と入れ替えた場合、スタンドはとても硬くなる。軽い物と嘘を入れ替えれば、スタンドは軽くなる。
しかも獲得した真実は能力発動中はずっと消えずに留まり、増えていく為、入れ替える度にどんどん強くなっていく。すごい!
一時的に敵の能力を奪うことも可能。


以上、なんだかとても頭を使いそうな激化能力であった。
彼の能力はブーンの能力と似通った部分も多く、もし彼が仲間になれば、きっとブーンの良い師匠になるだろう。

554名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 07:33:46 ID:voff0Dl60


   ,、,,..._   
  ノ ・ ヽ   次回、戦闘! 頑張ります!
 / :::::   i   しっかり書き溜めるので一ヶ月はかかると思います!
/ :::::   ゙、   頑張ります! 頑張ります! 頑張ります! うおおおお!


.

555名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 09:10:05 ID:F4Q2Qf6E0
何時の間にか奇妙な冒険になっとる

556名も無きAAのようです:2016/04/17(日) 11:42:23 ID:jToFjfoo0
乙!
相変わらず面白い

557名も無きAAのようです:2016/04/18(月) 13:18:45 ID:Tr.Cla/s0
おっ戦闘描写あるんけ?

558名も無きAAのようです:2016/04/27(水) 22:00:56 ID:2xBOw8eI0
おつ!!

559 ◆gFPbblEHlQ:2016/05/03(火) 00:45:50 ID:t2s5WCys0



 紫がかった夕焼けの結界世界、停滞しきった空気はぬるい。


 駅前ビル群の屋上で、私は男の姿をじっと見つめていた。
 男は数軒離れた屋上に立っていた。彼もこちらを睨んでいる。

 軽快な跳躍――男はひとつふたつと屋上を飛び移り、私と同じ場所まで来た。
 フェンスの内側、屋上の端と端。
 戦おうと思えば今すぐにでも始められるこの距離で、しかし男は身構えない。

 何か言いたげだ。そう思った矢先、男が口を開いた。


(,,゚Д゚)「戦う前に話がある」

ξ゚⊿゚)ξ「待った、その前に聞く。貴方はだれ?」

(,,゚Д゚)「……王座の九人、ギコ」

ξ゚⊿゚)ξ「……丁寧にありがとう。そっちの話を聞くわ」

 ――王座の九人。

 勇者軍最高戦力として選ばれた九人、男はその一人だという。
 この結界や徹底的な気配消しからして強敵だとは予想できていたけど、まさか四天王クラスがいきなり来るとはね……。

.

560名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 00:46:30 ID:t2s5WCys0


(,,゚Д゚)「まあ分かりやすく言う。今すぐ降伏しろ。
     色々と人体実験を受けるだろうが、しばらくは殺されないだろう」

ξ゚⊿゚)ξ「……生憎だけどお断りするわ。
      私の体、そんなに安くないの」

(,,゚Д゚)「なら話は終わりだ。俺が貴様を倒し、連れ帰る」

 淡白なやり取りが呆気なく終わる。

 途端、ギコの周囲に薄紫のオーラが立ち上った。
 それと同時に彼の体からなにかが剥離し、その姿を露にした。

 両手足に鎖付きの枷をはめられた白黒まだらの皇帝姿。
 朽ちかけの帝冠、外套は漆黒。
 十字架で口を塞いだ真白な仮面が、それの顔面を覆っている。

 この能力のAAは、作成技術不足により、ない。


(,,゚Д゚)「……欺帝審判。それが、俺の能力の名だ」

 傍らに現れた人型のそれはギコの激化能力・欺帝審判(フェイク・アンド・バニシングエクスカイザー)。
 そして、見ただけで十分に理解(わか)ってしまった。

 言いたくはない、認めたくはないが――


.

561名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 00:47:36 ID:t2s5WCys0


ξ;゚⊿゚)ξ(――今のゼノグラシアと互角、それ以上か)

 私は一歩後ずさり、ゼノグラシアを前に出した。
 影に潜ませ待機させている余裕は無い。魔力を供給し、彼を具現化する。

(::::::::⊿)「……難敵ダナ」

 やがて、人間の形をした闇の塊が私の前に現れた。
 ゼノグラシアは既に戦闘体勢をとっており、いやなんとも心強い。

ξ;゚⊿゚)ξ「……それでも倒してもらうわよ」

 具現化したゼノグラシアには常に魔力供給が必要になる。
 それも莫大な量の魔力。燃費が悪すぎるのだが、ところが私は魔王の末裔。
 こと魔力量に関しては他の追随を許さない。ゼノグラシアとはある意味、相性が良いのである。

ξ;-⊿-)ξ(最初から八割でいく。めいっぱい吸いなさい、ゼノグラシア……!)

 魔力を高める――私の周囲に、真紅色のオーラが立ち込める。
 十分な魔力量を貯蔵した後、私は赤マフラーの末端を魔力によって延長した。

 マフラーがするりと伸び、ゼノグラシアの首元に巻きつく。
 魔力で具現化した赤マフラーには魔力の供給ケーブルとしての役割がある。
 私達は接続された。そして私の『八割』の全力が、ゼノグラシアの中に注ぎ込まれていく。

.

562名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 00:48:23 ID:t2s5WCys0


 ――ゼノグラシアの姿が異変する。
 ただの影でしかなかったその姿には、次の瞬間、明確な実体があった。

 黒いマントを翻し、元気なうさみみをピンと立て、
 それは一つの命として地面に足をつける。


(メ._⊿)「……八割とは、ずいぶん豪勢だな」


ξ;゚⊿゚)ξ「そういう相手なの。ウサたんなら分かるでしょう」


(メ._⊿)「……我は三月兎。決してウサたんなどではない」

 ゼノグラシア・ウサたんモード! 彼はウサギさんになった。とても可愛い。
 私と一緒に赤マフラーを巻いているのもとても似合っていて可愛い。
 やはりこの赤マフラーは正解だった。

.

563名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 00:49:22 ID:t2s5WCys0

ξ#゚⊿゚)ξ「いいからやるわよ! 速攻あるのみ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「あいつをブン殴りなさい! ゼノグラシア!!」

(メ._⊿)「……心得た」

 指示を受け、ゼノグラシア・三月兎モードが地面を蹴る。


(#,,゚Д゚)「ッ」

 三月兎が動いた。攻撃が来る。
 ギコはその一撃を欺帝審判で防御しようと思考したが、

 しかし、その思考が生まれた瞬間、もう既に

(メ._⊿) ストッ

(;,,゚Д゚)「――なッ!?」

 三月兎はギコの懐に着地し、ギュウと拳を握り締めていた。
 防御・反応がつけ入る隙はもう無い。

ξ゚⊿゚)ξ(初見殺し、成功!)

 三月兎はただシンプルに、全力を込めた拳でギコの腹を殴りブチ抜いた。
 グチ、という血肉を掻き分けた音が鳴る。

(;,, Д )「ぐ、うおォッ……!」

.

564名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 00:52:34 ID:t2s5WCys0


(;,, Д゚)「――――欺帝審判ッッッッ!!」

(メ._⊿)「!」

 しかし攻撃をくらった直後、すかさずギコが声を張り上げた。
 三月兎は咄嗟に一歩引き下がった。
 その一瞬あと、薄皮一枚を隔てたギリギリ寸前のところを、欺帝審判の左手が掠めていった。

ξ;゚⊿゚)ξ「気をつけて! その手、何かある!」


(;,, Д゚)「ただでは帰さん……!」

(メ._⊿)

 ギコは欺帝審判の背後に隠れて三月兎と対峙した。

 欺帝審判は三月兎を捕まえようと平手を振るってきた。
 だが、その攻撃速度は三月兎の目には殆ど止まって見えていた。
 三月兎は一回一回の攻撃を完全に見切った上で、余裕をもって回避することができた。

ξ;゚⊿゚)ξ「おいコラ! 一旦引いて!」

(メ._⊿) ピクッ

 しかし、私は三月兎を呼び止めた。
 三月兎の性格だとそろそろ反撃を仕掛けるに決まっている。
 それはまだ危険な行為だ。少なくとも、敵の手の内が分からない内は一撃離脱が望ましい。

(;メ._⊿)(……おいコラ?)

 何より、あの手の平による攻撃は明らかに物理ダメージ以外の何かを狙っている。
 敵は王座の九人。一手違いが命取りになりかねない――

.

565名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 00:53:31 ID:t2s5WCys0


 三月兎が敵を向いたまま後ろに跳躍。
 後退してきた三月兎は私の前に立ち、ふたたび悠然と身構えた。

 その間、欺帝審判はじっとしたまま三月兎を追っては来なかった。
 ギコもこちらの攻撃がよほど効いているのか、苦しそうに荒い呼吸を繰り返している。


ξ;゚⊿゚)ξ「……一撃は入った。次で致命傷を入れるわよ」

(メ._⊿)「心得た」

 ゼノグラシア・三月兎モードの全速力は時速300kmにも達する。
 予備動作ほぼナシ、ブレーキ要らずで行うこのダッシュは、常人の目には瞬間移動と大差ない。
 もっとも、現状私の全力8割を使っているのだから、これぐらいは出来てくれなければ困るが……。

 ――三月兎が軽く前傾した。突撃のタイミングを見計らっている。


(;,, Д)「……ッ!」

 その時、ギコの体が大きくよろめいた。
 明確な隙――三月兎は刹那を見切り、地を蹴った――!

.

566名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 00:56:10 ID:t2s5WCys0


ξ#゚⊿゚)ξ「決めろッッ!」

(メ._⊿)「――――ッ!!」

 三月兎は一瞬でギコとの距離を詰めた。
 完璧な位置につき、今度は手刀でギコの喉元を突きにいった。
 最悪ギコの首をも飛ばしかねないその一撃は、人間が認識できる容易く速度を超えていた。

(,, Д )「……なるほど」

(;メ._⊿)「ッ!?」

 ところが次の瞬間、三月兎の攻撃は欺帝審判の両手にガッシリと掴み取られていた。
 先程の攻防からは想定できない反応速度――私は、最悪を予感した。


(,, Д゚)「次はそのパワーを『入れ替える』」

 瞬間、欺帝審判の白黒まだら模様が反転した。


ξ;゚⊿゚)ξ(――あれが能力発動の合図か!)

 私は咄嗟に三月兎を引き戻そうと念じたが、


(;メ._⊿)(……手が離れん。敵にパワー負けしている)

 返ってきたのは絶対にありえない筈の言葉。
 ゼノグラシアの基本性能はぶっ飛んで強い。
 それを受け止め、ましてやパワーだけで動きを封じなんて余程じゃないとありえない。
 少なくとも、さっきの様子ではまったく考えられな――

.

567名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 00:58:29 ID:t2s5WCys0


(,,゚Д゚)「高みの見物はここまでだ」

 ――ギコの声が、右隣にあった。

ξ;゚⊿゚)ξ「ッ!?」バッ!

 脳内で火花が散る感覚。
 私は反射だけで声の方を見向き、両腕でできる限りの防御姿勢をとった。

(#,,゚Д゚)「ゴルァァァッッ!!」

 ギコの怒号と同時、私の耳に入ってきた音は二つ。
 「グチ」、「ボキ」――魔力で強化している筈の血肉が、ギコの拳に破壊された音だった。


ξ; ⊿ )ξ「い゙ッた……」

 今まで感じた事のない規模の痛みに意識が飛びそうになる。
 ぼやけた視界に、今度はギコの足が見えた。

(#,, Д゚)「死ねエッ!」 ズオアッ!!

ξ; ⊿ )ξ「ぐ――ッ!!」

 ギコの蹴り足が私の横腹を薙ぎ、空に打ち上げる。
 痛い、苦しい、クソ……ムカつく……!


ξ# ⊿゚)ξ(……やりやがったな……!)

 空高く蹴り飛ばされた私はビルの屋上を俯瞰する。
 落ちればひとたまりもない高さ。しかしこのまま落ちる気などトーゼン皆無。
 この程度は自力でも何とかできる。が、今は情報整理の為に敵と距離を取るべきだろう。

(#,,゚Д゚)

 ギコはまだ私を見上げ、反撃に警戒している。
 一方の三月兎は、欺帝審判の拘束に未だ手間取っていた。

.

568名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:01:30 ID:t2s5WCys0


ξ#゚⊿゚)ξ「――ったく! 世話の焼ける!」

 これだけ離れても私と三月兎は赤マフラーで繋がっている。
 私はマフラーを掴み、彼への供給魔力を“九割”に底上げした。

ξ#゚⊿゚)ξ「ゼノグラシア! 今すぐそれを振り払え!」

 私は落ちながら怒る。
 彼も私の怒りを察したのか、即座に行動に移った。


(;メ._⊿)「――心得た!」

 瞬間、三月兎はフワッとその場で跳躍。
 両足を揃えて欺帝審判に向け、その顔面に全力のウサギキックをブッ放した。
 この強力な一撃でも欺帝審判はびくともしなかったが、

(;,, Д゚)「ぐっ……!」

 ダメージのフィードバックがギコの集中力をそぎ落としていた。
 欺帝審判の握力が弱まったところで、三月兎はようやく拘束から抜け出てきた。

.

569名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:02:28 ID:t2s5WCys0

ξ#゚⊿゚)ξ「引っ張るわよ!!」 グイッ!

(;メ._⊿)「承知した!!」

 私は全力でマフラーを引っ張って三月兎を引き寄せる。
 ビヨーン!! という感じだった。

 空中で合流し、私は三月兎の背中に乗った。
 馬を扱うように踵でケツを叩き、指示を出す。


ξ;゚⊿゚)ξ「撤退して! フィールドを変える!
       あれが敵なら戦闘規模はそこまで大きくならない!」ゲシゲシ

(メ._⊿)「ならばどこに飛ぶ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「イオンの立体駐車場! あそこで迎え撃つ!」

(メ._⊿)「イオン!? イオンだな! 心得た!」

 三月兎の足元に魔法陣が出現する。
 それは質量をもった足場となり、三月兎の両足を受け止めた。


ξ;゚⊿゚)ξ(ここじゃあ真っ向勝負しかないけど、イオンなら全力が出せる!)

 三月兎の体勢が沈む。
 私達は敵背を向け、イオンに向かって飛び出した。

.

570名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:03:34 ID:t2s5WCys0





(,, Д゚)「……退いたか……」

 ウサギキックをくらった顔面をおさえながら、ギコは飛び去っていくツンと三月兎を目で追っていた。


(,,゚Д゚)「……あのスピード、確かに入れ替えたはずなんだがな……。
     これだけのパワーとスピードでもまだ本気じゃあなかったとは、魔王だけある……」

(,,゚Д゚)「だが、これで向こうも力押しでは足を掬われると理解しただろう。
     ここから先は警戒を強めていこう。“真実”も二つ、手に入れた事だしな……」

 欺帝審判がギコの隣につく。

 先程の攻防、三月兎との接触時、欺帝審判は三月兎から『パワー』と『スピード』を奪取していた。
 その替わり三月兎には普通のパワースピードをくれてやったが、それでも十分な戦闘力を有していたのには驚いた。


(,,゚Д゚)(……そろそろ“嘘”の期限切れだ。
    次は向こうも俺の能力特性を察した上で、行動するだろう)

(,,゚Д゚)(もっとも、欺帝審判が得た真実に“期限”はない。
     貴様らから頂いたパワーとスピード、存分に使わせてもらうぞ――)

 ギコは欺帝審判を伴い、ツンの後を追いかけた。


.

571名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:05:46 ID:t2s5WCys0


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


☆現在のステータス☆

≪ (,,゚Д゚) / 欺帝審判(フェイク・アンド・バニシングエクスカイザー) ≫

【基本能力】 
[破壊力:C→A] [スピード:C→S] [射程距離:B]
[持続力:D] [精密動作性:C] [成長性:D]

A=かなり凄い B=けっこう凄い C=まぁまぁ良い
D=人並み    E=よわい     F=論外     S=最強


【概要】
ツンの能力・ゼノグラシアからパワーとスピードを写し取った状態。
欺帝審判は基本能力が低いため、そこを補えるものを得られたのは大きい。
ギコにとって、これは最善の初手であった。イオンに続く。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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572名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:06:26 ID:t2s5WCys0







 ―――― イオン 立体駐車場 二階 ――――






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573名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:08:23 ID:t2s5WCys0



(メ._⊿)「落ち着いたか」

 どこぞから帰ってきた三月兎が穏やかに言った。
 喉が渇いたのでイオンの売り場からなんか適当に取って来い、と命令しておいたのだ。
 自分の能力なので気兼ねなくパシリに使えてすごく助かる。

 私は差し出されたトップバリュ濃縮還元オレンジジュース100%1L(参照:https://www.topvalu.net/items/detail/4901810582686/
 の飲み口にストローを突っ込んで、深呼吸のようにぐびぐび飲んだ。


ξ;゚⊿゚)ξ プヘッ

ξ;>⊿<)ξ「――〜〜〜ッッッアア〜〜〜〜! 生き返る!」


(メ._⊿)「……やはり九割は疲れるか」

ξ;゚⊿゚)ξ「ったりまえでしょ! ただでさえ未熟なんだから!」チュー
  つ臼

ξ;-⊿‐)ξ「……まあ今回は、敵が敵だから仕方ないけど……」

(メ._⊿)「……敵の『入れ替える能力』。どう戦う」

ξ;゚⊿゚)ξ「……正面からは絶対にナシ。ああいう手合は頭が良いのよ。
       パワーで勝っても策略でひっくり返される。お父さんもそう言ってたし」

ξ;゚⊿゚)ξ「これでも自分の性格は分かってるのよ。
       だからこそ、今は自分らしくない戦い方よね……」

(メ._⊿)「……待て、戻ったぞ。入れ替わっていたパワーとスピードが戻った」

 三月兎は手足の動作を確かめながらそう言った。
 入れ替える能力は時間制限付き、それも5分程度くらいという事か……。

 だったら気をつけていれば今後三月兎の性能を入れ替えられる事はないだろうが、
 それだとひとつ、まだ腑に落ちない事がある。

.

574名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:10:21 ID:t2s5WCys0


ξ;゚⊿゚)ξ「ギコとかいう奴、わざわざ自分で『入れ替える』と言ったわ。
       ヒントどころか答えになるような事を、王座の九人が言うと思う……?」

(メ._⊿)「……能力を知られても問題無いのかも知れん」

ξ;゚⊿゚)ξ「……入れ替えた時点で、目的を果たせたからかな。
       だったら向こうはパワーとスピードが元に戻ってない」

ξ;゚⊿゚)ξ「自分の8割のパワーと戦うのか……うわあ……」

 ギコの能力は“入れ替える能力”で間違いないだろう。
 だが、もしも彼の能力に“入れ替えたものを蓄積する”という性質があるなら、色々とマズい。

 長引かせたら確実に不利になる。本当にうわあという気持ちだった。
 早々に、しかもこれ以上敵が強くなる前に、確実に倒さなくちゃ……。

.

575名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:13:24 ID:t2s5WCys0


(メ._⊿)「……全力を出すつもりか」

ξ; ゚⊿゚)ξ「……ここまで来たら九割も十割も一緒よ。
       半端なコトして負けるより、断然マシ!」

 断言すると、三月兎は眉間をすぼめて言った。

(メ._⊿)「奥の手が敵にバレるが、いいのか」

ξ;-⊿-)ξ「……王座の九人を倒せるなら五分五分よ。
       お父さん達もまだ控えてるんだし、ここで確実に倒すのが私の仕事」


(メ._⊿)「……なら、私は引っ込むとしよう」

ξ゚⊿゚)ξ「もういい! もどれ!」

(メ._⊿)「……ポケモン扱いするな」

 三月兎が踵を返し、マントを大きく翻した。
 その途端、三月兎は黒い霧に包み込まれて姿を消した。
 接続先を失った赤マフラーが、ぽすんとコ/ン/ク/リ/ー/ト※NGワードです!気をつけてください!※に落ちる。
                         ↑↑↑デンジャーデンジャーとても危険デンジャーデンジャー↑↑↑

ξ;-⊿-)ξ


ξ; ゚⊿゚)ξ(さて……。まずは、身を隠さなきゃ……)

 もうすぐギコもやってくる。
 身の安全を確保したら、次は全力で迎え撃つ……!

.

576名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:14:04 ID:t2s5WCys0














.

577名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:15:27 ID:t2s5WCys0

【interlude:5】




 イオンの立体駐車場、その一階に足を踏み入れる。
 ギコは、その一歩目でぐっと立ち止まった。


(,,゚Д゚)「……」


 ほぼ満車状態の駐車場は見通しがいいとは言えなかった。
 どこから来るか分からない、というのは十分に認識しておくべき要点だ。

 欺帝審判を前へ。
 盾にするようにして、さらに一歩踏み込む。


(,,゚Д゚)(……あれだけハッキリ垂れ流してた気配が無い。
     魔王城ツンの魔力量は桁違いだ。それを隠しきれるものなのか?)


(,,゚Д゚)(……分からんが、念には念を、警戒には警戒を重ねるとしよう……)


 ツンの魔力量は現魔王ロマネスクにも匹敵する。
 その気配を消したという事は、確実に何かがある。
 ギコは慎重に前進する。支柱の陰に身を隠し、安全を確認してから次の支柱へ。

.

578名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:16:53 ID:t2s5WCys0


(,,゚Д゚)「……」


 二階へと続くスロープを前にして、ギコはようやくツンの魔力を感知した。
 頭上、二階には五人分。この階に至っては無数に魔王城ツンの気配があった。


 無数――それは、正しい認識だった。


ξ ⊿ )ξ


(,,゚Д゚)「……ただの分身、という訳でもなさそうだな」

 振り返り、背後に立っていた魔王城ツンを見て呟く。
 正真正銘、間違いなく、そこに居るのは本物の魔王城ツン。

 ギコは自身の感覚に絶対の自信を持っていた。
 真実と嘘を入れ替える能力――それを補完する副次的なスキルとして、彼は≪真実を見極める目≫を持っている。
 実際ギコは過去の戦闘においても分身などの誤魔化しに一切引っ掛からなかった。
 そういうものは確実に見破ってきた。その目、この感覚を疑う余地など微塵もない。


(,,゚Д゚)(気配は複数、実体は一つ。なのに複数人居ると確信できる)

(,,゚Д゚)(が、しかし目の前には一人だけ……どういう事だ)

 ギコは目だけで周囲を一瞥する。

(,,゚Д゚)(……魔王城ツンの気配がとりあえず十人分、俺を取り囲んでいる。
     その内、目に見えてるのは眼前の一人だけ。あとの九人は見えない……)

(,,゚Д゚)


(,,゚Д゚)(……とにかく、動いてみるか) スッ・・・

 ツンから写し取ったパワーとスピードは未だ健在。
 それを発揮し、欺帝審判が高速で飛び出した。
 狙うは実体を持つ魔王城ツン、その命――

.

579名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:19:41 ID:t2s5WCys0


ξ ⊿゚)ξ ダッ!

 欺帝審判の攻撃を見てツンも動いた。
 入れ替える能力を回避しようと右へ跳躍――しかし、その速さは今の欺帝審判に遥かに及ばない。

ξ; ⊿ )ξ「――あ゙っ」

 瞬間、欺帝審判の手が魔王城ツンの首を掴んだ。
 欺帝審判の指先はそのまま彼女の喉を押し潰し、血肉を裂いて奥にねじ込まれていく。

(#,,゚Д゚)「死ね、魔王城ツ――」

 ――目の前で起こっている事は、本当に起こっている事だった。
 欺帝審判は、確かに本物の魔王城ツンを殺していた。

 事実、攻撃を受けている魔王城ツンはハッキリと明確な死を体感していた。
 あくまで本物の一個人として、魔王城ツンとして。



(,,゚Д゚)


 しかしこの時、ギコが視界の端に捉えていたのは、




ξ# ⊿゚)ξ


(;,,゚Д゚)「――なッ!?」


 たったいま殺したはずの、魔王城ツンその人であった。


.

580名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:21:59 ID:t2s5WCys0


 二人の『本物の魔王城ツン』が同時に実在している。
 ギコがその事実に思考を巡らせている余裕はなかった。

 もう一人のツンが助走をつけて跳び上がる。
 天井に着地し、天井を足場に更に加速して落下。
 ツンは空中で身を捩り、ギコに踵落としを見舞った。

(#,,゚Д゚)「欺帝審判ッ!」

 直撃の寸前、ギコとツンの間に欺帝審判が割り込んだ。
 血塗れの手で踵落としを受け止め、欺帝審判がツンの足を掴み取る。


(#,,゚Д゚)「驚かされたが、これも同じ事だ!」 ブオンッ!

 ギコが下に向かって片腕を振るう。
 欺帝審判はそれと同じ動きをし、ツンをkonクリートに叩きつけた。
 わずかにコン栗ートが陥没し、血の跡がべっとりとその場所を濡らす。

ξ; ⊿ )ξ「……ッ!」ジタバタ

 欺帝審判が再度ツンの足を持ち上げる。
 ツンは手足を振るって抵抗して見せるも、宙吊りの状態では大した意味を成さなかった。


(#,,゚Д゚)「やれッッ!」


 二人目のツンが殺される――その寸前、


ξ# ⊿゚)ξ

 死角から現れた三人目のツンが、欺帝審判の後頭部を拳で打ちぬいた。
 その威力は十二分。ギコは欺帝審判もろとも吹き飛ばされ、壁際の車に背中を打ちつけた。

.

581名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:23:01 ID:t2s5WCys0


(#,, Д゚)「――!」

 それも束の間、ギコの目が憤怒に染まる。
 欺帝審判は邪魔な車を力尽くで跳ね除け、二人の魔王城ツンに向かって疾走した。


ξ# ⊿゚)ξ

ξ; ⊿゚)ξ

 欺帝審判が二人のツンの前に立ちはだかる。
 殺し損ねた方は既に満身創痍。
 欺帝審判はそちらに狙いを定めて手刀を振り下ろした。

 瞬間、ばっちり無傷のツンが欺帝審判の脇をすり抜けてギコに迫った。
 もう一人の自分を完全に見捨てた選択――その間に、魔王城ツンが一人死んでいた。


(#,, Д゚)「来い……!」

 よろめきながら立ち上がるギコ。
 パワーとスピードは既に互角。
 ギコは拳を構えると同時、鋭く前にステップしてツンを迎え撃った。

 ――ビスッ!

(#,,゚Д゚)

ξ# ⊿゚)ξ

 ギコとツンの拳が交差し、互いの頬を切る。


(#,,゚Д゚)(欺帝審判が戻るまで時間を稼げば、俺の勝ちだ――)


.

582名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:23:06 ID:YiKt4DC.0
こんな時間に
コ/ン/ク/リ/ー/トのくだりワロタ支援

583名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:23:40 ID:LYWKXuvY0
支援

584名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:24:48 ID:t2s5WCys0


 ――しかしそう確信した途端、ギコの横腹にはツンの拳が深くめり込んでいた。


(;,,゚Д゚)「……なッ……!?」

ξ# ⊿゚)ξ

 完璧な形で打ち込まれてしまったボディブローが鈍痛を滲ませる。
 ギコは僅かに後退し、殴られた所を手で抑えた。


(;,,゚Д゚)(……いま、確かに奴の右拳は俺の顔面を狙い、そして攻撃してきた……)

(;,,゚Д゚)(なのにその拳は俺の腹部を殴り、逆に頬の痛みはもうない……)

 ギコは自分の頬を指先でなぞったが、そこに先程の切り傷は存在しなかった。
 一度は確かに刻まれた傷跡が、現在は無いという事実。
 何かが起きたという確信を得るには、十分だった。


(;,, Д )(決して超スピードじゃあない。
      奴は絶対に俺の顔を狙っていた。それは間違いない……)

(;,, Д )(……顔を殴られたと思ったら、ボディブローを決められていた。
      二つの攻撃が同時に起こったのか? そして、片方だけが現実に残った……?)


 理解、推察が結論に近づく――


(;,, Д゚)「……貴様の能力、察しがついたぞ……」

ξ ⊿゚)ξ「……」

 ギコの言葉にも沈黙を守る魔王城ツン。
 彼女はすこし乱れてしまった赤マフラーを整えると、再びギコに立ち向かった。

.

585名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:26:44 ID:t2s5WCys0


(;,,゚Д゚)「――可能性の同時実行、並行存在の同時実在!」


(;,,゚Д゚)「それが貴様の能力だなッ! 魔王城ツン!!」


 ギコは欺帝審判を引き戻してツンを殴り吹き飛ばした。
 しかしそのとき既に“並行存在のツン”に実在権は移っており、欺帝審判の迎撃は無駄打ちにされた。


(;,,゚Д゚)「化け物め……!」


ξ# ⊿゚)ξ「無駄だ」


 次の魔王城ツンが攻撃を仕掛けてきた。
 ギコは欺帝審判の手刀でそれを迎撃し、彼女の胴体を深々と斬り上げた。

 その一撃で魔王城ツンは確かに死んだ。
 だが、もうその瞬間には、次の魔王城ツンがギコの目の前に現れていた。


 あらゆる反応・対応を無に返し、常に完全無欠超最高の道筋を直進できるツンの能力。
 どれだけ先手を打とうが、この能力の前では全てが“手遅れ”。
 今のギコには、彼女の能力への対策が何一つとして存在しなかった……


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586名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:28:08 ID:t2s5WCys0

ξ# ⊿゚)ξ「――」

(;,,゚Д゚)「――ッ!」

 決着の一撃がギコを射程圏内に捉える。
 あと数歩の距離で睨み合う二人。身じろぐギコ、魔力を込めて拳を構えるツン。


ξ# ⊿゚)ξ「……この能力は、ジャンケン一回に対してグーチョキパーを同時に出すようなもの」

ξ# ⊿゚)ξ「発動した時点で、私の勝ちは決まっていた……!」


(;,,゚Д゚)「くそっ……くそオッッッ!!」

 瞬間、欺帝審判がツンの肩を掴んだ。
 欺帝審判は両手に全力を込め、二人を引き離そうと大きくのけぞった。

 それでツンは呆気なく引き離せた。
 ただし、もうその時点で、次のツンが目の前で身構えていたが……。

(;,,゚Д゚)「――だったら貴様の莫大な魔力そのものを!! ゼロと入れ替えるッ!!」

 さらに欺帝審判の両手がツンの頭を鷲掴みにする。
 しかし、だが、もうその時、既に、真紅を纏ったツンの拳がギコの顎を打ち抜いていた。

ξ# ⊿ )ξ

(;,, Д )「――あ、」

 ギコの意識が、一瞬どこかにちぎれ飛ぶ。


ξ# ⊿゚)ξ「――――!!」

 ヒュッ、と空気を切り裂く音。
 続く二撃目がギコの心臓を穿ったのは、その次の瞬間だった。


【interlude:out】
.

587名も無きAAのようです:2016/05/03(火) 01:30:23 ID:t2s5WCys0



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☆現在のステータス☆

≪ ξ ⊿゚)ξ / ゼノグラシア・ゲシュタルト ≫

【基本能力】
[破壊力:B] [スピード:B] [射程距離:D]
[持続力:C] [精密動作性:D] [成長性:-]

A=かなり凄い B=けっこう凄い C=まぁまぁ良い
D=人並み    E=よわい     F=論外     S=最強  


【概要】
ツンちゃんが魔力を全開にすると発動する彼女本来の能力。
影やウサギだったりしていた能力像はツンちゃんっぽくなり、本人とほぼ同じ存在になる。

能力は『可能性の同時実行』、『並行存在の同時実在』。本人いわくグーチョキパーを同時に出すような能力。
不要と判断された可能性は勝手に排除され、勝利の可能性だけが残って実行される。
Aのツンちゃんが倒されても、倒されなかったBのツンちゃんが敵を倒す。
もしそれが駄目でもCのツンちゃんが敵を倒し、それでも駄目ならDのツンちゃんが敵を倒す。

目的に対して全ての可能性を虱潰しにし、不都合な可能性は並行存在に押し付けてなかったことにする。
そういうことができる能力。これ以上の説明は難しく、とてもすごい

対策は発動させないこと。
発動されたら魔王直伝のゴリ押し物理パワーに殴り殺されて終了。慈悲はない。

もうひとつの対策は、無限の可能性からくる攻撃を回避しつつ本体を見つけること。
能力発動中、本体は仮死状態である。
そこをボコボコにするしかない。みんなで頑張ろう。


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