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ダンゲロス冥王星祭応援投稿スレ

1冥王星:2017/01/08(日) 14:52:46
応援はこちらにお願いします。

62アギト@インフルエンザA型羅患中:2017/01/14(土) 18:46:48
インフルエンザA型罹患中です、体力の問題でようやくSS一つだけ書けました(涙)
「冥王星後夜祭〜〜after carnival〜〜」→tp://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=7702100&p=1

基本的に自分が書きたかった物を書いただけです、順位とかよりレオナちゃんに幸せになって欲しかったのです。

>>11
魚鬼さん、嫁と言っても良いんです!!(某川平風)

63杲鳥貴御 プロローグ続き:2017/01/15(日) 04:17:18
20××年、地球は滅亡の危機に晒されていた。天は赤と銀の斑覆われ、大地は火を吹き、海水は干上がった。ここに6人の勇者が現れて元凶となる侵略者、地球外生命体を相手に三日三晩戦い続けた。

集まった勇者も最後の1人になった時、奇跡は起きた。侵略者達の乗り込んでいた飛行物体に小さな穴が空いたのだ。飛行物体に乗り込んでいた侵略者達に取って致命的だったのは、地球を渦巻く瘴気、否、中二力であった。

繊細な侵略者達は微かな中二力に対しても抵抗できず、飛行物体ごと海へ墜落した。飛行物体は何千もの数で大気圏を取り囲んでいた筈だった。しかし、一度墜落した飛行物体の乗組員は訳も分からず脱出しようとし、自らの乗っていた飛行物体の入り口を開けた後、瘴気満ちる大気に溶けた。
最後に残った勇者は敵の残した飛行物体に乗り込み、宇宙最新技術を魔人的な直感でコントロールし、見事敵全艦を墜落させたのであった。

ではこの戦争が世間一般の人々にどれだけ知られているかというと、ほぼ全く知られていない。
この闘いは基本的に雲上で行われ、落とされた飛行物体の多くは海に沈み、飛行物体の飛翔は目で追えない速さで行われていたので、そもそも知っているものは少ない。戦場自体は人の定住できないような海上を中心としていたので、それは問題無い。

しかし、この闘いで勇者に加勢した者、及びその家族知人に対しては、厳格な箝口令がしかれていた。
それは何故か、その理由を知った者は口をつぐみたくもなろう。最後の勇者はまだ中に乗組員のいる飛行物体一つを、1人の老人の元へと運んで行った。老人は、彼が知る中で一番の物知りだった。

勇者も実の所何が起きているのかは知らなかった。彼は危険が迫っていることのみを察知し、迎撃に向かったのだ。敵の乗り物に穴が開いたことも知らなければ、中二力が弱点であることも知らなかった。
直感にのみ従い、直感に従って闘い、直感で闘ったことによりただ1人生き残ったのが彼なのである。
彼は疲弊していた。あれだけ働いていた直感もその時にはもうだいぶ鈍っていた。

そして彼が戦果を見せに行った老人、これは独自に様々な学問の研究をしていたが、はっきり言ってダメな人間だった。深い智慧を持ち、優れた視座を持ち、使い切れない財産を持っていた。違法な薬剤、機材を持ち、人道倫理に反する手段を持ち、それらを可能にする権力を持っていた。
そして彼は、偉大な発見を前にした時に後先を考えるだけの堪え性など持っていなかった。

そして老人は宇宙からの来訪者を元に、2つの作品を完成させた。
1つ目は《辰鎧》、飛行物体の頑丈さと攻撃性能を元に、人間が身体に装着する形で使用するメカニックな防具兼武器である。鎧表面から発される電磁波は虹色の光を放ち、それを浴び続けた者は精神がM××星雲第三物理学に隷属するようになる。魔人能力も制御が聞かなくなり、肉体と精神の繋がりは失調する。防具としても一級品であり、鎧サイズに小型化したとはいえ、対物ライフルの銃撃程度なら、衝撃の全てを鎧の表面で吸収してしまうというおそるべき性能を持つ。また、通常の物理学で観測されるエネルギーに限らず、この鎧は中二力をも吸収する性質があり、魔人であっても傷をつけることは難しい。

2つ目は《ジェーン・カナリア 》、飛行物体内に残された地球外生物の細胞を利用して作り上げられた生命体である。彼ら生命体は人間と同じレベルの知性を持ち、人間と姿はそう変わらない。
では人間と全く同じ生物なのかといえば、そういうわけでは無い。彼女達ーーこの生物の姿は総て人間女性の肉体と相似しているーーは、中二力に敏感に反応し、魔人が一定範囲内に立ち入ると奇声を上げて錯乱状態に陥る。その繊細さは機械や魔人の域を超え、ただ魔人を発見しては排除する目的に特化している。錯乱した彼女達の叫び声はそれを聞いた人々の気分をざわつかせ、中二力の発信源を絶つという目的が共有される。つまるところ、彼女達は自動で魔人存在を感知しては周囲の生物の思想を統率して闘わせる兵器なのである。

《辰鎧》と《ジェーン・カナリア》は現在、老人が何度も複製しては、秘密裏に売買が行われている。最後の勇者はこのことを知らずに没した。こうなることが分かっていれば、彼もここに飛行物体を運び込むようなことも無かったであろう。

***

「キエエエエエ!」「キエエエエエ!!」「ブチ殺して! あいつをブチ殺して下さい!!!」「殺します! 警官だけど殺します!!」「「「私達は一般人ですがそれに賛成です!!」」」

64杲鳥貴御 プロローグ続き:2017/01/15(日) 04:21:01
「キエエエエエ!」「キエエエエエ!!」「ブチ殺して! あいつをブチ殺して下さい!!!」「殺します! 警官だけど殺します!!」「「「私達は一般人ですがそれに賛成です!!」」」

奇声を上げる女達も警官も、その他一般人も、血走った目をあらぬ方向へ向け、涎を垂らしながら同一の方向へ向かいフラフラと歩いていく。その先にいるのは杲鳥貴御、犯罪者集団を壊滅させるために冒険をする青年である。
「なんだかゾンビ映画みたいで気持ち悪い…… 一度戻った方がうわッ!」

貴御の背後で大きな音がした。それと同時に前方向からも爆発音が鳴り響く…… 訂正する。先に音がしたのは貴御から見て正面の方向、警官の持つ拳銃から、背後から聞こえたのは、ガラス窓の割れる音だった。

『なるほど、これが《ジェーン・カナリア》…… 厄介な警備員だな。一般人に紛れ込んでいるのか』

貴御の脳内に声が響いた。貴御の仲間の中でも、特に言葉遣いのおかしい女子の声だ。そろそろ呼称が長いのも面倒臭くなってきたので、彼女は以降地の文では毒舌先輩と呼ぶことにする。

『よし、敵の戦力は読めてきた。ではそのまま右後ろの路地に入れ、目的地までのナビゲートはこちらで行う』
(それって先程ここまで来た時に使った道ではないですか! 私がここまで来た意味はあるのですか!?)
貴御は警官が銃弾を詰め直し、一般人が武器を拾っているのを確認し、それらを素早く写真に収めると、狭い路地へと飛び込んだ。

『怪しい心理反応を示す生物がそこにいたので偵察に行かせたまでだ。現在の読心範囲は貴様の半径10m程度だからな、貴様が動かなければ確認はできなかった』
(でも相手は銃を撃って来ましたよ? 危ないじゃないですか! )
『なに、貴様の能力があれば何度でも生き返ることができるであろう。気にする必要はない』
(外道!!)
『馬鹿、作戦会議で反対しなかった貴様が悪い。どうせこちら作戦本部には、貴様の寝姿を収めたアルバムが一冊分残されている。写真が足りなくなった場合は、こちらへ移動させる。心配せず指示に従え』
(寝姿って……)
『我々の総意だ。これを決めたのは会議後ではあるが、貴様とて人前でアルバム一冊分も自撮りする姿を晒したくはあるまい』
(んん…… どうでしょう)

思った以上に知らない場所で痴態を晒していた貴御であったが、寡黙な先輩の探し物特化能力と最も年長で思慮深い仲間(以降遠隔氏と呼ぶ)の遠隔視、毒舌先輩のテレパシーは、思った以上にスムーズなナビゲートを可能にしていた。

『おっと、敵本拠地に向かうには避けられない位置に《ジェーン・カナリア》が固まっているな。敵組織に関する記憶は持っていないようだが、人為的に決まった場所を徘徊するよう刷り込まれている。』
(それじゃあ一回帰りますか?)
『ハハハ、阿呆が。突っ込む以外に無いだろう。早くしろ、我々は期待しているのだぞ』
(いくら突っ込んで行っても、捕まえられたらいつまで経っても敵本拠地にはたどり着けませんよ?)
『分かっている。だから貴様には奴らの無力化も行ってもらう。無論我々からも支援はしよう。さあ、指示に従って突っ込め阿呆』
(分かりました、分かりましたので一度静かして下さい、お願いします。馬鹿とか阿呆とかって言葉がなんだかいちいち胸に刺さって辛いです!)
『繊細な奴め。言葉が胸に刺さるのは、身に覚えがあるからだろう。』

貴御はもう返事はしなかった。どうせこちらから何か言えば、何かしら毒舌で絡まれるのである。集中して返事もできないという体でしばらくは無視を決めることにした。

『貴様が何を考えて返事をしないのかも、こちらは把握しているのだが…… まあ良い。《ジェーン・カナリア》は、その道路の先にいる、赤いポーチを抱えて電話する女、高校の制服を着て本を読んでいる小娘、一見ゆるキャラっぽい女だ。速やかにそいつらを無力化し、遠くに見えるここらで一番大きいオフィスビルへ乗り込め。敵組織の本陣はその中にある』

65杲鳥貴御 プロローグ続き:2017/01/15(日) 04:26:23
貴御はカメラを構え、《ジェーン・カナリア》達をそれぞれ写真に収めると、横断歩道を渡った。
「キエエエエエ!」「キエエエエエ!!」「あの人魔人です!!! 捕まえて下さい!!」
思っていたよりも反応が早い。貴御は少し驚いた。先程の《ジェーン・カナリア》よりも、ずっと索敵範囲が広い。これでは、害意の無い魔人が近くを通行しただけでも反応してしまうだろう。
更に後ろからは、貴御を追い続けていた《ジェーン・カナリア》、警官、武器を持った一般人が迫ってくる。

「ハハハハハハ!!! キーン!!どうした、不思議に思っているのかクソ魔人風情が。お前らのような厨二病でキーン!!低脳な奴らには、何故《ジェーン・カナリア》の力の及ぶキーン!!射程が伸びているかもキーン!!分かるまい! ハハハハハハ!!!」

どこからか、大きな声が鳴り響く。キーンという音は、拡声器などでお馴染みのアレだ。

『丁度近くにある希望崎学園で、大きなイベントがある。大方近所の魔人の多くはそちらに行ったのだろう。そしてこの声には覚えがある。忘れかけていたが思い出した。こいつは私達をセミナーに誘い込んだ張本人の声だ!!』

毒舌先輩の指摘で貴御も思い出した。確かに、この声は最初に声をかけてきた人物の声に似ている。しかし、以前はこのように人を馬鹿にするような口調では無かった。一体彼にどのような変化があったというのであろう。

「そうだな! キーン!! いくら愚かな魔人とキーン!! 言えども、何も知らずに死ぬのは可哀想だからな! 冥土の土産にお前達が一番知りたいだろうことキーン!! だけを教えてやる。何故お前達の襲撃に対してここキーン!!までしっかり警備をつけているかということだキーン!!」

どこからか聞こえてくる声は何かの説明を始めたが、貴御の頭には毒舌先輩の説明ばかりが鳴り響いていた。もう無視を続けられる勢いではない。

『杲鳥、貴様はそこまで興味も持たず調べてもいなかっただろうから今教える。奴らの前身、すでに中心人物が逮捕されて消滅した犯罪集団は、魔人差別団体と結託して資金を得ていた。いや、思想的には飲み込まれていたといっても間違いでは無いようだ。もともと魔人殲滅装置である《ジェーン・カナリア》を、あの犯罪集団が裏ルートを駆使して差別団体に売りつけていた。一介の差別団体にそのような交易ルートは持てなかったからな。
まあ、最初は金稼ぎの為の関係に過ぎなかったんだろうが、トップが魔人差別思想に染まってからは酷いことになってる。一般人を特殊なセミナーで魔人に変えては、捨て駒として戦場に送り込むというのは貴様も知っているだろう。
他にもセミナー受講生をクスリ漬けにして金も払えない程の借金苦に陥らせ、犯罪行為も辞さないという状態に追い詰めて魔人のイメージダウンに繋げたりもしている。』

(初めて知ることが色々ありました、ありがとうございます。ところであちらの方も何か説明しているようですが……)

『いや、敵がこちらの襲撃を予測していた理由については察しがついているから聞く必要は無い。恐らく、この前私が持ちかけられた、暴力団の抗争に参加するかどうかという連絡の後、次に取引を持ちかける時のために、反応を伺っていたのだ。そして私が出かけた先は、例のセミナーを受けた仲間の住処。そこに私以外の仲間もそこに集まっていることが分かれば、そのまま大人しく取引に応じることは無いどころか、力を合わせて反乱してくることは十分予想できる。

という推理をしている風に装ったみたが、そもそも敵が我々の作戦本部まで尾行してきていることは読心で分かっていたし、警戒していることも分かっていた。後はそれに気づいていないフリをして、裏をかくだけだ』

拡声器の向こうの声は自分達の作戦の完璧さを讃えて酔っていたので、貴御が脳内会話をしていることにも気付けてはいない。《ジェーン・カナリア》とその支配下の者達は、不気味な程の沈黙を続け、黙って拡声器の声を聞いている。どうやらあの拡声器の声には、《ジェーン・カナリア》の中二力への過敏性を抑える効果があるようだ。

(作戦会議でそこまで話してたんですか?)

『いや、貴様が寝た後に皆に教えて、より完璧な作戦を練った。どうせ聞いていても分からない貴様が参加する必要も無かったしな』

(それは、そうですけど…… あ、敵はなんでこちらの本拠地が分かっていても、直接襲撃してこなかったんですか?)

66杲鳥貴御 プロローグ続き:2017/01/15(日) 04:27:37
『それを説明するのは簡単なことだ。《ジェーン・カナリア》を魔人差別団体が用いる理由は、単に魔人を殲滅するためでは無い。彼女達の攻撃に抵抗し、支配下の一般人達も怪我や死傷を負うことになれば、《ジェーン・カナリア》の存在を知らない者達はどう思うだろうな。魔人が乱暴を行なって人を殺し、その行いに憤慨した一般人達によって命を奪われたということになった、とかそんなものだろう。
つまり、奴らは魔人の社会での立場を危うくするのに我々を利用しようとしていたという訳だ』

(ああ、先輩が奴らの動きに気がついていないフリをしていたのは、そういう意図があるのに気付いていたという訳ですね)

『まあそうだ。お、そろそろ演説が終わるな。よし杲鳥、貴様は暴力を使わずに《ジェーン・カナリア》達に抵抗しろよ。奴らの思い通りになるのは癪だからな』

(そもそも私は暴力とか嫌いですし、振るうつもりもないですけどね)

『ほお、ではどうするつもりだ』

「こうします!!」

最後の返事は口に出した。貴御は持っていたアルバムを1冊取り出し、目当ての写真が入っているページに指を差し込んだ。次の瞬間、貴御を取り囲んでいた《ジェーン・カナリア》たちに異変が起こった。より正確に言えば、彼女たちの着ていた服に異変が起こった。彼女たちの服は突如ボロボロになり、風に吹かれて塵のようになって飛んで行ってしまったのだ。彼女たち、という表現には、当然警官や武器を持った一般人も含まれている。

「キエエエエエ///」「あの人エッチです! 変態です!!」「私は警官だが、イケナイ趣味に目覚めてしまったようだ///」「「「私達は一般人ですが、普通に恥ずかしいです!!」」」

拡声器の音声が止んだ。何が起こっているのか理解するのに時間がかかっているようだ。一方、貴御の元には毒舌先輩の短い疑問符が届いていた。

『何をやっているんだ貴様は』
(襲いかかってくる人達の衣装を複雑なパーツに分けて、過去に存在した場所に戻しました。つまり服をバラバラにしました!)
『何の意味があってそんなことをした?』
(えっ? いや、皆ポロリが怖くて動けないかなあ、と。)
『あいつら普通に動いてるぞ? 今にも貴様に攻撃しようという勢いだが……』
(ええっ!? 何で? 何で皆動けるの? ポロリ怖くないの!?)
『やはり阿呆だな貴様……』

「キエエエエエ!変態! 犯罪者!」「この人強姦魔!!」「私は警官だが、乱暴するつもりでしょう!?」「「「私たちは一般人だけど、地面を這えば色々隠しやすいことに気が付きました!!」」」

「本当に何がしたいのが分からないが、万策尽きキーン!! たようだな、ハコドリウズミ。キーン!! そろそろ死んでもらおう。お前が死んだら、次はお前のキーン!! 仲間達が集まる作戦本部に猛攻をかけて処理する。さらばだハキーン!! ハハハハハキーン!!!」

(ええっ! 蘇生用のアルバムが置いてある作戦本部まで攻められたら、私本当に死んじゃうじゃないですか! どうしましょう!)

『いや、分かったもう良い。貴様のポロリ作戦に乗ろうという奴が出てきた。こいつがどうにかしてくれるだろう……』

ボロボロの衣装を身につけた《ジェーン・カナリア》の奴隷達は、獣のように身をくねらせ、銃や武器を構えて貴御へと襲いかかる。その動きは一切のポロリを恐れていない動きだ。あわや貴御の命は失われたかと思われたその瞬間、ジェーンカナリアの身体は一回り大きくなり、警官や一般人達の身体は丸みと膨らみを得た。この豊胸の勢いで警官の銃の照準はずれ、一般人達は武器を取り落とした。

そう、これこそが貴御の仲間の1人が持つ性転換能力である。この能力の使い手は時折理性を失ったような行動発言を見せるが、この能力も少しテンションのおかしい時に身につけたものである。何とこの魔人能力、肉体以上に精神に効果が及ぶ。これが副次効果なのか、むしろ能力の主効果といって良いのかもしれないが、とにかくこの能力を浴びた者は、自分の性別を猛烈に意識するようになる。

「キエエエエエ! 男なのに女子高生の制服着ちゃってる、それもボロボロの///」「私、いや俺、ナイスガイです!こんな布は筋肉の邪魔です!!」「私は警官だが、素晴らしい体験をさせて貰った。このままスニーキングと洒落込もう、アデュー!!!」「「「一般人の私達はこの先どうやって生きていけば良いの!? 地面を這っても膨らみが隠しきれないんですけど!!」」」

67杲鳥貴御 プロローグ続き:2017/01/15(日) 04:28:47
『……貴様が衣装を破壊していたおかげで、敵の無力化に成功したようだな。今のは性転換野郎が遠隔氏の能力を通して作戦本部からそこまで直接能力を使った結果だ』

毒舌先輩が貴御に語りかけている間に、拡声器の声も事態を確認したようだった。慌てた声が聞こえてくる。

「くっ、正面玄関前の《ジェーン・カナリア》キーン!! が無力化されたか! キーン!! しかしまだ終わらん、我々には《辰鎧》があ」

キーーーーン!!

拡声器が一瞬強力な雑音を発し、そこからは何も聞こえなくなった。

『良くやった杲鳥。敵は壊滅したぞ』
(えっ、私まだ敵本陣へは踏み込んでいませんが)
『貴様は囮だからな』
(ええっ!?)
『私達の中でも最強の一件セラミック製っぽい仲間(惑星破壊能力者)ともう一人のテレパシー使い(副音声、字幕表示能力)がこっそり忍び込んで制圧したからな。良くわからんが、対魔人用に発明されたらしい《辰鎧》なる兵器もふつうに破壊したらしい。とにかくあのセラミックっぽい仲間は凄い奴だ。
杲鳥、貴様もあれぐらいやって見せろ』
(いやいや、あの材質がセラミックっぽい人、副音声と字幕が無いと意思疎通が出来ない不思議な方ですし、魔人になる前から謎のビームや能力を身につけていたじゃないですか! 無理ですよ真似なんて!!)

貴御が毒舌先輩と脳内問答しながら半裸の《ジェーン・カナリア》達から距離を開いていると、空から丁度材質がセラミックっぽい仲間が飛び降りてきた。副音声使いをお姫様抱っこしての登場である。

「××××××××(副音声・字幕:壊滅させた敵本陣については、警察に通報してあります。それとじつは皆さんに話しておかなくてはいけないことがあります)」
「えっ、今言わなくてはいけないことですか? とりあえずここを離れませんか?」
「××××××××(ここで話す必要があります)」

セラミック氏は副音声使いを地面に下ろすと、語り始めた。要約すると、彼の正体は宇宙人であり、地球に来たばかりの頃の彼はまだ母親の胎内で指をしゃぶるような赤ん坊であったらしい。
彼の親を含む宇宙人達は飛行物体でクルージング中に、海賊的精神を発揮して地球侵略を始めた。最初は優勢を誇った宇宙人達であったが、数人の地球の魔人の抵抗により苦手な中二力が飛行物体内に侵入し、その殆どは海に沈ん、だ。
セラミック氏の両親は咄嗟に海から出ようと飛行物体の窓を開けたが、そこから侵入した中二力により消滅した。しかし、セラミック氏だけは母親が消滅している最中に、中二力への耐性を獲得してなんとか生き延びたのだ。

セラミック氏は飛行物体が海面より下に浮かんでいることを幸いに、そこを住処として生活を送っていたらしい。ビームで魚を捕ったり、船内の資料で自主的に勉強するような日々が続き、彼はある時、自分の両親とその仲間は宇宙人の中でも野蛮な行為に及んでいたことを知った。
そして、彼らが侵略しようとした地球の価値を、今度は自分自身で測りなおすことを決めたという。

「××××××××(私は、発声器官と人間としての教育が足りていないという問題上、会話が成立しないという問題を抱えていましたが、それでも間近で地球上の文明を観測して拡声器の向こうの声は自分達の作戦の完璧さを讃えて酔っていたので、貴御が脳内会話をしていることにも気付けてはいない。《ジェーン・カナリア》とその支配下の者達は、不気味な程の沈黙を続け、黙って拡声器の声を聞いている。どうやらあの拡声器の声には、《ジェーン・カナリア》の中二力への過敏性を抑える効果があるようだ。ました)」

セラミック氏は続けた。

「××××××××(偶然不思議なセミナーにおいて、副音声使いさんに会えたことで、なんとか言語能力を補うこともできました。こりがたいことです)」

副音声使いは顔を赤くしている。彼女がセラミック氏に惚れているのは、仲間内でもセラミック氏本人以外には周知の事実であった。

68杲鳥貴御 プロローグ続き:2017/01/15(日) 04:31:45

「××××××××(しかし、私は知ってしまった。地球人の誰かが、私と同じ種族である人々を元に、兵器を開発していることを。私はその事実が本当であることをたった今確認しました)」

セラミック氏は、蹲る《ジェーン・カナリア》の元に近づくと、その頬を指で拭った。すると驚くべきことに、《ジェーン・カナリア》の皮膚の下に、無機質でセラミック状の物が現れたのだ。

「××××××××(やはり私と同じ種族の生物が改造されたもののようです。哀れな。無理矢理望まぬ働きと殺戮を押し付けられているのですね、酷いことです。)」

セラミック氏は顔を顰めると、周囲で茫然とする《ジェーン・カナリア》全員を抱き上げて肩に乗せた。彼は物凄く体格が良いのだ。

「××××××××(私は一度、自分達が本来生まれるべきであった星に帰ろうと思います。飛行物体はこっそり秘密の場所に隠してあるのでね。彼女達も地球より住み心地は良いでしょうから連れて行きましょう。まだ何人もの被害者が残っている筈なので、彼女達も探して連れて行きます)」

副音声使いがイヤイヤ行かないで、とセラミック氏に縋り付いたが、セラミック氏は優しく彼女の頭を撫でるだけだった。

「××××××××(それでは、私は行きます。皆さんお元気で)」

セラミック氏は超脚力ジャンプで空の向こうへ飛んで行った。副音声使いは彼を追って走って行った。

『宇宙人が身近にいたことには驚いたが、これで大体片付いたな』
(読心で分からなかったんですか?)
『アイツからは謎の言語しか読み取れなかった。今思えば宇宙語だったんだな。』
(はあ、そうなんですか……)
『あ、そうだ。私達は今祝勝会ということで飲んでるから、部屋がうるさくなるかもしれない。未成年のお前はその辺でブラブラしてた方が良いかもな』
(ジュースでいいから参加させて下さいよ!!)
『いや、危険だ。何しろこちらにはお前の寝姿でアルバムを一冊埋める輩がいる。まあ、性転換野郎のことであって私のことではないが、そんな奴が酒に酔った状況を考えてみろ。何されるか分からんぞ?』
(ええ……)
『まあ、今日はセラミックっぽい奴も副音声使いもどこにいるか分からないし、正式な祝勝会は少なくとも副音声使いも来れる時にしておいた方が良い』
(はあ…… まあ分かりました)
『おっと、希望崎学園でイベントを開催していると言っていたな。すぐ近くではないか。寄ってみればいい』
(え? あ、希望崎学園の人? え、もうすぐイベント終わりそうだけど参加するなら早く? いや参加しなくても……あっ引っ張らないで服が伸びる! え?これが人気投票の会場? なんか絶対おかしいのがいるようんこって……クサイクサイ………雄ミルク君!?…………… あっ近づかないで………やめろ…………来るな……来ないで…………)

テレパシーはここで途切れている……

『まあいいか…… 飲もう!!』

終わり

69杲鳥貴御 プロローグ続き:2017/01/15(日) 04:44:13
推敲できてませんでした!読みづらいです!ごめんなさい!

70一 厘:2017/01/15(日) 11:28:35
『もしマッチョネスが「浜村渚の計算ノート」の登場人物なら、折り紙テロリストに殺人折り紙「斬千代」で殺されていた』

数学がなんの役に立つのか。
マッチョネスが問うたとき、一厘はいくつか例をあげた。

たとえば折り紙は数学の範囲である。
NHK Eテレの「スーパープレゼンテーション」でも、計算折り紙という分野が紹介されている。

人工衛星のソーラーパネルには、簡単に展開・収納できるミウラ折りが使われている。
また、血管や気管を内側から広げる医療器具ステントや、自動車の乗員を保護するためのエアバッグなど、小さく折りたため、簡単に広がる折り方が使われている。

他にも例をあげると、疫学は統計学が多用されている。

十八世紀の海軍軍医ジェームズ・リントは、壊血病に苦しむ船員を複数のグループに分け、リンゴ酒・酢・ナツメグなど、それぞれのグループに異なる投与をおこなった。
その結果、オレンジやレモンなどの柑橘類が顕著な回復を示し、治療薬として使われるようになった。
壊血病の原因がビタミンCの不足と同定されたのは、二十世紀になってからである。

十九世紀のハンガリー出身の産科医イグナツ・ゼンメルワイスは、当時の産院で猛威を振るっていた産褥熱に対し、医師の手洗いと消毒を義務づけることで、その死亡率を大きく減らした。
彼は、遺体解剖をおこなった医師と、おこなわなかった助産師で、出産を介助したときの死亡率を比べた。
その結果、死亡率の高さの原因は、解剖をおこなった医師の手をとおして引き起こされたとゼンメルワイスは考えた。
この当時、まだ細菌は発見されていなかった。

十九世紀のロンドンの麻酔科医ジョン・スノーは、テムズ川から取水している水道会社の水がコレラの原因であることを突き止めた。
彼はどの水道会社から給水を受けているか一軒一軒たずね、上流から取水していた水道会社は下流と比べ、死亡率が低いことに気がついた。

71一 厘:2017/01/15(日) 11:31:29
>>70

厘のていねいな説明に、マッチョネスは無礼をわびた。
厘は、非を認めるマッチョネスのすなおさに感心した。
そして、数学が適切に使われない場合も紹介した。

厘はグラフを見せた。
小学生を対象にした、足の大きさと算数の成績のグラフだ。
マッチョネスには、足が大きいほど成績がよいように見えた。

本当に足の大きさと成績に関係があるのだろうか。
厘はそう問うた。

マッチョネスは、年齢が真の原因ではないかと答えた。
小学生は成長期だから年齢によって、足の大きさは違う。
異なる学年で同じ問題を出せば、高学年のほうが成績がよい。

厘は、年齢の影響を補正した結果を見せた。
足の大きさと成績に明らかな相関関係は見えなかった。
マッチョネスの考えは当たりだった。

このように、統計は注意深く使わないと、まちがった結論をみちびきだしてしまう。
たとえば、正門でアンケートをとれば、正門を通らない人の意見を集められない。
インターネットを使ってアンケートをとれば、ネットを使わない人の意見を集められない。
郵送やネットで回答する場合と比べ、直接対面や電話で聞き取りをした場合は、回答者が見栄をはりがちなため、異なる結果になりやすい。
現代では固定電話に加入していない家庭も多いため、市外局番を固定し、ランダムな電話番号で調査すること自体、偏りの原因になりうる。
こういったサンプルの偏りやデータへの影響を考慮する必要がある。

72一 厘:2017/01/15(日) 11:33:56
>>71

足の大きさと算数の成績の例では、年齢というわかりやすい原因があった。
だが、なにか未知の原因によって、結論がゆがめられる恐れはないだろうか。
未知のなにかが結論を左右されないよう、ランダムにサンプルを選ぶのはどうだろうか。
新薬の実験なら、新薬を投与されるグループと偽薬を投与されるグループに被験者をランダムに分け、薬を投与する実験者も新薬か偽薬かわからない状態にするのだ。
投与する側もされる側も、本当の薬か偽の薬かわからないため、期待に応えようと結果を偽ったり、好ましいほうに結果を誘導したりできなくなるはずだ。
しかし、偶然サンプルに偏りができてしまうことはありえる。
サンプルの数を増やせば、偏りができてしまう恐れは減らせるが、それでも百パーセント正しい結論は得られない。

結論がまちがっている確率が何パーセントなら、その結論を信頼できるだろうか。
それは分野や人によって異なるだろう。
五パーセントで充分な場合もあれば、一パーセントでも不充分な場合もある。

データの区切り方も、その人の価値観や判断に左右されるところである。
たとえば、ある病気の発症率を年齢を十歳ごとに区切って調べたところ、二十代で発症率が顕著に高かったとしよう。
この場合、二十代の人の保険料が高くなるといった影響が考えられる。
だが、十九歳と二十歳・二十九歳と三十歳の境目は、論理的な必然性がない。
人が勝手に決めた線引きだ。
もし、九歳ごとや十一歳ごとに区切っていたら、二十歳や二十九歳の保険料は高くならずに済んだかもしれない。

統計で得られた結果を公表することが問題の原因となる場合もある。
たとえば、選挙に対する世論調査で、政党Xが支持率がもっとも高かったとしよう。
その結果を報道すれば、勝ち馬に乗りたい者はXに投票するかもしれない。
また、弱い立場に同情する者は、もともとXに投票するつもりだったのを変えるかもしれない。
このように報道内容が結果を左右する現象はアナウンス効果と呼ばれている。
特に、勝ち馬に乗る場合をバンドワゴン効果、判官びいきの場合をアンダードッグ効果と呼ぶ。

数学は恥ではないし、役に立つが、使い方には気をつける必要があるのだ。

マッチョネスは勉強になったと感謝を伝え、その場を立ち去った。

73一 厘:2017/01/15(日) 11:37:32
『compressing condensed milk』

コンプレッサがすてきなものに会いたいと伝えたとき、一厘はミルクくんの名をあげた。

ミルクくんの能力は、相手の協力が必要なため、助かる意志のある者しか救うことができない。
ミルクくんは、その人自身が助かりたいと思うよう、人との接し方を学んでいた。

世の中には、自傷や自殺を試みる者がいる。
ミルクくんによると、そういう人はいくつかの種類に分けられるそうだ。

ひとつは幻覚や妄想によるものだ。
たとえば、腕の中に虫が這っていると固く信じている患者が、虫を取り出すために腕を傷つける場合や、自分が生きていることを含め、なにもかも信じられない患者が、自分が生きていることを確かめるために自傷する場合があげられる。

幻覚や妄想をともなわない場合は、本当に自殺したい場合と関心を引きたい場合がある。
ミルクくんが会った患者は、リストカットをするとテンションがあがり、ストレスから解放されると答えたそうだ。
その患者は、自分の行為がほめられたものではないと分かっており、やめるための努力もしてきたが、リストカットに勝る解消法を見つけられなかったそうだ。
彼にとって、リストカットは晩酌のようなものらしい。

こういった大業を断行した自己陶酔感を、専門用語でカタルシスというそうだ。
ミルクくんによると、受傷後にすっきりして清々しいのは一般的らしい。
一見すると精神状態が改善したように見えるが、患者を取り巻く環境は本質的に変わっていないため、適切な対応をしなければ元に戻るそうだ。

逆に受傷後の受け答えが淡々としていたり、表情がほとんど変わらない場合はあぶないそうだ。
人が生きていくうえで必要な感覚や身体管理能力がいちじるしく低下しているため、傷の程度を把握するのが難しく、その後の予測が立てられないらしい。

74一 厘:2017/01/15(日) 11:39:53
>>73

では、自傷や自殺を試みる者にどのような対応が望ましいのだろうか。
ミルクくんによれば、自らの価値で相手を説得したり、患者自身を非難したり、否定したりすることはしてはならないことだそうだ。
安易な激励もやめたほうがいいらしい。
そんなことをすると、患者をより孤独にし、自殺の再発率を高めてしまう。
自殺に成功すれば、のこされた家族も担当した看護師も深く傷つくことになる。

望ましい対応とは、ミルクくんによるとTALKだそうだ。
TALKとは、誠実な態度で話しかける(Tell)、自傷や自殺についてはっきりとたずねる(Ask)、相手の訴えに傾聴する(Listen)、安全を確保する(Keep Safe)の頭文字だ。
ミルクくんは、自分の立場ではなく、患者の立場で真剣に相手の行動を理解しようと努めていることを、厘に伝えた。

厘はミルクくんを、忍耐強さと人を助けたいという心からの欲求をもった立派な人だと感心した。
しかし、ミルクくんは自分を罪人だと思っていると述べた。

仮に、住所がないため、公的な支援を受けられないホームレスに住まいを与えるとする。
十人分の住居を用意し、入居者をつのったところ、百人の応募があった。
そのとき、誰を住居に済ませたらいいのだろうか。
もし自分が選ばなかった十一人目が死んだら、どうするのだろうか。
人助けとは十一人目の死を覚悟することだと、ミルクくんは述べた。

コンプレッサは厘の回答に満足したのか、ミルクくんを探し始めた。

75一 厘:2017/01/15(日) 14:41:43
『宣伝アイドルの宣伝』

夢追中が取材内容をパソコンで記事にまとめる際、Microsoft IMEの誤変換が多いことを悩んでいた。

ジャストシステムの広告に出演することになった星丘レンは、ここぞとばかりにスポンサーの商品「一太郎2017 プレミアム」をすすめた。

「一太郎2017」に付属している「ATOK 2017」は、快適な日本語入力・変換を実現する日本語入力システムだ。
"Advanced Technology Of Kana-Kanji transfer"の頭文字をとってエイトックと読む。

雰囲気と入力したいとき、ふんいきではなく、ふいんきとタイプしてしまったことはないだろうか。
ATOKは、誤りがちな文章表現、誤用や誤読、敬語もチェックし、入力中に校正してくれる。

日本語入力をオンにしわすれ、アルファベットで入力しても、ATOKは入力した文字列から、「日本語変換したかったのではないか?」と判断し、操作ガイダンスを提示する。
さらに、「表現モード」で選べる方言も多数用意されており、それぞれの地域特有の言い回しを、スムーズに変換できる。

そのうえ、「一太郎2017 プレミアム」には、現代日本語の拠りどころとなる国語辞典「岩波国語辞典 for ATOK」、正しい/間違いが一目で分かる「明鏡ことわざ成句使い方辞典 for ATOK」、豊富な用例を収録した四字熟語辞典「大修館四字熟語辞典 for ATOK」などが付属する。

76一 厘:2017/01/15(日) 14:42:56
>>75

別売りの「共同通信社 記者ハンドブック辞書 第13版 for ATOK」を組み合わせることで、日本語入力はさらに進化する。
この辞書は、報道各社や企業の広報部門で原稿作成の指標とされる「記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集」に準拠したATOKの変換辞書だ。
入力した言葉が一般的でなかったり、適切ではない場合、ガイドラインに沿って表記の書き換え候補を提示する。

「一太郎2017 プレミアム」には、音声読み上げソフト「詠太7」も付属されている。
書いた文を読み上げることで、文章の流れを確認するのは、物書きにとって一般的な行為だ。
特に他人に読んでもらうと効果的である。
秘書のいない物書きにとって、「詠太7」は必需品といえる。
「詠太7」には、日本語のMISAKI/SAYAKA/SHOWと、アメリカ英語のJULIEの、計四人の話者が搭載されている。
一太郎の文書校正機能と連携し、校正結果の指摘個所だけを順次読み上げたり、指摘個所を含む文章だけをピックアップして読み上げたりなど、効果的な校正作業が実現できる。

夢追中は星丘レンに感謝を述べると、ジャストシステム直営ECサイト「Just MyShop」にアクセスした。

77魚鬼:2017/01/15(日) 15:39:28
松堂さん

tp://0006.x0.to/oo/gif/IMG_2419.JPG

78アギト@インフルエンザA型羅患中:2017/01/15(日) 17:52:43
アサシン系バニーガール喫茶店員レオナちゃん
tp://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=60951370

79金野満男@宇如:2017/01/15(日) 21:21:48
冥王星祭 金野満男 エピローグSS

 冥王星祭人気者コンテスト。その参加者である金野満男は結果発表を見て溜息を一つ吐いた。
「やれやれ、まあこんなものか」
 様々な賞が発表されたが、その中には彼の名は無かったのだ。
 だがそれも仕方がないかもしれない。他の参加者たちは精力的に活動していた中、突如入った仕事のため広報活動をろくに行うことの出来なかった彼のやったことといえば冥王星祭のスポンサーになって名前を少し出した程度だ。この結果もむべなるかな。
「とはいえ、人気投票そのものの結果は私にとってさして重要ではない。冥王星祭のスポンサー権をはじめとして購入した様々な権利――祭りが盛り上がりさえすれば、その分我が金野家に収益がはいってくるのだから」
 そう、彼が自身の能力で購入した冥王星祭に関する諸々の権利によって、実質彼は冥王星祭の運営側同然となっていた。
 彼にしてみれば人気投票の結果に一喜一憂する必要などないのだ。

 ――別に負け惜しみではない。

「さてせっかくだ。私も少し祭りを楽しむとしようか」
 気分を切り替え、懐から中身のずっしりと詰まった財布を取り出した。
 ここにあるのは魔人とはいえ所詮学生の出店、大富豪である彼にとっては大した物があるわけでもない。食べ物一つとっても、自身の能力で同種の物を購入した方が当然ながら圧倒的に得である。だが、多少の消費があるとはいえ祭りのこの雰囲気の中で買うものはまた別種の喜びが得られる。
 取引に関する能力を持っており、また基本的に利益優先の生き方はしているが、満男は未だその心持を忘れてはいなかった。
 どこから回ろうか、とやや楽しそうな様子であたりを見渡す。

 だが、その時だった。
 彼の手元から突如財布が消え去ったのだ。
 はっとして振り返ると、そこには覆面を被った一人の男がいた。それは彼にとって良く知る相手であった。
 なぜなら、彼こそは満男の能力が生み出した存在――怪盗ゴールドフィールドである。
「金野満男! 貴様の財布はこの怪盗ゴールドフィールドがいただいた!」
 そう高らかに叫ぶと風のように走り去っていく。
 また、冥王星祭に来ていた魔人たちもその名乗りに反応していた。
「怪盗ゴールドフィールドだって!?」「えっ、本物?」「よっしゃ、殺せー!」「奪った金で後夜祭しようぜ!」「ヒャッハー!」
 逃げる怪盗へと我先にと殺到していく。
 
 怪盗ゴールドフィールドは満男が能力によって消費した金の取立人とでも言う存在である。盗まれるという形式であるとはいえ、結局は後払いをしているのとさして変わらないのだ。
 ゆえに満男自身も彼への盗みを概ね許容している。
 だが、それにしてもだ。
「別に今私の手元から盗んでいかなくても……」
 普段は金野家の金庫などから盗んでいくのに今回は彼の手元から盗んでいった。おかげで現在の彼は一文無しである。無論屋敷に戻れば金があるが、逆に言えばそれまではない。
 つまるところ最早冥王星祭で出店を周っても何も買うことができない。
 金野一族に対して滅法強い怪盗ゴールドフィールドから盗られた金を奪い返すことも極めて困難である。
「……帰るか」
 溜息を吐き、金野満男は希望崎学園から去っていった。その背中はどこか煤けていた。


     ダンゲロス冥王星祭・完




このSSは金野満男氏の提供によってお送りさせていただきました。

80川崎エイラ:2017/01/16(月) 10:47:34
「実に良い結果を得る事が出来ました。これも皆さんのおかげです」


冥王星祭は終わった。川崎エイラはホテルの一室で再び生放送を開始する。
だが、その言葉や服装に幼女らしさはない。もう幼女である必要も無性である必要もないからだ。

エイラと名乗っていた人物は全裸になりカメラの前にその肉体を見せつける。

「御覧の通り、私はロリではありません。皆さんをそして冥王星様を騙していた事を申し訳ありません。
ですが、もう結果は覆りません。私は冥王星様からの十分な評価を受けまsた。もう恐れるものは何もない。
そう、例え魔人警官が相手でも!」

カチャリと音を立て武装した魔人警官がなだれ込んでくる。彼らはエイラの本来の姿を見て一瞬ぎょっとした後、
先頭に立つ男が話しかけてきた。

「竜宮院ぽよの父、文夫で間違いないな?」
「ええ」

チンチンをフルボッキさせながら文夫はリューキュー空手の構えを取る。

「魔人警官ども、かかってこいやぁ]
「か、かかれーっ!」

文夫が冥王星の加護で本当に強くなったのか、それともただの妄想にすぎずあっさり逮捕されたのかはわからない。
この世界は冥王星によって作られまもなくその終わりを迎えるからだ。
だが確実に分かっている事がある。文夫の行動により多数の観察者が精神ダメージを受けたであろう事だ。

「アバー!」

あの悲鳴は応援転載妖精ちゃんだろうか。


【1-3.隠された真実】

「ぬわーっ!」

トラップの作動を気付かれない様に全力で叫び声をあげる。
だが、それは無用だった。自分に天運があると思っているぽよは、自分にに向かって落ちる天井に全く気付く様子が無かった。

「死ぬ瞬間までその顔か。馬鹿な子だ。お前程度の条件達成で冥王星様が力を貸してくれるはずなかろう」

不気味な笑みを貼りつかせたまま死亡したぽよの懐をさぐり文夫は目的もモノを入手する。

「ムセイナール、これさえあれば・・・」

文夫は服を脱ぎ全裸になる下半身は完全に男のそれだったが、胸は女性ホルモンの投与で膨らんでいた。

冥王星の好みの全てを知った時文夫がそれを封印したのはその力を恐れての事ではなかった。
ただの中年男である自分ではその条件を達成する事は出来ないと考えての事だった。
文夫自身では冥王星の加護を勝ち取れないならばどうすればいいか?若く美しいい自分の娘ならあるいは。

娘の思考を誘導し、自分は普通の研究者を演じつつ少しずつ胸を大きくしていく。
そして準備が整ったら遺跡の情報にたどり着くように仕向け、そこでぽよを殺害しポジションを奪う。

「よし、完璧だ。どう見ても無性の幼女だぞ」

ムセイナールの効果でチンチンもオッパイも消え去った体に満足した文夫は遺跡を去る。

「かわいい女の子と思った?残念、オッサンでした!!」

その告白を聞いた人物はこの場に誰もいなかった。
ただ、数匹の羽虫がその声に反応しただけだった。


冥王星祭・川崎エイラ編 完

81冥王星:2017/01/16(月) 11:15:19
>>80

「アバー!」

この悲鳴は、冥王星から放たれたものであった。
中の人からなんとなくこの可能性も危惧はしていたのだが、「いやしかし今回だけは違うのでは?」そんな甘ったれた期待をせざるを得なかったのだ。
そして何より、あんな好み一直線のキャラクターを投稿されては、餌だと分かっていても釣られざるを得なかった。
正体が少年とかイケメンとかならまだ美味しくいただける気もするのだが、オッサンとあってはさしもの冥王星とて吐血せざるを得ない。
ーー恐るべきは、ゆとりのぽこぺん。
見事な一本釣りの腕前。
見事な疑似餌を前に、冥王星は崩壊していくのだった。


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