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ダンゲロス冥王星祭応援投稿スレ

64杲鳥貴御 プロローグ続き:2017/01/15(日) 04:21:01
「キエエエエエ!」「キエエエエエ!!」「ブチ殺して! あいつをブチ殺して下さい!!!」「殺します! 警官だけど殺します!!」「「「私達は一般人ですがそれに賛成です!!」」」

奇声を上げる女達も警官も、その他一般人も、血走った目をあらぬ方向へ向け、涎を垂らしながら同一の方向へ向かいフラフラと歩いていく。その先にいるのは杲鳥貴御、犯罪者集団を壊滅させるために冒険をする青年である。
「なんだかゾンビ映画みたいで気持ち悪い…… 一度戻った方がうわッ!」

貴御の背後で大きな音がした。それと同時に前方向からも爆発音が鳴り響く…… 訂正する。先に音がしたのは貴御から見て正面の方向、警官の持つ拳銃から、背後から聞こえたのは、ガラス窓の割れる音だった。

『なるほど、これが《ジェーン・カナリア》…… 厄介な警備員だな。一般人に紛れ込んでいるのか』

貴御の脳内に声が響いた。貴御の仲間の中でも、特に言葉遣いのおかしい女子の声だ。そろそろ呼称が長いのも面倒臭くなってきたので、彼女は以降地の文では毒舌先輩と呼ぶことにする。

『よし、敵の戦力は読めてきた。ではそのまま右後ろの路地に入れ、目的地までのナビゲートはこちらで行う』
(それって先程ここまで来た時に使った道ではないですか! 私がここまで来た意味はあるのですか!?)
貴御は警官が銃弾を詰め直し、一般人が武器を拾っているのを確認し、それらを素早く写真に収めると、狭い路地へと飛び込んだ。

『怪しい心理反応を示す生物がそこにいたので偵察に行かせたまでだ。現在の読心範囲は貴様の半径10m程度だからな、貴様が動かなければ確認はできなかった』
(でも相手は銃を撃って来ましたよ? 危ないじゃないですか! )
『なに、貴様の能力があれば何度でも生き返ることができるであろう。気にする必要はない』
(外道!!)
『馬鹿、作戦会議で反対しなかった貴様が悪い。どうせこちら作戦本部には、貴様の寝姿を収めたアルバムが一冊分残されている。写真が足りなくなった場合は、こちらへ移動させる。心配せず指示に従え』
(寝姿って……)
『我々の総意だ。これを決めたのは会議後ではあるが、貴様とて人前でアルバム一冊分も自撮りする姿を晒したくはあるまい』
(んん…… どうでしょう)

思った以上に知らない場所で痴態を晒していた貴御であったが、寡黙な先輩の探し物特化能力と最も年長で思慮深い仲間(以降遠隔氏と呼ぶ)の遠隔視、毒舌先輩のテレパシーは、思った以上にスムーズなナビゲートを可能にしていた。

『おっと、敵本拠地に向かうには避けられない位置に《ジェーン・カナリア》が固まっているな。敵組織に関する記憶は持っていないようだが、人為的に決まった場所を徘徊するよう刷り込まれている。』
(それじゃあ一回帰りますか?)
『ハハハ、阿呆が。突っ込む以外に無いだろう。早くしろ、我々は期待しているのだぞ』
(いくら突っ込んで行っても、捕まえられたらいつまで経っても敵本拠地にはたどり着けませんよ?)
『分かっている。だから貴様には奴らの無力化も行ってもらう。無論我々からも支援はしよう。さあ、指示に従って突っ込め阿呆』
(分かりました、分かりましたので一度静かして下さい、お願いします。馬鹿とか阿呆とかって言葉がなんだかいちいち胸に刺さって辛いです!)
『繊細な奴め。言葉が胸に刺さるのは、身に覚えがあるからだろう。』

貴御はもう返事はしなかった。どうせこちらから何か言えば、何かしら毒舌で絡まれるのである。集中して返事もできないという体でしばらくは無視を決めることにした。

『貴様が何を考えて返事をしないのかも、こちらは把握しているのだが…… まあ良い。《ジェーン・カナリア》は、その道路の先にいる、赤いポーチを抱えて電話する女、高校の制服を着て本を読んでいる小娘、一見ゆるキャラっぽい女だ。速やかにそいつらを無力化し、遠くに見えるここらで一番大きいオフィスビルへ乗り込め。敵組織の本陣はその中にある』


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