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クリフトとアリーナへの想いは Vol.1

1管理人★:2015/04/05(日) 00:08:03 ID:???
クリアリの話題を扱うための待避所です。
ほのぼのから悲恋物まで、あらゆるクリアリの行く末を語り合っていきましょう!
職人さんによるSS投稿、常時募集!

【投稿内容に関するお願い】
・原作や投下された作品など他人の作品を悪く言うのは控えてください。小説版も含めて。
・趣向の合わない作品やレスはスルーしましょう。
・個人のサイトやサークルなどを特定する投稿(画像などへのリンク含む)はご遠慮下さい。
・読む人を選ぶ作品(死ネタ、悲恋、鬱ネタ等)を投下する時には、先に注意書きをお願いします。
・性描写を含むもの、あるいはグロネタ801ネタ百合ネタ等は、相応の場所でお願いします。


    ,. --、
    | |田|| 姫様、お気をつけて
     |__,|_||     __△__ 
     L..、_,i    ヽ___/
 . 。ぐ/|.゚.ー゚ノゝ   / ,ノノハ)) クリフトがいるから
   `K~キチス  (9ノ ノ(,゚.ヮ゚ノi. 大丈夫よ!
    ∪i÷-|j @〃とヾ二)つ
    Li_,_/」   ん'vく/___iゝ
     し'`J      じ'i_ノ

クリフトとアリーナへの想いは@wiki(携帯可)
ttp://www13.atwiki.jp/kuriari/
 ※wikiに掲載されたくない場合は、作品を投下する際にお申し出ください。

352名無しさん:2016/07/30(土) 09:06:15 ID:yAKI7ZJA
苛烈でも何でも、神としてそれくらいの威厳あっていいんじゃないの
少なくとも勇者の母が掟を破ったことは事実なわけだし
それを「いいじゃんいいじゃん、かわいそうじゃん、見逃せよ〜」は
あまりにも都合が良過ぎ、甘え過ぎな勝手理論だと思う
その後マスドラは残された子供のことを気にかけていたんだし
むしろそんな情すら本来なくていいくらいだ

353名無しさん:2016/07/30(土) 20:15:28 ID:CK7fqENw
見逃すか殺すかの2択しかないっていう極端な思考方法は危険だと思うよ
他の選択肢だってあるじゃないか

ドラクエ5の人間界で暮らすマスタードラゴンはなんで無罪なんだろうか
それこそ、あまりにも都合が良すぎだし、甘え過ぎな勝手理論だよ
自分が守らないことを誰かが破れば殺す、果たしてそれは威厳なんだろうか
悪いけど、俺はそうは思わないな

後で子供のことを気にかけるくらいなら親を殺すのは浅はかな行動でしかなく、
そういうマスタードラゴンには威厳でなく危なっかしさを感じる
違反者を殺せば威厳ってわけではなく、恐怖政治と威厳は違うよ
どこぞやの国の将軍様や首領様を見れば明らかじゃね?

ドラクエ4の時点では人間を見下した若くて未熟で独善的な神だよ
ただ最後、天空城への誘いを蹴る勇者にムッとしながらも許可してるし、
何百年後のドラクエ5では随分と視野を広げて成熟してる
マスタードラゴンだって成長途中のキャラとして描かれてるんだよ
未熟さがあればこそ、舞台装置化せず魅力のあるキャラになってる

354名無しさん:2016/07/31(日) 04:53:12 ID:YXWGpEuA
うーん・・・
私としては、掟を破ったのは母君なのに殺されたのは何故か父君ってのが釈然としないんですけど。
それでも父君を殺したことを妥当と考え、威厳まで感じるお方もみえるのですよね。
感性は人それぞれですね。

クリフトとアリーナ、そしてブライも、それぞれ違う感じかたをするんでしょう。
そこからどんなクリアリになるのか考えるのも悪くないですね。

355従者:2016/07/31(日) 11:10:01 ID:.IwaCRws
PS版のセリフをなぞらないSSいってみます。
時期はイムルでロザリーが亡くなる夢を見てから数日後、アリーナ視点です。
結界のほこら編より前となります。順序がめちゃくちゃで申し訳ない;

前に予告していた純クリアリ、やっと完成しました。
(純といっても単に前置きがさほど長くないだけで本当に純かどうかはわからんです;)
一応抱擁シーンがあります。

wiki管さん、もし載せていただけるなら今までの分も含め投下順そのままでお願いできたらと。
時系列はめちゃくちゃですが一応それなりに考えてのめちゃくちゃといいますか
つまり何が言いたいのかわかりませんがどちらにしてもお手数おかけしますお世話になります……

SSが長い原因となっている台詞の前後の空行なのですが、
どうにも私自身がSSを見直すとき一律に密集した文体だと読む気がなくなる性分でして;
(皆さんのSSは楽しく読めるのになぜか自分のはダメなんです;)
皆さんにとってはどうなのかわからず恐縮ですが、どうか空行はそのままでお願いしたく……
他の点でなるべく端的に手間なくおもしろく読み終えられるよう心がけていきますので
何とぞご容赦を、よろしくお願いいたします。

356恋なのか愛なのかそれとも 1/12:2016/07/31(日) 11:14:23 ID:.IwaCRws
――なぜ人間は変わらない……?――
――だれもがみな平和を望みながら罪をおかし、命をうばう――
――口をそろえて主張するいのちの尊さは、同族、身内、自分、だけなのか……?――
――ならばなぜ平和を望むのか。幸福を望むのか……――
――わからない……――
――人間よ――
――わたしはもうお前たちのことがわからない――


従者の心主知らず 〜恋なのか愛なのかそれとも〜


夢を見たの。
私たちは巨大な怪物と戦っているの。その姿はエスターク。
けど戦ううちにどんどん姿を変えていって、最後に変わったのは人の姿……
魔族の姿のデスピサロだった。

デスピサロはちからなく手を伸ばす。
何か言おうとしたみたいなんだけどそれは声にならなくて。
聞き取れなくて……。
私は思わずデスピサロの手を取ろうと走るのだけど、いっつも間に合わないの。
手が届きそうになったときに目が覚める。
私の手は届かない。

あれはたしかにデスピサロだった。
魔族の姿の……ピサロだった。
寂しそうな顔をして、うつろな目をして、何かを言おうとしてた……
あれはピサロだった……。
ずるいわ。
今までさんざんひどいことしてきたのに。たくさんの命をうばってきたのに。
これからだってうばおうとしてるのに。
ずるいわ…っ!

――最初から最後まで悪いヤツだったらよかったのに…っ!!――

もうこの夢をさんかいも見てるの。ずっとおんなじ夢。
私はひとりで夢のことを考えるのがいやでクリフトにぜんぶ話した。
ただの夢だって思いたかったんだけどあんまりおんなじ夢を見るから……。
そしたらクリフトは真剣に聞いてくれたの。
お父さまは夢で未来の出来事を知ることができたかもしれない、
だからもしかしたら私が見るこの夢にも何か意味があるのかもしれないって。

357恋なのか愛なのかそれとも 2/12:2016/07/31(日) 11:18:22 ID:.IwaCRws
結局ロザリーは見つけられなかったの。
前にイムルの宿屋でロザリーの夢を見たことがあったからまた泊まってみようってなって。
けどそこで見たのはロザリーが人間たちに殺される夢だった。
ピサロがすぐかけつけて人間たちをけちらすんだけど間に合わなくて……。
そこでピサロは……人間どもをひとり残らず根絶やしにしてやるって叫んでた。
たとえこの身がどうなろうともって……。
ピサロは泣いてた。すっごく泣いてた……。泣きながらロザリーをぎゅって抱きしめて……
ピサロのあんな泣きくずれた顔、初めて見た……。

ソロは捜索願いを出していたブランカ、バトランド、ボンモール、それぞれへ
行方不明者は発見されましたって、ご協力本当にありがとうございましたって伝えた。
捜索は打ち切られた。

ソロはふるえてた……。

人間は、自分の手で滅びの運命を選んだの。けどそのことに気づいてない。
知らない。
世界中のほとんどの人間たちが、そのことを何にも知らないまんま滅ぼされるの。
だから、それだけは止めなくちゃ。止めなくちゃ……

「姫さま……」

クリフトの優しい声にはっとする。私、考えごとしちゃってたみたい。

「……言いにくいことを教えてくださって、ありがとうございます」
「……ん……」

私は小さく返事をすることしかできなかった。
なんだか頭の中がもやもやしてる。

「……姫さま、今のどの調子はいかがですか?」
「え?」
「普通に声を出せますか?」

いきなりクリフトに言われて私はとりあえず発声練習するみたいにあーって言った。

「……大丈夫のようですね」
「?」
「いえ、以前王様が夢の話をされたときお声が出なくなったことがありましたから」
「あ…」
「今回は大丈夫のようです。本当にあれは、誰のしわざだったのか……」
「うん…」

358恋なのか愛なのかそれとも 3/12:2016/07/31(日) 11:24:26 ID:.IwaCRws
お父さま……。
お父さまたちはまだ戻ってきてない。エスタークを倒しただけじゃダメだったの……。
おとうさま……。
クリフトもすこし遠い目をした。

「……デスピサロは、ロザリーさんの名前を呼ぼうとしたのかもしれませんね」
「え?」
「…………」

そんな気がします、クリフトは小さくそうつけ加えた。
ロザリーの名前…?
なんでわかるんだろう……もしかしたらクリフトはデスピサロの気持ちがわかるのかな。
クリフトは遠くを見たままだった。私はずっとクリフトを見てた。

「姫さま……」

やっとクリフトがこっちを向いた。優しい目で私を見る。

――この話は、ここだけにしておきましょう――

「ライアンさんもおっしゃっていました」

――あの者に同情はしますが、われら人間もおとなしく滅ぼされるわけにはいかんのです――
――デスピサロが人を滅ぼそうとする限り、こちらも命をかけて戦わねばなりませんぞ――

「そして、ブライさまも……」

――勇者どのしかり。苦しくともくじけぬ者はいくらでもおります――
――何であれ悪の道に走るは罪。逃げにすぎんとこのじいは思いますがな――

「いかなる理由があろうと、人を傷つけていい理由にはなりません。
これから戦う敵には、悲しい最期が待っているかもしれないと伝えたところで、ただただ……
皆さんの士気を下げるだけかもしれません……」

…………。

「姫さまのお気持ちは、このクリフトがしかと受け止めました。
これからも、ずっと忘れず、失くさず、一生をかけて受け止めていきます。背負っていきます。
ですから……」

――ふたりでいっしょに、抱えていってはいただけませんか…?――

359恋なのか愛なのかそれとも 4/12:2016/07/31(日) 11:28:24 ID:.IwaCRws
…………。
手を胸に当てて話すクリフト。私をまっすぐ見て話すクリフト。
本気で話してるんだってことがすっごく伝わってくる。クリフトは本気なんだ。本気で……
クリフト……。

「……うん……だれにもいわない」
「…………」

クリフトが少しだけ笑ってくれた。私もめいっぱい笑ってみせた。
気持ちはきっとすっきりしない。
でもクリフトが話をぜんぶ聞いてくれて、いっしょに秘密も抱えてってくれる。
だからだいじょうぶな気がした。前に進めそうな気がした。

「あの夢ね、いっつも私たちが勝つの。
どんどん姿が変わって強くなってく気もするんだけど、最後にはぜったい私たちが勝つの。
それはつまり、これから戦うあいつにだってぜったい勝つってことよね!」

私は元気よく言ってみせた。そしたらクリフトが笑ってうなずいてくれたの。
私もなんだか嬉しくなって気がついたら笑ってた。心から笑えたような気がした。

「ありがとう、クリフト…」
「……い、いえ……」

ちょっとびっくりした顔をしてクリフトは目をそらした。あれ?
たまーにあるのよね、私が笑うと目をそらすクリフト。なんでだろう。
……どうしよう、今夜はいっしょに寝てってお願いしようかな。
クリフトといっしょに寝ればもういやな夢を見なくてすむような気がするの。
どうしよう……うん、やっぱりお願いしよっと。

「ねえクリフト」
「……はい、姫さま」
「あのね」
「……はい」
「今夜は……」
「…………」
「今夜はいっしょに寝てほしいの」
「姫さま…」
「おねがい…」
「…………」

360恋なのか愛なのかそれとも 5/12:2016/07/31(日) 11:32:06 ID:.IwaCRws
「いや、あの…」
「クリフト?」
「この流れでそれはちょっと、あの…っ」
「?」
「私のほうが、その…っ」

なんかクリフトあわててる?

「前ソロにいったらいいっていってくれてたわ」
「ソロさんが!?」
「うん。じいだってもうそんなに口うるさく言わなくなったじゃない」
「…………。そ、それで……ソロさんは、なにか言っていましたか…?」
「ん?」
「なにか、そのことに対して……」
「んー、朝飯までには起きてこいよっていってたかな」
「………………」

「……あああ……」

クリフトは手で顔を隠した。
ん?

「そうですよね、普通はそういう意味でとらえますよね…っ」
「?」

後でソロさんに誤解を解いておかねば、クリフトが小さくそう言ったのが聞こえた。
クリフト…?

「姫さま…」

クリフトが私のほうをちらっと見る。でもしっかり見ないの。見てくれないの。
さっきのクリフトとはぜんぜんちがうクリフト。なんかあわててるクリフト。

「ひとつだけ、確かめたいことがあるのです…」
「……なに?」
「………………」

クリフトは次の言葉を言うのにとまどってるようだった。
でも今度はちゃんと私のほうを見て言った。

361恋なのか愛なのかそれとも 6/12:2016/07/31(日) 11:36:13 ID:.IwaCRws
「私たちはもう、子どもではありません」
「……」
「もし人恋しいだけならば、マーニャさんやミネアさんでもいいではありませんか。
普段とても仲良くお話をされていますし」

うらやましいほどにってクリフトは小さくつけ加える。

「なぜ、その……」
「……」
「私を……」
「……」
「わざわざ、私を……」
「…………」

クリフトは私を見たり下を見たり私を見たり、ちょっとあっち向いたりしてる。
落ち着かないクリフト……。
クリフトは、なにが言いたいんだろう。子どもじゃないから…?子どもじゃないなら……

「子どもじゃなかったら、もうクリフトといっしょに寝ちゃいけないの…?」
「い、いえあの…」
「クリフトはもう、私といっしょに寝るの、いやなの…?」
「っ……」

――子どもだった私じゃないと、いやなの…?――

「そ、そんなわけありません!とんでもないことです!なにをそんな当たり前のことをおっしゃるのですか!!」
「ん……」

あわてて否定するクリフト。前にもこんなことあった気がする。
いっしょに寝るっていうとクリフトはいっつもさわいだりあわてたり抵抗したりする。
でもいやともいっつも言わないしいざいっしょに寝てもほんとにいやじゃないみたいなの。
クリフトのほうからぎゅってしてくることもあるしずっとくっついてることだってあるし。
じゃあ、なんで…?なんで最初はいっつも……

「じゃあ、いいじゃない…」
「そ…っ」
「……」
「……っ…」
「……」
「………………」

「………………はい……」

362恋なのか愛なのかそれとも 7/12:2016/07/31(日) 11:40:09 ID:.IwaCRws
クリフトは結局私といっしょに寝てくれた。

「また流されてしまいました…っ」
「?」


「クリフトー…」
「…………」

「はい、姫さま…」

あ、クリフトまだ起きてた。なぜかほっとする。
明かりを消したらお部屋が真っ暗なまんまでなんにも見えなかったの。
小さな窓はあるんだけど今日はくもってるのかな、明かりがそんなに入らなくて。
ソロとじいが寝てる音は仕切りの向こうからなんとなく聞こえてくるのに
となりでクリフトが寝てても起きてるのか寝てるのかわかんなくて。
でも返事のあと少しだけこっちを向いてくれた気もしたからなんだか一気に安心した。
私は思わずクリフトをぎゅってする。

「っ…」

クリフトの息が小さくもれた。
そんなに強く抱きしめたつもりはなかったんだけど、もしかしたら苦しかったのかな。

「ごめん、痛かった…?」
「い、いえ…」
「そう…」

でもクリフト、少しこわばってる気がする。なんでだろう。いつものかたまるクリフトかな。
私はもういちど、今度はやさしくぎゅってした。そしたらクリフトも私をぎゅって返してくれたの。
特になにをいうでもなく伸ばされたクリフトの腕に頭を乗っける。クリフトのうでまくら。
クリフトはそんなつもりなかったのかな、ちょっととまどったような感じだったけどもういちどぎゅってしてくれた。
クリフトのうでまくら、安心する……私はもうちょっとだけクリフトにすり寄った。

「……不安、なのですね……」
「…………」

「うん…」

なんでわかるんだろう。わかっちゃったんだろう。
なんでクリフトはいっつも私の心を読んだみたいに話してくるんだろう。当てられちゃうんだろう。
私もクリフトの心を読んだみたいに話せたことあるかな。当てられたことあったかな。
なんだかくやしいな……。

363恋なのか愛なのかそれとも 8/12:2016/07/31(日) 11:45:04 ID:.IwaCRws
「姫さまがどのような決断を下されようと、どこに行かれようと、私はついていきます。
共に考えますし、共に悩みますし、共に迷います。姫さまは決してひとりではありません」

――どうか、おそばに……――

クリフトの抱きしめる腕にちからが入る。まるで包みこまれてるみたい。

「ん……」

からだのちからが抜けてく。ぎゅってしがみつかなくてもクリフトはどこにも行かない。
ほんとうにだいじょうぶなんだ。クリフトはほんとうにずっとそばにいてくれるんだ……。

「ありがとう……」

私はクリフトの胸もとに顔をうずめた。
クリフトあったかい。すっごく安心する。今夜はぐっすり眠れそう。
またクリフトの息が小さくもれた気がした。

「本当に、私たちはいったい……」
「?」

なにかつぶやいたあとクリフトは私の頭に顔を寄せたみたい。ずっとくっついてる。
クリフトは私が寝るまでずっとくっついたままだった。

「クリフト?」


夢を見る。またおんなじ夢……。
でも私のすぐよこにクリフトがいた。優しく笑って私を見てる。
まるで大丈夫って言われた気がした。
私も気がついたら笑ってた。みんなでいっしょに崖をのぼってく。
今度は堂々とのぼってく。

――私は決してひとりじゃない――

戦ううちにどんどん姿を変えていくデスピサロ。最後はやっぱり魔族の姿に戻る。
ふらふらと足もとがくずれ、ちからなく手をのばすデスピサロ……。
私はデスピサロの口もとを気をつけて見てみたの。
クリフトがもしかしたらロザリーの名前を呼ぼうとしたのかもしれないっていってたから。
そしたら……

364恋なのか愛なのかそれとも 9/12:2016/07/31(日) 11:49:01 ID:.IwaCRws
「……ロザリー……」

呼んでた……。
ピサロはやっぱりロザリーって呼んでたの。
クリフトの言ったとおりだった……。

――……ロザリー……――

でもロザリーはいない。もういない……。
私はやっぱりピサロの手を取ろうと走る。でもやっぱり間に合わなくて……


目が覚めたらクリフトはもう着替えててベッドのあっち側に座ってた。
お祈りしてるみたい、ロザリオを握りしめて目を閉じてた。
私がずっと見てたのに気づいたのかな、少ししたらクリフトはロザリオを離して私のほうを向いた。

「姫さま、おはようございます」

クリフトが笑顔であいさつしてくれた。

「うん、おはよう」

私も笑顔で返した。
私のほうが早く起きるときもあるんだけどそれはほんとにたまーにで、だいたいはクリフトのほうが早いの。
荷物もまとまってる、もう出かける準備万端なんだ。
なんだかちょっとだけくやしいような、さびしいような……なんだろ、よくわかんないや。

「クリフトの言ったとおりだったわ」
「?」

私はさっそく夢でわかったことを話した。

「ピサロはロザリーって呼んでたの」
「…………」

お部屋がいっしゅんしんとなった気がした。
私ははっとしてとなりでソロやじいが聞いてなかったか気になったんだけどクリフトがそれは大丈夫って。
ふたりともちょうど近くにはいなかったみたい。よかった……。

「……やはり、そうでしたか……」
「……うん……」

365従者:2016/07/31(日) 11:52:42 ID:.IwaCRws
今さらですみません!
このあとさらっとですがアリーナの言葉に残酷、鬱描写があります。
注意書き忘れました;
すみませんご覧の際にはお気をつけください;;

366恋なのか愛なのかそれとも 10/12:2016/07/31(日) 11:56:30 ID:.IwaCRws
…………。

「ねえ、どうしてクリフトはピサロの言ったことがわかったの?」

昨日話を聞いただけなのに。

「クリフトは、ピサロの気持ちがわかるの?」
「…………」

クリフトはしばらくだまってたけどそのうちぼんやりと遠くを見つめた。
まるで独り言みたいに小さくつぶやく。

「ピサロ……さんが……」
「…………」

――ロザリーーっ!!ロザリーーーーっっ!!!――

「他人とは思えない瞬間を、あの夢で見ましたので……」

――ロザリーーっ!!――
――ピサロはベホマをとなえた!――
――しかし何もおこらなかった――
――ロザリーーーーっっ!!!――
――ピサロはベホマをとなえた!――
――しかし……――
――許さん……!許さんぞ!人間ども!――
――たとえこの身がどうなろうともひとり残らず根絶やしにしてやる!――

…………。

「ねえ……」

私はふと思い立ったことがあってクリフトに聞いてみた。

「もしピサロの気持ちがわかるなら、どうすればいいのかな。やっぱりただ戦うしかないのかな」
「…………」
「もちろん私は戦うのが大好きなんだけど……こてんぱんにやっつけてはやるつもりだけど……」
「…………」
「でも……」

ふとクリフトが優しい顔をした気がした。嬉しそうな顔にも見えた。
でも少しだけ寂しそうな顔にも見えた。クリフト…?

367恋なのか愛なのかそれとも 11/12:2016/07/31(日) 12:01:20 ID:.IwaCRws
「もし、ピサロ……さんが……」

クリフトが静かに話しはじめる。ゆっくり……。

「ピサロさんが、私と同じだったなら……」
「……」
「彼は今、悔やんでいると思います」
「……悔やんでる…?」
「はい」
「…………」

――愛する人を守り切れなかった自分の無力さを、不甲斐なさを、心から悔やんでいると思います……――

…………。

「しかし時間は戻らない。死んだ者はよみがえらない……」
「…………」
「だから……」
「…………」
「……戦うしか……」
「…………」
「………………」

そこから先が続かない。クリフトはだまったままうつむいてしまった。クリフト……。
なんでだろ、私はふと思い出してる光景があったの。あれも夢だったんだけど……。

いつか見た夢……
コナンベリーへ向かう途中の砂漠で倒れた私に必死に呼びかけてたクリフト。
あのときクリフトも何度も何度も倒れてる私にホイミしてて、でも私のケガは治らなくて。
すべての敵をザキやザラキで、剣で、殺してたの。逃げようとする敵にまでザキしてた……。
血まみれの手で気味の悪い笑い方をしてて、まるでクリフトじゃないみたいだった。
怖かった……。
あれは夢だったけど、もし私が本当に倒れたら、現実のクリフトもああなるのかな……。
それはイムルの夢で見たピサロといっしょ……だから、もしかしたらピサロも……

目にうつるすべての敵のいのちを奪って、だれもいなくなって、ひとりきりになって、そして、
守れなかった人のそばに寄りそって目を閉じるの。たとえ砂漠に埋もれても、いっしょに……
きっと、いっしょにそのまま朽ち果てるの……。

あの夢はブライがクリフトをたたき起こして早く行くぞって言ってくれたから大丈夫だった。
じゃあ、ピサロは……

368恋なのか愛なのかそれとも 12/12:2016/07/31(日) 12:04:57 ID:.IwaCRws
――愛する人を守り切れなかった……――

え?

「…………」
「……?」

愛する人?
え…?

「姫さま…?」

…………。

「ううん、ごめん、なんでもない」
「?…」

なんだろ、なんかかんちがいしちゃった。
クリフトはピサロにとってのロザリーを愛する人って言ったんだわ。私じゃないわ。
なんだかいろんなことが一気に起こったから頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃったみたい。
私やっぱり考えるのは苦手だわ……。

「ごめん、ほんとになんでもないの。ちょっといろいろ考えすぎちゃって……」
「そう……ですか……」
「うん…」
「…………」

「朝食までまだ時間があります。もうひと休みされてはいかがですか?」
「…………」

「……うん……」

私はもういちどベッドにごろんてなった。

「クリフトー」

なんとなく手を伸ばしてみる。そしたらクリフトは少しだけ笑って手を取ってくれたの。
思いきって指をからませてぎゅってする。クリフトはちょっとびっくりしたみたいだけどぎゅって返してくれた。
クリフトの手、ほんのりあったかい……私は安心してまた目を閉じる。

このさきどうなるかなんて、どうすればいいかなんて、考えててもしょうがない。
行こう。前に進んでみよう。
答えはきっと頭の中じゃなくて、今目の前に広がってる世界にあると思うの。よし、行こう!

369従者:2016/07/31(日) 12:10:13 ID:.IwaCRws
改めて気づかされましたがつぼって割っても割っても元に戻ってましたね。
つぼやたる、花びんが自動で復活する世界……花が自動で定位置に戻る世界……
だから町の人たちも特に咎めないのだとしたらそれには大いに納得なので
何とか腑に落ちる解釈を見出したいところですが今のところ謎世界です。

>>350
わりと適当という点は大いに同意ですがそれを言ってはおしまいだw>公式同人
ホイミンの話よかったですよね。本編で再会くらいはしてほしかったです。
(なぜ教会に連れていかなかったのかという疑問はどうしても残ってしまいましたが;)

本編に支障のない範囲でこの短編集の設定も取り入れていますが
一部取り入れて一部なしという部分も出てくるかと思います。
抜け、矛盾も多々あると思うのでもし設定破綻がありましたら何とぞ教えてください。
この度は途中の注意書き本当にすみません。ご覧いただきありがとうございました。

370従者:2016/07/31(日) 12:14:08 ID:.IwaCRws
もうひと書きお願いします。

マスタードラゴンに関する皆さんの解釈がとても鋭くて一気に目が覚めました。
威厳ある(情すらなくていいくらいな)マスドラ、未熟で成長途中の魅力あるマスドラ、いいですね。
ところであの、皆さんの中で勇者の父を殺したのはマスタードラゴンで決定でしょうか。
私もずっとそう思っていたのですがそれを揺るがせやがったのがこの日記なんですよ;

天空人の日記があった。
ソロにも 読める文字で
書かれてあった。
禁をおかして 地に下りた彼女を
マスタードラゴンは どんなに時が
たとうとも お許しにならないだろう。
今に マスタードラゴンは もっとも
残酷なやり方で 彼女のしあわせを
うばうことだろう。
悲劇がおこる前に 地に下りた彼女を
私は なんとしても連れ戻すつもりだ。
それで どんなに憎まれようとも……。

これは一見するとああやっぱり勇者の父を殺したのはマスドラなんだな、と思うのですが
もう少しよく読んでいくともしかしてこいつが先に父を殺して彼女を連れ戻したのか?という……
PS版からなので後付け感が半端ないですが未だ意味不明で腑に落ちないんですよ……。

371従者:2016/07/31(日) 12:54:22 ID:.IwaCRws
もうやだorz台なしだorzorz
すみませんさっそく>>367下から12行目あたり訂正を……どう多く見積もってもやりでした;
いつも申し訳ないです……

>>367
すべての敵をザキやザラキで、剣で、殺してたの。逃げようとする敵にまでザキしてた……。

すべての敵をザキやザラキで、やりで、殺してたの。逃げようとする敵にまでザキしてた……。

372名無しさん:2016/07/31(日) 13:27:13 ID:YXWGpEuA
おお、乙です。
wikiのお方は完結したら掲載する方針でしたね。何年後に掲載されるのでしょうね。
順不同で書かれている場合は、書き手が完結宣言しない限り掲載されないのかも知れませんね。

>>370
その日記を読む限り、威厳のある統治者というよりは恐怖政治寄りで確定なんでしょう。
規則に沿った処罰ではなく怒りに任せた制裁をするタイプのようですね。
天空人が怯えるばかりで諌めようとしないのは、粛清が怖いのでしょうか。
一方で、ドラクエ5のマスタードラゴンは独善的なところがなくなり、まさに成長途中といった感じ。
いずれ落ち着いて威厳のある神様になるのでしょう。

373名無しさん:2016/08/01(月) 03:06:23 ID:pAhVVTgE
天空人の日記を素直に読めばその天空人は「彼女」の幸せを願っているわけで、勇者父を殺害したとは解釈しづらい気がするのですけど…
その天空人の行動が間に合ったという情報もなかったはずです
ただ、勇者父を殺害したのがその天空人だという解釈も試みられており、解釈方法の1つとして存在はしています

デスピサロを倒して平和になったのに、勇者の母らしき天空人は1人だけ泣いていましたっけ
一緒に暮らせないとしてもせめて名乗りたいところ、止められているのでしょう
マスドラが自分のやったことを隠蔽する以外の理由が見当たらないだけに、この時代のマスドラってどうなのかなと思うところです

ドラクエ5ではマスドラが地上でサボっていたせいで世界に危機が訪れましたが、マスドラは反省するどころかエンディングで再び人間に戻ってました
まだ遊びたい盛りなのか、神として世界を守ろうという意思は弱いようです
天空人が同じことをやったら殺すのでしょうけどね…それが威厳なんでしょうか…

ドラクエ5では学びたい(遊びたい?)盛りの若いマスドラ像が強調されているようで、まだ成長の途中なのでしょう
それを踏まえると、4のマスドラは若さゆえに独善と暴走を繰り返して怖がられている未熟な神と言えるのではないでしょうか
完璧じゃない若い神だから失敗も迷走もする…と解釈するのが妥当なようです
それでも自分と違う存在を理解したいと探究心を燃やす5のマスドラは、4よりも確実に成長しているし、これからも成長するでしょう

天空シリーズは目立ちすぎないようにマスタードラゴンの成長物語を仕込んであり、うまく作られていると感心させられます

374名無しさん:2016/08/01(月) 23:59:28 ID:STiv.c7k
あと初めて会ったときのマスドラ自身の台詞からも、当時のマスドラの性格が分かります
「私はここにいて世界のすべてを知ることができる。
お前たちがなぜ私に会いに来たかもすでにわかっている。」
ドラクエ5のときと比べるとかなり驕っていますし、自分を偉く見せて相手より上に立とうとしているのが分かります

日記から分かるように、気に入らないことがあるとキレて執拗に相手を苦しめようとします
違反者である勇者母ではなくなぜか勇者父を殺した挙句に、謝ることもありません
まだ自分中心に世界が回っていて客観的になれず、自己顕示欲とか虚栄心が強いお年頃なのでしょう

5では人間のことをもっと知るために人間として暮らしていました
自分には知らないものがあると認める余裕ができて、知りたいという要求に駆られています
癇癪持ちの独善的な子供が少し成長し、知らないことを知りたがる年齢になったのでしょう
リスクや立場をわきまえて我慢せずに欲求に身を任せてしまうところからも、まだ大人ではなさそうに思われます
まだまだ未熟ですが着実に成長の過程を踏んでいるので、立派な神様に近づいているとは言えます

4では中身が伴わないまま背伸びして偉ぶっていて、まだあまり魅力がありませんでした
5では成長途中の素直な若々しさが鮮やかに花開き、未熟ながらも魅力にあふれています

やっていることが神として失格なので、ネット上ではマスドラは随分と嫌われています
私としては、まだ未熟すぎてダメな子だけど成長しつつある若い神と解釈して見てほしいなと思います
子供だから許されるというものでもありませんが、子供に大人としての振る舞いを期待するのは無理というものです


勇者やアリーナたちがそこまで考えるとは思いませんけど、ブライは考えるのかも知れません

375従者:2016/08/02(火) 17:30:26 ID:enJ8MPmc
>>372
乙ありがとうございます!
ああ、全話が完結したら掲載する方針に変わったのでしょうか?
とするとこの従者シリーズ、たぶん完結はしないので……(少なくともヒーローズ2まではこのまま引きずる予定です;)
ふと思いついて途中挿入もあるかもしれませんし……どうしましょう。

特殊なSSで本当に申し訳ないです;(もともと保守ネタで始めたものでした;)

376従者:2016/08/02(火) 17:34:16 ID:enJ8MPmc
マスタードラゴンに関してですが、これは一つの憶測です。

>>370の日記の天空人が勇者父を殺害し彼女を連れ戻したと考えた理由は最後の一文「それで どんなに憎まれようとも……。」です。
もしそうだとしたら、当のマスタードラゴンはもっと残酷なやり方(彼女自身に制裁を加えるなど)を考えていたと予測されます。
(小説版では禁を犯した元天空人ジャコーシュ(エビルプリースト)は翼をもぎ取られ地上に捨てられました)
連れ戻しさえすれば悲劇は起こらないという何らかの確信を持っていたのだとしたら、
勇者父を殺害しその上で彼女を連れ戻すことで彼女自身への制裁を免れようとしたのだろうかと。

ただ、>>373さんもおっしゃるように言い回しから解釈しづらい部分もありますし
当の日記を書いた天空人らしき人物はどこにも見当たりませんし
元よりPS版からなので、マスタードラゴンが制裁を加えたという解釈を後押しするための伏線と考えたほうが妥当かもしれません。
ずっと腑に落ちなかったのですがなんだかすっきりしましたありがとうございます。

いずれにしても、マスタードラゴンが残された子供のことを気にかけていた点、
これもPS版からですが、移民の町へ向かう天空人たちには一切の制裁を加えていない点から、
本編内ですでに意識の変化が見られていないでしょうか。
禁を犯した立場でありながら残された子供のことを片時も忘れずにいる勇者母を十数年も見てくれば何らかの影響も受けるかもしれません。
自分ですでに私は完璧な存在ではないとも言っていますしね。

私自身がマスタードラゴンをどう捉えているかは今後のSSで(アリーナたちの動きで)バレバレになると思われます;
皆さんの素敵な解釈、いたるところで反映させていただくかもしれません、今とても楽しいです本当にありがとうございます。

377従者:2016/08/02(火) 17:51:54 ID:enJ8MPmc
>>376の憶測に追加ですが、子供への制裁も、ですね。

378名無しさん:2016/08/03(水) 01:56:38 ID:ACtTm6II
>>375
wikiのトップに書かれている掲載基準は、昔から全然変わっていないと思うのですが。
少なくとも、未完のものを原則として掲載しないという方針は数年前から書かれていました。
例外規定も昔から変わっていません。

あくまで原則ですので、wikiのお方の思うようにやっていただければ良いでしょう。
検索のことを考えれば更新の頻度を増やした方が良いのでしょうけどね。

379名無しさん:2016/08/04(木) 20:29:36 ID:49WBVCyg
>移民の町へ向かう天空人たちには一切の制裁を加えていない
短期間で掟が完全撤廃されるとは思えないし、有名無実化するとも思えません
スタッフの失念の可能性大では?

仲間会話などリメイクの追加要素の多くはノリで作られ、不整合もあるでしょう
というか、リメイクのスタッフが堀井さんが作った設定を知っているのか怪しいです
特に移民なんて、シナリオや設定を統括する人が見ているかどうかも怪しいです
ストーリーの本編とは関係ないはずの要素ですから

>自分ですでに私は完璧な存在ではないとも言っていますしね。
それ、完璧に近い存在と思わせるための、深層心理に誘導をかける台詞なんでは?
そもそも人間はマスタードラゴンなんて知らないので、完璧かどうかなんて知りません
そこで最初に「完璧だと思ってるはずだが、そこまででもないぞ」と線を引いちゃうことで、
自分への評価を完璧付近に固定しようとしてるんでしょう

実際には、正体不明のマスタードラゴンにプレイヤーが完璧寄りの印象を抱くよう、
堀井さんが設定した台詞なんでしょう
そんなことを言い始めたら身も蓋もないので、マスタードラゴンがそう言った意図を
考えていきたいもんです

380名無しさん:2016/08/05(金) 04:45:31 ID:733yTkNg
>>376-377
父親を殺して子供を残すというのは、勇者母を連れ帰る方法としては不自然だと思うのですけど…
母親なら父親のいない幼い子供を残して去るなんてとんでもないことなので、地上に残る強い動機を作ることになるでしょう
普通の母は子のためなら命を惜しまないでしょう

子の命を守るためと説得して天空城に帰らせた可能性もありますが、それだと勇者父を殺害する理由がありません
その気はなかったがアクシデントで勢い余ってやっちゃったとしても、夫を殺した人の説得に応じる母がいるのか疑問に思うところです
マスドラから直接的な通告(脅し)があったから地上に戻れないと考えるのが自然だと思うのです

あとマスドラの意識についてですが、4の時点ではほとんど変化がないと思われます
勇者母は勇者に名乗れないまま泣いて終わることから、勇者を守るために最後まで名乗れなかったと推測できます
本当にマスドラが勇者や勇者母を思うのなら、名乗ることを許可して後押しくらいはするでしょう
マスドラにとっては、勇者や勇者母の幸せよりも自分自身のイメージの方が大切なことだったのではないでしょうか

381名無しさん:2016/08/06(土) 10:43:44 ID:0vnWmmWg
そろそろマスドラ糾弾スレでも立てて、そこで存分に語られたらいかがでしょうか?

382名無しさん:2016/08/07(日) 03:03:25 ID:ion9ENeA
>>381
どのキャラがどう考え、クリアリにどう絡むんだろうとかいう問題提起も出ているわけで、
クリアリ絡みの話題って認識なんですけどね
このスレから追放しなきゃいけない理由がありましたか?

383従者:2016/08/07(日) 12:54:49 ID:bdg2MsJQ
>>378
あ、変わっていませんか。教えてくださりありがとうございます。
そうですね、wiki管さんの思うように……お願いいたします。

>>379
天空人の中にはマスタードラゴンの命令で地上世界のことを調べに来た者もいるため
(どうして急に地上のことを調べさせるのか不思議がっており
「ひょっとして 自分も 地上に 遊びに来るつもりだとか?……いや そんな まさかな。」
と発言するなど5への伏線と取れる描写が入っています)
失念というより先走った感がありましょうか。
地獄の帝王による危機を下界に住む者たちに伝えようとした者もいますが、夜には
「禁をやぶって 地上へおりた私を おゆるしください……うーんうーん。」とうなされているため
禁自体は変わっていないようです。あえて補完するなら
エスターク、第二のエスターク出現による混乱のため措置が遅れている、といったところでしょうか。

マスタードラゴンの実際の台詞はこうでした。そこはかとなく違いました失礼しました;
「しかし もはや 私にもデスピサロという者の 進化を 封じることはできぬ……。
お前たちが 思っているほど この私とて 絶対の者ではないのだ。」
図書館でも「マスタードラゴンでさえも エスタークを 封じ込めるだけで 消滅させることまでは できなかった。」とあり、
エスタークやデスピサロのほうがもっとすごいんだぞという印象を抱かせようとした感もありますね。
本編だけで考えるならマーニャやブライあたりが
「……天空の神さまも 知ってるなら 自分でちょちょいと やっつけちゃえば いーのに。」
「魔族でも 天空人でもない われわれに 西の洞くつに入れとは。まったく 次から次へと ムチャばかりさせよってからに。」
などと発言しており(ブライはマスタードラゴン宛てではありませんが)
あなたなら何とかできるんじゃないの?なんで前回エスタークを封じたみたいに今回もやってくれないの?
と問い詰められるのを防ぐために先に絶対ではないと線を引いたともとれそうです。

384従者:2016/08/07(日) 13:08:59 ID:bdg2MsJQ
>>380
あくまで憶測ですので……丁寧に対応いただき感謝です。
もしマスタードラゴンが父母子すべて処するつもりでいたとしたら、天空人が母を連れ帰るだけでは仮に母の命は救えても父も子も失います。
また本人を処するより大切な者を奪うほうが残酷という見解もあるので、父と子を処しもともと母は連れ帰るというやり方も考えられます。
(だから子が生まれるまで制裁を待った)
ただ、自分だけが生き家族すべてを失うのなら、たとえマスタードラゴンの通告(脅し)だとしても母も地上に残る道(死)を選ぶのではないでしょうか。
マスタードラゴンが手をわずらわすその前に天空人が動いたということ、父は自ら処し母は子と引き離す(連れ帰る)ことで
これからの命である子だけは生かしてやってもらえまいかと訴えた、でなければ父も子も(ともすれば母も)死ぬはずだったと考えるならどうでしょうか。

ただあの、私は別に勇者父を殺したのは天空人ではないかと説得させたいわけではないんです。
前回のレスで私の中ではすでに解決していますし……(やはりマスドラが妥当だと思います)
例えば天空城に戻らなければ子の命もない(戻るなら子のことを気にかけよう)などと言われれば泣く泣く戻らざるを得ないかもしれません。
どちらにしても当時のマスタードラゴンが残酷であったことは変わりないです。
小説版では記憶喪失の母が初産の際に記憶を取り戻し怖ろしくなって神を呼び、一瞥した神が過失で全員に落雷させてしまったことになっています。
(天空人には害のない光のようです)
子は落雷の光に耐えたため神は驚愕しこの子こそ云々……ただそれではPS版のあの日記「もっとも残酷なやり方」に矛盾するのでなんとも……
そもそもなぜ下界に下りることが禁なのでしょうかね。

マスタードラゴンは勇者に天空人として天空城に住むことを提案していますがその意図もどうなのでしょうか。
もし勇者が承諾していたら勇者母も母と名乗れたのかもわかりません。

>>381
も、申し訳ないです……。
マスタードラゴンでクリアリ……は今のところ浮かばないんですよね;(何を考えているのかよくわからない人物って難しいです;)
ここからクリアリに行けそうな何か、ありますでしょうか。

385名無しさん:2016/08/07(日) 14:31:29 ID:ion9ENeA
>>384
>マスタードラゴンでクリアリ……は今のところ浮かばないんですよね;
いや、「いたるところで反映させていただくかもしれません」と仰ってましたよね
原作準拠を心がける書き手がそう仰っているので、考察を深めるのもクリアリの糧と考えてます
クリアリと無関係な流れでマスドラ論が繰り広げられたらNGでしょうけど

386従者:2016/08/07(日) 16:08:02 ID:bdg2MsJQ
>>385
なんと、ありがとうございます!
先ほどの発言に語弊があったのでどうか訂正させてください。

マスタードラゴンが直接クリアリのきっかけとなるSSが今のところは浮かばないという意味でした。
ピサロ(デスピサロ)でクリアリ、ジャコーシュ(エビルプリースト)でクリアリは一部浮かんでおり
間接的にマスタードラゴンとの接触があるのでそこで反映させていただけたらと考えております。

お世話になります。

387名無しさん:2016/08/07(日) 23:16:27 ID:ion9ENeA
クリフトの価値観の核になっているものは宗教でしょう
クリフトの宗教上の神とマスドラが同じ存在なのかは分かりませんけど、
マスドラがどんな神なのかは、クリフトの価値観に影響することは確実でしょう

クリフトの価値観が揺れるところにアリーナやブライ、また仲間たちが関わっていくと、
どうなっていくのでしょうね
特に、クリフトの価値観の再構築にアリーナが関わっていくことがあれば、
クリフトとアリーナに新たな関係性が生まれていくんでしょう


ところで、「ここにいて世界のすべてを知ることができる」と自称するマスドラは、
その気になればロザリーが襲われてるときに雷を落とせたんでしょうね
それともマスドラさん、寝てたんでしょうかね

388名無しさん:2016/08/09(火) 03:00:02 ID:ZEOvh0Ok
雷を落とせるのなら、勇者たちが戦ってるときに加勢して雷を落としてくれればいいのに。
とか思いましたが、そうしたら正体不明の雷が降り注ぐ変なゲームになりそうです。

>>386
乙です。早くも終盤ですね。
いや後で戻るのでしょうけど。

389名無しさん:2016/08/16(火) 01:51:10 ID:Syv/LTDk
四半世紀経った今でも話題があることは良いこと
普通はもう話すことなんてないんだからさ

390名無しさん:2016/08/20(土) 03:03:26 ID:unx/PtM2
素朴な疑問を吐き出させてください。
ファミコン版のAIは杖などの攻撃アイテムを優先的に使うので、クリフトのザラキ連発って私はあまり見かけなかったんですよ。
クリフトのザラキが伝説化しているということは、杖とかをあまり持たせない方々が多かったのでしょうか。
私の場合は、クリフトには常に2種類以上は持たせていました。

391名無しさん:2016/08/21(日) 16:28:49 ID:uVSqAKio
私の場合は常にクリフトに最高の装備をさせ、力の種なども与えていたせいかと思いますが
ザキ系は一度も使わず、通常攻撃と回復以外の行動はありませんでした
スクルトも使ってくれませんでしたが…なんとか無事にクリアできた思い出があります

392従者:2016/09/01(木) 11:58:07 ID:CtYOGEig
私の場合は適度にザラキ神官でしたね。(杖はブライやマーニャ、ミネアに持たせていまして)
私自身があまり気にしなかったので伝説化していることに驚きましたがまあ確かにという感じで。。

従者です、出遅れました。
実はこの5年になから完結させていたSSをほぼ投下し終えまして、今また文章化段階です。
このまま6章へ進むかいったん2章エンドールへ戻るかも迷っていまして、同時推敲しているため
今しばらくお時間いただきそうです;
時々小ネタなど携えて顔は出しますので今後とも気長にお付き合いいただけると嬉しいです。

393従者の心主知らず:2016/09/01(木) 12:04:18 ID:CtYOGEig
ということで小ネタを一つ。ほのぼのです。
サントハイム地方にはほどよく四季があるという設定でお願いします。

「もうすぐ秋ですね、姫さま」
「だんだん涼しくなってくるのね!」
「秋はなんとも切なく、寂しさを感じさせる季節です」
「えーそう?」
「たくさんの命が儚く散っていく季節だからでしょうか……」
「私は秋大好きよ?お肉もお魚もお野菜も果物もたっくさん食べられる季節なんだもの!」
「姫さまそれ、いつの季節もおっしゃっている気が……」
「そしてうーんとちからをつけてからだを一から鍛えなおすの!」
「そうですか……」
「それにクリフトがいれてくれるお茶もおいしいからお茶の時間も大好きよ?」
「え…?」
「えーと、いつもいれてくれるあのお茶なんていったっけ?」
「え、あ、ああ、ハーブティーですね」
「そうそう、それティー!あのお茶ほんのり甘いだけだからお菓子がおいしいの!」
「そうなのですね。姫さまは甘めがお好みかと思い少しばかりハチミツを入れていまして」
「そうだったのね!とってもおいしいわ!あとお菓子もおいしいのばっかり!」
「お茶うけはしつこすぎずかたすぎず、適度な甘さとなめらかさがよいかと思いクッキーやサブレ、生チョコを」
「ふーん」
「……姫さま、どうかしましたか?」
「クリフトってすごいのね。また時間があるときはお茶をいれてちょうだい!」
「…………」
「ん?クリフト?」
「姫さま、感激でございます!このクリフト、いくらでもお茶をお淹れいたします!」
「やだクリフトったら大げさなんだから」

394名無しさん:2016/09/12(月) 21:45:27 ID:nNHGdL3M
>>393
書き込みテストを兼ねて、乙をお贈りいたします!

逆引きできないホストという規制でしばらく書き込めませんでした。
この投稿は成功するのかな…

395名無しさん:2016/09/15(木) 22:09:10 ID:rLFgGjvU
>393
乙です。
そういえば4に四季を感じさせる要素があったかどうか。寒い地域もあったかどうか。
どのような気候の世界なのか気になってきますね。

396名無しさん:2016/09/20(火) 02:45:05 ID:RFxxqJYo
そういや2chは規制だらけでしたなー懐かしい

397名無しさん:2016/09/30(金) 01:24:52 ID:aK65cUNs
突然ですけど、詩人のマローニってどんな声なんでしょうか?

シスターをも魅了し、旅の商人に安眠をもたらす美声のようですね。
毎日24時間体制で休まず歌い続けるスタミナも持っています。
物語の流れから、澄んだ声なんだろうなとは思います。
でも、声が高いのか低いのか、重いのか軽いのか。
ビブラートの利かせ方はどうなのか。

マローニをSSに起用しようと思ったんですが、声が分からないもので。

398従者:2016/10/07(金) 11:41:09 ID:tuj0D.s6
「クリフトー」
「ひ、姫さま…!…………!」
「な、なによクリフト。どうせまた扉は静かに開けてくださいっていうんでしょ」
「……お久しぶりでございます……」
「え……。なによこないだ会ったばっかりじゃない。ちょっと頭上げてよ」
「いえ、いえ……もう一週間以上もお会いしておりませんでした」
「あれ、そうだったっけ」
「先週は神学の講義がありませんでしたから」
「あー」
「今週は私の都合がつかずまたしばらくお会いできないところでしたので、その……」
「そういえば先週は見合いとか面会とか疲れることばっかりだったわね」
「み、見合い!?」
「うん、ただお話ししただけ。得意なことは必殺のキックっていってやったわ」
「……」
「で、いつもどおりお父さまとじいに叱られた。縁談はもちろんなしになったわ」
「…………」
「クリフトー、今日のクリフトなんかヘン」
「はっ!い、いえ……ともかく、扉は静かに開けてください。まずはそこからです」
「……ふふ」
「この度は、政務をお疲れさまでした」
「いいわよ労いなんか。でもやっぱり、お説教のないクリフトはクリフトじゃないわ」
「…………。姫さま……」
「ん?」
「その……私の説教を聞きに来たいがためにこうして扉を強く開けるわけでは……」
「?ううん、こうなっちゃうの」
「ですよねー。……静かにお開けくださいっ」
「あーはいはい」

399従者:2016/10/07(金) 11:45:20 ID:tuj0D.s6
遅ればせながら乙ありがとうございます。

>>395
四季はわかりませんが地図南端部にあるパデキアの洞くつは一面氷に覆われる寒い場所でしたね。
中央部(やや上部ですが)では暑いという台詞も聞ける砂漠のバザー、アネイル北の大砂漠、
海辺の村ではアリーナの日光浴発言にクリフトが恐らく肌を露出する姿を想像しただろうことから
同じく寒くはない地区かと思われます。
ただそうなると同じ南端部のモンバーバラ近辺にも寒さを思わせる場所がないとおかしなことになり
結局のところ本編だけでは四季も気候もよくわからないという結論に……どなたかわかる方いませんか。

>>397
おお!マローニでクリアリ!楽しみに待ってます!
本編では美しい歌声といわれているだけのようですね。
私も澄んだ声というのは同感です。個人的にはオペラ歌手のようなものをイメージしていましたが……
そこも含めて創造されてはいかがでしょうか。

400名無しさん:2016/10/07(金) 21:18:26 ID:QkPMN2K6
>>399
初秋の候、澄み渡る空に一筋の乙。

ああ、オペラ声だとイメージと真逆なのでSSにならなそうです。
遠くまで聞こえる大声で美しいとなれば、オペラ声と考えるのが自然ですね。
ヨーデル声とかも考えられますが、マローニとは絶対に合わなそう。
他のSSを考えてみますか。
何年も抱いて全く進まない構想ですから、行き詰まって当然なんです。

401名無しさん:2016/10/13(木) 20:46:46 ID:mnJRntbk
あの世界の詩人って吟遊詩人なんだろうね
ホイミンも吟遊詩人になったのかなぁ
ライアンさんに会わないホイミンは切ない声で歌うのかな
クリフトあたりが発見してくれないかな
ホイミンを軸に進むクリアリがあってもいいじゃん

402名無しさん:2016/10/22(土) 03:03:07 ID:jOWzGGrs
ホイミン絡みだと、ライアンをさん付けで呼びたくなりますね

403名無しさん:2016/10/29(土) 17:13:20 ID:010vyZJQ
人間になったホイミンが何かに悩んで教会に懺悔しに来て、
面識のないクリフトが対応し、アリーナも気まぐれで関わって、
あーだこーだしてるうちにクリアリの仲が進展

とかネタの種は思い浮かびますが具体的な物語にするのは
だいぶ難しいですね

404従者:2016/10/31(月) 18:34:20 ID:/R.Yqr2Y
「姫!またこちらにいらしたのですな!」
「あ、じい。じゃあねクリフト、またお茶をいれてちょうだいね」
「あ、はい、姫さま」
「こりゃ姫さま!」
「戻ればいいんでしょ!戻れば!」
「わかっておいでならなぜ抜け出そうとなさるのか!」
「あーはいはい、じゃあ今度はクリフトに来てもらうことにするわ」
「え…?」
「姫さま、姫さまー!」
「…………あの…」
「まったく、どうしてああもおてんばなのか」
「…………あの、ブライさま……」
「なんじゃ」
「つい先日縁談があったとうかがいました。その、城の者たちは……」
「一部の者しか知らん。おぬしにも伝えておらんかったな」
「……そう、ですか……」
「知らせんで正解だったわ。よもやあのような結果になるなど…!」
「……お察し、申しあげます……」
「会うだけ会ってみるとすんなり受けるから成長したかと思いきや。
……やはりここはおぬしにも協力してもらうしかないのかもしれんな」
「え…?」
「ちょうど姫さまもおぬしをそばに置きたがっているようだしの」
「そ…」

こうしてクリフトは事あるごとに玉座の間に呼び出されることとなる。

405従者:2016/10/31(月) 18:40:08 ID:/R.Yqr2Y
>>400
乙ありがとうございます!
アリーナの台詞「見合い」ではなく「お見合い」と言いそうですね。失礼しました。

ああ、ヨーデル声もいいと思いますよ。
マローニのあの外見ですと線が細そうですし女性っぽい感じもしますし。
本編ではっきりしないところは創造でいいのではないでしょうか。
構想が浮かんでもなかなか具体化できないSSってありますよね。。

ホイミンでクリアリ……実は本編クリア後(ヒーローズ前)に構想だけ浮かんでおりまして。

世界が平和になり少し落ち着くとやはり外に出たがるアリーナ。
あるとき外に飛び出してしまいクリフトが急いで追いかけ同行したところ
ホイミンを捜しに旅に出たライアンと遭遇する。
彼も同じく世界が平和になり落ち着いたからやっと捜しに行けるのだとか。

「ホイミンの顔だったら私覚えてるわ。いっしょにさがしましょう!」
「なんと…!かたじけない…っ」

「ホイミンはライアンのこと気にかけててライアンは旅に出てまでさがそうとして、なんかすごいな」
「お二人はとても深い絆で結ばれているのですね」
「きずなかー」
「無事会えるといいですね。そして今度こそずっといっしょに……」
「うん!」

「あれ…?私たちもずっといっしょに旅してるけど、私たちはどういうきずななのかしら」
「えっ…と……それは……」

とかいう。
皆さんのライアンとホイミンの話を聞いて以来どうしてもお二人に再会してほしくなり
そこにクリアリが関わって改めてクリアリの絆も見直すSSにできたら二重に嬉しいかなと。
とはいえまだ2章すら終わっていないこの従者シリーズ、投下できるのはいつになるやら;
どなたかSSにできる方いましたらお願いします。

406従者:2016/11/02(水) 11:14:27 ID:ZJSwBVY2
小ネタといいながらいつも続き物になってしまいすみません;
>>393>>398>>404の続きのようなものです。思い立ったときに投下しときます。

それと前に6章か2章か迷っていた件あのまま6章に進みそうです。
何かと賛否両論ある6章、気合い入れていきますのでよろしくお願いします。

407従者の心主知らず 1/2:2016/11/02(水) 11:18:30 ID:ZJSwBVY2
「クリフトを呼んでちょうだい」
「はっ!」
「これ姫さま、クリフトとていつでも暇なわけではないのですぞ」
「大丈夫よ。今日の午前中は空いてるっていってたわ」
「なんと!気まぐれで呼んでいるわけではなかったのですか!」
「うふふ」

「姫さま…」
「んー!やっぱりクリフトのいれるお茶おいしいわ!」
「えっ…あ、ありがとうございます。もったいないお言葉です……」
「それで、なにかいった?」
「あ、はい。先週の縁談のことですが、お相手はどのような方だったのだろうかと」
「んー?えーとね、なんか似顔絵がクリフトに似てたのよね」
「えっ…」
「だからクリフトみたいにお説教する人なのかと思ったらずっと笑ってるだけだったの」
「そんな、初対面で説教などしませんよ!」
「そうなの?」
「初対面でなくてもしない方はしませんし……」
「ふーん。ただ笑っているだけなんてつまんないの」
「え……。で、では姫さま、もし、もし縁談相手がその、わ、わた……わた…」
「綿?」
「いえっその!……他にどういった方なら会ってもよいと思われるのでしょうか」
「うーん、そんなのそのときになってみなくちゃわからないわ」
「そ、そうですよね」

「最近アリーナはクリフトをよく呼んでいるようだな」
「王さま、それがあやつの用意する茶や茶菓子が姫のお口にたいそう合うようです」
「ほう、そうか」
「幼なじみゆえに接しやすいというのもあるのでしょうな」
「なるほど」
「そこでクリフトからも姫さまをおいさめするよう言おうと思うのですが……」
「ふむ……」

408従者の心主知らず 2/2:2016/11/02(水) 11:24:20 ID:ZJSwBVY2
「ずっと座っているのってつかれるわ。クリフトを呼んでちょうだい!」
「はっ!」

「姫さまがまた家庭教師の前でいねむりしてしまったんじゃ。なんとかならんものか」
「まだ学問に興味が向かないのかもしれませんね……」
「まったく困ったものだ」

「姫さまが中央部の柱をけりこわしてしまってな……」
「ああ……あれはやはり姫さまでしたか……」
「もう兵士たちでは手に負えんほど強くなってしまったんじゃ。どうしたものか……」
「……」

「今日はクリフトは空いているかしら。空いてたら呼んできてちょうだい」
「はっ!」

「んー!やっぱりクリフトのいれるお茶おいしいわ!」
「あ、ありがとうございます。もったいないお言葉です……」
「ここで飲むのもいいけどやっぱり教会のゆったりした中で飲むほうがもっとおいしいと思うのよね。
また抜け出しちゃおうかな」
「えっ…」

「神よ……。私は今、天国と地獄が同時に訪れたような気分です。
姫さまとお近づきになれたことは嬉しい。姫さまの身近な情報をいただけるのも嬉しい。
しかし、笑顔で話される姫さまをおいさめせねばならないのは……」

「姫さまが寝室のカベをけり飛ばしおった」
「えっ?」
「ついに兵士長を打ち負かしての、この城で私にかなう者はいない、ちからだめしに一人旅に出るなどといっておるんじゃ」
「一人旅……。しかし、今は昼間も魔物が出るようになって……」
「そうなんじゃ。このご時世で外に出るのは危険。クリフト、おぬしからもいうてくれ。頼んだぞ」
「は、はい」

「姫さま……」

409名無しさん:2016/11/06(日) 04:04:15 ID:oaLHEJ4s
>>408
あれ、終わってたんですね。遅ればせながら乙です。

投下の直後にお見かけしましたが投稿途中と思ってスルーしちゃってました…
2/2って書いてますのにね…

410名無しさん:2016/11/08(火) 23:57:13 ID:r0RZB5tM
>>407-408
6章どころかスタートの時点まで戻ったのかの
ただいずれにせよ乙を免れることはできぬのじゃ

411名無しさん:2016/11/21(月) 02:00:28 ID:pH3dhV3c
思えばファミコンの時代でしたね

任天堂がある程度の品質チェックをやって認証していたから、
劣悪すぎるソフトがそんなに多く出ることがなく、
アタリショックみたいなことが起きなかったという印象です
当時にしては破格の性能と価格設定もあり、
高い普及率を獲得したファミコンというハードに恵まれ、
ドラクエシリーズのような良い作品がファミコンをさらに押し上げ、
良い流れができていたのでしょう

そういった中でドラクエ4も少なからず歴史的な意味を持ち、
語り継がれていくのでしょうね

412名無しさん:2016/11/22(火) 03:05:17 ID:yURtPpsc
>>408
何かと思えば旅立ちのエピソードだったとは!
乙です

413従者:2016/11/28(月) 16:08:23 ID:N7lr7cbw
遅くなりすぎました…!乙ありがとうございます!
小ネタは台詞だけで進めるのでだいたいお城での日常的なやりとりになります。
(もしくは導かれし者が全員そろってからのある日とか)
今文章化している6章はアリーナ視点のSSでして、小ネタとはちょっと違うものと思っていただけるとありがたいです。
6章投下、今しばらくお待ちください。ややこしくして申し訳ありませんでした;

今回の小ネタが続き物になってしまったのは、
旅立ち前のアリーナとクリフトの関係はどうだったのかを考えていたらいつの間にか続いてしまっていたという。。
クリフトは玉座の間にてアリーナの命令でかわりにブライの説教を聞くというシーンがあり
王様とアリーナの部屋に入ることを「私のような身分の者が……」と気にする台詞もあり。
アリーナは後を追いかけてきた二人に「どうしてついて来ちゃったのよ。」とふくれる台詞もあることから
最初はアリーナの命令(気まぐれ?)で関われるだけで想いは完全にクリフトの一方通行だったのかなとか。
それが旅を続けることでだんだんアリーナもクリフトに……とか。
小ネタは思いつき次第(脈絡なく)投下していきますのでクリアリを語るきっかけにでもなれたら嬉しく思います。

414名無しさん:2016/12/12(月) 04:07:53 ID:A2/dROIw
欧米のクリスマスは家族で過ごしたり教会に行ったりで、
少なくとも恋人たちがいちゃいちゃする日ではないでしょうね
王家だと何か儀式的なものがあるんでしょうか
教会に勤務していると何かミサ的なイベントに忙しいのでしょうか

415名無しさん:2016/12/14(水) 04:37:23 ID:nWHpzRiY
ドラクエ5でスライムナイトがイオラを忘れてくれたらいいのにと思った
回復できる攻撃役として期待してるのに、得意になってイオラを連発するから回復する前にMPが尽きる
やむを得ず後衛に下げる

クリフトも同じで、ザキ系を忘れてくれたらもっと使いやすくなるんだけどな
ザキ系の消費は激しくないけどさ

416名無しさん:2016/12/17(土) 06:44:51 ID:ONFVPv16
あれ、408ってこれで終わってるんですかね
乙と申し述べることにいたしましょう

417名無しさん:2016/12/25(日) 07:42:29 ID:dVNlDJnI
「クリフトって、力はないけど剣の扱いは上手よね。
強い男としか結婚したくないアリーナとしては、クリフトはどうなの?
こんな激しい戦いの中でも通用してるんだから、強い男じゃない?」
ニヤニヤしがら聞くマーニャとは対照的に、アリーナの表情は曇った。
「私…クリフトに戦ってほしいとは思ってないのよね…。」
「え…」
思いがけない反応にマーニャは戸惑う。

「この旅に出るとき、一人旅をするつもりだったのにクリフトとブライがついてきたの。
でさ、初めて3人で一緒に戦って、モンスターには勝ったんだけどね。
返り血を浴びたクリフトが悲しそうに笑ったんだ。
殺生って、クリフトにとっては絶対にやっちゃいけないことなのよ。
私のせいで真っ当な聖職者としての生き方を捨てなきゃいけなくなったの。」
「聖職者ってそういうの面倒くさいからね。」
「私、後悔したんだ。
でももう戻れないのよね。血で汚した手は元には戻らない。」
「洗えばいいじゃないの。」
「そういう意味じゃなくてさ…」
「あー、聖職者の面倒くさい意味ね。モンスターが相手なら仕方がないのにね。」
「そうなんだけどね…」

「だから私は、クリフトにはあんまり剣を使ってほしくないんだ。
戦いの場にいるとしても後衛で呪文を使っていてほしい。
その分、前衛は私がやるから。」
「でもさ、最近のクリフトはザラキ偏重だから返り血を浴びてないよね。
良いんじゃない?」
「そうかな…クリフト、殺すことに躊躇がなくなってきてるみたいでさ。
元のクリフトとは違ってきてる気がするの。」
「そりゃこんな戦いの中だからね、いつまでも優しいままじゃいられないよね。」
「ううん、クリフトは今でも優しいよ。なのに心を凍らせて無理して戦ってる。
私、どうすればいいのか分からない…」
アリーナは悲しみを押し殺すように黙り込んだ。

マーニャは言葉を選びながらゆっくりと話し始めた。
「アリーナはクリフトに感謝してるよね?」
無言でうなずくアリーナを見てマーニャは言葉を続ける。
「クリフトみたいな優しい人には、感謝を伝えることが一番の癒しになるのよ。
毎日クリフトの目を見て、笑顔で感謝を伝えてあげるといいわね。
あと、ねぎらいとか気遣いの言葉もいいわよ。」
「そんなに言うことが色々あると、何を言えばいいのか分からなくなるわ。」
「ありがとう、私もクリフトのこと大切に思ってるわ…とか言えば大喜びよ。」
「それだけでいいの?」
「ああ、そういえば今日はクリスマスだったわ。何か贈り物をあげるといいわよ。」

その後に何があったか定かではないが、クリフトとアリーナの笑顔は増えたようだ。

418名無しさん:2016/12/25(日) 07:53:21 ID:dVNlDJnI
着地点のないままアリーナとマーニャの会話を書いてみました。
着地点がないなら着地点を書かなきゃいいのだ!(開き直り)

Q. アイテムもお金もパーティーの共有物だろ。クリスマスプレゼントに何をあげるの?
A. ご想像にお任せします(むしろ私が教えてほしい)

419従者:2016/12/29(木) 23:17:38 ID:mb4Lf3kk
あああ今回もレスのみで失礼します!
wiki管理人さんを久しく見なかったので心配でしたがお変わりないようでよかったです。
皆さんもお変わりないでしょうか。

>>416
す、すみません。思いついたネタはあれで終わりだったんです;
あとはゲームの通りだなーと思ったもので……
「本編へ続く」とか入れといたほうがわかりやすかったでしょうか;;

>>418
GJGJGJ!
むしろあえて着地点を書かないようにしてくださったのではないかと思うくらいな
こちらに想像の余地を残してくださる描き方にセンスを感じました。
クリフトのことを冷静に見れているアリーナにもセリフの端々から愛情が見えてきますね!

アイテムもお金もパーティーの共有物って発想はなかったです。
お金を使うときは勇者か誰かの了承がいるのでしょうか。そう考えていくと難しいですね。

420名無しさん:2016/12/31(土) 01:12:55 ID:2SybrEIc
書き手の皆様もコメントだけの皆様も、見ているだけの皆様も乙です!
いかがお過ごしでしょうか
来年は皆様にもこのスレにも実りある年でありますように
良いお年を!

421名無しさん:2017/01/02(月) 22:04:48 ID:rPXtYW.w
謹賀新年 2017

「クリフト司教、お急ぎ下さい」
 祭服を身に纏い、頭には司教冠(ミトラ)を冠り、手には経典と司教杖を持ったクリフトが司祭達と共に回廊を駆け抜けた。
「アリーナ姫様、お召し替えをお願い致します」
「分かった」
 着慣れないドレスに歩く事さえ不自由に感じる窮屈な靴を少しばかり、不機嫌そうな表情でアリーナは従女に伴って、クリフトが先程駆け抜けた回廊を同じように駆け抜けた。
 年明けと共に、サントハイムの王族と教会関係者が慌ただしくなる三日間が始まった。
 特にサントハイム王女であるアリーナ、その教育係であり侍臣ブライ、そして司教であるクリフトは、眠るまで休む暇も殆どなかった。

「もう、いい加減にして欲しいと思わない。クリフト、ブライ」
「落ち着いて下さい、姫様。これは私達の国や国民に対する責務ですから」
「でも!! 」
「まぁまぁ、お疲れなのは分かりますが」
 来賓が遅れた為に出来た思わぬ一時の休憩の中、アリーナは少し頬を膨らませていた。そんなアリーナをクリフトとブライは少し疲れた表情で宥めていた。
「もう嫌!! 」
 半分我儘、半分甘えが入った駄々に、侍臣二人は苦笑いを浮かべた。
「クリフト」
 ここはお前の出番だとブライは眉を上下させて、クリフトに視線を送った。
「姫様、お疲れのようですので、これをどうぞ。見つからないようにこっそりお口にして下さい」
 クリフトは祭服のポケットから何やら装飾された茶巾袋を手渡した。アリーナは手渡された茶巾袋を開けた。
「ボンボン(飴)じゃない」
 一つ赤い透明な飴を取り出すと口の中に転がした。
「おいしーい」
 アリーナは嬉しさとおかしさで顔を綻ばせた。
(クリフトって、飴食べないのに)
 そうクリフトは飴を食べない。そんなクリフトが何故、飴を準備していたか。
「ありがとう、クリフト」
 アリーナはクリフトにウインクをすると、三人を呼び出した近衛兵の声に踵を返した。

422名無しさん:2017/01/03(火) 01:36:07 ID:rlcDbJKc
皆様の新年を謹んでお慶び申し上げるとともに、
名無しの書き手様に乙を捧げさせていただきます。

新たな書き手様の到来はこの上ない慶事です。
幸先の良い年明けを迎えられました。
感謝感激です。

423名無しさん:2017/01/03(火) 09:06:09 ID:7EkL.jeI
乙です!
クリアリあけおめ
クリアリにとって良い年になりますように

424名無しさん:2017/01/15(日) 05:17:22 ID:Aldp3/ro
皆様乙です!
今年もよろしくお願いします!

425名無しさん:2017/01/29(日) 01:44:23 ID:ZuVKBbXs
新しい書き手さんも古参の書き手さんも良いですね。
乙です。
良い1年になりますように。

426名無しさん:2017/01/30(月) 01:12:32 ID:3hj7ISgI
>>421
乙です!

年始の3日間にどんな行事があるのでしょう?
来賓を招いての各種祝賀行事を、色々な場所で実施しているのでしょうか。
姫様が時間に追われて走るということは、王様もどこかで走っているのでしょうか。
王家の仕事ぶりに思いを馳せながら次回作を楽しみにしてます!

427名無しさん:2017/02/19(日) 14:21:16 ID:H8qmi4Sc
ひな祭りでクリアリにならないか考えてみたけど難しいです。
ジパングがあれば強引に話を作れそうなものですけど。

428名無しさん:2017/02/19(日) 15:02:49 ID:lc56gtE.
>>427
旅の扉がよじれてジパングに来ちゃったとか
新たな冒険で未知の土地に着いたとかなんか適当にこじつけちゃえ
楽しみにお待ちしております!

429名無しさん:2017/03/04(土) 11:38:03 ID:hmxO.SMg
さすがにひな祭りは使えるイベントがないですね…。
ひな人形が飾られたり、甘酒を飲んだり、和服を着てみたり?
ひな祭りからどんなクリアリを想像しましょうね。
幼少期の記憶を軸に構成すれば作りやすいのかも知れません。

430名無しさん:2017/03/05(日) 23:39:54 ID:E4lA.0lw
いにしえのサントハイム王子と嫁いだ姫君との結婚式が教会で行われた時
凛々しき王子と清らかな姫君とのお披露目を喜んだ国民たちが二人の人形を並べ
若夫婦の幸福を祈りその幸福にあやかろうとしたのが毎年の行事になり…季節はやっぱり春かな

431名無しさん:2017/03/08(水) 01:52:58 ID:HsqRy1Tg
姫君の国の民族衣装が和服なら成立するかも!

432名無しさん:2017/03/10(金) 21:53:34 ID:2hcQzTmo
初めて書いたかも

「8代目のおばあさまが異国から嫁いだ時に伝わったんだっけ?」
少しずつ食べて残り固くなりはじめたモチをつつきながらアリーナがつぶやく。
「11代目ですぞ、姫様。まったく嘆かわしいですじゃ。
明日からまたサントハイム史の復習ですな。」
炭に熱が通ったのを確かめ網の上にモチを並べるブライ。
言うんじゃなかったとスネて甘い匂いを発する小豆の煮込みをつまみ食いするアリーナ。
「日にちがたっても食べられるお菓子はありがたくうれしいものですね。
砂糖や蜂蜜がもう少し安ければもっと気軽に食べられるのですが」
微笑みながら大豆の粉に砂糖を加えるクリフト。
「来年のおモチは旅空ではなく暖かい城内でいただきたいものですな」
ブライがお茶のポットにお湯を注ぐ。
「そうね!来年はお城のみんなで美味しいおモチをいただきたいわ!
あ、でも、あの服は着たくないなぁーズルズル長いしかさ張って動きにくいし」
アリーナのコロコロよく変わる表情に目を細めてしまうのを自覚しながらクリフトは思い出す。
上等の絹を惜しげもなく使い何枚も重なった裾の長いキモノを着たアリーナ姫は不服そうな顔さえ愛らしく美しかった。
旅が終わればこのようにお近くで姫様を見ることは出来なくなるのかなと
出てしまいそうになるため息を押し殺して小豆の煮込みを取り分ける。
「たまには姫様らしい格好をして陛下を安心させるのも姫様のつとめじゃろうて。
普段から普通の姫様らしくしておればつとめではないであろうがの。
では、アリーナ様、誕生日おめでとうございます。」
「ささやかながら姫様のお好きなおモチのお菓子を用意させていただきました。
誕生日おめでとうございます。アリーナ様。」

433名無しさん:2017/03/13(月) 23:48:39 ID:V5cpMYxo
>>432
なんと初ですか乙です!
初めてとは思えない安定感がありますね
芯があるからブレがなく、安心して見ていられる作風かも

ひな祭りやお正月かと思ったら誕生日とは…最後に意表を突かれました
予想を外しながらきれいにまとめる演出、上手いですね!

434名無しさん:2017/03/18(土) 11:13:21 ID:PG04b7g2
誕生日にそういうので祝う風習があり、それが後に転じてひな祭りになるとな?
伏線だけ張って想像に任せるとは、なんとも乙な着想ではありませんか!
地方によってはお汁粉もひな祭りのアイテムなのでしょう。めでたさが倍増です。

435名無しさん:2017/03/20(月) 01:58:04 ID:bZ8wFlVw
誕生日もひな祭りも喜ばしいですが、何より新しい書き手の誕生を祝いたいです。
書き手さん乙です。

436名無しさん:2017/03/25(土) 11:06:34 ID:t9ZDdWaE
最先端で出会えるクリアリにやっと追いついたと思いましたら、
現在書き手さん待ちなのでしょうか?
せっかくなので、クリアリ小ネタ投下で2スレ失礼させていただきます。




「ねえ、クリフトは将来なにになりたい?」

 あどけない顔をした、いずれこの国の女王となる姫様は無邪気に問いかけてきた。

 現在神学の勉強中であることは重々ご理解されているはずなのだが、
 と、聖書の言葉を詠むのを止め、ふうと息を吐いた。
「姫様、今私が詠んでいる箇所に不明な点でも?」
「かみさまの言葉はね、今はどうでもいいの」
 よくありませんよ、と続く言葉を飲み込んで、ぎゅっとなる眉間に指を寄せた。
「わたしね、大きくなったら、つよい人になりたいの」
「……姫様は、今でも十分お強いと思いますよ?」
 何せ、この幼い姫様は、この国一番の兵士長を軽々と投げ飛ばすのだ。御歳七歳になられたばかりの少女が、だ。
 いくら手加減してもらっているからといって、鎧を付けた大の大人に対して出来る芸当ではもはやない。
 その上でもっと強くなりたいとは、はたしてこの姫君はどうすれば満足するというものか。
「わたしなんて、まだまだよ。
 だって世界は、こぉーんなにひろいんでしょう?
 わたしよりつよい人なんて、それこそいっぱいるわ」
「それは、そうでしょうけれど」
「だからわたしね、いつか旅をしようとおもうの」
「それは……」
 無理に決まっている。仮にも一国の姫が、武者修行の旅などと、許されるはずがない。
 そうは思っても、期待を胸に夢に夢見ている姿を、突き放すような無粋な物言いは出来ず、出来るといいですね、と呟くだけで精一杯だった。

437名無しさん:2017/03/25(土) 11:10:40 ID:t9ZDdWaE
「でね?」
「はい」
「その旅にはね、クリフトが必要なの」
「はい……はい?」
「だから、クリフトが将来なにになりたいかきいておかないと、
 いざ旅にでるとき、こまるでしょ?」
「困る、ええ、困りますね……? ええ、今もちょっと困ってます」
「でしょう? クリフトが、もしがかさんになりたかったら、えのぐの用意とか、
 コックさんだったら、いっぱいのしょくざい? ひつようになるかしら?」
「少なくとも、画家やコックには今のところなる予定はございません」
 むしろそういう役職には、すでに見習いとして入っていなければ、今の歳では遅すぎる。
「それに、私は今司祭様のもとで手習いをしております。いずれは神学校へ赴き、神の道へとむかうつもりです」
 姫様は大きな瞳をくりくりと輝かせて、それから、首が取れそうなほど大きくうなづいた。
「じゃあ、クリフトはサントハイムの司祭さまになるのね?!」
「なれたらとは思っております。けれどその道は大変厳しいものですから、私ごときに…」
「じゃあ問題ないわね! クリフトは司祭さまになる、それで、私の旅にも一緒にいくのよ!」

 うんうんと素晴らしいことだと言わんばかりの姫様に、
 司祭になるのにはそれこそ何十年もかかり修行が必要なのだが、果たしてそれまで待ってくれるのだろうかという一抹の不安が過る。
 しかし、それこそとっても嬉しそうな笑顔を前では、すべてがうまくいくような気がしてならなかった。





 結局そのあとは次の予定があるとブライ様がやってくるまで、将来旅に出たときの話ばかりで授業にはならず、
 あとでその件についてはブライ様直々に怒られるのだろうなと思っていた、そのとき。
 ブライ様に手を引かれた姫様が、あ、と思い出したように振り向いた。

「わたし、かみさまの言葉より、クリフトの言葉のほうが好きよ」



 あとに残されたのは、赤面している少年が一人。

 (終)

438名無しさん:2017/03/25(土) 11:15:26 ID:t9ZDdWaE
すみません、最初のレスであげてしまいました。
次回以降は気を付けます。
一応子供自体のクリアリということで、書かせて頂きました。

いろいろと至らない部分はあると思いますが、
他の書き手さんを楽しみにしておりますので、
またよろしくお願いします。

439名無しさん:2017/03/26(日) 01:07:27 ID:TDMofoII
僭越ながら乙を申し述べさせていただきます。
心の中にすっと入ってくる心地良さがありますね。幼少時のエピソードが現在に違和感なくつながっているからでしょうか。
彼らのイメージを大切にしながら丁寧に描いている、そんな感じがします。

ageてもsageても、この掲示板ではノーガードの2chとは違ってほぼ悪影響はないようです。
だから>>1のテンプレからsage推奨が省かれたんじゃないかなと…。

絶賛書き手待ちです。
書き手さんが離れてから立った避難所ですから、書き手さんが多くないのですよ。
ただ最近になって書き手さんが増えてきました。流れは悪くないです。
私も、他の作品が増えてきたら触発されてまた書き手側に行きたくなるかも知れません。

440名無しさん:2017/03/30(木) 14:21:22 ID:R3BCZMtA
sageなくても構わないのですね、教えてくださりありがとうございます。
また拙い小ネタですが暖かい感想もありがとうございます。
とてもうれしいです。

スレが賑わうように書き手さんが戻ってくることを期待します。
貴方様のクリアリ、楽しみにしておりますね。

報告だけでは寂しいので、小ネタ投下します。
導かれし者たち+クリアリのネタで、6レスほど失礼します。

441名無しさん:2017/03/30(木) 14:25:19 ID:R3BCZMtA
 地図にものらない、山と森に囲まれた静かな農村。
 本日の導かれしものたちの宿となったその村は、どことなく楽し気な雰囲気が漂っていた。

「オホホ祭りぃ?」
「なんだその三角メガネつけたおばさん達ばっかいそうな祭り名は?」 
 踊り子とポーカーに興じていた勇者は、
 また変な話題を仕入れてきたなと内心毒気つきながら、配られたカードに目を落とした。
 宿泊の手配をしてきたやり手の商人が、いやそれがですね、とふくよかなお腹を揺らす。
「宿の亭主の話ですが、
 なんでも顔を合わせた人同士でお互いに褒め合うお祭りなんだそうですよ。
 この祭りの期間中は、旅人でも誰でもってんですから、ねえ?
 先ほどいきなり、抱きつきたいような素敵なお腹ですな、なんて言われてしまってびっくりしましたよ」
 いやはやとっさに私には妻と子がおりますと言ってしまいましたがね、
 と商人が笑うので、つい誘われるままにその抱きつきたくなる素敵なお腹に目が行ってしまう。
「世界には珍妙な祭りがありますな」
「ええ、まったく。でも、意外にこれは面白いですよ。
 褒めたほうは気持ちいいですし、
 言われた方は照れ臭くて笑ってしまいますがね、まあ褒められれば誰でも嬉しいもんです。
 このお祭り、商売にもいいんじゃないかなあ、道具屋さんで奥さん美人ですね、なんて言われたら余分に買いたくなってしまいませんかね?」
「なるほど、トルネコ殿は商人の鏡ですな。
 しかし拙者は武人ゆえ、人を喜ばせる褒め言葉はなかなか……うーむ」
「おや、ライアンさん。今の商人の鏡という言葉は、私にとってかなりの褒め言葉ですよ。
 何気ない言葉にこそ、その人の本音が出ると言いますからね。
 ライアンさんのような気骨ある御方に、そんな言葉を貰えるなんて商人冥利に尽きるってもんです」

442名無しさん:2017/03/30(木) 14:29:22 ID:R3BCZMtA
「しっかし、褒め合う祭りが、なんでオホホ祭りなのかしらね?」
 まるで扇を開くかのようにカードを開く踊り子の手付きは、見惚れるほど美しい。
 が、対面する勇者にとって、そんなことよりも手の内のカードのほうが大事だった。
「あれじゃね……なんか……あれ」
「あれってなによ。トルネコとーさんみたいな駄洒落のセンスで決めたっていいたいの?
 私、スリーペア。あんたのは?」 
「はい、俺の勝ちー。今夜の呑みはマーニャの奢り決定ー」
「はぁ!? なによ、なにこれロイヤルストレートフラッシュって! 
 おかしいでしょ、あんたインチキしたんじゃないでしょうね!」
「マーニャと違って誰が……ああ、
 美人なお姉さんは負けたときも綺麗なんだなー俺びっくりだなー」
「おっほほほ!? 何急に、変なこと言い出すの、この子は!」

「あ、それじゃね? 祭りの命名の由来」

「……やっぱりトルネコとーさんの駄洒落並みだわ」

443名無しさん:2017/03/30(木) 14:34:10 ID:R3BCZMtA
「ねえクリフト、オホホ祭りだって」
「はい、そのようですね」
「褒めるんだって、顔を合わせた人のこと」
「姫様はいつも大変麗しゅうございますね」
「私、そういうのより、普通にかわいいねって言われた方が嬉しいと思うわ」
「姫様いつも大変可愛らしいですね……でしょうか」
「もう一声」
「姫様は可愛いです?」
「おしい! 私、もっと、クリフトの言葉で言ってもらいたいな」
「……姫様の大陽のような微笑みは、いつも私の心を温めてくださいます。
 とても、助けられて……その、おりますよ」
「あ、クリフト照れてる」
「……照れておりますので、あまりこちらを見ないでください」
「ねえ知ってた? 私、クリフトが照れるのね、好きなの」
「はい?」
「クリフトは照れると顔を隠して俯くでしょう? でもね、そうしてくれた方が――」

「私とクリフトの距離はいつもよりずっと近くなるのよ?」

444名無しさん:2017/03/30(木) 14:38:14 ID:R3BCZMtA

「ちょっとちょっとー、あそこの馬鹿ップルに、
 好きなところを言い合う祭りじゃないって誰か指摘しなくていいわけー?」
「マーニャが言えばいいじゃん。俺、絶対やだ」
「私だって馬に蹴られる趣味はなぁーいの。
 こんな時こそお爺ちゃんでしょ? どこ行ったのブライは」
「ミネアと一緒にパトリシアを預けてもらってたはずだから、そろそろ来るんじゃね?」
 作り上げたロイヤルストレートフラッシュを片手に仰ぎながら、
 勇者はのっそりと玄関の方に顔を向ける。
 視界の端に映り込むやっかいな主従から意識をそむけるためでは、けしてない。
 すると、ちょうどカランコロンと玄関が開く音がして、
 占い師と老魔導士が入ってくるところだった。

「ああーんブライ、杖を持つ姿が誰より似合うナイスミドルー!
 緑の布地が最高にキュートー、渋さがひかっ……渋さにしびれる―!」
「……」
 さっそく踊り子がオホホ祭りに乗っかり、この場の救世主へと歩み寄る。
 けれど老魔導士は憮然とした面持ちで無言を貫くので、
 すぐさま踊り子は妹へと助け舟を求めた。
「ああーんミネア、私の命より大切な妹!
 すべすべの肌! 憂いを帯びた瞳も美人ねー! きゃーかわいい!」
「姉さん、ちょっと」
「え、なあに?」

445名無しさん:2017/03/30(木) 14:42:23 ID:R3BCZMtA
「その祭りのことはさっき人に聞いて知っているの」
「あれ、ほんと? やだー、それならこの祭りはお互いのことを褒め合うのよ?
 わかる? ほーめーあーう、よ?
 一方通行じゃダメなんだから……って、なに、何かあったの?」
「ちょっと、ブライ様がね」
「お爺ちゃんが?」
「いい? 絶対に笑わないでよ? 
 ……さっき馬小屋から出たとき、ブライ様と小さい女の子とぶつかったのよ。
 まあ別にその子が転んで怪我をしたとかじゃないだけど、
 それで……顔を合わせたわけじゃない?」
「女の子はここの村の子よね? じゃあお爺ちゃんのこと褒めてくれたんでしょ? 
 いい話じゃない。それがなんであれ?」
「それがねえ……」

『おじいちゃん、お日さまがいつも昇っているすてきな頭してるね!』

「……って」
 女の子にとっては十分褒めたつもりなのだろう。
 しかしそんな祭りがあるとは露知らない旅人が、
 どうしてすぐさま女の子を褒め返すことが出来ようか。
 常日頃頭上には大変気を使っているデリケートな部分であるだけに、
 固まってしまった老魔導士を誰が責められよう。
 けれど、一向に相手からお褒めの言葉を貰えない女の子が、
 泣き始めてしまってはもはや誰にもどうしようもない。
 心優しい村人が、そっと二人に祭りの説明をしてくれたおかげでなんとかその場はやり過ごせたが、
 時すでに遅し。

446名無しさん:2017/03/30(木) 14:47:13 ID:R3BCZMtA

「―ーぶはっ! ひゃーっはっはっは! 何その子サイコー!」
「笑わないでって言ったでしょ、姉さん!」
「み、ミネア殿、先ほどの話はやめてくだされと言ったではないか!」
「ああもう、ばれたじゃない! 姉さんの馬鹿!」
「なんで私ばっか責めるのよー、こいつだって肩震わせて大爆笑してるじゃないの!」
「わら、わらってないって! むっ、むせてるだけだって!」
「ふ、ふん! 若造が、年寄りを馬鹿にすると痛い目見ますからなっ
 わしは失礼させていただきますぞ!」
「あ、待って待ってブライ! 今日、飲みマーニャの奢りだからさー!
 夜は好きなだけ呑んでくれよ、な?」
「ちょ、この馬鹿! 全員に奢ってたら破産しちゃうじゃないのよー!」

「あ、ブライ、おかえりー。
 ねえ知ってる? この村ね、今オホホ祭りってお祭りやってるのよ」
「お互いを褒め合うお祭りだそうです」
「素敵な祭りなのよ、ね、クリフト?」
「ええ、ですからブライ様も是非……」

「あ――! そこのお馬鹿主従! 火に! 油注がないでー!!!」

 その日の夜、さぞや飲めや食えやしたかというと、
 ちょこんと座っていた酒場のマスターの娘と目が合った魔導士は、
 あーおひさまのおじいちゃんだーという嬉しそうな声に、
 ひたすら気まずそうに麦酒を飲む他なかったという。


【終】

447名無しさん:2017/03/30(木) 14:52:15 ID:R3BCZMtA
クリフトは照れたら顔を隠すよね
でもそれってアリーナからするといつもより顔の位置近くなるよね
身長差ネタとしてそれは絶対見逃せないよね! という妄想から書き始めたら
なぜかオールキャストになってしまいました。なんででしょう、すみません。

旅の合間の、騒々しい仲間たちにいながら
突如二人だけの空気感を醸し出すクリアリが好きです。
でも周りに突っ込まれると
付き合ってません、そういうんじゃないんですとか言い訳する感じがもっと好きです。
今回そこまで行けなかったので、次回そのあたり書きたいと思います。

あとはひたすら他の書き手さんのクリアリを楽しみにしながら
小ネタをしたためてお待ちしております。

それでは長々と失礼いたしました。

448名無しさん:2017/03/31(金) 03:11:11 ID:dRgL84hw
時間の都合で読んでませんが、ひとまず先に乙
時間ができたらゆっくり読ませていただきます!

449名無しさん:2017/04/01(土) 00:24:25 ID:fN4F4NPM
乙です
どうクリアリが進展するのかと思いきや、まさかのブライ主役で突っ切る展開
これは意表を突かれましたね
いや、そうと見せかけて「その頃ふたりは…」とクリアリに続くのでしょうか

変化球でじらすのもテクニックのうちなのでしょう
タイミングを外した球を見せてからの直球は、ただの直球よりも強いです
次はどんな球が来るのでしょうか、続きが気になってきます

450名無しさん:2017/04/06(木) 05:02:01 ID:T0RtLh0Q
新年度は旅立ちの時期です
皆さんも新しい門出があったり新人を迎えたりしたのでは
そういった心境をベースにしてクリアリを作っても良さそうですね
作品として成立しなければネタだけ出すのも

451名無しさん:2017/04/06(木) 17:24:06 ID:HmvkOdSI
>>448,>>449
乙ありがとうございます!
甘いクリアリを書いているとつい変化球でギャグに逃げたくなる癖が…。
直球を投げられるよう、精進いたします。

>>450
新人のクリアリですか…。なんて素敵な響き。

アリーナが新入社員として入った会社に、幼馴染だったが引っ越しで疎遠になってしまったクリフトが先輩として働いていて…!?
泣き虫でひ弱だったはずなのに、今ではびしばし仕事が出来る上にカッコいいと評判のクリフト。
昔と今の差に、アリーナはなんだか面白くないような気持ちを抱いていた。
おまけに、何故かクリフトはアリーナを避けている。
仕事上の話はまだいい。けれどそれ以外の話をしようとすると露骨に目も合わせない。
歓迎会の集まりで二人きりになれたアリーナは、
せっかく再会出来たのに、どういうことなのかとクリフトに詰め寄ると、

「あまりにお美しくなられていて、直視など出来ませんでした」



なーんて言われるクリアリどこかに落ちてませんか?
その後お約束通り隣同士の部屋だったオチが付いているとなお良しです。


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