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クリフトとアリーナへの想いは Vol.1

432名無しさん:2017/03/10(金) 21:53:34 ID:2hcQzTmo
初めて書いたかも

「8代目のおばあさまが異国から嫁いだ時に伝わったんだっけ?」
少しずつ食べて残り固くなりはじめたモチをつつきながらアリーナがつぶやく。
「11代目ですぞ、姫様。まったく嘆かわしいですじゃ。
明日からまたサントハイム史の復習ですな。」
炭に熱が通ったのを確かめ網の上にモチを並べるブライ。
言うんじゃなかったとスネて甘い匂いを発する小豆の煮込みをつまみ食いするアリーナ。
「日にちがたっても食べられるお菓子はありがたくうれしいものですね。
砂糖や蜂蜜がもう少し安ければもっと気軽に食べられるのですが」
微笑みながら大豆の粉に砂糖を加えるクリフト。
「来年のおモチは旅空ではなく暖かい城内でいただきたいものですな」
ブライがお茶のポットにお湯を注ぐ。
「そうね!来年はお城のみんなで美味しいおモチをいただきたいわ!
あ、でも、あの服は着たくないなぁーズルズル長いしかさ張って動きにくいし」
アリーナのコロコロよく変わる表情に目を細めてしまうのを自覚しながらクリフトは思い出す。
上等の絹を惜しげもなく使い何枚も重なった裾の長いキモノを着たアリーナ姫は不服そうな顔さえ愛らしく美しかった。
旅が終わればこのようにお近くで姫様を見ることは出来なくなるのかなと
出てしまいそうになるため息を押し殺して小豆の煮込みを取り分ける。
「たまには姫様らしい格好をして陛下を安心させるのも姫様のつとめじゃろうて。
普段から普通の姫様らしくしておればつとめではないであろうがの。
では、アリーナ様、誕生日おめでとうございます。」
「ささやかながら姫様のお好きなおモチのお菓子を用意させていただきました。
誕生日おめでとうございます。アリーナ様。」


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