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リョナゲームブックを作ろう!
1
:
名無しさん
:2007/06/04(月) 03:16:46
物語の途中で選択肢を選択し、いろんな方向へ物語が分岐するゲームブック。
しかし、リョナ向けのものはあまりありません。
そこでみんなの力を合わせて、リョナゲームブックを作ってみませんか?
設定や、投下ルールに関する意見募集中。
まだまだ形になっていませんが、よろしくお願いします。
114
:
名無しさん
:2007/07/04(水) 05:53:26
【
>>68
より分岐】
≪このままでは全滅だ、必死で脱出を試みる≫
危機にあってこそ、冷静であれ。冒険者として生きる者の鉄則だ。
しかし、最良の判断を下せるだけの時間がいつも与えられるとは限らない。例えば今のエルキスがそうであるように。
それでも選ばねばならない。冒険者に限らず人の運命とはそういうものだ。
ネクロマンサーの魔力を受け、死霊がそこいら中から無数に湧き出す。
魂を汚される苦悶と、生者への憎悪は、邪気となって試合場を包み込んでいた。
エルキスは瞬時に思考を走らせる。状況は悪い。既に最初の一歩を踏み外し、天秤は死と敗北の側へと大きく傾いた。
死霊達に支配されつつある戦いの流れをひっくり返せるだろうか? 自分達はこの戦いの勝者になりえるだろうか?
(──やばくなったらすぐに戻ってきてくれよ?)
入り口の兵士の言葉を思い出したエルキスは決断し、まだ立ち上がれずにいるリーファンの方へと向き直る。
あそこからリーファンを助け出すのだ。そしてここは一度退こう。
試合場の中央、舞台上のネクロマンサーは静かに佇み、動く気配はない。
だが、ネクロマンサーの哀れな下僕と化した死者達はリーファンを取り囲もうとしている。その数、四体。
立ち止まって考える猶予はもう残されていなかった。
「ルネス! そこから援護してッ!」
叫び、駆け出すエルキス。
「……え? あ、はい!」
姉の声を受けたルネスは、縮み萎んでいた勇気を僅かに回復させた。慌てながらも、魔法を発動するべく構えをとる。
リーファンへと駆け寄る背中を見据えながら深く息を吸い込むと、前方へと突き出した両の腕に意識を集中させ始める。
制御を受けて両腕へと注ぎ集められた魔力は、渦巻きながら膨れ上がり、聖なる波動を帯びて白い輝きを放ちだした。
その光を受け、ルネスに近づこうとしていた死霊達が業火におののくように歩を止める。
両腕に白い光を纏い、ルネスの心身は引き絞られた弓と化している。
この体勢で待機していれば、新たな死霊が現れても即座に聖光の矢を撃ち浴びせることができるだろう。
か細い勇気で己を支えながら、無言で見守る視線の先。エルキスは死霊達に刃が届く間合いまで辿り着いていた。
「ハァァァアアアッ!」
薙ぎ払う刃が、二体並んだ死霊達を一撃で通り抜ける。腰から上下に分かたれた亡者の姿は、湯気のように薄れて消えた。
次なる死霊を、踏み込みつつ手首を返し振り上げた刃で両断。頭上へ昇った剣を諸手で握り直し、残る四体目へ渾身で打ち下ろす。
急降下する斬撃は、死霊がエルキスを見上げる間もなく、頭からその姿を断ち割った。
リーファンに群がる死霊達を、危ういところで一掃したエルキスは呼吸を整える。
どうやら、雑兵たる死霊達は一撃で形を失う程に脆く、動きも鈍いようだ。
この場からの脱出は、容易ではないにせよ不可能でもなさそうだった。
「リーファン、立てる!?」
「……ん、どうにか、ね。」
膝に力が入らずにふらつきながらも、身を起こすリーファン。
全力で戦える状態でないことは、エルキスのみならず数十歩を隔てたルネスからも見て取れた。
「ここは一度退きましょう」
「……」
撤退や迂回はリーファン好みの選択ではない。できればネクロマンサーに逆襲の拳を叩き込みたいところだ。今すぐに。
「勝てないって言うの?」
「ええ。準備不足だったわ」
落ち着きを崩さぬ口調でエルキスが返す。
長期戦となりそうであれば撤退する。リーダーとして、エルキスが事前に決定していた方針である。
速攻撃破どころか、勝てるかどうかも怪しいこの状況。
分の悪い賭けは、依頼を受けた冒険者としてエルキスが抱く責任感に反する行いだった。
「……了、解」
リーファンとて、理を解さぬ頑固者ではない。リーダーとして、友として、エルキスを信頼している。
不服の色を顔に滲ませつつも、リーファンはエルキスの判断を受け入れた。
短いやりとりの合間にも、三人への包囲は狭まりつつある。
試合場と観客席を隔てる壁を背に、三方向から数十体の死霊達がゆっくりと群がり迫っていた。
115
:
名無しさん
:2007/07/04(水) 05:54:21
まずは、ルネスが待機する試合場出入り口まで辿り着かねばならない。
リーファンに先に戻るよう指示すると、エルキスは殿(しんがり)を守るべく剣を構えた。
寄り集まる死霊達に注意を払いつつ、慎重に後ずさる。舞台上のネクロマンサーは、依然、黙したままだった。
ある程度近づかれるまでは、自ら手を下すつもりはないのだろうか? エルキスはそう推察した。
一歩、もう一歩とエルキスが退きさがる。一歩、もう一歩と死霊達が距離を詰める。
リーファンがルネスの元まで到達したのを横目で確認し、エルキスは足を止めた。
「ルネス! スプレッドを撃ってッ!」
叫び、その場に屈みこむ。
号令から一瞬遅れてルネスは両腕を広げた。そして左右の腕に渦巻く魔力の流れに命じる。
聖光よ、飛び拡がって敵を討て、と。
「……"スプレッド"ッ!」
開かれた指先から、細い光の筋が無数に飛び出し扇状に拡散していく。
放たれた光は、屈んだエルキスの頭上を越え、大軍勢が一斉に放つ矢の雨の如く死霊達を貫き、次々と消し去った。
ルネスが唱えた"スプレッド"は、威力の強化ではなく攻撃範囲の拡大を目指した呪文である。
大量かつ広範囲に発射される光線は、回避が困難な反面、命中しても与えられるダメージは小さい。
的が小さく狙いにくい敵との戦いや、一対多数の状況での牽制等が主な使いどころとなる。
低威力の呪文でも、この死霊達には充分だろうとエルキスは考えたのだ。そしてそれはほぼ正解だった。
この一度の攻撃で、密集した死霊達が形成した包囲の壁は大きく崩れている。残る死霊は、僅か数体。
しかし、"スプレッド"に耐えきった死霊はいずれも他の死霊達を凌ぐ力を備えているようだった。
雑魚どもとは違うとでも言わんばかりに色濃い邪気を発し纏っている。見るからに手強そうだ。
まともに相手をすれば、恐らくは苦戦を強いられるだろう。
今が撤退の機だと感じとり、エルキスは素早く身を翻して二人のもとへと駆け戻った。
危ういところではあったが、収穫もあった。これである程度の対策も立てられるだろう。次は勝利することを胸の内で静かに誓う。
ネクロマンサーは相変わらず、こちらへなにかを仕掛けようという素振りを見せていなかった。
もしなんらかの魔法攻撃を放ってもこの距離では間に合わない筈。つまり、あとは逃げるだけだ。
「さ、逃げましょう」
「はい!」
「おう」
そうして三人が一歩を踏み出した瞬間。死霊が蠢き邪気が満ちる試合場から逃げ出そうとした、その瞬間。
突如、目の前で閃光が弾けたかと思うと同時に身体が宙へ跳ね飛ばされた。激痛が全身を貫くがそれも一瞬。
悲鳴を上げる間さえなく、地面に叩きつけられる前に三人の意識は闇に沈んでいた。
116
:
名無しさん
:2007/07/04(水) 05:55:20
目覚めたエルキスが最初に見たものは、弱々しい灯りだった。
魔力で生成された発光体を、ガラスの器に封じ込めたものが地面に置かれている。
全身に燻る鈍い痛みに耐えながら上半身を起こして周囲を見回すと、石造りの壁が四方を閉ざしていた。
窓はない。鉄の扉が一枚。頭上は濃い闇に覆われ、天井がどうなっているのかはわからない。
立ち上がって灯りを持ち上げてみたが、天井がどうなっているのかは見えなかった。
この部屋の天井はかなり高いらしく、光がそこまで届かなかったのだ。
ここが何処なのかはわからなかったが、とりあえず死後の世界ではなさそうだ。
己が血肉は確かにここにある。ルネスとリーファンも、まだ気を失ったままだが命に別状はなく見える。
少しずつ現状が見えてきたところで、エルキスは自分の愛剣が見当たらないことに気づいた。
鉄扉に手をかけてみるが、予想通り開かない。監禁されているとしか呼びようのない状態だ。
ネクロマンサーの下僕となって魂を冒涜される運命は免れたものの、楽観的な気分にはなれそうもなかった。
室内の薄暗さも気持ちを沈ませる。
「…………」
何故こうなってしまったのか。エルキスは石壁に背を預けながら、無言で回想を巡らし始めた。
まず、あのまま戦い続けるのを無謀と判断したこと自体は間違っていなかった筈だ。
とは言え、思慮不足ゆえに犯した過ちも認めざるを得ない。
試合場から逃げ出そうとした自分達を阻んだのは、踏み入った者を閉じ込める結界障壁だろう。
逃げ道は、最初から封じられていたのだ。ネクロマンサーが何故、積極的に動こうとしなかったのか、動く必要がなかったのか。
魔法に長けた怪物は、どうやって獲物を待ち受けるだろうか? もっとよく考えれば思い至った筈なのに……。
いつの間にか自己嫌悪の網に囚われていることに気付き、エルキスは思考を中断した。
他にも考えることはいくつかある。まずはルネスとリーファンを起こして、三人で話し合ってみよう。
そう決めてエルキスが身を乗り出そうとした途端、その手間は省かれた。
見計ったように鉄扉が開かれ、甲高い軋みが断末魔の絶叫のように室内の空気を激しく振るわせたのだ。
エルキスは慌てて耳を塞いだが、ルネスとリーファンは聴覚的苦痛を伴う覚醒を強いられることになった。
「……お目覚めですか?」
鉄扉の向こうから現れ、悠然と声を発したのは女性だった。エルキスと同い年か、少し年上といったところだろう。
鞘に収めた剣を手にしている。細やかな装飾が施された、値の張りそうな一振りだ。
現れた女性の顔を見たルネスとリーファンは軽く混乱した。急に目覚めたばかりで事態を把握できていないのだ。
エルキスも驚きはしたが、先に目覚めて考える時間があったぶん、納得もしていた。
試合場で倒れた自分達をわざわざここまで運んできたのが何者であるにせよ、今回の依頼にはなにか裏がある。
そこまでは推測できていたのだ。どんな事情や企みがあるのかまでは見当がつかないが。
エルキスは問うてみることにした。はっきりさせたいことが幾つかある。
「もしかして……あなたが、あのネクロマンサーを?」
「ええ、そのとおりです」
領主の娘にして依頼者である筈のロゼッタは、柔らかな口調で告白した。
「何故、私達をここへ?」
「別にあそこで死んで頂いても構わなかったのですが、まあ、それも少し勿体無いかと思いまして」
「…………」
自分達は「救出」ではなく「回収」されたといったところだろうか。
ロゼッタの目的が何であれ、自分達をこのまま帰すつもりはないのだろうとエルキスは結論を出した。
「……よくわかんないんだけど、つまりあんたは黒幕で悪人だったってこと?」
エルキスが沈黙したところに、リーファンの問いかけが割り込む。
「そういうことになりますね」
ロゼッタは、余裕を漂わせる態度で改めて肯定する。
その返答を受け、リーファンは即座に動き出していた。エルキスが止める間もない。
即決断・即行動という単純明快な信条はこの状況でも不変。
この身が万全の状態でないことなど関係ない。どうにか動けるならそれで充分。
目の前に立つロゼッタが黒幕だというのなら。迷わず、惑わず、この拳を打ち込めばいいだけだ。
それがリーファンという少女の流儀であり信念だった。
117
:
名無しさん
:2007/07/04(水) 05:56:01
しかし、その一撃は届かなかった。
「……あぶないですよ」
ロゼッタは面倒くさげに、迫りくるリーファンへ手を掲げた。
「……ンぐッ!?」
突進は唐突に止まった。リーファンの首に、背後から縄が巻きついている。縄は頭上の闇から伸びていた。
念じて操れるように魔力を通した縄が、光届かぬ天井の暗がりに潜ませてあったのだ。
「か……は……!」
リーファンは両手で縄を掴んで振りほどこうとするが、締め付ける力は衰えない。むしろ強まっていく。
「嫌あッ!」
続いて、ルネスが悲鳴を上げた。リーファン同様に、天井から伸びたものに襲われている。
次なる凶手は縄ではなく、先端に鉤針のついた二本の鎖だった。
恐怖と混乱がルネスを竦ませている。試合場の結界障壁に弾かれたダメージも、痺れとなってまだ手足に残っている。
他の二人に比べて身体の回復が遅く、回避も防御も満足にこなせない状態のルネスを、鎖は容易く捕らえた。
左右の手首に絡みつくと、蛇が牙を衝きたてるように手の平を貫き、その身体を吊り上げる。
「くッ……あぁ……!」
両足が地面から離れる。鉤針が引き上げる力と全体重が、両手を傷口から上下に引き裂く激痛となってルネスを責めた。
すぐに、ぼろぼろと涙が零れ始める。臆病な性格のルネスは、三人の中で最も痛みに弱いのだ。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん……たすけて……!」
「……ふ……ぎッ!」
泣き叫ぶルネスの声と、首の縄を外さんと足掻くリーファンの呻きが薄暗い室内を満たしていく。
魔力で操る縄と鉤針の仕掛けが上手く機能したのを見たロゼッタは、口元に手を当てながら満足げに眼を細めた。
その眼差しは、嗜虐の喜びに酔っている。
一方、対峙するエルキスは怒りの視線でロゼッタを射抜く。状況は絶望的だった。
武器はない。圧し掛かる疲労感が全身を支配し、気を抜けば膝をつきそうになる。
思考上には、不確実で危険な選択しか浮かばない。
それでも選ばねばならなかった。冒険者の運命とはそういうものだ。
<<掴みかかってロゼッタの剣を奪うことを試みる>>
<<屈服して二人の命乞いをする態度を装い、隙を窺う>>
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