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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

143:2007/08/06(月) 23:32:49 ID:???
(関連作品>>36〜 >>74〜 >>103〜 >>128)

天と地の差の裏話
『まとめ』




最初はメイがモララーに捕まる事から、最後はウララーが路地裏で何かを見つける事まで。
全ての出来事が終わってから、一ヶ月が経った。
昨今、この街は『片腕が黒い少年』の話で悪い方向に賑わっている。
しかし、彼等は、この物語の歯車達はそんな話なんて露ほどにも思わない。
唯、自分のしたいこと、目標、目的の為だけに生きた。
そして今、歯車は更に噛み合い、隣り合う歯を牙に変えて互いを傷つける。

一ヶ月の間に、それぞれの牙を研ぎ、磨いてきた。
一ヶ月の間に、それぞれの念いは膨らみに膨らんだ。

誰が生き残るかなんて、誰も知る筈がない。




街の一角にある、寂れた商店街。
平日でさえ、殆どの店にシャッターが下りている。
人気があまりない事から、被虐者が身を潜めるのに良い環境である。
逆に言えば、加虐者にとっても良い環境でもある。

今日もまた、この商店街で虐殺が行われようとしていた。




「ヒギャアアアア!! 誰か、誰かぁぁぁ!!」

尻尾があった所から鮮血を撒き散らし、何者かから逃げているちびギコ。
恐らく、加虐者に襲われたが、代償は尻尾だけに留まったので、ここに隠れようと走ってきたようだ。
前述の通り、被虐者にとってここは防空壕のようなもの。
店と店の間に入り込めば、たやすく身をくらます事も可能だ。
しかし、ちびギコは必死になりすぎて、自分の犯したミスを知らないでいた。

「アヒャ! やっぱり糞虫は糞虫だナァ!」

ちびギコの後方で、追う者の影が見える。
赤い身体をしたAAが、種特有の笑い声を発しながらちびギコを追い掛けていた。
彼はアヒャという名前で、加虐者でもあり、ちびギコの尻尾をもぎ取った犯人でもある。
何故、被虐者を見つけておいて、そのまま虐殺せずこのような事をしているのか。

答えは至極簡単である。
逆『ヘンゼルとグレーテル』だ。
童話の中で、彼等は森の中で迷わないようにと、パンくずを進路に撒き目印にしていた。

この場合、趣旨は違えど、ちびギコの尻尾の付け根から溢れる血が、パンくずの役割を果たしていた。
アヒャはこうする事によって、尻尾をもいだ被虐者の後を追い、その住家と家族を見つける。
鴨が葱を背負うというより、鴨自身が葱の在りかを教えてくれているようなものだ。

必死になっているちびギコは、それに全く気付いていない。
振り切ったと思っても、また現れる事に吐き気を感じながら、商店街を縦横無尽に駆ける。




命懸けの鬼ごっこは、あっさりと幕を閉じた。
商店街の地理を把握しきれていないちびギコは、ついに袋小路に入り込んでしまった。

「あ・・・あぁ・・・」

上を見上げると、その場にあるものを積み上げれば登れる位の場所に屋根があった。
どう考えても、そんな事をする前に捕まってしまう。
真後ろでは、死神が不快な笑い声を響かせている。
恐怖で脚は震え、溜まりに溜まった涙はぼろぼろと流れ出す。

振り向けば、滲んだ視界の中央に嫌らしく笑う者がいた。
そいつの手には鈍く光る包丁がある。
つい先刻、簡単に尻尾を切り離したあの忌ま忌ましい得物。
次にそれで切り離されるのは何処だろうか。
想像しただけで、腰が抜けてしまった。

「ナんだ、闇雲に逃げてタだけかア」

「や、やだ・・・やだぁぁ・・・」

いつもは傲慢で鈍いちびギコでも、アヒャからだだ漏れる狂気にすぐに侵された。
だから、振り向いた今やっと、自分が撒いた血の痕に気付いたのだ。
誰がこんな頭の悪そうな奴に猿知恵を与えたのか。
そう心の隅で毒づきながら、必死で命乞いをする。
もはや助かる事よりも、一分でも、一秒でも長くこの地の息を吸っていたいと。


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