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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

128:2007/07/22(日) 15:50:24 ID:???
(関連作品>>36〜 >>74〜 >>103〜)
※今回は、>>74からの話の続きになります

天と地の差の裏話




例えば、暗闇。
光というストレスのない世界。
聴覚だけを頼りにしなければ、そのまま死へと突き進む。
全ての恐怖が『見えない恐怖』と化す世界。
そんな所に、覚悟もなしに行く奴なんていない。
自分以外の誰かが、その世界へ行く切符を持っているのだ。

そして、その切符を切られた者は・・・。






慣れ親しんだ者が、首から上だけをこちらに向けていた。
苦痛と恐怖で酷く歪んだ表情をし、口を大きく開けている。
少し前に、そこから断末魔の悲鳴をあげていたというのはすぐに理解できた。

「う、うわあああぁぁぁ!!!」

フーは、こちらを睨むノーネの生首を見て、身体に電流が流れるような感覚を覚える。
その奥にノーネを殺した者がいる事すら忘れ、盛大に叫んだ。

罰なのだろうか。
浮浪していた二人が出会い、そのまま一緒に生活をする。
それが、いけない事だったのだろうか。
家族がいない命が、他人と共に生きる事は駄目なのだろうか。
いや、違う。
油断した自分達が悪いのだ。
糞虫とほぼ同じ立ち位置にいるのだから、常に死と隣り合わせだった筈だ。
それを忘れ、自分は虐殺という娯楽に目を向けてばかり。
気が付けば、既に死神に肩を叩かれていたのだ。




もはや自分にすら理解できない思考を張り巡らす程、フーは混乱していた。
もう少し冷静であれば、その場からすぐに逃げ出すことが出来たというのに。

「あら、あら。アナタは逃げたりしないの?」

血と臓腑の床を歩き、化け物が近付いてくる。
フーは化け物が言うように、今この場から離れたい。
逃げたい。
しかし、その意志に反して下半身が全く動かない。
蛇に睨まれた蛙でもあり、大切な者の死というショック。
フーをその場に縫い付ける事柄は、十二分に揃っていた。

それでも、フーは必死で逃亡を謀る。
全身は脂汗で濡れ、目には涙が溜まっていた。
がくがくと震える脚を、少し後ろにずらすだけで吐き気が込み上げる。

「う・・・く・・・」

歯を食いしばり、一歩ずつ後ろに下がる。
路地裏から抜け出せば、誰かが見つけてくれるかもしれない。
だが、この化け物を退治してくれる保証はない。
それでもフーは可能性に縋り付き、酷くゆっくりとその場から離れていく。

どのくらい下がればいいのだろうか。
先が見えない。
ほんの少しの距離が、果てしなく長く思える。
まるで両端のコンクリの壁が、永遠に続いているようで。
更に、一歩下がる度に化け物もこちらに迫ってくる。
恐怖に怯える自分を見て、嫌らしく笑いながら。

血に塗れた爪を翻し、化け物はノーネの上を歩く。
気配を殺して獲物に近付く虎のように、身を低く置いている。
しかし、表情はそれに反して、面白そうな物を見つけ、それをつついて遊ぶ子供のようなものだった。
ゆらゆらと靡くねこじゃらしに飛び付かんとするような子猫の目。

「こういうのも、いいわ。かたつむりのように、ゆっくり、ゆっくり・・・」

それでいて、裂けているのかと思ってしまう程吊り上がった口。
そこから意味不明な言葉を発し、更に化け物の目がぐるりと瞼の中で回転した。

「ひ・・・!!」

あまりの悍ましさに、フーは背筋が凍りつく。
そして、産まれたての子馬のように覚束なかった脚は、持ってきたちびギコに引っ掛かってしまった。


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