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戦場スレpart1

792マリア ◆RwKPe43EuA:2012/05/31(木) 21:23:33 ID:3A1yqJcw
>>791
手応えのない射撃を続けながら、マリアは網膜上で減少していくカウントの数値に意識をこらす。
幸いにして、敵機は接近することなく、一定のレンジを保ったままだ。

(4…3…2…!)

そして、ついにカウントは0となり解析・チャージ完了の表示が点灯した。
マリアの顔に、かすかに安堵と喜びの色が差す。

「お生憎様。時間切れです!」

言うや、パンドラを上空へと飛翔させるマリア。
周囲の環境や、敵機のパイロットの肉体に影響の無いよう、諸々の数値をコントロールしたうえで、
パンドラが持つ、最大最強の武器を解き放った。

「ナノディスチャージャー…作動!」

両腕を広げたパンドラの腰部左右から、ナノマシンを広域散布するためのディスチャージャーユニットが展開し、虹色の燐光を勢い良く噴出する。
舞うように水平に回転するパンドラを中心に、幾重にも折り重なったオーロラのような光が伸び、周囲一帯を幻惑敵な虹色の空間に包んでいく。

このナノディスチャージャーこそがパンドラの切り札。
激しいジャミング効果を持つ力場と、敵機の構造材に合わせた浸食ナノマシンの散布によって
範囲内のあらゆる機動兵器を無力化させる、強力無比な防御システムであった。

散布用の斥力場に軋みを上げる敵機を尻目に、マリアは彼らに背を向け、高空へと離脱を図る。

「…もう会うこともないと思いたいものですね。さようなら」

全機体が、ナノディスチャージャーの虹色の力場に包まれていた。
救援が訪れるまで、彼らが自分を追う術は無い。

そう、無いはずだった――。




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