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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

1名前が無い程度の能力:2008/11/26(水) 00:23:45 ID:qDu.RquQ0
安価の人のお題で自分の好きなキャラの妄想をするスレ。

【例】

お題:煙草 キャラ:パチェ

「ここじゃ吸っちゃダメだよな…?」

「図書館の中は禁煙よ」

「…だよな、ちょっと外散歩してくるよ」

「えっ?」

「ほら、パチェも喘息持ちだし、な」

「だ、大丈夫よ、小悪魔、窓を全部開けてきて頂戴、あと○○(名前)に灰皿も」

「…大丈夫か?」

「へ、平気よ。ほら、早く座って、本の感想でも聞かせて頂戴」

「そうか…じゃあここで吸っちゃうぜ」

「え、えぇ」

(…むきゅー)

101名前が無い程度の能力:2010/01/27(水) 07:51:14 ID:gMxO2zUE0
>>99  初投下 気軽に投下できる場所があるのはいいことだ。


それは守谷の神社の昼飯時、神奈子の一言が事の発端だった。

「いやー、毎度のことだけど、早苗の料理はおいしいわねぇ」
「ありがとうございます」
「早苗は料理上手だよなー」
「そんな…」

神奈子と諏訪子に褒められ、謙遜しつつもまんざらでもない様子の早苗。
こんな時こそ、二人の巫女をやっていてよかったと思う瞬間だ。

「でもぉ…」
「でも?」

しかし、神奈子の発言はまだ続いていた。あきらかに陰りのある言い出しにピクリとなる。

「もう少し幅があったらいいんだけどねぇ」
「幅?」

神奈子の発言に不服をあらわに聞き返す。幅とはつまり料理の種類という意味だろう。
そういった意味でなら、自分は十分に多種多様な料理を作ってきているはずだ。

「早苗は和食ばっかだからなー」
「そうそう。たまには洋とか中とかでもいいんじゃない?」
「…そういうことですか…」

言われてはっとする。確かに様々な料理を作ってきてはいるが、それは和食に限ってのことだ。
洋食や中華料理は今まで作ったことがなかった。というより、作れないと言った方が正しいか。

「わかりました。お二人がそう言われるのならば、不肖早苗、山を下りて勉強してまいります」
「え…それってつまり…」
「はい、膳は急げ、今日から明日にかけて御暇頂戴いたします」
「そんなに急がなくても…」
「いえ、お二人にはおいしい料理を食べていただきたいので。それでは」

言って、足早に部屋を出て行った早苗。取り残されたのは生活能力0の神様二人。

「どうしよう、神奈子」

諏訪子はもくもくとほっぺたをご飯でいっぱいにしながら、言葉とは裏腹に緊張感のない声で問う。

「ま、どうにかなるでしょ」

味噌汁をズズズとすすりながら、こちらも緊張感なく応える。
二人の山場は、まだ遠い。

102名前が無い程度の能力:2010/01/27(水) 07:52:46 ID:gMxO2zUE0
>>101続き

守谷の神社を出て、早苗が真っ先に向かったのは麗夢の許だった。
しかし麗夢曰く
「私も和食ばっかりだしなぁ……あ、そうだ、アリスのところへいってみなさいよ」
とのことだったので、早苗は麗夢に言われた通り、アリスの家へと向かった。

「こんにちわー」

鬱蒼とした森の中にぽつんと、まるで人の来訪を拒んでいるかのように建っているその家は、まさに麗夢の説明通りだった。
中に人のいる気配はするのだが、返事がない。再度、今度はドアをノックすると、ドアの向こうからくぐもった声で「入っていいわよ」と聞こえた気がした。
本当に入っていいものか一瞬悩み、すぐにドアノブに手をかけ、ゆっくりとドアをあける。

「すごい…」

思わず声に出してしまうほど、早苗は驚いていた。部屋中に飾られた色とりどりの人形たち。その人形たちに囲まれて、アリスと思われる人物はいた。

「誰…?」

綺麗なブロンドの髪にそぐわない、陰鬱とした声に若干戸惑いつつ、早苗は自己紹介する。

「あ、私早苗といいます。あの、アリスさんですよね」
「ええ、そうだけど、要件は?」
「料理を習いに来ました」
「料理?」

あまりに予想外の答えに、つい作業を止め早苗の顔を見る。

「どういうこと?」
「あの、私和食以外の料理を作れるようになりたいんですけど、麗夢さんに聞いたらここにいけって言われて…」
「ああ、そういうこと」
「はい、そういうことです」

ふーん、とアリスは席を立ち、おもむろに台所へと向かう。その様子を不安そうにただ目で追うだけの早苗。
早苗の中で気まずい空気が流れる。
痺れを切らした早苗が口を開こうとした瞬間、2つのエプロンを持ったアリスが台所から姿を現した。

「はいこれ」

唐突にぽんと手渡されたのは、いかにも女の子らしくかわいらしいエプロン。

「これは…」
「いつまでいられるの?」

早苗の疑問になど付き合ってられないというように尋ねるアリス。

「…明日の朝です」
「そ、じゃあ洋食の基本と、応用のきくレシピ2つくらいかしらね」
「そ、それだけ教えていただければもう!」
「じゃ、さっそくはじめましょ」
「はい!」

かくして、アリスのお料理教室は幕を開けた。

103名前が無い程度の能力:2010/01/27(水) 07:53:19 ID:gMxO2zUE0
>>102続き

そして一方の守谷神社には飢えという山場を迎えた神二人。

「神奈子ー、おなかすいたー」

仰向けになって天井に叫ぶ諏訪子。

「私だって空いたわよ」

同じく仰向けになっている神奈子。

「なんか作ってくれー」
「無理よ。私が料理できないの知ってるでしょ」

二人は己が浅はかだったことをじわじわと認識し始めていた。


「そうそう。マヨネーズはもっと入れていいわよ」
「え、こんなにですか?」
「ええ、洋食は基本味を濃いめにしたほうがおいしいのよ」
「…太りそうですね」
「…そうね」

アリスとの料理教室が始まってはや数時間。食卓にはパスタ、サラダ、スープと洋食の基本メニューが並んでいた。

「「いただきます」」

二人の声が重なる。まだエプロンをつけたままの二人は、向かい合ってささやかな晩餐を楽しむ。
この数時間で二人の間は急速に縮まり、他愛もない会話が両者を行きかう。
その光景はとても華やかで、アリスはふと、いつもの自分の食卓を思い出す。
そして早苗も、普段はいない「友達」という感覚で接することのできる相手に対し、会話が弾んだ。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、夜、早苗の強い要望で二人は同じベッドで眠ることとなった。

「私はいいわよ」というアリスを、早苗は「そんなこといわず」と引きずり込んだのだ。
しかしアリスも、決して悪い気はしていなかった。むしろ、ベッドの中で他人のぬくもりを感じることに言いようのない快感すら感じていた。
ただ、あまり近づきすぎると、離れるのが怖かった。


朝、早苗が目を覚ますとすでにアリスは台所にいた。

「おはようございます」
「あらおはよう、もうでるの?」
「はい、多分、お腹を空かせ待っていると思うので」
「そう」

アリスは一つのバスケットを取り出し早苗に渡す。

「これは?」
「お弁当よ。サンドウィッチっていうの」
「い、いいんですか?」
「ええ、材料と作り方は紙に書いて入れておいたから」

ずしりと重いバスケット。その重さは、恐らく沢山のサンドウィッチに、朝早くから作ってくれたアリスの想いが詰まっているからだろう。そう思うと、早苗は涙を見せずにはいられなかった。

「あ…ありがとう…ござい…まず…」

ぐずぐずと泣き出す早苗に、アリスはほほ笑む。

「まだきて…も、いいでずか…」
「もちろんいいわよ」
「ありがと…ございますぅ…」

後ろ髪をひかれる思いでアリスの家を後にする。
早苗には帰る家があり、待っている人がいる。でも、アリスはどうなのだろう。
余計なお世話なのかもしれなかったが、早苗は考えずにはいられなかった。そしてまた、涙した。


涙も乾いたころ、早苗は帰りついた。右手にアリスの作ってくれたサンドウィッチを握りしめ、満面の笑みで戸をあけると、

「SA☆NA☆Eーーー」
「なっ!」

突然飛び出してきた諏訪子に視界を塞がれた。

「早苗まってたんだぞー」
「どうしたんですか諏訪子様!」
「お腹が空きすぎて空きすぎてー」
「わかりましたから離れてください!」

言われ、離れた瞬間に玄関先でぐったりと寝転がる神様。これではどっちが主かわからない。

「おかえり、早苗」

奥からは神奈子が顔を出す。

「ただいま戻りました、神奈子様」
「あー、その、やっぱりあれだな」
「はい?」
「早苗がいないと駄目だな、うちは」

少し照れくさそうに、神奈子は言う。その様子が、何よりも愛おしかった。

「それじゃあ早速ご飯にしましょう」
「何作るの?」
「今日はサンドウィッチというものです」
「なんだそれ! おいしそー」
「ええ、きっととっても美味しいですよ」


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