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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

99名前が無い程度の能力:2010/01/23(土) 15:19:23 ID:IxL.fJ3YO
>>95
「最近魔理沙を見ないのよ」
アリスがによく分からぬ報告をしたのは冬の日も下り始めた頃であった
幻想郷の冬である
その多くを山とする幻想郷は、山から降りてくる冷たい風が直撃するため、心身も凍らせるような日中が続く事も珍しくない
「はぁ?アンタ同じ魔法の森の人間でしょ?家に行ったらいいじゃない」
「何度も行ったわ。でも家をノックしても出る気配すらないのよ」
博麗の巫女は、焦りの混じったブロンドの髪を持つ少女に溜め息をつけば、その押すとも引くとも言わぬ問答に付き合っていた
山に近き博麗の御社である。寒気が降りるのも早い
「…もう付き合ってらんないわ。そんなに気になるならドアでも蹴破って安否を確認したらいいじゃない」
「い…異変かも知れないじゃない!!」
「私は普通の人間専門だわ。どこの世界に妖怪の異変依頼を受ける人間がいるのよ」
アリスが声を荒げても、その響きは寒さを増した境内に響くだけで、何かしらの効果もなかった
「私はもう社片付けるから。ほら、出ていった出ていった」
アリスは霊夢に軽くあしらわれると、すごすごと博麗神社を後にした。
その帰り、アリスは霧雨亭て足を運んだ
最早、今彼女が頼れるのは自分しかいない
そういう心中がどこかにあったのやも知れぬ。その表面化せぬ心情に押されるがごとく足を早めた
魔理沙の家についた頃には日は落ち、一面が闇に包まれていた。ただでさえ暗き魔法の森である。夜が光を吸い尽くすのも早い
やはり明かりの無い霧雨亭をみると、やはりか、と言うようにアリスは溜め息をついた
その時、博麗神社のやりとりを思い出し、無礼やむ無しと、その足でドアを蹴りあげた
壊れたドアの先には音と光の無い世界が広がり、ここが魔理沙が住む場所とは思えぬほど異色を放っていた
恐る恐る一歩、また一歩と魔理沙の部屋に足を進めた
ここで初めて、この家に音が入った。アリスの床板をふむ、ぎぃっ、といった不気味な音である
その不安になる音を聞きながら、魔理沙の部屋のドアを開けた
すると、なんとも言えぬ臭いが立ち込め、ベッドの上には痩せこけた――――

「もう外に出たくなくてさ」
金髪の少女はアリスの作った食事をむさぼるように口に含んでいた
「いやぁ、寒いってのは嫌だね。本当に布団から出たくなくなる」
その言葉にアリスは、大きく溜め息をついた
<終劇>

お題:異文化コミュニケーション
キャラ:早苗


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