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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
103
:
名前が無い程度の能力
:2010/01/27(水) 07:53:19 ID:gMxO2zUE0
>>102
続き
そして一方の守谷神社には飢えという山場を迎えた神二人。
「神奈子ー、おなかすいたー」
仰向けになって天井に叫ぶ諏訪子。
「私だって空いたわよ」
同じく仰向けになっている神奈子。
「なんか作ってくれー」
「無理よ。私が料理できないの知ってるでしょ」
二人は己が浅はかだったことをじわじわと認識し始めていた。
「そうそう。マヨネーズはもっと入れていいわよ」
「え、こんなにですか?」
「ええ、洋食は基本味を濃いめにしたほうがおいしいのよ」
「…太りそうですね」
「…そうね」
アリスとの料理教室が始まってはや数時間。食卓にはパスタ、サラダ、スープと洋食の基本メニューが並んでいた。
「「いただきます」」
二人の声が重なる。まだエプロンをつけたままの二人は、向かい合ってささやかな晩餐を楽しむ。
この数時間で二人の間は急速に縮まり、他愛もない会話が両者を行きかう。
その光景はとても華やかで、アリスはふと、いつもの自分の食卓を思い出す。
そして早苗も、普段はいない「友達」という感覚で接することのできる相手に対し、会話が弾んだ。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、夜、早苗の強い要望で二人は同じベッドで眠ることとなった。
「私はいいわよ」というアリスを、早苗は「そんなこといわず」と引きずり込んだのだ。
しかしアリスも、決して悪い気はしていなかった。むしろ、ベッドの中で他人のぬくもりを感じることに言いようのない快感すら感じていた。
ただ、あまり近づきすぎると、離れるのが怖かった。
朝、早苗が目を覚ますとすでにアリスは台所にいた。
「おはようございます」
「あらおはよう、もうでるの?」
「はい、多分、お腹を空かせ待っていると思うので」
「そう」
アリスは一つのバスケットを取り出し早苗に渡す。
「これは?」
「お弁当よ。サンドウィッチっていうの」
「い、いいんですか?」
「ええ、材料と作り方は紙に書いて入れておいたから」
ずしりと重いバスケット。その重さは、恐らく沢山のサンドウィッチに、朝早くから作ってくれたアリスの想いが詰まっているからだろう。そう思うと、早苗は涙を見せずにはいられなかった。
「あ…ありがとう…ござい…まず…」
ぐずぐずと泣き出す早苗に、アリスはほほ笑む。
「まだきて…も、いいでずか…」
「もちろんいいわよ」
「ありがと…ございますぅ…」
後ろ髪をひかれる思いでアリスの家を後にする。
早苗には帰る家があり、待っている人がいる。でも、アリスはどうなのだろう。
余計なお世話なのかもしれなかったが、早苗は考えずにはいられなかった。そしてまた、涙した。
涙も乾いたころ、早苗は帰りついた。右手にアリスの作ってくれたサンドウィッチを握りしめ、満面の笑みで戸をあけると、
「SA☆NA☆Eーーー」
「なっ!」
突然飛び出してきた諏訪子に視界を塞がれた。
「早苗まってたんだぞー」
「どうしたんですか諏訪子様!」
「お腹が空きすぎて空きすぎてー」
「わかりましたから離れてください!」
言われ、離れた瞬間に玄関先でぐったりと寝転がる神様。これではどっちが主かわからない。
「おかえり、早苗」
奥からは神奈子が顔を出す。
「ただいま戻りました、神奈子様」
「あー、その、やっぱりあれだな」
「はい?」
「早苗がいないと駄目だな、うちは」
少し照れくさそうに、神奈子は言う。その様子が、何よりも愛おしかった。
「それじゃあ早速ご飯にしましょう」
「何作るの?」
「今日はサンドウィッチというものです」
「なんだそれ! おいしそー」
「ええ、きっととっても美味しいですよ」
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