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【場】『 大通り ―星見街道― 』 その3

864宗像征爾『アヴィーチー』:2025/12/23(火) 09:20:34

カーキ色の作業服を着た壮年の男が、クリスマスを目前に控えた通りを歩いている。
両手は使い込まれた革手袋で覆われており、足元は無骨な安全靴だ。
賑やかな雰囲気の中で、その風貌は浮いているように見えた。

        ザッ

人間は『何もない状態』には耐えられない。
それは単に退屈という意味ではなく、『刑罰』においても同じことが言える。
刑務作業を伴わない『禁錮刑』は、
『懲役刑』よりも罪の軽い懲罰として位置づけられていた。
しかし、多くの受刑者達は自ら望んで労働に従事しており、
『純粋な禁錮刑の受刑者』と呼べる者は、ほとんど存在していないのが実情だ。
だからこそ『刑法』が改正されたのだろう。

             ザッ

今年から『懲役』と『禁錮』は廃止され、『拘禁刑』に一本化された。
明治時代から『118年』を経て、『新たな刑罰』が誕生したことになる。
どんな場所にも『変化』は訪れるものらしい。

                   ザッ

しかし、俺自身の状況は変わらない。
俺にとっては『仕事』が全てだ。
それがない時は何もやることがなくなり、
時間を潰すための適当な手段が思いつかない場合、今のように歩くしかなくなる。

「『休館日』に行き当たる可能性を考えていなかった」

ここ最近は『H市立図書館星見分館』に通っていたのだが、
今日は閉まっており、その代わりとして『星見街道』に足を運ぶ形となった。

「――去年は『イトウ』を捌いたな」

飾り付けが施された街並みを眺め、りんと共に『児童施設』へ赴いたことを思い出す。


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