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【場】『 大通り ―星見街道― 』 その3

1名無しは星を見ていたい:2022/10/03(月) 20:25:40
星見駅を南北に貫く大街道。
北部街道沿いにはデパートやショッピングセンターが立ち並び、
横道に伸びる『商店街』には昔ながらの温かみを感じられる。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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前スレ:
【場】『 大通り ―星見街道― 』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647631/

【場】『 大通り ―星見街道― 』 その2
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1586906856/

560コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』:2024/06/02(日) 05:23:06
>>558(ヨハネさん)
>>559(ありやさん)

       「っ」

「……わおわおわお! ありやちゃんってば!
 お腹空いてたらイクサが出来ないこん!
 まぁイクサなんてしなくていいんだけど、
 えーと何の話だっけ! そうだ、メニューメニュー」

      「今度はパスタでも食べちゃおうかな〜」      

くっついた肩にほんの僅かに背中が跳ねるけれど、
嘘でも真実でもないものを知るのは神のみだ。

「あ! コヤコヤはありやちゃんのデザート担当〜
 アップルパイが美味しかったから!
 きっとどのメニューも美味しいけど〜
 せっかくだしかわいくいっしょの物食べたいなあ」

メニュー選びに(お願いされた通り)口を挟みつつ、
やがて届いたメニューに視線を落として。

                    スッ

         「店員さんありがとねえ〜」

『ありや』の祈りに視線を向け、同じ手の動きをした。

「『あなたの光のもとで、
 あなたの愛を分かち合うことができますように……』」   

      「……で、合ってるかな?
       どこか間違ってたらごめんね、主さま」

『言葉』を真似ても、『信心』は追いつかないけれど。

「かわいい友達と同じ机で美味しいものを食べる!
 こんなステキな『光』ってないよ。それじゃあ、いただきまぁす!」

なにか大きなものに、この祝福を感謝する気持ちにウソはないから。
きっと、『神さま』が見ていたら、それを悪くは思わないと、『信じて』いる。

561ヨハネ『ゴッド・ノウズ』:2024/06/02(日) 22:57:25
>>559-560
「じゃあ今日はたらふく食べなさいな。
 おごり…は遠慮するけど。」

ヨハネの質問に対してはこのように答える。
「ハハッ…どうやらお互いに楽しくなりそうだね。
 私のおすすめは…それじゃあカレーと一緒にこれはどう?」
と言って、ヨーグルトドリンクを指さした。
辛いものと合わせるにはそれがちょうどいいだろう。

「それじゃあ私は…
 ハムエッグとトーストにしておくか。」
そう言って注文を追加する。

ありやの祈りの声を聞いて、
ヨハネも手を合わせる。
「天にまします主よ、日々の糧にそして…その新たな出会いに感謝します…
 以下同文…ってね。」
少しいたずらっぽい表情でヨハネはありやを見た。

「お天道様も何度も言われなくてもわかるでしょ。
 このくらいでね。」
そう言って彼女は改めて

「いただきます」
とつぶやいた。
この一時はヨハネが初めて、天というものに感謝をしたくなる出会いの日だった…に違いない。

562稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2024/06/05(水) 19:36:48


  トゥルルルルルッ


「【畏怖なる畏怖】。
 【縦】、嗚呼【我】は既に【約束の地】である、
 【雷の連環馬】の【厩舎】へと至る【クロノスの時計塔】の前に立ち、
 【汝】の到着を待ち構えているが【汝】は何処に……
?」


星見駅前の広場の中央に設置された時計のモニュメントの前、
メガネをかけた薄い顔の女が、スマホで電話をしている。


「………ほう、【安息日】だったが、
 本来戦場で世界を守る【戦士】の身内に【不幸】があり、
 綻んだ【陣形】を直す為に急遽【戦場】に【召集】を受けた、と。

 嗚呼ーッ!!【雲、運、薀】……、【雲】。
 【謝罪】など【かつて高し菓子を収めていた器】だ!!
 何故ならば、こればかりは【ノー・ジンジャー】だからなッ。
 また互いの【安息日】を【擦り合わせ】て、【再会】を誓おう!
 それでは、【剣闘の健闘を祈る】ーーー」



                ピッ!


電話を切り、広場の時計で現在の時刻を確認する。
現在の時刻は正午を回ったところ。


「【永久の時を生きし神話の神々】になってしまったな………。
 【孤独のセイレーン】にでもなろうか……」

563稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』:2024/06/08(土) 18:03:54
>>562

「やはり【孤独のセイレーン】だな…」

564夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2024/06/14(金) 22:08:37

『赤いエンパイアワンピース』の上に、
『黒いオーバーサイズジャケット』を羽織った少女が、
『レースアップブーツ』の靴音を響かせながら通りを歩く。

         コツ コツ コツ コツ コツ

大きな襟の付いたジャケットに、
『ハート』が描かれた『缶バッジ』が大量に飾られている。
目元を覆う『サングラス』は、
『花の女王』として知られる『薔薇の色』――『ローズレッド』だ。
頭の横には『王冠』を模した『ミニシルクハット』が乗っていた。

    赤く、紅く、朱く、丹く。

         その姿は『ハートの女王』の如く。

  「『光』……『輝き』……『仲間』……『友情』……『愛』……」

      「どっちを向いても『偽り』だらけ……」

            「――――そいつらの『首』を刎ねてやる」

色々あった『アリス』は何だかんだで『闇堕ち』してしまったのだ!!

565夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2024/06/18(火) 13:27:58
>>564

通りを歩く途中で『自販機』を見つける。
何の変哲もない機械だが、自分にとっては印象深い代物だ。
初めて見たのが『ここ』だったから。

     チャリン

         ピッ

             ガコンッ

ふと喉の乾きを感じて『緑茶』を買う。
350ml入りの小さいペットボトル。
ラベルには『京都産茶葉使用』と表記されていた。

「――――『キョウトサンチャバシヨウ』」

相変わらず『漢字』には弱い。
だから、読めた訳ではなかった。
記憶の糸を手繰ったのだ。

   グビグビグビグビグビィ

              「くっはーッ!!」

566甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/06/22(土) 08:51:32
ガタンゴトン
なんて音、最近の電車じゃあまり聞けないだろう
今の鉄道は昔よりもレールが改良されているからだ

鉄道車両の座席に座ると眠くなるのは何故だろう?
つい、>>567にもたれかかり眠ってしまう

567白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/06/22(土) 16:16:40
>>566

「……」

肩にかかる重みに視線を向ける。

        チラ

隣にではなく、『路線図』に。
自分が降りる駅はもう少しだけ先だ。

    チラ

それから、カバンに。
ちょうど『甘城』と自分の間に、自分のカバンがある。

(……起こしてしまうかもしれない)

要は本をその中から取りたかったのだが、そういう懸念があった。

                       スッ

(起こしてしまっても悪くはないかもしれない。
 けれど、起こしてまで本を読みたいかといえば)

手が宙を迷い、肩が僅かに動く。それ自体が眠りの妨げかもしれない。

568甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/06/22(土) 18:59:48
>>567
枕替わりにしている肩が動く

「んん……」

その振動にちょっとだけ
ちょっとだけ反応があるが、ちょっとだけだ
眠りは深くはないが、浅くもない

微かにふんわりと、甘い匂いする
香水という感じじゃない、甘いお菓子のような匂い
普段からそういうのに接しているから匂いが移ったのか?

「……おねえちゃん……」

寝言か
トーリの肩にもたれかかり、近くにいなければ聞こえなかったくらいの小声


慎重に動けば起こさずにカバンを動かせるかもしれないが、起きるかもしれない
別に起こしても悪い事など何もないのだが、どうする?

569白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/06/23(日) 17:30:18
>>568

「…………」

小麦か、バニラエッセンスか――――
トーリ自身、お菓子作りには多少の造詣がある。
レシピ通りが美徳とされる、気の合う世界だ。

(この子も……お菓子が好きなのかもしれない)

話をしてみたい気がした。

『姉』と呼ばれる覚えは特になかったけれど、
その言葉も、少なくとも悪い気持ちはしない。

(けれど、だからこそ、起こすべきではない気もする。
 ……トーリが話したい、という理由だけで起こすのは)

          
               ガタンッ


と、そこで電車が大きく揺れた。

特に放送も入らない、既定の揺れなのだろう。
起きている乗客たちは特に大きな反応も無い―――――

570甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/06/23(日) 18:22:00
>>569
               ガタンッ

電車が一瞬大きく揺れるが
人身事故だとかそういう事はない
これくらいはたまにある事だ

「ん……」

眠りは浅くはないが深くもない
ちょっと大きな衝撃があれば目は醒める


「おねえちゃん、ここどこ…?」

寝惚けているようだ
ほっとくとまた寝てしまいそうだが、話しかければちゃんと起きるかもしれない
首を絞めれば永遠の眠りにつきそうだ

571白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/06/23(日) 19:11:53
>>570

「…………」

揺れにはそれほど驚かなかったが、
目を覚ました少女に一瞬反応が遅れる。

「……つい先ほど。星見駅に向けて発車したところです。
 あと数分もすれば、着くと。トーリは思います」

          ガタン
          ゴトン

定期的な揺れのリズムが帰ってくる。
それを数えていれば『駅』まではすぐだろう。

「貴女が降りる駅を……もう。
 通り過ぎてなければ、良いのですが」

             スッ

そう言いながら、鞄を手元に寄せ直す。

「……トーリは。その『星見駅』で降りる予定なのです」

中から『ブックカバー』に覆われた本を一冊取り出し、
それを自分の膝の上に置いた。
意味のあることを言えていないという自覚がある。

(いつもは見られないようにしている、ブックカバー。
 ……今日は。表紙を見せられたら、話しかけやすかったのに)

『製菓』のレシピ本だけれど、これ見よがしに開くのも、迷ってしまう。

572甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/06/24(月) 10:46:12
>>571
「トーリ…?」

          ガタン
          ゴトン

数度の揺れに覚醒を促される

「大丈夫」
「私も星見駅で降りる」

目はもうすっかり覚めたようだ

眠気覚ましにはちみつ梅のど飴を口に入れる

「食べる?」

大阪のおばちゃんのようにお隣さんに飴ちゃんを勧めて来る
結構人懐っこいタイプなのか

573白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/06/24(月) 12:20:55
>>572

「ああ、失礼しました。
 トーリは。……自分の名前です。
 『白岸(しらきし)・ノエル・トーリ』」

        スッ

「よろしくお願いします。」

小さく頭を下げる。

「それなら、良かったです。
 ……はい。ぜひ、いただきます」

            スッ

(はちみつと……梅。あんまり食べたことない味。
 この子は、お菓子にすごく詳しいのかもしれない)

それから、飴も受け取った。
別に珍しいフレーバーでもないのだけれど、
トーリにはあまり触れた経験がない味だ。

「あの。お菓子が。……お好きなんですか?」

気の利かない質問をしてしまった気がする。
とはいえトーリには、そう聞く以外に分からなかったのだ。

574甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/06/25(火) 13:46:35
>>573
「甘城天音です」

>あの。お菓子が。……お好きなんですか?

「好き」

うん、大好きさ!
と返すと質問者の頭の中に爆弾が仕込まれそうなのでやめておこう(チャ)

「実家が洋菓子屋で、自分でもよく作ってる」

作ってるとは言うが、
それが成功しているかは…

「そっちは?お菓子好き?」

575白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/06/25(火) 22:32:37
>>574

幸いにもここは電車の中だ。
爆弾を仕込まれても、投棄するための穴はない。

「お菓子屋さん……そうなのですね」

声色に僅かな喜色が滲むが、
元が静かな声だ。それはよく目立つ。

「トーリはお菓子屋さんではないですが、
 お菓子を作るのは……好きです。とても」

              ゴソ

「このような……本を読んで、色々、作ってみています」

カバンから取り出したのは、
初心者向けの『洋菓子のレシピ本』だ。

「最近は暑いから……ゼリーを作るのが好きです。
 ……甘城さんは、何か得意なお菓子はありますか?」

取り止めもない話をしているうちにも、電車は『目的駅』に近いていく。

576甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/06/26(水) 12:54:56
>>575
「ゼリー、アレンジしやすくて楽しいよね」

ゼリーはちょっと材料を足したり
中に何かを入れるだけで、初心者でもお手軽アレンジが出来る
よっぽどの事が無ければ失敗しないだろう
よっぽどの事がなければ…

>……甘城さんは、何か得意なお菓子はありますか?

「…得意?」

こう聞かれるのは少し返事に困る
なんせ、普通の料理はちゃんと作れるのだが
お菓子になると何故かいつも余計な事が起きて、まともな物が出来ない

強いて言うなら

「…ケーキ」

一番作る事が多いからそう答えたのだが…

577白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/06/27(木) 20:01:35
>>576

「はい……」

          コクリ

「季節や気分で少し……アレンジがしたくても、
 ちゃんとそれができるレシピが、ありますし」

インターネットの時代なのもある。
『成功例』を導き出したレシピはいくらでも探せる。
もちろん、『ないレシピ』にはお手上げになるけれど。

「……ケーキも。それに、近いかもしれません。
 トーリはまだあまり作ったことがないですが、
 お祝いの象徴……いちごのショートケーキや、
 後味が爽やかな、レモン風味のチーズケーキ……」

「食べて、好きだったケーキは。たくさんあります」

言葉をわずかに詰まらせたように思えたが、
『甘城』の内心は分からないし、
探る必要が今あるとも思っていない。

               ガタン ゴトン

「今年の夏は……挑戦してみたいです。チーズケーキ」

電車が着くまでのお話だ。そうじゃなければ嬉しくはあるけど。

578甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/06/28(金) 13:50:16
>>577
時間の経過とともに、口の中の飴が溶けてきて小さくなる
もうすぐ食べ終わる頃か
フルーティーな梅の甘酸っぱさと、まったりとしたはちみつの甘さが絶妙に調和している
ハーブが配合されているからか、のど飴らしいすーっとした感じがするが強過ぎない
食べやすくてすっきりとする飴だった

「よく失敗するけどね」
「イチゴのケーキを作ろうとしてイナゴのケーキになったり」

イチゴと間違えてイナゴの佃煮を使用してしまったのだが
そのイナゴの佃煮はどこから来たのかだろうか

食べた人曰く
ケーキの味は良いが、ふわふわのスポンジと生クリームに
イナゴの直翅目特有のバリバリのクセのある食感と
佃煮の甘辛い味が絶望的に相性が悪く、地獄のような味わいだったそうだ


「チーズケーキか……」
「やってみたいな……」

「……一緒にやってみる?」

偶然電車で隣に居合わせただけの間柄だが
同じ趣味を持つ人として繋がりを持つのもいいかもしれない
スマホの連絡先を交換する事も出来るが、どうする?

579白岸・N・トーリ『ダムゼル・イン・ディストレス』:2024/06/29(土) 01:44:26
>>578

「イナゴ? ふふ……そう、なのですね」

『本気』だと思っているわけではないけど、
大嘘として否定することもしない。

「……ぜひ。お菓子を作る知り合いが、
 いえ…………友人が増えるのは、嬉しいです」

              スッ

スマホを取り出す。

「……トーリは。
 いつお誘いするか、決めるのが苦手です。
 なので……もしよかったら。
 甘城さんのご都合が良い日に、連絡をくれますか?」

連絡先の交換が済む頃には、
電車は『星見駅』に到着するだろう。
答えがどうであれ、選択がどうであれ――――

「……それでは、また。レシピを探して……楽しみに待ってます」

             その時が来たならお別れは訪れる。
             次に会うのは、約束した時だ。

580甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/06/30(日) 13:38:40
>>579
次、会うのはいつになるのか
それは分からないが、縁は出来た
また会う日はいつか来るだろう

星見駅に着いて、
電車から降りる頃にはもう夕方だった

オレンジ色の光に照らされる道を歩きながら考える
レモン風味のチーズケーキ、そこにオレンジを足すのはどうか
実際、検索してみればそういうレシピはあった

だがレシピ通りに作ってもうまくいくだろうか?


そういえば、売店で駅弁を買うのを忘れていたが
そもそも星見駅に駅弁はあったっけか?

581小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/07/04(木) 17:00:16
「────う」「ううむ」

絡みつくような湿気に満ちた曇天の昼下がり。
街路樹に寄りかかり、怠そうに息を吐く女がいた。
手にはコンビニで買えそうな安っぽい酒のボトルが握られている。

「飲み過ぎたかなァ。まさか、熱中症……ってことはないと思うけど。
 いずれにせよ、水分を摂らないと……」

ホワイトブロンドの長髪を揺らし、目に付いた自動販売機にふらふらと向かう。
歩きざま、ポケットから財布を出して小銭を漁る……が、

「あ”」

酔いのせいか、財布を取り落としてしまった。
盛大にぶち撒かれた硬貨の群れが四方八方に転がっていく。

「あああぁぁ〜〜…………」

582宗像征爾『アヴィーチー』:2024/07/04(木) 18:37:59
>>581

硬貨の一つが転がる先に、カーキ色の作業服を着た男が立っていた。
腰のベルトには、工具類を収めたバッグが取り付けられている。
両手は革手袋で覆われ、足元は無骨な安全靴だ。

        ス カ ァ ッ

おもむろに伸ばされた『左腕』が空を切る。
一直線に転がってきた硬貨を掴む事に失敗したらしい。
やがて硬貨は自然に止まり、それを改めて拾い上げた。

「――手伝おう」

短く声を掛けると、今度は『右腕』だけを使って、残りを集め始める。

583小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/07/04(木) 22:18:54
>>582

近頃の気候よりもなおじっとりとした視線が宗像を見据える。
隈のこびりついた目が弧を描いて細められた。

「……おおっと」「悪いね、お兄さん。助かるよ」

溜め息混じりに一枚一枚ダラダラ拾う予定だったが、
手伝ってもらうからにはそういう訳にはいかない。
一瞬だけ、空を切った左手と硬貨を拾う右手を見比べてから、
自分も足元に散らばる小銭をひょいひょい集め始める。

「お仕事の邪魔しちゃったかな? ほら、その服。それとも休憩中?
 そんな厚着じゃあ、この季節は大変なんじゃないかい?」

かく言う小野塚も顔には赤みが差し、額や首筋に汗が伝っている。
暑さか、酒か、恐らくは両方のせいだ。

584宗像征爾『アヴィーチー』:2024/07/05(金) 11:14:03
>>583

工具はレンチ・ドライバー・水平器・スケール・プライヤーといった類のもので、
いずれも『配管工事』における使用頻度が高い。

「今は仕事を片付けて戻るところだ」

目の前の男は汗を掻いておらず、暑がる様子も窺えない。
小銭を拾い集める事に集中しているらしく、小野塚からは視線を外していた。
右手しか使っていないので、普通よりも時間が掛かっている。
不自然に不器用な左手と違い、右手の動きは至って正常だ。
最後の一つを手に取ると、持ち主の方に歩み寄っていく。

「これで全部だと思うが、見落としがあるかもしれない。
 いくら入っていたか覚えているなら、念の為に確認してくれ」

硬貨を乗せた右手を差し出し、同時に小野塚を一瞥する。
黒い瞳の奥には、どこか虚無的な光が宿っていた。
燃え残った灰を思わせる乾いた眼光だ。

「いや――水分を摂る方が先だろう」

酒の匂いを漂わせる様子を見て、すぐ近くの『自販機』を視界に収めた。

585小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/07/05(金) 14:57:32
>>584

名前を知っている道具はレンチとドライバーくらいしかなかったものの、
ともかく何かの『業者さん』であることは見て分かった。

「そうかい、お疲れさまだね。
 こんな暑い中……と思ったけど、ずいぶん涼しい顔してるな」

ありがと、と言って小銭を受け取る。
前髪の奥から覗く瞳は黄金を湛えていたが、そこには一片の輝きもなく、
ただ泥水を掻き混ぜたような濁った色だけが渦巻いていた。
ほんの一瞬、2つの視線が交差する。

「アハハァ。まあ、お釣りが溜まっちゃっただけだからさ。
 多少足りなくても、道行くネコババさんに譲るとするよ」

フッと目を逸らすと、『ちょっと待ってて』のボディランゲージを残し、
足早に、しかし頼りなげな足取りで自動販売機へと向かっていく。

…………戻ってきた小野塚は、2つの飲料を携えていた
(酒のボトルは服のポケットにねじ込まれている)。
右手に水のペットボトルを持ち、左手の缶コーヒー(微糖)を宗像に差し出す。
薄く結露しており、『つめた〜い』のであろうことが見て取れる。

「どーぞ」

自販機に行って帰ってする小野塚を観察していたなら、
最初は右にコーヒー、左に水を持っていたのを、
途中で逆に持ち替えたのが見えたかもしれない。

586宗像征爾『アヴィーチー』:2024/07/05(金) 17:14:23
>>585

拾った小銭を返した後は、自販機に向かう小野塚を眺めていた。
『持ち替える動作』は確認していたが、どういった意味があるのかは分からない。
どちらかというと、途中で倒れる可能性の方が気掛かりだったと言える。

    「頂戴する」

              スッ

謝意を込めた言葉と共に一礼し、右手で缶コーヒーを受け取ると、
空いている左手でタブを起こそうとする。

       ガッ ガッ ガッ

だが、なかなか上手くいかない。
しばらく手間取った末に、缶を左手に持ち替えて右手でタブを起こす。
今度は『一回』で開けられた。

「――そういう事か」

その直後、小野塚の意図らしいものに気付く。
実際に行動した事で思い至る部分があった。
缶の中身を一気に飲み干し、再び小野塚に向き直る。

「あんたが左手で渡そうとすれば、
 俺は必然的に右手で受け取る事になり、
 残った左手を使って缶を開けようとする」

おそらくは『それ』が狙いだったのだろう。

「上手いやり方だな」

先程は倒れてしまう可能性を考えたが、その懸念は『杞憂』だったようだ。

587小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/07/05(金) 21:46:13
>>586

「…………ん?」「あッ、そうか」

「右手で缶を持ったら左手でプルタブを起こさなきゃいけないのか!」

宗像の言葉を聞いてしばし首を傾げていたが、
間を置かず何かに思い当たったようだ。

「……ふっ…………あっはっはっは!
 いや申し訳ない、左手に怪我かなにかしてるのは分かったから、
 君が右手で缶を受け取れる方がいいと思ったんだ。
 あたしとしたことが、プルタブのことを考えてなかった!」

そういうことらしい。
愉快そうに笑っているが、その笑い声はどこか渇いており……

「わざとじゃないんだよ。
 だいいち、親切な君にそんな意地悪するワケないじゃあないか!
 はっはっはっはっは!」

「はっはっは…………」

「……………………」

「はあ…………」

徐々に静かになると、いつものニヤケ面すらすっかり剥がれ、
項垂れて水をチビチビ飲み始めた。

「ごめん、気遣いが足りなかった。……不快な思いをさせてしまったかな。
 暑さのせいか、どうにも頭が回らなくてね……」

しょんぼりしている。

588宗像征爾『アヴィーチー』:2024/07/06(土) 11:05:15
>>587

不意に笑い出した小野塚の表情を観察する。
今の答え方は筋が通ったものだったが、腑に落ちない点がない訳ではなかった。
だが、それを判断する為の材料は足りず、強いて判断しなければならない状況でもない。

「むしろ参考になった。
 今後、目の前の相手が怪我をしているか知りたくなった時は、
 俺も同じ方法を使わせてもらう」

        グッ

左手の感覚を確かめるように、空き缶を強く握り締めるが、
以前と同じ動きが出来ない事は分かっていた。

「幸い、既に『完治』している。
 仕事の最中に床が崩れて瓦礫の下敷きになったが、
 手当が早かったお陰で一命を取り留めた。
 これは『後遺症』だ」

具体的な事情を省いて、端的に事実だけを告げる。

「気が向いたら『つまみ』の足しにしてくれ」

黄金と泥水の混ざった色を湛えた瞳を見やり、そのように付け加える。
これまでの経験で理解したのは、殺しを生業にする者は、
やがて似た目を持つようになるという事だ。
その観点から言えば、小野塚は同業者ではない。

589小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/07/06(土) 15:35:15
>>588

「そんな面倒なことしなくても、
 フツーに『手を怪我してるんですか?』って聞けばいいじゃあないか。
 ……まあ、役立つ場面があるなら役立ててくれよ」

宗像の返答を不可解に思ってか、
小野塚の顔にはうっすらと笑みが戻っているが、目は依然気まずそうに伏せている。
さっきのはマジのやらかしだったらしい。

「ふぅーん。
 それは運が良かったというか悪かったというかだけど、
 あたしはおつまみがなくても飲めるタイプだし──
 第一、あたしが人の不幸を肴にするような人間に見えるかい?」

幾分か調子を取り戻し、酔っ払いらしくけらけらと笑う。
水をぐいっと呷ると、宗像の乾いた瞳を見つめ返した。
だらしなく緩んだ口元に反して、その目には『もしかしてまだ疑われてる?』という不安の色が宿っていた。

「……わざとじゃないってばァ」

590宗像征爾『アヴィーチー』:2024/07/06(土) 18:17:47
>>589

互いに初対面の状態では、判断する為の材料は少なくなる。
そういう場合は押すか引くかして、相手の反応を見極めるのが手っ取り早い。
すなわち、今の様子から判断材料は得られた。

「いや、俺の勘違いだった」

あるいは、こうした些細な事が引っ掛かるのは、
命のやり取りを重ねてきた弊害なのかもしれない。

「あんたが気を悪くしたなら謝る」

それから僅かな間が空いた。
湿り気を帯びた曇天の下で、自販機の微かな稼働音が響く。
その時、頭上に気配を感じて、おもむろに空を見上げる。
少しずつ積乱雲が発達しつつあった。
天気が崩れる前兆だ。

「もうじき降り出しそうだな」

言い終わると同時に、細かな雨粒が滴り落ち始める。
まだ本降りではないが、そう時間が経たない内に強い雨に変わるだろう。
視界に入る通行人達も、歩く速度を早めていた。

591小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/07/06(土) 23:34:08
>>590

誤解が解けたと見えて安堵の息を吐き、
戯けるように両手を振って見せる。水がちゃぽちゃぽ音を立てた。
自身が『見極め』られていたなどと気付く様子はない。

「アハ……先に失礼働いちゃったのはこっちだしね。
 その左手、早く良くなるよう祈っておくよ」

そう言って細めた目の奥からは、なおも宗像の瞳に視線が注がれている。
無論、彼が幾つもの修羅場を潜ってきたことなど、小野塚は知る由もないが──
そのような虚ろな目を持つに至った経緯が、どうしても気になってしまった。
自らの目が濁った理由を知っているが故に。

「なあ、君──」

…………と、

 ポツ

「……うへえ。厄日もいいとこだな。
 あたしはまあ、いいとして……君、傘持ってるの?」

592宗像征爾『アヴィーチー』:2024/07/07(日) 13:16:58
>>591

台風や集中豪雨が発生した際には、大量の雨水が下水道に流入し、
汚水の処理を滞らせてしまう場合がある。
だが、短時間なら大した問題にはならない。
降り注ぐ雨粒を見上げながら、そのような事を考えていた。

「生憎、雨具の持ち合わせはない」

天を仰いでいた目線を正面に戻し、淡々とした口調で小野塚に答える。

「その様子だと、あんたも同じらしいな」

一瞬、自らに向けられる淀んだ瞳から、この街の地下を流れる汚濁を連想した。
生活排水や工業排水が通る下水道は、通常であれば人目に触れる事のない場所だ。
『誰が何を流したか』など確かめようがない。
それと同じように、濁った目が持つ意味を知る術はなかった。
また、無関係な者が首を突っ込む道理もないだろう。

「天気予報は外れたが、突発的な雨は予想が難しいそうだ」

        ザッ

その一言と共に、前方に一歩踏み出す。
挨拶の代わりとして、空き缶を軽く持ち上げる。
呼び止められる事がなければ、この場から立ち去るつもりでいた。

593小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/07/07(日) 17:59:44
>>592

これといった生きがいを持たない小野塚にとっては、
一時的な享楽のみが生きる目的と言っても過言ではない。
軽薄な『首は突っ込めるだけ突っ込む』主義が、
その目に好奇心の光を鈍く灯している……とはいえ。

「君に風邪引かせるワケにはいかないしね。
 困る人がたくさんいるだろう? あたしと違ってさ」

宗像が雨具を持っていれば濡れながらでも会話を続けたのだが、
きっと相手はそこまで酔狂ではないだろう。
立ち去るのなら、引き止めはしない。

「小銭、拾ってくれてありがとう。
 今度は晴れた日に会えれば嬉しいよ」

手をひらひらさせつつ、踵を返して歩き出す。
その歩みはふらつきこそすれ、頼りなさは無くなっている……ように見える。

「ああ……最後にひとつだけ聞いてもいいかな」

ふいに立ち止まり、首だけで振り返って宗像の後ろ姿に目を向けた。

「君、なんの仕事してるの?」

594宗像征爾『アヴィーチー』:2024/07/07(日) 20:07:54
>>593

小野塚が相対する空虚な双眸からは、
生きる意味や目的といったものは、何一つ見出だせなかった。
ただ果てしない虚無が存在するだけだ。
どれだけの時間が経ったとしても、それは決して埋まる事がない。

「体調を崩してしまうと、以後の仕事に支障が出る事は確かだろう」

同じように歩き出し、徐々に互いの距離が開いていく。

「縁があれば、また顔を合わせるかもしれないな」

特定の『共通点』を持つ者は遭遇しやすい。
だが、そうした出会い全てを、この仮説と結びつけて考えるのは暴論だ。
いずれにせよ、同じ街にいるなら再会する可能性は常にある。

     ――――――ザッ

              「本業は『配管工』だ」

問い掛けに応じて足を止め、振り返る事なく、背中越しに簡潔な事実を口にする。
もし誰かの命を奪う事に金を積む者がいたなら、それは『副業』の領分になるだろう。
この力に使い道があるとすれば、それしかない。

           ザッ ザッ ザッ

今度は立ち止まらず、雨が降り注ぐ通りを歩き去っていく。

595小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/07/07(日) 22:25:39
>>594

「へェー……そうかい」

返答に、にいっと笑みを浮かべる。
宗像も自身と同じく『惰性』で生きている人間なのかと、最初は思ったが──

「それじゃあ」「お仕事頑張ってね」

深追いは再会したときに取っておこう。
前に向き直ると、水を一口だけ含み、飲み下す。
所在なさげにペットボトルを揺らしながら、通りの向こう側に消えていった。

「また会いたいよ、まったく」

そんな独り言も、雨の音に紛れてしまったのだろう。

596りん『フューネラル・リース』:2024/07/13(土) 12:24:51
ここは花屋
店内には色とりどりの花が置かれている
そして

「き ぼ う の は な 〜 ♪」

頭から鈴蘭が咲いた10歳くらいの少女がいる
花屋なんだからいても不思議じゃないよね

597夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2024/07/14(日) 18:58:49
>>596

花屋の前を、一人の少女が通りかかった。

      コツ コツ コツ

真紅の『エンパイアワンピース』の上に、
大きな襟の付いた『オーバーサイズジャケット』を羽織り、
『編み上げブーツ』を履いている。

            ジャラジャラジャラ

ジャケットには『ハート』が描かれた『缶バッジ』が大量に飾られている。

        キラッ

目元を覆う『サングラス』は、
『花の女王』として知られる『薔薇の色』をイメージした『ローズレッド』だ。
頭の横には『王冠』を模した『ミニシルクハット』が乗っていた。
その姿は『ハートの女王』を思わせる。

  「希望なんて抱いても、どうせ最後は裏切られる。
   だったら、最初から絶望していた方が救われる」

     「フフフ――――ねえ、りんちゃん。
      私と一緒に絶望してみない??」

どこかで聞いたような声で、少女がりんに呼び掛ける。
これは…………『闇堕ち』の気配!!
『アリーナ』で格上にボコられた『アリス』は、
なんやかんやあって『ハートの女王』となってしまったのだ!!

なんでかって??だって、そのほうがオモシロそうじゃん!!

『ヤミオチ』ってアレでしょ。
『きかんげんていスイーツ』みたいなもんじゃないの??
あんなくらいでずっと凹んでるワケねーだろ!!
まぁ、さいしょはチョットおちこんだけどな!!
『みっか』くらい!!

「例えば、使おうと思ってたクーポン、有効期間が昨日までだった時…………」

さぁ、おもうぞんぶんゼツボウするがいい!!

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599りん『フューネラル・リース』:2024/07/15(月) 17:41:32
>>597
りんの仕事は公園の花を育てる事
鈴蘭が花の世話をするのは常識だよね
そして今日は、花屋に種を仕入れに来たのだが

そこに突如ハートの女王と化したアリスが襲い掛かって来た!

「あ、アリスちゃん
 どうしたのそのかっこう?」

その衣装、
闇堕ちごっこのために揃えたのだとしたら凄い気合の入れようだ

「かわいいねその衣装!」


>希望なんて抱いても、どうせ最後は裏切られる。
>だったら、最初から絶望していた方が救われる

「え、でも希望があるから絶望するんじゃない?」

希望が無ければ絶望も無いし、最初から絶望という事はあり得ない
というのは揚げ足取りだろうか

>例えば、使おうと思ってたクーポン、有効期間が昨日までだった時…………

「それよりアリスちゃん、公園に植える花の種
 どうしようか考えてるんだけどアリスちゃんはどう思う?」

効いてないし聞いてない!

600夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2024/07/15(月) 19:36:42
>>599

この衣装セットを用意するのには、かなりの時間と手間を費やした。
だから褒められるのは嬉しい。
いや、うれしいのはダメだ!!
だって、アリスはヤミオチしたんだからな。
『クーポンをシッコウしてテイカでかうコトになってしまったアイスクリーム』みたいに、
いてついたココロでいなければ!!

「フフフ…………絶望とは『希望ゼロ』の状態…………!!
 最初から希望を持たなければ、たとえ無視されても何とも思わない…………!!」

でも、何故か心にじんわりくる悲しみがある。
これが…………希望??
私の心に、まだ『希望の花』が残っていたというのだろうか??
いや!!そんなのはマヤカシだ!!
アリス・イズ・デッド!!

「――――『キウイフルーツのタネ』とかどう??」

りんの問い掛けに呼応して、心の奥底に幽閉されたアリスが顔を覗かせてくる。
キウイの花が咲くのは、早くても三年は掛かるらしい。
あ!!『キウイのアイス』とかイイんじゃない??

601りん『フューネラル・リース』:2024/07/16(火) 16:00:27
>>600
たった1回の闇堕ちごっこのために何故そこまで
いや、前から持ってた衣装かもしれないし
今後も使うのかもしれないが

「キウイ良いね!
 育てるの結構簡単だし、美味しいし!」
「あー、でも花が咲くのに時間がかかっちゃうなぁ」

う〜ん
ちょっと考えるりん

「うん、ここは新しい風を吹かせるために
 じっくり育ててみようかな」

つる植物であるキウイは
想定していた花壇に植える花とはちょっと違うのだが
これはこれで育て甲斐がありそうだ

「でも夏の花も欲しいなぁ、何にしようかな」


>あ!!『キウイのアイス』とかイイんじゃない??

ジェラートとシャーベット、どっちが良いかな?
ジェラートはミルクの甘さとキウイの酸味が混ざり合って美味しいし
シャーベットはキウイ本来の味を味わえてシャリシャリの氷のような食感も楽しめる

602夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2024/07/16(火) 17:18:33
>>601

そりゃあ一回きりじゃないからな!!
しばらくは闇堕ち(仮)したまんまだ!!
なんかこう『光を取り戻す的なアレ』が起きたら、
キラキラ輝いてアリスに戻ると思うぞ!!

  「『ナツのハナ』…………」

             「――――『スイカ』とか??」

おまえのカダン、たべるモノばっかりじゃねーか!!
『カテイサイエン』とカンちがいしてんじゃねーのかァ〜〜〜〜??
ついでにトウモロコシでもそだててみる??

「キウイとスイカのアイスたべたいなぁ〜〜〜〜」

ジェラートとシャーベットを両方用意したら、組み合わせを試すのもいいかもしれない。
ひとりでたべるとオナカこわすから、みんなでシェアしながら…………。
いや、わたしはヤミオチしたからな!!
ジョオウのモノはジョオウのモノ、みんなのモノもジョオウのモノだ。
でも、オナカいたくなるのはイヤだから、みんなにもわけてやろう。
ジブンのフコウをおしつけようとするゴウマンさ。
これが『ハートのジョオウしきサイバン』…………!!

    「あ!!コレどう??」

        ス ッ

手に取ったのは『ジニア』の種だった。
百日草とも呼ばれるように開花時期が長く、
色や形も豊富で見る人の目を楽しませてくれる。
花言葉は『絆』、『遠い友を思う』、『いつまでも変わらない心』…………。
だから!!こんなんじゃヤミオチになんないんだよ!!
クッ、こしゃくなキボウのハナめ!!

603りん『フューネラル・リース』:2024/07/17(水) 18:07:45
>>602
「あぁ^〜スイカも良いねぇ〜」

>キウイとスイカのアイスたべたいなぁ〜〜〜〜

「そう言われたら食べたくなってちゃったよぉ
 後でスイカバー買いに行こう!」

ところでスイカって人の頭部みたいだよな
ハートの女王がスイカを提案するという事は
まさか、首をはねろという事の暗喩なのか!?
しかし誰の首をはねればいいんだ?


>あ!!コレどう??

「あぁ、ジニア!良いねそれ!」

ジニアはその美しさもさることながら
管理もし易い事から人気の花だ

「これに決めちゃお」

公園に植える新しい花が決定したようだ
しばらくしたら公園にジニアの花が見られるだろう
それとキウイの蔓

「ありがとうアリスちゃん
 あ、そういえばアリスちゃんは何買いに来たの?」

たまたま知り合いがいたから来ただけかもしれないが
花屋に入って来たという事は花を買いに来たのかもしれないし

604夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2024/07/17(水) 20:55:53
>>603

スイカというのは定義が曖昧で、野菜なのか果物なのかよく分からない。
女王様は優柔不断が嫌いなのだ。
このスイカのクビをはねろ!!
なに??コイツにはクビしかないって??
クビしかないならカラダをもってくればいいだろ!!
テキトーなカラダとくっつけてからクビをはねてしまえ!!
さらにソレだけじゃないぞ。
まずミズゼメにしてジューブンひやしておき、
ヨウシャなくきりきざんでから、おいうちでシオもふってやろう。
みせしめのために、ボウでたたいてわってしまうのもたのしそうだな…………。

  「今の私は『ハートの女王』…………」

      「女王陛下に相応しいのは『薔薇の花』…………」

          「そう――――女王は『赤い薔薇』を必要としている」

ハートの女王陛下は、特に赤い薔薇がお好みなのだ。
闇堕ちゴッコの完成度を上げる為に花屋までやって来たのだが、
薔薇の品種は星の数ほど存在している。
赤色だけに限定しても沢山ありすぎて、どれを選べばいいか迷ってしまう。

「だから!!わたしに『にあうバラ』をえらんでほしいなぁ〜〜〜〜!!」

ちなみに『白い薔薇』を勧めてくるような不届き者は、
もちろん首をはねられる事になっている。
それが『ハートのジョオウしきサイバンきそく』の『だい18762じょう』だ。
たったイマきめちゃったからな!!

605りん『フューネラル・リース』:2024/07/18(木) 18:04:40
>>604
わざわざ体を付けてからはねるのか…

一般的に果物は樹木になるもので
一年生植物や多年生植物は野菜として分類されるが
スイカやいちご市場では果実的野菜(果野類)として扱われているわけだが
やっぱり女王様的にはいちごも優柔不断だから駄目なんだろうか?
バナナとかは実は巨大な草だし、トマトなんかは野菜か果物かで裁判まで起こしているのだが
こいつらも全員首をはねなきゃ駄目か?

「薔薇かぁ、アリスちゃんに合う薔薇って何が良いかな?」

薔薇のコーナーを一瞥して考える

「薔薇って色で花言葉が変わるんだけど
 本数とか状態や組み合わせでも違うんだよね
 薔薇だけでこんなに色々花言葉作る人間って凄いよねぇ〜」

あまりにも複雑すぎて
ぜんぶおぼえられるかよ!!って感じだが

「あ、これアリスちゃんに似合うんじゃないかな?」

りんが選んだ黒赤い薔薇
ルイス・キャロルという品種の薔薇だ
香りは強めだが良い匂いがする

606夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2024/07/18(木) 23:31:02
>>605

女王は赤色が好きなので、被告が同色を含む場合は情状酌量される事になっている。
イチゴとトマトは許されるが、バナナには適用されない。
ついでにバナナの首も一緒にはねて、バナナスムージーの刑にしてやろう。

「ほぇ〜〜〜〜りんちゃんはモノシリだなぁ〜〜〜〜。
 そんなにバリエーションがホウフだとは、ジョオウのジショにものってなかった!!
 このセカイって、やっぱりフシギにあふれてるよねぇ」

視力を得てから色々なものを見てきたが、薔薇の話だけでも知らない事は数え切れない。
無限大の世界を夢見ると、アリスの好奇心が刺激される。
しかし、今はハートの女王。
なんかヤミ??とかゼツボウ??みたいなのにとらわれてるからな。
まだまだアリスにはもどらないぞ!!

「『ルイス・キャロル』!!さすが、りんちゃんはわかってる!!」

勧められた薔薇の花を手に取り、顔の前まで持ってくると、
視覚・嗅覚・触覚を使って十分に観察する。
イメージにピッタリなのも気に入ったが、りんが選んでくれたというのが嬉しい。
光が差し込んでくるような気分だが、心の闇は簡単には負けないのだ。
きっとキボウをあたえてからゼツボウさせようという、
ザンコクなウンメイのイタズラにちがいない!!
いてついたココロをもちつづけるコトこそ、ユイイツのすくい…………!!

「じゃあさ、カイモノがおわったらコンビニでスイカバーかってイッショにたべない??」

だが、今だけは罠に乗ってやる…………。
運命という大いなる敵の手の内を探る為だ。
りんちゃんとイッショにスイカバーがたべたかったワケじゃないんだからね!!

607りん『フューネラル・リース』:2024/07/19(金) 20:49:19
>>606
じゃあ白いいちごや青いトマトは許されないのだろうか?

「だよね!
 不思議な事がいっぱいで全然飽きないよね!」

アリスちゃんも嬉しそうだし、りんも何だか気分が良い

>じゃあさ、カイモノがおわったらコンビニでスイカバーかってイッショにたべない??

「良いねぇ
 じゃあさキウイのアイスも買って食べ比べしようよ
 うち奢っちゃうからさ!」

しかしキウイのアイスといえば何が良いんだろう?
ガリガリ君か、それともパピコか

608夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2024/07/19(金) 23:41:37
>>607

暴君に見えて、女王様は心が広いところもある。
赤いイチゴや赤いトマトが仲間を弁護するなら聞き入れよう。
なにかいいたいコトがあれば、ジユウにハツゲンしてもよいぞ。
ん??イチゴやトマトはしゃべらないって??
だったらクビをはねるしかないよなぁ〜〜〜〜!!

「くふふふ…………この薔薇さえあれば、ハートの女王は究極形態に…………!!」

           ――――――トスッ

ルイス・キャロルを一輪買って、それを王冠型のミニシルクハットに挿してみる。
赤い薔薇が加わって、よりハートの女王らしくなった。
黒みがかっているのが闇堕ちっぽくて、なかなかいい感じだ。

「パワーアップした女王の力、りんちゃんに見せてあげる!!」

        バ ッ !

ポケットから取り出したのは、ガリガリ君の当たり棒だ。
ちゃんと洗ってから乾かして、サランラップに包んであった。
クーポンは失効してしまったが、これを使えばガリガリ君と交換できる。

「よし!!ついでにパピコもかってシェアしちゃおうぜ!!」

ゼンブひとりじめしたらオナカいたくなるからな。
りんちゃんにもフコウをおすそわけだ!!
ハートのジョオウのおそろしさを、このよにタップリとしらしめてやる!!

609りん『フューネラル・リース』:2024/07/20(土) 14:11:46
>>608
アタック・オブ・ザ・キラートマトでトマトが喋ってたし
トマトは喋るかもしれないしキラーイチゴだっているかもしれないじゃん

「ガリガリ君の当たり!?
 凄いよアリスちゃん、レアじゃん!」

赤城乳業は当たりの確立を公表してはいないが
一説には4%くらいらしい
交換するより棒のまま取っとくか
メルカリに出してマニアに売った方が……
いや、こういうのはアイスと交換するのが楽しいのだろうか?

ともかく、
これからコンビニでアイスを買いに行こう!
って話だが、アイスの話をしていたら
ふとりんにある考えが過った

「鈴蘭の実のアイスなんてどうかな?」

鈴蘭の実の果汁を豪勢に33%配合
果肉もたっぷり入れて本格的な鈴蘭を味わえる鈴蘭アイスだ
鈴蘭の実は赤いから女王様も気に入るだろう、多分

問題は普通の人間が食べれば即死するだろうという事だが


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