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【場】『 大通り ―星見街道― 』 その3

860村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2025/11/08(土) 02:28:25
>>859

 「その考えはなかったな。
 いわれてみりゃあそうかもしれん。」

手にした短い煙草はゆっくりと燃える。村田はそれが気に入っていた。
ニコチンでぼんやりする頭と合わせて、時間がゆったり流れるような気がするからだ。

 「おれはあんまり愛想のいいほうじゃあねえからな。会わねえようにしてんだ。
 うっかり鉢合わせしちまったら、お互いに口より先に手が出かねない。」

 「おれの見てねえとこで元気してくれてりゃ、それで十分なんだ。」

自嘲気味に笑い、煙を吐き出す。
『自己満足』。そんな言葉が浮かんでくるが、煙に混ぜて吐き出してしまうことにした。

 「正直仲は良くねえ。考えも真逆だ。誉め言葉よりも悪態のほうがよく思いつく。
 さんざんヒトのことひっかきまわした挙句、ケツまくるのまで他人に任せやがる。とんでもねえヤツだ。」

 「だが」

 「『ダチ』には違いねえんだ。」

861コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』:2025/11/10(月) 05:26:57
>>860

     「そっかあ…………」

想いや考えは目の前の少年の頭の中にあって、
耳で受けたその言葉だけで十分足りている気がした。

「うーん。あたしが言えることって、
 ぜんぜん、簡単なことしかないみたい!
 こんこんと話す必要なんてなしなし」

それ以上、励ましとか説諭のような言葉は、
付け足す必要を感じなかった。

「お友だち、ちゃんと元気にしててほしいってね!」

          「それだけ、だ、こ〜ん」

だから、付け足すなら祈りだけだった。
茶化す調子ではないのは、声色で伝わるはずだ。

                ヒュ ォ

「わっ、寒〜っ……コヤコヤそろそろ行こうかなっ。
 そういえば〜、お名前。まだ聞いてなかったよね?」

冬の始まりの風が吹き、小さく身震いしてからそう問いかけた。

862村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2025/11/10(月) 23:41:41
>>861

 「口に出さなきゃわからないこともある。
 いまのおれみたいに、『自分自身』にだってわかってねえこともある。」

頭の中で己を顧みることはあっても、口に出すことは少ない。
だからきっと、自分の意志を口にすることは重要なのだ。

それが『宣言』だったとしても、『反省』だったとしても。

 「あいつもきっと『そうしてる』とこなんじゃねえかな。
 いや、達者にしてんなら、『そうせざるを得ない』はずだ。」

笑いながら最後の煙を吹き出し、吸殻を携帯灰皿に始末する。

      ムラタ  エイイチ
 「村田。『村田 瑛壱』。」

 「名前聴いたからっつって、『おたくの生徒が路上喫煙してます』だなんてタレコミは勘弁だぜ。
 別段困るってこともねえが、喧嘩打ってくる馬鹿の相手をすんのは疲れるんだ。」

863コヤシキコヤネ『サイレント・ライト』:2025/11/11(火) 06:02:50
>>862

「だからみんな誰かと……ううん、誰かに喋りたいんだよね〜。
 気持ちを言葉にして、こんこん話して。
 そしたらいつか、自分の気持ちを自分のものにできるんだろうね」

そうすれば、煙と一緒じゃなくても……
心の中の煤けたものを吐き出せるだろうから。

「エーイチちゃんだね!よろしくよろしく。
 大丈夫大丈夫、コヤコヤこれで結構口は硬いこ〜ん」

軽薄な口ぶりではあったけれど、
実際問題、人に話す気などない。

「あたしたちの出会いに〜コンコングラッシュレーション!
 それじゃ、またどこかで会ったらよろしくねえ」

              タタッ

キツネのハンドサインを手で作って振り、歩き去っていった。

864宗像征爾『アヴィーチー』:2025/12/23(火) 09:20:34

カーキ色の作業服を着た壮年の男が、クリスマスを目前に控えた通りを歩いている。
両手は使い込まれた革手袋で覆われており、足元は無骨な安全靴だ。
賑やかな雰囲気の中で、その風貌は浮いているように見えた。

        ザッ

人間は『何もない状態』には耐えられない。
それは単に退屈という意味ではなく、『刑罰』においても同じことが言える。
刑務作業を伴わない『禁錮刑』は、
『懲役刑』よりも罪の軽い懲罰として位置づけられていた。
しかし、多くの受刑者達は自ら望んで労働に従事しており、
『純粋な禁錮刑の受刑者』と呼べる者は、ほとんど存在していないのが実情だ。
だからこそ『刑法』が改正されたのだろう。

             ザッ

今年から『懲役』と『禁錮』は廃止され、『拘禁刑』に一本化された。
明治時代から『118年』を経て、『新たな刑罰』が誕生したことになる。
どんな場所にも『変化』は訪れるものらしい。

                   ザッ

しかし、俺自身の状況は変わらない。
俺にとっては『仕事』が全てだ。
それがない時は何もやることがなくなり、
時間を潰すための適当な手段が思いつかない場合、今のように歩くしかなくなる。

「『休館日』に行き当たる可能性を考えていなかった」

ここ最近は『H市立図書館星見分館』に通っていたのだが、
今日は閉まっており、その代わりとして『星見街道』に足を運ぶ形となった。

「――去年は『イトウ』を捌いたな」

飾り付けが施された街並みを眺め、りんと共に『児童施設』へ赴いたことを思い出す。

865宗像征爾『アヴィーチー』:2025/12/25(木) 10:01:45
>>864

どうやら、いつの間にか『24時』を過ぎていたらしい。
『日付』が変わったことに気付いたのは、
すれ違った通行人の会話が耳に入ったからだ。
今、星見町は『12月25日』を迎えた。

        ザ ッ

不意に『何か』を感じ、その場で足を止めて振り返る。

866宗像征爾『アヴィーチー』:2025/12/26(金) 08:42:33
>>865

一瞬、見覚えのある姿が視界に入ったように感じる。
しかし、『死んだ人間』は戻ってこない。
そう思い直した時には、既に跡形もなく消え失せていた。

「――――妙なこともあるものだ」

現実に立ち返り、再び歩き出す。

       ザッ

たとえ刑期を終えたとしても、俺自身の本質は変わらない。
どのような手段であろうと、この命が尽きるまで『贖う』。
だからこそ、俺にとっては『仕事が全て』だ。

867アリアドネ『アリアドネ』:2025/12/31(水) 11:59:08

公園のベンチに外国人らしき女が座り、
好物の『ロブスターロール』を齧っていた。

小麦色の肌に彫りの深い顔立ちのエキゾチックな容姿で、
ダークブロンドのソバージュヘアをポニーテールに纏めている。
ノースリーブとミニスカートのセットアップに、
クラシックなトレンチコートをマントのように羽織っていた。
靴はハイヒールを履いており、露出度の高い服装と相まって、
水商売風にも思える格好だ。

彼女は『アリアドネ』。
女性ホルモンの『エストロゲン』が多く分泌される体質で、
それが若々しいハリとツヤを保ち、外見こそ『二十代』に見えるものの、
本当の『実年齢』は誰も知らない。
ちなみに、ロブスターは『老化しない生物』なのだが、
それが本人の嗜好と関係しているかは不明である。

ちなみに、今は仕事の合間の『休憩中』だった。

868縁藤『クロス・ザ・ルビコン』:2026/01/02(金) 17:33:09
>>867

           タッ タッ タッ タッ

日課のジョギング、いくつかあるコースの一つ。
その終着点がこの公園であり、ベンチで休憩するのが習慣だった。

「ふぅー…………」

スピードを緩めつつ公園に入っていき、
左手の腕時計で時間を確認しながら、右手で水筒を取り出す……と。
ここで顔を上げ、初めてアリアドネの存在に気付いた。

「…………ども」 ペコリ

軽く会釈を送り、その隣のベンチに腰を下ろす。
いつも通り10分ほど休憩していく予定だ。
ちなみにこちらは黒いジャージ姿の、高校生の青年である。

869アリアドネ『アリアドネ』:2026/01/03(土) 10:42:31
>>868

特に意識することもなく、
ぼんやりと目の前の景色を眺めていた時、青年の姿が視界に入ってくる。

    「こんにちはぁ」

              ペコッ

あちらに会釈されたので、こちらも同じように頭を下げる。
同時に返した挨拶の言葉は日本語だった。
瞼を下ろし気味の気だるげな表情で、刺々しさは感じさせない。

「――――運動部の個人練習?」

「あんな風に走ってる人を見ると、
 こっちも『たまには運動しないと』って思う。
 でも、結局は大抵しないんだけどねぇ」

縁藤の格好を眺めながら、柔らかい声色で軽く笑う。
アリアドネのモットーは『無難に生きること』であり、
そのためには適度に世の中と付き合わなければならない。
だから挨拶だけではなく、ほどほどに世間話もする。

870縁藤『クロス・ザ・ルビコン』:2026/01/03(土) 19:20:02
>>869

「……ああ、いや」

こちらから会話を始めるつもりはなかったが、
『話しかけられるかも』とは思っていたし、別に嫌でもなかった。

「『帰宅部』っス。
 最初は『陸上部』やってたんスけど、半年も経たずに辞めちまって」

「だから、これはただの趣味」

水筒に口を付ける。これまでにも何度か交わしてきた覚えのある会話だ。

「健康のためなら、水泳とかの方が良いらしいっスよ」

「走りすぎると逆に体に悪いとかなんとか」

小耳に挟んだレベルの話なので、信憑性は定かでない。
だが、雑談ってそういうものだろう、とも思う。

871アリアドネ『アリアドネ』:2026/01/04(日) 11:02:45
>>870

縁藤が水筒に口を付けると同時に、こちらもロブスターロールを齧った。

「ふぅん、趣味ねぇ。
 でも、長く続けようと思ったら、それくらい緩い方が良いのかも。
 何事も『ほどほど』が一番よ」

世間話の範疇から外れないために、『辞めた理由』については触れない。

「水泳やってみようかな?ま、多分やらないわ」

                 スゥッ

相槌を打つように笑うと、億劫そうに脚を組み替え、ズレたコートを直す。

「こっちも『お得意様』と縁が切れちゃって、最初どうしようかと思ったけど。
 振り返ってみると、なんというか『潮時』だったから」

今の時間は夕方であり、露出の多い服装は『夜の仕事』を思わせる。

872縁藤『クロス・ザ・ルビコン』:2026/01/04(日) 16:54:19
>>869

「はは。まあ、そうっスね」

苦笑を浮かべつつ、相槌を打つ。
自分のランニングは到底『ほどほど』の範疇には収まらないだろう。
話の腰を折るほどのことでもないので、黙っているが。

「ダイエットとかでもなければ、
 歩くだけでも充分なんじゃないっスかね。若いうちは」

もちろん、縁藤もアリアドネの本当の年齢など知る由もない。
見た目からして二十代だろう、と素直に考えていた。

「『お得意様』っスか。仕事は何を?」

そして同じく、『水商売』か何かだろう──とは思っていたが、
失礼だし、違っていたら大変なので、口には出さない。
露出の多い服装にも、なるべく視線は移さない。

873アリアドネ『アリアドネ』:2026/01/05(月) 11:58:41
>>872

当たり前ではあるものの、縁藤の『心臓』のことは何も知らないので、
それに纏わる『心境』についても理解の範囲外だった。

     ──────ピキッ

              「あは…………まあ、そうね」

ちょっと他所見していたら見落としそうな一瞬、不意に気だるい笑みが固まった。
アリアドネにとって『年齢に関わる話題』はタブーだ。
そういった反応のせいで、『実年齢は見た目の倍以上』という噂も流れている。
無論、あくまでも彼女の周りが知っている程度の話であり、
初対面の縁藤が把握していないのは当然だろう。
だからこそ、アリアドネ自身も『爆発』には至らない。

「ふふ、お仕事はねぇ――『男と女』に関係する内容とだけ言っとくわ。
 詳しくはプライバシーってことで、ね」

すぐに気持ちを切り替え、先程と同じような緊張感の薄い表情を取り戻す。

874縁藤『クロス・ザ・ルビコン』:2026/01/05(月) 22:47:11
>>873

「────?」

アリアドネの様子の変化には気付いたものの、その真意、
そしてトリガーが『年齢』であることには、なおさら辿り着けない。
怪訝そうに眉をピクリと動かしたが、それだけだ。

「……俺にはまだ早そうな世界っスね」

同じく、思考はすぐに次の話題のことに移った。
婉曲的な表現とはいえ、『男と女』と言われれば察するものがある。
わざとそれっぽい言い方をして煙に巻いている可能性もなくはないが、
仮にそうだったとしても、今は素直に騙されておこう。

「ま、縁ってものはあるっスよね。
 それに逆らっても、あんまり良い結果にはならないっつーか」

「来る者は拒まず、去る者は追わず……ってやつ?」

例の『お得意様』のことだ。
縁藤自身、人間関係にはそこまで頓着しないタイプである。
結果として、友人の数は多くもなく少なくもなく、といった感じだ。


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